JPH10279364A - セラミックス・グリーンシート - Google Patents

セラミックス・グリーンシート

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JPH10279364A
JPH10279364A JP9098125A JP9812597A JPH10279364A JP H10279364 A JPH10279364 A JP H10279364A JP 9098125 A JP9098125 A JP 9098125A JP 9812597 A JP9812597 A JP 9812597A JP H10279364 A JPH10279364 A JP H10279364A
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JP
Japan
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weight
green sheet
powder
ceramic green
photosensitive
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Application number
JP9098125A
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English (en)
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Tomohiko Ogata
知彦 尾形
Takeshi Tanaka
剛 田中
Yoshiki Masaki
孝樹 正木
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フォトマスクのパターン通りのビアやライン
パターンを形成することが可能な感光性セラミックス・
グリーンシートを提供すること。 【解決手段】 無機粒子と感光性有機成分とから成るセ
ラミックス・グリーンシートであって、その表面におい
て、評価長さ4mm、カットオフ値0.8mmの場合
に、JIS B0601に準拠する算術平均粗さが、1
μm以下であるセラミックス・グリーンシート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は焼成セラミックス基
板などの形成に好適に用いられるセラミックグリーンシ
ートであって、フォトリソグラフィ法によりシートに均
一なビアの一括形成、および断線やむらのない導体パタ
ーンの形成に関するものであり、シートに均一な微細ビ
アと微細パターンを形成するのに必要なシートおよびペ
ースト表面粗さに関するものである。
【0002】本発明のグリーンシートおよびペースト
は、半導体素子の高密度実装用セラミック焼成基板、特
に多層セラミックス焼成基板に好適に用いられ、基板表
面の表層および内層用電極の微細な回路パターン形成に
有効なセラミックグリーンシートおよび感光性ペースト
である。
【0003】
【従来の技術】近年、電子部品の高速化、高周波化、小
型化が進むにつれ、それらを実装するためのセラミック
ス基板にも微細なビアホールを高密度に形成することが
要求されている。
【0004】従来のセラミックグリーンシートは特開平
1−231797や特開平2−141458号公報に記
載のごとく、通常、セラミックス粉末、有機バインダ
ー、可塑剤、溶媒および必要に応じて分散剤などを適宜
配合した後、混合してスラリーとした後、得られたスラ
リーをドクターブレード法などの公知の方法によってグ
リーンシートを成形する。
【0005】このグリーンシートにビアホールを形成す
る方法としては、従来から金型プレスが用いられている
が、シートに対して機械的、熱的負荷をかけて加工する
ため、せいぜい100μmまでの直径のビアが限界であ
る。これに代わる方法として、フォトリソグラフィ法に
よる微細ビア加工が検討されている。この方法は、感光
性樹脂と無機粉末からなる感光性グリーンシートに、フ
ォトマスクを介して紫外線等を照射し、一括して微細ビ
アを得る方法である。さらに、形成したビアに導体を充
填し、シート表面に導体ペーストによるパターン形成へ
と基板作製の工程がある。
【0006】パターン形成においても、従来からスクリ
ーン印刷による方法が主流であったが、さらに微細なパ
ターン形成の要求が高くなったため、フォトリソグラフ
ィ法による感光性ペーストを用いたパターン形成が検討
され始めている。この場合は、感光性グリーンシートだ
けでなく、通常の非感光のグリーンシートにも使用する
ことができるので、適用範囲は極めて広くなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】感光性グリーンシート
のビア形成、および感光性ペーストを用いたパターン形
成においては、紫外線照射を行うが、シート表面の状態
によって、ビアおよびパターン形成性は光散乱の影響を
著しく受けてしまう。表面起伏が大きいと、光が大きく
散乱されて、フォトマスクのパターン通りのビアやライ
ンパターンを形成することが困難となる。
【0008】微細なビアおよびラインパターンの形成が
可能な感光性グリーンシートおよび感光性ペーストは、
添加する感光性有機成分が光重合に寄与するため、多く
の量と種類の有機成分の添加が必要である。感光性ポリ
マー、モノマー、光重合開始剤、増感剤、増感助剤、増
粘剤、分散剤、溶剤、可塑剤および紫外線吸光剤などの
有機成分が添加されており、溶剤は真空脱泡、加熱乾燥
によってほとんど揮発してしまう。よって、乾燥後は乾
燥前に平滑であったシートやペースト表面も凹凸が目立
つようになる。
【0009】本発明の目的は、フォトマスクのパターン
通りのビアやラインパターンを形成することが可能な感
光性セラミックス・グリーンシートを提供することであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、鋭意研
究の結果、セラミックス粉末、紫外線吸光剤、および感
光性樹脂組成物とを含有するセラミックグリーンシート
および感光性ペーストにおいて、シート表面、ペースト
表面の粗さを特定の範囲内に規定することにより、ビア
形成性、ラインパターン形成性を向上することができる
ことを見出し本発明を完成した。
【0011】すなわち、本発明は、無機粒子と感光性有
機成分とから成るセラミックス・グリーンシートであっ
て、その表面において、評価長さ4mm、カットオフ値
0.8mmの場合に、JIS B0601に準拠する算
術平均粗さが、1μm以下であるセラミックス・グリー
ンシートを提供する。また、本発明は、セラミックス・
グリーンシート上に電極パターンを形成し、該電極パタ
ーン表面の算術平均粗さが1μm以下であるセラミック
ス・グリーンシートを提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のビア形成性、パターン形
成性が良好なグリーンシートを作製する方法について、
以下に感光性グリーンシートにフォトリソグラフィ法に
よるビア形成を行い、感光性ペーストを用いたパターン
形成方法を中心として述べる。
【0013】<感光性セラミックグリーンシートの構成
>本発明に用いられる感光性セラミックグリーンシート
は、無機粉末と感光性有機成分からなる。無機粉末と
は、一般的に電子材料に用いられる、ガラスや金属
(金、白金、銀、銅、ニッケル、アルミ、パラジウム、
タングステン、酸化ルテニウム等)の粉末であるが、本
発明において特に有用であるのは、セラミックスおよび
ガラス粉末である。
【0014】また、発明者らは無機粉末として、形状が
等軸の粒状または球状であるものを用いることによっ
て、高アスペクト比のビアホールの形成が可能であるこ
とを見い出した。球形率80個数%以上の無機粉末を用
いることが好ましい。
【0015】この場合に用いる無機粉末としては、50
重量%(平均)粒子径が1〜7μm、10重量%粒子径
が0.4〜1μm、90重量%粒子径が2〜10μm、
比表面積0.2〜3m2/gの無機粉末が適している。無
機粉末50〜95重量部と有機成分5〜50重量部から
なり、無機粉末にガラス粉末を用いる場合は、平均屈折
率が1.5〜1.65の範囲のガラス粉末を用いること
が望ましい。
【0016】セラミック粉末としてはアルミナ、ジルコ
ニア、マグネシア、ベリリア、ムライト、コーディライ
ト、スピネル、フォルステライト、アノーサイト、セル
ジアン、シリカおよび窒化アルミなどの群から選ばれた
少なくとも一種を用いることができる。
【0017】ガラスとセラミックスの複合粉末の場合
は、ガラス粉末を30重量%以上用いることが好まし
く、より好ましくは50重量%以上用いることが好まし
い。ガラス粉末としては、一般的なものであれば、特に
限定はないが、加工性に優れ、ポットライフの長いもの
がよい。粉末が球形であれば、充填密度が高くなり、緻
密な焼結体が得られること、表面積が小さくなるため露
光の際の光散乱が低減できるなどの利点がある。
【0018】ガラス粉末中の組成としては、SiO2
15〜70重量%の範囲で配合することが好ましく、1
5重量%未満の場合はガラス層の緻密性、強度や安定性
が低下し、また半導体素子であるシリコンと熱膨張係数
のミスマッチが起こり、所望の値から外れる。また70
重量%以下にすることによって、熱軟化点が低くなり、
1000℃以下での焼成が可能になるなどの利点があ
る。Al23 は10〜60重量%であることが望まし
い。10%以下では焼成基板の強度を十分保つことが困
難であり、60%以上では基板の誘電率が高くなってし
まう。B23 は4〜20重量%の範囲で配合すること
によって、電気絶縁性、強度、熱膨張係数、絶縁層の緻
密性などの電気、機械および熱的特性を向上することが
できる。
【0019】特に、ガラス粉末が、酸化物換算表記で SiO2 15〜70重量部 Al23 10〜60重量部 B23 4〜20重量部 MgO 1〜25重量部 TiO2 1〜10重量部 およびLi2 O、Na2 O、K2 O、BaO、CaOお
よびPbOの群から選ばれた少なくとも1種の化合物を
1〜25重量部からなるガラス粉末30重量%以上と、
アルミナ、ジルコニア、マグネシア、ベリリア、ムライ
ト、コーディライト、スピネル、フォルステライト、ア
ノーサイト、セルジアン、シリカおよび窒化アルミの群
から選ばれた少なくとも一種のセラミック粉末70重量
%以下との混合物であることが感光性セラミックグリー
ンシートの組成として望ましい。
【0020】また、ガラス粉末中には他にもZrO2
SnO、ZnO、Y23 などの金属酸化物をなどを含
有することができるが、その量は5重量%以下であるこ
とが好ましい。これらの成分は、あまり多くなると吸湿
性が生じて、ペーストやスラリーの粘度が高くなってし
まう。
【0021】また、本発明において使用される感光性有
機成分とは、セラミックグリーンシート中の感光性化合
物を含む有機成分(セラミックグリーンシートから無機
成分を除いた部分)のことである。
【0022】無機粉末としては屈折率は1.5〜1.8
のものが好ましい。一般に無機粉末は、1.5〜2.5
程度の屈折率を有している。有機成分の平均屈折率が無
機粉末の平均屈折率と大きく異なる場合は、無機粉末と
感光性有機成分の界面での反射・散乱が大きくなり、精
細なパターンが得られない。一般的な有機成分の屈折率
は1.45〜1.7であるため、無機粉末の平均屈折率
を1.5〜1.8にすることにより、無機粉末と有機成
分の屈折率を整合させることができる。さらに好ましく
は、屈折率1.54〜1.8、さらには1.56〜1.
