JP2008162893A5 - - Google Patents

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加圧方法
本発明は、加圧方法に関する。材料を加圧する際に、材料と加圧部材とが直接接触していると、加圧部材の損傷や、加圧部材に含まれる不純物による材料の汚染が発生し、製造された製品の品質が低下するといった問題が発生する。
本発明は、かかる材料を加圧する際に発生する加圧部材の損傷や、材料の汚染、さらには、製品品質の低下等を防ぐ加圧方法に関する。
従来から、物質を成形する型から加圧成形後の製品を取り外すときに、型離れを良くすることを目的として、離型用シートを使用した物質の加圧成形が行われている。例えば、石英ガラスの製造では、シリカ粉末と黒鉛質モールドとの間に、黒鉛質カーボン繊維からなるフェルト材や黒鉛シートを介在させることが行われている(例えば、特許文献1〜3)。
特許文献1,2には、かさ密度が0.1〜1.5g/cm3であって、かつNa,K,Fe及びTiの各不純物が1ppm以下となるように高純度化された黒鉛フェルトや黒鉛シートを使用する旨が記載されている。黒鉛フェルトおよび黒鉛シートは、いずれも伸縮性と通気性を有しており、しかも、黒鉛シートは、シリカ粉末との反応による消失量が少なく、また、面が平滑であるためガラス面の平坦度を出すのに適しているとの記載がある。
また、特許文献3には、充填シリカ粉末と円筒形状構成黒鉛質カ−ボンとの接触部分に、黒鉛質カ−ボン繊維からなるかさ密度が0.1 〜0.5 g/cm3のカ−ボンフェルトを介在させる旨が記載されている。そして、カ−ボンフェルトは、蒸発シリカガスや、カ−ボンフェルトとシリカの反応によって発生するガスを排出する機能を有し、しかも、製造されたガラスと円筒形状構成黒鉛質カ−ボンの熱膨張差を吸収するので、ガラス製造後冷却時に両者が破壊することを防ぐ役割も有するとの記載がある。
しかるに、特許文献1〜3では、黒鉛フェルトおよび黒鉛シート、カ−ボンフェルト(以下、単にシートという)がある程度の伸縮性と通気性を有しているものの、モールドとガラス等との熱膨張差に起因する破損や、製品に気泡が発生するといった問題を十分に防ぐことができていない。
また、製造された製品にシートが付着したままモールドから取り出されるという現象が生じており、かかるシートを除去する作業に時間がかかっており、製品の生産効率が低下するという問題が存在するが、特許文献1〜3にはかかる問題を解決する方法についてはなにも記載されていない。
特開平11−228166号 特開平11−278857号 特開平10−167742号
本発明は上記事情に鑑み、材料を加圧圧縮させて製品を製造したときに、製品品質を高く保つことができ、しかも、作業効率および歩留りを向上させることができる加圧方法を提供することを目的とする。
第1発明の加圧方法は、材料を加圧する場合において、膨張黒鉛によって形成されたシートを、前記材料と該材料を加圧する加圧部材との間に配置することを特徴とする。
発明の加圧方法は、成形用材料を加圧して成形する場合において、膨張黒鉛によって形成されたシートを、前記成形用材料と該成形用材料を加圧する加圧部材との間に配置することを特徴とする。
発明の加圧方法は、第1または第2発明において、前記材料を、加熱しながら加圧することを特徴とする。
発明の加圧方法は、第1乃至第3発明において、前記シートを、前記加圧部材および/または前記材料と直接接するように配置することを特徴とする。
発明の加圧方法は、第1乃至第4発明において、前記シートが、かさ密度が、0.3〜1.5Mg/mであることを特徴とする。
発明の加圧方法は、第1乃至第5発明において、膨張黒鉛によって形成されたシートであって、該シートは、剥離強度が、50kPa以下であることを特徴とする。
発明の加圧方法は、第1乃至第6発明において、前記シートの表面の算術平均粗さが、10μm以下であることを特徴とする。
発明の加圧方法は、第1乃至第7発明において、前記シートの面方向の熱伝導率が、100W/(m・K)以上であることを特徴とする。
発明の加圧方法は、第1乃至第8発明において、前記シートは、厚さ方向から34.3MPaの加圧力で加圧圧縮したときにおける圧縮率が30%以上であることを特徴とする。
10発明の加圧方法は、第1乃至第9発明において、前記シートは、かさ密度が、0.5〜1.5Mg/mであり、かつ、厚さが、1.5mm以下であることを特徴とする。
