JP2006061069A - カット野菜の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 カット野菜を製造方法する際に、細胞にダメージを与えることなく、十分に殺菌処理を行うことができるようにし、新鮮な状態を長期に維持可能なカット野菜を提供する。
【解決手段】 喫食用サイズにカットしたカット野菜の製造方法は、喫食用サイズにカットする前の野菜に対し第1の殺菌処理を行う第1殺菌工程、第1の殺菌処理された野菜を喫食用サイズにカットする野菜カット工程、及び喫食用サイズにカットした後の野菜に対し、第1の殺菌処理において使用した殺菌剤よりも弱い殺菌力を有する殺菌剤を使用して第2の殺菌処理を行う第2殺菌工程を有する。
【選択図】 無し

Description

本発明は、保存安定性に優れたカット野菜の製造方法に関する。
千切り大根を主体とする大根サラダや、細かくちぎったレタスを主体とするシーザーズサラダなどが、家庭でもレストランなどでも広く食されているが、近年では、そのような生野菜サラダを手軽に食することができるように、喫食サイズに予めカットされたカット野菜がプラスチック袋やプラスチック容器に詰められて市販されるようになっている。
ところで、このようなカット野菜の製造時には、野菜の内部組織と刃物とが接触し、また、刃物に切り開かれた内部組織の表面(以下、カット面と称する)が空気中に露出するため、カット面において細菌が繁殖し易くなっている。従って、カット野菜の製造には、その殺菌処理が必須ものとなっている。従来のカット野菜の殺菌処理方法としては、例えば、喫食用サイズにカットしたカット野菜を、(1)次亜塩素酸塩水溶液に浸漬し希酢酸水溶液で洗浄する方法(特許文献1)、(2)亜塩素酸塩水溶液に浸漬し水切りする方法(特許文献2)、(3)次亜塩素酸塩と亜塩素酸塩との混合水溶液に浸漬し水洗する方法(特許文献3)等が提案されている。
特願平6−46812号公報 特願平11−196763号公報 特開2001−190219号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法の場合、次亜塩素酸塩水溶液の殺菌処理により植物細胞が大きなダメージを受けるため、カット面の褐変が生じ易く、結果的にカット野菜の日持ちがしないという問題がある。特許文献2に記載の方法の場合、亜塩素酸塩水溶液の殺菌処理により植物細胞が受けるダメージは、次亜塩素酸塩水溶液を使用した場合よりも小さいが、殺菌力が高いとは言えないから、カット面で細菌が増殖し易くなっており、カット野菜の日持ちがしないという問題がある。特許文献3に記載の方法の場合、亜塩素酸塩の殺菌力を次亜塩素酸塩により補填することができるが、植物細胞に大きなダメージを与える次亜塩素酸塩を使用しているために、特許文献1の場合と同様に、カット面の褐変が生じ易く、結果的にカット野菜の日持ちがしないという問題がある。このように、次亜塩素酸塩水溶液のような比較的強い殺菌力を有する殺菌剤は、殺菌という面では有効であるが、反面、植物細胞にダメージを与え、逆に、亜塩素酸水溶液のような比較的弱い殺菌剤は、植物細胞にダメージを与え難いが、殺菌力が十分でなく、結果的にいずれもカット野菜の日持ちを改善できないという問題がある。
本発明は、以上の従来の技術の課題を解決しようとするものであり、カット野菜を製造する際に、カット野菜の殺菌の面からは次亜塩素酸塩水溶液のような比較的強い殺菌力を有する殺菌剤の使用が必須であり、一方、植物細胞に対するダメージを抑制する面からは、亜塩素酸塩水溶液のような比較的弱い殺菌力を有する殺菌剤の使用が必須であるという両立し難い技術的問題を解決し、細胞にダメージを与えることなく、十分に殺菌処理を行うことができるようにし、新鮮な状態を長期に維持可能なカット野菜、特に、現に大きな需要がある大根サラダ用の千切り大根を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、上述した従来の問題が、喫食用サイズにカットした後のカット野菜に対して十分な殺菌処理を行っていたことに起因していることを発見した。そこで、本発明者らは、喫食用サイズにカットする前の、単位重量あたりの表面積が比較的小さい状態の野菜に対し、次亜塩素酸塩水溶液のような比較的強い殺菌力を有する殺菌剤で殺菌処理を行うことにより十分に殺菌処理を行い、その後、十分に殺菌処理した野菜を喫食用サイズにカットし、単位重量あたりの表面積が比較的大きい状態となったカット野菜に対し、亜塩素酸塩水溶液のような比較的弱い殺菌力を有する殺菌剤で殺菌処理を行うことにより、カット処理の際に混入する可能性のある僅かな細菌を、植物細胞にダメージを実質的に与えることなく殺菌できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、喫食用サイズにカットしたカット野菜の製造方法であって、喫食用サイズにカットする前の野菜に対し第1の殺菌処理を行う第1殺菌工程、第1の殺菌処理された野菜を喫食用サイズにカットする野菜カット工程、及び喫食用サイズにカットした後の野菜に対し、第1の殺菌処理において使用した殺菌剤よりも弱い殺菌力を有する殺菌剤を使用して第2の殺菌処理を行う第2殺菌工程、を有することを特徴とする製造方法を提供する。特に、この製造方法を千切り大根に適用した態様は、本発明の特に好ましい態様の一つである。
