JP4692116B2 - セラミック塗料及び積層型電子部品の製造方法 - Google Patents
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Description
前記硬化性アクリル樹脂が、酸価を構成する成分と、実質的に酸価を構成しない成分とを、重量比で、(酸価を構成する成分:実質的に酸価を構成しない成分)=1:99〜5:95の範囲で、含有するグリーンシート形成用のセラミック塗料が提供される。
前記硬化性アクリル樹脂の酸価が2〜10mg・KOH/gの範囲にあり、
前記硬化性アクリル樹脂が、酸価を構成する成分と、実質的に酸価を構成しない成分とを、重量比で、(酸価を構成する成分:実質的に酸価を構成しない成分)=1:99〜5:95の範囲で、含有する。
前記セラミック塗料には、前記熱硬化型のアクリル樹脂を硬化させるための熱重合開始剤が、さらに含まれている。
前記セラミック塗料には、前記紫外線硬化型のアクリル樹脂を硬化させるための紫外線重合開始剤が、さらに含まれている。
上記いずれかのセラミック塗料を用いてグリーンシートを形成する工程と、
前記グリーンシートを乾燥させる工程と、
乾燥後の前記グリーンシートに含有されている硬化性アクリル樹脂を反応させ、前記グリーンシートを硬化させる工程と、
硬化させた前記グリーンシートの表面に内部電極層用ペーストを塗布し、内部電極パターンを形成する工程と、
内部電極パターンが形成された前記グリーンシートを積層し、グリーンチップを得る工程と、
前記グリーンチップを焼成する工程とを、有する。
乾燥後の前記グリーンシートを、80〜100℃(但し、100℃を除く)の温度で加熱することにより、硬化性アクリル樹脂を反応させることが好ましい。
前記セラミック原料は、Ba2+、Sr2+、Ca2+を含む塩基性の原料であることが好ましく、特に、等電点が9〜12の範囲であることが好ましい。
好ましくは、前記セラミック原料は、平均粒径が0.1〜0.25μmである。
図1は本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの概略断面図である。
外部電極の厚さは用途等に応じて適宜決定されればよいが、通常、10〜50μm程度であることが好ましい。
本発明のセラミック塗料は、セラミック原料と、硬化性アクリル樹脂と、溶媒とを含有する反応硬化型の塗料である。
セラミック原料(誘電体原料)には、前述した誘電体磁器組成物の組成に応じ、主成分を構成する原料と、副成分を構成する原料と、必要に応じて焼結助剤を構成する原料とが用いられる。
これらの原料粉末は、通常、平均粒子径0.005〜5μm程度、好ましくは0.1〜0.25μm程度のものが用いられる。
本発明で使用される硬化性アクリル樹脂は、反応硬化性のアクリル系重合体又は共重合体で構成されている樹脂である。本発明で使用されるこの硬化性アクリル樹脂は、酸価が特定の範囲に制御されていることが特徴である。この点については後述する。
(メタ)アクリル酸エステルとは、通常、炭素数が30以下のアルキル基を有するアクリル酸やメタクリル酸などのエステルを意味する。本発明で使用される硬化性アクリル樹脂において、(メタ)アクリル酸エステルは、実質的に酸価を構成しない成分となる。(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、i−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、i−ノニル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどが例示される。特に、メタクリル酸アルキルエステルの一例としてのメチルメタクリレート(MMA)が好ましい。
(メタ)アクリル酸とは、通常、炭素数が30以下のアルキル基を有するアクリル酸やメタクリル酸を意味する。(メタ)アクリル酸の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、シトラコン酸などが挙げられる。(メタ)アクリル酸は、酸価を構成する成分であり、上記(メタ)アクリル酸エステル中に遊離脂肪酸として、含有されている場合が多い。
