JP2006057079A - 硬化性ポリフェニレンエーテル、その製造方法及び用途 - Google Patents

硬化性ポリフェニレンエーテル、その製造方法及び用途 Download PDF

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Abstract

【課題】 電機・電子材料、特にソルダーレジスト材料として有用な、容易に架橋・硬化し、可撓性、耐熱性、誘電特性及び耐薬品性の少なくともひとつに優れた硬化物を与える硬化性ポリフェニレンエーテル及びその組成物を提供する。
【解決手段】 一般式(2)
【化1】
Figure 2006057079

(式中、R4及びR5、p、q、nは明細書に記載の通り。)
で示されるユニットを主要構造単位とし、同一分子内に一般式(1)
【化2】
Figure 2006057079

(式中、R1、R2及びR3は、明細書に記載の通り。)
で示されるエポキシ基、アリル基、アクリロイル基及びメタクリロイル基からなる群から選ばれる官能基を有し、架橋・硬化して、前記一般式(2)で示されるユニットのみからなるポリフェニレンエーテルに比べて耐熱性、誘電特性及び耐薬品性の少なくともひとつが優れている硬化物を与える硬化性ポリフェニレンエーテル。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規な硬化性ポリフェニレンエーテルに関する。さらに詳しく言えば、特にソルダーレジスト用途に適した、架橋硬化性官能基を有するポリフェニレンエーテル、その製造方法、そのポリフェニレンエーテルを含む硬化性樹脂組成物、その硬化性樹脂組成物の硬化物、及び用途に関するものである。
ポリフェニレンエーテルは耐熱性が高く、誘電特性に優れるため、電機・電子機器のプリント基板や絶縁封止剤等に適した材料であるが、一方でトリクロロエチレン等のハロゲン系溶剤、トルエン等の芳香族系溶剤に対する耐溶剤性が低いという欠点がある。そこで電子材料の用途においてはポリフェニレンエーテルを架橋、硬化させることにより誘電特性、高耐熱性を損なうことなく、耐薬品性を向上させている。
ポリフェニレンエーテルを架橋、硬化させる方法としては、例えば特開2003-138010号公報(特許文献1)に、1分子鎖あたり平均0.1個以上のエポキシ基を有し、重量平均分子量が1万以下であるエポキシ基を有するポリフェニレンエーテルが開示され、そのフェニレンエーテルの置換基としてアルキル基及びアミノアルキル基が例示されている。また、特開2003-012796号公報(特許文献2)には特定の2価フェノールと特定の1価フェノールを共重合して得られるポリフェニレンエーテルにエポキシ基を導入したものが記載されている。
しかし、アルキル置換基のみを有するフェニレンエーテルは、誘電特性、耐薬品性に加え、従来から使用されているアクリル系の材料に比べ耐熱性は良好であるものの、アルキル置換基の酸化が起こりやすく、フェニレンエーテル骨格が有する本来の耐熱性や難燃性を十分発揮できないという問題があり、さらには硬化性が不十分な場合もある。
一方、近年、チップ・オン・フィルム(COF)やシステム・オン・フィルム(SOF)等のフレキシブルプリント配線板(FPC)の使用量が増大しており、これらの分野では薄膜化やファインパターンの達成のために優れた絶縁特性及び耐熱性を有する絶縁性保護皮膜(ソルダーレジスト)用材料の出現が望まれている。
しかし、このような分野において上記のポリフェニレンエーテルを使用した場合、絶縁特性や耐熱性に優れるものの、剛性が高く、クラックの発生等の問題があり、FPC用のソルダーレジストなど、可撓性あるいは柔軟性が要求される用途への適用は困難であった。
特開2003−138010号公報 特開2003−012796号公報
従って、本発明は、プリント基板、絶縁封止剤等の電機・電子材料、特にソルダーレジスト材料として有用な、容易に架橋・硬化し、耐熱性、誘電特性及び耐薬品性に優れた硬化物を与えるポリフェニレンエーテルを提供することを目的とする。また、本発明は、FPC用ソルダーレジストなどに使用できる可撓性あるいは柔軟性を有する硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は上記状況に鑑み鋭意検討した結果、特定のフェノール化合物を重合して得られる比較的分子量の低いポリフェニレンエーテルの水酸基にエポキシ基等の官能基を導入したポリフェニレンエーテルが容易に架橋・硬化し、耐熱性、誘電特性及び耐薬品性に優れた硬化物を与え上記課題の解決に有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は以下の硬化性ポリフェニレンエーテル、その製造方法、硬化性樹脂組成物及びそれから得られる硬化物、及びそれらのソルダーレジスト用途に関する。
1. 一般式(2)
Figure 2006057079
(式中、R4及びR5は、それぞれ独立してハロゲン原子または炭素数1〜20の炭化水素基を表わし、pは0または1〜2の整数、qは0または1〜5の整数であり、pが2個、qが2個以上の場合に複数存在するR4及びR5は各々同一でも異なってもよく、nは2〜1000の整数である。)
で示されるユニットを主要構造単位とし、同一分子内に一般式(1)
Figure 2006057079
(式中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜20の炭化水素基を表わす。)
で示されるエポキシ基、アリル基、アクリロイル基及びメタクリロイル基からなる群から選ばれる官能基を有することを特徴とする硬化性ポリフェニレンエーテル。
2. 一般式(2)
Figure 2006057079
(式中の記号は前記1と同じ意味を表わす。)
で示されるユニットを主要構造単位とし、同一分子内に一般式(1)
Figure 2006057079
(式中の記号は前記1と同じ意味を表わす。)
で示されるエポキシ基、アリル基、アクリロイル基及びメタクリロイル基からなる群から選ばれる官能基を有し、架橋・硬化して、前記一般式(2)で示されるユニットのみからなるポリフェニレンエーテルに比べて耐熱性、誘電特性及び耐薬品性の少なくともひとつが優れている硬化物を与える前記1に記載の硬化性ポリフェニレンエーテル。
3. 前記官能基が、一般式(1)
Figure 2006057079
(式中の記号は前記1の記載と同じ意味を表わす。)
で示されるエポキシ基である前記1または2に記載の硬化性ポリフェニレンエーテル。
4. 一般式(3)
Figure 2006057079
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、p、q及びnは前記1の記載と同じ意味を表わし、R6はヘテロ原子を含んでいてもよい炭化水素基からなる二価の連結基である。)
で示される化学構造を有する前記1乃至3のいずれかに記載の硬化性ポリフェニレンエーテル。
5. 一般式(4)
Figure 2006057079
(式中、R4、R5、p及びqは前記1の記載と同じ意味を表わし、X1は水素原子、メチル基、またはハロゲン原子を表わす。)
で示されるフェノール化合物を酸化重合して得られた重合体に一般式(1)
Figure 2006057079
(式中、R1、R2及びR3は前記1の記載と同じ意味を表わす。)
で示されるエポキシ基、アリル基、アクリロイル基、及びメタクリロイル基からなる群から選ばれる1種以上の官能基を導入して得られる前記1乃至4のいずれかに記載の硬化性ポリフェニレンエーテル。
6. 数平均分子量が、500〜20,000である前記1乃至5のいずれかに記載の硬化性ポリフェニレンエーテル。
7. エポキシ当量が300〜2,000である前記1乃至6のいずれかに記載の硬化性ポリフェニレンエーテル。
8. 一般式(4)
Figure 2006057079
(式中の記号は前記5の記載と同じ意味を表わす。)
で示されるフェノール化合物を遷移金属錯体触媒の存在下、酸化重合し、得られた重合体のフェノール性水酸基に、一般式(8)
Figure 2006057079
(式中、R1、R2及びR3は前記1の記載と同じ意味を表わし、R9及びR10は、各々独立して水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基を表わし、X2はハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、またはスルホニルオキシ基を表わす。)
で示されるエポキシ化合物を反応させることを特徴とする硬化性ポリフェニレンエーテルの製造方法。
9. 一般式(4)
Figure 2006057079
(式中の記号は前記5の記載と同じ意味を表わす。)
で示されるフェノール化合物を遷移金属錯体触媒の存在下、酸化重合し、得られた重合体のフェノール性水酸基に、アリル化合物を反応させることを特徴とする硬化性ポリフェニレンエーテルの製造方法。
10. 一般式(4)
Figure 2006057079
(式中の記号は前記5の記載と同じ意味を表わす。)
で示されるフェノール化合物を遷移金属錯体触媒の存在下、酸化重合し、得られた重合体のフェノール性水酸基に、アクリル酸ハロゲン化物、メタクリル酸ハロゲン化物、アクリル酸無水物、またはメタクリル酸無水物を反応させることを特徴とする硬化性ポリフェニレンエーテルの製造方法。
11. 前記1〜10のいずれかに記載の硬化性ポリフェニレンエーテル(A)と硬化剤(B)を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
12. さらに、他の硬化性樹脂(C)を含有する前記11記載の硬化性樹脂組成物。
13. さらに、可撓性付与剤(D)を含有する前記11または12に記載の硬化性樹脂組成物。
