JP2002033107A - 燃料電池用セパレータ - Google Patents

燃料電池用セパレータ

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JP2002033107A
JP2002033107A JP2000217043A JP2000217043A JP2002033107A JP 2002033107 A JP2002033107 A JP 2002033107A JP 2000217043 A JP2000217043 A JP 2000217043A JP 2000217043 A JP2000217043 A JP 2000217043A JP 2002033107 A JP2002033107 A JP 2002033107A
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Japan
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polyimide film
fuel cell
gas
heating
separator
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JP2000217043A
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English (en)
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Nobuo Oya
修生 大矢
Shigeru Yao
滋 八尾
Yukihiko Asano
之彦 浅野
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Ube Corp
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Ube Industries Ltd
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄肉化が容易であり、機械的強
度、ガス不透過性、導電性、耐熱性、耐腐食性、及び、
熱伝導性が優れ、歩留まりよく容易に製造することがで
きる燃料電池用部材、特に燃料電池用セパレータを提供
すること。 【解決手段】 ポリイミドフィルムを加熱炭化し
て得られる黒鉛化率が高い炭素構造体により構成するこ
とによって、高い黒鉛化率による優れた機械的強度、導
電性、耐熱性、耐腐食性、及び、熱伝導性を備え、通常
の黒鉛材と比べてガス不透過性が高い燃料電池用セパレ
ータを提供できる。また、ポリイミドフィルムの積層体
を加熱炭化し一体化することによって歩留まりよく容易
に製造でき、特に薄肉化が容易である。更に、予めガス
流路溝となる部分を削除したポリイミドフィルムを含ん
で積層した積層体を加熱炭化し一体化することによっ
て、ガス流路溝を形成するための後加工が不要となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池用部材に
関する。特に固体高分子電解質型燃料電池において好適
に用いることができるポリイミドフィルムを加熱炭化し
て得られた燃料電池用セパレータに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、固体高分子電解質型燃料電池の開
発および実用化が進んでいる。固体高分子電解質型燃料
電池は、固体高分子電解質膜とその両側に設けられた電
極とそれぞれの電極に水素等の燃料ガスあるいは酸素等
の酸化剤ガスを供給したりドレインガスを排出するため
にガス流路溝を備えたセパレータなどからなる単セルを
積層したスタック、及び、前記スタックの外側に設けら
れた集電体などから構成されている。
【0003】前記セパレータには、構造材料としての機
械的強度と、燃料ガスと酸化剤ガスとを完全に分離して
それぞれの電極へ供給するために高度のガス不透過性
と、電極で発生する電流を集電体へ流す導電性と、それ
ぞれの電極での酸化及び還元雰囲気下での耐腐食性と、
使用温度での耐熱性、電池反応に伴う発熱を効率よく放
散させ電池内温度分布を均一化するための高い熱伝導性
などの特性が要求され、更に、電池のコンパクト化や体
積当たりの発電効率を高めるために厚さ1.0mm以下
の薄肉化が要求されている。
