JPH08173779A - 製膜溶液 - Google Patents

製膜溶液

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JPH08173779A
JPH08173779A JP27405695A JP27405695A JPH08173779A JP H08173779 A JPH08173779 A JP H08173779A JP 27405695 A JP27405695 A JP 27405695A JP 27405695 A JP27405695 A JP 27405695A JP H08173779 A JPH08173779 A JP H08173779A
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JP
Japan
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fluorine
polyimide resin
forming solution
membrane
containing polyimide
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JP27405695A
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English (en)
Inventor
Tomoumi Obara
知海 小原
Hisao Hachisuga
久雄 蜂須賀
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】より簡便で、かつ、少ない工程数で、高い分離
性能と高いガス透過速度を併せ持つ気体分離膜や逆浸透
膜や限外濾過膜等を得ることができ、さらに、得られた
フッ素含有ポリイミド系分離膜は工業的レベルにおい
て、安定した分離性能と透過性能を有し、コスト面で実
用的に満足できるフッ素含有ポリイミド系分離膜を得る
製膜溶液を提供する。 【解決手段】ポリイミド樹脂を構成する繰り返し分子構
造単位中に少なくとも3個のフッ素原子を有するフッ素
含有ポリイミド樹脂と、該フッ素含有ポリイミド樹脂重
合時に用いた有機溶媒(P) を主成分として含むことを特
徴とする製膜溶液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、湿式の相転換法にてフ
ッ素含有ポリイミド系分離膜を製造する時に用いる製膜
溶液に関するもので、詳しくは工業上の混合気体から特
定の成分例えば水素、メタン、炭酸ガス、酸素、水蒸
気、イオン等を分離・濃縮するために用いられる非対称
膜あるいは複合膜の形態で使用されるフッ素含有ポリイ
ミド系分離膜の製造に用いる製膜溶液に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ポリイミドは、高いガラス転移温度と剛
直な分子鎖構造を有するため、耐熱性、耐化学薬品性等
に優れた膜分離材料として知られており、種々のポリイ
ミドを用いた分離膜が検討されている。例えば、米国特
許第 4378400号公報や米国特許第 4959151号公報にはビ
フェニルテトラカルボン酸二無水物を用いた芳香族ポリ
イミドが、特開平5−7749公報、米国特許第 3822202号
公報、米国特許第3899309 号公報、米国特許第 4532041
号公報、米国特許第 4645824号公報、米国特許第470554
0号公報、米国特許第 4717393号公報、米国特許第 4717
394号公報、米国特許第 4838900号公報、米国特許第 48
97092号公報、米国特許第 4932982号公報、米国特許第
4929405号公報、米国特許第 4981497号公報、米国特許
第 5042992号公報等には含フッ素系の芳香族ポリイミド
が開示されている。また、脂肪族や脂環族のテトラカル
ボン酸二無水物を用いたポリイミド系に関しても米国特
許第 4964887号公報や米国特許第 4988371号公報に開示