14. 前記11〜13のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
15. ソルダーレジスト用である前記1〜7のいずれかに記載の硬化性ポリフェニレンエーテル。
16. ソルダーレジスト用である前記11〜13のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
17. ソルダーレジスト用である前記14に記載の硬化物。
本発明の硬化性ポリフェニレンエーテルを架橋、硬化させることにより得られるポリフェニレンエーテルは耐熱性が高く、誘電特性あるいは耐薬品性に優れている。
本発明の硬化性ポリフェニレンエーテルは、容易に架橋・硬化し、得られる硬化物は優れた絶縁特性や耐熱性を有し、プリント基板、絶縁封止剤等の電機・電子材料、特にソルダーレジスト材料として有用である。
また本発明の硬化性ポリフェニレンエーテルと可撓性付与剤からなる組成物の硬化物は、折り曲げ時におけるクラックの発生が抑制され、特に可撓性あるいは柔軟性が要求される分野のプリント基板、絶縁封止剤等の電機・電子材料、特に柔軟なソルダーレジスト材料として有用である。
本発明の硬化性ポリフェニレンエーテルは、一般式(2)、
Figure 2006057079
(式中、R4及びR5は、それぞれ独立してハロゲン原子または炭素数1〜20の炭化水素基を表わし、pは0または1〜2の整数、qは0または1〜5の整数であり、pが2個、qが2個以上の場合に複数存在するR4及びR5は各々同一でも異なってもよく、nは2〜1000の整数である。)
で示されるユニットを主要構造単位とし、同一分子内に一般式(1)
Figure 2006057079
(式中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜20の炭化水素基を表わす。)
で示されるエポキシ基、アリル基、アクリロイル基及びメタクリロイル基からなる群から選ばれる官能基を1または2以上有し、架橋・硬化して、前記一般式(2)で示されるユニットのみからなるポリフェニレンエーテルに比べて耐熱性、誘電特性及び耐薬品性の少なくともひとつが優れている硬化物を与える硬化性ポリフェニレンエーテルである。
前記一般式(1)において、R1、R2及びR3は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜20の炭化水素基を表わす。
前記R1、R2及びR3に係るハロゲン原子としては、塩素、臭素、フッ素などが挙げられる。
前記R1、R2及びR3に係る炭素数1〜20の炭化水素の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基等の鎖状もしくは環状のアルキル基や、フェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアリールアルキル基などが例示される。これらのうち、水素原子、メチル基、またはフェニル基が好ましく、水素原子が特に好ましい。
前記官能基を2以上有する場合は、互いに同一でも異なっても良い。
前記一般式(2)において、pは0または1〜2の整数であり、0または1が好ましく、0が最も好ましい。またqは、0または1〜5の整数であり、0または1が好ましく、0が最も好ましい。
前記一般式(2)において、pまたはqが0でない場合、R4及びR5は、それぞれ独立してハロゲン原子及び炭素数1〜20の炭化水素基の中から選ばれ、互いに同一でもよく異なってもよい。
前記R4及びR5に係るハロゲン原子としては、塩素、臭素、フッ素などが挙げられる。
前記R4及びR5に係る炭素数1〜20の炭化水素の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基等の鎖状もしくは環状のアルキル基や、フェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアリールアルキル基などが例示される。これらのうちハロゲン原子またはフェニル基が好ましくフェニル基が最も好ましい。
前記一般式(2)におけるnは2〜1000の整数であり、好ましくは2〜100、さらに好ましくは2〜50、特に好ましくは2〜30の整数であり、最も好ましくは3〜20の整数である。nが2未満では硬化物とした場合の耐熱性が不十分となる。またレジスト等の組成物とした場合には、その粘度が低くなり、その塗工に支障をきたす場合がある。またnが1000を超えると溶剤に対する溶解性が低下したり、レジスト等の組成物への配合が困難となったりすることがある。
本発明のエポキシ基含有硬化性ポリフェニレンエーテルは、例えば一般式(3)、
Figure 2006057079
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、p、q及びnは前記1の記載と同じ意味を表わし、R6はヘテロ原子を含んでいてもよい炭化水素基からなる二価の連結基である。)で示される。
一般式(3)において、R1、R2、R3、R4、R5、p、q及びnは、前記一般式(1)及び(2)において定義したものと同じ意味を表わし、それぞれの好ましいものも前記一般式(1)及び(2)における場合と同じである。
一般式(3)において、R6は、ヘテロ原子を含んでいてもよい任意の炭化水素基からなる二価の連結基である。その具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基などのアルキレン基、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基などのアルキリデン基等の枝分かれしていてもよい脂肪族鎖状二価炭化水素基、シクロへキシレン基、フェニレン基などの脂肪族または芳香族環状二価炭化水素基が挙げられる。
前記一般式(3)におけるR6の他の例として一般式(5)
Figure 2006057079
で示される二価のメチレンフェニレン基、及び一般式(6)
Figure 2006057079
で示される二価のフェニレンエーテル基が挙げられる。
一般式(6)中、t及びuは、それぞれ独立して0または1〜4の整数である。
前記の「t+u」が2以上の場合に複数存在するR7は、それぞれ独立してフッ素、塩素、臭素原子、または炭素数1〜10の炭化水素基を表わす。炭素数1〜10の炭化水素基の好ましい具体例として、メチル基及びエチル基が挙げられる。
前記一般式(6)中のR8は、単結合、メチレン基などのアルキレン基、エチリデン基、イソプロピリデン基などのアルキリデン基等の枝分かれしていてもよい脂肪族鎖状二価炭化水素基、シクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基などの脂肪族環状二価炭化水素基、フルオレン−9−ジイル基などの芳香族環状二価炭化水素基、スルホニル基、硫黄原子、酸素原子等の二価の連結基を表わす。
これらR6の具体例のなかでも、一般式(6)で示されるフェニレンエーテル基及びメチレン基が好ましく、特にメチレン基が好ましい。
なお、本発明の硬化性ポリフェニレンエーテルは、比較的分子量の低いポリフェニレンエーテルに重合性官能基を導入し、架橋・硬化させて耐熱性、誘電特性及び耐薬品性に優れた硬化物を得るという本発明の趣旨を逸脱しない限り、前記以外の化学構造単位を有していてもよい。このような化学構造単位として、例えば一般式(4)で示されるフェノール化合物(例えば2−フェニルフェノール)と2,6−ジフェニルフェノール等との共重合体構造が挙げられる。
本発明の硬化性ポリフェニレンエーテルは、例えば次の方法によって製造することができる。
一般式(4)、
Figure 2006057079
(式中の記号は前記一般式(2)の定義と同じ意味を表わし、X1は水素原子、メチル基、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素原子の中から選ばれる。)で示されるフェノール化合物を重合させ、次いで得られたポリフェニレンエーテルに存在するフェノール性水酸基にエポキシ基等の重合硬化性官能基を導入することにより製造することができる。
4、R5、p、及びqの意味及び好ましい例は前記一般式(2)のとおりである。また、X1としては水素原子が好ましい。
本発明の硬化性ポリフェニレンエーテルの製造に使用される一般式(4)で示されるフェノール化合物の具体例としては、2−フェニルフェノール、5−メチル−2−フェニルフェノール、5−クロロ−2−フェニルフェノールなどの2−フェニルフェノール誘導体化合物が挙げられる。これらの中でも好ましいのは、2−フェニルフェノールである。
前記一般式(4)で示されるフェニルフェノール化合物は、例えば次の方法により重合させることができるが、これに限定されない。
通常は遷移金属錯体触媒の存在下、空気、酸素等の酸化剤の作用により重合させる。遷移金属錯体触媒としては、遷移金属を含む錯体触媒であれば特に限定はないが、有機配位子化合物を配位子とする第4〜11族遷移金属錯体触媒が好ましい。
これら遷移金属錯体の中でも、第一遷移元素系列の遷移金属錯体が好ましい。具体例としては、バナジウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅の錯体が挙げられ、特に好ましい遷移金属錯体は銅錯体である。遷移金属錯体の金属原子は、自然界に通常存在する価数のものを適宜選択して使用することができる。銅の場合は、例えば1価または2価の銅を用いることができる。これら遷移金属錯体は、遷移金属化合物と二座配位子化合物とを公知の方法により接触させて得ることができる。
このような遷移金属化合物としては遷移金属の塩類が好ましい。具体例として、遷移金属のハロゲン化物、硫酸塩、酢酸塩、安息香酸塩等が挙げられ、中でも遷移金属のハロゲン化物(塩素、臭素、ヨウ素化物等)が好ましく、特に1価銅の塩化物、臭化物が好ましい。
