JP2004185973A - 電解質膜 - Google Patents
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Abstract
【課題】機械的強度、耐酸化性及び熱寸法安定性に優れた細孔フィリング電解質膜を提供する
【解決手段】下記式(1)に示すような化学構造を繰り返し単位として有する熱可塑性ポリイミドからなる結晶性ポリイミド繊維を主成分とするポリイミド不織布を基材とし、基材の細孔中にプロトン伝導性樹脂が充填されていることを特徴とする電解質膜。
【化1】
式中、Rは単環式芳香族、縮合多環式芳香族、芳香環が直接もしくは架橋員により結合された非縮合多環式芳香族から選ばれる4価の芳香族残基を表わす。また、Xは直接結合、炭化水素基、カルボニル基、エーテル基、チオ基もしくはスルホニル基から選ばれる2価の残基を表わし、Y1〜Y4は水素、アルキル基、アルコキシル基もしくはハロゲン基から選ばれる1価の残基を表わす。
【選択図】 なし
【解決手段】下記式(1)に示すような化学構造を繰り返し単位として有する熱可塑性ポリイミドからなる結晶性ポリイミド繊維を主成分とするポリイミド不織布を基材とし、基材の細孔中にプロトン伝導性樹脂が充填されていることを特徴とする電解質膜。
【化1】
式中、Rは単環式芳香族、縮合多環式芳香族、芳香環が直接もしくは架橋員により結合された非縮合多環式芳香族から選ばれる4価の芳香族残基を表わす。また、Xは直接結合、炭化水素基、カルボニル基、エーテル基、チオ基もしくはスルホニル基から選ばれる2価の残基を表わし、Y1〜Y4は水素、アルキル基、アルコキシル基もしくはハロゲン基から選ばれる1価の残基を表わす。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体高分子型燃料電池等の用途に有用な、特に高温下での寸法安定性に優れた高分子電解質膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、エネルギー問題や地球環境問題が顕在化してきたことから、高効率であり環境負荷の少ないエネルギー発生源として、燃料電池が注目されている。これまで種々方式の燃料電池が開発されてきたが、比較的低温での作動が可能であり、小型軽量化し易いことから、固体高分子電解質燃料電池の開発が特にさかんに行われている。
【0003】
固体高分子電解質燃料電池における電解質膜としては、パーフルオロカーボンスルホン酸からなる膜などが知られており、具体的な製品としては、Nafion(商品名;Dupont社)やFlemion(商品名;旭硝子社)等が上市されている(例えば、非特許文献1参照。)。しかしながら、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂自体は、プロトン伝導性や耐酸化性に優れているものの、ガラス転移温度が130℃程度と耐熱に乏しい点が指摘されている。また、それ自体の機械的強度が十分とは言えず、さらには、吸水/乾燥の状態変化において寸法が大きく変化するといった問題点も有している。
このような状況等から、パーフルオロカーボンスルホン酸膜を燃料電池の電解質膜として使用するには、耐熱性や長期信頼性といった面で解決すべき課題があり、特に、発電効率を高める為の薄膜化や、比較的高温で作動させるためにかなりの耐熱性が要求される直接メタノール燃料電池への適用は困難であると認識されている。
【0004】
上記の問題を解決すべく、耐熱性を有する補強基材の細孔中に電解質ポリマーを充填した細孔フィリング電解質膜が提案され、ポリテトラフルオロエチレンやポリイミドからなる多孔性膜を使用した例が報告されており(例えば、非特許文献1参照)、補強基材としてアラミド樹脂の不織布も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、フッ素系樹脂からなる繊維を電解質膜中に配置させることにより補強効果を得る方法も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−113141号公報(第1頁)
【特許文献2】
特開2001−345111号公報(第1頁)
【非特許文献1】
膜(MEMBRANE),vol.27 No.3(2002)124−130
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記したような補強基材を用いた従来技術の例においては、以下の問題が懸念される。
ポリテトラフルオロエチレンやポリイミドからなる多孔性膜を使用した場合には、多孔性膜自体の充填効率が悪いという問題点があり、充填効率を改善するために気孔率を上げようとすると、機械強度が著しく低下して補強基材としての効果が得られなくなるおそれがある。
アラミド樹脂の不織布を使用した場合には、アラミド繊維は熱寸法安定性に優れるものの、耐酸化性に劣ることから、アラミド繊維表面にフッ素系樹脂をコーティングして用いているため、コスト高となり、コーティングの信頼性の問題も懸念される。
また、フッ素系樹脂からなる繊維を電解質膜中に配置させるという技術においては、フッ素系樹脂は化学的に安定で耐酸化にも優れているものの、機械強度や熱寸法安定性に劣る点が懸念される。
【0007】
そこで、本発明の課題は、機械的強度、耐酸化性及び熱寸法安定性に優れた細孔フィリング電解質膜を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、結晶性ポリイミド繊維から主としてなるポリイミド不織布を補強基材として使用することにより、上記の課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ポリイミド不織布を基材とし、基材の細孔中にプロトン伝導性樹脂が充填されていることを特徴とする電解質膜を要旨とするものであり、ポリイミド不織布を構成するポリイミド繊維が熱可塑性ポリイミドからなる結晶性ポリイミド繊維である好ましい態様、さらに熱可塑性ポリイミドが下記一般式(1)で示される化学構造を繰り返し単位として有するものである好ましい態様、及び、ポリイミド不織布を構成するポリイミド繊維がフィブリル構造を有することを特徴とする好ましい態様、さらにポリイミド繊維が単糸繊度0.9〜1.7dTexの短繊維を叩解することにより得られるものである好ましい態様、並びに電解質膜の200℃以下での平均線膨張係数が−20〜20μm/m・℃である好ましい態様を含むものである。また、上記の電解質膜が燃料電池用であることを要旨とするものである。
【0009】
【化2】
