JP3360378B2 - セラミックス・グリーンシート上にパターンを形成する方法 - Google Patents

セラミックス・グリーンシート上にパターンを形成する方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、焼成セラミックス基板
などの形成に好適に用いられるセラミックス・グリーン
シート上にパターンを形成する方法に関するものであ
る。セラミックス・グリーンシートとは、半導体素子を
搭載し、かつそれらを相互に配線した高密度実装などに
好適に用いられる焼成セラミックス基板、特に多層セラ
ミックス基板に好適に用いられるセラミックスで作製し
たグリーンシートであり、さらに、セラミックス多層基
板の内層用電極の微細な回路パターンおよび微細なヴィ
アホール形成に有効なグリーンシートのことである。
【0002】
【従来の技術】多層セラミックス基板は、主としてグリ
ーンシート積層法によって作製されている。グリーンシ
ート積層法は、導体を印刷し、ヴィアホール加工を済ま
せたグリーンシートを多数枚積層して熱圧着後、同時に
焼成して多層基板とする方法である。
【0003】従来のセラミックス・グリーンシートは、
特開平1−232797号公報や特開平2−14145
8号公報に記載のごとく、通常、セラミックス粉末、有
機バインダー、可塑剤、溶媒および必要に応じて分散剤
などを適宜配合した後、混合してスラリーとした後、得
られたスラリーをドクターブレード法などの公知の方法
によってグリーンシートを形成している。得られたグリ
ーンシートはカッターあるいは打抜き型によって所望の
形状に加工した後、さらにヴィアホールやスルーホール
(以下ヴィアホールで代表して説明する)を設けるため
グリーンシートにパンチ・ダイによる金型やレーザでの
穴あけ加工を行なう。つづいて、グリーンシートに通常
のスクリーン印刷法によってヴィアホール内に導電ペー
ストを充填する。
【0004】また、特開昭63−64953号公報およ
び特開平2−204356号公報には、セラミックス原
料、紫外線硬化型液状化合物および光重合開始剤を含有
する組成物に紫外線を照射して硬化させたセラミックス
・グリーンシートやガラスセラミックス・グリーンシー
トにビスアジド化合物を含むグリーンシートが提案され
ている。
【0005】一方、従来グリーンシート上に導体パター
ンを形成するには、導電ペーストを用いたスクリーン印
刷法が用いられてきたが、この方法ではL(線幅)/S
(幅間隔)=80μm/80μm以下の微細パターンの
形成は困難である。そこで、最近、フォトリソグラフィ
(写真製版技術)法を利用して微細な導体パターン形成
ができる感光性導電ペーストが提案されている。この感
光性導電ペーストは銅、金あるいはタングステンなどの
導電粉末、感光性樹脂、光重合開始剤、および溶媒など
を含んだ組成物のペーストからなる。このペーストを焼
成後のセラミックス基板などにスクリーン印刷法で塗布
した膜を乾燥後、回路パターンを有するフォトマスクを
用いて紫外線を照射し、露光部を硬化する。次に、現像
液を用いて未露光部の硬化していない部分を除去してパ
ターン形成する。しかしながら、焼成していないグリー
ンシート上に感光性導電ペーストを用いて導体パターン
を形成しようとする場合には、グリーンシートの耐薬品
性や耐溶解性が劣るため導電ペーストに含有する有機溶
媒とグリーンシート中のポリマーバインダーとが反応
し、現像時に未露光部の除去が非常に難しいという問題
があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は、セラミックス・グリーンシート上に感光性ペース
トを用いてフォトリソグラフィ法により良好なパターン
を形成する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
以下の(1)〜(3)の工程を含むことを特徴とするセ
ラミックス・グリーンシート上にパターンを形成する方
法により達成される。 (1)セラミックス粉末、光硬化性樹脂組成物および紫
外線吸光剤を含有するシートスラリー組成物を支持体上
に塗布、乾燥し、セラミックス・グリーンシートを作製
する工程、(2)該セラミックス・グリーンシートに紫
外線の照射と、ヴィアホールの形成を行なう工程、
(3)ヴィアホールの形成されたセラミックス・グリー
ンシート上に感光性ペーストを塗布、乾燥、選択的に露
光、現像することによりパターンを形成する工程。
【0008】すなわち、本発明はセラミックスで作製し
たグリーンシート自体に感光性を付与せしめることが重
要であり、感光性を付与したグリーンシートに紫外線を
照射して光硬化させた後、グリーンシート上に感光性ペ
ーストによりパターンを形成できるものである。
【0009】本発明の(1)工程において使用されるシ
ートスラリー組成物について説明する。シートスラリー
組成物は、セラミックス粉末、光硬化性樹脂組成物およ
び紫外線吸光剤を含有する。
【0010】本発明において使用されるセラミックス粉
末としては特に限定されず、低温焼成用など公知のセラ
ミック絶縁材料がいずれも適用できる。
【0011】本発明において使用されるセラミックス粉
末としては、セラミックス粉末単独、ガラス−セラミッ
クス複合系、結晶化ガラスなどがあげられる。
【0012】セラミックス粉末単独で用いる場合の例と
しては、アルミナ(Al2 3 )、ジルコニア(ZrO
2 )、マグネシア(MgO)、ベリリア(BeO)、ム
ライト(3Al2 3 ・2SiO2 ),コーディライト
(5SiO2 ・2Al2 3・2MgO)、スピネル
(MgO・Al2 3 )、フォルステライト(2MgO
・SiO2 )、アノーサイト(CaO・Al2 3 ・2
SiO2 )、セルジアン(BaO・Al2 3 ・2Si
2 )、シリカ(SiO2 )、クリノエンスタタイト
(MgO・SiO2 )、窒化アルミ(AlN)などの粉
末、あるいは低温焼成セラミックス粉末があげられる。
【0013】ガラス−セラミックス複合系の例として
は、例えばSiO2 、Al2 3 、CaO、B2 3
よび必要に応じてMgOおよびTiO2 などを含むガラ
ス組成粉末と、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、ベ
リリア、ムライト、コーディライト、スピネル、フォル
ステライト、アノーサイト、セルジアン、シリカおよび
窒化アルミの群から選ばれる少なくとも一種の無機フィ
ラー粉末との原料混合物があげられる。より好ましくは
セラミックス粉末が酸化物換算表記で SiO2 30〜70重量% Al2 3 5〜25重量% CaO 5〜25重量% MgO 0〜10重量% B2 3 3〜50重量% TiO2 0〜15重量% の組成範囲で、総量が95重量%以上となるガラス組成
粉末40〜60重量%と、アルミナ、ジルコニア、マグ
ネシア、ベリリア、ムライト、コーディライト、スピネ
ル、フォルステライト、アノーサイト、セルジアン、シ
リカおよび窒化アルミの群から選ばれた少なくとも一種
の無機フィラー粉末60〜40重量%との原料混合物で
ある。すなわち、SiO2 、Al2 3 、CaO、Mg
O、B2 3 、TiO2 の組成範囲は、ガラス組成粉末
中の割合であり、これらの成分がガラス組成粉末中で総
量95重量%以上であることが好ましい。残りの5重量
%はNa2 O,K2 O,BaO,PbO,Fe2 3
Mn酸化物,Cr酸化物,NiO,Co酸化物などを含
有することができる。
【0014】ガラス−セラミックス複合系の具体例とし
ては、SiO2 −B2 3 系ガラス、PbO−SiO2
−Al2 3 −B2 3 系ガラス、CaO−SiO2
Al2 3 −B2 3 系ガラスなどに、Al2 3 ,石
英(SiO2 ),ZrO2 ,コーディライトなどのセラ
ミックス成分を加えたものがあげられる。
【0015】ガラス組成粉末中のSiO2 は30〜70
重量%の範囲であることが好ましく、30重量%未満の
場合はガラス層の強度や安定性が低下し、また誘電率や
熱膨張係数が高くなり所望の値から外れやすい。また7
0重量%より多くなると焼成基板の熱膨張係数が高くな
り、また1000℃以下の焼成が困難となる。
【0016】Al2 3 は5〜25重量%の範囲で配合
することが好ましい。5重量%未満ではガラス相中の強
度が低下するうえ、1000℃以下での焼成が困難とな
る。25重量%を越えるとガラス組成をフリット化する
温度が高くなり過ぎる。
【0017】CaOは5〜25重量%の範囲で配合する
のが好ましい。5重量%より少なくなると所望の熱膨張
係数が得られなくなり、また1000℃以下での焼成が
困難となる。25重量%を越えると誘電率や熱膨張係数
が大きくなり好ましくない。MgOは0〜10重量%の
範囲で配合することが好ましく、これによりガラスの溶
融温度の制御が容易になる。10重量%を越えると得ら
れる基板の熱膨張係数が高くなる。
【0018】B2 3 はガラスフリットを1300〜1
450℃付近の温度で溶解するため、およびAl2 3
が多い場合でも誘電率、強度、熱膨張係数、焼結密度な
どの電気、機械および熱的特性を損なうことのないよう
にセラミックス焼成温度を800〜1000℃の範囲に
制御するために配合することが好ましく、配合量として
は3〜50重量%の範囲が好ましい。3重量%未満で
は、B2 3 が多すぎるとセラミックスの強度が低下し
やすく、また50重量%を越えると、ガラスの安定性が
低下し、無機フィラー(結晶)とガラスとの反応による
再結晶化が速くなり、また、多層基板とした場合にガラ
ス相が滲み出る現象が起こり好ましくない。
【0019】TiO2 は0〜15重量%の範囲で配合す
ることが好ましい。本発明の低温焼成セラミックス基板
は焼成前には非晶質ガラスと無機フィラーとの混合物で
あるが、フィラーの種類によっては非晶質ガラスとセラ
ミックスと結晶化ガラスの部分結晶化セラミックスとな
っていると推定される。TiO2 は結晶化ガラスの生成
において有効な核形成物質として作用し、上記範囲にあ
ることが好ましい。
【0020】無機フィラー粉末は、基板の機械的強度の
向上や熱膨張係数を制御するのに有効であり、とくにア
ルミナ、ジルコニア、ムライト、コーディライト、アノ
ーサイトはその効果が優れている。無機フィラーの割合
が60重量%を越えると焼結しにくくなり、1000℃
以下で焼結することが困難になる。また40重量%未満
では、熱膨張係数の制御や低誘電率の基板が得られにく
くなる。したがって、無機フィラー粉末をこの範囲とす
ることによりセラミックスの焼成温度を800〜100
0℃とし、強度、誘電率、熱膨張係数、焼結密度、体積
固有抵抗、収縮率を所望の特性とすることができる。
【0021】本発明で使用される無機フィラー粉末中、
不純物として、0〜5重量%までのNa2 O,K2 O,
BaO,PbO,Fe2 3 ,Mn酸化物,Cr酸化
物,NiO,Co酸化物などを含有することができる。
【0022】ガラス組成粉末の作製法としては、例え
ば、原料であるSiO2 ,Al2 3,CaO,Mg
O,B2 3 ,TiO2 などを所定の配合組成となるよ
うに混合し、1250〜1450℃で溶融後、急冷し、
ガラスフリットにしてから粉砕して0.5〜3μmの微
細な粉末とする方法がある。原料としては、高純度の炭
