JP2004082542A - アクチュエータ及び印刷ヘッド並びにプリンタ - Google Patents

アクチュエータ及び印刷ヘッド並びにプリンタ Download PDF

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

【課題】同一基板に形成された複数の圧電素子の変位量を制御したアクチュエータを提供する。
【課題を解決するための手段】基板2の表面に複数の変位素子が設けられ、該変位素子が各々独立して作動するアクチュエータにおいて、前記基板2の内部に温度検知素子が設けられていることを特徴とし、前記温度検知素子が、一対の電極と、該電極に挟持された圧電体とを具備することが好ましい。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクチュエータとそれを用いた文字や画像の印刷に用いるインクジェット記録装置等に搭載される印刷ヘッドおよびそれを用いたプリンタに関する。
【0002】
【従来技術】
近年、パーソナルコンピューターの普及やマルチメディアの発達に伴って、情報を記録媒体に出力する記録装置として、インクジェット方式の記録装置の利用が急速に拡大している。
【0003】
かかるインクジェット方式の記録装置には、インクジェット記録用の印刷ヘッドが搭載されており、この種の印刷ヘッドには、インクが充填されたインク流路内に加圧手段としてのヒーターを備え、ヒーターによりインクを加熱、沸騰させ、インク流路内に発生する気泡によってインクを加圧し、インク吐出孔より、インク流として吐出させるサーマルヘッド方式と、インクが充填されるインク流路の一部の壁を圧電素子によって屈曲変位させ、機械的にインク流路内のインクを加圧し、インク吐出孔よりインク流として吐出させる圧電方式が一般的に知られている。
【0004】
図4に従来のインクジェット方式を利用した記録装置に用いられる印刷ヘッドの一例を示す。インクジェット記録ヘッドは、複数の溝を並設してなり、上記溝をインク流路11とするとともに、各溝を仕切る壁を隔壁12とした流路部材13と、圧電セラミックス板14の一方の主面に共通電極15を、他方の主面に個別電極16を形成した圧電素子17を有し、圧電素子17の共通電極15側を流路部材13の開口部に接着する。なお、圧電素子17の個別電極16は、外部の駆動回路に電気的に接続されている。
【0005】
そして、駆動回路より個別電極16に電圧を印加し、インク流路11を形成する圧電素子17を振動させることによりインク流路11内のインクを加圧し、流路部材13の底面に開口させたインク吐出孔18よりインク滴を吐出するようになっている(特開平10−151739号公報参照)。
【0006】
また、上記の圧電素子17をX、Y方向それぞれに等間隔で多数並設したインクジェット記録ヘッドにすることにより、高速で、高精度のインクジェットプリンタを実現することが可能である。
【0007】
しかしながら、このような複数の圧電素子17が同一基板に配列されたインクジェットプリンタヘッドに用いる場合は、アクチュエータの変位にバラツキが生じ、この変位バラツキが大きいため、インク吐出量にバラツキが生じて記録される文字や画像にバラツキや鮮明度が悪くなり、特に高速印刷が困難であるという問題があった。
【0008】
また、従来、圧電アクチュエータでは高電圧で高速駆動する際に素子自身の自己発熱が発生し、素子の圧電特性の温度依存性や圧力依存性によって電圧−変位特性が変動し、所望の変位量が得られず、そのために、PbZrTiO系圧電磁器を用いた薄層圧電アクチュエータの変位バラツキを抑制することができないという問題があった。従って、素子自身の温度を正しく計測し、これをフィードバックする必要があるという問題があった。
【0009】
このため、従来、圧電式、あるいはダイヤフラム方式などの圧力センサを圧電アクチュエータの近傍に接続したり、その側面に貼付したりすることによって作動中の圧力変化の測定を行って変位バラツキを抑制する試みが特開2001−197758号公報で提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開2001−197758号公報に記載のアクチュエータは高電圧かつ高速で電圧印加を繰り返すと圧電素子自身が発熱するため、アクチュエータが配置されている雰囲気以上に、内部温度及び内部圧力が上昇するため、この方法ではアクチュエータの外部もしくは近傍の圧力しか測定できず、内部温度、内部圧力は測定できないため、個々の圧電素子の変位量を制御することができないという問題があった。
【0011】