式中、Rは単環式芳香族、縮合多環式芳香族、芳香環が直接もしくは架橋員により結合された非縮合多環式芳香族から選ばれる4価の芳香族残基を表わす。また、Xは直接結合、炭化水素基、カルボニル基、エーテル基、チオ基もしくはスルホニル基から選ばれる2価の残基を表わし、Y1〜Y4は水素、アルキル基、アルコキシル基もしくはハロゲン基から選ばれる1価の残基を表わす。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の電解質膜は、ポリイミド不織布を基材とし、この基材の細孔中にプロトン伝導性樹脂が充填されたものである。
本発明におけるポリイミド不織布としては、ポリイミド繊維を主な構成成分とする不織布をいい、不織布としては、短繊維不織布でも長繊維不織布でもよいが、薄いものとした際の均質性や均一な厚みを確保する観点から短繊維不織布であることが好ましい。
【0011】
ポリイミド不織布を構成するポリイミド繊維としては、熱可塑性ポリイミドから成形されたポリイミド繊維が好ましい。熱可塑性ポリイミドであれば、溶融紡糸による繊維の成形や延伸等の熱加工が容易であり、細い繊維が比較的容易に得られる点でも有利である。
なお、結晶性ポリイミドの融点としては、400℃以下が好ましい。融点が400℃を超えると、溶融紡糸に困難を伴うので好ましくない。また、熱可塑性ポリイミドのガラス転移点としては、230℃以上であることが好ましく、かつ400℃未満さらには350℃以下であることが好ましい。ガラス転移点が230℃未満であると耐熱性に乏しいので好ましくなく、一方、400℃以上であると熱加工が困難となるので好ましくない。
【0012】
さらに、ポリイミド繊維としては、結晶性ポリイミド繊維が好ましい。結晶性ポリイミド繊維は、非晶性のポリイミド繊維に比べて、加熱、冷却時の寸法変化が小さいので不織布にした場合の熱寸法安定性に優れ、耐酸化性にも優れている傾向にあるので好ましい。
本発明における結晶性ポリイミド繊維の結晶性としては、X線回折法により測定した結晶化度が15%以上である繊維が好ましく、20%以上がより好ましく、25%以上が特に好ましい。結晶化度が15%未満では、熱寸法安定性、吸水性、耐酸化性等が低下する傾向にあるので好ましくない。
本発明における結晶性ポリイミド繊維は、例えば熱可塑性ポリイミドから溶融紡糸した原糸を極限近くまで延伸して、結晶化を促進させると共に、高度に分子鎖を配向させることにより得ることができる。
【0013】
ポリイミドは、その原料となるテトラカルボン酸成分とジアミン成分の化学構造を適宜選択することにより、種々特性を有するポリイミドとなり得ることが一般に知られている。そこで、本発明におけるポリイミド繊維を形成するポリイミドとしては、特にその化学構造が限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる特性を有するポリイミドであればいかなるポリイミドをも用いることができる。
本発明におけるポリイミド繊維を形成するポリイミドとして好ましいものとしては、下記一般式(1)で示される化学構造を繰り返し単位として有するポリイミドが挙げられる。そのようなポリイミドは、熱可塑性であり、結晶性を発現することができ、耐熱性にも優れるからである。
なお、種々特性を改善する目的で、他の構造を有するポリイミドを共重合もしくはブレンドしたものを用いてもよい。
【0014】
【化3】
式中、Rは単環式芳香族、縮合多環式芳香族、芳香環が直接もしくは架橋員により結合された非縮合多環式芳香族から選ばれる4価の芳香族残基を表わす。また、Xは直接結合、炭化水素基、カルボニル基、エーテル基、チオ基もしくはスルホニル基から選ばれる2価の残基を表わし、Y1〜Y4は水素、アルキル基、アルコキシル基もしくはハロゲン基から選ばれる1価の残基を表わす。
【0015】
上記一般式(1)の化学構造を有するポリイミドは、ポリイミドの原料のテトラカルボン酸成分とジアミン成分とを、ポリイミドが所望の化学構造となるよう選択して用い、当業者に公知の方法により合成して得ることができるが、市販品の入手も可能である。入手容易なものとしては、三井化学株式会社製の「オーラム(商標名)」を挙げることができ、このものは下記式(2)で示される化学構造を繰り返し単位として有するポリイミドである。
【0016】
【化4】
【0017】
ポリイミド不織布を構成するポリイミド繊維の形状としては、特に限定されるものではないが、短繊維不織布を採用する場合の繊維長としては、1〜15mmが好ましい。また、単糸繊度としては、0.9〜1.7dTexが好ましい。
ポリイミド繊維としては、不織布の均一性やプロトン伝導性樹脂の均一充填性の点から、使用可能な範囲で細い繊維が好ましいが、特に好ましい繊維形状としては、繊維が細く枝分かれしたフィブリル構造を有することである。フィブリル構造を有するポリイミド繊維を用いることにより、小さくかつ多数の細孔が均一に分布した本発明に好適な不織布を容易に得られる点で有利である。
そのようなフィブリル構造を有するポリイミド繊維としては、単糸繊度0.9〜1.7dTexの短繊維を叩解することにより得られるものが好ましい。このとき、単糸繊度が1.7dtexを超える繊維から得られるものでは、叩解して分枝させることにより得られる効果が低減する傾向にあるので好ましくない。一方、単糸繊度が0.9dtex未満の繊維は、紡糸工程上得るのが困難であり生産性に劣るため好ましくない。
なお、叩解としては、上記短繊維を水等の分散媒に分散したスラリーを、例えばリファイナーやビーター等の抄紙工程で使用される叩解装置を用いて処理することにより行なうことができる。
【0018】
ポリイミド繊維には、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリイミド以外にポリアリレート、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、フッ素樹脂などの他のポリマーが配合されていてもよく、また、酸化チタン、アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の無機系フィラーが配合されていてもよい。
【0019】
本発明におけるポリイミド不織布は細孔を有しているが、この細孔中にはプロトン伝導性樹脂が充填されることから、不織布の表面に通じた開放型の細孔であり、細孔の大きさとしては、1〜50μm程度が好ましい。細孔の大きさが1μm未満では、表面張力によりプロトン伝導性樹脂の均一な充填が困難になる傾向にあり、一方、50μmを超えると、使用に際してプロトン伝導性樹脂の状態変化に伴う膨張/収縮により、界面でのプロトン伝導性樹脂の剥離が起き、そうなると極端にプロトン伝導性能が低下する傾向にあるので好ましくない。また、不織布の単位体積あたりに占める細孔の体積で表わされる細孔率としては、30〜80%が好ましく、40〜70%がより好ましい。細孔率が30%未満では、プロトン伝導性樹脂の充填量が不足する傾向にあり、一方、80%を超えると、基材としての強度が不足する傾向にあるので好ましくない。
