JPH0948730A - 水溶性の改善されたベンズイミダゾール系抗潰瘍剤含有安定組成物 - Google Patents

水溶性の改善されたベンズイミダゾール系抗潰瘍剤含有安定組成物

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JPH0948730A
JPH0948730A JP8138208A JP13820896A JPH0948730A JP H0948730 A JPH0948730 A JP H0948730A JP 8138208 A JP8138208 A JP 8138208A JP 13820896 A JP13820896 A JP 13820896A JP H0948730 A JPH0948730 A JP H0948730A
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JP
Japan
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benzimidazole
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cyclodextrin
acid
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JP8138208A
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Inventor
Toshihiro Ishiguro
敏弘 石黒
Masanari Nakamichi
真成 中道
Tairyo Ogawa
泰亮 小川
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 医薬、動物薬の活性成分として有用なベンズ
イミダゾール抗潰瘍剤の水溶性および安定性の向上。 【解決手段】 ベンズイミダゾール系抗潰瘍剤と分岐シ
クロデキストリン−カルボン酸またはその塩とを含有し
てなる安定組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水溶性の改善され
たベンズイミダゾール系抗潰瘍剤含有安定組成物、さら
に詳しくは、シクロデキストリン誘導体である分岐シク
ロデキストリン−カルボン酸により、医薬、動物薬、特
に抗潰瘍剤として有用なベンズイミダゾール系抗潰瘍剤
を含有する水溶性の改善された安定組成物に関する。
【0002】
【従来技術および発明が解決しようとする課題】水不溶
性ないし難溶性薬剤の水に対する溶解性を改良すること
は、医薬分野等において最も一般的で重要な問題であ
り、シクロデキストリン類の使用がしばしばこの問題を
解決するための効果的な手段となっている。また、シク
ロデキストリン類は、医薬などの溶解性の改善と共に、
揮発性、矯味、矯臭、乳化、粉末化および安定化等に使
用されており、これらは、いずれも、シクロデキストリ
ンが、目的とする薬剤等の活性成分を包接した複合体を
形成することによる効果であると考えられている。この
ようなシクロデキストリン類としては、種々の同族体が
知られており、その種類によって水への溶解度が異な
る。例えば、グルコース6個が環状に結合したα−シク
ロデキストリンは水への溶解度が約15%であり、同じ
くグルコース7個が環状に結合したβ−シクロデキスト
リンは約2%、グルコース8個が環状に結合したγ−シ
クロデキストリンは約23%であると報告されている。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ベンズイ
ミダゾール系抗潰瘍剤の水に対する溶解性向上および薬
剤の安定性向上を図ることを目的として鋭意研究を重ね
た結果、ある種の改良された特性を持つ分岐シクロデキ
ストリン−カルボン酸を使用することにより、上記の目
的が達成されることを見い出し、本発明を完成するに至
った。
【0004】すなわち、本発明は、ベンズイミダゾール
系抗潰瘍剤と分岐シクロデキストリン−カルボン酸また
はその塩とを含有してなる安定組成物を提供するもので
ある。また、本発明は、ベンズイミダゾール系抗潰瘍剤
と分岐シクロデキストリン−カルボン酸またはその塩と
を併用することを特徴とするベンズイミダゾール系抗潰
瘍剤含有組成物の安定性改善方法をも提供する。さら
に、本発明は、ベンズイミダゾール系抗潰瘍剤と分岐シ
クロデキストリン−カルボン酸またはその塩とを併用す
ることを特徴とするベンズイミダゾール系抗潰瘍剤の水
溶性改善方法をも提供する。本発明において、ベンズイ
ミダゾール系抗潰瘍剤は、好ましくは、プロトンポンプ
阻害剤、特にランソプラゾールまたはオメプラゾールで
ある。好ましくは、該組成物は、さらにpH調整剤、好
ましくはメグルミンを含有してなる。該組成物は、好ま
しくは、注射用組成物であり、輸液と混和し得る。本発
明の組成物は、固形状態、特に凍結乾燥状態で特に安定
である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明で用いる分岐シクロデキス
トリン−カルボン酸には、その遊離カルボン酸のみなら
ず、そのアルカリ金属(例、リチウム、ナトリウム、カ
リウムなど)、アルカリ土類金属(例、カルシウム、マ
グネシウムなど)などとの塩が含まれる。これら分岐シ
クロデキストリン−カルボン酸は、単独でも、2種以上
を併用してもよく、また、遊離のカルボン酸とその塩が
混合した状態で使用してもよい。該分岐シクロデキスト
リン−カルボン酸は、少なくとも1つのカルボキシル基
を含有する有機基を該シクロデキストリン環の少なくと
も1つのグルコース単位の6−O位に有するシクロデキ
ストリンである。該分岐シクロデキストリン−カルボン
酸のシクロデキストリン環は、例えば6、7または8個
のグルコース単位を有する。好ましくは、該シクロデキ
ストリン環は7個のグルコース単位を有する。該シクロ
デキストリンとしては、例えば、α−シクロデキストリ
ン、β−シクロデキストリンおよびγ−シクロデキスト
リンなどが挙げられる。上記少なくとも1つのカルボキ
シル基を含有する有機基が1〜3個のグルコース単位を
有し、かつ、該有機基中のグルコース単位のヒドロキシ
メチル基の少なくとも1つがカルボキシル基に酸化され
ている場合が好ましい。
【0006】上記分岐シクロデキストリン−カルボン酸
の具体例としては、6−O−シクロマルトヘキサオシル
−(6→1)−α−D−グルコシル−(4→1)−O−α−
D−グルクロン酸(シクロマルトヘキサオシル−(6→
1)−O−α−D−グルコピラノシル−(4→1)−O−
α−D−グルコピラノシドウロン酸)(以下、α−CyD
−G2−COOHと略称することもある;以下の化合物
の略称についても同様に括弧内に示す)、6−O−シク
ロマルトヘプタオシル−(6→1)−α−D−グルコシル
−(4→1)−O−α−D−グルクロン酸(シクロマルト
ヘプタオシル−(6→1)−O−α−D−グルコピラノシ
ル−(4→1)−O−α−D−グルコピラノシドウロン
酸)(β−CyD−G2−COOH)、6−O−シクロマル
トオクタオシル−(6→1)−α−D−グルコシル−(4
→1)−O−α−D−グルクロン酸(シクロマルトオクタ
オシル−(6→1)−O−α−D−グルコピラノシル−
(4→1)−O−α−D−グルコピラノシドウロン酸)(γ
−CyD−G2−COOH)、6−O−シクロマルトヘキ
サオシル−(6→1)−α−D−グルクロン酸(シクロマ
ルトヘキサオシル−(6→1)−O−α−D−グルコピラ
ノシドウロン酸)(α−CyD−G1−COOH)、6−O
−シクロマルトヘプタオシル−(6→1)−α−D−グル
クロン酸(シクロマルトヘプタオシル−(6→1)−O−
α−D−グルコピラノシドウロン酸)(β−CyD−G1
COOH)、6−O−シクロマルトオクタオシル−(6→
1)−α−D−グルクロン酸(シクロマルトオクタオシル
−(6→1)−O−α−D−グルコピラノシドウロン酸)
(γ−CyD−G1−COOH)、2−O−(6−シクロマ
ルトヘキサオシル)−酢酸(α−CyD−CH2COO
H)、2−O−(6−シクロマルトヘプタオシル)−酢酸
(β−CyD−CH2COOH)、2−O−(6−シクロマ