【0004】特開平4−267062号公報ではセパレ
ータの材質を純銅やステンレス鋼などで構成する例が開
示されている。しかしながら、これらの金属系の材料で
は燃料ガスとして用いる水素ガスとの長時間に亘って接
触するために、水素脆性が生じて材質劣化がおこり電池
性能が悪化する欠点があった。
【0005】また、特開平3−84865号公報では芳
香族ポリイミド樹脂のフィルム状成形体を焼成炭化した
ガラス状カーボン質からなる燃料電池用セパレータにつ
いて開示している。開示されたセパレータはポリイミド
先駆体の溶液をモールド中でイミド化してポリイミド成
形体としたあとで前記成形体を焼成炭化したものであっ
た。しかしながら、ガラス状カーボン材は緻密な組織構
造を有し高いガス不透過性を示すが、硬度が高く脆性で
あるので加工性が悪くまた熱伝導率が低く電気抵抗も大
きいという難点があった。特に高電流密度で運転される
固体高分子型燃料電池用セパレータとして用いるのは適
当でなかった。
【0006】このため、ガラス状カーボンに比べ熱伝導
率が高く電気抵抗が低いのでセパレータとして優れた熱
伝導性、導電性、耐腐食性を持つ黒鉛材を用いることが
検討されている。しかし、通常の黒鉛材である人造黒
鉛、天然黒鉛、膨張黒鉛などは組織中に微細な気孔空隙
が多数存在するためガス不透過性が低く、黒鉛材をその
まま燃料電池用セパレータとして使用することはできな
い。このために、前記黒鉛材の気孔空隙に熱硬化性樹脂
を含浸し加熱硬化するなどの方法によって気孔空隙を閉
塞させてガス不透過性にする試みがなされている。例え
ば、特開平8−222241号公報では、炭素質粉末と
結合材を加熱混練後CIP成形し、次いで焼成黒鉛化し
て得られた黒鉛材に熱硬化性材料を含浸して硬化処理す
た燃料電池用黒鉛部材が開示されている。しかしなが
ら、このような方法ではガス不透過性にする樹脂の存在
によって改良されるガス不透過性と、樹脂の存在によっ
て低下する熱伝導性、導電性、耐腐食性などの性能とを
バランスよく備えたセパレータを製造することは難しく
充分な性能ではなかった。
【0007】さらに、セパレータは電極と接する部分に
ガスが電極面全体で均一に供給かつ排出できるように非
常に微細で複雑なガス流路溝を備える。通常は前記のよ
うな黒鉛部材のシートの表面を切削加工することによっ
て流路溝が形成される。しかし、該切削加工は薄肉の黒
鉛材シート表面に微細で複雑な溝を切削して形成するの
であり極めて困難で歩留まりが低いなどの問題があっ
た。
【0008】これに対し、最近、比較的ガス不透過性が
高い膨張黒鉛からなる可撓性黒鉛シートを圧縮成形する
ことによって流路溝を備えるセパレータを形成する方法
が検討されているが、この方法で形成されたセパレータ
は、圧縮されて高密度化された部分のガス不透過性は高
くなるものの、圧縮されずに高密度化されない部分では
ガス透過性が存在するために安定した品質のものを得る
ことは難しいものであった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、薄肉
で、機械的強度、ガス不透過性、導電性、耐熱性、耐腐
食性、及び、熱伝導性が優れ、歩留まりよく容易に製造
することができる燃料電池用部材、特に燃料電池用セパ
レータを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上述のような状
況に鑑みてなされたものである。本発明は、ポリイミド
フィルムを加熱炭化して得られた黒鉛化率が高い炭素構
造体が、高い黒鉛化率によって黒鉛材が持つ優れた機械
的強度、導電性、耐熱性、耐腐食性、及び、熱伝導性を
備え、かつ、通常の黒鉛材の欠点であるガス透過性を持
たないガス不透過性が高い炭素構造体であることを見出
すことによって創製された。すなわち、本発明は、ポリ
イミドフィルムを嫌気性雰囲気下で加熱炭化して得られ
た黒鉛化率が50%以上の炭素構造体からなる燃料電池
用セパレータに関する。また、ポリイミドフィルムのテ
トラカルボン酸成分が3,3’,4,4’−ビフェニル
テトラカルボン酸類であること、ジアミン成分がジアミ
ノベンゼンであること、ポリイミドフィルムの複数枚を
積層した積層体を嫌気性雰囲気下で加熱炭化し一体化し
て得られた炭素構造体からなること、ポリイミドフィル
ムの厚さが100μm以下であることを特徴とする燃料
電池用セパレータに関する。更に、1枚以上のポリイミ
ドフィルムと、1枚以上のガス流路溝になる部分を削除