また、本発明は、千切り大根の製造方法であって、千切りする前の大根に対し第1の殺菌処理を行う第1殺菌工程、第1の殺菌処理された大根を千切りにする大根千切り工程、及び千切りされた大根に対し、第1の殺菌処理において使用した殺菌剤よりも弱い殺菌力を有する殺菌剤を使用して第2の殺菌処理を行う第2殺菌工程、を有することを特徴とする製造方法を提供する。
また、本発明は、0〜10℃で48時間保存後の比重が0.80〜1.00であり、一般生菌数が1.0×10未満である千切り大根を提供する。このような千切り大根は、前述の千切り大根の製造方法により製造することができる。
本発明のカット野菜の製造方法においては、喫食用サイズにカットする前の単位重量あたりの表面積が比較的小さい状態の野菜に対し、比較的強い殺菌力を有する殺菌剤で殺菌処理を行うことにより十分に殺菌処理を行い、続いて、十分に殺菌処理されたその野菜を喫食用サイズにカットし、単位重量あたりの表面積が比較的大きい状態となったカット野菜に対し、比較的弱い殺菌力を有する殺菌剤で殺菌処理を行う。このため、本発明のカット野菜の製造方法により得られるカット野菜は、ダメージを受ける表面積が非常に狭いものであり、しかも十分に殺菌処理が施されているものとなるので、日持ちのするカット野菜となる。このカット野菜の製造方法の具体的な態様である千切り大根の製造方法で得られる千切り大根も、ダメージが少なく、細菌の繁殖も抑制された日持ちのする千切り大根となる。
以下、本発明の喫食用サイズにカットしたカット野菜の製造方法について工程毎に説明する。
<第1殺菌工程>
まず、喫食用サイズにカットする前の野菜に対し第1の殺菌処理を行う。この工程における第1の殺菌処理の目的は、喫食用サイズにカットする前の野菜、即ち、比較的表面積の小さい状態の野菜を、その植物細胞が受けるダメージを最小限にくい止めつつ、十分に殺菌しておくことである。
従って、本工程の第1殺菌処理では、植物細胞に多少ダメージを生じさせる可能性があるとしても、亜塩素酸水溶液等に比べて、比較的強い殺菌力を示す次亜塩素酸塩水溶液、次亜塩素酸発生電解液等の殺菌剤を使用する。中でも、入手が容易な次亜塩素酸塩水溶液を好ましく使用することができる。
第1殺菌処理の処理操作としては、殺菌剤と喫食用サイズにカットする前の野菜とを接触させることであり、具体的には、液状殺菌剤に喫食用サイズにカットする前の野菜を浸漬することや、液状殺菌剤を喫食用サイズにカットする前の野菜にスプレーすることや、殺菌剤蒸気中に喫食用サイズにカットする前の野菜を置くことが例示できる。
第1殺菌処理の処理条件は、使用する殺菌剤の種類、殺菌すべき野菜の種類等に応じて適宜決定することができる。例えば、第1殺菌処置の殺菌剤として次亜塩素酸塩水溶液を使用する場合には、水に溶解させる次亜塩素酸塩としては、次亜塩素酸アルカリ金属塩、特に次亜塩素酸ナトリウムを好ましく使用できる。また、次亜塩素酸塩水溶液中の次亜塩素酸塩濃度は、低すぎると殺菌効果が十分でなく、高すぎると植物細胞へのダメージが大きくなりすぎるので、好ましくは50〜500ppm、より好ましくは100〜200ppmに設定する。次亜塩素酸塩水溶液中のpHは、低すぎると植物細胞へのダメージが大きく、高すぎると殺菌効果が不十分となるので、好ましくは4〜10、より好ましくは6〜9に設定する。次亜塩素酸塩水溶液に殺菌すべき野菜を接触させる際の温度は、低すぎると植物細菌への凍結障害の可能性があり、高すぎると細菌数の増大及び褐変の促進が生じるので、好ましくは0〜10℃、より好ましくは0〜5℃である。また、接触時間は、短すぎると殺菌効果が不十分であり、長すぎると植物細胞へのダメージが大きくなるので、好ましくは3〜20分、より好ましくは5〜10分である。
次亜塩素酸塩水溶液には、本発明の効果を損なわない範囲で、種々の添加剤、例えば、亜塩素酸ナトリウムを配合してもよい。
本発明の対象となる野菜としては、特に制限はないが、生野菜サラダとして通常食されている野菜を使用することができ、大根、レタス、キャベツ、人参、ピーマンなどが挙げられる。また、これらの野菜の喫食用サイズとは、野菜の種類やカットの仕方(千切り、角切り、拍子切り、乱切り等)、カット野菜を利用する料理の種類(生野菜サラダ、温野菜サラダ等)等に応じて適宜決定される大きさである。また、カットする手段としては、公知の手段を利用することができる。
なお、第1殺菌工程で得られた第1殺菌処理済み野菜は、後述の野菜カット工程に投入する前に、必要に応じて水洗し、更に水切りしてもよい。
<野菜カット工程>
次に、第1の殺菌処理された野菜を喫食用サイズにカットする。この工程では、十分に殺菌処理された野菜を喫食用サイズにカットするので、喫食用サイズにカットすべき野菜には細菌は実質的に存在しないと考えられる。従って、カットの際に細菌が混入しないようにすれば、カット後のカット野菜に細菌が存在しないようにすることが容易となる。
