JP2021109944A - ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンエーテルを含む硬化性組成物、ドライフィルム、プリプレグ、硬化物、積層板、および電子部品 - Google Patents

ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンエーテルを含む硬化性組成物、ドライフィルム、プリプレグ、硬化物、積層板、および電子部品 Download PDF

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聡子 松村
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Abstract

【課題】 種々の溶媒(毒性の高い有機溶媒以外の有機溶媒、例えばシクロヘキサノン)に可溶であり、硬化して得られた膜が、優れた耐湿性を有する硬化性組成物を提供すること。【解決手段】 ポリフェニレンエーテルの末端水酸基の一部又は全部が硬化性官能基に変性されている末端変性ポリフェニレンエーテルであって、前記ポリフェニレンエーテルは、少なくとも条件1(条件1:オルト位およびパラ位に水素原子を有する)を満たすフェノール類から得られ、コンフォメーションプロットで算出された傾きが0.6未満であり、硬化性官能基が、不飽和炭素結合を含む官能基、カルボキシル基、環状(チオ)エーテル基、酸無水物基、マレイミド基から選択されるいずれか少なくとも1種であることを特徴とする、末端変性ポリフェニレンエーテルの提供。【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリフェニレンエーテル、当該ポリフェニレンエーテルを含む硬化性組成物に関し、さらに当該ポリフェニレンエーテルを含む硬化性組成物を用いたドライフィルム、プリプレグ、硬化物、積層板、および電子部品に関する。
第5世代通信システム(5G)に代表される大容量高速通信や自動車のADAS(先進運転システム)向けミリ波レーダー等などの普及により、通信機器の信号の高周波化が進んできた。
しかし、配線板材料としてエポキシ樹脂などを使用した場合、比誘電率(Dk)や誘電正接(Df)が十分に低くないために、周波数が高くなるほど誘電損失に由来する伝送損失の増大が起こり、信号の減衰や発熱などの問題が生じていた。そのため、かかる高周波領域の用途では、低誘電特性に優れたポリフェニレンエーテルなどの材料が使用されてきた。
例えば、非特許文献1には、ポリフェニレンエーテルの分子内にアリル基を導入させて、熱硬化性樹脂とすることで、耐熱性をさらに向上させたポリフェニレンエーテルが提案されている。
J. Nunoshige, H. Akahoshi, Y. Shibasaki, M. Ueda, J. Polym. Sci. Part A: Polym. Chem. 2008, 46, 5278-3223.
一方で、本発明者らは、先に特願2018−134338にて、低誘電特性を維持しつつ、種々の溶媒(毒性の高い有機溶媒以外の有機溶媒、例えばシクロヘキサノン)にも可溶なポリフェニレンエーテルを発明した。
また一方で、高周波領域用途の電子部品に使用される絶縁膜では、さらに高湿度環境においても高い信頼性を有することが求められている。
そこで、本発明の目的は、種々の溶媒(毒性の高い有機溶媒以外の有機溶媒、例えばシクロヘキサノン)に可溶であり、硬化して得られた膜が、優れた耐湿性を有する硬化性組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記目的の実現に向け鋭意検討した結果、分岐構造を有し、分子構造中の末端水酸基を特定の硬化性官能基に変性したポリフェニレンエーテルを含む硬化性組成物を採用することにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。即ち、本発明は以下の通りである。
本発明(1)は、
ポリフェニレンエーテルの末端水酸基の一部又は全部が硬化性官能基に変性されている末端変性ポリフェニレンエーテルであって、
前記ポリフェニレンエーテルは、少なくとも条件1を満たすフェノール類と、少なくとも条件Zを満たすフェノール類と、を含む原料フェノール類から得られ、
コンフォメーションプロットで算出された傾きが0.6未満であり、
前記硬化性官能基が、不飽和炭素結合を含む官能基、カルボキシル基、環状(チオ)エーテル基、酸無水物基、マレイミド基から選択されるいずれか少なくとも1種であることを特徴とする末端変性ポリフェニレンエーテル。
(条件1)
オルト位およびパラ位に水素原子を有する
(条件Z)
不飽和炭素結合を含む官能基を有する
本発明(2)は、
ポリフェニレンエーテルの末端水酸基の一部又は全部が硬化性官能基に変性されている末端変性ポリフェニレンエーテルであって、
前記ポリフェニレンエーテルは、少なくとも条件1を満たすフェノール類を含み、条件Zを満たすフェノール類を含まない原料フェノール類から得られ、
コンフォメーションプロットで算出された傾きが0.6未満であり、
前記硬化性官能基が、不飽和炭素結合を含む官能基、カルボキシル基、環状(チオ)エーテル基、酸無水物基、マレイミド基から選択されるいずれか少なくとも1種であることを特徴とする末端変性ポリフェニレンエーテルである。
(条件1)
オルト位およびパラ位に水素原子を有する
(条件Z)
不飽和炭素結合を含む官能基を有する
本発明(3)は、
前記発明(1)または(2)に記載のポリフェニレンエーテルを含む硬化性組成物である。
本発明(4)は、
前記発明(3)の硬化性組成物を基材に塗布または含侵して得られることを特徴とするドライフィルムまたはプリプレグである。
本発明(5)は、
前記発明(3)の硬化性組成物を硬化して得られることを特徴とする硬化物である。
本発明(6)は、
前記発明(5)の硬化物を含むことを特徴とする積層板である。
本発明(7)は、
前記発明(5)の硬化物を有することを特徴とする電子部品である。
本発明によれば、優れた低誘電特性を維持しつつ、種々の溶媒(毒性の高い有機溶媒以外の有機溶媒、例えばシクロヘキサノン)に可溶であり、硬化して得られた膜が優れた耐湿性を有するポリフェニレンエーテルとそれを用いた硬化性組成物を提供することが可能となる。
以下、本発明のポリフェニレンエーテルとそれを含む硬化性組成物について説明するが、本発明は以下には何ら限定されない。
説明した化合物に異性体が存在する場合、特に断らない限り、存在し得る全ての異性体が本発明において使用可能である。
本発明において、ポリフェニレンエーテル(PPE)の原料として用いられ、ポリフェニレンエーテルの構成単位になり得るフェノール類を総称して、「原料フェノール類」とする。
本発明において、原料フェノール類の説明を行う際に「オルト位」や「パラ位」等と表現した場合、特に断りがない限り、フェノール性水酸基の位置を基準(イプソ位)とする。
本発明において、単に「オルト位」等と表現した場合、「オルト位の少なくとも一方」等を示す。従って、特に矛盾が生じない限り、単に「オルト位」とした場合、オルト位のどちらか一方を示すと解釈してもよいし、オルト位の両方を示すと解釈してもよい。
本発明において、ポリフェニレンエーテルが有する一部または全ての官能基(例えば、水酸基)が変性されたポリフェニレンエーテルを、単に「ポリフェニレンエーテル」と表現する場合がある。従って、「ポリフェニレンエーテル」と表現された場合、特に矛盾が生じない限り、未変性のポリフェニレンエーテルおよび変性されたポリフェニレンエーテルの両方を含む。
本明細書において、原料フェノール類としては主に1価のフェノール類を開示しているが、本発明の効果を阻害しない範囲で、原料フェノール類として多価のフェノール類を使用してもよい。
本明細書において、「樹脂組成物」を「硬化性組成物」の意味で使用することがある。
本明細書において、数値範囲の上限値と下限値とが別々に記載されている場合、矛盾しない範囲で、各下限値と各上限値との全ての組み合わせが実質的に記載されているものとする。
以下、末端変性前のポリフェニレンエーテルについて説明した後に、末端変性ポリフェニレンエーテル(ポリフェニレンエーテルの末端水酸基の少なくとも一部を変性して得られるポリフェニレンエーテル)について説明し、次いで、末端変性ポリフェニレンエーテルを含む硬化性組成物等について説明する。
<<<<<末端変性前のポリフェニレンエーテル>>>>>
本発明における末端変性前のポリフェニレンエーテルは、少なくとも条件1を満たすフェノール類を含む原料フェノール類から得られ、分岐構造を有するポリフェニレンエーテルである。このようなポリフェニレンエーテルを、所定ポリフェニレンエーテルとする。
(条件1)
オルト位およびパラ位に水素原子を有する