官能性単量体とは、上述の(メタ)アクリル酸エステルや(メタ)アクリル酸と共重合するためのラジカル重合性不飽和基の他に、少なくとも1個の官能性基を有する単量体を意味する。官能性単量体としては、官能性基として、例えば、アミド基もしくは置換アミド基、アミノ基もしくは置換アミノ基、水酸基、または、メルカプト基などを有する単量体が例示される。
共単量体とは、上記した(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、及び官能性単量体と共重合可能な単量体を意味する。共単量体としては、飽和脂肪酸ビニルエステル単量体(例えば、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニルなど); α,β−不飽和ジカルボン酸の炭素数1〜18の直鎖もしくは分岐アルキルエステル(例えば、ジブチルマレート、ジブチルフマレート、ジブチルイタコネート、ジオクチルマレート、ジオクチルフマレート、ジオクチルイタコネートなど); 芳香族ビニル単量体(例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼンなど); シアン化ビニル単量体(例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなど); イソシアネート類(トリレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);等が例示される。
本発明で使用されるアクリル系重合体又は共重合体は、ガラス転移温度(Tg)が、0〜50℃、好ましくは0〜30℃、より好ましくは0〜20℃、特に好ましくは0〜10℃である。Tgが高すぎると、シート化した際のグリーンシート強度が高くなり過ぎ、可撓性が低下し、割れやすくなる傾向がある。Tgが低すぎると、シート強度が低くなり過ぎ、保形性を満足することができない。
本発明で使用可能なアクリル系重合体又は共重合体は、重量平均分子量(Mw)が、好ましくは5万〜50万、より好ましくは10万〜50万である。Mwが高すぎると、このようなアクリル系重合体又は共重合体の製造が困難となるばかりでなく、最終的なセラミック塗料の粘度が高くなり過ぎる不都合を生じる傾向がある。Mwが低すぎると、グリーンシートのシート強度が低下する傾向にある。特に、本実施形態に係る硬化性アクリル樹脂は、酸価が上記範囲に制御されているため、従来において、問題となっていたMwを比較的に大きくした場合における塗料のゲル化を有効に防止することができる。
重合開始剤としては、硬化性アクリル樹脂として、熱硬化型の硬化性アクリル樹脂を使用する場合には、熱重合開始剤を使用することが好ましい。熱重合開始剤としては、加熱により、ラジカル(活性種)を発生し、該ラジカルが上述のアクリル系重合体又は共重合体の反応基に反応し、ラジカル重合を開始させることが可能な化合物であれば特に限定されない。本実施形態では、重合開始剤としては、アミンを使用することが好ましい。
本発明のセラミック塗料には、上述した、セラミック原料と、硬化性アクリル樹脂の他に、通常は、さらに溶媒を含有する。
本発明のセラミック塗料には、必要に応じて、分散剤、可塑剤、誘電体、ガラスフリット、絶縁体、帯電助剤などから選択される添加物が含有されても良い。ただし、これらの総含有量は、10重量%以下とすることが望ましい。
このようにして製造された積層セラミックコンデンサ1は、ハンダ付等によりプリント基板上などに実装され、各種電子機器等に使用される。
上述した実施形態では、本発明に係る塗料組成物を用いて、積層セラミックコンデンサを製造しているが、本発明に係る塗料組成物を用いて製造される電子部品としては、図1に示すように、内部電極層3が多数積層してある積層セラミックコンデンサに限定されない。たとえば、図1では、内部電極層3が多数積層してあるが、内部電極が1対のみ、または複数対のみしか積層されないコンデンサやその他の電子部品もある。
まず、下記の各ペーストを準備した。
誘電体層用ペーストA
