JPH05178765A - 溶解性が向上した難水溶性薬物組成物 - Google Patents
溶解性が向上した難水溶性薬物組成物Info
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- JPH05178765A JPH05178765A JP4159246A JP15924692A JPH05178765A JP H05178765 A JPH05178765 A JP H05178765A JP 4159246 A JP4159246 A JP 4159246A JP 15924692 A JP15924692 A JP 15924692A JP H05178765 A JPH05178765 A JP H05178765A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 難水溶性薬物の水溶性を高める。
【構成】 難水溶性薬物、シクロデキストリンおよび
0.1〜10重量%の水溶性有機溶媒を含有する医薬用
組成物。
0.1〜10重量%の水溶性有機溶媒を含有する医薬用
組成物。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シクロデキストリン組
成物およびその製造方法に関する。より詳しくは、本発
明においては、水溶性有機溶媒に溶解させた難水溶性薬
物とシクロデキストリンとの複合体を形成し、難水溶性
薬物の溶解性および安定性を高める。この複合体は医薬
用組成物、特に注射用製剤に有用である。
成物およびその製造方法に関する。より詳しくは、本発
明においては、水溶性有機溶媒に溶解させた難水溶性薬
物とシクロデキストリンとの複合体を形成し、難水溶性
薬物の溶解性および安定性を高める。この複合体は医薬
用組成物、特に注射用製剤に有用である。
【0002】
【従来の技術】難水溶性薬物のシクロデキストリンへの
複合体または包接体を形成する従来の方法としては、薬
物とシクロデキストリンの飽和水溶液を冷却し、複合体
を沈澱させる方法、薬物とシクロデキストリンの水溶液
を凍結乾燥する方法[エム・クロズミ(M.Kurozum
i)ら、Chem.Pharm.Bull.、23、1421(19
75)]、混合粉砕法[ワイ・ナカイ(Y.Nakai)
ら、Chem.Pharm.Bull.、26、2419(197
8)]などがある。しかし、これらの方法で得られる難
水溶性薬物とシクロデキストリンとの複合体の溶解性は
それほど高いものではなく、注射剤に適用するには溶解
性が不十分である。またときとして、薬物の安定性がか
えってわるくなる場合がある。
複合体または包接体を形成する従来の方法としては、薬
物とシクロデキストリンの飽和水溶液を冷却し、複合体
を沈澱させる方法、薬物とシクロデキストリンの水溶液
を凍結乾燥する方法[エム・クロズミ(M.Kurozum
i)ら、Chem.Pharm.Bull.、23、1421(19
75)]、混合粉砕法[ワイ・ナカイ(Y.Nakai)
ら、Chem.Pharm.Bull.、26、2419(197
8)]などがある。しかし、これらの方法で得られる難
水溶性薬物とシクロデキストリンとの複合体の溶解性は
それほど高いものではなく、注射剤に適用するには溶解
性が不十分である。またときとして、薬物の安定性がか
えってわるくなる場合がある。
【0003】
【問題を解決しようとする課題】難水溶性薬物の溶解性
をより高め、さらには安定性をも向上させることによっ
て、注射用製剤に適用可能な組成物を開発することにあ
る。
をより高め、さらには安定性をも向上させることによっ
て、注射用製剤に適用可能な組成物を開発することにあ
る。
【0004】
【問題を解決するための手段】このような事情に鑑み、
本発明者らは難水溶性薬物の水に対する溶解性を上げる
ために鋭意研究を行った。その結果、難水溶性の薬物を
水溶性有機溶媒に溶解し、一方、シクロデキストリンを
水に溶解して、この水溶性有機溶媒の溶液にシクロデキ
ストリン水溶液を徐々に添加すると、時として水溶液添
加中に一度は白濁するが、なおも水溶液を添加すると澄
明な溶液となることが判明した。この液から水溶性有機
溶媒および水を気化させ留去することによって粉末状の
組成物を得ることができる。この得られた組成物は多く
の場合、シクロデキストリンとの包接体を形成してい
る。この組成物の水に対する溶解度は非常に高く、従来
の技術で得られる組成物と比較すると3〜50倍も高い
こと、また溶解速度も速いこと、さらに、特定のシクロ
デキストリンを選択すると不安定な薬物を安定化できる
ことを見いだしこの発明を完成した。
本発明者らは難水溶性薬物の水に対する溶解性を上げる
ために鋭意研究を行った。その結果、難水溶性の薬物を
水溶性有機溶媒に溶解し、一方、シクロデキストリンを
水に溶解して、この水溶性有機溶媒の溶液にシクロデキ
ストリン水溶液を徐々に添加すると、時として水溶液添
加中に一度は白濁するが、なおも水溶液を添加すると澄
明な溶液となることが判明した。この液から水溶性有機
溶媒および水を気化させ留去することによって粉末状の
組成物を得ることができる。この得られた組成物は多く
の場合、シクロデキストリンとの包接体を形成してい
る。この組成物の水に対する溶解度は非常に高く、従来
の技術で得られる組成物と比較すると3〜50倍も高い
こと、また溶解速度も速いこと、さらに、特定のシクロ
デキストリンを選択すると不安定な薬物を安定化できる
ことを見いだしこの発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明は、難水溶性薬物、シク
ロデキストリンおよび水溶性有機溶媒からなる医薬用組
成物を提供するものである。本発明の組成物は、難水溶
性薬物、シクロデキストリンおよび0.1〜10重量
%、好ましくは0.1〜3重量%の水溶性有機溶媒から
なる粉末状の医薬用組成物の形態であってもよい。さら
に、本発明は、難水溶性薬物を水溶性有機溶媒に溶解
し、これをシクロデキストリンの水溶液と混合し、所望
により水溶性有機溶媒および水を留去することを特徴と
する、難水溶性薬物とシクロデキストリンの粉末状複合
体の製造方法を提供する。本発明の医薬用組成物または
複合体は、注射用製剤に適用することができる。
ロデキストリンおよび水溶性有機溶媒からなる医薬用組
成物を提供するものである。本発明の組成物は、難水溶
性薬物、シクロデキストリンおよび0.1〜10重量
%、好ましくは0.1〜3重量%の水溶性有機溶媒から
なる粉末状の医薬用組成物の形態であってもよい。さら
に、本発明は、難水溶性薬物を水溶性有機溶媒に溶解
し、これをシクロデキストリンの水溶液と混合し、所望
により水溶性有機溶媒および水を留去することを特徴と
する、難水溶性薬物とシクロデキストリンの粉末状複合
体の製造方法を提供する。本発明の医薬用組成物または
複合体は、注射用製剤に適用することができる。
【0006】本発明で用いる難水溶性薬物とは水または
緩衝液に対する溶解度が1%(w/v)以下の薬物を意味
し、それらの一般に製剤化に用いられる塩でもよい。ま
た、水溶性有機溶媒には1%(w/v)以上の溶解度をもつ
ことが望ましい。例えば、抗炎症剤、鎮痛剤、精神安定
剤、鎮静剤、抗腫瘍剤、抗真菌剤、抗生物質、抗高脂血
症剤等が挙げられる。抗腫瘍剤としては血管新生抑制作
用を有するフマギロール誘導体が本発明の適用には適当
である。フマギロール誘導体としては一般式
緩衝液に対する溶解度が1%(w/v)以下の薬物を意味
し、それらの一般に製剤化に用いられる塩でもよい。ま
た、水溶性有機溶媒には1%(w/v)以上の溶解度をもつ
ことが望ましい。例えば、抗炎症剤、鎮痛剤、精神安定
剤、鎮静剤、抗腫瘍剤、抗真菌剤、抗生物質、抗高脂血
症剤等が挙げられる。抗腫瘍剤としては血管新生抑制作
用を有するフマギロール誘導体が本発明の適用には適当
である。フマギロール誘導体としては一般式
【0007】
【化1】
【0008】[式中、R1は水素を、R2はハロゲン、N
(O)mR5R6、N+R5R6R7・X-、S(O)nR5またはS
+R5R6・X-(式中、R5、R6およびR7はそれぞれ置換
基を有していてもよい炭化水素基もしくは複素環基を、
X-はカウンターアニオンを、mは0または1を、nは0
ないし2の整数を示す。またR5とR6とは隣接する窒素
原子もしくは硫黄原子と共に縮環していてもよい含窒素
または含硫黄異項環を形成していてもよく、これらの縮
環していてもよい含窒素または含硫黄異項環は置換基を
有していてもよい。)を示すか、またはR1とR2とで結
合手を示し、R3は2−メチル−1−プロペニル基また
はイソブチル基を示し、AはOまたはNR8(式中、R8
は水素または置換基を有していてもよい低級アルキルも
しくはアリール基を示す。)を示し、R4は水素、置換基
を有していてもよい炭化水素基または置換基を有してい
てもよいアシル基を示す。]で表されるフマギリン誘導
体またはその塩等がある。
(O)mR5R6、N+R5R6R7・X-、S(O)nR5またはS
+R5R6・X-(式中、R5、R6およびR7はそれぞれ置換
基を有していてもよい炭化水素基もしくは複素環基を、
X-はカウンターアニオンを、mは0または1を、nは0
ないし2の整数を示す。またR5とR6とは隣接する窒素