条件1を満たすフェノール類{例えば、後述するフェノール類(A)およびフェノール類(B)}は、オルト位に水素原子を有するため、フェノール類と酸化重合される際に、イプソ位、パラ位のみならず、オルト位においてもエーテル結合が形成され得るため、分岐鎖状の構造を形成することが可能となる。
このように、分岐構造を有するポリフェニレンエーテルを、分岐ポリフェニレンエーテルと表現する場合がある。
このように、所定ポリフェニレンエーテルは、その構造の一部が、少なくともイプソ位、オルト位、パラ位の3か所がエーテル結合されたベンゼン環により分岐することとなる。この所定ポリフェニレンエーテルは、例えば、骨格中に少なくとも式(i)で示されるような分岐構造を有するポリフェニレンエーテル化合物であると考えられる。
Figure 2021109944
式(i)中、R〜Rは、水素原子、または炭素数1〜15(好ましくは、炭素数1〜12)の炭化水素基である。
ここで、所定ポリフェニレンエーテルを構成する原料フェノール類は、本発明の効果を阻害しない範囲内で、条件1を満たさないその他のフェノール類を含んでいてもよい。
このようなその他のフェノール類としては、例えば、後述するフェノール類(C)およびフェノール類(D)、パラ位に水素原子を有しないフェノール類が挙げられる。特に後述するフェノール類(C)およびフェノール類(D)は、酸化重合される際には、イプソ位およびパラ位においてエーテル結合が形成され、直鎖状に重合されていく。そのため、ポリフェニレンエーテルの高分子量化のためには、原料フェノール類として、フェノール類(C)およびフェノール類(D)をさらに含むことが好ましい。
ここで、所定ポリフェニレンエーテルは、下記条件Zを満たすフェノール類を含む原料フェノール類から得られる所定ポリフェニレンエーテル(第1の所定ポリフェニレンエーテル)と、下記条件Zを満たすフェノール類を含まない原料フェノール類から得られる所定ポリフェニレンエーテル(第2の所定ポリフェニレンエーテル)と、に区分できる。
(条件Z)
不飽和炭素結合を含む官能基を有する
以下、第1の所定ポリフェニレンエーテルと、第2の所定ポリフェニレンエーテルと、について説明する。
<<<<第1の所定ポリフェニレンエーテル>>>>
第1の所定ポリフェニレンエーテルは、少なくとも条件1を満たすフェノール類と、条件Zを満たすフェノール類とを含む原料フェノール類から得られる。
(条件1)
オルト位およびパラ位に水素原子を有する
(条件Z)
不飽和炭素結合を含む官能基を有する
第1の所定ポリフェニレンエーテルは、構造中に不飽和炭素結合を含む官能基を有する。第1の所定ポリフェニレンエーテルは、不飽和炭素結合含有の分岐ポリフェニレンエーテルと表現することもできる。
より具体的には、第1の所定ポリフェニレンエーテルは、
少なくとも、下記条件1および下記条件2をいずれも満たすフェノール類(A)を必須成分として含む原料フェノール類(形態1)、または、
少なくとも、下記条件1を満たし下記条件2を満たさないフェノール類(B)と下記条件1を満たさず下記条件2を満たすフェノール類(C)との混合物を必須成分として含む原料フェノール類(形態2)、
を重合させて得られるものである。
(条件1)
オルト位およびパラ位に水素原子を有する
(条件2)
パラ位に水素原子を有し、不飽和炭素結合を含む官能基を有する
第1の所定ポリフェニレンエーテルは、条件2を満たすフェノール類{例えば、フェノール類(A)およびフェノール類(C)のいずれか}を少なくともフェノール原料として用いているので、少なくとも不飽和炭素結合を含む炭化水素基を有し、不飽和炭素結合を含む炭化水素基を官能基として有することで、架橋性を有することとなる。更には、ポリフェニレンエーテルがこのような不飽和炭素結合を含む炭化水素基を有する場合、不飽和炭素結合を含む炭化水素基を、公知の方法によってエポキシ化する(側鎖エポキシ化ポリフェニレンエーテルへ変性する)ことが可能である。
なお、本発明において「不飽和炭素結合」は、特に断らない限り、エチレン性またはアセチレン性の炭素間多重結合(二重結合または三重結合)を示す。
このような不飽和炭素結合を含む官能基としては、特に限定されないが、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基)、アルキニル基(例えば、エチニル基)、または、(メタ)アクリルロイル基であることが好ましく、硬化性に優れる観点からビニル基、アリル基、(メタ)アクリルロイル基であることがより好ましく、低誘電特性に優れる観点からアリル基であることがさらに好ましい。これらの不飽和炭素結合を有する官能基は、炭素数を、例えば15以下、10以下、8以下、5以下、3以下等とすることができる。
原料フェノール類の合計に対する条件1を満たすフェノール類の割合が、1〜50mol%であることが好ましい。
原料フェノール類の合計に対する条件2を満たすフェノール類の割合が、0.5〜99mol%であることが好ましく、1〜99mol%であることがより好ましい。
<<<<第2の所定ポリフェニレンエーテル>>>>
第2の所定ポリフェニレンエーテルは、少なくとも条件1を満たすフェノール類を含み、条件Zを満たすフェノール類を含まない原料フェノール類から得られる。
(条件1)
オルト位およびパラ位に水素原子を有する
(条件Z)
不飽和炭素結合を含む官能基を有する
第2の所定ポリフェニレンエーテルは、構造中に不飽和炭素結合を含む官能基を有しない。第2の所定ポリフェニレンエーテルは、不飽和炭素結合非含有の分岐ポリフェニレンエーテルと表現することもできる。
第2の所定ポリフェニレンエーテルは、条件1を満たし、且つ、条件Zを満たさないフェノール類{例えば、フェノール類(B)}を必須成分とする。
第2の所定ポリフェニレンエーテルは、更なる原料フェノール類として、条件Zを満たさないその他のフェノール類を含んでいてもよい。
条件Zを満たさないその他のフェノール類としては、例えば、パラ位に水素原子を有し、オルト位に水素原子を有せず、不飽和炭素結合を含む官能基を有しないフェノール類であるフェノール類(D)、パラ位に水素原子を有せず、不飽和炭素結合を含む官能基を有しないフェノール類等が挙げられる。
原料フェノール類の合計に対する条件1を満たし条件Zを満たさないフェノール類の割合は、例えば、10mol%以上である。
<<<<原料フェノール類>>>>
所定フェノール類の原料フェノール類である、フェノール類(A)〜(D)について、より詳細に説明する。なお、原料フェノール類は、その他のフェノール類として、パラ位に水素原子を有しないフェノール類等を含んでいてもよい。
<<<フェノール類(A)>>>
フェノール類(A)は、上述のように、条件1および条件2のいずれも満たすフェノール類、即ち、オルト位およびパラ位に水素原子を有し、不飽和炭素結合を含む官能基を有するフェノール類であり、好ましくは下記式(1)で示されるフェノール類(a)である。
Figure 2021109944
式(1)中、R〜Rは、水素原子、または炭素数1〜15の炭化水素基である。ただし、R〜Rの少なくとも一つが、不飽和炭素結合を有する炭化水素基である。なお、酸化重合時に高分子化することが容易になるという観点から、炭化水素基は、炭素数1〜12であることが好ましい。
式(1)で示されるフェノール類(a)としては、o−ビニルフェノール、m−ビニルフェノール、o−アリルフェノール、m−アリルフェノール、3−ビニル−6−メチルフェノール、3−ビニル−6−エチルフェノール、3−ビニル−5−メチルフェノール、3−ビニル−5−エチルフェノール、3−アリル−6−メチルフェノール、3−アリル−6−エチルフェノール、3−アリル−5−メチルフェノール、3−アリル−5−エチルフェノール等が例示できる。式(1)で示されるフェノール類は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
<<<フェノール類(B)>>>
フェノール類(B)は、上述のように、条件1を満たし、条件2を満たさないフェノール類、即ち、オルト位およびパラ位に水素原子を有し、不飽和炭素結合を含む官能基を有しないフェノール類であり、好ましくは下記式(2)で示されるフェノール類(b)である。
Figure 2021109944
式(2)中、R〜Rは、水素原子、または炭素数1〜15の炭化水素基である。ただし、R〜Rは、不飽和炭素結合を有しない。なお、酸化重合時に高分子化することが容易になるという観点から、炭化水素基は、炭素数1〜12であることが好ましい。
式(2)で示されるフェノール類(b)としては、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、2,3−キシレノール、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、o−tert−ブチルフェノール、m−tert−ブチルフェノール、o−フェニルフェノール、m−フェニルフェノール、2−ドデシルフェノール、等が例示できる。式(2)で示されるフェノール類は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
