JP2002358978A - 高分子電解質膜及びその製造方法 - Google Patents
高分子電解質膜及びその製造方法Info
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Abstract
機械的強度と水の保持力に優れたスルホン化ポリイミド
からなり、固体高分子型燃料電池のイオン交換膜として
好適な高分子電解質膜とその製造方法を提供する。 【解決手段】 (式中、Ar1は、少なくとも1つのスルホン酸基によ
って置換されている二価の有機基である。) で表わされる構造単位を含む重合体ブロック(A)と、
一般式(II) (式中、Ar2は、スルホン酸基を持たない二価の有機
基である。) で表わされる構造単位を含む重合体ブロック(B)とを
5:95〜95:5のモル比(A:B)で含有するブロ
ック共重合スルホン化ポリイミドから形成されている高
分子電解質膜及びその製造方法。
Description
ミド高分子電解質膜とその製造方法に関し、さらに詳し
くは、成膜性に優れ、イオン交換基容量が大きく、機械
的強度に優れた、水の保持力に優れたスルホン化ポリイ
ミド高分子電解質膜とその製造方法に関する。また、本
発明は、スルホン化ポリイミド高分子電解質膜を固体高
分子電解質膜として含有する固体高分子型燃料電池に関
する。
を供給できることから、燃料電池発電が注目されてい
る。燃料電池は、水の電気分解の逆動作に基づく動作原
理により電気エネルギーを得る装置である。燃料電池で
は、一般に、天然ガス、メタノール、石炭などの燃料を
改質して得られる水素と、空気中の酸素とを送り込むこ
とによって、水が生成するとともに、直流電力が得られ
る。
って、リン酸型、溶融炭酸塩型、固体酸化物型、固体高
分子型などに分類される。これらの中でも、イオン交換
膜(固体高分子電解質膜)を電解質として使用する固体
高分子型燃料電池は、本質的に固体だけからなるセルで
あるため、電解質の散逸や保持の問題がないこと、10
0℃以下の低温で作動すること、起動時間が極めて短い
こと、高エネルギー密度化や小型軽量化が可能であるこ
と、などの長所を有している。
用やビル用の分散型電源、自動車用電源、宇宙船用電
源、可搬型電源などとして開発が進められている。近年
では、地球温暖化などの環境問題や自動車排ガス対策の
観点から、固体高分子型燃料電池は、自動車搭載用の燃
料電池として期待を集めている。
燃料電池は、イオン交換膜(固体高分子電解質膜)1の
両面にガス拡散電極層2,3を接合した全固体型構造を
有している。カソード(酸化剤極)2とアノード(燃料
極)3とは、外部回路5(負荷4)によって接続されて
いる。
3側に水素を供給すると、アノード3側では、水素が酸
化されてプロトンと電子を生成する。プロトンは、水分
子を伴ってイオン交換膜1中を移動し、対極のアノード
2で、外部回路5(負荷4)から供給された電子ととも
に、酸素の還元に使われて水を生成する。
なイオン交換膜−電極接合体からなる単セルを多数積層
したスタックの形で使用される。具体的には、イオン交
換膜−電極接合体の両側に、極室分離やガス供給流路の
機能を持つ導電性セパレータを密着させて積層する。
所を有しているものの、イオン交換膜などの電池構成材
料が高価であること、イオン交換膜が含水状態で良好な
伝導性を持つために、イオン交換膜の水分管理が必要で
あることなどの短所を有している。
に、高いイオン伝導度を有し、薄くて機械的強度に優れ
たフィルムを形成できる特性を有していることが要求さ
れている。イオン交換膜は、湿潤状態だけではなく、乾
燥状態においても、高いイオン伝導性を保持し、優れた
熱安定性、酸化及び還元に対する耐性、機械的強度など
を有することが求められる。
電解質膜としては、デュポン社のナフィオン(Nafi
on;登録商標)に代表されるスルホン酸基を持つフッ
素樹脂系イオン交換膜が用いられている。このフッ素樹
脂系イオン交換膜は、製造工程が複雑なために、コスト
の低減が困難である。それに加えて、フッ素樹脂系イオ
ン交換膜は、架橋構造を持たない線状高分子からなるた
め、イオン交換基濃度を高くすると溶液化すること、ま
わりの水分濃度によって膨潤・収縮しやすいこと、膜厚
を小さくすると、含水率が大きくなって機械的強度や耐
クリープ性が低下すること、などの問題があった。
て、スルホン化ポリイミド膜を固体高分子型燃料電池の
イオン交換膜として使用することが提案されている(特
表2000−510511号公報)。しかし、本発明者
らの追試結果によれば、該公報に開示されている重合条
件では、成膜性に優れたスルホン化ポリイミド前駆体
(即ち、ポリアミド酸)を得ることができないことが判
明した。
ルとパラ−クロロフェノールとの混合溶媒中に、4,
4′−ジアミノ−(1,1′−ビフェニル)−2,2′
−ジスルホン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカ
ルボン酸二無水物、及び4,4′−オキシ−ベンゼンア
ミン〔これは、オキシビス(4,4′−ベンゼンアミ
ン)であると解される〕を一度に添加し、150℃で5
時間加熱して重合させたことが記載されている。
合度のポリアミド酸を合成することができず、得られた
ポリアミド酸を用いて満足な膜を得ることができなかっ
