JP2003138057A - ポリイミド多孔質膜及びその製造方法 - Google Patents
ポリイミド多孔質膜及びその製造方法Info
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Abstract
の高いポリイミド多孔質膜およびその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 膜の内部においてポリイミド相と空間相
とが網目構造を有して微細な連続孔を形成しており、膜
の両表面では多孔質構造を有する、ガ−レ−数が200
秒/100ml以下であるポリイミド多孔質膜、及び極
限粘度数数が2.2以上のポリイミドまたはポリイミド
前駆体の有機溶媒溶液を溶媒置換誘起の粘弾性相分離に
よりポリマ−成分を析出し、多孔質化することを特徴と
する請求項1あるいは5に記載のポリイミド多孔質膜の
製造方法。
Description
質膜及びその製造方法に関する。この明細書において、
微細な連続孔とは、任意の表面から細孔が通路状に他の
表面まで連続している、いわゆる開放孔をいい、細孔が
屈曲しながらある面から反対面に通じているものをい
う。また、この明細書において、実質的に独立孔を有さ
ずとは、ポリイミド多孔質膜の任意の断面の断面電子顕
微鏡写真において、独立孔が全孔(連続孔と独立孔との
合計)の30%以下の割合であることを意味する。この
明細書において、ガ−レ−数とは透気抵抗度を示し、秒
/100mlで表示され、JIS−P8117で測定さ
れるものである。
分子を分離するための数十Åの目開きを有する有するガ
ス分離膜から、固体粒子を分離するフィルタ−まで多数
ある。公知のフィルタ−は、目開き(濾過孔径)が大き
く、微小な粒子の捕集効率が低く、微粒子の捕集が困難
であった。また、気体から粉塵捕集・分離用のバグフィ
ルタ−は、目開きは、特に細かいもので、せいぜい10
μm程度である。耐熱性のバグフィルタ−は、多くはガ
ラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維などの耐熱性繊維か
らなる。
は、強度、耐久性を備えたポリイミド繊維からなるフィ
ルタ−エレメントが開示されている。また、特開平10
−298340号公報には、水処理、精密濾過に好適な
ポリオレフィン微多孔膜の製造方法が開示されている。
しかし、ポリオレフィン多孔膜は、温度200℃以上の
耐熱性用途には、フィルタ−として、耐熱性の点で不適
当である。一方、耐熱性樹脂繊維からなるフィルタ−エ
レメントは、厚くて、重量的に重いという欠点がある。
310658号公報に記載されているように、フィルム
断面に貫通孔を有し且つ表面に緻密層の存在しないポリ
イミド多孔質膜およびその製造法が提案された。この製
造法は、ポリイミド前駆体溶液を基板上に流延し、溶媒
置換速度調整材を介して凝固溶媒に接触させることによ
って、上記貫通孔を有するポリイミド前駆体の多孔質膜
を析出させている。また、特開2001−145826
号公報に記載されているように、ポリイミド前駆体に良
溶媒と非溶媒の混合液をド−プとして用いることを特徴
とするポリイミド多孔質膜の製造方法が提案された。
るポリイミド多孔質膜が得られる。しかし、透過性を高
くするために空孔率を大きくすると独立孔の割合が多く
なり却って透過性が低くなり、より透過性の高いものが
求められている。つまり、電池セパレ−タ−や精密フィ
ルタ−に用いるとき透気性能の点から、上記の改良が求
められている。
り透過性の高いポリイミド多孔質膜およびその製造方法
を提供することである。
おいてポリイミド相と空間相とが網目構造を有して微細
な連続孔を形成しており、膜の両表面では多孔質構造を
有する、ガ−レ−数が200秒/100ml以下である
ポリイミド多孔質膜に関する。
ず連続孔からなり、空孔率が25〜55%であるポリイ
ミド多孔質膜に関する。さらに、この発明は、極限粘度