原子もしくは硫黄原子と共に縮環していてもよい含窒素
または含硫黄異項環を形成していてもよく、これらの縮
環していてもよい含窒素または含硫黄異項環は置換基を
有していてもよい。)を示すか、またはR1とR2とで結
合手を示し、R3は2−メチル−1−プロペニル基また
はイソブチル基を示し、AはOまたはNR8(式中、R8
は水素または置換基を有していてもよい低級アルキルも
しくはアリール基を示す。)を示し、R4は水素、置換基
を有していてもよい炭化水素基または置換基を有してい
てもよいアシル基を示す。]で表されるフマギリン誘導
体またはその塩等がある。
【0009】上記一般式(I)中、R2で示されるハロゲ
ンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ
る。またR1とR2とで結合手を示すときはエポキシ環を
形成する。
ンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ
る。またR1とR2とで結合手を示すときはエポキシ環を
形成する。
【0010】R5、R6またはR7で示される置換基を有
していてもよい炭化水素基の炭化水素基としては、直鎖
状もしくは分枝状の炭素数1〜6のアルキル基(例、メ
チル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソ
ブチル、sec−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキ
シルなど)、炭素数2〜6のアルケニル基(例、ビニル、
アリル、2−ブテニル、メチルアリル、3−ブテニル、
2−ペンテニル、4−ペンテニル、5−ヘキセニルな
ど)、炭素数2〜6のアルキニル基(例、エチニル、プロ
パルギル、2−ブチン−1−イル、3−ブチン−2−イ
ル、1−ペンチン−3−イル、3−ペンチン−1−イ
ル、4−ペンチン−2−イル、3−ヘキシン−1−イル
など)、炭素数3〜6のシクロアルキル基(例、シクロプ
ロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシ
ルなど)、炭素数3〜6のシクロアルケニル基(例、シク
ロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シ
クロヘキサジエニルなど)、炭素数7〜13のアラルキ
ル基(例、ベンジル、1−フェネチル、2−フェネチル
など)、炭素数6〜10のアリール基(例、フェニル、ナ
フチルなど)などが挙げられる。
していてもよい炭化水素基の炭化水素基としては、直鎖
状もしくは分枝状の炭素数1〜6のアルキル基(例、メ
チル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソ
ブチル、sec−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキ
シルなど)、炭素数2〜6のアルケニル基(例、ビニル、
アリル、2−ブテニル、メチルアリル、3−ブテニル、
2−ペンテニル、4−ペンテニル、5−ヘキセニルな
ど)、炭素数2〜6のアルキニル基(例、エチニル、プロ
パルギル、2−ブチン−1−イル、3−ブチン−2−イ
ル、1−ペンチン−3−イル、3−ペンチン−1−イ
ル、4−ペンチン−2−イル、3−ヘキシン−1−イル
など)、炭素数3〜6のシクロアルキル基(例、シクロプ
ロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシ
ルなど)、炭素数3〜6のシクロアルケニル基(例、シク
ロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シ
クロヘキサジエニルなど)、炭素数7〜13のアラルキ
ル基(例、ベンジル、1−フェネチル、2−フェネチル
など)、炭素数6〜10のアリール基(例、フェニル、ナ
フチルなど)などが挙げられる。
【0011】R5、R6またはR7で示される置換基を有
していてもよい複素環基の複素環基としては、ヘテロ原
子(例、窒素、酸素、硫黄など)を1〜4個含む5または
6員複素環基(例、2−フリル、2−チエニル、4−チ
アゾリル、4−イミダゾリル、4−ピリジル、1,3,4
−チアジアゾール−2−イル、テトラゾリルなど)など
が挙げられる。該複素環基は、炭素原子の他に1〜3個
のヘテロ原子(例、窒素、酸素、硫黄など)を含んでい
てもよい5または6員環(例、ベンゼン、ピリジン、シ
クロヘキサンなど)と縮合して2環性縮合環基(例、8−
キノリル、8−プリニルなど)などを形成していてもよ
い。
していてもよい複素環基の複素環基としては、ヘテロ原
子(例、窒素、酸素、硫黄など)を1〜4個含む5または
6員複素環基(例、2−フリル、2−チエニル、4−チ
アゾリル、4−イミダゾリル、4−ピリジル、1,3,4
−チアジアゾール−2−イル、テトラゾリルなど)など
が挙げられる。該複素環基は、炭素原子の他に1〜3個
のヘテロ原子(例、窒素、酸素、硫黄など)を含んでい
てもよい5または6員環(例、ベンゼン、ピリジン、シ
クロヘキサンなど)と縮合して2環性縮合環基(例、8−
キノリル、8−プリニルなど)などを形成していてもよ
い。
【0012】R5とR6とが隣接する窒素原子と共に形成
していてもよい含窒素異項環としては、窒素原子の他に
1〜3個のヘテロ原子(例、窒素、酸素、硫黄など)を
含んでいてもよい4〜7員環の含窒素異項環(例、ピロ
リジン−1−イル、ピペラジノ、モルホリノ、ピペラジ
ン−1−イルなど)などが挙げられる。R5とR6とが隣
接する硫黄原子と共に形成していてもよい含硫黄異項環
としては、硫黄原子の他に1〜3個のヘテロ原子(例、
窒素、酸素、硫黄など)を含んでいてもよい4〜7員環
の含硫黄異項環(例、テトラヒドロチオフェン−1−イ
ル、1,4−チオキサン−1−イルなど)などが挙げられ
る。
していてもよい含窒素異項環としては、窒素原子の他に
1〜3個のヘテロ原子(例、窒素、酸素、硫黄など)を
含んでいてもよい4〜7員環の含窒素異項環(例、ピロ
リジン−1−イル、ピペラジノ、モルホリノ、ピペラジ
ン−1−イルなど)などが挙げられる。R5とR6とが隣
接する硫黄原子と共に形成していてもよい含硫黄異項環
としては、硫黄原子の他に1〜3個のヘテロ原子(例、
窒素、酸素、硫黄など)を含んでいてもよい4〜7員環
の含硫黄異項環(例、テトラヒドロチオフェン−1−イ
ル、1,4−チオキサン−1−イルなど)などが挙げられ
る。
【0013】R5とR6とが隣接する窒素原子または硫黄
原子と共に形成していてもよい含窒素または含硫黄異項
環は5または6員環(例、ベンゼン、ピリジン、ピラジ
ン、ピリダジン、シクロヘキサンなど)と縮環(縮合)し
て2環性縮合環基(例、イソインドリン−2−イル、2
−イソキノリル、1,3−ジヒドロベンゾ[c]チオフェン
−2−イル、2,3−ジヒドロベンゾ[b]チオフェン−1
−イル、3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾピラン−
2−イル、3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン
−1−イル、1,2,4,5−テトラヒドロ−3−ベンゾ
チエピン−3−イル、1,3−ジヒドロチエノ[3,4−
c]ピリジン−2−イル、5,7−ジヒドロチエノ[3,4
−b]ピラジン−6−イル、5,7−ジヒドロチエノ[3,
4−d]ピリダジン−6−イルなど)などを形成していて
もよい。
原子と共に形成していてもよい含窒素または含硫黄異項
環は5または6員環(例、ベンゼン、ピリジン、ピラジ
ン、ピリダジン、シクロヘキサンなど)と縮環(縮合)し
て2環性縮合環基(例、イソインドリン−2−イル、2
−イソキノリル、1,3−ジヒドロベンゾ[c]チオフェン
−2−イル、2,3−ジヒドロベンゾ[b]チオフェン−1
−イル、3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾピラン−
2−イル、3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン
−1−イル、1,2,4,5−テトラヒドロ−3−ベンゾ
チエピン−3−イル、1,3−ジヒドロチエノ[3,4−
c]ピリジン−2−イル、5,7−ジヒドロチエノ[3,4
−b]ピラジン−6−イル、5,7−ジヒドロチエノ[3,
4−d]ピリダジン−6−イルなど)などを形成していて
もよい。
【0014】R8で示される置換基を有していてもよい
低級アルキル基の低級アルキル基としては、炭素数1〜
6のアルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソ
プロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、ペンチ
ル、イソペンチル、ヘキシルなど)などが挙げられる。
R8で示される置換基を有していてもよいアリール基の
アリール基としては、炭素数6〜10のアリール基
(例、フェニル、ナフチルなど)などが挙げられる。
低級アルキル基の低級アルキル基としては、炭素数1〜
6のアルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソ
プロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、ペンチ
ル、イソペンチル、ヘキシルなど)などが挙げられる。
R8で示される置換基を有していてもよいアリール基の
アリール基としては、炭素数6〜10のアリール基
(例、フェニル、ナフチルなど)などが挙げられる。
【0015】R4で示される置換基を有していてもよい
炭化水素基としては、上記したR5、R6およびR7で示
される置換基を有していてもよい炭化水素基で詳記した
もの等が挙げられる。なお、R4で表される炭化水素基
がアルケニル基のときは無置換ものが好ましい。R4で
示される置換基を有していてもよいアシル基としては、
置換基を有していてもよいカルボン酸アシル、スルホン
酸アシル、カルバモイル、チオカルバモイル、スルファ
モイルなどの酸の残基(該当する酸より導かれるアシル
基)などが挙げられ、例えば、それぞれ置換基を有して
いてもよいアルカノイル、アロイル、複素環カルボニ
ル、カルバモイル、チオカルバモイル、アリールスルホ
ニル、アルキルスルホニル、スルファモイル、アルコキ
シカルボニル、アリールオキシカルボニルなどが挙げら
れる。
炭化水素基としては、上記したR5、R6およびR7で示
される置換基を有していてもよい炭化水素基で詳記した
もの等が挙げられる。なお、R4で表される炭化水素基
がアルケニル基のときは無置換ものが好ましい。R4で
示される置換基を有していてもよいアシル基としては、
置換基を有していてもよいカルボン酸アシル、スルホン
酸アシル、カルバモイル、チオカルバモイル、スルファ
モイルなどの酸の残基(該当する酸より導かれるアシル
基)などが挙げられ、例えば、それぞれ置換基を有して
いてもよいアルカノイル、アロイル、複素環カルボニ
ル、カルバモイル、チオカルバモイル、アリールスルホ
ニル、アルキルスルホニル、スルファモイル、アルコキ
シカルボニル、アリールオキシカルボニルなどが挙げら
れる。
【0016】上記した置換基を有していてもよいアルカ
ノイル基のアルカノイル基としては、炭素数1〜6のア
ルカノイル基(例、ホルミル、アセチル、プロピオニ
ル、イソプロピオニル、ブチリル、ペンタノイル、ヘキ
サノイルなど)などが挙げられる。置換基を有していて
もよいアロイル基のアロイル基としては、炭素数7〜1
1のアロイル基(例、ベンゾイル、1−ナフトイル、2
−ナフトイルなど)などが挙げられる。置換基を有して
いてもよい複素環カルボニル基における複素環カルボニ
ル基としては、ヘテロ原子(例、窒素、酸素、硫黄など)
を1〜4個含む5または6員複素環カルボニル基(例、
2−フロイル、2−テノイル、ニコチニル、イソニコチ
ニルなど)などが挙げられる。置換基を有していてもよ
いアリールスルホニル基のアリールスルホニル基として
は、炭素数6〜10のアリールスルホニル基(例、ベン
ゼンスルホニル、1−ナフチルスルホニル、2−ナフチ
ルスルホニルなど)などが挙げられる。
ノイル基のアルカノイル基としては、炭素数1〜6のア
ルカノイル基(例、ホルミル、アセチル、プロピオニ
ル、イソプロピオニル、ブチリル、ペンタノイル、ヘキ
サノイルなど)などが挙げられる。置換基を有していて
もよいアロイル基のアロイル基としては、炭素数7〜1
1のアロイル基(例、ベンゾイル、1−ナフトイル、2
−ナフトイルなど)などが挙げられる。置換基を有して
いてもよい複素環カルボニル基における複素環カルボニ
ル基としては、ヘテロ原子(例、窒素、酸素、硫黄など)
を1〜4個含む5または6員複素環カルボニル基(例、
2−フロイル、2−テノイル、ニコチニル、イソニコチ
ニルなど)などが挙げられる。置換基を有していてもよ
いアリールスルホニル基のアリールスルホニル基として
は、炭素数6〜10のアリールスルホニル基(例、ベン
ゼンスルホニル、1−ナフチルスルホニル、2−ナフチ
ルスルホニルなど)などが挙げられる。
【0017】置換基を有していてもよいアルキルスルホ
ニル基のアルキルスルホニル基としては、炭素数1〜6
のアルキルスルホニル基(例、メチルスルホニル、エチ
ルスルホニルなど)などが挙げられる。置換基を有して
いてもよいアルコキシカルボニル基のアルコキシカルボ
ニル基としては、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル
基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イ
ソブトキシカルボニルなど)などが挙げられる。置換基
を有していてもよいアリールオキシカルボニル基のアリ
ールオキシカルボニル基としては、炭素数7〜11のア
リールオキシカルボニル基(例、フェノキシカルボニ
ル、1−ナフチルオキシカルボニル、2−ナフチルオキ
シカルボニルなど)などが挙げられる。
ニル基のアルキルスルホニル基としては、炭素数1〜6
のアルキルスルホニル基(例、メチルスルホニル、エチ
ルスルホニルなど)などが挙げられる。置換基を有して
いてもよいアルコキシカルボニル基のアルコキシカルボ
ニル基としては、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル
基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イ
ソブトキシカルボニルなど)などが挙げられる。置換基
を有していてもよいアリールオキシカルボニル基のアリ
ールオキシカルボニル基としては、炭素数7〜11のア
リールオキシカルボニル基(例、フェノキシカルボニ
ル、1−ナフチルオキシカルボニル、2−ナフチルオキ
シカルボニルなど)などが挙げられる。
【0018】R5、R6またはR7で示されるそれぞれ置
換基を有していてもよい炭化水素基または複素環基、R
5とR6とが隣接する窒素原子または硫黄原子と共に形成
していてもよい縮環していてもよい含窒素または含硫黄
異項環基、R8で示されるそれぞれ置換基を有していて
もよい低級アルキル基またはアリール基、およびR4で
示されるそれぞれ置換基を有していてもよい炭化水素基
または置換基を有していてもよいアシル基(アルカノイ
ル基、アロイル基、複素環カルボニル基、カルバモイル
基、チオカルバモイル基、アリールスルホニル基、アル
キルスルホニル基、スルファモイル基、アルコキシカル
ボニル基、またはアリールオキシカルボニル基)は可能
な位置に1〜3個の置換基を有していてもよい。
換基を有していてもよい炭化水素基または複素環基、R
5とR6とが隣接する窒素原子または硫黄原子と共に形成
していてもよい縮環していてもよい含窒素または含硫黄
異項環基、R8で示されるそれぞれ置換基を有していて
もよい低級アルキル基またはアリール基、およびR4で
示されるそれぞれ置換基を有していてもよい炭化水素基
または置換基を有していてもよいアシル基(アルカノイ
ル基、アロイル基、複素環カルボニル基、カルバモイル
基、チオカルバモイル基、アリールスルホニル基、アル
キルスルホニル基、スルファモイル基、アルコキシカル
ボニル基、またはアリールオキシカルボニル基)は可能
な位置に1〜3個の置換基を有していてもよい。
【0019】該置換基としては、例えばC1-6アルキル
基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブ
チル、イソブチル、sec−ブチル、ペンチル、イソペン
チル、ヘキシルなど)、C2-6アルケニル基(例、ビニ
ル、アリル、2−ブテニル、メチルアリル、3−ブテニ
ル、2−ペンテニル、4−ペンテニル、5−ヘキセニル
など)、C2-6アルキニル基(例、エチニル、プロパルギ
ル、2−ブチン−1−イル、3−ブチン−2−イル、1
−ペンチル−3−イル、3−ペンチル−1−イル、4−
ペンチル−2−イル、3−ヘキシン−1−イルなど)、
C3-6シクロアルキル基(例、シクロプロピル、シクロブ
チル、シクロペンチル、シクロヘキシルなど)、C3-6シ
クロアルケニル基(例、シクロブテニル、シクロペンテ
ニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニルな
ど)、C6-10アリール基(例、フェニル、ナフチルな
ど)、アミノ、モノC1-6アルキルアミノ基(例、メチル
アミノ、エチルアミノ、イソプロピルアミノなど)、ジ
C1-6アルキルアミノ基(例、ジメチルアミノ、ジエチル
アミノなど)、アジド、ニトロ、ハロゲン(例、フッ素、
塩素、臭素、ヨウ素など)、ヒドロキシル、C1-4アルコ
キシ基(例、メトキシ、エトキシなど)、C6-10アリール
オキシ基(例、フェニノキシ、ナフチルオキシなど)、C
1-6アルキルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ、プロ
ピルチオなど)、C6-10アリールチオ基(例、フェニルチ
オ、ナフチルチオなど)、シアノ、カルバモイル基、カ
ルボキシル基、C1-4アルコキシカルボニル基(例、メト
キシカルボニル、エトキシカルボニルなど)、C7-11ア
リールオキシカルボニル基(例、フェノキシカルボニ
ル、1−ナフチルオキシカルボニル、2−ナフチルオキ
シカルボニルなど)、カルボキシ−C1-4アルコキシ基
