JP2006037142A - 卑金属粉末、樹脂組成物、卑金属粉末の製造方法、樹脂組成物の製造方法、回路基板の製造方法、およびセラミック多層基板の製造方法 - Google Patents

卑金属粉末、樹脂組成物、卑金属粉末の製造方法、樹脂組成物の製造方法、回路基板の製造方法、およびセラミック多層基板の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006037142A
JP2006037142A JP2004215980A JP2004215980A JP2006037142A JP 2006037142 A JP2006037142 A JP 2006037142A JP 2004215980 A JP2004215980 A JP 2004215980A JP 2004215980 A JP2004215980 A JP 2004215980A JP 2006037142 A JP2006037142 A JP 2006037142A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
base metal
metal powder
resin composition
producing
coating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004215980A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4466250B2 (ja
Inventor
Masahiro Kubota
正博 久保田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2004215980A priority Critical patent/JP4466250B2/ja
Publication of JP2006037142A publication Critical patent/JP2006037142A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4466250B2 publication Critical patent/JP4466250B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Active legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)

Abstract

【課題】 樹脂中の酸性官能基との反応が抑制される卑金属粉末、その卑金属粉末を用いてゲル化が抑制された樹脂組成物、卑金属粉末の製造方法、樹脂組成物の製造方法、その樹脂組成物を用いた回路基板の製造方法、およびセラミック多層基板の製造方法を提供する。
【解決手段】 内部が卑金属であり、表面が、塩基性卑金属化合物でなく、酸性官能基と反応せず、さらに有機溶剤に実質的に溶解しない物質からなる被覆処理膜と、卑金属の酸化皮膜とにより被覆されている卑金属粉末と、酸性官能基を有する樹脂とを含有する樹脂組成物を作製し、この樹脂組成物を用いて、回路基板およびセラミック多層基板を作製する。

