JP2006052172A - ピラゾロン系製剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】薬効成分本来の効能効果を損うことなくその製剤中の濃度を向上させ且つ生体内への吸収性を改善し得るピラゾロン系製剤を提供する。
【解決手段】3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンおよび/または医薬的に許容しうる塩とシクロデキストリンおよび/またはその誘導体からなる錯体を有効成分とすることを特徴とするピラゾロン系製剤。
【選択図】なし

Description

本発明は生体内フリーラジカルに起因した疾患の予防及び治療剤として有効なピラゾロン系製剤に関する。
ピラゾロン系製剤の一つである3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンおよび/またはその医薬上許容しうる塩を有効成分とする医薬品製剤は公知であり、点滴静注剤が実用化されている。
また3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン(その塩を包含する)の効能効果等を示す特許文献としては、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9等が存在する。
3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンは水に溶けにくい性質を有し、生体への吸収性や有効成分を製剤中に必要量含有させることが困難な薬物であるが、それらを十分に改善する製剤技術は未だ提案されていない。
3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンは、前記したように、点滴静注用(ラジカット注30mg(商標)のみが上市され経口投与剤や外用剤等は上市されていないが、その理由も上記した性質にあるといえる。3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンは水には溶けにくいためラジカット注30mg(商標)中の含有量は1管20mL中に有効成分30mg(1.5mg/mL)と低く、有効成分の濃度を高めるためには適当な技術が必要である。
また、有効成分の水に溶けにくい性質は有効成分の生体内への吸収性に対し障害となるため、製剤中の有効成分濃度の向上とともに改善すべき性質である。
特開2003−300880号公報 特開2003−335674号公報 特開2003−252760号公報 特開2003−267871号公報 特開2003−342173号公報 特開2004−2381号公報 特開2004−2400号公報 特開2004−67585号公報 特開2004−91441号公報
本発明の目的は、上記した問題点を解決することにあり、特に薬効成分本来の効能効果を損うことなくその製剤中の濃度を向上させ且つ生体内への吸収性を改善し得るピラゾロン系製剤を提供することにある。
本発明は、3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンおよび/または医薬的に許容しうる塩とシクロデキストリンおよび/またはその誘導体からなる錯体を有効成分とすることを特徴とするピラゾロン系製剤である。
本発明のピラゾロン系製剤は、投与形態が液、固形、半固形、乳、懸濁状または貼付剤のいずれかから成る非経口投与剤および液、固形、乳または懸濁状のいずれかから成る経口投与剤であることが好ましく、さらに、非経口投与製剤は経皮および/または経粘膜的に経皮、経鼻、経肺、口腔および/または直腸吸収性であることが好ましいこと、また本発明のピラゾロン系製剤には吸収促進剤を含有させることが好ましい。
本発明により、3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンおよび/またはこの医薬的に許容される塩をシクロデキストリンおよび/またはこの誘導体との錯体として製剤の有効成分として用いることにより、3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン本来の効能効果を損うことなくその製剤中の濃度を向上させ且つ生体内への吸収性を改善することができる。その結果、生体内フリーラジカルが関与する各種疾患に対しそれぞれに適した種々の投与形態で最適の予防および治療を行うことが可能となる。
本発明のピラゾロン系製剤の主要必須成分は3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンおよび/またはその医薬的に許容しうる塩である。医薬的に許容しうる塩の例としては、塩酸、硫酸、臭化水素塩、リン酸等の鉱酸との塩;メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、酢酸、グリコール酸、グルクロン酸、マレイン酸、フマル酸、シュウ酸、アスコルビン酸、クエン酸、サリチル酸、ニコチン酸、酒石酸等の有機酸との塩;ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属との塩;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属との塩;アンモニア、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)ピペラジン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、エタノールアミン、N−メチルグルタミン、L−グルタミン等のアミンとの塩が挙げられる。また、グリシン等のアミノ酸の塩を用いてもよい。