<<<フェノール類(C)>>>
フェノール類(C)は、上述のように、条件1を満たさず、条件2を満たすフェノール類、即ち、パラ位に水素原子を有し、オルト位に水素原子を有せず、不飽和炭素結合を含む官能基を有するフェノール類であり、好ましくは下記式(3)で示されるフェノール類(c)である。
Figure 2021109944
式(3)中、RおよびR10は、炭素数1〜15の炭化水素基であり、RおよびRは、水素原子、または炭素数1〜15の炭化水素基である。ただし、R〜R10の少なくとも一つが、不飽和炭素結合を有する炭化水素基である。なお、酸化重合時に高分子化することが容易になるという観点から、炭化水素基は、炭素数1〜12であることが好ましい。
式(3)で示されるフェノール類(c)としては、2−アリル−6−メチルフェノール、2−アリル−6−エチルフェノール、2−アリル−6−フェニルフェノール、2−アリル−6−スチリルフェノール、2,6−ジビニルフェノール、2,6−ジアリルフェノール、2,6−ジイソプロペニルフェノール、2,6−ジブテニルフェノール、2,6−ジイソブテニルフェノール、2,6−ジイソペンテニルフェノール、2−メチル−6−スチリルフェノール、2−ビニル−6−メチルフェノール、2−ビニル−6−エチルフェノール等が例示できる。式(3)で示されるフェノール類は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
<<<フェノール類(D)>>>
フェノール類(D)は、上述のように、パラ位に水素原子を有し、オルト位に水素原子を有せず、不飽和炭素結合を含む官能基を有しないフェノール類であり、好ましくは下記式(4)で示されるフェノール類(d)である。
Figure 2021109944
式(4)中、R11およびR14は、不飽和炭素結合を有しない炭素数1〜15の炭化水素基であり、R12およびR13は、水素原子、または不飽和炭素結合を有しない炭素数1〜15の炭化水素基である。なお、酸化重合時に高分子化することが容易になるという観点から、炭化水素基は、炭素数1〜12であることが好ましい。
式(4)で示されるフェノール類(d)としては、2,6−ジメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール、2−メチル−6−エチルフェノール、2−エチル−6−n−プロピルフェノール、2−メチル−6−n−ブチルフェノール、2−メチル−6−フェニルフェノール、2,6−ジフェニルフェノール、2,6−ジトリルフェノール等が例示できる。式(4)で示されるフェノール類は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
ここで、本発明において、炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基などが挙げられ、好ましくはアルキル基、アリール基、アルケニル基である。不飽和炭素結合を有する炭化水素基としては、アルケニル基、アルキニル基などが挙げられる。なお、これらの炭化水素基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。
<<<<<末端変性ポリフェニレンエーテル>>>>>
末端変性ポリフェニレンエーテルは、変性用化合物を用いて所定ポリフェニレンエーテルの末端水酸基を硬化性官能基に変性させて得られる。
フェノール性水酸基が変性される結果、耐湿性や誘電特性が向上し得る。
また、硬化性官能基を有する変性用化合物によって所定ポリフェニレンエーテルを変性させることで、所定ポリフェニレンエーテルに、新たな性質を付与することができる。例えば、ポリフェニレンエーテルに(メタ)アクリロイル基等を導入することで、光硬化性組成物とすること等ができる。
末端変性ポリフェニレンエーテルは、第1の末端変性ポリフェニレンエーテルおよび第2の末端変性ポリフェニレンエーテルを含む。
<<<<第1の末端変性ポリフェニレンエーテル>>>>
第1の末端変性ポリフェニレンエーテルは、第1の所定ポリフェニレンエーテルの末端水酸基が硬化性官能基に変性されたものである。
この硬化性官能基は、(メタ)アクリロイル基等の不飽和炭素結合を含む官能基、エポキシ基、エピスルフィド基、オキセタニル基等を含む環状(チオ)エーテル基、無水マレイン酸基等の酸無水物基、カルボキシル基、マレイミド基から選ばれるいずれか少なくとも1種である。
第1の末端変性ポリフェニレンエーテルは、フェノール性水酸基と反応可能な基を含む変性用化合物によって、第1の所定ポリフェニレンエーテルを変性させることで得られる。
変性用化合物に含まれるフェノール性水酸基と反応可能な基としては、特に限定されないが、F、Cl、Br、IまたはCN等が挙げられる。
変性方法は、(1)所定の硬化性官能基を含む変性用化合物を使用してポリフェニレンエーテルの末端水酸基の変性を行い、第1の所定ポリフェニレンエーテルの末端に所定の硬化性官能基を導入する方法(1段階変性)、および、(2)所定の硬化性官能基以外の官能基(所定外官能基)を有する変性用化合物を使用して第1の所定ポリフェニレンエーテルの末端水酸基の変性を行い、第1の所定ポリフェニレンエーテルに所定外官能基を導入した後に、この導入した所定外官能基を所定の硬化性官能基を含む変性用化合物を使用して変性させることで、第1の所定ポリフェニレンエーテルに所定の硬化性官能基を導入する方法(多段階変性)、のいずれであってもよい。
第1の所定ポリフェニレンエーテルの末端水酸基が変性されたことは、第1の所定ポリフェニレンエーテルと第1の末端変性ポリフェニレンエーテルとの水酸基価を比較することで確認することができる。なお、第1の末端変性ポリフェニレンエーテルは、保存安定性の悪化等の影響が生じない範囲で、一部が未変性の水酸基のままであってもよい。
<<<<第2の末端変性ポリフェニレンエーテル>>>>
第2の末端変性ポリフェニレンエーテルは、第1の末端変性ポリフェニレンエーテルと同様、第2の所定ポリフェニレンエーテルの末端水酸基が、所定の硬化性官能基、即ち(メタ)アクリロイル基等の不飽和炭素結合を含む官能基、エポキシ基、エピスルフィド基、オキセタニル基等を含む環状(チオ)エーテル基、無水マレイン酸基等の酸無水物基、カルボキシル基、マレイミド基から選ばれるいずれか少なくとも1種に変性されたものである。
第2の末端変性ポリフェニレンエーテルは、フェノール性水酸基と反応可能な基を含む変性用化合物によって、第2の所定ポリフェニレンエーテルを変性させることで得られる。
変性用化合物に含まれるフェノール性水酸基と反応可能な基としては、特に限定されないが、F、Cl、Br、IまたはCN等が挙げられる。
変性方法は、第1の所定ポリフェニレンエーテルと同様の方法、即ち(1)所定の硬化性官能基を含む変性用化合物を使用してポリフェニレンエーテルの末端水酸基の変性を行い、第2の所定ポリフェニレンエーテルの末端に所定の硬化性官能基を導入する方法(1段階変性)、および、(2)所定の硬化性官能基以外の官能基(所定外官能基)を有する変性用化合物を使用して第2の所定ポリフェニレンエーテルの末端水酸基の変性を行い、第2の所定ポリフェニレンエーテルに所定外官能基を導入した後に、この導入した所定外官能基を所定の硬化性官能基を含む変性用化合物を使用して変性させることで、第2の所定ポリフェニレンエーテルに所定の硬化性官能基を導入する方法(多段階変性)、のいずれであってもよい。
第2の所定ポリフェニレンエーテルの末端水酸基が変性されたことは、第2の所定ポリフェニレンエーテルと第2の末端変性ポリフェニレンエーテルとの水酸基価を比較することで確認することができる。なお、第2の末端変性ポリフェニレンエーテルは、保存安定性の悪化等の影響が生じない範囲で、一部が未変性の水酸基のままであってもよい。また、第2の末端変性ポリフェニレンエーテルは、末端水酸基の一部が、所定の硬化性官能基以外の官能基によって変性されていてもよい。
<<<<末端変性ポリフェニレンエーテルの物性および性質>>>>
<<<分岐度>>>
末端変性ポリフェニレンエーテルの分岐構造(分岐の度合い)は、以下の分析手順に基づいて確認することができる。
(分析手順)
ポリフェニレンエーテルのクロロホルム溶液を、0.1、0.15、0.2、0.25mg/mLの間隔で調製後、0.5mL/minで送液しながら屈折率差と濃度のグラフを作成し、傾きから屈折率増分dn/dcを計算する。次に、下記装置運転条件にて、絶対分子量を測定する。RI検出器のクロマトグラムとMALS検出器のクロマトグラムを参考に、分子量と回転半径の対数グラフ(コンフォメーションプロット)から、最小二乗法による回帰直線を求め、その傾きを算出する。
(測定条件)
装置名 :HLC8320GPC
移動相 :クロロホルム
カラム :TOSOH TSKguardcolumnHHR−H
+TSKgelGMHHR−H(2本)
+TSKgelG2500HHR
流速 :0.6mL/min.