有機配位子化合物としては、配位原子が窒素原子、リン原子、酸素原子または硫黄原子である配位子化合物、あるいはη5 配位結合により遷移金属原子と結合するシクロペンタジエニル形アニオン骨格を有する基を有する配位子化合物が好ましく、さらに配位原子が窒素原子、リン原子、酸素原子または硫黄原子である化合物が好ましく、特に配位原子が窒素原子、リン原子、酸素原子または硫黄原子である二座配位子化合物が好ましい。
これら二座配位子化合物の具体例としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,2−エタンジチオール、1,3−プロパンジチオール、カテコール、ヒドロキシ酢酸、2−ヒドロキシプロピオン酸、2−ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ酢酸エチル、ヒドロキシアセトン、2−ケトプロピオン酸、2−ケト酪酸、2−ケトプロピオン酸エチル、アセチルアセトン、3−メチル−2,4−ペンタンジオン、アセチルアセトアルデヒド、2,4−ヘキサンジオン、2,4−ヘプタンジオン、5−メチル−2,4−ヘキサンジオン、5,5−ジメチル−2,4−ヘキサンジオン、ベンゾイルアセトン、ベンゾイルアセトフェノン、サリチルアルデヒド、1,1,1−トリフルオロアセチルアセトン、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン、3−メトキシ−2,4−ペンタンジオン、3−シアノ−2,4−ペンタンジオン、3−ニトロ−2,4−ペンタンジオン、3−クロロ−2,4−ペンタンジオン、アセト酢酸、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸アミド、マロン酸、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、サリチル酸、サリチル酸メチル、サリチル酸アミド、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、フェニルアラニン、モノエタノールアミン、3−アミノ−1−プロパノール、2−アミノ−1−プロパノール、1−アミノ−2−プロパノール、3−アミノ−2−ブタノール、3−アミノ−2,3−ジメチル−2−ブタノール、2−アミノ−1−シクロヘキサノール、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−プロピルエタノールアミン、N−ブチルエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、N−メチルプロパノールアミン、N−フェニルプロパノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N−サリシリデンメチルアミン、N−サリシリデンエチルアミン、N−サリシリデンプロピルアミン、N−サリシリデンブチルアミン、N−サリシリデンアニリン、4−(N−メチルイミノ)−2−ペンタノン、4−(N−エチルイミノ)−2−ペンタノン、4−(N−プロピルイミノ)−2−ペンタノン、4−(N−フェニルイミノ)−2−ペンタノン、2−(N−メチルイミノ)プロピオン酸、3−(N−メチルイミノ)プロピオン酸、3−(N−メチルイミノ)プロピオン酸エチル、2−(N−メチルイミノ)酪酸、2−(N−メチルイミノ)プロパノール、2,3−ブタンジオン、3,4−ヘキサンジオン、2,5−ジメチル−3,4−ヘキサンジオン、2,2−ジメチル−3,4−ヘキサンジオン、2,2,5,5−テトラメチル−3,4−ヘキサンジオン、1,2−シクロヘキサンジオン、2−(N−メチルイミノ)−3−ブタノン、2−(N−エチルイミノ)−3−ブタノン、2−(N−プロピルイミノ)−3−ブタノン、2−(N−ブチルイミノ)−3−ブタノン、2−(N−フェニルイミノ)−3−ブタノン、3−(N−メチルイミノ)−3−ヘキサノン、2−(N−メチルイミノ)−シクロヘキサノン、2−(N−メチルイミノ)−プロピオン酸メチル、2−(N−メチルイミノ)−酪酸エチル、エチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,2−フェニレンジアミン、2,2'−ビピリジル、N−メチルエチレンジアミン、N−エチルエチレンジアミン、N−n−プロピルエチレンジアミン、N−iso−プロピルエチレンジアミン、N−t−ブチルエチレンジアミン、N−フェニルエチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N'−ジメチルエチレンジアミン、N,N,N'−トリメチルエチレンジアミン、N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N',N'−テトラエチルエチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、2,3−ブタンジアミン、1,2−シクロヘキサンジアミン、1,2−シクロヘキセンジアミン、1,2−フェニレンジアミン等のジアミン化合物;2,3−ブタンジオキシム、2,4−ペンタンジオキシム等のジオキシム化合物;2,3−ビス(N−メチルイミノ)−ブタン、2,3−ビス(N−フェニルイミノ)−ブタン、1,3−ビス(N−メチルイミノ)−ブタン、2,4−ビス(N−メチルイミノ)−ペンタン等のジイミノ化合物等を挙げることができる。これらの中でも、ジアミン化合物が好ましく、エチレンジアミン、N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N',N'−テトラエチルエチレンジアミン、1,3−プロパンジアミンがさらに好ましい。
これら二座配位子化合物の使用量は一般的に遷移金属化合物に対して0.01〜50当量であり、0.1〜10当量がさらに好ましい。
前記遷移金属錯体触媒の使用量は、一般に重合すべきフェニルフェノール化合物に対し遷移金属原子相当の量として0.01〜50モル%が好ましく、0.02〜10モル%がさらに好ましい。本発明においては、触媒は1種を単独で、または2種以上を混合して使用することができる。また、硫酸マグネシウム等の乾燥剤を併用することも有効である。
フェニルフェノール化合物の酸化重合に用いる酸化剤は、公知の任意のものが使用できるが、酸素及びパーオキサイドが好ましい。酸素は不活性ガスとの混合物でもよく、空気を使用することもできる。パーオキサイドの例としては、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、過酢酸、過安息香酸等が挙げられる。
これら酸化剤の使用量に特に制限はない。酸素の場合は、重合すべき前記フェニルフェノール化合物に対して大過剰を使用する。パーオキサイドを用いる場合は、前記フェニルフェノール化合物に対して通常、当量〜3当量を使用するが、当量〜2当量が好ましい。
フェニルフェノール化合物の重合では、任意の溶媒を使用することができる。具体的には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール等のアルコール類;ベンゼン、ナフタレン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロナフタレン、ニトロベンゼン、メトキシベンゼン、ジメトキシベンゼン、ベンゾニトリル等の芳香族炭化水素類;ニトロメタン、ニトロエタン等のニトロ化合物類;ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル化合物類;クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の鎖状及び環状の脂肪族炭化水素類等が挙げられる。これらの中でも非水溶性の溶媒が好ましく、芳香族炭化水素類がさらに好ましい。これらは1種単独で、あるいは2種以上の混合物が使用される。
重合時におけるフェニルフェノール化合物の濃度に特に制限はないが、通常、反応系内におけるフェニルフェノール化合物の濃度が5〜70質量%、より好ましくは10〜50質量%になる範囲で重合が行われる。また重合温度は、通常0〜200℃であり、好ましくは10〜100℃、より好ましくは20〜80℃である。
なお、前記一般式(4)で示されるフェニルフェノール化合物の重合においては、比較的分子量の低いポリフェニレンエーテルに存在するフェノール性水酸基に重合硬化性官能基を導入し、架橋・硬化させて耐熱性、誘電特性及び耐薬品性に優れた硬化物を得るという本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、一般式(4)以外のフェニルフェノール化合物、例えば、2,6−ジフェニルフェノール等を共重合成分として共重合させることもできる。このようにして得られる一般式(4)以外のフェニルフェノール化合物成分を含む硬化性ポリフェニレンエーテルも、本発明の硬化性ポリフェニレンエーテルに含まれる。
また、本発明の硬化性ポリフェニレンエーテルは、一般式(4)で示されるフェノール化合物を重合させ、末端水酸基を重合硬化性の基でエーテル化して得られる一般式(2)で示される化学構造を有するパラフェニレンエーテル成分を主要成分とするが、硬化性ポリフェニレンエーテルの製造工程において付随して生成するマイナー成分、例えばオルトフェニレンエーテル成分、及び置換基であるフェニル基の水素原子部分で酸化反応が起こるビフェニレンエーテル成分を含むものも本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、本発明の硬化性ポリフェニレンエーテルに含まれる。
