JP2003012309A - 13族窒化物結晶の製造方法 - Google Patents
13族窒化物結晶の製造方法Info
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Abstract
晶を危険性の少ない条件で容易に製造できるようにする
ことを目的とする。 【解決手段】13族窒化物結晶の製造方法であって、少
なくとも1種類の13族元素を含む金属及び/又は化合
物と、その13族元素を含む金属及び/又は化合物に対
して2倍モル以上のアルカリ金属アミドとを密閉された
容器内で、不活性ガス雰囲気において、加熱し、前記ア
ルカリ金属アミドを溶融させた後、冷却する。
Description
造方法に関するものである。
aNを例とするとGa2O3とアンモニアガスの反応に
よる固相合成法とMOCVD、HVPE等の気相成長法
が主流である。しかしながら、これらの方法で合成した
GaNは実用上必ずしも十分な性質を備えているとは言
えない。例えば、純度が低い、結晶性が悪い、欠陥が多
いという問題がある。
成長法に比べて高品質な結晶を得やすいという特徴があ
る。GaNの溶液合成法はS.Porowski(文献1)、R.Dw
ilinski(文献2)らによって報告されている。
結晶が得られている。
GaN粉末結晶が得られたと報告されている。
97)174-188"Thermodynamical properties of III-V nit
rides and crystal growth of GaN at high N2 pressur
e" S.Porowski 文献2:Acta Physica Polonica A 88(1995)833-836"Ga
N SYNTHESIS BY AMMONOTHERMAL METHOD" R.Dwilinski
の方法は2000MPa、文献2の方法は100〜50
0MPaという高圧が必要であり危険を伴う。また、工
業生産を考えると高圧装置のため非常に高価な設備が必
要となる。
害なアンモニアを使用するため危険であるばかりか、ア
ンモニアを排気する際には除害のための費用も必要とな
る。
たもので、有害な雰囲気ガスの使用量を最小限に抑え、
危険性の少ない圧力で13族窒化物結晶の合成、特に溶
液合成を可能とすることを目的とする。
に、以下の(1)〜(9)の本発明の構成によって達成
することができる。 (1)原料として、少なくとも1種類の13族元素を含
む金属及び/又は化合物と、その13族元素を含む金属
及び/又は化合物に対して2倍モル以上のアルカリ金属
アミドとを密閉された容器内で、不活性ガス雰囲気にお
いて、加熱し前記アルカリ金属アミドを溶融させた後、
冷却することを特徴とする13族窒化物結晶の製造方
法。 (2)前記不活性ガスには該不活性ガスと異なるガスを
少なくとも1種類以上を添加することを特徴とする
(1)に記載の製造方法。 (3)前記13族元素を含む化合物は13族元素のアミ
ド又はイミド化合物であることを特徴とする(1)又は
(2)に記載の13族窒化物結晶の製造方法。 (4)前記アルカリ金属アミドはリチウムアミド、ナト
リウムアミド、カリウムアミド又はこれらの混合物であ
ることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれか1項に
記載の製造方法。 (5)前記雰囲気におけるガスの圧力が20〜0.1M
Paであることを特徴とする(1)乃至(4)の内のい
ずれか1項に記載の製造方法。 (6)前記原料に2族から12族及び14族から17族
の元素よりなる群から選択される少なくとも一種の元素
を含む物質を添加することを特徴とする請求項(1)乃
至(5)のいずれか1項に記載の製造方法。 (7)前記化合物の添加量が13族元素を含む金属及び
/又は化合物に対して0.0001〜10重量%である
ことを特徴とする(6)に記載の製造方法。 (8)前記容器内において、単結晶からなる種結晶又は
基板を配することを特徴とする請求項(1)乃至(7)