されている。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】しかしながら、これらの多くのポリイミド
の膜分離性能に関しては、その透過性能と分離性能を同
時に満足させるものではない。上記の開示された公報の
うち、例えば、米国特許第 3822202号公報や米国特許第
4717393 号公報に記載されているフッ素含有芳香族ポリ
イミド分離膜は、透過性能と分離性能を同時に満足でき
るとあるが、工業的規模面から実用性、コスト面で問題
があり、実用的に使用できる状況ではなかった。
【0004】即ち、フッ素含有ポリイミド系分離膜を実
用的な工業レベルで製造する場合、上記のような従来技
術では満足できるものではない。具体的には、第1に製
膜時にピンホールが形成し、そのピンホールのために分
離膜性能が低下し、ばらつき、不安定となる。第2には
第1の欠点を補うために、製膜時の工程が複雑となり、
コスト高となる。第3には製膜条件を厳しくしてピンホ
ールを出来るだけ少なくしようとするために、製膜条件
のコントロールが難しく、結果として安定した分離性能
と透過性能をバランス良く有する膜の製造ができない。
【0005】本発明はこれらの問題点を解決するために
なされたものであって、より簡便で、かつ、少ない工程
数で、高い分離性能と高いガス透過速度を併せ持つ気体
分離膜や逆浸透膜や限外濾過膜等を得ることができ、さ
らに、得られたフッ素含有ポリイミド系分離膜は工業的
レベルにおいて、分離性能を大きく低下させるピンホー
ルを広範囲にわたり形成していないので、安定した性能
を兼ね備えて安定した分離性能と透過性能を有し、コス
ト面で実用的に満足できるフッ素含有ポリイミド系分離
膜を得るための製膜溶液を見い出すに至ったものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち本発明の製膜溶液
は、ポリイミド樹脂を構成する繰り返し分子構造単位中
に少なくとも3個のフッ素原子を有するフッ素含有ポリ
イミド樹脂と、該フッ素含有ポリイミド樹脂重合時に用
いた有機溶媒(P) を主成分として含むという構成であ
る。
【0007】本発明に用いられるフッ素含有ポリイミド
樹脂は、繰り返し分子構造単位中に少なくとも3個のフ
ッ素原子を有するフッ素含有ポリイミド樹脂からなる
が、上記のポリイミド樹脂はその繰り返し分子構造単位
中に少なくとも1つの−CF3基を有することが好まし
い。更には、フッ素含有ポリイミド樹脂中のフッ素含有
量は6個〜12個(繰り返し分子構造単位中のフッ素原
子の個数)であることが実質的に安定した高品質を有す
る気体用複合分離膜を得るのに好ましい。また12個を
越えると原料コストが高くなり実用性が低下する。
【0008】本発明に用いられるフッ素含有ポリイミド
樹脂は一般式〔化3〕
【化3】 で表される繰り返し分子構造単位を主成分とすることが
好ましい。但し〔化3〕中のA1 とA2 は芳香族、脂環
族もしくは脂肪族炭化水素基からなる4価の有機基を示
し、R1 とR2 は2価の芳香族、脂環族もしくは脂肪族
炭化水素基、またはこれら炭化水素基が2価の有機結合
基で結合された2価の有機基を示し、A1,A2
1 ,R2 の内少なくとも一の有機基は、フッ素原子を
3個以上有する有機基である。なお、m,nは次の式に
従う。m+n=1,0≦m≦1,0≦n≦1。フッ素原
子を少なくとも3以上有する4価の有機基としては、A
1 あるいはA 2 の4価の有機基のプロトンがフッ素原子
またはフッ素原子を含む基に置き変わったものであれば
特に限定されないが、より好ましくは、A1 あるいはA
2 の4価の有機基の少なくとも1つのプロトンが1つの
−CF3基に置き変わったものが用いられる。例えば、式
〔化4〕
【化4】 で表される4価の有機基などが好ましく用いられる。フ
ッ素原子を少なくとも3個以上有する2価の有機基とし
ては、R1 あるいはR2 の2価の有機基のプロトンがフ
ッ素原子またはフッ素原子を含む基に置き変わったもの