野菜を喫食用サイズにカットする操作としては、従来より公知の手段を使用することができるが、細菌の混入に留意する必要がある。
<第2殺菌処理工程>
次に、喫食用サイズにカットした後の野菜に対し、第1の殺菌処理において使用した殺菌剤よりも弱い殺菌力を有する殺菌剤を使用して第2の殺菌処理を行う。この第2殺菌工程の第2の殺菌処理の目的は、野菜を喫食用サイズにカットする際に用いるカッターや容器等を十分に滅菌処理したとしても、カット野菜に微量の細菌が混入する可能性がないとはいえないので、用心のために殺菌処理をすることである。
従って、この第2の殺菌処理に使用する殺菌剤としては、植物細胞にダメージを与えずにカット野菜の殺菌を可能とするために、第1の殺菌処理において使用した殺菌剤よりも弱い殺菌力を有する殺菌剤、例えば、亜塩素酸塩水溶液、オゾンガス、オゾン水、紫外線、焼成カルシウム、酢酸、エタノールなどを使用することができる。中でも、入手が容易な亜塩素酸塩水溶液を好ましく使用することができる。
第2殺菌処理の処理操作としては、殺菌剤と喫食用サイズにカットされた野菜とを接触することであり、具体的には、液状殺菌剤に喫食用サイズにカットされた後の野菜を浸漬することや、液状殺菌剤を喫食用サイズにカットされた後の野菜にスプレーすることや、殺菌剤蒸気中に喫食用サイズにカットされた後の野菜を置くことが例示できる。
第2殺菌処理の処理条件は、使用する殺菌剤の種類、殺菌すべき野菜の種類等に応じて適宜決定することができる。例えば、第2殺菌処理の殺菌剤として亜塩素酸塩水溶液を使用する場合には、水に溶解させる亜塩素酸塩としては、亜塩素酸アルカリ金属塩、特に亜塩素酸ナトリウムを好ましく使用できる。また、亜塩素酸塩水溶液中の亜塩素酸塩濃度は、低すぎると殺菌効果が十分でなく、高すぎると植物体に塩素が残留する虞があり、好ましくは50〜400ppm、より好ましくは100〜200ppmに設定する。亜塩素酸塩水溶液中のpHは、低すぎると二酸化炭素ガスの発生する可能性があり、高すぎると殺菌効果が不十分となるので、好ましくは6〜11、より好ましくは8〜10に設定する。亜塩素酸塩水溶液に殺菌すべき野菜を接触させる際の温度は、低すぎると植物体の凍結障害の可能性が有り、高すぎると細菌数の増体及び褐変の促進が生じるので、好ましくは0〜10℃、より好ましくは0〜5℃である。また、接触時間は、短すぎると殺菌効果が不十分であり、長すぎると植物体に塩素が残留する可能性があるので、好ましくは3〜20分、より好ましくは5〜10分である。
亜塩素酸塩水溶液には、本発明の効果を損なわない範囲で、種々の添加剤、例えば、オゾン水を配合してもよい。
本発明のカット野菜の製造方法においては、以下に説明する野菜プレカット工程を、第1殺菌工程の前に実施することが好ましい。更に、必要に応じて、この野菜プレカット工程を実施する場合にはこの野菜プレカット工程の前に、あるいはこの野菜プレカット工程を実施しない場合には前述の第1殺菌工程の前に、初期殺菌工程を実施することが好ましい。
<初期殺菌工程>
ホール野菜に対し初期殺菌処理を行う。初期殺菌処理されたホール野菜を、後述する野菜プレカット工程におけるホール野菜として使用する。この初期殺菌処理の目的は、野菜の殺菌をより完全なものとすることである。なお、この初期殺菌工程で得られた初期殺菌済みホール野菜は、後述する野菜プレカット工程を実施する場合には、野菜プレカット工程に投入するホール野菜として使用する。また、野菜プレカット工程を実施しない場合には、第1殺菌工程に「喫食用サイズにカットする前の野菜」として投入する。
初期殺菌処理の際に使用する殺菌剤としては、前述の第1殺菌処理や第2殺菌処理の際に使用する殺菌剤の中から適宜選択して使用することができる。中でも、第1殺菌処理で使用可能な次亜塩素酸塩水溶液を好ましく使用することができる。
なお、この初期殺菌工程に投入するホール野菜については、必要に応じて水洗い処理や皮むき処理を施すことができる。
<野菜プレカット工程>
ホール野菜を、喫食用サイズにカットするのに適した大きさにプレカットする。このプレカットの目的は、前述の野菜カット工程の作業効率を向上させることである。なお、この野菜プレカット工程で得られたプレカット野菜は、第1殺菌工程に「喫食用サイズにカットする前の野菜」として投入する。
野菜プレカット工程を実施するか否かについては、野菜の種類やカットの仕方(千切り、角切り、拍子切り、乱切り等)、カット野菜を利用する料理の種類(生野菜サラダ、温野菜サラダ等)等に応じて適宜判断する。例えば、カット野菜として幅1〜2mm程度の千切り大根を製造する場合には、大根を幅4〜8cm程度の厚みにカットして輪切り状プレカット大根とすることが好ましい。また、カット野菜として数cm角のカットレタスを製造する場合には、玉レタスの根元をカット除去し、枚葉状のプレカットレタスとすることが好ましい。カット野菜として幅1mm程度の薄切りピーマンを製造する場合には、縦半分にカットした上で種を除去し、縦割り状のプレカットピーマンとすることが好ましい。また、カット野菜として幅1mm程度の薄切り玉ねぎを製造する場合には、縦に半分にカットし、更に根元部分と先端部分を除去カットした上で、外皮を除去し、縦割り状のプレカット玉ねぎとすることが好ましい。
