JPH09142939A - パターン形成されたセラミックグリーンシートの製造方法 - Google Patents

パターン形成されたセラミックグリーンシートの製造方法

Info

Publication number
JPH09142939A
JPH09142939A JP7300117A JP30011795A JPH09142939A JP H09142939 A JPH09142939 A JP H09142939A JP 7300117 A JP7300117 A JP 7300117A JP 30011795 A JP30011795 A JP 30011795A JP H09142939 A JPH09142939 A JP H09142939A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
green sheet
ceramic green
powder
photosensitive
producing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7300117A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Moriya
豪 守屋
Tomohiko Ogata
知彦 尾形
Takeshi Tanaka
剛 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP7300117A priority Critical patent/JPH09142939A/ja
Publication of JPH09142939A publication Critical patent/JPH09142939A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Parts Printed On Printed Circuit Boards (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】セラミックグリーンシート上に感光性ペースト
を用いてフォトリソグラフィ法により良好なパターン形
成ができるセラミックグリーンシートおよびパターン形
成されたセラミックグリーンシートの製造方法を提供す
る。 【解決手段】セラミックグリーンシート上に無機粉末、
感光性有機成分、溶媒を少なくとも含有する感光性ペー
ストを塗布する工程を含むパターン形成されたセラミッ
クグリーンシートの製造方法であって、前記溶媒が前記
セラミックグリーンシートを溶解しないことを特徴とす
るパターン形成されたセラミックグリーンシートの製造
方法により達成される。。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、焼成セラミックス
基板などの形成に好適に用いられるセラミックグリーン
シート上でのパターン形成方法に関するものである。セ
ラミックグリーンシートとは、半導体素子を搭載し、か
つそれらを相互に配線した高密度実装などに好適に用い
られる焼成セラミックス基板、特に多層セラミックス基
板に好適に用いられるセラミックスで作製したグリーン
シートであり、さらに、セラミックス多層基板の表層お
よび内層用電極の微細な回路パターン形成に有効なグリ
ーンシートのことである。
【0002】
【従来の技術】多層セラミックス基板は、主としてグリ
ーンシート積層法によって作製されている。グリーンシ
ート積層法は、導体を印刷し、ヴィアホール加工を済ま
せたグリーンシートを多数枚積層して熱圧着後、同時に
焼成して多層基板とする方法である。
【0003】従来のセラミックグリーンシートは、特開
平1−232797号公報や特開平2−141458号
公報に記載のごとく、通常、セラミックス粉末、有機バ
インダー、可塑剤、溶媒および必要に応じて分散剤など
を適宜配合した後、混合してスラリーとした後、得られ
たスラリーをドクターブレード法などの公知の方法によ
ってグリーンシートを形成している。得られたグリーン
シートはカッターあるいは打抜き型によって所望の形状
に加工した後、さらにヴィアホールやスルーホール(以
下ヴィアホールで代表して説明する)を設けるためグリ
ーンシートにパンチ・ダイによる金型やレーザでの穴あ
け加工を行なう。つづいて、グリーンシートに通常のス
クリーン印刷法によってヴィアホール内に導電ペースト
を充填する。
【0004】また、特開昭63−64953号公報およ
び特開平2−204356号公報には、セラミックス原
料、紫外線硬化型液状化合物および光重合開始剤を含有
する組成物に紫外線を照射して硬化させたセラミックグ
リーンシートやガラスセラミックグリーンシートにビス
アジド化合物を含むグリーンシートが提案されている。
【0005】一方、従来のグリーンシート上に導電体パ
ターンや絶縁体パターン等のパターンを形成するには、
ペーストを用いたスクリーン印刷法が用いられてきた
が、この方法では、L(線幅)/S(幅間隔)=100
μm/100μm以下の微細パターンの形成は困難であ
る。そこで、特開昭63−265979号公報、特開平
5−67405号公報および特開平5−204151号
公報に記載のようにフォトリソグラフィ(写真製版技
術)法を利用して微細な導体パターン形成ができる感光
性導電ペーストが提案されている。この感光性導電ペー
ストは銅、金、タングステンあるいは銀などの導電粉
末、感光性樹脂、光開始剤および溶媒などを含んだ組成
物のペーストからなる。このペーストを焼成後のセラミ
ックス基板などにスクリーン印刷法で塗布した膜を乾燥
後、回路パターンを有するフォトマスクを用いて紫外線
を照射し、露光部を硬化する。次に、現像液を用いて未
露光部の硬化していない部分を除去してパターン形成す
る。しかしながら、焼成していない従来のグリーンシー
トに感光性ペーストを用いてパターンを形成しようとす
る場合には、グリーンシートの耐薬品性や耐溶解性が劣
るためにペーストに含有する有機溶媒がグリーンシート
中に浸透することにより、現像時に未露光部の除去が非
常に難しなり、高精細パターンが得られにくいという問
題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は、セラミックグリーンシート上に感光性ペーストを
用いてフォトリソグラフィ法により良好なパターン形成
ができるセラミックグリーンシートおよびパターン形成
されたセラミックグリーンシートの製造方法を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
セラミックグリーンシート上に無機粉末、感光性有機成
分、溶媒を少なくとも含有する感光性ペーストを塗布す
る工程を含むパターン形成されたセラミックグリーンシ
ートの製造方法であって、前記溶媒が前記セラミックグ
リーンシートを溶解しないことを特徴とするパターン形
成されたセラミックグリーンシートの製造方法により達
成される。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明におけるセラミックグリー
ンシート基板としては、公知のセラミックグリーンシー
トを使用できる。すなわち、通常は、セラミックス粉
末、有機バインダー、可塑剤、溶媒および必要に応じて
分散剤などを適宜配合した後、混合してスラリーとした
後、該スラリーをドクターブレード法などの公知の方法
によってシートとしたものである。
【0009】通常、セラミックグリーンシートの厚みは
50〜250μm程度である。
【0010】セラミックグリーンシート基板に含有され
るセラミックス粉末としては特に限定されず、低温ある
いは高温焼成用などの公知のセラミック絶縁原料がいず
れも適用できる。通常、低温用は850〜1000℃、
高温用は1400〜1650℃で焼結できるセラミック
ス絶縁原料である。
【0011】本発明において使用されるセラミックス粉
末としては、セラミックス粉末単独、ガラス−セラミッ
クス複合系、結晶化ガラスなどがあげられる。
【0012】セラミックス粉末単独で用いる場合の例と
しては、アルミナ(Al2 3 )、ジルコニア(ZrO
2 )、マグネシア(MgO)、ベリリア(BeO)、ム
ライト(3Al2 3 ・2SiO2 ),コーディライト
(5SiO2 ・2Al2 3・2MgO)、スピネル
(MgO・Al2 3 )、フォルステライト(2MgO
・SiO2 )、アノーサイト(CaO・Al2 3 ・2
SiO2 )、セルジアン(BaO・Al2 3 ・2Si
2 )、シリカ(SiO2 )、窒化アルミ(AlN)な
どの粉末あるいは低温焼成用セラミックス粉末があげら
れる。これらのセラミックス粉末の純度は90重量%以
上のものが好ましく用いられる。
【0013】ガラス−セラミックス複合系の例として
は、例えばSiO2 ,Al2 3 ,CaO,B2 3
よび必要に応じてMgOおよびTiO2 などを含むガラ
ス組成粉末と、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、ベ
リリア、ムライト、コーディライト、スピネル、フォル
ステライト、アノーサイト、セルジアン、シリカおよび
窒化アルミの群から選ばれる少なくとも一種の無機フィ
ラー粉末との原料混合物があげられる。より好ましくは
セラミックス粉末が酸化物換算表記で SiO2 30〜70重量% Al2 3 5〜25重量% CaO 5〜25重量% MgO 0〜10重量% B2 3 3〜50重量% TiO2 0〜15重量% の組成範囲で、総量が95重量%以上となるガラス組成
粉末40〜60重量%と、アルミナ、ジルコニア、マグ
ネシア、ベリリア、ムライト、コーディライト、スピネ
ル、フォルステライト、アノーサイト、セルジアン、シ
リカおよび窒化アルミの群から選ばれる少なくとも一種
の無機フィラー粉末60〜40重量%との原料混合物で
ある。すなわち、SiO2 、Al2 3 、CaO、Mg
O、B2 3 、TiO2 の組成範囲は、ガラス組成粉末
中の割合であり、これらの成分がガラス粉末中で総量9
5重量%以上であることが好ましい。
【0014】ガラス−セラミックス複合系の具体例とし
ては、SiO2 −B2 3 系ガラス、PbO−SiO2
−Al2 3 −B2 3 系ガラス、CaO−SiO2
Al2 3 −B2 3 系ガラスなどに、Al2 3 ,石
英(SiO2 ),ZrO2 ,コーディライトなどのセラ
ミックス成分を加えたものがあげられる。
【0015】結晶化ガラスの具体例としては、MgO−
Al2 3 −SiO2 系やLi2 O−Al2 3 −Si
2 系の結晶化ガラスなどが使用される。結晶化ガラス
はたとえばMgO−Al2 3 −SiO2 にB2 3
核形成物質を加えて、900〜1000℃で焼成し、コ
ーディライト結晶を析出させ高強度化を図ったものやL
2 O−Al2 3 −SiO2 にB2 3 と核形成物質
を加え、スポジュメンを析出させ、同じく高強度化を図
ったものも使用される。
【0016】グリーンシートのバインダーとしては、一
般的なバインダーを用いることができる。具体的には、
アクリル系ポリマー、ビニル系ポリマー、セルロース系
ポリマーあるいはこれらの混合物や共重合体を用いるこ
とができる。これらのポリマーの例としては、セルロー
ズアセテート、ポリアクリレート、ポリメタクリレー
ト、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等が
挙げられる。
【0017】本発明の感光性ペースト用いられる溶媒
は、ペースト中の感光性有機成分を溶解し、かつ上記グ
リーンシートを溶解しないものである。
【0018】本発明において溶解しないとは、溶媒とグ
リーンシートを混合し、これを12〜48時間恒温槽中
で攪拌後、溶媒に溶け出す量が5%以下であることを言
う。
【0019】また、成形後のグリーンシート上に溶媒の
液滴をたらし、この液滴の接触角から溶解性を判断する
方法もある。ポリマーが溶解する場合、その溶媒の溶解
力をより詳細に試験する方法として、溶媒中におけるポ
リマーの固有粘度を測定する方法がある。これは、まず
溶解分別法やゲル・パーミエーション・クロマトグラフ
ィー(GPC)で分子量分布を狭くした、いくつかの分
子量の異なるポリマー試料に対し、オストワルドやウベ
ローデ型粘度計を用い一定温度で固有粘度を測定する。
得られた固有粘度と分子量の間には、以下に示すマーク
・ホーウィンク・桜田の式が成り立つ。
【0020】〔η〕=KMa (式1) 〔η〕は固有粘度、Mは粘度平均分子量、K、aは特定
のポリマーと溶媒の組み合わせに対して固有の定数であ
り、aは数値が大きいほど溶媒の溶解力が大きく、0.
