JP7190695B2 - ポリマー組成物 - Google Patents
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Description
[1] 電子供与性ポリマー(D)および電子求引性ポリマー(A)を含む組成物であり、
電子供与性ポリマー(D)が、式(1a):
*-X1a-O-Y1a-O-Z1a-O-Y’1a-O-* (1a)
[式中、X1aは、式(2a)~式(2c):
のいずれかで表される2価の基であり、
Y1aおよびY’1aは、それぞれ独立に、式(3a)または式(3b):
で表される2価の基であり、
Z1aは、式(3c):
R5およびR6は、それぞれ独立に、C1-3アルキレン基であり、
*は、結合位置を示す。]
で表される2価の基であり、および
*は、結合位置を示す。]
で表される構成単位を有する電子供与性ポリマー(D1)を含み、
電子求引性ポリマー(A)が、式(4a):
のいずれかで表される4価の基であり、
Y2aは、式(6a)~式(9a):
n2~n10は、それぞれ独立に、0~4の整数であり、
R1a~R10aは、それぞれ独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1-10アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1-10アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、ホルミル基、シアノ基、スルホ基、W1aで置換されていてもよいフェニル基、W1aで置換されていてもよいチエニル基、またはW1aで置換されていてもよいフリル基であり、
W1aは、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1-10アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1-10アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、ホルミル基、シアノ基またはスルホ基であり、
n1~n10が2~4の整数である場合、複数のR1a~R10aは、互いに、同じまたは異なるものでもよく、
n1個のR1aの少なくとも一つは、スルホ基であり、
n2個のR2aおよびn3個のR3aからなる群から選ばれる少なくとも一つは、スルホ基であり、
n4個のR4a、n5個のR5aおよびn6個のR6aからなる群から選ばれる少なくとも一つは、スルホ基であり、
n7個のR7a、n8個のR8a、n9個のR9aおよびn10個のR10aからなる群から選ばれる少なくとも一つは、スルホ基であり、
Z1a~Z6aは、それぞれ独立に、単結合、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1-2アルキレン基、C3-10アルキレン基、スルホニル基、カルボニル基、*-CONH-*、*-NHCO-*、*-C(R11a)(R12a)-*、またはオキシ基であり、
R11aおよびR12aは、それぞれ独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1-3アルキル基であるか、またはR11aおよびR12aは互いに結合して、それらが結合する炭素原子と共に、C3-6炭化水素環を形成する、および
*は、結合位置を示す。]
のいずれかで表される2価の基であり、および
*は、結合位置を示す。]
で表される構成単位を有する電子求引性ポリマー(A1)を含む組成物。
[3] Y1aおよびY’1aが、共に式(3a)で表される2価の基である前記[1]または[2]に記載の組成物。
[4] 電子供与性ポリマー(D1)のガラス転移温度が110℃以下である前記[1]~[3]のいずれか一つに記載の組成物。
[6] X2aが、式(5a)で表される4価の基である前記[1]~[5]のいずれか一つに記載の組成物。
[7] Y2aが、式(7a)で表される2価の基である前記[1]~[6]のいずれか一つに記載の組成物。
*は、結合位置を示す。]
で表される構成単位である前記[1]~[4]のいずれか一つに記載の組成物。
*は、結合位置を示す。]
で表される構成単位を有し、且つ他の構成単位として式(4b-1):
*は、結合位置を示す。]
で表される構成単位を有する前記[1]~[4]のいずれか一つに記載の組成物。
まず、本明細書に記載する化学式中の基等について説明する。
本明細書中、ハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
本明細書中、C1-10アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基が挙げられる。
本明細書中、C1-3アルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、1-メチルエチレン基が挙げられる。