【選択図】 図1

Description

本発明は、電子部品や電子回路などの導体パターン形成用の卑金属粉末、および樹脂組成物に関し、さらに、卑金属粉末の製造方法、樹脂組成物の製造方法、回路基板の製造方法、およびセラミック多層基板の製造方法に関する。
近年、移動体通信機器、衛星放送受信機器、コンピュータ等に用いられる高周波電子部品は、小型かつ高性能であることが強く求められている。また、高周波電子部品や電子回路などに形成される導体パターンに関しても、その高密度化及び信号の高速化への対応が要求されており、その高密度化や信号の高速化を達成するためには、導体パターンの微細化および厚膜化が必要である。
微細かつ厚膜の導体パターンを形成するためには、フォトリソグラフィ法が用いられることがある。そしてこのフォトリソグラフィ法において導体パターンを形成するための導電ペーストとして、卑金属粉末をカルボキシル基などの酸性官能基を有する有機バインダに混在させたものが用いられることがある。
しかし、酸性官能基を有する有機バインダを使用した導電性ペーストにおいて、導電性金属粉末に卑金属粉末を使用すると、卑金属粉末が有機バインダ中の酸性官能基と反応して、導電性ペーストがゲル化する問題が発生する。
そこで、表面酸化処理によって表面に酸化皮膜をつけた卑金属粉末を使用することで、導電性ペーストのゲル化を抑制することが行われている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−169273号公報(第3頁)
しかし、特許文献1に記載の方法においては、酸化皮膜は非常に剥離しやすいため、表面酸化処理を行っても、樹脂組成物中に卑金属粉末を分散させる過程で酸化皮膜が剥離することにより、ゲル化を十分に抑制することができないことがあるという問題があった。
そこで、酸化皮膜に代えて、表面に、貴金属類、無機物質、有機物質のいずれかからなる被覆膜を備える卑金属粉末を用いて、導電性ペーストのゲル化を抑制することが考えられた。しかし、導電性を確保するために一定量の卑金属粉末を含む導電性ペーストにおいては、被覆膜の厚みが厚くなると卑金属粉末間の距離が狭くなり凝集が起こりやすいため、その被覆膜は薄く形成される必要があった。しかし、覆膜を薄くしようとすると卑金属粉末の表面を完全に被覆することができず、卑金属粉末の一部が露出するという問題があった。
以上のことから、被覆膜を厚くすることなく、樹脂組成物のゲル化を抑制することのできる卑金属粉末が求められていた。
本発明は、樹脂中の酸性官能基との反応が抑制された卑金属粉末、樹脂中の酸性官能基と反応することにより生じるゲル化が抑制されている樹脂組成物、卑金属粉末の製造方法、樹脂組成物の製造方法、その樹脂組成物を用いた回路基板の製造方法、およびセラミック多層基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、内部が卑金属であり、表面が、塩基性卑金属化合物でなく、酸性官能基と反応せず、さらに有機溶剤に実質的に溶解しない物質からなる被覆処理膜と、卑金属粉末の酸化皮膜とにより被覆されている卑金属粉末に関するものである。
本発明の卑金属粉末は、表面のほぼ全域が前記被覆処理膜に被覆され、卑金属粉末の表面のうち、被覆処理膜に被覆されずに露出している部分が酸化皮膜に被覆されていることが好ましい。
本発明の卑金属粉末は、表面が前記酸化皮膜に被覆され、酸化皮膜の表面のほぼ全域が被覆処理膜に被覆されていることが好ましい。
本発明の卑金属粉末は、銅、ニッケル、モリブデン、タングステンであることが好ましい。
本発明は、上述の卑金属粉末と、酸性官能基を有する樹脂と、を含有する樹脂組成物であって、卑金属粉末を被覆する被覆処理膜が、さらに樹脂組成物の構成成分に実質的に溶解しない樹脂組成物に関するものである。
本発明の樹脂組成物は、光反応性有機成分をさらに含むことが好ましい。
本発明は、卑金属粉末に、塩基性卑金属化合物でなく、酸性官能基と反応せず、さらに有機溶剤に実質的に溶解しない物質、により被覆処理を行い被覆処理膜を形成する第1の工程と、被覆処理を経た卑金属粉末に表面酸化処理を行う第2の工程と、を備える卑金属粉末の製造方法に関するものである。
本発明は、卑金属粉末に、表面酸化処理を行う第1の工程と、表面酸化処理を経た卑金属粉末に、塩基性卑金属化合物でなく、酸性官能基と反応せず、さらに有機溶剤に実質的に溶解しない物質、により被覆処理を行い被覆処理膜を形成する第2の工程と、を備える卑金属粉末の製造方法に関するものである。
本発明は、卑金属粉末に、塩基性卑金属化合物でなく、酸性官能基と反応せず、さらに樹脂組成物の構成成分に実質的に溶解しない物質、により被覆処理を行い被覆処理膜を形成する第1の工程と、被覆処理を経た前記卑金属粉末に表面酸化処理を行う第2の工程と、前記第1、第2の工程を経た卑金属粉末と、酸性官能基を有する樹脂とを混合する第3の工程と、を備える樹脂組成物の製造方法に関するものである。
本発明は、卑金属粉末に、表面酸化処理を行う第1の工程と、表面酸化処理を経た前記卑金属粉末に、塩基性卑金属化合物でなく、酸性官能基と反応せず、さらに樹脂組成物の構成成分に実質的に溶解しない物質、により被覆処理を行い被覆処理膜を形成する第2の工程と、前記第1、第2の工程を経た卑金属粉末と、酸性官能基を有する樹脂とを混合する第3の工程と、を備える樹脂組成物の製造方法に関するものである。
本発明の樹脂組成物の製造方法は、上述の樹脂組成物の製造方法の第3の工程において、光反応性有機成分をさらに混合することが好ましい。
本発明は、上述の樹脂組成物を用いて、基板上に導体パターンを形成する工程と、前記導体パターンを焼成する工程と、
を備える回路基板の製造方法に関するものである。
また、本発明は、上述の樹脂組成物を用いて、セラミックグリーンシート上に導体パターンを形成する工程と、前記導体パターンが形成されたセラミックグリーンシートを積層して積層体を形成する工程と、前記積層体を焼成する工程と、を備えるセラミック多層基板の製造方法に関するものである。
本発明の請求項1ないし4のいずれかに記載の発明によると、樹脂中の酸性官能基との反応が抑制された卑金属粉末を提供することができる。
本発明の請求項5に記載の発明によると、卑金属粉末と樹脂中の酸性官能基との反応が抑制され、ゲル化が抑制された樹脂組成物を提供することができる。
本発明の請求項6に記載の発明によると、卑金属粉末と樹脂中の酸性官能基との反応が抑制され、ゲル化が抑制された光反応性樹脂組成物を提供することができる。
本発明の請求項7または8に記載の発明によると、樹脂中の酸性官能基との反応が抑制された卑金属粉末の製造方法を提供することができる。
本発明の請求項9または10に記載の発明によると、卑金属粉末と樹脂中の酸性官能基との反応が抑制され、ゲル化が抑制された樹脂組成物の製造方法を提供することができる。
本発明の請求項11に記載の発明によると、卑金属粉末と樹脂中の酸性官能基との反応が抑制され、ゲル化が抑制された光反応性樹脂組成物の製造方法を提供することができる。
本発明の請求項12に記載の発明によると、微細かつ厚膜の配線パターンが形成され、小型かつ高周波特性に優れた、高速信号化、高密度配線化に対応することができる回路基板の製造方法を提供することができる。
本発明の請求項13に記載の発明によると、微細かつ厚膜の配線パターンが形成され、小型かつ高周波特性に優れた、高速信号化、高密度配線化に対応することができるセラミック多層基板の製造方法を提供することができる。
実施形態1
以下、本実施形態にかかる卑金属粉末について説明する。図1は、本実施形態にかかる卑金属粉末を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、卑金属粉末1は、表面のほぼ全域が、塩基性卑金属化合物でなく、酸性官能基と反応せず、さらに有機溶剤に実質的に溶解しない物質からなる被覆処理膜2に被覆され、さらに、卑金属粉末1の表面のうち、被覆処理膜2に被覆されず露出している部分が酸化されて、酸化皮膜3が形成されている。
この構造を有する卑金属粉末1は、卑金属粉末1の表面が露出しにくい。そのメカニズムを以下に説明する。
まず、従来技術のように、卑金属粉末表面が酸化皮膜のみに被覆されている場合、酸化皮膜はもろいため、卑金属粉末から剥離しやすく、卑金属粉末が露出する。一方、卑金属粉末表面が、塩基性卑金属化合物でなく、酸性官能基と反応せず、さらに有機溶剤に実質的に溶解しない物質からなる、薄い被覆処理膜のみに被覆されている場合、卑金属粉末表面を完全に被覆することができず、卑金属粉末の一部が露出する。以上のことから、酸化皮膜または被覆処理膜のいずれか一方のみを被覆しただけでは、卑金属粉末が露出してしまう。そこで、本実施形態においては、卑金属粉末を酸化皮膜と被覆処理膜とにより被覆する。
被覆処理膜2としては破壊靭性がより強いものを用いると、被覆処理膜2が卑金属粉末1から剥離しにくくなる。酸化皮膜3は破壊靭性が弱く、もろいため、酸化皮膜2の方が卑金属粉末1から剥離しやすい。被覆処理後に表面酸化処理を行うと、卑金属粉末1表面のほぼ全域を、卑金属粉末1から剥離しにくい被覆処理膜2が覆い、一部被覆処理膜2に被覆されていない、卑金属粉末1が露出している部分に酸化皮膜3が形成されている状態となる。したがって、卑金属粉末1のほぼ全域が、剥離しにくい被覆処理膜2に覆われているため、卑金属粉末1は露出しにくい。また、被覆処理膜2に覆われていない部分については酸化皮膜3が形成されているため、卑金属粉末1は露出しにくい。さらに、被膜処理後に表面酸化処理を行った卑金属粉末1は、剥離しやすい酸化皮膜3に覆われている面積が格段に小さくなるため、酸化皮膜3を剥がそうとするせん断力などの応力が、酸化皮膜3に働きにくくなり、酸化皮膜3の剥離が抑制される。
卑金属粉末1としては、銅、ニッケル、モリブデン、タングステンなどを用いることができる。
卑金属粉末1は、球状で、比表面積が0.1〜2m2/gであり、かつレーザー方式粒度分布計によって測定された粉末粒径D50が1〜5μm、粉末粒径D99が20μm以下のものであることが好ましい。この範囲にある卑金属粉末1を用いて導電性ペーストを作製し、導体パターンを形成すると、良好な導体パターンを形成することができる。
被覆処理膜2を形成する被覆処理物質は、塩基性卑金属化合物でなく、酸性官能基と反応せず、さらに有機溶剤に実質的に溶解しない物質である。有機溶剤に実質的に溶解しないとは、卑金属粉末1が露出しない程度である。例えば、有機溶剤に溶解する被覆処理膜2の形成された卑金属粉末1を用いて導電性ペーストを作製する場合、導電性ペーストの構成成分に有機溶剤が含まれていると、被覆処理物質は溶解し、卑金属粉末1が露出しやすくなる。被覆処理物質は、その他の導電性ペーストの構成成分にも実質的に溶解しないものがより好ましい。被覆処理物質としては、例えば、銀、金、白金などの貴金属類や、二酸化ケイ素、チタニア、ほう珪酸系ガラスなどのガラス及び/又はセラミック系素材、といった無機物質のほか、ポリビニルアルコールなどの有機物質を使用することができる。
また、被覆処理物質は、卑金属粉末1に、2〜500nmの厚みで被覆されていることが好ましい。2nm未満であると、十分に酸化皮膜3の剥離を防止できない。一方、500nmを超えると、卑金属粉末1の凝集が発生し、この卑金属粉末1を用いて導電性ペーストを作製する場合に、導体パターン形成が困難になる。
酸化皮膜3は、卑金属粉末1の酸素含有量が、表面酸化処理を行う前と比較して、0.05〜2重量%増加されたものであることが好ましい。0.05重量%未満であると、緻密な酸化皮膜3を形成することができない。一方、2重量%を超えると、酸化皮膜3が膨潤してさらにもろくなる。
本発明にかかる卑金属粉末1は、例えば、以下の方法により作製することができる。
