JP2006076164A - 液体噴出装置及びインクジェットヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】変位ばらつきをさらに改善することが可能な液体噴出装置及びインクジェットヘッドを提供する。
【解決手段】圧電体の内部に内部電極を具備する圧電アクチュエータを、液滴噴出孔18に連通する複数の液体加圧室14が設けられた流路部材11上に設けてなる液体噴出装置において、前記流路部材11が導電性材料からなり、前記内部電極と前記流路部材11との間に前記圧電体よりも誘電率の低い低誘電率層3を形成してなることを特徴とし、また、圧電体からなる振動板2の上に、一対の電極4、6で圧電体層5を挟持してなる変位素子7が複数設けてなる圧電アクチュエータ1を、液滴噴出孔18に連通する複数の液体加圧室14が設けられた流路部材11上に設けてなる液体噴出装置において、前記流路部材11が導電性材料からなり、前記振動板2の内部に該振動板2よりも誘電率の低い低誘電率層3を形成してなることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、微細な変位を発生せしめることにより、各種デバイスの位置決めや加圧に用いられる圧電アクチュエータと、これを利用したインクジェットヘッドに関するものである。
近年、各種装置の小型化及び高精度化に伴い、微細な制御や応答を可能とする各種圧電アクチュエータの利用が拡大している。
このような微細な圧電アクチュエータをインクジェットヘッドは、例えば、図2(a)に示したように、圧電アクチュエータ21が、内部に液体流路を具備する流路部材31の上に設けられた構造を有する(例えば、特許文献1参照)。
圧電アクチュエータ21は、振動板22上に共通電極24、圧電体層25及び個別電極26がこの順にそれぞれが1層以上積層してなる駆動素子27が形成され、個別電極26は、図2(b)に示したように、圧電体層25の表面に複数マトリックス状に配列されている。また、流路部材31は、複数のインク加圧室34が隔壁35によって仕切られ、インク加圧室34は圧電アクチュエータ21に当接するように並設されている。
圧電アクチュエータ21は、それぞれのインク加圧室34の直上に各個別電極26が位置するように配列して流路部材31上に配置し、各インク加圧室34にはそれぞれインク吐出口38が連通している。
そして、共通電極24と所定の個別電極26との間に電圧を印加して、駆動素子27を変形させることによって、変位領域27aが振動板22と共に屈曲変形し、該個別電極26直下のインク室34の体積を変化させ、インク加圧室34内のインクを、流路部材31の底面に開口したインク吐出口38よりインク滴を吐出する。
このような圧電アクチュエータを用いた液体噴出装置は、液体の噴出孔が複数設けられ、各噴出孔に連通するインク室に対応する圧電アクチュエータの各変位素子の変位にばらつきがあり、その結果、噴出する液滴の噴出速度や液滴量がばらついて、印刷状態が低下する問題があった。
そこで、各液室に対応する変位部の静電容量が異なるため、液室毎の駆動電圧が一定の場合に、液滴の噴射速度は圧電体層の容量の大きさに比例するため、静電容量の大きな液室が液滴噴射速度が高くなる。そこで、各変位部の静電容量を測定し、その静電容量の大きさに基づいて、各変位部を、分極条件を変えて分極することによって変位ばらつきを改善することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、PZTの分極量が異なる場合、インクチャンネルに対応するPZTに対してレーザー光を照射してPZTの分極量を減少させて各インクチャンネルに対応する分極量が均一になるように調整することによって、PZTの変位量を調整することが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
さらに、圧電体薄膜の場合、駆動履歴のある変位素子と駆動履歴のない変位素子との間で分極に差が生じ、残留分極が発生するため、駆動波形とは逆極性の連続的なパルス波形を圧電体に印加することによって、残留分極による変位ばらつきを低減することが提案されている(例えば、特許文献4参照)。
特開2001−162796 特開2003−231263号 特開平10−226080号 特開2003−80698号
しかしながら、特許文献2〜4に記載の手段を用いて変位ばらつきを抑制する方法によって、従来に比べて変位ばらつきが小さくなるものの、例えば、圧電アクチュエータがインクジェットヘッドに使用された場合、変位量が低下して噴出する液滴量が低下することがあるため、上記の手法だけでは各変位素子の変位ばらつきを充分に抑制できないことがあるという問題があった。
