JP2009182857A - 差動増幅器 - Google Patents

差動増幅器 Download PDF

Info

Publication number
JP2009182857A
JP2009182857A JP2008021580A JP2008021580A JP2009182857A JP 2009182857 A JP2009182857 A JP 2009182857A JP 2008021580 A JP2008021580 A JP 2008021580A JP 2008021580 A JP2008021580 A JP 2008021580A JP 2009182857 A JP2009182857 A JP 2009182857A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
transistor
output terminal
amplifier
conduction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008021580A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4803189B2 (ja
Inventor
Koichiro Yamaguchi
耕一郎 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Icom Inc
Original Assignee
Icom Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Icom Inc filed Critical Icom Inc
Priority to JP2008021580A priority Critical patent/JP4803189B2/ja
Priority to US12/343,303 priority patent/US7737783B2/en
Priority to EP08022567A priority patent/EP2086109B1/en
Publication of JP2009182857A publication Critical patent/JP2009182857A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4803189B2 publication Critical patent/JP4803189B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
    • H03F3/00Amplifiers with only discharge tubes or only semiconductor devices as amplifying elements
    • H03F3/45Differential amplifiers
    • H03F3/45071Differential amplifiers with semiconductor devices only
    • H03F3/45076Differential amplifiers with semiconductor devices only characterised by the way of implementation of the active amplifying circuit in the differential amplifier
    • H03F3/4508Differential amplifiers with semiconductor devices only characterised by the way of implementation of the active amplifying circuit in the differential amplifier using bipolar transistors as the active amplifying circuit
    • H03F3/45085Long tailed pairs
    • H03F3/45089Non-folded cascode stages
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
    • H03F1/00Details of amplifiers with only discharge tubes, only semiconductor devices or only unspecified devices as amplifying elements
    • H03F1/26Modifications of amplifiers to reduce influence of noise generated by amplifying elements
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
    • H03F1/00Details of amplifiers with only discharge tubes, only semiconductor devices or only unspecified devices as amplifying elements
    • H03F1/34Negative-feedback-circuit arrangements with or without positive feedback
    • H03F1/347Negative-feedback-circuit arrangements with or without positive feedback using transformers
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
    • H03F3/00Amplifiers with only discharge tubes or only semiconductor devices as amplifying elements
    • H03F3/189High-frequency amplifiers, e.g. radio frequency amplifiers
    • H03F3/19High-frequency amplifiers, e.g. radio frequency amplifiers with semiconductor devices only
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
    • H03F2200/00Indexing scheme relating to amplifiers
    • H03F2200/294Indexing scheme relating to amplifiers the amplifier being a low noise amplifier [LNA]
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
    • H03F2200/00Indexing scheme relating to amplifiers
    • H03F2200/534Transformer coupled at the input of an amplifier
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
    • H03F2200/00Indexing scheme relating to amplifiers
    • H03F2200/537A transformer being used as coupling element between two amplifying stages
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03FAMPLIFIERS
    • H03F2200/00Indexing scheme relating to amplifiers
    • H03F2200/541Transformer coupled at the output of an amplifier

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Amplifiers (AREA)