まず、卑金属粉末1に、塩基性卑金属化合物でなく、酸性官能基と反応せず、さらに有機溶剤に実質的に溶解しない物質により被覆処理を行う。無機物質による被覆処理を行う方法としては、めっき処理、噴霧熱分解法、などの方法によることができる。また、ポリビニルアルコールなどの有機物質による被覆処理を行う方法としては、有機物質を溶解した溶液と卑金属粉末1とを、混合し、吸引濾過した後、真空乾燥するなどの方法によることができる。
次に、被覆処理を経た卑金属粉末1に表面酸化処理を行う。表面酸化処理を行う方法としては、例えば、酸素含有雰囲気中で室温以上の温度に加熱する方法、酸化物吹き付け法、酸化剤含有溶液による酸化法、などの方法によることができる。中でも、酸素含有雰囲気中で40℃以上の温度に加熱する方法をとることが好ましい。これにより、表面が酸化処理された卑金属粉末を効率よく得ることが可能となる。
卑金属粉末1を表面酸化処理する方法として、酸素含有雰囲気中で加熱する方法が望ましいのは、この方法では、酸化皮膜中の卑金属酸化物の状態を制御しやすく、緻密な酸化皮膜3を形成することが容易にできることによる。
実施形態2
以下、本実施形態にかかる他の卑金属粉末について説明する。図2は、本実施形態にかかる卑金属粉末を模式的に示す断面図である。
図2に示すように、卑金属粉末4は、卑金属粉末4の表面が酸化されて酸化皮膜5で被覆され、酸化皮膜5が、塩基性卑金属化合物でなく、酸性官能基と反応せず、さらに有機溶剤に実質的に溶解しない物質からなる被覆処理膜6に被覆されている。
この構造を有する卑金属粉末4は、卑金属粉末4の表面が露出しにくい。そのメカニズムを以下に説明する。
卑金属粉末4に形成された酸化皮膜5はもろいため、せん断応力が働くと剥離しやすい。しかし、酸化皮膜5が被覆処理膜6に被覆されており、その被覆処理膜6が酸化皮膜5を補強するため、酸化皮膜5が剥離しにくくなる。
卑金属粉末4としては、銅、ニッケル、モリブデン、タングステンなどを用いることができる。
卑金属粉末4は、球状で、比表面積が0.1〜2m2/gであり、かつレーザー方式粒度分布計によって測定された粉末粒径D50が1〜5μm、粉末粒径D99が20μm以下のものであることが好ましい。この範囲にある卑金属粉末1を用いて導電性ペーストを作製し、導体パターンを形成すると、良好な導体パターンを形成することができる。
酸化皮膜5は、卑金属粉末4の酸素含有量が、表面酸化処理を行う前と比較して、0.05〜2重量%増加されたものであることが好ましい。0.05重量%未満であると、緻密な酸化皮膜5を形成することができない。一方、2重量%を超えると、酸化皮膜5が膨潤してさらにもろくなる。
被覆処理膜6を形成する被覆処理物質は、塩基性卑金属化合物でなく、酸性官能基と反応せず、さらに有機溶剤に実質的に溶解しない物質である。有機溶剤に実質的に溶解しないとは、卑金属粉末4が露出しない程度である。例えば、有機溶剤に溶解する被覆処理膜6の形成された卑金属粉末4を用いて導電性ペーストを作製する場合、導電性ペーストの構成成分に有機溶剤が含まれていると、被覆処理処理膜6が溶解し、大部分の酸化皮膜5が露出するため、酸化皮膜5が剥離しやすくなり、その結果、卑金属粉末4が露出しやすくなる。被覆処理物質は、その他の導電性ペーストの構成成分にも実質的に溶解しないものがより好ましい。被覆処理物質としては、例えば、銀、金、白金などの貴金属類や、二酸化ケイ素、チタニア、ほう珪酸系ガラスなどのガラス及び/又はセラミック系素材、といった無機物質のほか、ポリビニルアルコールなどの有機物質を使用することができる。
被覆処理物質は、卑金属粉末4に、2〜500nmの厚みで被覆されていることが好ましい。2nm未満であると、十分に酸化皮膜5の剥離を防止できない。一方、500nmを超えると、卑金属粉末4の凝集が発生し、この卑金属粉末4を用いて導電性ペーストを作製する場合に、導体パターン形成が困難になる。
本発明にかかる卑金属粉末4は、例えば、以下の方法により作製することができる。
まず、卑金属粉末4に表面酸化処理を行う。表面酸化処理を行う方法としては、例えば、酸素含有雰囲気中で室温以上の温度に加熱する方法、酸化物吹き付け法、酸化剤含有溶液による酸化法、などの方法によることができる。中でも、酸素含有雰囲気中で40℃以上の温度に加熱する方法をとることが好ましい。これにより、表面が酸化処理された卑金属粉末4を効率よく得ることが可能となる。
卑金属粉末4を表面酸化処理する方法として、酸素含有雰囲気中で加熱する方法が望ましいのは、この方法では、酸化皮膜5中の卑金属酸化物の状態を制御しやすく、緻密な酸化皮膜5を形成することができることによる。その他の方法では、緻密な酸化皮膜5が得られにくい。
次に、表面酸化処理を経た卑金属粉末4に、塩基性卑金属化合物でなく、酸性官能基と反応せず、さらに有機溶剤に実質的に溶解しない物質により被覆処理を行う。無機物質による被覆処理を行う方法としては、めっき処理、噴霧熱分解法、などの方法によることができる。また、ポリビニルアルコールなどの有機物質による被覆処理を行う方法としては、有機物質を溶解した溶液と卑金属粉末4とを、混合し、吸引濾過した後、真空乾燥するなどの方法によることができる。
実施形態3
以下、本実施形態にかかる樹脂組成物について説明する。本実施形態に係る樹脂組成物は、以下に示す(A)卑金属粉末、(B)酸性官能基を有する樹脂を混合して作製することができる。また、必要に応じて(C)光反応性有機成分、(D)その他の成分を添加してもよい。
(A)卑金属粉末
本実施形態にかかる樹脂組成物に用いられる卑金属粉末を示す図として、図1を援用して説明する。
図1に示すように、卑金属粉末1は、表面のほぼ全域が、塩基性卑金属化合物でなく、酸性官能基と反応せず、さらに樹脂組成物の構成成分に実質的に溶解しない物質からなる被覆処理膜2に被覆され、さらに、卑金属粉末1の表面のうち、被覆処理膜2に被覆されず露出している部分が酸化されて、酸化皮膜3が形成されている。
この構造を有する卑金属粉末1は、卑金属粉末1の表面が露出しにくい。そのメカニズムは実施形態1に記載したものと同じである。そのため、この卑金属粉末1と酸性官能基を有する樹脂とを含む樹脂組成物において、卑金属粉末1と樹脂中の酸性官能基との反応を抑制し、樹脂組成物のゲル化を抑制することができる。
卑金属粉末1としては、銅、ニッケル、モリブデン、タングステンなどを用いることができる。本発明は、中でも特に、銅のように、樹脂中の酸性官能基との反応性が強く、樹脂組成物のゲル化を引き起こす作用が強い卑金属粉末を用いた場合に樹脂組成物のゲル化を抑制する場合に有効である。
卑金属粉末1は、球状で、比表面積が0.1〜2m2/gであり、かつレーザー方式粒度分布計によって測定された粉末粒径D50が1〜5μm、粉末粒径D99が20μm以下のものであることが好ましい。この範囲にある卑金属粉末1を用いて樹脂組成物を作製し、導体パターンを形成すると、良好な導体パターンを形成することができる。
被覆処理膜2を形成する被覆処理物質は、塩基性卑金属化合物でなく、酸性官能基と反応せず、さらに樹脂組成物の構成成分に実質的に溶解しない物質である。
被覆処理物質が樹脂組成物の構成成分に溶解する場合には、樹脂組成物中でしだいに被覆処理物質が溶解し、卑金属粉末1が露出しやすくなる。実質的に溶解しないとは、卑金属粉末1が露出しない程度である。
また、被覆処理物質が酸性官能基と反応すると、被覆処理膜2自身が樹脂中の酸性官能基と反応し、樹脂組成物がゲル化する。また、被覆処理物質が塩基性卑金属化合物であると、卑金属粉末1に対する密着力が弱く、卑金属粉末1から剥離しやすく、卑金属粉末1と樹脂中の酸性官能基とが反応して樹脂組成物がゲル化する。
被覆処理物質としては、例えば、銀、金、白金などの貴金属類や、二酸化ケイ素、チタニア、ほう珪酸系ガラスなどのガラス及び/又はセラミック系素材、といった無機物質のほか、ポリビニルアルコールなどの有機物質を使用することができる。有機物質を使用する場合には、樹脂組成物の構成成分に実質的に溶解しないものを選択するよう、特に注意する必要がある。例えば、樹脂組成物の構成成分として水などが含まれている場合は、ポリビニルアルコールは溶解するため用いることができない。
また、被覆処理物質は、卑金属粉末1に、2〜500nmの厚みで被覆されていることが好ましい。2nm未満であると、十分に酸化皮膜の剥離を防止できないため、ゲル化を十分に抑制することができない。一方、500nmを超えると、卑金属粉末1の凝集が発生し、パターン形成が困難になる。
酸化皮膜3は、卑金属粉末1の酸素含有量が、表面酸化処理を行う前と比較して、0.05〜2重量%増加されたものであることが好ましい。0.05重量%未満であると、緻密な酸化皮膜3が形成されず、表面酸化処理によりゲル化を抑制することができない。一方、2重量%を超えると、酸化皮膜3が膨潤してもろくなり、表面酸化処理によりゲル化を抑制することができない。
本発明にかかる卑金属粉末1は、例えば、以下の方法により作製することができる。
まず、卑金属粉末1に、塩基性卑金属化合物でなく、酸性官能基と反応せず、さらに樹脂組成物の構成成分に実質的に溶解しない物質により被覆処理を行う。被覆処理を行う方法は実施形態1に記載したものと同様である。
次に、被覆処理を経た卑金属粉末1に表面酸化処理を行う。表面酸化処理を行う方法は実施形態1に記載したものと同様である。
(B)酸性官能基を有する樹脂
酸性官能基を有する樹脂は、セルロース系、アクリル系など各種の樹脂を用いることができるが、特に、側鎖にカルボキシル基を有するアクリル系共重合体を含むものであることが望ましい。このような樹脂を使用することにより、アルカリ系又は水系の現像液で現像処理を容易に行うことができる。
側鎖にカルボキシル基を有するアクリル系共重合体を含む前記樹脂は、例えば、不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和化合物を共重合させることにより製造することができる。不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸及びこれらの無水物等が挙げられる。一方、エチレン性不飽和化合物としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸エステル、フマル酸モノエチル等のフマル酸エステル等が挙げられる。
また、側鎖にカルボキシル基を有するアクリル系共重合体としては、以下のような形態の不飽和結合を導入したものを用いてもよい。
(1)前記アクリル系共重合体の側鎖のカルボキシル基に、これと反応可能な、例えばエポキシ基等の官能基を有するアクリル系モノマーを付加したもの。
(2)側鎖のカルボキシル基の代わりにエポキシ基が導入されてなる前記アクリル系共重合体に、不飽和モノカルボン酸を反応させた後、さらに飽和又は不飽和多価カルボン酸無水物を導入したもの。
側鎖にカルボキシル基を有するアクリル系共重合体としては、平均重量分子量(MW)が50000以下、かつ酸価が50〜150のものが望ましい。この範囲外になると、パターン形成が困難となる。
上記(B)酸性官能基を有する樹脂を用いる場合であっても、上記(A)卑金属粉末を用いることにより、卑金属粉末と樹脂中の酸性官能基との反応が抑制されるため、ゲル化が抑制された樹脂組成物を作製することができる。また、この樹脂組成物に、(C)光反応性有機成分を添加することにより、ゲル化が抑制された光反応性樹脂組成物を作製することができる。また、必要に応じて、(D)その他の成分を添加してもよい。
(C)光反応性有機成分
光反応性有機成分は、従来から公知の光重合性、もしくは光変性化合物のことであって、例えば、
1)不飽和基などの反応性官能基を有するモノマーやオリゴマーと、芳香族カルボニル化合物などの光ラジカル発生剤の混合物、
2)芳香族ビスアジドとホルムアルデヒドの縮合体などのいわゆるジアゾ樹脂、