本明細書中、C3-10アルキレン基としては、例えば、トリメチレン基、1-メチルエチレン基、テトラメチレン基、1-メチルトリメチレン基、1,1-ジメチルエチレン基、ペンタメチレン基、1-メチルテトラメチレン基、2-メチルテトラメチレン基、1,1-ジメチルトリメチレン基、1,2-ジメチルトリメチレン基、2,2-ジメチルトリメチレン基、1-エチルトリメチレン基、ヘキサメチレン基、1-メチルペンタメチレン基、2-メチルペンタメチレン基、3-メチルペンタメチレン基、1,1-ジメチルテトラメチレン基、1,2-ジメチルテトラメチレン基、2,2-ジメチルテトラメチレン基、1-エチルテトラメチレン基、1,1,2-トリメチルトリメチレン基、1,2,2-トリメチルトリメチレン基、1-エチル-1-メチルトリメチレン基、1-エチル-2-メチルトリメチレン基が挙げられる。
本発明の一態様において電子供与性ポリマー(D)は、式(1a):
*-X1a-O-Y1a-O-Z1a-O-Y’1a-O-* (1a)
[式中、X1aは、式(2a)~式(2c):
のいずれかで表される2価の基であり、
Y1aおよびY’1aは、それぞれ独立に、式(3a)または式(3b):
で表される2価の基であり、
Z1aは、式(3c)
R5およびR6は、それぞれ独立に、C1-3アルキレン基であり、
*は、結合位置を示す。]
で表される2価の基であり、および
*は、結合位置を示す。]
で表される構成単位を有する電子供与性ポリマー(D1)を含む。この態様において、電子供与性ポリマー(D)は、好ましくは電子供与性ポリマー(D1)からなる。
のいずれかで表される構成単位であり、より好ましくは式(1a-1)で表される構成単位である。
電子求引性ポリマー(A)は、式(4a):
のいずれかで表される4価の基であり、
Y2aは、式(6a)~式(9a):
n2~n10は、それぞれ独立に、0~4の整数であり、
R1a~R10aは、それぞれ独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1-10アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1-10アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、ホルミル基、シアノ基、スルホ基、W1aで置換されていてもよいフェニル基、W1aで置換されていてもよいチエニル基、またはW1aで置換されていてもよいフリル基であり、
W1aは、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1-10アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1-10アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、ホルミル基、シアノ基またはスルホ基であり、
n1~n10が2~4の整数である場合、複数のR1a~R10aは、互いに、同じまたは異なるものでもよく、
n1個のR1aの少なくとも一つは、スルホ基であり、
n2個のR2aおよびn3個のR3aからなる群から選ばれる少なくとも一つは、スルホ基であり、
n4個のR4a、n5個のR5aおよびn6個のR6aからなる群から選ばれる少なくとも一つは、スルホ基であり、
n7個のR7a、n8個のR8a、n9個のR9aおよびn10個のR10aからなる群から選ばれる少なくとも一つは、スルホ基であり、
Z1a~Z6aは、それぞれ独立に、単結合、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1-2アルキレン基、C3-10アルキレン基、スルホニル基、カルボニル基、*-CONH-*、*-NHCO-*、*-C(R11a)(R12a)-*、またはオキシ基であり、
R11aおよびR12aは、それぞれ独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1-3アルキル基であるか、またはR11aおよびR12aは互いに結合して、それらが結合する炭素原子と共に、C3-6炭化水素環を形成する、および
*は、結合位置を示す。]
のいずれかで表される2価の基であり、および
*は、結合位置を示す。]
で表される構成単位を有する電子求引性ポリマー(A1)を含む。電子求引性ポリマー(A)は、好ましくは電子求引性ポリマー(A1)からなる。構成単位(4a)中のイミド構造が、ポリマー(A)に電子求引性を付与すると考えられる。
*は、結合位置を示す。]
で表される構成単位である。
で表される構成単位である。
R1b~R10bは、それぞれ独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1-10アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1-10アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、ホルミル基、シアノ基、W1bで置換されていてもよいフェニル基、W1bで置換されていてもよいチエニル基、またはW1bで置換されていてもよいフリル基であり、
