JP2009243031A - ナノファイバー、電解質膜、膜電極接合体及び燃料電池 - Google Patents

ナノファイバー、電解質膜、膜電極接合体及び燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、プロトン伝導性及び高温での安定性を向上させることが可能なナノファイバー、該ナノファイバーを含む電解質膜、該電解質膜を有する膜電極接合体及び該膜電極接合体を有する燃料電池を提供することを目的とする。
【解決手段】ポリイミドを含むナノファイバーであって、前記ポリイミドが、スルホン酸基を有する構成単位を有するように構成されることによって上記課題が解決される。本発明のナノファイバーは、例えばスルホン化ランダムコポリイミド塩溶液を用い、エレクトロスピニングにより得ることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、ナノファイバー、電解質膜、膜電極接合体及び燃料電池に関する。
燃料電池は、発電効率が高いため、地球環境保全に対応するクリーンエネルギーの開発の面から注目されている。また、燃料電池は、騒音や振動が少なく、排熱を利用するコージェネレーションや、排熱でタービンを動かして発電する複合発電とすることにより、総合効率をさらに高くすることが期待されている。中でも、固体高分子形燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell)は、室温でも発電できること、電解質膜を用いることで制御が容易となること、電流密度を高くできること等の特徴を有することから、車載用電源、定置用電源、携帯用電源等の小型分散電源用途への幅広い用途で、次世代エネルギー源として、注目されている。
固体高分子形燃料電池用の電解質膜としては、Nafion(登録商標)が知られているが、コスト、高温での安定性に問題がある。燃料電池の運転温度の高温化は、燃料である水素、酸素の反応効率向上や、触媒被毒の低減などの点から強く求められているがNafion(登録商標)はTgが低いため、使用温度が90℃程度と限られている。そこで、Nafion(登録商標)の代替材料として、スルホン酸基を有するポリイミドが知られているが(特許文献1参照)、プロトン伝導性をさらに向上させることが望まれている。
特開2005−272666号公報
本発明は、上記の従来技術が有する問題に鑑み、優れたプロトン伝導性と高温での安定性を両立することのできるナノファイバー、該ナノファイバーを含む電解質膜、該電解質膜を有する膜電極接合体及び該膜電極接合体を有する燃料電池を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、ポリイミドを含むナノファイバーであって、該ポリイミドは、スルホン酸基を有する構成単位を有することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のナノファイバーにおいて、前記スルホン酸基を有する構成単位は、一般式
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、単結合又は炭素数が1以上500以下のオキシアルキレン基である。)
で表されることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のナノファイバーにおいて、一般式
(式中、Arは、炭素数が6以上30以下の置換又は無置換のアリーレン基である。)
で表される構成単位をさらに有することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のナノファイバーにおいて、前記ポリイミドは、一般式
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、単結合又は炭素数が1以上500以下のオキシアルキレン基であり、Arは、炭素数が6以上30以下の置換又は無置換のアリーレン基であり、n/mは、20/80以上95/5以下である。)
で表される化合物であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のナノファイバーにおいて、前記ポリイミドは、ランダム共重合体であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のナノファイバーにおいて、エレクトロスピニング法を用いて製造されていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、電解質膜において、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のナノファイバーを含むことを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、前記ナノファイバーが、配向した形態を持つことを特徴とする、請求項7に記載の電解質膜である。