Abstract

【課題】広帯域で、低い雑音指数と、安定な利得と、良好なインピーダンスマッチングと、高ダイナミックレンジとを有する差動増幅器を低コスト、小面積で実現する。
【解決手段】トランジスタ104,107,111を有する左側増幅器とトランジスタ131,133,137を有する右側増幅器とを備える差動増幅器100に、抵抗118からなる負帰還回路と、センタータップ付きのトランス103からなる負帰還回路とを備え、更に、キャパシタ116及び抵抗119と、キャパシタ117及び抵抗108と、キャパシタ140及び抵抗134からなる位相補償回路を付加する。トランス103の二次巻線の両端を左右増幅器の出力端子に接続し、二次巻線のセンタータップを接地することで、1個のトランス103を用いて差動増幅出力信号を単相入力に対して帰還させることが可能となり、低コスト化、小面積化が可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、広帯域で高ダイナミックレンジを持つことが要求される、低雑音差動増幅器に関する。
下記非特許文献1には、変圧器(以下、トランスという)と抵抗による二重負帰還回路を備えた低雑音増幅回路(Transformer Feedback Degenerated Low Noise Amplifier、以下TFD−LNAという)について示されている。TFD−LNAは、低い雑音指数と、安定な利得と、良好な入力インピーダンスマッチングとを同時に広帯域で達成することを可能とする優れた回路である。しかしながら、非特許文献1に示されるようなTFD−LNAを用いた差動増幅器は、公知になっていない。
K. van Hartingsveldt, M. H. L. Kouwenhoven, C. J. M. Verhoeven, A. N. Burghartz著"HF Low Noise Amplifiers with Integrated Transformer Feedback", ISCAS 2002, vol.2, pp. II-815 - II-818, May 2002
非特許文献1に示されるTFD−LNAを左右の増幅器として用いることにより、低い雑音指数と、安定な利得と、良好な入力インピーダンスマッチングとを広帯域で保つ差動増幅器が期待できる。そこで、TFD−LNAを2組、左右の増幅器として用い、更に、特に広帯域で高ダイナミックレンジを持たせるために帰還ループ利得を高く設定し、位相補償回路を追加した差動増幅器を考えると、図12のような差動増幅器(以下、この差動増幅器を基本型TFD差動増幅器という)が考えられる。
図12は、TFD−LNAを2組、左右の増幅器として用いた基本型TFD差動増幅器10を示す回路図である。
基本型TFD差動増幅器10は共通した回路定数を持つ、互いに対称な左右の増幅器から構成されている。基本型TFD差動増幅器10の左側増幅器には、トランジスタ24、27及び31が含まれ、右側増幅器にはトランジスタ54、57及び61が含まれている。基本型TFD差動増幅器10の左右の増幅器はそれぞれ個別の入出力端子を備えており、抵抗39とトランス23の一次巻線の接続点が左側増幅器の入力端子、抵抗69とトランス53の一次巻線の接続点が右側増幅器の入力端子、トランジスタ31のエミッタが左側増幅器の出力端子、トランジスタ61のエミッタが右側増幅器の出力端子となっている。前記の左側増幅器の入力端子と右側増幅器の入力端子により、基本型TFD差動増幅器10の差動信号入力端子が構成される。トランジスタ31のエミッタとトランジスタ61のエミッタとは、基本型TFD差動増幅器10の、対を成す左右の出力端子でもある。
この基本型TFD差動増幅器10では、出力インピーダンスRが50Ωの信号源11が、バラントランス12の一次巻線のホット側に接続されている。バラントランス12の一次巻線のコールド側は、グランドに接続されている。バラントランス12の二次巻線の両端は、直流遮断用キャパシタ21,22を介して、基本型TFD差動増幅器10の左右の増幅器の入力端子にそれぞれ接続されている。バラントランス12は、入力信号を差動信号に変換するものであり、その一次巻線と二次巻線の巻数比は例えば1:1となっている。
トランス23の一次巻線のホット側が左側増幅器の入力端子に、接続されている。トランス23には、例えば巻数比が1:2の市販トランスが用いられている。
トランス23の一次巻線のコールド側が、NPN型トランジスタ(以下、単にトランジスタという)24のベースに接続されている。トランジスタ24のベースには、さらにバイアス用電源25の正極がチョークコイル26を介して接続されている。
トランジスタ24のコレクタは、トランジスタ27のエミッタに接続されている。トランジスタ27のベースは、位相補償用抵抗28を介してバイアス用電源29の正極に接続されている。抵抗28は、後述するキャパシタ38と相まって作用し、基本型TFD差動増幅器10の左側増幅器に関して位相補償を行うための位相補償回路を構成するものである。バイアス用電源29の負極はグランドに接続されている。
トランジスタ24及びトランジスタ27は、カスコード接続され、抵抗30を負荷とするカスコード増幅器を構成している。トランジスタ27のコレクタに、カスコード増幅器の負荷素子となる抵抗30の一端が接続されている。抵抗30の他端には直流電源電圧Vd1が印加されている。
抵抗30とトランジスタ27のコレクタとの接続点は、カスコード増幅器の増幅した出力電圧信号を出力する出力ノードになっており、トランジスタ31のベース即ちエミッタフォロワの入力端子に接続されている。トランジスタ31と定電流源35はエミッタフォロワを構成しており、基本型TFD差動増幅器10の左側増幅器の出力バッファとして動作している。トランジスタ31のコレクタには、直流電源電圧Vd1が印加されている。トランジスタ31のエミッタは、直流遮断用のキャパシタ32の一方の電極に接続されている。
基本型TFD差動増幅器10の左側出力端子、即ちトランジスタ31のエミッタには、トランス23の二次巻線のコールド側が直流遮断用キャパシタ34を介して接続されている。トランス23の二次巻線に印加された出力電圧信号は、電磁結合により、トランス23の一次側に伝達され直列帰還される。これが基本型TFD差動増幅器10における一つの負帰還回路を構成している。トランジスタ31のエミッタには、エミッタフォロワの動作電流を与えるための定電流源35が接続されている。
トランジスタ31のエミッタには、さらに、直流遮断用キャパシタ36の一方の電極と、位相補償用キャパシタ37の一方の電極と、位相補償用キャパシタ38の一方の電極とが接続されている。
基本型TFD差動増幅器10の左側出力端子とトランス23の一次巻線のホット側即ち基本型TFD差動増幅器10の左側信号入力端子との間には、抵抗39と直流遮断用キャパシタ36が直列に接続されており、出力信号をシャント帰還するように作用する。これが基本型TFD差動増幅器10における一つの負帰還回路を構成している。
キャパシタ37及び抵抗40により、基本型TFD差動増幅器10の左側増幅器に関して位相補償を行うための、位相補償回路が構成される。
一方、キャパシタ22の他方の電極は、トランス53の一次巻線のホット側に接続されている。トランス53には、例えば巻数比が1:2の市販トランスが用いられている。
トランス53の一次巻線のコールド側が、トランジスタ54のベースに接続されている。トランジスタ54のベースには、さらにバイアス用電源55の正極がチョークコイル56を介して接続されている。
トランジスタ54のコレクタは、トランジスタ57のエミッタに接続されている。トランジスタ57のベースは、抵抗58を介してバイアス用電源59の正極に接続されている。抵抗58は、後述するキャパシタ68と相まって作用し、基本型TFD差動増幅器10の右側増幅器に関して位相補償を行うための、位相補償回路を構成するものである。バイアス用電源59の負極はグランドに接続されている。
トランジスタ54及びトランジスタ57は、カスコード接続され、抵抗60を負荷とするカスコード増幅器を構成している。トランジスタ57のコレクタに、カスコード増幅器の負荷素子となる抵抗60の一端が接続されている。抵抗60の他端には直流電源電圧Vd1が印加されている。
抵抗60とトランジスタ57のコレクタとの接続点は、カスコード増幅器の増幅出力電圧信号を出力する出力ノードとなっており、トランジスタ61のベース即ちエミッタフォロワの入力端子に接続されている。トランジスタ61と定電流源65はエミッタフォロワを構成しており、基本型TFD差動増幅器10の右側増幅器の出力バッファとして動作している。トランジスタ61のコレクタには、直流電源電圧Vd1が印加されている。トランジスタ61のエミッタは、直流遮断用のキャパシタ62の一方の電極に接続されている。
基本型TFD差動増幅器10の右側出力端子即ちトランジスタ61のエミッタには、トランス53の二次巻線のコールド側が直流遮断用キャパシタ64を介して接続されている。トランス53の二次巻線に印加された出力電圧信号は、電磁結合により、トランス53の一次側に伝達され直列帰還される。これが基本型TFD差動増幅器10における一つの負帰還回路を構成している。
トランジスタ61のエミッタには、エミッタフォロワの動作電流を与えるために定電流源65が接続されている。
トランジスタ61のエミッタには、さらに、直流遮断用キャパシタ66の一方の電極と、位相補償用キャパシタ67の一方の電極と、位相補償用キャパシタ68の一方の電極とが接続されている。
基本型TFD差動増幅器10の右側出力端子とトランス53の一次巻線のホット側即ち基本型TFD差動増幅器10の右側信号入力端子との間には、抵抗69と直流遮断用キャパシタ66が直列に接続されており、出力信号をシャント帰還するように作用する。これが基本型TFD差動増幅器10の一つの負帰還回路を構成している。
キャパシタ67及び抵抗70により、基本型TFD差動増幅器10の右側増幅器に関して位相補償を行うための、位相補償回路が構成されている。
トランジスタ24,54のエミッタには、トランジスタ71のコレクタが接続されている。トランジスタ71のベースは、トランジスタ72のベース及びコレクタに接続され、トランジスタ71,72がカレントミラー回路を構成する。
トランジスタ72のコレクタには、定電流源73が接続されている。トランジスタ71のエミッタは、抵抗74を介してグランドに接続されている。トランジスタ72のエミッタは、抵抗75を介してグランドに接続されている。トランジスタ71のコレクタ電流は、定電流源73により常に一定となるように制御されており、このため基本型TFD差動増幅器10の左右の増幅器は、その左右の出力信号の和が常に一定値を保つ平衡信号となるように関連付けられて動作する。
トランジスタ31とトランジスタ61の各エミッタが基本型TFD差動増幅器10の差動出力端子対となっており、これらの出力端子は、直流遮断用キャパシタ32及び62を介してバラントランス80の一次巻線の両端に接続されている。バラントランス80の二次巻線のホット側に、例えば5KΩの負荷81が接続される。また、バラントランス80は、基本型TFD差動増幅器10の差動増幅出力信号を、単相出力信号に変換するものであり、バラントランス80の巻数比は、例えば1:1となっている。
ここで、バラントランス12,80を巻数比が1:1の理想トランスとした場合の基本型TFD差動増幅器10の特性をシミュレーションした結果を記す。
図13(a)〜(c)は、図12に示した基本型TFD差動増幅器10における雑音指数(NF)、反射係数(S11)及び透過係数(S21)のシミュレーション結果を示す図である。
シミュレーション結果から、約200MHz程度までの帯域で、基本型TFD差動増幅器10により満足な雑音指数特性(NF)、満足な入力インピーダンスマッチング特性(S11)、及び約7dBの安定した電圧利得(S21)が同時に実現されていることが判る。なお、アンテナからの単相入力を差動入力に変換するバラントランス12として現実のトランスを用いた場合には、増幅器の使用帯域におけるNF値が、上記のシミュレーション結果よりも通常、更に0.5〜1dB程度悪化する。
図14は、基本型TFD差動増幅器10について、3次入力インターセプトポイント(IIP3)特性をシミュレーションした結果を示す図であり、横軸は周波数(MHz)、縦軸はIIP3(dBm)をそれぞれ表している。
IIP3特性の測定シミュレーションでは、入力信号として、測定周波数を中心として±10KHz離れた周波数において−50dBmのパワーを持つ2つのトーン信号が用いられている。これによると、100MHzまで+45dBm以上のIIP3が保たれ、300MHzまでの広帯域に渡って+25dBm以上の高いIIP3が実現されていることが判る。
基本型TFD差動増幅器10は左右対称な回路形を有しているために、理想的な場合には、出力信号中に偶数次歪は存在しない。また、図13(a)〜(c)及び図14に示されているように、TFD−LNAを組合わせた基本型TFD差動増幅器10は、高いダイナミックレンジを広帯域で実現可能であるという長所を有する。
しかしながら、非特許文献1に示されたTFD−LNAを2組用いて差動入出力可能な基本型TFD差動増幅器10を構成すると、左右の増幅器の負帰還回路に1個づつ、合計2個の高周波用のトランス23,53を必要とする。また、無線通信機器に基本型TFD差動増幅器10を組込む場合には、アンテナからの入力信号は常に単相信号として与えられるため、通常図12のように、差動増幅器の入力前段に高周波用のバラントランス12を配して、単相信号から差動信号への変換が行われる。非特許文献1に示された低雑音増幅回路を2組用いた差動増幅器では、このバラントランス12を含めると合計3個の高周波用のトランスを必要とすることになる。高周波用のトランス23,53及びバラントランス12は比較的高価な部品であり、基板上の占有面積も小さくはなく、これを3個も使用することは価格競争力を損なうため望ましくない。
また、実際のトランスは無視できない大きさの熱雑音を発生するため、使用トランス数が増えるほど基本型TFD差動増幅器10の雑音指数は悪化する傾向を示す。基本型TFD差動増幅器10の雑音性能を高めるためには使用トランス数を減らすことが望ましい。
尚、図12の基本型TFD差動増幅器10は、カスコード増幅器を用いた例であるが、カスコード増幅器を用いない場合でも、トランスを3個使用する必要があることは、共通の欠点である。
そこで、本願発明は、広帯域で、低い雑音指数、安定な利得、良好なインピーダンスマッチング、高ダイナミックレンジを有する差動増幅器を、少ない数のトランスを用いて実現し、低コスト化、小面積化、低雑音化を図ることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る差動増幅器は、
定電流源と、
前記定電流源に接続され、信号入力端子から入力された入力信号に応じた電流を第1の負荷に流し、該第1の負荷が発生する該入力信号に応じた第1の出力信号を第1の出力端子に与える第1の増幅回路と、
前記定電流源に接続され、該定電流源に流れる電流値から前記第1の負荷に流れる電流の値を減じた大きさの電流を第2の負荷に流し、該第2の負荷が発生する第2の出力信号を第2の出力端子に与える第2の増幅回路と、
一次巻線及び該一次巻線に電磁結合する二次巻線を有し、該一次巻線のホット側が該信号入力端子に接続されると共に該一次巻線のコールド側が前記第1の増幅回路に接続され、該二次巻線は固定電位が印加されるセンタータップを備え、該二次巻線のホット側が前記第2の出力端子に接続され、該二次巻線のコールド側が前記第1の出力端子に接続された変圧器と、