5以上であれば溶解するものとみなす。
【0021】さらに、溶媒の選択方法として溶解性パラ
メーターが有効な指標となる。溶解性パラメーターは次
のように定義される。
【0022】δ=(E/V)1/2 (式2) Eはモル蒸発熱、Vは分子容である。
【0023】本発明の感光性ペーストに用いられる溶媒
の溶解性パラメーターとしては、グリーンシート中のバ
インダーの溶解性パラメーターとの差の絶対値が好まし
くは1.5以上、より好ましくは2.0以上である。こ
のような溶媒として、具体的にはケトン、低級アルコー
ル、脂肪酸高級アルコールエステル、炭化水素類などが
挙げられる。これらは単独で用いても混合溶媒として用
いてもよい。
【0024】本発明の感光性ペースト中の感光性有機成
分としては、一般の光硬化性樹脂組成物を適用すること
ができる。これらの光硬化性樹脂組成物からなる感光層
は活性な光線を照射することにより不溶化する層であ
る。光硬化性樹脂組成物の例としては、 (1)1分子に不飽和基などを1つ以上有する官能性の
モノマーやオリゴマーを適当なポリマーバインダーと混
合したもの。
【0025】(2)芳香族ジアゾ化合物、芳香族アジド
化合物、有機ハロゲン化合物などの感光性化合物を適当
なポリマーバインダーと混合したもの。
【0026】(3)既存の高分子に感光性の基をペンダ
ントさせることにより得られる感光性高分子あるいはそ
れを改質したもの。
【0027】(4)ジアゾ系アミンとホルムアルデヒド
との縮合物などいわゆるジアゾ樹脂といわれるもの。
【0028】などがあげられる。
【0029】特に好ましい光硬化性樹脂組成物は、側鎖
または分子末端にカルボキシル基とエチレン性不飽和基
を有するアクリル系共重合体、光反応性化合物および光
重合開始剤を含有するものであり、該アクリル系共重合
体は、不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和化合物とを
共重合させて形成したアクリル系共重合体にエチレン性
不飽和基を側鎖または分子末端に付加させることによっ
て製造することができる。好ましいのは、側鎖にカルボ
キシル基とエチレン性不飽和基を有するものである。
【0030】不飽和カルボン酸の具体的な例としては、
アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、クロトン
酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、これらの酸無
水物などがあげられる。一方、エチレン性不飽和化合物
の具体的な例としては、メチルアクリレート、メチルメ
タアクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリ
レート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアク
リレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタク
リレート、sec−ブチルアクリレート、sec−ブチ
ルメタクリレート、イソ−ブチルアクリレート、イソブ
チルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、
tert−ブチルメタクリレート、n−ペンチルアクリ
レート、n−ペンチルメタクリレート、スチレン、p−
メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチ
レンなどがあげられるが、これらに限定されない。これ
らのアクリル系主鎖ポリマの主重合成分として前記のエ
チレン性不飽和化合物の中から少なくともメタクリル酸
メチルを含むことによって熱分解性の良好な共重合体を
得ることができる。
【0031】側鎖または分子末端のエチレン不飽和基と
してはビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基
などがあげられる。このような側鎖をアクリル系共重合
体に付加させる方法としては、アクリル系共重合体中の
カルボキシル基にグリシジル基を有するエチレン性不飽
和化合物やアクリル酸クロライド化合物を付加反応させ
て作る方法がある。
【0032】グリシジル基を有するエチレン性不飽和化
合物としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グ
リシジル、アリルグリシジルエーテル、エチルアクリル
酸グリシジル、クロトニルグリシジルエーテル、クロト
ン酸グリシジルエーテル、イソクロトン酸グリシジルエ
ーテルなどがあげられる。また、アクリル酸クロライド
化合物としては、アクリル酸クロライド、メタアクリル
酸クロライド、アリルクロライドなどが挙げられる。こ
れらのエチレン性不飽和化合物あるいはアクリル酸クロ
ライド化合物の付加量としては、アクリル系共重合体中
のカルボキシル基に対して0.05〜1モル当量が好ま
しく、さらに好ましくは0.1〜0.8モル当量であ
る。エチレン性不飽和化合物の付加量が0.05当量未
満では感光特性が不良となりパターンの形成が困難にな
る。付加量が1モル当量より大きい場合は、未露光部の
現像液溶解性が低下したり、塗布膜の硬度が低くなる。
【0033】これらの光硬化性樹脂組成物中には、非感
光性ポリマーを含有してもよい。非感光性ポリマーとし
ては、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、
メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル共
重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共
重合体、メチルスチレン重合体、ブチルメタクリレート
樹脂などがあげられる。
【0034】光反応性化合物は光反応性を有する炭素−
炭素不飽和結合を含有する化合物で、その具体的な例と
してアリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ブト
キシエチルアクリレート、ブトキシトリエチレングリコ
ールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシ
クロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアク
リレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリセロ
ールアクリレート、グリシジルアクリレート、ヘプタデ
カフロロデシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルア
クリレート、イソボニルアクリレート、2−ヒドロキシ
プロピルアクリレート、イソデキシルアクリレート、イ
ソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−
メトキシエチルアクリレート、メトキシエチレングリコ
ールアクリレート、メトキシジエチレングリコールアク
リレート、オクタフロロペンチルアクリレート、フェノ
キシエチルアクリレート、ステアリルアクリレート、ト
リフロロエチルアクリレート、アリルかシクロヘキシル
ジアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、
1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブチ
レングリコールジアクリレート、エチレングリコールジ
アクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、
トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレン
グリコールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘ
キサアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロ
キシペンタアクリレート、ジトリメチロールプロパンテ
トラアクリレート、グリセロールジアクリレート、メト
キシ化シクロヘキシルジアクリレート、ネオペンチルグ
リコールジアクリレート、プロピレングリコールジアク
リレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、
トリグリセロールジアクリレート、トリメチロールプロ
パントリアクリレート、トリメチロールプロパントリア
クリレートモディファイドPOおよび上記のアクリレー
トをメタクリレートに変えたもの、γ−メタクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン、1−ビニル−2−ピロリ
ドンなどが挙げられる。本発明ではこれらを1種または
2種以上使用することができる。
【0035】側鎖または分子末端にカルボキシル基とエ
チレン性不飽和基を有するアクリル系共重合体は、光反
応性化合物に対して、通常重量比で0.1〜10倍量、
好ましくは0.5〜5倍量用いる。該アクリル系共重合
体の量が少なすぎると、スラリーの粘度が小さくなり、
スラリー中での分散の均一性が低下するおそれがある。
一方、アクリル系共重合体の量が多すぎれば、未露光部
の現像液への溶解性が不良となる。
【0036】光重合開始剤としての具体的な例として、
ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,
4−ビス(ジメチルアミン)ベンゾフェノン、4,4−
ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ジク
ロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルジフ
ェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,
2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−
2−フェニル−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒド
ロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−t−ブチル
ジクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−メチル
チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソ
プロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベ
ンジル、ベンジルジメチルケタノール、ベンジル−メト
キシエチルアセタール、ベンゾイン、ベンゾインメチル