の内のいずれか1項に記載の製造方法。 (9)前記加熱中において、容器内において温度勾配を
設け、前記種結晶又は基板を低温部に配することを特徴
とする(8)に記載の製造方法。
方法は、上記課題を解決するために、少なくとも1種類
の13族元素を含む原料とアルカリ金属アミドを密閉さ
れた容器内で、不活性ガス雰囲気において加熱処理する
13族窒化物結晶の製造方法において、アルカリ金属ア
ミドが13族原料よりも過剰であり、溶融したアルカリ
金属アミドで13族元素を含む原料を処理するものであ
る。本発明においてアルカリ金属アミドは13族窒化物
結晶の生成を促進するとともに13族原料を溶解する役
割を担う。上記文献2に示す方法は13族元素を含む原
料、アルカリ金属アミド、アンモニアからなる系で13
族窒化物結晶を製造する方法であるが、この方法は高温
高圧のアンモニアを反応場とし、アンモニアに13族原
料とアルカリ金属アミドを溶解するものである。これに
対し、本発明は溶融したアルカリ金属アミドを反応場と
し、これに13族元素を含む原料を溶解することを特徴
とする方法である。13族原料とアルカリ金属アミド融
液の接触面積を大きくする目的と13族原料を溶解する
目的とからアルカリ金属アミドは大過剰に加えられる。
また、本発明において密閉された雰囲気にするのはアル
カリ金属アミドの分解を防ぐためであり、アルカリ金属
アミドが分解しない条件であれば、文献2の方法のよう
に数百MPaまで昇圧する必要はなく、本発明は常圧下
でも可能である。
により特願2000-376412号公報が出願されている。特願2
000-376412号公報は少なくとも1種類の13族元素を含
む原料とアルカリ金属アミドをアンモニア雰囲気で加熱
処理する13族窒化物結晶の製造方法である。本願出願
人は密閉された不活性ガス雰囲気下でも特願2000-37641
2号公報と同様に13族窒化物結晶の製造が可能である
ことを見出し本発明に至った。本発明により特願2000-3
76412号公報よりも安全かつ安価に13族窒化物結晶を
製造することが出来る。
を製造することを目的の1つとしているが、13族元素
を含む原料がアルカリ金属アミド融液に溶解しない不均
一系の反応によっても13族窒化物結晶を製造すること
ができる。
説明する。
B、Al、Ga、In等が挙げられる。本発明における
13族原料には13族元素の金属又は合金や13族元素
を含む化合物が用いられる。13族元素の金属として
は、Al、Ga、Inが好ましく用いられ、13族元素
の合金としてはAlとGaの合金又はGaとInの合金
が好ましい。13族元素を含む化合物としては、13族
アミド、13族イミドであって、好ましくはアルミニウ
ムアミド、アルミニウムイミド、ガリウムアミド、ガリ
ウムイミド、インジウムアミド、インジウムイミドが用
いられる。また、13族窒化物結晶の改質、薄膜及びバ
ルク単結晶の合成を目的とする場合には、13族窒化物
を原料として用いることが可能であり、AlN、Ga
N、InN及びこれらの混晶が好ましく用いられる。
よく、不純物としては、2族から12族及び14族から
17族の元素よりなる群から選択される少なくとも一種
の元素を含む物質が用いられるが、好ましくはアルカリ
土類金属、希土類、12族、14族の元素を含む物質が
用いられ、より好ましくはアルカリ土類金属元素として
Be、Mg、Ca、Sr、Ba、希土類元素としてP
r、Nd、Sm、Eu、Dy、Ho、Er、Tm、12
族元素としてZn、Cd、14族元素としてSi、G
e、Sn等の元素を含む金属やアミド、イミド、窒化物
等の化合物が用いられる。
として前記アミド又はイミド化合物を使用することが特
に好ましい。前記アミド又はイミド化合物はアルカリ金
属アミドに化学構造が類似しているため、13族原料及
び不純物の溶解度を上げることができるからである。
ウムアミド、ナトリウムアミド、カリウムアミドおよび
これらの混合物が挙げられる。添加量は13族原料の2
〜10000倍モルであり、好ましくは10〜1000