さらに、一般式(4)で示される範囲外の、例えば3−フェニルフェノール、6−メチル−3−フェニルフェノール、6−クロロ−3−フェニルフェノール等の3−フェニルフェノール化合物のような、フェニル基の置換位置や数が異なるフェニルフェノール化合物が酸化重合し、そのフェノール性水酸基を重合硬化性の基でエーテル化して得られる硬化性ポリフェニレンエーテルを含むものも本発明の趣旨を逸脱しない限り、本発明の硬化性ポリフェニレンエーテルに含まれる。
本発明の硬化性ポリフェニレンエーテルは上記のフェニルフェノール化合物の酸化重合体(ポリフェニレンエーテル)の主としてその末端に存在するフェノール性水酸基をエーテル化する公知の方法により、エポキシ基、アリル基、アクリロイル基及びメタクリロイル基からなる群の中から選ばれる1種以上の重合硬化性の官能基を導入することによって製造することができる。
以下、これら重合硬化性官能基の導入方法について具体的に説明する。
(1)エポキシ基の導入
前記フェニルフェノール化合物の重合体(ポリフェニレンエーテル)へのエポキシ基の導入は、例えば前記フェニルフェノール化合物の重合体に含有されるフェノール性水酸基に対し、一般式(8)で示されるエポキシ化合物を反応させることにより行われる。
Figure 2006057079
上記式中、R1、R2及びR3は前記一般式(1)で定義のとおりであり、R9及びR10は、各々独立して、水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基を表わし、X2は、塩素、臭素、フッ素等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基;メタンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ等のスルホニルオキシ基を表わす。
前記一般式(8)で示されるエポキシ化合物の具体例としては、クロロメチルオキシラン、ブロモメチルオキシラン、メタンスルホニルオキシメチルオキシラン、p−トルエンスルホニルオキシメチルオキシラン等が挙げられ、クロロメチルオキシランが好ましい。
前記一般式(4)で示されるフェニルフェノール化合物の重合体(ポリフェニレンエーテル)と、前記一般式(8)で示されるエポキシ化合物との反応は、無溶媒または任意の溶媒中において、好ましくは塩基の存在下、0〜200℃の温度で行うことができる。ここで使用される塩基としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、リチウムメトキシド、リチウムエトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシドなどが挙げられる。
(2)アリル基の導入
前記一般式(4)で示されるフェニルフェノール化合物の重合体(ポリフェニレンエーテル)へのアリル基の導入は、例えば前記重合体の、好ましくはその末端のフェノール性水酸基に対し、塩化アリル、臭化アリル、メタンスルホン酸アリル、p−トルエンスルホン酸アリル等のアリル化合物を反応させることにより行われる。この反応は、無溶媒または任意の溶媒中において、好ましくは塩基の存在下、0〜200℃の温度で行うことができる。ここで使用される塩基としては、前記エポキシ化合物を反応させる場合と同じものが挙げられる。
(3)アクリロイル基及びメタクリロイル基の導入
前記一般式(4)で示されるフェニルフェノール化合物の重合体(ポリフェニレンエーテル)へのアクリロイル基及びメタクリロイル基の導入は、例えば前記重合体の、好ましくはその末端のフェノール性水酸基に対し、塩化アクリロイル、臭化アクリロイル、塩化メタクリロイル、臭化メタクリロイル等のアクリル酸ハロゲン化物またはメタクリル酸ハロゲン化物や、アクリル酸無水物、メタクリル酸無水物等の酸無水物を反応させることにより行われる。この反応は、無溶媒または任意の溶媒中において、0〜200℃の温度で行うことができる。
上記の方法で得られる本発明の硬化性ポリフェニレンエーテルは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと記すことがある。)により測定した数平均分子量が通常500〜20,000、好ましくは1,000〜12,000、さらに好ましくは1,000〜8,000、最も好ましくは1,000〜5,000である。数平均分子量が上記範囲未満である場合には、レジスト等の組成物とした場合の塗工性が低下することがある。また数平均分子量が上記範囲を超えると、レジスト等の組成物とした場合の塗工性が低下したり、あるいは溶剤への溶解性が低下することがある。
また、本発明の硬化性ポリフェニレンエーテルが重合して硬化する官能基としてエポキシ基を有する場合、そのエポキシ当量は耐熱性と硬化性のバランスが特に良好となる、300〜2,000が好ましく、特に500〜1,000が好ましい。
次に、上記本発明の硬化性ポリフェニレンエーテルを含有する硬化性樹脂組成物について説明する。
(1)本発明の硬化性樹脂組成物の第1の態様は、前記硬化性ポリフェニレンエーテル(A)及びエポキシ樹脂硬化剤(B)を含む。
ここで使用されるエポキシ樹脂硬化剤(B)としては、公知の硬化剤類または硬化促進剤類の制限なく使用することが可能である。好ましくは、(b−1)窒素含有化合物、(b−2)多価カルボン酸または多価カルボン酸無水物、(b−3)多価フェノール化合物、(b−4)有機リン化合物、(b−5)有機金属化合物、及び(b−6)スルホニウム塩化合物及び/またはヨードニウム塩化合物が挙げられる。これらエポキシ樹脂硬化剤(B)は、2種以上の化合物を混合して使用してもよい。
(b−1)窒素含有化合物
本発明で使用するエポキシ樹脂硬化剤の窒素含有化合物は、少なくとも1以上の炭素−窒素結合を有する化合物である。好ましくは、アミン類、窒素含有複素環化合物、アンモニウム塩、及びポリアミド類が挙げられる。アミン類としては、脂肪族及び芳香族の第一、第二、第三級アミンが挙げられる。なおここで芳香族アミンとは、ベンゼン環等の炭素のみからなる芳香族環にアミノ基が直接結合した構造を有するアミンをいう。
脂肪族アミンのうち第一級または第二級アミンの例としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、トリエチレンテトラミン、ジメチルアミノプロピルアミン、メンセンジアミン、N−アミノエチルエタノールアミン、ポリエチレングリコールビス(2−アミノエチル)エーテル、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、1,3,6−トリスアミノメチルヘキサン、m−キシリレンジアミン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)スピロ−2,4,8,10−テトラオキサウンデカン等が挙げられる。
脂肪族アミンのうち第三級アミンの例としては、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルオクチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノフェノール)、N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン等が挙げられる。
芳香族アミンの例としてはメタフェニレンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ジアミノジフェニルスルフォン、m−アミノフェノール等が挙げられる。
またアミン類の他の例としては、テトラメチルグアニジン、ジシアンジアミド、尿素、尿素誘導体、多塩基ヒドラジド等のポリアミン類;これらの有機酸塩及び/またはエポキシアダクト;三フッ化ホウ素のアミン錯体等が例示される。
窒素含有複素環化合物としては、ピリジン、ピコリン、ルチジン等のピリジン類;イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、N−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウム・トリメリテート、2−メチルイミダゾリウム・イソシアヌレート等のイミダゾール類;N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等のモルホリン類;1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エンなどが例示される。
また、窒素含有複素環化合物の他の例としてトリアジン化合物が挙げられる。具体的にはメラミン、N−エチレンメラミン、N,N',N''−トリフェニルメラミン、ヘキサ(N−メチル)メラミン等のメラミン類;、エチルジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−S−トリアジン,2,4−ジアミノ−6−キシリル−S−トリアジン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等のグアナミン類;シアヌル酸、イソシアヌル酸、トリメチルシアヌレート、トリスメチルイソシアヌレート、トリエチルシアヌレート、トリスエチルイソシアヌレート、トリ(n−プロピル)シアヌレート、トリス(n−プロピル)イソシアヌレート、ジエチルシアヌレート、N,N'−ジエチルイソシアヌレート、メチルシアヌレート、メチルイソシアヌレート等のシアヌル酸類が挙げられる。