したポリイミドフィルムとを積層した積層体を嫌気性雰
囲気下で加熱炭化して得られた黒鉛化率が50%以上の
炭素構造体からなる燃料電池用セパレータに関する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の燃料電池用セパレータ
は、緻密なポリイミドフィルムを嫌気性雰囲気下で加熱
炭化して実質的に炭素からなる緻密で黒鉛化率が高い炭
素構造体として得られたセパレータである。特に、黒鉛
化率が50%以上の炭素構造体であることによって、機
械的強度やガス不透過性などのセパレータとして要求さ
れる特性が極めて優れたものである。また、本発明の燃
料電池用セパレータは、緻密なポリイミドフィルムの複
数枚を積層した積層体を嫌気性雰囲気下で加熱炭化し一
体化した炭素構造体として得られたものであり、更に、
本発明の燃料電池用セパレータは、緻密なポリイミドフ
ィルムと予めガス流路溝になる部分を削除したポリイミ
ドフィルムとを積層したポリイミド積層体を嫌気性雰囲
気下で加熱炭化し一体化した黒鉛化率が50%以上でガ
ス流路溝を備えた炭素構造体として得られたものであ
る。
【0012】本発明のポリイミドフィルムはポリイミド
分子間の凝集性や配向性が高く比較的高い融点を持つ
(或いは融点を示さない)芳香族ポリイミドが好まし
い。このようなポリイミドフィルムを加熱炭化するとポ
リマーの分子配列を保持しながら炭化が進行するので緻
密で黒鉛化率が高い炭素構造体になり易い。分子間の凝
集性や配向性が低い低融点ポリイミドを加熱炭化する
と、黒鉛化が進むよりも先に分子が乱れて、炭化しても
黒鉛化が抑制されると考えられる。
【0013】前記ポリイミドフィルムは、特に限定しな
いが次のようにして製造することができる。略等モルの
芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分を有
機溶媒中で重合して得られたポリイミド前駆体(ポリア
ミック酸溶液或いはその部分的にイミド化したもの)溶
液を調整する。この溶液の対数粘度(30℃、濃度;
0.5g/100mL NMP)は0.3以上特に0.
5〜7が好ましく、溶媒はN−メチル−ピロリドン(N
MP)、パラクロロフェノール、フェノール、ピリジ
ン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチル
ホルムアミドなどであり、溶液濃度はポリイミド前駆体
が0.3〜60重量%好ましくは1〜30重量%のもの
である。ポリイミドフィルムはこの溶液を流延し加熱し
て熱イミド化し溶媒を除去することによって製造するこ
とができる。イミド化は化学イミド化によってもおこな
うことができる。流延するポリイミド前駆体溶液の溶液
粘度は10〜10000ポイズ、好ましくは40〜30
00ポイズである。溶液粘度が10ポイズより小さいと
溶液を流延した際に流延厚みが容易に変化してしまい、
均一な厚みのフィルムを得ることが容易ではないので適
当でなく、10000ポイズより大きいとフィルム状に
流延することが困難になるので適当ではない。
【0014】前記ポリイミドフィルムのテトラカルボン
酸成分としては、3,3’,4,4’−ビフェニルテト
ラカルボン酸二無水物(以下、S−BPDAと略す)及
び3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸及
びその塩及びそのエステル化誘導体などの3,3’,
4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸類が好ましい
が、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン
酸、ピロメリット酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸、2,2−ビス(3,4−ジカル
ボキシフェニル)プロパン、ビス(3,4−ジカルボキ
シフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジカルボキシフ
ェニル)エーテル、ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)チオエーテル及びそれらの二無水物及びそれらの塩
及びそれらのエステル化誘導体であってもよい。また上
記の各テトラカルボン酸類の混合物であってもよい。