酸塩、酸化物、水酸化物などを使用できる。またガラス
粉末の種類や組成によっては99.99%以上の超高純
度なアルコキシドや有機金属の原料を使用し、ゾル・ゲ
ル法で均質に作製した粉末を使用すると低誘電率で、緻
密で、高強度なセラミックス基板が得られるので好まし
い。
【0023】結晶化ガラスの具体例としては、MgO−
Al2 3 −SiO2 系やLi2 O−Al2 3 −Si
2 系の結晶化ガラスなどが使用される。結晶化ガラス
はたとえばMgO−Al2 3 −SiO2 にB2 3
核形成物質を加えて、900〜1000℃で焼成し、コ
ーディライト結晶を析出させ高強度化を図ったものや、
Li2 O−Al2 3 −SiO2 にB2 3 と核形成物
質を加え、スポジュメンを析出させ、同じく高強度化を
図ったものも使用される。
【0024】上記において使用するセラミックス粉末の
粒子径および比表面積は作製しようとするグリーンシー
トの厚みや焼成後の収縮率を考慮して選ばれるが、粉末
の場合は粒子径0.2〜4μm、比表面積2〜30m2
/gを同時に満たすことが好ましい。より好ましい範囲
は粒子径0.5〜3μm、比表面積2〜20m2 /gで
ある。この範囲にあると紫外線露光時において光が十分
透過し、上下の孔径差のない均一なヴィアホールが得ら
れる。粉末粒子径が0.2μm未満の場合、または、比
表面積が30m2 /gを越える場合、粉末が細かくなり
すぎて露光時において光が散乱されて未露光部分を硬化
するようになる。このため現像時に真円度のあるヴィア
ホールが得られなくなる。また焼成後の収縮率が大きく
なり高精度のグリーンシートが得られない。粉末の形状
としては、球状であることが好ましく、粒度分布が鋭い
と紫外線露光時に散乱の影響を低く抑制できるので好ま
しい。
【0025】本発明のセラミックス・グリーンシートの
形成に用いられる光硬化性樹脂としては、従来から公知
の光硬化性樹脂を適用することができる。これらの光硬
化性樹脂からなる感光層は活性な光線を照射することに
より不溶化する層である。光硬化性物質の例としては、 (1)1分子に不飽和基などを1つ以上有する官能性の
モノマーやオリゴマーを適当なポリマーバインダーと混
合したもの。 (2)芳香族ジアゾ化合物、芳香族アジド化合物、有機
ハロゲン化合物などの感光性化合物を適当なポリマーバ
インダーと混合したもの。 (3)既存の高分子に感光性の基をペンダントさせるこ
とにより得られる感光性高分子あるいはそれを改質した
もの。 (4)ジアゾ系アミンとホルムアルデヒドとの縮合物な
どいわゆるジアゾ樹脂といわれるもの。 などがあげられる。
【0026】特に好ましい光硬化性樹脂組成物は、側鎖
にカルボキシル基とエチレン性不飽和基を有するアクリ
ル系共重合体、光反応性化合物および光重合開始剤を含
有するものであり、この共重合体は不飽和カルボン酸と
エチレン性不飽和化合物を共重合させて形成したアクリ
ル系共重合体に、エチレン性不飽和基を側鎖に付加させ
ることによって製造することができる。
【0027】不飽和カルボン酸の具体的な例としては、
アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、クロトン
酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、これらの酸無
水物などがあげられる。一方、エチレン性不飽和化合物
の具体的な例としては、メチルアクリラート、メチルメ
タアクリラート、エチルアクリラート、エチルメタクリ
ラート、n−プロピルアクリラート、イソプロピルアク
リラート、n−ブチルアクリラート、n−ブチルメタク
リラート、sec−ブチルアクリラート、sec−ブチ
ルメタクリラート、イソ−ブチルアクリラート、イソブ
チルメタクリラート、tert−ブチルアクリラート、
tert−ブチルメタクリラート、n−ペンチルアクリ
ラート、n−ペンチルメタクリラート、スチレン、p−
メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチ
レンなどがあげられるが、これらに限定されない。これ
らのアクリル系主鎖ポリマの主重合成分として前記のエ
チレン性不飽和化合物の中から少なくともメタクリル酸
メチルを含むことによって熱分解性の良好な共重合体を
得ることができる。
【0028】側鎖のエチレン不飽和基としてはビニル
基、アリル基、アクリル基、メタクリル基のようなもの
がある。このような側鎖をアクリル系共重合体に付加さ
せる方法としては、アクリル系共重合体中のカルボキシ
ル基にグリシジル基を有するエチレン性不飽和化合物や
アクリル酸クロライドを付加反応させて作る方法があ
る。
【0029】グリシジル基を有するエチレン性不飽和化
合物としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グ
リシジル、アリルグリシジルエーテル、エチルアクリル
酸グリシジル、クロトニルグリシジルエーテル、クロト
ン酸グリシジルエーテル、イソクロトン酸グリシジルエ
ーテルなどがあげられる。また、アクリル酸クロライド
化合物としては、アクリル酸クロライド、メタアクリル
酸クロライド、アリルクロライドなどがあげられる。こ
れらのエチレン性不飽和化合物あるいはアクリル酸クロ
ライドの付加量としては、アクリル系共重合体中のカル
ボキシル基に対して0.05〜1モル当量が好ましく、
さらに好ましくは0.1〜0.8モル当量である。付加
量が0.05モル当量未満では感光特性が不良となりパ
ターンの形成が困難になるため好ましくない。また、付
加量が1モル当量より大きい場合は、未露光部の現像液
溶解性が低下したり、塗布膜の硬度が低くなり好ましく
ない。
【0030】こうして得られた側鎖にカルボキシル基と
エチレン性不飽和基を有するアクリル重合体の酸価(A
V)は50〜180が好ましく、より好ましくは70〜
140である。さらに好ましくは80〜120の範囲で
ある。酸価が50未満であるとエチレン性不飽和基の量
が増加し、感光性を有するカルボキシル基の割合が低下
するので現像許容幅が狭いうえ、ヴィアホールエッジの
切れが悪くなる。また酸価が180を越えると未露光部
の現像液に対する溶解性が低下するようになるため現像
液濃度を濃くすると露光部まで剥がれが発生し、高精度
を有するヴィアホールが得られにくくなる。またグリー
ンシートの硬度が低下する。また上記の好ましい酸価を
有するポリマにおいてポリマの分子量分布が鋭いほど、
現像特性が向上し、微細なヴィアホールが得られるので
好ましい。
【0031】これらの光硬化性樹脂は、ポリマーバイン
ダーとして作用するものであるが、ポリマーバインダー
成分として非感光性ポリマーを含有することが好まし
い。ポリマーバインダー成分として非感光性ポリマーを
含有すると露光前のグリーンシートの引っ張り強度や伸
びを高くすることができるので好ましい。引っ張り強度
が向上するとグリーンシートの厚みを20〜40mμに
薄くすることができる。具体的には非感光性ポリマーと
して、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、
メタクリル酸エステル重合体、アクリル酸エステル重合
体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合
体、−メチルスチレン重合体、ブチルメタクリレート樹
脂などがあげられる。また感光性物質が感光性モノマの
みを含む場合には、このような非感光性ポリマバインダ
ーを含むことが機械的強度を向上させる上で重要であ
る。このような非感光性ポリマバインダーの溶媒として
はアルコール、トルエン、アセトン、メチルエチルケト
ン、ブタノール、メチルイソブチルケトン、イソホロ
ン、イソプロピルアルコールなどが適宜用いられる。ま
た、ポリマバインダーは可塑剤や分散剤を含んでいても
良い。可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチ
ルフタレート、ポリエチレングリコール、グリセリンな
どが用いられる。分散剤としては、ソルビタン酸エステ
ル、アルキレングリコール、ポリカルボン酸類などが好
ましく用いられる。非感光性ポリマーの含有量は感光性
ポリマーバインダーの5〜80重量%であるのが好まし
い。5重量%未満では、伸びの向上に対して効果が低
く、80重量%を越えるとグリーンシートに紫外線を照
射しても十分硬化されないのでグリーンシートの耐薬品
性や耐溶解性や機械的強度がが向上しない。後のヴィア
ホール形成をフォトリソグラフィー法で行なわない場合
には、非感光性ポリマーバインダーの含有量は、6〜1
5重量%で十分である。具体的には、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルブチラール、メタクリル酸エステル重
合体、アクリル酸エステル重合体、アクリル酸エステル
−メタクリル酸エステル共重合体、−メチルスチレン重
合体、ブチルメタクリレート樹脂などがあげられる。
【0032】本発明で使用される光反応性化合物は光反
応性を有する炭素−炭素不飽和結合を含有する化合物
で、その具体的な例としてアリルアクリラート、ベンジ
ルアクリラート、ブトキシエチルアクリラート、ブトキ
シトリエチレングリコールアクリラート、シクロヘキシ
ルアクリラート、ジシクロペンタニルアクリラート、ジ
シクロペンテニルアクリラート、2−エチルヘキシルア
クリラート、グリセロールアクリラート、グリシジルア
クリラート、ヘプタデカフロロデシルアクリラート、2
−ヒドロキシエチルアクリラート、イソボニルアクリラ
ート、2−ヒドロキシプロピルアクリラート、イソデキ
シルアクリラート、イソオクチルアクリラート、ラウリ
ルアクリラート、2−メトキシエチルアクリラート、メ
トキシエチレングリコールアクリラート、メトキシジエ
チレングリコールアクリラート、オクタフロロペンチル
アクリラート、フェノキシエチルアクリラート、ステア
リルアクリラート、トリフロロエチルアクリラート、ア
リル化シクロヘキシルジアクリラート、ビスフェノール
Aジアクリラート、1,4−ブタンジオールジアクリラ
ート、1,3−ブチレングリコールジアクリラート、エ
チレングリコールジアクリラート、ジエチレングリコー
ルジアクリラート、トリエチレングリコールジアクリラ
ート、ポリエチレングリコールジアクリラート、ジペン
タエリスリトールヘキサアクリラート、ジペンタエリス
リトールモノヒドロキシペンタアクリラート、ジトリメ
チロールプロパンテトラアクリラート、グリセロールジ
アクリラート、メトキシ化シクロヘキシルジアクリラー
ト、ネオペンチルグリコールジアクリラート、プロピレ
ングリコールジアクリラート、ポリプロピレングリコー
ルジアクリラート、トリグリセロールジアクリラート、
トリメチロールプロパントリアクリラートおよび上記の
アクリラートをメタクリラートに変えたもの、γ−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン、1−ビニル−
2−ピロリドンなどが挙げられる。本発明ではこれらを
1種または2種以上使用することができる。側鎖にカル
ボキシル基とエチレン性不飽和基を有するアクリル系共
重合体は、光反応性化合物に対して、通常重量比で0.
