JP2003234014A - 高分子電解質膜及び固体高分子型燃料電池 - Google Patents

高分子電解質膜及び固体高分子型燃料電池

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JP2003234014A
JP2003234014A JP2002033352A JP2002033352A JP2003234014A JP 2003234014 A JP2003234014 A JP 2003234014A JP 2002033352 A JP2002033352 A JP 2002033352A JP 2002033352 A JP2002033352 A JP 2002033352A JP 2003234014 A JP2003234014 A JP 2003234014A
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polymer electrolyte
electrolyte membrane
sulfonic acid
structural unit
acid group
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Aiko Matsuda
愛子 松田
Akira Mizoguchi
晃 溝口
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成膜性、機械的強度、吸水率に優れ、吸水時
の体積変化と強度低下が小さく、耐酸化性が顕著に優
れ、高プロトン伝導率を示すことができるスルホン酸基
含有ポリイミド系高分子電解質膜、並びに該膜を固体高
分子電解質膜として含有する固体高分子型燃料電池を提
供すること。 【解決手段】 スルホン酸基含有置換基を有する構造単
位〔I〕と、スルホン酸基を持たない構造単位〔II〕と
を5:95〜95:5のモル比で含有するポリイミド共
重合体から形成された高分子電解質膜、並びに該膜を固
体高分子電解質膜として含有する固体高分子型燃料電
池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スルホン酸基含有
ポリイミド系高分子電解質膜に関し、さらに詳しくは、
成膜性、機械的強度、吸水率(水の保持力)に優れると
ともに、吸水時の体積変化と強度低下が小さく、さらに
は、耐酸化性が顕著に優れ、かつ、高プロトン伝導率を
示すことができるスルホン酸基含有ポリイミド系高分子
電解質膜に関する。また、本発明は、該スルホン酸基含
有ポリイミド系高分子電解質膜を固体高分子電解質膜と
して含有する固体高分子型燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】発電効率が高く、クリーンなエネルギー
を供給できることから、燃料電池発電が注目されてい
る。燃料電池は、水の電気分解の逆動作に基づく動作原
理により電気エネルギーを得る装置である。燃料電池で
は、一般に、天然ガス、メタノール、石炭などの燃料を
改質して得られる水素と、空気中の酸素とを送り込むこ
とによって、水が生成するとともに、直流電力が得られ
る。
【0003】燃料電池の中でも、イオン交換膜(固体高
分子電解質膜)を電解質として使用する固体高分子型燃
料電池は、本質的に固体だけからなるセルであるため、
電解質の散逸や保持の問題がないこと、100℃以下の
低温で作動すること、起動時間が極めて短いこと、高エ
ネルギー密度化や小型軽量化が可能であること、などの
長所を有している。
【0004】図1に断面図を示すように、固体高分子型
燃料電池は、イオン交換膜(固体高分子電解質膜)1の
両面にガス拡散電極層2及び3を接合した全固体型構造
を有している。カソード(酸化剤極)2とアノード(燃
料極)3は、外部回路5(負荷4)によって接続されて
いる。カソード2側に酸素または空気、アノード3側に
水素を供給すると、アノード3側では、水素が酸化され
てプロトンと電子を生成する。プロトンは、水分子を伴
ってイオン交換膜1中を移動し、対極のアノード2で、
外部回路5から供給された電子とともに、酸素の還元に
使われて水を生成する。
【0005】固体高分子型燃料電池は、図1に示すよう
なイオン交換膜−電極接合体からなる単セルを多数積層
したスタックの形で使用される。具体的には、イオン交
換膜−電極接合体の両側に、極室分離やガス供給流路の
機能を持つ導電性セパレータを密着させて積層する。
【0006】固体高分子型燃料電池は、前述のような長
所を有しているものの、フッ素樹脂系イオン交換膜が高
価であること、イオン交換膜が含水状態で良好なイオン
伝導性を持つためには、イオン交換膜の水分管理が必要
であること、などの短所を有している。
【0007】イオン交換膜を構成するポリマーは、一般
に、高いイオン伝導度を有し、薄くて機械的強度に優れ
たフィルムを形成できる特性を有していることが要求さ
れている。イオン交換膜は、乾燥状態だけではなく、湿
潤状態においても、高いイオン伝導性を保持し、優れた
熱安定性、酸化及び還元に対する耐性、機械的強度など
を有することが求められる。
【0008】従来、固体高分子型燃料電池の固体高分子
電解質膜としては、デュポン社のナフィオン(Nafi