(例、カルボキシメトキシ、2−カルボキシエトキシな
ど)、C1-6アルカノイル基(例、ホルミル、アセチル、
プロピオニル、イソプロピオニル、ブチリル、ペンタノ
イル、ヘキサノイルなど)、C7-11アロイル基(例、ベン
ゾイル、1−ナフトイル、2−ナフトイルなど)、C
6-10アリールスルホニル基(例、ベンゼンスルホニル、
1−ナフチルスルホニル、2−ナフチルスルホニルな
ど)、C1-6アルキルスルフィニル基(例、メチルスルフ
ィニル、エチルスルフィニルなど)、C6-10アリールス
ルフィニル基(例、ベンゼンスルフィニル、1−ナフチ
ルスルフィニル、2−ナフチルスルフィニルなど)、C
1-6アルキルスルホニル基(例、メチルスルホニル、エチ
ルスルホニルなど)、ヘテロ原子(例、窒素、酸素、硫黄
など)を1〜4個含む5または6員複素環基(例、2−フ
リル、2−チエニル、4−チアゾリル、4−イミダゾリ
ル、4−ピリジル、1,3,4−チアジアゾール−2−イ
ル、1−メチル−5−テトラゾリルなど)、ヘテロ原子
(例、窒素、酸素、硫黄など)を1〜4個含む5または6
員複素環カルボニル基(例、2−フロイル、2−テノイ
ル、ニコチニル、イソニコチニルなど)、ヘテロ原子
(例、窒素、酸素、硫黄など)を1〜4個含む5または6
員複素環チオ基(例、4−ビリジルチオ、2−ピリミジ
ルチオ、1,3,4−チアジアゾール−2−イルチオ、1
−メチル−5−テトラゾリルチオなど)などが挙げら
れ、さらに複素環チオ基はベンゼン環が縮合して2環性
縮合環チオ基(例、2−ベンゾチアゾリルチオ、8−キ
ノリルチオなど)を形成していてもよい。また、R4がそ
れぞれジ置換のカルバモイル基、チオカルバモイル基、
もしくはスルファモイル基を示す場合、カルバモイル
基、チオカルバモイル基、もしくはスルファモイル基は
その窒素原子とともに含窒素異項環[例、ピロリジン−
1−イル、ピペリジノ、モルフォリノ、ピペラジン−1
−イル、4−メチルピペラジン−1−イル、4−フェニ
ルピペラジン−1−イルなどのような、窒素原子の他に
1〜3個のヘテロ原子(例、窒素、酸素、硫黄など)を
含んでいてもよい4〜7員環含窒素異項環など]を形成
していてもよい。
基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブ
チル、イソブチル、sec−ブチル、ペンチル、イソペン
チル、ヘキシルなど)、C2-6アルケニル基(例、ビニ
ル、アリル、2−ブテニル、メチルアリル、3−ブテニ
ル、2−ペンテニル、4−ペンテニル、5−ヘキセニル
など)、C2-6アルキニル基(例、エチニル、プロパルギ
ル、2−ブチン−1−イル、3−ブチン−2−イル、1
−ペンチル−3−イル、3−ペンチル−1−イル、4−
ペンチル−2−イル、3−ヘキシン−1−イルなど)、
C3-6シクロアルキル基(例、シクロプロピル、シクロブ
チル、シクロペンチル、シクロヘキシルなど)、C3-6シ
クロアルケニル基(例、シクロブテニル、シクロペンテ
ニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニルな
ど)、C6-10アリール基(例、フェニル、ナフチルな
ど)、アミノ、モノC1-6アルキルアミノ基(例、メチル
アミノ、エチルアミノ、イソプロピルアミノなど)、ジ
C1-6アルキルアミノ基(例、ジメチルアミノ、ジエチル
アミノなど)、アジド、ニトロ、ハロゲン(例、フッ素、
塩素、臭素、ヨウ素など)、ヒドロキシル、C1-4アルコ
キシ基(例、メトキシ、エトキシなど)、C6-10アリール
オキシ基(例、フェニノキシ、ナフチルオキシなど)、C
1-6アルキルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ、プロ
ピルチオなど)、C6-10アリールチオ基(例、フェニルチ
オ、ナフチルチオなど)、シアノ、カルバモイル基、カ
ルボキシル基、C1-4アルコキシカルボニル基(例、メト
キシカルボニル、エトキシカルボニルなど)、C7-11ア
リールオキシカルボニル基(例、フェノキシカルボニ
ル、1−ナフチルオキシカルボニル、2−ナフチルオキ
シカルボニルなど)、カルボキシ−C1-4アルコキシ基
(例、カルボキシメトキシ、2−カルボキシエトキシな
ど)、C1-6アルカノイル基(例、ホルミル、アセチル、
プロピオニル、イソプロピオニル、ブチリル、ペンタノ
イル、ヘキサノイルなど)、C7-11アロイル基(例、ベン
ゾイル、1−ナフトイル、2−ナフトイルなど)、C
6-10アリールスルホニル基(例、ベンゼンスルホニル、
1−ナフチルスルホニル、2−ナフチルスルホニルな
ど)、C1-6アルキルスルフィニル基(例、メチルスルフ
ィニル、エチルスルフィニルなど)、C6-10アリールス
ルフィニル基(例、ベンゼンスルフィニル、1−ナフチ
ルスルフィニル、2−ナフチルスルフィニルなど)、C
1-6アルキルスルホニル基(例、メチルスルホニル、エチ
ルスルホニルなど)、ヘテロ原子(例、窒素、酸素、硫黄
など)を1〜4個含む5または6員複素環基(例、2−フ
リル、2−チエニル、4−チアゾリル、4−イミダゾリ
ル、4−ピリジル、1,3,4−チアジアゾール−2−イ
ル、1−メチル−5−テトラゾリルなど)、ヘテロ原子
(例、窒素、酸素、硫黄など)を1〜4個含む5または6
員複素環カルボニル基(例、2−フロイル、2−テノイ
ル、ニコチニル、イソニコチニルなど)、ヘテロ原子
(例、窒素、酸素、硫黄など)を1〜4個含む5または6
員複素環チオ基(例、4−ビリジルチオ、2−ピリミジ
ルチオ、1,3,4−チアジアゾール−2−イルチオ、1
−メチル−5−テトラゾリルチオなど)などが挙げら
れ、さらに複素環チオ基はベンゼン環が縮合して2環性
縮合環チオ基(例、2−ベンゾチアゾリルチオ、8−キ
ノリルチオなど)を形成していてもよい。また、R4がそ
れぞれジ置換のカルバモイル基、チオカルバモイル基、
もしくはスルファモイル基を示す場合、カルバモイル
基、チオカルバモイル基、もしくはスルファモイル基は
その窒素原子とともに含窒素異項環[例、ピロリジン−
1−イル、ピペリジノ、モルフォリノ、ピペラジン−1
−イル、4−メチルピペラジン−1−イル、4−フェニ
ルピペラジン−1−イルなどのような、窒素原子の他に
1〜3個のヘテロ原子(例、窒素、酸素、硫黄など)を
含んでいてもよい4〜7員環含窒素異項環など]を形成
していてもよい。
【0020】また、R5、R6またはR7で示されるそれ
ぞれ置換基を有していてもよい炭化水素基または複素環
基における置換基、R5とR6とが隣接する窒素原子また
は硫黄原子と共に形成していてもよい縮環していてもよ
い含窒素または含硫黄異項環基における置換基、R8で
示されるそれぞれ置換基を有していてもよい低級アルキ
ル基またはアリール基における置換基、およびR4で示
されるそれぞれ置換基を有していてもよい炭化水素基お
よびアシル基(例、アルカノイル基、アロイル基、複素
環カルボニル基、カルバモイル基、チオカルバモイル
基、アリールスルホニル基、アルキルスルホニル基、ス
ルファモイル基、アルコキシカルボニル基またはアリー
ルオキシカルボニル基)における置換基は、さらに置換
可能な位置に1〜3個置換基を有していてもよい。
ぞれ置換基を有していてもよい炭化水素基または複素環
基における置換基、R5とR6とが隣接する窒素原子また
は硫黄原子と共に形成していてもよい縮環していてもよ
い含窒素または含硫黄異項環基における置換基、R8で
示されるそれぞれ置換基を有していてもよい低級アルキ
ル基またはアリール基における置換基、およびR4で示
されるそれぞれ置換基を有していてもよい炭化水素基お
よびアシル基(例、アルカノイル基、アロイル基、複素
環カルボニル基、カルバモイル基、チオカルバモイル
基、アリールスルホニル基、アルキルスルホニル基、ス
ルファモイル基、アルコキシカルボニル基またはアリー
ルオキシカルボニル基)における置換基は、さらに置換
可能な位置に1〜3個置換基を有していてもよい。
【0021】該置換基としては上述したごときC1-6ア
ルキル基、C2-6アルケニル基、C2- 6アルキニル基、C
3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルケニル基、C
6-10アリール基、アミノ基、モノC1-6アルキルアミノ
基、ジC1-6アルキルアミノ基、アジド基、ニトロ基、
ハロゲン、ヒドロキシル基、C1-4アルコキシ基、C
6-10アリールオキシ基、C1-6アルキルチオ基、C6-10
アリールチオ基、シアノ基、カルバモイル基、カルボキ
シル基、C1-4アルコキシカルボニル基、C7-11アリー
ルオキシカルボニル基、カルボキシC1-4アルコキシ
基、C1-6アルカノイル基、C7-11アロイル基、C6-10
アリールスルホニル基、C1-6アルキルスルフィニル
基、C6-10アリールスルフィニル基、C1-6アルキルス
ルホニル基、5または6員複素環基、5または6員複素
環カルボニル基、5または6員複素環チオ基等が用いら
れる。
ルキル基、C2-6アルケニル基、C2- 6アルキニル基、C
3-6シクロアルキル基、C3-6シクロアルケニル基、C
6-10アリール基、アミノ基、モノC1-6アルキルアミノ
基、ジC1-6アルキルアミノ基、アジド基、ニトロ基、
ハロゲン、ヒドロキシル基、C1-4アルコキシ基、C