ホール野菜をプレカットする操作としては、従来より公知の手段を使用することができる。
野菜プレカット工程に投入するホール野菜については、前述の初期殺菌工程を経たものを使用することが好ましいが、前述の初期殺菌工程を経ていないものを使用することもできる。前述の初期殺菌工程を経ていない場合には、必要に応じて水洗処理や皮むき処理を施してもよい。
なお、上述の各工程では、必要に応じて水洗いや水切りを行うことができる。水洗いや水切りの方法としては、従来より行われている方法を適用することができる。特に、少なくとも第2殺菌工程で得られたカット野菜に対して、殺菌剤を除去するために、水洗いと水切りを行うことが好ましい。
なお、初期殺菌工程を実施した場合、野菜プレカット工程の後の第1殺菌工程を省略することができる。このような場合、初期殺菌処理工程が第1殺菌工程として機能することになる。
次に、上述の本発明のカット野菜の製造方法を、千切り大根の製造に適用した具体的な態様について工程毎に説明する。
<第1殺菌工程>
まず、千切りする前の大根に対し第1の殺菌処理を行う。この工程における第1の殺菌処理の目的は、千切りする前の大根、即ち、比較的表面積の小さい状態の大根を、その植物細胞が受けるダメージを最小限にくい止めつつ、十分に殺菌しておくことである。
なお、本第1殺菌工程において使用する薬剤や殺菌処理操作は、前述した本発明のカット野菜の製造方法における第1殺菌工程と同一である。
<大根千切り工程>
次に、第1の殺菌処理された大根を千切りする。この工程では、十分に殺菌処理された大根を千切りするので、千切りすべき大根には細菌は実質的に存在しないと考えられる。従って、千切りの際に細菌が混入しないようにすれば、千切り後の千切り大根に細菌が存在しないようにすることが容易となる。
大根を千切りする操作としては、従来より公知の手段を使用することができるが、細菌の混入に留意する必要がある。
<第2殺菌処理工程>
次に、千切りした後の大根に対し、第1の殺菌処理において使用した殺菌剤よりも弱い殺菌力を有する殺菌剤を使用して第2の殺菌処理を行う。この第2殺菌工程の第2の殺菌処理の目的は、野菜を喫食用サイズにカットする際に用いるカッターや容器等を十分に滅菌処理したとしても、カット野菜に微量の細菌が混入する可能性がないとはいえないので、用心のために殺菌処理をすることである。
なお、本第2殺菌工程において使用する薬剤や殺菌処理操作は、前述した本発明のカット野菜の製造方法における第2殺菌工程と基本的に同一である。
本発明の千切り大根の製造方法においては、以下に説明する大根プレカット工程を、第1殺菌工程の前に実施することが好ましい。更に、必要に応じて、この大根プレカット工程を実施する場合にはこの大根プレカット工程の前に、あるいはこの大根プレカット工程を実施しない場合には前述の第1殺菌工程の前に、初期殺菌工程を実施することが好ましい。
<初期殺菌工程>
ホール大根に対し初期殺菌処理を行う。初期殺菌処理されたホール大根を、後述する大根プレカット工程におけるホール大根として使用する。この初期殺菌処理の目的は、大根の殺菌をより完全なものとすることである。なお、この初期殺菌工程で得られた初期殺菌済みホール大根は、後述する大根プレカット工程を実施する場合には、大根プレカット工程に投入するホール大根として使用する。また、大根プレカット工程を実施しない場合には、第1殺菌工程に「千切りする前の大根」として投入する。
なお、本初期殺菌工程において使用する薬剤や殺菌処理操作は、前述した本発明のカット野菜の製造方法における初期殺菌工程と基本的に同一である。
<大根プレカット工程>
ホール大根を、千切りするのに適した大きさにプレカットする。このプレカットの目的は、後述の大根千切り工程の作業効率を向上させることである。なお、この大根プレカット工程で得られたプレカット大根は、第1殺菌工程に「千切りする前の大根」として投入する。
なお、本大根プレカット工程の操作は、前述した本発明のカット野菜の製造方法における野菜プレカット工程と基本的に同一である。
従って、大根プレカット工程に投入するホール大根については、前述の初期殺菌工程を経たものを使用することが好ましいが、前述の初期殺菌工程を経ていないものを使用することもできる。初期殺菌工程を経ていない場合には、必要に応じて水洗処理や皮むき処理を施してもよい。
大根プレカット工程に投入するホール大根については、前述の初期殺菌工程を経たものを使用することが好ましいが、前述の初期殺菌工程を経ていないものを使用することもできる。初期殺菌工程を経ていない場合には、必要に応じて水洗処理や皮むき処理を施してもよい。
なお、上述の各工程では、必要に応じて水洗いや水切りを行うことができる。水洗いや水切りの方法としては、従来より行われている方法を適用することができる。特に、少なくとも第2殺菌工程で得られた千切り大根に対して、殺菌剤を除去するために、水洗いと水切りを行うことが好ましい。
