JP2006051652A - 塗装鋼板 - Google Patents

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正一 田中
Masahiro Tada
昌弘 多田
Hideyuki Abe
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Abstract

【課題】 鋼板上に縮み模様塗膜が形成されてなる意匠性、耐侯性に優れた塗装鋼板であって、且つ滑雪性にも優れた塗装鋼板を提供すること。
【解決手段】 鋼板上に縮み塗料(A)による縮み模様塗膜が形成された塗装鋼板であって、該塗装鋼板上の縮み模様塗膜の60度鏡面光沢度が10以下であって、且つ縮み模様塗膜の表面粗度が十点平均粗さ(Rz)で7.5〜11.5μm及び凹凸の平均間隔(Sm)で90〜170μmの範囲内であることを特徴とする塗装鋼板。
【選択図】なし

Description

本発明は、鋼板上に縮み模様塗膜が形成されてなる滑雪性に優れた塗装鋼板に関するものである。
近年、消費者の高級化志向や嗜好の多様化から塗料組成物及び塗装方法に種々の工夫が施され、種々の塗装が行なわれている。その一方法として鋼板上に縮み模様塗膜を形成する方法が開発され、実用化されている(例えば、特許文献1、特許文献2等参照。)。
上記縮み模様塗膜を有する塗装鋼板は、意匠性に優れるため、当初ビデオデッキ外板、間仕切り等室内で使用される家電製品や家具等に用いられてきたが、その後縮み模様塗膜を有する塗装鋼板の耐侯性が従来の低光沢プレコート鋼板に比較してかなり優れていることが確認され、工場や家屋の屋根や壁に多く利用されるようになってきた。
一般に低光沢鋼板を屋根や壁に使用した場合、塗膜表面に凹凸があるため滑雪性が高光沢鋼板に比較して劣るが、縮み模様塗膜においても、縮みの形成による凹凸を有しており、また、柄の安定化のために骨材を添加していることが多く、縮み模様塗膜を有する塗装鋼板を屋根や壁に使用した場合にも滑雪性は高光沢鋼板に比較して劣る。
特開平5−39443号公報 特開平5−320578号公報
本発明の目的は、鋼板上に縮み模様塗膜が形成されてなる意匠性、耐侯性等に優れた塗装鋼板であって、且つ滑雪性にも優れた塗装鋼板を提供すること。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、縮み模様塗膜が形成された塗装鋼板において、縮み模様塗膜の60度鏡面光沢度及び表面粗度を特定の範囲に調整することにより、滑雪性にも優れた縮み模様塗膜が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして本発明は、鋼板上に縮み塗料(A)による縮み模様塗膜が形成された塗装鋼板であって、該塗装鋼板上の縮み模様塗膜の60度鏡面光沢度が10以下であって、且つ縮み模様塗膜の表面粗度が十点平均粗さ(Rz)で7.5〜11.5μm及び凹凸の平均間隔(Sm)で90〜170μmの範囲内であることを特徴とする塗装鋼板に関する。
本発明の塗装鋼板は、表面に縮み模様塗膜を有する塗装鋼板であって、該塗膜は60度鏡面光沢度が10以下、表面粗度が十点平均粗さ(Rz)で7.5〜11.5μm及び凹凸の平均間隔(Sm)で90〜170μmの範囲内にあるものである。塗膜の光沢及び表面粗度を調整することにより滑雪性を大幅に改善することができ、滑雪性を要求される用途、例えば寒冷地の家屋、工場、ガレージ等の屋根や壁等に特に有用なものである。
本発明の塗装鋼板は、鋼板上に縮み塗料(A)による縮み模様塗膜が形成された塗装鋼板であって、該塗装鋼板上の縮み模様塗膜の60度鏡面光沢度が10以下であって、且つ縮み模様塗膜の表面粗度が十点平均粗さ(Rz)で7.5〜11.5μm及び凹凸の平均間隔(Sm)で90〜170μmの範囲内である。
縮み塗料(A)
本発明に用いる縮み塗料(A)は、鋼板上に塗装して焼付け硬化させる際に、被膜が収縮して被膜表面に微細なシワを形成できるものである。
縮み塗料(A)としては従来公知のものを使用することができ、例えば、水酸基含有有機樹脂(a)に硬化剤としてアミノ樹脂(b)を組合わせた系に硬化触媒として酸触媒(c)を添加し、このものに適度の沸点を有するアミン化合物(d)を配合することにより、塗布膜を加熱硬化させる際に塗布膜の表面が先に硬化し、膜の内部が後から硬化することで塗膜表面に微細な縮みを起こさせることができる。