78のものを用いることによって、無機粉末と感光性有
機成分の界面での反射・散乱が低減され、高アスペクト
比で、高精細なビアホールが形成される。
【0023】この場合に、用いる感光性有機成分の屈折
率と無機粉末の屈折率差が重要になり、有機成分の平均
屈折率N1と無機粉末の平均屈折率N2に関して、次式
を満たすことによって、界面での反射・散乱は低減さ
れ、より高アスペクト比のパターンが得られる。 −0.05≦N2−N1≦0.2 好ましくは、−0.03≦N2−N1≦0.1である。
【0024】本発明における屈折率の測定は、感光性セ
ラミックグリーンシートを形成した後に、照射する紫外
光の波長で測定することが効果を確認する上で正確であ
る。特に、350〜480nmの範囲の中で、任意の波
長の光で測定することが好ましい。さらには、i線(3
65nm)もしくはg線(436nm)での屈折率測定
が好ましい。
【0025】感光性有機成分には、感光性モノマー、感
光性オリゴマー、感光性ポリマーのうち少なくとも1種
類から選ばれる感光性化合物を含有し、さらに必要に応
じて、バインダー、光重合開始剤、紫外線吸光剤、増感
剤、増感助剤、重合禁止剤、可塑剤、増粘剤、有機溶
媒、酸化防止剤、分散剤、有機あるいは無機の沈殿防止
剤やレベリング剤などの添加剤成分を加えることも行わ
れる。
【0026】ペースト中の感光性有機成分の含有率は5
〜50重量%、さらには、5〜30重量%であることが
好ましい。パターン形成後のシート積層時には、シート
とシートの間に空気層が入り込みやすく、シートの可撓
性が低かったり、シートに通気性がないとシート間の空
気は抜け出すことができず、焼成時にシート間に閉じこ
められた空気が膨張し、シートどうしを剥離してしまう
問題が生じる。シートの可撓性を向上するためには、シ
ート成分中の有機成分量が多い方が望ましいが、あまり
多くなると無機粉末の間隙を埋め尽くしてしまい通気性
を損なってしまう。また、焼成時の収縮率がおおきくな
り、焼成による形状変化がおおきくなってしまう。この
ため、シートの積層性には可撓性と通気性を両立するこ
とが必要である。
【0027】反応性成分としては、光不溶化型のものと
光可溶化型のものがあり、光不溶化型のものとして、
(1)分子内に不飽和基などを1つ以上有する官能性の
モノマー、オリゴマー、およびポリマー、(2)芳香族
ジアゾ化合物、芳香族アジド化合物、有機ハロゲン化合
物などの感光性化合物含有するもの、(3)ジアゾ系ア
ミンとホルムアルデヒドとの縮合物などいわゆるジアゾ
樹脂といわれるもの、等がある。
【0028】また、光可溶型のものとしては、(4)ジ
アゾ化合物の無機塩や有機酸とのコンプレックス、キノ
ンジアゾ類を含有するもの、(5)キノンジアゾ類を適
当なポリマーバインダーと結合させた、例えばフェノー
ル、ノボラック樹脂のナフトキノン1,2−ジアジド−
5−スルフォン酸エステル等がある。
【0029】本発明において用いる反応性成分は、上記
のすべてのものを用いることができるものの、感光性ペ
ーストとして、無機粉末と混合して簡便に用いることが
できる感光性成分は、(1)のものが好ましい。
【0030】感光性モノマーとしては、炭素−炭素不飽
和結合を含有する化合物で、その具体的な例として、メ
チルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピル
アクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチル
アクリレート、sec−ブチルアクリレート、sec−
ブチルアクリレート、イソ−ブチルアクリレート、te
rt−ブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレー
ト、アリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ブト
キシエチルアクリレート、ブトキシトリエチレングリコ
ールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシ
クロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアク
リレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリセロ
ールアクリレート、グリシジルアクリレート、ヘプタデ
カフロロデシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルア
クリレート、イソボニルアクリレート、2−ヒドロキシ
プロピルアクリレート、イソデキシルアクリレート、イ
ソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−
メトキシエチルアクリレート、メトキシエチレングリコ
ールアクリレート、メトキシジエチレングリコールアク
リレート、オクタフロロペンチルアクリレート、フェノ
キシエチルアクリレート、ステアリルアクリレート、ト
リフロロエチルアクリレート、アリル化シクロヘキシル
ジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレー
ト、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、エチ
レングリコールジアクリレート、ジエチレングリコール
ジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレー
ト、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジペンタ
エリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリ
トールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジトリメチ
ロールプロパンテトラアクリレート、グリセロールジア
クリレート、メトキシ化シクロヘキシルジアクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロピレ
ングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコー
ルジアクリレート、トリグリセロールジアクリレート、
トリメチロールプロパントリアクリレート、アクリルア
ミド、アミノエチルアクリレート、フェニルアクリレー
ト、フェノキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレ
ート、1−ナフチルアクリレート、2−ナフチルアクリ
レート、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノ
ールA−エチレンオキサイド付加物のジアクリレート、
ビスフェノールA−プロピレンオキサイド付加物のジア
クリレート、チオフェノールアクリレート、ベンジルメ
ルカプタンアクリレート、また、これらの芳香環の水素
原子のうち、1〜5個を塩素または臭素原子に置換した
モノマー、もしくは、スチレン、p−メチルスチレン、
o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、塩素化スチ
レン、臭素化スチレン、α−メチルスチレン、塩素化α
−メチルスチレン、臭素化α−メチルスチレン、クロロ
メチルスチレン、ヒドロキシメチルスチレン、カルボシ
キメチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラ
セン、ビニルカルバゾール、および、上記化合物の分子
内のアクリレートを一部もしくはすべてをメタクリレー
トに変えたもの、γ−メタクリロキシプロピルトリメト
キシシラン、1−ビニル−2−ピロリドンなどが挙げら
れる。本発明ではこれらを1種または2種以上使用する
ことができる。
【0031】これら以外に、不飽和カルボン酸等の不飽
和酸を加えることによって、感光後の現像性を向上する
ことができる。不飽和カルボン酸の具体的な例として
は、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、クロト
ン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、またはこれ
らの酸無水物などがあげられる。
【0032】また、前述の感光性モノマーのうち少なく
とも1種類を重合して得られたオリゴマーやポリマーを
用いることができる。重合する際に、これら感光性モノ
マーの含有率が、10重量%以上、さらに好ましくは3
5重量%以上になるように、他の感光性のモノマーと共
重合することができる。
【0033】共重合するモノマーとしては、不飽和カル
ボン酸等の不飽和酸を共重合することによって、感光後
の現像性を向上することができる。不飽和カルボン酸の
具体的な例としては、アクリル酸、メタアクリル酸、イ
タコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル
酢酸、またはこれらの酸無水物などが挙げられる。
【0034】こうして得られた側鎖にカルボキシル基等
の酸性基を有するポリマーもしくはオリゴマーの酸価
(AV)は50〜180、さらには70〜140の範囲
が好ましい。酸価が50未満であると、現像許容幅が狭
くなる。また、酸価が180を越えると未露光部の現像
液に対する溶解性が低下するようになるため現像液濃度
を濃くすると露光部までが剥がれが発生し、高精細なパ
ターンが得られにくい。
【0035】以上示した、ポリマーもしくはオリゴマー
に対して、エチレン性不飽和基を側鎖に付加させること
によって、感光性を持つ感光性ポリマーや感光性オリゴ
マーとして用いることができる。
【0036】側鎖のエチレン不飽和基としてはビニル
基、アリル基、アクリル基、メタクリル基のようなもの
がある。このような側鎖をアクリル系共重合体に付加さ
せる方法としては、アクリル系共重合対中のカルボキシ
ル基にグリシジル基を有するエチレン性不飽和化合物や
アクリル酸クロライドを付加反応させて作る方法があ
る。
【0037】グリシジル基を有するエチレン性不飽和化
合物としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グ
リシジル、アリルグリシジルエーテル、エチルアクリル
