JP2006062922A - 膨張黒鉛シート - Google Patents

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Abstract

【課題】厚さ方向に比べて面方向の熱伝導率が大きく、かつ、熱伝導率が均一に保たれており、しかも、安価に効率よく生産することができる膨張黒鉛シートを提供する。
【解決手段】膨張黒鉛のみから形成されたシートであって、シートの面方向の熱伝導率が、350W/(m・K)以上となるように調整されている。シートが膨張黒鉛のみから形成されたものであり、面方向の熱伝導率が350W/(m・K)以上であるから、その厚さ方向の熱伝導率とその面方向の熱伝導性の差が非常に大きくなっており、熱の拡散移動に適したシートとすることができる。また、シートの製造を容易かつ短時間で行うことが生産性を高くすることができ、シートを安価に製造することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、厚さ方向に比べて面方向の熱伝導率が大きい、熱異方性を有する膨張黒鉛シートに関する。
厚さ方向に比べて面方向の熱伝導率が大きい、熱異方性を有するシートは、熱源からの熱を他の場所に移動させるための部材として使用されており、その面方向の熱伝導率が大きくなるほど熱の移動を速くすることができるため、面方向の熱伝導率が大きい材料が開発されている。
かかる面方向の熱伝導率が大きい材料として、従来例1のシート状グラファイト材料が開示されている(例えば、特許文献1)。
従来例1のシート状グラファイト材料は、ポリイミド等の高分子フィルムを2400℃以上で熱処理して製造されたものであり、その面方向の熱伝導率を500〜800W/(m・K)とすることができることが示されている。
しかるに、従来例1のシート状グラファイト材料は、原料となる高分子フィルムが高価であり、また、熱処理に要する時間が長いため生産性も低い。したがって、製造されるシート状グラファイト材料が非常に高価となるため、このシート状グラファイト材料を使用できる装置等が限定される。
また、従来例1のシート状グラファイト材料は、その面方向の熱伝導性が非常に高いが、高分子フィルムの厚さや密度等が均一でなければ、局所的に熱伝導率の低い場所ができる。すると、熱源からの熱を他の場所に移動させるための部材として使用した場合、熱伝導率の低い場所がヒートスポットとなって、その近傍の機器や部材に悪影響を与える可能性がある。しかし、従来例1には、かかる熱伝導率の不均一性に起因するヒートスポットの発生を防ぐ方法は記載されていない。
特開2001―79977号
本発明は上記事情に鑑み、厚さ方向に比べて面方向の熱伝導率が大きく、かつ、熱伝導率が均一に保たれており、しかも、安価に効率よく生産することができる膨張黒鉛シートを提供することを目的とする。
第1発明の膨張黒鉛シートは、面方向の熱伝導率が、350W/(m・K)以上であることを特徴とする。
第2発明の膨張黒鉛シートは、第1発明において、前記シートの表面の算術平均粗さが、5μm以下であることを特徴とする請求項1記載の膨張黒鉛シート。
第3発明の膨張黒鉛シートは、第1または2発明において、前記シートにおいて、該シートの熱伝導率の位置によるバラツキが、該シートの熱伝導率の最大値と最小値の差を該シートの平均熱伝導率で除した値が、0.1以下となるように調整されていることを特徴とする。
第4発明の膨張黒鉛シートは、第1、2または3発明において、前記シートの電磁波遮蔽率が、電磁波の周波数が100〜800MHzの間において、60dBμV/m以上となるように調整されていることを特徴とする。
第5発明の膨張黒鉛シートは、第1、2、3または4発明において、前記シートに含まれる不純物の総量が、10ppm以下となるように調整されていることを特徴とする。
第6発明の膨張黒鉛シートは、第1、2、3、4または5発明において、かさ密度が、1.6Mg/m以上であることを特徴とする。
第1発明によれば、面方向の熱伝導率が350W/(m・K)以上であるから、その面方向への熱の移動を速くすることができ、熱の拡散移動に適したシートとすることができる。とくに、シートを、膨張黒鉛のみから形成すれば、その厚さ方向の熱伝導率をその面方向の熱伝導率に比べて非常に大きすることができるから、より一層熱の拡散移動に適したシートとすることができる。また、膨張黒鉛のみから形成する場合、一般的な黒鉛に硫酸等の液体を含浸させた後、液体が含浸された黒鉛を加熱して形成された膨張黒鉛を、例えば、圧延等によって加圧圧縮すればシートを形成でき、特別な熱処理が不要であるから、シートの製造を容易かつ短時間で行うことができる。しかも、ロール圧延によってシートを形成すれば連続してシートの製造を行うことができるから生産性を高くすることができる。そして、膨張黒鉛のみから形成した場合には、原材料も安価になるから、シート自体も安価に製造することができる。
第2発明によれば、シートの表面の算術平均粗さが、5μm以下であるから、シートの熱伝導率の位置によるバラツキを小さくすることができ、シート内を熱が移動するときに、シートにヒートスポットが形成されることを防ぐことができる。
第3発明によれば、シートの熱伝導率の位置によるバラツキが小さくなっているので、シート内を熱が移動するときに、シートにヒートスポットが形成されることを防ぐことができる。
第4発明によれば、熱源からの熱を他の場所に移動させるための部材だけでなく、電磁波遮蔽部材としても使用できる。
第5発明によれば、シートに含まれる不純物の量が少ないので、シートを使用する装置等が不純物によって劣化することを防ぐことができる。
第6発明によれば、膨張黒鉛同士の結合が強くすることができるので、シートの強度が向上し破損しにくくなる。
本発明の膨張黒鉛シートは、膨張黒鉛を加圧圧縮して形成されたシートであって、実質的に膨張黒鉛のみを原料として形成されたものである。
なお、本発明の膨張黒鉛シートは、後述する原シートに圧縮する前の膨張黒鉛に、フェノール樹脂やゴム成分等のバインダーが若干(例えば5%程度)の混合されているものも含む概念であるが、バインダーが混合されていない方が熱伝導率や耐熱性に優れることから好適である。
以下では、バインダーが混合されているものも含めて、膨張黒鉛シートまたは膨張黒鉛として説明する。
本発明の膨張黒鉛シートは、繊維状の黒鉛が絡み合って綿状になった膨張黒鉛を、加圧圧縮してシート状に成形したものである。この膨張黒鉛シートの内部では、繊維状の黒鉛が、その軸方向がシートの面(すなわち、シート成形時の加圧方向に対して垂直な面)に沿って並び、かつ、シートの厚さ方向に重なりあった状態となっているため、繊維状黒鉛の軸方向、つまり、シートの面方向の熱伝導率がシートの厚さ方向の熱伝導率に比べて大きくなる。そして、本発明の膨張黒鉛シートでは、その面方向の熱伝導率が、350W/(m・K)以上となるように調整されている。そして、本発明の膨張黒鉛シートは、その面方向の熱伝導率がシートの厚さ方向の熱伝導率に比べて非常に大きくなっているから、熱の拡散移動に適したシートとすることができる。ここで、面方向の熱伝導率が350W/(m・K)よりも小さければ、シートの厚さ方向の熱伝導率との差が小さくなり、シートの面方向への熱の拡散が不十分となるため、本発明の膨張黒鉛シートは、面方向の熱伝導率が350W/(m・K)以上とすることが必要である。とくに、面方向の熱伝導率を380W/(m・K)以上、好ましくは400W/(m・K)以上とすれば、シートの厚さ方向の熱伝導率との差がより一層大きくなり、シート厚さを薄くした場合でも、面方向とシートの厚さ方向の熱伝導率の差を大きくすることができ、シートの面方向への熱の拡散に優れたシートとすることができる。