請求項9に記載の発明は、前記ナノファイバーが、不織布の形態を持つことを特徴とする、請求項7に記載の電解質膜である。
請求項10に記載の発明は、前記ナノファイバーを媒体中に含むことを特徴とする請求項7乃至9のいずれか一項に記載の電解質膜である。
請求項11に記載の発明は、前記媒体が、高分子電解質であることを特徴とする請求項10に記載の電解質膜である。
請求項12に記載の発明は、請求項7乃至11のいずれか一項に記載の電解質膜に電極が接合されていることを特徴とする膜電極接合体である。
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の膜電極接合体を有することを特徴とする燃料電池である。
本発明によれば、優れたプロトン伝導性と高温での安定性を両立することのできるナノファイバー、該ナノファイバーを含む電解質膜、該電解質膜を有する膜電極接合体及び該膜電極接合体を有する燃料電池を提供することができる。
スルホン化ランダムコポリイミドの1H NMRスペクトルを示す図である。 スルホン化ランダムコポリイミド塩の濃度に対するナノファイバーのファイバー径の関係を示す図である。 実施例1のナノファイバー(放出時間60秒)のSEM像を示す図である。 浸漬時間に対するスルホン酸基の溶出量を示す図である。 浸漬時間に対する単位表面積当たりのスルホン酸基の溶出量を示す図である。
次に、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に説明する。
本発明のナノファイバーは、ポリイミドを含み、ポリイミドは、スルホン酸基を有する構成単位を有する。このようなポリイミドは、プロトン伝導性ポリマーとして知られているが、ナノファイバーとすることにより、高分子鎖が配向するため、優れたプロトン伝導性と高温での安定性を両立することができる。
本発明において、スルホン酸基を有する構成単位としては、特に限定されないが、一般式
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、単結合又は炭素数が1〜500のオキシアルキレン基である。)
で表されることが好ましい。これにより、プロトン伝導性をさらに向上させることができる。なお、ポリイミドは、スルホン酸基を有する構成単位を二種以上有していてもよい。
本発明において、ポリイミドは、スルホン酸基を有さない構成単位をさらに有することが好ましい。スルホン酸基を有さない構成単位としては、特に限定されないが、一般式
(式中、Arは、炭素数が6〜30の置換又は無置換のアリーレン基である。)
で表されることが好ましい。これにより、高温での安定性をさらに向上させることができる。なお、ポリイミドは、スルホン酸基を有さない構成単位を二種以上有していてもよい。
本発明において、ポリイミドは、一般式
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、単結合又は炭素数が1〜500のオキシアルキレン基であり、Arは、炭素数が6〜30の置換又は無置換のアリーレン基であり、n/mは、20/80〜95/5である。)
で表される化合物が好ましい。これにより、プロトン伝導性及び高温での安定性をさらに向上させることができる。このとき、また、n/mが20/80未満であると、プロトン伝導性が低下することがあり、95/5を超えると、高温での安定性が低下することがある。
本発明において、ポリイミドは、重量平均分子量Mwが5.0×104〜1.0×106であることが好ましく、数平均分子量Mnに対する重量平均分子量Mwの比Mw/Mnが1〜5であることが好ましい。Mwが5.0×104未満であると、ポリイミド溶液の粘度が低下してナノファイバーの製造が困難になることがあり、1.0×106を超えると、ポリマー溶液の粘度が増加してファイバー径の小さいナノファイバーを製造することが困難になることがある。また、Mw/Mnが5を超えると、ナノファイバーの強度が低下することがある。
このようなポリイミドとしては、特に限定されないが、以下の例示化合物(1)〜(8)が挙げられる。
このようなポリイミドは、公知の方法を用いて製造することができる(例えば、特開2005−272666号公報参照)。
なお、ポリイミドとしては、特に限定されないが、ブロック共重合体、ランダム共重合体等を用いることができる。
本発明のナノファイバーは、平均ファイバー径が30〜1000nmであることが好ましく、300nm以下が特に好ましい。平均ファイバー径が30nm未満であると、製造が困難になることがあり、1000nmを超えると、プロトン伝導性及び高温での安定性を向上させる効果が小さくなることがある。