エーテル、ベンゾインブチルエーテル、アントラキノ
ン、2−t−ブチルアントラキノン、2−アミルアント
ラキノン、β−クロルアントラキノン、アントロン、ベ
ンズアントロン、ジベンゾスベロン、メチレンアントロ
ン、4−アジドベンザルアセトフェノン、2,6−ビス
(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサノン、2,6
−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロ
ヘキサノン、2−フェニル−1,2−ブタジオン−2−
(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−
プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキ
シム、1,3−ジフェニル−プロパントリオン−2−
(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−
3−エトキシ−プロパントリオン−2−(o−ベンゾイ
ル)オキシム、ミヒラーケトン、2−メチル−[4−
(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プ
ロパノン、ナフタレンスルホニルクロライド、キノリン
スルホニルクロライド、N−フェニルチオアクリドン、
4,4−アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルジス
ルフィド、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェニ
ルホルフィン、カンファーキノン、四臭素化炭素、トリ
ブロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾインおよびエオ
シン、メチレンブルーなどの光還元性の色素とアスコル
ビン酸、トリエタノールアミンなどの還元剤の組合せな
どがあげられる。本発明ではこれらを1種または2種以
上使用することができる。
【0037】光重合開始剤は、側鎖または分子末端にカ
ルボキシル基とエチレン性不飽和基を有するアクリル系
共重合体と光反応性化合物の和に対し、5〜30重量%
の範囲で添加され、より好ましくは2〜25重量%であ
る。光重合開始剤の量が少なすぎると、光感度が不良と
なり光硬化が不充分となる。また光重合開始剤の量が多
すぎれば、感光性樹脂組成物の表面層だけで光硬化が進
み、均質な光硬化膜が得られなくなる。
【0038】このような感光性樹脂組成物の組成として
は、次の範囲で選択するのが好ましい。
【0039】 (a)側鎖または分子末端にカルボキシル基とエチレン性不飽和基を有するア クリル系共重合体 ;40〜90重量% (b)光反応性化合物 ;60〜10重量% (c)光重合開始剤 ;(a)、(b)の和に対して5〜30重量% 上記においてより好ましくは、(a)および(b)成分
の組成をそれぞれ50〜80重量%、50〜20重量%
の範囲に選択するのがよい。この範囲にあると紫外線露
光時において、光硬化の機能が十分発揮され、後の現像
時における耐薬品性や耐溶解性が向上するので好まし
い。また上記において(b)成分の光反応性化合物が6
0重量%を超えると特に、窒素ガスの中性雰囲気や水素
ガス雰囲気中で感光性樹脂組成物であるバインダを蒸発
させる場合に、脱バインダー性が低下するため絶縁抵抗
や強度の低下などの問題を生ずる。10重量%未満で
は、感度が低下するので光硬化させるのに露光量が多く
必要になる問題がある。
【0040】感光性樹脂組成物中には、必要に応じて安
定化剤、増感剤、可塑剤、消泡剤、分散剤、有機あるい
は無機の沈殿防止剤などを添加することもできる。
【0041】増感剤は、感度を向上させるために添加さ
れる。増感剤の具体例として、2、4−ジエチルチオキ
サントン、イソプロピルチオキサントン、2,3−ビス
(4−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノン、
2,6−ビス(4−ジメチルアミニベンザル)シクロヘ
キサノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザ
ル)−4−メチルシクロヘキサノン、ミヒラーケトン、
4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,
4−ビス(ジメチルアミノ)カルコン、4,4−ビス
(ジエチルアミノ)カルコン、p−ジメチルアミノシン
ナミリデンインダノン、p−ジメチルアミノベンジリデ
ンインダノン、2−(p−ジメチルアミノフェニルビニ
レン)イソナフトチアゾール、1,3−ビス(4−ジメ
チルアミノベンザル)アセトン、1,3−カルボニル−
ビス(4−ジエチルアミノベンザル)アセトン、3,3
−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノクマリン)、
N−フェニル−N−エチルエタノールアミン、N−フェ
ニルエタノールアミン、N−トリルジエタノールアミ
ン、N−フェニルエタノールアミン、ジメチルアミノ安
息香酸イソアミル、ジエチルアミノ安息香酸イソアミ
ル、3−フェニル−5−ベンゾイルチオ−テトラゾーラ
ゾール、1−フェニル−5−エトキシカルボニルチオ−
テトラゾールなどがあげられる。本発明ではこれらを1
種または2種以上使用することができる。なお、増感剤
の中には光重合開始剤としても使用できるものがある。
増感剤を本発明の感光性樹脂組成物に添加する場合、そ
の添加量は側鎖または分子末端にカルボキシル基とエチ
レン性不飽和基を有するアクリル系共重合体と光反応性
化合物の和に対して通常0.1〜30重量%、より好ま
しくは0.5〜15重量%である。増感剤の量が少なす
ぎれば光感度を向上させる効果が発揮されず、増感剤の
量が多すぎれば露光部の残存率が小さくなりすぎるおそ
れがある。
【0042】可塑剤の具体的な例としては、ジブチルフ
タレート、ジオクチルフタレート、ポリエチレングリコ
ール、グリセリンなどがあげられる。
【0043】このような感光性樹脂組成物は、側鎖また
は分子末端にカルボキシル基とエチレン性不飽和基を有
するアクリル系共重合体と光重合開始剤を光反応性化合
物に溶解させることによって製造することができる。側
鎖または分子末端にエチレン性不飽和基を有するアクリ
ル系共重合体と光重合開始剤が光反応性化合物に溶解し
ない場合あるいは溶液の粘度を調整したい場合には該ア
クリル系共重合体、光重合開始剤および光反応性化合物
の混合溶液が溶解可能である有機溶媒や水などの溶媒を
加えてもよい。
【0044】このときペーストに用いられる溶媒は、グ
リーンシート中のバインダーに対して溶解しないもので
あることが必要である。このとき使用される溶媒はケト
ン、低級アルコール、高級エステルおよび二つ以上の官
能基を持つ化合物のうち、少なくとも一種の溶媒である
ことが望ましい。例えばメチルエチルケトン、2−メト
キシエタノール、メタノールなどやこれらのうちの1種
以上を含有する有機溶媒混合物が用いられる。
【0045】さらに必要に応じて、有機溶媒、安定化
剤、増感剤、可塑剤、消泡剤、分散剤、有機あるいは無
機の沈殿防止剤を添加し、ホモジナイザなどの攪拌混合
機でたとえば12〜48時間混合し、スラリーを作製す
る。また、スラリー中に気泡が残存するとシート成形後
に欠陥となるので気泡を真空脱泡機を使用して除去する
ことが好ましい。
【0046】該スラリーは、セラミックグリーンシート
基板上にディップコート、スクリーン印刷、スキージ、
ディスペンサあるいはローラなどの公知の方法により塗
布される。スラリーの粘度は塗布方法によって異なる
が、1000〜50000cps(センチ・ポイズ)で
あることが好ましく、この範囲にあると塗布膜厚の制御
が容易になる。
【0047】露光に用いられる紫外線に光源として低圧
水銀灯、高圧水銀灯、ハロゲンランプ、殺菌灯が好適で
ある。これらの中でも超高圧水銀灯が好適である。光硬
化の条件は、塗布膜の厚みによって異なるが、50〜5
000mJ/cm2 の範囲が好ましい。この範囲にある
と光硬化が十分に達成されるため耐薬品性や溶解性が向
上する。
【0048】このように感光性樹脂組成物を紫外線で効
果的に硬化した層を表層に設けることにより、グリーン
シートの耐薬品性や耐溶解性が大きく向上し、感光性導
電ペーストなどの感光性ペーストに含有される有機溶媒
と該グリーンシート中のポリマーバインダーとの反応を
回避することができるようになる。この結果、現像液を
用いて未露光部の硬化していない部分を除去して微細な
パターン形成ができるようになる。
【0049】こうして、セラミックグリーンシート基板
上に感光性樹脂組成物を光硬化した層を設けたセラミッ
クグリーンシート上にフォトリソグラフィ法で感光性ペ
ーストを用いてパターンを形成する。感光性ペーストと
しては、感光性導電ペースト、感光性抵抗体ペースト、
感光性誘電ペースト、感光性絶縁ペーストなどが使用さ
れる。それぞれ、導電粉末、抵抗体粉末、誘電体粉末、
絶縁体粉末と、感光性樹脂組成物を含有するものであ
る。
【0050】導電体粉末としては、Cu,Au,Ag,
Pd,Pt,W,Mn,Ni,Moなどの金属あるいは
これらを含む合金などが挙げられる。
【0051】Cu系導電体粉末としては、例えばCu
(97〜70)−Ag(3〜30),Cu(95〜6
0)−Ni(5〜40),Cu(90〜70)−Ag
(5〜20)−Cr(3〜15)(以上()内は重量%
を表す。以下同様)などの2元系あるいは3元系の混合
金属粉末が用いられる。この中でCu−Ag粉末が好ま
しく、その中でもCuの表面を3〜30重量%のAgで
コートした粉末がCuの酸化を抑えることができるので
特に好ましい。
【0052】Au,Ag,Pd,Pt系導電体粉末とし
ては、例えばAg(30〜97)−Pd(70〜3),
Ag(40〜70)−Pd(60〜10)−Pt(5〜
20),Ag(30〜80)−Pd(60〜10)−C
r(5〜15),Pt(20〜40)−Au(60〜4
0)−Pd(20),Au(75〜80)−Pt(25
〜20),Au(60〜80)−Pd(40〜20)、
Ag(40〜95)−Pt(60〜5)、Pt(60〜
90)−Rh(40〜10)などの2元系あるいは3元
系の混合貴金属粉末が好ましく用いられる。上記の中で
CrやRhを添加した物は高温特性を向上できる点で特
に好ましい。
【0053】W,Mo,Mn系導電性粉末としては、
W,W(92〜98)−TiB2 (8〜2),W(92
〜98)−ZrB2 (2〜8),W−(92〜98)−
TiB2 (1〜7)−ZrB2 (1〜7),W(95〜
60)−TiN(5〜60),W(90〜60)−Ti
N(5〜35)−TiO2 (2〜10),W(90〜6
0)−TiN(5〜35)−TiO2 (2〜10)−N
i(1〜10),W(99.7〜97)−AlN(0.