た。その理由としては、該公報に重合条件の詳細に関す
る充分な開示がないことが考えられるが、それだけでは
なく、重合触媒、モノマーの投入順序、反応温度、反応
時間などの重合条件の制御が不充分であることが判明し
た。
は、フェノール中で、安息香酸とトリエチルアミンの存
在下、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二
無水物と2,2′−ジスルホン酸ベンジジン〔即ち、
4,4′−ジアミノ−(1,1′−ビフェニル)−2,
2′−ジスルホン酸〕とを180℃で重縮合させ、水溶
性のスルホン化ポリナフトイレンイミド(PNIS)を
合成したことが記載されている。
ン化ポリマーは、水溶性であるため、固体高分子電解質
膜としては不適当なものである。該文献には、各成分の
使用量や重合時間などの詳細が記載されていない。ま
た、該文献は、水に不溶化したポリイミド骨格を有する
スルホン化ポリマーの製造方法を教示していない。
性に優れ、イオン交換基容量が大きく、機械的強度と水
の保持力に優れたスルホン化ポリイミドからなり、固体
高分子型燃料電池のイオン交換膜として好適な高分子電
解質膜とその製造方法を提供することにある。
特性を有するスルホン化ポリイミド高分子電解質膜を固
体高分子電解質膜として含有する固体高分子型燃料電池
を提供することにある。
鋭意研究した結果、1,4,5,8−ナフタレンテトラ
カルボン酸二無水物と少なくとも1つのスルホン酸基を
持つジアミン化合物とスルホン酸基を持たないジアミン
化合物とを反応させてポリアミド酸を合成し、次いで、
該ポリアミド酸を成膜した後、イミド化するスルホン化
ポリイミド高分子電解質膜の製造方法において、該ポリ
アミド酸を特定の方法によりブロック共重合させる方法
に想到した。
ド酸は、成膜性に優れている。本発明の製造方法により
得られたブロック共重合スルホン化ポリイミド膜は、イ
オン交換基容量が大きく、乾燥条件下及び湿潤条件下で
の機械的強度が良好であり、適度の体積抵抗率を示し、
しかも乾燥条件下での体積抵抗率の変動が抑制され、そ
の結果、このブロック共重合スルホン化ポリイミド膜を
固体高分子電解質膜として備えた燃料電池は、乾燥条件
下での作動が可能である。したがって、このブロック共
重合スルホン化ポリイミド高分子電解質膜は、固体高分
子型燃料電池の固体高分子電解質膜として好適である。
本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったも
のである。
(I)
ホン酸基によって置換されている二価の有機基であ
る。)で表わされる構造単位〔I〕を含む重合体ブロッ
ク(A)と、下記式(II)
い二価の有機基である。)で表わされる構造単位〔I
I〕を含む重合体ブロック(B)とを5:95〜95:
5のモル比(A:B)で含有するブロック共重合スルホ
ン化ポリイミドから形成されている高分子電解質膜が提
供される。
体ブロック(A1)と、下記式(IIa)
合体ブロック(B1)とを5:95〜95:5のモル比
(A1:B1)で含有するブロック共重合スルホン化ポリ
イミドから形成されている高分子電解質膜が提供され
る。
−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物と少なくとも1
つのスルホン酸基を持つジアミン化合物(D1)とスルホン
酸基を持たないジアミン化合物(D2)とを反応させてポ
リアミド酸を合成し、次いで、該ポリアミド酸を成膜し
た後、イミド化するスルホン化ポリイミド高分子電解質
膜の製造方法において、該ポリアミド酸を下記の工程:
(1)フェノールとp−クロロフェノールとの混合溶媒
中で、トリエチルアミン及び安息香酸の存在下、1,
4,5,8−テトラカルボン酸二無水物と少なくとも1
つのスルホン酸基を持つジアミン化合物(D1)とを反応さ
せる工程、(2)フェノールとp−クロロフェノールと
の混合溶媒中で、安息香酸の存在下、1,4,5,8−
テトラカルボン酸二無水物とスルホン酸基を持たないジ
アミン化合物(D2)とを反応させる工程、及び(3)工程
(1)で得られた反応液と、工程(2)で得られた反応
液とを混合し、安息香酸の存在下、重合反応を継続する
工程により合成することを特徴とするブロック共重合ス
ルホン化ポリイミド高分子電解質膜の製造方法が提供さ
れる。
重合スルホン化ポリイミド高分子電解質膜を固体高分子
電解質膜として含有する固体高分子型燃料電池が提供さ
れる。
イミド前駆体)及びポリイミドを構成するテトラカルボ
ン酸成分として、1,4,5,8−ナフタレンテトラカ
ルボン酸二無水物を使用する。ジアミン成分としては、
少なくとも1つのスルホン酸基を持つジアミン化合物(D
1)とスルホン酸基を持たないジアミン化合物(D2)とを
併用する。
ミン化合物(D1)としては、化学式NH2Ar1(SO
3H)NH2で表わされる化合物を挙げることができる。
この化学式中、Ar1は、二価の有機基であり、6〜1
0個の炭素原子を持つ少なくとも1つの(置換)芳香族
環、5〜10個の原子を持ち、S、N、Oなどのヘテロ
原子を含む芳香性の(置換)複素環、及びこれらの混合
環などの構造を有するジアミン化合物が好ましい。ま
た、このジアミン化合物(D1)は、少なくとも1個のスル
ホン酸基を持つが、2個のスルホン酸基を持つジアミン