W1bは、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1-10アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1-10アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、ホルミル基またはシアノ基であり、
p1~p10が2~4の整数である場合、複数のR1b~R10bは、互いに、同じまたは異なるものでもよく、
Z1b~Z6bは、それぞれ独立に、単結合、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1-2アルキレン基、C3-10アルキレン基、スルホニル基、カルボニル基、*-CONH-*、*-NHCO-*、*-C(R11b)(R12b)-*、またはオキシ基であり、
R11bおよびR12bは、それぞれ独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1-3アルキル基であるか、またはR11bおよびR12bは互いに結合して、それらが結合する炭素原子と共に、C3-6炭化水素環を形成する、および
*は、結合位置を示す。]
のいずれかで表される2価の基であり、および
*は、結合位置を示す。]
で表される構成単位が挙げられる。
k1は、1~4の整数であり、
R1cは、フッ素原子またはトリフルオロメチル基であり、k1が2~4の整数である場合、複数のR1cは、互いに、同じまたは異なるものでもよく、
k2~k5は、それぞれ独立に、0~4の整数であり、
R2cは、ニトロ基またはトリフルオロメチル基であり、k2が2~4の整数である場合、複数のR2cは、互いに、同じまたは異なるものでもよく、
R3cおよびR4cは、共に塩素原子であり、
R5cは、ニトロ基またはトリフルオロメチル基であり、k5が2~4の整数である場合、複数のR5cは、互いに、同じまたは異なるものでもよく、
k6およびk7は、それぞれ独立に、0~4の整数であり、
R6cは、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1-3アルキル基であり、k6が2~4の整数である場合、複数のR6cは、互いに、同じまたは異なるものでもよく、
R7cは、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1-3アルキル基であり、k7が2~4の整数である場合、複数のR7cは、互いに、同じまたは異なるものでもよく、
k8およびk9は、それぞれ独立に、0~4の整数であり、
R8cは、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1-3アルキル基であり、k8が2~4の整数である場合、複数のR8cは、互いに、同じまたは異なるものでもよく、
R9cは、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1-3アルキル基であり、k9が2~4の整数である場合、複数のR9cは、互いに、同じまたは異なるものでもよく、および
*は、結合位置を示す。]
のいずれかで表される2価の基である。
で表される構成単位である。
なお、本明細書中、「m-」は「メタ」を表し、「p-」は「パラ」を表す。
本発明の組成物において、電子供与性ポリマー(D)および電子求引性ポリマー(A)が電荷移動錯体を形成していることが好ましい。その結果、電子供与性ポリマー(D)および電子求引性ポリマー(A)が充分に混合し、相分離が抑制された組成物を得ることができる。
本発明の組成物の溶液を調製し、次いでこの溶液から溶媒を留去することによって、膜を製造することができる。本発明の組成物の溶液の調製方法に特に限定はない。例えば、溶媒中に、電子供与性ポリマー(D)および電子求引性ポリマー(A)を順次または同時に添加し、適宜加熱することによって、組成物の溶液を調製してもよい。また、電子供与性ポリマー(D)の溶液および電子求引性ポリマー(A)の溶液を別々に調製し、得られた溶液を混合することによって、組成物の溶液を調製してもよい。
ポリマーのプロトン核磁気共鳴(1H NMR)の化学シフトの値は、Bruker社製AV-400(400MHz)またはBruker社製AVANCE III(600MHz)を測定機器として用いて、重溶媒としては重ジメチルスルホキシド(DMSO-d6)または重クロロホルム(CDCl3-d)を使用して、化学シフトはテトラメチルシランを内部標準(0.0ppm)としたときのδ値(ppm)で示した。
NMRスペクトルの記載において、「s」はシングレット、「brs」はブロードシングレット、「d」はダブレット、「t」はトリプレット、「dd」はダブルダブレット、「m」はマルチプレット、「br」はブロード、「J」はカップリング定数、「Hz」はヘルツを意味する。
「DMSO-d6」は重ジメチルスルホキシドを意味し、「CDCl3-d」は重クロロホルムを意味する。