本発明のナノファイバーを製造する方法としては、特に限定されないが、ファイバー径の制御を考慮すると、エレクトロスピニング法が好ましい。
本発明の電解質膜は、本発明のナノファイバーを含むが、二種以上のナノファイバーを含んでもよい。これにより、プロトン伝導性及び高温での安定性に優れる電解質膜が得られる。なお、本発明の電解質膜は、ナノファイバーからなる構成であってもよいし、媒体中にナノファイバーを含む構成であってもよい。
ナノファイバーからなる構成としては、特に限定されないが、ナノファイバーからなる不織布、ナノファイバーを1軸又は2軸以上の多軸に配向したナノファイバー集積体等が挙げられる。ナノファイバーからなる構成としては、膜としての性能を向上させるために様々な形態が挙げられる。例えば、その優れた伝導度を利用するためには膜厚方向に配向させたり、不織布の形態が、ナノファイバーのプロトン伝導性の高い方向が膜厚方向に配向することから効果的であるし、膜の面方向の機械強度を向上させるためには膜面方向に配向させるのが効果的である。他にも公知の技術を用いた様々な構成を用いることができる。なお、ナノファイバー集積体の作製方法は、例えば、第56回高分子学会討論会予稿集,3Q12,2007に開示されている。
また、媒体中にナノファイバーを含む構成における媒体としては、特に限定されないが、例示化合物(1)〜(8)等のポリイミド等の高分子電解質が挙げられ、二種以上併用してもよい。なお、媒体に含まれる材料と、ナノファイバーに含まれる材料は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。このように、本発明の電解質膜は、ナノファイバーと媒体とを複合化し、ナノファイバー複合膜を形成してもよい。
上記ナノファイバーからなる構成については、その他公知の技術を適応することも本発明の範疇である。例えば、ナノファイバー以外の無機、有機材料を併用すること、膜としての性能を向上するための表面処理、スルホン酸基の一部を多価金属にて置換する、電解質樹脂間に架橋処理を施す、などである。
本発明の膜電極接合体は、本発明の電解質膜が電極(アノード及びカソード)と接合されている。なお、電極は、通常、触媒、導電性材料、接着剤等を含む。アノード及びカソードの触媒としては、それぞれ燃料の酸化反応及び酸化剤の還元反応を促進することが可能であれば、特に限定されないが、白金、ルテニウム等の金属又はそれらの合金が挙げられる。また、導電性材料としては、特に限定されないが、炭素材料等の微粒子が挙げられる。さらに、接着剤としては、特に限定されないが、撥水性を有する含フッ素樹脂等が挙げられる。
本発明の燃料電池は、本発明の膜電極接合体を有するが、気体又は液体の燃料及び酸化剤を供給するための流路が形成されたセパレーターをさらに有することが好ましい。このような燃料電池は、例えば、一対のグラファイト製等のガスセパレーターの間に、膜電極接合体を挿入することにより製造することができる。また、上記セパレーターと上記膜電極接合体の間には、ガス拡散層と呼ばれる層を用いることが好ましい。ガス拡散電極は、一般にはカーボンペーパーやカーボンクロス、フェルトなどの多孔質導電性材料が用いられる。燃料としては、水素、メタノール等を用いることができ、酸化剤としては、酸素、空気等を用いることができる。
また、本発明の燃料電池は、複数積層して、スタックとして使用してもよく、これらを組み込んだ燃料電池システムとして使用してもよい。
(合成例1)
[スルホン化ランダムコポリイミド(例示化合物(3))のトリエチルアミン塩の合成]
窒素雰囲気下、重合溶媒としてm−クレゾールを用い、4,4’−[ヘキサフルオロイソプロピリデンビス(p−フェニレンオキシ)]ジアニリン(APPF)2.95777g(5.01065mmol)、2,2−ベンジジンジスルホン酸(BDSA)1.72538g(5.01025mmol)及びトリエチルアミンを、80℃で4時間攪拌し、NTDAの28倍当量のm−クレゾールに溶解させた。次に、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物(NTDA)2.68836g(10.0245mmol)を加えて、120℃で24時間攪拌し、ポリアミック酸のトリエチルアミン塩を合成した。さらに、NTDAの1.12倍当量の安息香酸及びトリエチルアミンを加えて、化学イミド化反応を24時間行い、スルホン化ランダムコポリイミドのトリエチルアミン塩(以下、スルホン化ランダムコポリイミド塩という)を合成した。なお、合成したスルホン化ランダムコポリイミド塩は、酢酸エチルを用いて再沈澱させた後、洗浄して回収した。さらに、回収したスルホン化ランダムコポリイミド塩は、24時間自然乾燥させた後、150℃で真空乾燥を行い、溶媒を完全に除去した。