化合物であることが好ましい。
ミン化合物(D1)の好ましい具体例としては、2,2′−
ジスルホン酸ベンジジン〔即ち、4,4′−ジアミノ−
(1,1′−ビフェニル)−2,2′−ジスルホン
酸〕、1,4−ジアミノベンゼン−3−スルホン酸、
1,3−ジアミノベンゼン−4−スルホン酸、4,4′
−ジアミノ−5,5′−ジメチル−(1,1′−ビフェ
ニル)−2,2′−ジスルホン酸などが挙げられる。こ
れらの中でも、2,2′−ジスルホン酸ベンジジンが好
ましい。
(D2)としては、化学式NH2Ar2NH2で表わされる化
合物を挙げることができる。この化学式中、Ar2は、
二価の有機基であり、6〜10個の炭素原子を持つ少な
くとも1つの(置換)芳香族環、5〜10個の原子を持
ち、S、N、Oなどのヘテロ原子を含む芳香性の(置
換)複素環、及びこれらの混合環などの構造を有するジ
アミン化合物が好ましい。置換芳香族環及び置換複素環
は、置換基としてスルホン酸基を持たないものである。
(D2)としては、例えば、2,2′−ジ(p−アミノフ
ェニル)−6,6′−ビベンゾオキサゾール、2,2′
−ジ(p−アミノフェニル)−5,5′−ビベンゾオキ
サゾール、m−フェニレンジアミン、1−イソプロピル
−2,4−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミ
ン、4,4′−ジアミノジフェニルプロパン、3,3′
−ジアミノジフェニルプロパン、4,4′−ジアミノジ
フェニルエタン、3,3′−ジアミノジフェニルエタ
ン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−
ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェ
ニルスルフィド、3,3′−ジアミノジフェニルスルフ
ィド、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、3,
3′−ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−ジアミ
ノジフェニルエーテル、3,3′−ジアミノジフェニル
エーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベン
ゼン、ベンジジン、4,4″−ジアミノ−p−テルフェ
ニル、3,3″−ジアミノ−p−テルフェニル、ビス
(p−アミノシクロヘキシル)メテン、ビス(p−β−
アミノ−t−ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β
−メチル−δ−アミノペンチル)ベンゼン、p−ビス
(2−メチル−4−アミノペンチル)ベンゼン、p−ビ
ス(1,1−ジメチル−5−アミノペンチル)ベンゼ
ン、1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナ
フタレン、2,4−ビス(β−アミノ−t−ブチル)ト
ルエン、2,4−ジアミノトルエン、m−キシレン−
2,5−ジアミン、p−キシレン−2,5−ジアミン、
m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、
4,4′−〔2,2,2−トリフルオロ−(1−トリフ
ルオロメチル)−エチリデン〕−ベンゼンアミンなどの
芳香族ジアミン類;2,6−ジアミノピリジン、2,5
−ジアミノピリジン、2,5−ジアミノ−1,3,4−
オキサジアゾールなどの複素環ジアミン類を挙げること
ができる。これらの中でも、4,4′−ジアミノジフェ
ニルエーテルが好ましい。
8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物とジアミン成
分とは、一般に、ほぼ等モルの割合で用いられる。ポリ
マーの両末端をアミンとする場合には、ジアミン成分が
若干過剰となるモル比で用いてもよい。一方、ポリマー
の両末端をカルボン酸無水物基とする場合には、1,
4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物が若
干過剰となるモル比で用いてもよい。また、連鎖制限剤
として、無水フタル酸、ナフタレン−1,8−ジカルボ
ン酸無水物などを少量使用することにより、ポリマー末
端を形成させてもよい。
ン酸基を持つジアミン化合物(D1)とスルホン酸基を持た
ないジアミン化合物(D2)とは、モル比(D1:D2)で、
5:95〜95:5の割合で使用することが好ましい。
このモル比(D1:D2)は、より好ましくは15:85〜8
5:15、さらに好ましくは20:80〜80:20、
特に好ましくは25:75〜75:25である。
ミン化合物(D1)のモル比が小さすぎると、充分に高いイ
オン交換基容量を有する高分子電解質膜を得ることが困
難になる。少なくとも1つのスルホン酸基を持つジアミ
ン化合物(D1)のモル比が大きすぎると、高分子電解質膜
の機械的強度が低下し、特に湿潤状態での引張破断応力
が低下する。多くの場合、前記モル比(D1:D2)を30:
70〜70:30の範囲内とすることにより、良好な結
果を得ることができる。
(1)〜(3)により合成する。 (1)フェノールとp−クロロフェノールとの混合溶媒
中で、トリエチルアミン及び安息香酸の存在下、1,