検出器 :DAWN HELEOS(MALS検出器)
+Optilab rEX(RI検出器、波長254nm)
試料濃度 :0.5mg/mL
試料溶媒 :移動相と同じ。試料5mgを移動相10mLで溶解
注入量 :200μL
フィルター :0.45μm
STD試薬 :標準ポリスチレン Mw 37,900
STD濃度 :1.5mg/mL
STD溶媒 :移動相と同じ。試料15mgを移動相10mLで溶解
分析時間 :100min
絶対分子量が同じ樹脂において、高分子鎖の分岐が進行しているものほど重心から各セグメントまでの距離(回転半径)は小さくなる。そのため、GPC−MALSにより得られる絶対分子量と回転半径の対数プロットの傾きは、分岐の程度を示し、傾きが小さいほど分岐が進行していることを意味する。本発明においては、上記コンフォメーションプロットで算出された傾きが小さいほどポリフェニレンエーテルの分岐が多いことを示し、この傾きが大きいほどポリフェニレンエーテルの分岐が少ないことを示す。
本発明の硬化性組成物を構成する末端変性ポリフェニレンエーテルや所定ポリフェニレンエーテルにおいて、上記傾きは、0.6未満であり、0.55以下、0.50以下、0.45以下、0.40以下、又は、0.35以下であることが好ましい。上記傾きがこの範囲である場合、ポリフェニレンエーテルが十分な分岐を有していると考えられる。なお、上記傾きの下限としては特に限定されないが、例えば、0.05以上、0.10以上、0.15以上、又は、0.20以上である。
なお、コンフォメーションプロットの傾きは、ポリフェニレンエーテルの合成の際の、温度、触媒量、攪拌速度、反応時間、酸素供給量、溶媒量を変更することで調整可能である。より具体的には、温度を高める、触媒量を増やす、攪拌速度を速める、反応時間を長くする、酸素供給量を増やす、及び/又は、溶媒量を少なくすることで、コンフォメーションプロットの傾きが低くなる(ポリフェニレンエーテルがより分岐し易くなる)傾向となる。
<<<末端変性ポリフェニレンエーテルの分子量>>>
末端変性ポリフェニレンエーテルは、数平均分子量が2,000〜30,000であることが好ましく、5,000〜30,000であることがより好ましく、8,000〜30,000であることが更に好ましく、8,000〜25,000であることが特に好ましい。分子量をこのような範囲とすることで、溶媒への溶解性を維持しつつも、硬化性樹脂組成物の製膜性を向上させることができる。さらに、ポリフェニレンエーテルは、多分散指数(PDI:重量平均分子量/数平均分子量)が、1.5〜20であることが好ましい。
本発明において、数平均分子量および重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定を行い、標準ポリスチレンを用いて作成した検量線により換算したものである。
<末端変性ポリフェニレンエーテルの水酸基価>
所定ポリフェニレンエーテルの水酸基価は、数平均分子量(Mn)が2,000〜30,000の範囲において、15.0以下であることが好ましく、より好ましくは2以上10以下、さらに好ましくは3以上8以下である。
本発明の硬化性組成物を構成する末端変性ポリフェニレンエーテルは、所定ポリフェニレンエーテルの水酸基が変性されたものであるため、通常、水酸基価が上記した数値より低いものとなる。末端水酸基の変換効率(末端変性ポリフェニレンエーテルの水酸基数/所定ポリフェニレンエーテルの水酸基数)としては、10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、95%以上、99%以上または100%等とすることができる。
本発明の硬化性組成物を構成する末端変性ポリフェニレンエーテルや所定ポリフェニレンエーテルの水酸基数を測定する方法としては、UV分光光度計を用いた方法が挙げられる。具体的には、ポリフェニレンエーテルを正確に12(mg)秤量し、この秤量した変性ポリフェニレンエーテルを、10mLの塩化メチレンに溶解させ、その溶液に、10質量%のテトラエチルアンモニウムヒドロキシド(TEAH)のエタノール溶液(TEAH:エタノール(体積比)=15:85)を100μL添加した後、UV分光光度計(株式会社島津製作所製のUV−1600)を用いて、318nmの吸光度(Abs)を測定する。そして、その測定結果から、下記式を用いて、変性ポリフェニレンエーテルの末端水酸基数を算出する。
OH量(μmol/g)=[(10×Abs)/(ε×OPL×12)]×10
ここで、εは、吸光係数を示し、4700L/mol・cmである。また、OPLは、セル光路長であり、1cmである。
<<<末端変性ポリフェニレンエーテルの溶媒溶解性>>>
本発明の硬化性組成物を構成する末端変性ポリフェニレンエーテル1gは、25℃で、好ましくは100gのシクロヘキサノンに対して(より好ましくは、100gの、シクロヘキサノン、NMP、THF、DMFおよびPMAに対して)可溶である。なお、ポリフェニレンエーテル1gが100gの溶媒(例えば、シクロヘキサノン)に対して可溶とは、ポリフェニレンエーテル1gと溶媒100gとを混合したときに、濁りおよび沈殿が目視で確認できないことを示す。末端変性ポリフェニレンエーテルは、25℃で、100gのシクロヘキサノンに対して、1g以上可溶であることがより好ましい。
本発明の硬化性組成物を構成する末端変性ポリフェニレンエーテルは、分岐構造を有することで種々の溶媒への溶解性、組成物中の成分との相溶性が向上する。このため組成物の各成分が均一に溶解または分散し、均一な硬化物を得ることが可能となる。この結果、この硬化物は機械的特性等が極めて優れている。特に、末端変性ポリフェニレンエーテルは、変性用化合物由来の硬化性を有することで(更に、第1の末端変性ポリフェニレンエーテルにおいては、第1の所定ポリフェニレンエーテル由来の不飽和炭素結合を有することで)、相互に架橋することも可能である。この結果、得られる硬化物の機械的特性や低熱膨張性等はより良好となる。
<<<<末端変性ポリフェニレンエーテルの製造方法>>>>
末端変性ポリフェニレンエーテルの原料となる所定ポリフェニレンエーテルは、原料フェノール類として特定のものを使用すること以外は、従来公知のポリフェニレンエーテルの合成方法(重合条件、触媒の有無および触媒の種類等)を適用して製造することが可能である。
また、所定ポリフェニレンエーテルの変性は、原料として所定ポリフェニレンエーテルを使用すること以外は、従来公知のポリフェニレンエーテルの変性方法を適用して製造するこが可能である。
次に、この末端変性ポリフェニレンエーテルの製造方法の一例について説明する。
末端変性ポリフェニレンエーテルは、例えば、特定のフェノール類、触媒および溶媒を含む重合溶液を調製すること(重合溶液調製工程)、少なくとも前記溶媒に酸素を通気させること(酸素供給工程)、酸素を含む前記重合溶液内で、フェノール類を酸化重合させること(重合工程)、重工工程で得られたポリフェニレンエーテルを変性させること(変性工程)、で製造可能である。
以下、重合溶液調製工程、酸素供給工程、重合工程および変性工程について説明する。なお、各工程を連続的に実施してもよいし、ある工程の一部または全部と、別の工程の一部または全部と、を同時に実施してもよいし、ある工程を中断し、その間に別の工程を実施してもよい。例えば、重合溶液調製工程中や重合工程中に酸素供給工程を実施してもよい。また、本発明のポリフェニレンエーテルの製造方法は、必要に応じてその他の工程を含んでいてもよい。その他の工程としては、例えば、重合工程により得られるポリフェニレンエーテルを抽出する工程(例えば、再沈殿、ろ過および乾燥を行う工程)等が挙げられる。
<<<重合溶液調製工程>>>
重合溶液調製工程は、後述する重合工程において重合されるフェノール類を含む各原料を混合し、重合溶液を調製する工程である。重合溶液の原料としては、原料フェノール類、触媒、溶媒が挙げられる。
(原料フェノール類)
第1の所定ポリフェニレンエーテルを製造する場合には、上述の通り、少なくとも条件1を満たすフェノール類と、条件Zを満たすフェノール類と、を含む原料フェノール類を使用すればよい。
第2の所定ポリフェニレンエーテルを製造する場合には、上述の通り、少なくとも条件1を満たすフェノール類を含み、条件Zを満たすフェノール類を含まない原料フェノール類を使用すればよい。
(触媒)
触媒は特に限定されず、ポリフェニレンエーテルの酸化重合において使用される適宜の触媒とすればよい。
触媒としては、例えば、アミン化合物や、銅、マンガン、コバルト等の重金属化合物とテトラメチルエチレンジアミンなどのアミン化合物とからなる金属アミン化合物が挙げられ、特に、十分な分子量の共重合体を得るためには、アミン化合物に銅化合物を配位させた銅−アミン化合物を用いることが好ましい。触媒は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
触媒の含有量は特に限定されないが、重合溶液中、原料フェノール類の合計に対し0.1〜0.6mol%等とすればよい。
このような触媒は、予め適宜の溶媒に溶解させてもよい。
(溶媒)
溶媒は特に限定されず、ポリフェニレンエーテルの酸化重合において使用される適宜の溶媒とすればよい。溶媒は、フェノール性化合物および触媒を溶解または分散可能なものを用いることが好ましい。