よって、本発明は、変位ばらつきをさらに改善することが可能な液体噴出装置及びインクジェットヘッドを提供することを目的とする。
本発明は、流路部材が導電性部材の場合に、内部電極との間で電位差が生じ、その結果変位状態に影響を及ぼすという新規な知見に基づき、圧電素子の被拘束部において、誘電率の低い絶縁材料からなる層を設けることにより、該圧電素子を拘束する部位との間に生じる電位差によって、該圧電素子の被拘束部の分極状態が変化することを抑制することを見出し、その結果、圧電アクチュエータの変形特性が低下したり、制御不能となることを防止することができる。
即ち、本発明の液体噴出装置は、圧電体の内部に内部電極を具備する圧電アクチュエータを、液滴噴出孔に連通する複数の液体加圧室が設けられた流路部材上に設けてなる液体噴出装置において、前記流路部材が導電性材料からなり、前記圧電体の内部に、前記内部電極と前記流路部材との間に位置するように前記圧電体よりも誘電率の低い低誘電率層を形成してなることを特徴とする。
また、圧電体からなる振動板の上に、一対の電極で圧電体層を挟持してなる変位素子が複数設けてなる圧電アクチュエータを、液滴噴出孔に連通する複数の液体加圧室が設けられた流路部材上に設けてなる液体噴出装置において、前記流路部材が導電性材料からなり、前記振動板の内部に該振動板よりも誘電率の低い低誘電率層を形成してなることを特徴とする。
特に、前記低誘電率層の比誘電率が50以下であることが好ましい。この場合、圧電素子の電極層と、圧電素子を構成する圧電体層を隔てて対面する拘束部との間の電位差が、上記の誘電率が低い材料層に集中して作用するため、効果的に電位差の影響を抑止できる。
また、記低誘電率層の厚みが0.1〜4μmであることが好ましい。この場合、アクチュエータの変形を阻害することなく効果的に電位差の影響を抑制できる。
本発明のインクジェットヘッドは、上記の液体噴出装置にインクが供給され、前記圧電アクチュエータの駆動によって、前記液滴噴出孔からインク滴の噴出が可能であることを特徴とするものであり、インク滴吐出の性能が低下することや、制御不能となることを抑制することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、インクジェットヘッドに好適に用いられる本発明の液体噴出装置の一例を示す部分断面図である。
この液体噴出装置は、流路部材11上に、圧電アクチュエータ1を設けてなり、該圧電アクチュエータ1は、振動板2の内部に電界を遮断する低誘電率層3を形成し、振動板2の表面に、共通電極4、圧電体層5、個別電極6を順次積層して形成されている。これは、図2において共通電極4、圧電体層5、個別電極6をそれぞれ1層ずつ形成したものであり、図2の振動板上の積層体の最小単位に相当するものである。
圧電アクチュエータ1は、個別電極6と、共通電極4の個別電極6に対向する部位、及びこれらに挟持される圧電体層5の部位とで変位素子7が形成され、個別電極6と共通電極4との間に駆動電圧を印加することによって、厚み横変形に基づいて変位領域7aが流路部材11側にユニモルフ変形する。
流路部材11は、液体加圧室14及びこれに連通する液体噴出孔18を設けており、液体加圧室14は圧電素子7の変位領域7aと位置を揃えて、一体として設けており、変位素子7の変位によって液体加圧室14の体積が減少し、液体を液体噴出孔18から液滴として噴出させることができる。
なお、個別電極6及び共通電極4には、図示してないが、外部接続端子に電気的に接続し、FPC等のフレキシブル配線回路を介して、それぞれ駆動電圧信号を供給するドライブ回路(不図示)とグランド電位に接続されている。また、個別電極上の圧電体層は省略し、個別電極を露出させることも可能である。
圧電体層5は、圧電材料を用いるが、チタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする圧電材料を好適に用いることができる。例えば、圧電体層1が、Sr、Ba、Ni、Sb、Nb、Zn、Yb及びTeのうち少なくとも1種を含むことが好ましい。これによって、より安定した圧電焼結体を得ることができ、例えば副成分としてPb(Zn1/3Sb2/3)O及びPb(Ni1/2Te1/2)Oとを固溶してなるものを例示できる。
特に、Aサイト構成元素として、さらにアルカリ土類元素を含有することが望ましい。アルカリ土類元素としては特にBa、Srが高い変位を得られる点で好ましく、Baを0.02〜0.08モル、Srを0.02〜0.12モル含むことが特に正方晶組成が主体の組成の場合に大きな変位を得るのに有利である。
具体例として、Pb1−x―ySrBa(Zn1/3Sb2/3(Ni1/2Te1/2Zr1−a−b−cTi+αwt%Pb1/2NbO(0≦x≦0.14、0≦y≦0.14、0.05≦a≦0.1、0.002≦b≦0.01、0.44≦c≦0.50、α=0.1〜1.0)で表されものを例示できる。