出発原料として、主成分原料:BaTiO3 (平均粒径0.2μm/堺化学工業社製BT02粉)と、副成分原料とを準備した。副成分原料としては、主成分原料100モルに対し、2モルのY2 O3 と、2モルのMgOと、0.4モルのMnOと、0.1モルのV2 O5 と、3モルの(Ba0.6 Ca0.4 )SiO3 とを用いた。これらの出発原料100重量部と、分散剤(高分子系分散剤/サンノプコ社製、SN5468)1重量部と、エタノール100重量部とを、ジルコニアボール(2mmφ)とともにポリエチレン容器に投入し、16時間混合して誘電体混合溶液を得た。この誘電体混合溶液を乾燥温度120℃で12時間乾燥し、誘電体原料(粉末状)を得た。
硬化性アクリル樹脂の酸価(単位は、mg・KOH/g)は、JIS K 2501に準拠した方法により測定した。得られた結果を表1に示す。
硬化性アクリル樹脂のTgは、次のようにして測定した。まず、樹脂をラッカー状とし、ラッカー状とした樹脂を成膜し、次いで溶剤を乾燥させることにより、フィルム化した。フィルム化した硬化性アクリル樹脂を、RIGAKU社製の示差走査熱分析器(DSC)を用いて、昇温速度10℃/分で、−150℃から+150℃まで昇温して示差走査熱量を測定し、得られた吸熱曲線を微分して変極点を求め、この変極点をTgと判断した。
硬化性アクリル樹脂のMwは、まず、移動相溶媒としてテトラヒドロフランを用いたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ(GPC)により測定を行い、得られた結果を、標準ポリスチレン換算値として算出することにより求めた。
セラミック塗料の粘度(単位は、cps)の測定は、B型粘度計を使用して、せん断速度10rpm、測定温度25℃における粘度を測定することにより、スラリー粘度の評価を行った。
セラミック塗料のゲル化の有無は、得られた塗料を20分間静置し、静置後の塗料を、所定の容器に流し、流動性の有無を確認することにより評価した。塗料が液体の状態を保ち、流動性を有している場合には、ゲル化は「無し」と判断し、塗料が固体化してしまい、流動性を失っている場合には、ゲル化は「有り」と判断した。
上記誘電体層用ペーストAの一次分散後の分散物と同じ分散物を作製し、この分散物に、硬化性アクリル樹脂を加えないで、熱可塑性アクリル樹脂(藤倉化成社製のMM747樹脂)10重量部を添加した以外は、誘電体層用ペーストAと同様にして、誘電体層用ペーストBを得た。
平均粒径が0.2μmのNi粒子100重量部に対して、BaTiO3 粉末(平均粒径0.2μm/堺化学工業社製BT02粉):20重量部、有機ビヒクル:58重量部(ポリビニルブチラール樹脂8重量部をターピネオール92重量部に溶解したもの)、可塑剤としてフタル酸ビス(2エチルヘキシル)DOP:50重量部、ターピネオール:5重量部、分散剤:1重量部、アセトン:45重量部を添加して、3本ロールにより混練し、スラリー化して内部電極用ペーストとした。
まず、誘電体層用ペーストAを、表面にシリコーン系樹脂により剥離処理を施したPETフィルム上にノズルコート法により塗布した後、乾燥することにより下側グリーンシートを形成した。乾燥炉内にシートを連続して送り込み乾燥を行い、乾燥炉内の温度を80℃とし、乾燥時間は2分間であった。下側グリーンシートは、乾燥時の膜厚が0.5μmとなるように形成した。
硬化温度:80℃、
硬化時間:5分、
の条件下で、加熱による硬化処理を行った。
シート強度は次のようにして評価した。インストロン引張試験機5543を用い、シートをダンベル型形状に型抜いて所定の引張スピードでシートを両端側から引っ張り、破断時の強度をシート強度とした。本実施例では、シート強度が6MPa以上の場合を良好と判断した。結果を表1に示す。
シート伸びは次のようにして評価した。インストロン引張試験機5543を用い、シートをダンベル型形状に型抜いて所定の引張スピードでシートを両端側から引っ張り、破断時の伸びをシート伸びとした。本実施例では、シート伸びが10%以上の場合を良好と判断した。結果を表1に示す。
