JP2006054607A - 電流電圧変換回路および光検出回路 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】増幅器2の反転入力端子T(−)と出力端子Toとの間に負帰還抵抗R1(またはR1+R2)が接続され、入力端子T(−)から引き抜く電流Ipdを負帰還抵抗R1(またはR1+R2)によって電圧Voに変換する電流電圧変換回路である。増幅器2は、電流Ipdによる電圧変化を増幅した信号を独立に出力可能な複数の出力経路AとBと、当該複数の出力経路A,Bのそれぞれに設けられている位相補償素子C1,C2と、入力する制御信号CONT2に基づいて直流バイアス回路を選択し、複数の出力経路A,Bの何れかをアクティブにするスイッチSW2とを有する。
【選択図】図4
Description
このスイッチをオンからオフしたときは位相補償用キャパシタ値が小さくなるので負帰還増幅器の開ループゲインのファーストポールが高域側にシフトする。そのスイッチに連動して、差動増幅器外部の負帰還抵抗回路内のスイッチもオンからオフにする。これにより、変換ゲインが大きくなって帰還量が減少しループゲインが低下するが、このとき上記開ループゲインのファーストポールが高域側にシフトすることから、周波数帯域が狭くなることがない。
さらに好適に、前記位相補償素子と前記出力端子との間に接続されているトランジスタを、前記アクティブにされた出力経路に制御入力が接続されている電圧フォロア型のトランジスタで構成している。
このような構成では、位相補償素子が独立な出力経路にそれぞれ設けられていることから、アクティブな出力経路の位相補償素子に対し、他の非アクティブな出力経路の位相補償素子が接続されないか、高インピーダンス接続となる。
なお、本発明では、2つの位相補償素子の並列接続を制御する従来構成と異なり、位相補償素子の各々が単独で閉ループゲインのシフト量を決める。
ここでは、まず、本発明が適用される前の光検出回路の基本構成と、その問題点を説明し、つぎに、この問題点を解決するための構成を付加した本発明適用後の光検出回路について説明する。
図解した光検出回路1は、たとえば光ディスクの反射光を光学ピックアップ内のフォトダイオードPDで光電変換したときの電流Ipdを入力し、これを電圧に変換して出力端子Toから出力する回路である。
光検出回路1は、図1に示すように、演算増幅器2と、それに負帰還をかける帰還率βの帰還回路3とから構成される。フォトダイオードPDを演算増幅器2の反転入力端子T(−)に接続し、基準電圧VCを非反転入力端子T(+)に入力し、出力端子Toと反転入力端子T(−)との間に帰還率βの帰還回路3を接続している。
フォトダイオードPDは、図示のように、入力電流Ipdを流す電流源と容量Cpdにより等価的に表すことができる。
具体的には、帰還回路3は、互いに並列接続された2つの帰還抵抗R1とR2、2つの帰還容量Ct1とCt2、ならびに、帰還抵抗R2と帰還容量Ct2との接続を制御するスイッチSW1から構成されている。帰還抵抗R1とR2は変換ゲインをハイゲイン時とローゲイン時で変えるため、帰還容量Ct1とCt2は、後述する2ポール補償時に位相進みを与え位相余裕を改善し高域での発振防止のために設けられている。
つぎに、スイッチSW1がオンしてハイゲインからローゲインに切り替える。ここでは、ハイゲインとローゲインでは同じ情報を読み出すと仮定する。ローゲインでは、スイッチSW1がオンすることから帰還抵抗R1に帰還抵抗R2が並列接続される。このため帰還抵抗Rtは、その値がR1から合成抵抗値(R1//R2)に置き換わるため下がるが、このときの入力電流Ipdはハイゲイン時より上がっているためバランスがとれて、同じ情報を読み出すときの出力電圧変化ΔVo(=Rt×Ipd)の平均レベルが揃えられ、出力電圧Voがハイゲイン時とほぼ同じとなる。