従って、本発明は、同一基板に形成された複数の圧電素子の変位量を制御したアクチュエータを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、アクチュエータの高速駆動によって素子が発熱し、アクチュエータに温度バラツキが発生して、変位量がばらつくことを見出し、各変位素子毎、又は変位素子近傍に温度検知用のセラミックセンサを内設し、温度を直接測定することによって変位バラツキを抑制できるという知見に基づくものである。
【0013】
即ち、本発明の圧電アクチュエータは、基板の表面に複数の変位素子が設けられ、該変位素子が各々独立して作動するアクチュエータにおいて、前記基板の内部に温度検知素子が設けられていることを特徴とするものである。
【0014】
特に、前記温度検知素子が、一対の電極と、該電極に挟持された圧電体とを具備することが好ましい。これにより、圧電体の静電容量の温度依存性を利用して駆動中の温度から変位量が検知できる。
【0015】
また、前記基板の主面に投影される前記温度検知素子の投影領域と、前記変位素子の投影領域との少なくとも一部が重なることが好ましい。これにより、
変位素子近傍の温度が検知できるので変位量をほぼ検知できる。
【0016】
さらに、前記温度検知素子が、隣接する2つの変位素子の中間位置に配置されていることが好ましい。これにより、温度検知素子の設置数を省略化ができる。
【0017】
さらにまた、前記変位素子が、一対の電極と、該電極に挟持された圧電体からなり、該圧電体の主成分が、前記温度検知素子を構成する圧電体の主成分と略同一であることが好ましい。これにより、製造工程において同一プロセスで製造できるので量産性、コストの面で簡略化できる。
【0018】
また、アクチュエータ全体の厚みが100μm以下であるとともに、前記変位素子を構成する圧電体の厚みが30μm以下であることが好ましい。これにより、アクチュエータ及びヘッドとして小型化が図ることができる。
【0019】
本発明の印刷ヘッドは、インク流路の少なくとも一部に上記のアクチュエータが設けられ、該アクチュエータに設けられた変位素子の変位によってインクを吐出させることを特徴とするものであり、これにより、
インク液適量及び吐出速度のバラツキを抑制することができる。
【0020】
また、前記アクチュエータの一方の主面に電極パッドが設けられ、他方の主面に支持部材が接合され、該支持部材の表面及び内部にインク流路が設けられてなることが好ましい。これにより、変位素子の変位を拘束しないでインクタンクができる。
【0021】
本発明のプリンタは、上記の印刷ヘッドと、該印刷ヘッドにインクを供給するインクタンクと、記録紙に印刷するための記録紙搬送機構とを備えていることを特徴とし、これにより、高精度で高速印刷が可能なプリンタを得ることができる。
【0022】
また、前記印刷ヘッドが複数存在し、且つ並設していることが好ましい。これにより、高速印刷、高精度の印刷ができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明は、基板上に複数の変位素子を具備するアクチュエータに関し、特にインクジェット用の記録ヘッドに好適に用いられるアクチュエータであって、その一例を、図を用いて説明する。
【0024】
本発明のアクチュエータは、図1に示したように、支持体1の上に基板2が接合されている。支持体1には部分的に溝3が形成されている。また、基板2の表面には圧電セラミックス板4を設け、基板2と圧電セラミックス板4との間に共通電極5を形成するとともに、圧電セラミックス基板4の表面に個別電極6を設け、共通電極5と個別電極6とで圧電セラミックス板4を挟持する。
【0025】
共通電極5及び個別電極6は同一基板上に複数設けられており、それぞれ外部の電子制御回路に独立して接続され、それぞれの電極間に電圧が印加されると、電圧が印加された共通電極5と個別電極6に挟持された部位の圧電セラミックス板4が変位する。
【0026】
なお、基板2は、支持体1によって部分的に固定されているため、支持体1と接合されている基板2の主面は、接合によって形成される固定部8aと溝3の開口部に位置する自由振動部8bとで構成され、自由振動部8aで振動することができる。
【0027】
本発明によれば、基板内部に温度検知素子を設けることが重要である。具体的には、一対の電極と、該電極に挟持された圧電体とを具備することが好ましい。即ち、図1において、基板2内に設けたセンサ電極9と、共通電極5と、両電極に挟持される部位の圧電セラミックス板4によって温度検知素子が構成され、両電極間の静電容量を測定し、温度による変化を検知することができる。