on;登録商標)に代表されるスルホン酸基を持つフッ
素樹脂系イオン交換膜が用いられている。このフッ素樹
脂系イオン交換膜は、製造工程が複雑なために、コスト
の低減が困難である。それに加えて、フッ素樹脂系イオ
ン交換膜は、架橋構造を持たない線状高分子からなるた
め、イオン交換基濃度を高くすると溶液化すること、ま
わりの水分濃度によって膨潤・収縮しやすいこと、膜厚
を小さくすると、含水率が大きくなって機械的強度や耐
クリープ性が低下すること、などの問題があった。
【0009】近年、フッ素樹脂系イオン交換膜に代え
て、スルホン化ポリイミド膜を固体高分子型燃料電池の
イオン交換膜として使用することが提案されている。従
来、提案されているスルホン化ポリイミド膜は、ジアミ
ン成分の一部として、芳香族環にスルホン酸基が直接結
合した構造の芳香族ジアミン化合物を用いて合成された
ポリイミド共重合体から形成されたものである〔特表2
000−510511号公報; E. Vallejo et al. Jour
nal of Membrane Science 160 (1999), 127-137;N. Gru
nduz et al. Polymer Preprints 2000, 41(2), 1565-15
66; Y. Zhang etal. Polymer Preprints 2000, 41(2),
1561; C. Genies et al. Polymer 42 (2001), 359-373;
T. Watari et al. Polymer Preptints, Japan Vol. 5
0, No. 13(2001), 3480; J. Fang et al. Polymer Prep
rints, Japan Vol. 13 (2001), 3181; X. Guo et al. P
olymer Prepints, Japan Vol. 50, No. 12 (2001), 300
3;H.J. Kim et al. Polymer Preprints 2001, 42 (2),
486-487; H.K. Shobha etal. Polymer Preprints 2000,
41 (2) 1298-1299〕。
【0010】これらのスルホン化ポリイミド膜は、プロ
トン媒体基であるスルホン酸基がポリマー骨格に直接結
合した構造のスルホン化ポリイミドから形成されてい
る。そのため、スルホン化ポリイミド中のスルホン酸基
の濃度が低いと、スルホン酸基同士の距離が遠ざかり、
スルホン化ポリイミド膜のプロトン伝導性が低下する。
プロトン伝導性を高めるために、スルホン化ポリイミド
中のスルホン酸基の濃度を高くすると、スルホン化ポリ
イミド膜がプロトン伝導溶媒である水を多量に吸収する
ため、膜が膨張して分子鎖が延ばされて、膜の強度が低
下する。
【0011】また、前記スルホン化ポリイミド膜は、親
水性のスルホン酸基がポリマー骨格に直接結合した構造
のスルホン化ポリイミドから形成されているため、水に
浸すと、イミド基の近傍まで水が侵入しやすい。そのた
め、耐酸化性能評価に用いられている酸性水に浸すと、
イミド基が開環して酸性水に溶解する。即ち、該スルホ
ン化ポリイミド膜は、耐酸化性が不充分であり、耐久性
に問題がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、成膜
性、機械的強度、吸水率(水の保持力)に優れ、吸水時
の体積変化と強度低下が小さく、耐酸化性が顕著に優
れ、高プロトン伝導率を示すことができるスルホン酸基
含有ポリイミド系高分子電解質膜を提供することにあ
る。
【0013】本発明の他の課題は、該スルホン酸基含有
ポリイミド系高分子電解質膜を固体高分子電解質膜とし
て含有する固体高分子型燃料電池を提供することにあ
る。
【0014】本発明者らは、前記課題を達成するために
鋭意研究した結果、テトラカルボン酸成分として、1,
4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物を使
用するとともに、ジアミン成分として、(1)少なくとも1
つのスルホン酸基含有置換基を持つジアミン化合物と
(2)スルホン酸基を持たないジアミン化合物とを特定の
割合で使用することにより、前記諸特性に優れたポリイ
ミド共重合体からなる高分子電解質膜の得られることを
見出した。
【0015】本発明のポリイミド共重合体は、その前駆
体(ポリアミド酸)溶液を用いて容易に成膜することが
できる。本発明のポリイミド共重合体から形成された膜
は、スルホン酸基の濃度を高めて高吸水率としても、体
積変化が小さく、湿潤条件下での機械的強度も良好であ
る。この膜は、耐酸化性が顕著に優れている。この膜
は、イオン交換基容量を低くしても、高いプロトン伝導
性を発揮することができる。したがって、本発明のポリ
イミド共重合体から形成された膜は、高分子電解質膜と
しての高度の要求性能を満足するものである。本発明
は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものであ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、下記式(I)
【0017】
【化5】
【0018】〔式中、X及びYは、それぞれ独立に、−