3〜3),W(10〜90)−Mo(90〜10),W
(92〜98)−Al2 2 3 (8〜2),Mo,M
o(92〜98)−TiB2 (8〜2),Mo(92〜
98)−ZrB2 (8〜2),Mo(92〜8)−Ti
2 (1〜7)−ZrB2 (1〜7),Mo−TiN,
Mo(90〜60)−TiN(5〜35)−TiO
2 (2〜10),Mo(90〜60)−TiN(5〜3
5)−TiO2 (2〜10)−Ni(1〜10),Mo
(99.7〜97)−AlN(0.3〜3),Mn(5
0〜90)−Mo(10〜50),Mo(60〜90)
−Mn(40〜10)−SiO2 (0〜20)、W(3
0〜90)−Mo(30〜70)−Mn(3〜30)な
どの2元系あるいは3元系の混合金属粉末が用いられ
る。上記の中でTiB2 ,ZrB2 ,TiN,AlN,
Ni,TiO2 を添加したものは導体膜とアルミナ基板
との接着強度を向上させ、導体膜の抵抗を下げるのに効
果がある点で特に好ましい。
【0054】抵抗体粉末としては、RuO2 、RuO2
系、Al粉末およびB2 3 を含有するガラス粉末、A
l粉末、遷移金属粉末およびB2 3 を含有するガラス
粉末、In2 3 系−ガラス粉末、RuO2 −ガラス粉
末、LaB6 −ガラス粉末、SnO2 添加品−ガラス粉
末、珪化物−ガラス粉末、NiOとLi2 3 −B2
3 −SiO2 −RO(RはMg,Ca,Sr,Baの中
から選ばれる一種)などから構成されるガラス粉末など
が挙げられる。、RuO2 は、無定系および結晶系、あ
るいはパイロクロア化合物と称されるCdBiRu2
7 ,BiRu2 7 ,BaRuO5 ,LaRuO3 ,S
rRuO3 ,CaRuO3 ,Ba2 RuO4 などでもよ
い。RuO2 系としては、RuO2 −SiO2 が使用で
きる。
【0055】Al粉末およびB2 3 を含有するガラス
粉末としては、Alが4〜15重量%、B2 3 を含有
するガラス粉末が96〜85重量%があげられる。B2
3を含有するガラス粉末としては、B2 3 −BaO
−SiO2 −TiO5 −Al2 3 −CaO−MgO系
などが挙げられる。これにMoSi2 ,AlSi2 ,W
Si2 ,TiSi2 などの金属珪化物を含むことができ
る。
【0056】Al粉末、遷移金属粉末およびB2 3
含有するガラス粉末としては、上記のAl粉末およびB
2 3 を含有するガラス粉末に加えて、Nb,V,W,
Mo,Zr,Ti,Niなどの遷移金属粉末を含有する
ものである。
【0057】In2 O3 系−ガラス粉末は、30〜80
重量%のIn2 3 系と、70〜20重量%のガラス粉
末からなるものがあげられる。In2 3 系としては、
ITO(SnをIn2 3 にドープしたもの)、In2
3 ,SbをドープしたSnO3 +SnO2 などがあげ
られる。また、ガラス粉末としては、SiO2 −Al2
3 −MgO−ZnO−B2 3 −BaO系などであ
る。この中では、SiO2 −B2 3 系が低温焼結でき
るので好ましい。
【0058】RuO2 −ガラス粉末、LaO6 −ガラス
粉末、SnO2 添加品−ガラス粉末あるいはケイ素化物
−ガラス粉末に使用されるガラス粉末は、総量で90〜
30重量%でその組成は、Al2 3 10〜30重量
%、B2 3 6〜30重量%、SiO2 10〜45重量
%、CaO5〜40重量%、ZnO15〜50重量%で
あり、残部が10〜70重量%のRuO2 ,LaB6
SnO2 添加品あるいは珪化物である。
【0059】誘電体粉末としては、鉛を基準とした粉
末、チタン酸バリウムを基準とした粉末が挙げられる
が、TiO2 を除けばほとんどがペロブクカイト構造と
呼ばれるABO3 型からなっており、組成を化学量論比
で常に一定に制御できる特徴がある。
【0060】の鉛を基準とした粉末には、チタン酸鉛
PbTiO3 ,亜鉛酸鉛PbZnO3 、鉄酸鉛PbFe
3 、マグネシウム酸鉛PbMgO3 、ニオブ酸鉛Pb
ZbO3 、ニッケル酸鉛PbNiO3 、ジルコン酸鉛P
bZrO3 、複合ペロブスカイト系誘電体、および酸化
チタンTiO2 群から選ばれた少なくとも一種の誘電体
化合物等があげられるが、代表的な誘電体粉末としては
Pb(FeX (1-X))O3 −Pb(FeY
(1-Y) )O3 ,PbTiO3 −Pb(MgX Nb(1-X
) )O3 ,Pb(ZnX Nb(1-X) )O3 −BaTiO
3 ,Pb(ZnX Nb(1 -X) )O3 −Pb(FeY
(1-Y) )O3 −Pb(FeZ Nb(1-Z) )O3 ,Pb
(ZnX Nb(1-X) )O3 −PbTiO3 −BaTiO
3 ,Pb(MgX (1 -X) )O3 −PbTiO3 −Pb
ZrO3 ,Pb(MgX Nb(1-X) )O3 −PbTiO
3 −Pb(MgY (1-Y) )O3 、Pb(MgX
(1-X) )O3 −Pb(ZrY TiO(1-Y) )O3 +Zn
O,Pb(MgX Nb(1-X) )O3 −PbTiO3 −P
bO,Pb(FeX Nb(1-X) )O3 −Pb(MgY N
(1-Y) )O3 ,PbTiO3 −Z(La2 3 ),な
どの2元系および3元系の複合ペロブスカイト化合物や
(PbX Ba(1-X) )ZrO3 ,SrX Pb(1-X) Ti
3 、PLZT{(Pb(1-X) LaX )(ZrY
Z (1-X/4) 3 }などの化合物が挙げられる。
【0061】のチタン酸バリウムを基準とした粉末に
は、(BaX Sr(1-X) )(SnYTi(1-Y) )O3
Ba(TiX Sn(1-X) )O3 ,BaX Sr(1-X) Ti
3,BaTiO3 −CaZrO3 ,BaTiO3 −B
4 Ti3 12,(BaX Ca(1-X) )(ZrY TiO
(1-Y) )O3 などの2元系あるいは3元系の化合物が挙
げられる。
【0062】絶縁体粉末としては、セラミックグリーン
シート基板に用いられるセラミックス粉末と同様の絶縁
体粉末が好ましく用いられる。
【0063】上記の感光性誘電体ペーストおよび感光性
絶縁体ペーストを用いてフォトリソグラフィ法でパター
ン形成する場合は、紫外線によって効果的に硬化させる
ために、ペースト組成物に紫外線(UV)吸光剤を添加
することが好ましい。紫外線吸光効果の高い吸光剤を添
加することによって高解像度を有するパターンやヴィア
ホール形成ができる。
【0064】すなわち、誘電体粉末や絶縁体粉末だけで
は、紫外線がこれらの粉末によって散乱されて余分な部
分まで光硬化し、現像してもヴィアホールやパターンが
殆ど形成できなかったりまた良好なものができない。こ
の原因について本発明者らが鋭意検討を行った結果、散
乱された紫外線光が吸収されてあるいは弱められて露光
マスクによる遮光部分にまでまわり込むことおよび誘電
体膜や絶縁体膜の下部まで光硬化できないのがが原因で
あることが判明した。したがって紫外線吸光剤を添加す
ることによって散乱光のまわり込みがほぼ回避され,マ
スク部分の感光性樹脂の硬化を防ぎ、露光マスクに相当
したパターンが形成されるようになる。また誘電体膜や
絶縁体膜の下部まで光が吸収されることなく透過し、光
硬化の機能を十分満足し、高精度なヴィアホールが形成
できる。
【0065】紫外線吸光剤としては350〜450nm
の波長範囲で高UV吸光度を有する有機染料が好ましく
用いられる。有機染料としては、高い吸光度を有する種
々の染料が使用できる。有機染料としてアゾ系染料、ア
ミノケトン系染料、キサンテン系染料、キノリン系染