なお、初期殺菌工程を実施した場合、大根プレカット工程の後の第1殺菌工程を省略することができる。このような場合、初期殺菌処理工程が第1殺菌工程として機能することになる。
以上説明した本発明の千切り大根の製造方法によれは、植物細胞に対するダメージが少なく、細菌の繁殖も抑制された日持ちのする千切り大根が得られる。しかも、褐変し難く、白さも保持された千切り大根が得られる。例えば、10℃の恒温槽中での72時間保存前後の色差(ΔL値)が67〜75、好ましくは70〜75の千切り大根が得られる。
なお、本発明者らは、このような千切り大根の味や食感に関する保存性が、千切り大根の比重と一般生菌数と密接な関係があることを知見した。驚くべきことに、そのような千切り大根は、本発明の千切り大根の製造方法により得られることは勿論であるが、他の製造方法により得られたとしても、一定の条件の下で保存した時の比重と一般生菌数とが一定範囲にある千切り大根が非常に良好な保存性を示す。
即ち、このような千切り大根は、0〜10℃、好ましくは0〜5℃で、48時間保存後の比重が0.80〜1.00、好ましくは0.82〜0.98であり、一般生菌数が1.0×10未満、好ましくは5.0×10未満である。この比重範囲を下回ると乾燥感が強すぎて美味しくなく、また、その比重範囲を超えると離水が生じて水っぽい食感となるので、好ましくない。また、一般生菌数が1.0×10以上であると、菌数過多となり、衛生面で好ましくない。なお、千切り大根の比重は、100mlメスシリンダーに50mlの水を入れ、約10gの千切り大根を沈めたときに増加した体積を測定し、その増加体積を重量(水増加体積換算重量)に換算し、沈めた千切り大根の重量を水増加体積換算重量で割ることにより算出することができる。一般生菌数は食品衛生検査指針に従って測定可能である。
以上説明した本発明の製造方法に得られたカット野菜、例えば千切り大根は、野菜の種類や販売形態に応じて、容器、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂製の袋容器や、ポリエステル等の熱可塑性樹脂製のカップ容器やボール型容器に詰めて冷蔵保存することが好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1(千切り大根の製造)
葉がカットされた皮付き大根を水洗した後、ピーラーで皮を剥き、厚さ8cmの輪切りにプレカットした。得られたプレカット大根125gを、水温4℃の200ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液2kgに10分間浸漬して殺菌処理(第1殺菌処理)を行った。この殺菌処理を施したプレカット大根を1.5分間水洗し、その後に千切りスライサー(MG200、エムラ社)でカットし、太さ約2mmの千切り大根を製造した。得られた千切り大根の全てを、水温4℃の200ppmの亜塩素酸ナトリウム水溶液2kgに3分間浸漬して再度殺菌処理(第2殺菌処理)を行い、更に、1.5分間水洗し、遠心脱水機(DT−2S、大栄製作所)で1100rpmで2分間という条件で遠心脱水処理し、千切り大根を100g得た。
得られた大根100gを、厚さ40μmの延伸ポリプロピレン製袋に入れ、窒素置換し、更に袋の開口部をヒートシールし、10℃で冷蔵保存した。
実施例2(千切り大根の製造)
葉がカットされた皮付き大根を水洗した後、ピーラーで皮を剥き、丸ごと(1.2kg)、水温4℃の200ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液2kgに10分間浸漬して殺菌処理(初期殺菌処理)を行った。初期殺菌処理された皮むき大根を、厚さ8cmの輪切りにプレカットした。得られたプレカット大根125gを、水温4℃の200ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液2kgに10分間浸漬して再度殺菌処理(第1殺菌処理)を行った。この殺菌処理を施したプレカット大根を1.5分間水洗し、その後に千切りスライサー(HG200、エムラ社)でカットし、太さ約2mmの千切り大根を製造した。得られた千切り大根の全てを、水温4℃の200ppmの亜塩素酸ナトリウム水溶液2kgに3分間浸漬して再々度殺菌処理(第2殺菌処理)を行い、更に、1.5分間水洗し、遠心脱水機(DT−2S、大栄製作所)で1100rpmで2分間という条件で遠心脱水処理し、千切り大根を100g得た。
得られた大根100gを、厚さ40μmの延伸ポリプロピレン製袋に入れ、窒素置換し、更に袋の開口部をヒートシールし、10℃で冷蔵保存した。
実施例3(千切り大根の製造)
葉がカットされた皮付き大根を水洗した後、ピーラーで皮を剥き、丸ごと(1.2kg)、水温4℃の200ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液2kgに10分間浸漬して殺菌処理(初期殺菌処理)を行った。この殺菌処理された皮むき大根を、1.5分間水洗し、厚さ8cmの輪切りにプレカットした。得られたプレカット大根125gを、殺菌処理することなく千切りスライサー(MG200、エムラ社)でカットし、太さ約2mmの千切り大根を製造した。得られた千切り大根の全てを、水温4℃の200ppmの亜塩素酸ナトリウム水溶液2kgに3分間浸漬し、第2殺菌処理を行い、更に、1.5分間水洗し、遠心脱水機(DT−2S、大栄製作所)で1100rpmで2分間という条件で遠心脱水処理し、千切り大根を100g得た。
