JP7362238B2 - 千切りキャベツの一般生菌数低減方法、千切りキャベツの製造方法及び容器詰めサラダの製造方法 - Google Patents
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Description
図1が示すのは、本実施の形態に係る千切りキャベツの製造方法の流れである。本実施の形態に係る千切りキャベツの製造方法(以下、「本製法」という。)を構成するのは、殺菌(S10)、千切り(S20)、水晒し(S30)、脱水(S40)及び充填(S50)である。
キャベツを殺菌する目的は、一般的にはキャベツに付着する一般生菌数の低減である。さらに、本製法では、千切りキャベツへのダメージの低減である。千切りキャベツへのダメージの低減するために、殺菌は、千切り前に行う。その理由は、千切り前に殺菌を行うことで、殺菌液と接するキャベツの断面面積を低下させ、千切りキャベツへのダメージを低減することが可能となるからである。
キャベツを千切りして得られるのは、千切りキャベツである。キャベツを千切りにする手段は、公知の方法でよく、特に限定されないが、好ましくは、スライサーの使用である。千切りは、その切断部分に清水を注ぎながら行ってもよい。千切りキャベツの幅は、消費者の需要を満たしていればよく、特に限定されないが、好ましくは、0.2mm乃至5.0mmである。
千切りキャベツを水晒しする目的は、殺菌剤の除去である。水晒しの手段は、公知の方法でよく、特に限定されないが、好ましくは、水への浸漬である。水は、殺菌剤を除去させる効果を有していれば、特に限定されないが、例えば、水道水、井戸水、浄水等が挙げられる。尚、水道法施行規則(昭和32年12月14日厚生省令第45号)で定められている、衛生上必要な措置のとられた水に含まれる塩素は、本工程における除去の対象にはあたらない。
千切りキャベツを脱水する目的は、品質劣化の抑制である。千切りキャベツに付着する水の一部又は全部を除くことで、千切りキャベツの品質劣化を抑えることができる。脱水の手段は、公知の方法でよく、特に限定されないが、好ましくは、遠心分離機の使用である。
千切りキャベツを容器に充填して得られるのは、容器詰め千切りキャベツである。千切りキャベツを充填する容器は、公知のものでよく、特に限定されないが、好ましくは、プラスチック製容器であり、例えば、プラスチック製の袋やカップ等が挙げられる。さらに、窒素ガス等の不活性ガスと共に充填してもよい。
本発明の容器詰めサラダは、少なくとも、本製法で製造した千切りキャベツを含む。千切りキャベツ以外に含まれる野菜は、サラダに用いることができるものであればよく、特に限定されないが、例示すると、ハクサイ、ダイコン、ニンジン、ミズナ、パプリカ、レタス、キュウリ、タマネギ、トマト、コーン、ホウレンソウ、ビート、サラダナ、ネギ、ニラ、アスパラガス、ブロッコリー、カリフラワー、シソ、ローズマリー、タイム、ペパーミントなどである。
市販のキャベツから汚れた外葉や芯などの非可食部を取り除き、約4等分にカットした。カットしたキャベツを有効塩素濃度250ppm、pH8.0、温度20度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液中に浸漬させ、殺菌を行った。殺菌の条件は、表1に記載の条件とした。殺菌水の振動を行った区分では、振幅は5mm、振動の周波数は、15Hzとした。殺菌におけるキャベツと次亜塩素酸ナトリウム水溶液との比率は、キャベツ1重量部に対し、次亜塩素酸ナトリウム水溶液4重量部とした。殺菌後のキャベツを、スライサーで、約2.0mmの幅に千切りした。千切り後、速やかに水晒しを行った。水晒しは、千切りキャベツ1重量部に対し20重量部の水で行った。水晒しの水は、温度10度の水道水を用いた。水晒しの時間は3分間とした。水晒し後の千切りキャベツを、400rpmで2分間、脱水処理を行った。脱水後の千切りキャベツを、プラスチック製の袋に充填し、10度の冷蔵庫で48時間保管した。保管後の千切りキャベツの一般生菌数を測定した。
本測定で採用したpHの測定器は、pH計(pH METER F-52 HORIBA社製)である。測定時の品温は、20度であった。
本測定で採用した有効塩素濃度の測定器は、ハンディ水質計(AQ-101、柴田科学株式会社製)である。当該機器で測定可能な濃度となるように、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を蒸留水で希釈し、希釈倍率から有効塩素濃度を算出した。
