JP2015110920A - 排気浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】排気浄化装置に関し、SCR内部温度を高精度に検出して尿素水噴射量の最適化を図る。【解決手段】エンジン10の排気系に設けられ、尿素水から生成されるアンモニアを還元剤として排気中に含まれるNOxを還元浄化するSCR22と、SCR22に尿素水を噴射する尿素水噴射装置21と、SCR22の静電容量を検出する電極27と、電極27から入力される静電容量に基づいて、SCR22の内部温度を演算するSCR内部温度演算部51と、所定の基準噴射量に基づいて尿素水噴射装置21の尿素水噴射を制御する尿素水噴射制御部52と、SCR内部温度演算部51から入力される内部温度に基づいて基準噴射量を補正する噴射量補正部53とを備えた。【選択図】図2

Description

本発明は、排気浄化装置に関し、特に、排気中の窒素化合物を還元浄化する排気浄化触媒を備えた排気浄化装置に関する。
ディーゼルエンジン等の排気系に設けられる排気浄化触媒として、尿素水から加水分解されて生成されるアンモニア(NH3)を還元剤として排気中の窒素化合物(NOx)を選択的に還元浄化する選択的還元触媒(Selective Catalytic Reduction:SCR)が知られている。
一般的に、SCRのNH3吸着量やNOx浄化性能は、SCRの内部温度に依存して変化する。そのため、尿素水噴射量を最適に制御するには、SCRの内部温度を正確に把握することが重要となる。
尿素水噴射量をSCR温度に基づいて制御する技術として、例えば、SCRの前後に配置した排気温度センサの検出値からSCRの内部温度を推定し、推定した内部温度に応じて尿素水噴射量を適宜調整する手法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−293736号公報
ところで、排気温度センサのセンサ値は、実際の排気温度変化に対して応答遅れを生じる課題がある。また、排気温度センサは、SCRの内部に直接的に設けることができないため、SCR内部温度を正確に検出できない課題もある。そのため、尿素水噴射量を排気温度センサのセンサ値に基づいて調整する手法では、実際のSCR内部温度に応じた最適な噴射量に設定できない可能性がある。
本発明の目的は、SCR内部温度を高精度に検出して、尿素水噴射量の最適化を図ることにある。
上述の目的を達成するため、本発明の排気浄化装置は、内燃機関の排気系に設けられ、尿素水から生成されるアンモニアを還元剤として排気中に含まれる窒素化合物を還元浄化する選択的還元触媒と、前記選択的還元触媒に尿素水を噴射する尿素水噴射手段と、前記選択的還元触媒の静電容量を検出する静電容量検出手段と、前記静電容量検出手段から入力される静電容量に基づいて、前記選択的還元触媒の内部温度を演算する内部温度演算手段と、少なくとも前記内燃機関の運転状態に応じて設定される所定の基準噴射量に基づいて、前記尿素水噴射手段の尿素水噴射を制御する噴射制御手段と、少なくとも前記内部温度演算手段から入力される内部温度に基づいて、前記基準噴射量を補正する噴射量補正手段とを備えることを特徴とする。
また、前記噴射量補正手段は、前記内部温度演算手段から入力される内部温度に基づいて、前記選択的還元触媒の還元剤吸着能力を求めると共に、当該還元剤吸着能力に応じた噴射補正量で前記基準噴射量を補正するものでもよい。
また、前記静電容量検出手段が、前記選択的還元触媒内に一個以上の隔壁を挟んで対向配置されてコンデンサを形成する少なくとも一対の電極で構成されてもよい。
本発明の排気浄化装置によれば、SCR内部温度を高精度に検出することが可能となり、尿素水噴射量の最適化を図ることができる。
本発明の一実施形態に係る排気浄化装置を示す模式的な全体構成図である。 本実施形態のECUを示す機能ブロック図である。 本実施形態の静電容量・温度特性マップの一例を示す図である。 本実施形態のNH3吸着可能量マップの一例を示す図である。 実際の排気温度変化に対する電極間の静電容量と排気温度センサのセンサ値とを比較した図である。