1〜10倍量、好ましくは0.5〜5倍量用いる。該ア
クリル系共重合体の量が少なすぎると、スラリーの粘度
が小さくなり、スラリー中での分散の均一性が低下する
おそれがある。一方、アクリル系共重合体の量が多すぎ
れば、未露光部の現像液への溶解性が不良となる。
【0033】本発明で使用される光重合開始剤の具体的
な例として、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸
メチル、4,4−ビス(ジメチルアミン)ベンゾフェノ
ン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、
4,4−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4
−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオ
レノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−
ジメトキシ−2−フェニル−2−フェニルアセトフェノ
ン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p
−t−ブチルジクロロアセトフェノン、チオキサント
ン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサン
トン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオ
キサントン、ベンジル、ベンジルジメチルケタノール、
ベンジル−メトキシエチルアセタール、ベンゾイン、ベ
ンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、
アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−
アミルアントラキノン、β−クロルアントラキノン、ア
ントロン、ベンズアントロン、ジベンゾスベロン、メチ
レンアントロン、4−アジドベンザルアセトフェノン、
2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサ
ノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−
メチルシクロヘキサノン、2−フェニル−1,2−ブタ
ジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1
−フェニル−プロパンジオン−2−(o−エトキシカル
ボニル)オキシム、1,3−ジフェニル−プロパントリ
オン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−
フェニル−3−エトキシ−プロパントリオン−2−(o
−ベンゾイル)オキシム、ミヒラ−ケトン、2−メチル
−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ
−1−プロパノン、ナフタレンスルホニルクロライド、
キノリンスルホニルクロライド、N−フェニルチオアク
リドン、4、4−アゾビスイソブチロニトリル、ジフェ
ニルジスルフィド、ベンズチアゾールジスルフィド、ト
リフェニルホルフィン、カンファーキノン、四臭素化炭
素、トリブロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾイン及
びエオシン、メチレンブルーなどの光還元性の色素とア
スコルビン酸、トリエタノールアミンなどの還元剤の組
合せなどがあげられる。本発明ではこれらを1種または
2種以上使用することができる。
【0034】光重合開始剤は、側鎖にカルボキシル基と
エチレン性不飽和基を有するアクリル系共重合体と光反
応性化合物の和に対し、0.1〜50重量%の範囲で添
加され、より好ましくは、2〜25重量%である。重合
開始剤の量が少なすぎると、光感度が不良となり、光重
合開始剤の量が多すぎれば、露光部の残存率が小さくな
りすぎるおそれがある。
【0035】本発明において、グリーンシートを紫外線
によって効果的に硬化させることあるいはヴィアホール
形成のために、シートスラリー組成物に紫外線(UV)
吸光剤を添加することが重要である。紫外線吸収効果の
高い吸光剤を添加することによって高解像度が得られ
る。
【0036】すなわち、セラミックス粉末だけでは、紫
外線がセラミックス粉末によって散乱されて余分な部分
まで光硬化し、現像してもヴィアホールが良好に形成で
きない。この原因について本発明者らが鋭意検討を行っ
た結果、散乱された紫外線光が吸収されてあるいは弱め
られて露光マスクによる遮光部分にまでまわり込むこと
が原因であることが判明した。したがって紫外線吸光剤
を添加することによって散乱光のまわり込みがほぼ回避
され、マスク部分の感光性樹脂の硬化を防ぎ、露光マス
クに相当したパターンが形成されるようになる。またグ
リーンシートの下部まで光が吸収されることなく透過
し、光硬化の機能を十分満足し、高精度なヴィアホール
が形成できる。
【0037】また、紫外線吸光剤がない場合、シートに
紫外線を照射しても、セラミックス粉末によって反射、
散乱されてシートの表面の一部しか硬化されないためグ
リーンシートの耐薬品性や機械強度の向上はほとんど認
められず、また、紫外線照射後のグリーンシートに曲り
や反りが発生し、高寸法精度が必要なグリーンシートが
得られず、機械強度も低くなる。しかしながら吸光剤を
添加した場合は、紫外線が効果的に吸収されてグリーン
シートの下部まで達することができるので、シートの内
部まで均一に光硬化されてグリーンシートの耐薬品性、
寸法精度が向上し、さらに機械強度が大幅に向上する。
特に引っ張り強度は通常2〜5倍増加する。
【0038】紫外線吸光剤としては350〜450nm
の波長範囲で高UV吸光度を有する有機染料が好ましく
用いられる。有機染料としては、高い吸光度を有する種
々の染料が使用できるが、アゾ系染料、アミノケトン系
染料、キサンテン系染料、キノリン系染料、アミノケト
ン系染料、アントラキノン系染料などが使用できる。こ
れらの中でも特にアゾ系染料が好ましい。有機染料は、
吸光剤として添加した場合にも焼成時に蒸発するため焼
成後の基板中に残存しないので吸光剤による絶縁抵抗の
低下がないので好ましい。
【0039】アゾ系染料としての代表的なものとして、
スダンブルー(Sudan Blue、C22182
2 =342.4)、スダンR(C17142 2 =27
8.31)、スダンII(C18142 O=276.3
4)、スダンIII (C22164 O=352.4)、ス
ダンIV(C24204 O=380.45)、オイルオレ
ンジSS(Oil Orange SS、CH3 6
4 N:NC106 OH=262.31)オイルバイオレ
ット(Oil Violet,C24215 =379.
46)、オイルイエローOB(Oil Yellow
OB、CH3 44 N:NC104 NH2 =261.
33)などがあるが、250〜520nmで吸収するこ
とができる染料が使用できる。
【0040】有機染料の添加量は、グリーンシートの
光硬化が効果的になされて機械強度や耐薬品性や向上す
ること、ヴィアホールの真円度が高く、ヴィアホール
形成した後の上部と下部とのヴィアホール孔径差が少な
いこと、焼成後のセラミックス基板特性である曲げ強
度、絶縁抵抗、誘電率、熱膨張特性などを低下させない
ことなどの条件を満たす範囲であり、セラミックス粉末
に対して0.05〜2重量%が好ましい。0.05重量
%未満では紫外線吸光剤の添加効果が減少し、2重量%
を越えると吸光剤の量が多すぎて紫外線を照射した時
に、下部に達するまでにセラミックス粉末によって吸収
されてしまいヴィアホールの形成不良やグリーンシート
が内部まで均一に光硬化されずに機械強度や耐薬品性が
低下するので好ましくない。また焼成後の基板特性も低
下するので好ましくない。より好ましくは0.10〜
0.7重量%である。
【0041】有機染料からなる紫外線吸光剤の添加方法
としては、以下の方法によることが好ましい。すなわ
ち、有機染料を予め有機溶媒に溶解した溶液を作製す
る。次に該有機溶媒中にセラミックス粉末を混合・攪拌
しながら乾燥する。この方法によってセラミックス粉末
の個々の粉末表面に均質に有機染料の膜をコートしたい
わゆるカプセル状の粉末が作製できる。
【0042】本発明において、好ましい吸光度の積分値
(350〜450nm)の範囲がある。すなわち、吸光
度の積分値は粉末の状態で測定されるもので、有機染
料、あるいは無機粉末の表面を有機系染料でコートした
粉末について測定される。
【0043】本発明で、吸光度は下記のように定義され
る。すなわち、市販の分光光度計を使用して積分球の中
で光を測定用試料に当て、そこで反射された光を集めて
検出する。また積分球により検出された光以外は、すべ
て吸収光とみなして下記の式から求められる。
【0044】対照光の光強度をIr(Irは試料の吸光
度を測定する前に、積分球内面に塗布してある材料と同
じ材料のBaSO3 を試料台に取り付けて反射による光
強度を測定したデータ)試料に入射した光の光強度を
I、試料に当たった後、吸収分の光強度をIoとする
と、試料からの反射分の光強度は(I−Io)で表わさ
れ、吸光度は下記の(1) 式ように定義される。上記で光
強度の単位は、W/cm2 で表わす。
【0045】 吸光度=−log((I−I0 )/Ir) (1) 吸光度の測定は下記のようにして行う。 1.吸光剤を添加した粉末をプレス機で直径20mm、
厚み4mmのサイズに成型する。 2.次に分光光度計を用いて積分球の反射試料の取り付
け口に粉末の成型体を取り付けて、反射光による吸光度
を波長範囲200〜650nmで測定すると図1のよう
なグラフが得られる。縦軸は(1) 式の吸光度で、横軸は
測定波長を示す。 3.次に図1で波長350〜450nmの範囲を10n
m毎の10区間に分け、それぞれの区間毎の面積を求め
る。面積は次のように求められる。
【0046】例えば、 350nmのときの吸光度を0.75 360nmのときの吸光度を0.80 370nmのときの吸光度を0.85 ・ ・ 440nmのときの吸光度を0.60 450nmのときの吸光度を0.55として、 350〜360nmの部分の面積をAとし、台形とみな
すとAは下記のように計算される。 面積A=(0.75+0.80)×10/2=7.75 同様に面積Bは 面積B=(0.80+0.85)×10/2=8.25 ・ ・ 同様に面積Jは 面積J=(0.60+0.55)×10/2=5.75 となる。10区間の面積の合計Sは下記のようにして求
められる。 S=A+B+C+・・・・+J 上記の面積Sを、350〜450nmにおける吸光度の
積分値として定義した。
【0047】本発明でフォトリソグラフィ法でヴィアホ
ールを形成した後に、感光性ペースト(感光性の導電ペ
ースト、絶縁ペースト、誘電体ペーストあるいは抵抗体
ペーストなど)でパターン形成する場合の吸光度の積分
値の好ましい範囲は、20〜100であり、さらに好ま
しい範囲は30〜70である。吸光度の積分値が20未
満であると紫外線露光時において光がグリーンシートの