11発明の加圧方法は、第1乃至第10発明において、灰分が、30massppm以下であることを特徴とする。
第1発明によれば、加圧部材と材料とが直接接触しないようにシートが配置されているので、加圧したときに、両者が固着することを防ぐことができる。よって、加圧部材の損傷や、製品品質の低下などを防ぐことできる。
発明によれば、加圧部材と材料とが直接接触しないようにシートが配置されているので、加圧したときに、両者が固着することを防ぐことができる。よって、加圧部材の損傷や、製品品質の低下などを防ぐことできる。
発明によれば、加圧部材と材料との間に膨張黒鉛製のシートが配置されているので、加圧部材の表面や材料の温度を均一化でき、均質な製品を製造することができる。
発明によれば、シートの表面の平滑度を高くしておけば、製品表面の平滑度を高くすることができる。しかも、膨張黒鉛製のシートが、直接、加圧部材の表面や材料の表面に接しているので、加圧部材の表面や材料の温度をより一層均一化できる。
発明によれば、シートが剥離性に優れているので、加圧部材の表面や成形品の表面に付着しているシートの除去作業を簡単かつ短時間で行うことができる。
発明によれば、炭化珪素や窒化アルミニウム等の金属の製造において原料とモールド等との間に配置しておけば、ガス化した原料やシートと原料が反応して発生するガスがシートを透過してモールド等と反応することを防ぐことができるので、モールド等の劣化を防ぐことができる。しかも、シートに排出口を設けておけば、この排出口から発生ガスを排出することができるから、製品に気泡等が発生するといった問題は防ぐことができ、製品の品質を向上させることができる。
発明によれば、剥離強度が低いので、炭化珪素や窒化アルミニウム等の金属の製造において原料とモールド等との間に配置しておけば、モールド等から製造された製品を取り出したときに、製造された製品に付着しているシートの除去作業を簡単かつ短時間で行うことができる。
発明によれば、シート表面が平滑であるから、シート除去後における製品表面の平滑度を高くすることができる。すると、製造された製品において、表面を加工する作業の作業時間を短縮することができる。しかも、除去される製品の量を少なくすることができるので、生産効率を高くすることができる。また、シートの表面方向における熱伝導率のばらつきが少なくなるので、原料に対して均一に熱を供給することができる。
発明によれば、熱伝導率が高いので、原料の温度を速く上昇させることができ、成形時間を短縮することができ、生産効率を高くすることができる。
10発明によれば、原料とモールド等の熱膨張率の相違に起因する、原料とモールド等の膨張収縮量に差が生じても、その差をシートが変形して吸収できるので、製品やモールド等の破損を防ぐことができる。
11発明によれば、シート中の灰分が少ないので、成型する材料が汚染されることを防ぐことができる。よって、成型品をより高品質にすることができる。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
本発明の加圧方法は、例えば、加圧部材によって材料を加圧する場合や加圧部材によって材料を加圧して成形する場合材料を加圧部材(後述する加圧部材2と底部材1cが相当する)によって挟んで加圧する場合や、炭化珪素や窒化アルミニウム等の原材料を黒鉛質モールドやグラファイト製成形容器等に収容した状態で加熱加圧して成形する場合等に採用される加圧方法である。
なお、本発明の加圧方法により製造される製品は、例えば、合成石英やSiC等であるが、とくに限定されない。
まず、本発明の加圧方法を、円筒状の石英ガラスを製造する場合を代表として説明する。
図1において、符号1は石英ガラスの原材料となるシリカ粉末Mが収容される、例えば黒鉛製のモールドを示している。このモールド1は、円筒状の内側部材1a、円筒状の外側部材1b、底部材1cから構成されており、これらの部材に囲まれた空間にシリカ粉末Mが収容されるのである。
このモールド1における内側部材1aの内面および外側部材1bの内面、および底部材1cの上面には、シリカ粉末Mとモールド1が直接接触しないように、それぞれ膨張黒鉛製のシート(以下、離型用シート4という)が配置されている。
そして、加圧部材2とシリカ粉末Mとの間にも離型用シート4を配置し、加圧部材2によってモールド1内に収容されたシリカ粉末Mを加圧しながら加熱すれば、円筒状の合成石英を形成することができる。