3)エポキシ化合物などの付加重合性化合物とジアリルヨウドニウム塩などの
光酸発生剤の混合物、
4)ナフトキノンジアジド系化合物、
などが挙げられる。
これらの光反応性有機成分のうち、特に好ましいのは、不飽和基などの反応性官能基を有するモノマーやオリゴマーと、芳香族カルボニル化合物などの光ラジカル発生剤との混合物である。
光反応性官能基含有モノマー及びオリゴマーとしては、ヘキサンジオールトリアクリレート、トリプロピレングリコールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ステアリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、イソデシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、トリデシルアクリレート、カプロラクトンアクリレート、エトキシ化ノニルフェノールアクリレート、1、3−ブタンジオールジアクリレート、1、4−ブタンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化グリセリルトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1、4−ブタンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、1、6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1、3−ブチレングリコールジメタクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等が挙げられる。
また、前記光ラジカル発生剤としては、ベンジル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルサルファイド、ベンジルジメチルケタール、2−n−ブトキシ−4−ジメチルアミノベンゾエート、2−クロロチオキサントン、2、4−ジエチルチオキサントン、2、4−ジイソプロピルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2−ジメチルアミノエチルベンゾエート、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、3、3'−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、2、4−ジメチルチオキサントン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2、2−ジメトキシ−1、2−ジフェニルエタン−1−オン、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、メチルベンゾイルフォルメート、1−フェニル−1、2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン、ビス(2、6−ジメトキシベンゾイル)−2、4、4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2、4、6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
(D)その他の成分
本発明にかかる樹脂組成物には、銀、白金、アルミニウム等の各種導電性金属粉末を追加してもよい。
本発明にかかる樹脂組成物において用いられる有機溶剤としては、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール類、エチルカルビトールアセテートなどのアルコールアセテート類などが挙げられる。有機溶剤としては、沸点が170℃以上、300℃以下のものが好ましい。170℃未満であると、樹脂組成物を塗布している最中に蒸発して、樹脂組成物の粘度が変化してしまう。一方で、300℃より高いと、沸点が高すぎて乾燥時に蒸発しない。
また、本発明にかかる樹脂組成物には、レオロジー調整の目的で、チキソトロピック剤、可塑剤、1分子中にヒドロキシル基を複数個有する多価アルコールなどを、さらに適宜添加してもよい。
前記チキソトロピック剤としては、一般に「増粘・ダレ止・沈降防止剤」や「ダレ止・沈降防止剤」と言われているものを使用でき、「増粘・ダレ止・沈降防止剤」としては、植物重合油系、ポリエーテル・エステル型界面活性剤、水添ひまし油系、水添ひまし油系とアマイド系の混合物、脂肪酸アマイドワックス系等が挙げられる。また、「ダレ止・沈降防止剤」としては、特殊脂肪酸系、硫酸エステル型・アニオン系界面活性剤、酸化ポリエチレン系、酸化ポリエチレン系とアマイド系の混合物等を使用できる。
また、その他、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ソーダ、カゼイン、カゼイン酸ソーダ、キサンタンガム、ポリエーテルワレン変成物、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、モンモタロナイト、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、オクチル酸アルミニウム、デキストリン脂肪酸エステル、ジベンジリデンソルビトール、植物系重合油、表面処理炭酸カルシウム、有機ベントナイト、シリカ、チタニア、ジルコニア、アルミナなどの微粉末をチキソトロピック剤として使用することが可能である。
また、可塑剤としては、ジメチルフタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ビス−2−エチルヘキシルフタレートなどのノルマルアルキルフタレート類、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジイソデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソノニルフタレート、エチルフタルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレートなどのフタル酸エステル類、トリ−2−エチルヘキシルトリメリテート、トリ−n−アルキルトリメリテート、トリイソノニルトリメリテート、トリイソデシルトリメリテートなどのトリメリット酸エステル類、ジメチルアジペート、ジブチルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジブチルジグリコールアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアゼテート、ジメチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルマレート、アセチル−トリ−(2−エチルヘキシル)シトレート、アセチルトリブチルシトレート、アセチルトリブチルシトレートなどの脂肪酸二塩基酸エステル類、ポリエチレングリコールベンゾエート、トリエチレングリコール−ジ−(2−エチルヘキソエート)、ポリグリコールエーテルなどのグリコール誘導体、グリセロールトリアセテート、グリセロールジアセチルモノラウレートなどのグリセリン誘導体、セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、フタル酸などからなるポリエステル類、分子量300〜3000の低分子量ポリエーテル、同低分子量ポリ―α―スチレン、同低分子量ポリスチレン、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェートなどの正リン酸エステル類、メチルアセチルリシノレートなどのリシノール酸エステル類、ポリ−1,3−ブタンジオールアジペートなどのポリエステル、エポキシ化大豆油などのエポキシ化エステル類、グリセリントリアセテート、2−エチルヘキシルアセテートなどの酢酸エステル類などが挙げられる。
また、多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ブテンジオール、ヘキサメチレングリコール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン、トレイトール、エリトリトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、アドニトール、グルシトール、マンニトール、イジトール、タリトール、ガラクチトール、マリトール、ペルセイトール、ボレミトールなどが挙げられる。
本発明にかかる樹脂組成物には、焼成後における、基板との密着力を向上する目的で、ガラス粉末やセラミック粉末等を含有してもよい。
前記ガラス粉末としては、ホウ珪酸系ガラス粉末等の公知のガラス粉末を使用できる。より具体的には、SiO2−PbO系、SiO2−ZnO系、SiO2−Bi23系、SiO2−K2O系、SiO2−Na2O系、SiO2−PbO−B23系、SiO2−ZnO−B23系、SiO2−Bi23−B23系、SiO2−K2O−B23系、SiO2−Na2O−B23系等のものを使用することができる。
また、前記セラミック粉末としては、結晶化ガラス系、ガラス複合系、非ガラス系の公知のセラミック粉末を使用できる。より具体的には、Al、Ba、Ti、Sr、Pb、Zr、Mn、Co、Ni、Fe、Y、Nb、La及びRuからなる群より選ばれる少なくとも1種の酸化物等を使用することができる。
また、本発明にかかる樹脂組成物には、必要に応じて、消泡剤、分散剤、染料、顔料、界面活性剤、重合禁止剤、剥離剤などが含有されていてもよい。
さらに、本発明にかかる樹脂組成物が光反応性樹脂組成物である場合には、紫外線吸収剤が含まれていることが好ましい。紫外線吸収剤を含むことによって、露光光線の吸収性を向上できると同時に光散乱による露光不良を最小限に抑えることができる。紫外線吸収剤としては、アゾ系赤色顔料、アミン系赤色染料等が挙げられる。
実施形態4
以下、本実施形態にかかる樹脂組成物について説明する。本実施形態に係る樹脂組成物は、以下に示す(A)卑金属粉末、(B)酸性官能基を有する樹脂を混合して作製することができる。また、必要に応じて(C)光反応性有機成分、(D)その他の成分を添加してもよい。材料(B)〜(D)については、実施形態3と同様のものを用いることができるため、(A)についてのみ以下に説明する。
(A)卑金属粉末
本実施形態にかかる樹脂組成物に用いられる卑金属粉末を示す図として、図2を援用して説明する。
図2に示すように、卑金属粉末は4、卑金属粉末4の表面が酸化されて酸化皮膜5に被覆され、酸化皮膜5が、塩基性卑金属化合物でなく、酸性官能基と反応せず、さらに樹脂組成物の構成成分に実質的に溶解しない物質からなる被覆処理膜6に被覆されている。
この構造を有する卑金属粉末4は、卑金属粉末4の表面が露出しにくい。そのメカニズムは実施形態2に記載したものと同じである。そのため、この卑金属粉末4と酸性官能基を有する樹脂とを含む樹脂組成物において、卑金属粉末4と樹脂中の酸性官能基との反応を抑制し、樹脂組成物のゲル化を抑制することができる。
卑金属粉末4としては、銅、ニッケル、モリブデン、タングステンなどを用いることができる。
卑金属粉末4は、球状で、比表面積が0.1〜2m2/gであり、かつレーザー方式粒度分布計によって測定された粉末粒径D50が1〜5μm、粉末粒径D99が20μm以下のものであることが好ましい。この範囲にある卑金属粉末4を用いて樹脂組成物を作製し、導体パターンを形成すると、良好な導体パターンを形成することができる。