アンモニウム塩としては、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、オクチルトリメチルアンモニウムクロライド、デシルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラデシルトリメチルアンモニウムクロライド、フェニルトリブチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、オクチルトリメチルアンモニウムブロマイド、デシルトリメチルアンモニウムブロマイド、テトラデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、フェニルトリブチルアンモニウムブロマイド等の第4級アンモニウム塩類が例示される。
ポリアミド類としては、ダイマー酸にジエチレントリアミンやトリエチレンテトラアミン等のポリアミンを縮合反応させて得られる第一及び第二アミノ基を有するポリアミノアミドが挙げられる。
(b−2)多価カルボン酸または多価カルボン酸無水物
本発明で使用するエポキシ樹脂硬化剤の多価カルボン酸または多価カルボン酸無水物は、1分子中に2以上のカルボキシル基を有する化合物またはその無水物であり、具体的には、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールトリス(アンヒドロトリメリテート)等の芳香族多価カルボン酸及びこれらの無水物、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ポリアジピン酸無水物、クロレンド酸無水物、テトラブロム無水フタル酸等が挙げられる。
(b−3)多価フェノール化合物
本発明で使用されるエポキシ樹脂硬化剤としての多価フェノール化合物は、1分子中に2以上のフェノール性水酸基を有する化合物であり、具体的には、ポリビニルフェノール、臭素化ポリビニルフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4'−ビフェノール、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエンとフェノールの縮合反応物であるジシクロペンタジエン型フェノール樹脂等が例示される。
(b−4)有機リン化合物
本発明で使用されるエポキシ樹脂硬化剤としての有機リン化合物は、少なくとも1以上の炭素−リン結合を有する化合物であり、ホスフィン、ホスホニウム塩などが例示される。より具体的には、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス−2−シアノエチルホスフィン等の有機ホスフィン類;トリ−n−ブチル(2,5−ジヒドロキシフェニル)ホスホニウムブロマイド、ヘキサデシルトリブチルホスホニウムクロライド等のホスホニウム塩類が例示される。
(b−5)有機金属化合物
本発明で使用されるエポキシ樹脂硬化剤としての有機金属化合物は、エポキシ樹脂を硬化させる機能を有する任意の金属化合物であり、有機酸金属塩、1,3−ジケトン金属錯塩、金属アルコキシド等が挙げられる。より具体的には、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエート、2−エチルヘキサン酸亜鉛等の有機酸金属塩、ニッケルアセチルアセトナート、亜鉛アセチルアセトナート等の1,3−ジケトン金属錯塩、チタンテトラブトキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、アルミニウムブトキシド等の金属アルコキシドが挙げられる。
(b−6)スルホニウム塩化合物及び/またはヨードニウム塩化合物
本発明で使用されるエポキシ樹脂硬化剤としてのスルホニウム塩化合物は、1分子中に1以上のスルホニウムカチオンを有する化合物であり、ヨードニウム塩化合物は、1分子中に1以上のヨードニウムカチオンを有する化合物である。これらの具体例としては、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボロエート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、2,4,6−トリフェニルチオピリリウムヘキサフルオロホスフェート等が例示される。
これらエポキシ樹脂硬化剤(B)の使用量は、その目的を達成できる範囲で任意の量使用されるが、通常、本発明のエポキシ基含有硬化性ポリフェニレンエーテル100質量部に対して、0.001〜200質量部であり、好ましくは0.01〜25質量部、特に好ましくは0.1〜15質量部である
(2)本発明の硬化性樹脂組成物の第2の態様は、例えばエポキシ基含有硬化性ポリフェニレンエーテル等の前記硬化性ポリフェニレンエーテル(A)、エポキシ樹脂硬化剤(B)、及び硬化性樹脂(C)を含む硬化性樹脂組成物である。
ここで使用される(C)成分の硬化性樹脂は、熱硬化または光硬化が可能な任意の樹脂であり、好ましくはエポキシ樹脂である。エポキシ樹脂としては、一分子中に2個以上のエポキシ基を含有するものを一種もしくは2種以上組み合わせて用いる。代表例としては、フェノール類またはアルコール類とクロロメチルオキシランとの反応によって得られるビスフェノールAグリシジルエーテルエポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールAグリシジルエーテルエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂等のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、カルボン酸類とクロロメチルオキシランとの反応によって得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂、アミン類またはシアヌル酸とクロロメチルオキシランとの反応によって得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、二重結合の酸化によって得られる内部エポキシ樹脂等が挙げられる〔これらの詳細については、例えば、新保正樹編「エポキシ樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞社1987発行)を参照〕。
本発明の硬化性樹脂組成物の第2の態様において、(C)成分の硬化性樹脂の使用量は、例えばエポキシ基含有硬化性ポリフェニレンエーテル等の前記硬化性ポリフェニレンエーテル(A)100質量部に対して通常1〜500質量部であり、好ましくは2〜200質量部、特に好ましくは5〜100質量部である。
(3)本発明の硬化性樹脂組成物の第3の態様は、例えばエポキシ基含有硬化性ポリフェニレンエーテル等の前記硬化性ポリフェニレンエーテル(A)、エポキシ樹脂硬化剤(B)、及び可撓性付与剤(D)を含む硬化性樹脂組成物である。この第3の態様では前記(C)成分の硬化性樹脂を含んでいても良い。
本発明の第3の硬化性樹脂組成物の態様においては、可撓性付与剤(D)の存在により硬化性樹脂組成物の可撓性、柔軟性、または耐衝撃性が改善され、その結果フレキシブルプリント配線板のソルダーレジストとしての使用が容易となる。
本発明で使用される(D)成分の可撓性付与剤は、例えばエポキシ樹脂等の樹脂に可撓性を付与する化合物であり、(d−1)共役ジエン重合体または共重合体、(d−2)ポリウレタン化合物、(d−3)ポリアルキレングリコール化合物、(d−4)ポリカーボネート化合物、(d−5)ポリエステル化合物、(d−6)ポリアクリレートまたはポリメタクリレート化合物の中から選ばれる。これらは、非反応性の化合物及び反応性の化合物のいずれも使用することができるが、反応性の化合物を使用することが好ましい。さらに樹脂状のものまたはエラストマー状のもののいずれも使用できるが、好ましくはエラストマー状の化合物を使用することが好ましい。
(d−1)共役ジエン重合体または共重合体
本発明の(D)成分の可撓性付与剤として使用される共役ジエン重合体または共重合体(d−1)は、ブタジエン、イソプレン及びクロロプレン等の共役ジエン化合物を単独であるいは他の重合性化合物と共重合させたもの、及びこれらにさらに化学反応を施した化合物である。これらは複数を組み合わせて使用することもできる。
共役ジエン重合体または共重合体(d−1)の具体例としては、1,2−ポリブタジエン、1,4−ポリブタジエン、水酸基末端1,2−ポリブタジエン、水酸基末端1,4−ポリブタジエン、カルボキシル基末端1,2−ポリブタジエン、カルボキシル基末端1,4−ポリブタジエン、水酸基末端1,2−ポリブタジエンとビスフェノールAジグリシジルエーテルとの反応物、水酸基末端1,4−ポリブタジエンのグリシジル化物、1,2−ポリブタジエンまたは1,4−ポリブタジエンのエポキシ化物、及びこれらの水素添加物などの液状または固体状のポリブタジエン類;水酸基末端1,4−ポリイソプレン、無水マレイン酸変性1,4−ポリイソプレン、及びこれらの水素添加物などの液状または固体状のポリイソプレン;カルボキシル基末端ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、アミノ基末端ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、及びこれらの水素添加物などの液状または固体状のブタジエン−アクリロニトリル共重合体類;液状または固体状のブタジエン−スチレン共重合体、液状または固体状のイソプレン−スチレン共重合体及びこれらの水素添加物またはエポキシ化物;及びポリクロロプレン類などが挙げられる。
(d−2)ポリウレタン化合物
本発明の(D)成分の可撓性付与剤として使用されるポリウレタン化合物(d−2)は、1分子中に2以上のウレタン結合を有する化合物であり、ポリイソシアナートとポリオールとを任意の方法により反応させて得ることができる。これらは液状であってもよく、また固体状であってもよい。