であれば特に限定されないが、より好ましくは、R1
るいはR2 の2価の有機基の少なくとも1つのプロトン
が1つの−CF3基に置き変わったものが用いられる。具
体的には、式〔化5〕
【化5】 で表される2価の有機基が好ましく用いられる。
【0009】さらに本発明に用いられるフッ素含有ポリ
イミド樹脂は実質的に、式〔化6〕
【化6】 で表される繰り返し単位を主成分とすることがより好ま
しい。また、式〔化6〕中の全てのイミド環部位におい
て、アミック酸の状態で部分的に残存していても、その
存在比が30%以下、即ちイミド化率70%以上であれ
ば、何ら問題はない。イミド化率70%未満であると本
来のフッ素含有ポリイミド樹脂の持つ分離性能が低下
し、又、凝固液との親和性(−COOHの増加による)
が増し、ピンホール形成の原因となり、好ましくない。
さらに、式〔化6〕中のqは、50≦q≦500の範囲
であることが好ましい。
【0010】本発明に用いられるフッ素含有ポリイミド
樹脂は単独で用いられてもよいが、2種類以上の異なる
ポリイミド樹脂の混合物としても用いられる。更には、
50モル%以下であればフッ素含有ポリイミド樹脂以外
のポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン
グリコール、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリ
アクリレート、ポリメタクリレート、セルロースアセテ
ート、ポリイミドなどのポリマーとの共重合体、もしく
は混合物であってもよい。即ち、換言すれば、イミド化
率を配慮して、実質的にフッ素含有ポリイミド樹脂濃度
が50モル%以上であればよい。なお、上記の混合物な
どとして用いられるポリイミドは特に限定されないが、
ジアミン成分として、1,4-フェニレンジアミン、5-クロ
ロ-m- フェニレンジアミン、3,5-ジアミノ安息香酸、1,
3-フェニレンジアミン、2,4-ジアミノトルエン、2,5-ジ
アミノトルエン、2,6-ジアミノトルエン、1,3-ジアミノ
-4- ニトロベンゼン、m-フェニレンジアミン-4- スルホ
ン酸、2,5-ジメチル-p- フェニレンジアミン、2,4,6-ト
リメチル-1,3- フェニレンジアミン、2,3,5,6-テトラメ
チル-1,4- フェニレンジアミン、1,5-ナフタレンジアミ
ン、ビス(4-(4-アミノフェノキシ) フェニル) スルホ
ン、ビス(3- アミノフェニル) スルホン、α, α'-ビス
(4- アミノフェニル) -1,4- ジイソプロピルベンゼン、
4,4'- ジアミノジフェニルエーテル、3,4-ジアミノジフ
ェニルエーテル、2,2-ビス(4-(4-アミノフェノキシ) フ
ェニル) プロパン、3,3'- ジヒドロキシ- 4,4'- ジアミ
ノビフェニル、2,2'- ジメチル- 4,4'- ジアミノビフェ
ニル、3,3'- ジメチル- 4,4'- ジアミノビフェニル、3,
3'- ジアミノベンゾフェノン、4,4'- ビス(4- アミノフ
ェノキシ) ビフェニル、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)
ベンゼン、4,4'- ジアミノベンズアニリド、2,5-ジエ
トキシ-p- フェニレンジアミン、4,4'- ジアミノジフェ
ニルスルホン、4,4'- ジアミノジフェニルスルフィド、
4,4'- メチレン- ビス(2- クロロアニリン) 、ビス(4-
(3-アミノフェノキシ) フェニル) スルホン、1,3-ビス
(4- アミノフェノキシ) ベンゼン、2,2',5,5'-テトラク
ロロ- 4,4'- ジアミノビフェニル、3,7'- ジアミノ- 2,
8-ジメチルジベンゾチオフェンベンゼン、1,4-ビス(4-
アミノフェノキシ)- 2-フェニルベンゼン、ネオペンチ
ルグリコール- ジ-4- アミノフェニルエーテル、2,4-ジ
アミノフェノール、2,4-ジアミノアニソール、2,4-ジア
ミノジフェニルエーテル、m-キシレンジアミン、1,3-ビ
ス(m- アミノフェノキシ) ベンゼン、3,3'- ジクロロ-