下まで十分透過する前に粉末によって散乱されて未露光
部を硬化するようになり、真円度のあるヴィアホール形
成ができなくなる。また吸光度が100を超えると光が
グリーンシートの下部に達する前に粉末に吸収されてし
まい、下部のシートまで光が透過しないため光硬化でき
なくなる。この結果、現像時に剥がれるようになり、ヴ
ィアホールの形成が困難になる。
【0048】本発明で超硬ドリルによるパンチング加工
でヴィアホールを形成したグリーンシートを使用して感
光性導電ペーストでパターン形成する場合は、吸光度の
積分値は10〜150であることが好ましい。グリーン
シートの表面層だけを紫外線の照射によって光硬化する
のに十分であれば良いが、10未満であると紫外線が粉
末によって反射、散乱されてしまい光硬化が十分に行わ
れない。また150を越えると紫外線が表面の一部で吸
収されてしまい耐薬品性や機械強度が向上しないので好
ましくない。
【0049】本発明においてセラミックス粉末に含まれ
るPb,Bi,Fe,Ni,Mn,Co,Mgなどの金
属およびその酸化物が、ペースト中に含有する感光性ポ
リマーのカルボキシル基と反応してペーストが短時間で
ゲル化し、塊となりペーストとして印刷できなくなる場
合がある。これはポリマーと上記の金属や酸化物粉末と
ののイオン架橋反応と推定されるが、このような架橋反
応を防止するために感光性ポリマーには勿論のこと、光
反応性化合物、光重合開始剤あるいは可塑剤などに悪い
影響を与えない化合物(安定化剤)を添加してゲル化を
防止することが好ましい。すなわち、ゲル化反応を引き
起こす金属や酸化物粉末との錯体化、あるいは酸官能基
との塩形成などの効果のある化合物で粉末を表面処理
し、感光性グリーンシートを安定化させる。そのような
安定化剤としては、トリアゾール化合物が好ましく使用
できる。トリアゾール化合物の中でも特にベンゾトリア
ゾールが有効に作用する。また、ヘキサメチレンテトラ
ミン、ナフテン酸リチウムなどもゲル化抑制に効果があ
る。
【0050】ベンゾトリアゾールを用いてセラミックス
粉末の表面処理をする方法は以下の通りである。すなわ
ち、セラミックス粉末に対して所定の量のベンゾトリア
ゾールを酢酸メチル、酢酸エチル、エチルアルコール、
メチルアルコールなどの有機溶媒に溶解し、これらの粉
末が十分に浸ることができるように溶液中に1〜24時
間浸漬する。浸漬後、好ましくは20〜30℃下で自然
乾燥して溶媒を蒸発させてトリアゾール処理を行った粉
末を作製する。
【0051】本発明において使用される安定化剤の割合
(安定化剤/セラミックス粉末)は0.2〜4重量%が
好ましく、さらに0.4〜3重量%であることがより好
ましい。0.2重量%未満ではポリマーの架橋反応を防
止するのに効果がなく、短時間でゲル化する。また4重
量%を越えると安定化剤の量が多くなり過ぎて非酸化性
雰囲気中でのグリーンシートの焼成時においてポリマ
ー、モノマーおよび安定化剤などの脱バインダーが困難
となり、基板の特性が低下する。
【0052】本発明においてセラミックス・グリーンシ
ート中(シートスラリー組成物中)に、増感剤、増感助
剤、熱重合禁止剤、可塑剤、酸化防止剤、分散剤、有機
あるいは無機の沈殿防止剤などを添加することも好まし
く行われる。
【0053】増感剤は、感度を向上させるために添加さ
れる。増感剤の具体例として、2、4−ジエチルチオキ
サントン、イソプロピルチオキサントン、2,3−ビス
(4−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノン、
2,6−ビス(4−ジメチルアミニベンザル)シクロヘ
キサノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザ
ル)−4−メチルシクロヘキサノン、ミヒラ−ケトン、
4,4、−ビス(ジエチルアミノ)−ベンゾフェノン、
4,4−ビス(ジメチルアミノ)カルコン、4,4−ビ
ス(ジエチルアミノ)カルコン、p−ジメチルアミノシ
ンナミリデンインダノン、p−ジメチルアミノベンジリ
デンインダノン、2−(p−ジメチルアミノフェニルビ
ニレン)−イソナフトチアゾール、1,3−^ビス(4
−ジメチルアミノベンザル)アセトン、1,3−カルボ
ニル−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)アセトン、
3,3−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノクマリ
ン)、N−フェニル−N−エチルエタノールアミン、N
−フェニルエタノールアミン、N−トリルジエタノール
アミン、N−フェニルエタノールアミン、ジメチルアミ
ノ安息香酸イソアミル、ジエチルアミノ安息香酸イソア
ミル、3−フェニル−5−ベンゾイルチオ−テトラゾ−
ラゾール、1−フェニル−5−エトキシカルボニルチオ
−テトラゾールなどがあげられる。本発明ではこれらを
1種または2種以上使用することができる。なお、増感
剤の中には光重合開始剤としても使用できるものがあ
る。増感剤を本発明のセラミックス・グリーンシートに
添加する場合、その添加量は側鎖にカルボキシル基とエ
チレン性不飽和基を有するアクリル系共重合体と光反応
性化合物の和に対して通常0.1〜30重量%、より好
ましくは0.5〜15重量%である。増感剤の量が少な
すぎれば光感度を向上させる効果が発揮されず、増感剤
の量が多すぎれば露光部の残存率が小さくなりすぎるお
それがある。
【0054】熱重合禁止剤は、保存時の熱安定性を向上
させるために添加される。熱重合禁止剤の具体的な例と
しては、ヒドロキノン、N−ニトロソジフェニルアミ
ン、フェノチアジン、p−t−ブチルカテコール、N−
フェニルナフチルアミン、2,6−ジ−t−ブチル−p
−メチルフェノール、クロラニール、ピロガロールなど
が挙げられる。熱重合禁止剤を添加する場合、その添加
量は、側鎖にカルボキシル基とエチレン性不飽和基を有
するアクリル系共重合体と光反応性化合物の和に対し、
通常、0.1〜20重量%、より好ましくは、0.5〜
10重量%である。熱重合禁止剤の量が少なすぎれば、
保存時の熱的な安定性を向上させる効果が発揮されず、
熱重合禁止剤の量が多すぎれば、露光部の残存率が小さ
くなりすぎるおそれがある。
【0055】可塑剤の具体的な例としては、ジブチルフ
タレート、ジオクチルフタレート、ポリエチレングリコ
ール、グリセリンなどがあげられる。
【0056】酸化防止剤は、保存時におけるアクリル系
共重合体の酸化を防ぐために添加される。酸化防止剤の
具体的な例としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−ク
レゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ
−t−4−エチルフェノール、2,2−メチレン−ビス
−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2
−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェ
ノール)、4,4−チビス−(3−メチル−6−t−ブ
チルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル
−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−
(2−メチル−4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)
ブタン、ビス[3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−3−
t−ブチルフェニル)ブチリックアッシッド]グリコー
ルエステル、ジラウリルチオジプロピオナート、トリフ
ェニルホスファイトなどが挙げられる。酸化防止剤を添
加する場合、その添加量は通常、セラミックス粉末、側
鎖にカルボキシル基とエチレン性不飽和基を有するアク
リル系共重合体、光反応性化合物および光重合開始剤の
総和に対して0.01〜5重量%、より好ましくは0.
1〜1重量%である。酸化防止剤の量が少なければ保存
時のアクリル系共同重合体の酸化を防ぐ効果が得られ
ず、酸化防止剤の量が多すぎれば露光部の残存率が小さ
くなりすぎるおそれがある。
【0057】本発明におけるシートスラリー組成物の組
成としては、次の範囲で選択するのが好ましい。
【0058】(a)セラミックス粉末 ;(a)、
(b)の和に対して80〜94重量% (b)側鎖にカルボキシル基とエチレン性不飽和基を有
するアクリル系共重合体と光反応性化合物 ;
(a)、(b)の和に対して20〜6重量% (c)光重合開始剤 ;(b)に対して2〜25
重量% (d)紫外線吸光剤 ;(a)に対して0.05
〜4重量% 上記においてより好ましくは、(a)、(b)および
(d)成分の組成をそれぞれ84〜92重量%、16〜
8重量%、および0.1〜1重量%の範囲に選択するの
がよい。この範囲にあると露光時において紫外線が良く
透過し、光硬化の機能が十分発揮され、後の現像時にお
ける耐薬品性や耐溶解性が向上して未露光部の残膜の発
生をなくし、L(線幅)/S(幅間隔)=20μm/2
0μmの微細なパターン形成ができるようになる。また
特に(b)成分である側鎖にカルボキシル基とエチレン
性不飽和基を有するアクリル系共重合体と光反応性化合
物の合計量をこの範囲とすることにより焼成後の焼結体
が緻密になり、高強度のセラミックス基板が得られる利
点がある。
【0059】本発明のグリーンシート用のシートスラリ
ー組成物は、側鎖にカルボキシル基とエチレン性不飽和
基を有するアクリル系共重合体と光重合開始剤を光反応
性化合物に溶解し、この溶液にセラミックス粉末と紫外
線吸光剤とを分散させることによって製造することがで
きる。側鎖にエチレン性不飽和基を有するアクリル系共
重合体と光重合開始剤が光反応性化合物に溶解しない場
合あるいは溶液の粘度を調整したい場合には該アクリル
系共重合体、光重合開始剤及び光反応性化合物の混合溶
液が溶解可能である有機溶媒を加えてもよい。この時使
用される有機溶媒は側鎖にエチレン性不飽和基を有する
アクリル系共重合体、光重合開始剤及び光反応性化合物
の混合物を溶解しうるものであればよい。たとえばメチ
ルセルソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、
メチルエチルケトン、ジオキサン、アセトン、シクロヘ
キサノン、シクロペンタノン、イソブチルアルコール、
イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン、ジメチ
ルスルフォキシド、γ−ブチロラクトンなどやこれらの
うちの1種以上を含有する有機溶媒混合物が用いられ
る。
【0060】さらに必要に応じて、有機溶媒、安定化
剤、増感剤、熱重合禁止剤、可塑剤、酸化防止剤、分散
剤、有機あるいは無機の沈殿防止剤などを添加し、ボー
ルミルあるいはアトライターでたとえば12〜48時間
粉砕・混合し、スラリーを作製する。また、スラリー中
に気泡が残存するとシート成形後に欠陥となるので気泡
を脱泡機を使用して除去することが好ましい。