溶媒としては、具体的には、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、クロロホルム、塩化メチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素、ニトロベンゼン等のニトロ化合物、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(CA)等が挙げられる。溶媒は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
なお、溶媒として、水や水と相溶可能な溶媒等を含んでいてもよい。
重合溶液中の溶媒の含有量は特に限定されず、適宜調整すればよい。
(その他の原料)
重合溶液は、本発明の効果を阻害しない範囲でその他の原料を含んでいてもよい。
<<<酸素供給工程>>>
酸素供給工程は、重合溶液中に酸素含有ガスを通気させる工程である。
酸素ガスの通気時間や使用する酸素含有ガス中の酸素濃度は、気圧や気温等に応じて適宜変更可能である。
<<<重合工程>>>
重合工程は、重合溶液中に酸素が供給された状況下、重合溶液中のフェノール類を酸化重合させる工程である。
具体的な重合の条件としては特に限定されないが、例えば、25〜100℃、2〜24時間の条件で攪拌すればよい。
<<<変性工程>>>
変性工程では、上述した変性用化合物を使用して、重合工程で得られた所定ポリフェニレンエーテルの末端水酸基を変性させる。
第1の末端変性ポリフェニレンエーテルを製造する場合には、第1の所定ポリフェニレンエーテルを変性用化合物によって変性させればよい。
第2の末端変性ポリフェニレンエーテルを製造する場合には、第2の所定ポリフェニレンエーテルを変性用化合物によって変性させればよい。
変性に際しての反応温度、反応時間、触媒の有無および触媒の種類等については、適宜設計可能である。変性用化合物は、2種類以上の化合物を使用してもよい。
所定ポリフェニレンエーテルの末端水酸基が変性されたことは、所定ポリフェニレンエーテルと末端変性ポリフェニレンエーテルとの水酸基価を比較することで確認することができる。なお、末端変性ポリフェニレンエーテルは、保存安定性の悪化等の影響が生じない範囲で、一部が未変性の水酸基のままであってもよい。
<<<<<硬化性組成物>>>>>
本発明の硬化性組成物は、末端変性ポリフェニレンエーテルを含む。また、硬化性組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、その他の成分を含んでいてもよい。
<<<<末端変性ポリフェニレンエーテル>>>>
本発明の硬化性組成物を構成する末端変性ポリフェニレンエーテルは、上述の通りのものを使用できる。
本発明の硬化性組成物中、末端変性ポリフェニレンエーテルの含有量は、典型的には、組成物の固形分全量基準で、5〜30質量%または10〜20質量%である。また、別の観点では、硬化性組成物中の末端変性ポリフェニレンエーテルの含有量は、組成物の固形分全量基準で、20〜60質量%である。
なお、硬化性組成物中の固形分とは、溶媒(特に有機溶媒)以外の組成物を構成する成分、またはその質量や体積を意味する。
<<<<その他の成分>>>>
その他の成分としては、公知の成分、例えば、フィラー(無機フィラーの他、PTFEパウダー等の有機フィラー)、難燃性向上剤(リン系化合物等)、セルロースナノファイバー、シアネートエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノ−ルノボラック樹脂、エラストマー、分散剤、硬化促進剤、架橋型硬化剤(架橋剤)、重合開始剤、密着性付与剤、溶媒等の成分を含んでもよい。
無機フィラーとしては、アルミナ、酸化チタンなどの金属酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物;タルク、マイカなどの粘土鉱物;チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウムなどのフェロブスカイト型結晶構造を有するフィラー;シリカ、窒化ホウ素、ホウ酸アルミニウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等を使用できる。
<<<シリカ>>>
上述した無機フィラーの中でも、シリカは組成物の製膜性を向上させ、硬化物に難燃性を付与することができ、さらに、低誘電正接化や低熱膨張化を高いレベルで実現することができる。
シリカの平均粒径は、好ましくは0.02〜10μm、より好ましくは0.02〜3μmである。ここで平均粒径は、市販のレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置を用いて、レーザー回折・散乱法による粒度分布の測定値から、累積分布によるメディアン径(d50、体積基準)として求めることができる。
異なる平均粒径のシリカを併用することも可能である。シリカの高充填化を図る観点から、例えば平均粒径1μm以上のシリカとともに、平均粒径1μm未満のナノオーダーの微小のシリカを併用してもよい。
シリカはカップリング剤により表面処理が施されていてもよい。表面をシランカップリング剤で処理することで、ポリフェニレンエーテルとの分散性を向上させることができる。また有機溶媒との親和性も向上させることができる。
シランカップリング剤としては、例えば、エポキシシランカップリング剤、メルカプトシランカップリング剤、ビニルシランカップリング剤などを用いることができる。エポキシシランカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランなどを用いることができる。メルカプトシランカップリング剤としては、例えば、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどを用いることができる。ビニルシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリエトキシシランなどを用いることができる。
シランカップリング剤の使用量は、例えば、シリカ100質量部に対して0.1〜5質量部、0.5〜3質量部としてもよい。
シリカ等の充填剤の含有量は、ポリフェニレンエーテル100質量部に対して50〜400質量部または100〜400質量部としてもよい。あるいは、シリカ等の充填剤の含有量は、組成物の固形分全量基準で、10〜30質量%としてもよい。
また、別の観点では、シリカ等の充填剤の配合量は、ポリフェニレンエーテル100質量部に対して100〜700質量部または200〜600質量部としてもよい。あるいは、シリカ等の充填剤の含有量は、組成物の固形分全量基準で、10〜90質量%としてもよい。
<<<重合開始剤>>>
本発明の硬化性組成物は、末端変性ポリフェニレンエーテルが不飽和炭素結合を有する場合、重合開始剤を含むことが好ましい。重合開始剤は、熱又は紫外線などの光照射によって、ラジカルを発生させる作用を有する化合物である。このような重合開始剤としては、硬化性組成物の用途に応じて、熱によりラジカルを発生する熱重合開始剤(熱ラジカル開始剤)、又は、光照射によってラジカルを発生する光重合開始剤(光ラジカル開始剤)のいずれを用いてもよい。
<<熱重合開始剤>>
熱重合開始剤としては、過酸化物が挙げられる。
過酸化物としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルアセトパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3−ブテン、アセチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トルイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチレンパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルペルオキシイソプロピルモノカーボネート、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、等が挙げられる。
過酸化物としては、これらの中でも、取り扱いの容易さと反応性の観点から、1分間半減期温度が130℃から180℃のものが望ましい。このような過酸化物は、反応開始温度が比較的に高いため、乾燥時など硬化が必要でない時点での硬化を促進し難く、ポリフェニレンエーテル樹脂組成物の保存性を貶めず、また、揮発性が低いため乾燥時や保存時に揮発せず、安定性が良好である。
また、熱重合開始剤として、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2’−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物等を使用してもよい。
これらは単独で、又は、複数を組み合わせて用いることができる。
<<光重合開始剤>>
光重合開始剤としては、例えば、
2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンなどのベンゾインケタール;
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オンなどのα−ヒドロキシケトン;
