JP5881194B2 - リン酸ドープ電解質膜およびその製造方法並びにそれを含む燃料電池 - Google Patents
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Description
(1)スルホン化ポリイミド(ただし、下記式(4)で表される主鎖および側鎖にスルホン酸基を有するグラフト型ポリイミド樹脂を除く)とスルホン酸基を有しないポリイミダゾールとリン酸を含む固体高分子電解質膜であって、前記固体高分子電解質膜は、前記スルホン化ポリイミドと前記ポリイミダゾールとのブレンド膜であることを特徴とする固体高分子電解質膜。
0.01<Mw(グラフト側鎖)/Mw(主鎖)<4
であることが好ましい。0.01未満であると、相分離構造の変化が起こらず、プロトン伝導性の向上が見られない場合があり、4を超える場合は、膜としても強度が低下する場合がある。
IEC(イオン交換容量)=スルホン酸基当量×グラフト率/(主鎖単位分子量−(側鎖分子量×グラフト率)より
グラフト率(%)={(主鎖単位分子量×IEC)/[スルホン酸基当量−(側鎖分子量×IEC)]}×100
<GPCによる分子量の測定方法>
微量のLiBr(10mM)を添加したジメチルホルムアミド(以下「DMF」という。)を用い、合成したグラフトポリマーの分子量をポリスチレン換算で測定する。サンプル溶液は1mg/mlの濃度でポリマーを臭化リチウム添加DMFに溶解させて作製する。
本発明のリン酸ドープ電解質膜は、まず、上記したスルホン化ポリイミド(SPI)とポリベンズイミダゾール(PBI)とのポリマーブレンド物を作製し、このポリマーブレンド物を剥離性基材上に塗布し、乾燥後剥離するなどの方法により、スルホン化ポリイミドとポリベンズイミダゾールとのブレンド電解質膜(SPI/PBIブレンド電解質膜)を形成し、得られた膜をリン酸により処理することによってリン酸ドープ膜を形成することにより得られる。
こうして作製されたスルホン化ポリイミド(SPI)/ポリイミダゾール(PBI)ブレンド電解質膜にリン酸をドープすることによって、本発明のリン酸ドープSPI/PBIブレンド電解質膜が作製される。リン酸ドープは、得られたSPI/PBIブレンド電解質膜を5〜95重量%、より好ましくは10〜85重量%リン酸溶液に浸漬することにより行われる。リン酸ドープ前後の膜重量変化を測定し、以下の式により算出した値を膜のリン酸含有量と定義する。
リン酸含有量(重量%)=〔(リン酸ドープ膜重量−未ドープ膜重量)/未ドープ膜重量〕×100
上記のようにして作製された本発明の電解質膜は、例えば、高分子固体電解質型燃料電池の固体高分子電解質膜として好ましく用いられる。
窒素雰囲気下、m−クレゾール(重合溶媒)24mL(1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物(NTDA)の28倍等量)に、2,2−ベンジジンジスルホン酸(BDSA)2.81g(8.16mmol)とトリエチルアミン2.72g(NTDAの2.4倍等量)を加え、80℃で1時間攪拌して溶解させた。この溶液に、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物(NTDA)2.19g(8.16mmol)を加え、120℃で24時間攪拌し、ポリアミック酸のトリエチルアミン塩を合成した。さらにNTDAの1.12倍等量の安息香酸1.12g(9.17mmol)およびトリエチルアミンを加え、化学イミド化反応を180℃で24時間行い、スルホン化ポリイミドのトリエチルアミン塩(以下、スルホン化ポリイミド塩という。)を合成した。合成したスルホン化ポリイミド塩は、酢酸エチルに注ぎ再沈した後、洗浄して回収した。回収したスルホン化ポリイミド塩は、24時間自然乾燥させた後、150℃で真空乾燥し、溶媒を完全に除去した。
窒素雰囲気下、3,3’−ジアミノベンジジン(DAB)1.36g(6.35mmol)、4,4’−オキシビス安息香酸(OBBA)1.64g(6.35mmol)を量り取り、3wt%溶液となるように重合溶媒であるポリリン酸(PPA)を加え、攪拌しながら徐々に温度を上げていき、180℃で6時間攪拌し、ポリベンズイミダゾールを合成した。得られたポリマー溶液をイオン交換水に注ぎ再沈した後、水酸化ナトリウム溶液で中和し、洗浄した。吸引ろ過によりポリベンズイミダゾールを回収し、24時間自然乾燥させた後、100℃で真空乾燥した。