振動板2としては、所望の絶縁体や導電体を用いることができるが、圧電体層5と略同一材料を用いることが、同時焼成で作製が容易であり、圧電体層5との間で発生する残留応力を小さくする点で好ましい。
共通電極4としては銀、白金、銅、パラジウム又はこれらを主成分とする合金等からなり、個別電極6としては金、銀、アルミニウム、パラジウム、ニッケル、クロム等からなることが良好な導電性を具備する点で好ましい。
本発明のアクチュエータは、流路部材11が導電性材料からなり、振動板2の内部に、振動板2よりも誘電率の低い材料からなる低誘電率層3を設けることが重要である。従来の構造では、内部電極4に電圧が印加されると導電性を有する流路部材11との間に電位差が生じるため、圧電材料からなる振動板2に不要な振動を生じる。また、センサ用電極やヒータ電極等の目的で、共通電極4以外の電極が内部電極(不図示)として、共通電極4よりも流路部材11側に設けられ、内部電極に電圧が印加される場合にも不要な振動が発生する。
また、低誘電率層3が振動板2の内部に形成するのは、低誘電率層3を構成する材料が液体加圧室の液体と接して腐蝕されやすい材料であっても使用可能であり、振動板2との間に発する残留応力を軽減するために選択する材料範囲を広げることができるという効果も有している。
さらに、内部電極がグランドに接地されている場合でも、圧電素子7を駆動する電圧信号が繰り返し印加されると、圧電体層5への電荷の充放電によってグランドに接地している共通電極4に電流が流れ、流路部材11との間に電位差が生じるため、共通電極4と同電位となっている内部電極と流路部材11との間にも電位差が生じ、この電位差に伴って振動板2が分極される、或いは振動板が振動するという現象が観察されたが、低誘電率層3を設けることによって、共通電極4や内部電極と流路部材11との間に電位差が生じても、振動板2に電界が作用し難くなり、振動板2の分極や不要振動を抑制することができる。
このように、圧電素子7を駆動させても、従来の圧電アクチュエータのように、流路部材11と共通電極4の間の振動板2に電界が作用して、振動板2が分極されて収縮変形することが無くなり、圧電素子の屈曲変位が低下しなって、変位ばらつきを抑制することができる。
低誘電率層3の比誘電率は、振動板8と流路部材11の間に設けられた低誘電率層7で効果的に電界を遮断するためには、50以下、特に40以下、更には30以下の材料を用いることが好ましい。具体的な材料としては、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、窒化アルミニウム、窒化珪素等のセラミックス、ガラス又はガラスセラミックス、圧電セラミックスとガラスセラミックスやセラミックスとの混合物等を用いることができる。特に、同時焼成を行うため、ガラスセラミックスを用いることが好ましい。
ガラスセラミックスは公知のものを使用でき、例えばガラス成分として硼珪酸ガラス等を用いることができ、フィラー成分としては、アルミナ、シリカ(クォーツ、クリストバライト)、フォルステライト、コージェライト、ムライト、ジルコニア、エンスタタイト、スピネル、マグネシア、窒化アルミニウム、窒化珪素、炭化珪素、チタン酸塩の少なくとも1種を20〜90重量%の割合で含有するものを用いることができる。
振動板2や流路部材11の表面には、低誘電率層3の厚みを0.1〜4μm、特に0.2〜3μm、更には0.3〜2μm、より好適には0.5〜1μmとすることが好ましい。これにより、低誘電率層2によって不要振動を抑制するに十分な厚みを有し、圧電素子7間における変位ばらつきを低減することができる。
本発明のインクジェットヘッドは、低誘電率層が設けられた圧電アクチュエータが流路部材に一体的に設けられた本発明の液体噴出装置にインクが供給され、圧電アクチュエータの変位によって、液体加圧室に充填されたインクを加圧し、液体加圧室に連通する液滴噴出孔からインク滴を噴出させるものであり、このような構成を具備することによって、インクジェットヘッドのインク滴吐出性能が特定のノズルにおいて低下したり、制御不能となることを抑制することができる。
なお、本発明は、流路部材が導電性材料からなり、最も流路部材に近い内部電極と流路部材との間に圧電材料が存在する場合であれば、上記の実施様態に係る構成や変位モードによらず適応できる。例えば、厚み縦変形モードであっても、厚み滑り変形モードであっても、厚み横変形モードであっても適応することができ、また、ユニモルフであっても、バイモルフであっても適応できる。さらに、内部電極及び個別電極の層数も任意に設定できることは言うまでもなく、例えば圧電振動板の上に内部電極(グランド電位)、圧電体層、個別電極がこの順に積層された圧電アクチュエータにも適応できる。