前記第1の出力端子と前記信号入力端子間に接続された抵抗と、
を備えることを特徴とする。
なお、前記第1の負荷と前記第1の出力端子との間に第1のバッファを設け、
前記第2の負荷と前記第2の出力端子との間に第2のバッファを設けてもよい。
また、前記第1の増幅回路は、
制御電極と該制御電極によって導通状態が変化する第1の導通電極及び第2の導通電極とを有し、該第1の導通電極が前記定電流源に接続され、前記入力信号が該制御電極に与えられる第1の入力段トランジスタと、
制御電極と該制御電極によって導通状態が変化する第1の導通電極及び第2の導通電極とを有し、該第2の導通電極が前記第1の負荷に接続され、該第1の導通電極が前記第1の入力段トランジスタの第2の導通電極に接続されて該第1の入力段トランジスタにカスコード接続された第1の上段トランジスタとを備え、
前記第2の増幅回路は、
制御電極と該制御電極によって導通状態が変化する第1の導通電極及び第2の導通電極とを有し、該第1の導通電極が前記定電流源に接続され、該制御電極が定電圧源に接続された第2の入力段トランジスタと、
制御電極と該制御電極によって導通状態が変化する第1の導通電極及び第2の導通電極とを有し、該第2の導通電極が前記第2の負荷に接続され、該第1の導通電極が前記第2の入力段トランジスタの第2の導通電極に接続されて該第2の入力段トランジスタにカスコード接続された第2の上段トランジスタとを備えてもよい。
また、前記第1の増幅回路及び前記第2の増幅回路は、位相補償回路を備えてもよい。
この場合、前記位相補償回路は、
前記第1の増幅回路の第1の出力端子及び前記第1の上段トランジスタの前記制御電極に接続された第1の位相補償回路と、
前記第1の増幅回路の第1の出力端子及び前記第1の入力段トランジスタの前記制御電極に接続された第2の位相補償回路と、
前記第2の増幅回路の第2の出力端子及び前記第2の上段トランジスタの前記制御電極に接続された第3の位相補償回路と、
を備えてもよい。
上記目的を達成するために、本発明の第2の観点に係る差動増幅器は、
第1の定電流源と、
第2の定電流源と、
前記第1の定電流源に接続され、第1の信号入力端子から入力された第1の入力信号に応じた電流を第1の負荷に流し、該第1の負荷が発生する該第1の入力信号に応じた第1の出力信号を第1の出力端子に与える第1の増幅回路と、
前記第2の定電流源に接続され、第2の信号入力端子から入力された第2の入力信号に応じた電流を第2の負荷に流し、該第2の負荷が発生する該第2の入力信号に応じた第2の出力信号を第2の出力端子に与える第2の増幅回路と、
一次巻線及び該一次巻線に電磁結合する二次巻線を有し、該一次巻線のホット側が前記第1の定電流源に接続されると共に該一次巻線のコールド側が前記第2の定電流源に接続され、該二次巻線のホット側が前記第2の出力端子に接続され、該二次巻線のコールド側が前記第1の出力端子に接続された変圧器と、
前記第1の出力端子と前記第1の信号入力端子との間に接続された抵抗と、
前記第2の出力端子と前記第2の信号入力端子との間に接続された抵抗と、
を備えることを特徴とする。
なお、前記第1の負荷と前記第1の出力端子との間に第1のバッファを設け、
前記第2の負荷と前記第2の出力端子との間に第2のバッファを設けてもよい。
また、前記第1の増幅回路は、
制御電極と該制御電極によって導通状態が変化する第1の導通電極及び第2の導通電極とを有し、該第1の導通電極が前記第1の定電流源に接続され、前記第1の入力信号が該制御電極に与えられる第1の入力段トランジスタと、
制御電極と該制御電極によって導通状態が変化する第1の導通電極及び第2の導通電極とを有し、該第2の導通電極が前記第1の負荷に接続され、該第1の導通電極が前記第1の入力段トランジスタの第2の導通電極に接続されて該第1の入力段トランジスタにカスコード接続された第1の上段トランジスタとを備え、
前記第2の増幅回路は、
制御電極と該制御電極によって導通状態が変化する第1の導通電極及び第2の導通電極とを有し、該第1の導通電極が前記第2の定電流源に接続され、前記第2の入力信号が該制御電極に与えられる第2の入力段トランジスタと、
制御電極と該制御電極によって導通状態が変化する第1の導通電極及び第2の導通電極とを有し、該第2の導通電極が前記第2の負荷に接続され、該第1の導通電極が前記第2の入力段トランジスタの第2の導通電極に接続されて該第2の入力段トランジスタにカスコード接続された第2の上段トランジスタとを備えてもよい。
また、前記第1の増幅回路及び前記第2の増幅回路は、位相補償回路を備えてもよい。
この場合、前記位相補償回路は、
前記第1の増幅回路の第1の出力端子及び前記第1の上段トランジスタの前記制御電極に接続された第1の位相補償回路と、
前記第1の増幅回路の第1の出力端子及び前記第1の入力段トランジスタの前記制御電極に接続された第2の位相補償回路と、
前記第2の増幅回路の第2の出力端子及び前記第2の上段トランジスタの前記制御電極に接続された第3の位相補償回路と、
前記第2の増幅回路の第2の出力端子及び前記第2の入力段トランジスタの前記制御電極に接続された第4の位相補償回路と、
を備えてもよい。
上記目的を達成するために、本発明の第3の観点に係る差動増幅器は、
第1の定電流源と、
第2の定電流源と、
前記第1の定電流源に接続され、第1の信号入力端子から入力された入力信号に応じた電流を第1の負荷に流し、該第1の負荷が発生する該入力信号に応じた第1の出力信号を第1の出力端子に与える第1の増幅回路と、
前記第2の定電流源に接続され、第2の信号入力端子が定電圧源に接続され、出力電流を第2の負荷に流し、該第2の負荷が発生する第2の出力信号を第2の出力端子に与える第2の増幅回路と、
一次巻線及び該一次巻線に電磁結合する二次巻線を有し、該一次巻線のホット側が前記第1の定電流源に接続されると共に該一次巻線のコールド側が前記第2の定電流源に接続され、該二次巻線は固定電位が印加されるセンタータップを備え、該二次巻線のホット側が前記第2の出力端子に接続され、該二次巻線のコールド側が前記第1の出力端子に接続された変圧器と、
前記第1の出力端子と前記第1の信号入力端子との間に接続された抵抗と、
を備えることを特徴とする。
なお、前記第1の負荷と前記第1の出力端子との間に第1のバッファを設け、
前記第2の負荷と前記第2の出力端子との間に第2のバッファを設けてもよい。
また、前記第1の増幅回路は、
制御電極と該制御電極によって導通状態が変化する第1の導通電極及び第2の導通電極とを有し、該第1の導通電極が前記第1の定電流源に接続され、前記入力信号が該制御電極に与えられる第1の入力段トランジスタと、
制御電極と該制御電極によって導通状態が変化する第1の導通電極及び第2の導通電極とを有し、該第2の導通電極が前記第1の負荷に接続され、該第1の導通電極が前記第1の入力段トランジスタの第2の導通電極に接続されて該第1の入力段トランジスタにカスコード接続された第1の上段トランジスタとを備え、
前記第2の増幅回路は、
制御電極と該制御電極によって導通状態が変化する第1の導通電極及び第2の導通電極とを有し、前記第1の導通電極が前記第2の定電流源に接続され、該制御電極が定電圧源に接続された第2の入力段トランジスタと、
制御電極と該制御電極によって導通状態が変化する第1の導通電極及び第2の導通電極とを有し、該第2の導通電極が前記第2の負荷に接続され、該第1の導通電極が前記第2の入力段トランジスタの第2の導通電極に接続されて該第2の入力段トランジスタにカスコード接続された第2の上段トランジスタとを備えてもよい。
また、前記第1の増幅回路及び前記第2の増幅回路は、位相補償回路を備えてもよい。
この場合、前記位相補償回路は、
前記第1の増幅回路の第1の出力端子及び前記第1の上段トランジスタの前記制御電極に接続された第1の位相補償回路と、
前記第1の増幅回路の第1の出力端子及び前記第1の入力段トランジスタの前記制御電極に接続された第2の位相補償回路と、
前記第2の増幅回路の第2の出力端子及び前記第2の上段トランジスタの前記制御電極に接続された第3の位相補償回路と、
を備えてもよい。
上述のように、本発明の第1、第2、第3の観点に係る差動増幅器は、3個の高周波トランスを使用している前述の基本型TFD差動増幅器10と比較し、より少ないトランスを用いて広帯域で高ダイナミックレンジを持つ低雑音差動増幅器を実現することを可能にしている。従って本発明によれば、低コストかつ小面積で高ダイナミックレンジを持つ広帯域低雑音差動増幅器を提供することが可能となる。
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る単相入力−差動出力型トランス−抵抗二重帰還低雑音増幅器(Single-end Input Differential Output Transformer Feedback Degenerated Low Noise Amplifier 、以下SDTFD−LNAという)100を示す回路図である。
このSDTFD−LNA100は、図12の基本型TFD差動増幅器10と同様に、左右対称な差動カスコード増幅器とエミッタフォロワにより構成された差動増幅器をベースにした回路であるが、負帰還回路及び位相補償回路は、差動増幅器10と異なり、左右非対称になっている。
SDTFD−LNA100の左側増幅器には、入力段トランジスタ104、上段トランジスタ107及び出力トランジスタ111が含まれ、右側増幅器には入力段トランジスタ131、上段トランジスタ133及び出力トランジスタ137が含まれている。トランジスタ104及び107がカスコード接続され、トランジスタ131及び133がカスコード接続されている。SDTFD−LNA100の左右の増幅器はそれぞれ個別の出力端子を備えており、トランジスタ111のエミッタが左側増幅器の出力端子、トランジスタ137のエミッタが右側増幅器の出力端子となっている。
SDTFD−LNA100では、出力インピーダンスRが例えば50Ωの信号源101が、直流遮断用キャパシタ102を介して、SDTFD−LNA100の信号入力端子であるトランス103の一次巻線のホット側に接続されている。トランス103は、二次巻線にセンタータップを有するセンタータップ付きトランスであり、そのセンタータップは、グランドに接続されている。トランス103の巻数比Nは、SDTFD−LNA100の信号入力端子に接続されている一次巻線の巻数を1として、左右増幅器の出力端子に接続されている二次巻線の巻数が2となっている。SDTFD−LNA100の電圧利得は、トランス103の巻数比がNの時、理想的にはNで与えられ、第1の実施形態のそれは約6dBとなっている。
トランス103の一次巻線のコールド側が、トランジスタ104のベースに接続されている。トランジスタ104のベースには、さらにバイアス用電源105の正極がチョークコイル106を介して接続されている。
トランジスタ104のコレクタは、トランジスタ107のエミッタに接続されている。トランジスタ107のベースは、位相補償用抵抗108を介してバイアス用電源109の正極に接続されている。抵抗108は、後述するキャパシタ117と相まって作用し、SDTFD−LNA100の左側増幅器に関して位相補償を行うための第1の位相補償回路を構成するものである。バイアス用電源109の負極はグランドに接続されている。
トランジスタ104及びトランジスタ107は、カスコード接続され、抵抗110を負荷とするカスコード増幅器を構成している。トランジスタ107のコレクタに、カスコード増幅器の負荷素子となる抵抗110の一端が接続されている。抵抗110の他端には直流電源電圧Vd1が印加されている。
抵抗110とトランジスタ107のコレクタとの接続点は、カスコード増幅器の増幅出力電圧信号を出力する出力ノードになっており、トランジスタ111のベース即ちエミッタフォロワの入力端子に接続されている。トランジスタ111とそのエミッタに接続された定電流源113はエミッタフォロワを構成しており、SDTFD−LNA100の左側増幅器の出力バッファとして動作する。トランジスタ111のコレクタには、直流電源電圧Vd1が印加されている。トランジスタ111のエミッタは、直流遮断用のキャパシタ112の一方の電極に接続されている。
トランジスタ111のエミッタには、さらに、直流遮断用キャパシタ115の一方の電極と、位相補償用キャパシタ116の一方の電極と、位相補償用キャパシタ117の一方の電極と、直流遮断用キャパシタ120の一方の電極とが接続されている。
直流遮断用キャパシタ115の他方の電極は、抵抗118を介してトランス103の一次巻線のホット側に接続され、直流遮断用キャパシタ115及び抵抗118がSDTFD−LNA100の左側増幅器の出力を、単相入力に対してシャント帰還する第1の負帰還回路を構成している。
キャパシタ116の他方の電極は、抵抗119を介してトランジスタ104のベースに接続され、キャパシタ116及び抵抗119がSDTFD−LNA100の左側増幅器に関して位相補償を行うための、第2の位相補償回路を構成している。
キャパシタ117の他方の電極は、トランジスタ107のベースに接続され、キャパシタ117が抵抗108と相まって、SDTFD−LNA100の左側増幅器に関して位相補償を行う第1の位相補償回路を構成している。
直流遮断用キャパシタ120の他方の電極は、トランス103の二次巻線のコールド側に接続されている。トランス103の二次巻線のコールド側端子と、接地されている二次巻線のセンタータップとの間に印加された左側増幅器の出力電圧は、電磁結合により一次側に伝達され、左側増幅器の入力に対して直列帰還される。これがSDTFD−LNA100に関する第2の負帰還回路を構成している。
一方、SDTFD−LNA100の右側増幅器に含まれるトランジスタ131のベースは、バイアス用電源132の正極に接続されている。バイアス用電源132の負極はグランドに接続されている。
トランジスタ131のコレクタは、トランジスタ133のエミッタに接続されている。トランジスタ133のベースは、抵抗134を介してバイアス用電源135の正極に接続されている。抵抗134は、後述するキャパシタ140と相まって作用し、SDTFD−LNA100の右側増幅器に関して位相補償を行うための、第3の位相補償回路を構成するものである。バイアス用電源135の負極はグランドに接続されている。
トランジスタ131及びトランジスタ133は、カスコード接続され、抵抗136を負荷とするカスコード増幅器を構成している。トランジスタ133のコレクタに、カスコード増幅器の負荷素子となる抵抗136の一端が接続されている。抵抗136の他端には直流電源電圧Vd1が印加されている。
抵抗136とトランジスタ133のコレクタとの接続点は、カスコード増幅器の増幅出力電圧信号を出力する出力ノードとなっており、トランジスタ137のベース即ちエミッタフォロワの入力端子に接続されている。トランジスタ137のエミッタには、定電流源138が接続され、トランジスタ137及び定電流源138がエミッタフォロワを構成し、SDTFD−LNA100の右側増幅器の出力バッファとして動作している。トランジスタ137のコレクタには、直流電源電圧Vd1が印加されている。トランジスタ137のエミッタは、直流遮断用のキャパシタ139の一方の電極と、直流遮断用キャパシタ141の一方の電極とに接続されている。
直流遮断用キャパシタ141の他方の電極は、トランス103の二次巻線のホット側に接続されている。トランス103の二次巻線のホット側端子と、接地されている二次巻線のセンタータップとの間に印加された右側増幅器の出力電圧は、電磁結合により一次側に伝達され、左側増幅器の入力に対して直列帰還される。これがSDTFD−LNA100に関する第3の負帰還回路を構成している。