数数が2.2以上のポリイミドまたはポリイミド前駆体
の有機溶媒溶液を溶媒置換誘起の粘弾性相分離によりポ
リマ−成分を析出し、多孔質化する上記のポリイミド多
孔質膜の製造方法に関する。
下に説明する。 1)ガ−レ−数が30〜200秒/100ml、特に5
0〜120秒/100mlである上記のポリイミド多孔
質膜。 2)電池セパレ−タ−用である上記のポリイミド多孔質
膜。 3)単層または複層の上記のポリイミド多孔質膜。
有機溶媒溶液が、ポリイミドまたはポリイミド前駆体の
濃度が12重量%以下でかつ溶液粘度が400ポイズ以
上である上記のポリイミド多孔質膜の製造方法。 5)溶媒置換誘起が、溶媒置換速度調整材を用いて凝固
溶媒とポリイミドまたはポリイミド前駆体の有機溶媒溶
液との直接接触を避けて行う上記のポリイミド多孔質膜
の製造方法。
−数が200秒/100ml以下であり、好適には30
〜200秒/100ml、特に50〜120秒/100
mlである。ポリイミド多孔質膜のガ−レ−数が200
/秒より大きいと目的を達成することができない。この
発明のポリイミド多孔質膜は、好適には表面の孔の平均
孔径が0.01〜2μmであり、特に0.03〜1μm
である。
好適には最大孔径が5μm以下である。さらに、この発
明のポリイミド多孔質膜は、好適には膜厚が5〜100
μmである。膜厚が5μmより薄いと、機械的強度が弱い
ものになってしまう。また、膜厚100μmを越える
と、連続孔の割合が減少し、通過量が少なくなる。
耐熱温度が200℃以上である。ここで言う耐熱性と
は、たとえばDSCで評価したガラス転移温度(Tg)
のことを言う。耐熱温度が200℃より低くなると、形
状が熱によって、収縮したり、伸びたり、変形すること
がある。
しくは2層以上を積層し、あるいはポリイミド多孔質膜
と他の不織布あるいは多孔膜、織物を積層することによ
ってフィルタ−として使用することができる。1層また
は2層以上のポリイミド多孔膜を組み合わせると、さら
に、フィルタ−として、幅広い性能が期待できる。2層
以上組み合わせて使用すると、捕集率がさらに増加す
る。また、他のフィルタ−エレメントである不織布、織
物を積層して単層または複層構造のフィルタ−を得るこ
とができる。組み合わせる不織布、織物としては、ガラ
ス繊維、炭素繊維、金属繊維、有機耐熱性繊維などの不
織布、織物などが耐熱性で好ましい。また、他の多孔質
の炭素板、黒鉛粉末、窒化珪素、窒化アルミなど無機物
の焼結膜、板状のものも多孔膜であれば好適に使用する
ことができる。
タ−からなるバグフィルタ−は、0.5μm以上の微粒
子が捕捉される。
次の方法によって製造することができる。極限粘度数数
が2.2以上、特に3〜4.5のポリイミドまたはポリ
イミド前駆体、好適にはポリイミド前駆体の溶液、好適
にはポリイミド前駆体溶液の流延物を溶媒置換速度調整
材を介して凝固溶媒と接触させてポリイミド前駆体の析
出、多孔質化を行い、次いで多孔質化されたポリイミド
前駆体フィルムを熱イミド化あるいは化学イミド化して
ポリイミド多孔質を製造する。前記の極限粘度数数が
2.2未満では目的とするガ−レ−数が200秒/10
0ml以下のポリイミド多孔質を得ることが困難であ
る。
方法に関し、好適例であるポリイミド前駆体を使用する
場合について述べるが、ポリイミドについても同様に行
うことできる。前記のポリイミド前駆体とは、テトラカ
ルボン酸成分とジアミン成分、好ましくは芳香族モノマ
−を重合して得られたポリアミック酸或いはその部分的
にイミド化したものであり、熱イミド化あるいは化学イ
ミド化することで閉環してポリイミド樹脂とすることが
できるものである。ポリイミドとは、イミド化率(IR
測定法)が約70%以上、好適には約90%以上の耐熱
性ポリマ−である。
る有機溶媒は、パラクロロフェノ−ル、N−メチル−2
−ピロリドン(NMP)、ピリジン、N,N−ジメチル
アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルホキシド、テトラメチル尿素、フェノ−ル、クレ
ゾ−ルなどが挙げられる。
分は、上記の有機溶媒中に大略等モル溶解し重合して、
極限粘度数数(30℃、NMP/水混合溶媒、ウベロ−
デ粘度計)が2.2以上、特に3〜4.5であるポリイ
ミド前駆体が製造される。また、重合を約80℃以上の
温度で行った場合に、部分的に閉環してイミド化したポ
リイミド前駆体が製造される。前記の2.2以上の極限
粘度数ポリイミド前駆体は、市販のジアミンおよびテト
ラカルボン酸二無水物を使用しても達成することができ
ず、ジアミンを昇華精製しテトラカルボン酸二無水物の
水分吸着を防止したものをそれぞれ使用することが好ま
しい。
(1) H2N−R(R1)m−A−(R2)nR’−NH2 (1) (ただし、前記一般式において、RおよびR’は直接結
合あるいは二価の芳香族環、R1およびR2は、水素、低
級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン原子などの置換
基であり、Aは、直接結合、O、S、CO、SO2、S
O、CH2、C(CH3)2などの二価の基であり、mお
よびnは1〜4の整数である。)で示されるジアミン化
合物、特に芳香族ジアミン化合物が好ましい。
ては、4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル(以下、
DADEと略記することもある)、3,3’−ジメチル
−4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル、3,3’−
ジエトキシ−4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル、
パラフェニレンジアミン(以下p−PDAと略記するこ
ともある)などが挙げられる。
ミノピリジンであってもよく、具体的には、2,6−ジ
アミノピリジン、3,6−ジアミノピリジン、2,5−
ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジンなどが挙
げられる。ジアミン成分は上記の各ジアミンを2種以上
組み合わせて使用してもよい。
適にはビフェニルテトラカルボン酸成分が挙げられ、例
えば3,3’,4,4’− ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物(以下、s−BPDAと略記することもあ
る)、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物(以下、a−BPDAと略記することもあ
る)が好ましく、上記の各ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物の混合物であってもよい。
ロメリット酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシ
フェニル)プロパン、ビス(3,4−ジカルボキシフェ
ニル)スルホン,ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)エ−テル、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)
チオエ−テルあるいはそれらの酸二無水物であってもよ
い。
に12重量%以下、特に1%〜12重量%の割合で溶解
してポリイミド前駆体溶液に調製することが好ましい
(有機溶媒を加えてもよくあるいは重合溶液をそのまま
用いても良い)。ポリイミド前駆体の割合が12重量%
より大きいと多孔質フィルムのイオン透過性が低下する
ため、上記範囲の割合が好適である。また、調製された
ポリイミド前駆体溶液の溶液粘度は400ポイズ以上、
特に400〜10000ポイズが好ましい。
粉末、織物などの充填材を配合してもよい。たとえば、