本発明で用いるシクロデキストリンおよび/またはその誘導体は3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンと錯体を形成することが可能であれば特に限定されないが、好ましくはα−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、それらのアルキル化誘導体、アシル化誘導体、窒素を含む誘導体、ハロゲン化誘導体、6−デオキシ誘導体、イオウを含む誘導体、シリル化誘導体、カルボン酸基を含む誘導体、カーボネート及びカーバメート、グルコシル−シクロデキストリン等があげられ、さらに好ましくはメチル、エチル、プロピル、アリル、ヒドロキシアルキル、ベンジルトリチル化等の誘導体、アセチル、ベンゾイル、トシル、メシル、サクシニル、シンナモイル、グルタリル、ラウリル等の誘導体、アミノ、アルキルアミノ、アジド、イミダゾイル、ピペリジル、アデニル、ヒスタミニル、ピリジン等の誘導体、ジメチルシリル、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル等の誘導体等が挙げられる。
本発明では3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン(以下その塩を包含する)をシクロデキストリン(以下その誘導体を包含する)との錯体の形で用いることを要する。この錯体はシクロデキストリンの水溶液中に3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンの適量を溶解するか、両化合物を混合粉砕、練合又は加熱することで3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンとシクロデキストリン間の相互作用により容易に形成することができる。錯体の生成は示差熱分析等により確認できる。この錯体は組合せる両化合物の分子の大きさ等に応じ、通常、3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン1モルに対しシクロデキストリンが1〜3モル付加した構造となっている。
本発明におけるピラゾロン系製剤は有効成分として3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンとシクロデキストリンよりなる錯体を含有するかぎり剤形や任意成分の種類は特に制限されない。
また、この錯体は製剤中に溶解または分散した状態で存在させることができ、製剤中に錯体を含有するかぎり非錯体である薬物およびシクロデキストリンを共存させることもできる。非錯体である薬物とシクロデキストリンを単純に混合しただけでも全部または一部が錯体となる。
錯体は、通常体内に吸収されたのち脂質のような親油成分と3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンの間で交換が起こり3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンを遊離することによって効果を発揮したり、シクロデキストリンが分解することにより3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンを遊離し効果を発揮する。
本発明における製剤中の有効成分の含有量は、通常0.1〜90W/W%であり、好ましくは1〜85W/W%、さらに好ましくは5〜80W/W%である。
本発明の製剤は経口投与剤、非経口投与剤限定されないが、固形状、粉末状、液状、乳状等の剤型があげられ、粉末状は任意の粒子径とすることができる。
非経口投与剤は、非経口投与可能であれば特に限定されないが、半固形状製剤は軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤等、固形状製剤は、散剤、粒剤、スチック剤、シート剤、坐剤等、液状製剤は、溶液、懸濁液、ローション、乳液等があげられ、散剤は必要に応じ微紛化することもできる。
また、散剤、溶液、懸濁液、ローション、乳液等はエアゾールまたはスプレー剤とすることもできる。
貼付剤としては、ハップ剤、プラスター剤、パッチ剤等があげられる。
本発明の製剤には、リポゾーム化、マイクロまたはナノスフェアー化等の製剤技術も利用することも可能である。
本発明の製剤中には、有効成分のほかに有効成分を消化管、皮膚、鼻、肺、口腔、目より吸収させるための吸収促進剤を配合することができる。
また、吸収促進剤は有効成分を消化管、皮膚、鼻、肺、口腔、目より吸収させることが可能であれば特に限定されない。