CZ2−、−O−、−S−、−NH−、または−NR−
(Rは、アルキル基)であり、Zは、水素原子またはハ
ロゲン原子であり、m及びnは、それぞれ独立に、0ま
たは正の整数であり、Ar1は、少なくとも1つのスル
ホン酸基含有置換基によって置換されている二価の有機
基である。〕で表される構造単位〔I〕と、下記式(I
I)
【0019】
【化6】
【0020】(式中、Ar2は、スルホン酸基を持たな
い二価の有機基である。)で表される構造単位〔II〕と
を5:95〜95:5のモル比で含有するポリイミド共
重合体から形成された高分子電解質膜が提供される。
【0021】また、本発明によれば、上記高分子電解質
膜を固体高分子電解質膜として含有する固体高分子型燃
料電池が提供される。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明では、ポリイミド前駆体
(ポリアミド酸またはポリアミック酸)及びポリイミド
を構成するテトラカルボン酸成分として、1,4,5,
8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物を使用する。
ジアミン成分としては、少なくとも1つのスルホン酸基
含有置換基を持つジアミン化合物(D1)とスルホン酸基
を持たないジアミン化合物(D2)とを併用する。
【0023】本発明で使用する少なくとも1つのスルホ
ン酸基含有置換基を持つジアミン化合物(D1)として
は、下記式(1)
【0024】
【化7】
【0025】〔式中、X及びYは、それぞれ独立に、−
CZ2−、−O−、−S−、−NH−、または−NR−
(Rは、アルキル基)であり、Zは、水素原子またはハ
ロゲン原子であり、m及びnは、それぞれ独立に、0ま
たは正の整数であり、Ar1は、少なくとも1つのスル
ホン酸基含有置換基によって置換されている二価の有機
基である。〕で表される化合物を挙げることができる。
【0026】ただし、式(1)中のスルホン酸基(−S
3H)は、ナトリウム塩(−SO3Na)などの塩の形
態であってもよい。スルホン酸塩基は、ポリイミド共重
合体の合成時または成膜後に、容易にスルホン酸基(−
SO3H)に変換することができる。例えば、ポリイミ
ド共重合体から形成した膜を塩酸溶液で処理することに
より、スルホン酸塩基をスルホン酸基に変換することが
できる。
【0027】式(1)において、ハロゲン原子として
は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられる。R
としては、メチル基、エチル基などの炭素原子数1〜5
の短鎖アルキル機が好ましい。1つの炭素原子に結合し
ている2つのZは、同一でも、互いに異なっていてもよ
い。m及びnが正の整数である場合、それぞれ好ましく
は1〜10、より好ましくは1〜5である。
【0028】Ar1としては、6〜10個の炭素原子
を持つ少なくとも1つの(置換)芳香族環、5〜10
個の原子を持ち、S、N、Oなどのヘテロ原子を含む芳
香性の(置換)複素環、及びこれらの混合環などの構
造を有する二価の有機基が好ましい。このような二価の
有機基としては、一般にポリイミドの合成に使用されて
いるジアミン化合物(H2N−Ar1−NH2)の二価の
残基(−Ar1−)を使用することができる。
【0029】式(1)中の−X−(CZ2m−Y−(C
2)n−SO3Hは、スルホン酸基含有置換基である。こ
のようなスルホン酸基含有置換基を持つジアミン化合物
は、側鎖型スルホン化ジアミンと呼ぶことができる。ジ
アミン化合物(D1)としては、1つのスルホン酸基含有置
換基を持つジアミン化合物でもよく、また、2個以上の
スルホン酸基含有置換基を持つジアミン化合物であって
もよい。例えば、2個の芳香族環を有するジアミン化合
物の場合、各芳香族環にスルホン酸基含有置換基が導入
されていてもよい。
【0030】好ましいジアミン化合物(D1)の具体例とし
ては、下記式(2)
【0031】
【化8】
【0032】で表される1,3−フェニレンジアミン−
4−エーテルブタンスルホン酸またはそのナトリウム塩
を挙げることができる。
【0033】スルホン酸基を持たないジアミン化合物
(D2)としては、式NH2Ar2NH2で表わされる化合物
を挙げることができる。この式中、Ar2は、二価の有
機基である。ジアミン化合物(D2)としては、二価の有
機基として、6〜10個の炭素原子を持つ少なくとも
1つの(置換)芳香族環、5〜10個の原子を持ち、
S、N、Oなどのヘテロ原子を含む芳香性の(置換)複
素環、及びこれらの混合環などの構造を有するジアミ
ン化合物が好ましい。ただし、置換芳香族環及び置換複
素環は、置換基としてスルホン酸基(スルホン酸基含有
置換基を含む)を持たないものである。
【0034】スルホン酸基を持たないジアミン化合物
(D2)としては、例えば、2,2′−ジ(p−アミノフ
ェニル)−6,6′−ビベンゾオキサゾール、2,2′
−ジ(p−アミノフェニル)−5,5′−ビベンゾオキ
サゾール、m−フェニレンジアミン、1−イソプロピル
−2,4−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミ
ン、4,4′−ジアミノジフェニルプロパン、3,3′
−ジアミノジフェニルプロパン、4,4′−ジアミノジ