2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、1,2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オンなどのα−アミノケトン;
1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタジオン−2−(ベンゾイル)オキシムなどのオキシムエステル;
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドなどのホスフィンオキシド;
2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体などの2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;
ベンゾフェノン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、N,N,N’,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン化合物;
2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノンなどのキノン化合物;
ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテルなどのベンゾインエーテル;
ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾインなどのベンゾイン化合物;
ベンジルジメチルケタールなどのベンジル化合物;
9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9、9’−アクリジニルヘプタン)などのアクリジン化合物;
N−フェニルグリシン;
クマリン;
等を挙げることができる。
これらは単独で、又は、複数を組み合わせて用いることができる。
重合開始剤の添加量は、重合開始剤の総量で、硬化性組成物の固形分100質量部に対し、0.01〜10質量部とすることができる。
<<<硬化促進剤>>>
硬化促進剤は、従来公知のものを使用することができる。硬化促進剤としては、例えば、イミダゾール誘導体、リン系硬化促進剤、アミン化合物、ヒドラジン化合物、S−トリアジン誘導体等が挙げられる。
イミダゾール誘導体としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等が挙げられる。
リン系硬化促進剤としては、トリフェニルホスフィン、ホスホニウムボレート化合物、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート等が挙げられる。
アミン化合物としては、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等が挙げられる。
ヒドラジン化合物としては、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド等が挙げられる。
S−トリアジン誘導体としては、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、メラミン、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等が挙げられる。
硬化促進剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
硬化促進剤の添加量は、硬化促進剤の総量で、硬化性組成物の固形分100質量部に対し、0.01〜20質量部とするのが好ましく、0.05〜10質量部とするのがより好ましく、0.1〜10質量部とするのが特に好ましい。硬化促進剤の総量をこの範囲とすることで、低温での効果を十分なものとしつつ、塗膜化した際の膜質の劣化を防止することができる。
<<<架橋型硬化剤(架橋剤)>>>
本発明の硬化性組成物は、末端変性ポリフェニレンエーテルが不飽和炭素結合を有する場合、架橋型硬化剤を含むことでポリフェニレンエーテルに含まれる不飽和炭素結合と反応し、3次元架橋を形成するものである。
架橋型硬化剤としては、ポリフェニレンエーテルとの相溶性が良好なものが用いられるが、ジビニルベンゼンやジビニルナフタレンやジビニルビフェニルなどの多官能ビニル化合物;フェノールとビニルベンジルクロライドの反応から合成されるビニルベンジルエーテル系化合物;スチレンモノマー,フェノールとアリルクロライドの反応から合成されるアリルエーテル系化合物;さらにトリアルケニルイソシアヌレートなどが良好である。架橋型硬化剤としては、ポリフェニレンエーテルとの相溶性が特に良好なトリアルケニルイソシアヌレートが好ましく、なかでも具体的にはトリアリルイソシアヌレート(以下、TAIC(登録商標))やトリアリルシアヌレート(以下TAC)が好ましい。これらは、低誘電特性を示し、かつ耐熱性を高めることができる。特にTAIC(登録商標)は、ポリフェニレンエーテルとの相溶性に優れるので好ましい。
また、架橋型硬化剤としては、(メタ)アクリレート化合物(メタクリレート化合物およびアクリレート化合物)を用いてもよい。特に、3〜5官能の(メタ)アクリレート化合物を使用するのが好ましい。3〜5官能のメタクリレート化合物としては、トリメチロールプロパントリメタクリレート等を用いることができ、一方、3〜5官能のアクリレート化合物としては、トリメチロールプロパントリアクリレート等を用いることができる。これらの架橋型硬化剤を用いると耐熱性を高めることができる。架橋型硬化剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
本発明の硬化性組成物中、末端変性ポリフェニレンエーテルと架橋型硬化剤(例えば、トリアルケニルイソシアヌレート)との配合比率は、固形分比(末端変性ポリフェニレンエーテル:架橋型硬化剤)として、20:80〜90:10とすることが好ましく、30:70〜90:10とすることがより好ましい。
<<<溶媒>>>
本発明の硬化性組成物は、通常、末端変性ポリフェニレンエーテルが溶媒(溶剤)に溶解した状態で提供または使用される。本発明の末端変性ポリフェニレンエーテルや所定ポリフェニレンエーテルは、従来のポリフェニレンエーテルに比べて溶媒に対する溶解性が高いため、硬化性組成物の用途に応じて、使用する溶媒の選択肢を幅広いものとすることができる。
本発明の硬化性組成物に使用可能な溶媒の一例としては、クロロホルム、塩化メチレン、トルエン等の従来使用可能な溶媒の他、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、テトラヒドロフラン(THF)、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(CA)、メチルエチルケトン、酢酸エチル、等の比較的安全性の高い溶媒等が挙げられる。なお、溶媒は、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)であってもよい。溶媒は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
本発明の硬化性組成物中の溶媒の含有量は特に限定されず、硬化性組成物の用途に応じて適宜調整可能である。
<<<<<ドライフィルム、プリプレグ>>>>>
本発明のドライフィルムまたはプリプレグは、上述した硬化性組成物を基材に塗布又は含浸して得られるものである。
ここで基材とは、銅箔等の金属箔、ポリイミドフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム等のフィルム、ガラスクロス、アラミド繊維等の繊維が挙げられる。
ドライフィルムは、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に硬化性組成物を塗布乾燥させ、必要に応じてポリプロピレンフィルムを積層することにより得られる。
プリプレグは、例えば、ガラスクロスに硬化性組成物を含浸乾燥させることにより得られる。
<<<<<硬化物>>>>>
硬化物は、上述した硬化性組成物を硬化することで得られる。
硬化性組成物から硬化物を得るための方法は、特に限定されるものではなく、硬化性組成物の組成に応じて適宜変更可能である。一例として、上述したような基材上に硬化性組成物の塗工(例えば、アプリケーター等による塗工)を行う工程を実施した後、必要に応じて硬化性組成物を乾燥させる乾燥工程を実施し、加熱(例えば、イナートガスオーブン、ホットプレート、真空オーブン、真空プレス機等による加熱)によりポリフェニレンエーテルを熱架橋させる熱硬化工程を実施すればよい。なお、各工程における実施の条件(例えば、塗工厚、乾燥温度および時間、加熱温度および時間等)は、硬化性組成物の組成や用途等に応じて適宜変更すればよい。
<<<<<積層板>>>>>
本発明においては、上述のプリプレグを用いて積層板を作製することができる。
例えば、本発明のプリプレグを一枚または複数枚重ね、さらにその上下の両面または片面に銅箔等の金属箔を重ねて、その積層体を加熱加圧成形することにより、積層一体化された両面に金属箔または片面に金属箔を有する積層板を作製することができる。