料、アミノケトン系染料、アントラキノン系染料などが
使用できる。これらの中でも特にアゾ系染料が好まし
い。有機染料は、吸光剤として添加した場合にも焼成時
に蒸発するため焼成後の基板中に残存しないので吸光剤
による絶縁抵抗の低下がないので好ましい。
【0066】アゾ系染料としての代表的なものとして、
スダンブルー(Sudan Blue、C22182
2 =342.4)、スダンR(C17142 2 =27
8.31)、スダンII(C18142 O=276.3
4)、スダンIII (C22164 O=352.4)、ス
ダンIV(C24204 O=380.45)、オイルオレ
ンジSS(Oil Orange SS、CH3 6
4 N:NC106 OH=262.31)オイルバイオレ
ット(Oil Violet,C24215 =379.
46)、オイルイエローOB(Oil Yellow
OB、CH3 44 N:NC104 NH2 =261.
33)などがあるが、250〜520nmで吸収するこ
とができる染料が使用できる。
【0067】有機染料の添加量は、L(線幅)/S
(幅間隔)=30μm/30μmの微細なパターン形成
ができること、ヴィアホールの真円度が高くヴィアホ
ール形成した後の上部と下部とのヴィアホール孔径差が
少ないことの条件を満たす範囲であり、誘電体粉末ある
いは絶縁体粉末に対して0.05〜2重量%が好まし
い。0.05重量%未満では紫外線吸光剤の添加効果が
減少し、2重量%を越えると吸光剤の量が多すぎて紫外
線を照射した時に、下部に達するまでに粉末によって吸
収されてしまい十分なパターン解像度が得られなかった
りヴィアホールの形成不良となるので好ましくない。
【0068】有機染料からなる紫外線吸光剤の添加方法
は、以下の方法によることが好ましい。すなわち、有機
染料を予め有機溶媒に溶解した溶液を作製する。次に該
有機溶媒中に誘電体粉末あるいは絶縁体粉末を混合・攪
拌しながら乾燥する。この方法によって個々の粉末表面
に均質に有機染料の膜をコートしたいわゆるカプセル状
の誘電体粉末あるいは絶縁体粉末が作製できる。
【0069】本発明において、好ましい吸光度の積分値
(波長測定範囲;350〜450nm)の範囲がある。
吸光度の積分値は、粉末の状態で測定されるもので、有
機染料あるいは、表面を有機染料でコートした粉末につ
いて測定される。
【0070】本発明で、吸光度は下記のように定義され
る。すなわち、市販の分光光度計を使用して積分球の中
で光を測定用試料に当て、そこで反射された光を集めて
検出する。また積分球により検出された光以外は、すべ
て吸収光とみなして下記の式から求められる。
【0071】対照光の光強度をIr(Irは試料の吸光
度を測定する前に、積分球内面に塗布してある材料と同
じ材料のBaSO3 を試料台に取り付けて反射による光
強度を測定したデータ) 試料に入射した光の光強度をI、試料に当たった後、吸
収分の光強度をIoとすると試料からの反射分の光強度
は(I−Io)で表わされ、吸光度は下記の(1)式よ
うに定義される。上記で光強度の単位は、W/cm2
表す。 吸光度= −log((I−Io)/Ir) (1) 吸光度の測定は下記のようにして行う。
【0072】1.吸光剤を添加した粉末をプレス機で直
径10〜30mm、厚み3〜5mmのサイズに成型す
る。
【0073】2.次に分光光度計を用いて積分球の反射
試料の取り付け口に粉末の成型体を取り付けて、反射光
による吸光度を波長範囲200〜650nmで測定する
と図1のようなグラフが得られる。縦軸は(1)式の吸
光度で、横軸は測定波長を示す。
【0074】3.次に図1で波長350〜450nmの
範囲を10nm毎の10区間に分け、それぞれの区間毎
の面積を求める。面積は次のように求められる。
【0075】例えば、 350nmのときの吸光度を0.75 360nmのときの吸光度を0.80 370nmのときの吸光度を0.85 440nmのときの吸光度を0.60 450nmのときの吸光度を0.55として、 350〜360nmの部分の面積をとし、台形とみな
すとは下記のように計算される。
【0076】 面積A=(0.75+0.80)×10/2=7.75 同様に面積Bは 面積B=(0.80+0.85)×10/2=8.25 同様に面積Jは 面積J=(0.60+0.55)×10/2=5.75 となる。
【0077】10区間の面積の積分値Sは下記のように
して求められる。
【0078】S=A+B+C+・・・・+J 上記の面積Sを350〜450nmにおける吸光度の積
分値として定義した。本発明において上記の吸光度の積
分値の好ましい範囲は20〜100であり、さらに好ま
しい範囲は30〜70である。吸光度の積分値が20未
満であると、紫外線露光時において光が誘電体粉末や絶
縁体粉末によって散乱されて未露光部を硬化するように
なり、高解像度を有するパターンや真円度のあるヴィア
ホールが形成できなくなる。また吸光度が100を越え
ると光が誘電体や絶縁体ペーストで形成した膜の下部の
膜に達する前に粉末によって吸収されてしまい、光硬化
できなくなる。この結果、現像時に剥がれるようにな
り、パターンやヴィアホールの形成が困難になる。
【0079】感光性ペースト中の感光性樹脂組成物とし
ては、公知のものが使用しうるが、特に好ましいのは、
前述の側鎖または分子末端にカルボキシル基とエチレン
性不飽和基を有するアクリル系共重合体、光反応性化合
物および光重合開始剤を含有するものである。この組成
の感光性樹脂組成物を使用すると、フォトリソグラフィ
法でL(線幅)/S(幅間隔)=20μm/20μmの
微細なパターン形成ができる。
【0080】感光性ペーストを用いて本発明のセラミッ
クグリーンシート上にパターンやヴィアホールを形成す
るには、まず、通常のスクリーン印刷法あるいはスピン
コート法でグリーンシート上に塗布する。次に、回路パ
ターンを有するフォトマスクを用いて紫外線を照射して
露光し、感光性ペーストを光硬化する。次に、未露光部
を現像液で除去してマスク通りの微細なパターンやヴィ
アホールを得る。
【0081】露光に用いられる紫外線の光源としては、
たとえば低圧水銀灯、高圧水銀灯、ハロゲンランプ、殺
菌灯などが使用できる。これらのなかでも超高圧水銀灯
が好適である。露光条件は感光性樹脂の塗布膜の厚みに
よっても異なるが、5〜100mW/cm2 の出力の超
高圧水銀灯を用いて1〜30分間露光を行なうことが好
ましい。
【0082】露光後、現像液を使用して現像を行なう
が、この場合、浸漬法やスプレー法で行なう。現像液と
しては前記の側鎖または分子末端にエチレン性不飽和基
を有するアクリル系共重合体、光反応性化合物および光
重合開始剤の混合物が溶解可能である有機溶媒を使用で
きる。また該有機溶媒にその溶解力が失われない範囲で
水を添加してもよい。またアクリル系共重合体の側鎖に
カルボキシル基が存在する場合、アルカリ水溶液で現像
できる。アルカリ水溶液として水酸化ナトリウムや水酸
化カルシウム水溶液などのような金属アルカリ水溶液を
使用できるが、有機アルカリ水溶液を用いた方が焼成時
にアルカリ成分を除去しやすいので好ましい。有機アル
カリの具体例としては、テトラメチルアンモニウムヒド
ロキサイド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキ
サイド、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンな
どが挙げられる。アルカリ水溶液の濃度は通常0.01