酸化皮膜5は、卑金属粉末4の酸素含有量が、表面酸化処理を行う前と比較して、0.05〜2重量%増加されたものであることが好ましい。0.05重量%未満であると、緻密な酸化皮膜5が形成されず、表面酸化処理によりゲル化を抑制することができない。一方、2重量%を超えると、酸化皮膜5が膨潤してもろくなり、表面酸化処理によりゲル化を抑制することができない。
被覆処理膜6を形成する被覆処理物質は、塩基性卑金属化合物でなく、酸性官能基と反応せず、さらに樹脂組成物の構成成分に実質的に溶解しない物質である。
被覆処理物質が樹脂組成物の構成成分に溶解する場合には、樹脂組成物中でしだいに被覆処理物質が溶解し、酸化皮膜5の剥離を防止することができなくなり、卑金属粉末4が露出しやすくなる。実質的に溶解しないとは、酸化皮膜5が剥離して卑金属粉末4が露出しない程度である。
また、被覆処理物質が酸性官能基と反応すると、被覆処理膜6自身が樹脂中の酸性官能基と反応し、樹脂組成物がゲル化する。また、被覆処理物質が塩基性卑金属化合物であると、卑金属粉末4に対する密着力が弱く、被覆処理膜6が剥離したのちに酸化皮膜5が剥離し、卑金属粉末4と樹脂中の酸性官能基とが反応して樹脂組成物がゲル化する。
被覆処理物質としては、例えば、銀、金、白金などの貴金属類や、二酸化ケイ素、チタニア、ほう珪酸系ガラスなどのガラス及び/又はセラミック系素材、といった無機物質のほか、ポリビニルアルコールなどの有機物質を使用することができる。有機物質を使用する場合には、樹脂組成物の構成成分に実質的に溶解しないものを選択するよう、特に注意する必要がある。例えば、樹脂組成物の構成成分として水などが含まれている場合は、ポリビニルアルコールは溶解するため用いることができない。
また、被覆処理物質は、卑金属粉末1に、2〜500nmの厚みで被覆されていることが好ましい。2nm未満であると、十分に酸化皮膜の剥離を防止できないため、ゲル化を十分に抑制することができない。一方、500nmを超えると、卑金属粉末4の凝集が発生し、パターン形成が困難になる。
本発明にかかる卑金属粉末4は、例えば、以下の方法により作製することができる。
まず、卑金属粉末4に表面酸化処理を行う。表面酸化処理を行う方法は実施形態1に記載したものと同様である。
次に、表面酸化処理を経た卑金属粉末4に、塩基性卑金属化合物でなく、酸性官能基と反応せず、さらに樹脂組成物の構成成分に実質的に溶解しない物質により被覆処理を行う。被覆処理を行う方法は実施形態1に記載したものと同様である。
実施形態5
以下、本実施形態にかかる樹脂組成物を用いたモジュール用回路基板の製造方法について、その一実施形態を説明する。図3は、本実施形態にかかる回路基板の製造方法を示す工程断面図である。
まず、基板11の一方主面上に、実施形態3または実施形態4にかかる樹脂組成物を、所定形状に塗布したのちに乾燥させ、図3(a)に示すように、導体パターン14aを形成する。基板11としては、例えば、アルミナ基板などを用いることができる。また、樹脂組成物を塗布する手段としては、例えば、スクリーン印刷などを用いることができる。
次に、熱処理により、導体パターン14aに含まれる卑金属粉末を焼結させ、図3(b)に示すように、基板11の一方主面上に配線導体14を形成する。以上の工程を経て、回路基板10が作製される。
本実施例における焼成後の樹脂組成物中の焼成残存物の体積分率は、樹脂組成物の焼結性等を向上できることから、30%以上、89%以下であることが望ましい。体積分率が30%未満であると、焼成時に体積収縮が激しくなり、例えば、パターンを形成した時には断線が発生することがある。他方、体積分率が89%を超えると、形成した構造物自体の強度が極めて弱くなり、焼成時に構造物が壊れてしまうことがある。なお、本発明において、前記焼成残存物の体積分率は、前記樹脂組成物のうち、乾燥時に除去される成分(有機溶剤など)を除いた固形分中に含まれる、焼成後に残存する無機成分の体積分率を意味する。
本実施形態における回路基板は、チップコイルの他、チップコンデンサ、チップLCフィルタ等の回路素子用基板や、VCO(Voltage Controlled Oscillator)やPLL(Phase Locked Loop)等のモジュール用基板などに用いることができる。
実施形態6
以下、本実施形態にかかる樹脂組成物を用いたモジュール用回路基板の製造方法について、その一実施形態を説明する。図4は、本実施形態にかかる回路基板の製造方法を示す工程断面図である。
まず、図4(a)に示すように、基板21の一方主面上に、実施形態3または実施形態4にかかる光反応性樹脂組成物22を塗布する。基板21としては、例えば、アルミナ基板などを用いることができる。また、光反応性樹脂組成物22を塗布する手段としては、例えば、スクリーン印刷やスピンコーターなどを用いることができる。
次に、図4(b)に示すように、光反応性樹脂組成物22上に所定形状のフォトマスク23を当接させ、露光する。露光手段としては、例えば、高圧水銀灯やメタルハライドランプなどを用いることができる。
次に、図4(c)に示すように、アルカリ水溶液により光反応性樹脂組成物22を現像し、水など、中性の洗浄液により洗浄した後、乾燥させることで、導体パターン24aを形成する。この際、洗浄液に界面活性剤水溶液を使用することで、現像残さを有効に除去することができる。界面活性剤としては、ポリエチレンオキサイドアルキルフェニルエーテルやポリオキシアルキレンアルキルエーテルなどの非イオン性界面活性剤を使用することができ、疎水性、親水性を適宜コントロールすることで、現像残さを有効に除去することができる。アルカリ水溶液としては、例えば、炭酸ナトリウム水溶液やモノエタノールアミン水溶液、トリエタノールアミン水溶液などを用いることができる。
次に、熱処理により、導体パターン24aに含まれる卑金属粉末を焼結させ、図4(d)に示すように、基板21の一方主面上に配線導体24を形成する。以上の工程を経て、回路基板20が作製される。
本実施例における焼成後の樹脂組成物中の焼成残存物の体積分率は、樹脂組成物の焼結性等を向上できることから、30%以上、89%以下であることが望ましい。体積分率が30%未満であると、焼成時に体積収縮が激しくなり、例えば、パターンを形成した時には断線が発生することがある。他方、体積分率が89%を超えると、形成した構造物自体の強度が極めて弱くなり、焼成時に構造物が壊れてしまうことがある。なお、本発明において、前記焼成残存物の体積分率は、前記樹脂組成物のうち、乾燥時に除去される成分(有機溶剤など)を除いた固形分中に含まれる、焼成後に残存する無機成分の体積分率を意味する。
本実施形態における回路基板は、チップコイルの他、チップコンデンサ、チップLCフィルタ等の回路素子用基板や、VCO(Voltage Controlled Oscillator)やPLL(Phase Locked Loop)等のモジュール用基板などに用いることができる。
実施形態7
以下、本発明に係る樹脂組成物を用いたモジュール用回路基板の製造方法について、その他の実施形態を説明する。図5は、本実施形態にかかる回路基板の製造方法を示す工程断面図である。
まず、図5(a)に示すように、支持体35上に実施形態3または実施形態4にかかる光反応性樹脂組成物32を塗布する。支持体35としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムやポリエチレンテレナフタレート(PEN)フィルムなどを用いることができる。なお、光反応性樹脂組成物32は基板に塗布されてもよい。
次に、光反応性樹脂組成物32を乾燥させた後、図5(b)に示すように、光反応性樹脂組成物32上に所定形状のフォトマスク33を当接させ、露光する。次に、図5(c)に示すように、アルカリ水溶液により光反応性樹脂組成物32を現像し、水など、中性の洗浄液により洗浄した後、乾燥させることで、導体パターン34aを形成する。この際、洗浄液に界面活性剤水溶液を使用することで、現像残さを有効に除去することができる。界面活性剤としては、ポリエチレンオキサイドアルキルフェニルエーテルやポリオキシアルキレンアルキルエーテルなどの非イオン性界面活性剤を使用することができ、疎水性、親水性を適宜コントロールすることで、現像残さを有効に除去することができる。
次に、図5(d)に示すように、基板31の一方主面と導体パターン34aとが接するようにして、基板31上に支持体35を配置し、圧着する。次に、基板
31から支持体35を剥離し、図5(e)に示すように、基板31の一方主面上に導体パターン34aを転写する。
次に、熱処理により、導体パターン34aに含まれる卑金属粉末を焼結させ、図5(f)に示すように、基板31の一方主面上に配線導体34を形成する。以
上の工程を経て、回路基板30が作製される。なお、その他の構成や工程については、実施形態6と同様であるため説明を省略する。
本実施形態における回路基板の製造方法により作製される回路基板は、チップコイルの他、チップコンデンサ、チップLCフィルタ等の回路素子用基板や、VCO(Voltage Controlled Oscillator)やPLL(Phase Locked Loop)等のモジュール用基板などに用いることができる。
実施形態8
以下、本発明に係る樹脂組成物を用いたセラミック多層基板の製造方法について、その一実施形態を説明する。図6は、本実施形態にかかるセラミック多層基板の製造方法を示す工程断面図である。
まず、図6(a)に示すように、実施形態7と同様にして、支持体45上に導体パターン44aを形成する。
次に、図6(b)に示すように、セラミックグリーンシート46aの一方主面と導体パターン44aとが接するようにして、セラミックグリーンシート46a上に支持体45を配置し、圧着する。次に、セラミックグリーンシート46aから支持体45を剥離し、図6(c)に示すように、セラミックグリーンシート46aの一方主面上に導体パターン44aを転写する。セラミックグリーンシート46aとしては、例えば、アルミナ粉末およびホウケイ酸ガラス粉末を有機ビヒクルに混合してなるセラミックスラリーを、シート状に成形したものを用いることができる。
次に、図6(d)に示すように、導体パターン44aが転写されたセラミックグリーンシート46aを複数枚積層、圧着し、積層体40aが作製される。なお、一部のセラミックグリーンシート46aには厚み方向に貫通孔が形成され、その中にビア導体用の導電性ペースト48aが充填されている。
次に、積層体40aを焼成し、図6(e)に示すように、複数のセラミック層46、配線導体44、およびビア導体48を備えるセラミック多層基板40が作製される。
なお、本実施形態におけるセラミック多層基板の製造方法においては、セラミックグリーンシート上に導体パターンを形成する方法は上記の方法に限られず、例えば、光反応性樹脂組成物を含有しない樹脂組成物を用いて、セラミックグリーンシート上にスクリーン印刷を用いて樹脂組成物を所定形状に塗布したのちに、乾燥させて形成してもよい。
本実施形態におけるセラミック多層基板の製造方法により作製されるセラミック多層基板は、チップコイルの他、チップコンデンサ、チップLCフィルタ等の回路素子用基板や、VCO(Voltage Controlled Oscillator)やPLL(Phase Locked Loop)等のモジュール用基板などに用いることができる。
以下、本発明の実施例を示して、本発明をさらに詳細に説明する。
(1)樹脂組成物の作製
本実施例において、樹脂組成物の作製に使用する各材料は、以下のものである。
A.卑金属粉末
銅粉末Z(酸素含有量0.15重量%、球状、粉末粒径D50が3μm、粉末粒径D99が6μm)に対して種々の処理を施すことにより、酸性官能基を有する樹脂、光反応性有機成分、その他有機成分に溶解しない各種物質を表面に被覆した、銅粉末P〜Sを作製した。その詳細は以下のとおりである。