得られた大根100gを、厚さ40μmの延伸ポリプロピレン製袋に入れ、窒素置換し、更に袋の開口部をヒートシールし、10℃で冷蔵保存した。
比較例1(千切り大根の製造)
葉がカットされた皮付き大根を水洗した後、ピーラーで皮を剥き、厚さ8cmの輪切りにプレカットした。得られたプレカット大根125gを、殺菌処理することなく1.5分間水洗し、その後に千切りスライサー(MG200、エムラ社)でカットし、太さ約2mmの千切り大根を製造した。得られた千切り大根の全てを、水温4℃の200ppmの亜塩素酸ナトリウム水溶液2kgに3分間浸漬して殺菌処理を行い、更に、1.5分間水洗し、遠心脱水機(DT−2S、大栄製作所)で1100rpmで2分間という条件で遠心脱水処理し、千切り大根を100g得た。
得られた千切り大根100gを、厚さ40μmの延伸ポリプロピレン製袋に入れ、窒素置換し、更に袋の開口部をヒートシールし、10℃で冷蔵保存した。
比較例2(千切り大根の製造)
葉を取り去った皮付き大根を水洗した後、ピーラーで皮を剥き、厚さ8cmの輪切りにプレカットした。得られたプレカット大根125gを殺菌処理することなく1.5分間水洗し、その後に千切りスライサー(MG200、エムラ社)でカットし、太さ約2mmの千切り大根を製造した。得られた千切り大根の全てを、次亜塩素酸ナトリウムと亜塩素酸ナトリウムとをそれぞれ100ppmの濃度で含有する、水温4℃の混合殺菌剤水溶液2kgに3分間浸漬して殺菌処理を行い、更に、1.5分間水洗し、遠心脱水機(DT−2S、大栄製作所)で1100rpmで2分間という条件で遠心脱水処理し、千切り大根を100g得た。
得られた大根100gを、厚さ40μmの延伸ポリプロピレン製袋に入れ、窒素置換し、更に袋の開口部をヒートシールし、10℃で冷蔵保存した。
<評価>
各実施例及び比較例で得られた千切り大根について、千切りスライサーでカットした直後(カット後)のもの、延伸ポリプロピレン製袋に入れる直前(処理直後)のもの、延伸ポリプロピレン製袋に入れた後、恒温槽(10℃)中で48時間または96時間経過したものに対して、それぞれ一般生菌数(SPC)と大腸菌群(ECG)を食品衛生検査指針に従って2回ずつ調べた。得られた結果を表1に示し、図1Aと図1Bにそれぞれ2回の値の平均値をプロットした。
また、各実施例及び比較例で得られた千切り大根について、延伸ポリプロピレン製袋に入れた後96時間経過した時点での外観を目視評価した。評価者である一般主婦10人のうち、褐変したと評価した人数が0人である場合を「◎」、1又は2人である場合を「○」、3人〜5人である場合を「△」、6人以上である場合を「×」とランク分けし、その結果を表1に示す。
また、各実施例及び比較例で得られた袋入りの千切り大根を、袋に入れたまま恒温槽(10℃)中で72時間保存し、保存後の袋から取り出し、直ちに比重を測定し、併せて千切り大根の食感を官能評価した。比重は、100mlメスシリンダーに50mlの水を入れ、約10gの千切り大根を沈めたときに増加した体積を測定し、その増加体積を重量(水増加体積換算重量)に換算し、沈めた千切り大根の重量を水増加体積換算重量で割ることにより算出した。また、官能評価は、評価者である一般主婦10人のうち、千切り大根の製造直後の食感と同様の食感であると評価した人数が10人である場合を「◎」、9又は8人である場合を「○」、5人〜7人である場合を「△」、4人以下である場合を「×」とランク分けし、その結果を表1に示す。
また、各実施例及び比較例で得られた袋入りの千切り大根を、袋に入れたまま恒温槽(10℃)中で72時間保存した際の保存前後の色差を分光測光計(CM−508d、ミノルタ社)で測定した。得られた結果を表1に示す。色差(ΔL値)が70以上であることが望まれる。










Figure 2006061069
表1に示された結果から、大根を千切りした後だけ次亜塩素酸塩を含有する殺菌剤水溶液で処理した場合(比較例2)には、細菌の発生を抑制する効果は十分なものであるが、褐変するために外観上問題があり、結果的に保存性に問題があることがわかる。また、大根を千切りした後だけ亜塩素酸塩水溶液で処理した場合(比較例1)には、外観的にも問題がないが、一般生菌数も大腸菌群も保存経過につれて無視できないレベルで増大しており、保存性に問題があることがわかる。更に保存すると、菌の繁殖により外観にも問題が生ずることが予想される。
一方、大根を千切りする前に次亜塩素酸塩で処理し、千切りした後に亜塩素酸塩で処理した各実施例の千切り大根は、一般生菌数、大腸菌群、外観の各試験項目について、いずれも好ましい結果を示していることが分かる。特に、実施例1の操作に更に初期殺菌処理を付け加えた実施例2の場合には、細菌の繁殖がいっそう抑制されていることがわかる。しかも、所定の保存後の比重が0.80〜1.00の範囲に入っているので、保存後でも良好な食感が維持されていることがわかる。