次に、FT/NMR装置JNM−EX270(日本電子データム社製)を用いて、スルホン化ランダムコポリイミド塩の1H NMRスペクトルを測定した。1H NMRスペクトル(図1参照)の10.4〜10.5ppmにポリアミック酸由来のピークが存在しないことから、イミド化反応が進行したことがわかる。また、1ppm及び2.5ppmにピークが存在することから、トリエチルアミン塩が形成されていることがわかる。
次に、GPC(JASCO製HPLCポンプPU−2080PLUS)を用いて、スルホン化ランダムコポリイミド塩の分子量を測定した。なお、GPC溶媒としては、微量の臭化リチウム(10mM)を添加したDMF(ジメチルホルムアミド)を用い、GPC溶媒を用いて調製した1mg/mLのスルホン化ランダムコポリイミド塩溶液を注入して、ポリスチレン換算の分子量を測定した。その結果、Mwが2.8×105であり、Mw/Mnが1.8であった。
(合成例2)
[スルホン化ブロックコポリイミドのトリエチルアミン塩の合成]
窒素雰囲気下、重合溶媒としてm−クレゾールを用い、4,4’−[ヘキサフルオロイソプロピリデンビス(p−フェニレンオキシ)]ジアニリン(APPF)1.17051g(2.25771mmol)を80℃で4時間攪拌し、NTDAの28倍当量のm−クレゾールに溶解させた。次に、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物(NTDA)0.585021g(2.18144mmol)を加えて、120℃で24時間攪拌しオリゴマーを得た。これと同時に2,2−ベンジジンジスルホン酸(BDSA)1.81500g(5.27049mmol)及びトリエチルアミンを、80℃で4時間攪拌し、NTDAの28倍当量のm−クレゾールに溶解させた。次に、NTDA1.43228g(5.34074mmol)を加えて、120℃で24時間攪拌し、オリゴマーを得た。両オリゴマーを混合して120℃で24時間攪拌、ポリアミック酸を得た。NTDAの1.12倍当量の安息香酸及びトリエチルアミン(先に加えた量と合わせて2.4倍mol)を加えて、化学イミド化反応を24時間行い、目的とするスルホン化ブロックコポリイミドのトリエチルアミン塩(以下、スルホン化ランダムコポリイミド塩という)を合成した。なお、合成したスルホン化ブロックコポリイミド塩は、酢酸エチルを用いて再沈澱させた後、洗浄して回収した。さらに、回収したスルホン化ブロックコポリイミド塩は、24時間自然乾燥させた後、150℃で真空乾燥を行い、溶媒を完全に除去した。
尚、合成例1の場合と同様にして、スルホン化ブロックコポリイミド塩の1H NMRスペクトルを測定し、トリエチルアミン塩が形成されていることを確認した。
[実施例1〜5]
N,N−ジメチルホルムアミドに合成例1で得られたスルホン化ランダムコポリイミド塩を加えて、一晩攪拌し、14重量%(実施例1)、15重量%(実施例2)、17重量%(実施例3)、18重量%(実施例4)及び19重量%(実施例5)となるように溶解させ、スルホン化ランダムコポリイミド塩溶液を調製した。
次に、エレクトロスピニング装置7100−E0003(Fuence社製)に、実施例1〜5のスルホン化ランダムコポリイミド塩溶液が充填されたシリンジをセットして、スルホン化ランダムコポリイミド塩溶液の放出量を0.12mL/時として、エレクトロスピニングを行った。なお、コレクターは、両端にアルミニウム製の電極が設置されたガラス基板であり、コレクターの中央部にろ紙を設置した。また、シリンジと基板の距離を10cmとし、シリンジ及びコレクターの両端に設置された電極の一方にそれぞれ24kV及び1kVの電圧を印加した。これにより、1軸配向ナノファイバー集積体をろ紙上に作製した。
スルホン化ランダムコポリイミド塩溶液の放出時間がそれぞれ60秒及び120秒のときに、ろ紙を切り取り、80℃で10時間真空乾燥した後、金でコーティングし、SEMによるナノファイバー集積体の観察を行った(JEOL製JSM−6100で観察、撮影を行った)。観察したSEM像から各スルホン化ランダムコポリイミド塩溶液を用いて作製されたナノファイバーのファイバー径を算出した。その結果を図2に示す。また、図3に、実施例1のナノファイバー(放出時間60秒)のSEM像を示す。
次に、コレクターの中央部に、長方形(1cm×3cm)のテフロン(登録商標)シートを設置し、14重量%、18重量%及び19重量%のスルホン化ランダムコポリイミド塩溶液を用いた以外は、上記と同様に、エレクトロスピニングを行い、1軸配向ナノファイバー集積体をテフロン(登録商標)シート上に作製した。尚、以下特に記載のないものは、テフロン(登録商標)シート上にナノファイバー集積体を作製、使用したものとする。
さらに、ナノファイバー集積体を以下のように処理した。まず、ナノファイバー集積体をエタノールに2時間浸漬させて残留溶媒や不純物を除去した後、イオン交換水に2時間浸漬させ、エタノールを除去した。次に、ナノファイバー集積体を1N塩酸に2時間浸漬させて、スルホン化ランダムコポリイミド塩をスルホン化ランダムコポリイミドに変換した後、イオン交換水で洗浄して残留した塩酸を除去し、一晩自然乾燥させた。