ルトオクタオシル)−酢酸(γ−CyD−CH2COO
H)、3−O−(6−シクロマルトヘプタオシル)−プロ
ピオン酸(β−CyD−CH2CH2COOH)、2−ヒド
ロキシ−3−O−(6−シクロマルトヘプタオシル)−プ
ロピオン酸(3−O−(6−シクロマルトヘプタオシル)
−2−ヒドロキシ−プロピオン酸)(β−CyD−CH2
CH(OH)−COOH)、7A,7C−ジ−O−[α−D−
グルクロニル−(1→4)−O−α−D−グルコシル]−
(1→6)−マルトヘプタオース(β−CyD−(G2COO
H)2)、6−O−シクロマルトヘプタオシル−O−α−
D−マルトシル−(4→1)−O−α−D−グルクロン酸
(シクロマルトヘプタオシル−(6→1)−O−α−D−
グルコピラノシル−(4→1)−O−α−D−グルコピラ
ノシル−(4→1)−O−α−D−グルコピラノシドウロ
ン酸)(β-CyD−G3−COOH)、およびこれらの上記
塩(例、β−CyD−G2−COOHのナトリウム塩(シ
クロマルトヘプタオシル−(6→1)−O−α−D−グル
コピラノシル−(4→1)−O−α−D−グルコピラノシ
ドウロン酸ナトリウム(同様にβ−CyD−G2−COO
Naと略称する)))が挙げられる。
【0007】さらに詳しくは、6−O−シクロマルトヘ
キサオシル−(6→1)−α−D−グルコシル−(4→
1)−O−α−D−グルクロン酸(α−CyD−G2−C
OOH)、6−O−シクロマルトヘプタオシル−(6→
1)−α−D−グルコシル−(4→1)−O−α−D−
グルクロン酸(β−CyD−G2−COOH)、および
6−O−シクロマルトオクタオシル−α−D−グルコシ
ル−(4→1)−O−α−D−グルクロン酸(γ−Cy
D−G2−COOH)は、それぞれα−シクロデキスト
リン(グルコース単位数6)、β−シクロデキストリン
(グルコース単位数7)およびγ−シクロデキストリン
(グルコース単位数8)を含有する分岐シクロデキスト
リン−カルボン酸であり、そのシクロデキストリン環の
1つのグルコース単位にはマルトースがα−(1→6)結
合し、該マルトースの末端グルコースの6位ヒドロキシ
メチル基がカルボキシル基に酸化されてグルクロン酸が
形成されている。
【0008】また、6−O−シクロマルトヘキサオシル
−(6→1)−α−D−グルクロン酸(α−CyD−G1
COOH)、6−O−シクロマルトヘプタオシル−(6→
1)−α−D−グルクロン酸(β−CyD−G1−COO
H)、および6−O−シクロマルトオクタオシル−(6→
1)−α−D−グルクロン酸(γ−CyD−G1−COO
H)は、そのシクロデキストリン環の1つのグルコース
単位にグルコースがα−(1→6)結合し、さらに該分岐
グルコースの6位ヒドロキシメチル基がカルボキシル基
に酸化されてグルクロン酸が形成されている分岐シクロ
デキストリン−カルボン酸である。そして、2−O−
(6−シクロマルトヘキサオシル)−酢酸(α−CyD−C
2COOH)、2−O−(6−シクロマルトヘプタオシ
ル)−酢酸(β−CyD−CH2COOH)、2−O−(6−
シクロマルトオクタオシル)−酢酸(γ−CyD−CH2
OOH)は、そのシクロデキストリン環の1つのグルコ
ース単位に分岐してカルボキシメチル基が結合した分岐
シクロデキストリン−カルボン酸である。
【0009】このような分岐シクロデキストリン−カル
ボン酸またはその塩類は、特開平07−076594号
公報およびヨーロッパ特許公開第0657176号公報
に記載されており、例えば、該公報に記載の方法によっ
て製造することができる。本発明の組成物では、分岐シ
クロデキストリン−カルボン酸を、活性成分となるベン
ズイミダゾール抗潰瘍剤と共に含有させて、その水溶性
および該抗潰瘍剤を含有する組成物の安定性を向上させ
る。用いるベンズイミダゾール系抗潰瘍剤は、通常、溶
解度が10mg/ml以下のプロトンポンプ阻害剤である。
本発明でいうプロトンポンプ阻害剤とは、胃粘膜の酸分
泌細胞(壁細胞)においてプロトンポンプとして機能し
ているH+/K+−ATPaseを直接または間接的に阻害
することにより、酸分泌を抑制する薬物をいう。その代
表例としては、オメプラゾール、ランソプラゾール、パ
ントプラゾール、パリプラゾールナトリウム、レミノプ
ラゾール、TY−11345、TU−199、FPL−
65372、BY−686、タンニン酸(Tannic aci
d)、エラジック酸(Ellagic acid)、エブセレン(Ebs
elen)、AHR−9294、カシガロール−A(Cassig
arol-A)、バフィロマイシン(Bafilomycin)、Y−2
5942、キサントアンゲロールE(Xanthoangelol
E)、SKF−96356、エピガロカテキン没食子酸
塩(Epigallocatechin gallate)、WY−27198、
T−330あるいはSK&F−20054などが挙げら
れる。
【0010】とりわけ、プロトンポンプ阻害活性物質と
しては、例えば、ベンズイミダゾール系化合物等があげ
られ、該ベンズイミダゾール系化合物はプロトンポンプ
阻害作用を有し、低毒性である。ベンズイミダゾール系
化合物としては、例えば2−[(ピリジル)−メチルス
ルフィニルまたは−メチルチオ]ベンズイミダゾールま
たはその誘導体およびその塩等が好ましい。より好まし
くは、下記一般式(I)で表される化合物およびその塩
があげられる。
【0011】
【化2】
【0012】[式中、A環は置換されていてもよく、Rb
は水素原子、アルキル基、アシル基、カルボアルコキシ
基、カルバモイル基、アルキルカルバモイル基、ジアル
キルカルバモイル基またはアルキルスルホニル基を、R
c、ReおよびRgは同一または異なって水素原子、アル
キル基、アルコキシ基またはアルコキシアルコキシ基
を、Rdは水素原子、アルキル基または式−ORf(式
中、Rfは置換基を有していてもよい炭化水素基を示
す)で表される基を、qは0または1をそれぞれ示
す。] ベンズイミダゾール系化合物は、例えば特開昭52−6
2275号公報、特開昭54−141783号公報、特
開昭57−53406号公報、特開昭58−13588
1号公報、特開昭58−192880号公報、特開昭5
9−181277号公報、特開昭61−50978号公
報、特開昭62−116576号公報、特開昭62−2
77322号公報、特開昭62−258320号公報、
特開昭62−258316号公報、特開昭64−627
0号公報、特開昭64−79177号公報、特開平5−
59043号公報、特開昭62−111980号公報、
特開平5−117268号公報、ヨーロッパ特許公開第
166287号公報、ヨーロッパ特許公開第51936
5号公報などに記載されている。
【0013】上記一般式(I)において、A環が置換さ
れている場合の置換基としては、例えば、ハロゲン原
子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていて
もよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアルケ
ニル基、置換されていてもよいアルコキシ基、シアノ
基、カルボキシ基、カルボアルコキシ基、カルボアルコ
キシアルキル基、カルバモイル基、カルバモイルアルキ
ル基、ヒドロキシ基、ヒドロキシアルキル基、アシル
基、カルバモイルオキシ基、ニトロ基、アシルオキシ
基、アリール基、アリールオキシ基、アルキルチオ基ま
たはアルキルスルフィニル基等が挙げられる。以下、上
記各置換基について説明する。ハロゲン原子としては、
フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。この中で
フッ素、塩素が好ましい。さらにフッ素が特に好まし
い。置換されていてもよいアルキル基におけるアルキル
基としては、炭素数1〜10の直鎖または分枝状のもの
(例、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n
−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n
−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、
ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル等)が挙げられ
る。この中で炭素数1〜6の直鎖または分枝状のものが
好ましい。さらに炭素数1〜3の直鎖または分枝状のも
のが好ましい。該アルキル基の置換基としては、例えば
ハロゲン、ニトロ、アミノ基(アルキル基、アシル基等
を1〜2個置換基として有していてもよい。)、シアノ
基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミジノ基、グアニ
ジノ基、カルバモイル基などが挙げられる。
【0014】置換されていてもよいシクロアルキル基に
おけるシクロアルキル基としては、例えば炭素数3〜7
のシクロアルキル基が挙げられる。該シクロアルキル基
の具体例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シ
クロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが
挙げられる。該シクロアルキル基は置換基を有していて
もよく、該置換基としては、例えばハロゲン、ニトロ、
アミノ基(アルキル基、アシル基等を1〜2個置換基と
して有していてもよい。)、シアノ基、ヒドロキシ基、
カルボキシ基、アミジノ基、グアニジノ基、カルバモイ
ル基などが挙げられる。置換されていてもよいアルケニ
ル基におけるアルケニル基としては、例えば炭素数2〜
16の直鎖または分枝状アルケニル基がよい。該アルケ
ニル基の具体例としては、例えばアリル(allyl)、ビ
ニル、クロチル、2−ペンテン−1−イル、3−ペンテ
ン−1−イル、2−ヘキセン−1−イル、3−ヘキセン
−1−イル、2−メチル−2−プロペン−1−イル、3
−メチル−2−ブテン−1−イル等が挙げられる。この
中で炭素数2〜6の直鎖または分枝状のアルケニル基が
好ましい。さらに炭素数2〜4の直鎖または分枝状のア
ルケニル基が好ましい。該アルケニル基は置換基を有し
ていてもよく、該置換基としては、例えばハロゲン、ニ
トロ、アミノ基(アルキル基、アシル基等を1〜2個置
換基として有していてもよい。)、シアノ基、アミジノ
基、グアニジノ基などの基が挙げられる。上記アルケニ
ル基は二重結合に関する異性体(E、Z体)を包含す
る。置換されていてもよいアルコキシ基におけるアルコ
キシ基としては、例えば炭素数1〜10のアルコキシ基
が挙げられる。該アルコキシ基の具体例としては、例え
ばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキ
シ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert
−ブトキシ、n−ペントキシ、イソペントキシ、ネオペ
ントキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチル
オキシ、ノニルオキシ、シクロブトキシ、シクロペント
キシ、シクロヘキシルオキシ等が挙げられる。この中で
炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましい。さらに炭素数
1〜3のアルコキシ基が特に好ましい。該アルコキシ基
は置換基を有していてもよく、該置換基としては、例え
ばハロゲン、ニトロ、アミノ基(アルキル基、アシル基
等を1〜2個置換基として有していてもよい。)、アミ
ジノ基、グアニジノ基などの基が挙げられる。
【0015】上記アルキル基、シクロアルキル基、アル
ケニル基およびアルコキシ基上の置換基のハロゲンとし
ては、例えば塩素、臭素、フッ素、ヨウ素が挙げられ
る。上記アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基
およびアルコキシ基上の置換基であるアルキルアミノ基
におけるアルキル基としては、例えば炭素数1〜6の直
鎖または分枝状のアルキル基が好ましい。その具体例と
しては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプ
ロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、sec−
ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、n−ヘキシル、イ
ソヘキシルなどが挙げられる。その中で炭素数1〜4の
直鎖または分枝状のアルキル基が特に好ましい。上記ア
ルキル、シクロアルキル基、アルケニル基およびアルコ
キシ基上の置換基であるアシルアミノ基におけるアシル
基としては、例えば有機カルボン酸から誘導されるアシ
ル基が挙げられる。この中で炭素数1〜6のアルカノイ
ル基が好ましい。その具体例としては、例えばホルミ
ル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリ
ル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイ
ルなどが挙げられる。その中で炭素数1〜4のアルカノ
イル基が特に好ましい。上記アルキル基、シクロアルキ
ル基、アルケニル基およびアルコキシ基上の置換基の数
は1〜6、好ましくは1〜3である。
【0016】置換されたアルキル基の具体例としては、
例えばトリフルオロメチル、トリフルオロエチル、ジフ
ルオロメチル、トリクロロメチル、ヒドロキシメチル、
1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、メトキ
シエチル、エトキシエチル、1−メトキシエチル、2−
メトキシエチル、2,2−ジメトキシエチル、2,2−ジ
エトキシエチル、2−ジエチルホスホリルエチルなどが
挙げられる。これらの中で、ジフルオロメチル、トリフ
ルオロメチル、ヒドロキシメチルが好ましい。さらにト
リフルオロメチルが特に好ましい。置換されたシクロア
ルキル基の具体例としては、例えば2−アミノシクロプ
ロパン−1−イル、4−ヒドロキシシクロペンタン−1
−イル、2,2−ジフルオロシクロペンタン−1−イル
などが挙げられる。置換されたアルケニル基の具体例と
しては、例えば2,2−ジクロロビニル、3−ヒドロキ
シ−2−プロペン−1−イル、2−メトキシビニルなど
が挙げられる。置換されたアルコキシ基の具体例として
は、例えばジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキ
シ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、2−メトキシエ
トキシ、4−クロロベンジルオキシ、2−(3,4−ジ
メトキシフェニル)エトキシなどが挙げられる。これら
の中でジフルオロメトキシが好ましい。
【0017】カルボアルコキシ基のアルコキシ基として
は炭素数1〜7のもの(例、メトキシ、エトキシ、n−
プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブト
キシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキ
シ、イソペントキシ、ネオペントキシ、ヘキシルオキ
シ、ヘプチルオキシ等)が挙げられる。カルボアルコキ
シアルキル基のアルコキシ基としては炭素数1〜4
(例、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロ
ポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、
tert−ブトキシ等)の、アルキル基としては炭素数1〜
4のもの(例、メチル、エチル、n−プロピル、イソプ
ロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−
ブチル等)が挙げられ、その例としては、カルボメトキ
シメチル、2−カルボメトキシエチル、2−カルボメト
キシプロピル、カルボエトキシメチル、2−カルボエト
キシエチル、1−カルボメトキシプロピル、カルボプロ
ポキシメチル、カルボブトキシメチル等が挙げられる。
カルバモイルアルキル基のアルキル基として炭素数1〜
4のもの(例、メチル、エチル、n−プロピル、イソプ
ロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−
ブチル等)が挙げられる。
【0018】ヒドロキシアルキル基のアルキル基として
は炭素数1〜7のもの(例、メチル、エチル、n−プロ
ピル、イソプロピル、n−ブチル、イソプビル、sec−ブ
チル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネ
オペンチル、ヘキシル、ヘプチル等)が挙げられる。ア
シル基およびアシルオキシ基のアシル基としては、それ
ぞれ炭素数1〜4のアルカノイル基が挙げられ、その例
としては、例えばホルミル、アセチル、プロピオニル、
ブチリル、イソブチリルなどが挙げられる。アリール基
およびアリールオキシ基のアリール基としては炭素数6
〜12のもの(例、フェニル、ナフチル等)が挙げられ
る。アルキルチオ基およびアルキルスルフィニル基のア
ルキル基としてはそれぞれ炭素数1〜6のもの(例、メ
チル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペン
チル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル等)が挙
げられる。置換されたA環上の置換基の数は、1〜4が
好ましく、さらに1〜2が特に好ましい。置換基のベン
ゼン環上の位置としては、4位および5位が挙げられ、
そのうち5位が好ましい。A環の好ましい例としては、
ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換
されていてもよいシクロアルキル基、置換されていても
よいアルケニル基又は置換されていてもよいアルコキシ
基等で置換されていてもよいA環である。Rbで示され
るアルキル基としては炭素数1〜5のもの(例、メチ
ル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、
イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチ
ル、イソペンチル、ネオペンチル等)が、アシル基とし
ては炭素数1〜4のもの(例、炭素数1〜4のアルカノ
イル基等)が、カルボアルコキシ基のアルコキシとして
は炭素数1〜4のもの(例、ホルミル、アセチル、プロ
ピオニル、ブチリル、イソブチリル等)が、アルキルカ
ルバモイル基およびジアルキルカルバモイル基のアルキ
ルとしてはそのアルキルがそれぞれ炭素数1〜4のもの
(例、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n
−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル
等)が、アルキルスルホニル基のアルキルとしては上記
の炭素数1〜4のものがあげられる。Rbとしては、水
素が好ましい。
【0019】Rc、ReまたはRgで示されるアルキル基
としては炭素数1〜10の直鎖または分枝状のもの
(例、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n
−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n
−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、
ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル等)があげられ
る。この中で、炭素数1〜6の直鎖または分枝状のも
の、特に炭素数1〜3の直鎖または分枝状のものが好ま
しい。Rc、ReまたはRgで示されるアルコキシ基とし
ては炭素数1〜10のもの(例、メトキシ、エトキシ、
n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブ
トキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキ
シ、イソペントキシ、ネオペントキシ、ヘキシルオキ
シ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ
等)があげられる。この中で炭素数1〜6のアルコキシ
基が好ましい。さらに炭素数1〜3のアルコキシ基が特
に好ましい。Rc、ReまたはRgで示されるアルコキシ
アルコキシ基のアルコキシとしてはそれぞれ炭素数1〜
4のもの(例、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、
イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブ
トキシ、tert−ブトキシ等)があげられる。Rcとして
は水素原子、アルキル基、アルコキシ基が好ましい。R
eとしては水素原子、アルキル基、アルコキシ基が好ま
しい。Rgとしては水素原子が好ましい。Rdで示される
アルキル基としては炭素数1〜4のもの(例、メチル、
エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソ
ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル等)があげられ
る。Rfで示される置換基を有していてもよい炭化水素
基の炭化水素基としては、炭素数1〜13の炭化水素基
があげられ、例えば直鎖または分枝状の炭素数1〜6の
アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、ペンチル、
イソペンチル、ヘキシル等)、炭素数2〜6のアルケニ
ル基(例、ビニル、アリル、2−ブテニル、メチルアリ
ル、3−ブテニル、2−ペンテニル、4−ペンテニル、
5−ヘキセニルなど)、炭素数2〜6のアルキニル基
(例、エチニル、プロパルギル、2−ブチン−1−イ
ル、3−ブチン−2−イル、1−ペンチン−3−イル、
3−ペンチン−1−イル、4−ペンチン−2−イル、3
−ヘキシン−1−イルなど)、炭素数3〜6のシクロア
ルキル基(例、シクロプロピル、シクロブチル、シクロ
ペンチル、シクロヘキシルなど)、炭素数3〜6のシク
ロアルケニル基(例、シクロブテニル、シクロペンテニ
ル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニルなど)、
炭素数7〜13のアラルキル基(例、ベンジル、1−フ
ェネチル、2−フェネチルなど)、炭素数6〜10のア
リール基(例、フェニル、ナフチルなど)等が挙げられ
る。この中で直鎖または分枝状の炭素数1〜6のアルキ
ル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、
ブチル、イソブチル、sec−ブチル、ペンチル、イソペ
ンチル、ヘキシルなど)が好ましい。さらに直鎖または
分枝状の炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
【0020】置換基を有する炭化水素基における置換基
としては、例えばC6-10アリール基(例、フェニル、ナ
フチルなど)、アミノ、C1-6アルキルアミノ基(例、
メチルアミノ、エチルアミノ、イソプロピルアミノな
ど)、ジC1-6アルキルアミノ基(例、ジメチルアミ
ノ、ジエチルアミノなど)、N−C7-14アラルキル−N
−C3-6シクロアルキルアミノ(例、N−ベンジル−N
−シクロヘキシルアミノなど)、N−アラルキル−N−
アルキルアミノ(例、N−(1−ナフチルメチル)−N
−エチルアミノなど)、アジド、ニトロ、ハロゲン
(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、ヒドロキシ
ル、C1-4アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プ
ロポキシ、ブトキシなど)、C6-10アリールオキシ基
(例、フェノキシ、ナフチルオキシなど)、C1-6アル
キルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチ
オなど)、C6-10アリールチオ基(例、フェニルチオ、