実施例4
千切り大根の10℃で48時間保存後の比重と一般生菌数とが、官能評価に与える影響を調べるために実験例4a〜4lを行い、実施例1の場合と同様に、保存後の比重と色差(ΔL値)と48時間後の一般生菌数を測定し、更に官能検査を行った。得られた結果を表2に示す。ここで、色差(ΔL値)は、保存前と後の切り干し大根を分光測色計(CM−508d、ミノルタ社)で測定して得た値であり、それらの色差(ΔL値)が70以下となると白さが失われていると判断できる。なお、各実験例で使用した千切り大根(太さ3mm)の内容は以下の通りである。但し、実験例4dおよび4fの千切り大根の比重、色差については、調製直後の値である。
実験例4a: 比較例2の操作を繰り返して得た、ポリプロピレン製袋入り千切り大根
実験例4b: A社製造の市販の容器入り千切り大根(表示された製造年月日から一日経過したもの)
実験例4c: D社製造の市販の容器入り千切り大根(表示された製造年月日から一日経過したもの)
実験例4d: 殺菌処理をせずに調製した千切り大根(大根をプレカットし、更に千切りカットし、6分間水洗し、ざるに引き上げたもの(一般家庭で調製した千切り大根に相当))
実験例4e: 実験例4dの千切り大根をポリプロピレン製袋に詰めて得た、ポリプロピレン製袋入り千切り大根
実験例4f: 実験例4dの千切り大根を1100rpmで2分間遠心脱水したものをポリプロピレン製袋に詰めて得た、ポリプロピレン製袋入り千切り大根
実験例4g: B社製造の市販の容器入り千切り大根(表示された製造年月日から一日経過したもの)
実験例4h: F社製造の市販の容器入り千切り大根(表示された製造年月日から一日経過したもの)
実験例4i: L社製造の市販の容器入り千切り大根(表示された製造年月日から一日経過したもの)
実験例4j: 実施例2の操作を繰り返して得た、ポリプロピレン製袋入り千切り大根
実験例4k: 最後の遠心脱水時間を5分とすること以外は、実施例2の操作を繰り返して得た、ポリプロピレン製袋入り千切り大根
実験例4l: 実施例2の操作を繰り返して得た千切り大根をポリプロピレン製カップに蓋をせずに充填したもの
Figure 2006061069
表2の結果から、10℃で48時間保存後に比重が0.8〜1.0で且つ一般生菌数が1.0×10未満の実験例4j、4kの千切り大根は、良好な官能評価結果を与え、いずれかが範囲を外れると好ましい官能評価を与えないことがわかる。実験例4eの48時間後の一般生菌数が非常に多いのは、千切り大根調製時に殺菌処理を施していないからである。なお、実験例4lの千切り大根は、過度に乾燥しており、フレッシュサラダ用途には
使用できないものであった。
実施例5(カットレタスの製造)
水洗したレタス玉の根元をカットして葉をばらし、ばらした葉104gを、水温4℃の200ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液2kgに10分間浸漬して殺菌処理(第1殺菌処理)を行った。この殺菌処理を施したレタス葉を5分間水洗し、その後、包丁でカットし、約5cm角のカットレタスを製造した。得られたカットレタスの全てを、水温4℃の200ppmの亜塩素酸ナトリウム水溶液2kgに3分間浸漬して再度殺菌処理(第2殺菌処理)を行い、更に、5分間水洗し、遠心脱水機(DT−2S、大栄製作所)で1100rpmで2分間という条件で遠心脱水処理し、カットレタスを100g得た。
得られたカットレタス100gを、厚さ40μmの延伸ポリプロピレン製袋に入れ、窒素置換し、更に袋の開口部をヒートシールし、10℃で冷蔵保存した。
比較例3(カットレタスの製造)
水洗したレタス玉の根元をカットして葉をばらし、ばらした葉104gを、殺菌処理することなく、5分間水洗し、その後、包丁でカットし、約5cm角のカットレタスを製造した。得られたカットレタスの全てを、次亜塩素酸ナトリウムと亜塩素酸ナトリウムとをそれぞれ100ppmの濃度で含有する、水温4℃の混合殺菌剤水溶液2kgに3分間浸漬して殺菌処理を行い、更に、1.5分間水洗し、遠心脱水機(DT−2S、大栄製作所)で1100rpmで2分間という条件で遠心脱水処理し、カットレタスを100g得た。
得られたカットレタス100gを、厚さ40μmの延伸ポリプロピレン製袋に入れ、窒素置換し、更に袋の開口部をヒートシールし、10℃で冷蔵保存した。
<評価>
実施例5及び比較例3で得られたカットレタスについて、包丁でカットした直後(カット後)のもの、延伸ポリプロピレン製袋に入れる直前(処理直後)のもの、延伸ポリプロピレン製袋に入れた後2日、4日、5日、6日、7日、8日、11日又は14日経過したものに対して、それぞれ一般生菌数(SPC)と大腸菌群(ECG)を食品衛生検査指針に従って2回ずつ調べた。得られた結果を表3に示し、図2Aと図2Bにそれぞれ2回の値の平均値をプロットした。

















Figure 2006061069