フェニルエタン、3,3′−ジアミノジフェニルエタ
ン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−
ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェ
ニルスルフィド、3,3′−ジアミノジフェニルスルフ
ィド、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、3,
3′−ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−ジアミ
ノジフェニルエーテル、3,3′−ジアミノジフェニル
エーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベン
ゼン、ベンジジン、4,4″−ジアミノ−p−テルフェ
ニル、3,3″−ジアミノ−p−テルフェニル、ビス
(p−アミノシクロヘキシル)メテン、ビス(p−β−
アミノ−t−ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β
−メチル−δ−アミノペンチル)ベンゼン、p−ビス
(2−メチル−4−アミノペンチル)ベンゼン、p−ビ
ス(1,1−ジメチル−5−アミノペンチル)ベンゼ
ン、1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナ
フタレン、2,4−ビス(β−アミノ−t−ブチル)ト
ルエン、2,4−ジアミノトルエン、m−キシレン−
2,5−ジアミン、p−キシレン−2,5−ジアミン、
m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、
4,4′−〔2,2,2−トリフルオロ−(1−トリフ
ルオロメチル)−エチリデン〕−ベンゼンアミンなどの
芳香族ジアミン類;2,6−ジアミノピリジン、2,5
−ジアミノピリジン、2,5−ジアミノ−1,3,4−
オキサジアゾールなどの複素環ジアミン類を挙げること
ができる。これらの中でも、4,4′−ジアミノジフェ
ニルエーテルが好ましい。
【0035】テトラカルボン酸成分である1,4,5,
8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物とジアミン成
分とは、一般に、ほぼ等モルの割合で用いられる。ポリ
マーの両末端をアミンとする場合には、ジアミン成分が
若干過剰となるモル比で用いてもよい。一方、ポリマー
の両末端をカルボン酸無水物基とする場合には、1,
4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物が若
干過剰となるモル比で用いてもよい。また、連鎖制限剤
として、無水フタル酸、ナフタレン−1,8−ジカルボ
ン酸無水物などを少量使用することにより、ポリマー末
端を形成させてもよい。
【0036】ジアミン成分中、少なくとも1つのスルホ
ン酸基含有置換基を持つジアミン化合物(D1)とスルホン
酸基を持たないジアミン化合物(D2)とは、5:95〜
95:5のモル比(D1:D2)で使用する。このモル比(D
1:D2)は、好ましくは15:85〜85:15、より好
ましくは20:80〜80:20、さらに好ましくは2
5:75〜75:25である。ただ1つのスルホン酸基
含有置換基を持つジアミン化合物(D1)を使用する場合に
は、このモル比(D1:D2)は、好ましくは40:60〜9
5:5、より好ましくは50:50〜80:20の範囲
とすることが、膜強度を維持し、かつ、高プロトン伝導
性を発現させる上で望ましい。
【0037】少なくとも1つのスルホン酸基含有置換基
を持つジアミン化合物(D1)のモル比が小さすぎると、充
分に高いプロトン伝導率と適度のイオン交換基容量を有
する高分子電解質膜を得ることが困難になる。ジアミン
化合物(D1)のモル比が大きすぎると、高分子電解質膜の
機械的強度が低下し、特に湿潤状態での引張破断応力が
低下傾向を示す。
【0038】本発明では、先ず、ポリイミド前駆体(ポ
リアミド酸)を下記の工程1及び2により合成すること
が好ましい。
【0039】<工程1>フェノールとp−クロロフェノ
ールとの混合溶媒中で、トリエチルアミンと安息香酸の
存在下、1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物の
全量と少なくとも1つのスルホン酸基含有置換基を持つ
ジアミン化合物(D1)とを、好ましくは100℃超過19
0℃以下の温度で、反応させる工程、<工程2>反応混
合物の温度を100℃以下に下げてから、追加のフェノ
ールとp−クロロフェノールと共にジアミン化合物(D
2)を加え、しかる後、好ましくは100℃超過190℃
以下の温度で、反応を継続する工程。
【0040】また、ポリイミド前駆体(ポリアミド酸)
は、下記の工程a〜cによって合成することもできる。
【0041】<工程a>フェノールとp−クロロフェノ
ールとの混合溶媒中で、トリエチルアミンと安息香酸の
存在下、1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物と
少なくとも1つのスルホン酸基含有置換基を持つジアミ
ン化合物(D1)とを、好ましくは100℃超過190℃以