ナフチルチオなど)、シアノ、カルバモイル基、カルボ
キシル基、C1-4アルコキシカルボニル基(例、メトキ
シカルボニル、エトキシカルボニルなど)、C7-11アリ
ールオキシカルボニル基(例、フェノキシカルボニル、
1−ナフチルオキシカルボニル、2−ナフチルオキシカ
ルボニルなど)、カルボキシ−C1-4アルコキシ基
(例、カルボキシメトキシ、2−カルボキシエトキシな
ど)、C1-6アルカノイル基(例、ホルミル、アセチ
ル、プロピオニル、イソプロピオニル、ブチリル、ペン
タノイル、ヘキサノイルなど)、C7-11アロイル基
(例、ベンゾイル、1−ナフトイル、2−ナフトイルな
ど)、C6-10アリールスルホニル基(例、ベンゼンスル
ホニル、1−ナフチルスルホニル、2−ナフチルスルホ
ニルなど)、C1-6アルキルスルフィニル基(例、メチ
ルスルフィニル、エチルスルフィニルなど)、C6-10
リールスルフィニル基(例、ベンゼンスルフィニル、1
−ナフチルスルフィニル、2−ナフチルスルフィニルな
ど)、C1-6アルキルスルホニル基(例、メチルスルホ
ニル、エチルスルホニルなど)、ヘテロ原子(例、窒
素、酸素、硫黄など)を1〜4個含む5または6員複素
環基(例、2−フリル、2−チエニル、4−チアゾリ
ル、4−イミダゾリル、4−ピリジル、1,3,4−チア
ジアゾール−2−イル、1−メチル−5−テトラゾリル
など)、ヘテロ原子(例、窒素、酸素、硫黄など)を1
〜4個含む5又は6員複素環カルボニル基(例、2−フ
ロイル、2−テノイル、ニコチニル、イソニコチニルな
ど)、ヘテロ原子(例、窒素、酸素、硫黄など)を1〜
4個含む5または6員複素環チオ基(例、4−ピリジル
チオ、2−ピリミジルチオ、1,3,4−チアジアゾール
−2−イルチオ、1−メチル−5−テトラゾリルチオな
ど)などが挙げられ、さらに複素環チオ基はベンゼン環
と縮合して2環性縮合環チオ基(例、2−ベンゾチアゾ
リルチオ、8−キノリルチオなど)を形成していてもよ
い。この中でハロゲン(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ
素など)、ヒドロキシル、C1-4アルコキシ基(例、メ
トキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなど)が好ま
しい。該置換基の数は1〜5であり、好ましくは1〜3
である。
【0021】Rdとしては、置換されていてもよいアル
コキシ基および置換されていてもよいアルコキシアルコ
キシ基が好ましい。置換されていてもよいアルコキシ基
のアルコキシ基としては炭素数1〜8のもの(例、メト
キシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−
ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブト
キシ、n−ペントキシ、イソペントキシ、ネオペントキ
シ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ
等)が、置換されていてもよいアルコキシアルコキシ基
のアルコキシ基としてはそれぞれ炭素数1〜4のもの
(例、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロ
ポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、
tert−ブトキシ等)があげられる。Rdとしては、特に
ハロゲン化されていてもよい炭素数1〜8、好ましくは
炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン化されていても
よいアルコキシアルコキシ基が好ましい。ハロゲン化さ
れていてもよいアルコキシ基の好ましい例としては、例
えば、2,2,2−トリフルオロエトキシ、2,2,3,3,
3−ペンタフルオロプロポキシ、1−(トリフルオロメ
チル)−2,2,2−トリフルオロエトキシ、2,2,3,
3−テトラフルオロプロポキシ、2,2,3,3,4,4,4
−ヘプタフルオロブトキシ、2,2,3,3,4,5,5−オ
クタフルオロペントキシ、メトキシなどがあげられる。
ハロゲン化されていてもよいアルコキシアルコキシ基の
好ましい例としては、例えば3−メトキシプロポキシな
どがあげられる。qは0が好ましい。
【0022】本発明で用いられるベンズイミダゾール系
化合物として、さらに具体的には、例えば、一般式(I
I)
【0023】
【化3】
【0024】(式中、A環は置換されていてもよく、R
1、R3およびR4は同一または異なって水素、アルキル
基またはアルコキシ基を、R2は置換基を有していても
よい炭化水素基を、nは0または1をそれぞれ示す)で
表される化合物である。上記一般式(II)において、A
環としては、上記一般式(I)のA環と同様のものがあ
げられる。
【0025】R1、R3またはR4で示されるアルキル基
としては、例えば炭素数1〜10の直鎖または分枝状の
アルキル基が挙げられる。該アルキル基の具体例として
は、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピ
ル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチ
ル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキ
シル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなどが挙げ
られる。この中で炭素数1〜6の直鎖または分枝状のア
ルキル基が好ましい。さらに炭素数1〜3の直鎖または
分枝状のアルキル基が特に好ましい。
【0026】R1、R3またはR4で示されるアルコキシ
基としては、例えば炭素数1〜10のアルコキシ基が挙
げられる。該アルコキシ基の具体例としては、例えばメ
トキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n
−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブ
トキシ、n−ペントキシ、イソペントキシ、ネオペント
キシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキ
シ、ノニルオキシ、シクロブトキシ、シクロペントキ
シ、シクロヘキシルオキシ等が挙げられる。この中で炭
素数1〜6のアルコキシ基が好ましい。さらに炭素数1
〜3のアルコキシ基が特に好ましい。R2で示される置
換基を有していてもよい炭化水素基としては、上記Rf
で示されるものと同様のものがあげられる。R1は好ま
しくは、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜6
のアルコキシ基である。さらに好ましくは炭素数1〜3
のアルキル基である。R3は好ましくは水素または炭素
数1〜6のアルキル基である。さらに好ましくは水素で
ある。R2は好ましくは、1)ハロゲン、2)ヒドロキ
シルまたは3)炭素数1〜4のアルコキシ基で置換され
ていてもよい炭素数1〜6のアルキル基である。さらに
好ましくは、1)ハロゲンまたは2)炭素数1〜4のア
ルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜3のアル
キル基である。R4は好ましくは水素である。
【0027】本発明で用いられるベンズイミダゾール系
化合物の具体例として、2−[2−[3−メチル−4−
(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)ピリジル]
メチルチオ]ベンズイミダゾール、(±)−2−[[[3−メ
チル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−
ピリジル]メチル]スルフィニル]ベンズイミダゾール
(ランソプラゾール)、2−[(2−ピリジル)メチル
スルフィニル]ベンズイミダゾール(チモプラゾー
ル)、2−[2−(3,5−ジメチル−4−メトキシピリ
ジル)メチルスルフィニル]−5−メトキシ−1H−ベ