演算増幅器2の差動入力対を構成するNPN型のトランジスタQ1とQ2のエミッタと接地電位との間に電流源I2が接続されている。トランジスタQ1のベースが反転入力端子T(−)に接続され、トランジスタQ2のベースが非反転入力端子T(+)に接続されている。電源電圧VccとトランジスタQ1のコレクタとの間に、PNP型のトランジスタP1とNPN型のトランジスタQ3とが直列接続され、電源電圧VccとトランジスタQ2のコレクタとの間に、NPN型のトランジスタQ4が接続されている。基本的に、これら5つのトランジスタQ1〜Q4とP1、および、電流源I2により差動アンプを構成する。
より詳細には、トランジスタQ3とQ4のベース電位を基準にとると、そのベースとエミッタ間電圧が1つのダイオードの順方向電圧(1VF)、ダイオードD1とトランジスタP3のエミッタとベース間電圧との合計で2VFとなるから、高ゲイントランジスタ、すなわちトランジスタQ1やQ2のエミッタとコレクタの電圧は最大でも約1VF程度に制御される。
この直流バイアス回路において、電源電圧Vccと接地電位との間にトランジスタP4とP6が直列接続され、この2つのトランジスタP4とP6に対して、トランジスタP5と電流源I1とからなる基準電流を生成するパスが並列に接続されている。トランジスタP4とP5はカレントミラー接続され、トランジスタP6のベースがトランジスタP5のコレクタに接続されている。このため、トランジスタP4とP6にも定電流源I1により規定される定電流が流れ、共通接続されたトランジスタP4とP5のベース電位が一定となる。この一定電圧はトランジスタP1とP2のベースに供給され、これらをオン可能とする。
スイッチSW2は、外部からの制御信号CONTに応じて、帰還回路3内の帰還抵抗Rtのトランスインピーダンスを変更し、かつ位相進み補償量を変えるスイッチSW1と連動して制御される。つまり、スイッチSW1がオンのときはスイッチSW2もオン、スイッチSW1がオフのときはスイッチSW2もオフに制御される。スイッチSW2がオンのときの位相補償用キャパシタの値は(C1+C2)、オフのときの位相補償用キャパシタの値はC1である。
ここで直線近似線G0は、図2に示す回路構成において位相補償用キャパシタをC1のみとし、キャパシタC2やスイッチSW2を設けない場合の開ループゲインを示している。また、直線近似線G1は、図2に示す回路構成においてスイッチSW2をオフしているハイゲイン時の開ループゲインを示している。さらに、直線近似線G2は、図2に示す回路構成においてスイッチSW2をオンしているローゲイン時の開ループゲインを示している。
ハイゲインからローゲインに切り替えると、直線近似線が(1/β)Hから(1/β)Lに変化する。このときローゲイン時の直線近似線(1/β)Lと開ループゲインG0との交点は、セカンドポールP20より高い周波数領域に存在するようになる。このため、常に発振する発振条件を満たしてしまう。
また、ハイゲイン時に光検出回路の広帯域化を図りたい場合、演算増幅器2の位相補償用キャパシタを小さくする必要があるが、ローゲイン時の位相補償用キャパシタの寄生容量により帯域を延ばすことができない。
図4に示す演算増幅器の回路の特徴は、差動対の一方のトランジスタQ1から出力端子Toまでの出力経路を、出力経路Aと出力経路Bの2つ独立に設けていることである。出力経路Aと共通電位、たとえば電源電圧(接地電位でも可)との間に位相補償用キャパシタC1が接続され、出力経路Bと共通電位、たとえば電源電圧(接地電位でも可)との間に位相補償用キャパシタC2が接続されている。
以下、この図5と図6を用いて、図2との比較において本実施の形態の回路構成を説明する。
本回路では、図2におけるトランジスタQ3,Q4,Q5,P1,P2,P4,P5,P6、ダイオードD1および電流源I3が、それぞれペアで設けられている。
具体的には、トランジスタQ3と同じ機能のトランジスタQ3aとQ3bが設けられ、トランジスタQ4と同じ機能のトランジスタQ4aとQ4bが設けられ、トランジスタQ5と同じ機能(電圧フォロア)のトランジスタQ5aとQ5bが設けられ、トランジスタP1と同じ機能(負荷)のトランジスタP1aとP1bが設けられ、トランジスタP2と同じ機能のトランジスタP2aとP2bが設けられ、トランジスタP4と同じ機能のトランジスタP4aとP4bが設けられ、トランジスタP5と同じ機能のトランジスタP5aとP5bが設けられ、トランジスタP6と同じ機能のトランジスタP6aとP6bが設けられている。