下の温度で、反応させる工程、<工程b>フェノールと
p−クロロフェノールとの混合溶媒中で、トリエチルア
ミンと安息香酸の存在下、1,4,5,8−テトラカル
ボン酸二無水物とスルホン酸基を持たないジアミン化合
物(D2)とを、好ましくは100℃超過190℃以下の温
度で、反応させる工程、<工程c>工程aと工程bで得
られた反応液を混合し、必要に応じて安息香酸を追加し
て、好ましくは100℃超過190℃以下の温度で、反
応を行う工程。
【0042】混合溶媒中のフェノールとp−クロロフェ
ノールとの重量比は、好ましくは10:90〜90:1
0、より好ましくは20:80〜80:20、特に好ま
しくは30:70〜70:30である。この混合溶媒を
用いることにより、他の条件と相まって、重縮合反応を
円滑に実施することができる。
【0043】混合溶媒中にトリエチルアミンを添加する
ことが望ましい。トリエチルアミンは、少なくとも1つ
のスルホン酸基含有置換基を持つジアミン化合物(D1)の
溶解補助剤として作用する。トリエチルアミンは、ジア
ミン化合物(D1)1モルに対して、好ましくは0.5〜3
モル、より好ましくは1〜2.5モルの割合で用いられ
る。トリエチルアミンを使用することにより、他の条件
と相まって、重縮合反応を円滑に実施することができ
る。
【0044】反応系には、重合触媒として安息香酸を存
在させることが望ましい。具体的には、混合溶媒中に安
息香酸を添加する。安息香酸は、ジアミン成分1モルに
対して、好ましくは0.1〜3モル、より好ましくは
0.3〜2モルの割合で使用する。重合触媒として安息
香酸を使用することにより、高分子量で成膜性に優れた
ポリイミド前駆体を得ることができる。
【0045】各工程での反応時間は、好ましくは0.5
〜30時間、より好ましくは2〜24時間である。反応
終了後、生成ポリイミド前駆体の非溶媒(例えば、メタ
ノール、エタノールなど)中に反応混合物を流し込んで
生成ポリイミド前駆体を沈殿させる。必要に応じて、メ
タノール洗浄を行なう。沈殿物を濾過し、乾燥してポリ
アミド酸を回収する。
【0046】ポリイミド前駆体は、溶媒(例えば、m−
クレゾール)中に溶解させ、得られた溶液をガラス板な
どの支持体上に流延し、乾燥することにより製膜するこ
とができる。得られたフィルムは、通常、加熱してポリ
アミド酸を脱水閉環することにより、ポリイミド化す
る。所望により、化学閉環法を採用してもよい。このよ
うにして得られたポリイミド膜は、必要に応じて塩酸溶
液で処理し、イオン交換水で充分に洗浄する。ポリイミ
ド膜(高分子電解質膜)の厚みは、特に限定されないが、
通常5〜1,000μm、好ましくは10〜500μm
である。
【0047】本発明の高分子電解質膜は、下記式(I)
【0048】
【化9】
【0049】〔式中、X及びYは、それぞれ独立に、−
CZ2−、−O−、−S−、−NH−、または−NR−
(Rは、アルキル基)であり、Zは、水素原子またはハ
ロゲン原子であり、m及びnは、それぞれ独立に、0ま
たは正の整数であり、Ar1は、少なくとも1つのスル
ホン酸基含有置換基によって置換されている二価の有機
基である。〕で表される構造単位〔I〕と、下記式(I
I)
【0050】
【化10】
【0051】(式中、Ar2は、スルホン酸基を持たな
い二価の有機基である。)で表される構造単位〔II〕と
を5:95〜95:5のモル比で含有するポリイミド共
重合体から形成された膜である。各式中の符号の意味な
どは、ジアミン成分に関して説明したのと同様である。
この膜は、側鎖型スルホン化ポリイミド膜と呼ぶことが
できる。このポリイミド共重合体は、下記式(III)
【0052】
【化11】
【0053】で表わすことができる。
【0054】式(III)中、Ar1及びAr2は、互いに同
一または異なっていてもよい二価の有機基であり、Ar
1は、少なくとも1つのスルホン酸基含有置換基によっ
て更に置換されている。eは、1以上の整数であり、好
ましくは1〜5,000、より好ましくは4〜300で
ある。fは、1以上の整数であり、好ましくは1〜5,
000、より好ましくは4〜300である。gは、1以
上の正数であり、好ましくは1〜10である。各式中の
その他の符号の意味は、前記と同様である。
【0055】本発明で使用するポリイミド共重合体は、
好ましくは、構造単位〔I〕を含有する重合体ブロック
(A)と構造単位〔II〕を含有する重合体ブロック(B)と
を含むブロック共重合体である。このようなブロック共
重合体は、前述の合成法により好適に合成することがで
きる。構造単位〔I〕は、下記式(Ia)
【0056】
【化12】
【0057】で表される構造単位〔Ia〕であることが好
ましい。また、構造単位〔II〕は、下記式(IIa)
【0058】
【化13】
【0059】で表される構造単位〔IIa〕であることが
好ましい。
【0060】したがって、本発明で使用するポリイミド
共重合体は、下記式(IIIa)
【0061】
【化14】
【0062】で表される共重合体、特にブロック共重合
体であることが好ましい。
【0063】本発明の高分子電解質膜は、ポリイミド共
重合体を合成する際に、少なくとも1つのスルホン酸基
含有置換基を持つジアミン化合物(D1)の種類と共重合
割合、重合条件などを選択することにより、イオン交換