ポリイソシアナートとしては、2,4−トルエンジイソシアナート、2,6−トルエンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、ジフェニルメチレンジイソシアナート、(o,m,またはp)−キシリレンジイソシアナート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、シクロヘキサン−1,3−ジメチレンジイソシアナート、シクロヘキサン−1,4−ジメチレレンジイソシアナート及び1,5−ナフタレンジイソシアナート等のジイソシナートが挙げられる。これらのポリイソシアナートは1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリオールの具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールや、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレングリコールなどが挙げられる。
(d−3)ポリアルキレングリコール化合物
本発明の(D)成分の可撓性付与剤として使用されるポリアルキレングリコール化合物(d−3)は、アルキレングリコールが2分子以上脱水縮合した構造を有するものであり、アルキレンオキサイドの開環重合などにより得られるものである。ポリアルキレングリコール(d−3)の具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール等が挙げられる。
(d−4)ポリカーボネート化合物
本発明の(D)成分の可撓性付与剤として使用されるポリカーボネート化合物(d−4)は、1分子中に2以上のカーボネート結合を有する化合物であり、ポリトリメチレンカーボネート、ポリテトラメチレンカーボネート、ポリペンタメチレンカーボネート、ポリプロピレンカーボネート、ポリ−2,2−ジメチル−1,3−プロピレンカーボネート、ポリー1,4−シクロヘキシレンカーボネート、ポリヘキサメチレンカーボネート、ポリ(シクロヘキサン−1,4−ジメチレン)カーボネート等が例示される。
(d−5)ポリエステル化合物
本発明の(D)成分の可撓性付与剤として使用されるポリエステル化合物(d−5)は、1分子中に2以上のエステル結合を有する化合物であり、例えばポリカルボン酸またはその誘導体とポリオールとの反応により得ることができる。ポリエステル化合物(d−5)の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイプシロンカプロラクトン、ポリカプロラクトンジオール等が挙げられる。
(d−6)ポリアクリレートまたはポリメタクリレート化合物
本発明の(D)成分の可撓性付与剤として使用されるポリアクリレートまたはポリメタクリレート化合物(d−6)は、アクリル酸及び/またはメタクリル酸エステルの単独重合体または共重合体であり、これら以外の成分が共重合されたものであってもよい。
アクリル酸及び/またはメタクリル酸エステルの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェニルカルビトール(メタ)アクリレート、ノニルフェニル(メタ)アクリレート、ノニルフェニルカルビトール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシ(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート、;2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−tert−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基を有する(メタ)アクリレート;メタクリロキシエチルフォスフェート、ビス・メタクリロキシエチルフォスフェート、メタクリロオキシエチルフェニールアシッドホスフェート(フェニール−P)等のリン原子を有するメタクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート;アリル(メタ)アクリレート;フェノキシエチルアクリレート等が挙げられる。
アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル以外の成分としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸などのカルボキシル基または酸無水物基を有する不飽和化合物やスチレン、ビニルトルエン等のビニル芳香族化合物が例示される。
本発明の硬化性樹脂組成物は、上記の各成分を通常の方法で混合することによって製造することができる。混合の方法には特に制限はなく、一部の成分を混合してから残りの成分を混合してもよく、または、すべての成分を一括で混合してもよい。また、組成物には、粘度調節などのために必要に応じて有機溶媒を添加して使用してもよい。粘度を調節することによって、ローラーコート、スピンコート、スクリーンコート、カーテンコートなどによる塗布性能が向上し、またスクリーン印刷等による印刷が容易になる。このような観点から有機溶媒の使用量は、組成物の粘度が100〜500,000mPa・s〔B型粘度計(Brookfield Viscometer)にて25℃で測定〕が好ましく、さらに500〜500,000mPa・sが好ましい。
ここで有機溶媒としては、エチルメチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;アセト酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶媒;カルビトールアセテート、メチルセロソルブアセテート等のセロソルブ系、カルビトール系及びそれらのエステル、エーテル誘導体の溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒;ジメチルスルホキシド;フェノール、クレゾール等のフェノール系溶媒;ニトロ化合物系溶媒;トルエン、キシレン、ヘキサメチルベンゼン、クメン芳香族系溶媒;テトラリン、デカリン、ジペンテン等の炭化水素からなる芳香族系または脂環族系等の溶媒等が挙げられる。これらは1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、本発明の硬化性組成物には必要に応じて、熱重合禁止剤、増粘剤、消泡剤、レベリング剤、密着性付与剤等の添加剤を添加することができる。
熱重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、tert−ブチルカテコール、ピロガロール、フェノチアジン等が挙げられる。
増粘剤としては、アスベスト、オルベン、ベントン、モンモリロナイト等が挙げられる。
消泡剤は、印刷、塗工時または硬化時に生じる泡を消すために用いられ、具体的には、アクリル系、シリコーン系等の界面活性剤が挙げられる。
レベリング剤は、印刷、塗工時に生じる皮膜表面の凹凸を失くすために用いられ、具体的には、アクリル系、シリコーン系等の界面活性剤が挙げられる。
密着性付与剤としては、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系、シランカップリング剤等が挙げられる。
また、その他の添加剤として、例えば保存安定性のために紫外線防止剤、可塑剤、流動調整剤などを、本発明の作用・効果を奏する範囲で添加することができる。
流動調整剤としては、例えば、無機または有機充填剤、ワックス、界面活性剤等が挙げられる。
無機充填剤の具体例としては、タルク、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、シリカ、アルミナ、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、珪酸塩化合物等が挙げられる。
有機充填剤の具体例としては、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、弗素樹脂等が挙げられる。
ワックスの具体例としては、ポリアミドワックス、酸化ポリエチレンワックス等が挙げられる。
界面活性剤の具体例としては、シリコーンオイル、高級脂肪酸エステル、アミド等が挙げられる。
これらの流動性調整剤は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の硬化性組成物は、基板上などに適当な厚みで塗布して熱硬化させることにより、硬化物とすることができる。塗膜の厚みは任意であるが、通常0.1μm〜200μmである。また硬化温度は、硬化剤の種類等を勘案して任意の温度で可能であるが、通常は室温〜300℃である。
本発明の硬化性ポリフェニレンエーテル及びそのポリフェニレンエーテルを含む硬化性組成物は、塗料、注型材料など様々な用途に使用できるが、特にプリント配線基板の絶縁保護被膜、多層プリント配線基板の層間の絶縁樹脂層あるいは封止剤としての使用に適している。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記の例において、ガラス転移温度及び熱分解温度は以下の方法により測定した。
1)ガラス転移温度の測定
理学電機株式会社製の示差走査型熱量計(DSC、商品名 Thermo Plus TG8230)により、空気中、昇温速度20℃/分で測定した。
2)熱分解温度の測定
理学電機株式会社製の熱重量測定計(TGA、商品名 Thermo Plus TG8120)により、空気中、昇温速度20℃/分で測定した。
実施例1
1)2−フェニルフェノールの重合