ンズイミダゾール(オメプラゾール)、2−[2−[4−
(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピリジル]メ
チルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾールナトリ
ウム塩、2−[2−(3,4−ジメトキシ)ピリジル]メ
チルスルフィニル]−5−ジフルオロメトキシ−1H−
ベンズイミダゾール(パントプラゾール)等が挙げられ
る。とりわけ、本発明にはランソプラゾールおよびオメ
プラゾールが好ましく適用される。
【0028】本発明で用いられるベンズイミダゾール系
化合物またはその塩は、例えば上記した公知の日本及び
ヨーロッパ特許公開公報に記載の方法およびそれらに準
じた方法により製造される。ベンズイミダゾール系化合
物の塩は、好ましくは生理学的に受容される塩として用
いられる。生理学的に受容される塩としては、無機塩基
との塩、有機塩基との塩、塩基性アミノ酸との塩などが
用いられる。用いられる無機塩基としては例えばアルカ
リ金属(例、ナトリウム、カリウムなど)、アルカリ土
類金属(例、カルシウム、マグネシウムなど)などが、
有機塩基としては、例えばトリメチルアミン、トリエチ
ルアミン、ピリジン、ピコリン、N,N−ジベンジルエ
チレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、ジシクロヘ
キシルアミンなどが、塩基性アミノ酸としては例えばア
ルギニン、リジンなどが挙げられる。これらの塩は、自
体公知の方法、例えば特開昭64−79177号公報及
び特開昭59−167587号公報等に記載の方法また
はそれに準じた方法により製造される。
【0029】本発明においては、分岐シクロデキストリ
ン−カルボン酸と、ベンズイミダゾール系抗潰瘍剤の混
合比率は、特に限定されず広い範囲から選択可能である
が、これらの物質の水溶性を勘案すると、ベンズイミダ
ゾール系抗潰瘍剤1モルに対して分岐シクロデキストリ
ン−カルボン酸を0.1〜20モル、好ましくは、0.1
〜10、さらに好ましくは0.2〜5モル、特に好まし
くは2〜5モルの範囲で混合する。
【0030】本発明の組成物は公知の方法で、分岐シク
ロデキストリン−カルボン酸を、目的とするベンズイミ
ダゾール系抗潰瘍剤と混合することにより製造できる。
分岐シクロデキストリン−カルボン酸による該物質の包
接化合物の調製は、例えば、大略、つぎの4方法で行う
ことができる。 (1)共沈澱方法[クラッソンズ(Crassons)ら、第5回
インターナショナル・コンファレンス・オブ・ファーマ
シューティカル・テクノロジー(5th lnt.Conf.P
harmaceutical Technology),パリ(Paris),198
9年5月30日〜6月1日]、(2)凍結乾燥または噴霧
乾燥法[クロズミ(Kurozumi)ら、ケミカル・アンド・
ファーマシュティカル・ブレチン(Chem.Pharm.Bu
ll.),23,3062(1975);カタ(Kata)ら、フ
ァルマジー(Pharmazie)39,856(1984)]、
(3)相−溶解図結晶化法[ウエカマ(Uekama)ら、イン
ターナショナル・ジャーナル・オブ・ファーマシューテ
ィックス(Int.J.Pharm.)10,1(1982)]、
(4)混練り方法[ジェイ・スゼジトリ(J.Szejtli)
ら、「シクロデキストリンおよびその包接複合体(Cyc
lodextrins and their inclusion complexes)」,
アカデイミアル・キアド(Akadeimial Kiado),ブダ
ペスト(Budapest)(1982),P.109−114;
Kyowa Jap.Prov.Pat.Pubin.No.106
698(1982)]。
【0031】さらに具体的には、 (1)分岐シクロデキストリン−カルボン酸(以下、場合
により、単にシクロデキストリンと称する)の水溶液に
目的とする被包接化合物を添加し、必要に応じて加温し
撹拌(振盪)する。残留した未反応の被包接化合物を濾
過、遠心分離などによって除去すると包接化合物が得ら
れる。 (2)シクロデキストリンを水に溶解させ、これに目的と
する被包接化合物を添加して、10分ないし数時間混合
し、その後凍結乾燥する方法[エム・クロズミ(M.Kur
ozumi)ら、ケミカル・アンド・ファーマシューティカル
・ブレチン(Chem.Pharm.Bull.),23,142(1
975)]で粉末を得る。これを水に溶かし、未反応の被
包接化合物を除去すると包接化合物の水溶液が得られ
る。 (3)被包接化合物をあらかじめ適当な水と混和可能な有
機溶媒に溶解しておき、これを水溶液中のシクロデキス
トリンと接触させ、ついで、有機溶媒および水を減圧下
留去、または凍結乾燥[EP−A−519428、JP
−A 5−178765(特開平5−178765号)]
した後、残渣に水を加えて溶かし、未反応の被包接化合
物を除去すると包接化合物の水溶液が得られる。 (4)酸性の被包接化合物については、アンモニア水に溶
解させ、これにシクロデキストリンを加えて凍結乾燥す
る。凍結乾燥の過程において過剰なアンモニアが除去さ
れ、被包接化合物のアンモニウム塩の包接化合物が得ら
れる。 (5)被包接化合物を親油性有機溶媒(例えば、エチルエ
ーテル等)に溶かし、これにシクロデキストリンの飽和
水溶液と混合して10分〜数時間激しく振盪後、冷所に
1夜静置して、包接反応物を析出させ、その後、遠心分
離、濾過により分別する。得られた粉末を水に溶かして
包接化合物の水溶液が得られる。 (6)被包接化合物とシクロデキストリンの両粉末を混合
し、これに少量の水を添加して練り合わせ[ワイ・ナカ
イ(Y.Nakai)ら、ケミカル・アンド・ファーマシュー
ティカル・ブレチン(Chem.Pharm.Bull.),26,
2419(1978)、あるいはその後、凍結乾燥する。 (7)被包接化合物については、シクロデキストリン水溶
液と被包接化合物の水溶液とを混合することにより、包
接化合物の水溶液が得られる。 上記(1)ないし(7)の方法のなかでも上記(3)の
方法は、ベンズイミダゾール系抗潰瘍剤の可溶化に特に
有効である。
【0032】このようにして既知の包接化方法に従って
得られた水溶液あるいは粉末は、多くの場合包接体であ
るか、静電的、疎水的な相互作用もしくは水素結合等に
よって複合体を形成している。したがって、本明細書に
おいて包接化合物は、包接体、複合体自体のみならず、
包接体、複合体、遊離の被包接化合物および/または遊
離のシクロデキストリンの混合物をも意味する。すなわ
ち、得られた粉末および水溶液は包接体、複合体以外に
未包接体あるいは未複合体である水不溶性ないし難溶性
の化合物および/または遊離シクロデキストリンを含有
してもよく、包接体自体も含め、この様な粉末および水
溶液は、極めて水溶性が高く、水に瞬時に溶解する特性
も有している。
【0033】本発明の組成物は、かくして得られた水溶
液または粉末そのものでもよく、また、所望により、さ
らに賦形剤、結合剤、滑沢剤等の公知の添加剤を適宜用
いて、適宜の剤形の医薬品、動物薬とすることができ
る。例えば、上記で得られる粉末の粉末特性(保存瓶、
バイアル容器等への充填性、比容積、静電防止等)の向
上のために、糖類、防腐剤、安定化剤、静電防止剤等を
添加してもよい。この操作によって得られる粉末は、例
えば、注射剤として製造する場合には、蒸留水または塩
化ナトリウムおよび糖類(グルコース、マンニトール、
イノシトール等)で調製した等張水溶液に容易に溶解す
る。溶解後、活性成分をその対象疾病に対して有効な生
体内薬物濃度で、注射剤として静脈内、筋肉内、皮下、
臓器内あるいは直接病巣に投与することができる。ま
た、経口剤として製造する場合、すなわち、錠剤、カプ
セル剤、顆粒剤、細粒剤、包み剤あるいはドロップ剤、
液剤等を製造することができる。通常、これらの処方化
には、公知の賦形剤、滑沢剤、結合剤、分散剤、安定化
剤、着色剤および吸収改善(促進)剤等が使用される。ま
た、上記粉末は常法に従って、注射投与、経口投与以外
の投与剤、例えば、鼻、直腸等の粘膜投与剤とすること
も可能である。また、上記のこれら各投与製剤で、種々