4,5,8−テトラカルボン酸二無水物と少なくとも1
つのスルホン酸基を持つジアミン化合物(D1)とを反応さ
せる工程、(2)フェノールとp−クロロフェノールと
の混合溶媒中で、安息香酸の存在下、1,4,5,8−
テトラカルボン酸二無水物とスルホン酸基を持たないジ
アミン化合物(D2)とを反応させる工程、及び(3)工程
(1)で得られた反応液と、工程(2)で得られた反応
液とを混合し、安息香酸の存在下、重合反応を継続する
工程。
ノールとの重量比は、好ましくは10:90〜90:1
0、より好ましくは20:80〜80:20、特に好ま
しくは30:70〜70:30である。多くの場合、フ
ェノール40〜70重量%とp−クロロフェノール30
〜60重量%の割合で用いることにより、良好な結果を
得ることができる。この混合溶媒を用いることにより、
他の条件と相まって、重縮合反応を円滑に実施すること
ができる。
に溶解補助剤としてトリエチルアミンを存在させる。具
体的には、前記混合溶媒中にトリエチルアミンを添加す
る。トリエチルアミンは、少なくとも1つのスルホン酸
基を持つジアミン化合物(D1)の溶解補助剤として作用す
る。トリエチルアミンは、少なくとも1つのスルホン酸
基を持つジアミン化合物(D1)1モルに対して、好ましく
は0.5〜3モル、より好ましくは1〜2.5モルの割
合で用いられる。トリエチルアミンを使用することによ
り、他の条件と相まって、重縮合反応を円滑に実施する
ことができる。
に重合触媒として安息香酸を存在させる。具体的には、
混合溶媒中に安息香酸を添加する。安息香酸は、少なく
とも1つのスルホン酸基を持つジアミン化合物(D1)1モ
ルに対して、好ましくは0.1〜2モル、より好ましく
は0.3〜1.5モルの割合で使用する。重合触媒とし
て安息香酸を使用することにより、高分子量で成膜性に
優れたポリアミド酸を得ることができる。
させるのではなく、フェノールとp−クロロフェノール
との混合溶媒中、トリエチルアミン及び安息香酸の存在
下、先ず、1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物
と少なくとも1つのスルホン酸基を持つジアミン化合物
(D1)とを、好ましくは150℃以上の温度で反応させ
る。工程(1)での反応温度は、好ましくは150〜1
90℃、より好ましくは160〜185℃である。反応
時間は、好ましくは1〜30時間、より好ましくは2〜
24時間、特に好ましくは3〜20時間である。
と並行して実施する。工程(2)では、フェノールとp
−クロロフェノールとの混合溶媒中で、安息香酸の存在
下、1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物とスル
ホン酸基を持たないジアミン化合物(D2)とを反応させ
る。混合溶媒中のフェノールとp−クロロフェノールと
の重量比は、工程(1)と同様である。安息香酸は、ス
ルホン酸基を持たないジアミン化合物(D2)1モルに対し
て、好ましくは0.1〜2モル、より好ましくは0.3
〜1.5モルの割合で使用する。工程(2)での反応温
度は、好ましくは60〜190℃、より好ましくは70
〜170℃である。反応時間は、好ましくは1〜30時
間、より好ましくは2〜24時間、特に好ましくは3〜
20時間である。
応液と、工程(2)で得られた反応液とを混合し、安息
香酸の存在下、重合反応を継続する。反応系内に安息香
酸が充分に存在している場合には、工程(3)で安息香
酸を追加することは必ずしも必要ではないが、通常は、
少量の安息香酸を追加して反応を継続することが好まし
い。追加する場合の安息香酸の量は、スルホン酸基を持
たないジアミン化合物(D2)1モルに対して、好ましくは
0.1〜2モル、より好ましくは0.3〜1.5モルの
割合である。
た反応液と、工程(2)で得られた反応液とを100℃
以下の温度で混合し、次いで、60〜170℃の温度で
0.1〜5時間、好ましくは0.5〜2時間程度反応さ
せる。
優れたポリアミド酸を得ることができ、製膜後、イミド
化した場合に、高分子電解質膜としての各種物性が良好
なブロック共重合スルホン化ポリイミド膜を得ることが
できる。
(例えば、メタノール、エタノールなど)中に反応混合
物を流し込んで生成ポリアミド酸を沈殿させる。必要に
応じて、メタノール洗浄を行なう。沈殿物を濾過し、乾
燥してポリアミド酸を回収する。
ゾール)中に溶解させ、得られた溶液をガラス板などの
支持体上に流延し、乾燥することにより製膜することが
できる。得られたフィルムは、通常、加熱してポリアミ
ド酸を脱水閉環することにより、ポリイミド化する。所
望により、化学閉環法を採用してもよい。このようにし
て得られたスルホン化ポリイミド膜は、必要に応じて、
塩酸溶液で処理し、イオン交換水で充分に洗浄する。
ミド高分子電解質膜は、下記式(I)
ホン酸基によって置換されている二価の有機基であ
る。)で表わされる構造単位〔I〕を含む重合体ブロッ
ク(A)と、下記式(II)
い二価の有機基である。)で表わされる構造単位〔I
I〕を含む重合体ブロック(B)とを5:95〜95:
5のモル比(A:B)で含有するブロック共重合スルホ
ン化ポリイミドから形成されている高分子電解質膜であ
る。ここで、各構造単位〔I〕及び〔II〕を基本モル
として、モル比(A:B)を定める。このブロック共重