すると、離型用シート4によってモールド1や加圧部材2とシリカ粉末Mとが直接接触しないので、加圧したときに、両者が反応したり固着したりすることを防ぐことができる。よって、モールド1や加圧部材2の損傷や、合成石英の品質の低下などを防ぐことできる。
しかも、離型用シート4が膨張黒鉛製であるから、離型用シートにヒートスポットが形成されることを防ぐことができる。すると、加圧中において、モールド1や加圧部材2、シリカ粉末Mの温度を均一化できるから、均質な製品を製造することができる。
とくに、離型用シート4が、直接、モールド1や加圧部材2、シリカ粉末Mに接するように配設しておけば、加圧中におけるモールド1や加圧部材2、シリカ粉末Mの表面の温度をより一層均一化できる。この場合、離型用シート4の表面の平滑度を高くしておけば、成形された製品に離型用シート4の表面の形状が転写されるから、製品である合成石英の表面の平滑度を高くすることができる。
つぎに、離形用シートについて説明する。
本発明の加圧方法に使用される離型用シートは、膨張黒鉛をシート状に成形して形成されたものである。
膨張黒鉛は、天然黒鉛やキッシュ黒鉛等を硫酸や硝酸等の液体に浸漬させた後、400℃以上で熱処理を行うことによって形成されたものであり、綿状または繊維状をしたもの、つまり、その軸方向の長さが半径方向の長さよりも長いものである。例えば、膨張黒鉛は、その軸方向の長さが1〜3mm程度、かつ、半径方向の長さが300〜600μm程度のものである。そして、本発明の離型用シートの内部では、上記のごとき膨張黒鉛同士が絡みあっているのである。
なお、離型用シートは、上記のごとき膨張黒鉛のみで形成してもよいが、フェノール樹脂やゴム成分等のバインダーが若干(例えば5%程度)混合されていてもよい。
また、離型用シートは、ガス透過率が、1.0×10−4cm/sより小さい値、より具体的には1.0×10−9〜1.0×10−4cm/s程度となるように調整されている。 炭化珪素や窒化アルミニウム等の金属の製造では原料がガス化したりシートと原料が反応してガスが発生するのであるが、シートのガス透過率が大きすぎると、シートを透過したガスによって黒鉛製のモールド等が劣化するという問題が発生する。しかし、シートのガス透過率が上記のごとき範囲であれば、発生ガスがシートを透過することを抑制することができるので、黒鉛製のモールド等の劣化を防ぐことができ、モールド等の寿命を延長させつことができる。しかも、シートの一部に孔等の排出口を形成しておけば、その排出口から発生ガスを排出することができる。
しかし、ガス透過率を小さくしすぎると、成型された製品に気泡が発生する等の問題が生じるので、ガス透過率は、1.0×10−9〜1.0×10−4cm/s程度が好ましく、1.0×10−9〜1.0×10−6cm/sがさらに好ましい。
そして、離型用シートのかさ密度を、0.3〜1.5Mg/mとしておけば、離型用シートの剥離性が良好になる。すると、製品をモールド等から取り出したときに、モールド等や製品の表面に付着している離型用シートの除去作業を簡単かつ短時間で行うことができるから、後処理作業を短時間で終了することができる。
とくに、離型用シートを、その剥離強度が50kPa以下となるようにしておけば、より一層離型用シートの除去作業が容易になるので、好ましい。なお、剥離強度の測定方法については後述する。
また、加圧に離型用シートを使用すると、製品表面には離型用シート表面の凹凸が転写されるのであるが、製造される製品によっては、その表面の性状として高い平滑性が求められるものもあり、かかる製品の場合、シート表面の平滑性が低ければシート除去後に製品表面が所定の平滑度となるように加工する必要が生じる。
しかし、本発明の加圧方法に使用される離型用シートは、その表面の算術平均粗さが10μm以下となるように調整されているから、製品にシート表面の形状、つまり、凹凸が転写されても、シートを除去後における製品表面の平滑度を高くすることができる。
よって、本発明の加圧方法に使用される離型用シートのようにその表面の平滑度が高く、その平滑度が製品表面に要求される平滑度よりも高ければ、シート除去後の加工が不要となる。すると、シート表面の平滑度よりも高い平滑度が求められる製品であっても、所定の平滑度とするための加工時間を短縮することができる。そして、加工によって製品から除去する量を少なくすることができるから、製品の生産効率も高くすることができる。