【0020】
本発明における不織布の厚さとしては、使用時の発電効率を考慮した場合、薄い方が好ましいが、実用上30〜100μm程度であることが好ましい。厚みが30μmより薄いものは、不織布の製造上困難で生産性に劣り、一方、100μmを超えると発電効率が低下するため、好ましくない。
【0021】
また、本発明におけるポリイミド不織布には、ポリイミド繊維同士を固着させるための種々バインダー成分が配合されていてもよい。このときのバインダー成分としては、耐熱性や耐酸化性などポリイミド繊維の特性を損なわないものが好ましく、この観点から、ポリイミドを主体とするバインダー成分が好ましい。また、必要に応じて、種々の繊維状、粒子状、液状の成分が本発明の目的を損なわない範囲で配合されていてもよい。
【0022】
本発明において、基材たるポリイミド不織布の細孔中に充填されるプロトン伝導性樹脂としては、特に限定されるものではなく、公知のプロトン伝導性樹脂を採用することができる。例示すれば、パーフルオロカーボン系スルホン酸樹脂、ポリスチレン系スルホン酸樹脂、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン樹脂、スルホン化ポリフェニレンスルフィド樹脂、スルホン酸基を有するポリイミド樹脂、リン酸をドープしたポリベンズイミダゾール樹脂等であり、使用目的に応じて適宜選択すればよい。中でも、パーフルオロカーボン系スルホン酸樹脂が、プロトン伝導性及び耐酸化性に優れているので好ましい。
【0023】
プロトン伝導性樹脂を基材への充填形態としては、特に限定されるものではないが、プロトン伝導性樹脂のドープを基材たるポリイミド不織布に含浸させ、溶剤を除去させることにより充填されたものが好ましい。この形態によれば、細孔に充填されたプロトン導電性樹脂は充填された各細孔間で連なったネットワーク状の構造を取ることが可能であり、容易に脱落することがない。
【0024】
基材たるポリイミド不織布の細孔中に充填されるプロトン伝導性樹脂の量としては、ポリイミド不織布の細孔率や、充填するときの条件、例えばドープの濃度等により増減させることが可能であるが、電解質膜全体の50〜80質量%が好ましい。充填量が50質量%より少ないと、膜面積当りの発電効率が低下するため好ましくなく、一方、80質量%を超えると、ポリイミド不織布を基材として使用する効果が低減し、熱寸法安定性等が低下する傾向にあるので好ましくない。
【0025】
本発明の電解質膜は、上記したように、ポリイミド不織布を基材としており、この基材が熱寸法安定性に優れていることから、電解質膜全体としても優れた熱寸法安定性を有している。本発明においては、電解質膜の熱寸法安定性を示す尺度として、200℃以下での平均線膨張係数を採用するが、この平均線膨張係数が−20〜20μm/m・℃の範囲内であることが好ましく、−10〜10μm/m・℃がより好ましい。平均線膨張係数が−20〜20μm/m・℃の範囲外では、使用時の寸法変化が大きく、実用上種々のトラブルが生じ易い傾向にあるので好ましくない。
なお、本発明における平均線膨張係数は、JIS−K7197に準じて測定して得られる値であり、平均線膨張係数が特定の数値範囲内にあるとは、たて方向及びよこ方向のいずれにおいても平均線膨張係数が特定の数値範囲内にあるという意味である。
【0026】
本発明において、平均線膨張係数の絶対値を小さくする手段としては、ポリイミド繊維におけるポリイミドの種類、ポリイミド繊維の結晶性、ポリイミド繊維の繊維長により調整することが挙げられる。例えば、上記したような特定の化学構造を有する耐熱性に優れたポリイミドを用いること、ポリイミド繊維の結晶性を高めること等は、それぞれ平均線膨張係数の絶対値を小さくするのに有効な手段である。
【0027】
本発明の電解質膜は、基材たるポリイミド不織布により補強されるため、引張り強度や引き裂き強度等の機械的強度に優れたものとなり、薄膜化しても十分な強さが確保される。本発明の電解質膜の引張り強さとしては、1〜5N/mmが好ましい。
さらに、基材たるポリイミド不織布は、耐酸化性に優れているので、例えば固体高分子型燃料電池の電極で副生成物として発生する過酸化水素等の酸化性物質に富む環境下に長期間曝されても劣化が少なく、安定した補強効果を維持することができる。
【0028】
また、本発明の電解質膜においては、プロトン伝導性樹脂の充填される細孔が複雑な形状からなり、相互に連通した開放型の細孔であるため、アンカー効果があり、プロトン伝導性樹脂が基材から脱落し難い構造となる。したがって、本発明の電解質膜は、燃料電池等に組み込まれての使用時において、乾燥−吸水、加熱−冷却といった状態変化が繰り返されても、安定したプロトン伝導性を維持することができる。
【0029】
次に、本発明の電解質膜を製造する好ましい方法について説明する。
まず、基材となるポリイミド不織布を製造するが、ポリイミド不織布の製造方法としては、所望のポリイミド繊維を用いて、従来公知の不織布製造方法により製造することができる。短繊維不織布を製造する場合には、所望の短繊維を用いての乾式もしくは湿式抄造法により製造することができる。特に湿式抄造法が、薄くかつ均一な厚みを有する地合いの良いポリイミド不織布を得るのに適しており、好ましく採用される。
なお、不織布の製造においては、いずれかの適当な工程において、ポリイミド繊維以外に必要に応じて配合される成分を加えることができる。
また、抄造後のポリイミド不織布を、ポリイミドのガラス転移以上、融点以下の温度に加熱し、好ましくは軽くプレスすることにより、ポリイミド不織布の強度を増すことができ、細孔率を調整することもできる。
【0030】
得られたポリイミド不織布には、通常、数ミクロン単位の大きさの細孔が、 好ましくは40〜70%程度の細孔率で存在する。この細孔の大きさや細孔率は、用いる繊維の太さ等の形状、あるいは不織布の目付けや厚さにより所望の値に調整することが可能である。
【0031】
次いで、上記の細孔にプロトン伝導性樹脂を充填するわけであるが、その充填方法としては、プロトン伝導性樹脂のドープをポリイミド不織布に含浸させ、溶剤を除去させる方法が簡便で好ましい。このときのドープの濃度としては、1〜20質量%程度が好ましく、ドープの溶剤としては、アルコール類やエーテル類等が好ましく用いられる。また、溶剤の除去方法としては、(減圧条件、温度条件等)溶剤の沸点を超え、プロトン伝導性樹脂の性質を損なわない程度の温度での熱風乾燥が好ましく採用される。
なお、ドープの濃度や含浸量を調節することにより、プロトン伝導性樹脂充填の充填量を増減させることができる。