また、振動板2の流路部材側表面に導電性膜が形成されている場合、該導電性膜も振動板2の一部と考えることができる。さらに、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改良や変更を行うことができるのも言うまでもない。
次に、図1に示す圧電アクチュエータとこれを用いたインクジェットヘッドの製造方法について説明する。
まず、引き上げ法やドクターブレード法によって、圧電体層及び振動板となる厚み10〜60μm程度の圧電セラミックのグリーンシートを、それぞれ離型剤を塗布したポリエチレンテレフタレート(以下PETと称する)フィルムや紙等の支持体上に成形し、上記グリーンシートと共に所定の寸法に裁断し、次に、裁断されたグリーンシートの半数には共通電極となる金属ペーストをスクリーン印刷法によって形成し、不要部を金型による打ち抜き加工によって開口する。なお、金属ペーストとしては、銀、パラジウム、白金、銅の微粉末又はこれらの微粉末を混ぜたものを樹脂及び溶媒と共に混合したものを用いることができる。
また、圧電セラミックグリーンシートの表面に、圧電セラミックスの焼成温度と同じ900〜1100℃の温度で焼成可能な低誘電率層となるガラスセラミックスを主体とするペーストを塗布する。この低誘電率層となる塗布層を有するグリーンシートと他のグリーンシートを積層して振動板を作製する。低誘電率層は圧電セラミックスとの同時焼成が可能なものが好ましい。
次いで、上記作製した振動板の上に、裁断された上記グリーンシートの残りの半数と、共通電極となる金属ペースト塗布層を形成したグリーンシートとを積層して、共通電極と圧電体層とを形成した積層体を作製する。
なお、上記グリーンシートを積層するにあたっては、60〜100℃の温度で3〜10MPaの圧力で熱圧着するようにすれば良い。
次に、上記積層体を300〜600℃の温度で脱脂した後、900〜1100℃の温度で焼成することにより焼結一体化する。
しかる後、上記積層体の表面に所定のパターンで金属ペースト膜をスクリーン印刷法にて形成し、これを600〜800℃の温度で焼き付けて厚み0.1〜2μmの個別電極を形成する。
なお、各個別電極、共通電極等に電圧を印加するための、外部配線回路(不図示)を接続するのは言うまでもない。
以上、本発明の実施形態について示したが、本発明は上述した実施形態だけに限らず、例えば電極や圧電体層を複数設けてなる積層体としてインクジェットヘッドを構成する等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更や改良したものにも適用できることは言うまでもない。
ここで、図1に示す本発明の液体噴出装置とこれを用いたインクジェットヘッドを製作した。
まず、粒径が0.5〜3.0μmのチタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする圧電セラミック粉体に対し、アクリル系樹脂エマルジョン、純水、平均粒径が10mmのナイロンボールを添加してボールミルで30時間混合し、得られたスラリーを用いて引き上げ法により厚み30μmのPETフィルム上に、圧電体層及び振動板となる厚み20μmのグリーンシートを成形した。
次に、得られたグリーンシートをPETフィルムと共に50×50mmに裁断して2枚1組に分類した後、2枚1組のうち1枚のグリーンシートの略全面には共通電極2となる金属ペーストを、スクリーン印刷法によって印刷し、残りの1枚のグリーンシートには金属ペーストを印刷しないで、各グリーンシート及び金属ペーストを防爆型の乾燥機を用いて50℃で20分間乾燥させた。なお、金属ペーストには、平均粒径が2〜4μmの銀粉末とパラジウム粉末を7対3の比率で混合したものを用いた。
さらに、他のグリーンシートには、硼珪酸ガラスにアルミナ及びシリカを合計で50%含有するガラスセラミックスをペースト状にし、これを塗布した。このように作製したペーストの塗布されたグリーンシートの上に、塗布されてない(未塗布)2枚のグリーンシートを順次積層した。積層に際しては、位置を揃えて重ね合せた後、60℃の温度で5MPaの圧力を加えながら60秒間保持することにより熱圧着して振動板となる成形体を作製した。なお、ガラスセラミックスの比誘電率は5であった。
次いで、得られた振動板となる成形体の表面に、金属ペーストを印刷したグリーンシートを載置し、さらに、他の未塗布グリーンシートを重ね合せた後、60℃の温度で5MPaの圧力を加えながら60秒間保持することにより熱圧着してグリーンシートの積層体を形成した。しかる後、予め形成したスルーホール内に金属ペーストを充填し、乾燥機中で100〜300℃まで毎時8℃の昇温レートで25時間で加熱して脱脂した後,室温まで冷却し、さらに焼成炉でピーク温度1100℃で2時間保持して焼成し、積層圧電体を得た。