左右の増幅器のトランジスタ104,131のエミッタには、トランジスタ142のコレクタが共通に接続され、トランジスタ142のエミッタが抵抗143を介してグランドに接続されている。トランジスタ142のベースは、トランジスタ144のエミッタとトランジスタ145のベースに接続されている。トランジスタ144のコレクタは直流電圧源DCSに接続され、直流電圧源DCSから直流電源電圧Vd1が印加される。トランジスタ144のベース及びトランジスタ145のコレクタが定電流源146に接続され、トランジスタ142,145,144がカレントミラーを構成している。トランジスタ145のエミッタは、抵抗147を介してグランドに接続されている。トランジスタ142,145,144からなるカレントミラーは、トランジスタ104,131のエミッタに接続された定電流源として動作する。
直流遮断用キャパシタ112の他方の電極と直流遮断用キャパシタ139の他方の電極との間に、バラントランス150の一次巻線が接続されている。バラントランス150の二次巻線のホット側に、例えば5KΩの負荷151が接続される。また、バラントランス150は、SDTFD−LNA100の差動増幅出力信号を、単相出力信号に変換するものであり、バラントランス150の巻数比は、例えば1:1となっている。
以上の構成のSDTFD−LNA100では、抵抗118による負帰還回路とトランス103による負帰還回路が設けられている。トランス103の二次巻線は、接地されたセンタータップを中心にしてSDTFD−LNA100の左右の増幅器の出力端子に対称に交差する形で接続されている。理想的な負帰還動作が行われている場合には、トランス103の二次巻線に印加される左右の増幅器の出力する電圧信号は、互いに逆の極性を持った平衡信号となる。センタータップを備えた二次巻線の両端にこれらの電圧信号を印加することで、電磁結合により一次巻線に誘起される帰還電圧信号は、左右増幅器の出力が同じ寄与率で、同じ位相で加算されたものとなる。
トランス103の一次巻線のホット側端子及びコールド側端子を、各々単相入力信号源101と、左側増幅器の入力端子、即ち入力トランジスタ104のベースに接続することで、差動出力電圧信号を、単相入力信号に対して反転した位相を持つ信号として直列帰還している。このようにSDTFD−LNA100では、センタータップ付きトランス1個を用いて、差動出力信号を単相入力に直列帰還させるための負帰還回路が実現されている。
一方、抵抗118は、SDTFD−LNA100の左側増幅器の出力端子と、SDTFD−LNA100の信号入力端子との間に接続されており、左側増幅器の出力信号を、単相入力に対してシャント帰還させるように作用する。入力インピーダンス整合を実現するために最適な帰還抵抗118の抵抗値は、SDTFD−LNA100の仕様として決められる入力インピーダンス値Rと、トランス103の巻数比Nを用いて、理論的には(N/2+1)Rで与えられる。
SDTFD−LNA100では、入力信号源インピーダンスを50Ωとしているために、最適な抵抗118の抵抗値は(2/2+1)×50=100Ωとなる。しかし実際には完全な入力インピーダンス整合状態が仕様上求められているわけではなく、また帰還抵抗118の抵抗値が低くなるほど、SDTFD−LNA100の雑音指数が悪化するため、帰還抵抗118の抵抗値を仕様が満足される範囲で高くしてもよい。
SDTFD−LNA100の左側増幅器の入力トランジスタであるトランジスタ104と、右側増幅器の入力トランジスタであるトランジスタ131とは、差動トランジスタ対を構成しており、その動作電流は、トランジスタ142を用いた電流源により与えられている。トランジスタ131のベースは、トランジスタ104の直流バイアス電圧と同電位に固定されており、このためトランジスタ104のベースに印加された単相信号は、理想的にはトランジスタ104とトランジスタ131とにより、互いに逆相となるように増幅され、それぞれのコレクタ電流として出力される。これらのコレクタ電流は負荷抵抗110及び負荷抵抗136により電圧に変換され、SDTFD−LNA100の差動出力電圧信号として、左右のエミッタフォロワによる出力バッファを介して出力される。
また、SDTFD−LNA100では、その左側増幅器が、キャパシタ117及び抵抗108による第1の位相補償回路と、キャパシタ116及び抵抗119による第2の位相補償回路とを備え、右側増幅器がキャパシタ140及び抵抗134による第3の位相補償回路を備えている。これらの位相補償回路により、十分な位相補償が確保され、SDTFD−LNA100を安定に動作させることが可能となっている。
ここで、トランス103の巻数比が1:2の理想トランスとした場合のSDTFD−LNA100の特性をシミュレーションした結果を記す。
図2(a)〜(c)は、図1に示した第1の実施形態のSDTFD−LNA100における雑音指数(NF)、反射係数(S11)及び透過係数(S21)のシミュレーション結果を示す図である。
雑音指数(NF)、反射係数(S11)、及び透過係数(S21)のシミュレーション結果から、約200MHz程度までの帯域で、第1の実施形態のSDTFD−LNA100により、満足な雑音指数特性、満足な入力インピーダンスマッチング特性、及び約8dBの安定した電圧利得が同時に実現されていることが判る。
なお、第1の実施形態のSDTFD−LNA100に関するシミュレーションでは、センタータップ付きトランス103として、理想トランスモデルが使用されているために、現実のトランスを用いた場合には、通常、図2(a)に示されている値よりも、更に0.5〜1.0dB程度NF値が悪化する。
図3は、第1の実施形態のSDTFD−LNA100の3次入力インターセプトポイント(IIP3)特性を、シミュレーションにより測定した結果を示す図であり、横軸は周波数(MHz)、縦軸はIIP3(dBm)を表している。
SDTFD−LNA100のIIP3特性のシミュレーションでは、入力信号として、測定周波数を中心として±10KHz離れた周波数において−50dBmのパワーを持つ2つのトーン信号を用いている。シミュレーション結果では、100MHzまで、IIP3が+40dBm以上に保たれ、200MHzまでの広帯域に渡って+25dBm以上の高いIIP3が実現されていることが判る。
第1の実施形態のSDTFD−LNA100と、図12の基本型TFD差動増幅器とでは、回路定数、使用部品、動作条件が異なるためその特性を比較する際には注意が必要であるが、図2(a)〜(c)及び図3のシミュレーション結果に示されているように、第1の実施形態のSDTFD−LNA100を用いた場合でも、図12の基本型TFD差動増幅器と同程度の性能を有し、約200MHzまでの広帯域で利用可能な、高ダイナミックレンジの低雑音差動増幅器を実現できることがわかる。
また、高周波トランス1個を用いて、第1の実施形態のSDTFD−LNA100を実現することができるため、図1の基本型TFD差動増幅器に比べて、第1の実施形態のSDTFD−LNA100では高周波トランス2個分のコスト低減と基板面積削減が可能となっている。
なお、第1の実施形態のSDTFD−LNA100は、図12の基本型TFD差動増幅器と異なり、左右非対称な回路形を有し、単相−差動変換機能を持つため、その出力中に有意の偶数次歪が現れる。そこで、第1の実施形態のSDTFD−LNA100について、その2次入力インターセプトポイント(IIP2)特性を、シミュレーションにより測定した。
図4は、第1の実施形態のSDTFD−LNA100の2次入力インターセプトポイント(IIP2)特性のシミュレーション測定結果であり、横軸は周波数(MHz)、縦軸はIIP2(dBm)を表している。
IIP2特性のシミュレーション測定では、IIP3特性の測定時と同様に、入力信号として、測定周波数を中心として±10KHz離れた周波数において−50dBmのパワーを持つ2つのトーン信号を用いている。SDTFD−LNA100では、IIP2が100MHzまで+70dBm以上に保たれ、200MHzまでの広帯域に渡って+50dBm以上の高いIIP2が実現されていることが判る。
第1の実施形態のSDTFD−LNA100では、前述のようにセンタータップ付きトランス103を利用して差動出力の負帰還を行っているために、差動出力信号の平衡度が高められ、同程度の帰還ループ利得を持つ単相入力−単相出力のTFD−LNAと比較して、高いIIP2値を持った差動増幅出力信号を、単相入力信号に対して得ることが可能となっている。
なお、SDTFD−LNA100では、トランジスタ104及び107をカスコード接続し、トランジスタ131及び133をカスコード接続した差動カスコード増幅器であったが、トランジスタ107,133を省いたカスコード接続を持たない構成にしてもよい。また、トランジスタ111及び電流源113で左側増幅器のエミッタフォロワを構成し、トランジスタ137及び電流源138で右側増幅器のエミッタフォロワを構成し、左右の増幅器の出力信号に対するバッファを備えているが、バッファを備えない構成にしても、上述のSDTFD−LNA100と同様の効果が期待できる。
[第2の実施形態]
図5は、本発明の第2の実施形態に係る差動入力−差動出力型のトランス−抵抗二重帰還低雑音増幅器(Differential Input Differential Output Transformer Feedback Degenerated Low Noise Amplifier 、以下DDTFD−LNAという)200を示す図である。
前述の第1の実施形態のSDTFD−LNA100は、左右非対称の回路構成になっていたので、理想的な場合でも若干の偶数次歪が現れる。この第2の実施形態のDDTFD−LNA200は、完全に偶数次歪を抑制した回路構成である。
DDTFD−LNA200は共通した回路定数を持つ、互いに対称な左右の増幅器から構成されている。DDTFD−LNA200の左側増幅器には、入力段トランジスタ205、上段トランジスタ208及び出力トランジスタ212が含まれ、右側増幅器には入力段トランジスタ235、上段トランジスタ238及び出力トランジスタ242が含まれている。DDTFD−LNA200の左右の増幅器はそれぞれ個別の入出力端子を備えており、トランジスタ205のベースが左側増幅器の入力端子、トランジスタ235のベースが右側増幅器の入力端子、トランジスタ212のエミッタが左側増幅器の出力端子、トランジスタ242のエミッタが右側増幅器の出力端子となっている。
このDDTFD−LNA200では、出力インピーダンスRが50Ωの信号源201が、バラントランス202の一次巻線のホット側に接続されている。バラントランス202の一次巻線のコールド側は、グランドに接続されている。バラントランス202の二次巻線のホット側が、直流遮断用キャパシタ203を介して、DDTFD−LNA200の左側増幅器の入力端子であるトランジスタ205のベースに接続されている。バラントランス202の二次巻線のコールド側が、直流遮断用キャパシタ204を介して、DDTFD−LNA200の右側増幅器の入力端子であるトランジスタ235のベースに接続されている。バラントランス202は、単相の入力信号を差動信号に変換するものであり、その一次巻線と二次巻線の巻数比は例えば1:1となっている。
トランジスタ205のベースには、更にバイアス用電源206の正極がチョークコイル207を介して接続されている。バイアス用電源206の負極は、グランドに接続されている。トランジスタ205のコレクタは、トランジスタ208のエミッタに接続されている。トランジスタ208のベースは、位相補償用抵抗209を介してバイアス用電源210の正極に接続されている。抵抗209は、後述するキャパシタ218と相まって作用し、DDTFD−LNA200の左側増幅器に関して位相補償を行うための第1の位相補償回路を構成するものである。バイアス用電源210の負極はグランドに接続されている。
トランジスタ205及びトランジスタ208は、カスコード接続され、抵抗211を負荷とするカスコード増幅器を構成している。トランジスタ208のコレクタに、カスコード増幅器の負荷素子となる抵抗211の一端が接続されている。抵抗211の他端には直流電源電圧Vd1が印加されている。
抵抗211とトランジスタ208のコレクタとの接続点は、カスコード増幅器の増幅した出力電圧信号を出力する出力ノードになっており、トランジスタ212のベース即ちエミッタフォロワの入力端子に接続されている。トランジスタ212には定電流源214が接続され、トランジスタ212及び定電流源214がエミッタフォロワを構成しており、DDTFD−LNA200の左側増幅器の出力バッファとして動作する。定電流源214が、エミッタフォロワの動作電流を与える。
トランジスタ212のコレクタには、直流電源電圧Vd1が印加されている。トランジスタ212のエミッタには、さらに、直流遮断用キャパシタ215の一方の電極と、直流遮断用キャパシタ216の一方の電極と、位相補償用キャパシタ217の一方の電極と、位相補償用キャパシタ218の一方の電極とが接続されている。
直流遮断用キャパシタ215の他方の電極とトランジスタ205のベースとの間には、抵抗219が接続されている。即ち、直流遮断用キャパシタ215及び抵抗219は、DDTFD−LNA200の左側増幅器の出力端子とDDTFD−LNA200の左側増幅器の入力端子との間に直列に接続され、左側増幅器の出力信号をシャント帰還する第1の負帰還回路を構成している。
キャパシタ217の他方の電極とトランジスタ205のベースとの間には、抵抗220が接続され、キャパシタ217及び抵抗220がDDTFD−LNA200の左側増幅器に関して位相補償を行うための第2の位相補償回路を構成している。
キャパシタ218の他方の電極は、トランジスタ208のベースに接続され、キャパシタ218及び抵抗209がDDTFD−LNA200の左側増幅器に関して位相補償を行うための第1の位相補償回路を構成している。
トランジスタ205のエミッタはトランジスタ221のコレクタに接続され、トランジスタ221のエミッタは抵抗222を介してグランドに接続されている。トランジスタ221は、トランジスタ205の動作電流を与えるための定電流源となっている。
一方、DDTFD−LNA200の右側増幅器のトランジスタ235のベースには、バイアス用電源236の正極がチョークコイル237を介して接続されている。バイアス用電源236の負極は、グランドに接続されている。トランジスタ235のコレクタは、トランジスタ238のエミッタに接続されている。トランジスタ238のベースは、位相補償用抵抗239を介してバイアス用電源240の正極に接続されている。抵抗239は、後述するキャパシタ248と相まって作用し、DDTFD−LNA200の右側増幅器に関して位相補償を行うための第3の位相補償回路を構成するものである。バイアス用電源240の負極はグランドに接続されている。
トランジスタ235及びトランジスタ238は、カスコード接続され、抵抗241を負荷とするカスコード増幅器を構成している。トランジスタ238のコレクタに、カスコード増幅器の負荷素子となる抵抗241の一端が接続されている。抵抗241の他端には直流電源電圧Vd1が印加されている。
抵抗241とトランジスタ238のコレクタとの接続点は、カスコード増幅器の増幅した出力電圧信号を出力する出力ノードになっており、エミッタフォロワの入力端子となるトランジスタ242のベースに接続されている。トランジスタ242には定電流源244が接続され、トランジスタ242及び定電流源244がエミッタフォロワを構成しており、DDTFD−LNA200の右側増幅器の出力バッファとして動作する。定電流源244が、エミッタフォロワの動作電流を与える。