合スルホン化ポリイミドは、下記式(III)で表わすこと
ができる。
は異なっていてもよい二価の有機基であり、Ar1は、
少なくとも1つのスルホン酸基によって更に置換されて
いる。mは、4以上の整数であり、好ましくは4〜5,
000、より好ましくは5〜300である。nは、4以
上の整数であり、好ましくは4〜5,000、より好ま
しくは5〜300である。スルホン化ポリイミドは、ブ
ロック共重合体である。構造単位(I)としては、下記式
(Ia)
位(II)としては、下記式(IIa)
って、ブロック共重合スルホン化ポリイミドとしては、
下記式(IIIa)
ルホン化ポリイミドが好ましい。
ミド高分子電解質膜は、イオン交換基容量が通常1.3
0meq/g以上、好ましくは1.50meg/g以
上、より好ましくは1.80meq/g以上である。本
発明のスルホン化ポリイミド高分子電解質膜は、重合条
件を調整することにより、必要に応じて、イオン交換基
容量を2.00meq/g以上にまで高めることが可能
である。イオン交換基容量の上限は、通常、3.30m
eq/g程度であるが、特に限定されない。
ミド高分子電解質膜は、乾燥状態での引張破断応力が通
常25MPa以上、好ましくは25〜150MPa、よ
り好ましくは30〜100MPaであり、機械的強度に
優れている。本発明のブロックスルホン化ポリイミド高
分子電解質膜は、吸水時の引張破断応力が通常3〜10
0MPa、好ましくは5〜60MPa、より好ましくは
6〜50MPaであり、湿潤状態での機械的強度が良好
である。
分子電解質膜は、乾燥時の引張破断伸びが通常1%以
上、好ましくは1〜20%、より好ましくは2〜15%
であり、可撓性が良好である。また、本発明のブロック
スルホン化ポリイミド高分子電解質膜は、吸水時の引張
破断伸びが乾燥時の破断伸びと殆んど同じ水準であり、
湿潤状態での可撓性が良好である。
ミド高分子電解質膜は、10mm長さ白金電極、電極間
距離10mm、交流1.0V−10kHzで測定した体
積抵抗率が通常1〜35Ωcm、好ましくは2〜30Ω
cmである。本発明のスルホン化ポリイミド高分子電解
質膜は、温度80℃、相対湿度(RH)50%の乾燥条
件下で24時間放置後の体積抵抗率が、好ましくは25
0Ωcm以下、より好ましくは200Ωcm以下、特に
好ましくは180Ωcm以下であり、したがって、本発
明のブロック共重合スルホン化ポリイミド高分子電解質
膜を備えた固体高分子型燃料電池は、該高分子電解質膜
の水の保持力が高いので、乾燥条件下での電池作動に適
している。
ミド高分子電解質膜は、水に対して不溶であり、湿潤状
態においても、高いイオン伝導性を保持し、優れた熱安
定性、酸化及び還元に対する耐性、機械的強度などを有
している。
ミド高分子電解質膜は、固体NMRによるT1ρ緩和時
間測定において、特定化学シフトでのT1ρ緩和時間が
2成分となる。特に、下記式(Ia)
体ブロック(A1)と、下記式(IIa)
合体ブロック(B1)とを含有し、下記式(IIIa)
リイミドから形成されている高分子電解質膜は、固体N
MRによるT1ρ緩和時間測定において、化学シフト1
64ppm及び143ppmでのT1ρ緩和時間がそれ
ぞれ2成分となる。固体NMRの測定条件は、観測周波
数=75.499MHz、パルス幅=4.5μsec、
スペクトル幅=30.03KHzである。
ホン化ポリイミドは、スルホン酸基を含有する重合体ブ
ロックが数十Å以上、さらには、数百Å単位でのブロッ
ク構造となっているため、ランダム共重合体に比べて、
乾燥条件下での水の保持力が向上しており、その膜は、
固体高分子型燃料電池のイオン交換膜として好適であ
る。
ついてより具体的に説明する。
撹拌装置、窒素ガス注入口、温度プローブ、及び冷却管
を装着した。反応器の加熱は、温度調節機能を有するオ
イルバスを用いて行なった。この反応器を2個用意し、
以下、それぞれ反応器A及び反応器Bという。
クロロフェノール37.5gを投入し、撹拌しながらオ
イルバスにて反応器を加熱して、溶媒の温度を60℃に
加温した。この反応器A内に、溶解助剤としてトリエチ
ルアミン2.226g(0.022mol)と、重合触
媒として安息香酸1.343g(0.011mol)と
を投入し、30分間撹拌した。次に、2,2′−ジスル
ホン酸ベンジジン〔即ち、4,4′−ジアミノ−(1,
1′−ビフェニル)−2,2′−ジスルホン酸〕3.7
88g(0.011mol)を投入し、30分間撹拌し
た。その後、反応器A内に、1,4,5,8−ナフタレ
ンテトラカルボン酸二無水物2.950g(0.011
mol)を投入し、撹拌しながら反応器内の混合物を1
80℃まで加熱し、そして180℃で4時間撹拌を継続
した。
器B内での反応を行った。反応器B内に、溶媒としてフ
ェノール105gとp−クロロフェノール75gを投入
し、撹拌しながらオイルバスにて反応器を加熱して、溶
媒を60℃に加温した。この反応器B内に、重合触媒と
して安息香酸2.930g(0.024mol)を投入
し、30分間攪拌した。次に、反応器B内に4,4′−
ジアミノジフェニルエーテル4.806g(0.024
mol)を投入し、10分間攪拌した。その後、1,
4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物6.