次に、インピーダンスアナライザー3532−50(日置社製)を用いて、50kHz〜5MHzまでの周波数応答性を測定して、ナノファイバー集積体の抵抗(電極間距離1cm)を測定した。なお、抵抗測定時の温度及び湿度は、恒温恒湿器SH−221(ESPEC社製)を用いて、それぞれ80℃及び98%RHに保持した。その結果を表1に示す。
さらに、SEM画像からナノファイバー集積体の空隙率及び膜厚を求め、式
電極間距離[cm]/(膜厚[cm]×膜幅[cm]×(1−空隙率)×抵抗[Ω])
から、プロトン伝導度A[S/cm]を算出した。このとき、空隙率は、画像解析ソフトImage Jを用いて求めた平均値である。膜厚はSEM画像より見積もった値である。また、ナノファイバー集積体において、膜厚方向にプロトンが伝導しないと仮定した場合、即ち、ナノファイバー集積体がナノファイバーの単層膜であると仮定した場合のプロトン伝導度Bを算出した。これらの結果を表1に示す。
表1に示されるとおり、ファイバー径が大きくなると、抵抗が減少すること及びスルホン化ランダムコポリイミド塩溶液の放出時間が増加すると、抵抗が減少することがわかる。これは、ナノファイバー集積体の空隙率に起因していると考えられる。また、本願発明のファイバーがプロトン伝導性を有することが明らかである。
[比較例1]
ジメチルスルホキシド10mLに合成例1で得られたスルホン化ランダムコポリイミド塩0.4gを加えて、一晩攪拌し、溶解させ、スルホン化ランダムコポリイミド塩溶液を調製した。次に、スルホン化ランダムコポリイミド塩溶液をガラスシャーレ上にキャストし、110℃、減圧下で溶媒を蒸発させ、キャスト膜を作製した。
さらに、キャスト膜を以下のように処理した。まず、キャスト膜をエタノールに4時間浸漬させて残留溶媒や不純物を除去した後、イオン交換に4時間浸漬させ、エタノールを除去した。次に、キャスト膜を1N塩酸に4時間浸漬させて、スルホン化ランダムコポリイミド塩をスルホン化ランダムコポリイミドに変換した後、イオン交換水で洗浄して残留した塩酸を除去し、一晩自然乾燥させた。このようにして処理されたキャスト膜は、緻密で均一な構造を形成しており、膜厚が50μmであった。
次に、乾燥直後の重量を測定した処理後のキャスト膜に1N水酸化ナトリウム水溶液を加え、二晩攪拌した後、1N塩酸で滴定し、滴定曲線からイオン交換容量を算出したところ、1.4meq/g(理論値1.5meq/g)であった。なお、Nafion(登録商標)117(デュポン社製)のイオン交換容量は、0.89meq/gである。
また、インピーダンスアナライザー3532−50(日置社製)を用いて、50kHz〜5MHzまでの周波数応答性を測定して、処理後のキャスト膜の抵抗からプロトン伝導度を算出したところ、2.8×10-2S/cmであった。なお、抵抗測定時の温度及び湿度は、恒温恒湿器SH−221(ESPEC社製)を用いて、それぞれ80℃及び98%RHに保持した。
[化学的安定性試験]
2ppmのFeSO4及び3重量%のH22を含むFenton試薬を調製した。実施例1のナノファイバー集積体1.8mg及び比較例1のキャスト膜1.8mgを、それぞれ80℃のFenton試薬100mLに浸漬させ、302nmに吸収ピークを有するスルホン酸基の溶出量を紫外可視分光光度計V−660(日本分光社製)を用いて測定した。その結果を図4に示す。図4より、ナノファイバー集積体は、キャスト膜よりも化学的安定性が高いことがわかる。これは、ナノファイバー中の高分子鎖間の相互作用が増大しているためであると考えられる。
また、縦軸を単位表面積当たりのスルホン酸基の溶出量に変換したものを図5に示す。図5からも、ナノファイバー集積体が、キャスト膜よりも化学的安定性が高いことがわかる。このように、本発明のナノファイバーは、優れた化学的安定性を持ち、従って優れた耐久性をも持つものであり、燃料電池用の部材として好適である。
さらに、ナノファイバーを媒体中に含む電解質膜として、ナノファイバー複合膜を作製し、本願発明のナノファイバーの評価を行った。
[実施例6]
合成例1で得られたスルホン化ランダムコポリイミド塩を用い、エレクトロスピニング装置のコレクターの中央部にシャーレを設置した以外は、実施例1と同様にしてエレクトロスピニングを行った。これにより、1軸配向ナノファイバー集積体1.0mgをシャーレ上に作製した。
得られたナノファイバー集積体を以下のように処理した。まず、ナノファイバー集積体をエタノールに2時間浸漬させて残留溶媒や不純物を除去した後、イオン交換水に2時間浸漬させ、エタノールを除去した。次に、ナノファイバー集積体を1N塩酸に2時間浸漬させて、スルホン化ランダムコポリイミド塩をスルホン化ランダムコポリイミドに変換した後、イオン交換水で洗浄して残留した塩酸を除去し、一晩自然乾燥させた。