1.塩型SPI/PBIブレンド電解質膜の作製
合成例1で得られたスルホン化ポリイミド(SPI)塩0.36g、合成例2で得られたポリベンズイミダゾール(PBI)0.04gを、それぞれジメチルスルホキシド(DMSO)6ml、4mlに溶解させ、完全に溶解したポリベンズイミダゾール溶液をスルホン化ポリイミド溶液に加え、さらに一晩攪拌することで溶液を調整した。このSPI/PBIブレンド溶液をガラスシャーレ上にキャストし、110℃まで加熱した後、徐々に減圧して溶媒を蒸発させた。その後、110℃で12時間真空乾燥させることでキャスト膜を得た。得られたブレンド膜をエタノールに浸漬させて不純物と残存溶媒を除去し、イオン交換水に浸漬させてエタノールを除去し、この塩型のブレンド膜を真空乾燥して、塩型SPI/PBIブレンド電解質膜を得た。乾燥直後の膜重量(W1)を測定した。W1は0.037gであった。
上記で得られた塩型SPI/PBIブレンド電解質膜を、85%リン酸溶液に室温で24時間浸漬させた後取り出し、表面のリン酸を拭き取り、膜重量(W2)を測定した。W2は0.16gであった。70℃で28時間真空乾燥し、リン酸ドープSPI/PBIブレンド電解質膜を得た。最終的に得られた膜の重量(W3)を測定したところ、W3は0.070gであった。また、得られたリン酸ドープSPI/PBIブレンド電解質膜の膜厚は、約50μmであった。
酸含有量(%)=〔(W3−W1)/(W1)〕×100
リン酸ドープSPI/PBIブレンド電解質膜の酸含有量は89%であった。
実施例1と同様の作製手順を用いて、リン酸浸漬時間を12時間とすることで最終的なリン酸含有量への影響を検討した。
スルホン化ポリイミドとして合成例1で得られたスルホン化ポリイミド塩を用い、ポリベンズイミダゾールとして合成例2で得られたポリベンズイミダゾールを用い、実施例1の塩型SPI/PBIブレンド電解質膜の作製に従って塩型SPI/PBIブレンド膜を作製した。
実施例1と同様の作製手順を用いて、リン酸浸漬時間を3時間とすることで最終的なリン酸含有量への影響を検討した。
スルホン化ポリイミドとして合成例1で得られたスルホン化ポリイミド塩を用い、ポリベンズイミダゾールとして合成例2で得られたポリベンズイミダゾールを用い、実施例1の塩型SPI/PBIブレンド電解質膜の作製に従って塩型SPI/PBIブレンド膜を作製した。
実施例1と同様の作製手順を用いて、浸漬後の乾燥を自然乾燥のみとすることで最終的なリン酸含有量への影響を検討した。
スルホン化ポリイミドとして合成例1で得られたスルホン化ポリイミド塩を用い、ポリベンズイミダゾールとして合成例2で得られたポリベンズイミダゾールを用い、実施例1の塩型SPI/PBIブレンド電解質膜の作製に従って塩型SPI/PBIブレンド膜を作製した。
実施例1と同様の作製手順を用いて、浸漬後の乾燥温度を60℃とすることで最終的なリン酸含有量への影響を検討した。
スルホン化ポリイミドとして合成例1で得られたスルホン化ポリイミド塩を用い、ポリベンズイミダゾールとして合成例2で得られたポリベンズイミダゾールを用い、実施例1の塩型SPI/PBIブレンド電解質膜の作製に従って塩型SPI/PBIブレンド膜を作製した。
窒素雰囲気下、m−クレゾール(重合溶媒)22mL(1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物(NTDA)の28倍等量)に、2,2−ベンジジンジスルホン酸(BDSA)2.54g(7.38mmol)とトリエチルアミン2.46g(NTDAの2.4倍等量)を加え、80℃で4時間攪拌して完全に溶解させた。同時に、窒素雰囲気下、m−クレゾール(重合溶媒)7mL(1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物(NTDA)の28倍等量)に、4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンビス(p−フェニレンオキシ)ジアミン(APPF)1.64g(3.16mmol)を加え、80℃で4時間攪拌して、完全に溶解させた。BDSA溶液にNTDA2.00g(7.38mmol)、APPF溶液にNTDA0.84g(3.16mmol)を加え、それぞれ120℃で24時間攪拌し、ポリアミック酸を合成した。2つのポリアミック酸溶液を混合し、120℃で24時間攪拌した。さらにNTDAの1.12倍等量の安息香酸1.12g(9.17mmol)およびトリエチルアミンを加え、化学イミド化反応を180℃で24時間行い、スルホン化ブロックコポリイミドのトリエチルアミン塩(以下、スルホン化ブロックコポリイミド塩という)を合成した。なお、合成したスルホン化ブロックコポリイミド塩は酢酸エチルに注ぎ再沈した後、洗浄して回収した。回収したスルホン化ポリイミド塩は、24時間自然乾燥させた後、150℃で真空乾燥し、溶媒を完全に除去した。