【0061】さらに、スラリーの粘度を調整するために
必要に応じて上記の溶媒を添加する。好ましい粘度は1
000から5000cps(センチ・ポイズ)であり、
この範囲にあるとシートの膜厚の調整が均質にできる。
スラリーはドクタブレードを用いてポリエステルフィル
ム上に連続的に厚さ10μm〜600μmに成形する。
この時、粉末の調合、成形工程では紫外線を遮断できる
ところで行なう必要がある。そうでないとグリーンシー
トが紫外線によって光硬化してしまい、本発明の効果を
発揮できるシートが得られない。次いで80〜120℃
の温度で加熱して溶媒類を蒸発させ、シートにする。こ
のシートを所定の形状に切断する。
【0062】本発明のセラミックス・グリーンシートの
厚みは通常、10から600μmの範囲であり、好まし
くは30〜300μmである。600μmを越えると紫
外線の露光に対して十分透過せず、光硬化の効果が薄れ
る。また、10μm未満であるとグリーンシートの取り
扱いが難しくなったり、また焼成後緻密な基板ができに
くくなり、セラミックス基板特性が低下するので好まし
くない。この範囲にあると径0.01〜0.2mmを有
するヴィアホールやスルホールを上下の孔径差がつかず
に形成できる利点がある。またヴィアホールの解像度は
グリーンシートの厚みによって異なるが、アスペクト比
は1以下であるのが紫外線の透過が十分行われるので好
ましい。40μm厚の場合は40μmのヴィアホールの
形成が好ましい。
【0063】つづいて、セラミックス・グリーンシート
に紫外線の照射とヴィアホールの形成を行う。この工程
は、紫外線の選択的な照射、現像によりヴィアホールを
形成するフォトリソグラフィー法によってもよいし、超
硬ドリルによるパンチング法でヴィアホールを形成し、
その工程の前あるいは後に、紫外線の照射によりセラミ
ックス・グリーンシートの少なくとも表面を光硬化して
もよい。
【0064】セラミックス・グリーンシートにヴィアホ
ールをフォトリソグラフィー法により形成する場合は、
露光に用いられる紫外線の光源としてはたとえば低圧水
銀灯、高圧水銀灯、ハロゲンランプ、殺菌灯などが使用
できる。これらの中でも超高圧水銀灯が好適である。露
光条件はグリーンシートの厚みによっても異なるが、5
〜100mW/cm2 の出力の超高圧水銀灯を用いて1
〜30分間露光を行なうことが好ましい。露光の方式は
グリーンシートの厚みによって適宜選択できるが、厚み
が200μmを越え、アスペクト比(シートの厚み/ヴ
ィアホール径)が0.2〜1の場合は、両面露光すると
上下の孔径差のないヴィアホールが形成できるので好ま
しい。露光後、現像液を使用して現像を行う。現像は、
浸漬法やスプレー法で行なう。現像液としては前記の側
鎖にカルボキシル基とエチレン性不飽和基を有するアク
リル系共重合体、光反応性化合物及び光重合開始剤の混
合物が溶解可能である有機溶媒を使用できる。また該有
機溶媒にその溶解力が失われない範囲で水を添加しても
よい。またアクリル系共重合体の側鎖にカルボキシル基
が存在する場合、アルカリ水溶液で現像できる。アルカ
リ水溶液として水酸化ナトリウムや水酸化カルシウム水
溶液などのような金属アルカリ水溶液を使用できるが、
有機アルカリ水溶液を用いた方が焼成時にアルカリ成分
を除去しやすいので好ましい。有機アルカリの具体例と
しては、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、ト
リメチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、モノエ
タノールアミン、ジエタノールアミンなどが挙げられ
る。アルカリ水溶液の濃度は通常0.01〜5重量%、
より好ましくは0.1〜1重量%である。アルカリ濃度
が低すぎれば未露光部が除去されずに、アルカリ濃度が
高すぎれば、露光部の剥離を引き起こし、また腐食させ
るおそれがあり良くない。
【0065】また、超硬ドリルによるパンチング法でヴ
ィアホールを形成する場合に、その前あるいは後にグリ
ーンシートを光硬化するが、その場合は、紫外線で全面
露光し、少なくとも表面を光硬化する。光照射した後の
グリーンシート表面の硬化層の厚みは少なくとも5μm
以上あれば良い。好ましくは10μm以上である。5μ
m未満であると硬化層の厚みが薄いため耐薬品性が低下
するため未露光部の現像不良が発生し、微細な導体パタ
ーン形成が困難になる。露光量は、フォトリソ法でヴィ
アホール形成の場合の20%以上あれば良い。露光量
は、シートの厚み、紫外線吸光剤の含有割合によって異
なるが、20〜1000mJ/cm2 の範囲が好まし
い。この範囲にあると光硬化後の引っ張り強度が2〜6
倍増加し、シートの耐薬品性も向上するので好ましい。
【0066】ヴィアホールの径は、0.005〜0.2
mm程度であり、ヴィアホールピッチは、0.01〜
5.0mm程度である。
【0067】本発明のグリーンシートの調合、印刷、露
光、現像工程は紫外線を遮断できるところで行う必要が
ある。そうでないとスラリーやグリーンシートが紫外線
によって光硬化してしまい、本発明の効果を有するグリ
ーンシートが得られない。
【0068】このように、紫外線の照射とヴィアホール
の形成を行った後、ヴィアホール部に印刷、スキージ、
ディスペンサあるいはローラなどの埋め込み法あるい
は、フォトリソグラフィー法により(この場合は、後の
導体パターン形成と同時に行うこともできる)、銅、
銀、金、銀−パラジウム、タングステン、モリブデンな
どの導体ペーストを充填してヴィアホール内に配線の層
間隔接続用の導体を形成する。
【0069】このグリーンシートのヴィアホールに対す
る導体ペーストの埋め込みは層数ごとに繰り返し行う。
【0070】本発明は、このようにしてヴィアホールの
形成されたセラミックス・グリーンシート上に感光性ペ
ーストを用いて、パターンを形成することを特徴とす
る。感光性ペーストとしては、感光性導電ペースト、感
光性抵抗体ペースト、感光性誘電ペースト、感光性絶縁
ペーストなどが使用される。これらは、それぞれ、導電
体粉末、抵抗体粉末、誘電体粉末、絶縁体粉末と、感光
性樹脂組成物を含有するものである。
【0071】導電体粉末としては、Cu,Au,Ag,
Pd,Pt,W,Moなどの金属あるいはこれらを含む
合金などが挙げられる。
【0072】Cu系導電体粉末としては、Cu(97−
70)−Ag(30−30)、Cu(95−60)−N
i(5−40)、Cu(90−70)−Ag(5−2
0)、Cr(3−15)(以上()内は重量%を表す。
以下同様)などの2元系、3元系の混合金属粉末が好ま
しく用いられる。上記の中でCu−Ag粉末が好まし
く、その中でもCuの表面を3〜30重量%のAgでコ
ートした粉末がCuの酸化を抑えることができるので特
に好ましい。
【0073】Au,Ag,Pd,Pt系導電体粉末とし
ては、Ag(30−80)−Pd(70−20)、Ag
(40−70)−Pd(60−10)−Pt(5−2
0)、Ag(30−80)−Pd(60−10)−Cr
(5−15)、Pt(20−40)−Au(60−4
0)−Pd(20)、Au(75−80)−Pt(25
−20)、Au(60−80)−Pd(40−20)、
Ag(40−95)−Pt(60−5)、Pt(60−
90)−Rh(40−10)(以上()内は重量%を表
す)などの2元系、3元系の混合貴金属粉末が好ましく
用いられる。上記の中でCrやRhを添加したものは高
温特性を向上できる点で特に好ましい。
【0074】W,Mo系導電体粉末としては、W、W
(92−98)−TiB2 (8−2)、W(92−9
8)−ZrB2 (2−8)、W−(92−98)−Ti
2 (1−7)−ZrB2 (1−7)、W(95−6
0)−TiN(5−60)、W(90−60)−TiN
(5−35)−TiO2 (2−10)、W(90−6
0)−TiN(5−35)−TiO2 (2−10)−N
i(1−10)、W(99.7−97)−AlN(0.
3−3)、W(10−90)−Mo(90−10)、W
(92−98)−Al2 2 3 (8−2)、Mo、M
o(92−98)−TiB2 (8−2)、Mo(92−
98)−ZrB2 (8−2)、Mo(92−8)−Ti
2 (1−7)−ZrB2 (1−7)、Mo−TiN、
Mo(90−60)−TiN(5−35)−TiO
2 (2−10)、Mo(90−60)−TiN(5−3
5)−TiO2 (2−10)−Ni(1−10)、Mo
(99.7−97)−AlN(0.3−3)、Mo(6
0−90)−Mn(40−10)−SiO2 (0−2
0)、W(30−90)−Mo(30−70)−Mn
(3−30)などの2元系、3元系の混合金属粉末が好
ましく用いられる。上記の中でTiB2 、ZrB2 、T
iN、AlN、Ni、TiO2 を添加したものは導体膜
とアルミナ基板との接着強度を向上させ、導体膜の抵抗
を下げる効果があるので特に好ましい。
【0075】抵抗体粉末としては、RuO2 、RuO2
系、Al粉末およびB2 3 を含有するガラス粉末、A
l粉末、遷移金属粉末およびB2 3 を含有するガラス
粉末、In2 3 系−ガラス粉末、RuO2 −ガラス粉
末、LaB6 −ガラス粉末、SnO2 添加品−ガラス粉
末、珪化物−ガラス粉末、NiOとLi2 3 −B2
3 −SiO2 −RO(RはMg、Ca、Sr、Baの中
から選ばれる一種)などから構成されるガラス粉末など
が挙げられる。
【0076】RuO2 は、無定形および結晶系、あるい
はパイロクロール化合物と称されるCdBiRu
2 7 、BiRu2 7 、BaRuO5 、LaRu
3 、SrRuO3 、CaRuO3 、Ba2 RuO4
どでもよい。RuO2 系としては、RuO2 −SiO2
が使用できる。
【0077】Al粉末およびB2 3 を含有するガラス
粉末としては、Alが4〜15重量%、B2 3 を含有
するガラス粉末が96〜85重量%である。B2 3
含有するガラス粉末としては、B2 3 −BaO−Si
2 −Ta2 5 −Al2 3 −CaO−MgO系など
があげられる。これにMoSi2 、AlSi2 、WSi
2 、TiSi2 などの金属珪化物を含むこともできる。
【0078】Al粉末、遷移金属粉末およびB2 3
含有するガラス粉末としては、上記のAl粉末およびB
2 3 を含有するガラス粉末に加えて、Nb、V、W、
Mo、Zr、Ti、Niなどの遷移金属粉末を含有する
ものである。
【0079】In2 3 系−ガラス粉末は、30〜80
重量%のIn2 3 系と、70〜20重量%のガラス粉
末からなるものがあげられる。In2 3 系としては、
ITO(SnをIn2 3 にドープしたもの)、In2
3 、SbをドープしたSnO2 +SnO2 などが含ま
れる。また、ガラス粉末としては、SiO2 −Al2
3 −MgO−ZnO−B2 3 −BaO系などである。
この中では、SiO2−B2 3 系が低温焼結できるの
で好ましい。
【0080】RuO2 −ガラス粉末、LaB6 −ガラス
粉末、SnO2 添加品−ガラス粉末あるいは珪化物−ガ
ラス粉末に使用されるガラス粉末は、総量で90〜30
重量%でその組成は、Al2 3 10〜30重量%、B
2 3 6〜30重量%、SiO2 10〜45重量%、C