一方、ジメチルスルホキシド5mLにスルホン化ランダムコポリイミド塩0.2gを加えて、一晩攪拌し、完全に溶解させ、スルホン化ランダムコポリイミド塩溶液を調製した。
得られたスルホン化ランダムコポリイミド塩溶液をシャーレに流し込み、110℃、減圧下で溶媒を蒸発させ、1軸配向ナノファイバーを用いたナノファイバー複合膜を作製した。この時、膜と配列ナノファイバーの重量比は99:1であった。
さらに、ナノファイバー複合膜を以下のように処理した。まず、ナノファイバー複合膜をエタノールに4時間浸漬させて残留溶媒や不純物を除去した後、イオン交換水に4時間浸漬させ、エタノールを除去した。次に、ナノファイバー複合膜を1N塩酸に4時間浸漬させて、スルホン化ランダムコポリイミド塩をスルホン化ランダムコポリイミドに変換した後、イオン交換水で洗浄して残留した塩酸を除去し、一晩自然乾燥させた。
次に、インピーダンスアナライザー3532−50(日置社製)を用いて、50kHz〜5MHzまでの周波数応答性を測定して、処理後のナノファイバー複合膜の抵抗からプロトン伝導度を算出したところ、5.5×10-2S/cmであった。このことから、ナノファイバーは、プロトン伝導性を向上させることが可能であることがわかる。なお、抵抗測定時の温度及び湿度は、恒温恒湿器SH−221(ESPEC社製)を用いて、それぞれ80℃及び98%RHに保持した。
[実施例7]
ジメチルスルホキシドに合成例1で得られたスルホン化ランダムコポリイミド塩を加えて、一晩攪拌し、11重量%となるように溶解させ、スルホン化ランダムコポリイミド塩溶液を調製した。エレクトロスピニング装置のコレクター部位にガラス板を設置し、これに実施例1と同様な条件でエレクトロスピニングを行い、ガラス板上に配向したナノファイバーを作製した。得られたナノファイバーは21.9mgであった。
次に、得られたナノファイバーを以下のように処理した。まず、配向したナノファイバーが積層したガラス板上に、厚さが2mm程度のガラス製のリングを設置し、配向が乱れないように固定した。その後80℃で一晩減圧乾燥を行いファイバー中に残存する溶媒を除去した。次に、ナノファイバーを0.1N塩酸に24時間浸漬させてスルホン化ランダムコポリイミド塩からスルホン化ランダムコポリイミドに変換した後、イオン交換水に4時間浸漬させ、残留する塩酸を除去し、80℃で一晩乾燥した。
次に、合成例2で得られたスルホン化ブロックコポリイミド0.4gに10mLのジメチルスルホキシドを加えて、一晩攪拌し、完全に溶解させ、媒体として用いる溶液を調製した。これを得られたナノファイバーが固定されているガラスリング内に流し込み、110℃、減圧下で溶媒を蒸発させ、配向ナノファイバー複合膜を作製した。この時、膜と配列ナノファイバーの重量比は95:5であった。
膜の処理方法は比較例1と同様に行い、それぞれ4時間ずつ処理を行った後、一晩自然乾燥した。また処理後の複合膜の抵抗からプロトン伝導度を算出したところ、80℃、98%RHにおいて、2.2×10-1S/cmであった。
[実施例8]
ジメチルスルホキシドに合成例1で得られたスルホン化ランダムコポリイミド塩を加えて、一晩攪拌し、10重量%となるように溶解させ、スルホン化ランダムコポリイミド塩溶液を調製した。エレクトロスピニング装置のコレクター部位にシャーレを設置し、これに他の実施例と同様な条件でエレクトロスピニングを行い、シャーレ上に配向していない不織布のナノファイバーを作製した。得られたナノファイバーは10mgであった。
次に、得られたナノファイバーは以下のように処理した。まず、80℃で一晩減圧乾燥を行いファイバー中に残存する溶媒を除去した。次に、ナノファイバーを0.1N塩酸に24時間浸漬させてスルホン化ランダムコポリイミド塩からスルホン化ランダムコポリイミドに変換した後、イオン交換水に4時間浸漬させ、残留する塩酸を除去し、80℃で一晩乾燥した。
次に、スルホン化ランダムコポリイミド0.2gに5mLのジメチルスルホキシドを加えて、一晩攪拌し、完全に溶解させ、媒体として用いる溶液を調製した。これを得られたナノファイバーが入っているシャーレに流し込み、110℃、減圧下で溶媒を蒸発させ、不織布ナノファイバー複合膜を作製した。この時、膜と不織布ナノファイバーの重量比は95:5であった。
膜の処理方法は比較例1と同様に行い、それぞれ4時間ずつ処理を行った後、一晩自然乾燥した。また処理後の複合膜の抵抗からプロトン伝導度を算出したところ、80℃、98%RHにおいて6.7×10-2S/cmであった。
[実施例9]
ジメチルスルホキシドに合成例1で得られたスルホン化ランダムコポリイミド塩を加えて、一晩攪拌し、9重量%となるように溶解させ、スルホン化ランダムコポリイミド塩溶液を調製し、エレクトロスピニング装置のコレクター部位にガラス板を設置し、これに実施例1と同様な条件でエレクトロスピニングを行い、ガラス板上に配列したナノファイバーを作製した。得られたナノファイバーは22mgであった。