436g(0.024mol)を投入し、攪拌しながら
反応器B内の混合物を150℃まで加熱し、150℃で
4時間攪拌を継続した。
を80℃にまで下げた。80℃になった時点で、反応器
B内の溶液41gを反応器A内に投入し、混ぜ合わせ
た。この混合物中に、重合触媒として安息香酸0.61
1g(0.005mol)を投入した後、反応器Aを1
50℃まで加熱し、そして150℃で1時間攪拌を継続
した。
後、反応器内の反応液を、メタノール1リットルを注い
だ3リットルビーカー内にメタノールを攪拌しながら流
し込み、30分間攪拌後、繊維状の沈殿物を吸引濾過に
より取り出した。取り出した繊維状の固体を、再び、メ
タノール500mlを注いだ3リットルビーカー内にメ
タノールを攪拌しながら投入し、30分間攪拌後、沈殿
物を吸引濾過により取り出した。この操作をもう一度繰
り返した後、取り出した繊維状の固体を120℃で6時
間真空乾燥した。このようにして、乾燥固体として、ポ
リイミド前駆体(即ち、ポリアミド酸)を回収した。
記と同様の反応器内にm−クレゾール92.5g投入
し、60℃に加熱し、攪拌した。その中に、乳鉢で擦り
潰した乾燥固体7.5gを3回に分けて30分毎に投入
し、溶解した。得られた溶液を、ドクターナイフ500
μm厚でガラス板上に流延して製膜した。ガラス板上の
被膜を恒温槽にて昇温速度10℃/分で120℃で1時
間、200℃で10分間、そして250℃で10分間の
加熱硬化を連続して行った。加熱硬化によるポリイミド
化(脱水閉環)の終了後、ガラス板上に透明で茶褐色の
膜が生成していた。この膜をガラス板から剥がし取っ
た。
いだ1リットルビーカー内に投入し、ビーカーに蓋をし
て、ウォーターバスで60℃で18時間加熱した。その
後、1規定塩酸溶液から膜を取り出して、イオン交換水
で充分洗浄し、スルホン化ポリイミド高分子電解質膜を
得た。
分子電解質膜は、イオン交換基容量が2.47meq/
g、体積抵抗率(10mm長さ白金電極、電極間距離1
0mm、交流1.0V−10kHzで測定)が5.1Ω
cm、引張特性(破断応力/破断伸び)が77MPa/
3%、吸水時の引張特性(破断応力/破断伸び)が6M
Pa/3%であった。
ポリイミド高分子電解質膜の固体NMR緩和時間分析を
行ったところ、T1ρ緩和時間が164ppmで41.
8/10.9msec、143ppmで34.4/1
3.1msecの各2成分となった。この分析結果か
ら、重合体ブロックの大きさは数十Å以上であることが
分かった。
湿度(RH)50%で24時間放置後、体積抵抗率を測
定したところ、146Ωcmであった。図1に、ブロッ
ク共重合スルホン化ポリイミド高分子電解質膜の乾燥条
件(80℃、50%RH)下での経過時間と体積抵抗率
の変動との関係を示す。結果を表1に示す。
℃で4時間撹拌」を「180℃で8時間撹拌」に、ま
た、反応器Bでの「150℃で4時間撹拌」を「150
℃で8時間撹拌」に、それぞれ変更したこと以外は、実
施例1と同様に操作してブロック共重合スルホン化ポリ
イミド高分子電解質膜を作製し、評価した。
分子電解膜は、イオン交換基容量が2.32meq/
g、体積抵抗率(10mm長さ白金電極、電極間距離1
0mm、交流1.0V−10kHzで測定)が2.3Ω
cm、引張特性(破断応力/破断伸び)が46MPa/
3%で、吸水時の引張特性(破断応力/破断伸び)が7
MPa/3%であった。この膜の80℃、50RH%で
24時間放置後の体積抵抗率は113Ωcmであった。
T1ρ緩和時間については、実施例1と同様の結果が得
られた。結果を表1及び図1に示す。
℃で4時間撹拌」を「180℃で16時間撹拌」に、ま
た、反応器Bでの「150℃で4時間撹拌」を「150
℃で16時間撹拌」に、それぞれ変更したこと以外は、
実施例1と同様に操作してブロック共重合スルホン化ポ
リイミド高分子電解質膜を作製し、評価した。
分子電解膜は、イオン交換基容量が2.16meq/
g、体積抵抗率(10mm長さ白金電極、電極間距離1
0mm、交流1.0V−10kHzで測定)が3.6Ω
cm、引張特性(破断応力/破断伸び)が70MPa/
4%で、吸水時の引張特性(破断応力/破断伸び)が1
7MPa/4%であった。この膜の80℃、50RH%
で24時間放置後の体積抵抗率は163Ωcmであっ
た。T1ρ緩和時間については、実施例1と同様の結果
が得られた。結果を表1及び図1に示す。
撹拌装置、窒素ガス注入口、温度プローブ、及び冷却管
を装着した。反応器の加熱は、温度調節機能を有するオ
イルバスを用いて行なった。
フェノール50gを投入し、オイルバスにて60℃に加
温し、攪拌した。この反応器内に、溶解助剤としてトリ
エチルアミン2.226g(0.022mol)と、重
合触媒として安息香酸0.672g(0.0055mo
l)とを投入し、30分間攪拌した。次に、2,2′−
ジスルホン酸ベンジジン〔即ち、4,4′−ジアミノ−
(1,1′−ビフェニル)−2,2′−ジスルホン酸〕
3.788g(0.011mol)を投入し、30分間
攪拌した。
フタレンテトラカルボン酸二無水物4.290g(0.