aO5〜40重量%、ZnO15〜50重量%であり、
残部が10〜70重量%のRuO2 、LaB6 、SnO
2 添加品あるいは珪化物である。
【0081】誘電体粉末としては、鉛を基準とした粉
末、チタン酸バリウムを基準とした粉末が挙げられる
が、これらはTiO2 を除けば、ほとんどがペロブスカ
イト構造と呼ばれるABO3 型からなっており、組成を
化学量論比で一定に制御できる特徴がある。
【0082】の鉛を基準とした粉末としては、チタン
酸鉛PbTiO3 、タングステン酸鉛PbWO3 、亜鉛
酸鉛PbZnO3 、鉄酸鉛PbFeO3 、マグネシウム
酸鉛PbMgO3 、ニオブ酸鉛PbZbO3 、ニッケル
酸鉛PbNiO3 、ジルコン酸鉛PbZrO3 、複合ペ
ロブスカイト系誘電体、および酸化チタンTiO2 など
があげられるが、代表的な誘電体粉末としては、Pb
(Fex (1-x) )O3−Pb(Fey Nb(1-y) )O
3 ,PbTiO3 −Pb(Mgx Nb(1-x) )O3 ,P
b(Znx Nb(1 x) )O3 −BaTiO3 ,Pb(Z
x Nb(1-x) )O3 −Pb(Fey (1-y) )O3
Pb(Fez Nb(1-z) )O3 ,Pb(Znx Nb
(1-x) )O3 −PbTiO3 −BaTiO3 ,Pb(M
x (1-x) )O3 −PbTiO3 −PbZrO3 ,P
b(Mgx Nb(1-x) 3 −PbTiO3 −Pb(Mg
y (1-y) )O3 、Pb(Mgx (1-x) )O3 −Pb
(ZryTiO(1-y) )O3 +ZnO,Pb(Mgx
(1-x) )O3 −PbTiO3 −PbO,Pb(Fex
Nb(1-x) )O3 −Pb(Mgy Nb(1-y) )O3
(1−Z)PbTiO3 −Z(La2 3 )などの2元
系または3元系の複合ペロブスカイト化合物や(Pbx
Ba(1-x) )ZrO3 ,Srx Pb(1-x) TiO3 、P
LZT{(Pb(1-x) Lax )(Zry Tiz
(1-x/4) 3 }などの化合物が挙げられる。
【0083】のチタン酸バリウムを基準とした粉末と
しては、チタン酸バリウムBaTiO3 ,チタン酸スト
ロンチウムSrTiO3 ,ジルコン酸カルシウムCaZ
rO3 ,チタン酸カルシウムCaTiO3 などがあげら
れるが、代表的な誘電体粉末としては、(Bax Sr
(1-X) )(Sny Ti(1-y) )O3 ,Ba(Tix Sn
(1-x) )O3 ,Bax Sr(1-x) TiO3 ,BaTiO
3 −CaZrO3 ,BaTiO3 −Bi4 Ti3 12
(Bax Ca(1-x) )(Zry TiO(1-y) )O3 など
の2元系、3元系の化合物が挙げられる。
【0084】絶縁体粉末としては、本発明のセラミック
ス・グリーンシートに用いられるセラミックス粉末と同
様の絶縁体粉末が好ましく使用される。
【0085】感光性樹脂組成物としては、公知のものを
使用しうるが、特に好ましいのは、前述の側鎖にカルボ
キシル基とエチレン性不飽和基を有するアクリル系共重
合体、光反応性化合物および光重合開始剤を含有するも
のである。この組成の感光性樹脂組成物を含有する感光
性ペーストを使用すると、フォトリソグラフィ法でL
(線幅)/S(幅間隔)=20μm/20μmの微細パ
ターンが形成できる。
【0086】感光性ペーストを用いてセラミックス・グ
リーンシート上にパターンを形成するには、まず、感光
性ペーストを通常のスクリーン印刷法あるいはスピンコ
ート法でグリーンシート上に塗布し、乾燥する。次に、
回路パターンを有するフォトマスクを用いて紫外線を選
択的に照射して露光し、感光性ペーストを光硬化する。
次に、未露光部を現像液で除去してマスク通りの微細な
パターンを得る。露光、現像の工程は、前述のグリーン
シートの場合と同様に行われる。
【0087】グリーンシートのヴィアホールに導体を埋
め込む場合に、超硬ドリルでヴィアホールを形成したグ
リーンシートには未硬化のシートが使用されるが、埋め
込みの仕方は上述のごとくに行われる。
【0088】このようにシート表面に所定の導体、抵抗
体、誘電体あるいは絶縁体パターンを印刷する。またヴ
ィアホールを形成するのと同様の方法でガイド穴をあけ
る。次に必要な枚数のシートをガイド孔を用いて積み重
ね、90〜130℃の温度で50〜200kg/cm2
の圧力で接着し、多層基板からなるシートを作製する。
【0089】次に、焼成炉にて上記のシートを焼成して
ヴィアホールに導体および導体などのパターンが形成さ
れたセラミックス多層基板を作製する。焼成雰囲気や温
度はセラミックス基板や導体の種類によって異なる。セ
ラミックスあるいはガラス・セラミックスからなる低温
焼成多層基板の場合は、850〜1000℃の温度で数
時間保持して絶縁層を焼成する。アルミナや窒化アルミ
やムライト基板では、1600℃程度の温度で数時間か
けて焼成する。Cu,W,Mo,W−Moなどの導体で
は、窒素などの中性や水素を含む還元性雰囲気で焼成す
る。焼成時にグリーンシート中に含まれる側鎖にカルボ
キシル基とエチレン性不飽和基を有するアクリル系共重
合体、光反応重合性化合物、有機染料、安定化剤、可塑
剤あるいは溶媒などの有機物の酸化、蒸発を可能にする
雰囲気であればよい。そのようなものとして導体がC
u,W,Mo,W−Moでは酸素を3〜100ppm含
有し、残部が窒素あるいはアルゴンなどの中性ガスまた
は水蒸気で制御した雰囲気中で焼成できる。焼成温度は
有機バインダー完全に酸化、蒸発させる温度として30
0〜600℃で5分〜数時間保持した後、800〜16
00℃の温度で数時間保持してからセラミックス多層基
板を作製する。
【0090】焼成後の多層基板中に残存する炭素量は2
50ppm以下であることが好ましい。残存する炭素量
が多いと、多層基板の気孔率の低下、強度低下、誘電率
の増加、誘電損失の増加、リーク電流の増加あるいは絶
縁抵抗の低下などの問題を生ずる。また残存炭素量は1
00ppm以下、より好ましくは50ppm以下であ
る。
【0091】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、以下の説明で濃度はとくに断らない限りすべ
て重量%で表わす。
【0092】実施例1〜10 A.セラミックス成分 99.5%純度のアルミナ粉末;平均粒子径1.7μ
m、比表面積1.1m2 /gの球状粉末。 コーディライト粉末;平均粒子径2.4μm、比表面
積5.0m2 /gの球状粉末。 ガラス−セラミックス粉末;アルミナ(無機フィラ
ー)粉末50%、ガラス粉末50%、(ガラス組成は、
SiO2 ;60,CaO;20,Al2 3 ;20,M
gO;5,B2 3 ;5,TiO2 ;3である。ガラス
粉末は予めアトライターにて微粉末し、粉末の平均粒子
径、2.2μm,比表面積、1.5m2 /gの球状粉末
を使用した。) B.紫外線吸光剤 有機染料;アゾ系染料;スダンIV(Sudan ) 化学式;C24204 O,分子量;380.45 有機染料;アゾ系染料;オイルイエローOB(Oil Ye
llow OB ) 化学式;CH3 4 4 N:NC104 NH2 ,分子
量;261.33 C.ポリマーバインダ 40%のメタアクリル酸(MAA)、30%のメチルメ
タアクリレート(MMA)および30%のスチレン(S
t)からなる共重合体のカルボキシル基(MAA)に対
して0.4当量(40%に相当する)のグリシジルメタ
アクリレート(GMA)を付加反応させたポリマー。ポ
リマーの酸価は95であった。
【0093】D.光反応性化合物(モノマー) トリメチロール・プロパン・トリアクリラート E.溶媒 イソプロピルアルコール(IPA)、ブチルアルコール
(BA)およびメチルエチルケトン(MEK)の混合溶
媒(16:2:82) F.光重合開始剤 α−アミノ・アセトフェノンをポリマーとモノマーとの
総和に対して20%添加した。
【0094】G.増感剤 2、4−ジエチルチオキサントンをポリマーとモノマー
との総和に対して20%添加した。
【0095】H.可塑剤 ジブチルフタレート(DBP)をポリマーとモノマーと
の総和に対して30%添加した。
【0096】I.分散剤 カチオンまたは“フローレン”(G−700、マレイン
酸部分エステル系)をセラミックス粉末に対して1.5
%添加した。
【0097】<グリーンシートの作製> A.有機ビヒクルの作製 溶媒およびポリマーバインダを混合し、攪拌しながら1
20℃まで加熱しすべてのポリマーバインダを均質に溶
解させた。ついで溶液を室温まで冷却し、光重合開始剤
を加えて溶解させた。その後この溶液を400メッシュ
のフィルターを用いて濾過し、有機ビヒクルを作製し
た。
【0098】B.吸光剤添加粉末の作製 有機染料を所定の量(セラミックス粉末に対して0.5
%)秤量し、イソプロピルアルコール(IPA)に溶解
させた溶液にカチオン分散剤を加えてホモジナイザで均
質に攪拌した。次にこの溶液中にセラミックス粉末を所
定の量添加して均質に分散・混合しながらロータリエバ
ポレータを用いて、150〜200℃の温度で乾燥し、
IPAを蒸発させた。こうして有機染料の膜でセラミッ
クスの表面を均質にコーティングした(いわゆるカプセ
ル処理した)粉末を作製した。粉末の吸光度を表1およ
び表2に示す。
【0099】C.スラリー調製 スラリーの作製は上記の有機ビヒクルに光反応性化合
物、吸光剤添加の粉末(有機染料でカプセル処理したセ
ラミックス粉末)、フローレン分散剤、増感剤、可塑剤
および溶媒を所定の組成となるように添加し、アトライ
ターで24時間湿式混合し、調製した。さらに真空攪拌
機にて24時間脱泡してスラリーを調整した。作製した
スラリーの粘度は、ブルックフィールド粘度計(型式;
RVDV−II+)で回転数50rpmで測定して200
0cpsであった。
【0100】スラリー組成を表1および表2に示す。
【0101】D.グリーンシートの作製 成形は紫外線を遮断した室内でポリエステルのキャリア
フィルムとブレードとのギャップを0.7mmとし、成
形速度20cm/分でドクターブレード法によって行っ
た。得られたグリーンシートの膜厚は145〜155μ
mであった。
【0102】E.露光、現像 上記で作製したグリーンシートを130mm角に切断し
た後、温度90℃に40分加熱し、溶媒を蒸発させた。
次にクロムマスクを用いて径60μmのヴィアホール数
3000本を有するクロムマスクを用いて、上面から超
高圧水銀灯を使用して露光量250mJ/cm2 で紫外
線露光した。次に25℃に保持したモノエタノールアミ
ンの0.5重量%の水溶液に浸漬して現像し、その後ス
プレーを用いて光硬化していないヴィアホールを水洗浄
した。
【0103】F.ヴィアホールに導体埋め込み 次に、グリーンシートのヴィアホールにスクリーン印刷
法でタングステン(セラミックス粉末を用いたと
き)、銀−パラジウム合金(セラミックス粉末を用い
たとき)または銅(セラミックス粉末を用いたとき)
の厚膜ペーストを埋め込み、配線の層間接続用の導体を
形成した。
【0104】G.導体パターン形成 上記Eでヴィアホールに導体を埋め込んだグリーンシー
トに感光性導電ペーストで信号用の導体パターンを形成
した。感光性導電ペーストの作製およびこのペーストに