6-10アリールオキシ基、C1-6アルキルチオ基、C6-10
アリールチオ基、シアノ基、カルバモイル基、カルボキ
シル基、C1-4アルコキシカルボニル基、C7-11アリー
ルオキシカルボニル基、カルボキシC1-4アルコキシ
基、C1-6アルカノイル基、C7-11アロイル基、C6-10
アリールスルホニル基、C1-6アルキルスルフィニル
基、C6-10アリールスルフィニル基、C1-6アルキルス
ルホニル基、5または6員複素環基、5または6員複素
環カルボニル基、5または6員複素環チオ基等が用いら
れる。
【0022】X-で示されるカウンターアニオンとして
は、例えばハロゲンイオン(例、ヨードイオン、ブロム
イオン、クロルイオンなど)、硫黄イオン、リン酸イオ
ン、硝酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレ
ートイオン、メタンスルフェートイオン、p−トリルス
ルフェートイオン、ベンゼンスルフェートイオン、水酸
イオン、有機酸のカルボキシレートイオン(例、オキザ
レートイオン、マレエートイオン、フマレートイオン、
サクシネートイオン、シトレートイオン、ラクテートー
トイオン、トリフルオロアセテートイオン、ラクトビオ
ネートイオン、アセテートイオン、プロピオネートイオ
ン、タータレートイオン、エチルサクシネートイオンな
ど)などが挙げられる。
は、例えばハロゲンイオン(例、ヨードイオン、ブロム
イオン、クロルイオンなど)、硫黄イオン、リン酸イオ
ン、硝酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレ
ートイオン、メタンスルフェートイオン、p−トリルス
ルフェートイオン、ベンゼンスルフェートイオン、水酸
イオン、有機酸のカルボキシレートイオン(例、オキザ
レートイオン、マレエートイオン、フマレートイオン、
サクシネートイオン、シトレートイオン、ラクテートー
トイオン、トリフルオロアセテートイオン、ラクトビオ
ネートイオン、アセテートイオン、プロピオネートイオ
ン、タータレートイオン、エチルサクシネートイオンな
ど)などが挙げられる。
【0023】化合物(I)は分子内に不斉中心をもち光学
活性を有するが、その絶対構造は原料のフマギロールに
基づくものであり、特に明示の場合はフマギロールの絶
対構造と一致するものを意味する。シクロヘキサン環上
の置換基の結合様式は、
活性を有するが、その絶対構造は原料のフマギロールに
基づくものであり、特に明示の場合はフマギロールの絶
対構造と一致するものを意味する。シクロヘキサン環上
の置換基の結合様式は、
【0024】
【化2】
【0025】場合を表す。化合物(I)が分子内に酸性置
換基(例、カルボキシルなど)あるいは塩基性置換基
(例、アミノ、モノ低級アルキルアミノ、ジ低級アルキ
ルアミノ、含窒素異項環基など)を有する場合には、生
理学的に受容される塩として用いることもできる。生理
学的に受容される塩としては、無機塩基との塩、有機塩
基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または
酸性アミノ酸との塩などが用いられる。これらの塩類を
生成させうる無機塩基としてはアルカリ金属(例、ナト
リウム、カリウムなど)、アルカリ土類金属(例、カルシ
ウム、マグネシウムなど)などが、有機塩基としては例
えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、
ピコリン、N,N−ジベンジルエチレンジアミン、エタ
ノールアミン、ジエタノールアミン、トリスヒドロキシ
メチルアミノメタン、ジシクロヘキシルアミンなどが、
無機酸としては例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、
リン酸などが、有機酸としては例えばギ酸、酢酸、トリ
フルオロ酢酸、シュウ酸、酒石酸、フマール酸、マレイ
ン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−ト
ルエンスルホン酸などが、塩酸性または酸性アミノ酸と
しては例えばアルギニン、リジン、オルニチン、アスパ
ラギン酸、グルタミン酸などが用いられる。これらの塩
のうち塩基との塩(すなわち無機塩基との塩、有機塩基
との塩、塩基性アミノ酸との塩)は化合物(I)の置換基
中のカルボキシル基と、また酸との塩(すなわち無機酸
との塩、有機酸との塩、酸性アミノ酸との塩)は化合物
(I)の置換基中のアミノ基、モノ低級アルキルアミノ
基、ジ低級アルキルアミノ基、含窒素異項環基などと形
成しうる塩を意味する。
換基(例、カルボキシルなど)あるいは塩基性置換基
(例、アミノ、モノ低級アルキルアミノ、ジ低級アルキ
ルアミノ、含窒素異項環基など)を有する場合には、生
理学的に受容される塩として用いることもできる。生理
学的に受容される塩としては、無機塩基との塩、有機塩
基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または
酸性アミノ酸との塩などが用いられる。これらの塩類を
生成させうる無機塩基としてはアルカリ金属(例、ナト
リウム、カリウムなど)、アルカリ土類金属(例、カルシ
ウム、マグネシウムなど)などが、有機塩基としては例
えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、
ピコリン、N,N−ジベンジルエチレンジアミン、エタ
ノールアミン、ジエタノールアミン、トリスヒドロキシ
メチルアミノメタン、ジシクロヘキシルアミンなどが、
無機酸としては例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、
リン酸などが、有機酸としては例えばギ酸、酢酸、トリ
フルオロ酢酸、シュウ酸、酒石酸、フマール酸、マレイ
ン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−ト
ルエンスルホン酸などが、塩酸性または酸性アミノ酸と
しては例えばアルギニン、リジン、オルニチン、アスパ
ラギン酸、グルタミン酸などが用いられる。これらの塩
のうち塩基との塩(すなわち無機塩基との塩、有機塩基
との塩、塩基性アミノ酸との塩)は化合物(I)の置換基
中のカルボキシル基と、また酸との塩(すなわち無機酸
との塩、有機酸との塩、酸性アミノ酸との塩)は化合物
(I)の置換基中のアミノ基、モノ低級アルキルアミノ
基、ジ低級アルキルアミノ基、含窒素異項環基などと形
成しうる塩を意味する。
【0026】また、化合物(I)が分子内にジ低級アルキ
ルアミノ基、含窒素異項環基もしくは含窒素芳香族複素
環基などを有する場合にはこれらの基中の窒素原子がさ
らにアルキル化されて4級アンモニオ基(例、トリメチ
ルアンモニオ、N−メチルピリジニル、N−メチルピロ
リジン−1−イリウムなど)を形成していてもよく、カ
ウンターアニオンとしては前記のX-で示したカウンタ
ーアニオンと同様のカウンターアニオンが挙げられる。
化合物(I)においては、R1とR2とで結合手を示すか、
R1が水素でR2がN(O)mR5R6、N+R5R6R7・X-、
S(O)nR5またはS+R5R6・X-であることが好まし
く、とりわけS+R5R6・X-でR5およびR6が炭化水素
基であり、X-がハロゲンである化合物が好ましい。A
としてOまたはNHが好ましく、R3として2−メチル
−1−プロペニルが好ましく、R4として置換基を有す
るカルバモイルまたはウレイドが好ましい。
ルアミノ基、含窒素異項環基もしくは含窒素芳香族複素
環基などを有する場合にはこれらの基中の窒素原子がさ
らにアルキル化されて4級アンモニオ基(例、トリメチ
ルアンモニオ、N−メチルピリジニル、N−メチルピロ
リジン−1−イリウムなど)を形成していてもよく、カ
ウンターアニオンとしては前記のX-で示したカウンタ
ーアニオンと同様のカウンターアニオンが挙げられる。
化合物(I)においては、R1とR2とで結合手を示すか、
R1が水素でR2がN(O)mR5R6、N+R5R6R7・X-、
S(O)nR5またはS+R5R6・X-であることが好まし
く、とりわけS+R5R6・X-でR5およびR6が炭化水素
基であり、X-がハロゲンである化合物が好ましい。A
としてOまたはNHが好ましく、R3として2−メチル
−1−プロペニルが好ましく、R4として置換基を有す
るカルバモイルまたはウレイドが好ましい。
【0027】一般式(I)で表される化合物またはその塩
は、微生物の生産するフマギリン(fumagillin)の加水分
解産物フマギロール(fumagillol)[ターベル、ディー・
エス(Tarbell.D.S.)ら、ジャーナル オブ アメ
リカン ケミカル ソサイエティ(J.Am.Chem.So
c.)83、3096(1961)]を出発物質として用い
ることによって製造できる。その製造法、物理化学的お
よび生物学的性質は、欧州特許出願第359,036
号、欧州特許出願第357,061号、欧州特許出願第
354,787号などに詳細に記載されている。この様
な化合物(I)の好ましいものとしては、特に、6−O−
(N−クロロアセチルカルバモイル)フマギロール、6α
−(N'−クロロアセチルウレイド)−6−デソキシフマ