【0015】前記ポリイミドフィルムのジアミン成分と
しては、ジアミノベンゼンであることが好ましく特に
1,4−ジアミノベンゼン及び1,3−ジアミノベンゼ
ンが好ましいが、4,4’−ジアミノジフェニルエーテ
ル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニ
ルエーテル、3,3’−ジエトキシ−4,4’−ジアミ
ノジフェニルエーテル、2,6−ジアミノピリジン、
3,6−ジアミノピリジン、2,5−ジアミノピリジ
ン、3,4−ジアミノピリジンであってもよい。また上
記各ジアミンの混合物であってもよい。
【0016】テトラカルボン酸成分が3,3’,4,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸類でありジアミン成
分がジアミノベンゼンであるポリイミドフィルムは前駆
体溶液の調整が容易であり均一な膜厚を持つ緻密なポリ
イミドフィルムを容易に得ることができる。しかも得ら
れたポリイミドフィルムは加熱炭化したときに緻密で黒
鉛化率が高い炭素構造体を形成し易いので本発明におい
ては好適である。
【0017】前記のようにして製造されたポリイミドフ
ィルムの厚みは通常5〜500μmのものであるが、本
発明で用いるポリイミドフィルムは5〜100μmの厚
みのものが好適であり、更に5〜60μmの厚みのもの
が好ましく、特に5〜30μmの厚みのものが好まし
い。ポリイミドフィルムを加熱炭化して炭素構造体を製
造する場合、元のポリイミドフィルムの厚みが薄いもの
ほど黒鉛化率が高くなる傾向があるので機械的強度やガ
ス不透過性が優れたセパレータを得ることができる。
【0018】従って、本発明においては、1枚の厚いポ
リイミドフィルムを加熱炭化して炭素構造体にするより
も薄いポリイミドフィルムを多数積層した積層体を加熱
炭化したものの方が黒鉛化率が高く機械的強度やガス不
透過性が優れたセパレータを得ることができるので好適
である。またポリイミドフィルムを積層した積層体を加
熱炭化すると炭化過程で各フィルム層が一体化して一体
構造の炭素構造体とすることができる。
【0019】本発明のポリイミドフィルムには加熱炭化
するときに黒鉛化を促進させる効果を有するホウ素化合
物などを加えるのが好適である。これらの化合物を予め
ポリイミド前駆体溶液中に分散しておいて、該溶液を流
延してフィルム化することによってポリイミドフィルム
中にうまく分散することが可能である。
【0020】本発明において、ポリイミドフィルムを積
層した積層体を加熱炭化する場合に、1枚以上のポリイ
ミドフィルムと、1枚以上のセパレータの燃料ガスある
いは酸素等の酸化剤ガスあるいはドレインガスのガス流
路の溝となる部分を予め削除したポリイミドフィルムと
を積層した積層体を加熱炭化してガス流路溝を有する炭
素構造体とすることが好適である。前記炭素構造体はガ
ス流路溝を切削する後加工が不要となる。セパレータの
ガス流路溝となる部分を予め削除したポリイミドフィル
ムはポリイミドフィルムをパンチングするなどして容易
に得ることができる。
【0021】本発明において、ポリイミドフィルム及び
ポリイミドフィルム積層体の加熱炭化は酸素など酸化活
性の気体がない嫌気性雰囲気下でおこなわれる。嫌気性
雰囲気は、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなど
の不活性ガス中か、真空中などが適当である。急激に昇
温するのは、分解物が散逸したり炭素分が留去して炭化
収率が低くなることがあっては好ましくなくまた構造欠
陥もできやすい。そのために昇温速度は20℃/分以
下、特に1〜10℃/分程度の十分遅い速度で昇温して
徐々に炭化するのが好ましい。加熱温度は2400〜3
500℃、特に2600〜3000℃の範囲が好まし
く、前記温度範囲で20〜180分間が好適である。前
記の加熱炭化によって黒鉛化率が50%以上の炭素構造
物を好適に得ることができる。
【0022】前記の加熱炭化の際に加熱と同時に圧力を
加えると黒鉛化率が高い炭素構造体を得られるので好ま
しい。加熱炭化中のポリイミドフィルムの収縮などに伴
う形状の変化を抑え、ポリイミド分子の部分的に炭素化
されつつある炭素部分の配向性を高めるために、得られ
た炭素構造体は緻密で黒鉛化率が高くなり、機械的強度
やガス不透過性が優れたものになる。また複数のポリイ
ミドを積層した積層体を加熱炭化して容易に一体構造の