4,4'- ジアミノビフェニル、3,3'- ジメトキシ- 4,4'-
ジアミノビフェニル、4-クロロ-m- フェニレンジアミ
ン、3,3'- ジメチル- 4,4'- ジアミノビフェニル-6,6'-
ジスルホン、4,6-ジアミノレゾルシノール、2,2'- ジア
ミノジフェニルスルフィド、4,4'- ジアミノジフェニル
スルフィド、4,4-ジアミノジフェニルメタン、3,4'- ジ
アミノジフェニルメタン、3,3'- ジアミノジフェニルメ
タン、4,4'- ジアミノ-3,3'-ジメチルジフェニルメタ
ン、3,3',5'-テトラメチルベンジジン、3,3'- ジアミノ
-4,4'-ジヒドロキシビフェニル、4,4'- ジアミノ-1,2-
ジフェニルエタン、n-ブチレングリコール- ジ-4- アミ
ノフェニルエーテル、n-ペンチルグリコール- ジ-4- ア
ミノフェニルエーテル、4,4'- ジアミノベンゾフェノ
ン、3,3'- ジエチルベンジジン、1,5-ジアミノアンスラ
キノン、2-クロロ-m- フェニレンジアミン、4,4'- ジア
ミノ-p- ターフェニル、などの単体、あるいは少なくと
も一種の他のジアミンとの混合物であって、一方、酸二
無水物として、ピロメリット酸二無水物、4,4'- オキシ
ジフタル酸二無水物、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸二無水物、3,3',4,4'-ジフェニルスルホンテトラ
カルボン酸二無水物、ナフタレン-1,4,5,8- テトラカル
ボン酸二無水物、3,4,9,10- ペリレンテトラカルボン酸
二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロブ
タンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラ
カルボン酸二無水物、シクロヘキサンテトラカルボン酸
二無水物、ビシクロ[2,2,2] オクト-7エン-(2,3,5,6)テ
トラカルボン酸二無水物、などの単体、あるいは少なく
とも一種の他の酸二無水物との混合物であって、上記列
挙したジアミンと酸二無水物との組合せからなるポリイ
ミドが挙げられる。
【0011】本発明で用いられるフッ素含有ポリイミド
樹脂は、テトラカルボン酸二無水物とジアミン成分を用
いて、公知の重合方法で得られる。例えば、テトラカル
ボン酸二無水物とジアミン化合物をほぼ等モル量取り、
極性溶媒中、約80℃以下の温度、好ましくは、0〜6
0℃で攪拌し、ポリアミック酸を重合する。ここで用い
られる極性溶媒即ち有機溶媒(P) は、ジエチレングリコ
ールジメチルエーテルが好ましく、その他にN-メチル-2
−ピロリドン、ピリジン、N,N-ジメチルアセトアミド、
N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テ
トラメチル尿素、フェノール、クレゾールなどが用いら
れる。
【0012】本発明に用いられる上記ポリアミック酸を
重合する際の上記極性溶媒即ち有機溶媒(P) のうち、例
えば、ジエチレングリコールジメチルエーテルは、製膜
時に凝固液中への浸出速度を好適な範囲に抑制できるた
め、特に好ましく用いられる。具体的には、分離性能を
大きく低下させるピンホールを広範囲にわたり形成しな
い非対称膜を最も簡便に製膜できるので、極性溶媒即ち
有機溶媒(P) として、ジエチレングリコールジメチルエ
ーテルが最も好ましく用いられる。また、単独で用いら
れる以外に、他の極性溶媒との混合溶媒としても用いら
れる。
【0013】上記有機溶媒 (P)を用いて重合して得られ
たポリアミック酸溶液中に、トリメチルアミン、トリエ
チルアミン、ピリジン等の第3級アミン化合物と無水酢
酸等の酸無水物、塩化チオニル、カルボジイミドなどを
イミド化剤物質として添加し、5〜150℃の温度で攪
拌しイミド化率70%以上となるようにイミド化する。
さらに上記イミド化剤物質に酢酸コバルトと酸化マグネ
シウムを加えることもイミド化を促進する上で有効であ