トランジスタ242のコレクタには、直流電源電圧Vd1が印加されている。トランジスタ242のエミッタには、さらに、直流遮断用キャパシタ245の一方の電極と、直流遮断用キャパシタ246の一方の電極と、位相補償用キャパシタ247の一方の電極と、位相補償用キャパシタ248の一方の電極とが接続されている。
直流遮断用キャパシタ245の他方の電極とトランジスタ235のベースとの間には、抵抗249が接続されている。即ち、直流遮断用キャパシタ245及び抵抗249は、DDTFD−LNA200の右側増幅器の出力端子とDDTFD−LNA200の右側増幅器の入力端子との間に直列に接続され、右側増幅器の出力信号をシャント帰還する第2の負帰還回路を構成している。
キャパシタ247の他方の電極とトランジスタ235のベースとの間には、抵抗250が接続され、キャパシタ247及び抵抗250がDDTFD−LNA200の右側増幅器に関して位相補償を行うための第4の位相補償回路を構成している。
キャパシタ248の他方の電極は、トランジスタ238のベースに接続され、キャパシタ248及び抵抗239がDDTFD−LNA200の右側増幅器に関して位相補償を行うための第3の位相補償回路を構成している。
トランジスタ235のエミッタはトランジスタ251のコレクタに接続され、トランジスタ251のエミッタは抵抗252を介してグランドに接続されている。トランジスタ251は、トランジスタ235の動作電流を与えるための定電流源となっている。
DDTFD−LNA200の左側増幅器のトランジスタ221のベース及び右側増幅器のトランジスタ251のベースは、トランジスタ253のエミッタとトランジスタ254のベースとに接続されている。
トランジスタ253のコレクタは、直流電圧源DCSに接続され、直流電圧源DCSから直流電源電圧Vd1が印加される。トランジスタ253のベース及びトランジスタ254のコレクタには、定電流源255が接続されている。トランジスタ254のエミッタは、抵抗256を介してグランドに接続されている。
一方の電極が左側増幅器の出力端子に接続されたキャパシタ216の他方の電極は、トランス260の二次巻線のコールド側に接続されている。一方の電極が右側増幅器の出力端子に接続されたキャパシタ246の他方の電極は、トランス260の二次巻線のホット側に接続されている。トランス260の一次巻線のホット側は、左側増幅器のトランジスタ205のエミッタに接続されている。トランス260の一次巻線のコールド側は、右側増幅器のトランジスタ235のエミッタに接続されている。トランス260は、DDTFD−LNA200の差動出力電圧を、差動入力へ直列帰還させる第3の負帰還回路を構成している。トランス260は、市場で容易に入手可能な一般的な高周波トランスであり、その巻数比は例えば1:2である。
直流遮断用キャパシタ213の他方の電極と直流遮断用キャパシタ243の他方の電極との間に、バラントランス270の一次巻線が接続されている。バラントランス270の二次巻線のホット側に、例えば5KΩの負荷271が接続される。また、バラントランス270は、DDTFD−LNA200の差動増幅出力信号を、単相出力信号に変換するものであり、バラントランス270の巻数比は、例えば1:1となっている。
以上のように本実施形態のDDTFD−LNA200は、図12の基本型TFD差動増幅器10と同様、左右対称な差動カスコード増幅器とエミッタフォロワを基本として構成された差動増幅器である。トランジスタ205とトランジスタ235により構成される差動トランジスタ対の動作電流は、図12の基本型TFD差動増幅器10では、1個のトランジスタ71で構成される1個の定電流源により与えられていたのに対して、この第2の実施形態のDDTFD−LNA200では、トランジスタ221とトランジスタ251とで構成される左右2個の定電流源により、左右別々に与えられている。
DDTFD−LNA200の左側増幅器の入力トランジスタであるトランジスタ205と、右側増幅器の入力トランジスタであるトランジスタ235とは、互いのエミッタがトランス260の一次巻線を介して結合された差動トランジスタ対を構成している。トランジスタ205のベースとトランジスタ235のベースとの間に印加された差動入力電圧は、トランジスタ205とトランジスタ235とにより増幅され、それぞれのコレクタ電流として出力される。これらのコレクタ電流は負荷抵抗211及び負荷抵抗241により電圧に変換され、DDTFD−LNA200の差動出力電圧信号として、左右のエミッタフォロワによる出力バッファを介して出力される。
また、基本型TFD差動増幅器10では、トランス23の一次巻線が差動カスコード増幅器の左側入力端子、即ちトランジスタ24のベースと、基本型TFD差動増幅器10の左側信号入力端子との間に接続され、トランス53の一次巻線が差動カスコード増幅器の右側入力端子、即ちトランジスタ54のベースと、基本型TFD差動増幅器10の右側信号入力端子との間に接続されている。これに対し、この第2の実施形態のDDTFD−LNA200では、帰還回路となるトランス260の一次巻線が差動トランジスタ対の結合部、即ちトランジスタ205のエミッタと、トランジスタ235のエミッタとの間に接続されている。
DDTFD−LNA200の電圧利得は、トランス260の巻数比がNである時、理想的にはNで与えられ、DDTFD−LNA200の電圧利得は、約6dBとなっている。
トランス260の二次巻線は左右増幅器の出力端子に対称に、交差した形で接続されている。この時トランス260の二次巻線に印加されている、左右増幅器の差動出力電圧信号は、電磁結合により一次側に伝達され、トランス260の一次巻線に差動入力信号に対して同じ位相を持つ信号が誘起される。なおDDTFD−LNA200において、トランス260として、二次巻線にセンタータップが付いているトランスを使用し、そのセンタータップを接地しておく構成の場合でも、センタータップが無いトランスを用いた場合とほぼ同様の負帰還動作が行われるため、同等の特性を持ったDDTFD−LNAを実現することができる。
トランス260の一次巻線は、第2の実施形態のDDTFD−LNA200において、その差動入力トランジスタ対の結合端子間、即ちトランジスタ205のエミッタとトランジスタ235のエミッタとの間に接続されており、二次巻線に印加された差動出力信号を、一次巻線を介して差動入力信号に対して直列に帰還するように作用する。このように第2の実施形態のDDTFD−LNA200では、差動出力信号を差動入力に直列帰還させるための負帰還回路が、1個のトランス260を用いて実現されている。
DDTFD−LNA200の抵抗219は、DDTFD−LNA200の左側増幅器の出力端子と、左側増幅器の入力端子との間に接続されており、左側増幅器の出力信号を左側増幅器の入力にシャント帰還させるように作用する。同様に抵抗249は、DDTFD−LNA200の右側増幅器の出力端子と、右側増幅器の入力端子との間に接続されており、右側増幅器の出力信号を、右側増幅器の入力にシャント帰還させるように作用する。
入力インピーダンス整合状態を実現するために最適な帰還抵抗219及び249の抵抗値は、DDTFD−LNA200の仕様として決められる差動入力インピーダンス値Rと、トランス260の巻数比Nを用いると、理論的には(N+1)×R/2で与えられる。DDTFD−LNA200では、入力信号源インピーダンスを50Ωとしており、単相入力信号を差動入力信号に変換しているバラントランス202の巻数比が1:1となっているため、差動入力インピーダンスの仕様値は50Ωとなっている。この時最適な抵抗219及び249の抵抗値は(2+1)×50/2=75Ωとなる。
しかし、実際には完全な入力インピーダンス整合状態が仕様上求められているわけではなく、また帰還抵抗219,249の抵抗値が低くなるほど、DDTFD−LNA200の雑音指数が悪化するため、それらの抵抗値を仕様が満足される範囲で高くしてもよい。
DDTFD−LNA200では、キャパシタ218及び抵抗209による第1の位相補償回路と、キャパシタ217及び抵抗220による第2の位相補償回路とが左側増幅器に接続されており、キャパシタ248及び抵抗239による第3の位相補償回路と、キャパシタ247及び抵抗250による第4の位相補償回路とが右側増幅器に接続されている。これらの位相補償回路により、左右の増幅器における位相余裕が十分確保され、DDTFD−LNA200を安定に動作させることが可能となっている。
ここで、トランス260として巻数比が1:2の市販の高周波トランスを用い、基本型TFD差動増幅器10と同一の電源電圧により、同一の消費電流で動作するように設定した場合のDDTFD−LNA200の特性をシミュレーションした結果を記す。
図6(a)〜(c)は、図5に示した第2の実施形態のDDTFD−LNA200における雑音指数(NF)、反射係数(S11)及び透過係数(S21)のシミュレーション結果を示す図である。
雑音指数(NF)、反射係数(S11)、及び透過係数(S21)のシミュレーション結果から、約300MHz程度までの帯域で、DDTFD−LNA200により、満足な雑音指数特性、満足な入力インピーダンスマッチング特性、及び約7dBの安定した電圧利得が同時に実現されていることが判る。
図7は、第2の実施形態のDDTFD−LNA200の3次入力インターセプトポイント(IIP3)特性を、シミュレーションにより測定した結果であり、横軸は周波数(MHz)、縦軸はIIP3(dBm)を表している。
DDTFD−LNA200のIIP3特性のシミュレーションでは、入力信号として、測定周波数を中心として±10KHz離れた周波数において−50dBmのパワーを持つ2つのトーン信号を用いている。シミュレーション結果では、100MHzまで、IIP3が+40dBm以上に保たれ、300MHzまでの広帯域に渡って+25dBm以上の高いIIP3が実現されていることが判る。
以上のように、本実施形態のDDTFD−LNA200では、2個の高周波トランスを必要としていた基本型TFD差動増幅器10に対し、高周波トランス1個を用いて、ほぼ同等の性能を達成することが可能となっている。このためDDTFD−LNA200の構成を採用することにより、高ダイナミックレンジを持つ広帯域低雑音増幅器を、従来よりも低コスト且つ小基板面積で実現することができる。また第1の実施形態のSDTFD−LNA100に比べて、第2の実施形態のDDTFD−LNA200は、使用しているトランスの数が1個増えているものの、左右対称な回路形を有しているため、理想的な場合には完全に出力信号中の偶数次歪を抑制することが可能となっている。
なお、差動カスコード増幅器を用いた例を挙げたが、様々な変形が可能であり、例えばカスコード増幅器ではなく、他の構成の差動増幅器を用いた場合や、出力バッファを省いた回路も考えられる。これらの場合においても、使用する高周波トランスの数を減じることができ、低コスト化、小面積化、高集積化が可能である。
[第3の実施形態]
図8は、本発明の第3の実施形態に係るSDTFD−LNA300を示す図である。
SDTFD−LNA300は、図12の基本型TFD差動増幅器10と同様に、左右対称な差動カスコード増幅器とエミッタフォロワを基本として構成された差動増幅器であるが、その負帰還回路と位相補償回路は左右非対称なものとなっている。第1の実施形態のSDTFD−LNA100では、トランス103による負帰還回路と、抵抗118による負帰還回路との両方が、SDTFD−LNA100の信号入力端子に接続されていたのに対して、この第3の実施形態のSDTFD−LNA300では、トランス350により負帰還回路を構成し、その負帰還回路が、第2の実施形態のDDTFD−LNA200と同様に差動トランジスタ対の結合部に接続されており、抵抗317による負帰還回路のみがSDTFD−LNA300の信号入力端子に接続されている。
SDTFD−LNA300の左側増幅器には、入力段トランジスタ303、上段トランジスタ306及び出力トランジスタ310が含まれ、右側増幅器には入力段トランジスタ331、上段トランジスタ333及び出力トランジスタ337が含まれている。SDTFD−LNA300の信号入力端子は、抵抗317とトランジスタ303のベースとの接続点になっている。SDTFD−LNA300の左側増幅器の出力端子は、トランジスタ310のエミッタであり、右側増幅器の出力端子はトランジスタ337のエミッタである。
SDTFD−LNA300では、出力インピーダンスRが例えば50Ωの信号源301が、直流遮断用キャパシタ302を介して、SDTFD−LNA300の信号入力端子であるトランジスタ303のベースに接続されている。トランジスタ303のベースには、さらにバイアス用電源304の正極がチョークコイル305を介して接続されている。
トランジスタ303のコレクタは、トランジスタ306のエミッタに接続されている。トランジスタ306のベースは、位相補償用抵抗307を介してバイアス用電源308の正極に接続されている。抵抗307は、後述するキャパシタ315と相まって作用し、SDTFD−LNA300の左側増幅器に関して位相補償を行うための第1の位相補償回路を構成するものである。バイアス用電源308の負極はグランドに接続されている。
トランジスタ303及びトランジスタ306は、カスコード接続され、抵抗309を負荷とするカスコード増幅器を構成している。トランジスタ306のコレクタに、カスコード増幅器の負荷素子となる抵抗309の一端が接続されている。抵抗309の他端には直流電源電圧Vd1が印加されている。
抵抗309とトランジスタ306のコレクタとの接続点は、カスコード増幅器の増幅出力電圧信号を出力する出力ノードになっており、トランジスタ310のベース即ちエミッタフォロワの入力端子に接続されている。トランジスタ310のエミッタには直流遮断用キャパシタ311の一方の電極と定電流源312とが接続されている。トランジスタ310とそのエミッタに接続された定電流源312はエミッタフォロワを構成しており、SDTFD−LNA300の左側増幅器の出力バッファとして動作する。トランジスタ310のコレクタには、直流電源電圧Vd1が印加されている。
トランジスタ310のエミッタには、さらに、直流遮断用キャパシタ313の一方の電極と、位相補償用キャパシタ314の一方の電極と、位相補償用キャパシタ315の一方の電極と、直流遮断用キャパシタ316の一方の電極とが接続されている。
直流遮断用キャパシタ313の他方の電極は、抵抗317を介して、SDTFD−LNA300の信号入力端子であるトランジスタ303のベースと接続されている。抵抗317はSDTFD−LNA300の左側増幅器の第1の負帰還回路を構成している。
キャパシタ314の他方の電極は、抵抗318を介してトランジスタ303のベースに接続され、キャパシタ314及び抵抗318がSDTFD−LNA300の左側増幅器に関して位相補償を行うための、第2の位相補償回路を構成している。
キャパシタ315の他方の電極は、トランジスタ306のベースに接続され、キャパシタ315及び抵抗307が、SDTFD−LNA100の左側増幅器に関して位相補償を行う第1の位相補償回路を構成している。
トランジスタ303のエミッタは、トランジスタ321のコレクタに接続され、トランジスタ321のエミッタは、抵抗322を介してグランドに接続されている。トランジスタ321は、トランジスタ303の動作電流を与えるための定電流源となっている。
一方、SDTFD−LNA300の右側増幅器に含まれるトランジスタ331のベースは、バイアス用電源332の正極に接続されている。バイアス用電源332の負極はグランドに接続されている。