以上のようにして、ポリイミド不織布を製造し、その細孔中にプロトン伝導性樹脂を充填することにより、本発明の電解質膜が得られる。
【0032】
【実施例】
以下に実施例を示して、本発明を具体的に説明する。
なお、実施例に記載の特性は、次に記載する方法により測定もしくは評価したものである。
1.不織布の厚さ
巾50cm×長さ40cmにカットした不織布を8等分(巾2等分、長さ4等分)し、その各中心部の厚さを接触式デジマティック厚さ計にて測定し、それら8つの測定値から求めた平均値を不織布の厚さとした。
2.不織布の細孔率
不織布の目付けと厚さとから見かけ密度d1を算出し、別途、不織布を構成する素材の各々の真密度と含有率とから不織布の真密度d0を算出したうえで、下記式によって気孔率Pを算出した。
P=(1−d1/d0)×100%
【0033】
3.電解質膜の平均線膨張係数
電解質膜を長さ13mm、巾4mmに裁断し、乾燥したものを試料として、JIS−K7197に準じて、TMA測定装置(TMA2940、TAインスツルメント製)を用い、試料に30mNの引張り荷重を付加した状態で、室温から200℃まで加温して、その変動量から算出した。このとき、試料は電解質膜のたて方向及びよこ方向から3点ずつ採取し、各方向での平均値を求めた。
なお、不織布を抄造するときの長手方向を電解質膜のたて方向とした。
【0034】
4.電解質膜の引張り強さ
電解質膜を長さ100mm、幅10mmに裁断したものを試料として、JIS−P8113に準じて、万能試験機(インテスコ社製)を用いて25℃にて測定した。なお、試料は、電解質膜のたて方向及びよこ方向から5点ずつ採取し、各方向での平均値を求めた。
【0035】
5.電解質膜の耐酸化性
電解質膜を長さ100mm巾10mmに裁断したものを試料とした。
30質量%の過酸化水素水に硫酸鉄(II)を20ppm溶解した酸化剤溶液を調製し、これに、上記試料を浸漬し、70℃に保温して所定時間放置した後に取り出し、水洗、乾燥後、上記4の方法にて引張り強さを測定した。
そして、酸化剤溶液に浸漬しない試料の引張り強さを100%とした場合の、酸化剤溶液に浸漬する処理を経た試料の引張り強さの相対値P%をもって、耐酸化性の指標とした。
【0036】
実施例
(ポリイミド繊維の製造)
ポリイミドとしては、結晶性熱可塑ポリイミド樹脂(三井化学製「オーラム(商標名)PL450」)を用いた。DSC測定によるこのポリイミドのガラス転移点は250℃であり、同じく融点は387℃であった。
上記のポリイミドを420℃に加熱して溶融させ、紡糸速度500m/minで溶融紡糸し、温度300℃、延伸倍率3.0倍で加熱延伸することにより、単糸繊度1.4dTexのポリイミド繊維を得た。このポリイミド繊維の結晶化度は30%、繊維軸方向への結晶配向度は90%であった(いずれも、X線回折法により測定)。このポリイミド繊維を、繊維長5mmにカットしてポリイミド短繊維を得た。
【0037】
さらに、水60リットル中に上記のポリイミド短繊維を600g、分散剤としてポリエステル系重合体エマルジョン(松本油脂製薬株式会社製EN−500、固形分濃度25%)を6g投入し、1分間攪拌することにより、枝分かれ構造を発現させるためのリファイナー処理用スラリーとした。
そして、このリファイナー処理用スラリーを、シングルディスク型リファイナー(熊谷理器製、型式2500−11)を使用して、スラリーを循環させつつリファイナー処理部を通過させるという叩解処理を20分間行なうことにより、ポリイミド短繊維にフィブリル構造を付与した。
【0038】
(ポリイミド不織布の製造)
上記のフィブリル構造を有するポリイミド短繊維を含むスラリーを用いて、短網傾斜式の抄紙機にて湿式抄造を行い、乾燥ウエッブを得た。このときの抄造工程中において、漉き上げた湿ったウエッブに、バインダー樹脂としてベンゾフェノンテトラカルボン酸ジメチルエステルとメタキシリレンジアミンとが物質量比1/1の割合で溶解されたポリイミド前駆体水溶液(濃度3質量%)を付与した後、160℃で熱風乾燥することによりバインダー樹脂を付与した。バインダー樹脂の付与量は、ポリイミド繊維100質量部に対して10質量部となるようにした。
得られた乾燥ウエッブを300℃に加熱下0.1MPaの圧力で5分間加圧プレスして、電解質膜の基材として使用するためのポリイミド不織布を得た。このポリイミド不織布の目付けは、54g/m2、厚さは60μm、細孔率は64%であった。
【0039】
(電解質膜の製造)
上記ポリイミド不織布を基材に用いて電解質膜を製造した。すなわち、パーフルオロカーボン系スルホン酸樹脂溶液(デュポン社製「Nafion(商標名)」溶液、5質量%濃度)をエバポレーターで約15質量%の濃度に濃縮し、これに上記ポリイミド不織布を浸漬させ、余剰のNafion溶液をバーで拭き取った後乾燥させることにより、パーフルオロカーボン系スルホン酸樹脂がポリイミド不織布の細孔中に充填された電解質膜を得た。
なお、乾燥は熱風炉中80℃で30分間という条件で行ない、パーフルオロカーボン系スルホン酸樹脂の充填量は、電解質膜全体の70質量%であった。
【0040】
以上のようにして得られた電解質膜の特性を調べた。
室温から200℃までの平均線膨張係数はたて方向が−5μm/m/℃、よこ方向が−3μm/m/℃であった。また、TMA測定において200℃まで加熱後1時間保持し、室温まで放冷した後の測定長の変動はたて方向、よこ方向共に−2μmであり、加熱冷却による寸法変動は、ごくわずかであることがわかった。
引張り強さは、たて方向が4.2N/mm、横方向が3.8N/mmであり、優れた機械強度を有していることがわかった。
耐酸化性の評価結果は、図1に示す通りであった。この結果から明らかなように、長期に渡り耐酸化性を維持することがわかった。
【0041】
次に、上記で得られた電解質膜を用いて燃料電池を製造し、作動させた。
酸素電極及び水素電極としては、ポリテトラフルオロエチレンに白金触媒微粒子とカーボンブラック粒子とを配合して得られた、導電性を有するポリテトラフルオロエチレンシートを用いた。なお、当該シート中の白金触媒の含有量は、0.65mg/cm2とした。
両電極間に上記電解質膜を充分に含水させた状態で配置し、密着させたものを発電セルとして燃料電池を得た。そして、セル全体を湿潤させた状態で、両電極に水素ガスおよび酸素ガスを供給し、80℃保温下での発電特性を評価した。測定中、短絡やリークなどの問題は生じず、長時間にわたり0.86W/cm2の出力性能が得られた。