また、本発明の膨張黒鉛シートはそのかさ密度も大きくなっており、具体的には、かさ密度が1.6〜2.1Mg/mとなっている。
このため、繊維状黒鉛の絡み合いが強くなり、繊維状黒鉛同士の結合が強くなっているから、シートの強度も向上し、シートが破損しにくくなる。
また、本発明の膨張黒鉛シートは、上記のごとくかさ密度が大きくなっているので、電磁波遮蔽性も高くなっており、社団法人関西電子工業振興センター(KEC)で開発されたKEC法で測定した場合、電磁波の周波数が100〜800MHzの間において、60dBμV/m以上の減衰量となるように調整されている。このため、本発明の膨張黒鉛シートは、熱源からの熱を他の場所に移動させるための部材だけでなく、電磁波遮蔽部材としても使用できるのである。
なお、膨張黒鉛シートのかさ密度を大きくかつ厚さを厚くすれば電磁波遮蔽性を向上させることができるが、電磁波の周波数が100〜800MHzの間において60dBμV/m以上の電磁波遮蔽性を維持するのであれば、厚さ0.10〜3.0mm、かさ密度1.0〜2.1Mg/mとすればよく、電磁波の周波数が100〜800MHzの間において40dBμV/m以上の電磁波遮蔽性を維持すればよいのであれば、厚さ0.10〜3.0mm、かさ密度0.5〜2.1Mg/mとすればよい。
さらに、本発明の膨張黒鉛シートは、その表面粗さが、JISB0601-2001に規定される算術平均粗さにおいて、5μmより小さくなるように形成されており、かつ、シートの位置による表面粗さのバラツキが小さくなるように調整されている。すると、シートの位置による熱伝導率のバラツキが小さくなるので、シート内を熱が移動するときに、シート内において熱がほぼ同じ速度で移動拡散するから、シート内にヒートスポットが形成されることを防ぐことができる。シートの位置による表面粗さのバラツキは、例えば、一枚のシートにおいて複数箇所で熱伝導率を測定した場合において、測定された熱伝導率の最大値と最小値の差をシートの平均熱伝導率で除した値が0.1以下、つまり、平均熱伝導率に対する熱伝導率のバラツキの最大幅が、平均熱伝導率の10%以下となるように調整すればよい。
つぎに、上記のごとき膨張黒鉛シートを製造する方法を説明する。
図1は本発明の膨張黒鉛シート1の製造工程のフローチャートである。同図において符号11は、本発明の膨張黒鉛シートの原料となる膨張黒鉛を示している。
膨張黒鉛11は、天然黒鉛やキャッシュ黒鉛等を硫酸や硝酸等の液体に浸漬させた後、400℃以上で熱処理を行うことによって形成された綿状の黒鉛(膨張黒鉛)からなるシート状の原料である。
この膨張黒鉛11は、厚さが1.0〜30.0mm、かさ密度が0.1〜0.5Mg/mであり、この膨張黒鉛11をによって厚さ0.1〜3.0mm、かさ密度0.8〜1.0Mg/mまで圧縮して加圧成形し、原シート12を形成する。
なお、厚さ2.0mm、かさ密度0.1Mg/mの膨張黒鉛11を、厚さ0.2mm、かさ密度1.0Mg/mの原シート12となるように圧縮すると、圧縮時に気泡等の発生を防ぐことができ、均質な原シート12を製造できる。すると、本発明の膨張黒鉛シート1における熱伝導率のバラツキをより確実に防ぐことができるので、好適である。
さらになお、膨張黒鉛11を圧縮する方法としては、プレス成形やロール圧延があるが、ロール圧延とすれば、原シート12の生産性、つまり、膨張黒鉛シートを向上させることができる。
その後、ハロゲンガス等によって原シート12に含まれる硫黄や鉄分等の不純物を除去し、原シート12に含まれる不純物の総量が10ppm以下、とくに、硫黄が1ppm以下となるように処理し、純化シート13を形成する。
なお、純化シート13における不純物の総量は好ましくは5ppm以下とすれば、本発明の膨張黒鉛シート1を取り付けた部材や装置の劣化をより確実に防ぐことができる。
さらになお、原シート12から不純物を除去する方法は上記の方法に限られず、原シート12の厚さやかさ密度に合わせて最適な方法を採用すればよい。
前記純化シート13をさらにロール圧延等によって厚さ0.05〜1.5mm、かさ密度1.6〜2.1Mg/mとなるように加圧圧縮すれば、本発明の膨張黒鉛シート1が形成される。
なお、純化シート13を圧縮する方法としては、プレス成形やロール圧延があるが、ロール圧延とすれば、原シート12の生産性、つまり、膨張黒鉛シートの生産性を向上させることができる。
通常、膨張黒鉛シートを製造する場合、厚さ1.0〜30.0mm、かさ密度0.1〜0.5Mg/mの膨張黒鉛11を、厚さ0.1〜3.0mm、かさ密度0.8〜1.0Mg/mまで圧縮して原シート12を製造するが、厚さ0.1〜3.0mm、かさ密度0.8〜1.0Mg/mの原シート12(純化シート13)を、ロール圧延によって厚さ0.05〜1.5mm、かさ密度1.6〜2.1Mg/mに圧縮して膨張黒鉛シートとする場合、送り速度は3m/min未満とする。何故なら、送り速度が3m/min以上となると、形成された膨張黒鉛シートの表面に皺が発生し、また、表面の精度が低下する。すると、皺の部分における熱伝導率が低下し、また、表面からの放熱性も低下してしまい、所望の性能を有する膨張黒鉛シートを製造することができない。
本発明者らは、厚さ0.1〜3.0mm、かさ密度0.8〜1.0Mg/mの純化シート13を、3m/min未満の送り速度で移動させながら、厚さ0.05〜1.5mm、かさ密度1.6〜2.1Mg/mに圧縮すれば、製造された膨張黒鉛シート1に皺が形成されず、その表面粗さが向上することを発見した。
つまり、純化シート13を、3m/min未満の送り速度で移動させながら、圧縮成形すれば、厚さ0.05〜1.5mm、かさ密度1.6〜2.0Mg/m、かつ、表面粗さが5μm以下であって熱伝導率が均一な本発明の膨張黒鉛シート1を製造できるのである。なお、送り速度は、3m/min未満であればよいが、1〜2m/minとすれば、生産性の低下を防ぎつつ、上記のごとき性質を有する膨張黒鉛シート1を形成できるので、なお好適である。
なお、厚さが0.1〜0.5mm、かさ密度が1.6Mg/m以上の膨張黒鉛シート1とすれば、熱伝導性、電気伝導性、電磁波シールド性といった本発明の膨張黒鉛シート1としての機能を高く保ちつつ、製造コストや不良品の発生を効果的に抑えることができるので好適である。とくに、かさ密度を1.75Mg/m以上、好ましくは1.81Mg/m以上とすれば、膨張黒鉛シート1における上記機能をより一層向上することができ、しかも、シート自体の強度も向上させることができるので、好適である。
とくに、純化シート13の厚さおよびかさ密度、つまり、原シート12の厚さを0.2mm、かさ密度を1.0Mg/mとして、この純化シート13を、厚さ0.1mm、かさ密度1.9Mg/mの膨張黒鉛シート1とすれば、熱伝導性、電気伝導性、省スペース化、電磁波シールド性を保ちつつ、製造も容易にでき、製造コストを抑えることができるので、好適である。