酸グリシジル、クロトニルグリシジルエーテル、クロト
ン酸グリシジルエーテル、イソクロトン酸グリシジルエ
ーテルなどがあげられる。また、アクリル酸クロライド
化合物としては、アクリル酸クロライド、メタクリル酸
クロライド、アリルクロライドなどがあげられる。これ
らのエチレン性不飽和化合物あるいはアクリル酸クロラ
イドの付加量としては、アクリル系共重合対中のカルボ
キシル基に対して0.05〜1モル当量が好ましく、さ
らに好ましくは0.1〜0.8モル当量である。付加量
が0.05モル当量未満では感光特性が不良となりパタ
ーンの形成が困難になるため好ましくない。また、付加
量が1モル当量より大きい場合は、未露光部の現像溶解
性が低下したり、塗布膜の硬度が低くなり好ましくな
い。
【0038】これらの感光性樹脂は、ポリマーバインダ
ーとして作用するものであるが、ポリマーバインダー成
分として非感光性ポリマーを含有することもできる。具
体的には、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラー
ル、メタクリル酸エステル重合体、アクリル酸エステル
重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共
重合体、α−メチルスチレン重合体、ブチルメタクリレ
ート樹脂などがあげられる。
【0039】本発明で使用される光重合開始剤の具体的
な例として、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸
メチル、4,4−ビス(ジメチルアミン)ベンゾフェノ
ン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、
4,4−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4
−メチルフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレ
ノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジ
メトキシ−2−フェニル−2−フェニルアセトン、2−
ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−t−ブ
チルジクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−メ
チルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−
イソピロピルチオキサントン、ジエチルチオキサント
ン、ベンジル、ベンジルジメチルケタノール、ベンジル
−メトキシエチルアセタール、ベンゾイン、ベンゾイン
メチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アントラ
キノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−アミルア
ントラキノン、β−クロルアントラキノン、アントロ
ン、ベンズアントロン、ジベンズゾスベロン、メチレン
アントロン、4−アジドベンザルアセトフェノン、2,
6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサノ
ン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メ
チルシクロヘキサノン、2−フェニル−1,2−ジブタ
ジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1
−フェニル−プロパンジオン−2−(o−エトキシカル
ボニル)オキシム、1,3−ジフェニル−プロパントリ
オン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−
フェニル−3−エトキシ−プロパントリオン−2−(o
−ベンゾイル)オキシム、ミヒラーケトン、2−メチル
−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ
−1−プロパノン、ナフタレンスルホニルクロライド、
キノリンスルホニルクロライド、N−フェニルチオアク
リドン、4,4−アゾビスイソブチロニトリル、ジフェ
ニルジスルフィド、ベンズチアゾールジスルフィド、ト
リフェニルホルフィン、カンファーキノン、四臭化炭
素、トリブロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾイン、
エオシン、メチレンブルーなどの光還元性の色素とアス
コルビン酸、トリエタノールアミンなどの還元剤の組み
合わせなどがあげられる。本発明ではこれらを1種また
は2種以上使用することができる。
【0040】光重合開始剤は、側鎖にカルボニル基とエ
チレン性不飽和基を有するアクリル系共重合体と光反応
性化合物の和に対し、0.5〜50重量%の範囲で添加
され、より好ましくは、2〜25重量%である。光重合
開始剤の量が少なすぎると、光感度が不良となり、光重
合開始剤の量が多すぎれば、露光部の残存率が小さくな
りすぎるおそれがある。
【0041】本発明において、グリーンシートのビアホ
ール形成のために感光性樹脂及びセラミックス粉末に紫
外線(UV)吸光剤を添加することが好ましい。紫外線
吸収効果の高い吸光剤を添加することによって高解像度
が得られる。すなわち、通常、セラミックス粉末だけで
は、余計な部分まで光硬化し、現像してもビアホールの
形成ができなくなったり、真円度が大きく低下すること
が起きる。この原因は散乱された紫外光が吸収されてあ
るいは弱められて露光マスクによる遮光部分にまでまわ
り込むことが原因である。したがって、紫外線吸光剤を
添加することによって散乱光のまわり込みがほぼ回避さ
れ、マスク部分の感光性樹脂の硬化を防ぎ、露光マスク
に相当したパターンが形成できるようになる。
【0042】紫外線吸光剤としては350〜450nm
の波長範囲で高UV吸収係数を有する無機粉末あるいは
有機顔料などが好ましく用いられる。無機粉末として
は、酸化コバルトCo23 、CoO、酸化鉄Fe2
3 、酸化クロムCr23 、酸化マンガンMnO2 、酸
化銅Cu2 O、CuO、酸化チタンTiO2 などの酸化
物、炭化チタンTiC、炭化タングステンWC、炭化ジ
ルコンZrC、炭化珪素SiC、炭化ニオブNbCなど
の炭化物、チタニウム・ボライドTiB2 、ジルコニウ
ム・ボライドZrB2 などの硼化物、窒化チタンTi
N、窒化ジルコンZrN、窒化タンタルTaNなどの窒
化物、炭素(C)がある。この中で好ましい無機粉末は
炭素および炭化物で、パターンが滲みなく鋭く形成で
き、しかもビアホールを上下の口径差がなく微細に形成
できる。特に炭素は酸素含有雰囲気下で焼成すると炭化
ガスとして揮発するのでセラミックス基板としての絶縁
や誘電特性の低下を最小限にできるので好ましい。
【0043】これらの無機粉末は酸化物と窒化物、炭化
物との2種あるいは3種以上の複合粉末としても用いる
ことができるが、セラミックス基板としての絶縁、誘電
体特性を低下させない範囲で選択することが好ましい。
無機粉末の添加量としては、0.01〜5重量%が好ま
しい。0.01重量%未満では紫外線吸光剤の添加効果
が減少し、5重量%を越えると基板特性が低下するので
好ましくない。より好ましくは0.05〜1重量%であ
る。
【0044】また有機顔料としては、高い吸収光係数を
有する種々の顔料が好ましく使用できるが、具体的に
は、アゾ系染料、キノリン系染料、アミノケトン系染
料、アントラキノン系染料などが使用できる。添加量と
しては、無機粉末の場合と同様の理由から0.01〜5
重量%の範囲が好ましい。有機顔料は、炭素と同様に焼
成後、セラミックス基板中に残存しないので吸光剤によ
る基板特性の低下を少なくできる。
【0045】本発明においてセラミックス粉末あるいは
紫外線吸光剤に含まれるPb、Bi、Fe、Ni、M
n、Co、Mgなどの金属およびその酸化物が、ペース
ト中に含有する感光性ポリマーのカルボキシル基と反応
してペーストが短時間でゲル化し、塊となりペーストと
して印刷できなくなる場合がある。これは感光性ポリマ
ーと上記の金属や酸化粉末とのイオン架橋反応と推定さ
れるが、このような架橋反応を防止するために、感光性
ポリマーにはもちろんのこと、光重合開始剤あるいは可
塑剤などに悪影響を与えない化合物(安定化剤)を添加
しゲル化を防止することが好ましい。すなわち、ゲル化
反応を引き起こす金属や酸化物粉末との錯体化、あるい
は酸官能基との塩形成などの効果のある化合物で粉末を
表面処理し、セラミックス・グリーンシートを安定化さ
せることが好ましい。
【0046】上記の要件を満たす安定化剤として、トリ
アゾール化合物が好ましく使用できる。トリアゾール化
合物の中でも特にベンゾトリアゾールが有効に作用す
る。またヘキサメチレンテトラアミン、ナフテン酸リチ
ウム(Li)などもゲル化抑制に効果がある。
【0047】ベンゾトリアゾールを用いてセラミックス
粉末や紫外線吸光剤中の金属および金属酸化物の粉末を
表面処理する方法は、以下の通りである。すなわち、所
定の量のベンゾトリアゾールを酢酸メチル、酢酸エチ
ル、エチルアルコール、メチルアルコールなどの有機溶
媒に溶解し、これらの粉末が十分に浸ることができるよ
うに溶液中に1〜24時間浸漬することが好ましい。浸
漬後、好ましくは20〜30℃下で自然乾燥して溶媒を
蒸発させることにより、トリアゾール処理を行った粉末
が得られる。
【0048】本発明において使用される安定化剤の割合
(安定化剤/セラミックス粉末や紫外線吸光剤中の金属
および金属酸化物)は0.2%〜4重量%が好ましく、
さらに0.4〜3重量%であることが好ましい。0.2
重量%未満ではポリマーの架橋反応を防止するのに効果
がなく、短時間でゲル化しやすい。また4重量%を越え
ると安定化剤の量が多くなりすぎて非酸化性雰囲気中で
のグリーンシートの焼成時においてポリマーバインダー
および安定化剤などの脱バインダーが困難となり、基板
の特性が低下する。
【0049】本発明においてセラミックス・グリーンシ
ート中に光反応性化合物、増感剤、熱重合禁止剤、可塑
剤、酸化防止剤、分散剤、有機あるいは無機の沈殿防止
剤などを添加することも好ましく行われる。
【0050】光反応性化合物は感度を向上させるために
添加される。本発明で使用される光反応性化合物は光反