上記水酸基含有有機樹脂(a)としては、熱硬化性塗料の基体樹脂として通常用いられる水酸基含有有機樹脂が使用でき、例えば、水酸基含有アクリル樹脂、水酸基含有ポリエステル樹脂、水酸基含有シリコン変性アクリル樹脂、水酸基含有シリコン変性ポリエステル樹脂、水酸基含有ウレタン樹脂、水酸基含有エポキシ樹脂、水酸基含有ビニル樹脂(塩化ビニル共重合樹脂)、水酸基含有フッ素樹脂などが挙げられる。上記水酸基含有ポリエステル樹脂はオイルフリーポリエステル樹脂及び油変性ポリエステル樹脂のいずれも包含するものである。これらのうち水酸基含有ポリエステル樹脂、水酸基含有アクリル樹脂、水酸基含有シリコン変性ポリエステル樹脂、水酸基含有シリコン変性アクリル樹脂および水酸基含有フッ素樹脂が得られる塗膜の機械的強度、耐候性などの点から好ましく、中でも水酸基含有オイルフリーポリエステル樹脂は、機械的強度、加工性、耐候性、経済性などの点から特に好ましい。
オイルフリーポリエステル樹脂は、主に多塩基酸と多価アルコールとのエステル化物であって、多塩基酸としては無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、フマル酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸などから選ばれた1種以上の二塩基酸が主に用いられ、必要に応じて安息香酸、クロトン酸、p−tertブチル安息香酸などの一塩基酸、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸、無水ピロメリット酸などの3価以上の多塩基酸などが用いられ、多価アルコールとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオールなどの2価アルコールが主に用いられ、さらに必要に応じてグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコールを併用することもある。両成分のエステル化反応は、通常公知の方法で行なうことができる。
また、ポリエステル樹脂のうち、油変性ポリエステル樹脂は、上記オイルフリーポリエステル樹脂に油脂肪酸を反応せしめたものであって、油脂肪酸としては例えばヤシ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、トール油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、キリ油脂肪酸などがあげられ、ポリエステル樹脂と油脂肪酸との反応も公知の方法で行なうことができ、その油長は30%以下であることが好ましい。
上記水酸基含有アクリル樹脂としては、その骨格に水酸基を有しているものが使用でき、水酸基を有する重合性不飽和モノマーおよびこのモノマーと共重合可能な他のモノマーとを共重合させることによって得ることができる。水酸基含有不飽和モノマーとしてはヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレートなどがあり、水酸基含有不飽和モノマーと共重合可能な他のモノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロルスチレン等のビニル芳香族化合物;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、(n−、i−、t−)ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレ−ト、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数1〜24のアルキルエステル又はシクロアルキルエステル;酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルエーテル、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられ、さらにこれらのモノマーの1種及び/又はそれ以上のモノマーの重合体で、片末端に重合性不飽和基を有する、いわゆるマクロモノマーも共重合可能なモノマーとして挙げることができる。本発明において、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート又はメタアクリレート」を意味する。
水酸基含有シリコン変性ポリエステル樹脂は前記のポリエステル樹脂にシリコン中間体を反応させてなるものである。該シリコン中間体としてはシロキサン結合をもつポリシロキサンであって、ポリエステル樹脂の水酸基などと反応する水酸基またはアルコキシ基などの官能基を有し、さらにメチル基、エチル基、フェニル基などの置換基をもっているものも用いられる。これらの具体例として、市販されている銘柄をあげると、例えば「SH−6188」、「SH−6018」(これらはいずれもダウケミカル社製、商品名)、「TSR−160」、「TSR−165」(これらはいずれも東京芝浦電気社製、商品名)などがある。ポリエステル樹脂とシリコン中間体との反応(脱水反応もしくは脱アルコール反応)は、両成分の合計量に基づいて、ポリエステル樹脂95〜40重量%、シリコン中間体5〜60重量%の割合で、公知の方法によって行なうことができる。
水酸基含有シリコン変性アクリル樹脂は前記アクリル樹脂にシリコン中間体を反応させてなるものである。該シリコン中間体としては、上記水酸基含有シリコン変性ポリエステル樹脂の製造に用いられるシリコン中間体と同様のものが用いられる。アクリル樹脂とシリコン中間体との反応は両成分の合計量に基づいて、アクリル樹脂95〜40重量%、シリコン中間体5〜60重量%の割合で、公知の方法によって行なうことができる。
前記水酸基含有フッ素樹脂は、例えば、前記水酸基含有アクリル樹脂の製造において、モノマー成分の一部としてフッ素原子を有する重合性不飽和モノマーを使用して共重合させることにより得ることができる。上記フッ素原子を有する重合性不飽和モノマーとしては、ヘキサフルオロプロペン、テトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン、ジクロロジフルオロエチレン、パーフルオロシクロヘキシルエチレン、フッ化ビニリデン、モノフルオロエチレン等のフルオロオレフィン;「ビスコート8F」、「ビスコート8FM」、「ビスコート3F」、「ビスコート3FM」(これらはいずれも大阪有機化学社製、商品名)、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのフッ素原子を有する(メタ)アクリレート類;などが挙げられる。共重合反応は、フッ素樹脂の公知の重合反応に基づいて行なうことができる。
本発明に用いる縮み塗料(A)の(a)成分である水酸基含有有機樹脂は、(b)成分である架橋剤との架橋点となる水酸基を有することが必須であり、該有機樹脂の水酸基価は5〜110mgKOH/g、特に5〜70mgKOH/gの範囲内であることが好ましく、有機樹脂の数平均分子量は約1,500〜30,000、特に2,000〜20,000の範囲内であることが表面粗度を本発明の範囲内に好ましい。
上記水酸基含有有機樹脂(a)の硬化剤であるアミノ樹脂としては、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ステログアナミン、スピログアナミン、ジシアンジアミド等のアミノ成分とアルデヒドとの反応によって得られるメチロール化アミノ樹脂が挙げられる。アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。また、このメチロール化メラミン樹脂を1種又は2種以上のアルコールによってエーテル化したものも上記アミノ樹脂に包含される。エーテル化に用いられるアルコールとしては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノール等の1価アルコールが挙げられる。これらのうち、なかでもメチロール化アミノ樹脂のメチロール基の少なくとも一部を炭素1〜4の1価アルコール、特にメチルアルコール、メチルアルコールとn−ブチルアルコールとの混合アルコール、又はメチルアルコールとイソブチルアルコールとの混合アルコールでエーテル化してなる低核体アルキルエーテル化メラミン樹脂であることが適しており、特に平均縮合度2.5以下であってトリアジン環1核あたりアルキルエーテル基を4個以上含有するメラミン樹脂が好ましく、さらに特にヘキサアルコキシメチルメラミン単核体を40重量%以上含有するメラミン樹脂が好ましい。
上記メラミン樹脂の市販品としては、例えば、サイメル303、同325、同327、同350、同730、同736、同738(いずれも日本サイテックインダストリーズ社製、商品名)、メラン522、同523(いずれも日立化成社製、商品名)、ニカラックMS001、同MX650(いずれも三和ケミカル社製、商品名)、スミマールM−55(住友化学社製、商品名)などのメチル化メラミン樹脂;サイメル232、同266、同XV−514(いずれも日本サイテックインダストリーズ社製、商品名)、ニカラックMX500、同MX600、同MS95(いずれも三和ケミカル社製、商品名)などのメチルエーテルとブチルエーテルとの混合エーテル化メラミン樹脂などが挙げられる。
アミノ樹脂(b)の含有量は、硬化性の観点から、水酸基含有有機樹脂(a)の固形分100重量部に対してアミノ樹脂(b)を固形分で3〜50重量部、特に5〜30重量部の範囲内が好ましい。
水酸基含有有機樹脂(a)とアミノ樹脂(b)を加熱硬化させる際の硬化促進剤としての酸触媒(c)は、縮みを安定に形成させるためにはスルホン酸化合物であることが好ましい。該スルホン酸化合物としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸などが挙げられ、これらは単独で、又は2種以上混合して使用できる。
酸触媒(c)の添加量は、水酸基含有有機樹脂(a)とアミノ樹脂(b)との合計樹脂固形分100重量部に対して0.1〜5重量部、特に0.5〜4重量部の範囲内が好ましい。
上記酸触媒とアミン化合物とを適宜組合わせて用いることにより、塗布膜を加熱硬化させる際に縮みを発生させることができる。これは、酸触媒がアミン化合物によって触媒作用を一時的に抑えられており、塗布後の焼付け初期において、塗膜表面よりアミン化合物が揮散することで塗膜表層部だけがアミン化合物の少ない状態となって酸触媒の硬化促進効果が発現して先に硬化し、その後塗膜内部が硬化することでちぢみ模様を形成するものと考えられる。
従って、安定な縮みを発生させるためにはアミン化合物の沸点、種類及び添加量が重要であり、アミン化合物の沸点としては30〜300℃、特に40〜250℃であることが適しており、アミン化合物の種類としては第2級もしくは第3級アミンが好ましく、また、添加量としては酸触媒であるスルホン酸化合物のスルホン酸基1当量に対してアミン化合物1.5〜30当量、特に2〜15当量の範囲内が適している。
好ましいアミン化合物としては、例えば、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジアリルアミン、ジアミルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、N−エチル−1,2−ジメチルプロピルアミン、N−メチルヘキシルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ピペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、2,4−,2,6−,3,5−ルペチジン、3−ピペリジンメタノールなどの第2級アミン;トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリアリルアミン、N−メチルジアリルアミン、N−メチルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,2−ジアミノエタン、N−メチルピペリジン、ピリジン、4−エチルピリジンなどの第3級アミン;N−メチルピペラジンなどの第2級および第3級アミノ基を有するアミンなどの1種又は2種以上の混合物が挙げられる。これらのうち、ジアルキルアミン、特にジイソプロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジイソブチルアミンなどが低臭であることおよび美しいちぢみを形成することから好ましい。
縮み塗料は、前記した水酸基含有有機樹脂(a)、アミノ樹脂(b)、酸触媒(c)及びアミン化合物(d)の他に、ナイロン粒子、アクリル粒子、ウレタン粒子などの有機樹脂粉末;シリカ微粉末などの無機粉末;着色顔料、光輝性顔料、体質顔料などの顔料;消泡剤、表面調整剤、光安定剤、ワックスなどの塗料用添加剤;溶剤等従来から塗料に使用されている公知の材料を使用することができる。
縮み塗料は、縮みを安定して形成させるためには有機樹脂粉末や無機質骨材を添加することが好ましく、そのため従来の縮み模様塗膜においては表面粗度が比較的に大きいものであった。これらの塗膜は、意匠性に優れるものではあるが、表面の凹凸が大きいため、寒冷地の家屋の屋根に施工された縮み模様を有する塗装鋼板では、従来の艶消し剤や骨材で艶を消した艶消し塗装鋼板と同様、滑雪性が高光沢鋼板に比べて劣る。
しかしながら、縮み模様塗膜において60度鏡面光沢度を10以下、特に7以下とし、表面粗度における十点平均粗さ(Rz)を7.5〜11.5μm、特に8.0〜11.0μm及び凹凸の平均間隔(Sm)を90〜170μm、特に100〜150μmの範囲内に制御することにより、縮み模様の意匠性を低下させることなく、塗膜への雪の付着を防止することができ、また、付着した雪もわずかな風などで容易に飛び散ることが確認された。
なお、60度鏡面光沢度は、JIS K−5400 7.6に規定された値であり、入射角と受光角とがそれぞれ60度のときの反射率を測定して、鏡面光沢度の基準面の光沢度を100としたときの百分率で表される値であり、表面粗度についてはJIS B0601−2000に規定された値である。
60度鏡面光沢度や表面粗度は、主に有機樹脂粉末や無機粉末の粒径や添加量の調整、塗膜厚や焼付け条件の調整、有機溶剤種等により制御することができる。
有機樹脂粉末や無機粉末の平均粒径としては1〜25μm、特に2〜20μm、さらに特に3〜15μm程度が好ましく、平均粒径が30μm以上の粉末の添加は控えたほうがよい。有機樹脂粉末や無機粉末の添加量としては、水酸基含有有機樹脂(a)とアミノ樹脂(b)との合計樹脂固形分100重量部に対して1〜100重量部、特に3〜50重量部程度が適している。縮み塗料の塗装膜厚は硬化膜厚で10〜50μm、特に15〜35μm程度が適している。焼付け条件としては、熱風加熱が好ましく、風速の調整によって表面粗度を変化させることができ、風速を大きくすると一般に表面粗度は小さくなる。
縮み塗料を塗装する被塗装物としては冷延鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、合金メッキ鋼板、アルミニウム板、ステンレス鋼板、銅板、銅メッキ鋼板、錫メッキ鋼板等の金属類、プラスチックス、木材、セメント等が挙げられる。塗装方法としては、カーテン塗装、ロール塗装、浸漬塗装およびスプレー塗装などが可能であり通常、乾燥した後の塗膜厚が5〜50μmの範囲内となるように塗装される。
金属類に塗装する場合に被塗装材である金属表面が油等汚染物質で汚染されていなければそのまま塗装してもかまわないが、塗膜との間の付着性、耐食性を改善するために公知の金属表面処理を施すのが望ましい。これら公知の表面処理方法としてリン酸塩系表面処理、クロム酸塩系表面処理、ジルコニウム系表面処理等が挙げられる。
また、塗膜品質の高度化を必要とする場合には、金属表面処理の後にプライマー塗装を施した上で縮み塗料を塗装するのが好ましい。適用し得るプライマーは着色カラー鋼板塗装分野、産業用機械塗装分野、金属部品塗装分野などで用いられる公知のプライマーが適用でき、被塗装材の種類、金属表面処理の種類によって適宜選択されるが、特にエポキシ系プライマー、ポリエステル系プライマーおよびそれらの変性プライマーが好適であり、加工性が特に要求される場合はポリエステル系プライマーが好適である。
縮み塗料をコイルコーティングなどによってプレコート塗装する場合、その塗装方法に制限はないがプレコート鋼板塗装の経済性からカーテン塗装法およびロール塗装法が推奨される。ロール塗装法を適用する場合には塗面の均一性を最良のものにするため3本ロールによるトップフィードもしくはボトムフィード方式が推奨されるが実用的には通常の2本ロールによるボトムフィード方式(いわゆるナチュラルリバース塗装又はナチュラル塗装)でも良い。縮み塗料の硬化条件は、通常、素材到達最高温度120〜260℃で15秒〜30分程度である。コイルコーティングなどによって塗装するプレコート塗装分野においては、通常、素材到達最高温度160〜260℃で15〜90秒の範囲で行なわれる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。なお、以下、「部」及び「%」はいずれも重量基準によるものとする。
ポリエステル樹脂溶液の製造
製造例1
加熱装置、撹拌機、還流装置、水分離器、精留塔、温度計等を備えた通常のポリエステル樹脂製造装置を用い反応槽に無水フタル酸740部、イソフタル酸498部、アジピン酸145部、ネオペンチルグリコール735部および1.6−ヘキサンジオール236部を仕込み加熱した。原料が融解後、撹拌を開始し、反応温度を230℃まで昇温させ、230℃に2時間保持して生成する縮合水は精留塔を通じて系外へ留去した。ついで反応槽にキシロールを90部添加し溶剤縮合法に切り替えて反応を続け、酸価が5mgKOH/gに達した時点で反応を終了し冷却した。冷却後キシロールを1414部加えて固形分含量60%のポリエステル樹脂溶液R1を得た。得られた樹脂は水酸基価79mgKOH/g及び数平均分子量約1,300であった。
製造例2
攪拌機付き容器にポリエステル樹脂「バイロンGK−1720V」(商品名、東洋紡績社製、数平均分子量13,000、Tg点68℃、水酸基価9mgKOH/g)400部、シクロヘキサノン300部及び「ソルベッソ150」(商品名、エッソ石油社製、高沸点石油溶剤)を入れて加熱・混合して樹脂を溶解させ、固形分含量40%のポリエステル樹脂溶液R2を得た。
上塗り塗料の製造
製造例3