【0028】
なお、温度を検知するためには、温度検知素子間の容量の温度依存性を予め測定して把握しておき、このデータに基づいて温度変化を感知する。
【0029】
本発明のアクチュエータをインクジェット用の記録ヘッドに応用すれば、溝2をインク流路とし、圧電素子7を振動させることによりインク流路内のインクを加圧し、支持体1からなる流路部材の底面に開口させたインク吐出孔よりインク滴を吐出することができる。
【0030】
本発明によれば、基板2の主面に投影される温度検知素子の投影領域と、変位素子の投影領域との少なくとも一部が重なることが好ましい。換言すれば、個別電極6に電圧が印加された時、振動活性になる部位にセンサ電極9の少なくとも一部が重複し、特に略同一の位置に配置されていることに他ならない。従って、上記センサ電極9が、個別電極6と対応する位置に配置されていることが好ましい。これは、各圧電素子に対して、センサ電極9が1対1で対応させるものであり、圧電素子数とセンサ電極9数が等しい。これによって、全ての圧電素子の温度分布を知ることができるため、温度検知の精度が高く、温度バラツキ制御が容易となり、記録ヘッドにおいては、得られた温度分布データをフィードバックすることにより、アクチュエータによるインク吐出が安定し、鮮明な印刷を実現できる。
【0031】
上述のように、前記基板2の主面に投影される前記温度検知素子の投影領域と、前記変位素子の投影領域との少なくとも一部が重なる場合以外でも、例えば、前記温度検知素子が、隣接する2つの変位素子の中間位置に配置されていても良い。即ち、センサ電極9が、個別電極6と対応する位置に配置するのではなく、図2に示すように、個別電極6間に配置しても良い。これは、センサ電極9の数を減らすことによって、情報処理数を減らしたものであり、特に圧電素子が同一基板に高密度で形成されている時等に、情報処理数を減らし、応答性を高め、コストを低減することが可能となる。
【0032】
このようなセンサ電極9の配置を、平面図を用いて説明する。センサ電極9は、図3(a)に示したように、個別電極6間に配置しており、2つの個別電極6に対して1つのセンサ電極9が設けられており、センサ電極9数に対する個別電極6の割合γが2となる。つまり、センサ電極9を個別電極6間に配置し、センサ電極9の数を減らしても良い。
【0033】
また、同様に、図3(b)に示した例では、4つの個別電極6の中間位置にセンサ電極9が設けられており、電極の割合γは4となる。さらに、図3(c)で示した例では、3つの個別電極6の間にセンサ電極9を設けており、電極の割合γは3となる。この他にも、電極の割合γを、6、8、9、12、16等に設定して、センサ電極9を配置しても良い。
【0034】
圧電素子7はペロブスカイト型酸化物を主成分とし、Aサイト構成元素としてPbを含有し、かつ、Bサイト構成元素としてZr、Tiを含有するものが良い。
さらに、副成分としてPb(Zn1/3Sb2/3)O及びPb(Ni1/2Te1/2)Oとを固溶してなるものが好ましい。
【0035】
圧電素子7を構成する圧電セラミックス板4は、例えばチタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする圧電セラミックスなどが使用されるが、これに限定するものではなく、圧電性を有するものであれば良い。この圧電素子を構成するものとしては、圧電定数d31が高いものが望ましい。
【0036】
特に、ペロブスカイト型酸化物のAサイト構成元素として、さらにアルカリ土類元素を含有することが変位を大きくするために望ましい。アルカリ土類元素としてはBa、Sr、Caなどが有り、特にBa、Srが大きな変位を得られる点で好ましい。
【0037】
具体的には、Pb1−x SrBa(Zr1/3Sb2/3(Ni1/2Te1/2Zr1−a−b−cTi+αwt%Pb1/2NbO(0≧x≧0.14、0≧y≧0.14、0.05≧a≧0.1、0.002≧b≧0.01、0.44≧c≧0.50、α=0.1〜1.0)で表される組成圧電磁器組成物が望ましい。
【0038】
本発明の圧電素子7の厚さは、小型化及び高い電圧を印加するという点から100μm以下であることが好ましい。下限値は、実用上の機械強度や耐電圧強度を有するために、特に5μm、更には10μmであることが好ましい。また、上限値は、変位を大きくするため、特に85μm、更には70μmであることが好ましい。
【0039】
また、圧電素子7はボイド率が1%以下であることが好ましい。ボイド率が1%より大きいとインクジェット印刷ヘッドとして用いる際、インクの染み込みによる、インク漏れの可能性があるので、好ましくない。また、磁器強度の面でも好ましくない。