そして、本発明の膨張黒鉛シート1は、膨張黒鉛11を圧縮する工程と、高純度化する工程だけで製造することができるから非常に生産性が高く、コストも安くすることができる。とくに、膨張黒鉛11を加圧圧縮する方法はプレス成形や圧延等があるがロール圧延によって圧縮すれば、膨張黒鉛シート1の生産性をより一層向上することができる。
さらになお、本発明の膨張黒鉛シート1の製造工程において、原シート12を高純度化せずに直接加圧圧縮してもよい。
本発明の膨張黒鉛シートと従来の膨張黒鉛シートの面方向の熱伝導率および電磁波遮蔽性、および表面粗さを比較した。
比較は、厚さ1.0mmの純化シートを、厚さ0.5mm、かさ密度1.9Mg/mの膨張黒鉛シートに成形する場合において、送り速度を1〜2m/minとして形成されたシート(本発明の膨張黒鉛シート:かさ密度1.9Mg/m)と、送り速度を3〜10m/minとして形成されたシート(従来の膨張黒鉛シート:かさ密度1.0Mg/m)の面方向の熱伝導率および電磁波遮蔽性、表面性状を比較した。
面方向の熱伝導率は、200×200×0.1mmの本発明の膨張黒鉛シートから、25×25×0.1mmの試験片を9つ切り取り、各試験片の面方向の熱伝導率を平均することによって求めた。熱伝導率の測定は、レーザーフラッシュ法で熱拡散率を求め、測定された熱拡散率から熱伝導率を求めた。
電磁波遮蔽性は、0〜1000MHzの各周波数における電磁波のシールド効果をKEC法によって測定した。
表面粗さは、上記9つ試験片において、表面粗さ形状測定機(SURFCOM 473A:株式会社東京精密製)を使用し、測定力4mN(400gf)以下、測定子として先端がダイヤモンド5μm 90°円錐、カットオフ0.8mmとして、中心線平均粗さ(JISB0601-2001では、算術平均粗さ)を測定した。
9つ試験片の面方向の熱伝導率を平均した値は、本発明の膨張黒鉛シートが400W/(m・K)となるのに対し、比較例の膨張黒鉛シートでは、200W/(m・K)となり、本発明の膨張黒鉛シートが面方向の熱伝導率が高いことが確認できる。
また、本発明の膨張黒鉛シートの場合、9つの試験片における面方向の熱伝導率が最大のものと最小のものとの差は30W/(m・K)であるのに対し、比較例の膨張黒鉛シートでは、約50W/(m・K)であり、本発明の膨張黒鉛シートの方が面方向の熱伝導率の均一性が高いことが分かる。
そして、本発明の膨張黒鉛シートが9つの試験片における中心線平均粗さの平均が2μmであり、かつそのバラツキが±1μmであるのに対し、比較例の膨張黒鉛シートでは、9つの試験片における中心線平均粗さの平均が6μmであり、かつそのバラツキが±2μmであり、本発明の膨張黒鉛シートの方が表面性状が向上しかつ均一化していることが確認できる。つまり、表面性状が向上しかつ均一化すれば、膨張黒鉛シートにおける面方向の平均熱伝導率およびその均一性を向上させることができるのである。
つぎに、電磁波遮蔽性を比較すると、図2に示すように、本発明の膨張黒鉛シートの場合、100〜800MHzの周波数帯では、60dBμV/m以上のシールド効果が見られるのに対し、比較例の膨張黒鉛シートでは、100〜800MHzの周波数帯におけるシールド効果が50dBμV/m程度であり、本発明の膨張黒鉛シートが電磁波遮蔽性が高いことが確認できる。
厚さ1.0mm、かさ密度1.0Mg/mの純化シートを、厚さ0.5mm、かさ密度1.9Mg/mの膨張黒鉛シートに成形する場合において、送り速度を、1〜10m/minの間で変化させて、送り速度を変化させた場合における、膨張黒鉛シートの表面粗さ、その表面における皺の形成状況、および熱伝導率のバラツキを比較した。
なお、熱伝導率のバラツキは、200×200×0.1mmの本発明の膨張黒鉛シートから、25×25×0.1mmの試験片を9つ切り取り、各試験片の面方向の熱伝導率の最大値(Max)と最小値(Min)の差で平均熱伝導率(Ave.)で除した値を比較した。
図3に示すように、送り速度を増加していくと、シートの表面の中心線平均粗さが大きくなり、それに伴って熱伝導率のバラツキが大きくなっていくことが確認できる。中心線平均粗さおよび熱伝導率のバラツキは、送り速度が2m/minから4m/minになると、その値が約2倍になっている。このことから、表面粗さの変化が熱伝導率のバラツキに影響を与え、表面粗さが急に悪化すれば熱伝導率のバラツキも大きくなることが確認できる。そして、送り速度が2m/minまで見られなかった表面のシワが、4m/minになると発生していることから、表面のシワの発生が熱伝導率のバラツキに大きな影響を与えていることが考えられる。
なお、送り速度が6m/min以上では、中心線平均粗さは6μmで一定であるにもかかわらず、熱伝導率のバラツキは送り速度の増加とともに大きくなっている。これは、急速な加圧により十分にシート内の脱気ができていないことと、急速な加圧による内部クラックの発生等が原因と考えられる。
本発明の膨張黒鉛シート1の製造工程のフローチャートである。 本発明の膨張黒鉛シートと従来の膨張黒鉛シートの電磁波遮蔽性の実験結果を比較した図である。 送り速度を変化させた場合における、膨張黒鉛シートの表面性状を比較した図である。
符号の説明
1 膨張黒鉛シート
11 膨張黒鉛
本発明は、厚さ方向に比べて面方向の熱伝導率が大きい、熱異方性を有する膨張黒鉛シートに関する。
厚さ方向に比べて面方向の熱伝導率が大きい、熱異方性を有するシートは、熱源からの熱を他の場所に移動させるための部材として使用されており、その面方向の熱伝導率が大きくなるほど熱の移動を速くすることができるため、面方向の熱伝導率が大きい材料が開発されている。
かかる面方向の熱伝導率が大きい材料として、従来例1のシート状グラファイト材料が開示されている(例えば、特許文献1)。
従来例1のシート状グラファイト材料は、ポリイミド等の高分子フィルムを2400℃以上で熱処理して製造されたものであり、その面方向の熱伝導率を500〜800W/(m・K)とすることができることが示されている。
しかるに、従来例1のシート状グラファイト材料は、原料となる高分子フィルムが高価であり、また、熱処理に要する時間が長いため生産性も低い。したがって、製造されるシート状グラファイト材料が非常に高価となるため、このシート状グラファイト材料を使用できる装置等が限定される。
また、従来例1のシート状グラファイト材料は、その面方向の熱伝導性が非常に高いが、高分子フィルムの厚さや密度等が均一でなければ、局所的に熱伝導率の低い場所ができる。すると、熱源からの熱を他の場所に移動させるための部材として使用した場合、熱伝導率の低い場所がヒートスポットとなって、その近傍の機器や部材に悪影響を与える可能性がある。しかし、従来例1には、かかる熱伝導率の不均一性に起因するヒートスポットの発生を防ぐ方法は記載されていない。
特開2001‐79977号
本発明は上記事情に鑑み、厚さ方向に比べて面方向の熱伝導率が大きく、かつ、熱伝導率が均一に保たれており、しかも、安価に効率よく生産することができる膨張黒鉛シートを提供することを目的とする。
第1発明の膨張黒鉛シートは、黒鉛を熱処理して膨張させた膨張黒鉛を主材料とするシートであって、面方向の熱伝導率が、350W/(m・K)以上であることを特徴とする。
第2発明の膨張黒鉛シートは、第1発明において、前記シートの表面の算術平均粗さが、5μm以下であることを特徴とする請求項1記載の膨張黒鉛シート。