測定する重溶媒にトリフルオロ酢酸を添加して、NMRのピークを鮮明にする方法を測定するサンプルに応じて実行した。
ポリマーのガラス転移温度は、ネッチ社製の示差走査熱量計NETZSC DSC 204 Fi Phoenixを用いて、10mL/分の窒素フロー下、昇温速度10℃/分および分析範囲:-100~200℃の条件にて測定した。
ポリマーの重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で、分析条件Aにて測定し、標準ポリスチレンの較正曲線を用いて換算した。
<分析条件A>
カラム:東ソー社製ガードカラム(Tosoh TSK guard column Super AW-H)、東ソー社製カラム(Tosoh TSK gel super AW 3000)およびカラム(Tosoh TSK gel super AW 5000)を、この順に直列に連結して使用した。
カラム温度:40℃
検出器:日本分光社製の示差屈折率検出器RI-2031および紫外可視検出器UV-2075
溶離液:クロロホルム
流量:1.0mL/分
組成物の紫外-可視分光法(UV-vis)の測定は、日本分光社製の紫外可視近赤外分光光度計V-650に、日本分光社製の積分球ユニットISV-722および日本分光社製のサンプルホルダーSSH-506を搭載して行った。
理論イオン交換容量(理論IEC)は、ポリマーまたは組成物(1g)あたりに含まれるスルホ基の量(mmol)として算出した。
滴定によるイオン交換容量(IEC)は、次のようにして算出した。まず、1×1cm2の大きさに切り出したポリマーまたは組成物の膜を、10mLの塩化ナトリウム水溶液(濃度:15重量%)に1日間浸漬した後、指示薬としてフェノールフタレインと、水酸化ナトリウム水溶液(濃度:0.001mol/L)とを用いて、前記塩化ナトリウム水溶液のpHが7になるまで滴定した。pHが7になるまでに用いた水酸化ナトリウム水溶液の量から下記式:
滴定によるイオン交換容量(IEC)(mmol/g)
=〔pH7になるまでに用いた水酸化ナトリウム水溶液の量(L)〕×〔水酸化ナトリウム水溶液の濃度(mol/L)〕×〔1/1000〕/〔膜の乾燥重量(g)〕
によって、滴定によるイオン交換容量(IEC)を算出した。
膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly、以下「MEA」と略称する)は、電解質膜、触媒インクおよびガス拡散層より作製した。
触媒インクは、白金担持カーボンの電極触媒(田中貴金属工業社製、白金含有量:46.2重量%、品名「TEC10E50E」)、エタノール(和光純薬工業社製)、脱イオン水、およびナフィオン分散溶液(和光純薬工業社製、品名「5% Nafion Dispersion Solution DE521 CS type」)を用いて調製した。
ガス拡散層は、疎水性カーボンペーパー(東レ社製、品名「EC-TP1-060T」)を用いた。
反応容器の内部を窒素で置換した後、1,3-ビス(3-グリシドキシプロピル)テトラメチルジシロキサン)(9.66g、26.64mmol)、2,6-ジヒドロキシナフタレン(4.27g、26.64mmol)、トリス(2,6-ジメトキシフェニル)ホスフィン(44.2mg、0.10mmol)およびシクロヘキサノン(24mL)を、順次、反応容器に加えた。次に反応混合物を150℃にて96時間撹拌した。反応終了後、反応混合物をメタノールに滴下して、黄色オイル状の粗生成物を得た。この粗生成物をクロロホルムに溶解させた後、この溶液をメタノールに滴下して、粗生成物を洗浄した後、溶媒を減圧乾燥して、式(1a-1):
δ:7.66(2H),7.21(2H),7.09(2H),4.02(2H),3.95(4H),3.45(4H),3.34(4H),1.48(4H),0,44(4H),-0.02(12H).
図1に電子供与性ポリマー(D1-1)の1H NMRのチャートを示す。
重量平均分子量(Mw)=2.8×10,000
数平均分子量(Mn)=1.8×10,000
分子量分布(Mw/Mn)=1.5
ガラス転移温度(℃)=12.5℃
反応容器の内部を窒素で置換した後、4,4’-ジアミノ-2,2’-ビフェニルジスルホン酸(10.33g、30.0mmol)、m-クレゾール(75mL)、およびトリエチルアミン(7.59g、75.0mmol)を、順次、反応容器に加えた。次に反応混合物を140~145℃で撹拌して、固形物を溶解させた後、その中にナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物(8.21g、30.6mmol)、および安息香酸(7.33g、60.0mmol)を加え、180~185℃にて20時間撹拌して、さらに190~195℃にて5時間撹拌して反応を行った。反応終了後、メタノールおよび濃塩酸の混合溶媒(メタノール:濃塩酸=5:1(体積比))に反応混合物を滴下して、沈殿物を析出させ、沈殿物をろ取した。
δ:9.09-8.51(br), 8.04(s), 7.76(brs), 7.62-7.25(m).