銅粉末P:銅粉末Zをポリビニルアルコール(重合度約2000)の水溶液と混合し、吸引ろ過後、真空乾燥することによって、ポリビニルアルコール(PVA)を厚み45nmで、粒子表面に被覆したもの。酸素含有量0.55重量%、球状、粉末粒径D50が3μm、粉末粒径D99が6μm。
銅粉末Q:銅粉末Zを銀メッキ処理することによって、銀を厚み40nmで、粒子表面に被覆したもの。酸素含有量0.12重量%、球状、粉末粒径D50が3μm、粉末粒径D99が6μm。
銅粉末R:銅粉末Zをポリビニルアルコール(重合度約2000)の水溶液と混合し、吸引ろ過後、真空乾燥することによって、ポリビニルアルコールを厚み1nmで粒子表面に被覆したもの。酸素含有量0.18重量%、球状、粉末粒径D50が3μm、粉末粒径D99が6μm。
銅粉末S:銅粉末Zをポリビニルアルコール(重合度約2000)の水溶液と混合し、吸引ろ過後、真空乾燥することによって、ポリビニルアルコールを厚み10nmで粒子表面に被覆したもの。酸素含有量0.25重量%、球状、粉末粒径D50が3μm、粉末粒径D99が6μm。
また、噴霧熱分解法により、粒子表面に対して二酸化ケイ素を厚み40nmで被覆した、球状の銅粉末Tを作製した。銅粉末Tの酸素含有量は1.60重量%、粉末粒径D50は3μm、粉末粒径D99は6μmである。
上記銅粉末Z、P〜Tを、空気中、120℃・70RH%下において放置することで表面酸化処理することにより、銅粉末A〜Kを作製した。
上記銅粉末A〜K、P〜T、Zの詳細を表1に示す。なお、銅粉末A〜Kは、いずれも球状で、粉末粒径D50が3μm、粉末粒径D99が6μmである。
また、上記方法で作製した銅粉末Kに対して銀メッキ処理を行うことにより、銅粉末L(酸素含有量0.40重量%、球状、銀被覆厚み20nm、粉末粒径D50が3μm、粉末粒径D99が6μm)を作製した。
Figure 2006037142
B.酸性官能基を有する樹脂
1.樹脂:メタクリル酸/メタクリル酸メチル共重合体、MW=40000、酸価=120
D.その他の成分
1.有機溶剤
有機溶剤A:ジプロピレングリコールモノメチルエーテル
有機溶剤B:ペンタメチレングリコール
2.多価アルコール:グルシトール
3.チクソトロピック剤:ディスパロン3600N(楠本化成製)、固形分濃度50%
4.分散剤:フローレンG600(共栄社化学製)、固形分濃度50%
上記各材料を表2および3のように調合・混合した。次いで、フィードニップのギャップを7μmに調節し、各混合物に対して3本ロールミルによる練肉を行った。この際、フィードニップのギャップは、フィードロールに残る各混合物の厚みを、25μmロータリーゲージで測定することにより知ることができる。
次いで、スキージゴムで各練肉物をフルイに裏ごしすることによってフルイ通しを行い、樹脂組成物の試料1〜18を作製した。フルイには、795メッシュ綾織スクリーンを、45°角度を変えて2重に張ったフルイを使用した。
(2)組成物寿命の測定
ここで、試料1〜17の樹脂組成物(試料18は従来技術である)について、温度20℃下、空気中にて、作製直後、1日後、3日後、1週間後、2週間後、3週間後、4週間後、5週間後の各時点で、その保存状態を測定する。その結果を表2および3にまとめる。なお、表中、組成物寿命とは、樹脂組成物の各試料がゲル化せず、スクリーン印刷による塗布が可能な状態となっている保存日数のことである。例えば、「>35」は35日を超えてもゲル化しなかったことを表している。
Figure 2006037142
Figure 2006037142
PVA、銀、二酸化ケイ素といった、塩基性卑金属化合物でなく、酸性官能基と反応せず、さらに樹脂組成物の構成成分に実質的に溶解しない各種物質を被覆した後、表面酸化処理を行った銅粉末を使用した、試料1〜10の樹脂組成物が、いずれも21日以上の組成物寿命を有しているのに対して、各種物質を被覆するのみで表面酸化処理を行っていない銅粉末を使用した、試料13〜17の樹脂組成物では、組成物寿命が1日しかないことがわかる。また、表面酸化処理を行うのみで各種物質を被覆していない銅粉末を使用した、試料11の樹脂組成物では、組成物寿命が7日しかないことがわかる。表面酸化処理を行った後で、各種物質を被覆した銅粉末を使用した、試料12の樹脂組成物では、14日の組成物寿命を有していることがわかる。
また、酸素含有量が、表面酸化処理前の銅粉末と比較して、0.05〜2重量%増加しており、かつ、各種物質が2nm以上の厚みで被覆されている銅粉末を使用した、試料1〜3、5〜7、10の樹脂組成物が、いずれも35日を超える組成物寿命を有しているのに対して、表面酸化処理前の銅粉末に対する酸素増加量が0.05〜2重量%の範囲を外れている、もしくは各種物質の被覆厚みが2nm未満の銅粉末を使用した、試料4、8、9の樹脂組成物では、組成物寿命が21〜28日しかないことがわかる。
(3)銅パターンが形成されたアルミナ基板の作製
まず、アルミナ基板上に、試料1〜10、12の樹脂組成物による、ライン/スペース(L/S)=100/100(μm)、厚み10μmのパターンを、スクリーン印刷、100℃にて1時間乾燥することによって形成した。
そして、脱脂処理を施した後、900℃下、N2中で焼成することにより、L/S=80/120(μm)、厚み8μmの焼結銅パターンが形成された、アルミナ基板が得られた。
以下、本発明の実施例を示して、本発明をさらに詳細に説明する。
(1)セラミックグリーンシートの作製
ホウ珪酸系ガラス粉末37.3g、アルミナ粉末24.9g、メタクリル酸/メタクリル酸メチルの共重合割合が重量基準で25/75の共重合体(重量平均分子量=50,000)6.2g、エタノール3.1g、および、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル0.5gを混合して得られたスラリーを、ドクターブレード法によってシート状に成形し、100℃にて1時間乾燥させてシート厚み30μmのセラミックグリーンシートを作製した。
(2)光反応性樹脂組成物の作製
A.卑金属粉末 実施例1と同じものを用いる。
B.酸性官能基を有する樹脂
1.樹脂:メタクリル酸/メタクリル酸メチルを共重合させたのち、メタクリル酸に対して0.2倍モル量のエポキシシクロヘキシルメチルメタクリレートを付加反応させた、エチレン性不飽和2重結合含有アクリル系共重合体MW=20000、酸価=118
C.光反応性有機成分
1.モノマー:エトキシ変性トリメチロールプロパントリアクリレート
2.光反応開始剤
開始剤A:2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン
開始剤B:2,4−ジエチルチオキサントン
D.その他の成分
1.有機溶剤
有機溶剤A:ジプロピレングリコールモノメチルエーテル
有機溶剤B:ペンタメチレングリコール
2.多価アルコール:グルシトール
3.チクソトロピック剤:ディスパロン3600N(楠本化成製)、固形分濃度50%
4.分散剤:フローレンG600(共栄社化学製)、固形分濃度50%
5.紫外線吸収剤:アゾ系染料
上記各材料を表4および5のように調合・混合した。次いで、フィードニップのギャップを7μmに調節し、各混合物に対して3本ロールミルによる練肉を行う。この際、フィードニップのギャップは、フィードロールに残る各混合物の厚みを、25μmロータリーゲージで測定することにより知ることができる。
次いで、スキージゴムで各練肉物をフルイに裏ごしすることによってフルイ通しを行い、光反応性樹脂組成物の試料21〜38を作製した。フルイには、795メッシュ綾織スクリーンを、45°角度を変えて2重に張ったフルイを使用した。
(3)組成物寿命の測定
ここで、試料21〜37(試料38は従来技術である)の光反応性樹脂組成物について、温度20℃下、空気中にて、作製直後、1日後、3日後、1週間後、2週間後、3週間後、4週間後、5週間後の各時点で、その保存状態を測定した。その結果を表4および5にまとめる。なお、表中、組成物寿命とは、光反応性樹脂組成物の各試料がゲル化せず、スクリーン印刷による塗布が可能な状態となっている保存日数のことである。例えば、「>35」は35日を超えてもゲル化しなかったことを表している。
Figure 2006037142
Figure 2006037142
PVA、銀、二酸化ケイ素といった、塩基性卑金属化合物でなく、酸性官能基と反応せず、さらに光反応性樹脂組成物の構成成分に実質的に溶解しない各種物質を被覆した後、表面酸化処理を行った銅粉末を使用した、試料21〜30の光反応性樹脂組成物が、いずれも21日以上の組成物寿命を有しているのに対して、各種物質を被覆するのみで表面酸化処理を行っていない銅粉末を使用した、試料33〜37の光反応性樹脂組成物では、組成物寿命が1日しかないことがわかる。また、表面酸化処理を行うのみで各種物質を被覆していない銅粉末を使用した、試料31の光反応性樹脂組成物では、組成物寿命が7日しかないことがわかる。表面酸化処理を行った後で、各種物質を被覆した銅粉末を使用した、試料32の光反応性樹脂組成物では、14日の組成物寿命を有していることがわかる。
また、酸素含有量が、表面酸化処理前の銅粉末と比較して、0.05〜2重量%増加しており、かつ、各種物質が2nm以上の厚みで被覆されている銅粉末を使用した、試料21〜23、25〜27、30の光反応性樹脂組成物が、いずれも35日を超える組成物寿命を有しているのに対して、表面酸化処理前の銅粉末に対する酸素増加量が0.05〜2重量%の範囲を外れている、もしくは各種物質の被覆厚みが2nm未満の銅粉末を使用した、試料24、28、29の光反応性樹脂組成物では、組成物寿命が21〜28日しかないことがわかる。
(4)銅パターンが形成された多層アルミナ基板の作製
まず、試料21〜30、32の光反応性樹脂組成物を、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にスクリーン印刷によって塗布し、これを100℃にて1時間乾燥して、10μm厚のセラミックグリーンシートを形成した。
次に、得られた塗膜に露光処理を行った。ここでは、ライン/スペース(L/S)=20/20(μm)のパターンが描画されたマスクを通して、高圧水銀灯からの活性光線を、500mJ/cm2の露光量で照射した。
その後、炭酸ナトリウム水溶液による現像処理を行ったのち、アデカノールB−714(旭電化工業製)の5重量%水溶液で洗浄処理を行うことにより、前記PETフィルム1上にL/S=20/20(μm)のパターンを形成した。
次いで、この銅パターンつきPETフィルムのパターン形成面を、(1)で作製したセラミックグリーンシートと重ね合わせ、10MPa、60℃の条件下で1分間熱プレスを行った。
その後、セラミックグリーンシートからPETフィルムを剥離し、セラミックグリーンシート上にパターンを転写、形成した。
さらに、同様の方法でパターン形成されたセラミックグリーンシートを5枚作成した。次いで、これらのセラミックグリーンシートを重ね合わせ、200MPa、60℃の条件下で1分間熱プレスを行った。そして、脱脂処理を施した後、900℃下、N2中で焼成することにより、L/S=10/30(μm)の焼結銅パターンが表層、内層に形成された、多層アルミナ基板が得られた。
実施形態1における卑金属粉末を模式的に示す断面図である。 実施形態2における卑金属粉末を模式的に示す断面図である。 実施形態5における回路基板の製造方法を示す工程断面図である。 実施形態6における回路基板の製造方法を示す工程断面図である。 実施形態7における回路基板の製造方法を示す工程断面図である。 実施形態8におけるセラミック多層基板の製造方法を示す工程断面図である。
符号の説明
1、4 卑金属粉末
2、6 被覆処理膜
3、5 酸化皮膜
10 回路基板
11 基板
14a 導体パターン
22 樹脂組成物
35 支持体
40 セラミック多層基板
40a 積層体
46a セラミックグリーンシート