ギロール、4−(N−クロロアセチルカルバモイルオキ
シ)−2−(1,2−エポキシ−1,5−メチル−4−ヘキ
セニル)−1−(1,3−ジヒドベンゾ(C)チオフェン−
2−イリオ)−3−メトキシシクロヘキサノールクロリ
ド等が挙げられる。
は、微生物の生産するフマギリン(fumagillin)の加水分
解産物フマギロール(fumagillol)[ターベル、ディー・
エス(Tarbell.D.S.)ら、ジャーナル オブ アメ
リカン ケミカル ソサイエティ(J.Am.Chem.So
c.)83、3096(1961)]を出発物質として用い
ることによって製造できる。その製造法、物理化学的お
よび生物学的性質は、欧州特許出願第359,036
号、欧州特許出願第357,061号、欧州特許出願第
354,787号などに詳細に記載されている。この様
な化合物(I)の好ましいものとしては、特に、6−O−
(N−クロロアセチルカルバモイル)フマギロール、6α
−(N'−クロロアセチルウレイド)−6−デソキシフマ
ギロール、4−(N−クロロアセチルカルバモイルオキ
シ)−2−(1,2−エポキシ−1,5−メチル−4−ヘキ
セニル)−1−(1,3−ジヒドベンゾ(C)チオフェン−
2−イリオ)−3−メトキシシクロヘキサノールクロリ
ド等が挙げられる。
【0028】精神安定剤としては、ジアゼパム、ロラゼ
パム、オキサゼパム等が挙げられる。抗真菌剤として
は、グリセオフルビン、ランカシジン類[J.Antibio
tics,38,877−885(1985)]、フルクナゾー
ル等が挙げられる。抗生物質としては、セフォチアムヘ
キセチルなどが挙げられる。抗高脂血症剤としては、ク
ロフィブレート、AL−294[Chem.Pharm.Bul
l.、38、2792−2796(1990)]などが挙
げられる。難水溶性薬物のその他の例としては、ピロキ
シカム、ダイアセリン、ジルチアゼム、メゲストロール
酢酸、ニフェジピン、ニセロゴリン、ケトプロフェン、
ナプロキセン、ジクロフェナック、イブプロフェン、プ
ロスタグランジン類などが挙げられる。
パム、オキサゼパム等が挙げられる。抗真菌剤として
は、グリセオフルビン、ランカシジン類[J.Antibio
tics,38,877−885(1985)]、フルクナゾー
ル等が挙げられる。抗生物質としては、セフォチアムヘ
キセチルなどが挙げられる。抗高脂血症剤としては、ク
ロフィブレート、AL−294[Chem.Pharm.Bul
l.、38、2792−2796(1990)]などが挙
げられる。難水溶性薬物のその他の例としては、ピロキ
シカム、ダイアセリン、ジルチアゼム、メゲストロール
酢酸、ニフェジピン、ニセロゴリン、ケトプロフェン、
ナプロキセン、ジクロフェナック、イブプロフェン、プ
ロスタグランジン類などが挙げられる。
【0029】本発明で用いるシクロデキストリンとは6
〜12個のグルコース単位からなる環状オリゴ糖および
そのグルコースの2,3,6位の水酸基の一部あるいはす
べてを他の官能基を置換した化合物をいう。該シクロデ
キストリン(以下CyDと略記することもある)の例とし
ては、一般式
〜12個のグルコース単位からなる環状オリゴ糖および
そのグルコースの2,3,6位の水酸基の一部あるいはす
べてを他の官能基を置換した化合物をいう。該シクロデ
キストリン(以下CyDと略記することもある)の例とし
ては、一般式
【0030】
【化3】
【0031】[式中、xは6〜12を満足する整数を、R
9、R10およびR11は個々の繰り返し単位中で同一また
は異なって、それぞれ水素、アルキル基、モノヒドロキ
シアルキル基、ジヒドロキシアルキル基、カルボキシア
ルキル基あるいは糖残基を示す。]で表される化合物が
挙げられ、より具体的にはα−CyD(x=6)、β−Cy
D(x=7)、γ−CyD(x=8)、δ−CyD(x=9)等お
よびこれらの水酸基のエーテル誘導体である。
9、R10およびR11は個々の繰り返し単位中で同一また
は異なって、それぞれ水素、アルキル基、モノヒドロキ
シアルキル基、ジヒドロキシアルキル基、カルボキシア
ルキル基あるいは糖残基を示す。]で表される化合物が
挙げられ、より具体的にはα−CyD(x=6)、β−Cy
D(x=7)、γ−CyD(x=8)、δ−CyD(x=9)等お
よびこれらの水酸基のエーテル誘導体である。
【0032】R9〜R11で示されるアルキル基として
は、例えばメチル、エチル、プロピル等のC1-4アルキ
ル基が、モノヒドロキシアルキル基としては、例えばヒ
ドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキ
シプロピル等のモノヒドロキシ−C1-4アルキル基が、
ジヒドロキシアルキル基としては、例えばジヒドロキシ
メチル、2,2−ジヒドロキシエチル、ジヒドロキシプ
ロピル等のジヒドロキシ−C1-4アルキル基が、カルボ
キシアルキル基としては、例えばカルボキシメチル、2
−カルボキシエチル等のカルボキシ−C1-4アルキル基
が、糖残基としてはグルコシル基、マルトシル基、パノ
シル基などが用いられる。
は、例えばメチル、エチル、プロピル等のC1-4アルキ
ル基が、モノヒドロキシアルキル基としては、例えばヒ
ドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキ
シプロピル等のモノヒドロキシ−C1-4アルキル基が、
ジヒドロキシアルキル基としては、例えばジヒドロキシ
メチル、2,2−ジヒドロキシエチル、ジヒドロキシプ
ロピル等のジヒドロキシ−C1-4アルキル基が、カルボ
キシアルキル基としては、例えばカルボキシメチル、2
−カルボキシエチル等のカルボキシ−C1-4アルキル基
が、糖残基としてはグルコシル基、マルトシル基、パノ
シル基などが用いられる。
【0033】これらのシクロデキストリンは1種類でも
よく、また、2種類以上混合して使用してもよい。なか
でも水に対する溶解度の高いシクロデキストリンが好ま
れて用いられる。とりわけジヒドロキシプロピル誘導
体、およびマルトシル誘導体が好ましく用いられる。シ
クロデキストリンの使用量は難水溶性薬物に対してモル
比で1〜5倍モルが好ましい。1.2〜2.5倍モルがよ
り好ましく用いられる。本発明の組成物の形態としては
一般に、薬物は個体状態の方が安定であり、共存するエ
チルアルコールおよび水を留去させ粉末とするのが好ま
しい。留去する方法としては凍結乾燥、あるいは減圧乾
燥、時としては常圧での気化が挙げられる。薬物の安定
化のためには凍結後乾燥する凍結乾燥あるいは凍結減圧
乾燥が適当である。
よく、また、2種類以上混合して使用してもよい。なか
でも水に対する溶解度の高いシクロデキストリンが好ま
れて用いられる。とりわけジヒドロキシプロピル誘導
体、およびマルトシル誘導体が好ましく用いられる。シ
クロデキストリンの使用量は難水溶性薬物に対してモル
比で1〜5倍モルが好ましい。1.2〜2.5倍モルがよ
り好ましく用いられる。本発明の組成物の形態としては
一般に、薬物は個体状態の方が安定であり、共存するエ
チルアルコールおよび水を留去させ粉末とするのが好ま
しい。留去する方法としては凍結乾燥、あるいは減圧乾
燥、時としては常圧での気化が挙げられる。薬物の安定
化のためには凍結後乾燥する凍結乾燥あるいは凍結減圧
乾燥が適当である。
【0034】本発明で用いられる水溶性有機溶媒として
は、例えば注射用投与製剤を目的とした品質のものが使
用される。粉末化した組成物中の水溶性有機溶媒の含量
は少ないほど好ましいが、本発明の組成物中では完全に
留去するのは困難であり、組成物中10%(重量)以下が
好ましく、より好ましくは0.1〜5%であり、さらに
より好ましくは0.5〜3%の範囲である。注射用製剤
とするためには水溶性有機溶媒としてエチルアルコール
が繁用されるが、必ずしもエチルアルコールに限定する
必要はなく、水に混和する有機性の溶媒で難水溶性薬物
を高濃度に溶解できる溶媒であればよい。エチルアルコ
ールの他に、例えば、メチルアルコール、イソプロピル
アルコール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、
アセトニトリル等のニトリル類、ジメチルスルフォキシ
ド等のスルフォキシド類、ジメチルフォルムアミド等の
アミド類等が水溶性有機溶媒として用いられる。これら
の溶媒を用いた場合注射用に使用可能な量までに十分に
留去すれば注射剤として使用することもできる。さら
に、注射用以外の適用であればこれらの溶媒の留去が不
十分でも使用が可能である。
は、例えば注射用投与製剤を目的とした品質のものが使
用される。粉末化した組成物中の水溶性有機溶媒の含量
は少ないほど好ましいが、本発明の組成物中では完全に
留去するのは困難であり、組成物中10%(重量)以下が
好ましく、より好ましくは0.1〜5%であり、さらに
より好ましくは0.5〜3%の範囲である。注射用製剤
とするためには水溶性有機溶媒としてエチルアルコール
が繁用されるが、必ずしもエチルアルコールに限定する
必要はなく、水に混和する有機性の溶媒で難水溶性薬物
を高濃度に溶解できる溶媒であればよい。エチルアルコ
ールの他に、例えば、メチルアルコール、イソプロピル
アルコール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、