そして、以下の方法を採用すれば、上記のごとく、本発明の加圧方法に使用される離型用シートをその表面の算術平均粗さが10μm以下となるように製造することができる。
まず、天然黒鉛やキッシュ黒鉛等を硫酸や硝酸等の液体に浸漬させた後、400℃以上で熱処理を行うことによって綿状の黒鉛(膨張黒鉛)を形成する。この膨張黒鉛は、厚さが1.0〜30.0mm、かさ密度が0.1〜0.5Mg/mであり、この膨張黒鉛を厚さ0.2〜0.6mm、かさ密度0.5〜1.5Mg/mまで圧縮して離型用シートを形成する。
このとき、膨張黒鉛を、送り速度0.1〜20.0m/minとした状態でロール圧延によって圧縮すれば、離型用シートの表面に皺等が発生することを防ぐことができるから、表面の算術平均粗さが10μm以下である離型用シートを製造できるのである。
なお、送り速度は、0.1〜20.0m/minであればよいが、0.5〜15.0m/minとすれば、生産性の低下を防ぎつつ、上記のごとき性質を有する離型用シートを形成できるので、なお好適である。
そして、本発明の加圧方法に使用される離型用シートは、その面方向の熱伝導率が100W/(m・K)以上となるように調整されているために、原料の温度を速く上げることができ、成形時間を短縮することができるから、生産効率を高くすることができる。
とくに、離型用シートを上記のごとき方法により製造すれば、その面方向の熱伝導率も均一になる。具体的には、離型用シートの一部を切り取って一辺が200mmである正方形状の試験片を形成し、この試験片において、その一辺が25mmである正方形状をした複数の試験領域における熱伝導率を測定すると、熱伝導率が最大となる試験領域における熱伝導率の値と熱伝導率が最小となる試験領域における熱伝導率の値との差を、全ての試験領域における熱伝導率の平均値で除した値が、0.1以下となるように、離型用シートを製造することができるのである。すると、離型用シートにヒートスポットが形成されることを防ぐことができるので、製品を均一に加熱することができ、より均質な製品を製造することができる。
また、本発明の加圧方法に使用される離型用シートは、その厚さ方向から34.3MPaの加圧力で加圧圧縮したときにおいて、圧縮率が30%以上となるように調整されていれば、より好ましい。
この場合、原料とモールド等との間の熱膨張率の相違に起因して加熱開始時や冷却時に原料とモールド等の膨張収縮量に差が生じても、その差をシートが変形して吸収できるので、製品やモールド等の破損を防ぐことができる。ここで、圧縮率とは、上記の加圧力で加圧圧縮しているときにおけるシートの厚さを、加圧力が加わっていない状態におけるシートの厚さにより除した値である。
なお、離型用シートが上記のごとき圧縮率を有していても、その厚さが薄すぎれば、十分な緩衝シロを取ることができない。言い換えれば、原料とモールド等の膨張収縮量の差を吸収できない可能性がある。
また、離型用シートを原料とモールドとの間に取り付けると、離型用シートは原料とモールドに密着するように屈曲変形される。このとき、シート自体の強度が弱かったり柔軟性が小さかったりすれば、離型用シートが上記のごとき圧縮率を有していても、屈曲変形されたときに、シート自体が割れたり欠けたり破れたりする可能性がある。
しかし、本発明の加圧方法に使用される離型用シートが、その厚さが1.5mm以下であり、かつ、かさ密度が0.5〜1.5Mg/mであれば、ある程度の強度をシートが有するので、シートが変形してもその割れ等などを防ぐことができる。しかも、シートが厚すぎないので、シートを容易に湾曲させることができ、湾曲させても割れたりすることを防ぐことができる。このため、シートをモールド等に容易に取り付けることができるし、モールド等に密着させた状態でシートを取り付けることができる。
よって、シートの取り付け作業などを短時間で行うことができるから、シートの取り付け作業だけでなく、作業全体としての作業時間の短縮に寄与することができる。
とくに、離型用シートを、厚さ0.3〜1.5mm、しかも、0.5〜1.5Mg/mとしておけば、シートの屈曲性を維持しつつその強度も高いので、シートの割れ等などをより確実に防ぐことができるので、好適である。
さらに、本発明の加圧方法に使用される離型用シートの製造工程において、ハロゲンガスなどによってシートを処理し、シートの灰分が30massppm以下となるように調整しておけは、シート中の灰分が少ないので、成型する材料が汚染されることを防ぐことができ、成型品をより高品質にすることができる。