炭素繊維、ガラス繊維、窒化珪素繊維、金属繊維、黒鉛
粉末、窒化珪素、窒化硼素、石英、炭素繊維布などを配
合してもよい。これらの添加剤及び補強材は上記ポリイ
ミド前駆体溶液に、この発明のポリイミド多孔質膜を阻
害しない範囲で、適宜配合することができる。
延して流延物とした後、少なくとも片面に溶媒置換速度
調整材を配した積層フィルムとされる。ポリイミド前駆
体溶液の流延積層フィルムを得る方法としては特に制限
はないが、該ポリイミド前駆体溶液を基台となるガラス
等の板上或いは可動式のベルト上に流延した後、流延物
表面を溶媒置換速度調整材で覆う方法、該ポリイミド前
駆体溶液をスプレ−法あるいはドクタ−ブレ−ド法を用
いて溶媒置換速度調整材上に薄くコ−ティングする方
法、該ポリイミド前駆体溶液をTダイから押出して溶媒
置換速度調整材間に挟み込み、両面に溶媒置換速度調整
材を配した3層積層フィルムを得る方法などの手法を用
いることができる。
ィルムを凝固溶媒と接触させてポリイミド前駆体を析出
させる際に、ポリイミド前駆体の溶媒及び凝固溶媒が適
切な速度で透過する事が出来る程度の透過性を有するも
のが好ましい。特に、透気度が50〜1000秒/10
0ml、特に250〜800秒/100mlであるもの
が好ましい。溶媒置換速度調整材の膜厚は5〜500μ
m、好ましくは10〜100μmであり、フィルム断面
方向に貫通した0.01〜5μm、好ましくは0.03
〜1μmの孔が十分な密度で分散しているものが好適で
ある。溶媒置換速度調整材の膜厚が上記範囲より小さい
と溶媒置換速度が速すぎる為に析出したポリイミド前駆
体表面に緻密層が形成されるだけでなく凝固溶媒と接触
させる際にシワが発生する場合があるので適当でなく、
上記範囲より大きいと溶媒置換速度が遅くなる為にポリ
イミド前駆体内部に形成される孔構造が不均一となる。
は、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン、セルロ−スなどを材料とした不織布或いは多孔膜な
どが用いられ、特にポリオレフィン製の微多孔質膜を用
いた際に、製造されたポリイミド多孔質フィルム表面の
平滑性に優れるので好適である。
溶媒置換速度調整材を介して凝固溶媒と接触させること
でポリイミド前駆体の析出、多孔質化を行う。ポリイミ
ド前駆体の凝固溶媒としては、エタノ−ル、メタノ−ル
等のアルコ−ル類、アセトン、水等のポリイミド前駆体
の非溶媒またはこれら非溶媒99.9〜40重量%と前
記ポリイミド前駆体の溶媒0.1〜60重量%とのの混
合溶媒を用いることができる。非溶媒及び溶媒の組合わ
せには特に制限はないが、凝固溶媒に非溶媒と溶媒から
なる混合溶媒を用いた場合に析出したポリイミド前駆体
の多孔質構造が均一となるので好適である。特に、凝固
溶媒として、ポリイミド前駆体の溶媒0.1〜50重量
%と非溶媒99.9〜50重量%とからなる混合溶媒を
用いることが好ましい。
は、ついで熱イミド化処理或いは化学イミド化処理が施
される。ポリイミド前駆体フィルムの熱イミド化は、溶
媒置換速度調整材を取除いたポリイミド前駆体多孔質フ
ィルムをピン、チャック或いはピンチロ−ル等を用いて
熱収縮が生じないように固定し、大気中にて280〜5
00℃で5〜60分間行われる。
ミド化処理は、脂肪族酸無水物、芳香族酸無水物を脱水
剤として用い、トリエチルアミン等の第三級アミンを触
媒として行われる。また、特開平4−339835のよ
うに、イミダ−ル、ベンズイミダゾ−ル、もしくはそれ
らの置換誘導体を用いても良い。
ミド化処理は、ポリイミド多孔質膜を複層構成で製造す
る場合に好適に用いられる。複層ポリイミド多孔質膜
は、例えば溶媒置換速度調整材として用いるポリオレフ
ィン微多孔膜表面をポリイミド多孔質膜層との界面接着
性を改良するためにプラズマ、電子線或いは化学処理し
た後、ポリイミド前駆体溶液流延物と複層化し、凝固溶