トランジスタ331のコレクタは、トランジスタ333のエミッタに接続されている。トランジスタ333のベースは、抵抗334を介してバイアス用電源335の正極に接続されている。抵抗334は、後述するキャパシタ340と相まって作用し、SDTFD−LNA300の右側増幅器に関して位相補償を行うための、第3の位相補償回路を構成するものである。バイアス用電源335の負極はグランドに接続されている。
トランジスタ331及びトランジスタ333は、カスコード接続され、抵抗336を負荷とするカスコード増幅器を構成している。トランジスタ333のコレクタに、カスコード増幅器の負荷素子となる抵抗336の一端が接続されている。抵抗336の他端には直流電源電圧Vd1が印加されている。
抵抗336とトランジスタ333のコレクタとの接続点は、カスコード増幅器の増幅出力電圧信号を出力する出力ノードとなっており、トランジスタ337のベース即ちエミッタフォロワの入力端子に接続されている。トランジスタ337のエミッタには、定電流源338が接続されるとともに、直流遮断用キャパシタ339の一方の電極が接続されている。トランジスタ337及び定電流源338がエミッタフォロワを構成し、SDTFD−LNA300の右側増幅器の出力バッファとして動作している。トランジスタ337のコレクタには、直流電源電圧Vd1が印加されている。
トランジスタ331のエミッタはトランジスタ342のコレクタに接続され、トランジスタ342のエミッタは抵抗343を介してグランドに接続されている。トランジスタ342は、トランジスタ331の動作電流を与えるための定電流源となっている。
SDTFD−LNA300の左側増幅器のトランジスタ321のベース及び右側増幅器のトランジスタ342のベースは、トランジスタ344のエミッタ及びトランジスタ345のベースに接続されている。
トランジスタ344のコレクタは、直流電圧源DCSに接続され、直流電圧源DCSから直流電源電圧Vd1が印加される。トランジスタ344のベース及びトランジスタ345のコレクタには、定電流源346が接続されている。トランジスタ345のエミッタは、抵抗347を介してグランドに接続されている。
一方の電極が左側増幅器の出力端子に接続された直流遮断用キャパシタ316の他方の電極は、トランス350の二次巻線のコールド側に接続されている。一方の電極が右側増幅器の出力端子に接続された直流遮断用キャパシタ341の他方の電極は、トランス350の二次巻線のホット側に接続されている。トランス350は、センタータップ付きトランスで、トランス350の二次巻線に中間タップが設けられ、その中間タップがグランドに接続されている。
トランス350の一次巻線のホット側は、左側増幅器のトランジスタ303のエミッタに接続されている。トランス350の一次巻線のコールド側は、右側増幅器のトランジスタ331のエミッタに接続されている。トランス350は、SDTFD−LNA300の負帰還回路を構成している。トランス350は、市場で容易に入手可能な一般的なセンタータップ付き高周波トランスであり、その巻数比は例えば1:2である。
以上の構成のSDTFD−LNA300では、第2の実施形態のDDTFD−LNA200と同様に、トランジスタ303とトランジスタ331とにより構成される差動トランジスタ対の動作電流は、トランジスタ321とトランジスタ342とで構成される左右2個の定電流源により、左右別々に与えられている。
更に、SDTFD−LNA300では、DDTFD−LNA200と同様に、トランス350の一次巻線が差動トランジスタ対の結合部、即ちトランジスタ303のエミッタと、トランジスタ331のエミッタとの間に接続されている。
また、SDTFD−LNA300で用いられている、センタータップ付きトランス350の巻数比Nは、各トランジスタ303,331のエミッタ間に接続されている一次巻線を1とした時に、左右増幅器の出力端子に接続されている二次巻線が2となっている。SDTFD−LNA300の電圧利得は、トランス350の巻数比がNの時、理想的にはNで与えられ、第3の実施形態のSDTFD−LNA300のそれは約6dBとなっている。
トランス350のセンタータップを中心として、その二次巻線は左右増幅器の出力端子に対称に、交差した形で接続されている。この時トランス350の二次巻線に印加されている、左右増幅器の出力電圧信号は、理想的な負帰還動作が行われている場合には、互いに逆の極性を持った平衡信号となる。センタータップを備えた二次巻線の両端にこれらの電圧信号を印加することで、電磁結合により一次巻線に誘起される帰還電圧信号は、左右増幅器の出力が同じ寄与率で、同じ位相で加算されたものとなる。トランス350の一次巻線のホット側端子及びコールド側端子を、各々左側増幅器の入力トランジスタ303のエミッタと、右側増幅器の入力トランジスタ331のエミッタとに接続することで、差動出力電圧信号を、単相入力信号に対して同じ位相を持つ信号として、差動トランジスタ対のエミッタ間に直列帰還している。
このように第3の実施形態のSDTFD−LNA300では、差動出力信号を単相入力信号に対して直列帰還させるための負帰還回路が、1個のセンタータップ付きトランス350を用いて実現されている。
帰還回路を構成する抵抗317は、SDTFD−LNA300の左側増幅器の出力端子と、SDTFD−LNA300の信号入力端子との間に接続されており、左側増幅器の出力信号を、信号入力端子からの単相入力に対してシャント帰還させるように作用する。入力インピーダンス整合を実現するために最適な帰還抵抗317の抵抗値は、SDTFD−LNA300の仕様として決められる入力インピーダンス値Rと、トランス350の巻数比Nを用いると、理論的には(N/2+1)×Rで与えられる。この第3の実施形態のSDTFD−LNA300では、入力信号源インピーダンスを50Ωとしているために、最適な抵抗317の抵抗値は(2/2+1)×50=100Ωとなる。しかし、実際には完全な入力インピーダンス整合状態が仕様上求められているわけではなく、また帰還抵抗317の抵抗値が低くなるほど、SDTFD−LNA300の雑音指数が悪化するため、第3の実施形態では抵抗317の抵抗値を仕様が満足される範囲で高くしてもよい。
SDTFD−LNA300の左側増幅器の入力トランジスタであるトランジスタ303と、右側増幅器の入力トランジスタであるトランジスタ331とは、差動トランジスタ対を構成しており、トランジスタ331のベースは、トランジスタ303の直流バイアス電圧と同電位に固定されており、トランジスタ303とトランジスタ331のエミッタは、センタータップ付きトランス350の一次巻線により結合されている。このためトランジスタ303のベースに印加された単相信号は、理想的にはトランジスタ303とトランジスタ331とにより、互いに逆相となるように増幅され、それぞれのコレクタ電流として出力される。これらのコレクタ電流は負荷抵抗309及び負荷抵抗336により電圧に変換され、SDTFD−LNA300の差動出力電圧信号として、左右のエミッタフォロワによる出力バッファを介して出力される。
SDTFD−LNA300では、その左側増幅器が、キャパシタ315及び抵抗307による第1の位相補償回路と、キャパシタ314及び抵抗318による第2の位相補償回路とを備え、その右側増幅器はキャパシタ340及び抵抗334による第3の位相補償回路のみを備えたものとなっている。これらの位相補償回路により、第3の実施形態のSDTFD−LNA300を安定に動作させることが可能となっている。
また、この第3の実施形態のSDTFD−LNA300は、第2の実施形態のDDTFD−LNA200の差動トランジスタ対の右側のトランジスタ235のベースから、抵抗249による負帰還回路と、キャパシタ247及び抵抗250による位相補償回路を取り外し、バイアス用直流電圧源236に接続されているチョークコイル237を短絡し、DDTFD−LNA200の左側信号入力端子に単相入力信号源を接続する、という簡単な変形を行うことで実現できる。即ち、第3の実施形態のSDTFD−LNA300は、第2の実施形態のDDTFD−LNA200と類似性の高い回路となっている。DDTFD−LNA200は、第3の実施形態のSDTFD−LNA300と同様に、センタータップ付きトランス350を用いた場合でも、問題なく動作する回路となっている。このため、同一のレイアウトで、DDTFD−LNA200及びSDTFD−LNA300の何れにも共用可能な、集積回路、或いはディスクリート回路を準備することで、単相入力、差動入力何れの要求にも答えられる、用途範囲の広い汎用高ダイナミックレンジ広帯域差動出力低雑音増幅器を実現することができる。
ここで、トランス350を、巻数比が1:2の理想トランスとし、第1の実施形態のSDTFD−LNA100と同一の電源電圧により、同一の消費電流で動作するように設定し、同種のトランジスタを用いた場合のSDTFD−LNA300の特性をシミュレーションした結果を記す。
図9(a)〜(c)は、図8に示した第3の実施形態のSDTFD−LNA300における雑音指数(NF)、反射係数(S11)及び透過係数(S21)のシミュレーション結果を示す図である。
雑音指数(NF)、反射係数(S11)、及び透過係数(S21)のシミュレーション結果から、約100MHz程度までの帯域で、第3の実施形態のSDTFD−LNA300により、満足な雑音指数特性、満足な入力インピーダンスマッチング特性、及び約8dBの安定した電圧利得が同時に実現されていることが判る。
なお、第3の実施形態のSDTFD−LNA300に関するシミュレーションでは、センタータップ付きトランス350として、理想トランスモデルが使用されているために、現実のトランスを用いた場合には、通常、図9(a)に示されている値よりも、更に0.5〜1.0dB程度NF値が悪化する。
図10は、第3の実施形態のSDTFD−LNA300の3次入力インターセプトポイント(IIP3)特性を、シミュレーションにより測定した結果であり、第1の実施形態のSDTFD−LNA100のIIP3特性と併せて示している。図10における横軸は周波数(MHz)、縦軸はIIP3(dBm)を表している。
SDTFD−LNA300のIIP3特性のシミュレーションでは、入力信号として、測定周波数を中心として±10KHz離れた周波数において−50dBmのパワーを持つ2つのトーン信号を用いている。シミュレーション結果では、100MHzまで、IIP3が+20dBm以上に保たれているものの30〜200MHzの帯域において、第1の実施形態のSDTFD−LNA100よりも10dBm以上低いIIP3特性になっている。
第3の実施形態のSDTFD−LNA300は、基本型TFD差動増幅器10と異なり、左右非対称な回路形を有し、単相信号を差動信号に変換する機能を持つため、その出力信号中に有意の偶数次歪が現れる。そこで、第3の実施形態のSDTFD−LNA300について、その2次入力インターセプトポイント(IIP2)特性を、シミュレーションにより測定した。
図11は、第3の実施形態のSDTFD−LNA300の2次入力インターセプトポイント(IIP2)特性を、シミュレーションにより測定した結果であり、第1の実施形態のSDTFD−LNA100のIIP2特性と併せて示している。図11における横軸は周波数(MHz)、縦軸はIIP2(dBm)を表している。
IIP2特性の測定シミュレーションでは、IIP3測定時と同様に、入力信号として、測定周波数を中心として±10KHz離れた周波数において−50dBmのパワーを持つ2つのトーン信号が用いられている。
図11に示されているように、第3の実施形態のSDTFD−LNA300では、100MHzまで+40dBm以上のIIP2値が保たれているものの、10MHz〜200MHzの帯域において、第1の実施形態のSDTFD−LNA100よりも20dBm以上低いIIP2特性となっていることが判る。
この第3の実施形態のSDTFD−LNA300でトランス350として用いたようなセンタータップ付き高周波トランスは、商用トランスとして多数製品化されているもので、容易に入手することが可能である。そして、3個の高周波トランスを必要としていた基本型TFD差動増幅器10に比べて、第3の実施形態のSDTFD−LNA300では、センタータップ付き高周波トランス1個を用いて、同様な機能の低雑音増幅器を構成することが可能となっている。このため第3の実施形態のSDTFD−LNA300を用いて、高ダイナミックレンジを持つ広帯域低雑音増幅器を、従来よりも低コスト且つ小基板面積で実現することができる。
本発明の第1の実施形態に係るSDTFD−LNAを示す回路図である。 図1に示した第1の実施形態のSDTFD−LNAにおける雑音指数(NF)、反射係数(S11)及び透過係数(S21)のシミュレーション結果を示す図である。 第1の実施形態のSDTFD−LNAの3次入力インターセプトポイント(IIP3)特性を、シミュレーションにより測定した結果を示す図である。 第1の実施形態のSDTFD−LNAの2次入力インターセプトポイント(IIP2)特性のシミュレーション測定結果を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係るDDTFD−LNAを示す回路図である。 図5に示した第2の実施形態のDDTFD−LNAにおける雑音指数(NF)、反射係数(S11)及び透過係数(S21)のシミュレーション結果を示す図である。 第2の実施形態のDDTFD−LNAの3次入力インターセプトポイント(IIP3)特性を、シミュレーションにより測定した結果を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係るSDTFD−LNAを示す回路図である。 図8に示した第3の実施形態のSDTFD−LNAにおける雑音指数(NF)、反射係数(S11)及び透過係数(S21)のシミュレーション結果を示す図である。 第3の実施形態のSDTFD−LNAの3次入力インターセプトポイント(IIP3)特性を、シミュレーションにより測定した結果を示す図である。 第3の実施形態のSDTFD−LNAの2次入力インターセプトポイント(IIP2)特性を、シミュレーションにより測定した結果を示す図である。 TFD−LNAを2組、左右の増幅器として用いた基本型TFD差動増幅器10を示す回路図である。 図12に示した基本型TFD差動増幅器における雑音指数(NF)、反射係数(S11)及び透過係数(S21)のシミュレーション結果を示す図である。 基本型TFD差動増幅器10について、3次入力インターセプトポイント(IIP3)特性をシミュレーションで測定した結果を示す図である。
符号の説明
100,300・・・SDTFD−LNA
200・・・DDTFD−LNA
106,207,237,305・・・チョークコイル
104,107,111,131,133,137,142,144,145,205,208,212,221,235,238,242,251,253,254,303,306,310,321,331,333,337,342,344,345・・・トランジスタ
103,260,350・・・トランス
110,108,118,119,134,136,143,147,209,211,219,220,222,239,241,249,250,252,256,307,309,317,318,322,334,336,343,347・・・抵抗
115,116,117,120,140,141,215,216,217,218,245,246,247,248,313,314,315,316,340,341・・・キャパシタ