スルホン化ポリイミドとして合成例3で得られたスルホン化ブロックコポリイミド塩を用い、ポリベンズイミダゾールとして合成例2で得られたポリベンズイミダゾールを用い、実施例1の塩型SPI/PBIブレンド電解質膜の作製に従って、塩型スルホン化ブロックコポリイミド/PBIブレンド膜を作製した。
実施例6と同様の作製手順を用いて、浸漬後の乾燥温度と時間を70℃、28時間とすることで最終的なリン酸含有量への影響を検討した。
スルホン化ポリイミドとして合成例3で得られたスルホン化ブロックコポリイミド塩を用い、ポリベンズイミダゾールとして合成例2で得られたポリベンズイミダゾールを用い、実施例1の塩型SPI/PBIブレンド電解質膜の作製に従って、塩型スルホン化ブロックコポリイミド/PBIブレンド膜を作製した。
トリニトロフェニルアミン(TNPA)8.5gをジオキサン/エタノール混合溶媒(2/1)360mlに溶解させ、パラジウムカーボン0.6gを加えた。次いでヒドラジン45mlをゆっくりと滴下し、60℃で20時間攪拌し反応させた。水を用いて再沈し、トリアミノフェニルアミン(TAPA)を得た。
スルホン化ポリイミドとして上記合成例4で得られたスルホン化スター・ハイパーブランチポリイミド塩を用い、ポリベンズイミダゾールとして合成例2で得られたポリベンズイミダゾールを用い、実施例1の塩型SPI/PBIブレンド電解質膜の作製に従って、塩型スルホン化スター・ハイパーブランチポリイミド/PBIブレンド膜を作製した。
<高分子電解質前駆体(主鎖部分)の作製>
ジムロートと窒素流入器を取り付けた三つ口フラスコに、4,4’−ジアミノ−3,3’−ビフェニルジオール(HAB)4.0g(0.018mol)を量り取り、N−メチルピロリドン(NMP)80mLに溶解させた(15wt%)。続いて、2,2−ビス(3、4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)8.2g(0.018mol)とイソキノリン4.4mL(0.036mol)を加え、70℃で2時間攪拌加熱した。さらに200℃で5時間攪拌加熱を行い、放冷した後メタノール:水(6:4)で再沈した。得られた粒状のポリマーを150℃で15時間真空乾燥させ、6FDA−HABポリマーを得た。
ジムロートと窒素流入器を取り付けた三つ口フラスコに4,4’−ジアミノ−ビフェニル2,2’−ジスルホン酸(BDSA)5.5g(0.0159mol)を量り取り、m−クレゾール50mLとトリエチルアミン5.4mLを加えて、80℃で溶解させた。続いて1,4,5,8−ナフタレン−テトラカルボン酸二無水物(以下NTDA)4.4g(0.0164mol)を加えて、120℃で24時間攪拌し、さらに安息香酸2.2gを加えて、数時間120℃で攪拌して、NTDA−BDSAアミック酸ポリマー溶液を得た。
上記で得た主鎖ポリマー6FDA−HABAを、上記で得た側鎖部分のNTDA−BDSAアミック酸ポリマー溶液(主鎖ポリマーのアミンに対して10倍mol)に加え、トリエチルアミンを加えて120℃で24時間反応させた。安息香酸を加えて180℃で24時間反応させることにより目的とするスルホン化グラフトコポリイミド6FDA−HABA−g−NTDA−BDSAを合成した。それぞれの合成したポリマー溶液は室温まで冷却した後、メタノールで再沈して未反応の側鎖を除去し、シャーレに移して150℃で15時間真空乾燥させた。
スルホン化ポリイミドとして合成例5で得られたスルホン化グラフトコポリイミド塩を用い、ポリベンズイミダゾールとして合成例2で得られたポリベンズイミダゾールを用い、実施例1の塩型SPI/PBIブレンド電解質膜の作製に従って、塩型スルホン化グラフトコポリイミド/PBIブレンド膜を作製した。