【0040】
個別電極6、共通電極5の材質としては、導電性を有するものならば何れでも良く、Au、Ag、Pd、Pt、Cu、Alやそれらの合金などが用いられる。また、電極厚みとしては、導電性を有し且つ変位を妨げない程度である必要があり、1〜5μmのものが好ましい。
【0041】
基板2は、積層されたセラミックスであり、圧電セラミックス板4と略同一の組成物、略同一形状の圧電セラミックス板4からなることが好ましい。同一組成、形状であるほうが焼成時の収縮寸法を容易に制御できるためである。このような積層セラミックスからなる基板2は、圧電セラミックス板4の共通電極5を共通として、他方の主面に温度検知素子として容量を検知するためのセンサ電極9を形成するよう配置される。
【0042】
また、基板2の厚みは任意に設定でき、共通電極5とセンサ電極9の距離からなる温度検知素子の厚みも任意に設定できる。しかし、温度検知素子の容量の温度依存性を顕著に検知するため、基板2及び温度検知素子の厚みが薄いほうが良い。具体的には、基板2の厚みは、10〜80μm、特に15〜70μm、更には20〜50μm、温度検知素子の厚みが、3〜30μm、特に5〜25μm、さらには、10〜20μmであることが好ましい。
【0043】
次に、図1に示すインクジェット記録ヘッド用アクチュエータ基板の製造方法について説明する。
【0044】
先ず、原料として、PZTの仮焼合成粉を準備する。
【0045】
上記原料を、ロールコーター法、スリットコーターなどの一般的なテープ成形法により、圧電セラミックスと有機組成物からなるテープの成形を行う。
【0046】
得られたテープ表面に個別電極6、共通電極5及びセンサ電極9を所望の部位に印刷法等により形成するとともに、これらの電極と外部電子回路とを電気的に連結するビア電極を形成し、しかる後に、テープを所望の構成に積層して加圧密着を行って積層体を形成する。
【0047】
この積層体の上下面に拘束シートを敷き、これらを同時に焼成し、得られた焼結体をサンドブラストや超音波洗浄等により、拘束シートの除去を行うことで、アクチュエータ基板を得ることができる。
【0048】
ここで、拘束シートを構成する無機成分としては、上記テープを構成する無機成分と実質的に略同一組成であり、材質としては、主成分が、鉛、ジルコン、チタン、バリウムのチタン酸ジルコン酸鉛化合物、チタン酸鉛化合物、チタン酸バリウム化合物などが挙げられ、テープとの組成のずれが±1%以内である必要がある。
【0049】
これは、圧電セラミックスなどの機能材料は少量の他成分の混入、拡散などでも特性劣化につながったり、また、特に、インクジェット記録ヘッド用アクチュエータ基板のような薄物の基板では、僅かな熱膨張差が起因して、焼成時に基板自体が破損してしまう為である。
【0050】
尚、拘束シートを構成する有機組成物としては、特に限定するものではなく、ビニル系樹脂やアクリル系樹脂など種々の樹脂を用いることができるが、熱分解等の点から考慮すると、テープ中のものと同種の材料が好ましい。
【0051】
また、拘束シートとしては、積層体の焼成温度で焼結しないように、シート中の圧電セラミックスよりも活性の低い、即ち、粒径の大きい圧電セラミックスを用いると良い。具体的には、平均粒径1〜10μmの範囲が好ましい。これは、1μm未満では、活性が高くなり、積層体の焼成温度において拘束シートの収縮、焼結が起こり、十分な拘束効果が得られないことがあり、一方で、10μmを越えると、拘束シートの収縮、焼結は起こらないものの、積層体表面に凹凸が発生し表面状態が悪くなる傾向があるためである。
【0052】
また、拘束シート中の圧電セラミックスの活性を下げるとともに、後工程における粉砕工程を簡便にするため、拘束シートの合成温度を、900〜1500℃、特に1000〜1200℃の範囲にすることが好ましい。
【0053】
焼成後、拘束シートはほとんど焼結していない為、除去することはいたって簡単であり、方法としては、超音波洗浄やエアーブロー、ブラシ除去、ブラスト除去など一般的な方法で良い。
【0054】
本発明の印刷ヘッドは、インク流路の少なくとも一部に上記のアクチュエータが設けられ、該アクチュエータに設けられた変位素子の変位によってインクを吐出させることを特徴とするものであり、これにより、インク液適量及び吐出速度のバラツキを抑制することができる。
【0055】
また、前記アクチュエータの一方の主面に電極パッドが設けられ、他方の主面に支持部材が接合され、該支持部材の表面及び内部にインク流路が設けられてなることが好ましい。これにより、変位素子の変位を拘束しないでインクタンクができる。