第3発明の膨張黒鉛シートは、第1または2発明において、前記シートにおいて、該シートの熱伝導率の位置によるバラツキが、該シートの熱伝導率の最大値と最小値の差を該シートの平均熱伝導率で除した値が、0.1以下となるように調整されていることを特徴とする。
第4発明の膨張黒鉛シートは、第1、2または3発明において、前記シートの電磁波遮蔽率が、電磁波の周波数が100〜800MHzの間において、60dBμV/m以上となるように調整されていることを特徴とする。
第5発明の膨張黒鉛シートは、第1、2、3または4発明において、前記シートに含まれる不純物の総量が、10ppm以下となるように調整されていることを特徴とする。
第6発明の膨張黒鉛シートは、第1、2、3、4または5発明において、かさ密度が、1.6Mg/m以上であることを特徴とする。
第1発明によれば、面方向の熱伝導率が350W/(m・K)以上であるから、その面方向への熱の移動を速くすることができ、熱の拡散移動に適したシートとすることができる。とくに、シートを、膨張黒鉛のみから形成すれば、その面方向の熱伝導率をその厚さ方向の熱伝導率に比べて非常に大きすることができるから、より一層熱の拡散移動に適したシートとすることができる。また、膨張黒鉛のみから形成する場合、天然黒鉛等に硫酸等の液体を含浸させた後、液体が含浸された黒鉛を加熱して形成された膨張黒鉛を、例えば、圧延等によって加圧圧縮すればシートを形成でき、特別な熱処理が不要であるから、シートの製造を容易かつ短時間で行うことができる。しかも、ロール圧延によってシートを形成すれば連続してシートの製造を行うことができるから生産性を高くすることができる。そして、膨張黒鉛のみから形成した場合には、原材料も安価になるから、シート自体も安価に製造することができる。
第2発明によれば、シートの表面の算術平均粗さが、5μm以下であるから、シートの熱伝導率の位置によるバラツキを小さくすることができ、シート内を熱が移動するときに、シートにヒートスポットが形成されることを防ぐことができる。
第3発明によれば、シートの熱伝導率の位置によるバラツキが小さくなっているので、シート内を熱が移動するときに、シートにヒートスポットが形成されることを防ぐことができる。
第4発明によれば、熱源からの熱を他の場所に移動させるための部材だけでなく、電磁波遮蔽部材としても使用できる。
第5発明によれば、シートに含まれる不純物の量が少ないので、シートを使用する装置等が不純物によって劣化することを防ぐことができる。
第6発明によれば、膨張黒鉛同士の結合が強くすることができるので、シートの強度が向上し破損しにくくなる。
本発明の膨張黒鉛シートは、膨張黒鉛を加圧圧縮して形成されたシートであって、実質的に膨張黒鉛のみを原料として形成されたものである。
なお、本発明の膨張黒鉛シートは、後述する原シートに圧縮する前の膨張黒鉛に、フェノール樹脂やゴム成分等のバインダーが若干(例えば5%程度)の混合されているものも含む概念であるが、バインダーが混合されていない方が熱伝導率や耐熱性に優れることから好適である。
以下では、バインダーが混合されているものも含めて、膨張黒鉛シートまたは膨張黒鉛として説明する。
本発明の膨張黒鉛シートは、繊維状の黒鉛が絡み合って綿状になった膨張黒鉛を、加圧圧縮してシート状に成形したものである。この膨張黒鉛シートの内部では、繊維状の黒鉛が、その軸方向がシートの面(すなわち、シート成形時の加圧方向に対して垂直な面)に沿って並び、かつ、シートの厚さ方向に重なりあった状態となっているため、繊維状黒鉛の軸方向、つまり、シートの面方向の熱伝導率がシートの厚さ方向の熱伝導率に比べて大きくなる。そして、本発明の膨張黒鉛シートでは、その面方向の熱伝導率が、350W/(m・K)以上となるように調整されている。そして、本発明の膨張黒鉛シートは、その面方向の熱伝導率がシートの厚さ方向の熱伝導率に比べて非常に大きくなっているから、熱の拡散移動に適したシートとすることができる。ここで、面方向の熱伝導率が350W/(m・K)よりも小さければ、シートの厚さ方向の熱伝導率との差が小さくなり、シートの面方向への熱の拡散が不十分となるため、本発明の膨張黒鉛シートは、面方向の熱伝導率が350W/(m・K)以上とすることが必要である。とくに、面方向の熱伝導率を380W/(m・K)以上、好ましくは400W/(m・K)以上とすれば、シートの厚さ方向の熱伝導率との差がより一層大きくなり、シート厚さを薄くした場合でも、面方向とシートの厚さ方向の熱伝導率の差を大きくすることができ、シートの面方向への熱の拡散に優れたシートとすることができる。
また、本発明の膨張黒鉛シートはそのかさ密度も大きくなっており、具体的には、かさ密度が1.6〜2.1Mg/mとなっている。
このため、繊維状黒鉛の絡み合いが強くなり、繊維状黒鉛同士の結合が強くなっているから、シートの強度も向上し、シートが破損しにくくなる。
また、本発明の膨張黒鉛シートは、上記のごとくかさ密度が大きくなっているので、電磁波遮蔽性も高くなっており、社団法人関西電子工業振興センター(KEC)で開発されたKEC法で測定した場合、電磁波の周波数が100〜800MHzの間において、60dBμV/m以上の減衰量となるように調整されている。このため、本発明の膨張黒鉛シートは、熱源からの熱を他の場所に移動させるための部材だけでなく、電磁波遮蔽部材としても使用できるのである。
なお、膨張黒鉛シートのかさ密度を大きくかつ厚さを厚くすれば電磁波遮蔽性を向上させることができるが、電磁波の周波数が100〜800MHzの間において60dBμV/m以上の電磁波遮蔽性を維持するのであれば、厚さ0.10〜3.0mm、かさ密度1.0〜2.1Mg/mとすればよく、電磁波の周波数が100〜800MHzの間において40dBμV/m以上の電磁波遮蔽性を維持すればよいのであれば、厚さ0.10〜3.0mm、かさ密度0.5〜2.1Mg/mとすればよい。
さらに、本発明の膨張黒鉛シートは、その表面粗さが、JISB0601-2001に規定される算術平均粗さにおいて、5μmより小さくなるように形成されており、かつ、シートの位置による表面粗さのバラツキが小さくなるように調整されている。すると、シートの位置による熱伝導率のバラツキが小さくなるので、シート内を熱が移動するときに、シート内において熱がほぼ同じ速度で移動拡散するから、シート内にヒートスポットが形成されることを防ぐことができる。シートの位置による表面粗さのバラツキは、例えば、一枚のシートにおいて複数箇所で熱伝導率を測定した場合において、測定された熱伝導率の最大値と最小値の差をシートの平均熱伝導率で除した値が0.1以下、つまり、平均熱伝導率に対する熱伝導率のバラツキの最大幅が、平均熱伝導率の10%以下となるように調整すればよい。
つぎに、上記のごとき膨張黒鉛シートを製造する方法を説明する。
図1は本発明の膨張黒鉛シート1の製造工程のフローチャートである。同図において符号11は、本発明の膨張黒鉛シートの原料となる膨張黒鉛を示している。
膨張黒鉛11は、天然黒鉛やキャッシュ黒鉛等を硫酸や硝酸等の液体に浸漬させた後、400℃以上で熱処理を行うことによって形成された綿状の黒鉛(膨張黒鉛)からなるシート状の原料である。