基容量を3.00meq/gかそれ以上にまで高めるこ
とは可能であるが、高いプロトン伝導率を実現するため
には、必ずしも高いイオン交換基容量とする必要はな
い。イオン交換基容量を高めるために、スルホン酸基の
濃度を高めすぎると、吸水時の強度の低下を招きやすい
ので、本発明では、むしろ適度のイオン交換基容量に調
整することが望ましい。本発明の高分子電解質膜のイオ
ン交換基容量は、好ましくは0.8〜2.0meq/
g、より好ましくは0.9〜1.8meq/g、さらに
好ましくは1.0〜1.5meq/gである。
【0064】本発明の高分子電解質膜のプロトン伝導率
は、好ましくは0.03〜0.2S/cm、より好まし
くは0.033〜0.1S/cm、さらに好ましくは
0.035〜0.08S/cmである。プロトン伝導率
が低すぎると、高分子電解質膜としての性能が低下す
る。
【0065】本発明の高分子電解質膜は、常態(乾燥状
態)での引張破断応力が通常25MPa以上、好ましく
は25〜150MPaであり、機械的強度に優れてい
る。本発明の高分子電解質膜は、吸水時の引張破断応力
が通常3〜100MPa、好ましくは5〜60MPaで
あり、湿潤状態での機械的強度が良好である。
【0066】本発明の高分子電解質膜は、重量変化を基
準とする吸水率は高い値を示すものの、体積変化を基準
とする吸水率は比較的低水準に抑制されている。そのた
め、本発明の高分子電解質膜は、吸水による膜の膨張が
抑制され、初期の強度を維持することができる。
【0067】本発明の高分子電解質膜は、耐酸化性が著
しく優れている。ポリマー骨格にスルホン酸基が直接結
合した構造のスルホン化ポリイミドから形成された膜
は、耐酸化性評価試験(条件:3%H22/Fe2+、1
00℃)を行うと、30分程度までは形状を維持してい
るものの、それを超えると溶解してしまう。これに対し
て、本発明の高分子電解質膜は、過酷な耐酸化性評価試
験で90分程度まで重量変化がなく、耐酸化性に優れて
いる。
【0068】本発明の高分子電解質膜は、水に対して不
溶であり、低イオン交換基容量でも高プロトン伝導率を
示し、湿潤状態においても高いイオン伝導性を保持し、
優れた熱安定性、耐酸化性、機械的強度などを有してい
る。そのため、本発明の高分子電解質膜を備えた固体高
分子型燃料電池は、高性能であり、かつ、耐久性に優れ
ている。
【0069】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明に
ついてより具体的に説明する。
【0070】[実施例1] (1)反応器 300mlガラス製フラスコに、攪拌装置、窒素ガス注
入口、温度プローブ、及び冷却管を取付けて反応器とし
た。反応器の加熱は、温度調整機能を備えたオイルバス
にて行った。
【0071】(2)反応工程1 先ず、反応器内にフェノール20gとp−クロロフェノ
ール14.3gとを投入し、撹拌しながらオイルバスに
て60℃に加温した。この反応器内にトリエチルアミン
1.477g(0.0146mol)と安息香酸1.9
52g(0.016mol)とを投入し、30分間攪拌
した。次いで、側鎖型スルホン化ジアミンとして、1つ
のスルホン酸ナトリウム基を持つ1,3−フェニレンジ
アミン−4−エーテルブタンスルホン酸ナトリウム2.
069g(0.007mol)を投入し、30分間攪拌
した。その後、1,4,5,8−ナフタレンテトラカル
ボン酸二無水物2.843g(0.0106mol)を
投入し、攪拌しながら反応器内を120℃まで加熱し、
急激に反応させた。
【0072】(3)反応工程2 急激な反応後、反応器内の温度を80℃まで下げ、80
℃になった時点で4,4′−ジアミノジフェニルエーテ
ル0.661g(0.0033mol)、フェノール8
g、及びp−クロロフェノール5.9gを投入し、しか
る後、180℃まで加熱し4時間攪拌した。4時間攪拌
後、反応器内の温度を80℃まで下げ、80℃で18時
間攪拌した。
【0073】(4)後処理工程 18時間攪拌後、反応器内の反応液を、メタノール1リ
ットルを注いだ3リットルビーカー内にメタノールを攪
拌しながら流し込んだ。30分間攪拌後、繊維状の沈殿
物を吸引濾過により取り出した。この沈殿物を、メタノ
ール500mlを注いだ3リットルビーカー内にメタノ
ールを攪拌しながら投入し、30分間攪拌後、沈殿物を
吸引濾過により取り出した。この操作をもう一度繰り返
した後、取り出した沈殿物を120℃6時間真空乾燥し
た。
【0074】(5)製膜工程 乾燥した沈殿物は、乳鉢で擦り潰した。上記と同様の反
応器内にm−クレゾール46.5gを投入し、撹拌しな
がら60℃に加熱した。この反応器内に、乳鉢で擦り潰
した乾燥沈殿物3.5gを3回に分けて30分間毎投入
し、溶解した。溶解後、得られた溶液を、ドクターナイ
フにより500μm厚でガラス板上に製膜した。次い
で、得られた被膜を恒温槽にて昇温速度10℃/分で昇
温し、120℃で1時間、200℃で10分間、及び2
50℃で10分間の連続加熱により硬化させた。加熱硬
化終了後、ガラス板上に透明で茶褐色の膜が生成してお
り、この膜をガラス板から剥がし取った。
【0075】得られた膜を、1規定塩酸100mlを注
いだ1リットルビーカー内に投入した。ビーカーに蓋を
してウォーターバスに浸漬し、60℃で18時間加熱し