以下、添付図面に基づいて、本発明の一実施形態に係る排気浄化装置を説明する。同一の部品には同一の符号を付してあり、それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1に示すように、ディーゼルエンジン(以下、単にエンジンという)10には、吸気マニホールド10aと排気マニホールド10bとが設けられている。吸気マニホールド10aには新気を導入する吸気通路11が接続され、排気マニホールド10bには排気を大気に放出する排気通路12が接続されている。
吸気通路11には、吸気上流側から順に、エアクリーナ13、過給機15のコンプレッサ15a、インタークーラ17等が設けられている。排気通路12には、排気上流側から順に、過給機15のタービン15b、排気後処理装置20等が設けられている。なお、図1中において、符号18はエンジン回転数センサ、符号19はアクセル開度センサを示している。
排気後処理装置20は、排気上流側から順に、尿素水噴射装置21と、ケース20a内に収容されたSCR22とを備えて構成されている。
尿素水噴射装置21は、本発明の尿素水噴射手段の一例であって、電子制御ユニット(以下、ECU)50から入力される指示信号に応じて、SCR22よりも上流側の排気通路12内に、図示しない尿素水タンク内の尿素水を噴射する。噴射された尿素水は排気熱により加水分解されてNH3に生成され、下流側のSCR22に還元剤として供給される。
SCR22は、例えば、ハニカム構造体等のセラミック製担体表面にゼオライト等を担持して形成されており、多孔質性の隔壁で区画された多数のセルを備えて構成されている。SCR22は、還元剤として供給されるNH3を吸着すると共に、吸着したNH3で通過する排気ガス中からNOxを選択的に還元浄化する。
また、本実施形態のSCR22には、少なくとも一個以上の隔壁を挟んで対向配置されてコンデンサを形成する複数本の電極27が設けられている。これら複数本の電極27は、本発明の静電容量検出手段の一例として好ましい。
ECU50は、エンジン10や尿素水噴射装置21等の各種制御を行うもので、公知のCPUやROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えて構成されている。
また、ECU50は、図2に示すように、SCR内部温度演算部51と、尿素水噴射制御部52と、噴射量補正部53とを一部の機能要素として有する。これら各機能要素は、一体のハードウェアであるECU50に含まれるものとして説明するが、これらのいずれか一部を別体のハードウェアに設けることもできる。
SCR内部温度演算部51は、本発明の内部温度演算手段の一例であって、電極27間の静電容量Cに基づいて、SCR22の内部温度TSCRを演算する。一般的に、電極27間の静電容量Cは、電極27間の媒体の誘電率ε、電極27の面積S、電極27間の距離dとする以下の数式1で表される。
Figure 2015110920
数式1において、電極27の面積S及び距離dは一定であり、誘電率εが排気温度の影響を受けて変化すると、これに伴い静電容量Cも変化する。すなわち、電極27間の静電容量Cを検出すれば、SCR22の内部温度TSCRを演算することができる。
ECU50には、予め実験等により求めた静電容量CとSCR内部温度Tとの関係を示す静電容量・温度特性マップ(例えば、図3参照)が記憶されている。SCR内部温度演算部51は、この静電容量・温度特性マップから電極27間の静電容量Cに対応する値を読み取ることで、SCR22の内部温度TSCRを演算する。なお、内部温度TSCRの演算はマップに限定されず、予め実験等により作成した近似式等から求めてもよい。
尿素水噴射制御部52は、本発明の噴射制御手段の一例であって、エンジン10の運転状態等に基づいて尿素水噴射装置21の尿素水噴射量を制御する。より詳しくは、尿素水噴射制御部52は、エンジン回転数Ne及びアクセル開度Qからエンジン10のNOx排出量を演算すると共に、このNOx排出量に応じて必要になる尿素水の基本噴射量INJU_stdを設定する。この基本噴射量INJU_stdは、後述する噴射量補正部53によって必要に応じて補正される。
噴射量補正部53は、本発明の噴射量補正手段の一例であって、尿素水噴射制御部52で設定された基本噴射量INJU_stdをSCR内部温度演算部51から入力される内部温度TSCRに基づいて補正する。