この膨張黒鉛11は、厚さが1.0〜30.0mm、かさ密度が0.1〜0.5Mg/mであり、この膨張黒鉛11を厚さ0.1〜3.0mm、かさ密度0.8〜1.0Mg/mまで圧縮して加圧成形し、原シート12を形成する。
なお、厚さ2.0mm、かさ密度0.1Mg/mの膨張黒鉛11を、厚さ0.2mm、かさ密度1.0Mg/mの原シート12となるように圧縮すると、圧縮時に気泡等の発生を防ぐことができ、均質な原シート12を製造できる。すると、本発明の膨張黒鉛シート1における熱伝導率のバラツキをより確実に防ぐことができるので、好適である。
さらになお、膨張黒鉛11を圧縮する方法としては、プレス成形やロール圧延があるが、ロール圧延とすれば、原シート12の生産性、つまり、膨張黒鉛シートを向上させることができる。
その後、ハロゲンガス等によって原シート12に含まれる硫黄や鉄分等の不純物を除去し、原シート12に含まれる不純物の総量が10ppm以下、とくに、硫黄が1ppm以下となるように処理し、純化シート13を形成する。
なお、純化シート13における不純物の総量は好ましくは5ppm以下とすれば、本発明の膨張黒鉛シート1を取り付けた部材や装置の劣化をより確実に防ぐことができる。
さらになお、原シート12から不純物を除去する方法は上記の方法に限られず、原シート12の厚さやかさ密度に合わせて最適な方法を採用すればよい。
前記純化シート13をさらにロール圧延等によって厚さ0.05〜1.5mm、かさ密度1.6〜2.1Mg/mとなるように加圧圧縮すれば、本発明の膨張黒鉛シート1が形成される。
なお、純化シート13を圧縮する方法としては、プレス成形やロール圧延があるが、ロール圧延とすれば、原シート12の生産性、つまり、膨張黒鉛シートの生産性を向上させることができる。
通常、膨張黒鉛シートを製造する場合、厚さ1.0〜30.0mm、かさ密度0.1〜0.5Mg/mの膨張黒鉛11を、厚さ0.1〜3.0mm、かさ密度0.8〜1.0Mg/mまで圧縮して原シート12を製造するが、厚さ0.1〜3.0mm、かさ密度0.8〜1.0Mg/mの原シート12(純化シート13)を、ロール圧延によって厚さ0.05〜1.5mm、かさ密度1.6〜2.1Mg/mに圧縮して膨張黒鉛シートとする場合、送り速度は3m/min未満とする。何故なら、送り速度が3m/min以上となると、形成された膨張黒鉛シートの表面に皺が発生し、また、表面の精度が低下する。すると、皺の部分における熱伝導率が低下し、また、表面からの放熱性も低下してしまい、所望の性能を有する膨張黒鉛シートを製造することができない。
本発明者らは、厚さ0.1〜3.0mm、かさ密度0.8〜1.0Mg/mの純化シート13を、3m/min未満の送り速度で移動させながら、厚さ0.05〜1.5mm、かさ密度1.6〜2.1Mg/mに圧縮すれば、製造された膨張黒鉛シート1に皺が形成されず、その表面粗さが向上することを発見した。
つまり、純化シート13を、3m/min未満の送り速度で移動させながら、圧縮成形すれば、厚さ0.05〜1.5mm、かさ密度1.6〜2.0Mg/m、かつ、表面粗さが5μm以下であって熱伝導率が均一な本発明の膨張黒鉛シート1を製造できるのである。なお、送り速度は、3m/min未満であればよいが、1〜2m/minとすれば、生産性の低下を防ぎつつ、上記のごとき性質を有する膨張黒鉛シート1を形成できるので、なお好適である。
なお、厚さが0.1〜0.5mm、かさ密度が1.6Mg/m以上の膨張黒鉛シート1とすれば、熱伝導性、電気伝導性、電磁波シールド性といった本発明の膨張黒鉛シート1としての機能を高く保ちつつ、製造コストや不良品の発生を効果的に抑えることができるので好適である。とくに、かさ密度を1.75Mg/m以上、好ましくは1.81Mg/m以上とすれば、膨張黒鉛シート1における上記機能をより一層向上することができ、しかも、シート自体の強度も向上させることができるので、好適である。
とくに、純化シート13の厚さおよびかさ密度、つまり、原シート12の厚さを0.2mm、かさ密度を1.0Mg/mとして、この純化シート13を、厚さ0.1mm、かさ密度1.9Mg/mの膨張黒鉛シート1とすれば、熱伝導性、電気伝導性、省スペース化、電磁波シールド性を保ちつつ、製造も容易にでき、製造コストを抑えることができるので、好適である。
そして、本発明の膨張黒鉛シート1は、膨張黒鉛11を圧縮する工程と、高純度化する工程だけで製造することができるから非常に生産性が高く、コストも安くすることができる。とくに、膨張黒鉛11を加圧圧縮する方法はプレス成形や圧延等があるがロール圧延によって圧縮すれば、膨張黒鉛シート1の生産性をより一層向上することができる。
さらになお、本発明の膨張黒鉛シート1の製造工程において、原シート12を高純度化せずに直接加圧圧縮してもよい。
本発明の膨張黒鉛シートと従来の膨張黒鉛シートの面方向の熱伝導率および電磁波遮蔽性、および表面粗さを比較した。
比較は、厚さ1.0mmの純化シートを、厚さ0.5mm、かさ密度1.9Mg/mの膨張黒鉛シートに成形する場合において、送り速度を1〜2m/minとして形成されたシート(本発明の膨張黒鉛シート:かさ密度1.9Mg/m)と、送り速度を3〜10m/minとして形成されたシート(従来の膨張黒鉛シート:かさ密度1.0Mg/m)の面方向の熱伝導率および電磁波遮蔽性、表面性状を比較した。
面方向の熱伝導率は、200×200×0.1mmの本発明の膨張黒鉛シートから、25×25×0.1mmの試験片を9つ切り取り、各試験片の面方向の熱伝導率を平均することによって求めた。熱伝導率の測定は、レーザーフラッシュ法で熱拡散率を求め、測定された熱拡散率から熱伝導率を求めた。
電磁波遮蔽性は、0〜1000MHzの各周波数における電磁波のシールド効果をKEC法によって測定した。
表面粗さは、上記9つ試験片において、表面粗さ形状測定機(SURFCOM 473A:株式会社東京精密製)を使用し、測定力4mN(400gf)以下、測定子として先端がダイヤモンド5μm
90°円錐、カットオフ0.8mmとして、中心線平均粗さ(JISB0601-2001では、算術平均粗さ)を測定した。
9つ試験片の面方向の熱伝導率を平均した値は、本発明の膨張黒鉛シートが400W/(m・K)となるのに対し、比較例の膨張黒鉛シートでは、200W/(m・K)となり、本発明の膨張黒鉛シートが面方向の熱伝導率が高いことが確認できる。
また、本発明の膨張黒鉛シートの場合、9つの試験片における面方向の熱伝導率が最大のものと最小のものとの差は30W/(m・K)であるのに対し、比較例の膨張黒鉛シートでは、約50W/(m・K)であり、本発明の膨張黒鉛シートの方が面方向の熱伝導率の均一性が高いことが分かる。
そして、本発明の膨張黒鉛シートが9つの試験片における中心線平均粗さの平均が2μmであり、かつそのバラツキが±1μmであるのに対し、比較例の膨張黒鉛シートでは、9つの試験片における中心線平均粗さの平均が6μmであり、かつそのバラツキが±2μmであり、本発明の膨張黒鉛シートの方が表面性状が向上しかつ均一化していることが確認できる。つまり、表面性状が向上しかつ均一化すれば、膨張黒鉛シートにおける面方向の平均熱伝導率およびその均一性を向上させることができるのである。
つぎに、電磁波遮蔽性を比較すると、図2に示すように、本発明の膨張黒鉛シートの場合、100〜800MHzの周波数帯では、60dBμV/m以上のシールド効果が見られるのに対し、比較例の膨張黒鉛シートでは、100〜800MHzの周波数帯におけるシールド効果が50dBμV/m程度であり、本発明の膨張黒鉛シートが電磁波遮蔽性が高いことが確認できる。