本測定で採用した一般生菌数の測定方法は、食品衛生検査指針(社団法人日本食品衛生協会、2004年)に準拠した方法で行った。
一般生菌数の低減量は、殺菌を行っていない対照区分(区分1)と比較して、何オーダーの一般生菌が低減したかを示した値である。具体的には、殺菌を行っていない対照区分(区分1)の一般生菌数の対数から殺菌を行った区分(区分2乃至区分6)の一般生菌数の対数を減じた値を算出したものである。
Claims (9)
- 千切りキャベツの一般生菌数低減方法であって、それを構成するのは、少なくとも、以下の工程である:
殺菌:ここで、殺菌されるのは、キャベツであり、
前記キャベツは、外葉や芯などの非可食部を取り除き約4等分にカットされたものであり、
千切り:ここで、千切りされるのは、殺菌されたキャベツであり、
前記殺菌の手段は、殺菌水へのキャベツの浸漬であり、
前記殺菌水は、振動しており、
かつ、前記振動の周波数は、15Hzであり、前記振動の振幅は、5mmであり、前記殺菌の時間は、5分間乃至10分間である。 - 千切りキャベツの一般生菌数低減方法であって、それを構成するのは、少なくとも、以下の工程である:
殺菌:ここで、殺菌されるのは、キャベツであり、
千切り:ここで、千切りされるのは、殺菌されたキャベツであり、
前記殺菌の手段は、殺菌水へのキャベツの浸漬であり、
前記殺菌水は、振動しており、
かつ、前記振動の周波数は、10乃至25Hzであり、これによって得られる千切りキャベツは、前記振動を行わなかった場合に比べ、一般生菌数の低減効果が得られている。 - 請求項1又は2の方法であって、
前記千切りの後に殺菌は行われない。 - 千切りキャベツの製造方法であって、それを構成するのは、少なくとも、以下の工程である:
殺菌:ここで、殺菌されるのは、キャベツであり、
前記キャベツは、外葉や芯などの非可食部を取り除き約4等分にカットされたものであり、
千切り:ここで、千切りされるのは、殺菌されたキャベツであり、
前記殺菌の手段は、殺菌水へのキャベツの浸漬であり、
前記殺菌水は、振動しており、
かつ、前記振動の周波数は、15Hzであり、
前記振動の振幅は、5mmであり、
前記殺菌の時間は、5分間乃至10分間である。 - 千切りキャベツの製造方法であって、それを構成するのは、少なくとも、以下の工程である:殺菌:ここで、殺菌されるのは、キャベツであり、千切り:ここで、千切りされるのは、殺菌されたキャベツであり、 前記殺菌の手段は、殺菌水へのキャベツの浸漬であり、 前記殺菌水は、振動しており、 かつ、前記振動の周波数は、10Hz乃至25Hzであり、これによって得られる千切りキャベツは、前記振動を行わなかった場合に比べ、一般生菌数の低減効果が得られている。
- 請求項4又は5の製造方法であって、
前記千切りの後に殺菌は行われない。 - 容器詰めサラダの製造方法であって、それを構成するのは、少なくとも、以下の工程である:
殺菌:ここで、殺菌されるのは、キャベツであり、
前記キャベツは、外葉や芯などの非可食部を取り除き約4等分にカットされたものであり、
千切り:ここで、千切りされるのは、殺菌されたキャベツであり、
配合:ここで、配合されるのは、少なくとも、千切りされたキャベツであり、
前記殺菌の手段は、殺菌水へのキャベツの浸漬であり、
前記殺菌水は、振動しており、
かつ、前記振動の周波数は、15Hzであり、
前記振動の振幅は、5mmであり、
前記殺菌の時間は、5分間乃至10分間である。 - 容器詰めサラダの製造方法であって、それを構成するのは、少なくとも、以下の工程である:殺菌:ここで、殺菌されるのは、キャベツであり、千切り:ここで、千切りされるのは、殺菌されたキャベツであり、配合:ここで、配合されるのは、少なくとも、千切りされたキャベツであり、前記殺菌の手段は、殺菌水へのキャベツの浸漬であり、前記殺菌水は、振動しており、 かつ、前記振動の周波数は、10Hz乃至25Hzであり、これによって得られる千切りキャベツは、前記振動を行わなかった場合に比べ、一般生菌数の低減効果が得られている。
- 請求項7又は8の製造方法であって、
前記千切りの後に殺菌は行われない。
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WO2012073840A1 (ja) | 2010-11-29 | 2012-06-07 | キユーピー 株式会社 | 千切りキャベツの製造方法 |
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