スルホン化ポリイミドとして合成例1で得られたスルホン化ポリイミド塩を用い、ポリベンズイミダゾールとして合成例2で得られたポリベンズイミダゾールを用い、スルホン化ポリイミド塩を0.19g、ポリベンズイミダゾール0.01gをそれぞれジメチルスルホキシド4ml、5mlに溶解させ、完全に溶解したポリベンズイミダゾール溶液をスルホン化ポリイミド溶液に加えてさらに一晩攪拌することで溶液を調整した。
スルホン化ポリイミドとして合成例1で得られたスルホン化ポリイミド塩を用い、ポリベンズイミダゾールとして合成例2で得られたポリベンズイミダゾールを用い、スルホン化ポリイミド塩0.10g、ポリベンズイミダゾール0.10gをそれぞれジメチルスルホキシド3ml、6mlに溶解させ、完全に溶解したポリベンズイミダゾール溶液をスルホン化ポリイミド溶液に加えてさらに一晩攪拌することで、溶液を調整した。
スルホン化ポリイミドとして合成例1で得られたスルホン化ポリイミド塩を用い、ポリベンズイミダゾールとして合成例2で得られたポリベンズイミダゾールを用い、スルホン化ポリイミド塩0.05g、ポリベンズイミダゾール0.15gをそれぞれジメチルスルホキシド2ml、7mlに溶解させ、完全に溶解したポリベンズイミダゾール溶液をスルホン化ポリイミド溶液に加えてさらに一晩攪拌することで溶液を調整した。
リン酸含浸後に乾燥を自然乾燥のみとすることを除き、実施例12と同様の作製手順によりリン酸ドープSPI/PBI(25/75)ブレンド電解質膜を作製して、乾燥方法の違いによる最終的なリン酸含有量への影響を検討した。
スルホン化ポリイミドとして合成例1で得られたスルホン化ポリイミド塩を用い、ポリベンズイミダゾールとして合成例2で得られたポリベンズイミダゾールを用い、スルホン化ポリイミド塩0.05g、ポリベンズイミダゾール0.15gをそれぞれジメチルスルホキシド2ml、7mlに溶解させ、完全に溶解したポリベンズイミダゾール溶液をスルホン化ポリイミド溶液に加えてさらに一晩攪拌することで溶液を調整した。
<高分子電解質前駆体(主鎖部分)の作製>
窒素雰囲気下、m−クレゾール(重合溶媒)22mL(1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物(NTDA)の28倍等量)に、3,3‐ビス(3−スルホプロポキシ)ベンジジン(3,3−BSPB)3.39g(7.38mmol)とトリエチルアミン2.46g(NTDAの2.4倍等量)を加え、80℃で4時間攪拌して完全に溶解させた。同時に、窒素雰囲気下、m−クレゾール(重合溶媒)7mL(1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物(NTDA)の28倍等量)に、3,5−ジアミノ安息香酸(DABA)0.48g(3.16mmol)を加え、80℃で4時間攪拌して、完全に溶解させた。BSPB溶液にNTDA2.00g(7.38mmol)、DABA溶液にNTDA0.84g(3.16mmol)を加え、それぞれ120℃で24時間攪拌し、ポリアミック酸を合成した。2つのポリアミック酸溶液を混合し、120℃で24時間攪拌した。さらにNTDAの1.12倍等量の安息香酸1.12g(9.17mmol)およびトリエチルアミンを加え、化学イミド化反応を180℃で24時間行い、スルホン化ブロックコポリイミドのトリエチルアミン塩(以下、スルホン化ブロックコポリイミド塩という)NTDA−BSBP−b−DABAを合成した。なお、合成したスルホン化ブロックコポリイミド塩は酢酸エチルに注ぎ再沈した後、洗浄して回収した。回収したスルホン化ポリイミド塩は、24時間自然乾燥させた後、150℃で真空乾燥し、溶媒を完全に除去した。
ジムロートと窒素流入器を取り付けた三つ口フラスコに3,3‐ビス(3−スルホプロポキシ)ベンジジン(3,3−BSPB)7.32g(0.0159mol)を量り取り、m−クレゾール50mLとトリエチルアミン5.4mLを加えて、80℃で溶解させた。続いて1,4,5,8−ナフタレン−テトラカルボン酸二無水物(以下NTDA)4.4g(0.0164mol)を加えて、120℃で24時間攪拌し、さらに安息香酸2.2gを加えて、数時間120℃で攪拌して、NTDA−BDSAアミック酸ポリマー溶液を得た。
スルホン化ポリイミドとして合成例6で得られたスルホン化ブロックグラフトコポリイミド塩を用い、ポリベンズイミダゾールとして合成例2で得られたポリベンズイミダゾールを用い、実施例1の塩型SPI/PBIブレンド電解質膜の作製法に従って、塩型スルホン化ブロックグラフトコポリイミド/PBIブレンド膜を作製した。