アセトニトリル等のニトリル類、ジメチルスルフォキシ
ド等のスルフォキシド類、ジメチルフォルムアミド等の
アミド類等が水溶性有機溶媒として用いられる。これら
の溶媒を用いた場合注射用に使用可能な量までに十分に
留去すれば注射剤として使用することもできる。さら
に、注射用以外の適用であればこれらの溶媒の留去が不
十分でも使用が可能である。
【0035】本発明の組成物の製造方法は、難水溶性薬
物を水溶性有機溶媒(特にエチルアルコール)に常温付近
(10〜35℃)で、必要に応じて60℃までに加温して
溶解する。使用する溶媒の量は該薬物1gに対して、通
常10〜80ml、好ましくは20〜40mlである。一
方、シクロデキストリンを水または緩衝液に溶解する。
緩衝液としては、例えばワルポール緩衝液、メンツェル
緩衝液などが挙げられる。使用する水または緩衝液の量
はシクロデキストリン1gに対して、通常1〜50ml、
好ましくは5〜15mlである。通常、この薬物の水溶性
有機溶媒溶液中にシクロデキストリン水溶液を撹拌しな
がら徐々に添加する。シクロデキストリン水溶液を添加
した直後は液全体が白濁することがあるが、シクロデキ
ストリン水溶液を加え続けると澄明な溶液となる。溶液
の添加順序を逆にすると澄明な液とならないことがあ
る。得られた溶液を凍結乾燥あるいは減圧乾燥によって
粉末とする。
物を水溶性有機溶媒(特にエチルアルコール)に常温付近
(10〜35℃)で、必要に応じて60℃までに加温して
溶解する。使用する溶媒の量は該薬物1gに対して、通
常10〜80ml、好ましくは20〜40mlである。一
方、シクロデキストリンを水または緩衝液に溶解する。
緩衝液としては、例えばワルポール緩衝液、メンツェル
緩衝液などが挙げられる。使用する水または緩衝液の量
はシクロデキストリン1gに対して、通常1〜50ml、
好ましくは5〜15mlである。通常、この薬物の水溶性
有機溶媒溶液中にシクロデキストリン水溶液を撹拌しな
がら徐々に添加する。シクロデキストリン水溶液を添加
した直後は液全体が白濁することがあるが、シクロデキ
ストリン水溶液を加え続けると澄明な溶液となる。溶液
の添加順序を逆にすると澄明な液とならないことがあ
る。得られた溶液を凍結乾燥あるいは減圧乾燥によって
粉末とする。
【0036】これらの操作に従って得られた粉末は多く
の場合包接体であるか、静電的、疎水的な相互作用もし
くは水素結合等によって複合体を形成している。また、
粉末は包接体、複合体以外は難水溶性薬物または(およ
び)シクロデキストリンを含有していてもよく、この様
な粉末も本発明の組成物である。得られる粉末特性(バ
イアル瓶への充填性、比容積、静電防止等)の向上のた
めに通常注射剤に用いられる糖類、防腐剤、安定化剤、
静電防止剤を添加してもよい。この操作によって得られ
た粉末は注射剤蒸留水または塩化ナトリウム及び糖類
(グルコース、マンニトール、イノシトール等)で調製し
た等張水溶液に容易に溶解する。溶解後、難水溶性薬物
をその対象疾病に対して有効な濃度を、注射用製剤とし
て静脈内、筋肉内、皮下、臓器内、あるいは腫瘍等の病
巣に投与することができる。また、本発明によって得ら
れる粉末は常法に従って注射投与以外の投与剤、例え
ば、鼻、口腔、直腸、膣等の粘膜投与剤あるいは経皮投
与剤、埋め込み剤とすることも可能である。
の場合包接体であるか、静電的、疎水的な相互作用もし
くは水素結合等によって複合体を形成している。また、
粉末は包接体、複合体以外は難水溶性薬物または(およ
び)シクロデキストリンを含有していてもよく、この様
な粉末も本発明の組成物である。得られる粉末特性(バ
イアル瓶への充填性、比容積、静電防止等)の向上のた
めに通常注射剤に用いられる糖類、防腐剤、安定化剤、
静電防止剤を添加してもよい。この操作によって得られ
た粉末は注射剤蒸留水または塩化ナトリウム及び糖類
(グルコース、マンニトール、イノシトール等)で調製し
た等張水溶液に容易に溶解する。溶解後、難水溶性薬物
をその対象疾病に対して有効な濃度を、注射用製剤とし
て静脈内、筋肉内、皮下、臓器内、あるいは腫瘍等の病
巣に投与することができる。また、本発明によって得ら
れる粉末は常法に従って注射投与以外の投与剤、例え
ば、鼻、口腔、直腸、膣等の粘膜投与剤あるいは経皮投
与剤、埋め込み剤とすることも可能である。
【0037】本発明の粉末は低毒性で強い薬理作用を示
し、哺乳動物(サル、ウシ、イヌ、ヒトなど)の薬剤とし
て有用である。本発明の粉末は、薬物の種類、活性の強
さ等により異なるが、通常成人の患者の治療に用いる場
合、一日当り本発明の粉末を通常1.0mg〜5.0g、好
ましくは50mg〜2.0gを注射投与する。
し、哺乳動物(サル、ウシ、イヌ、ヒトなど)の薬剤とし
て有用である。本発明の粉末は、薬物の種類、活性の強
さ等により異なるが、通常成人の患者の治療に用いる場
合、一日当り本発明の粉末を通常1.0mg〜5.0g、好
ましくは50mg〜2.0gを注射投与する。
【0038】
【実施例】以下に実施例、比較例、実験例を挙げて本発
明をさらに具体的に説明するが、これは本発明を限定す
るものではない。 比較例1 6−O−(N−クロロアセチルカルバモイル)フマギロー
ル(以下、化合物Aという。)100mgをエチルアルコ
ール4mlに溶解し、この溶液とは別にマルトシル−β−
シクロデキストリン(G2βCD)の726mg(化合物A:
G2βCD=1:2(モル比))を水15mlに溶解した。エ
チルアルコール溶液に水溶液を撹拌下添加混合した。得
られた溶液を凍結乾燥して粉末とした。粉末100mgに
水1mlを加えて本発明の均一溶液を得た。一方、従来の
方法として、G2βCDの726mgを10mlの水に溶解
し、これに化合物Aを100mg加え、25℃で撹拌し
た。4時間後0.22μmのフィルターでろ過した。上
記、均一溶液とろ過後の溶液中の化合物AをHPLC
(高速液体クロマトグラフィー)法で定量した。さらに、
同じモル比での化合物AとG2βCDの25℃における
混合粉末、および化合物Aのみの飽和溶解度をHPLC
法で測定した。その結果、表1に示す溶解濃度が得られ
た。従来法の結果は飽和溶解度であるが、本発明の方法
では飽和溶解度ではなくより高濃度の溶解度が期待でき
る。
明をさらに具体的に説明するが、これは本発明を限定す
るものではない。 比較例1 6−O−(N−クロロアセチルカルバモイル)フマギロー
ル(以下、化合物Aという。)100mgをエチルアルコ
ール4mlに溶解し、この溶液とは別にマルトシル−β−
シクロデキストリン(G2βCD)の726mg(化合物A:
G2βCD=1:2(モル比))を水15mlに溶解した。エ
チルアルコール溶液に水溶液を撹拌下添加混合した。得
られた溶液を凍結乾燥して粉末とした。粉末100mgに
水1mlを加えて本発明の均一溶液を得た。一方、従来の
方法として、G2βCDの726mgを10mlの水に溶解
し、これに化合物Aを100mg加え、25℃で撹拌し
た。4時間後0.22μmのフィルターでろ過した。上
記、均一溶液とろ過後の溶液中の化合物AをHPLC
(高速液体クロマトグラフィー)法で定量した。さらに、
同じモル比での化合物AとG2βCDの25℃における
混合粉末、および化合物Aのみの飽和溶解度をHPLC
法で測定した。その結果、表1に示す溶解濃度が得られ
た。従来法の結果は飽和溶解度であるが、本発明の方法
では飽和溶解度ではなくより高濃度の溶解度が期待でき
る。
【0039】
【表1】 溶解性の比較 本発明 42.0mg/ml 従来法 3.7 化合物AとG2βCDの混合粉末 2.3 化合物Aのみ 1.7
【0040】比較例2 化合物Aの100mgをエチルアルコール4mlに溶解し
た。この溶液とは別に2−ヒドロキシプロピル−β−シ
クロデキストリン(2−HP−βCD)の686mg(化合
物A:2−HP−βCD=1:2(モル比))を水15mlに
溶解した。エチルアルコール溶液に水溶液を撹拌下添加
混合した。得られた溶液を凍結乾燥して粉末とした。粉
末70mgに水1mlを加えて本発明の均一溶液を得た。一
方、従来の方法として、2−HP−βCDの686mgを
10mlの水に溶解し、これに化合物Aを100mgを加
え、25℃で撹拌した。4時間後0.22μmのフィルタ
ーでろ過した。上記、均一溶液とろ過後の溶液中の化合
物AをHPLC法で定量した。さらに、同じモル比での
化合物Aと2−HP−βCDの25℃における混合粉
末、および化合物Aのみの飽和溶解度をHPLC法で測
定した。その結果、表2に示す溶解濃度が得られた。従
来法の結果は飽和溶解度であるが、本発明の方法では飽
和溶解度ではなくより高濃度の溶解度が期待できる。
た。この溶液とは別に2−ヒドロキシプロピル−β−シ
クロデキストリン(2−HP−βCD)の686mg(化合
物A:2−HP−βCD=1:2(モル比))を水15mlに
溶解した。エチルアルコール溶液に水溶液を撹拌下添加
混合した。得られた溶液を凍結乾燥して粉末とした。粉
末70mgに水1mlを加えて本発明の均一溶液を得た。一
方、従来の方法として、2−HP−βCDの686mgを
10mlの水に溶解し、これに化合物Aを100mgを加
え、25℃で撹拌した。4時間後0.22μmのフィルタ