応性を有する炭素−炭素不飽和結合を有する化合物を用
いることができ、その具体的な例としてアリルアクリレ
ート、ベンジルアクリレート、ブトキシアクリレート、
ブトキシエチルアクリレート、ブトキシトリエチレング
リコールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、
ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニル
アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリ
シジルアクリレート、ヘプタデカフロロデシルアクリレ
ート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、イソボニル
アクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、
イソデキシルアクリレート、イソオクチルアクリレー
ト、ラウリルアクリレート、2−メトキシエチルアクリ
レート、メトキシエチレングリコールアクリレート、メ
トキシジエチレングリコールアクリレート、オクタフロ
ロペンチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレー
ト、ステアリルアクリレート、トリフロロエチルアクリ
レート、アリルシクロヘキシルジアクリレート、ビスフ
ェノールAジアクリレート、1,4−ブタンジオールア
クリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレー
ト、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレング
リコールジアクリレート、トリエチレングリコールジア
クリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタ
エリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジ
トリメチロールプロパンテトラアクリレート、グリセロ
ールジアクリレート、メトキシシクロヘキシルジアクリ
レート、、ネオペンチルグリコールジアクリレート、プ
ロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレング
リコールジアクリレート、トリグリセロールジアクリレ
ート、トリメチロールプロパントリアクリレートおよび
上記のアクリレートをメタクリレートに変えたもの、γ
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、1−ビ
ニル−2−ピロリドンなどがあげられる、本発明ではこ
れらの光反応性化合物を1種または2種以上使用するこ
とができる。
【0051】側鎖にカルボキシル基とエチレン性不飽和
基を有するアクリル系共重合体は、光反応性化合物に対
して、通常、重量比で0.1〜10倍量用いる。このア
クリル系共重合体の量が少なすぎると、スラリーの粘度
が低くなり、スラリー中での分散の均一性が低下するお
それがある。一方、アクリル系共重合体の量が多すぎれ
ば、未露光部の現像液の溶解性が不良となる。
【0052】増感剤は、高感度を向上させるために添加
される。増感剤の具体例としては、2,3−ビス(4−
ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノン)、2,6
−ビス(ジメチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、
2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)−4−メ
チルシクロヘキサノン、ミヒラーケトン、4,4−ビス
(ジエチルアミノ)−ベンゾフェノン、4,4−ビス
(ジメチルアミノ)カルコン、4,4−ビス(ジエチル
アミノ)カルコン、p−ジメチルアミノシンナミリデン
インダノン、p−ジメチルアミノベンジリデンインダノ
ン、2−(p−ジメチルアミノフェニレンビニレン)−
イソナフトール、1,3−ビス(4−ジメチルアミノベ
ンザル)アセトン、1,3−カルボニル−ビス(4−ジ
エチルアミノベンザル)アセトン、3,3−カルボニル
−ビス(7−ジエチルアミノクマリン)、N−フェニル
−N−エチルエタノールアミン、N−フェニルエタノー
ルアミン、N−トリルジエタノールアミン、N−フェニ
ルエタノールアミン、ジメチルアミノ安息香酸イソアミ
ル、ジエチルアミノ安息香酸イソアミル、3−フェニル
−5−ベンゾイルチオ−テトラゾーラゾール、1−フェ
ニル−5−エトキシカルボニルチオ−テトラゾールなど
があげられる。本発明ではこれらを1種または2種以上
使用することができる。なお、増感剤の中には光重合開
始剤としても使用できるものがある。増感剤を本発明の
セラミックス・グリーンシートに添加する場合、その添
加量は側鎖にカルボキシル基とエチレン性不飽和基を有
するアクリル系共重合体に対して通常0.1〜60重量
%、より好ましくは0.5〜30重量%である。増感剤
の量が少なければ光感度を向上させる効果が発揮され
ず、増感剤の量が多すぎれば露光部の残存率が小さくな
りすぎるおそれがある。
【0053】熱重合禁止剤は、保存時の熱安定性を向上
させるために添加される。熱重合禁止剤の具体的な例と
しては、ヒドロキノン、N−ニトロジフェニルアミン、
フェノチアジン、p−t−ブチルカテコール、N−フェ
ニルナフチルアミン、2,6−ジ−t−ブチル−p−メ
チルフェノール、クロラニール、ピロガロールなどがあ
げられる。熱重合禁止剤を添加する場合、その添加量
は、側鎖にエチレン性不飽和基を有するアクリル系共重
合体に対し、通常、0.1〜20重量%、より好ましく
は、0.5〜10重量%である。熱重合禁止剤の量が少
なければ、保存時の熱的な安定性を向上させる効果が発
揮されず、熱重合禁止剤の量が多すぎれば、露光部の残
存率が小さくなりすぎるおそれがある。
【0054】可塑剤の具体的な例としては、ジブチルフ
タレート、ジオクチルフタレート、ポリエチレングリコ
ール、グリセリンなどがあげられる。
【0055】酸化防止剤は、保存時におけるアクリル系
共重合体の酸化を防ぐために添加される。酸化防止剤の
具体的な例としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−ク
レゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ
−t−4−エチルフェノール、2,2−メチレン−ビス
−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2
−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェ
ノール)、4,4−チビス−(3−メチル−6−t−ブ
チルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル
−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−
(2−メチル−4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)
ブタン、ビス[3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−3−
t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコール
エステル、ジラウリルチオジプロピオナート、トリフェ
ニルホスファイトなどがあげられる。酸化防止剤を添加
する場合、その添加量は通常、セラミックス粉末、側鎖
にエチレン性不飽和基を有するアクリル系共重合体、ガ
ラスフリットおよび光重合開始剤の総和に対して0.0
1〜5重量%、より好ましくは0.1〜1重量%であ
る。酸化防止剤の量が少なければ保存時のアクリル系共
重合体の酸化を防ぐ効果が得られず、酸化防止剤の量が
多すぎれば露光部の残存率が小さくなりすぎるおそれが
ある。
【0056】本発明のセラミックス・グリーンシート形
成用スラリーの好ましい組成としては、次の範囲で選択
するのが好ましい。 (a) セラミックス粉末 ;70〜95重量% (b) 感光性樹脂 ;25〜10重量% (c) 紫外線吸光剤 ;0〜1重量%(好ましくは0.05〜1重量%)
【0057】また、セラミックス・グリーンシートが、
セラミックス粉末、紫外線吸光剤、側鎖にカルボキシル
基とエチレン性不飽和基を有するアクリル系共重合体、
光重合開始剤を含有する場合には、セラミックス・グリ
ーンシート形成用スラリーの好ましい組成としては、次
の範囲で選択するのが好ましい。 (a)セラミックス粉末 ;70〜95重量% (b)側鎖にカルボキシル基とエチレン性不飽和基を有するアクリル系共重合 体(及び光反応性化合物) ;30〜5重量% (c)光重合開始剤 ;(b)に対して2〜25重量% (d)紫外線吸光剤 ;(a)に対して0.01〜5重量%
【0058】各成分が上記範囲にあると露光時において
紫外線が良く透過し、光硬化の機能が十分発揮され、後
の現像時における未露光部の残膜の発生をほとんどなく
すことができ、高い真円度を有するビアホールの形成が
できる。また特に(b)成分であるアクリル系共重合体
(及び光反応性化合物を用いる場合にはこれらの合計
量)をこの範囲にすることにより焼成後の焼結体が緻密
になり、高強度のセラミックス基板が得られる利点があ
る。
【0059】本発明のセラミックス・グリーンシート形
成用のスラリーは、感光性樹脂を有機溶媒に溶解し、こ
の溶液にセラミックス粉末と紫外線吸光剤とを分散させ
ることによって製造することができる。また、セラミッ
クス・グリーンシートが、セラミックス粉末、紫外線吸
光剤、側鎖にカルボキシル基とエチレン性不飽和基を有
するアクリル系共重合体、光重合開始剤を含有する場合
には、側鎖にカルボキシル基とエチレン性不飽和基を有
するアクリル系共重合体と光開始剤を有機溶媒に溶解
し、この溶液にセラミックス粉末と紫外線吸光剤とを分
散させることによって製造することができる。このとき
使用される有機溶媒は感光性樹脂又は側鎖にエチレン性
不飽和基を有するアクリル系共重合体及び光重合開始剤
の混合物を溶解し得るものであればよい。例えばメチル
セルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、メ
チルエチルケトン、ジオキサン、アセトン、シクロヘキ
サノン、シクロペンタノン、イソブチルアルコール、イ
ソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン、ジメチル
スルフォキシド、γ−ブチロラクトン、トルエン、トリ
クロールエチレン、メチルイソブチルケトン、イソホロ
ンなどやこれらのうち1種以上を含有する有機溶媒混合
物が用いられる。また、上記光反応性化合物を用いる場
合であって、該光反応性化合物が感光性樹脂又は側鎖に
エチレン性不飽和基を有するアクリル系共重合体及び光
重合開始剤の混合物を溶解し得るものである場合には、
上記有機溶媒に代えて該光反応性化合物に上記各成分を
溶解してもよい。なお、この場合でも、粘度調節のため
に上記有機溶媒を添加することもできる。
【0060】紫外線吸光剤の添加方法としては、セラミ
ックス粉末と紫外線吸光剤とを水溶液中で湿式混合後、
乾燥する方法があげられる。より好ましくは、所定の添
加量となるように無機塩の水溶液中にセラミックス粉末
を均質に混合・分散後、乾燥、焼成して混合粉末を作成
する方法である。この方法によってセラミックス粉末の
個々の粉末表面に無機の膜あるいは微細な粉末をコート
したいわゆるカプセル状の粉末が作製できる。例えば紫
外線吸光剤として酸化鉄や酸化コバルトを添加する場
合、塩化鉄や塩化コバルトの水溶液中にセラミックス粉
末を分散させた後、撹拌しながら乾燥させ、400〜8
00℃で熱処理を行うことによってセラミックス粉末の
表面に酸化鉄や酸化コバルトの皮膜を作製することがで
きる。紫外線吸光剤として炭素を添加する場合はCVD
(化学的気相沈殿)法などでセラミックス粉末の表面に
均質に炭素の膜を形成することがより好ましい。また、
紫外線吸光剤として有機顔料を添加する場合、有機顔料
を溶解した溶液中にセラミックス粉末を均質に混合、分
散後、乾燥することによってセラミックス粉末の個々の
粒子表面に有機顔料の膜が形成できるので吸光剤の効果
が一層高くなる。
【0061】さらに必要に応じて、有機溶媒、安定化
剤、増感剤、熱重合禁止剤、可塑剤、酸化防止剤、分散
剤、有機あるいは無機の沈殿防止剤などを添加し、ボー
ルミルあるいはアトライターで例えば12〜48時間粉
砕・混合し、スラリーを調整する。
【0062】また、スラリーの粘度を調整するために必
要に応じて上記の有機溶媒を添加する。好ましい粘度は
1万〜5万cps(センチ・ポイズ)であり、この範囲
にあるとシートの膜厚の調整が均質にできる。得られた
スラリーをドクターブレードを用いてポリエステルフィ
ルムなどのフィルム上に連続的に厚さ0.01〜0.5
mmに形成する。ついで80〜120℃の温度で10分
〜3時間、加熱して溶媒類を蒸発させ、セラミックス・
グリーンシートにする。このシートを所定の形状に切断
する。
【0063】本発明のセラミックス・グリーンシートの
厚みは通常、5〜500μmの範囲であり、好ましくは
5〜300μmである。500μmを越えると紫外線の
露光に対して十分透過せず、光硬化の効果が薄れる。ま
た、5μm未満であるとグリーンシートの取り扱いが難
しくなる。
【0064】セラミックス・グリーンシートは通常のフ
ォトマスク法を用いて露光される。この際使用される活
性光源としては、例えば紫外線、電子線、X線などがあ
げられるが、これらの中で紫外線が好ましく、その光源
としては例えば低圧水銀灯、高圧水銀灯、ハロゲンラン
プ、殺菌灯などが使用できる。これらの中でも超高圧水
銀灯が好適である。露光条件はグリーンシートの厚みな
どによっても異なるが、5〜100mW/cm2 の出力
の超高圧水銀灯を用いて1〜30分間露光を行うことが
好ましい。シートの両面を露光する方法としては、シー
トの上下両面から同時に露光する方法、あるいはシート
の片面から露光した後シートの表裏を反転させ、さらに
反対の面を同様に露光する方法がある。
【0065】グリーンシート表面の粗さは、無機粒子の
形状、粒径や分散状態、無機粒子と有機成分の比率、乾
燥等による脱溶剤の程度によっても左右されるが、露光
の際、グリーンシート表面の粗さはビア形成性に大きな
影響を与える。
【0066】表面粗さの測定は、ドクターブレードによ
る成形後または80〜100℃にて乾燥後のシートをJ
IS B0651に記載された触針式表面粗さ測定器
や、レーザー光などを用いた非接触式表面粗さ測定器を
用いて測定する。表面粗さはJIS B0601に準拠
し、対象物であるシートの表面からランダムに抜き取っ
た、各部分における算術平均粗さ(Ra )、最大高さ
(Ry )、十点平均粗さ(Rz )、凹凸の平均間隔(S
m )、局部山頂の平均間隔(S)および負荷長さ率(t
p )の、それぞれの算術平均値で表される。ここでは算
術平均粗さ(Ra )を、カットオフ値0.8mm、評価
長さ4mmを標準として求め、1μm以下、好ましくは
0.1〜0.8μmである。感光性グリーンシートを露
光する際には、フォトマスクを介して紫外光を照射する
が、シート表面粗さによって紫外光が散乱されてしま
い、平行光でなくなってしまう。シート表面粗さが、上
記範囲内であれば紫外光の散乱はほとんど影響がない。
表面粗さは小さければ小さいほどよいが、0.1μm以
下の表面粗さは、グリーンシートの状態であまり実質的
ではないので除外する。また、セラミックス・グリーン
シートは、80℃〜100℃で10分間〜3時間熱処理
した後も上記表面粗さが1μm以下、好ましくは0.1
〜0.8μmであることが好ましい。
【0067】露光後、現像液を使用して現像を行い、光
硬化していない部分を除去し、いわゆるネガ型のパター
ンを形成し、ビアホール径例えば0.005〜0.2m
mの穴をビアホールピッチ例えば0.01〜5.0mm
の間隔にあける。現像方法としては、浸漬法やスプレー
法で行うことができる。現像液としては前記の側鎖にエ
チレン性不飽和基を有するアクリル系共重合体、光反応
性化合物および光重合開始剤の混合物が溶解可能である
有機溶媒を使用できる。またこの有機溶媒にその溶解力
が失われない範囲で水を添加してもよい。またアクリル
系共重合体の側鎖にカルボキシル基が存在する場合、ア
ルカリ水溶液で現像できる。アルカリ水溶液として、水
酸化ナトリウムや水酸化カルシウム水溶液などのような
金属アルカリ水溶液を使用できるが、有機アルカリ水溶
液を用いた方が焼成時にアルカリ成分を除去しやすいの
で好ましい。有機アルカリの具体例としては、テトラメ
チルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルベンジル
アンモニウムヒドロキサイド、モノエタノールアミン、
ジエタノールアミンなどがあげられる。アルカリ水溶液
の濃度は通常0.01〜10重量%、より好ましくは
0.1〜5重量%である。アルカリ濃度が低すぎるれば
未露光部が除去されずに、アルカリ濃度が高すぎれば、
露光部の剥離を引き起こし、また腐食させるおそれがあ
り好ましくない。
【0068】本発明のセラミックス・グリーンシートで
は、その表面において、評価長さ4mm、カットオフ値
0.8mmの場合に、JIS B0601に準拠する算
術平均粗さが、1μm以下である。この平均粗さが1μ
mよりも大きいと、光が大きく散乱されて、フォトマス
クのパターン通りのビアやラインパターンを形成するこ
とが困難となる。また、本発明のセラミックス・グリー
ンシートは、80℃〜100℃で10分間〜3時間熱処
理した後も、その表面における上記の平均粗さが1μm
以下であることが好ましい。
【0069】以上、感光性グリーンシートのビア形成に
ついて詳述したが、本発明はまた、セラミックス・グリ
ーンシート上に電極パターンを形成し、該電極パターン
表面の算術平均粗さが1μm以下であるセラミックス・
グリーンシートをも提供する。この場合には、以下に述
べる感光性ペーストを用いたパターン形成を行なえば、
感光性グリーンシートだけでなく、通常の非感光性シー
トを用いることもできる。この場合はシートにフォトリ
ソグラフィ法でビア形成するわけではないから、表面粗
さを厳密に制御する必要はない。ただし、極端な凹凸が
あったりすると、次にペースト塗布した際にペーストの
表面粗さを制御することが困難であるから、シート表面
粗さは適当な範囲であればよい。
【0070】<感光性ペーストの構造>感光性ペースト
のうち、ここでは導電体粉末を用いた感光性導電ペース
トについて述べる。導電体粉末としては、Cu、Au、
Ag、Pd、Pt、W、Mn、Ni、Moなどの金属あ
るいはこれらを含む合金などや下記の抵抗体粉末などが
挙げられる。感光性有機成分に関しては、感光性セラミ
ックグリーンシートに用いたのと同様なものが使用でき
る。
【0071】Cu系導電体粉末としては、例えばCu
(97−70)−Ag(3−30)、Cu(95−6
0)−Ni(5−40)、Cu(90−70)−Ag
(5−20)−Cr(3−15)(以上()内は重量%
を表す。以下同様)などの2元系あるいは3元系の混合
金属粉末が用いられる。この中でCu−Ag粉末が好ま
しく、その中でもCuの表面を3〜30重量%のAgで
コートした粉末がCuの酸化を抑えることができるので
特に好ましい。
【0072】Au、Ag、Pd、Pt系導電体粉末とし
ては、例えばAg(30−97)−Pd(70−3)、
Ag(40−70)−Pd(60−10)−Pt(5−
20)、Ag(30−80)−Pd(60−10)−C
r(5−15)、Pt(20−40)−Au(60−4
0)−Pd(20)、Au(75−80)−Pt(25
−20)、Au(60−80)−Pd(40−20)、
Ag(40−95)−Pt(60−5)、Pt(60−
90)−Rh(40−10)などの2元系あるいは3元
系の混合金属粉末が好ましく用いられる。上記の中でC
rやRhを添加した物は高温特性を向上できる点で特に
好ましい。
【0073】W、Mo、Mn系導電性粉末としては、
W、W(92−98)−TiB2 (8−2)、W(92
−98)−ZrB2 (2−8)、W−(92−98)−
TiB2 (1−7)−ZrB2 (1−7)、W(95−
60)−TiN(5−60)、W(90−60)−Ti
N(5−35)−TiO2 (2−10)、W(90−6
0)−TiN(5−35)−TiO2 (2−10)−N
i(1−10)、W(99.7−97)−AlN(0.