〜5重量%、より好ましくは0.1〜1重量%である。
アルカリ濃度が低すぎれば未露光部が除去されずに、ア
ルカリ濃度が高すぎれば、露光部の剥離を引き起こし、
また腐食させるおそれがあり良くない。
【0083】グリーンシートのヴィアホールに導体を埋
め込む場合に、超硬ドリルでヴィアホールを形成したグ
リーンシートが使用されるが、埋め込みの仕方は銅、
銀、銀−パラジウム、タングステン、モリブデンあるい
は金導体ペーストを充填してヴィアホール内に配線用の
層間接続用の導体を形成する。このグリーンシートのヴ
ィアホールに対する導体ペーストの埋め込みは層数ごと
に繰り返し行う。
【0084】このようにグリーンシート表面に所定の導
体、抵抗体、誘電体あるいは絶縁体パターンを印刷す
る。またヴィアホールを形成するのと同様の方法でガイ
ド穴をあける。次に必要な枚数のシートをガイド孔を用
いて積み重ね、90〜130℃の温度で50〜200k
g/cm2 の圧力で接着し、多層基板からなるシートを
作製する。
【0085】次に、焼成炉にて上記のシートを焼成して
ヴィアホールに導体および導体などのパターンが形成さ
れたセラミックス多層基板を作製する。焼成雰囲気や温
度はセラミックス基板や導体の種類によって異なる。セ
ラミックスあるいはガラス・セラミックスからなる低温
焼成多層基板の場合は、850〜1000℃の温度で数
時間保持して絶縁層を焼成する。アルミナや窒化アルミ
やムライト基板では、1450〜1600℃の温度で数
時間かけて焼成する。Cu,W,Mo,W−Mo、Mn
−Moなどの導体では、窒素などの中性や水素を含む還
元性雰囲気で焼成する。焼成時に感光性ペーストおよび
セラミックグリーンシート中に含まれる側鎖または分子
末端にエチレン性不飽和基を有するアクリル系共重合
体、光反応重合性化合物、非感光性樹脂バインダ、有機
染料、可塑剤あるいは溶媒などの有機物の酸化、蒸発を
可能にする雰囲気であればよい。そのようなものとして
導体がCu,W,Mo,W−Mo,Mn−Moでは酸素
を3〜100ppm含有し、残部が窒素あるいはアルゴ
ンなどの中性ガスまたは水蒸気で制御した雰囲気中で焼
成できる。焼成温度は有機バインダー完全に酸化、蒸発
させる温度として300〜600℃で5分〜数時間保持
した後、850〜1600℃の温度で数時間保持してか
らセラミックス多層基板を作製する。
【0086】焼成後の多層基板中に残存する炭素量は2
50ppm以下である必要がある。そうでないと多層基
板の気孔率の低下、強度低下、誘電率の増加、誘電損失
の増加、リーク電流の増加あるいは絶縁抵抗の低下など
の問題を生ずる。また残存炭素量は100ppm以下、
より好ましくは50ppm以下である。
【0087】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、濃度は特に断らない限りすべて重量%で表わ
す。
【0088】実施例1〜8 <セラミックグリーンシート基板の作製>以下に示す無
機粉末、およびバインダーの異なる4種のセラミックグ
リーンシートを作製した。
【0089】グリーンシート: 無機粉末は、アルミ
ナ(Al2 3 )92%、無水珪酸(SiO2 )5%,
酸化マグネシウム、酸化カルシウムをそれぞれ1.5%
添加した混合粉末をアトライターを用いて湿式で、平均
粒子径1.8μmになるまで混合、粉砕して得た。該粉
末100部に対しバインダー、溶媒、可塑剤、および分
散剤としてポリアクリレート(粘度平均分子量20,0
00)13部、トルエンとイソプロピルアルコール(I
PA)の混合溶媒22部、ジブチルフタレート(DB
P)3.1部、カチオン系分散剤1.2部を加えて十分
攪拌混合した後、真空脱泡し、粘度を1500cpに調
整したスラリーを用いてドクターブレード法により厚み
200μmのセラミックグリーンシート基板を作製し
た。
【0090】グリーンシート: と同様の無機粉末
100部にバインダー、溶媒、可塑剤、および分散剤と
してポリメタクリレート(粘度平均分子量10,00
0)13部、イソプロピルアルコール(IPA)22
部、ジブチルフタレート(DBP)3.1部、カチオン
系分散剤1.2部を加えて十分攪拌混合した後、真空脱
泡し、粘度を1500cpに調整したスラリーを用いて
ドクターブレード法により厚み200μmのセラミック
グリーンシート基板を作製した。
【0091】グリーンシート: と同様の無機粉末
100部にバインダー、溶媒、可塑剤、および分散剤と
してポリビニルアルコール(粘度平均分子量20,00
0)13部、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)
22部、ジブチルフタレート(DBP)3.1部、カチ
オン系分散剤1.2部を加えて十分攪拌混合した後、真
空脱泡し、粘度を1500cpに調整したスラリーを用
いてドクターブレード法により厚み200μmのセラミ
ックグリーンシート基板を作製した。
【0092】グリーンシート: と同様の無機粉末
100部にバインダー、溶媒、可塑剤、および分散剤と
してポリビニルブチラール(粘度平均分子量15,00
0、アセタール化70%)13部、イソプロピルアルコ
ール(IPA)22部、ジブチルフタレート(DBP)
3.1部、カチオン系分散剤1.2部を加えて十分攪拌
混合した後、真空脱泡し、粘度を1500cpに調整し
たスラリーを用いてドクターブレード法により厚み20
0μmのセラミックグリーンシート基板を作製した。
【0093】<グリーンシートの溶媒性テスト>感光性
ペースト中の溶媒に対するグリーンシートの溶解性は、
以下のようにして判断した。
【0094】まず、上記のグリーンシートに含まれる各
バインダーを1g秤量する。これに溶媒10mlを加え
たものを、テフロン製キャップ(溶媒の揮発防止用)付
きの50mlセルに調製する。これを恒温槽内でスター
ラーにより24時間攪拌した後に、溶媒を蒸発して溶媒
中にとけ出したバインダーを秤量し、0.05g(5
%)以下であれば不溶であると判断した。恒温槽温度
は、10、25、50℃においてそれぞれ試験した。溶
解性テストの結果を表1に示す。
【0095】<導体パターン形成>上記のセラミックグ
リーンシート上に、グリーンシートを溶解しない溶媒か
らなる3種の感光性導電ペーストで微細パターンを形成
した。感光性導電ペーストの作製およびこのペーストに
よるパターン形成は下記の方法によった。
【0096】A.感光性導電ペーストの作製 感光性導電ペースト:溶媒;メチルエチルケトン 感光性導電ペースト:溶媒;2−メトキシエタノール 感光性導電ペースト:溶媒;メタノール 溶媒量はすべてポリマー量と同量である。感光性導電ペ
ースト1〜3に含まれる他の成分、およびペーストの作
製方法は以下の通りである。
【0097】(1) 導電粉末 多面体形状の平均粒子径3.5μm,比表面積0.15
2 /gを有するタングステン粉末をペースト組成とし
て89%添加した。
【0098】(2) ポリマー 40%のメタアクリル酸(MAA)、30%のメチルメ
タアクリレート(MMA)および30%のスチレン(S
t)からなる共重合体のカルボキシル基(MAA)に対
して0.4当量(40%に相当する)のグリシジルメタ
アクリレート(GMA)を付加反応させたポリマーを6
%添加した。
【0099】(3) モノマー トリメチロールプロパントリアクリレートモディファイ
ドPOを3%添加した。
【0100】(4) ガラスフリット 酸化カルシウム5.0%、酸化亜鉛28.1%,酸化ホ