【0042】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の電解質膜は、耐熱性、熱寸法安定性及び、耐酸化性に優れており、機械的強度にも優れた電解質膜である。特に、今後需要が急増すると思われる固体高分子型燃料電池の電解質膜として、有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電解質膜の耐酸化性の評価結果を例示するグラフである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体高分子型燃料電池等の用途に有用な、特に高温下での寸法安定性に優れた高分子電解質膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、エネルギー問題や地球環境問題が顕在化してきたことから、高効率であり環境負荷の少ないエネルギー発生源として、燃料電池が注目されている。これまで種々方式の燃料電池が開発されてきたが、比較的低温での作動が可能であり、小型軽量化し易いことから、固体高分子電解質燃料電池の開発が特にさかんに行われている。
【0003】
固体高分子電解質燃料電池における電解質膜としては、パーフルオロカーボンスルホン酸からなる膜などが知られており、具体的な製品としては、Nafion(商品名;Dupont社)やFlemion(商品名;旭硝子社)等が上市されている(例えば、非特許文献1参照。)。しかしながら、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂自体は、プロトン伝導性や耐酸化性に優れているものの、ガラス転移温度が130℃程度と耐熱に乏しい点が指摘されている。また、それ自体の機械的強度が十分とは言えず、さらには、吸水/乾燥の状態変化において寸法が大きく変化するといった問題点も有している。
このような状況等から、パーフルオロカーボンスルホン酸膜を燃料電池の電解質膜として使用するには、耐熱性や長期信頼性といった面で解決すべき課題があり、特に、発電効率を高める為の薄膜化や、比較的高温で作動させるためにかなりの耐熱性が要求される直接メタノール燃料電池への適用は困難であると認識されている。
【0004】
上記の問題を解決すべく、耐熱性を有する補強基材の細孔中に電解質ポリマーを充填した細孔フィリング電解質膜が提案され、ポリテトラフルオロエチレンやポリイミドからなる多孔性膜を使用した例が報告されており(例えば、非特許文献1参照)、補強基材としてアラミド樹脂の不織布も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、フッ素系樹脂からなる繊維を電解質膜中に配置させることにより補強効果を得る方法も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−113141号公報(第1頁)
【特許文献2】
特開2001−345111号公報(第1頁)
【非特許文献1】
膜(MEMBRANE),vol.27 No.3(2002)124−130
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記したような補強基材を用いた従来技術の例においては、以下の問題が懸念される。
ポリテトラフルオロエチレンやポリイミドからなる多孔性膜を使用した場合には、多孔性膜自体の充填効率が悪いという問題点があり、充填効率を改善するために気孔率を上げようとすると、機械強度が著しく低下して補強基材としての効果が得られなくなるおそれがある。
アラミド樹脂の不織布を使用した場合には、アラミド繊維は熱寸法安定性に優れるものの、耐酸化性に劣ることから、アラミド繊維表面にフッ素系樹脂をコーティングして用いているため、コスト高となり、コーティングの信頼性の問題も懸念される。
また、フッ素系樹脂からなる繊維を電解質膜中に配置させるという技術においては、フッ素系樹脂は化学的に安定で耐酸化にも優れているものの、機械強度や熱寸法安定性に劣る点が懸念される。
【0007】
そこで、本発明の課題は、機械的強度、耐酸化性及び熱寸法安定性に優れた細孔フィリング電解質膜を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、結晶性ポリイミド繊維から主としてなるポリイミド不織布を補強基材として使用することにより、上記の課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ポリイミド不織布を基材とし、基材の細孔中にプロトン伝導性樹脂が充填されていることを特徴とする電解質膜を要旨とするものであり、ポリイミド不織布を構成するポリイミド繊維が熱可塑性ポリイミドからなる結晶性ポリイミド繊維である好ましい態様、さらに熱可塑性ポリイミドが下記一般式(1)で示される化学構造を繰り返し単位として有するものである好ましい態様、及び、ポリイミド不織布を構成するポリイミド繊維がフィブリル構造を有することを特徴とする好ましい態様、さらにポリイミド繊維が単糸繊度0.9〜1.7dTexの短繊維を叩解することにより得られるものである好ましい態様、並びに電解質膜の200℃以下での平均線膨張係数が−20〜20μm/m・℃である好ましい態様を含むものである。また、上記の電解質膜が燃料電池用であることを要旨とするものである。
【0009】
【化2】
式中、Rは単環式芳香族、縮合多環式芳香族、芳香環が直接もしくは架橋員により結合された非縮合多環式芳香族から選ばれる4価の芳香族残基を表わす。また、Xは直接結合、炭化水素基、カルボニル基、エーテル基、チオ基もしくはスルホニル基から選ばれる2価の残基を表わし、Y1〜Y4は水素、アルキル基、アルコキシル基もしくはハロゲン基から選ばれる1価の残基を表わす。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の電解質膜は、ポリイミド不織布を基材とし、この基材の細孔中にプロトン伝導性樹脂が充填されたものである。
本発明におけるポリイミド不織布としては、ポリイミド繊維を主な構成成分とする不織布をいい、不織布としては、短繊維不織布でも長繊維不織布でもよいが、薄いものとした際の均質性や均一な厚みを確保する観点から短繊維不織布であることが好ましい。
【0011】
ポリイミド不織布を構成するポリイミド繊維としては、熱可塑性ポリイミドから成形されたポリイミド繊維が好ましい。熱可塑性ポリイミドであれば、溶融紡糸による繊維の成形や延伸等の熱加工が容易であり、細い繊維が比較的容易に得られる点でも有利である。
なお、結晶性ポリイミドの融点としては、400℃以下が好ましい。融点が400℃を超えると、溶融紡糸に困難を伴うので好ましくない。また、熱可塑性ポリイミドのガラス転移点としては、230℃以上であることが好ましく、かつ400℃未満さらには350℃以下であることが好ましい。ガラス転移点が230℃未満であると耐熱性に乏しいので好ましくなく、一方、400℃以上であると熱加工が困難となるので好ましくない。