よるパターン形成は下記の方法で行った。また電源層用
のパターン形成は市販の非感光性の銀、銅およびタング
ステンペーストを用いてスクリーン印刷法で行った。上
記のセラミックス粉末のうちのアルミナ粉末で作製し
たグリーンシートには感光性タングステンペーストを、
のコーディライトのグリーンシートには感光性銀ペー
ストを、のガラス−セラミックスのグリーンシートに
ついては感光性銅ペーストをそれぞれ使用した。
【0105】1.感光性導電ペーストの作製 1−1 導電粉末 銀−パラジウム合金粉末(パラジウム5%);球状の
平均粒子径1.5μm,比表面積0.15m2 /gを有
する粉末を使用した。
【0106】銅粉末;多面体形状の平均粒子径3.0
μm,比表面積0.32m2 /gを有する粉末を使用し
た。
【0107】タングステン粉末;多面体形状の平均粒
子径2.0μm,比表面積0.2m2 /gを有する粉末
を使用した。
【0108】上記の導電粉末をそれぞれペースト組成と
して89%添加した。
【0109】1−2 ポリマーバインダー 40%のメタアクリル酸(MAA)、30%のメチルメ
タアクリレート(MMA)および30%のスチレン(S
t)からなる共重合体のカルボキシル基(MAA)に対
して0.4当量(40%に相当する)のグリシジルメタ
アクリレート(GMA)を付加反応させたポリマー。ポ
リマーの酸価は100であった。ポリマーを6%添加し
た。
【0110】1−3 モノマー トリメチロール・プロパン・トリアクリラートを4%添
加した。
【0111】1−5 ガラスフリット 酸化カルシウム(5.0)、酸化亜鉛(28.1)、酸
化ホウ素(25.0)、二酸化ケイ素(22.8)、酸
化ナトリウム(8.8)、酸化ジルコニウム(4.5)
およびアルミナ(5.8)を含む組成のガラスフリット
を1%添加した。
【0112】1−4 溶媒 γ−ブチロラクトン 1−5 光重合開始剤 α−アミノ・アセトフェノンを2%添加した(ポリマー
とモノマーとの総和に対して20%)。
【0113】1−6 可塑剤 ジブチルフタレート(DBP)を0.6%添加した(ポ
リマーの10%)。 1−7 増感剤 2,4−ジエチルチオキサントンを2%添加した(光重
合開始剤と同じ割合)。
【0114】1−8 増感助剤 p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル(EPA)
を2%添加した(光重合開始剤と同じ割合)。
【0115】1−9有機ビヒクルの作製 溶媒およびポリマバインダーを混合し、攪拌しながら8
0℃まで加熱しすべてのポリマバインダーを均質に溶解
させた。ついで溶液を室温まで冷却し、開始剤を加えて
溶解させた。その後溶液を400メッシュのフィルター
を通過して濾過した。
【0116】1−10 導電ペースト作製 上記の有機ビヒクルに導電性粉末、モノマー、可塑剤、
増感剤、増感助剤および溶媒を所定の組成となるように
添加し、3本ローラで均一に混合・分散して3種類のペ
ーストを作製した。ペーストの組成を表2に示す。
【0117】1−11 印刷 上記のペーストを320メッシュのポリエステル製のス
クリーンを用いてグリーンシートにベタに印刷し、80
℃で40分間保持して乾燥した。乾燥後の塗布膜の厚み
は導電性粉末の種類によって異なるが、およそ25μm
であった。
【0118】1−12 露光、現像 上記で作製した塗布膜に30〜50μmの微細な回路パ
ターンを形成したクロムマスクを用いて上面から露光
量、500mJ/cm2 で紫外線露光した。次に25℃
に保持したモノエタノールアミンの0.5重量%の水溶
液に浸漬して現像し、その後スプレーを用いて未露光部
を水洗浄した。
【0119】H.積層 銀−パラジウム合金およびタングステン導体および電源
回路を形成した5枚のグリーンシートをガイド穴を用い
て積み重ね、120℃で、150kg/cm2 の圧力で
熱圧着し、5層からなる多層セラミックスグリーンシー
トを作製した。
【0120】I.焼結 得られた5層の積層体について銀導体の場合は、500
℃で空気中で1時間、銅導体の場合は、500℃で酸素
を10ppm含む窒素ガス中で24時間保持して焼成を
行い、バインダ、モノマ、可塑剤、増感剤を蒸発させた
後、焼結し、多層基板を得た。焼結温度は、コーディラ
イトのシートは950℃で、ガラス−セラミックスのシ
ートは900℃で1.5時間保持して行った。
【0121】タングステンを導体にしたグリーンシート
(アルミナのシート)はH2 (水素)ガスとN2 (窒
素)ガス雰囲気中で500℃で24時間の焼成を行い、
脱バインダ後、1600℃の温度にて1.5時間保持し
て焼結し、多層セラミック基板を得た。
【0122】J.グリーンシートの強度測定 上記Cで作製したアルミナ、コーディライトおよびガラ
ス−セラミックスの3種類のグリーンシートについて露
光量、500mJ/cm2 で紫外線露光し、グリーンシ
ートの露光前後の引っ張り強度を測定した。結果を表1
に示した。
【0123】K.評価 焼成後のセラミック多層基板についてリーク電流、ヴィ
アホール部からの断線不良発生の有無、ヴィアホールの
抵抗の変化率および湿中負荷(THB)試験を行った。
THB試験は初期の絶縁抵抗を調べ、さらに温度85
℃,湿度85%の環境下で1500時間保持後、絶縁層
間に50Vの直流電圧を印加して絶縁抵抗を測定した。
結果を表1および表2に示した。導体膜の比抵抗は4端
子法で測定した。
【0124】このように光硬化性の樹脂を含むグリーン
シートを用いてフォトリソグラフィー法によりヴィアホ
ールを形成し、さらに感光性導電ペーストによりパター
ン形成を行って作製したセラミック多層基板は微細なヴ
ィアホールと微細な導体パターンが形成できるため小形
化、高密度化にとくに有利である。ヴィアホール形成の
ためのスクリーンが必要なく、セルフアライメントとな
り、従来のような位置ズレがなくなった。また光硬化に
より均一なヴィアホールが形成でき、ヴィアホールが微
細であるのでヴィア形成部でのポアーの発生もなく、断
線がまったく認められなかった。この結果、高い信頼性
を得ることができた。
【0125】またヴィアホール径が2〜3倍である従来
の多層基板に比較して信号伝播速度が大幅に減少した。
【0126】さらにフォトリソグラフィ法で形成した導
体パターンの断面形状は略矩形となるためCAD,CA
Mによるパターン設計が可能となり、導体回路間の電流
の流れがスムーズになる。とくに100MHz以上の高
周波領域で用いる場合に、ノイズの発生やクロストーク
の恐れが大幅に減少する。信頼性のあるセラミックス多
層基板が得られる。
【0127】また光硬化したグリーンシートは従来の未
硬化のシートが1.4MPaに対して2.7〜10.0
MPaに大きく増加した。強度が向上したことにより薄
いシートでもヴィアホール加工ができるようになり、ま
た取扱いも容易になるのでセラミックス多層基板の小形
化が期待できる。
【0128】
【表1】
【表2】 実施例11〜16 感光性グリーンシートを下記の条件で作製した。
【0129】A.コーディライト粉末 平均粒子径1.5μm,比表面積8m2 /gを有する粉
末を用いた。
【0130】B 紫外線吸光剤 有機染料;アゾ系染料;スダンIV(Sudan)、化学
式;C24204 O,分子量;380.45。
【0131】C.ポリマーバインダー 非感光性のアクリルコポリマー(メタクリル酸エステル
−アクリル酸エステル共重合体)および感光性ポリマ
ー。感光性ポリマーバインダーは上記実施例1のCで述
べたポリマーを使用した。
【0132】D.光反応性化合物(モノマー) トリメチロール・プロパン・トリアクリラート E.溶媒 メチルエチルケトン(MEK)、イソプロピルアルコー
ル(IPA)およびブタノールの混合溶媒(64:5:
31)。
【0133】F.光重合開始剤 α−アミノ・アセトフェノンを感光性ポリマーとモノマ
ーとの総和の20%添加した。
【0134】G.可塑剤 ジブチルフタレート(DBP)をポリマー(感光性およ
び非感光性)とモノマーとの総和に対して30%添加し
た。
【0135】H.分散剤 カチオンまたは“フローレン”(G−700)をセラミ
ックス粉末に対して1.5%添加した。
【0136】<グリーンシートの作製> A.有機ビヒクルの作製 溶媒および非感光性および感光性のポリマーバインダを
混合し、攪拌しながら120℃まで加熱しすべてのポリ
マーバインダを均質に溶解させた。ついで溶液を室温ま
で冷却し、光重合開始剤を加えて溶解させた。その後こ
の溶液を400メッシュのフィルターを用いて濾過し、
有機ビヒクルを作製した。
【0137】B.吸光剤添加粉末の作製 有機染料を所定の量(セラミックス粉末に対して0.5
%)秤量し、イソプロピルアルコール(IPA)に溶解
させた溶液にカチオン分散剤を加えてホモジナイザで均
質に攪拌した。次にこの溶液中にセラミックス粉末を所
定の量添加して均質に分散・混合しながらロータリエバ
ポレータを用いて、150〜200℃の温度で乾燥し、
IPAを蒸発させた。こうして有機染料の膜でセラミッ
クスの表面を均質にコーティングした粉末を作製した。
粉末の吸光度を表3に示す。
【0138】C.スラリー調製 スラリーの作製は上記の有機ビヒクルに光反応性化合
物、吸光剤添加の粉末、フローレン分散剤、および可塑
剤を所定の組成となるように添加し、ボールミルで24
時間湿式混合し、調製した。さらに真空攪拌機にて24
時間脱泡してスラリーを調整した。
【0139】作製したスラリーの粘度は、ブルックフィ
ールド粘度計(型式;RVDV−II+)で回転数50r
pmで測定して2000cpsであった。
【0140】スラリー組成を表3に示す。
【0141】D.グリーンシートの作製 成形は紫外線を遮断した室内でポリエステルのキャリア
フィルムを使用してブレードとのギャップを0.7mm
とし、成形速度20cm/minでドクターブレード法
で作製した。得られたグリーンシートの膜厚は150μ
mであった。次に130mm角のサイズの1枚のグリー
ンシートに金型によるパンチングプレスにてヴィアホー
ル径100μmの穴を2000本加工した。
【0142】E.ヴィアホールに導体穴埋め 上記ヴィアホールにスクリーン印刷法で銅の厚膜ペース
トを埋め込み、80℃で40分間保持して溶媒を乾燥さ
せた。
【0143】F.露光 次にクロムマスクを用いて上面から露光量、200mJ
/cm2 で超高圧水銀灯で紫外線露光し、グリーンシー
トを光硬化させた。
【0144】G.導体パターン印刷 上記の実施例1のFと同じように上記露光後のシートに
感光性銅ペーストでベタ印刷し、80℃で40分間保持
して乾燥した。乾燥後の塗布厚みは25μmであった。
【0145】H.露光、現像 上記でシートに作製した塗布膜に20〜40μmの範囲
で20μm間隔のファインパターンを形成したクロムマ
スクを用いて、上面から800mJ/cm2 で紫外線露
光した。次に25℃に保持したモノエタノールアミンの
0.5重量%の水溶液に浸漬して現像し、さらにスプレ
ーを用いて未露光部を水洗浄した。
【0146】I.焼成 グリーンシート上に微細パターンを形成した塗布膜を酸
素10ppm含有する窒素ガス中で、500℃で30分
保持してポリマーバインダー、モノマー、増感剤および
可塑剤などを蒸発させた後、900℃にて1時間焼結さ