Claims (15)

  1. 定電流源と、
    前記定電流源に接続され、信号入力端子から入力された入力信号に応じた電流を第1の負荷に流し、該第1の負荷が発生する該入力信号に応じた第1の出力信号を第1の出力端子に与える第1の増幅回路と、
    前記定電流源に接続され、該定電流源に流れる電流値から前記第1の負荷に流れる電流値を減じた大きさの電流を第2の負荷に流し、該第2の負荷が発生する第2の出力信号を第2の出力端子に与える第2の増幅回路と、
    一次巻線及び該一次巻線に電磁結合する二次巻線を有し、該一次巻線のホット側が該信号入力端子に接続されると共に該一次巻線のコールド側が前記第1の増幅回路に接続され、該二次巻線は固定電位が印加されるセンタータップを備え、該二次巻線のホット側が前記第2の出力端子に接続され、該二次巻線のコールド側が前記第1の出力端子に接続された変圧器と、
    前記第1の出力端子と前記信号入力端子間に接続された抵抗と、
    を備えることを特徴とする差動増幅器。
  2. 前記第1の負荷と前記第1の出力端子との間に第1のバッファを設け、
    前記第2の負荷と前記第2の出力端子との間に第2のバッファを設けたことを特徴とする請求項1に記載の差動増幅器。
  3. 前記第1の増幅回路は、
    制御電極と該制御電極によって導通状態が変化する第1の導通電極及び第2の導通電極とを有し、該第1の導通電極が前記定電流源に接続され、前記入力信号が該制御電極に与えられる第1の入力段トランジスタと、
    制御電極と該制御電極によって導通状態が変化する第1の導通電極及び第2の導通電極とを有し、該第2の導通電極が前記第1の負荷に接続され、該第1の導通電極が前記第1の入力段トランジスタの第2の導通電極に接続されて該第1の入力段トランジスタにカスコード接続された第1の上段トランジスタとを備え、
    前記第2の増幅回路は、
    制御電極と該制御電極によって導通状態が変化する第1の導通電極及び第2の導通電極とを有し、該第1の導通電極が前記定電流源に接続され、該制御電極が定電圧源に接続された第2の入力段トランジスタと、
    制御電極と該制御電極によって導通状態が変化する第1の導通電極及び第2の導通電極とを有し、該第2の導通電極が前記第2の負荷に接続され、該第1の導通電極が前記第2の入力段トランジスタの第2の導通電極に接続されて該第2の入力段トランジスタにカスコード接続された第2の上段トランジスタとを備える、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の差動増幅器。
  4. 前記第1の増幅回路及び前記第2の増幅回路は、位相補償回路を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の差動増幅器。
  5. 前記位相補償回路は、
    前記第1の増幅回路の第1の出力端子及び前記第1の上段トランジスタの前記制御電極に接続された第1の位相補償回路と、
    前記第1の増幅回路の第1の出力端子及び前記第1の入力段トランジスタの前記制御電極に接続された第2の位相補償回路と、
    前記第2の増幅回路の第2の出力端子及び前記第2の上段トランジスタの前記制御電極に接続された第3の位相補償回路と、
    を備えることを特徴とする請求項4に記載の差動増幅器。
  6. 第1の定電流源と、
    第2の定電流源と、
    前記第1の定電流源に接続され、第1の信号入力端子から入力された第1の入力信号に応じた電流を第1の負荷に流し、該第1の負荷が発生する該第1の入力信号に応じた第1の出力信号を第1の出力端子に与える第1の増幅回路と、
    前記第2の定電流源に接続され、第2の信号入力端子から入力された第2の入力信号に応じた電流を第2の負荷に流し、該第2の負荷が発生する該第2の入力信号に応じた第2の出力信号を第2の出力端子に与える第2の増幅回路と、
    一次巻線及び該一次巻線に電磁結合する二次巻線を有し、該一次巻線のホット側が前記第1の定電流源に接続されると共に該一次巻線のコールド側が前記第2の定電流源に接続され、該二次巻線のホット側が前記第2の出力端子に接続され、該二次巻線のコールド側が前記第1の出力端子に接続された変圧器と、
    前記第1の出力端子と前記第1の信号入力端子との間に接続された抵抗と、
    前記第2の出力端子と前記第2の信号入力端子との間に接続された抵抗と、
    を備えることを特徴とする差動増幅器。
  7. 前記第1の負荷と前記第1の出力端子との間に第1のバッファを設け、
    前記第2の負荷と前記第2の出力端子との間に第2のバッファを設けたことを特徴とする請求項6に記載の差動増幅器。
  8. 前記第1の増幅回路は、
    制御電極と該制御電極によって導通状態が変化する第1の導通電極及び第2の導通電極とを有し、該第1の導通電極が前記第1の定電流源に接続され、前記第1の入力信号が該制御電極に与えられる第1の入力段トランジスタと、
    制御電極と該制御電極によって導通状態が変化する第1の導通電極及び第2の導通電極とを有し、該第2の導通電極が前記第1の負荷に接続され、該第1の導通電極が前記第1の入力段トランジスタの第2の導通電極に接続されて該第1の入力段トランジスタにカスコード接続された第1の上段トランジスタとを備え、
    前記第2の増幅回路は、
    制御電極と該制御電極によって導通状態が変化する第1の導通電極及び第2の導通電極とを有し、該第1の導通電極が前記第2の定電流源に接続され、前記第2の入力信号が該制御電極に与えられる第2の入力段トランジスタと、
    制御電極と該制御電極によって導通状態が変化する第1の導通電極及び第2の導通電極とを有し、該第2の導通電極が前記第2の負荷に接続され、該第1の導通電極が前記第2の入力段トランジスタの第2の導通電極に接続されて該第2の入力段トランジスタにカスコード接続された第2の上段トランジスタとを備える、
    ことを特徴とする請求項6又は7に記載の差動増幅器。
  9. 前記第1の増幅回路及び前記第2の増幅回路は、位相補償回路を備えることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の差動増幅器。
  10. 前記位相補償回路は、
    前記第1の増幅回路の第1の出力端子及び前記第1の上段トランジスタの前記制御電極に接続された第1の位相補償回路と、
    前記第1の増幅回路の第1の出力端子及び前記第1の入力段トランジスタの前記制御電極に接続された第2の位相補償回路と、
    前記第2の増幅回路の第2の出力端子及び前記第2の上段トランジスタの前記制御電極に接続された第3の位相補償回路と、
    前記第2の増幅回路の第2の出力端子及び前記第2の入力段トランジスタの前記制御電極に接続された第4の位相補償回路と、
    を備えることを特徴とする請求項9に記載の差動増幅器。
  11. 第1の定電流源と、
    第2の定電流源と、
    前記第1の定電流源に接続され、第1の信号入力端子から入力された入力信号に応じた電流を第1の負荷に流し、該第1の負荷が発生する該入力信号に応じた第1の出力信号を第1の出力端子に与える第1の増幅回路と、
    前記第2の定電流源に接続され、第2の信号入力端子が定電圧源に接続され、出力電流を第2の負荷に流し、該第2の負荷が発生する第2の出力信号を第2の出力端子に与える第2の増幅回路と、
    一次巻線及び該一次巻線に電磁結合する二次巻線を有し、該一次巻線のホット側が前記第1の定電流源に接続されると共に該一次巻線のコールド側が前記第2の定電流源に接続され、該二次巻線は固定電位が印加されるセンタータップを備え、該二次巻線のホット側が前記第2の出力端子に接続され、該二次巻線のコールド側が前記第1の出力端子に接続された変圧器と、
    前記第1の出力端子と前記第1の信号入力端子との間に接続された抵抗と、
    を備えることを特徴とする差動増幅器。
  12. 前記第1の負荷と前記第1の出力端子との間に第1のバッファを設け、
    前記第2の負荷と前記第2の出力端子との間に第2のバッファを設けたことを特徴とする請求項11に記載の差動増幅器。
  13. 前記第1の増幅回路は、
    制御電極と該制御電極によって導通状態が変化する第1の導通電極及び第2の導通電極とを有し、該第1の導通電極が前記第1の定電流源に接続され、前記入力信号が該制御電極に与えられる第1の入力段トランジスタと、
    制御電極と該制御電極によって導通状態が変化する第1の導通電極及び第2の導通電極とを有し、該第2の導通電極が前記第1の負荷に接続され、該第1の導通電極が前記第1の入力段トランジスタの第2の導通電極に接続されて該第1の入力段トランジスタにカスコード接続された第1の上段トランジスタとを備え、
    前記第2の増幅回路は、
    制御電極と該制御電極によって導通状態が変化する第1の導通電極及び第2の導通電極とを有し、該第1の導通電極が前記第2の定電流源に接続され、該制御電極が定電圧源に接続された第2の入力段トランジスタと、
    制御電極と該制御電極によって導通状態が変化する第1の導通電極及び第2の導通電極とを有し、該第2の導通電極が前記第2の負荷に接続され、該第1の導通電極が前記第2の入力段トランジスタの第2の導通電極に接続されて該第2の入力段トランジスタにカスコード接続された第2の上段トランジスタとを備える、
    ことを特徴とする請求項11又は12に記載の差動増幅器。
  14. 前記第1の増幅回路及び前記第2の増幅回路は、位相補償回路を備えることを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載の差動増幅器。
  15. 前記位相補償回路は、
    前記第1の増幅回路の第1の出力端子及び前記第1の上段トランジスタの前記制御電極に接続された第1の位相補償回路と、
    前記第1の増幅回路の第1の出力端子及び前記第1の入力段トランジスタの前記制御電極に接続された第2の位相補償回路と、
    前記第2の増幅回路の第2の出力端子及び前記第2の上段トランジスタの前記制御電極に接続された第3の位相補償回路と、
    を備えることを特徴とする請求項14に記載の差動増幅器。
JP2008021580A 2008-01-31 2008-01-31 差動増幅器 Expired - Fee Related JP4803189B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008021580A JP4803189B2 (ja) 2008-01-31 2008-01-31 差動増幅器
US12/343,303 US7737783B2 (en) 2008-01-31 2008-12-23 Differential amplifier
EP08022567A EP2086109B1 (en) 2008-01-31 2008-12-30 Differential amplifier