本発明の製剤中に配合する吸収促進剤は特に限定されないが、好ましくは脂肪酸、ジメチルポリシロキサン、ヒマシ油、ハッカ油、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、中鎖脂肪酸トリグリセリド、モノテルペン、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル、コレステロール、クロタミトン、スクワラン、スクラレン、炭酸プロピレン等の親油性成分、アルキルアリルポリエーテルアルコール、高級アルコール硫酸化物、N−ココイル−L−アルギニンエチルエステルDL−ピロリドンカルボン酸塩、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、モノグリセリン脂肪酸エステル、ラウロマクロゴール、ラウリル硫酸ナトリウム、四級アンモニウム塩、レシチン、水添レシチン等の界面活性剤、オレイルアルコール、ラウリルアルコール等の高級アルコール、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール、ベンジルアルコール、ステアリルアルコール、ゲラニオール変性アルコール、メタノール変性アルコール、八アセチルしょ糖変性アルコール、エタノール、イソプロピルアルコール、メタノール等のアルコール等から選ばれる一種または二種以上の吸収促進剤が望ましい。
本発明における製剤中に配合される吸収促進剤の量は0.05〜80W/W%、好ましくは0.1〜70W/W%、さらに好ましくは1〜60W/W%である。
本発明における製剤中には、任意成分として製剤上許容される適宜の添加成分を配合することができる。これらの任意成分としては、製剤学上通常用いられる基剤、添加剤等があげられる。これら基剤、添加剤はなんら限定されるものではないが、例えば親水軟膏、吸水軟膏をはじめとする乳剤性基剤、ポリエチレングリコール等の親水性基剤、ワックス、ワセリン、プラスチベース、ミツロウ、生ゴム、RSNo1生ゴム、アクリル酸メチル・アクリル酸−2−エチルへキシル共重合樹脂エマルジョン、メタクリル酸・アクリル酸n−ブチルコポリマー、脂環族飽和炭化水素樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、スチレンイソプレンゴム、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、スチレンブタジエンゴム、ステアリン酸ナトリウム、天然ゴム、天然ゴムラテックス、テルペン樹脂、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸部分中和物、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、流動パラフィン、ゼラチン、シリコン系樹脂、アクリル系樹脂等の基剤、白糖、ブドウ糖、キシリトール、マルチトール、マルトース、Dマンニトール、乳糖、セルロース等の賦形剤、アスコルビン酸およびその塩または誘導体、亜硝酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム、塩酸シスチン、酢酸トコフェロール、天然ビタミンE、BHT、BHA、オキシベンゾン、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、エリソルビン酸およびその塩等の安定化剤、プルラン、ペクチン、キサンタンガム、アルギン酸およびその塩または誘導体、プルラン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の多糖類、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カーボポール等の増粘剤、および精製水等の溶剤のほか、水素添加ロジングリセリンエステル、石油樹脂、ロジン、水系アクリルエマルション、アクリル酸・アクリル酸オクチルエステル共重合体、アクリル酸エステル・酢酸ビニルコポリマー、アクリル酸2−エチルへキシル・ビニルピロリドン共重合体、アクリル酸2−エチルヘキシル・メタクリル酸ドデシル共重合体等の添加剤を用いることができる。
また、緩衝剤、pH調整剤、保存剤、エチレン・酢酸ビニル共重合体等の放出制御膜等も必要に応じて用いることができる。
半固形状製剤中に配合される任意成分として製剤上許容される適宜の添加成分は、上述した成分になんら限定されるものではないが、好ましくは親水軟膏、吸水軟膏をはじめとする乳剤性基剤、ポリエチレングリコール等の親水性基剤、ワックス、ワセリン、プラスチベース、ミツロウ、脂肪酸およびその塩等の油性基剤、流動パラフィン等の基剤、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カーボポール等の増粘剤、精製水等の溶剤、界面活性剤、安定化剤、多糖類、増粘剤、緩衝剤、pH調整剤等が望ましい。