ウ素25.0%,二酸化ケイ素22.8%,酸化ナトリ
ウム8.8%,酸化ジルコニウム4.5%,アルミナ
5.8%の組成のガラスフリットを0.7%添加した。
【0101】(5) 酸化銅粉末 粒子径0.6μmのCuO粉末を0.3%添加した。
【0102】(6) 光重合開始剤 2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2
−モルホリノプロパノン−1を1.8%添加した(ポリ
マーとモノマーとの総和に対して20%)。
【0103】(7) 可塑剤 ジブチルフタレート(DBP)を0.6%添加した(ポ
リマーの10%)。 (8) 増感剤 2,4−ジエチルチオキサントンを1.8%添加した
(光重合開始剤と同じ割合)。
【0104】(9) 光重合促進剤 p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル(EPA)
を1.8%添加した(光重合開始剤と同じ割合)。
【0105】(10)有機ビヒクルの作製 溶媒およびポリマーを混合し、攪拌しながら60℃まで
加熱しすべてのポリマーバインダーを均質に溶解させ
た。ついで溶液を室温まで冷却し、光重合開始剤を加え
て溶解させた。その後溶液を400メッシュのフィルタ
ーを通過させ、濾過した。
【0106】(11)導電ペースト作製 上記の有機ビヒクルに導電粉末、モノマー、酸化銅粉
末、可塑剤、増感剤、光重合促進剤、およびガラスフリ
ットを所定の組成となるように添加し、3本ローラで混
合・分散してしペーストを作製した。
【0107】B.印刷 上記のペーストを250メッシュのポリエステル製のス
クリーンを用いて100mm角の上記グリーンシート上
に70mm角の大きさにベタに印刷し、80℃で40分
間保持して乾燥した。乾燥後の塗布膜の厚みはおよそ2
0μmであった。印刷は紫外線を遮断した室内で行っ
た。
【0108】C.露光、現像 上記で作製した塗布膜を10〜60μmの範囲で5μm
間隔のファインパターンを形成したクロムマスクを用い
て、上面から500mJ/cm2 の紫外線を露光した。
露光には超高圧水銀灯を使用した。次に25℃に保持し
たモノエタノールアミンの0.5重量%の水溶液に浸漬
して現像し、その後スプレーを用いて光硬化していない
部分を水洗浄した。
【0109】D.焼成 印刷、露光、現像により表面にパターン形成したグリー
ンシートは、水素ガスと窒素ガス雰囲気中で500℃で
2時間焼成を行い、脱バインダ後、それぞれ1600℃
の温度にて1時間保持して焼結し、セラミックス基板を
得た。
【0110】E.評価 焼成後の導体膜について解像度、膜厚、比抵抗を測定し
評価した。解像度は導体膜を顕微鏡観察し、20〜40
μmのラインが直線で重なりなくかつ再現性が得られる
ライン間隔を最も微細なライン間隔として決定した。膜
厚はマイクロメータで測定した。比抵抗は4端子法で測
定した。また導体膜の断線発生率を抵抗測定による導通
の有無で評価した。これらの結果を表2に示す。
【0111】このようにセラミックグリーンシート中の
バインダーを溶解しない溶媒からなる感光性ペーストを
用いると、感光性の導電ペーストを用いてフォトリソグ
ラフィー法により線幅/幅間隔が30μm/30μm以
下の微細パターンでかつ低抵抗の回路パターンが得られ
る。また、焼成後においても断線発生のない導体膜パタ
ーンが得られる。この結果、セラミックス多層基板の小
形化、高密度化を一層可能にするものである。
【0112】<絶縁層ビアホール形成>上記のセラミッ
クグリーンシート上に、グリーンシート中のバインダー
を溶解しない溶媒からなる3種の感光性絶縁ペーストで
微細ビアホールを形成した。感光性絶縁ペーストの作製
およびこのペーストによるビアホール形成は下記の方法
によった。
【0113】A.感光性絶縁ペーストの作製 感光性絶縁ペースト:溶媒;メチルエチルケトン 感光性絶縁ペースト:溶媒;2−メトキシエタノール 感光性絶縁ペースト:溶媒;メタノール (1) 絶縁粉末;コーディライト粉末(球状の平均粒子径
2.1μm,比表面積1.97m2 /g、誘電率6.
1、熱膨脹係数2.9×10-6/℃)をペースト組成と
して89%添加した。
【0114】(2) 紫外線吸光剤 有機染料;アゾ系染料;スダン(Sudan)、化学
式;C242040、分子量;380.45。
【0115】(3) ポリマーバインダー 上記の感光性導電ペーストと同様。
【0116】(4) モノマー 上記の感光性導電ペーストと同様。
【0117】(5) 光重合開始材 α−アミノアセトフェノンを1.8%添加した(ポリマ
ーとモノマーとの総和に対して20%)。
【0118】(6) 可塑剤 上記の感光性導電ペーストと同様。
【0119】(7) 増感剤 上記の感光性導電ペーストと同様。
【0120】(8) 光重合促進剤 上記の感光性導電ペーストと同様。
【0121】(9) 有機ビヒクルの作製 溶媒およびポリマーバインダーを50%溶液となるよう
に混合し、攪拌しながら60℃まで加熱し、すべてのポ
リマーバインダーを均質に溶解させた。ついで溶液を室
温まで冷却し、光重合開始剤、増感剤および増感助剤を
加えて溶解させた。その後溶液を400メッシュのフィ
ルターを通過して濾過した。
【0122】(10)吸光剤添加粉末の作製 有機染料を所定の量秤量し、イソプロピルアルコール
(IPA)に溶解させた溶液に分散剤を加えてホモジナ
イザで均質に攪拌した。次にこの溶液中に絶縁体粉末を
所定の量添加して均質に分散・混合後、ロータリーエバ
ポレータを用いて、150〜200℃の温度で乾燥し、
IPAを蒸発させた。こうして有機染料の膜で絶縁粉末
の表面を均質にコーティングした(いわゆるカプセル処
理した)粉末を作製した。
【0123】(11)絶縁ペースト調製 ペーストの作製は上記の有機ビヒクルに光反応性化合
物、吸光剤添加の粉末(有機染料でカプセル処理した絶
縁粉末)、増粘剤および可塑剤を所定の組成となるよう
に添加し、3本ローラで混合・分散して調製した。
【0124】B.印刷 上記のペーストを320メッシュのステンレス製のスク
リーンを用いて上記のグリーンシート1に70mm角の
大きさにベタ印刷し、80℃で40分間保持して乾燥し
た。乾燥後の塗布膜の厚みはおよそ50μmであった。
印刷は紫外線を遮断した室内で行った。
【0125】C.露光、現像 上記で作製した塗布膜に50〜100μmφの微細なビ
アホールを5000ホール有するクロムマスクを用いて
上面から1000mJ/cm2 の出力の超高圧水銀灯で
紫外線露光した。次に25℃に保持したモノエタノール
アミンの0.5%の水溶液に浸漬して現像し、その後ス
プレーを用いて未露光部を水洗浄した。
【0126】D.評価 現像後のグリーンシートについてビアホールを顕微鏡で
断面および上部と下部のビアホール径を観察した。ビア
樽のない直線部を有する断面と孔径差のないビアホール
が均一に形成されていた。これらの結果を表1に示す。
【0127】実施例12〜14 <抵抗体パターン形成>上記のセラミックグリーンシー
ト上に、グリーンシート中のバインダーを溶解しない溶
媒からなる3種の感光性抵抗体ペーストで微細パターン
を形成した。感光性抵抗体ペーストの作製およびこのペ
ーストによるパターン形成は下記の方法によった。
【0128】 感光性抵抗体ペースト:溶媒;メチルエチルケトン 感光性抵抗体ペースト:溶媒;2−メトキシエタノー
ル 感光性抵抗体ペースト:溶媒;メタノール A.抵抗体ぺースト作製 (1) 抵抗体粉末;RuO2 粉末(球状の平均粒子径2.