016mol)を投入し、攪拌しながら180℃まで加
熱し、そして180℃で4時間攪拌を継続した。4時間
攪拌後、反応器内温度を80℃まで下げ、80℃になっ
た時点で4,4′−ジアミノジフェニルエーテル〔即
ち、オキシビス(4,4′−ベンゼンアミン)〕1.0
01g(0.0050mol)を反応器に投入し、その
後、80℃で2.5時間攪拌した。2.5時間攪拌後、
反応器内温度を60℃まで下げ、そして60℃で18時
間攪拌した。
リットルビーカー内にメタノールを攪拌しながら流し込
み、30分間撹拌後、繊維状の沈殿物を吸引濾過により
取り出した。取り出した繊維状の固体を、再び、メタノ
ール500mlを注いだ3リットルビーカー内にメタノ
ールを攪拌しながら投入し、30分間攪拌後、沈殿物を
吸引濾過により取り出した。この操作をもう一度繰り返
した後、取り出した繊維状の固体を120℃で6時間真
空乾燥した。このようにして、乾燥固体として、ポリイ
ミド前駆体(即ち、ポリアミド酸)を回収した。
記と同様の反応器内にm−クレゾール92.5g投入
し、60℃に加熱し、攪拌した。その中に、乳鉢で擦り
潰した乾燥固体7.5gを3回に分けて30分毎に投入
し、溶解した。得られた溶液を、ドクターナイフ500
μm厚でガラス板上に流延して製膜した。ガラス板上の
被膜を恒温槽にて昇温速度10℃/分で120℃で1時
間、200℃で10分間、そして250℃で10分間の
加熱硬化を連続して行った。加熱硬化によるポリイミド
化(脱水閉環)の終了後、ガラス板上に透明で茶褐色の
膜が生成していた。この膜をガラス板から剥がし取っ
た。
いだ1リットルビーカー内に投入し、ビーカーに蓋をし
て、ウォーターバスで60℃で18時間加熱した。その
後、1規定塩酸溶液から膜を取り出して、イオン交換水
で充分洗浄し、スルホン化ポリイミド高分子電解質膜を
得た。
は、イオン交換基容量が2.89meq/g、体積抵抗
率(10mm長さ白金電極、電極間距離10mm、交流
1.0V−10kHzで測定)が6.1Ωcm、引張特
性(破断応力/破断伸び)が39MPa/8%、吸水時
の引張特性(破断応力/破断伸び)が15MPa/7%
であった。
子電解質膜の固体NMR緩和時間分析を行ったところ、
T1ρ緩和時間が164ppmで19.9msec、1
43ppmで14.3msecの各1成分となった。こ
の分析結果から、スルホン酸基を有する重合体ブロック
の大きさは数十Å未満で均一に分散しているランダム構
造であることが分かった。この高分子電解質膜を、温度
80℃、50%RHで24時間放置後、体積抵抗率を測
定したところ、265Ωcmであった。結果を表1及び
図1に示す。
モノマーの量を下記のとおりに変更したこと以外は、参
考例1と同様に操作して、スルホン化ポリイミド高分子
電解質膜を作製した。
6mol)、安息香酸0.488g(0.0040mo
l)、2,2′−ジスルホン酸ベンジジン2.755g
(0.008mol)、1,4,5,8−ナフタレンテ
トラカルボン酸二無水物4.290g(0.016mo
l)、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル1.60
2g(0.008mol)。
ミド高分子電解質膜は、イオン交換基容量が2.48m
eq/g、体積抵抗率(10mm長さ白金電極、電極間
距離10mm、交流1.0V−10kHzで測定)が1
1.0Ωcm、引張特性(破断応力/破断伸び)が61
MPa/7%、吸水時の引張特性(破断応力/破断伸
び)が25MPa/8%であった。この高分子電解質膜
を、温度80℃、50%RHで24時間放置後、体積抵
抗率を測定したところ、395Ωcmであった。T1ρ
緩和時間については、参考例1と同様の結果が得られ
た。結果を表1及び図1に示す。
撹拌装置、窒素ガス注入口、温度プローブ、及び冷却管
を装着した。反応器の加熱は、温度調節機能を有するオ
イルバスを用いて行なった。
ロフェノール140gを投入した。
ち、4,4′−ジアミノ−(1,1′−ビフェニル)−
2,2′−ジスルホン酸〕5g(0.015mol)、
1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物
12.97g(0.048mol)及び4,4′−ジア
ミノジフェニルエーテル〔即ち、オキシビス(4,4′
−ベンゼンアミン)〕6.7g(0.034mol)を
一度に投入した。反応器内の混合物を撹拌しながら、オ
イルバスで150℃まで加熱し、そして150℃で5時
間撹拌した。その後、反応混合物を60℃まで冷却し
た。
に、メタノールを撹拌しながら流し込んだ。30分間撹
拌後、沈殿した固体(ポリマー)を濾過して単離した。
単離した固体を、再度2リットルのメタノール中にメタ