固形状製剤中に配合される任意成分として製剤上許容される適宜の添加成分は、上記した成分になんら限定されるものではないが、好ましくは脂肪酸およびその塩、ゼラチン、流動パラフィン等の基剤、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カーボポール等の親水性高分子、ヒドロキシプロピルスターチ、デンプン、白糖、乳糖、ブドウ糖、キシリトール、マルチトール、マルトース、Dマンニトール、トレハロース等の賦形剤、精製水等の溶剤、プルラン、ペクチン、キサンタンガム、アルギン酸および塩または誘導体等の多糖類、界面活性剤、安定化剤、緩衝剤、pH調整剤が望ましい。
液状調整剤中に配合される任意成分として製剤上許容される適宜の添加成分は、上記した成分になんら限定されるものではないが、好ましくは流動パラフィン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸部分中和物等の基剤、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カーボポール等の親水性高分子、界面活性剤、安定化剤、多糖類、増粘剤、緩衝剤、pH調整剤等が望ましい。
貼付剤中に配合される任意成分として製剤上許容される適宜の添加成分は、上記した成分になんら限定されるものではないが、好ましくは生ゴム、RSNo1生ゴム、アクリル水系エマルション、アクリル酸エチル・アクリル酸−2−エチルへキシル共重合樹脂エマルジョン、メタクリル酸・アクリル酸n−ブチルコポリマー等のアクリル系基剤、脂環族飽和炭化水素樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、スチレンイソプレンゴム、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、スチレンブタジエンゴム、ステアリン酸ナトリウム、天然ゴム、天然ゴムラテックス、テルペン樹脂、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸部分中和物、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、流動パラフィン、ゼラチン、シリコン系樹脂、アクリル系樹脂等の基剤、および精製水等の溶剤のほか水素添加ロジングリセリンエステル、石油樹脂、ロジン、アクイリル酸・アクリル酸オクチルエステル共重合体、アクリル酸エステル・酢酸ビニルコポリマー、アクリル酸2−エチルへキシル・ビニルピロリドン共重合体、アクリル酸2−エチルへキシル・メタクリル酸ドデシル共重合体等の添加剤や界面活性剤、安定化剤、多糖類、増粘剤、緩衝剤、pH調整剤、エチレン・酢酸ビニル共重合体等の放出制御膜等が望ましい。
本発明の3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンとシクロデキストリンからなる錯体を有効成分としたピラゾロン系製剤は水に溶けにくい薬物の溶解性の改善及び吸収性の改善が可能であり、患者に安全に経口投与および/または非経口投与でき、生体内フリーラジカルに起因した疾患の予防および治療に極めて有用である。
本発明のピラゾロン系製剤が効果的に用いられる疾患の例としては、エネルギー代謝障害、炎症、細胞または細胞膜障害による各種疾患及び白血病、異常ヘモグロビン症、敗血症等の血液疾患、脳浮腫、脳梗塞、脳出血、パーキンソン病等の脳神経系疾患、心筋梗塞、不整脈、動脈硬化等の心血管系病変、肺炎、喫煙障害、気道閉塞性障害等の呼吸器疾患、胃粘膜障害、肝硬変、膵炎等の消化器疾患、糸球体腎炎、溶血性腎障害等の腎疾患、糖尿病、ストレス反応等の内分泌系疾患、白内障、角膜潰瘍等の眼科疾患、アトピー性疾患、関節リウマチ、膠原病等の自己免疫疾患、アレルギー、放射線障害による疾患、感染症等がある。
実施例:
本発明を例証するために、実施例を挙げて説明する。だだし、これらは本発明の一具体例であり、本発明はこれらになんら限定されるものではない。
製剤中の有効成分は薬物治療に必要な量が含有されている必要があるとともに吸収性が改善されている必要がある。
製剤中薬物濃度及び吸収性は薬物の溶解性に大きく左右されることから溶解性を改善することで製剤中薬物濃度及び吸収性が改善されると判断できる。
また、経皮吸収性、粘膜吸収性においても薬物とシクロデキストリンとの錯体によって疎水性が低下した薬物は経皮吸収性、粘膜吸収性が改善される。
経口および非経口投与された薬物の製剤中含有量および薬物の生体への吸収性は薬物の非晶質化および/または薬物とシクロデキストリンとの錯体化によって改善することができる。
以上のことから3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンとシクロデキストリンよりなる錯体の溶解度の改善や結晶状態を検討することで製剤中含有量および薬物の生体への吸収性の改善を判断できる。
そのためこれらを例証するために以下の実施例1から5を行った。
3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン約0.1gに精製水、βシクロデキストリン(βCD)、メチルβシクロデキストリン(MβCD)、ヒドロキシプロプルβシクロデキストリン(HPβCD)溶液5mLを添加し37℃のインキュベーター中にて5時間振とう後、不溶物を濾過し溶解した3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン量をHPLCで測定した。