【0012】
さらに、ポリイミド繊維としては、結晶性ポリイミド繊維が好ましい。結晶性ポリイミド繊維は、非晶性のポリイミド繊維に比べて、加熱、冷却時の寸法変化が小さいので不織布にした場合の熱寸法安定性に優れ、耐酸化性にも優れている傾向にあるので好ましい。
本発明における結晶性ポリイミド繊維の結晶性としては、X線回折法により測定した結晶化度が15%以上である繊維が好ましく、20%以上がより好ましく、25%以上が特に好ましい。結晶化度が15%未満では、熱寸法安定性、吸水性、耐酸化性等が低下する傾向にあるので好ましくない。
本発明における結晶性ポリイミド繊維は、例えば熱可塑性ポリイミドから溶融紡糸した原糸を極限近くまで延伸して、結晶化を促進させると共に、高度に分子鎖を配向させることにより得ることができる。
【0013】
ポリイミドは、その原料となるテトラカルボン酸成分とジアミン成分の化学構造を適宜選択することにより、種々特性を有するポリイミドとなり得ることが一般に知られている。そこで、本発明におけるポリイミド繊維を形成するポリイミドとしては、特にその化学構造が限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる特性を有するポリイミドであればいかなるポリイミドをも用いることができる。
本発明におけるポリイミド繊維を形成するポリイミドとして好ましいものとしては、下記一般式(1)で示される化学構造を繰り返し単位として有するポリイミドが挙げられる。そのようなポリイミドは、熱可塑性であり、結晶性を発現することができ、耐熱性にも優れるからである。
なお、種々特性を改善する目的で、他の構造を有するポリイミドを共重合もしくはブレンドしたものを用いてもよい。
【0014】
【化3】
式中、Rは単環式芳香族、縮合多環式芳香族、芳香環が直接もしくは架橋員により結合された非縮合多環式芳香族から選ばれる4価の芳香族残基を表わす。また、Xは直接結合、炭化水素基、カルボニル基、エーテル基、チオ基もしくはスルホニル基から選ばれる2価の残基を表わし、Y1〜Y4は水素、アルキル基、アルコキシル基もしくはハロゲン基から選ばれる1価の残基を表わす。
【0015】
上記一般式(1)の化学構造を有するポリイミドは、ポリイミドの原料のテトラカルボン酸成分とジアミン成分とを、ポリイミドが所望の化学構造となるよう選択して用い、当業者に公知の方法により合成して得ることができるが、市販品の入手も可能である。入手容易なものとしては、三井化学株式会社製の「オーラム(商標名)」を挙げることができ、このものは下記式(2)で示される化学構造を繰り返し単位として有するポリイミドである。
【0016】
【化4】
【0017】
ポリイミド不織布を構成するポリイミド繊維の形状としては、特に限定されるものではないが、短繊維不織布を採用する場合の繊維長としては、1〜15mmが好ましい。また、単糸繊度としては、0.9〜1.7dTexが好ましい。
ポリイミド繊維としては、不織布の均一性やプロトン伝導性樹脂の均一充填性の点から、使用可能な範囲で細い繊維が好ましいが、特に好ましい繊維形状としては、繊維が細く枝分かれしたフィブリル構造を有することである。フィブリル構造を有するポリイミド繊維を用いることにより、小さくかつ多数の細孔が均一に分布した本発明に好適な不織布を容易に得られる点で有利である。
そのようなフィブリル構造を有するポリイミド繊維としては、単糸繊度0.9〜1.7dTexの短繊維を叩解することにより得られるものが好ましい。このとき、単糸繊度が1.7dtexを超える繊維から得られるものでは、叩解して分枝させることにより得られる効果が低減する傾向にあるので好ましくない。一方、単糸繊度が0.9dtex未満の繊維は、紡糸工程上得るのが困難であり生産性に劣るため好ましくない。
なお、叩解としては、上記短繊維を水等の分散媒に分散したスラリーを、例えばリファイナーやビーター等の抄紙工程で使用される叩解装置を用いて処理することにより行なうことができる。
【0018】
ポリイミド繊維には、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリイミド以外にポリアリレート、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、フッ素樹脂などの他のポリマーが配合されていてもよく、また、酸化チタン、アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の無機系フィラーが配合されていてもよい。
【0019】
本発明におけるポリイミド不織布は細孔を有しているが、この細孔中にはプロトン伝導性樹脂が充填されることから、不織布の表面に通じた開放型の細孔であり、細孔の大きさとしては、1〜50μm程度が好ましい。細孔の大きさが1μm未満では、表面張力によりプロトン伝導性樹脂の均一な充填が困難になる傾向にあり、一方、50μmを超えると、使用に際してプロトン伝導性樹脂の状態変化に伴う膨張/収縮により、界面でのプロトン伝導性樹脂の剥離が起き、そうなると極端にプロトン伝導性能が低下する傾向にあるので好ましくない。また、不織布の単位体積あたりに占める細孔の体積で表わされる細孔率としては、30〜80%が好ましく、40〜70%がより好ましい。細孔率が30%未満では、プロトン伝導性樹脂の充填量が不足する傾向にあり、一方、80%を超えると、基材としての強度が不足する傾向にあるので好ましくない。
【0020】
本発明における不織布の厚さとしては、使用時の発電効率を考慮した場合、薄い方が好ましいが、実用上30〜100μm程度であることが好ましい。厚みが30μmより薄いものは、不織布の製造上困難で生産性に劣り、一方、100μmを超えると発電効率が低下するため、好ましくない。
【0021】
また、本発明におけるポリイミド不織布には、ポリイミド繊維同士を固着させるための種々バインダー成分が配合されていてもよい。このときのバインダー成分としては、耐熱性や耐酸化性などポリイミド繊維の特性を損なわないものが好ましく、この観点から、ポリイミドを主体とするバインダー成分が好ましい。また、必要に応じて、種々の繊維状、粒子状、液状の成分が本発明の目的を損なわない範囲で配合されていてもよい。
【0022】
本発明において、基材たるポリイミド不織布の細孔中に充填されるプロトン伝導性樹脂としては、特に限定されるものではなく、公知のプロトン伝導性樹脂を採用することができる。例示すれば、パーフルオロカーボン系スルホン酸樹脂、ポリスチレン系スルホン酸樹脂、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン樹脂、スルホン化ポリフェニレンスルフィド樹脂、スルホン酸基を有するポリイミド樹脂、リン酸をドープしたポリベンズイミダゾール樹脂等であり、使用目的に応じて適宜選択すればよい。中でも、パーフルオロカーボン系スルホン酸樹脂が、プロトン伝導性及び耐酸化性に優れているので好ましい。