ジムロート及び空気導入管を取り付けた1リットルのセパラブルフラスコに2−フェニルフェノール204g、トルエン250mL及びテトラメチルエチレンジアミン1.16gを加え、撹拌しながら溶解させた。次いで撹拌しながら臭化第一銅(CuBr)0.99gを添加した。その後、空気導入管より反応混合物に空気を吹き込みながら60℃に加熱した。次いで無水硫酸マグネシウム30gを投入し16時間重合を行った。重合終了後、反応混合物に5質量%のエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩水溶液を200mL添加して撹拌した。この混合物を分液ロートに移して水層を除去し、油層を5質量%のエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩水溶液200mLで洗浄した。この洗浄を水層が着色しなくなるまで繰り返し、油層を飽和食塩水で洗浄した後、油層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。その後、油層から無水硫酸マグネシウムをろ過し、ろ液を撹拌した2リットルのメタノール中に滴下した。生成した析出物を吸引ろ過、メタノールで洗浄、風乾し、60℃で6時間減圧乾燥した。得られたポリフェニレンエーテルのIRスペクトルにより、フェノール性水酸基の吸収ピークの減少を確認した。得られたポリフェニレンエーテルのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと記すことがある。)により測定した数平均分子量及び重量平均分子量は、それぞれ2,950及び35,000であった。
2)ポリフェニレンエーテルへのエポキシ基導入
上記で得られたポリフェニレンエーテル40gをクロロメチルオキシラン360gに溶解させた溶液をマグネティックスターラーで撹拌しながら100℃に加熱した。次いでこの温度でナトリウムメトキシド3.1gをエタノール30gに溶解させた溶液を1時間かけて滴下し、そのまま6時間撹拌を行った。次いで反応物を室温まで冷却した後、析出した固体をろ過し、過剰のクロロメチルオキシランを減圧下で溜去した。得られた混合物を撹拌した1リットルのメタノール中に滴下入し、析出した固体を吸引ろ過、メタノール洗浄した後、60℃で6時間減圧乾燥した。得られたエポキシ基を有する硬化性ポリフェニレンエーテルのGPCにより測定した数平均分子量及び重量平均分子量は、それぞれ6,520及び38,000であった。またIRスペクトルによりエポキシ基に由来するピークの出現を確認し、塩酸−ピリジン法により測定したエポキシ当量は714であった。
3)エポキシ基を有する硬化性ポリフェニレンエーテルの硬化物調製
硬化性ポリフェニレンエーテル(A)として上記で得られたエポキシ基を有する硬化性ポリフェニレンエーテル1.0gをトルエン2.0gに溶解させた。この溶液にエポキシ樹脂硬化剤(B)として10質量%のm−キシリレンジアミン/トルエン溶液0.48gを加え均一な溶液とした。得られた溶液をポリイミドフィルム上にキャストし、室温で30分風乾した後、160℃で30分間硬化を行った。得られた硬化物のDSCにより測定したガラス転移温度は180℃であった。またTGAにより測定した500℃の重量減少率は、26質量%であった。
実施例2
実施例1において、2−フェニルフェノールの重合温度を40℃とした以外は同様に行い、エポキシ基を有する硬化性ポリフェニレンエーテルを得た。得られた硬化性ポリフェニレンエーテルのIRスペクトルにより、フェノール性水酸基の吸収ピークの減少と、エポキシ基に由来するピークの出現を確認した。硬化性ポリフェニレンエーテルのGPCにより測定した数平均分子量及び重量平均分子量は、それぞれ2,630及び28,000であった。また塩酸−ピリジン法により測定したエポキシ当量は637であった。また実施例1と同様に硬化物を調製したところ、TGAにより測定した500℃の重量減少率は、32質量%であった。なお得られた硬化物とポリイミドフィルムからなる積層体を、硬化物を外側にして180度折り曲げたところ、硬化物が破断した。
実施例3
実施例1において、2−フェニルフェノールの重合を40℃で10時間行った以外は同様に行い、エポキシ基を有する硬化性ポリフェニレンエーテルを得た。得られた硬化性ポリフェニレンエーテルのIRスペクトルにより、フェノール性水酸基の吸収ピークの減少と、エポキシ基に由来するピークの出現を確認した。得られた硬化性ポリフェニレンエーテルのGPCにより測定した数平均分子量及び重量平均分子量は、それぞれ2,270及び9,500であった。また塩酸−ピリジン法により測定したエポキシ当量は590であった。また実施例1と同様に硬化物を調製したところ、TGAにより測定した500℃の重量減少率は、35質量%であった。
比較例1
1)ポリフェニレンエーテルの製造
2,6−キシレノールの重合体であるポリフェニレンエーテル(日本ジーイープラスチックス株式会社製:商品名ノリルPX9701、数平均分子量14,000)100質量部と、2,6−キシレノール4質量部とを配合して加熱溶融させた後、開始剤としてt−ブチルペルオキシイソプロピルモノカーボネート(日本油脂株式会社製:商品名パーブチルI)3質量部及びナフテン酸コバルト0.007質量部を添加して、90℃で60分間加熱し、ポリフェニレンエーテルの低分子量化を行った。得られた低分子量化ポリフェニレンエーテルのGPCによる数平均分子量は2,330、重量平均分子量は4,400であった。
2)ポリフェニレンエーテルへのエポキシ基導入
上記1)で得たポリフェニレンエーテルに対し、実施例1と同様にエポキシ基を導入しGPCによる数平均分子量2,600、重量平均分子量5,780、塩酸−ピリジン法によるエポキシ当量2100のエポキシ基を有する硬化性ポリフェニレンエーテルを得た。
3)エポキシ基を有する硬化性ポリフェニレンエーテルの硬化物調製
実施例1において、10質量%のm−キシリレンジアミン/トルエン溶液を0.16g使用した以外は同様に行った。得られた硬化物は大部分がトルエンに可溶であり、硬化が不十分であった。またTGAにより測定した500℃の重量減少率は、68質量%であった。
比較例2
1)ポリフェニレンエーテルの製造
空気導入管を取り付けた2リットルのセパラブルフラスコにCuClを1.1g、ジ−n−ブチルアミン66.3g、メチルエチルケトン500gを仕込み、40℃に昇温した。この混合物を撹拌しながら、600gのメチルエチルケトンに溶解させた3,3',5,5'−テトラメチル−1,1'−ビフェニル−4,4'−ジオール20.9gと2,6−ジメチルフェノール75.6gの混合溶液を2リットル /分の空気バブリングを行いながら120分かけて滴下し、さらに滴下終了後30分間、2リットル/分の空気のバブリングを続けながら撹拌を行った。これにエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム水溶液を加え、反応を停止した。水相を分離し、油層を0.1N−HCl水溶液で3回、さらにイオン交換水で洗浄した。この溶液から塩化メチレンを留去し濃縮した後、メタノール中に滴下した。得られた析出物を吸引ろ過した後、減圧乾燥を行うことで、ポリフェニレンエーテルを得た。このものの数平均分子量は1,870、重量平均分子量2,420であった。
2)ポリフェニレンエーテルへのエポキシ基導入
上記1)で得たポリフェニレンエーテルに対し、実施例1と同様にエポキシ基を導入しGPCによる数平均分子量2,260、重量平均分子量3,280、塩酸−ピリジン法によるエポキシ当量1100のエポキシ基を有する硬化性ポリフェニレンエーテルを得た。
3)エポキシ基を有する硬化性ポリフェニレンエーテルの硬化物調製
実施例1において、10質量%のm−キシリレンジアミン/トルエン溶液を0.31g使用した以外は同様に行った。得られた硬化物は大部分がトルエンに可溶であり、硬化が不十分であった。またTGAにより測定した500℃の重量減少率は、62質量%であった。
実施例4
硬化性ポリフェニレンエーテル(A)として、実施例1で得られたエポキシ基を有する硬化性ポリフェニレンエーテル1.5g及び熱硬化性樹脂(C)としてクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、EOCN−1206)0.5gをトルエンに溶解させた。この溶液にエポキシ樹脂硬化剤(B)として10質量%のm−キシリレンジアミン/トルエン溶液1.8gを加え均一な溶液とした。得られた溶液をポリイミドフィルム上にキャストし、室温で30分風乾した後、160℃で30分間硬化を行った。得られた硬化物のDSCにより測定したガラス転移温度は182℃であった。またTGAにより測定した500℃の重量減少率は、40質量%であった。
実施例5
硬化性ポリフェニレンエーテル(A)として、実施例2で得られたエポキシ基を有する硬化性ポリフェニレンエーテル1.4g及び可撓性付与剤(D)としてエポキシ基含有1,2−ポリブタジエン(日本曹達株式会社製、EPB−13)0.6gをトルエンに溶解させた。この溶液にエポキシ樹脂硬化剤(B)として10質量%のm−キシリレンジアミン/トルエン溶液1.1gを加え均一な溶液とした。得られた溶液をポリイミドフィルム上にキャストし、室温で30分風乾した後、160℃で30分間硬化を行った。得られた硬化物とポリイミドフィルムからなる積層体を、硬化物を外側にして180度折り曲げたところ、クラックの発生は見られなかった。またTGAにより測定した500℃の重量減少率は、60質量%であった。
実施例6
可撓性付与剤(D)として末端アミノ基を有するブタジエン−アクリロニトリル共重合体エラストマー(宇部興産株式会社製、Hycar ATBN 1300×16)0.6g、及びエポキシ樹脂硬化剤(B)として10質量%のm−キシリレンジアミン/トルエン溶液0.62gを使用した以外は実施例5と同様に行った。得られた硬化物とポリイミドフィルムからなる積層体を、硬化物を外側にして180℃折り曲げたところ、クラックの発生は見られなかった。またTGAにより測定した500℃の重量減少率は、54質量%であった。