3−3)、W(10−90)−Mo(90−10)、W
(92−98)−Al223 (8−2)、Mo、M
o(92−98)−TiB2 (8−2)、Mo(92−
98)−ZrB2 (8−2)、Mo(92−8)−Ti
2 (1−7)−ZrB2 (1−7)、Mo−TiN、
Mo(90−60)−TiN(5−35)−TiO2
(2−10)、Mo(90−60)−TiN(5−3
5)−TiO2 (2−10)−Ni(1−10)、Mo
(99.7−97)−AlN(0.3−3)、Mn(5
0−90)−Mo(10−50)、Mo(60−90)
−Mn(40−10)−SiO2 (0−20)、W(3
0−90)−Mo(30−70)−Mn(3−30)な
どの2元系あるいは3元系の混合金属粉末が用いられ
る。上記の中でTiB2 、ZrB2 、TiN、AlN、
Ni、TiO2 を添加したものは導体膜とアルミナ基板
との接着強度を向上させ、導体膜の抵抗を下げるのに効
果がある点で特に好ましい。
【0074】抵抗体粉末としては、RuO2 、RuO2
系、Al粉末およびB23 を含有するガラス粉末、A
l粉末、遷移金属粉末およびB23 を含有するガラス
粉末、In23 系−ガラス粉末、RuO2 −ガラス粉
末、LaB6 −ガラス粉末、SnO2 添加品−ガラス粉
末、珪化物−ガラス粉末、NiOとLi23 −B23
−SiO2 −RO(RはMg、Ca、Sr、Baの中
から選ばれる一種)などから構成されるガラス粉末など
が挙げられる。
【0075】RuO2 は、無定系および結晶系、あるい
はパイロクロア化合物と称されるCdBiRu27
BiRu27 、BaRuO5 、LaRuO3 、SrR
uO3 、CaRuO3 、Ba2 RuO4 などでもよい。
RuO2 系としては、RuO2 −SiO2 が使用でき
る。
【0076】Al粉末およびB23 を含有するガラス
粉末としては、Alが4〜15重量%、B23 を含有
するガラス粉末が96〜85重量%があげられる。B2
3を含有するガラス粉末としては、B23 −BaO
−SiO2 −TaiO5 −Al23 −CaO−MgO
系などが挙げられる。これにMoSi2 、AlSi2
WSi2 、TiSi2 などの金属珪化物を含むことがで
きる。
【0077】Al粉末、遷移金属粉末およびB23
含有するガラス粉末としては、上記のAl粉末およびB
23 を含有するガラス粉末に加えて、Nb、V、W、
Mo、Zr、Ti、Niなどの遷移金属粉末を含有する
ものである。
【0078】In23 系−ガラス粉末は、30〜80
重量%のIn23 系と、70〜20重量%のガラス粉
末からなるものがあげられる。In23 系としては、
ITO(SnをIn23 にドープしたもの)、In2
3 、SbをドープしたSnO3 +SnO2 などがあげ
られる。また、ガラス粉末としては、SiO2 −Al2
3 −MgO−ZnO−B23 −BaO系などであ
る。この中では、SiO2 −B23 系が低温焼結でき
るので好ましい。
【0079】<感光性導電ペーストの製造方法> (1)ペーストの調製 感光性ペーストは、通常、無機粉末、紫外線吸光剤、感
光性ポリマー、感光性モノマー、光重合開始剤、ガラス
フリットおよび溶媒等の各種成分を所定の組成となるよ
うに調合した後、3本ローラや混練機で均質に混合分散
し作製する。
【0080】ペーストの粘度は無機粉末、増粘剤、有機
溶媒、可塑剤および沈殿防止剤などの添加割合によって
適宜調整されるが、その範囲は2000〜20万cps
(センチ・ポイズ)である。例えばガラス基板への塗布
をスクリーン印刷法以外にスピンコート法で行う場合
は、200〜5000cpsが好ましい。スクリーン印
刷法で1回塗布して膜厚10〜20μmを得るには、5
万〜20万cpsが好ましい。
【0081】セラミックグリーンシート表面にパターン
形成を行う場合において、塗布する感光性ペーストに無
機粉末、感光性有機成分、溶媒を含み、前記溶媒が前記
セラミックグリーンシートを溶解しないことが重要であ
る。
【0082】感光性グリーンシートの場合は、有機成分
が感光性ペーストと同じであるが、非感光性グリーンシ
ートの場合は、感光性ペーストの溶媒とグリーンシート
の樹脂との間で反応が生じ、パターンが形成できない問
題がある。このため、溶媒にケトン、低級アルコール、
脂肪酸高級アルコールエステル、炭化水素のうち、少な
くとも1種を選択することが望ましい。
【0083】<回路配線パターン形成方法>上記のよう
に、露光、現像によりビアホールパターンを形成したセ
ラミックグリーンシートに、感光性導電ペーストを用い
て回路配線パターンを形成する方法について述べる。
【0084】本発明では、具体的な方法として、(1)
ビアホール形成したセラミックグリーンシート表面に感
光性導電ペーストを塗布すると同時に、導体のビアホー
ル充填を同時に行う方法、(2)一旦フィルム上に回路
配線パターンを形成した後、熱プレスによりセラミック
グリーンシート上に転写してパターンを形成する方法、
がある。
【0085】まず、導体充填とペースト塗布を同時に行
う方法について詳細を述べる。この方法は、セラミック
グリーンシートの表面に感光性ペーストを塗布する際
に、同時にビアホールに導体を埋込むのであるが、ビア
ホール形成したシートの支持体を剥がし、裏面を真空引
きするなどして固定し、シート表面にスクリーン印刷、
スピンコート、アプリケーターなどによって銅、銀、銀
−パラジウム、タングステン、モリブデンあるいは金を
含む感光性導体ペーストを全面塗布すると同時にビアホ
ールを充填することにより、配線用の層間接続用の導体
を形成する。
【0086】続いて、上記の要領でシート表面に所定の
感光性導体、抵抗体、誘電体あるいは絶縁体ペーストを
塗布する。ガラス基板やセラミックスの基板、もしく
は、ポリマー製フィルムの上に、感光性ペーストを全面
塗布、もしくは部分的に塗布する。塗布方法としては、
スクリーン印刷、バーコーター、ロールコーター、ダイ
コーター、ブレードコーター等一般的な方法を用いるこ
とができる。塗布厚みは、塗布回数、スクリーンのメッ
シュ、ペーストの粘度を選ぶことによって調整できる。
【0087】ここでペーストを基板上に塗布する場合、
基板と塗布膜との密着性を高めるために基板の表面処理
を行うことができる。表面処理液としてはシランカップ
リング剤、例えばビニルトリクロロシラン、ビニルトリ
メトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、トリス−
(2−メトキシエトキシ)ビニルシラン、γ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタクリロキ
シプロピル)トリメトキシシラン、γ(2−アミノエチ
ル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルト
リメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシ
ランなどあるいは有機金属例えば有機チタン、有機アル
ミニウム、有機ジルコニウムなどである。シランカップ
リング剤あるいは有機金属を有機溶媒例えばエチレング
リコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノ
エチルエーテル、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、プロピルアルコール、ブチルアルコールなどで0.