つぎに、本発明の加圧方法に使用される離型用シートの剥離強度の測定方法を説明する。
図2は剥離強度の測定方法を説明した図である。図2において、符号4は本発明の加圧方法に使用される離型用シートを示している。図2(B)に示すように、剥離強度の測定は、離型用シート4の一端部の表面にダンプロンテープなどの粘着層を有するテープ5の一端部を貼り付け、離型用シート4の他端部およびテープ5の他端部をそれぞれ引っ張り、両者が剥離したときにおける荷重を測定することによって行われる。
試験片10を作成する方法を説明する。
まず、離型用シート4の一端部とテープ5の一端部を、接着部分が幅W25mm×長さOL10mmとなるように貼り付け、ローラ等の圧着工具(圧着速さ約5mm/s,1往復)によって両者を圧着する。
離型用シート4とテープ5とを圧着した後、テープ5の一端部を貼り付けたままテープ5を折り返す。このとき、折り返したテープ5の表面が、貼り付けた面、つまり、離型用シート4の表面と平行となる様に注意する。
最後に、離型用シート4やテープ5を切断して、試験片10の全体の長さLが100mmとなるように、調整する。
試験片10を使用して剥離強度を測定する方法を説明する。
まず、試験片10の両端をチャックCに取り付け、試験片が水平となるように保持する。そして、均一な速度V(20(mm/min))で試験片10の両端が離間する方向に荷重を負荷する。つまり、試験片10の両端を、互いに離間する方向に引っ張るのである。
そして、試験片10に加わる負荷荷重を大きくしていくと、やがて、試験片10のテープ5が離型用シート4から剥離する。この剥離が開始したときの荷重LDから以下の式に基づいて離型用シート4の剥離強度Tを求めるのである。
なお、以下の式でtは離型用シート4の厚さであり、Wは接着部分の幅である。
T=LD/(W×t)
本発明の加圧方法に使用される離型用シートにおける、ガス透過性とかさ密度の関係を調べた。
測定は、厚さ0.5mm、表面の算術平均粗さが10μm以下の離型用シートにおいて、かさ密度を0.1,0.3,0.5,0.7,1.0,1.5,1.7Mg/mとしたときにおけるガス透過性を確認した。
なお、シートはハロゲンガスで灰分が30massppm以下となるように調整している。
また、ガス透過率は以下の方法で測定した。
(1)互いに連通された一対の密閉されたチャンバーCA,CBにおいて、両チャンバーCA,CBを連通する通路(直径10mm)を本発明の離型用シート(直径30mm)で塞ぐように配置する。言い換えれば、離型用シートを通過しなければ一対の密閉されたチャンバーCA,CB間を空気が流れられない状態とする。
(2)この状態から、両チャンバーCA,CB内の気圧が1.0×10−4Paとなるまで両チャンバーCA,CBを真空引きする。そして、一方のチャンバーCA内の真空引きを継続しながら、他方のチャンバーCB内が所定の圧力(1.0×105Pa)となるまでNガスを供給する。
(3)他方のチャンバーCB内が所定の圧力(1.0×105Pa)となると、一方のチャンバーCA内の真空引きを停止する。すると、両チャンバーCA,CB間の圧力差と離型用シートのガス透過性応じて、徐々に応じて他方のチャンバーCBから一方のチャンバーCAにNガスが流れるので、一方のチャンバーCA内の圧力が上昇する。
(4)そして、一方のチャンバーCA内の真空引きを停止してから約100秒間における一方のチャンバーCA内の圧力上昇速度を測定し、以下の式に基づいて、ガス透過率K(cm/s)を算出した。
K=Q・L/(P・A)
なお、Qはガス流量(Pa・cm/s)、Pは両チャンバーCA,CB間の圧力差(Pa)、Aは離型用シートのガス透過率面積、つまり、両チャンバーCA,CBを連通する通路の面積(cm)である。
また、ガス流量Qは、一方のチャンバーCA内の真空引きを停止してから約100秒間における一方のチャンバーCA内の圧力上昇速度と、一方のチャンバーCAの容積から算出される。
図3(A)に示すように、ガス透過性はかさ密度が大きくなると低くなること、言い換えれば、かさ密度が大きくなるとガス遮蔽性が高くなることが確認できる。
本発明の加圧方法に使用される離型用シートにおける、剥離強度とかさ密度の関係を調べた。