実施例1〜3のように本発明の硬化性ポリフェニレンエーテルは、そのTGAの測定結果に見られるように、比較例1〜2のポリフェニレンエーテルに比べ重量減少率が少なく、優れた耐熱性を示すことがわかる。また難燃性においても向上が期待できる。
さらに比較例1に見られるように、2,6−キシレノール等の2位及び6位にメチル基を有する1価のフェノールを単独で重合したフェニレンエーテルにエポキシ基を導入したものは、硬化性に劣る場合があるが、実施例のように本発明における特定のフェノールを単独重合した重合体から得られる硬化性フェニレンエーテルは、通常のエポキシ樹脂硬化剤で容易に硬化することがわかる。
実施例5及び6は、本発明の硬化性ポリフェニレンエーテルに可撓性付与剤を添加した場合の効果を示すものであり、可撓性付与剤の添加により折り曲げに対する抵抗性が向上することがわかる。さらに本発明の硬化性ポリフェニレンエーテルと可撓性付与剤からなる硬化性組成物は、耐熱性を低下させる可撓性付与剤が加わっていながら、従来の2,6−ジメチルフェノールより得られるポリフェニレンエーテルと同等以上の耐熱性を有することがわかる。
実施例7
500mLのセパラブルフラスコに、ジクロロメタン160g、実施例1で合成したポリフェニレンエーテル50g及び臭化アリル40gを入れて均一な溶液とした。次いで1Nの水酸化ナトリウム溶液120mLを仕込み、さらに相間移動触媒としてベンジルトリ−n−ブチルアンモニウムブロマイド5.6gを添加し、室温で5時間撹拌した。反応混合物をろ過後、水相を分離し、油層を0.1N−HCl水溶液で3回、さらにイオン交換水で洗浄した。この溶液から塩化メチレンを留去し濃縮した後、メタノール中に滴下した。得られた析出物を吸引ろ過した後、減圧乾燥を行うことで、アリル基を有する硬化性ポリフェニレンエーテルを得た。得られた硬化性ポリフェニレンエーテルのIRスペクトルによりフェノール性水酸基の吸収ピークの消滅を、NMRスペクトルによりアリル基に帰属されるピークの出現を確認した。
実施例8
実施例1において、2−フェニルフェノール204gの代わりに、2−フェニルフェノ−ルを40g及び2,6−ジフェニルフェノ−ルを100g使用した以外は同様に行い、エポキシ基を有する硬化性ポリフェニレンエーテルを得た。得られた硬化性ポリフェニレンエーテルのIRスペクトルにより、フェノール性水酸基の吸収ピークの消滅とエポキシ基に由来する吸収ピークの出現を確認した。
実施例9
100mLのセパラブルフラスコに、ピリジン40g及び実施例1で合成したポリフェニレンエーテル10gを入れて均一な溶液とした。次いで撹拌しながら氷冷下で40gのアクリロイルクロライドを60分間で滴下し、室温まで昇温後、一晩放置した。その後、反応混合物を氷冷した100gの水中に少量づつ投入した。得られた析出物を吸引ろ過した後、メタノールで洗浄し、減圧乾燥を行うことで、アクリロイル基を有する硬化性ポリフェニレンエーテルを得た。得られた硬化性ポリフェニレンエーテルのIRスペクトルによりフェノール性水酸基の吸収ピークの消滅を、NMRスペクトルによりアクリロイル基に帰属されるピークの出現を確認した。
実施例10
実施例9においてアクリロイルクロライドの代わりにメタクリロイルクロライドを使用した以外は同様に行い、メタクリロイル基を有する硬化性ポリフェニレンエーテルを得た。得られた硬化性ポリフェニレンエーテルのIRスペクトルによりフェノール性水酸基の吸収ピークの消滅を、NMRスペクトルによりメタクリロイル基に帰属されるピークの出現を確認した。

Claims (17)

  1. 一般式(2)
    Figure 2006057079
    (式中、R4及びR5は、それぞれ独立してハロゲン原子または炭素数1〜20の炭化水素基を表わし、pは0または1〜2の整数、qは0または1〜5の整数であり、pが2個、qが2個以上の場合に複数存在するR4及びR5は各々同一でも異なってもよく、nは2〜1000の整数である。)
    で示されるユニットを主要構造単位とし、同一分子内に一般式(1)
    Figure 2006057079
    (式中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜20の炭化水素基を表わす。)
    で示されるエポキシ基、アリル基、アクリロイル基及びメタクリロイル基からなる群から選ばれる官能基を有することを特徴とする硬化性ポリフェニレンエーテル。
  2. 一般式(2)
    Figure 2006057079
    (式中の記号は請求項1と同じ意味を表わす。)
    で示されるユニットを主要構造単位とし、同一分子内に一般式(1)
    Figure 2006057079
    (式中の記号は請求項1と同じ意味を表わす。)
    で示されるエポキシ基、アリル基、アクリロイル基及びメタクリロイル基からなる群から選ばれる官能基を有し、架橋・硬化して、前記一般式(2)で示されるユニットのみからなるポリフェニレンエーテルに比べて耐熱性、誘電特性及び耐薬品性の少なくともひとつが優れている硬化物を与える請求項1に記載の硬化性ポリフェニレンエーテル。
  3. 前記官能基が、一般式(1)
    Figure 2006057079
    (式中の記号は請求項1の記載と同じ意味を表わす。)
    で示されるエポキシ基である請求項1または2に記載の硬化性ポリフェニレンエーテル。
  4. 一般式(3)
    Figure 2006057079
    (式中、R1、R2、R3、R4、R5、p、q及びnは請求項1の記載と同じ意味を表わし、R6はヘテロ原子を含んでいてもよい炭化水素基からなる二価の連結基である。)
    で示される化学構造を有する請求項1乃至3のいずれかに記載の硬化性ポリフェニレンエーテル。
  5. 一般式(4)
    Figure 2006057079
    (式中、R4、R5、p及びqは請求項1の記載と同じ意味を表わし、X1は水素原子、メチル基、またはハロゲン原子を表わす。)
    で示されるフェノール化合物を酸化重合して得られた重合体に一般式(1)
    Figure 2006057079
    (式中、R1、R2及びR3は請求項1の記載と同じ意味を表わす。)
    で示されるエポキシ基、アリル基、アクリロイル基、及びメタクリロイル基からなる群から選ばれる1種以上の官能基を導入して得られる請求項1乃至4のいずれかに記載の硬化性ポリフェニレンエーテル。
  6. 数平均分子量が、500〜20,000である請求項1乃至5のいずれかに記載の硬化性ポリフェニレンエーテル。
  7. エポキシ当量が300〜2,000である請求項1乃至6のいずれかに記載の硬化性ポリフェニレンエーテル。
  8. 一般式(4)
    Figure 2006057079
    (式中の記号は請求項5の記載と同じ意味を表わす。)
    で示されるフェノール化合物を遷移金属錯体触媒の存在下、酸化重合し、得られた重合体のフェノール性水酸基に、一般式(8)
    Figure 2006057079
    (式中、R1、R2及びR3は請求項1の記載と同じ意味を表わし、R9及びR10は、各々独立して水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基を表わし、X2はハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、またはスルホニルオキシ基を表わす。)
    で示されるエポキシ化合物を反応させることを特徴とする硬化性ポリフェニレンエーテルの製造方法。
  9. 一般式(4)
    Figure 2006057079
    (式中の記号は請求項5の記載と同じ意味を表わす。)
    で示されるフェノール化合物を遷移金属錯体触媒の存在下、酸化重合し、得られた重合体のフェノール性水酸基に、アリル化合物を反応させることを特徴とする硬化性ポリフェニレンエーテルの製造方法。
  10. 一般式(4)
    Figure 2006057079
    (式中の記号は請求項5の記載と同じ意味を表わす。)
    で示されるフェノール化合物を遷移金属錯体触媒の存在下、酸化重合し、得られた重合体のフェノール性水酸基に、アクリル酸ハロゲン化物、メタクリル酸ハロゲン化物、アクリル酸無水物、またはメタクリル酸無水物を反応させることを特徴とする硬化性ポリフェニレンエーテルの製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の硬化性ポリフェニレンエーテル(A)と硬化剤(B)を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  12. さらに、他の硬化性樹脂(C)を含有する請求項11記載の硬化性樹脂組成物。
  13. さらに、可撓性付与剤(D)を含有する請求項11または12に記載の硬化性樹脂組成物。
  14. 請求項11〜13のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
  15. ソルダーレジスト用である請求項1〜7のいずれかに記載の硬化性ポリフェニレンエーテル。
  16. ソルダーレジスト用である請求項11〜13のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
  17. ソルダーレジスト用である請求項14に記載の硬化物。
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