5μm,比表面積1.8m2 /g)をペースト組成とし
て88%添加した。
【0129】(2) 紫外線吸光剤 上記の感光性絶縁ペーストと同様。
【0130】(3) ポリマーバインダー 上記の感光性導電、および絶縁ペーストと同様。
【0131】(4) モノマー 上記の感光性導電、および絶縁ペーストと同様。
【0132】(5) 光重合開始材 上記の感光性絶縁ペーストと同様。
【0133】(6) 可塑剤 上記の感光性導電、および絶縁ペーストと同様。
【0134】(7) 増感剤 上記の感光性導電、および絶縁ペーストと同様。
【0135】(8) 増感助剤 上記の感光性導電、および絶縁ペーストと同様。
【0136】(9) 有機ビヒクルの作製 上記の感光性絶縁ペーストと同様。
【0137】(10)吸光剤添加粉末の作製 上記の感光性絶縁ペーストと同様 (11)抵抗体ペースト調製 上記の有機ビヒクルに吸光剤添加の粉末(有機染料でカ
プセル処理した抵抗体粉末)、モノマー、可塑剤、増感
剤、増感助剤および溶媒を所定の組成となるように添加
し、3本ローラで均一に混合・分散して1種類のペース
トを作製した。
【0138】B.印刷 上記のグリーンシートに70mm角の大きさにベタ印刷
し、80°Cで40分間保持して乾燥した。乾燥後の塗
布膜の厚みはおよそ30μmであった。印刷は紫外線を
遮断した室内で行った。
【0139】C.露光、現像 上記で作製した塗布膜に30〜50μmの範囲で30μ
m間隔の微細パターンを形成したクロムマスクを用い
て、上面から500mJ/cm2 の出力の超高圧水銀灯
で紫外線露光した。次に25℃に保持したモノエタノー
ルアミンの0.5重量%の水溶液に浸漬して現像し、そ
の後スプレーを用いて未露光部を水洗浄した。
【0140】D.評価 現像後のグリーンシートについてパターンの解像度を顕
微鏡観察したところ、25〜40μmのラインが直線で
重なりなく再現性が得られた。これらの結果を表3に示
す。
【0141】
【表1】
【表2】
【表3】
【0142】
【発明の効果】従来のセラミックグリーンシート上に感
光性ペーストを用いてパターン形成しようとしても、焼
成前の生シートに含まれる有機ポリマーが感光性ペース
トに含まれる有機溶媒に可溶の為、現像時に非硬化部が
ほとんど除去できずパターン形成が困難であった。
【0143】本発明においては、セラミックグリーンシ
ート中のバインダーを溶解しない溶媒からなる感光性ペ
ーストを用いて、シート上に良好なパターンを形成でき
るものである。
【0144】これにより、セラミックグリーンシート上
に感光性ペーストを用いてパターン形成ができるので、
L/S=20μm/20μmの微細な導体、抵抗体、誘
電体、絶縁体パターンや50μmφのヴィアホール形成
が可能となり、かつ低抵抗の導体パターンが得られ、セ
ラミックス多層基板の内層導体の形成が可能になる。こ
れらの結果、セラミックス多層基板の小形化、高密度化
を一層可能にするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 測定波長と吸光度の関係を示すグラフであ
る。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミックグリーンシート上に無機粉末、
    感光性有機成分、溶媒を少なくとも含有する感光性ペー
    ストを塗布する工程を含むパターン形成されたセラミッ
    クグリーンシートの製造方法であって、前記溶媒が前記
    セラミックグリーンシートを溶解しないことを特徴とす
    るパターン形成されたセラミックグリーンシートの製造
    方法。
  2. 【請求項2】溶媒がケトン、低級アルコール、脂肪酸高
    級アルコールエステル、炭化水素のうち、少なくとも一
    種であることを特徴とする請求項1記載のパターン形成
    されたセラミックグリーンシートの製造方法。
  3. 【請求項3】セラミックグリーンシートがアクリル系ポ
    リマー、ビニル系ポリマー、セルロース系ポリマーのう
    ち、少なくとも一種であることを特徴とする請求項1記
    載のパターン形成されたセラミックグリーンシートの製
    造方法。
  4. 【請求項4】感光性有機成分が側鎖または分子末端にカ
    ルボキシル基とエチレン性不飽和基を有するアクリル系
    共重合体、光反応性化合物および光重合開始剤を含有す
    ることを特徴とする請求項1記載のパターン形成された
    セラミックグリーンシートの製造方法。
  5. 【請求項5】無機粉末が、導電体粉末、抵抗体粉末、誘
    電体粉末、絶縁体粉末のうち少なくとも一種を含有する
    ことを特徴とする請求項1記載のパターン形成されたセ
    ラミックグリーンシートの製造方法。
  6. 【請求項6】導電体粉末が、W、Ag、Au、Pdおよ
    びPtのうち少なくとも一種を含有することを特徴とす
    る請求項5記載のパターン形成されたセラミックグリー
    ンシートの製造方法。
  7. 【請求項7】絶縁体粉末が、アルミナ、ジルコニア、マ
    グネシア、ベリリア、ムライト、コーディエライト、ス
    ピネル、フォルステライト、アノーサイト、セルジア
    ン、シリカおよび窒化アルミのうち少なくとも一種を含
    有すことを特徴とする請求項5記載のパターン形成され
    たセラミックグリーンシートの製造方法。
  8. 【請求項8】無機粉末のうち、50重量%が1.0〜
    5.0μm、比表面積0.3〜2.5m2 /g、球形率
    80個数%以上のサイズを有することを特徴とする請求
    項1記載のパターン形成されたセラミックグリーンシー
    トの製造方法。
  9. 【請求項9】感光性ペーストが紫外線吸光剤を含有する
    ことを特徴とする請求項1記載のパターン形成されたセ
    ラミックグリーンシートの製造方法。
  10. 【請求項10】紫外線吸光剤が有機染料であることを特
    徴とする請求項9記載のパターン形成されたセラミック
    グリーンシートの製造方法。
  11. 【請求項11】有機染料がアゾ系染料であることを特徴
    とする請求項10記載のパターン形成されたセラミック
    グリーンシートの製造方法。
  12. 【請求項12】無機性粉末の表面を紫外線吸光剤でコー
    ティングし、その350〜450nmにおける吸光度の
    積分値が20〜100であることを特徴とする請求項9
    記載のパターン形成されたセラミックグリーンシートの
    製造方法。
JP7300117A 1995-11-17 1995-11-17 パターン形成されたセラミックグリーンシートの製造方法 Pending JPH09142939A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7300117A JPH09142939A (ja) 1995-11-17 1995-11-17 パターン形成されたセラミックグリーンシートの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7300117A JPH09142939A (ja) 1995-11-17 1995-11-17 パターン形成されたセラミックグリーンシートの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09142939A true JPH09142939A (ja) 1997-06-03

Family

ID=17880931

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7300117A Pending JPH09142939A (ja) 1995-11-17 1995-11-17 パターン形成されたセラミックグリーンシートの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09142939A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020092179A (ko) * 2001-05-01 2002-12-11 도쿄 오카 고교 가부시키가이샤 감광성 절연 페이스트 조성물 및 이로부터 제조된 감광성필름
JP2006203185A (ja) * 2004-12-24 2006-08-03 Kyocera Corp セラミック電子部品の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020092179A (ko) * 2001-05-01 2002-12-11 도쿄 오카 고교 가부시키가이샤 감광성 절연 페이스트 조성물 및 이로부터 제조된 감광성필름
JP2006203185A (ja) * 2004-12-24 2006-08-03 Kyocera Corp セラミック電子部品の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0845445B1 (en) Photosensitive ceramic green sheet, ceramic package,process for producing the same and its use in preparing a ceramic package with a fired board
JP3218767B2 (ja) 感光性導電ペースト
US6004705A (en) Photosensitive ceramics green sheet
KR102656350B1 (ko) 감광성 도전 페이스트 및 그것을 사용한 패턴 형성 그린 시트의 제조 방법
JP2007184247A (ja) 多層電子回路およびデバイス用の厚膜導体組成物およびその加工技術
JP3360378B2 (ja) セラミックス・グリーンシート上にパターンを形成する方法
JP3668978B2 (ja) 感光性絶縁ペースト
JPH0834096A (ja) セラミックス・グリーンシートおよびセラミックス・グリーンシート上にパターンを形成する方法
KR100803476B1 (ko) 기판 적용 ltcc 감광성 테이프에 유용한 전도체 조성물
EP0602252B1 (en) Ceramic green sheet
JP3324259B2 (ja) セラミックス・グリーンシート
JPH10279364A (ja) セラミックス・グリーンシート
JPH06251621A (ja) 感光性誘電ペースト
JP3885285B2 (ja) パターン形成したセラミックスグリーンシートの製造法
JP3823351B2 (ja) セラミックグリーンシートおよびパターン形成されたセラミックグリーンシートの製造方法
JPH1131416A (ja) 感光性導電ペースト
JPH09142939A (ja) パターン形成されたセラミックグリーンシートの製造方法
JPH05287221A (ja) 感光性導電ペースト
KR100786517B1 (ko) 유전 시이트의 적용 방법 및 그에 사용되는 감광성 유전조성물 및 테이프
JP3586957B2 (ja) パターン形成用フィルム
JP2000222940A (ja) 感光性誘電ペ―スト
JPH05311097A (ja) 感光性絶縁ペ−スト
JPH0624824A (ja) セラミックス・グリーンシート
JPH10209334A (ja) セラミック基板およびその製造方法
JPH10330167A (ja) セラミックス・グリーンシート