次に、得られたナノファイバーは以下のように処理した。まず、配列したナノファイバーが積層したガラス板上に、厚さが2mm程度のガラス製のリングを設置し、配列が乱れないように固定した。その後80℃で一晩減圧乾燥を行いファイバー中に残存する溶媒を除去した。次に、ナノファイバーを0.1N塩酸に24時間浸漬させてスルホン化ランダムコポリイミド塩からスルホン化ランダムコポリイミドに変換した後、イオン交換水に4時間浸漬させ、残留する塩酸を除去し、80℃で一晩乾燥した。
次に、ナノファイバーで使用したものと同様のスルホン化ランダムコポリイミド0.18gに5mLのジメチルスルホキシドを加えて、一晩攪拌し、完全に溶解させ、媒体として用いる溶液を調製した。これを得られたナノファイバーが固定されているガラスリング内に流し込み、110℃、減圧下で溶媒を蒸発させ、配列ナノファイバー複合膜を作製した。この時、膜とナノファイバーの重量比は90:10であった。
膜の処理方法は比較例1と同様に行い、それぞれ4時間ずつ処理を行った後、一晩自然乾燥した。また処理後の複合膜の抵抗からプロトン伝導度を算出したところ、80℃、98%RHにおいて1.2×10-1S/cmであった。
[実施例10]
<側鎖型スルホン化ランダムポリイミドナノファイバーの作製>
[スルホン化ランダムコポリイミド(例示化合物(1))のトリエチルアミン塩の合成]
窒素雰囲気下、重合溶媒としてm−クレゾールを用い、4,4’−[ヘキサフルオロイソプロピリデンビス(p−フェニレンオキシ)]ジアニリン(APPF)1.04224g(2.010mmol)、3,3’−(4,4’−ジアミノ−3,3’−ビフェニリレンジオキシ)ジプロパンスルホン酸(BSPB)2.1602g(4.691mmol)及びトリエチルアミンを、80℃で4時間攪拌し、NTDAの28倍当量のm−クレゾールに溶解させた。次に、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物(NTDA)1.7973g(6.702mmol)を加えて、120℃で24時間攪拌し、ポリアミック酸のトリエチルアミン塩を合成した。さらに、NTDAの1.12倍当量の安息香酸及びトリエチルアミンを加えて、化学イミド化反応を24時間行い、スルホン化ランダムコポリイミドのトリエチルアミン塩(以下、スルホン化ランダムコポリイミド塩という)を合成した。なお、合成したスルホン化ランダムコポリイミド塩は、酢酸エチルを用いて再沈澱させた後、洗浄して回収した。さらに、回収したスルホン化ランダムコポリイミド塩は、24時間自然乾燥させた後、150℃で真空乾燥を行い、溶媒を完全に除去した。
[側鎖型スルホン化ポリイミドナノファイバーの作製]
ジメチルスルホキシドにスルホン化ランダムコポリイミド塩を加えて、一晩攪拌し、10重量%となるように溶解させ、スルホン化ランダムコポリイミド塩溶液を調製した。エレクトロスピニング装置のコレクター部位にシャーレを設置し、これに他の実施例と同様な条件でエレクトロスピニングを行い、シャーレ上に配向していない不織布のナノファイバーを作製した。得られたナノファイバーは2mgであった。
次に、得られたナノファイバーは以下のように処理した。まず、80℃で一晩減圧乾燥を行いファイバー中に残存する溶媒を除去した。次に、ナノファイバーを0.1N塩酸に24時間浸漬させてスルホン化ランダムコポリイミド塩からスルホン化ランダムコポリイミドに変換した後、イオン交換水に4時間浸漬させ、残留する塩酸を除去し、80℃で一晩乾燥した。
次に、合成例1で得られたスルホン化ランダムコポリイミド0.3gに10mLのジメチルスルホキシドを加えて、一晩攪拌し、完全に溶解させ、媒体として用いる溶液を調製した。これを得られたナノファイバーが入っているシャーレに流し込み、110℃、減圧下で溶媒を蒸発させ、不織布ナノファイバー複合膜を作製した。この時、膜と不織布ナノファイバーの重量比は99.5:0.5であった。
膜の処理方法は比較例1と同様に行い、それぞれ4時間ずつ処理を行った後、一晩自然乾燥した。また処理後の複合膜の抵抗からプロトン伝導度を算出したところ、80℃、98%RHにおいて0.14S/cmであった。
[実施例11]
ジメチルスルホキシドに合成例1で得られたスルホン化ランダムコポリイミド塩を加えて、一晩攪拌し、9重量%となるように溶解させ、スルホン化ランダムコポリイミド塩溶液を調製した。エレクトロスピニング装置のコレクター部位にガラス板を設置し、これに他の実施例と同様な条件でエレクトロスピニングを行い、ガラス板上に配列したナノファイバーを作製した。さらにガラス板を90度回転させ、再度エレクトロスピニングを行った。この操作を3分ごとに交互に行い2軸方向に配列したナノファイバーを得た。この時、得られたナノファイバーは12mgであった。