厚さ1.0mm、かさ密度1.0Mg/mの純化シートを、厚さ0.5mm、かさ密度1.9Mg/mの膨張黒鉛シートに成形する場合において、送り速度を、1〜10m/minの間で変化させて、送り速度を変化させた場合における、膨張黒鉛シートの表面粗さ、その表面における皺の形成状況、および熱伝導率のバラツキを比較した。
なお、熱伝導率のバラツキは、200×200×0.1mmの本発明の膨張黒鉛シートから、25×25×0.1mmの試験片を9つ切り取り、各試験片の面方向の熱伝導率の最大値(Max)と最小値(Min)の差で平均熱伝導率(Ave.)で除した値を比較した。
図3に示すように、送り速度を増加していくと、シートの表面の中心線平均粗さが大きくなり、それに伴って熱伝導率のバラツキが大きくなっていくことが確認できる。中心線平均粗さおよび熱伝導率のバラツキは、送り速度が2m/minから4m/minになると、その値が約2倍になっている。このことから、表面粗さの変化が熱伝導率のバラツキに影響を与え、表面粗さが急に悪化すれば熱伝導率のバラツキも大きくなることが確認できる。そして、送り速度が2m/minまで見られなかった表面のシワが、4m/minになると発生していることから、表面のシワの発生が熱伝導率のバラツキに大きな影響を与えていることが考えられる。
なお、送り速度が6m/min以上では、中心線平均粗さは6μmで一定であるにもかかわらず、熱伝導率のバラツキは送り速度の増加とともに大きくなっている。これは、急速な加圧により十分にシート内の脱気ができていないことと、急速な加圧による内部クラックの発生等が原因と考えられる。
本発明の膨張黒鉛シート1の製造工程のフローチャートである。 本発明の膨張黒鉛シートと従来の膨張黒鉛シートの電磁波遮蔽性の実験結果を比較した図である。 送り速度を変化させた場合における、膨張黒鉛シートの表面性状を比較した図である。
符号の説明
1 膨張黒鉛シート
11 膨張黒鉛
本発明は、厚さ方向に比べて面方向の熱伝導率が大きい、熱異方性を有する膨張黒鉛シートに関する。
厚さ方向に比べて面方向の熱伝導率が大きい、熱異方性を有するシートは、熱源からの熱を他の場所に移動させるための部材として使用されており、その面方向の熱伝導率が大きくなるほど熱の移動を速くすることができるため、面方向の熱伝導率が大きい材料が開発されている。
かかる面方向の熱伝導率が大きい材料として、従来例1のシート状グラファイト材料が開示されている(例えば、特許文献1)。
従来例1のシート状グラファイト材料は、ポリイミド等の高分子フィルムを2400℃以上で熱処理して製造されたものであり、その面方向の熱伝導率を500〜800W/(m・K)とすることができることが示されている。
しかるに、従来例1のシート状グラファイト材料は、原料となる高分子フィルムが高価であり、また、熱処理に要する時間が長いため生産性も低い。したがって、製造されるシート状グラファイト材料が非常に高価となるため、このシート状グラファイト材料を使用できる装置等が限定される。
また、従来例1のシート状グラファイト材料は、その面方向の熱伝導性が非常に高いが、高分子フィルムの厚さや密度等が均一でなければ、局所的に熱伝導率の低い場所ができる。すると、熱源からの熱を他の場所に移動させるための部材として使用した場合、熱伝導率の低い場所がヒートスポットとなって、その近傍の機器や部材に悪影響を与える可能性がある。しかし、従来例1には、かかる熱伝導率の不均一性に起因するヒートスポットの発生を防ぐ方法は記載されていない。
特開2001‐79977号
本発明は上記事情に鑑み、厚さ方向に比べて面方向の熱伝導率が大きく、かつ、熱伝導率が均一に保たれており、しかも、安価に効率よく生産することができる膨張黒鉛シートを提供することを目的とする。
第1発明の膨張黒鉛シートは、黒鉛を熱処理して膨張させて綿状になった膨張黒鉛を主材料とするシートであって、面方向の熱伝導率が、350W/(m・K)以上であることを特徴とする。
第2発明の膨張黒鉛シートは、第1発明において、前記シートの表面の算術平均粗さが、5μm以下であることを特徴とする請求項1記載の膨張黒鉛シート。
第3発明の膨張黒鉛シートは、第1または2発明において、一辺が200mmである正方形状の前記シートにおける、一辺が25mmである正方形状をした複数の試験領域において、熱伝導率が最大となる試験領域における熱伝導率の値と熱伝導率が最小となる試験領域における熱伝導率の値との差を、全ての試験領域における熱伝導率の平均値で除した値が、0.1以下となるように調整されていることを特徴とする。
第4発明の膨張黒鉛シートは、第1、2または3発明において、前記シートの厚さが、0.1mm以上であり、該シートの電磁波遮蔽率が、電磁波の周波数が100〜800MHzの間において、60dBμV/m以上となるように調整されていることを特徴とする。
第5発明の膨張黒鉛シートは、第1、2、3または4発明において、前記シートに含まれる不純物の総量が、10ppm以下となるように調整されていることを特徴とする。
第6発明の膨張黒鉛シートは、第1、2、3、4または5発明において、かさ密度が、1.6Mg/m以上であることを特徴とする。
第1発明によれば、面方向の熱伝導率が350W/(m・K)以上であるから、その面方向への熱の移動を速くすることができ、熱の拡散移動に適したシートとすることができる。とくに、シートを、膨張黒鉛のみから形成すれば、その面方向の熱伝導率をその厚さ方向の熱伝導率に比べて非常に大きすることができるから、より一層熱の拡散移動に適したシートとすることができる。また、膨張黒鉛のみから形成する場合、天然黒鉛等に硫酸等の液体を含浸させた後、液体が含浸された黒鉛を加熱して形成された膨張黒鉛を、例えば、圧延等によって加圧圧縮すればシートを形成でき、特別な熱処理が不要であるから、シートの製造を容易かつ短時間で行うことができる。しかも、ロール圧延によってシートを形成すれば連続してシートの製造を行うことができるから生産性を高くすることができる。そして、膨張黒鉛のみから形成した場合には、原材料も安価になるから、シート自体も安価に製造することができる。
第2発明によれば、シートの表面の算術平均粗さが、5μm以下であるから、シートの熱伝導率の位置によるバラツキを小さくすることができ、シート内を熱が移動するときに、シートにヒートスポットが形成されることを防ぐことができる。
第3発明によれば、シートの熱伝導率の位置によるバラツキが小さくなっているので、シート内を熱が移動するときに、シートにヒートスポットが形成されることを防ぐことができる。
第4発明によれば、熱源からの熱を他の場所に移動させるための部材だけでなく、電磁波遮蔽部材としても使用できる。
第5発明によれば、シートに含まれる不純物の量が少ないので、シートを使用する装置等が不純物によって劣化することを防ぐことができる。
第6発明によれば、膨張黒鉛同士の結合が強くすることができるので、シートの強度が向上し破損しにくくなる。
本発明の膨張黒鉛シートは、膨張黒鉛を加圧圧縮して形成されたシートであって、実質的に膨張黒鉛のみを原料として形成されたものである。