る。上記イミド化剤物質としてピリジンと無水酢酸とが
最も好適に用いられる。イミド化反応を行う際、イミド
化剤物質を添加することなく、上記ポリアミック酸溶液
を100〜400℃、好ましくは、120〜300℃で
加熱してイミド化してもよい。
【0014】イミド化反応後、上記有機溶媒 (P)を用い
て重合しているので、イミド化剤物質を除去することな
く製膜溶液として用いる。
【0015】本発明の製膜溶液を調整する場合のフッ素
含有ポリイミド樹脂濃度は3〜40重量%、好ましくは
10〜30重量%である。上記イミド化剤物質の添加量
はテトラカルボン酸二無水物あるいはジアミン成分に対
して0.7モル量以上、好ましくは0.7倍モル量以上3倍
モル量以下である。また、上記製膜溶液を調整する場合
に、必要に応じて、膨潤剤、分散剤、増粘剤等を加えて
もよい。
【0016】また、用いるフッ素含有ポリイミドの溶解
度や製膜溶液の最終粘度を調整するために、N-メチル−
2-ピロリドン(NMP)、N,N-ジメチルアセトアミド、
N,N-ジメチルホルムアミド等の非プロトン系溶媒を加え
てもよい。上記非プロトン系溶媒は、使用する溶媒によ
って適宜選定されるが、本発明においては概ね40重量
%以下で用いられることが好ましい。
【0017】
【発明の実施の態様】上記製膜溶液を用いた湿式相転換
製膜法について以下に説明する。本発明における気体分
離膜の製膜法や膜形態は特に限定されないが、本発明で
用いられる製膜溶液を押し出し法、流延法等で凝固液中
に浸漬させることで中空糸状、平膜状等の非対称膜が得
られる。平膜状の場合はガス透過性支持体上に、又はガ
ス透過性支持膜上に製膜溶液をキャスティングやディッ
ピング等の方法で塗布し、凝固液中に浸漬し、非対称膜
を複合膜形態で得ることも機械的強度を高める上で好適
である。上記ガス透過性支持体としては、平滑な表面を
有する有機、無機、金属の多孔体質、織布、不織布等を
挙げることができる。また、ガス透過性支持膜として
は、本発明で用いられる有機溶媒(P) や凝固液により溶
解、膨潤等の影響を受けない素材で形成されているもの
であれば何ら限定されないが、ポリイミド、ポリアミ
ド、ポリスルホン、ポリオレフィン等からなる多孔質膜
を挙げることができる。
【0018】これらのガス透過性支持体上やガス透過性
支持膜上への製膜溶液の塗布厚は10〜400μm好ま
しくは30〜200μmである。
【0019】本発明で用いられる有機溶媒(P) を用いた
製膜溶液は−30〜80℃好ましくは−20〜40℃の
温度範囲で製膜される。
【0020】上記製膜溶液として用いた有機溶媒(P) を
浸漬除去する際に用いられる凝固液としては、用いるフ
ッ素含有ポリイミド樹脂を溶解しないが、上記有機溶媒
(P)と相溶性を有するものであれば、限定されないが、
水やメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール
等のアルコール類及びこれらの混合液が用いられ、特に
水が好適に用いられる。上記有機溶媒(P) を浸漬除去す
る時の凝固液の温度は特に限定されないが、好ましくは
0〜50℃の温度で行われる。また、上記有機溶媒(P)
を浸漬除去する時に、製膜溶液に混合されていたイミド
化剤物質は、凝固液に溶解して除去される。
【0021】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
【0022】実施例1 式〔化6〕 で表される繰り返し単位とするフッ素含有ポリイミドを
ジエチレングリコールジメチルエーテル溶媒下で以下の
方法で合成した。2,2-ビス(4−アミノフェニル)ヘキ
サフルオロプロパン(BAAF)0.75mol を有機溶媒
(P) としてのジエチレングリコールジメチルエーテル18
42gに溶解した溶液中に、窒素雰囲気下で5,5'-2,2,2−
トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチリデン
−ビス−1,3−イソベンゾフランジオン(6FDA)