た。1規定塩酸溶液から膜を取り出してイオン交換水で
充分洗浄し、側鎖型スルホン化ポリイミド高分子電解質
膜を得た。
【0076】(6)膜の評価 上記方法で得られた側鎖型スルホン化ポリイミド高分子
電解質膜は、イオン交換容量が1.25meq/g、プ
ロトン伝導率(10mm長さ白金電極、電極間距離10
mm、交流1.0V−10kHzで測定)が0.040
S/cm、吸水率が90%、引張特性(破断応力)が3
7Mpa、吸水時の引張特性(破断応力)が18Mpa
であった。耐酸化性評価(3%H22/Fe2+、100
℃)では、30分間まで初期の重量及び形状をともに保
持しており、また、90分間までは重量を保持してい
た。
【0077】[実施例2]実施例1の反応工程2におい
て、180℃での反応時間を4時間から24時間に変え
たこと以外は、実施例1と同様に反応、後処理、及び製
膜を行って、側鎖型スルホン化ポリイミド高分子電解質
膜を得た。
【0078】上記方法で得られた側鎖型スルホン化ポリ
イミド高分子電解質膜は、イオン交換容量が1.02m
eq/g、プロトン伝導率(10mm長さ白金電極、電
極間距離10mm、交流1.0V−10kHzで測定)
が0.035S/cm、吸水率が70%、吸水後の体積
変化率が25%、引張特性(破断応力)が57Mpa、
吸水時の引張特性(破断応力)が27Mpaであった。
耐酸化性評価(3%H 22/Fe2+、100℃)では、
30分間まで初期の重量及び形状をともに保持してお
り、また、90分間までは重量を保持していた。
【0079】[比較例1] (1)反応工程1 実施例1と同様の反応器内にフェノール70gとp−ク
ロロフェノール50gとを投入し、撹拌しながらオイル
バスにて60℃に加温した。この反応器内にトリエチル
アミン1.012g(0.0100mol)と安息香酸
0.275g(0.0025mol)とを投入し、30
分間攪拌した。次に、2つのスルホン酸基がベンゼン環
に直接結合した構造を有する2,2′−ジスルホン酸ベ
ンジジン〔即ち、4,4′−ジアミノ−(1,1′−ビ
フェニル)−2,2′−ジスルホン酸〕1.783g
(0.0050mol)を投入し、30分間攪拌した。
この反応器内に1,4,5,8−ナフタレンテトラカル
ボン酸二無水物4.290g(0.016mol)を投
入し、攪拌しながら反応器内を180℃まで加熱し、1
80℃で4時間攪拌した。
【0080】(2)反応工程2 4時間攪拌後、反応器内温度を80℃まで下げて、80
℃になった時点で4,4′−ジアミノジフェニルエーテ
ル2.136g(0.0110mol)を投入し、その
後、80℃で2.5時間攪拌した。その後、反応器内の
温度を60℃まで下げ、60℃で18時間攪拌した。
【0081】(3)後処理工程 18時間攪拌後、反応器内の反応液を、メタノール1リ
ットルを注いだ3リットルビーカー内にメタノールを攪
拌しながら流し込んだ。30分間攪拌後、繊維状の沈殿
物を吸引濾過により取り出した。この沈殿物を、メタノ
ール500mlを注いだ3リットルビーカー内にメタノ
ールを攪拌しながら投入し、30分間攪拌後、沈殿物を
吸引濾過により取り出した。この操作をもう一度繰り返
した後、取り出した沈殿物を120℃で6時間真空乾燥
した。
【0082】(4)製膜工程 乾燥した沈殿物を乳鉢で擦り潰した。上記と同様の反応
器内にm−クレゾール92.5gを投入し、撹拌しなが
ら反応器内を60℃に加熱した。この反応器内に、乳鉢
で擦り潰した乾燥沈殿物7.5gを3回に分けて30分
間毎投入し、溶解した。得られた溶液をドクターナイフ
により500μm厚でガラス板上に製膜した。得られた
膜は、恒温槽にて昇温速度10℃/分で昇温し、120
℃で1時間、200℃で10分間、250℃で10分間
の連続加熱を行って硬化させた。加熱硬化終了後、ガラ
ス板上に透明で茶褐色の膜が生成しており、この膜をガ
ラス板から剥がし取った。得られた膜を、1規定塩酸1
00mlを注いだ1リットルビーカー内に投入した。ビ
ーカーに蓋をしてウォーターバス中に浸漬し、60℃で
18時間加熱した。その後、1規定塩酸溶液から膜を取
り出してイオン交換水で充分洗浄し、スルホン化ポリイ
ミド高分子電解質膜を得た。
【0083】(5)膜の評価 上記方法で得られたスルホン化ポリイミド高分子電解質
膜は、イオン交換容量が1.58meq/g、プロトン
伝導率(10mm長さ白金電極、電極間距離10mm、
交流1.0V−10kHzで測定)が0.042S/c
m、吸水率が21%、吸水後の体積変化率が50%であ
った。耐酸化性評価(3%H22/Fe 2+、100℃)
では、30分間まで初期の重量及び形状をともに保持し
ていたが、それ以降は溶解した。
【0084】[比較例2]溶解助剤、触媒、及びモノマー
の量を以下のように変えたこと以外は、比較例1と同様
に反応、後処理、及び製膜を行って、スルホン化ポリイ
ミド高分子電解膜を作製した。
【0085】トリエチルアミン0.971g(0.00
96mol)、安息香酸1.952g(0.0016m
ol)、2,2′−ジスルホン酸ベンジジン1.653
g(0.0048mol)、1,4,5,8−ナフタレ
ンテトラカルボン酸二無水物4.290g(0.016
mol)、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル2.