また、ダイオードD1と同じ機能(VFシフト)のダイオードD1aとD1bが設けられ、電流源I3と同じ機能の電流源I3aとI3bが設けられている。
図5のアクティブ経路(実線)と図6のアクティブ経路(実線)とに着目して比較すると、上記3点以外は基本的に同じ回路である。しかも、図5または図6内のアクティブ経路のみ着目すると、その回路構成は、図2に示す回路とほとんど異ならない。僅かに異なるのは、図2に示す回路では、スイッチSW2が直流バイアス回路側ではなくて位相補償用キャパシタC2側にされ、この位相補償用キャパシタC2がもう一つの位相補償用キャパシタC1と少なくとも片側電極側で常に接続状態にあることである。
そのためのスイッチとして、電源電圧側に負荷トランジスタP1aとP1b、差動対側にトランジスタQ3aとQ3b、そして、出力端子To側にエミッタフォロアの出力トランジスタQ5aとQ5bを設けている。
図5と図6を比較すれば明らかなように、負荷トランジスタP1aとP1bの何れかが常にオフしていることから、電源電圧Vccの供給線を介して2つの位相補償用キャパシタC1とC2の出力経路側電極が接続されることはない。なお、他の電極同士は電源電圧Vccの供給線または接地線を介して接続されているが、そのことは出力に影響しない。
同様に、トランジスタQ3aとQ3bの何れかがオフしていることから、作動対トランジスタQ1またはQ2のコレクタを介して2つの位相補償用キャパシタC1とC2の出力経路側電極が接続されることはない。また、出力トランジスタQ5aとQ5bがエミッタフォロアであり、かつ一方しかオンしていないことから、出力端子側を介して2つの位相補償用キャパシタC1とC2の出力経路側電極がローインピーダンス接続されることはない。
本回路ではスイッチSW2によって、ダブルで設けたペアの何れかをバイアスする。スイッチSW2は、直流バイアス回路内にダブルで設けたカレントミラー回路、すなわちトランジスタP4a,P5aおよびP6aからなる第1のカレントミラー回路と、トランジスタP4b,P5bおよびP6bからなる第2のカレントミラー回路の何れかを電流源I1に接続してアクティブにする。アクティブにされたカレントミラー回路は、トランジスタP1aとP2aの組、トランジスタP1bとP2bの組の何れかの組にベース電位を与える。
トランジスタP1aとP2aの組のベース電位が付与されたとき(図5の場合)は、その結果として、トランジスタQ3a,Q4aおよびQ5a、ならびに、ダイオードD1aがバイアスされ、出力経路Aがアクティブにされる。
その一方、トランジスタP1bとP2bの組のベース電位が付与されたとき(図6の場合)は、その結果として、トランジスタQ3b,Q4bおよびQ5b、ならびに、ダイオードD1bがバイアスされ、出力経路Bがアクティブにされる。
この回路の実現により、開ループゲインの周波数特性の設定を容易にすることができる。具体的には、図3において開ループゲインG0を目標とした場合、実際の演算増幅器2の開ループゲインがG1のようにずれることがなくG0と同じにできる。
本実施の形態の図4〜図6に示す回路構成では、このような不要な抵抗成分の影響をなくすことができる。
この用途では、ディスク情報を読み取る光学ピックアップの多くで用いられているフォトダイオードは、たとえば受光面が縦横2つずつ並んだ4つの受光面を有し、検出信号を加減算し、その演算結果から焦点レンズを駆動の向き等を決定する。この場合、光検出IC内に、図1に示す光検出回路を4つ備え、その出力電圧を演算処理するように構成する。
したがって、3つ以上の変換ゲインが異なるように制御する要請に対して、図2に示す構成では寄生容量が増大する一途で対応できない。また、ディスク情報の高密度記録により読み取り信号の高帯域化が進むと、寄生容量、そのた配線容量などの影響が益々増大し、図2に示す構成では対応できなくなる。