0.75mol を加え、室温にて8時間攪拌し、重合を行い、
ポリアミック酸を得た。この後、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル406 gを加え、溶液が均一になった
後、イミド化剤物質であるピリジン2.25mol と無水酢酸
2.25mol を加え、室温にて12時間攪拌し、イミド化反
応を行った。反応後、得られた溶液は、水に再沈させイ
ミド化物質を除去するような精製をすることなく、製膜
溶液として濾過し、静置して十分に脱泡し、調整した。
ポリマー合成のための仕込みから上記製膜溶液を得るま
で1日間を要した。なお、式〔化6〕中のqは重量平均
分子量を基準として算出した場合、q=435であっ
た。上記製膜溶液を30℃としてアプリケータを用いポ
リエステル不織布上に、幅100cm、厚さ130μmで
キャストし、凝固液として25℃の水中に1時間浸漬し
た。この後、60℃の温風で乾燥しフッ素含有ポリイミ
ド系気体分離膜を得た。得られた気体分離膜の透過性能
を評価し、結果を表1に示す。ポリマー合成のための仕
込みから上記気体分離膜を得るまで2日間を要した。
【表1】
【0023】実施例2 凝固液である水の温度を30℃にした以外は実施例1と
同様にした。結果を表1に示す。
【0024】実施例3 凝固液である水の温度を38℃にした以外は実施例1と
同様にした。結果を表1に示す。
【0025】実施例4 凝固液である水の温度を30℃、製膜溶液を0℃にした
以外は実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
【0026】実施例5 凝固液である水の温度を38℃、製膜溶液を0℃にした
以外は実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
【0027】実施例6 式〔化7〕
【化7】 で表される繰り返し単位を構造単位とするポリイミドが
16重量%になるように、有機溶媒としてN-メチル-2−
ピロリドンを加え溶解した。その後、濾過し、静置して
十分に脱泡し、支持膜用の製膜溶液を調整した。上記支
持膜用の製膜溶液をアプリケータを用いポリエステル不
織布上に、塗布したのち46℃の水中に浸漬して、厚さ
170μmの多孔質支持膜を得た。なお、式〔化7〕中
のqは重量平均分子量を基準として算出した場合、q=
276であった。上記多孔質支持膜を支持体として、実
施例1と同様にして、イミド化反応後に得られた溶液を
水に再沈させてイミド化物質を除去するような精製をす
ることなく、製膜溶液を得た後に製膜し、気体分離膜を
得た。得られた気体分離膜の透過性能を評価し、結果を
表1に示す。なお、本実施例においては支持体として用
いた上記多孔質支持膜の透過性能が律速となったため、
CO2 透過速度が他の実施例と比べて小さい。
【0028】比較例1 式〔化6〕で表される繰り返し単位とするフッ素含有ポ
リイミドを重合溶媒としてのN-メチル-2−ピロリドン溶
媒下で以下の方法で合成した。BAAF 0.75molをN-メ
チル-2−ピロリドン1842gに溶解した溶液中に、窒素雰
囲気下で6FDA 0.75molを加え、室温にて8時間攪拌
し、重合を行い、ポリアミック酸を得た。この後、N-メ
チル-2−ピロリドン 406gを加え、溶液が均一になるま
で攪拌した。次いで、イミド化剤物質であるピリジン
2.25molと無水酢酸 2.25molを加え、室温にて12時間
攪拌し、イミド化反応を行った。反応後、得られた溶液
を大量の水中に注ぎ、ポリマーを沈殿させた。ポリマー
は純水によって、ピリジン臭、酢酸臭が完全に無くなる
まで繰り返し洗浄を行い、溶媒とイミド化剤物質を充分
に除去し、さらにその後、真空乾燥機中で減圧下、10
0℃で15時間の乾燥処理を行った。得られたポリマー
を重合時の溶媒とは異なるジエチレングリコールジメチ
ルエーテル中に18重量%で溶解後、濾過し、静置して
十分に脱泡し、調整し、製膜溶液を得た。ポリマー合成
のための仕込みから上記製膜溶液を得るまで3日間を要