の放出制御製剤、標的化製剤に成形して投与することも
でき、そのような製剤を製造する際の原材料としても使
用される。
【0034】本発明の組成物は、好ましくは、注射用組
成物、特に静脈注射用組成物である。該組成物の安定性
の観点から、該組成物は、好ましくはさらにpH調整剤
を含有してなる。pH調整剤としては、例えばメグルミ
ン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア
水、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、トリエタノ
ールアミン、モノエタノールアミン、ジイソプロパノー
ルアミン、トリイソプロパノールアミン、L−アルギニ
ンなどが挙げられる。pH調整剤の使用量は、ベンズイ
ミダゾール系抗潰瘍剤1モルに対して0.01〜10モ
ル、好ましくは0.1〜5モルである。好ましくは、該
組成物は輸液と混和でき、該組成物と輸液との混合物と
して使用することができる。輸液は特に限定されない
が、商業的に入手可能なまたは通常の輸液が使用され
る。輸液の具体例としては、ブドウ糖注射液、キシリト
ール注射液、D−マンニトール注射液、フルクトース注
射液、生理食塩液、デキストラン40注射液、デキスト
ラン70注射液、アミノ酸注射液、リンゲル液、乳酸リ
ンゲル液などが挙げられる。該組成物の配合比率は、輸
液に対し1/1(v/v)〜1/500(v/v)、好まし
くは1/20(v/v)〜1/100(v/v)である。
【0035】以上のように、本発明の分岐シクロデキス
トリン−カルボン酸は、ベンズイミダゾール系抗潰瘍剤
の水に対する溶解性を向上させ、かつ、人体に対する安
全性が高いことから医薬分野、動物薬分野において抗潰
瘍剤として、ヒト及びヒト以外の哺乳動物(サル、ウ
シ、イヌ、ブタ等)に用いられる。そのような潰瘍の例
としては消化性潰瘍、例えば胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆
流性食道炎、吻門部潰瘍あるいは急性ならびに慢性胃炎
などが挙げられる。例えば、ベンズイミダゾール系抗潰
瘍剤としてランソプラゾールを含有してなる組成物を、
ヨーロッパ特許公開第0174726号公報に記載の方
法に従い使用することができる。本発明の組成物の剤型
としては、たとえば注射剤、経口剤、シロップ剤、皮膚
外用剤、経鼻剤、直腸坐剤、粘膜適用剤などが挙げられ
る。本発明の組成物の投与量は潰瘍の種類、症状、年
齢、その他の要因に応じて適宜選択されるが、例えばプ
ロトンポンプ阻害剤の場合、該組成物はプロトンポンプ
阻害剤の用量として0.01〜50mg/kg/日、好まし
くは0.1〜3mg/kg/日、より好ましくは0.1〜1mg
/kg/日の用量にて投与される。特に、ランソプラゾー
ルの組成物の場合、ランソプラゾールの1日当たりの用
量は0.01〜30mg/kg/日、好ましくは0.1〜3mg
/kg/日である。
【0036】
【実施例】以下に実施例、実験例および参考例を挙げて
本発明をさらに具体的に説明するが、これらは本発明を
限定するものではない。 実施例1 ランソプラゾール[(±)−2−[[[3−メチル−4−
(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジ
ル]メチル]スルフィニル]ベンズイミダゾール]19mg
をメタノール10mlに溶解し、この溶液とは別に6−
O−シクロマルトヘプタオシル−(6→1)−α−D−グ
ルコシル−(4→1)−O−α−D−グルクロン酸ナトリ
ウム(β−CyD−G2−COONa)384mgを水10m
lに溶解した。メタノール溶液に水溶液を撹拌下添加混
合し30秒撹拌した。得られた溶液を減圧下溶媒を留去
し、残渣を水2mlに溶かし、メンブランフィルター
(0.22μm)で濾過した。一方、ランソプラゾール
のみを水に加えて、室温において振盪後、0.22μmの
メンブランフィルターで濾過した。上記、均一水溶液と
濾過液の溶液中のランソプラゾールを高速液体クロマト
グラフィー(HPLC)法で定量した。 HPLC条件 カラム:YMC AQ−312,6mm×15cm 移動層:H2O:CH3CN:トリエチルアミン=60:
40:1(pH7.0) 流 速:1ml/min 温 度:室温 検 出:UV285nm 溶解濃度の結果はつぎのとおりである。
【0037】 抗潰瘍剤の溶解性の比較 ランソプラゾールおよびβ-CyD-G2-COONa 0.892mg/ml ランソプラゾールのみ 0.007mg/ml 上記のように該抗潰瘍剤単独に比し、β−CyD−G2
−COONa添加で極めて高い溶解性の向上が得られ
た。
【0038】実施例2 ランソプラゾール[(±)−2−[[[3−メチル−4−
(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジ
ル]メチル]スルフィニル]ベンズイミダゾール]19mg
をメタノール5mlに溶解し、この溶液とは別に6−O
−シクロマルトヘプタオシル−(6→1)−α−D−グル
コシル−(4→1)−O−α−D−グルクロン酸ナトリウ
ム(β−CyD−G2−COONa)384mgを水5mlに
溶解した。メタノール溶液に水溶液を撹拌下添加混合し
30秒撹拌した。得られた溶液を減圧下溶媒を留去し、
残渣を水10mlに溶かし、メンブランフィルター
(0.22μm)で濾過し、濾液を真空凍結乾燥して粉
末とした。粉末200mgは水2mlで全溶した。ま
た、β−CyD−G2−COONaとランソプラゾール
からなる組成の本発明の凍結乾燥粉末は、室温で、安定
な包接体を与え、またランソプラゾールの分解も認めな
かった。
【0039】実施例3 ランソプラゾール[(±)−2−[[[3−メチル−4−
(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジ
ル]メチル]スルフィニル]ベンズイミダゾール]300m
gをメタノール50mlに溶解し、この溶液とは別に6
−O−シクロマルトヘプタオシル−(6→1)−α−D−
グルコシル−(4→1)−O−α−D−グルクロン酸ナト
リウム(β−CyD−G2−COONa)6.05gおよびメ
グルミン(1−デオキシ−1−(メチルアミノ)−D−グ
ルシトール)600mgを水50mlに溶解し、1N
NaOHでpHを11.5に調整した。水溶液にエタノー
ル溶液を撹拌下添加混合し60秒間撹拌した。得られた
溶液を減圧下溶媒を留去し、残渣を水50mlに溶か
し、メンブランフィルター(0.22μm)で濾過し、
濾液を真空凍結乾燥して粉末とした。得られた粉末中の
ランソプラゾール含量は3.78%(w/w)で、粉末
の水分含量は10.9%であった。
【0040】実施例4 実施例3で得られた凍結乾燥粉末を150mgずつバイ
アル瓶に分注し、五酸化二りんにて乾燥後、窒素ガス雰
囲気下にて各バイアル瓶に密栓し、40℃で4週間の予
備安定性試験を行った。五酸化二りん乾燥後の水分含量
は0.5%であり、4週間後のランソプラゾールの残存
量は95%以上であった。
【0041】実施例5 実施例3で得られた凍結乾燥粉末を150mgずつ1m
lの注射用水に溶解し、生理食塩液(大塚生食注(大塚
製薬))、ブドウ糖注射液(大塚糖液5%(大塚製
薬))、低分子デキストラン加乳酸リンゲル液(低分子
デキストランL注(大塚製薬))、輸液用電解質液(ソ
リタT−3号(清水製薬))とそれぞれ配合し、輸液配
合後の安定性を調べた。配合比率は凍結乾燥粉末水溶液
1mlに対し輸液99mlとした。配合後のランソプラ
ゾールの残存量は、生理食塩液、ブドウ糖注射液では配
合8時間後まで98%以上、低分子デキストラン加乳酸
リンゲル液では配合4時間後まで97%以上、輸液用電
解質液では配合4時間後まで93%以上であった。
【0042】実施例6 実施例3で得られた凍結乾燥粉末を150mgずつ1m
lの注射用水に溶解し、低分子デキストラン加乳酸リン
ゲル液(低分子デキストランL注(大塚製薬))、輸液
用電解質液(ソリタT−3号(清水製薬))にそれぞれ
配合し、輸液配合後の安定性をシクロデキストリン−カ
ルボン酸を配合しない対照処方(マンニトール60m
g、メグルミン10mgを配合したランソプラゾール3