なお、本発明の膨張黒鉛シートは、後述する原シートに圧縮する前の膨張黒鉛に、フェノール樹脂やゴム成分等のバインダーが若干(例えば5%程度)の混合されているものも含む概念であるが、バインダーが混合されていない方が熱伝導率や耐熱性に優れることから好適である。
以下では、バインダーが混合されているものも含めて、膨張黒鉛シートまたは膨張黒鉛として説明する。
本発明の膨張黒鉛シートは、繊維状の黒鉛が絡み合って綿状になった膨張黒鉛を、加圧圧縮してシート状に成形したものである。この膨張黒鉛シートの内部では、繊維状の黒鉛が、その軸方向がシートの面(すなわち、シート成形時の加圧方向に対して垂直な面)に沿って並び、かつ、シートの厚さ方向に重なりあった状態となっているため、繊維状黒鉛の軸方向、つまり、シートの面方向の熱伝導率がシートの厚さ方向の熱伝導率に比べて大きくなる。そして、本発明の膨張黒鉛シートでは、その面方向の熱伝導率が、350W/(m・K)以上となるように調整されている。そして、本発明の膨張黒鉛シートは、その面方向の熱伝導率がシートの厚さ方向の熱伝導率に比べて非常に大きくなっているから、熱の拡散移動に適したシートとすることができる。ここで、面方向の熱伝導率が350W/(m・K)よりも小さければ、シートの厚さ方向の熱伝導率との差が小さくなり、シートの面方向への熱の拡散が不十分となるため、本発明の膨張黒鉛シートは、面方向の熱伝導率が350W/(m・K)以上とすることが必要である。とくに、面方向の熱伝導率を380W/(m・K)以上、好ましくは400W/(m・K)以上とすれば、シートの厚さ方向の熱伝導率との差がより一層大きくなり、シート厚さを薄くした場合でも、面方向とシートの厚さ方向の熱伝導率の差を大きくすることができ、シートの面方向への熱の拡散に優れたシートとすることができる。
また、本発明の膨張黒鉛シートはそのかさ密度も大きくなっており、具体的には、かさ密度が1.6〜2.1Mg/mとなっている。
このため、繊維状黒鉛の絡み合いが強くなり、繊維状黒鉛同士の結合が強くなっているから、シートの強度も向上し、シートが破損しにくくなる。
また、本発明の膨張黒鉛シートは、上記のごとくかさ密度が大きくなっているので、電磁波遮蔽性も高くなっており、社団法人関西電子工業振興センター(KEC)で開発されたKEC法で測定した場合、電磁波の周波数が100〜800MHzの間において、60dBμV/m以上の減衰量となるように調整されている。このため、本発明の膨張黒鉛シートは、熱源からの熱を他の場所に移動させるための部材だけでなく、電磁波遮蔽部材としても使用できるのである。
なお、膨張黒鉛シートのかさ密度を大きくかつ厚さを厚くすれば電磁波遮蔽性を向上させることができるが、電磁波の周波数が100〜800MHzの間において60dBμV/m以上の電磁波遮蔽性を維持するのであれば、厚さ0.10〜3.0mm、かさ密度1.0〜2.1Mg/mとすればよく、電磁波の周波数が100〜800MHzの間において40dBμV/m以上の電磁波遮蔽性を維持すればよいのであれば、厚さ0.10〜3.0mm、かさ密度0.5〜2.1Mg/mとすればよい。
さらに、本発明の膨張黒鉛シートは、その表面粗さが、JISB0601-2001に規定される算術平均粗さにおいて、5μmより小さくなるように形成されており、かつ、シートの位置による表面粗さのバラツキが小さくなるように調整されている。すると、シートの位置による熱伝導率のバラツキが小さくなるので、シート内を熱が移動するときに、シート内において熱がほぼ同じ速度で移動拡散するから、シート内にヒートスポットが形成されることを防ぐことができる。シートの位置による表面粗さのバラツキは、例えば、一枚のシートにおいて複数箇所で熱伝導率を測定した場合において、測定された熱伝導率の最大値と最小値の差をシートの平均熱伝導率で除した値が0.1以下、つまり、平均熱伝導率に対する熱伝導率のバラツキの最大幅が、平均熱伝導率の10%以下となるように調整すればよい。
つぎに、上記のごとき膨張黒鉛シートを製造する方法を説明する。
図1は本発明の膨張黒鉛シート1の製造工程のフローチャートである。同図において符号11は、本発明の膨張黒鉛シートの原料となる膨張黒鉛を示している。
膨張黒鉛11は、天然黒鉛やキャッシュ黒鉛等を硫酸や硝酸等の液体に浸漬させた後、400℃以上で熱処理を行うことによって形成された綿状の黒鉛(膨張黒鉛)からなるシート状の原料である。
この膨張黒鉛11は、厚さが1.0〜30.0mm、かさ密度が0.1〜0.5Mg/mであり、この膨張黒鉛11を厚さ0.1〜3.0mm、かさ密度0.8〜1.0Mg/mまで圧縮して加圧成形し、原シート12を形成する。
なお、厚さ2.0mm、かさ密度0.1Mg/mの膨張黒鉛11を、厚さ0.2mm、かさ密度1.0Mg/mの原シート12となるように圧縮すると、圧縮時に気泡等の発生を防ぐことができ、均質な原シート12を製造できる。すると、本発明の膨張黒鉛シート1における熱伝導率のバラツキをより確実に防ぐことができるので、好適である
その後、ハロゲンガス等によって原シート12に含まれる硫黄や鉄分等の不純物を除去し、原シート12に含まれる不純物の総量が10ppm以下、とくに、硫黄が1ppm以下となるように処理し、純化シート13を形成する。
なお、純化シート13における不純物の総量は好ましくは5ppm以下とすれば、本発明の膨張黒鉛シート1を取り付けた部材や装置の劣化をより確実に防ぐことができる。
さらになお、原シート12から不純物を除去する方法は上記の方法に限られず、原シート12の厚さやかさ密度に合わせて最適な方法を採用すればよい。
前記純化シート13をさらにロール圧延等によって厚さ0.05〜1.5mm、かさ密度1.6〜2.1Mg/mとなるように加圧圧縮すれば、本発明の膨張黒鉛シート1が形成される
通常、膨張黒鉛シートを製造する場合、厚さ1.0〜30.0mm、かさ密度0.1〜0.5Mg/mの膨張黒鉛11を、厚さ0.1〜3.0mm、かさ密度0.8〜1.0Mg/mまで圧縮して原シート12を製造するが、厚さ0.1〜3.0mm、かさ密度0.8〜1.0Mg/mの原シート12(純化シート13)を、ロール圧延によって厚さ0.05〜1.5mm、かさ密度1.6〜2.1Mg/mに圧縮して膨張黒鉛シートとする場合、送り速度は3m/min未満とする。何故なら、送り速度が3m/min以上となると、形成された膨張黒鉛シートの表面に皺が発生し、また、表面の精度が低下する。すると、皺の部分における熱伝導率が低下し、また、表面からの放熱性も低下してしまい、所望の性能を有する膨張黒鉛シートを製造することができない。
本発明者らは、厚さ0.1〜3.0mm、かさ密度0.8〜1.0Mg/mの純化シート13を、3m/min未満の送り速度で移動させながら、厚さ0.05〜1.5mm、かさ密度1.6〜2.1Mg/mに圧縮すれば、製造された膨張黒鉛シート1に皺が形成されず、その表面粗さが向上することを発見した。
つまり、純化シート13を、3m/min未満の送り速度で移動させながら、圧縮成形すれば、厚さ0.05〜1.5mm、かさ密度1.6〜2.0Mg/m、かつ、表面粗さが5μm以下であって熱伝導率が均一な本発明の膨張黒鉛シート1を製造できるのである。なお、送り速度は、3m/min未満であればよいが、1〜2m/minとすれば、生産性の低下を防ぎつつ、上記のごとき性質を有する膨張黒鉛シート1を形成できるので、なお好適である。