242g(0.0112mol)。
【0086】上記方法で得られたスルホン化ポリイミド
高分子電解質膜は、イオン交換容量が1.16meq/
g、プロトン伝導率(10mm長さ白金電極、電極間距
離10mm、交流1.0V−10kHzで測定)が0.
018S/cmであった。
【0087】各実施例及び比較例の結果を表1にまとめ
て示す。
【0088】
【表1】
【0089】
【発明の効果】本発明によれば、成膜性、機械的強度、
吸水率(水の保持力)に優れ、吸水時の体積変化と強度
低下が小さく、耐酸化性が顕著に優れ、かつ、高プロト
ン伝導率を示すことができるスルホン酸基含有ポリイミ
ド系高分子電解質膜が提供される。本発明の高分子電解
質膜は、比較的低いイオン交換基容量でも高いプロトン
伝導率を示すことができる。本発明によれば、上記スル
ホン酸基含有ポリイミド系高分子電解質膜を固体高分子
電解質膜として含有する高性能で耐久性に優れた固体高
分子型燃料電池が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】固体高分子型燃料電池の基本構造を示す断面図
である。
【符号の説明】
1:イオン交換膜(固体高分子電解質膜) 2:ガス拡散電極層(カソード) 3:ガス拡散電極層(アノード) 4:負荷 5:外部回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 5/22 CFG C08J 5/22 CFG H01M 8/02 H01M 8/02 P 8/10 8/10 // C08L 79:08 C08L 79:08 Z Fターム(参考) 4D006 GA41 HA41 JA01C MA03 MA12 MB04 MB09 MB11 MB16 MB19 MB20 MC58 MC58X MC74 MC74X MC81 NA03 NA62 PB18 PC80 4F071 AA60 AH15 FA05 FB07 FC01 FD02 4J043 PA04 PA09 PC186 QB31 SA06 SA82 SB01 TA14 TA22 TB01 UA121 UA131 UA141 UA262 UA561 UB011 UB021 UB121 UB281 UB301 YA06 ZB14 ZB49 5G301 CA30 CD01 5H026 AA06 CX05 EE18 HH00 HH05 HH06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I) 【化1】 〔式中、X及びYは、それぞれ独立に、−CZ2−、−
    O−、−S−、−NH−、または−NR−(Rは、アル
    キル基)であり、Zは、水素原子またはハロゲン原子で
    あり、m及びnは、それぞれ独立に、0または正の整数
    であり、Ar1は、少なくとも1つのスルホン酸基含有
    置換基によって置換されている二価の有機基である。〕
    で表される構造単位〔I〕と、下記式(II) 【化2】 (式中、Ar2は、スルホン酸基を持たない二価の有機
    基である。)で表される構造単位〔II〕とを5:95〜
    95:5のモル比で含有するポリイミド共重合体から形
    成された高分子電解質膜。
  2. 【請求項2】 ポリイミド共重合体が、構造単位〔I〕
    を含有する重合体ブロック(A)と構造単位〔II〕を含有
    する重合体ブロック(B)とを含むブロック共重合体であ
    る請求項1記載の高分子電解質膜。
  3. 【請求項3】 構造単位〔I〕が、下記式(Ia) 【化3】 で表される構造単位〔Ia〕である請求項1または2に記
    載の高分子電解質膜。
  4. 【請求項4】 構造単位〔II〕が、下記式(IIa) 【化4】 で表される構造単位〔IIa〕である請求項1乃至3のい
    ずれか1項に記載の高分子電解質膜。
  5. 【請求項5】 イオン交換基容量が0.8〜2.0me
    q/gの範囲で、かつ、プロトン伝導度が0.03〜
    0.2S/cmの範囲である請求項1乃至4のいずれか
    1項に記載の高分子電解質膜。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の
    高分子電解質膜を固体高分子電解質膜として含有する固
    体高分子型燃料電池。
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