【0056】
本発明のプリンタは、上記の印刷ヘッドと、該印刷ヘッドにインクを供給するインクタンクと、記録紙に印刷するための記録紙搬送機構とを備えていることを特徴とし、これにより、高精度で高速印刷が可能なインクジェットプリンタを得ることができ、特に印刷ヘッドが複数、並設していることが高速印刷、高精度の印刷を実現するために好ましい。
【0057】
【実施例】
実施例1
図1に示したアクチュエータを作成した。
【0058】
まず、原料粉末として高純度のPb、ZrO、TiO、BaCO、ZnO、SrCO、Sb、NiO、TeOの各原料粉末を、焼結体がPb1−x SrBa(Zr1/3Sb2/3(Ni1/2Te1/2Zr1−a−b−cTi(x=0.04、y=0.02、a=0.075、b=0.005、c=0.45)で表される組成となるように、所定量秤量し、さらに、この組成に対して過剰Pbを添加した後、ボールミル等で20時間湿式で混合し、次いで、この混合物を脱水、乾燥した後で、700〜900℃で3時間仮焼し、当該仮焼物を再びボールミル等で湿式粉砕する。
【0059】
その後、この粉砕物に有機バインダー、水、分散剤と可塑剤とを混合し、スラリーを作製し、薄いグリーンシートを成形する為に一般的に用いられているロールコーター法により、厚み30μmのテープを成形した。次に、70:30のAg−Pd電極ペーストを用いて、テープ上下面に厚み5μmの個別電極6、共通電極5をそれぞれ印刷法にて形成した。次に、電極の形成されていないテープと駆動用の圧電素子となる個別電極6及び共通電極5を上下面に形成したテープとセンサ用となる個別電極6及び共通電極5を上下面に形成したテープを相対するように積層し、12MPaの圧力で加圧密着を行い積層体を得た。
【0060】
最後にこの積層成形体を400℃で脱脂した後を99%O雰囲気中で温度1100℃5時間の焼成を行い、超音波洗浄にて拘束シートを除去し、アクチュエータ基板7を得た。
【0061】
インクジェット記録ヘッドは、複数の溝2を並設してなり、図4のように、上記溝2をインク流路とするとともに、各溝2を仕切る壁を隔壁とした流路部材と、圧電セラミックス板4の一方の主面に共通電極5を、他方の主面に個別電極6を形成した圧電アクチュエータ7を有し、圧電アクチュエータの共通電極5側を流路部材の開口部に接着するとともに、圧電素子7の個別電極6と電極パッド上の電極を、導電性接着剤の接合材で電気的に接続した。駆動回路よりこの電気パッド1を介して個別電極6に電圧を印加し、インク流路を形成する圧電アクチュエータ7を振動させることによりインク流路内のインクを加圧し、流路部材の底面に開口させたインク吐出孔よりインク滴を吐出するようにした。
【0062】
また、センサ電極9と共通電極5を有する基板2内部に圧電セラミックの静電容量を検知できるようにキャパシタメータに電気的に接続した。
【0063】
得られたインクジェット記録ヘッドに40Vの直流電界を印加した結果、個々の変位素子は平均70nmの変位量が得られた。さらにこのアクチュエータに0〜20Vの交流電界を周波数10KHzにて印加した結果、個々の変位素子は、駆動回数1×10回までにセンサにより個別電極の静電容量を測定したところ、150pF〜180pFに容量が変化し、予め測定しておいたセンサのセラミックス板の容量変化率から変位素子の内部温度がΔT(デルタT)で25℃の温度上昇していることがわかった。
【0064】
そこで、温度センサから駆動回路へ容量検知して印加電圧を可変にしたところ変位量70±3nmと変位量のバラツキ(バラツキ幅6nm)を低減することができた。尚、変位量の測定はレーザードップラー変位計によりヘッド溝部の中心部及び周辺部7点を測定して算出した。
実施例2
実施例1と同様にして、テープ作製を行い、積層を行うがその際、センサ用となる個別電極6は駆動用圧電素子となる個別電極の間に配置されるように積層をして、図2のアクチュエータを作製した。得られたインクジェット記録ヘッドに40Vの直流電界を印加した結果、個々の変位素子は平均70nmの変位量が得られた。さらにこのアクチュエータに0〜20Vの交流電界を周波数10KHzにて印加した結果、個々の変位素子は、駆動回数1×10回までにセンサにより個別電極の静電容量を測定したところ、150pF〜175pFに容量が変化し、予め測定しておいたセンサのセラミックス板の容量変化率から変位素子近傍の内部温度がΔT(デルタT)で30℃の温度上昇していることがわかった。
【0065】