した。実施例1においては前記の様に僅か1日で製膜溶
液を得ることができた。次に実施例1と同様に、製膜溶
液を30℃としてアプリケータを用いポリエステル不織
布上に、幅100cm、厚さ130μmでキャストし、凝
固液として25℃の水中に1時間浸漬した。この後、6
0℃の温風で乾燥しフッ素含有ポリイミド系気体分離膜
を得た。ポリマー合成のための仕込みから上記気体分離
膜を得るまで4日間を要し、実施例1と比較すると工
数、工程を必要とし、使用する溶媒量が大きいことがわ
かる。
【0029】
【発明の効果】本発明の製膜溶液を用いることにより、
非対称フッ素含有ポリイミド系気体分離膜の製造におい
て、フッ素含有ポリイミド樹脂の重合時に用いた有機溶
媒(P)を分離精製することなく利用でき、かかるポリマ
ーの再沈、洗浄、製膜溶液の再調整等の繁雑な工程を必
要としない、イミド化反応方法によっては添加するイミ
ド化剤を除去することのない、またフッ素含有ポリイミ
ド系分離膜においては、均質スキン層を有し、分離性能
を大きく低下させるピンホールを広範囲にわたり形成し
ない非対称膜を湿式相転換製膜法にて製膜できる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリイミド樹脂を構成する繰り返し分子構
    造単位中に少なくとも3個のフッ素原子を有するフッ素
    含有ポリイミド樹脂と、該フッ素含有ポリイミド樹脂重
    合時に用いた有機溶媒(P) を主成分として含むことを特
    徴とする製膜溶液。
  2. 【請求項2】フッ素含有ポリイミド樹脂がその繰り返し
    分子構造単位中に少なくとも1つの−CF3基を有するこ
    とを特徴とする請求項1記載の製膜溶液。
  3. 【請求項3】フッ素含有ポリイミド樹脂が実質的に〔化
    1〕 【化1】 (〔化1〕中のA1 とA2 は芳香族、脂環族もしくは脂
    肪族炭化水素基からなる4価の有機基を示し、R1 とR
    2 は2価の芳香族、脂環族もしくは脂肪族炭化水素基、
    またはこれら炭化水素基が2価の有機結合基で結合され
    た2価の有機基を示し、A1 ,A2 ,R1 ,R2 の内少
    なくとも一の有機基は、フッ素原子を3個以上有する有
    機基である。なお、m,nは次の式に従う。m+n=
    1,0≦m≦1,0≦n≦1)で表される繰り返し単位
    を主成分とすることを特徴とする請求項1記載の製膜溶
    液。
  4. 【請求項4】フッ素含有ポリイミド樹脂が実質的に〔化
    2〕 【化2】 で表される繰り返し単位を主成分とすることを特徴とす
    る請求項1記載の製膜溶液。
  5. 【請求項5】有機溶媒(P) がジエチレングリコールジメ
    チルエーテルであることを特徴とする請求項1記載の製
    膜溶液。
  6. 【請求項6】有機溶媒(P) はイミド化剤物質を含むこと
    を特徴とする請求項1または5記載の製膜溶液。
  7. 【請求項7】イミド化剤物質が3級アミンと酸無水物と
    からなることを特徴とする請求項6記載の製膜溶液。
  8. 【請求項8】イミド化剤物質がピリジンと無水酢酸とか
    らなることを特徴とする請求項6または7記載の製膜溶
    液。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011161396A (ja) * 2010-02-12 2011-08-25 Ube Industries Ltd ポリイミドガス分離膜、及びガス分離方法
JP2012040559A (ja) * 2003-07-08 2012-03-01 Siemens Water Technologies Corp 膜の後処理
CN114395127A (zh) * 2021-12-29 2022-04-26 山东华夏神舟新材料有限公司 用于含氟气体分离的聚酰亚胺树脂及其制备方法

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