【0023】
プロトン伝導性樹脂を基材への充填形態としては、特に限定されるものではないが、プロトン伝導性樹脂のドープを基材たるポリイミド不織布に含浸させ、溶剤を除去させることにより充填されたものが好ましい。この形態によれば、細孔に充填されたプロトン導電性樹脂は充填された各細孔間で連なったネットワーク状の構造を取ることが可能であり、容易に脱落することがない。
【0024】
基材たるポリイミド不織布の細孔中に充填されるプロトン伝導性樹脂の量としては、ポリイミド不織布の細孔率や、充填するときの条件、例えばドープの濃度等により増減させることが可能であるが、電解質膜全体の50〜80質量%が好ましい。充填量が50質量%より少ないと、膜面積当りの発電効率が低下するため好ましくなく、一方、80質量%を超えると、ポリイミド不織布を基材として使用する効果が低減し、熱寸法安定性等が低下する傾向にあるので好ましくない。
【0025】
本発明の電解質膜は、上記したように、ポリイミド不織布を基材としており、この基材が熱寸法安定性に優れていることから、電解質膜全体としても優れた熱寸法安定性を有している。本発明においては、電解質膜の熱寸法安定性を示す尺度として、200℃以下での平均線膨張係数を採用するが、この平均線膨張係数が−20〜20μm/m・℃の範囲内であることが好ましく、−10〜10μm/m・℃がより好ましい。平均線膨張係数が−20〜20μm/m・℃の範囲外では、使用時の寸法変化が大きく、実用上種々のトラブルが生じ易い傾向にあるので好ましくない。
なお、本発明における平均線膨張係数は、JIS−K7197に準じて測定して得られる値であり、平均線膨張係数が特定の数値範囲内にあるとは、たて方向及びよこ方向のいずれにおいても平均線膨張係数が特定の数値範囲内にあるという意味である。
【0026】
本発明において、平均線膨張係数の絶対値を小さくする手段としては、ポリイミド繊維におけるポリイミドの種類、ポリイミド繊維の結晶性、ポリイミド繊維の繊維長により調整することが挙げられる。例えば、上記したような特定の化学構造を有する耐熱性に優れたポリイミドを用いること、ポリイミド繊維の結晶性を高めること等は、それぞれ平均線膨張係数の絶対値を小さくするのに有効な手段である。
【0027】
本発明の電解質膜は、基材たるポリイミド不織布により補強されるため、引張り強度や引き裂き強度等の機械的強度に優れたものとなり、薄膜化しても十分な強さが確保される。本発明の電解質膜の引張り強さとしては、1〜5N/mmが好ましい。
さらに、基材たるポリイミド不織布は、耐酸化性に優れているので、例えば固体高分子型燃料電池の電極で副生成物として発生する過酸化水素等の酸化性物質に富む環境下に長期間曝されても劣化が少なく、安定した補強効果を維持することができる。
【0028】
また、本発明の電解質膜においては、プロトン伝導性樹脂の充填される細孔が複雑な形状からなり、相互に連通した開放型の細孔であるため、アンカー効果があり、プロトン伝導性樹脂が基材から脱落し難い構造となる。したがって、本発明の電解質膜は、燃料電池等に組み込まれての使用時において、乾燥−吸水、加熱−冷却といった状態変化が繰り返されても、安定したプロトン伝導性を維持することができる。
【0029】
次に、本発明の電解質膜を製造する好ましい方法について説明する。
まず、基材となるポリイミド不織布を製造するが、ポリイミド不織布の製造方法としては、所望のポリイミド繊維を用いて、従来公知の不織布製造方法により製造することができる。短繊維不織布を製造する場合には、所望の短繊維を用いての乾式もしくは湿式抄造法により製造することができる。特に湿式抄造法が、薄くかつ均一な厚みを有する地合いの良いポリイミド不織布を得るのに適しており、好ましく採用される。
なお、不織布の製造においては、いずれかの適当な工程において、ポリイミド繊維以外に必要に応じて配合される成分を加えることができる。
また、抄造後のポリイミド不織布を、ポリイミドのガラス転移以上、融点以下の温度に加熱し、好ましくは軽くプレスすることにより、ポリイミド不織布の強度を増すことができ、細孔率を調整することもできる。
【0030】
得られたポリイミド不織布には、通常、数ミクロン単位の大きさの細孔が、 好ましくは40〜70%程度の細孔率で存在する。この細孔の大きさや細孔率は、用いる繊維の太さ等の形状、あるいは不織布の目付けや厚さにより所望の値に調整することが可能である。
【0031】
次いで、上記の細孔にプロトン伝導性樹脂を充填するわけであるが、その充填方法としては、プロトン伝導性樹脂のドープをポリイミド不織布に含浸させ、溶剤を除去させる方法が簡便で好ましい。このときのドープの濃度としては、1〜20質量%程度が好ましく、ドープの溶剤としては、アルコール類やエーテル類等が好ましく用いられる。また、溶剤の除去方法としては、(減圧条件、温度条件等)溶剤の沸点を超え、プロトン伝導性樹脂の性質を損なわない程度の温度での熱風乾燥が好ましく採用される。
なお、ドープの濃度や含浸量を調節することにより、プロトン伝導性樹脂充填の充填量を増減させることができる。
以上のようにして、ポリイミド不織布を製造し、その細孔中にプロトン伝導性樹脂を充填することにより、本発明の電解質膜が得られる。
【0032】
【実施例】
以下に実施例を示して、本発明を具体的に説明する。
なお、実施例に記載の特性は、次に記載する方法により測定もしくは評価したものである。
1.不織布の厚さ
巾50cm×長さ40cmにカットした不織布を8等分(巾2等分、長さ4等分)し、その各中心部の厚さを接触式デジマティック厚さ計にて測定し、それら8つの測定値から求めた平均値を不織布の厚さとした。
2.不織布の細孔率
不織布の目付けと厚さとから見かけ密度d1を算出し、別途、不織布を構成する素材の各々の真密度と含有率とから不織布の真密度d0を算出したうえで、下記式によって気孔率Pを算出した。
P=(1−d1/d0)×100%
【0033】
3.電解質膜の平均線膨張係数
電解質膜を長さ13mm、巾4mmに裁断し、乾燥したものを試料として、JIS−K7197に準じて、TMA測定装置(TMA2940、TAインスツルメント製)を用い、試料に30mNの引張り荷重を付加した状態で、室温から200℃まで加温して、その変動量から算出した。このとき、試料は電解質膜のたて方向及びよこ方向から3点ずつ採取し、各方向での平均値を求めた。
なお、不織布を抄造するときの長手方向を電解質膜のたて方向とした。
【0034】
4.電解質膜の引張り強さ