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008021580A JP4803189B2 (ja) 2008-01-31 2008-01-31 差動増幅器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009182857A true JP2009182857A (ja) 2009-08-13
JP4803189B2 JP4803189B2 (ja) 2011-10-26

Family

ID=40361492

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008021580A Expired - Fee Related JP4803189B2 (ja) 2008-01-31 2008-01-31 差動増幅器

Country Status (3)

Country Link
US (1) US7737783B2 (ja)
EP (1) EP2086109B1 (ja)
JP (1) JP4803189B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022130548A1 (ja) * 2020-12-16 2022-06-23 三菱電機株式会社 電力増幅回路

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5109874B2 (ja) * 2008-08-28 2012-12-26 アイコム株式会社 低雑音増幅器
US8102213B2 (en) * 2009-07-23 2012-01-24 Qualcomm, Incorporated Multi-mode low noise amplifier with transformer source degeneration
WO2011033659A1 (ja) * 2009-09-18 2011-03-24 株式会社 東芝 無線機
CN101924524B (zh) * 2010-08-25 2012-07-04 复旦大学 一种带有片上有源Balun的差分CMOS多模低噪声放大器
EP2466746B1 (en) 2010-12-16 2013-09-18 TELEFONAKTIEBOLAGET LM ERICSSON (publ) Low noise amplifier
US8362813B2 (en) 2011-03-24 2013-01-29 Pericom Semiconductor Corp. Re-driver with pre-emphasis injected through a transformer and tuned by an L-C tank
US9031517B2 (en) * 2011-09-28 2015-05-12 Mediatek Transmit-receive front end
RU2475940C1 (ru) * 2011-12-13 2013-02-20 Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего профессионального образования "Южно-Российский государственный университет экономики и сервиса" (ФГБОУ ВПО "ЮРГУЭС") Радиационно-стойкий дифференциальный усилитель
CN104836567A (zh) * 2015-04-23 2015-08-12 中国电子科技集团公司第四十一研究所 一种基于无源变压器实现的差分与单端信号复合电路
JP7249296B2 (ja) * 2020-02-14 2023-03-30 株式会社東芝 増幅回路及び電圧補正回路
CN113489462A (zh) * 2021-07-29 2021-10-08 北京京东方传感技术有限公司 一种电压放大电路、传感器以及电子设备

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6376510A (ja) * 1986-09-19 1988-04-06 Sony Corp 再生ヘツド用アンプ
JPS6485407A (en) * 1987-09-28 1989-03-30 Mitsubishi Electric Corp Semiconductor device
JPH0391306A (ja) * 1989-08-25 1991-04-16 Philips Gloeilampenfab:Nv 増幅器
JPH04154310A (ja) * 1990-10-18 1992-05-27 Nec Corp トランジスタ増幅器
JP2002198747A (ja) * 2000-12-26 2002-07-12 Fujitsu Ten Ltd 高周波増幅回路およびアンテナアンプ
JP2006054607A (ja) * 2004-08-10 2006-02-23 Sony Corp 電流電圧変換回路および光検出回路
JP2007013635A (ja) * 2005-06-30 2007-01-18 Icom Inc 可変利得増幅器及び差動増幅器

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3256495A (en) * 1964-01-20 1966-06-14 North Electric Co Stable frequency square wave inverter with voltage feedback
US3401326A (en) * 1966-03-11 1968-09-10 North Electric Co Three phase inverter circuit having three stage ring counter and power inverters with ferro-resonant wave shaping circuits
US3885219A (en) * 1973-01-22 1975-05-20 Westinghouse Air Brake Co Fail-safe electronic amplifying circuit
US5216379A (en) * 1992-06-26 1993-06-01 Hamley James P Dynamic bias amplifier
JP3647828B2 (ja) * 2002-08-23 2005-05-18 シリンクス株式会社 コンパレータ回路
US7489192B2 (en) * 2006-05-22 2009-02-10 Theta Microelectronics, Inc. Low-noise amplifiers
JP4998211B2 (ja) * 2007-10-31 2012-08-15 アイコム株式会社 低雑音増幅器及び差動増幅器
JP5109874B2 (ja) * 2008-08-28 2012-12-26 アイコム株式会社 低雑音増幅器

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6376510A (ja) * 1986-09-19 1988-04-06 Sony Corp 再生ヘツド用アンプ
JPS6485407A (en) * 1987-09-28 1989-03-30 Mitsubishi Electric Corp Semiconductor device
JPH0391306A (ja) * 1989-08-25 1991-04-16 Philips Gloeilampenfab:Nv 増幅器
JPH04154310A (ja) * 1990-10-18 1992-05-27 Nec Corp トランジスタ増幅器
JP2002198747A (ja) * 2000-12-26 2002-07-12 Fujitsu Ten Ltd 高周波増幅回路およびアンテナアンプ
JP2006054607A (ja) * 2004-08-10 2006-02-23 Sony Corp 電流電圧変換回路および光検出回路
JP2007013635A (ja) * 2005-06-30 2007-01-18 Icom Inc 可変利得増幅器及び差動増幅器

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022130548A1 (ja) * 2020-12-16 2022-06-23 三菱電機株式会社 電力増幅回路
JPWO2022130548A1 (ja) * 2020-12-16 2022-06-23
JP7341358B2 (ja) 2020-12-16 2023-09-08 三菱電機株式会社 電力増幅回路

Also Published As

Publication number Publication date
JP4803189B2 (ja) 2011-10-26
US7737783B2 (en) 2010-06-15
EP2086109B1 (en) 2012-06-20
EP2086109A1 (en) 2009-08-05
US20090195312A1 (en) 2009-08-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4803189B2 (ja) 差動増幅器
JP4998211B2 (ja) 低雑音増幅器及び差動増幅器
US7843272B2 (en) Low noise amplifier
JP3306252B2 (ja) ベース接地トランジスタ増幅器
CN112491366B (zh) 适用于噪声抑制的放大器
TWI548205B (zh) Balanced upscale mixer
TW201918020A (zh) 放大器
US7777575B2 (en) Circuit with single-ended input and differential output
US6642787B1 (en) Differential amplifier with two long-tailed pairs of transistors
US20170111011A1 (en) Balanced up-conversion mixer
TWI780862B (zh) 降頻混頻器
US20090115529A1 (en) Power amplifier having input ends combined in series and output ends combined in series
JP6177422B2 (ja) アクティブバラン回路及びトランス
JP2008219623A (ja) 周波数変換回路
FI20216009A1 (en) Single-ended-to-differential-transconductance amplifiers and applications thereof
JP6230903B2 (ja) 低雑音増幅器
US8195104B2 (en) Electronic amplification device with current mirror for integrated power amplifiers
JP2014225852A (ja) アクティブバラン回路
JP4756136B2 (ja) 増幅器を有する受信機
KR101050154B1 (ko) 광대역 능동 발룬
KR101045541B1 (ko) 전류 미러링을 이용한 믹서
JP2004357091A (ja) ミキサ回路
CN116545389A (zh) 基于变压器结构的双路噪声抵消电路及噪声抵消方法
CN117134733A (zh) 一种有源巴伦电路、混频器及收发系统
CN113659940A (zh) 一种单端输入的伪差分超宽带晶体管放大器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100527

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110704

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110712

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110725

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4803189

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140819

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140819

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees