JP7453812B2 - 塗装板 - Google Patents

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Description

本発明は塗装板に関する。より詳しくは、本発明は、低光沢度及び反射率に優れる塗装板に関する。
照明器具の反射板に利用される塗装鋼板には、高い光線反射性が求められており、特に昨今の照明のLED化に伴い照明器具への高効率化がより注目されるようになっている。 すなわち、エネルギー削減や住空間の快適性向上を目的として、室内に使用される壁材においても高い光反射性が求められる一方、意匠性や反射による眩しさの点からはより低光沢な性能が求められており、これらを両立した性能を具備する塗装鋼板が求められている。
特許文献1には、反射率の高い塗装鋼板が開示されている。この塗装鋼板には、亜鉛系めっき鋼板の上に下地処理層を介して、少なくとも片面側に2層以上の塗膜が設けられており、この塗膜は、片面当たり二酸化チタン白色顔料が30g/m 以上含有されている。また該塗膜の表面形状として、うねり波長が100μm以上3,500μm以下、うねり高さが0.5μm以上であることも記載されている。
特許文献2には、反射板用プレコート金属板が開示されている。この反射板用プレコート金属板は、バインダー樹脂と酸化チタンを含有する膜厚3~30μmの可視光反射下塗り皮膜と、その上にフッ素系樹脂を含むバインダー樹脂と酸化チタンを含有する膜厚10~40μmの可視光反射上塗り皮膜とを有している。また前記可視光反射下塗り皮膜中の酸化チタンの添加量が、バインダー樹脂固形分100質量部に対して40~150質量部であることが開示されている。また前記可視光反射上塗り皮膜中の酸化チタンの添加量がバインダー樹脂固形分100質量部に対して40~150質量部であることが開示されている。さらに、顔料の耐光性を向上させる等の目的で、酸化チタンの表面にSi等で表面処理を施こすことも開示されている。
特許文献3には、下塗り塗膜と上塗り塗膜とを有する塗装金属板が開示されている。この塗装金属板は、下塗りと上塗りの少なくとも一方の塗膜が、チタニアに加えて平均粒径5~50μmの熱硬化型樹脂粒子0.5~10質量%を含有している。
特許文献4には、高い拡散反射率を有する被覆材料が開示されている。この被覆材料は、少なくとも表面の一部に被覆層を持つ材料であって、該被覆層中に、バインダー100部に対して、150部以上1500部未満の白色顔料を含有する高顔料濃度層を少なくとも一層有している。
特許文献5には被覆基材が開示されている。この被覆基材は、基材表面の少なくとも一部に被覆層を有し、前記被覆層は少なくとも2層の複数層からなり、最表層は膜厚が20μm以下であり、拡散反射率が95%以上で、前記最表層につや消し剤を含有している。
特許文献6には、上塗り塗装膜厚が20μmより大きく、塗装膜厚の合計が30μm以上の白色塗装鋼板が開示されている。この白色塗装鋼板は、上塗り塗膜が、白色顔料に加えて、平均粒子径が1~10μmの無色無機粒子を含有し、それにより上塗り塗膜のワキ発生が解消または抑制されることが開示されている。
しかし、これらの特許文献1~6に開示された塗膜を有する鋼板は、高拡散反射率を得る為に二酸化チタンや艶消し剤を工夫しているが、低光沢度、高拡散反射率の全てに優れる塗装板を得ることはできなかった。
上記課題を解決する塗装板として、特許文献7には、基板上に複層塗膜が形成された塗装板であって、複層塗膜が特定のプライマー層及び特定の上塗塗膜層から形成された塗装板が開示されている。
特開2003-236981号公報 国際公開2004/076172号 特開2005-169857号公報 特開2006-192660号公報 特開2007-290293号公報 特開2007-229630号公報 国際公開2017/154036号
特許文献2に示すように、塗膜の中に酸化チタンを含有させることにより、反射率を高めることができる。近年、映り込みの少ない(言い換えると、艶の低い)塗装板が求められている。ここで、上塗り塗膜表面に存在するシリカの濃度を高めることにより、表面が凹凸化されて、正面反射が減少するため、映り込みを少なくすることができる。しかしながら、シリカの濃度を高めるだけでは、近年要求される水準まで映り込みを低減することができない。また、シリカの濃度が高くなると、酸化チタンの濃度が相対的に低下するため、反射率を目標値に維持できなくなるおそれがある。
本発明は、高い反射率を維持しながら、映り込みの少ない塗装板を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本願発明に係る塗装板は、(1)基板と、基板の上に形成された複層塗膜とを備える塗装板であって、前記複層塗膜は、縮み柄塗膜からなる上塗塗膜層と、反射率が高い下塗塗膜層と、を含み、該塗装板は、60度鏡面光沢度が10%未満であって、かつ、光の波長550nmにおける反射率が85%以上の条件を満足することを特徴とする。
(2)前記上塗塗膜層の膜厚が、少なくとも5μm以上であることを特徴とする上記(1)に記載の塗装板。
(3)前記上塗塗膜層の3次元表面粗さの指標における二乗平均平方根傾斜(Sdq)が、0.01以上0.11未満であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の塗装板。
(4)前記基板と前記下塗塗膜層との間に、プライマー層が形成されていることを特徴とする上記(1)乃至(3)のうちいずれか一つに記載の塗装板。
(5)前記上塗塗膜層は、骨材及び/又は顔料からなる固形物の含有量が10質量%未満であることを特徴とする上記(1)乃至(4)のうちいずれか一つに記載の塗装板。
本発明によれば、反射率の高い下塗塗膜層において反射された光を、縮み柄塗膜からなる上塗塗膜層によって拡散できるため、高い反射率を維持しながら、映り込みの少ない塗装板を提供することができる。
塗装板の概略断面図である。 Sdqと60度鏡面光沢度との相関関係を示したグラフである。
図1は、本実施形態の塗装板の断面図である。同図を参照して、塗装板10は、基板1と、基板1上に形成された被覆塗膜2とからなる。被覆塗膜2は、プライマー層3と、プライマー層3の上に形成された下塗塗膜層4と、下塗塗膜層4の上に形成された上塗塗膜層5とからなる。下塗塗膜層4は反射率の高い高反射被膜によって形成されており、上塗塗膜層5は縮み柄塗膜によって形成されている。ここで、光源から発せられた光線は、上塗塗膜層5を透過して、下塗塗膜層4において高い反射率で反射される。この反射された光線は、上塗塗膜層5に入射して、拡散される。本実施形態によれば、高い反射率を維持しながら、映り込みの少ない(光沢の低い)塗装板を提供することができる。具体的には、塗装板10が光の波長550nmにおける反射率が85%以上であって、かつ、60度鏡面光沢度が10%未満の条件を満足するように被覆塗膜2を形成することにより、高反射率及び低光沢の塗装板10を得ることができる。ここで、光沢とは、光を正反射する能力のことであり、塗膜に入射した光に対する正反射光の割合で表す。一般的には、艶と言われており、塗面が平滑であればあるほど艶が高くなり、塗面がザラザラであるほど光は乱反射して、艶が低くなる。以下、詳細に説明する。
(基板について)
基板1は、建材に用いられている基材であればよく、例えば、金属板、木板、ガラス板、プラスチック板などが含まれる。これらの中でも、強度や加工性等を考慮すると、基板は金属板(つまり、塗装金属板)であることが好ましい。金属板は、特に限定されるものではないが、鋼板、ステンレス板、アルミニウム板、亜鉛板、銅板、またアルミニウム合金板などの合金板等が挙げられ、さらに、これらの金属板上にめっき処理を施した金属板が挙げられる。仕上り性や軽量化を考慮すると、アルミニウム合金板、めっき鋼板が望ましい。
めっき鋼板には、溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板、アルミニウムめっき鋼板、亜鉛合金めっき鋼板(アルミニウム―亜鉛合金めっき鋼板、アルミニウム-亜鉛-シリコン合金めっき鋼板、アルミニウム-亜鉛―マグネシウム合金めっき鋼板、アルミニウム-亜鉛-マグネシウム-シリコン合金めっき鋼板、亜鉛―マグネシウム合金めっき鋼板)、錫めっき鋼板、鉛めっき鋼板、クロムめっき鋼板等の各種めっき鋼板等が含まれる。
また、上述の金属板には、化成処理が施されていてもよい。化成処理としては、一般に公知の化成処理、例えば、塗布型クロメート処理、りん酸クロメート処理、電解クロメート処理、りん酸亜鉛処理、複合酸化膜処理や6価クロムを含まないクロメートフリー処理等を広く用いることができる。
(下塗塗膜層について)
下地塗膜層4は、光の波長550nmにおける反射率が85%以上の塗装板10となるように反射率の高い層によって形成されている。反射率は、拡散反射率、正反射率又はこれらの総和であってもよい。したがって、拡散反射率だけで85%を超えていてもよいし、正反射率だけで85%を超えていてもよいし、拡散反射率及び正反射率の総和が85%を超えていてもよい。拡散反射率は、例えば、ミノルタ社製CM-3700d(積分球使用、拡散照明8°方向受光)を用い、波長550nmでの反射率を、基準白色板を100とした時の百分率で表すことができる。
下地塗膜層4は、プライマー層3の表面に直接形成されており、ポリエステル樹脂及び硬化剤を含有する樹脂バインダー、並びに、酸化チタン顔料を含有する。
[樹脂バインダー]
下塗塗膜層4の樹脂バインダーに用いられるポリエステル樹脂は、通常、多塩基酸成分及び多価アルコール成分とのエステル化反応又はエステル交換反応によって製造することができる。上記多塩基酸成分としては、例えば、脂環族多塩基酸成分、脂肪族多塩基酸成分、芳香族多塩基酸成分等を使用することができる。
上記脂環族多塩基酸成分としては、一般に、1分子中に1個以上の脂環式構造(主として4~6員環)と2個以上のカルボキシル基を有する化合物、該化合物の酸無水物及び該化合物のエステル化物である。該脂環族多塩基酸成分としては、例えば、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸、3-メチル-1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、4-メチル-1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4-シクロヘキサントリカルボン酸、1,3,5-シクロヘキサントリカルボン酸等の脂環族多価カルボン酸;これら脂環族多価カルボン酸の無水物;これら脂環族多価カルボン酸の低級アルキルエステル化物等が挙げられる。脂環族多塩基酸成分は、単独でもしくは2種以上を組合せて使用することができる。
脂環族多塩基酸成分としては、特に、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸無水物、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸、4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸無水物を好適に使用することができる。上記のうち、耐加水分解性の観点から、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸無水物を特に好適に使用することができる。
上記脂肪族多塩基酸成分は、一般に、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する脂肪族化合物、該脂肪族化合物の酸無水物及び該脂肪族化合物のエステル化物であって、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシル酸、オクタデカン二酸、クエン酸等の脂肪族多価カルボン酸;これら脂肪族多価カルボン酸の無水物;これら脂肪族多価カルボン酸の低級アルキルエステル化物等が挙げられる。脂肪族多塩基酸成分は、単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
上記脂肪族多塩基酸成分としては、炭素数4~18のアルキレン鎖を有するジカルボン酸を使用することが好ましい。上記炭素数4~18のアルキレン鎖を有するジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシル酸、オクタデカン二酸等が挙げられ、なかでもアジピン酸を好適に使用することができる。
上記芳香族多塩基酸成分としては、一般に、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する芳香族化合物、該芳香族化合物の酸無水物及び該芳香族化合物の低級アルキルエステル化物であって、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4'-ビフェニルジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族多価カルボン酸;これら芳香族多価カルボン酸の無水物;これら芳香族多価カルボン酸の低級アルキルエステル化物等が挙げられる。芳香族多塩基酸成分は、単独でもしくは2種以上組合せて使用することができる。
前記多価アルコール成分としては、1分子中に2個以上の水酸基を有する多価アルコールを好適に使用することができる。上記多価アルコール成分としては、例えば、脂環族ジオール、脂肪族ジオール、芳香族ジオール及び3価以上の多価アルコール等を挙げることができる。
上記脂環族ジオールは、一般に、1分子中に1個以上の脂環式構造(主として4~6員環)と2個の水酸基を有する化合物である。該脂環族ジオールとしては、例えば、1,4-シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF等の2価アルコール;これらの2価アルコールにε-カプロラクトン等のラクトン化合物を付加したポリラクトンジオール等が挙げられ、これらは単独でもしくは2種以上組合せて使用することができる。
上記脂肪族ジオールは、一般に、1分子中に2個の水酸基を有する脂肪族化合物である。該脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,2-ブタンジオール、3-メチル-1,2-ブタンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、2,3-ジメチルトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、1,4-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオール、ネオペンチルグリコール;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリブチレングリコール等のポリエーテルジオール化合物等が挙げられ、これらは単独でもしくは2種以上組合せて使用することができる。
上記芳香族ジオールは、一般に、1分子中に2個の水酸基を有する芳香族化合物である。該芳香族ジオールとしては、例えば、ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート等のエステルジオール化合物;ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられ、これらは単独でもしくは2種以上組合せて使用することができる。
3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン、トリグリセリン、1,2,6-ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニット等の3価以上のアルコール;これらの3価以上のアルコールにε-カプロラクトン等のラクトン化合物を付加させたポリラクトンポリオール化合物;トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2-ヒドロキシプロピル)イソシアヌレート、トリス(2-ヒドロキシブチル)イソシアヌレート等のトリス(ヒドロキシアルキル)イソシアヌレート等が挙げることができる。これらのうち、特に、トリメチロールプロパンが好ましい。
本実施形態に使用する水酸基含有ポリエステル樹脂の製造は、特に限定されるものではなく、通常の方法に従って行なうことができる。例えば、前記多塩基酸成分を必須成分とする酸成分と多価アルコール成分とを窒素気流中、150~250℃で5~10時間反応させて、エステル化反応又はエステル交換反応を行なうことにより製造することができる。
上記エステル化反応又はエステル交換反応では、上記酸成分及びアルコール成分を一度に添加してもよいし、数回に分けて添加してもよい。また、はじめにカルボキシル基含有ポリエステル樹脂を合成した後、上記アルコール成分を用いて、該カルボキシル基含有ポリエステル樹脂中のカルボキシル基の一部をエステル化してもよい。さらに、はじめに水酸基含有ポリエステル樹脂を合成した後、酸無水物を反応させて、水酸基含有ポリエステル樹脂をハーフエステル化させてもよい。
前記エステル化又はエステル交換反応の際には、反応を促進させるために、触媒を用いてもよい。触媒としては、ジブチル錫オキサイド、三酸化アンチモン、酢酸亜鉛、酢酸マンガン、酢酸コバルト、酢酸カルシウム、酢酸鉛、テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート等の既知の触媒を使用することができる。
また、水酸基含有ポリエステル樹脂は、該樹脂の調製中、もしくはエステル化反応後又はエステル交換反応後に、脂肪酸、油脂、モノエポキシ化合物、モノアルコール化合物、ポリイソシアネート化合物等で変性することができる。
上記脂肪酸としては、例えば、ヤシ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、麻実油脂肪酸、米ぬか油脂肪酸、魚油脂肪酸、トール油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、桐油脂肪酸、ナタネ油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸等の脂肪酸;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等を挙げることができる。
油脂としては、例えば、ヤシ油、綿実油、麻実油、米ぬか油、魚油、トール油、大豆油、アマニ油、桐油、ナタネ油、ヒマシ油、脱水ヒマシ油、サフラワー油等が挙げられる。
上記変性に用いられるポリイソシアネート化合物としては、例えば、リジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物;水素添加キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサン-2,4-ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン-2,6-ジイソシアネート、4,4'-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3-(イソシアナトメチル)シクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネート化合物;トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物;リジントリイソシアネート等の3価以上のポリイソシアネート等の有機ポリイソシアネートそれ自体、又はこれらの各有機ポリイソシアネートと多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂もしくは水等との付加物、あるいは上記した各有機ジイソシアネート同士の環化重合体(例えば、イソシアヌレート)、ビゥレット型付加物等を挙げることができる。これらは、単独でもしくは2種以上組合せて使用することができる。
[硬化剤]
下塗塗膜層4の硬化剤は、加熱によりポリエステル樹脂の水酸基と反応して、硬化させることができるものであれば特に制限なく使用することができ、例えば、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂及びポリイソシアネート化合物等を挙げることができる。
上記メラミン樹脂としては、メチロール化メラミンのメチロール基の一部又は全部を炭素数1~8の1価アルコール、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n-プロピルアルコール、i-プロピルアルコール、n-ブチルアルコール、i-ブチルアルコール、2-エチルブタノール、2-エチルヘキサノール等で、エーテル化した部分エーテル化又はフルエーテル化メラミン樹脂が挙げられる。
メラミン樹脂の市販品としては、例えばサイメル202、サイメル232、サイメル235、サイメル238、サイメル254、サイメル266、サイメル267、サイメル272、サイメル285、サイメル301、サイメル303、サイメル325、サイメル327、サイメル350、サイメル370、サイメル701、サイメル703、サイメル1141(以上、ダイセル・オルネクス社製)、ユーバン20SE60(三井化学株式会社製)等が挙げられる。
ベンゾグアナミン樹脂は、ベンゾグアナミンとアルデヒドとの反応によって得られるメチロール化ベンゾグアナミン樹脂が挙げられる。アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。また、このメチロール化ベンゾグアナミン樹脂を1種又は2種以上のアルコールによってエーテル化したものも上記ベンゾグアナミン樹脂に包含される。エーテル化に用いられるアルコールとしては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、2-エチルブタノール、2-エチルヘキサノール等の1価アルコールが挙げられる。これらのうち、なかでもメチロール化ベンゾグアナミン樹脂のメチロール基の少なくとも一部を炭素数1~4の1価アルコールでエーテル化してなるベンゾグアナミン樹脂が好適である。
上記ベンゾグアナミン樹脂の具体例としては、例えば、マイコート102、マイコート105、マイコート106(以上、いずれも三井化学社製)、ニカラックSB-201、ニカラックSB-203、ニカラックSB-301、ニカラックSB-303、ニカラックSB-401(以上、いずれも三和ケミカル社製)などのメチルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂;サイメル1123(ダイセル・オルネクス社製)などのメチルエーテルとエチルエーテルとの混合エーテル化ベンゾグアナミン樹脂;マイコート136(三井化学社製)、ニカラックSB-255、ニカラックSB-355、ニカラックBX-37、ニカラックBX-4000(以上、いずれも三和ケミカル社製)などのメチルエーテルとブチルエーテルとの混合エーテル化ベンゾグアナミン樹脂;マイコート1128(三井化学社製)などのブチルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂などを挙げることができる。
尿素樹脂は、尿素とホルムアルデヒドとの縮合反応で得られ、溶剤又は水に溶解又は分散できる。
ポリイソシアネート化合物としては、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート;メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート及びシクロペンタンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート;該ポリイソシアネートのビユーレットタイプ付加物、イソシアヌル環タイプ付加物;これらのポリイソシアネートと低分子量もしくは高分子量のポリオール化合物(例えば、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールなど)とをイソシアネート基過剰で反応させてなる遊離イソシアネート基含有プレポリマーなどを挙げることができる。
さらに、ポリイソシアネート化合物としては、上記ポリイソシアネート化合物の遊離イソシアネート基をフェノール化合物、オキシム化合物、活性メチレン化合物、ラクタム化合物、アルコール化合物、メルカプタン化合物、酸アミド系化合物、イミド系化合物、アミン系化合物、イミダゾール系化合物、尿素系化合物、カルバミン酸系化合物、イミン系化合物などのブロック剤で封鎖したブロック化ポリイソシアネート化合物も使用することができる。
また、樹脂バインダーの硬化促進のため、必要に応じて硬化触媒を配合することができる。硬化剤がアミノ樹脂である場合の硬化触媒としては、例えば、強酸、強酸の中和物などが挙げられ、代表例として、p-トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸などの強度の酸であるスルホン酸化合物、これらのスルホン酸化合物のアミン中和物などを挙げることができる。
硬化剤がブロック化ポリイソシアネート化合物である場合の硬化触媒としては、硬化剤であるブロック化ポリイソシアネート化合物のブロック剤の解離を促進する硬化触媒、例えば、オクチル酸錫、ジブチル錫ジ(2-エチルヘキサノエート)、ジオクチル錫ジ(2-エチルヘキサノエート)、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、2-エチルヘキサン酸鉛などの有機金属触媒などを挙げることができる。
[酸化チタン顔料]
下塗塗膜層4の酸化チタン顔料は、その製造法、表面処理の有無又は種類等に特に制限はないが、できるだけ隠蔽性が高く、白色度の高いものが好ましく、中でも塩素法で作られたルチル型酸化チタンをアルミナ、シリカ、チタニア等で表面処理したものが好適である。
市販品としては、例えば、Ti-Pure R706、Ti-Pure R960、Ti-Pure R902+(以上、デュポン社製、商品名、塩素法による酸化チタン顔料)、タイペークCR-50、タイペークCR-60、タイペークCR-95(以上、石原産業社製、商品名、塩素法による酸化チタン顔料)、CR-826(Tronox社製、商品名、塩素法による酸化チタン顔料)などが挙げられる。
下塗塗膜層4における酸化チタン顔料の含有量は、下塗塗膜層4の樹脂バインダー成分100質量部に対し、好ましくは80~250質量部、より好ましくは140~190質量部の範囲内であることが、仕上り性、高反射率及び密着性のバランスの点から適している。
下塗塗膜層4の膜厚は、好ましくは10μm以上であり、より好ましくは15μm以上である。下塗塗膜層4の膜厚が、10μm未満だと、光の波長550nmにおける反射率が85%未満に低下するおそれがある。下塗塗膜層4の膜厚を15μm以上にしておけば、光の波長550nmにおける反射率を、より確実に85%以上に高めることができる。
[プライマー層]
プライマー層3が基板1の表面に形成されていてもよい。つまり、基板1と下塗塗膜層4との間にプライマー層3を介在させてもよい。プライマー層3が設けられることにより、塗装板10に耐食性を付与することができる。したがって、プライマー層3が設けられることにより、塗装板10を、屋外用途(例えば、建材)に好適に用いることができる。屋内用途(例えば、内装材)の場合、プライマー層3を省略することもできる。プライマー層3の厚みの下限値は、好ましくは1μmであり、より好ましくは3μmである。プライマー層3の上限値は、好ましくは20μmであり、より好ましくは15μmである。 プライマー層3の厚みが1μm未満に低下すると、十分な耐食性が得られなくなる。プライマー層3の厚みが15μmを超えると塗装欠陥(ワキ;塗料中の揮発成分の揮発異常による)が発生しやすい。また、生産上コスト高であるため、耐食性や塗膜密着性の観点から必要最小限とするのがよい。
プライマー層には、例えばポリエステル樹脂及び硬化剤を含有するプライマー樹脂バインダーを用いることができる。更に、プライマー層には、酸化チタンが含まれていてもよい。プライマー層に酸化チタンを含有することより、反射率をより高めることができる。
ポリエステル樹脂には、下塗塗膜層4の説明に記載したものと同様のポリエステル樹脂を用いることができる。このポリエステル樹脂と組み合わせる硬化剤としては、下塗塗膜層4の説明欄で記載したものと同様のアミノ樹脂及びブロック化イソシアネート化合物を好適に用いることができる。また、樹脂バインダーの硬化促進のため、必要に応じて、下塗塗膜層4の説明欄で記載したものと同様の硬化触媒を配合することができる。酸化チタンの顔料には、下塗塗膜層4の説明欄で記載したものと同様の顔料を用いることができる。
さらに、プライマー層には、必要に応じて、体質顔料、着色顔料及びクロメート系又はクロメートフリー系の防錆顔料などの顔料成分、硬化触媒、顔料分散剤、表面調整剤、艶消し剤、有機溶剤など、波長550nmにおける反射率85%以上を損なわない範囲内で、従来から公知の材料を含有することができる。
ポリエステル樹脂の数平均分子量は、得られる塗膜の仕上り性、塗膜硬度、加工性の観点から、2,000~30,000が好ましく、特に3,000~25,000の範囲内の数平均分子量を有することが好適である。
ポリエステル樹脂の水酸基価は、得られる塗膜の密着性の点から10~200mgKOH/g、特に60~185mgKOH/gの範囲であることが好ましい。ポリエステル樹脂の酸価は、仕上り性の観点から30mgKOH/g以下、好ましくは1~20mgKOH/gの範囲内が望ましい。