GPC:
重量平均分子量(Mw)=1.3×100,000
数平均分子量(Mn)=5.9×1,000
分子量分布(Mw/Mn)=21
イオン交換容量:
理論イオン交換容量(理論IEC)=3.47(mmol/g)
滴定によるイオン交換容量(IEC)=3.47(mmol/g)
反応容器の内部を窒素で置換した後、4,4’-ジアミノ-2,2’-ビフェニルジスルホン酸(4.14g、12.0mmol)、4,4’-ジアミノオクタフルオロビフェニル(0.44g、1.3mmol)、m-クレゾール(38g)、およびトリエチルアミン(3.38g、33.4mmol)を、順次、反応容器に加えた。次に反応混合物を140~145℃で撹拌して、固形物を溶解させた後、その中にナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物(3.65g、13.6mmol)、および安息香酸(3.27g、26.8mol)を加えた。次に反応混合物を、170~175℃にて27時間撹拌して、反応を行った。反応終了後、メタノールおよび濃塩酸の混合溶媒(メタノール:濃塩酸=5:1(体積比))に反応混合物を滴下して、沈殿物を析出させた後、沈殿物をろ取して、得られた沈殿物を、ジメチルスルホキシドに添加し、100~110℃に加熱して、溶解させて、ジメチルスルホキシド溶液を得た。
δ:8.81(brs), 8.06(s), 7.78(brs), 7.43(brs).
GPC:
重量平均分子量(Mw)=7.5×10,000
数平均分子量(Mn)=1.6×10,000
分子量分布(Mw/Mn)=4.7
IEC:
理論イオン交換容量(IEC)=3.13(meq/g)
原料の2,6-ジヒドロキシナフタレンを1,5-ジヒドロキシナフタレンに変更したこと以外は合成例1と同様にして、式(1a-2):
重量平均分子量(Mw)=2.3×10,000
数平均分子量(Mn)=1.1×10,000
分子量分布(Mw/Mn)=2.1
原料の2,6-ジヒドロキシナフタレンを2,3-ジヒドロキシナフタレンに変更したこと以外は合成例1と同様にして、式(1a-3):
重量平均分子量(Mw)=7.2×1,000
数平均分子量(Mn)=3.4×1,000
分子量分布(Mw/Mn)=2.1
電子供与性ポリマー(D1-1)(95.1mg)、電子求引性ポリマー(A1-1)(104.9mg)およびジメチルスルホキシド(3mL)を順次、反応容器に入れ、前記ポリマーをジメチルスルホキシドに溶解させた後、得られた混合物を内径3cmのポリテトラフルオロエチレン製のシャーレに加えた。なお、使用した電子供与性ポリマー(D1-1)中の構成単位(1a-1)の量は182mmolであり、使用した電子求引性ポリマー(A1-1)中の構成単位(4a-11)の量は182mmolであった。
電子供与性ポリマー(D1-1)(49.2mg)、電子求引性ポリマー(A1-2)(107.6mg)およびジメチルスルホキシド(1.6mL)を順次、反応容器に入れ、前記ポリマーをジメチルスルホキシドに溶解させた後、得られた混合物を内径1.7cmのポリテトラフルオロエチレン製のシャーレに加えた。なお、使用した電子供与性ポリマー(D1-1)中の構成単位(1a-1)の量は94.1mmolであり、使用した電子求引性ポリマー(A1-2)中の構成単位(4a-11)と構成単位(4b-11)との合計量は187.2mmolであった。
電子供与性ポリマー(D1-1)(104.4mg)、電子求引性ポリマー(A1-2)(114.8mg)およびジメチルスルホキシド(4mL)を順次、反応容器に入れ、前記ポリマーをジメチルスルホキシドに溶解させた後、得られた混合物を内径1.7cmのポリテトラフルオロエチレン製のシャーレに加えた。なお、使用した電子供与性ポリマー(D1-1)中の構成単位(1a-1)の量は199.7mmolであり、使用した電子求引性ポリマー(A1-2)中の構成単位(4a-11)と構成単位(4b-11)との合計量は199.7mmolであった。
紫外-可視分光法(UV-vis)にて、実施例1で得られた組成物(I)の膜の吸収スペクトルを測定した。この吸収スペクトルを図2に示す。
実施例1と同様にして製造した組成物(I)の膜(膜厚:60μm)を電解質膜として用いて、燃料電池の発電試験を上述のようにして行った。発電試験での電圧および電流密度の結果を表1に示す。組成物(I)の膜を電解質膜として作製した単セルのOCVは0.562Vであった。
紫外-可視分光法(UV-vis)にて、実施例3で得られた組成物(III)の膜の吸収スペクトルを測定した。この吸収スペクトルを図3に示す。
Claims (10)
- 電子供与性ポリマー(D)および電子求引性ポリマー(A)を含む組成物であり、
電子供与性ポリマー(D)が、式(1a):
*-X1a-O-Y1a-O-Z1a-O-Y’1a-O-* (1a)
[式中、X1aは、式(2a)~式(2c):
[式中、*は、結合位置を示す。]
のいずれかで表される2価の基であり、
Y1aおよびY’1aは、それぞれ独立に、式(3a)または式(3b):
[式中、*は、結合位置を示す。]
で表される2価の基であり、
Z1aは、式(3c):
[式中、R1~R4は、それぞれ独立に、C1-3アルキル基であり、
R5およびR6は、それぞれ独立に、C1-3アルキレン基であり、
*は、結合位置を示す。]
で表される2価の基であり、および