<<<<<電子部品>>>>>
上述した硬化物は、優れた誘電特性や耐熱性を有するため、電子部品用等に使用可能である。
本発明のかかる硬化物を有する電子部品としては、特に限定されないが、好ましくは、第5世代通信システム(5G)に代表される大容量高速通信や自動車のADAS(先進運転システム)向けミリ波レーダー等が挙げられる。
次に、実施例および比較例により、本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらには何ら限定されない。
<<<<組成物の作製>>>>
以下に各組成物(実施例1〜11、および比較例1〜2の組成物)の作製手順を説明する。
<<<無変性PPE(変性前PPE)>>>
<無変性PPE−1:不飽和炭素結合含有:分岐型>
3Lの二つ口ナスフラスコに、ジ−μ−ヒドロキソ−ビス[(N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン)銅(II)]クロリド(Cu/TMEDA)5.3gと、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)5.7mLを加えて十分に溶解させ酸素を供給した。о−クレゾール19.90g、2−アリル−6−メチルフェノール13.7g、2,6−ジメチルフェノール78.7gをトルエン1.5Lに溶解させ、フラスコに滴下し、攪拌しながら40℃で6時間反応させた。反応終了後、メタノール20L:濃塩酸22mLの混合液で2回再沈殿させてろ過にて取り出し、80℃で24時間乾燥させ、無変性PPE−1を得た。
無変性PPE−1は、構造中に不飽和炭素結合を含む官能基を有する、分岐型ポリフェニレンエーテルである。
数平均分子量は20,000、重量、平均分子量は60,000であった。
また、コンフォメーションプロットの傾きは0.30であった。
末端水酸基数は5であった。
<無変性PPE−2:不飽和炭素結合非含有:分岐型>
3Lの二つ口ナスフラスコに、ジ−μ−ヒドロキソ−ビス[(N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン)銅(II)]クロリド(Cu/TMEDA)2.6gと、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)3.18mL を加えて十分に溶解させ酸素を供給した。原料フェノール類である2,6−ジメチルフェノール105gとo―クレゾールと23gとをトルエン1.5Lに溶解させ原料溶液を調製した。この原料溶液をフラスコに滴下し、攪拌しながら40℃で6時間反応させた。反応終了後、メタノール20L:濃塩酸22mLの混合液で再沈殿させてろ過にて取り出し、80℃で24時間乾燥させ無変性PPE−2を得た。
無変性PPE−2は、構造中に不飽和炭素結合を含む官能基を有しない、分岐型ポリフェニレンエーテルである。
数平均分子量は15,000、重量平均分子量は50,000であった。
また、コンフォメーションプロットの傾きは0.32であった。
末端水酸基数は5であった。
<無変性PPE−3:不飽和炭素結合含有:分岐型>
3Lの二つ口ナスフラスコに、ジ−μ−ヒドロキソ−ビス[(N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン)銅(II)]クロリド(Cu/TMEDA)2.6gと、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)3.18mLを加えて十分に溶解させ酸素を供給した。原料フェノール類である2,6−ジメチルフェノール105gと2−アリルフェノールと28.8gとをトルエン1.5Lに溶解させ原料溶液を調製した。この原料溶液をフラスコに滴下し、攪拌しながら40℃で6時間反応させた。反応終了後、メタノール20L:濃塩酸22mLの混合液で再沈殿させてろ過にて取り出し、80℃で24時間乾燥させ無変性PPE−3を得た。
無変性PPE−3は、構造中に不飽和炭素結合を含む官能基を有する、分岐型ポリフェニレンエーテルである。
数平均分子量は15,000、重量平均分子量は55,000であった。
また、コンフォメーションプロットの傾きは0.33であった。
末端水酸基数は5であった。
<無変性PPE−4:非分岐>
原料フェノール類として2−アリル−6−メチルフェノール4.5g、2,6−ジメチルフェノール33g、溶媒としてトルエン0.23 Lを用いた以外は無変性PPE−1と同様の手順で合成した。
無変性PPE−4は、非分岐ポリフェニレンエーテルである。
数平均分子量は19,000、重量平均分子量は38,000であった。
コンフォメーションプロットの傾きは0.61であった。
末端水酸基数は1であった。
<<<変性PPE>>>
<<末端アクリレート変性>>
<変性PPE−1:分岐型>
攪拌子、滴下ロート、還流管を備えたナスフラスコに無変性PPE−1を25g、トリエチルアミン5.2g、THF400mlを加え、アクリル酸クロライド4.6g、THF50mlを滴下漏斗に仕込んだ。ナスフラスコを0℃まで冷却後、攪拌状態でアクリル酸クロライドのTHF溶液を滴下した後、室温に戻し、終夜攪拌した。反応溶液をメタノール1000mlに再沈殿し、ろ過にて取り出し、80℃で24時間乾燥させ、変性PPE−1を得た。
数平均分子量は20、000、重量平均分子量は60,000であった。
UV測定により、末端変換効率は95%であった。
<変性PPE−2:分岐型>
無変性PPE−2を用いた以外は変性PPE−1と同様の手順で合成した。
数平均分子量は15,000、重量平均分子量は50,000であった。
UV測定により、末端変換効率は96%であった。
<変性PPE−12:非分岐>
無変性PPE−4、トルエンを用いた以外は変性PPE−1と同様の手順で合成した。
数平均分子量は19,000、重量平均分子量は38,000であった。
UV測定により、末端変換効率は93%であった。
<<末端メタクリレート変性>>
<変性PPE−3:分岐型>
攪拌子、滴下ロート、温度計を備えたナスフラスコに無変性PPE−3を25g、トリエチルアミン5.2g、THF400mlを加え、メタクリル酸クロライド4.6g、THF50mlを滴下漏斗に仕込んだ。ナスフラスコを0℃まで冷却後、攪拌状態でアクリル酸クロライドのTHF溶液を滴下した後、室温に戻し、終夜攪拌した。反応溶液をメタノール1000mlに再沈殿し、ろ過にて取り出し、80℃で24時間乾燥させ、変性PPE−3を得た。
数平均分子量は15,000、重量平均分子量は55,000であった。
UV測定により、末端変換効率は98%であった。
<変性PPE−4:分岐型>
無変性PPE−2を用いた以外は変性PPE−3と同様の手順で合成した。
数平均分子量は15,000、重量平均分子量は55,000であった。
UV測定により、末端変換効率は98%であった。
<<末端マレイミド変性>>
<変性PPE−5:分岐型>
攪拌子、還流管を備えたナスフラスコに、無変性PPE−1を25g、トルエン50ml、p−アミノフェノール0.85gを加え、90℃で撹拌した。t−ブチルペルオキシイソプロピルモノカーボネート(パーブチルI)1.25g、ナフテン酸マンガン0.1gを加え、溶液温度90℃で4時間反応させた後、70℃に冷却した。続いて、反応溶液に、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド(BIM5100)3.45g、プロピレングリコールモノメチルエーテル7.5gを加え、撹拌し、120℃でまで昇温し4時間加熱攪拌した。反応溶液をメタノール/ベンゼン1:1溶液1000mlに再沈殿し、ろ過にて取り出し、80℃で24時間乾燥させ、変性PPE−5を得た。
数平均分子量は20,000、重量平均分子量は60,000であった。
UV測定により、末端変換効率は95%であった。
<変性PPE−6:分岐型>
無変性PPE−2を用いた以外は変性PPE−5と同様の手順で合成した。
数平均分子量は15,000、重量平均分子量は50,000であった。
UV測定により、末端変換効率は94%であった。
<変性PPE−13:非分岐>
無変性PPE−4を用いた以外は変性PPE−5と同様の手順で合成した。
数平均分子量は19,000、重量平均分子量は38,000であった。
UV測定により、末端変換効率は94%であった。
<<末端酸無水物基変性>>
<変性PPE−7:分岐型>
攪拌子、Dean−Starkトラップ、還流管、窒素ラインを備えたナスフラスコに無変性PPE−3を20g加え、窒素置換した後、ジメチルスルホキシド125ml、トルエン113ml、50%水酸化ナトリウム水溶液3.23gを仕込み、窒素下で6時間加熱還流し、水を留去した。その後、40分かけてトルエン71mlを留去し、反応液温度が145℃となったところで室温まで放冷した。続いてN−フェニル−4−ニトロフタルイミド27g加え60℃、3時間加熱攪拌した。反応器を放冷し、酢酸3.75mlを加えた後、水250mlを加え、攪拌した。析出した固形物をろ過した後、アセトニトリル30mlにて3回洗浄し、固体(変性PPE−7´)を回収した。攪拌装置、温度計を備えたフラスコにTHF100ml、水20ml、50%水酸化ナトリウム水溶液 2.96g、変性PPE−7´18.gを仕込んで40−44℃に加熱撹拌した。6時間後加熱を止め、一晩放置した。反応液を希塩酸(35%塩酸:水=10:45、165ml)に注ぎ、析出した固形物をろ過、水洗、風乾後、アセトニトリル30mlで洗浄し、固体(変性PPE−7´´)を回収した。