炭素構造体とすることが可能になる。圧力は1〜250
MPa特に100〜250MPaで印加するのがよい。
加圧は高温圧縮機や等方圧熱間プレス(HIP)を用い
て好適におこなわれる。
【0023】本発明のセパレータは黒鉛化率が50%以
上の炭素構造体であり、好ましくは黒鉛化率が70%以
上の炭素構造体であり、特に好ましくは黒鉛化率が90
%以上の炭素構造体である。黒鉛化率が高い炭素構造体
は機械的強度が大きく、ガス不透過率が高いものである
から、肉薄でもセパレータとして要求される強度やガス
不透過性を満足できるセパレータとなる。
【0024】本発明の炭素構造体は、優れた機械的強
度、導電性、熱伝導性、耐腐食性などを有するので、燃
料電池用のセパレータ以外の部材、例えば、集電体とし
て用いることも好適である。
【0025】本発明において、溶液粘度は温度25℃で
E回転型粘度計を用いて測定した。炭素構造体の黒鉛化
率はX線回折を測定しRuland法により求めた。引
張強度は温度23℃で、チャック間距離30mm、引張
速度1mm/minの引張試験をおこなって求めた。ガ
ス透過係数は、試験気体に空気を用い、温度30℃でJ
IS K7126の差圧法に準じて測定した。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0027】(参考例1) (ポリイミドフィルムの製造)テトラカルボン酸成分と
してS−BPDAを、ジアミン成分として1,4−ジア
ミノベンゼンを用い、S−BPDAに対する1,4−ジ
アミノベンゼンのモル比が0.996でかつ該モノマー
成分の合計重量が18重量%になるようにN−メチル−
ピロリドン(NMP)に溶解し、温度40℃で10時間
重合をおこなってポリイミド前駆体溶液を得た。ポリイ
ミド前駆体溶液の溶液粘度は1500ポイズであった。
得られたポリイミド前駆体溶液をガラス板上に厚みが1
20μmになるように流延し、大気中にて温度400
℃、10分間熱処理をおこなうことにより厚さ30μm
のポリイミドフィルムを得た。
【0028】(実施例1)参考例1で得たポリイミドフ
ィルムを20枚積層したものと、前記ポリイミドフィル
ムを10枚を積層してスタンピングによりガス流路溝と
なる部分を打ち抜いて除去したものとを積層したポリイ
ミドフィルム積層体を、アルゴンガスの気流下中で、通
気性の炭素シートで両面を挟んで1MPaの圧力で加圧
しながら昇温速度10℃/分で20℃から1000℃ま
で昇温しさらに圧力200MPa、昇温速度5℃/分で
3000℃まで昇温し60分間保持した。降温後、表面
に流路溝を有する一体構造の炭素構造体が得られた。前
記構造体は緻密で表面光沢があり可撓性で強靭であり、
また、厚さは520μm、ガス流路溝の深さは240μ
m、みかけ密度は1775kg/m3、黒鉛化率は95
%以上であった。同時に製造した流路溝のない炭素構造
体について、引張強度を測定したところ300MPa以
上であり、ガス透過係数は1×10-8cm2/sec・
atm以下であった。
【0029】(参考例2) (ポリイミドフィルムの製造)前記参考例1で得られた
ポリイミド前駆体溶液に、粒子径が20μm以下の炭化
ホウ酸粉末をポリイミド前駆体に対し5重量%になるよ
うに計りとって加え均一になるまで攪拌した。炭化ホウ
酸は加熱炭化するときに結晶化を促進する効果を持って
いる。得られた炭化ホウ酸粉末分散ポリイミド前駆体溶
液をガラス板上に厚みが120μmになるように流延
し、大気中にて温度400℃、10分間熱処理をおこな
うことにより厚さ30μmの炭化ホウ酸粉末分散ポリイ
ミドフィルムを得た。
【0030】(実施例2)参考例2で得た炭化ホウ酸粉
末分散ポリイミドフィルムを20枚積層したものと、前
記ポリイミドフィルムを10枚を積層してスタンピング
によりガス流路溝となる部分を打ち抜いて除去したもの
とを積層したポリイミドフィルム積層体を、アルゴンガ
スの気流下中で、通気性の炭素シートで両面を挟んで1
MPaの圧力で加圧しながら昇温速度10℃/分で20
℃から1000℃まで昇温しさらに、圧力200MP
a、昇温速度5℃/分で3000℃まで昇温し60分間
保持した。降温後、表面に流路溝を有する一体構造の炭
素構造体が得られた。前記構造体は緻密で表面光沢があ
り可撓性で強靭であり、また、厚さは500μm、ガス
流路溝の深さは235μm、みかけ密度は1800kg
/m3、黒鉛化率は95%以上であった。同時に製造し