そこで、温度センサから駆動回路へ容量検知して印加電圧を可変にしたところ変位量70±5nmと変位量のバラツキ(バラツキ幅10nm)を低減することができた。さらに、高密度化したものについても同様に、温度センサから駆動回路へ容量検知して印加電圧を可変にしたところ変位量70±5nmと変位量のバラツキ(バラツキ幅10nm)を低減することができた。
比較例
実記例1と同様にして、テープ作製、積層を行うが、実施例1、2のようにセンサ用となる個別電極6及び共通電極5を上下面に形成せずにテープを配置して、図4のアクチュエータを作製した。得られたインクジェット記録ヘッドに40Vの直流電界を印加した結果、個々の変位素子は平均70nmの変位量が得られた。さらにこのアクチュエータに0〜20Vの交流電界を周波数10KHzにて印加した結果、個々の変位素子は時間経過とともに変位量が変化し、駆動回数1×10回で70〜100nmとバラツキ幅30nmものバラツキが見られた。
【0066】
【発明の効果】
本発明のアクチュエータは、独立した複数の変位素子に対応した温度検知素子を内部に設けたので、高電圧かつ高速で電圧印加を繰り返し、圧電素子自身が発熱したとしても、圧電アクチュエータの個別の内部電極の容量つまり、温度を正確に測定することができ、その状態に対応する印加電圧などの制御因子にフィードバックでき、変位量を厳密に制御することができる。
【0067】
さらに、センサのセラミックス板を変位素子と同一の主成分により形成していることより製造が容易になる。
【0068】
また、本発明の印刷ヘッドは、上記アクチュエータを用いているため、吐出バラツキを抑制したインクジェット印刷ヘッドを得ることができる。
【0069】
さらに、本発明のプリンタは、高速印字、高品質画質のプリンタを実現することができる。
【0070】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアクチュエータを示す概略断面図である。
【図2】本発明の他のアクチュエータを示す概略断面図である。
【図3】本発明のアクチュエータにおける電極の配置を示すための平面図である。
【図4】従来のアクチュエータを示す概略断面図である。
【符号の説明】
1・・・支持体
2・・・基板
3・・・溝
4・・・圧電セラミックス板
5・・・共通電極
6・・・個別電極
7・・・圧電素子
8a・・・固定部
8b・・・自由振動部
9・・・センサ電極

Claims (10)

  1. 基板の表面に複数の変位素子が設けられ、該変位素子が各々独立して作動するアクチュエータにおいて、前記基板の内部に温度検知素子が設けられていることを特徴とするアクチュエータ。
  2. 前記温度検知素子が、一対の電極と、該電極に挟持された圧電体とを具備することを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ。
  3. 前記基板の主面に投影される前記温度検知素子の投影領域と、前記変位素子の投影領域との少なくとも一部が重なることを特徴とする請求項1又は2記載のアクチュエータ。
  4. 前記温度検知素子が、隣接する2つの変位素子の中間位置に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のアクチュエータ。
  5. 前記変位素子が、一対の電極と、該電極に挟持された圧電体からなり、該圧電体の主成分が、前記温度検知素子を構成する圧電体の主成分と略同一であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のアクチュエータ。
  6. アクチュエータ全体の厚みが100μm以下であるとともに、前記変位素子を構成する圧電体の厚みが30μm以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のアクチュエータ。
  7. インク流路の少なくとも一部に請求項1乃至6のいずれかに記載のアクチュエータが設けられ、該アクチュエータに設けられた変位素子の変位によってインクを吐出させることを特徴とする印刷ヘッド。
  8. 前記アクチュエータの一方の主面に電極パッドが設けられ、他方の主面に支持部材が接合され、該支持部材の表面及び内部にインク流路が設けられてなることを特徴とする請求項7記載の印刷ヘッド。
  9. 請求項8記載の印刷ヘッドと、該印刷ヘッドにインクを供給するインクタンクと、記録紙に印刷するための記録紙搬送機構とを備えていることを特徴とするプリンタ。
  10. 前記印刷ヘッドが複数存在し、且つ並設していることを特徴とする請求項9記載のプリンタ。
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