次に、得られたナノファイバーは以下のように処理した。まず、二軸に配列したナノファイバーが積層したガラス板上に、厚さが2mm程度のガラス製のリングを設置し、配列が乱れないように固定した。その後80℃で一晩減圧乾燥を行いファイバー中に残存する溶媒を除去した。次に、ナノファイバーを0.1N塩酸に24時間浸漬させてスルホン化ランダムコポリイミド塩からスルホン化ランダムコポリイミドに変換した後、イオン交換水に4時間浸漬させ、残留する塩酸を除去し、80℃で一晩乾燥した。
次に、合成例1で得られたスルホン化ランダムコポリイミド0.2gに5mLのジメチルスルホキシドを加えて、一晩攪拌し、完全に溶解させ、媒体として用いる溶液を調製した。これを得られたナノファイバーが固定されているガラスリング内に流し込み、110℃、減圧下で溶媒を蒸発させ、配列ナノファイバー複合膜を作製した。この時、膜とナノファイバーの重量比は95:5であった。
膜の処理方法は比較例1と同様に行い、それぞれ4時間ずつ処理を行った後、一晩自然乾燥した。また処理後の複合膜の抵抗からプロトン伝導度を算出したところ、80℃、98%RHにおいて6.5×10-2S/cmであった。
実施例6から9、11のナノファイバー複合膜、および比較例1のキャスト膜のプロトン伝導度を表2に示す。
表2に示される通り、本発明のナノファイバーを媒体である高分子電解質に含むようにして複合化した電解質膜は、ナノファイバーを複合化していない比較例1の場合より、高いプロトン伝導度を示していることがわかる。このことから、電解質膜中に本発明のナノファイバーを含むことにより、そのプロトン伝導性が優れること、すなわち、本発明のナノファイバーが優れたプロトン伝導性を有することが分かる。また、本発明のナノファイバー複合膜は優れたプロトン導電性を持つことから、燃料電池用電解質として優れることが分かる。さらに、本発明のナノファイバーおよび所定の媒体は、ポリイミドを主鎖骨格として持つことから、高温での安定性が優れることは明らかである。このように、本発明により優れたプロトン伝導性と高温での安定性を両立することが可能である。

Claims (13)

  1. ポリイミドを含むナノファイバーであって、
    該ポリイミドは、スルホン酸基を有する構成単位を有することを特徴とするナノファイバー。
  2. 前記スルホン酸基を有する構成単位は、一般式
    (式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、単結合又は炭素数が1以上500以下のオキシアルキレン基である。)
    で表されることを特徴とする請求項1に記載のナノファイバー。
  3. 一般式
    (式中、Arは、炭素数が6以上30以下の置換又は無置換のアリーレン基である。)
    で表される構成単位をさらに有することを特徴とする請求項1又は2に記載のナノファイバー。
  4. 前記ポリイミドは、一般式
    (式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、単結合又は炭素数が1以上500以下のオキシアルキレン基であり、Arは、炭素数が6以上30以下の置換又は無置換のアリーレン基であり、n/mは、20/80以上95/5以下である。)
    で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載のナノファイバー。
  5. 前記ポリイミドは、ランダム共重合体であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のナノファイバー。
  6. エレクトロスピニング法を用いて製造されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のナノファイバー。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載のナノファイバーを含むことを特徴とする電解質膜。
  8. 前記ナノファイバーが、配向した形態を持つことを特徴とする、請求項7に記載の電解質膜。
  9. 前記ナノファイバーが、不織布の形態を持つことを特徴とする、請求項7に記載の電解質膜。
  10. 前記ナノファイバーを媒体中に含むことを特徴とする請求項7乃至9のいずれか一項に記載の電解質膜。
  11. 前記媒体は、高分子電解質であることを特徴とする請求項10に記載の電解質膜。
  12. 請求項7乃至11のいずれか一項に記載の電解質膜が電極と接合されていることを特徴とする膜電極接合体。
  13. 請求項12に記載の膜電極接合体を有することを特徴とする燃料電池。

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