酸化チタン顔料の含有量は、プライマー樹脂バインダー100質量部に基づいて、酸化チタン顔料80~250質量部、好ましくは120~230質量部の範囲内が、仕上り性及び高拡散反射率の為に適している。また、乾燥膜厚としてプライマー層の膜厚が1~20μm、好ましくは3~15μmの範囲内にあることが、仕上り性と高拡散反射率の面から適している。また、プライマー層は、ワキの発生などのため1度で塗装できない場合には、2回以上に分けて塗装することも可能である。
なおプライマー塗料には、塗装作業性を向上させるため、通常塗料で使用される、溶剤、レベリング剤、顔料分散剤及びワキ防止剤等が適宜使用できる。塗装方法としては、カーテン塗装、ロール塗装、浸漬塗装およびスプレー塗装などが可能であるが、コイルコーティングなどによってプレコート塗装する場合、その経済性からカーテン塗装法およびロール塗装法が推奨される。ロール塗装法を適用する場合には塗面の均一性を最良のものにするため3本ロールによるトップフィードもしくはボトムフィード方式が推奨されるが実用的には通常の2本ロールによるボトムフィード方式(いわゆるナチュラルリバース塗装、ナチュラル塗装)でもよい。
硬化条件(焼付け条件)は、通常、素材到達最高温度(PMT)120~260℃で15秒~30分間程度である。コイルコーティングなどによって塗装するプレコート塗装分野においては、通常、素材到達最高温度160~260℃で15~90秒の範囲で行なわれる。
(上塗塗膜層について)
上塗塗膜層5は、60度鏡面光沢度が10%未満の塗装板10となるように縮み柄塗膜によって形成されている。60度鏡面光沢度を10%未満に制限することによって、映り込みを十分に小さくすることができる。縮み柄塗膜は、硬化時に縮み柄塗膜を形成できる縮み塗料を塗装、硬化させることによって形成されるものである。縮み柄塗膜は、硬化時における塗膜表層部と塗膜内部の硬化速度の違いによって形成される。60度鏡面光沢度は、例えば、JIS K 5600-4-7(1999)の60度鏡面光沢度に従い、入射角と受光角とがそれぞれ60度のときの反射率を測定して、鏡面光沢度の基準面の光沢度を100としたときの百分率で表すことができる。
ここで、本発明者は、上塗塗膜層5の映り込みの評価を面粗さ(以下、Sdqという場合がある)によって評価できることを発見した。Sdqは、所定の測定領域内のすべての点における傾斜の二乗平均平方根により算出されるパラメータであり、下記式(1)によって定義される。
上記式(1)において、Aは、Sdqの測定対象となる測定領域(矩形)の面積[mm]である。xは、測定領域の一辺を構成する長さ[m]であり、yは、測定領域のうち、長さxの方向と直交する方向の長さ[m]である。zは、長さxの方向及び長さyの方向で規定される平面と直交する方向の長さ[m]である。
測定領域の面積Aを特定するとともに、長さx,y,zを測定することにより、上記式(1)に基づいて、面粗さSdqを算出することができる。完全に平坦な面では、面粗さSdqが0[-]となり、45度の傾斜成分だけからなる面では、面粗さSdqが1[-]となる。なお、測定領域のサイズ(長さx,y)は、適宜決めることができる。塗装鋼板の表面では、縮み柄が一様に形成されやすいため、塗装鋼板の表面における測定領域の位置や、測定領域のサイズが異なっても、面粗さSdqが大きく変動することはない。
本発明者は、Sdqと60度鏡面光沢度との間に相関関係があり、Sdqが0.01以上0.11未満であれば、映り込みが小さいことを発見した。
上記縮み塗料としては、例えば、水酸基含有樹脂、アミノ樹脂、酸触媒及びアミン化合物を含有する塗料を挙げることができる。
上記水酸基含有有機樹脂としては、例えば、水酸基を含有する、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、シリコンポリエステル樹脂などを挙げることができる。
上記アミノ樹脂は、上記水酸基含有樹脂の硬化剤として働くものであり、例えば、アルキルエーテル化したメチロール化アミノ樹脂、特にメチルエーテル化メラミン樹脂、メチルエーテルとブチルエーテルとの混合エーテル化メラミン樹脂を好適に使用することができる。
上記酸触媒は、水酸基含有有機樹脂とアミノ樹脂との硬化反応を促進する触媒であり、例えば、スルホン酸化合物が好適に用いられる。スルホン酸化合物の代表例としては、p-トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸などを挙げることができ、なかでもp-トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸が好適である。