た流路溝のない炭素構造体について、引張強度を測定し
たところ350MPa以上であり、ガス透過係数は1×
10-8cm2/sec・atm以下であった。
【0031】(参考例3) (ポリイミドフィルムの製造)テトラカルボン酸成分と
してS−BPDAを、ジアミン成分として4,4’−ジ
アミノジフェニルエーテルを用い、S−BPDAに対す
る4,4’−ジアミノジフェニルエーテルのモル比が
0.996でかつ該モノマー成分の合計重量が18重量
%になるようにN−メチル−ピロリドン(NMP)に溶
解し、温度40℃で10時間重合をおこなってポリイミ
ド前駆体溶液を得た。ポリイミド前駆体溶液の溶液粘度
は1600ポイズであった。得られたポリイミド前駆体
溶液をガラス板上に厚みが120μmになるように流延
し、大気中にて温度400℃、10分間熱処理をおこな
うことにより厚さ30μmのポリイミドフィルムを得
た。
【0032】(比較例1)参考例3で得たポリイミドフ
ィルムを20枚積層したものと、前記ポリイミドフィル
ムを10枚を積層してスタンピングによりガス流路溝と
なる部分を打ち抜いて除去したものとを積層したポリイ
ミドフィルム積層体を、アルゴンガスの気流下中で、通
気性の炭素シートで両面を挟んで1MPaの圧力で加圧
しながら昇温速度10℃/分で20℃から1200℃ま
で昇温し180分間保持した。降温後、得られた炭素構
造体は黒鉛化率は38%で脆弱であり可撓性が乏しいも
のであった。同時に製造した流路溝のない炭素構造体に
ついて、引張強度を測定したところ100MPaであ
り、ガス透過係数は2×10-5cm2/sec・atm
であった。
【0033】
【発明の効果】本発明は以上説明したようなものである
から、以下に述べるような効果を奏する。本発明の燃料
電池用セパレータは、ポリイミドフィルムを加熱炭化し
て得られた黒鉛化率が高い炭素構造体から構成されたも
のであり、高い黒鉛化率によって優れた機械的強度、耐
熱性、耐腐食性、及び、熱伝導性を備え、かつ、通常の
黒鉛材の欠点であるガス透過性を持たないガス不透過性
が高いものである。また、ポリイミドフィルムの積層体
を加熱炭化し一体化したものであるから歩留まりよく容
易に製造できるものであり、特に薄肉化が容易なもので
ある。更に、本発明の燃料電池用セパレータは、ポリイ
ミドフィルムからガス流路溝となる部分を削除して積層
した積層体を加熱炭化し一体化したものであり、ガス流
路溝を形成するための微細な後加工が不要なものであ
る。
フロントページの続き Fターム(参考) 4G032 AA04 BA04 GA12 GA15 4G046 EA03 EB02 EB04 EC05 5H026 AA06 BB01 CC03 EE05 EE06 HH03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリイミドフィルムを嫌気性雰囲気下で加
    熱炭化して得られた黒鉛化率が50%以上の炭素構造体
    からなる燃料電池用セパレータ。
  2. 【請求項2】ポリイミドフィルムのテトラカルボン酸成
    分が3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸
    類であることを特徴とする前記請求項1記載の燃料電池
    用セパレータ。
  3. 【請求項3】ポリイミドフィルムのジアミン成分がジア
    ミノベンゼンであることを特徴とする前記請求項1〜2
    のいずれかに記載の燃料電池用セパレータ。
  4. 【請求項4】ポリイミドフィルムの複数枚を積層した積
    層体を嫌気性雰囲気下で加熱炭化し一体化して得られた
    炭素構造体からなることを特徴とする前記請求項1〜3
    のいずれかに記載の燃料電池用セパレータ。
  5. 【請求項5】ポリイミドフィルムの厚さが5〜100μ
    mであることを特徴とする前記請求項1〜4のいずれか
    に記載の燃料電池用セパレータ。
  6. 【請求項6】1枚以上のポリイミドフィルムと1枚以上
    のガス流路溝になる部分を削除したポリイミドフィルム
    とを積層した積層体を嫌気性雰囲気下で加熱炭化し一体
    化して得られた炭素構造体からなることを特徴とする前
    記請求項1〜5のいずれかに記載の燃料電池用セパレー
    タ。
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