媒との接触によってポリイミド前駆体溶液流延物を析
出、多孔質化し、得られた前駆体多孔質フィルムを複層
化する。最後に化学イミド化処理を行うことで複層ポリ
イミド多孔質フィルムを製造することができる。複層ポ
リイミド多孔質フィルムの化学イミド化処理は、積層す
る溶媒置換速度調整材の融点或いは耐熱温度以下の温度
範囲で行われることが好ましい。
は複層いずれの構成であってもよくフィルム全体の膜厚
が5〜100μm、耐熱温度が200℃以上、特に10
5℃で8時間熱処理した際の熱収縮率は±1%以下であ
るものが好ましい。
理は、脂肪族酸無水物、芳香族酸無水物を脱水剤として
用い、トリエチルアミン等の第三級アミンを触媒として
行われる。また、特開平4−339835のように、イ
ミダ−ル、ベンズイミダゾ−ル、もしくはそれらの置換
誘導体を用いても良い。
フィルムのイミド化率は、80%以上、好ましくは95
%以上である。イミド化率が80%より小さいと、フィ
ルタ−を高温で使用する際に、イミド化による脱水が起
こる、またはフィルタ−が変形してしまうので不都合で
ある。
質フィルムは、前記製造条件の選択によっても多少異な
るが、空孔率25〜55%、平均孔径0.01〜2μ
m、最大孔径5μm以下であり、特に膜厚みが5〜10
0μmである。
するが、この発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。参考例、実施例、比較例における試験・評価方
法または判定基準は次に示すとおりである。
測定は以下に従って行った。 ガ−レ−値:JIS−P8117によって測定。 空孔率:所定の大きさに切取った多孔質フィルムの膜厚
及び重量を測定し、目付重量から空孔率を次の式(1)
によって求めた。式(1)のSは多孔質フィルムの面
積、dは膜厚、wは測定した重量、Dはポリイミドの密
度を意味し、ポリイミドの密度は1.34g/cm3と
した。 空孔率=S×d×D/w×100
子顕微鏡写真より、50点以上の開孔部について孔面積
を測定し、該孔面積の平均値から式(2)に従って孔形
状が真円であるとした際の平均直径を計算より求めた。
式(2)のSaは孔面積の平均値を意味する。 平均孔径=2×(Sa/π)1/2
ジアミン成分として市販あるいは昇華精製したDADE
を用い、NMP中、s−BPDAに対するDADEのモ
ルを比0.994〜1.000の間で調整して重合を行
うことで、極限粘度数および濃度の異なるポリアミック
酸溶液を得た。
度:10重量%、溶液粘度:2620ポイズ、極限粘度
数:3.25)を、研磨したステンレス板上に厚みが均
一になるように流延し、溶媒置換速度調整材として透気
度550秒/100mlのポリオレフィン製微多孔膜
(宇部興産社製、UP3025)でシワの生じないよう
に表面を覆った。該積層物をメタノ−ル中に7分間浸漬
し、ポリイミド前駆体の析出、多孔質化を行った。この
多孔質フィルムを水中に15分間浸漬した後、ピンテン
タ−に固定した状態で、大気中にて320℃、10分間
熱処理を行った。得られたポリイミド多孔質膜は、ガ−
レ−値が108秒/100ml、空孔率が38%で、膜
厚みが28μmで、平均孔径が0.15μmであった。
度:10重量%、溶液粘度:124ポイズ、極限粘度
数:1.91)を使用した他は実施例1と同様に実施し
て、ポリイミド多孔質膜を得た。得られたポリイミド多
孔質膜は、ガ−レ−値が298秒/100ml、空孔率
が64%で、膜厚みが36μmで、平均孔径が0.40
μmであった。
度:9.5重量%、溶液粘度:1076ポイズ、極限粘
度数:3.40)を使用した他は実施例1と同様に実施
して、ポリイミド多孔質膜を得た。得られたポリイミド
多孔質膜は、ガ−レ−値が103秒/100ml、空孔
率が38%で、膜厚みが28μmで、平均孔径が0.1
3μmであった。また、実施例1および実施例2で得ら
れたポリイミド多孔質膜の断面電子顕微鏡写真から、独
立孔の割合は20%以下であった。