スルホン化ポリイミドとして合成例6で得られたスルホン化ブロックグラフトコポリイミド塩を用い、ポリベンズイミダゾールとして合成例2で得られたポリベンズイミダゾールを用い、実施例1の塩型SPI/PBIブレンド電解質膜の作製法に従って、塩型スルホン化ブロックグラフトコポリイミド/PBIブレンド膜を作製した。
作製したリン酸ドープSPI/PBIブレンド電解質膜の膜厚は、約30μmであった。酸含有量は125%であった。実施例1と同様の方法で、120℃、30%RH、90℃、30%RH、30℃、30%RH、−20℃、70%RHにおけるプロトン伝導度を算出したところ、それぞれ3.0×10-3、7.9×10-4、4.0×10-5、1.3×10-3Scm-1であった。
スルホン化ポリイミドとして合成例6で得られたスルホン化ブロックグラフトポリイミド塩を用い、ポリベンズイミダゾールとして合成例2で得られたポリベンズイミダゾールを用い、スルホン化ブロックグラフトポリイミド塩を0.15g、ポリベンズイミダゾール0.05gをそれぞれジメチルスルホキシド4ml、5mlに溶解させ、完全に溶解したポリベンズイミダゾール溶液をスルホン化ブロックグラフトポリイミド溶液に加えてさらに一晩攪拌することで溶液を調整した。
リン酸ドープSPI/PBIブレンド電解質膜との比較として、未ドープSPI単独膜を以下の手順で作製した。
合成例1で得られたスルホン化ポリイミド塩0.4gをジメチルスルホキシド(DMSO)10mlに溶解させ、一晩攪拌することで溶液を調整した。そのスルホン化ポリイミド溶液をガラスシャーレ上にキャストし、110℃まで加熱した後、徐々に減圧し溶媒を蒸発させた。その後、110℃で12時間真空乾燥させることでスルホン化ポリイミド塩のキャスト膜を得た。
リン酸ドープSPI/PBIブレンド電解質膜との比較として、未ドープSPI/PBIブレンド膜を以下のとおりの手順で作製した。
スルホン化ポリイミドとして合成例1で得られたスルホン化ポリイミド塩を用い、ポリベンズイミダゾールとして合成例2で得られたポリベンズイミダゾールを用い、実施例1の塩型SPI/PBIブレンド電解質膜の作製に従って塩型SPI/PBIブレンド膜を作製した。
スルホン化ポリイミドとして合成例6で得られたスルホン化ブロックグラフトポリイミド塩と、ポリベンズイミダゾールとして合成例2で得られたポリベンズイミダゾールから作製された、リン酸ドープSPI/PBIブレンド電解質膜との比較として、未ドープスルホン化ブロックグラフト単独膜を以下の手順で作製した。
2 空気極
3 燃料極
4 負荷
5 外部回路
Claims (10)
- スルホン化ポリイミド(ただし、下記式(4)で表される主鎖および側鎖にスルホン酸基を有するグラフト型ポリイミド樹脂を除く)とスルホン酸基を有しないポリイミダゾールとリン酸を含む固体高分子電解質膜であって、前記固体高分子電解質膜は、前記スルホン化ポリイミドと前記ポリイミダゾールとのブレンド膜であることを特徴とする固体高分子電解質膜。
- 前記リン酸は、スルホン化ポリイミドとポリイミダゾールとからなる膜にドープされることにより含まれていることを特徴とする請求項1に記載の固体高分子電解質膜。
- 請求項1または2に記載の固体高分子電解質膜において、前記スルホン化ポリイミドがスルホン化スター・ハイパーブランチポリイミドであることを特徴とする固体高分子電解質膜。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の固体高分子電解質膜において、スルホン化ポリイミドとポリイミダゾールの比が、ポリイミダゾールがスルホン化ポリイミドに対し1〜99重量%であることを特徴とする固体高分子電解質膜。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の固体高分子電解質膜において、リン酸がスルホン化ポリイミドとポリイミダゾールの合計重量に対し、1〜500重量%であることを特徴とする固体高分子電解質膜。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の固体高分子電解質膜を用いた燃料電池。
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