電解質膜を長さ100mm、幅10mmに裁断したものを試料として、JIS−P8113に準じて、万能試験機(インテスコ社製)を用いて25℃にて測定した。なお、試料は、電解質膜のたて方向及びよこ方向から5点ずつ採取し、各方向での平均値を求めた。
【0035】
5.電解質膜の耐酸化性
電解質膜を長さ100mm巾10mmに裁断したものを試料とした。
30質量%の過酸化水素水に硫酸鉄(II)を20ppm溶解した酸化剤溶液を調製し、これに、上記試料を浸漬し、70℃に保温して所定時間放置した後に取り出し、水洗、乾燥後、上記4の方法にて引張り強さを測定した。
そして、酸化剤溶液に浸漬しない試料の引張り強さを100%とした場合の、酸化剤溶液に浸漬する処理を経た試料の引張り強さの相対値P%をもって、耐酸化性の指標とした。
【0036】
実施例
(ポリイミド繊維の製造)
ポリイミドとしては、結晶性熱可塑ポリイミド樹脂(三井化学製「オーラム(商標名)PL450」)を用いた。DSC測定によるこのポリイミドのガラス転移点は250℃であり、同じく融点は387℃であった。
上記のポリイミドを420℃に加熱して溶融させ、紡糸速度500m/minで溶融紡糸し、温度300℃、延伸倍率3.0倍で加熱延伸することにより、単糸繊度1.4dTexのポリイミド繊維を得た。このポリイミド繊維の結晶化度は30%、繊維軸方向への結晶配向度は90%であった(いずれも、X線回折法により測定)。このポリイミド繊維を、繊維長5mmにカットしてポリイミド短繊維を得た。
【0037】
さらに、水60リットル中に上記のポリイミド短繊維を600g、分散剤としてポリエステル系重合体エマルジョン(松本油脂製薬株式会社製EN−500、固形分濃度25%)を6g投入し、1分間攪拌することにより、枝分かれ構造を発現させるためのリファイナー処理用スラリーとした。
そして、このリファイナー処理用スラリーを、シングルディスク型リファイナー(熊谷理器製、型式2500−11)を使用して、スラリーを循環させつつリファイナー処理部を通過させるという叩解処理を20分間行なうことにより、ポリイミド短繊維にフィブリル構造を付与した。
【0038】
(ポリイミド不織布の製造)
上記のフィブリル構造を有するポリイミド短繊維を含むスラリーを用いて、短網傾斜式の抄紙機にて湿式抄造を行い、乾燥ウエッブを得た。このときの抄造工程中において、漉き上げた湿ったウエッブに、バインダー樹脂としてベンゾフェノンテトラカルボン酸ジメチルエステルとメタキシリレンジアミンとが物質量比1/1の割合で溶解されたポリイミド前駆体水溶液(濃度3質量%)を付与した後、160℃で熱風乾燥することによりバインダー樹脂を付与した。バインダー樹脂の付与量は、ポリイミド繊維100質量部に対して10質量部となるようにした。
得られた乾燥ウエッブを300℃に加熱下0.1MPaの圧力で5分間加圧プレスして、電解質膜の基材として使用するためのポリイミド不織布を得た。このポリイミド不織布の目付けは、54g/m2、厚さは60μm、細孔率は64%であった。
【0039】
(電解質膜の製造)
上記ポリイミド不織布を基材に用いて電解質膜を製造した。すなわち、パーフルオロカーボン系スルホン酸樹脂溶液(デュポン社製「Nafion(商標名)」溶液、5質量%濃度)をエバポレーターで約15質量%の濃度に濃縮し、これに上記ポリイミド不織布を浸漬させ、余剰のNafion溶液をバーで拭き取った後乾燥させることにより、パーフルオロカーボン系スルホン酸樹脂がポリイミド不織布の細孔中に充填された電解質膜を得た。
なお、乾燥は熱風炉中80℃で30分間という条件で行ない、パーフルオロカーボン系スルホン酸樹脂の充填量は、電解質膜全体の70質量%であった。
【0040】
以上のようにして得られた電解質膜の特性を調べた。
室温から200℃までの平均線膨張係数はたて方向が−5μm/m/℃、よこ方向が−3μm/m/℃であった。また、TMA測定において200℃まで加熱後1時間保持し、室温まで放冷した後の測定長の変動はたて方向、よこ方向共に−2μmであり、加熱冷却による寸法変動は、ごくわずかであることがわかった。
引張り強さは、たて方向が4.2N/mm、横方向が3.8N/mmであり、優れた機械強度を有していることがわかった。
耐酸化性の評価結果は、図1に示す通りであった。この結果から明らかなように、長期に渡り耐酸化性を維持することがわかった。
【0041】
次に、上記で得られた電解質膜を用いて燃料電池を製造し、作動させた。
酸素電極及び水素電極としては、ポリテトラフルオロエチレンに白金触媒微粒子とカーボンブラック粒子とを配合して得られた、導電性を有するポリテトラフルオロエチレンシートを用いた。なお、当該シート中の白金触媒の含有量は、0.65mg/cm2とした。
両電極間に上記電解質膜を充分に含水させた状態で配置し、密着させたものを発電セルとして燃料電池を得た。そして、セル全体を湿潤させた状態で、両電極に水素ガスおよび酸素ガスを供給し、80℃保温下での発電特性を評価した。測定中、短絡やリークなどの問題は生じず、長時間にわたり0.86W/cm2の出力性能が得られた。
【0042】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の電解質膜は、耐熱性、熱寸法安定性及び、耐酸化性に優れており、機械的強度にも優れた電解質膜である。特に、今後需要が急増すると思われる固体高分子型燃料電池の電解質膜として、有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電解質膜の耐酸化性の評価結果を例示するグラフである。
Claims (7)
- ポリイミド不織布を基材とし、基材の細孔中にプロトン伝導性樹脂が充填されていることを特徴とする電解質膜。
- ポリイミド不織布を構成するポリイミド繊維が、熱可塑性ポリイミドからなる結晶性ポリイミド繊維であることを特徴とする請求項1に記載の電解質膜。
- ポリイミド不織布を構成するポリイミド繊維が、フィブリル構造を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電解質膜。
- ポリイミド繊維が、単糸繊度0.9〜1.7dTexの短繊維を叩解することにより得られるものであることを特徴とする請求項4に記載の電解質膜。
- 200℃以下での平均線膨張係数が−20〜20μm/m・℃であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電解質膜。
- 燃料電池用であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電解質膜。
Priority Applications (1)
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