固形分40%のポリエステル樹脂溶液R2を187.5部、キシレン10部、チタン白顔料30部及びカーボンブラック顔料10部の混合物をシェーカーにて分散した。ついで、このものに「サイメル303」(商品名、日本サイテックインダストリーズ社製、低核体メチル化メラミン樹脂、固形分約100%)25部、ドデシルベンゼンスルホン酸2.5部及び「サイロイド74」(富士デヴィゾン社製、無定形シリカ微粉末、平均粒径約6μm)3部及びジイソプロピルアミン4.5部を加え、均一に撹拌した後、希釈溶剤として「ソルベッソ150」を用い粘度80秒(フォードカップ#4、25℃)に調整して塗料T1を得た。
製造例4〜8
製造例3と同様にして下記表1の配合に従って各塗料を製造した。各塗料は希釈溶剤にて粘度80秒(フォードカップ#4、25℃)に調整した。
Figure 2006051652
表1における各注の原料は各々下記の内容のものである。
(注1)ユーバン20SE:商品名、三井化学社製、ブチル化メラミン樹脂、固形分60%
(注2)DBE:商品名、デュポン社製、二塩基酸エステル系混合溶剤。
塗装鋼板の製造
実施例1、2及び比較例1〜4
クロメート処理された板厚0.35mmのガルバリウム鋼板に、「KPカラー8625プライマー」(商品名、関西ペイント社製、ポリエステル/メラミン系下塗塗料)を乾燥膜厚5μmとなるようにしてバーコーターにて塗布し、素材到達最高温度(PMT)210℃になるようにして30秒間焼付けを行った。さらに、下塗塗膜の上に下記表2に示す組合わせに従って上塗塗料をバーコーターにて塗布し、素材到達最高温度(PMT)220℃になるようにして40秒間焼付けを行なって各塗装鋼板を得た。
得られた各試験塗板について、下記試験方法により塗膜性能試験を行なった。結果を後記表2に示す。
光沢:JIS K5400 7.6(1990)の鏡面光沢度(60度)に準じて塗面の光沢を測定した。
塗膜外観:塗面に均一に縮み模様が発生しているかどうかを目視にて、下記の基準で評価した。
○:塗面全体に均一ではっきりとした縮み模様が見られる。
△:縮み模様が不均一で、ムラになって見える。
×:塗面に縮みが殆ど認められない。
表面粗度の測定:表面粗度を表面粗度計「SURFCOM 130A」(東京精密社製)を用いて測定し、十点平均粗さ(Rz)及び凹凸の平均間隔(Sm)を求めた。
滑雪性:30cm×30cmの大きさの各試験塗板を北海道石狩市郊外に置かれたバクロ台に、水平から30度傾けた状態で設置し、1月〜3月までの3ヶ月間の毎日(ただし、土日休日を除く)の午前9時、午後0時及び午後3時に試験塗板上の残雪により覆われている割合を目視で評価し下記基準で点数化した。
4点:残雪なし、3点:0%を超え25%以下、2点:25%を超え50%未満、1点:50%を超え75%未満、0点:75%以上。
上記評価を3ヶ月間行い、その平均点より下記基準で分類した。
○:3点以上。
△:2点以上で3点未満。
×:2点未満。
Figure 2006051652

Claims (8)

  1. 鋼板上に縮み塗料(A)による縮み模様塗膜が形成された塗装鋼板であって、該塗装鋼板上の縮み模様塗膜の60度鏡面光沢度が10以下であって、且つ縮み模様塗膜の表面粗度が十点平均粗さ(Rz)で7.5〜11.5μm及び凹凸の平均間隔(Sm)で90〜170μmの範囲内であることを特徴とする塗装鋼板。
  2. 縮み塗料(A)が、水酸基含有有機樹脂(a)100重量部に対してアミノ樹脂(b)を3〜50重量部含有し、水酸基含有有機樹脂(a)とアミノ樹脂(b)との合計樹脂固形分量100重量部に対して酸触媒(c)を0.1〜5重量部及び沸点30〜300℃の第2級アミン及び/又は第3級アミン化合物(d)を1〜50重量部含有するものである請求項1に記載の塗装鋼板。
  3. 水酸基含有有機樹脂(a)が水酸基含有ポリエステル樹脂である請求項1または2に記載の塗装鋼板。
  4. 水酸基含有有機樹脂(a)の水酸基価が5〜110mgKOH/gの範囲内である請求項1〜3のいずれか一項に記載の塗装鋼板。
  5. 水酸基含有有機樹脂(a)の水酸基価が5〜70mgKOH/gの範囲内である請求項1〜3のいずれか一項に記載の塗装鋼板。
  6. アミノ樹脂(b)が、低核体アルキルエーテル化メラミン樹脂である請求項1〜5のいずれか一項に記載の塗装鋼板。
  7. アミノ樹脂(b)が、メチル及びブチル混合エーテル化メラミン樹脂である請求項1〜6のいずれか一項に記載の塗装鋼板。
  8. 縮み模様塗膜の塗装膜厚が乾燥膜厚で10〜50μmの範囲内である請求項1〜7のいずれか一項に記載の塗装鋼板。
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