表3に示された結果から、レタスを喫食サイズにカットした後だけ次亜塩素酸塩を含有する殺菌剤水溶液で処理した比較例3のカットレタスに比べて、レタスを喫食サイズにカットする前に次亜塩素酸塩で処理し、喫食サイズにカットした後に亜塩素酸塩で処理した実施例4のカットレタスは一般生菌数、大腸菌群の各試験項目について、いずれも好ましい結果を示していることが分かる。
本発明のカット野菜の製造方法により得られるカット野菜、特に、千切り大根は、ダメージを受ける表面積が非常に狭いものであり、しかも十分に殺菌処理が施されているものとなるので、日持ちのするカット野菜となる。従って、家庭用あるいは業務用カット野菜として有用である。
千切り大根の保存時間に対する一般生菌数の関係図である。 千切り大根の保存時間に対する大腸菌群の関係図である カットレタスの保存時間に対する一般生菌数の関係図である。 カットレタスの保存時間に対する大腸菌群の関係図である

Claims (20)

  1. 喫食用サイズにカットしたカット野菜の製造方法であって、
    喫食用サイズにカットする前の野菜に対し第1の殺菌処理を行う第1殺菌工程、
    第1の殺菌処理された野菜を喫食用サイズにカットする野菜カット工程、及び
    喫食用サイズにカットした後の野菜に対し、第1の殺菌処理において使用した殺菌剤よりも弱い殺菌力を有する殺菌剤を使用して第2の殺菌処理を行う第2殺菌工程
    を有することを特徴とする製造方法。
  2. 第1殺菌工程における第1の殺菌処理が、喫食用サイズにカットする前の野菜を次亜塩素酸塩水溶液と接触させることである請求項1記載の製造方法。
  3. 次亜塩素酸塩水溶液中の次亜塩素酸塩濃度が、50〜500ppmである請求項2記載の製造方法。
  4. 第2殺菌工程における第2の殺菌処理が、喫食用サイズにカットされた野菜を亜塩素酸塩水溶液と接触させることである請求項1記載の製造方法。
  5. 亜塩素酸塩水溶液中の亜塩素酸塩濃度が、50〜400ppmである請求項4記載の製造方法。
  6. 更に、以下の野菜プレカット工程
    ホール野菜を、喫食用サイズにカットするのに適した大きさにプレカットする野菜プレカット工程
    を有し、この野菜プレカット工程で得られたプレカット野菜を、第1殺菌工程における喫食用サイズにカットする前の野菜として使用する請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 更に、以下の初期殺菌工程
    ホール野菜に対し初期殺菌処理を行う初期殺菌工程
    を有し、初期殺菌処理されたホール野菜を、野菜プレカット工程におけるホール野菜として使用する請求項6記載の製造方法。
  8. 少なくとも第2殺菌工程の後でカット野菜を水洗し水切りする請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のカット野菜を、熱可塑性樹脂からなる容器に収容してなるカット野菜製品。
  10. 千切り大根の製造方法であって、
    千切りする前の大根に対し第1の殺菌処理を行う第1殺菌工程、
    第1の殺菌処理された大根を千切りにする大根千切り工程、及び
    千切りされた大根に対し、第1の殺菌処理において使用した殺菌剤よりも弱い殺菌力を有する殺菌剤を使用して第2の殺菌処理を行う第2殺菌工程
    を有することを特徴とする製造方法。
  11. 第1殺菌工程における第1の殺菌処理が、千切りする前の大根を次亜塩素酸塩水溶液と接触させることである請求項10記載の製造方法。
  12. 次亜塩素酸塩水溶液中の次亜塩素酸塩濃度が50〜500ppmである請求項11記載の製造方法。
  13. 第2殺菌工程における第2の殺菌処理が、千切りされた大根を亜塩素酸塩水溶液と接触させることである請求項10記載の製造方法。
  14. 亜塩素酸塩水溶液中の亜塩素酸塩濃度が50〜400ppmである請求項13記載の製造方法。
  15. 更に、以下の大根プレカット工程
    ホール大根を、千切りするのに適した大きさにプレカットする大根プレカット工程
    を有し、この大根プレカット工程で得られたプレカット大根を、第1殺菌工程における千切りする前の大根として使用する請求項10〜14のいずれかに記載の製造方法。
  16. 更に、以下の初期殺菌工程
    ホール大根に対し初期殺菌処理を行う初期殺菌工程
    を有し、初期殺菌処理されたホール大根を、大根プレカット工程におけるホール大根として使用する請求項15記載の製造方法。
  17. 少なくとも第2殺菌工程の後で千切り大根を水洗し水切りする請求項10〜16のいずれかに記載の製造方法。
  18. 0〜10℃で48時間保存後の比重が0.80〜1.00であり、且つ一般生菌数が1.0×10未満である千切り大根。
  19. 請求項10〜17のいずれかの製造方法により製造された請求項18記載の千切り大根。
  20. 請求項10〜19のいずれかに記載の千切り大根を、熱可塑性樹脂からなる容器に収容してなる千切り大根製品。
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