ーでろ過した。上記、均一溶液とろ過後の溶液中の化合
物AをHPLC法で定量した。さらに、同じモル比での
化合物Aと2−HP−βCDの25℃における混合粉
末、および化合物Aのみの飽和溶解度をHPLC法で測
定した。その結果、表2に示す溶解濃度が得られた。従
来法の結果は飽和溶解度であるが、本発明の方法では飽
和溶解度ではなくより高濃度の溶解度が期待できる。
【0041】
【表2】 溶解性の比較 本発明 35.2mg/ml 従来法 2.6 化合物Aと2-HP-βCDの混合粉末 2.3 化合物Aのみ 1.7
【0042】実験例1 比較例1および2で得た本発明の粉末と化合物Aのみの
安定性を40℃に2週間保存することで比較した。化合
物Aの残存量をHPLC法で定量した。結果を表3に示
す。
安定性を40℃に2週間保存することで比較した。化合
物Aの残存量をHPLC法で定量した。結果を表3に示
す。
【0043】
【表3】 安定性 残存率 化合物AとG2βCDの混合粉末 100.6% 化合物Aと2-HP-βCDの混合粉末 39.0 化合物Aのみ 81.4 上記の結果に示すように薬物とシクロデキストリンの種
類の組合せによっては溶解性は向上するが、安定性は向
上することも逆に低下することもある。
類の組合せによっては溶解性は向上するが、安定性は向
上することも逆に低下することもある。
【0044】実験例2 G2βCDおよび2−HP−βCDと化合物Aの比率を
種々変えて比較例1および2と同様にして凍結乾燥粉末
を調製した。得られた粉末の溶解性を測定し、表4に示
す。
種々変えて比較例1および2と同様にして凍結乾燥粉末
を調製した。得られた粉末の溶解性を測定し、表4に示
す。
【0045】
【表4】 溶解性 混合モル比(化合物A:シクロデキストリン) 1:1 1:1.5 1:2 化合物AとG2βCD 4.8 22.1 42.0mg/ml 化合物Aと2-HP-βCD 4.0 18.3 35.2
【0046】実験例3 比較例1および2と同様にして種々の混合比での粉末を
調製した。このとき、1:1.5モル比では25℃で65
時間乾燥し、1:2モル比では25℃で42時間および
40℃で72時間乾燥した。それぞれの粉末中のエチル
アルコール含量をGLC(ガスクロマトグラフィー)法で
測定した。結果を表5に示す。
調製した。このとき、1:1.5モル比では25℃で65
時間乾燥し、1:2モル比では25℃で42時間および
40℃で72時間乾燥した。それぞれの粉末中のエチル
アルコール含量をGLC(ガスクロマトグラフィー)法で
測定した。結果を表5に示す。
【0047】
【表5】 エチルアルコール含量 混合モル比(化合物A:シクロデキストリン) 1:1.5 1:2 1:2 (25℃) (25℃) (40℃) 化合物AとG2βCD 1.3% 1.4% 1.5% 化合物Aと2-HP-βCD 0.6% 0.7% −
【0048】実験例4 難水溶性薬物としてジアゼパム、クロフィブレートを選
定し、G2βCDを用いて比較例1と同様にして複合体
を作製し、薬物のみの場合と溶解度について比較した。
定し、G2βCDを用いて比較例1と同様にして複合体
を作製し、薬物のみの場合と溶解度について比較した。
【0049】
【表6】 溶解度 G2βCDとの混合モル比 溶解度 (薬物:G2βCD) 複合体 薬物のみ ジアゼパム 1:10 >4.0mg/ml 47μg/ml クロフィブレート 1:10 >4.3 36
【0050】実施例1 化合物Aの100mgをエチルアルコール4mlに溶解し、
この溶液とは別にβ−シクロデキストリン(βCD)の2
00mgを水15mlに溶解した。エチルアルコール溶液に
水溶液を撹拌下添加混合した。得られた溶液を凍結乾燥
して所望の粉末とした。
この溶液とは別にβ−シクロデキストリン(βCD)の2
00mgを水15mlに溶解した。エチルアルコール溶液に
水溶液を撹拌下添加混合した。得られた溶液を凍結乾燥
して所望の粉末とした。
【0051】実施例2 化合物Aの100mgをエチルアルコール4mlに溶解し、
この溶液とは別にマルトシル−β−シクロデキストリン
(G2βCD)の726mgを水15mlに溶解した。エチル
アルコール溶液に水溶液を撹拌下添加混合して所望の組
成物を得た。
この溶液とは別にマルトシル−β−シクロデキストリン
(G2βCD)の726mgを水15mlに溶解した。エチル
アルコール溶液に水溶液を撹拌下添加混合して所望の組
成物を得た。
【0052】実施例3 化合物Aの100mgをエチルアルコール4mlに溶解し、
この溶液とは別にジヒドロキシプロピル−β−シクロデ
キストリン(DHP−βCD)の500mgを水15mlに溶
解した。エチルアルコール溶液に水溶液を撹拌下添加混
合した。得られた溶液を凍結乾燥して所望の粉末とし
た。
この溶液とは別にジヒドロキシプロピル−β−シクロデ
キストリン(DHP−βCD)の500mgを水15mlに溶
解した。エチルアルコール溶液に水溶液を撹拌下添加混
合した。得られた溶液を凍結乾燥して所望の粉末とし
た。
【0053】実施例4 セフォチアムヘキセチル100mgをエチルアルコール4
mlに溶解し、この溶液とは別にα−シクロデキストリン
(αCD)の200mgを水15mlに溶解した。エチルアル
コール溶液に水溶液を撹拌下添加混合した。得られた溶
液を凍結乾燥して所望の粉末とした。
mlに溶解し、この溶液とは別にα−シクロデキストリン
(αCD)の200mgを水15mlに溶解した。エチルアル
コール溶液に水溶液を撹拌下添加混合した。得られた溶
液を凍結乾燥して所望の粉末とした。
【0054】実施例5 化合物Aの100mgをアセトン4mlに溶解し、この溶液
とは別にマルトシルβ−シクロデキストリン(G2βC
D)の726mgを水15mlに溶解した。アセトン溶液に
水溶液を撹拌下添加混合した後、凍結乾燥し所望の粉末
を得た。
とは別にマルトシルβ−シクロデキストリン(G2βC
D)の726mgを水15mlに溶解した。アセトン溶液に
水溶液を撹拌下添加混合した後、凍結乾燥し所望の粉末
を得た。
【0055】実施例6 化合物Aの100mgをアセトニトリル4mlに溶解し、こ
の溶液とは別にマルトシル−β−シクロデキストリン
(G2βCD)の726mgを水15mlに溶解した。アセト
ニトリル溶液に水溶液を撹拌下添加混合した後、凍結乾
燥し所望の粉末を得た。
の溶液とは別にマルトシル−β−シクロデキストリン
(G2βCD)の726mgを水15mlに溶解した。アセト
ニトリル溶液に水溶液を撹拌下添加混合した後、凍結乾
燥し所望の粉末を得た。
【0056】実施例7 化合物Aの100mgをイソプロピルアルコール4mlに溶
解し、この溶液とは別にマルトシル−β−シクロデキス
トリン(G2βCD)の726mgを水15mlに溶解した。
イソプロピルアルコール溶液に水溶液を撹拌下添加混合
した後、凍結乾燥し所望の粉末を得た。
解し、この溶液とは別にマルトシル−β−シクロデキス
トリン(G2βCD)の726mgを水15mlに溶解した。
イソプロピルアルコール溶液に水溶液を撹拌下添加混合
した後、凍結乾燥し所望の粉末を得た。
【0057】実施例8 化合物Aの100mgをエチルアルコール4mlに溶解し、
この溶液とは別にグルコシル−β−シクロデキストリン
(G1βCD)の645mgを水15mlに溶解した。エチル
アルコール溶液に水溶液を撹拌下添加混合して所望の組
成物を得た。
この溶液とは別にグルコシル−β−シクロデキストリン
(G1βCD)の645mgを水15mlに溶解した。エチル
アルコール溶液に水溶液を撹拌下添加混合して所望の組
成物を得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/38 7252−4C 45/08 AAE AAH ABE 8415−4C ADN ADU ADZ 47/10 G 7329−4C
Claims (10)
- 【請求項1】 難水溶性薬物、シクロデキストリンおよ
び0.1〜10重量%の水溶性有機溶媒を含有する医薬
用組成物。 - 【請求項2】 粉末である請求項1記載の組成物。
- 【請求項3】 水溶性有機溶媒の量が0.1〜3重量%
である請求項1記載の組成物。 - 【請求項4】 難水溶性薬物が抗炎症剤、鎮痛剤、精神
安定剤、鎮静剤、抗腫瘍剤、抗真菌剤、抗生物質および
抗高脂血症剤から選ばれる請求項1記載の組成物。 - 【請求項5】 水溶性有機溶媒に溶解させた難水溶性薬
物とシクロデキストリンとの複合体あるいはそれを含有
する請求項1記載の組成物。 - 【請求項6】 難水溶性薬物がフマギロール誘導体であ
る請求項1記載の組成物。 - 【請求項7】 シクロデキストリンがジヒドロキシプロ
ピル−β−シクロデキストリンまたはマルトシル−β−
シクロデキストリンである請求項1記載の組成物。 - 【請求項8】 注射剤である請求項2記載の組成物。
- 【請求項9】 フマギロール誘導体、水溶性有機溶媒、
シクロデキストリンおよび水の混合物またはその乾燥品
である請求項1記載の組成物。 - 【請求項10】 難水溶性薬物の水溶性有機溶媒溶液と
シクロデキストリンおよび水とを混合することを特徴と
する難水溶性薬物とシクロデキストリンとの複合体の製
造方法。
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