つまり、図5,図6と図2との対比から容易に類推できるごとく、ゲインの切り替え数に応じて、増幅信号が独立に出力可能な増幅器の出力経路を、その数に応じて設け、出力経路のいずれかをアクティブにするために必要な回路部分の並列接続数をダブル、トリプル、…と、必要なだけ増やすことで対応できる。しかも、幾らゲインの切り替えステップ数(モード数)を増やしても、位相補償用キャパシタを独立な出力経路ごとに設けていることから、寄生容量は全く増えない。
また、他モード対応となっても必要な回路部分の並列接続数が増えるだけで、回路規模は大きくなるが回路の基本構成に変更はない。このため回路設計が容易であり、動作も安定している。
なお、本発明にかかる電流電圧検出回路は、光検出以外の用途、たとえば磁気ヘッドを流れる電流の検出を行う回路に応用可能である。
Claims (7)
- 入力端子と出力端子との間に負帰還抵抗が接続されている増幅器を有し、当該増幅器の入力端子から引き抜く電流を前記負帰還抵抗によって電圧に変換する電流電圧変換回路であって、
前記増幅器は、
前記電流による電圧変化を増幅した信号を独立に出力可能な複数の出力経路と、
当該複数の出力経路のそれぞれに設けられている位相補償素子と、
入力する制御信号に基づいて、前記複数の出力経路の何れかをアクティブにする出力経路制御手段と
を有する電流電圧変換回路。 - 前記増幅器は、
一方の入力端子に基準電圧を入力し、他方の入力端子に前記電流による電圧変化の信号を入力する差動トランジスタ対と、
当該差動トランジスタ対の一方に接続されている前記複数の出力経路と、
各々の出力経路において、前記差動トランジスタ対と前記位相補償素子との間、位相補償素子と前記出力端子との間にそれぞれ接続され、前記出力経路制御手段の制御に基づいて、一つの出力経路上でオンし、他の出力経路上でオフする複数のトランジスタと
を備える請求項1に記載の電流電圧変換回路。 - 前記位相補償素子と前記出力端子との間に接続されているトランジスタを、前記アクティブにされた出力経路に制御入力が接続されている電圧フォロア型のトランジスタで構成している
請求項2に記載の電流電圧変換回路。 - 前記増幅器は、
前記差動トランジスタ対と前記位相補償素子との間のトランジスタにバイアスを印加することによって当該トランジスタが接続されている出力経路をアクティブとする直流バイアス回路を出力経路ごとに備え、
直流バイアス回路の何れかを前記出力経路選択手段によって動作させる
請求項2に記載の電流電圧変換回路。 - 一方の入力端子に基準電圧が印加され、他方の入力端子と出力端子との間に負帰還抵抗が接続されている演算増幅器を有し、当該演算増幅器の入力端子に光検出用のフォトダイオードを接続し、当該フォトダイオードを流れる電流を前記負帰還抵抗によって電圧に変換する光検出回路であって、
前記増幅器は、
前記フォトダイオードを流れる電流による電圧変化を前記他方の入力端子から入力し、増幅した信号を独立に出力可能な複数の出力経路と、
当該複数の出力経路のそれぞれに設けられている位相補償素子と、
入力する制御信号に基づいて、前記複数の出力経路の何れかをアクティブにする出力経路制御手段と
を有する光検出回路。 - 前記増幅器は、
前記基準電圧と、前記フォトダイオードを流れる電流による電圧変化の信号とを入力する差動トランジスタ対と、
当該差動トランジスタ対の一方に接続されている前記複数の出力経路と、
各々の出力経路において、前記差動トランジスタ対と前記位相補償素子との間、位相補償素子と前記出力端子との間にそれぞれ接続され、前記出力経路制御手段の制御に基づいて、一つの出力経路上でオンし、他の出力経路上でオフする複数のトランジスタと
を備える請求項5に記載の光検出回路。 - 前記位相補償素子と前記出力端子との間に接続されているトランジスタを、前記アクティブにされた出力経路に制御入力が接続されている電圧フォロア型のトランジスタで構成している
請求項6に記載の光検出回路。
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