次に、上記積層圧電体の表面に、個別電極を金属ペーストで印刷し、ピーク温度800℃の連続炉を30分で通過させて焼き付けした後、ランド部4を所定位置に印刷してピーク温度600℃の連続炉を30分で通過させて形成し、さらにダイシングソーで外辺を切断し、外形33mm×6mmの圧電アクチュエータ9を作製した。
なお、圧電アクチュエータには254μmピッチで1列あたり90個の個別電極5を長手方向に平行に2列にわたって形成した。
一方、長さ2mm、幅0.18mmの液体加圧室を、金型プレスを用いた打ち抜き加工によって形成した厚み100μmのステンレス箔と、該液体加圧室に連通する流路及び液体噴出口をそれぞれエッチングや金型プレスを用いた打ち抜き加工によって形成した厚み100μm及び40μmのステンレス箔を接着剤で貼り合わせることにより流路部材を形成した。
次に、圧電アクチュエータと、流路部材とを接着剤によって接合し、個別電極と共通電極に外部回路と連結する配線基板を接続して本発明のインクジェットヘッドを得た。
得られた、インクジェットヘッドにインクを導入し、外部回路から配線基板を介して駆動信号電圧を印加することにより全圧電素子を駆動してインク滴を連続吐出させて、各素子の駆動回数に対する吐出特性の変化を測定した。
なお、上記吐出特性の測定にあたっては、信号電圧を所定の回数印加する毎に、該信号電圧に同期させて高速度カメラによってインクジェットヘッドで30箇所のノズルでインク滴の飛翔状態を観察し、インク滴吐出速度を計測し平均を算出した。その結果、インク吐出速度のばらつきは約4%であった。
(比較例)
低誘電率層を形成しない以外は、実施例1と同様にしてインクジェットヘッドを作製した。また、実施例1と同様にして評価した。その結果、約20%のばらつきが生じていた。
実施例1と同様にして、インクジェットヘッドを作製した。なお、低誘電率層の比誘電率(ε)を変化させるために、ガラスセラミックスに圧電セラミックスを添加して誘電率を調整した。実施例1と同様に吐出速度を評価した。
その結果、インク吐出速度のばらつきはε=10で約6%、ε=30で約7%、ε=50で約9%、ε=60で約12%であった。
表2に示されるように、本発明の液体噴出装置では、低誘電率層7の材質の比誘電率を
実施例1と同様にして、インクジェットヘッドを作製した。なお、低誘電率層の厚みを0.08,0.1,2,4,5μmとしたものを作製した。実施例1と同様に吐出速度を評価した。その結果、インク吐出速度のばらつきは、厚みが0.08μmで約14%、0.1μmで約8%、0.2μmで約7%、0.3μmで約6%、0.5μm及び1μmで約5%、2μmで約6%、3μmで約7%、4μmで約9%であった。
本発明の液体噴出装置の構造を示す部分断面図である。 従来の液体噴出装置の構造を示すもので、(a)は断面図、(b)は平面図である。
符号の説明
1・・・圧電アクチュエータ
2・・・振動板
3・・・低誘電率層面
4・・・共通電極
5・・・圧電体層
6・・・個別電極
7・・・変位素子
7a・・・変位領域
11・・・流路部材
14・・・液体加圧室
18・・・低液体噴出孔

Claims (5)

  1. 圧電体の内部に内部電極を具備する圧電アクチュエータを、液滴噴出孔に連通する複数の液体加圧室が設けられた流路部材上に設けてなる液体噴出装置において、前記流路部材が導電性材料からなり、前記圧電体の内部に、前記内部電極と前記流路部材との間に位置するように前記圧電体よりも誘電率の低い低誘電率層を形成してなることを特徴とする液体噴出装置。
  2. 圧電体からなる振動板の上に、一対の電極で圧電体層を挟持してなる変位素子が複数設けてなる圧電アクチュエータを、液滴噴出孔に連通する複数の液体加圧室が設けられた流路部材上に設けてなる液体噴出装置において、前記流路部材が導電性材料からなり、前記振動板の内部に該振動板よりも誘電率の低い低誘電率層を形成してなることを特徴とする液体噴出装置。
  3. 前記低誘電率層の比誘電率が50以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の液体噴出装置。
  4. 前記低誘電率層の厚みが0.1〜4μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液体噴出装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の液体噴出装置にインクが供給され、前記圧電アクチュエータの駆動によって、前記液滴噴出孔からインク滴の噴出が可能であることを特徴とするインクジェットヘッド。

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