より詳しくは、ECU50には、予め実験等により作成したSCR22の内部温度TSCRとNH3吸着可能量との関係を示すNH3吸着可能量マップ(例えば、図4参照)が記憶されている。噴射量補正部53は、このNH3吸着可能量マップから現在の内部温度TSCRに対応するNH3吸着可能量STNH3を読み取ると共に、読み取ったNH3吸着可能量STNH3を補うのに必要な噴射補正量ΔINJで基本噴射量INJU_stdを増減補正する(INJU_exh=INJU_std+/−ΔINJ)。補正後の尿素水噴射は、尿素水噴射装置21のインジェクタ(不図示)に印加される各噴射の通電パルス幅を増減させるか、あるいは噴射回数を増減することで実行される。
次に、本実施形態に係る排気浄化装置による作用効果を説明する。
図5に示すように、電極27間の静電容量Cは、排気温度(SCR内部温度)の変化に対して排気温度センサのセンサ値よりも速い応答性を示す特性がある。すなわち、SCR22内に直接的に配置した電極27間の静電容量Cを用いれば、SCR22の前後に設けた排気温度センサのセンサ値よりも、SCR22の内部温度TSCRを正確に検出することが可能になる。
本実施形態の排気浄化装置では、電極27間の静電容量CからSCR22の内部温度TSCRを演算すると共に、この内部温度TSCRから求められるNH3吸着可能量STNH3に応じて尿素水噴射量が適宜補正される。すなわち、SCR前後の排気温度センサから内部温度を推定して噴射量を制御する従来技術に比べ、応答性の速い静電容量から演算される正確な内部温度TSCRを用いることで、尿素水噴射量の最適化が確実に図られるように構成されている。
したがって、本実施形態の排気浄化装置によれば、尿素水噴射量をSCR22の内部温度TSCRに応じて正確に制御することが可能となり、SCR22のNOx浄化性能を効果的に向上することができる。また、尿素水噴射量の最適化が図られることで、SCR22からのNH3スリップを効果的に抑止することが可能になる。さらに、SCR22の下流側に余剰のNH3を酸化除去する酸化触媒等を配置する必要がなくなり、装置全体のコストや重量・サイズ等を効果的に低減することも可能になる。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変形して実施することが可能である。
例えば、電極27の本数は少なくとも一対以上であればよく、図示例に限定されるものではない。また、エンジン10はディーゼルエンジンに限定されず、ガソリンエンジン等の他の内燃機関にも広く適用することが可能である。
10 エンジン
12 排気通路
18 エンジン回転数センサ
19 アクセル開度センサ
20 排気後処理装置
21 尿素水噴射装置
22 SCR
27 電極
50 ECU
51 SCR内部温度演算部
52 尿素水噴射制御部
53 噴射量補正部

Claims (3)

  1. 内燃機関の排気系に設けられ、尿素水から生成されるアンモニアを還元剤として排気中に含まれる窒素化合物を還元浄化する選択的還元触媒と、
    前記選択的還元触媒に尿素水を噴射する尿素水噴射手段と、
    前記選択的還元触媒の静電容量を検出する静電容量検出手段と、
    前記静電容量検出手段から入力される静電容量に基づいて、前記選択的還元触媒の内部温度を演算する内部温度演算手段と、
    少なくとも前記内燃機関の運転状態に応じて設定される所定の基準噴射量に基づいて、前記尿素水噴射手段の尿素水噴射を制御する噴射制御手段と、
    少なくとも前記内部温度演算手段から入力される内部温度に基づいて、前記基準噴射量を補正する噴射量補正手段と、を備える
    ことを特徴とする排気浄化装置。
  2. 前記噴射量補正手段は、前記内部温度演算手段から入力される内部温度に基づいて、前記選択的還元触媒の還元剤吸着能力を求めると共に、当該還元剤吸着能力に応じた噴射補正量で前記基準噴射量を補正する
    請求項1に記載の排気浄化装置。
  3. 前記静電容量検出手段が、前記選択的還元触媒内に一個以上の隔壁を挟んで対向配置されてコンデンサを形成する少なくとも一対の電極で構成される
    請求項1又は2に記載の排気浄化装置。
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