ノールを撹拌しながら流し込み、30分間撹拌後、沈殿
した固体を濾過して単離した。単離した固体を120℃
で6時間真空乾燥した。このようにして、ポリアミド酸
(即ち、ポリイミド前駆体)を回収した。
5.5g、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)5
5.5g、ジメチルスルホキシド(DMSO)55.5
g、及びN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)5
5.5gを投入し、60℃に加熱した。各反応器毎に、
ポリアミド酸4.5gを3回に分けて30分間隔で投入
し、撹拌した。この段階で、ポリアミド酸は、DMSO
及びDMAcに対しては溶解せず、NMPには一部溶解
し、m−クレゾールには全量溶解した。
の溶解部分)及びm−クレゾール溶液を、それぞれドク
ターナイフ500μm厚でガラス板状に流延した。ガラ
ス板上に形成された被膜を、恒温槽にて昇温速度10℃
/分で加熱し、そして120℃で1時間、200℃で1
0分間、及び250℃で10分間の加熱条件で硬化させ
て、ポリアミド酸をイミド化させた。しかし、硬化物
は、赤茶色の粉状態となっており、満足な膜を得ること
ができなかった。したがって、膜の物性を測定すること
ができなかった。
交換基容量が大きく、機械的強度と水の保持力に優れた
ブロック共重合スルホン化ポリイミドからなり、固体高
分子型燃料電池のイオン交換膜として好適な高分子電解
質膜とその製造方法が提供される。
の乾燥条件(80℃、50%RH)下での経過時間と体
積抵抗率の変動との関係を示すグラフである。
である。
Claims (7)
- 【請求項1】 下記式(I) 【化1】 (式中、Ar1は、少なくとも1つのスルホン酸基によ
って置換されている二価の有機基である。)で表わされ
る構造単位〔I〕を含む重合体ブロック(A)と、下記
式(II) 【化2】 (式中、Ar2は、スルホン酸基を持たない二価の有機
基である。)で表わされる構造単位〔II〕を含む重合
体ブロック(B)とを5:95〜95:5のモル比
(A:B)で含有するブロック共重合スルホン化ポリイ
ミドから形成されている高分子電解質膜。 - 【請求項2】 固体NMRによるT1ρ緩和時間測定に
おいて、特定化学シフトでのT1ρ緩和時間が2成分と
なる請求項1記載の高分子電解質膜。 - 【請求項3】 下記式(Ia) 【化3】 で表わされる構造単位〔Ia〕を含む重合体ブロック
(A1)と、下記式(IIa) 【化4】 で表わされる構造単位〔IIa〕を含む重合体ブロック
(B1)とを5:95〜95:5のモル比(A1:B1)
で含有するブロック共重合スルホン化ポリイミドから形
成されている高分子電解質膜。 - 【請求項4】 固体NMRによるT1ρ緩和時間測定に
おいて、化学シフト164ppm及び143ppmでの
T1ρ緩和時間がそれぞれ2成分となる請求項3記載の
高分子電解質膜。 - 【請求項5】 1,4,5,8−ナフタレンテトラカル
ボン酸二無水物と少なくとも1つのスルホン酸基を持つ
ジアミン化合物(D1)とスルホン酸基を持たないジアミン
化合物(D2)とを反応させてポリアミド酸を合成し、次
いで、該ポリアミド酸を成膜した後、イミド化するスル
ホン化ポリイミド高分子電解質膜の製造方法において、
該ポリアミド酸を下記の工程:(1)フェノールとp−
クロロフェノールとの混合溶媒中で、トリエチルアミン
及び安息香酸の存在下、1,4,5,8−テトラカルボ
ン酸二無水物と少なくとも1つのスルホン酸基を持つジ
アミン化合物(D1)とを反応させる工程、(2)フェノー
ルとp−クロロフェノールとの混合溶媒中で、安息香酸
の存在下、1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物
とスルホン酸基を持たないジアミン化合物(D2)とを反応
させる工程、及び(3)工程(1)で得られた反応液
と、工程(2)で得られた反応液とを混合し、安息香酸
の存在下、重合反応を継続する工程により合成すること
を特徴とするブロック共重合スルホン化ポリイミド高分
子電解質膜の製造方法。 - 【請求項6】 少なくとも1つのスルホン酸基を持つジ
アミン化合物(D1)とスルホン酸基を持たないジアミン化
合物(D2)とを、モル比で、5:95〜95:5の割合
で使用する請求項5記載の製造方法。 - 【請求項7】 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の
高分子電解質膜を固体高分子電解質膜として含有する固
体高分子型燃料電池。
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