1〜5%の濃度に希釈したものを用いる。次にこの表面
処理液をスピナーなどで基板上に均一に塗布した後に8
0〜140℃で10〜60分間乾燥することによって表
面処理ができる。
【0088】また、フィルム上に塗布した場合、フィル
ム上で乾燥を行った後、次の露光工程を行う場合と、ガ
ラスやセラミックの基板上に張り付けた後、露光工程を
行う方法がある。
【0089】本発明の感光性ペーストをポリエステルフ
ィルムなどの上に塗布することによって、回路材料やデ
ィスプレイに用いる感光性セラミックグリーンシートを
得ることができる。
【0090】感光性ペーストを全面塗布したセラミック
グリーンシート上にパターンを形成するために、回路パ
ターンを有するフォトマスクを用いて紫外線を照射して
露光し、感光性ペーストを光硬化させる。この時、予め
形成されたビアホールの位置を把握するため、ビアホー
ルのフォトマスクとラインパターンのフォトマスクがシ
ート上で一致するように高精度のアライメントを設けて
おく必要がある。
【0091】露光の際、ペースト表面の粗さは、上述し
たようにグリーンシート表面の粗さと同じようにパター
ン形成性に大きな影響を与える。
【0092】表面粗さの測定は、スクリーン印刷などに
よるペースト塗布後、または80〜100℃にて乾燥
後、シート表面粗さの測定と同様にJIS B0601
に準拠し、各部分における算術平均粗さ(Ra )、最大
高さ(Ry )、十点平均粗さ(Rz )、凹凸の平均間隔
(Sm )、局部山頂の平均間隔(S)および負荷長さ率
(tp )からそれぞれの算術平均値で表される。
【0093】ここでは算術平均粗さ(Ra )を、カット
オフ値0.8mm、評価長さ4mmを標準として求め、
0.1〜1μm以下、好ましくは0.1〜0.8μmと
する。
【0094】感光性ペーストを露光によりパターン形成
する際には、フォトマスクを介して紫外光を照射する
が、表面粗さによって紫外光が散乱されてしまい、平行
光でなくなってしまう。表面粗さが、上記範囲内であれ
ば紫外光の散乱はほとんど影響がない。表面粗さは小さ
ければ小さいほどよいが、0.1μm以下の表面粗さ
は、実質的ではないので除外する。
【0095】露光後、感光部分と非感光部分の現像液に
対する溶解度差を利用して、現像を行なうが、この場
合、浸漬法やスプレー法、ブラシ法で行なう。用いる現
像液は、感光性ペースト中の有機成分が溶解可能である
有機溶媒を使用できる。また該有機溶媒にその溶解力が
失われない範囲で水を添加してもよい。感光性ペースト
中にカルボキシル基等の酸性基を持つ化合物が存在する
場合、アルカリ水溶液で現像できる。アルカリ水溶液と
して水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウム、水酸化カルシ
ウム水溶液などのような金属アルカリ水溶液を使用でき
るが、有機アルカリ水溶液を用いた方が焼成時にアルカ
リ成分を除去しやすいので好ましい。有機アルカリとし
ては、一般的なアミン化合物を用いることができる。具
体的には、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、
トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、モノ
エタノールアミン、ジエタノールアミンなどが挙げられ
る。アルカリ水溶液の濃度は通常0.01〜10重量
%、より好ましくは0.1〜5重量%である。アルカリ
濃度が低すぎれば可溶部が除去されずに、アルカリ濃度
が高すぎれば、パターン部を剥離させ、また非可溶部を
腐食させるおそれがあり良くない。また、現像時の現像
温度は、20〜50℃で行うことが工程管理上好まし
い。露光に用いられる紫外線の光源および現像に用いる
現像液は、上記感光性セラミックグリーンシートで用い
た場合のものと同様である。
【0096】
【実施例】以下に、本発明を実施例を用いて、具体的に
説明する。ただし、本発明はこれに限定されない。な
お、実施例、比較例中の濃度は重量%である。
【0097】実施例1〜3、比較例1 〈セラミックグリーンシートの組成〉 (1) 無機粉末 次の組成のものを使用した。 A.アルミナ粉末;屈折率1.77、粒状、平均粒径2.
5μm 。 B.ガラスセラミック粉末;屈折率1.58、平均粒径
2.5μm。ガラス組成はAl23 :34.5、Si
2 :38.2、B23 :9.2、BaO:5.1、
MgO:4.8、CaO:4.4、TiO2 :2.1重
量%である。ガラス粉末の球形率は80個数%、平均粒
子径は2.5μm である。
【0098】無機粉末としては、実施例1〜3では上記
アルミナ粉末A30重量%と、上記ガラスセラミック粉
末70重量%の混合物を用いた。比較例1では、無機粉
末として上記アルミナ粉末Aのみを用いた。
【0099】(2) 紫外線吸光剤 有機染料;アゾ系染料;スダンIV、化学式;C2420
4 O、分子量;380.45
【0100】(3) ポリマー 30モル%のメタクリル酸、30モル%のメチルメタク
リレートおよび40モル%のスチレンに対して0.3当
量(メタクリル酸に対して30モル%に相当する)のグ
リシジルアクリレートを付加反応させたポリマー。
【0101】(4) モノマー トリメチロールプロパントリアクリレートモディファイ
ドPO
【0102】(5) 溶媒 イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、および
メチルエチルケトンの混合溶媒。
【0103】(6) 光重合開始剤 2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2
−モルフォリノプロパノン
【0104】(7) 増感剤 2,4−ジエチルチオキサントン
【0105】〈感光性ペーストの組成〉 (1) 導電性粉末としては、以下の粉末を用いた。実施例4 A.Cu粉末;単分散粒状、平均粒子径3.1μm、比表
面積0.44m2 /g
【0106】実施例5 B.Ag粉末;単分散粒状、平均粒子径3.7μm、比表
面積0.48m2 /g
【0107】実施例6、比較例2 C.W粉末;単分散粒状、平均粒子径3.0μm、比表面
積0.15m2 /g
【0108】(2) 側鎖にカルボキシル基とエチレン性不
飽和基を有するアクリル系共重合体(以下、ポリマーと
略す) 40モル%のメタクリル酸、30モル%のメチルメタク
リレートおよび30モル%のスチレンに対して0.4当
量(メタクリル酸に対して40モル%に相当する)のグ
リシジルアクリレートを付加反応させたポリマー。
【0109】(3) 感光性モノマー(以下、モノマーと略
す) トリメチロールプロパントリアクリレート
【0110】(4) ガラスフリット ガラスフリットA;(成分重量%)酸化ジルコニウム
(42)、酸化ホウ素(24)、二酸化ケイ素(2
1)、酸化リチウム(7)、アルミナ(4)およびその
他の酸化物(2)
【0111】ガラスフリットB;(成分重量%)酸化ビ
スマス(50)、二酸化ケイ素(7)、酸化ホウ素(1
5)、酸化亜鉛(14)、酸化バリウム(14)
【0112】(5) 紫外線吸光剤 アゾ系染料;スダン、化学式;C24204 O,分子
量;380.45
【0113】(6) 溶媒 γ−ブチロラクトン
【0114】(7) 光重合開始剤 α−アミノ・アセトフェノンをポリマーとモノマーとの
総和に対して20%添加した。
【0115】(8) 可塑剤 ジブチルフタレート(DBP)をポリマーの10%添加
した。
【0116】(9) 増感剤 2,4−ジエチルチオキサントンをポリマーとモノマー
との総和に対して20%添加した。
【0117】(10)増感助剤 p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル(EPA)
をポリマーとモノマーとの総和に対して10%添加し
た。
【0118】(11)増粘剤 酢酸2−(2−ブトキシエトキシ)エチルに溶解させた
SiO2 濃度15%溶液をポリマーに対して4%添加し
た。
【0119】(12)レベリング剤 特殊アクリル系重合物溶液:L−1980−50(楠本
化成(株))
【0120】〈感光性セラミックグリーンシートの製
造〉 (1) グリーンシートの組成 無機粉末に紫外線吸光剤0.18%となるように添加
し、吸光剤処理した上記無機粉末86%に、感光性ポリ
マー11.7%、感光性モノマ2.3%で100重量部
の無機ペーストを作製する。これに光重合開始剤2%、
増感剤2%、増感助剤1%、溶剤12%を加え感光性セ
ラミックグリーンシート用スラリーを作製する。
【0121】(3) 作製手順 a.無機粉末の紫外線吸光剤処理 無機粉末、紫外線吸光剤、および分散剤を所定の組成と
なるように 添加し、エバポレーターで1時間撹拌し、
紫外線吸光剤を無機粉末に分散させた。これを250メ
ッシュのフィルターで濾過後、150℃まで加熱して分
散剤を蒸発、除去した。
【0122】b.有機ビヒクルの作製 溶媒およびポリマーバインダーを混合し、撹拌しながら