せ、銅導体膜を作製した。シートは表面を研磨した高純
度のアルミナ基板にアルミナの敷粉を引き、さらにシー
トに軽く重しをかけて焼成した。
【0147】J.評価 焼成後の銅導体膜ついて膜厚、解像度、比抵抗を測定
し、評価した。膜厚はマイクロメータで測定した。解像
度は導体膜を顕微鏡観察し、20〜40μmのラインが
直線で重なりなくかつ再現性が得られるライン間隔を最
も微細なライン間隔として決定した。比抵抗は4端子法
で30mAの電流下で起電力を測定して抵抗を求めた。
結果を表3に示す。
【0148】このように光硬化性の樹脂を含む導電性の
ペーストを用いてフォトリソグラフィー法により線幅/
線間隔が30μm/30μm以下の微細パターンでかつ
低抵抗の回路パターンが得られるのでとくにセラミック
ス多層基板の内層用導体ペーストとしてとくに使用でき
る。この結果、セラミックス多層基板の小形化、高密度
化を一層可能にするものである。
【0149】
【表3】 比較例1 下記の条件で非感光性のグリーンシートを作製した。使
用したスラリー組成は下記の通り。
【0150】A.セラミックス粉末 コーディライト粉末;平均粒子径2.4μm,比表面積
5.0m2 /gの球状粉末。
【0151】B.ポリマーバインダ アクリレート樹脂 C.可塑剤 ジブチルフタレート D.溶媒 メチルエチルケトン、イソプロピルアルコールおよびブ
タノールの混合溶媒(64:5:31) E.分散剤 フローレン <グリーンシートの作製> A.スラリーの作製 溶媒にポリマーバインダーを溶解させた有機ビヒクルを
用いて最終的なスラリー組成としてコーディライト粉
末、バインダー、分散剤および可塑剤および溶媒をそれ
ぞれ62、15、1,3および19%添加し、アトライ
ターで24時間湿式混合して調整した。さらに真空攪拌
機にて脱泡してシート成形用スラリーを作製した。
【0152】B.グリーンシート作製 上記のスラリーを用いてポリエステルのキャリアフィル
ムとブレードとのギャップ0.8mmで、成形速度20
cm/分の条件でドクターブレード法により成形した。
得られたグリーンシートの厚みは、150μmであっ
た。
【0153】次にグリーンシートに上記実施例1の感光
性銅ペーストを使用して導体パターン形成を試みた。し
かしながら、露光後現像条件をいろいろ変えて検討した
が、未露光部が除去できず、パターン形成ができなかっ
た。
【0154】比較例2 下記の感光性のグリーンシートを作製した。すなわち、
紫外線吸光剤を添加しない以外は実施例2と同じ条件で
厚み160μmのアルミナのグリーンシートを作製し
た。このグリーンシートに露光量、500mJ/cm2
の条件で紫外線露光した。次に、比較例1と同じように
感光性銅ペーストを用いて導体パターン形成を試みた
が、未露光部が現像できずパターン形成ができなかっ
た。また、露光後のシートには曲りやそりが認められ、
引っ張り強度を測定したが、紫外線吸光剤を添加したシ
ートと比較して0.8MPaと低強度であった。
【0155】
【発明の効果】従来の非感光性のセラミックス・グリー
ンシート上に感光性ペーストを用いてパターン形成をし
ようとしても、焼成前の生のシートに含まれる有機ポリ
マー、可塑剤、溶媒あるいは各種の添加剤と感光性ペー
ストに含まれる有機溶媒とが反応し、現像時に未露光部
が殆ど除去できないため、パターン形成は困難であっ
た。また、従来の感光性セラミックス・グリーンシート
上に感光性ペーストを用いてパターン形成をしようとし
ても、グリーンシートの紫外線硬化が不充分で、非感光
性のグリーンシートと同様の問題が起こり、パターン形
成は困難であった。本発明においては、セラミックス・
グリーンシート中に紫外線吸光剤を含有するので、感光
性ペーストを用いてシート上に良好なパターンを形成で
きるものである。これは、シートの紫外線硬化が十分に
なされる結果、シートの耐薬品性や耐溶剤性が向上し、
感光性ペースト中の有機溶媒との反応が殆ど起こらなく
なり、未露光部の除去が完全になされることに基づく。
紫外線硬化は、この他にも、シートの寸法精度、機械的
強度の向上などの効果を与える。特に引っ張り強度は飛
躍的に向上する。
【0156】このように、セラミックス・グリーンシー
ト上に感光性ペーストを用いてパターン形成できるの
で、L/S=30μm/30μmの微細な導体、抵抗
体、誘電体、絶縁体パターン形成が可能となり、かつ低
抵抗の導体パターンが得られ、セラミックス多層基板の
内層用導体の形成が可能になる。また、シートの引っ張
り強度が大幅に向上するのでグリーンシートの薄膜化に
有効である。これらの結果、セラミックス多層基板の小
形化、高密度化を一層可能にするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】測定波長と吸光度の関係を表すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−204356(JP,A) 特開 昭63−64953(JP,A) 特開 平4−175380(JP,A) 特開 平5−86342(JP,A) 特開 平2−141458(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05K 1/03 H05K 3/10 - 3/46

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の(1)〜(3)の工程を含むこと
    を特徴とするセラミックス・グリーンシート上にパター
    ンを形成する方法。 (1)セラミックス粉末、光硬化性樹脂組成物および紫
    外線吸光剤を含有するシートスラリー組成物を支持体上
    に塗布、乾燥し、セラミックス・グリーンシートを作製
    する工程、(2)該セラミックス・グリーンシートに紫
    外線の照射と、ヴィアホールの形成を行なう工程、
    (3)ヴィアホールの形成されたセラミックス・グリー
    ンシート上に感光性ペーストを塗布、乾燥、選択的に露
    光、現像することによりパターンを形成する工程。
  2. 【請求項2】 上記(2)工程において、紫外線の選択
    的な照射、現像によりヴィアホールを形成することを特
    徴とする請求項1記載のセラミックス・グリーンシート
    上にパターンを形成する方法。
  3. 【請求項3】 上記(2)工程において、紫外線の照射
    により該セラミックス・グリーンシートの少なくとも表
    面を光硬化した後に、ヴィアホールを形成することを特
    徴とする請求項1記載のセラミックス・グリーンシート
    上にパターンを形成する方法。
  4. 【請求項4】 上記(2)工程において、ヴィアホール
    を形成した後に、紫外線の照射によりセラミックス・グ
    リーンシートの少なくとも表面を光硬化することを特徴
    とする請求項1記載のセラミックス・グリーンシート上
    にパターンを形成する方法。
  5. 【請求項5】 感光性ペーストが、感光性導電ペース
    ト、感光性抵抗体ペースト、感光性誘電ペーストおよび
    感光性絶縁ペーストの群から選ばれた少なくとも一種で
    あること特徴とする請求項1記載のセラミックス・グリ
    ーンシート上にパターンを形成する方法。
  6. 【請求項6】 感光性導電ペーストが、導電体粉末およ
    び感光性樹脂組成物を含有することを特徴とする請求項
    5記載のセラミックス・グリーンシート上にパターンを
    形成する方法。
  7. 【請求項7】 感光性抵抗体ペーストが、抵抗体粉末お
    よび感光性樹脂組成物を含有することを特徴とする請求
    項5記載のセラミックス・グリーンシート上にパターン
    を形成する方法。
  8. 【請求項8】 感光性誘電ペーストが、誘電体粉末およ
    び感光性樹脂組成物を含有することを特徴とする請求項
    5記載のセラミックス・グリーンシート上にパターンを
    形成する方法。
  9. 【請求項9】 感光性絶縁ペーストが、絶縁体粉末およ
    び感光性樹脂組成物を含有することを特徴とする請求項
    5記載のセラミックス・グリーンシート上にパターンを
    形成する方法。
  10. 【請求項10】 紫外線吸光剤が有機染料であることを
    特徴とする請求項1記載のセラミックス・グリーンシー
    ト上にパターンを形成する方法。
  11. 【請求項11】 有機染料がアゾ系染料であることを特
    徴とする請求項10記載のセラミックス・グリーンシー
    ト上にパターンを形成する方法。
  12. 【請求項12】 セラミックス粉末が紫外線吸光剤によ
    り被覆されていることを特徴とする請求項10記載のセ
    ラミックス・グリーンシート上にパターンを形成する方
    法。
  13. 【請求項13】 紫外線吸光剤の350〜450nmに
    おける吸光度の積分値が10〜150であることを特徴
    とする請求項1記載のセラミックス・グリーンシート上
    にパターンを形成する方法。
  14. 【請求項14】 紫外線吸光剤の350〜450nmに
    おける吸光度の積分値が20〜100であることを特徴
    とする請求項1記載のセラミックス・グリーンシート上
    にパターンを形成する方法。
  15. 【請求項15】 シートスラリー組成物が、セラミック
    ス粉末、側鎖にカルボキシル基とエチレン性不飽和基を
    有するアクリル系共重合体、光反応性化合物および光重
    合開始剤を含有することを特徴とする請求項1記載のセ
    ラミックス・グリーンシート上にパターンを形成する方
    法。
  16. 【請求項16】 セラミックス粉末が、アルミナ、ジル
    コニア、マグネシア、ベリリア、ムライト、コーディラ
    イト、スピネル、フォルステライト、アノーサイト、セ
    ルジアン、シリカおよび窒化アルミの群から選ばれた少
    なくとも一種であることを特徴とする請求項1記載のセ
    ラミックス・グリーンシート上にパターンを形成する方
    法。
  17. 【請求項17】 セラミックス粉末が、酸化物換算表記
    で SiO2 30〜70重量% Al2 3 5〜25重量% CaO 5〜25重量% MgO 0〜10重量% B2 3 3〜50重量% TiO2 0〜15重量% の組成範囲で、総量が95重量%以上となるガラス組成
    粉末40〜60重量%と、アルミナ、ジルコニア、マグ
    ネシア、ベリリア、ムライト、コーディライト、スピネ
    ル、フォルステライト、アノーサイト、セルジアン、シ
    リカおよび窒化アルミの群から選ばれた少なくとも一種
    の無機フィラー粉末60〜40重量%との原料混合物で
    あることを特徴とする請求項1記載のセラミックス・グ
    リーンシート上にパターンを形成する方法。
  18. 【請求項18】 シートスラリー組成物が、安定化剤を
    含有することを特徴とする請求項1記載のセラミックス
    ・グリーンシート上にパターンを形成する方法。
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