Claims (13)

  1. 内部が卑金属であり、表面が、塩基性卑金属化合物でなく、酸性官能基と反応せず、さらに有機溶剤に実質的に溶解しない物質からなる被覆処理膜と、前記卑金属の酸化皮膜とにより被覆されている卑金属粉末。
  2. 表面のほぼ全域が前記被覆処理膜に被覆され、前記卑金属粉末の表面のうち、前記被覆処理膜に被覆されずに露出している部分が前記酸化皮膜に被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の卑金属粉末。
  3. 表面が前記酸化皮膜に被覆され、前記酸化皮膜の表面のほぼ全域が前記被覆処理膜に被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の卑金属粉末。
  4. 前記卑金属粉末が、銅、ニッケル、モリブデン、タングステンであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の卑金属粉末。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の卑金属粉末と、酸性官能基を有する樹脂と、を含有する樹脂組成物であって、
    前記卑金属粉末を被覆する前記被覆処理膜が、さらに前記樹脂組成物の構成成分に実質的に溶解しない樹脂組成物。
  6. 光反応性有機成分をさらに含むことを特徴とする、請求項5に記載の樹脂組成物。
  7. 卑金属粉末に、塩基性卑金属化合物でなく、酸性官能基と反応せず、さらに有機溶剤に実質的に溶解しない物質、により被覆処理を行い被覆処理膜を形成する第1の工程と、
    前記被覆処理を経た前記卑金属粉末に表面酸化処理を行う第2の工程と、
    を備える卑金属粉末の製造方法。
  8. 卑金属粉末に、表面酸化処理を行う第1の工程と、
    前記表面酸化処理を経た前記卑金属粉末に、塩基性卑金属化合物でなく、酸性官能基と反応せず、さらに有機溶剤に実質的に溶解しない物質、により被覆処理を行い被覆処理膜を形成する第2の工程と、
    を備える卑金属粉末の製造方法。
  9. 卑金属粉末に、塩基性卑金属化合物でなく、酸性官能基と反応せず、さらに樹脂組成物の構成成分に実質的に溶解しない物質、により被覆処理を行い被覆処理膜を形成する第1の工程と、
    前記被覆処理を経た前記卑金属粉末に表面酸化処理を行う第2の工程と、
    前記第1、第2の工程を経た卑金属粉末と、酸性官能基を有する樹脂とを混合する第3の工程と、
    を備える樹脂組成物の製造方法。
  10. 卑金属粉末に、表面酸化処理を行う第1の工程と、
    前記表面酸化処理を経た前記卑金属粉末に、塩基性卑金属化合物でなく、酸性官能基と反応せず、さらに樹脂組成物の構成成分に実質的に溶解しない物質、により被覆処理を行い被覆処理膜を形成する第2の工程と、
    前記第1、第2の工程を経た卑金属粉末と、前記酸性官能基を有する樹脂とを混合する第3の工程と、
    を備える樹脂組成物の製造方法。
  11. 前記第3の工程において、光反応性有機成分をさらに混合することを特徴とする、請求項9または10のいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
  12. 請求項5または6のいずれかに記載の樹脂組成物を用いて、基板上に導体パターンを形成する工程と、
    前記導体パターンを焼成する工程と、
    を備える回路基板の製造方法。
  13. 請求項5または6に記載の樹脂組成物を用いて、セラミックグリーンシート上に導体パターンを形成する工程と、
    前記導体パターンが形成されたセラミックグリーンシートを積層して積層体を形成する工程と、
    前記積層体を焼成する工程と、
    を備えるセラミック多層基板の製造方法。
JP2004215980A 2004-07-23 2004-07-23 卑金属粉末、樹脂組成物、卑金属粉末の製造方法、樹脂組成物の製造方法、回路基板の製造方法、およびセラミック多層基板の製造方法 Active JP4466250B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004215980A JP4466250B2 (ja) 2004-07-23 2004-07-23 卑金属粉末、樹脂組成物、卑金属粉末の製造方法、樹脂組成物の製造方法、回路基板の製造方法、およびセラミック多層基板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004215980A JP4466250B2 (ja) 2004-07-23 2004-07-23 卑金属粉末、樹脂組成物、卑金属粉末の製造方法、樹脂組成物の製造方法、回路基板の製造方法、およびセラミック多層基板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006037142A true JP2006037142A (ja) 2006-02-09
JP4466250B2 JP4466250B2 (ja) 2010-05-26