上記縮み塗料に配合されるアミン化合物は、縮み塗料の硬化時における塗膜表層部と塗膜内部の硬化速度の違いを大きくして良好な縮み柄塗膜を形成させるために配合されるものであり、2級アミン、3級アミンを好適に使用することができる。アミン化合物は、酸触媒の作用(硬化反応促進)を抑制する。したがって、基板上の塗料を加熱すると、塗料表面のアミン化合物が揮発して表層の抑制作用が低下して、表層から塗料の硬化が始まる。硬化は体積収縮を伴うため、微細な亀裂を生成しながら硬化が進行する。その結果、微細な凹凸が形成された塗膜を形成することができる。アミン化合物の代表例として、例えば、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ジn-プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジn-ブチルアミン、ジイソブチルアミンなどを挙げることができる。アミン化合物の量は、上記酸触媒の酸当量に対して過剰当量であることが好ましく、通常、酸1当量に対して1.5~30当量程度が好適である。このアミン化合物は、上記酸触媒と別々に塗料中に配合してもよいし、アミン化合物と酸触媒とを予め混合してアミン塩として混合してもよい。
水酸基含有樹脂は、縮み塗料固形分に対して、好ましくは、30質量%以上70質量%以下である。アミノ樹脂は、縮み塗料固形分に対して、好ましくは、5質量%以上20質量%以下である。アミン化合物は、縮み塗料固形分に対して、好ましくは、0.1質量%以上5質量%以下である。酸触媒は、縮み塗料固形分に対して、好ましくは、0,1質量%以上5質量%以下である。ただし、アミン化合物は、酸触媒よりも含有量が高い。
上塗塗膜層5に含まれる骨材及び/又は顔料からなる固形物の含有量は、好ましくは、10質量%未満である。本実施形態の上塗塗膜層5には、下塗塗膜層4で反射された反射光を透過させることが必要であるため、透過の障害となる固形物は少ないことが望まれる。
縮み柄塗膜の膜厚は、好ましくは5μm以上であり、より好ましくは7μm以上である。一定の面積の塗膜を剥離して剥離前後の重量を塗膜の比重で割り込むことで膜厚を算出することができる。
実施例を示して、本発明について具体的に説明する。プライマー層が形成された基材に下塗塗膜層及び上塗塗膜層を塗膜し、光の波長550nmにおける反射率を測定した。測定機器には、ミノルタ社製CM-3700d(積分球使用、拡散照明8°方向受光)を使用した。反射率を測定した後、60度鏡面光沢度及びSDQを測定した。下塗塗膜層及び上塗塗膜層の組成を表1及び表2に示した。なお、表1及び表2の数値の単位は、全て質量%であり、下塗塗膜層及び上塗塗膜層をそれぞれ100質量%としたときの内数で表している。実施例1~10及び比較例5の上塗塗膜層はポリエステル樹脂をベースとして、アミノ樹脂を硬化剤とした使用した。また、スルホン酸系化合物を酸触媒として使用し、酸触媒の抑制剤としてアミン化合物を使用した。比較例5は、アミン化合物を無添加とすることにより、縮み柄無とした。実施例1~10及び比較例5の下塗塗膜層は、同一の組成とした。比較例1及び3の上塗塗膜層には、光沢を下げるために艶消材(有機ポリマー、シリカ)を添加した。比較例2~3の下塗塗膜層には、顔料を所定量添加した。プライマー層は、ポリエステル樹脂及びバインダーによって成膜した。
各実施例及び比較例の膜厚及び塗膜性能の結果を表3に示した。
比較例1~2、4~5はいずれも60度鏡面光沢度が10%以上であって、かつ、Sdqが0.01未満であった。比較例2及び3は、光の波長550nmにおける反射率が85質量%未満であった。
また、Sdqと60度鏡面光沢度との相関関係を調べた結果、図2に図示するように、強い相関が認められた。

Claims (5)

  1. 基板と、基板の上に形成された複層塗膜とを備える塗装板であって、
    前記複層塗膜は、
    縮み柄塗膜からなる上塗塗膜層と、
    反射率が高い下塗塗膜層と、
    を含み、
    該塗装板は、60度鏡面光沢度が10%未満であって、かつ、光の波長550nmにおける反射率が85%以上の条件を満足する
    ことを特徴とする塗装板。
  2. 前記上塗塗膜層の膜厚が、少なくとも5μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の塗装板。
  3. 前記上塗塗膜層の3次元表面粗さの指標における二乗平均平方根傾斜(Sdq)が、0.01以上0.11未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載の塗装板。
  4. 前記基板と前記下塗塗膜層との間に、プライマー層が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一つに記載の塗装板。
  5. 前記上塗塗膜層は、骨材及び/又は顔料からなる固形物の含有量が10質量%未満であることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一つに記載の塗装板。
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