0mgの凍結乾燥粉末を30%ポリエチレングリコール
400水溶液5mlで溶解)の安定性と比較した。配合
比率は凍結乾燥粉末水溶液1mlに対し輸液99ml、
および対照処方の溶解液1mlに対し輸液99mlとし
た。低分子デキストラン加乳酸リンゲル液配合後のラン
ソプラゾールの1時間後、4時間後、18時間後の残存
量は、実施例3処方品でそれぞれ、98.9%、97.7
%、91.0%であったのに対し、シクロデキストリン
−カルボン酸を配合しない対照処方品では、それぞれ、
80.1%、45.6%、4.4%であった。輸液用電解
質液配合後のランソプラゾールの1時間後、4時間後、
18時間後の残存量は、実施例3処方品でそれぞれ、9
8.2%、93.3%、62.3%であったのに対し、シ
クロデキストリン−カルボン酸を配合しない対照処方品
では、それぞれ、60.1%、12.8%、0%であっ
た。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、分岐シクロデキストリ
ン−カルボン酸を用いることにより、該組成物の安定性
が向上し、ベンズイミダゾール系抗潰瘍剤の水溶性が該
化合物単独の場合よりも著しく向上し、また、生体に対
する作用、例えば赤血球を破壊する作用がβ−シクロデ
キストリンに比べて小さいため、血液に対して高い安全
性を示す。しかも、とりわけβ−CyD−G2−COOH
等は酸または酵素による分解が極めて小さい。したがっ
て、この点においても、本発明の組成物は人体を含む動
物に対する安全性が高い。

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベンズイミダゾール系抗潰瘍剤と分岐シ
    クロデキストリン−カルボン酸またはその塩とを含有し
    てなる安定組成物。
  2. 【請求項2】 ベンズイミダゾール系抗潰瘍剤がプロト
    ンポンプ阻害剤である請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 ベンズイミダゾール系抗潰瘍剤1モルに
    対して分岐シクロデキストリン−カルボン酸を0.1〜
    20モル含有する請求項1記載の組成物。
  4. 【請求項4】 分岐シクロデキストリン−カルボン酸
    が、少なくとも1つのカルボキシル基を含有する有機基
    を該シクロデキストリン環の少なくとも1つのグルコー
    ス単位の6−O位に有するシクロデキストリンである請
    求項1記載の組成物。
  5. 【請求項5】 シクロデキストリン環が7個のグルコー
    ス単位を有する請求項4記載の組成物。
  6. 【請求項6】 有機基が1〜3個のグルコース単位を有
    し、かつ、該有機基中のグルコース単位のヒドロキシメ
    チル基の少なくとも1つがカルボキシル基に酸化されて
    いる請求項4記載の組成物。
  7. 【請求項7】 有機基が2−カルボキシエチルまたは2
    −カルボキシ−2−ヒドロキシエチルである請求項4記
    載の組成物。
  8. 【請求項8】 分岐シクロデキストリン−カルボン酸
    が、6−O−シクロマルトヘキサオシル−(6→1)−α
    −D−グルコシル−(4→1)−O−α−D−グルクロン
    酸、6−O−シクロマルトヘプタオシル−(6→1)−α
    −D−グルコシル−(4→1)−O−α−D−グルクロン
    酸、6−O−シクロマルトオクタオシル−(6→1)−α
    −D−グルコシル−(4→1)−O−α−D−グルクロン
    酸、6−O−シクロマルトヘキサオシル−(6→1)−α
    −D−グルクロン酸、6−O−シクロマルトヘプタオシ
    ル−(6→1)−α−D−グルクロン酸、6−O−シクロ
    マルトオクタオシル−(6→1)−α−D−グルクロン
    酸、2−O−(6−シクロマルトヘキサオシル)−酢酸、
    2−O−(6−シクロマルトヘプタオシル)−酢酸、2−
    O−(6−シクロマルトオクタオシル)−酢酸、3−O−
    (6−シクロマルトヘプタオシル)−プロピオン酸、2−
    ヒドロキシ−3−O−(6−シクロマルトヘプタオシル)
    −プロピオン酸、7A,7C−ジ−O−[α−D−グルクロ
    ニル−(1→4)−O−α−D−グルコシル]−(1→6)
    −マルトヘプタオースまたは6−O−シクロマルトヘプ
    タオシル−O−α−D−マルトシル−(4→1)−O−α
    −D−グルクロン酸である請求項1記載の組成物。
  9. 【請求項9】 分岐シクロデキストリン−カルボン酸が
    6−O−シクロマルトヘプタオシル−(6→1)−α−D
    −グルコシル−(4→1)−O−α−D−グルクロン酸で
    ある請求項1記載の組成物。
  10. 【請求項10】 医薬である請求項1記載の組成物。
  11. 【請求項11】 抗潰瘍剤である請求項1記載の組成
    物。
  12. 【請求項12】 ベンズイミダゾール系抗潰瘍剤が式
    (I): 【化1】 [式中、A環は置換されていてもよく、Rbは水素原子、
    アルキル基、アシル基、カルボアルコキシ基、カルバモ
    イル基、アルキルカルバモイル基、ジアルキルカルバモ
    イル基またはアルキルスルホニル基を、Rc、Reおよび
    gは同一または異なって水素原子、アルキル基、アル
    コキシ基またはアルコキシアルコキシ基を、Rdは水素
    原子、アルキル基または式−ORf(式中、Rfは置換基
    を有していてもよい炭化水素基を示す)で表される基
    を、qは0または1をそれぞれ示す。]で表される請求
    項1記載の組成物。
  13. 【請求項13】 ベンズイミダゾール系抗潰瘍剤がラン
    ソプラゾールまたはオメプラゾールである請求項1記載
    の組成物。
  14. 【請求項14】 さらにpH調整剤を含有してなる請求
    項1記載の組成物。
  15. 【請求項15】 ベンズイミダゾール系抗潰瘍剤1モル
    に対してpH調整剤を0.01〜10モル含有する請求項
    14記載の組成物。
  16. 【請求項16】 pH調整剤がメグルミンである請求項
    14記載の組成物。
  17. 【請求項17】 注射用組成物である請求項1記載の組
    成物。
  18. 【請求項18】 輸液と混和し得る請求項16記載の組
    成物。
  19. 【請求項19】 凍結乾燥組成物である請求項1記載の
    組成物。
  20. 【請求項20】 ベンズイミダゾール系抗潰瘍剤と分岐
    シクロデキストリン−カルボン酸またはその塩とを併用
    することを特徴とするベンズイミダゾール系抗潰瘍剤含
    有組成物の安定性改善方法。
  21. 【請求項21】 ベンズイミダゾール系抗潰瘍剤と分岐
    シクロデキストリン−カルボン酸またはその塩とを併用
    することを特徴とするベンズイミダゾール系抗潰瘍剤の
    水溶性改善方法。
JP8138208A 1995-06-02 1996-05-31 水溶性の改善されたベンズイミダゾール系抗潰瘍剤含有安定組成物 Withdrawn JPH0948730A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001518083A (ja) * 1997-03-13 2001-10-09 ヘキサル アーゲー アミノ酸/シクロデキストリン混合物による酸感受性ベンズイミダゾール類の安定化
JP2004536810A (ja) * 2001-06-06 2004-12-09 シプラ・リミテッド シクロデキストリンを用いたs−オメプラゾール(esオメプラゾール)の包接複合体
US6951885B2 (en) 2000-08-10 2005-10-04 Takeda Pharmaceutical Company Limited Pharmaceutical composition
WO2006134877A1 (ja) * 2005-06-13 2006-12-21 Takeda Pharmaceutical Company Limited 注射剤

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