Family

ID=35902452

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004215980A Active JP4466250B2 (ja) 2004-07-23 2004-07-23 卑金属粉末、樹脂組成物、卑金属粉末の製造方法、樹脂組成物の製造方法、回路基板の製造方法、およびセラミック多層基板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4466250B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008063449A (ja) * 2006-09-07 2008-03-21 Hitachi Ltd ポリマーナノコンポジット材料、その製造方法電子部品装置およびその製造方法
JP2010091026A (ja) * 2008-10-09 2010-04-22 Ntn Corp ロッカアームアッシー
JP2013110010A (ja) * 2011-11-22 2013-06-06 Asahi Glass Co Ltd 導電ペーストおよび導電ペーストの調製方法
WO2015151892A1 (ja) * 2014-03-31 2015-10-08 東洋紡株式会社 感光性導電ペースト、導電性薄膜、電気回路、及びタッチパネル
JP2015183291A (ja) * 2014-03-26 2015-10-22 三井金属鉱業株式会社 銀被覆銅粉及びこれを用いた導電性ペースト
JP2019168575A (ja) * 2018-03-23 2019-10-03 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 感光性組成物とその利用

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000106035A (ja) * 1998-09-30 2000-04-11 Kyocera Corp 導電性ペースト組成物及びそれを用いた積層セラミックコンデンサの製造方法、並びに積層セラミックコンデンサ
JP2000345201A (ja) * 1999-05-31 2000-12-12 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd 複合銅微粉末及びその製造方法
JP2002169273A (ja) * 2000-11-30 2002-06-14 Murata Mfg Co Ltd 感光性銅ペースト及びそれを用いた回路基板
WO2005123307A1 (ja) * 2004-06-16 2005-12-29 Toho Titanium Co., Ltd. ニッケル粉末およびその製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000106035A (ja) * 1998-09-30 2000-04-11 Kyocera Corp 導電性ペースト組成物及びそれを用いた積層セラミックコンデンサの製造方法、並びに積層セラミックコンデンサ
JP2000345201A (ja) * 1999-05-31 2000-12-12 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd 複合銅微粉末及びその製造方法
JP2002169273A (ja) * 2000-11-30 2002-06-14 Murata Mfg Co Ltd 感光性銅ペースト及びそれを用いた回路基板
WO2005123307A1 (ja) * 2004-06-16 2005-12-29 Toho Titanium Co., Ltd. ニッケル粉末およびその製造方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008063449A (ja) * 2006-09-07 2008-03-21 Hitachi Ltd ポリマーナノコンポジット材料、その製造方法電子部品装置およびその製造方法
JP2010091026A (ja) * 2008-10-09 2010-04-22 Ntn Corp ロッカアームアッシー
JP2013110010A (ja) * 2011-11-22 2013-06-06 Asahi Glass Co Ltd 導電ペーストおよび導電ペーストの調製方法
JP2015183291A (ja) * 2014-03-26 2015-10-22 三井金属鉱業株式会社 銀被覆銅粉及びこれを用いた導電性ペースト
WO2015151892A1 (ja) * 2014-03-31 2015-10-08 東洋紡株式会社 感光性導電ペースト、導電性薄膜、電気回路、及びタッチパネル
JP2019168575A (ja) * 2018-03-23 2019-10-03 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 感光性組成物とその利用
JP7043306B2 (ja) 2018-03-23 2022-03-29 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 感光性組成物とその利用

Also Published As

Publication number Publication date
JP4466250B2 (ja) 2010-05-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3674501B2 (ja) 感光性銅ペースト、銅パターンの形成方法、及びセラミック多層基板の製造方法
JP3614152B2 (ja) 感光性導電ペースト、それを用いた回路基板及びセラミック多層基板の製造方法
JP4563199B2 (ja) インクジェット印刷可能厚膜フィルムインク組成物および方法
JP4468314B2 (ja) 厚膜回路パターニング方法
JP2597453B2 (ja) 有機高分子膜にパタンを作成する方法
JP6540711B2 (ja) 感光性導電ペースト、および、それを用いた積層型電子部品の製造方法
JP3757886B2 (ja) 光反応性樹脂組成物、それを用いた回路基板およびセラミック多層基板の製造方法
CN111954847A (zh) 感光性导电糊剂以及使用其的形成有图案的生片的制造方法
JP4303110B2 (ja) フォトスピード促進剤を含有する水性現像可能な光画像形成性厚膜組成物
JP4466250B2 (ja) 卑金属粉末、樹脂組成物、卑金属粉末の製造方法、樹脂組成物の製造方法、回路基板の製造方法、およびセラミック多層基板の製造方法
JP3360378B2 (ja) セラミックス・グリーンシート上にパターンを形成する方法
JP3726627B2 (ja) 感光性導体ペーストならびに電子部品、電子装置
WO1994001377A1 (en) Ceramic green sheet
JP2002333719A (ja) パターン形成用支持体、ペースト組成物、及びそれを用いたパターン形成方法
JP3975932B2 (ja) 光反応性樹脂組成物、回路基板の製造方法、およびセラミック多層基板の製造方法
JP3985493B2 (ja) 感光性ペースト、それを用いた回路基板およびセラミック多層基板の製造方法
JP2022103158A (ja) 感光性組成物とその利用
TWI780277B (zh) 感光性組成物、複合體、電子零件及電子零件的製造方法
JP2020160376A (ja) 感光性組成物とその利用
JP4639411B2 (ja) ペースト組成物、電子部品およびセラミックグリーンシート、ならびに多層セラミック基板の製造方法
JP2002333718A (ja) パターン形成用支持体、ペースト組成物、及びそれを用いたパターン形成方法
JP4701520B2 (ja) 電子回路部品製造用水現像性感光性ペースト、ならびにそれを用いた電子回路部品における機能材料膜の形成方法、および多層セラミック基板の製造方法
KR102622934B1 (ko) 적층세라믹 전자부품 제조방법 및 이를 통해 구현된 적층세라믹 전자부품
JP2000272971A (ja) セラミックグリーンシート、セラミック基板及びセラミック多層基板の製造方法
WO2022191054A1 (ja) 感光性組成物とその利用

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070425

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090424

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090616

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20090728

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090811

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091016

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091209

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100202

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100215

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4466250

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130305

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130305

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140305

Year of fee payment: 4