度:11重量%、溶液粘度:250ポイズ、極限粘度
数:1.85)を使用した他は実施例1と同様に実施し
て、ポリイミド多孔質膜を得た。得られたポリイミド多
孔質膜は、ガ−レ−値が1240秒/100ml、空孔
率が56%で、膜厚みが50μmで、平均孔径が0.1
5μmであった。
ジアミン成分として昇華精製したPPDを用い、NMP
中、s−BPDAに対するDADEのモルを比0.99
9で調整して重合を行うことで、極限粘度数3.32お
よび濃度9.5重量%のポリアミック酸溶液を得た。
タノ−ルの変わりにメタノ−ル/イソプロピルアルコ−
ル(体積比1/1)の混合溶媒を使用した他は実施例1
と同様に実施して、ポリイミド多孔質膜を得た。得られ
たポリイミド多孔質膜は、ガ−レ−値が197秒/10
0ml、空孔率が48%で、膜厚みが23μmで、平均
孔径が0.20μmであった。また、実施例1〜3で得
られたポリイミド多孔質膜は比較例1、比較例2で得ら
れたポリイミド多孔質膜に比べて引張強度の大きいもの
であった。
の雰囲気中で、通気性の炭素シ−トに挟み込み、昇温速
度10℃/分で、1400℃まで昇温して多孔質炭素膜
を得た。この多孔質炭素膜は、空孔が炭化前の空孔より
概ね70%小さくなっており、走査型電子顕微鏡写真の
結果よりポリイミドが有していた微細な連続孔を保持し
ていることが確認された。続いて、熱間等方圧装置(H
IP)により、アルゴンガス中、昇温速度5℃/分、圧
力150MPaで、温度3000℃まで昇温し、120
分保持した。降温後、得られた黒鉛膜は、光沢のある多
孔質膜を呈していた。この多孔質黒鉛膜は、黒鉛化前の
空孔より少し小さくなっており、走査型電子顕微鏡写真
の結果より微細な連続孔を有していることが確認され
た。
性が高く、微細な連続孔を有しているため、透過性が良
好で圧力損失が小さい。この発明によれば、均質で耐熱
性が高く、微細な連続孔を有しているため、透過性が良
好で圧力損失が小さいポリイミド多孔質膜を容易に得る
ことができる。
多孔質膜の断面電子顕微鏡写真である。
多孔質膜の断面電子顕微鏡写真である。
Claims (8)
- 【請求項1】膜の内部においてポリイミド相と空間相と
が網目構造を有して微細な連続孔を形成しており、膜の
両表面では多孔質構造を有する、ガ−レ−数が200秒
/100ml以下であるポリイミド多孔質膜。 - 【請求項2】ガ−レ−数が30〜200秒/100m
l、特に50〜120秒/100ml/秒である請求項
1に記載のポリイミド多孔質膜。 - 【請求項3】電池セパレ−タ−用である請求項1に記載
のポリイミド多孔質膜。 - 【請求項4】単層または複層の請求項1に記載のポリイ
ミド多孔質膜。 - 【請求項5】実質的に独立孔を有さず連続孔からなり、
空孔率が25〜55%であるポリイミド多孔質膜。 - 【請求項6】極限粘度数数が2.2以上のポリイミドま
たはポリイミド前駆体の有機溶媒溶液を溶媒置換誘起の
粘弾性相分離によりポリマ−成分を析出し、多孔質化す
ることを特徴とする請求項1あるいは5に記載のポリイ
ミド多孔質膜の製造方法。 - 【請求項7】ポリイミドまたはポリイミド前駆体の有機
溶媒溶液が、ポリイミドまたはポリイミド前駆体の濃度
が12重量%以下でかつ溶液粘度が400ポイズ以上で
ある請求項6に記載のポリイミド多孔質膜の製造方法。 - 【請求項8】溶媒置換誘起が、溶媒置換速度調整材を用
いて凝固溶媒とポリイミドまたはポリイミド前駆体の有
機溶媒溶液との直接接触を避けて行う請求項6に記載の
ポリイミド多孔質膜の製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001336239A JP4302342B2 (ja) | 2001-11-01 | 2001-11-01 | ポリイミド多孔質膜及びその製造方法 |
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