攪拌装置、温度計、還流管を備えたナスフラスコに酢酸300ml、無水酢酸5.3gを仕込み90℃で加熱攪拌した。続いて、変性PPE−7´´10gを加えた後、20分間加熱還流し、室温まで冷却した。析出物をろ別し変性PPE−7を得た。
平均分子量は15,000、重量平均分子量は55,000であった。
UV測定により、末端変換効率は93%であった。
<変性PPE−8:分岐型>
無変性PPE−2を用いた以外は変性PPE−7と同様の手順で合成した。
数平均分子量は15,000、重量平均分子量は50,00であった。
UV測定により、末端変換効率は98%であった。
<<末端カルボキシル基変性>>
<変性PPE−9:分岐型>
攪拌子、還流管を備えた反応器に、無変性PPE−2を20g、NMP200mlを加え、攪拌した後、THPA1.12g、トリエチルアミン0.8gを加え80℃で終夜攪拌した。反応溶液をメタノールに再沈殿させてろ過にて取り出し、80℃で24時間乾燥させ、無変性PPE−9を得た。
数平均分子量は15,000、重量平均分子量は50,000であった。
末端変換効率は95%であった。
<<末端エポキシ変性>>
<変性PPE−10:分岐型>
攪拌子、還流管、滴下漏斗を備えた反応器に、無変性PPE−2を20g、エピクロロヒドリン7.4g、トルエン100mlを加え、滴下漏斗にNaOEt1.6g、エタノール5gを仕込んだ。100℃で加熱攪拌しながら、NaOEtのエタノール溶液を25分かけて滴下し、5時間加熱攪拌した。続いて、反応溶液に1Mの塩酸を加え、攪拌した後、メタノール600mlに再沈殿させて濾過にて取り出し、80℃で24時間乾燥させ、変性PPE−10を得た。
数平均分子量は15,000、重量平均分子量は50,000であった。
末端変換効率は98%であった。
<<末端エピスルフィド変性>>
<2−クロロメチルエチレンスルフィドの合成>
還流管を備えたフラスコにエピクロロヒドリン9.25g、チオシアン酸アンモニウム7.61gを加え90℃、5時間加熱攪拌した。反応溶液を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した後、乾燥させた。続いて、ヘキサン/酢酸エチル=20/1の溶離液にてカラム精製を行った後、エバポレーターにて溶媒を除去し、2−クロロメチルエチレンスルフィドを9.1g得た。
<変性PPE−11:分岐型>
攪拌子、還流管、滴下漏斗を備えた反応器に、無変性PPE−2を20g、2−クロロメチルエチレンスルフィド7.4g、トルエン100mlを加え、滴下漏斗にNaOEt1.6g、エタノール5gを仕込んだ。100℃で加熱攪拌しながら、NaOEtのエタノール溶液を25分かけて滴下し、5時間加熱攪拌した。続いて、反応溶液に1Mの塩酸を加え、攪拌した後、メタノール600mlに再沈殿させて濾過にて取り出し、80℃で24時間乾燥させ、変性PPE−11を得た。
数平均分子量は15,000、重量平均分子量は50,000であった。
末端変換効率は98%であった。
<<<変性PPEのコンフォメーションプロットの傾き>>>
変性PPEのコンフォメーションプロットの傾きを測定したところ、各々、変性前PPEのコンフォメーションプロットの傾きと同程度であることが確認された。
<<<変性PPEの溶媒溶解性>>>
各変性PPEの溶媒溶解性を確認した。この溶媒溶解性の評価は、前述した通りである。
分岐型のPPEは、シクロヘキサノンに可溶であった。
非分岐の変性PPEは、シクロヘキサノンに可溶ではなく、クロロホルムには可溶であった。
<<<<樹脂組成物の調製>>>>
表に示す配合量となるように、変性PPEと、架橋型硬化剤(TAIC:三菱ケミカル株式会社製)と、硬化促進剤と、溶媒と、を配合し、分散および攪拌して、各実施例および各比較例に係る樹脂組成物を得た。
なお、表中の「パーブチルP」(商品名)は、日本油脂株式会社製のα,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼンを示す。
各樹脂組成物の有機溶媒については、シクロヘキサノンに可溶な分岐型の変性PPEを使用する場合にはシクロヘキサノンを使用し、シクロヘキサノンに可溶ではない非分岐の変性PPEを使用する場合にはクロロホルムを使用した。
<<<<評価>>>>
各実施例及び各比較例に係る樹脂組成物について、以下の評価を行った。
<<<環境対応>>>
溶媒としてシクロヘキサノンが用いられた樹脂組成物を「〇」、溶媒としてクロロホルムが用いられた樹脂組成物を「×」とした。上述の通り、非分岐の変性PPEはシクロヘキサノンに溶解しないが、分岐型の変性PPEはシクロヘキサノンに可溶である。
<硬化膜の作製>
厚さ18μm銅箔のシャイン面に、得られた樹脂組成物を、硬化物の厚みが50μmになるようにアプリケーターで塗布した後、熱風式循環式乾燥炉で90℃30分乾燥させた。
次いで、実施例2及び5においては、紫外線露光装置((株)オーク製作所製、型式HMW−680GW)を用いて紫外線を照射(露光量2000mJ/cm)し、その後130℃で3分間の熱処理を行った。実施例2及び5を除く実施例及び比較例においては、上記乾燥後にイナートオーブンを用いて窒素を完全に充満させて200℃まで昇温後、60分間の熱処理を行った。
その後、銅箔をエッチングにより除去し、各樹脂組成物の硬化物(硬化膜)を得た。
<<<誘電特性>>>
誘電特性である比誘電率Dkおよび誘電正接Dfは、以下の方法に従って測定した。
硬化膜を長さ80mm、幅45mm、厚み50μmに切断したものを試験片としてSPDR(Split Post Dielectric Resonator)共振器法により測定した。測定器には、キーサイトテクノロジー合同会社製のベクトル型ネットワークアナライザE5071C、SPDR共振器、計算プログラムはQWED社製のものを用いた。条件は、周波数10GHz、測定温度25℃とした。
(評価基準)
Dfが0.001未満のものを「◎」、Dfが0.001以上のものを「×」とした。
<PCT(Pressure Cooker Test)前後の機械特性>
PCT前の硬化膜として、上記の硬化膜を準備した。
PCT後の硬化膜として、上記の硬化膜を準備し、以下の試験装置及び温度・圧力条件にて処理を行った。
試験装置:ESPEC EHS−411MD
温度:121℃
湿度:100%RH
圧力:2atm
PCT前の硬化膜およびPCT後の硬化膜のそれぞれについて、硬化膜を長さ8cm、幅0.5cm、厚み50μmに切り出し、引張破断伸びを下記条件にて測定した。
[測定条件]
試験機:引張試験機EZ−SX(株式会社島津製作所製)
チャック間距離:50mm
試験速度:1mm/min
伸び計算:(引張移動量/チャック間距離)×100
(評価基準)
[PCT前の引張破断伸び−PCT後の引張破断伸び]が、1%未満ものを「○」、1%以上のものを「×」と評価した。
Figure 2021109944

Claims (7)

  1. ポリフェニレンエーテルの末端水酸基の一部又は全部が硬化性官能基に変性されている末端変性ポリフェニレンエーテルであって、
    前記ポリフェニレンエーテルは、少なくとも条件1を満たすフェノール類と、少なくとも条件Zを満たすフェノール類と、を含む原料フェノール類から得られ、
    コンフォメーションプロットで算出された傾きが0.6未満であり、
    前記硬化性官能基が、不飽和炭素結合を含む官能基、カルボキシル基、環状(チオ)エーテル基、酸無水物基、マレイミド基から選択されるいずれか少なくとも1種である
    ことを特徴とする末端変性ポリフェニレンエーテル。
    (条件1)
    オルト位およびパラ位に水素原子を有する
    (条件Z)
    不飽和炭素結合を含む官能基を有する
  2. ポリフェニレンエーテルの末端水酸基の一部又は全部が硬化性官能基に変性されている末端変性ポリフェニレンエーテルであって、
    前記ポリフェニレンエーテルは、少なくとも条件1を満たすフェノール類を含み、条件Zを満たすフェノール類を含まない原料フェノール類から得られ、
    コンフォメーションプロットで算出された傾きが0.6未満であり、
    前記硬化性官能基が、不飽和炭素結合を含む官能基、カルボキシル基、環状(チオ)エーテル基、酸無水物基、マレイミド基から選択されるいずれか少なくとも1種である
    ことを特徴とする末端変性ポリフェニレンエーテル。
    (条件1)
    オルト位およびパラ位に水素原子を有する
    (条件Z)
    不飽和炭素結合を含む官能基を有する
  3. 請求項1又は2に記載のポリフェニレンエーテルを含むことを特徴とする硬化性組成物。
  4. 請求項3に記載の硬化性組成物を基材に塗布または含侵して得られることを特徴とするドライフィルムまたはプリプレグ。
  5. 請求項3に記載の硬化性組成物を硬化して得られることを特徴とする硬化物。
  6. 請求項5に記載の硬化物を含むことを特徴とする積層板。
  7. 請求項5に記載の硬化物を有することを特徴とする電子部品。

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