60℃で加熱し、すべてのポリマーを溶解させた。つい
で溶液を室温まで冷却し、光重合開始剤、光反応性化合
物、増感剤、可塑剤を加えて溶解させた。その後この溶
液を撹拌機で真空脱泡した後、250メッシュのフィル
ターで濾過し有機ビヒクルを作製した。
【0123】c.スラリー調製 スラリーの作製は上記のビヒクルに吸光剤処理したセラ
ミックス粉末を混合し、ボールミルで20時間湿式混合
し、スラリーを調製した。調製した組成を表1に示す。
【0124】d.グリーンシートの作製 成形は紫外線を遮断した室内でポリエステルのキャリア
フィルムとブレードとの間隔を0.1〜0.8mmと
し、成形速度0.2m/minでドクターブレード法に
よって行った。シート作製後、80℃で1時間乾燥し
た。
【0125】e.グリーンシートの表面粗さ測定 JIS B0601に準拠し、算術平均粗さ(Ra )を
カットオフ値0.8mm、評価長さ4mmを標準として
求めた。
【0126】〈感光性導電ペーストの製造〉実施例4 銅ペースト 銅粉末87%、ポリマー6%、モノマー3%およびガラ
スフリットA4%を添加し、100重量部の銅ペースト
用原料を作製し、これに光重合開始剤2%、増感剤2
%、増加助剤1%、可塑剤0.6%、増粘剤4%および
レベリング剤0.5%を添加して銅ペースト組成とし
た。
【0127】実施例5 銀ペースト 紫外線吸光剤0.18%添加した吸光剤処理済銀粉末8
7%に、ポリマー6%、モノマー3%およびガラスフリ
ットB4%を添加し、100重量部の銀ペースト用原料
を作製し、これに光重合開始剤2%、増感剤2%、増加
助剤1%、可塑剤0.6%、増粘剤4%およびレベリン
グ剤0.5%を添加して、銀ペースト組成とした。
【0128】実施例6、比較例2 タングステンペース
ト タングステン粉末90%に、ポリマー6.5%、モノマ
ー3.5%を添加し、100重量部のタングステンペー
スト用原料を作製して、これに光重合開始剤2%、可塑
剤0.6%、増粘剤4%およびレベリング剤0.5%
(比較例2では添加せず)を添加してタングステンペー
スト組成とした。
【0129】(4) ペーストの作製手順 上記導電ペーストの作製手順を以下にまとめる。
【0130】A.有機ビヒクルの作製 溶媒およびポリマーを混合し、攪拌しながら80℃まで
加熱し、すべてのポリマーを均一に溶解させた。ついで
溶液を室温まで冷却し、モノマー、可塑剤増感剤、増感
助剤、増粘剤、レベリング剤および光重合開始剤を加え
て溶解させた。その後、溶液を400メッシュのフィル
ターを通し濾過した。
【0131】B.吸光剤添加粉末の作製 有機染料を所定の量秤量し、アセトンに溶解させた溶液
に分散剤を加えて、ホモジナイザーで均一に攪拌した。
この溶液中に、導電粉末およびガラスフリットを所定の
量添加して、局所排気装置内でアセトンを蒸発させなが
ら均質に分散・混合後を行い、導電性粉末およびガラス
フリットの表面を均質にコ−ティングした(いわゆるカ
プセル処理した)粉末を作製した。
【0132】C.ペ−スト作製 上記の有機ビヒクルに有機染料でカプセル化処理した導
電性粉末およびガラスフリットを所定の組成となるよう
に添加し、3本ローラーで混合・分散してペーストを作
製した。
【0133】〈ビアホール形成〉ピッチ200μm、マ
スクビアホール径120μmで設計されたクロムマスク
を用い、高圧水銀灯で片面の場合は5.4J/cm2
両面の場合は、片面ずつ3J/cm2 で順次、または同
時にて紫外線露光を行った。
【0134】その後、モノエタノールアミンの0.5%
水溶液に30秒浸漬して、現像を行った。
【0135】水洗後、乾燥して平均ビアホール径を測定
したところ、75μmの均一なビアホールが200mm
角サイズで得られた。
【0136】〈パターン形成〉 (1) 基板の表面処理 表面処理液として(2−アミノエチル)アミノプロピル
トリメトキシシランのイソプロピルアルコ−ルの0.5
重量%溶液を用いる。この溶液1.0mlを基板上に滴
下し、スピナーで回転数3000rpmで10秒塗布し
た後、室温で乾燥させて表面処理を行った。
【0137】(2) 印刷 上記のペーストを325メッシュのスクリーンを用いて
96%アルミナシート、コーディライトシートおよびガ
ラス/セラミックスシート(いずれも76mm×76m
m×0.635mmt)上に50mm角の大きさにベタ
印刷と同時にビアホールに導体を充填し、80℃で40
分間乾燥した。乾燥後の塗布膜の厚みは25μmであっ
た。
【0138】(3) 露光・現像 上記で作製した塗布膜を50μmのファインパターンを
有する電極を形成したクロムマスクを用いて、上面から
500mW/cm2 の出力の超高圧水銀灯で紫外線露光
した。次に25℃に保持したモノエタノールアミンの
0.5%の水溶液に浸漬して現像し、その後スプレーを
用いて未露光部を水洗浄し、その後エアーブローによっ
て水分を吹き飛ばし、50℃で30分間乾燥を行った。
【0139】
【表1】
【0140】
【表2】
【0141】
【発明の効果】本発明は、グリーンシートおよび感光性
ペーストによるラインパターンの平均表面粗さを1μm
以下にすることにより、フォトリソ法における光散乱を
低減し、微細で断面形状が均一なストレートビア、矩形
のパターン断面が形成できる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機粒子と感光性有機成分とから成るセ
    ラミックス・グリーンシートであって、その表面におい
    て、評価長さ4mm、カットオフ値0.8mmの場合
    に、JIS B0601に準拠する算術平均粗さが、1
    μm以下であるセラミックス・グリーンシート。
  2. 【請求項2】 80℃〜100℃にて熱処理した後、平
    均表面粗さが1μm以下である請求項1記載のセラミッ
    クス・グリーンシート。
  3. 【請求項3】 前記感光性有機成分の屈折率と前記無機
    粒子の屈折率の差が0.2以内である請求項1又は2記
    載のセラミックス・グリーンシート。
  4. 【請求項4】 前記無機粒子が、(a)アルミナ(Al
    23 )、ジルコニア(ZrO2 )、マグネシア(Mg
    O)、ベリリア(BeO)、ムライト(3 Al23
    2 SiO2 )、コーディライト(5 SiO2 ・2 Al2
    3 ・2 MgO)、スピネル(MgO・Al23 )、
    フォルステライト(2 MgO・SiO2 )、アノーサイ
    ト(CaO・Al23 ・2 SiO2 )、セルジアン
    (BaO・Al23 ・2 SiO2 )、シリカ(SiO
    2 )、クリノエンスタタイト(MgO・SiO2 )、窒
    化アルミ(AlN)の群から選ばれた少なくとも1種以
    上か、または、(b)酸化物換算表記で SiO2 15〜70重量部 Al23 10〜60重量部 B23 4〜20重量部 MgO 1〜25重量部 およびLi2 O、Na2 O、CaO、PbOおよびK2
    Oの少なくとも1種の化合物を0.5〜25重量%から
    なる組成範囲で、総量が95重量%以上となるガラス組
    成粒子30重量%以上と、アルミナ、ジルコニア、マグ
    ネシア、ベリリア、ムライト、コーディライト、スピネ
    ル、フォルステライト、アノーサイト、セルジアン、シ
    リカおよび窒化アルミの群から選ばれた少なくとも一種
    の無機フィラー粉末70重量%以下との原料混合物であ
    る請求項1ないし3のいずれか1項に記載のセラミック
    ス・グリーンシート。
  5. 【請求項5】 前記ガラス粒子として、球形率80個数
    %以上のガラス微粒子を50重量%以上用いる請求項4
    記載のセラミックス・グリーンシート。
  6. 【請求項6】 感光性有機成分として、スチレン、ハロ
    ゲン化スチレン、α−メチルスチレン、ハロゲン化α−
    メチルスチレンのうち少なくとも1種類を10重量%以
    上含有するオリゴマーもしくはポリマーを用いる請求項
    1ないし5のいずれか1項記載のセラミックス・グリー
    ンシート。
  7. 【請求項7】 感光性有機成分として、ベンゼン環を含
    有する(メタ)アクリレートを10重量%以上含有する
    モノマー、もしくはそのモノマーを10重量%以上含む
    組成物を重合したオリゴマーもしくはポリマーを用いる
    請求項1ないし5のいずれか1項記載のセラミックス・
    グリーンシート。
  8. 【請求項8】 感光性有機成分として、紫外線吸光剤を
    0.05〜5重量%含有することを特徴とする請求項1
    ないし7のいずれか1項に記載のセラミックス・グリー
    ンシート。
  9. 【請求項9】 セラミックス・グリーンシート上に電極
    パターンを形成し、該電極パターン表面の算術平均粗さ
    が1μm以下であるセラミックス・グリーンシート。
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