*は、結合位置を示す。]
で表される構成単位を有する電子供与性ポリマー(D1)を含み、
電子求引性ポリマー(A)が、式(4a):
[式中、X2aは、式(5a)~式(5c):
[式中、*は、結合位置を示す。]
のいずれかで表される4価の基であり、
Y2aは、式(6a)~式(9a):
[式中、n1は、1~4の整数であり、
n2~n10は、それぞれ独立に、0~4の整数であり、
n2およびn3の合計は、1以上の整数であり、
n4~n6の合計は、1以上の整数であり、
n7~n10の合計は、1以上の整数であり、
R1a~R10aは、それぞれ独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1-10アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1-10アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、ホルミル基、シアノ基、スルホ基、W1aで置換されていてもよいフェニル基、W1aで置換されていてもよいチエニル基、またはW1aで置換されていてもよいフリル基であり、
W1aは、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1-10アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1-10アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、ホルミル基、シアノ基またはスルホ基であり、
n1~n10が2~4の整数である場合、複数のR1a~R10aは、互いに、同じまたは異なるものでもよく、
n1個のR1aの少なくとも一つは、スルホ基であり、
n2個のR2aおよびn3個のR3aからなる群から選ばれる少なくとも一つは、スルホ基であり、
n4個のR4a、n5個のR5aおよびn6個のR6aからなる群から選ばれる少なくとも一つは、スルホ基であり、
n7個のR7a、n8個のR8a、n9個のR9aおよびn10個のR10aからなる群から選ばれる少なくとも一つは、スルホ基であり、
Z1a~Z6aは、それぞれ独立に、単結合、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1-2アルキレン基、C3-10アルキレン基、スルホニル基、カルボニル基、*-CONH-*、*-NHCO-*、*-C(R11a)(R12a)-*、またはオキシ基であり、
R11aおよびR12aは、それぞれ独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1-3アルキル基であるか、またはR11aおよびR12aは互いに結合して、それらが結合する炭素原子と共に、C3-6炭化水素環を形成する、および
*は、結合位置を示す。]
のいずれかで表される2価の基であり、および
*は、結合位置を示す。]
で表される構成単位を有する電子求引性ポリマー(A1)を含む組成物。 - X1aが、式(2a)で表される2価の基である請求項1に記載の組成物。
- Y1aおよびY’1aが、共に式(3a)で表される2価の基である請求項1または2に記載の組成物。
- 電子供与性ポリマー(D1)のガラス転移温度が110℃以下である請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
- R1a~R10aが、それぞれ独立に、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1-10アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1-10アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、ホルミル基、シアノ基、スルホ基、W1aで置換されていてもよいフェニル基、W1aで置換されていてもよいチエニル基、またはW1aで置換されていてもよいフリル基であり、およびW1aが、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1-10アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1-10アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、ホルミル基、シアノ基またはスルホ基である請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
- X2aが、式(5a)で表される4価の基である請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
- Y2aが、式(7a)で表される2価の基である請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
- 電子供与性ポリマー(D)および電子求引性ポリマー(A)が、電荷移動錯体を形成している請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
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