測定は、厚さ0.5mm、表面の算術平均粗さが10μm以下の離型用シートにおいて、かさ密度を0.3,0.6,0.8,1.0,1.2,1.4,1.6,1.8,2.0Mg/mとしたときにおける剥離強度を確認した。なお、シートはハロゲンガスで灰分が30massppm以下となるように調整している。
また、剥離強度は、上述した試験方法によって調べた。
なお、テープには、ダンプロンテープNo.3505(日東電工社製)を使用した。
また、引張強度測定には、試験機インストロン4301を使用し、この試験機の上部チャックに離型用シート、下部チャックにダンプロンテープを、試験片が水平となるように取り付け、20(mm/min)の均一な速度で荷重を負荷し、両者の間で剥離が発生する荷重の最大値を記録し、この荷重に基づいて剥離強度を求めた。
なお、剥離開始は、装置にかかるトルクによって判断した。
図3(B)に示すように、かさ密度が大きくなるにつれ剥離強度が大きくなっており、かさ密度が1.4〜1.6Mg/mの間で、剥離強度が急激に大きくなっていることが確認できる。
本発明の加圧方法に使用される離型用シートを、厚さ方向から34.3MPaの加圧力で加圧圧縮したときにおける圧縮率を調べ、かさ密度と圧縮率の関係を確認した。
測定は、厚さ0.5mmの離型用シートにおいて、かさ密度を0.1,0.5,0.8,1.0,1.2,1.5,1.8Mg/mとしたときにおける圧縮率を測定した。圧縮率は、加圧圧縮前のシート厚さに対する加圧圧縮中におけるシート厚さの割合で評価した。
図3(C)に示すように、かさ密度が大きくなるにつれ、圧縮率が低下していることが確認できる。
厚さ0.2〜0.6mm、かさ密度0.5〜1.5Mg/mの本発明の加圧方法に使用される膨張黒鉛シートの熱伝導率のバラツキを比較した。
なお、熱伝導率のバラツキは、200×200mmの膨張黒鉛シートから、25×25mmの試験片を9つ切り取り、各試験片の面方向の熱伝導率の最大値(Max)と最小値(Min)の差で平均熱伝導率(Ave.)で除した値を比較した。
図4に示すように、膨張黒鉛シートの熱伝導率のバラツキは0.1以下であり、均熱性に優れていた。
本発明の加圧方法は、炭化珪素(SiC)や窒化アルミニウム、合成石英等の製造に適している。
合成石英等を製造する設備の概略説明図である。 剥離強度の測定方法を説明した図である。 離型用シートにおけるかさ密度とシートの性質と比較した図であり、(A)はガス透過性、(B)は剥離強度、(C)は圧縮率と比較した図である。 厚さ密度を変化させた場合における、離型用シートの熱伝導率のバラつきを比較した図である。
符号の説明
1 モールド
4 離型用シート
M シリカ粉末

Claims (11)

  1. 材料を加圧する場合において、膨張黒鉛によって形成されたシートを、前記材料と該材料を加圧する加圧部材との間に配置する
    ことを特徴とする加圧方法。
  2. 成形用材料を加圧して成形する場合において、膨張黒鉛によって形成されたシートを、前記成形用材料と該成形用材料を加圧する加圧部材との間に配置する
    ことを特徴とする加圧方法
  3. 前記材料を、加熱しながら加圧する
    ことを特徴とする請求項1または2記載の加圧方法
  4. 前記シートを、前記加圧部材および/または前記材料と直接接するように配置する
    ことを特徴とする請求項1乃至3記載の加圧方法
  5. 前記シートが、
    かさ密度が、0.3〜1.5Mg/mである
    ことを特徴とする請求項1乃至4記載の加圧方法
  6. 前記シートが、
    ガス透過率が、1.0×10−4cm/sより小さい値である
    ことを特徴とする請求項1乃至5記載の加圧方法
  7. 前記シートは、
    剥離強度が、50kPa以下である
    ことを特徴とする請求項1乃至6記載の加圧方法
  8. 前記シートの表面の算術平均粗さが、10μm以下である
    ことを特徴とする請求項1乃至7記載の加圧方法
  9. 前記シートの面方向の熱伝導率が、100W/(m・K)以上である
    ことを特徴とする請求項1乃至8記載の加圧方法
  10. 前記シートは、厚さ方向から34.3MPaの加圧力で加圧圧縮したときにおける圧縮率が30%以上である
    ことを特徴とする請求項1乃至9記載の加圧方法
  11. 灰分が、30massppm以下である
    ことを特徴とする請求項1乃至10記載の加圧方法
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