その結果を表1に示す。
Figure 2006052172
溶解した3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンの量はいずれも3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンとシクロデキストリンよりなる錯体で精製水単独に比べ高かった。
このことから3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンとシクロデキストリンからなる錯体は3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン単独に比べ3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンの溶解性が明らかに改善したことがわかった。
3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン単独、3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンとMβCDまたはHPβCDの錯体を精製水に溶解し、溶解液0.5mLを合成膜透過性の試験に用いた。合成膜透過性の試験には、エチレンビニルアセテート(EVA)膜又はセルロース膜を挟んだフランツ型拡散セルを用い、拡散セルのレシーバー側に精製水を用い透過してきた精製水中の3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン量をHPLCで測定した。
その結果を図1及び2に示す。
EVA膜、セルロース膜とも3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン単独に比べ錯体化された3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンの透過量は高い膜透過性を示した。
このことから有効成分の膜透過には錯体化が障害にならないとともに3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンの膜透過性を促進することがわかり、3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンの生体への吸収性が向上することがわかる。
3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンのモル比とα−、γ−、HP−β−シクロデキストリンのモル比(シクロデキストリンモル数÷薬物モル数)が2になるように精製水に溶解し錯体を調整後、凍結乾燥した試料を示差熱分析装置(セイコーインスツルメンツ株式会社)にて結晶状態を検討した。
その結果を図3に示す。
図3にみられるように3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンの吸熱ピーク(128.9℃)は、α−、γ−、HP−β−シクロデキストリンを溶かした溶液に3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンを溶解した試料の吸熱ピークはいずれも消失しており、非晶質化し錯体が形成されていることがわかる。
このことから薬物の製薬中含有量および経口、非経口投与された薬物の生体への吸収性が薬物の非晶質化または薬物とシクロデキストリンとの錯体によって改善することができることがわかる。
実施例1から実施例3の結果から表2に示す非経口投与製剤を調整した。
Figure 2006052172
実施例4の結果、本発明の有効成分を用いて経皮、経鼻、経背、口腔、直腸吸収性を目的とした非経口投与剤を調整することができることがわかった。
実施例1から実施例3の結果から表3に示す経口投与製剤を調整した。
Figure 2006052172
実施例5の結果、本発明の有効成分を用いて液、固形、乳、懸濁状のいずれかからなる経口投与剤を調整することができることがわかった。
実施例2におけるEVA膜透過性の試験結果を示すグラフ。 実施例2におけるセルロース膜透過性の試験結果を示すグラフ。 実施例3における示差熱分析結果を示すグラフ。

Claims (5)

  1. 3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンおよび/またはその医薬的に許容しうる塩とシクロデキストリンおよび/またはその誘導体からなる錯体を有効成分とすることを特徴とするピラゾロン系製剤。
  2. 投与形態が液、固形、半固形、乳、懸濁状または貼付剤のいずれかから成る非経口投与製剤である請求項1記載のピラゾロン系製剤。
  3. 非経口投与製剤が経皮および/または経粘膜的に経皮、経鼻、経肺、口腔および/または直腸吸収性である請求項2記載のピラゾロン系製剤。
  4. 投与形態が液、固形、乳または懸濁状のいずれかから成る経口投与製剤である請求項1記載のピラゾロン系製剤。
  5. 吸収促進剤を含有する請求項1〜4のいずれか1項記載のピラゾロン系製剤。
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