0倍モルである。この添加量が13族原料の2倍よりも
少なければ、13族原料とアルカリ金属アミドの反応が
不十分となる。しかしながら、前記に示す範囲の添加量
とすることで反応が円滑に進行し具体例としてはGaN
を合成することができ好ましい。
られるが、窒素又はアルゴンが好ましい。本実施形態に
おいて不活性ガスを用いることにより結晶性が良いとい
う特性を有し、かつ安全で安価に13族窒化物結晶を製
造することができる。さらに不活性ガスには前記不活性
ガスと異なるガスを添加してもよく、具体例としてアン
モニア、水素、一酸化炭素、硫化水素が挙げられるが、
アンモニア又は水素が好ましく、アンモニアがより好ま
しく用いられる。本発明における添加とは特に量を限定
するものではないが、好ましくは不活性ガスの50%以
下である。
結晶を加え、種結晶を核として結晶を成長させることが
一般に行われている。また、薄膜結晶を成長させる場合
は薄膜の土台として基板を使用するのが一般的である。
本発明においても単結晶からなる種結晶又は基板を使用
することができる。種結晶又は基板としては反応条件下
で安定であり、結晶構造、格子定数、熱膨張係数が目的
とする13族窒化物に類似した材料からなることが好ま
しく、目的とする13族窒化物と同じ材質であることが
より好ましい。具体例としてはAlN、GaN、Si
C、GaAs、サファイア、MgAl2O4、NdGa
O3、LiAlO2、LiGaO2、ZnO、MgOが
挙げられる。ここで単結晶とはどの部分においても任意
の結晶軸の向きが同じである結晶を示すものとする。ま
た、サファイアなど異種基板上に13族窒化物結晶を成
長させたものも用いることができる。種結晶又は基板の
大きさは反応容器の大きさ及び目的とする13族窒化物
結晶の大きさに応じて選ぶことができる。
アミドの融点以上である必要があり、210℃〜100
0℃の範囲、好ましくは210℃〜600℃である。
a、さらに好ましくは5〜0.1MPa、より好ましく
は2〜0.1MPaである。圧力条件が20MPa以上
であれば、取り扱いが危険であり、製造設備が高価にな
る。また、0.1MPa以下であればアルカリ金属アミ
ドが分解し13族窒化物結晶を合成することが出来な
い。
く、より好ましくは24時間以上である。
を用いて、13族窒化物結晶の製造工程を以下に示す。
囲気下で13族原料とアルカリ金属アミドを入れ密閉す
る。また、この系内に単結晶からなる種結晶又は基板を
入れることもできる。ここで圧力容器1とは反応条件下
において耐熱性、耐圧性及び13族原料、アルカリ金属
アミド、雰囲気ガスに対して安定である性質を有するも
のである。
る雰囲気ガスを導入し、内部を置換する。ただし、この
工程は省略してもよい。
後、ヒーター2で所定の温度まで加熱する。また、攪拌
機7で撹拌してもよい。
後、室温まで冷却する。
を窒素置換した後、内容物を取り出す。本発明における
目的物である13族窒化物結晶はアルカリ金属アミドに
沈んだ状態で2層に分かれた状態で得られるため両者の
分離は容易であり、またアルカリ金属アミドを再利用す
ることができる。
カリ金属アミドが付着しているため、塩酸で処理してア
ルカリ金属アミドを溶解し、その後、不溶物を濾別し、
水洗し、乾燥することにより13族窒化物結晶を得る。
Ga(NH2)3粉末を1.01g、LiNH2粉末を
17.34gとり、容器を密閉した。400℃で32時
間保持した結果、圧力は0.3MPaまで上昇した。
理し、さらに不溶物を濾過し、水洗して白色粉末0.3
0g(収率42%)を得た。得られた粉末のX線回折を
図2に示す。
重量%添加したGa(NH2)3を1.67g、LiN
H223.83gを内容積283mlの圧力容器にと
り、密閉した。400℃で24時間保持した結果、圧力
は0.8MPaまで上昇した。
さらに不溶物を濾過し、水洗して淡黄色粉末0.95g
(収率81%)を得た。得られた粉末のX線回折を図3
に示す。
重量%添加したGa(NH2)3を1.67g、LiN
H223.83gを内容積283mlの圧力容器にと
り、密閉し、400℃で24時間保持する。
さらに不溶物を濾過し、水洗するとMgが添加されたG
aN結晶を得ることが出来る。
にAl(NH2)3粉末を1.05g、LiNH2粉末
を24.11gとり、容器を密閉し、400℃で32時
間保持する。
理し、さらに不溶物を濾過し、水洗するとAlN結晶を
得ることが出来る。
よれば、有害な雰囲気ガスの使用量を最小限に抑え、危
険度の少ない圧力条件で溶液からの窒化物結晶の製造が
可能となる。そのため、結晶性の良い13族窒化物結晶
を安全かつ安価に製造するすることができる。
造装置の断面模式図である。
ある。
ある。
Claims (9)
- 【請求項1】原料として、少なくとも1種類の13族元
素を含む金属及び/又は化合物と、その13族元素を含
む金属及び/又は化合物に対して2倍モル以上のアルカ
リ金属アミドとを密閉された容器内で、不活性ガス雰囲
気において、加熱し、前記アルカリ金属アミドを溶融さ
せた後、冷却することを特徴とする13族窒化物結晶の
製造方法。 - 【請求項2】前記不活性ガスに少なくとも1種類の前記
不活性ガスと異なるガスを添加することを特徴とする請
求項1に記載の製造方法。 - 【請求項3】前記13族元素を含む化合物は13族元素
のアミド又はイミド化合物であることを特徴とする請求
項1又は2に記載の13族窒化物結晶の製造方法。 - 【請求項4】前記アルカリ金属アミドはリチウムアミ
ド、ナトリウムアミド、カリウムアミド又はこれらの混
合物であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか
1項に記載の製造方法。 - 【請求項5】前記雰囲気におけるガスの圧力が20〜
0.1MPaであることを特徴とする請求項1乃至4の
内のいずれか1項に記載の製造方法。 - 【請求項6】前記原料に2族から12族及び14族から
17族の元素よりなる群から選択される少なくとも一種
の元素を含む物質を添加することを特徴とする請求項1
乃至5のいずれか1項に記載の製造方法。 - 【請求項7】前記化合物の添加量が13族元素を含む金
属及び/又は化合物に対して0.001〜10重量%で
あることを特徴とする請求項6に記載の製造方法。 - 【請求項8】前記容器内において、単結晶からなる種結
晶又は基板を前記アルカリ金属アミド溶液内に配するこ
とを特徴とする請求項1乃至7の内のいずれか1項に記
載の製造方法。 - 【請求項9】前記加熱中において、容器内の前記アルカ
リ金属アミド溶液に温度勾配を設け、前記種結晶又は基
板を低温部に配することを特徴とする請求項8に記載の
製造方法。
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JP2006083055A (ja) * | 2004-08-20 | 2006-03-30 | Mitsubishi Chemicals Corp | 金属窒化物および金属窒化物の製造方法 |
JP2014172813A (ja) * | 2013-03-13 | 2014-09-22 | Taiheiyo Cement Corp | 金属窒化物の製造方法 |
WO2020040149A1 (ja) | 2018-08-22 | 2020-02-27 | 国立大学法人北海道大学 | 窒化処理液、窒化処理金属酸化物の製造方法及び窒化処理酸化インジウム膜 |
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2001
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KR20210031960A (ko) | 2018-08-22 | 2021-03-23 | 국립대학법인 홋가이도 다이가쿠 | 질화 처리액, 질화 처리 금속 산화물의 제조 방법 및 질화 처리 산화인듐막 |
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