なお、厚さが0.1〜0.5mm、かさ密度が1.6Mg/m以上の膨張黒鉛シート1とすれば、熱伝導性、電気伝導性、電磁波シールド性といった本発明の膨張黒鉛シート1としての機能を高く保ちつつ、製造コストや不良品の発生を効果的に抑えることができるので好適である。とくに、かさ密度を1.75Mg/m以上、好ましくは1.81Mg/m以上とすれば、膨張黒鉛シート1における上記機能をより一層向上することができ、しかも、シート自体の強度も向上させることができるので、好適である。
とくに、純化シート13の厚さおよびかさ密度、つまり、原シート12の厚さを0.2mm、かさ密度を1.0Mg/mとして、この純化シート13を、厚さ0.1mm、かさ密度1.9Mg/mの膨張黒鉛シート1とすれば、熱伝導性、電気伝導性、省スペース化、電磁波シールド性を保ちつつ、製造も容易にでき、製造コストを抑えることができるので、好適である。
そして、本発明の膨張黒鉛シート1は、膨張黒鉛11を圧縮する工程と、高純度化する工程だけで製造することができるから非常に生産性が高く、コストも安くすることができる
さらになお、本発明の膨張黒鉛シート1の製造工程において、原シート12を高純度化せずに直接加圧圧縮してもよい。
本発明の膨張黒鉛シートと従来の膨張黒鉛シートの面方向の熱伝導率および電磁波遮蔽性、および表面粗さを比較した。
比較は、厚さ1.0mmの純化シートを、厚さ0.5mm、かさ密度1.9Mg/mの膨張黒鉛シートに成形する場合において、送り速度を1〜2m/minとして形成されたシート(本発明の膨張黒鉛シート:かさ密度1.9Mg/m)と、送り速度を3〜10m/minとして形成されたシート(従来の膨張黒鉛シート:かさ密度1.0Mg/m)の面方向の熱伝導率および電磁波遮蔽性、表面性状を比較した。
面方向の熱伝導率は、200×200×0.1mmの本発明の膨張黒鉛シートから、25×25×0.1mmの試験片を9つ切り取り、各試験片の面方向の熱伝導率を平均することによって求めた。熱伝導率の測定は、レーザーフラッシュ法で熱拡散率を求め、測定された熱拡散率から熱伝導率を求めた。
電磁波遮蔽性は、0〜1000MHzの各周波数における電磁波のシールド効果をKEC法によって測定した。
表面粗さは、上記9つ試験片において、表面粗さ形状測定機(SURFCOM 473A:株式会社東京精密製)を使用し、測定力4mN(400gf)以下、測定子として先端がダイヤモンド5μm 90°円錐、カットオフ0.8mmとして、中心線平均粗さ(JISB0601-2001では、算術平均粗さ)を測定した。
9つ試験片の面方向の熱伝導率を平均した値は、本発明の膨張黒鉛シートが400W/(m・K)となるのに対し、比較例の膨張黒鉛シートでは、200W/(m・K)となり、本発明の膨張黒鉛シートが面方向の熱伝導率が高いことが確認できる。
また、本発明の膨張黒鉛シートの場合、9つの試験片における面方向の熱伝導率が最大のものと最小のものとの差は30W/(m・K)であるのに対し、比較例の膨張黒鉛シートでは、約50W/(m・K)であり、本発明の膨張黒鉛シートの方が面方向の熱伝導率の均一性が高いことが分かる。
そして、本発明の膨張黒鉛シートが9つの試験片における中心線平均粗さの平均が2μmであり、かつそのバラツキが±1μmであるのに対し、比較例の膨張黒鉛シートでは、9つの試験片における中心線平均粗さの平均が6μmであり、かつそのバラツキが±2μmであり、本発明の膨張黒鉛シートの方が表面性状が向上しかつ均一化していることが確認できる。つまり、表面性状が向上しかつ均一化すれば、膨張黒鉛シートにおける面方向の平均熱伝導率およびその均一性を向上させることができるのである。
つぎに、電磁波遮蔽性を比較すると、図2に示すように、本発明の膨張黒鉛シートの場合、100〜800MHzの周波数帯では、60dBμV/m以上のシールド効果が見られるのに対し、比較例の膨張黒鉛シートでは、100〜800MHzの周波数帯におけるシールド効果が50dBμV/m程度であり、本発明の膨張黒鉛シートが電磁波遮蔽性が高いことが確認できる。
厚さ1.0mm、かさ密度1.0Mg/mの純化シートを、厚さ0.5mm、かさ密度1.9Mg/mの膨張黒鉛シートに成形する場合において、送り速度を、1〜10m/minの間で変化させて、送り速度を変化させた場合における、膨張黒鉛シートの表面粗さ、その表面における皺の形成状況、および熱伝導率のバラツキを比較した。
なお、熱伝導率のバラツキは、200×200×0.1mmの本発明の膨張黒鉛シートから、25×25×0.1mmの試験片を9つ切り取り、各試験片の面方向の熱伝導率の最大値(Max)と最小値(Min)の差で平均熱伝導率(Ave.)で除した値を比較した。
図3に示すように、送り速度を増加していくと、シートの表面の中心線平均粗さが大きくなり、それに伴って熱伝導率のバラツキが大きくなっていくことが確認できる。中心線平均粗さおよび熱伝導率のバラツキは、送り速度が2m/minから4m/minになると、その値が約2倍になっている。このことから、表面粗さの変化が熱伝導率のバラツキに影響を与え、表面粗さが急に悪化すれば熱伝導率のバラツキも大きくなることが確認できる。そして、送り速度が2m/minまで見られなかった表面のシワが、4m/minになると発生していることから、表面のシワの発生が熱伝導率のバラツキに大きな影響を与えていることが考えられる。
なお、送り速度が6m/min以上では、中心線平均粗さは6μmで一定であるにもかかわらず、熱伝導率のバラツキは送り速度の増加とともに大きくなっている。これは、急速な加圧により十分にシート内の脱気ができていないことと、急速な加圧による内部クラックの発生等が原因と考えられる。
本発明の膨張黒鉛シート1の製造工程のフローチャートである。 本発明の膨張黒鉛シートと従来の膨張黒鉛シートの電磁波遮蔽性の実験結果を比較した図である。 送り速度を変化させた場合における、膨張黒鉛シートの表面性状を比較した図である。
符号の説明
1 膨張黒鉛シート
11 膨張黒鉛

Claims (6)

  1. 面方向の熱伝導率が、350W/(m・K)以上である
    ことを特徴とする膨張黒鉛シート。
  2. 前記シートの表面の算術平均粗さが、5μmよりも小さい
    ことを特徴とする請求項1記載の膨張黒鉛シート。
  3. 前記シートにおいて、該シートの熱伝導率の位置によるバラツキが、該シートの熱伝導率の最大値と最小値の差を該シートの平均熱伝導率で除した値が、0.1以下となるように調整されている
    ことを特徴とする請求項1または2記載の膨張黒鉛シート。
  4. 前記シートの電磁波遮蔽率が、
    電磁波の周波数が100〜800MHzの間において、60dBμV/m以上となるように調整されている
    ことを特徴とする請求項1、2または3記載の膨張黒鉛シート。
  5. 前記シートに含まれる不純物の総量が、10ppm以下となるように調整されている
    ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の膨張黒鉛シート。
  6. かさ密度が、1.6Mg/m以上である
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の膨張黒鉛シート。
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