次に、第1層目の電極パターン層を形成した下側グリーンシートの前記電極パターン層の上に、誘電体層用ペーストAを、ノズルコート法により塗布した後、乾燥することにより中間グリーンシートを得た。乾燥炉内にシートを連続して送り込み乾燥を行い、乾燥炉内の温度を所定温度(下側グリーンシートの場合と同じ温度)とし、乾燥時間は2分間であった。中間グリーンシートは、乾燥時の膜厚が1μmとなるように形成した。
PETフィルムから剥がした積層体ユニットU1を多数準備し、電極パターン層の積層数が合計で100層となるように熱圧着して積層して積層体を得た。熱圧着時の条件は、100MPaおよび70℃の条件であった。
得られたグリーンチップのサンプルについて、シートアタックの発生度合いを測定した。測定は、まず、50個のグリーンチップサンプルを、誘電体層および内部電極層の側面が露出するように、2液硬化性エポキシ樹脂中に埋め込み、その後、2液硬化性エポキシ樹脂を硬化させた。次いで、エポキシ樹脂中に埋め込んだグリーンチップサンプルを、サンドペーパーを使用して、深さ1.6mmまで研磨した。なお、サンドペーパーによる研磨は、#400のサンドペーパー、#800のサンドペーパー、#1000のサンドペーパーおよび#2000のサンドペーパーを、この順に使用することにより行った。次いで、サンドペーパーによる研磨面を、ダイヤモンドペーストを使用して、鏡面研磨処理を施した。そして、光学顕微鏡を使用し、鏡面研磨処理を行った研磨面を、拡大倍率400倍にて、観察し、シートアタックの有無を調べた。光学顕微鏡による観察の結果、全測定サンプルに対する、シートアタックが発生していたサンプルの比率を、シートアタック比率とした。結果を表1に示す。
得られたグリーンチップを、脱バインダ処理、焼成およびアニール(熱処理)を行って、チップ形状の焼結体を作製した。脱バインダは、昇温速度:50℃/時間、保持温度:240℃、保持時間:8時間、雰囲気ガス:空気中、で行った。焼成は、昇温速度:300℃/時間、保持温度:1200℃、保持時間:2時間、冷却速度:300℃/時間、雰囲気ガス:露点20℃に制御されたN2ガスとH2(5%)との混合ガス、で行った。アニール(再酸化)は、保持時間:3時間、冷却速度:300℃/時間、雰囲気用ガス:露点20℃に制御されたN2ガス、で行った。なお、雰囲気ガスの加湿には、ウェッターを用い、水温0〜75℃にて行った。
ショート不良率は、50個のコンデンササンプルを準備し、ショート不良が発生した個数を調べて測定した。具体的には、絶縁抵抗計(HEWLETT PACKARD社製E2377Aマルチメーター)を使用して、抵抗値を測定し、抵抗値が100kΩ以下となったサンプルをショート不良サンプルとし、全測定サンプルに対する、ショート不良サンプルの比率をショート不良率とした。本実施例では、ショート不良率が0%の場合を良好と判断した。結果を表1に示す。
下側グリーンシートおよび中間グリーンシートを形成するための誘電体層用ペーストAとして、表1に示す各条件を変更した以外は、実施例1(試料番号2)と同様にして、セラミック塗料、グリーンシート、グリーンチップサンプルおよびコンデンササンプルを作製し、同様な測定を行った。結果を表1に示す。
酸価を構成する単量体単位と、酸価を実質的に構成しない単量体単位との比率を変化させた硬化性アクリル樹脂(試料番号1,3,4)、Mwを変化させた硬化性アクリル樹脂(試料番号11〜13)、Tgを変化させた硬化性アクリル樹脂(試料番号21〜24)に、それぞれ変更した。さらに、セラミック塗料を製造する際に、硬化性アクリル樹脂の種類以外の条件として、硬化性アクリル樹脂の含有量(試料番号31〜33)、BaTiO3 の等電点(試料番号41,42)、硬化処理の温度(試料番号51〜53)、乾燥温度(試料番号61〜63)、および溶剤の含有量(試料番号71,72)を、それぞれ変化させた。
表1に示すように、誘電体層用ペーストのバインダとして使用した硬化性アクリル樹脂の酸価を構成する成分と、実質的に酸価を構成しない成分との比を、0:100(重量比)とし、酸価を0mg・KOH/gとした場合(試料番号1)には、セラミック塗料のゲル化は防止できるものの、得られるグリーンシートの保形性が著しく悪化してしまい、グリーンチップを形成することができなかった。また、硬化性アクリル樹脂の酸価を構成する成分と、実質的に酸価を構成しない成分との比を、10:90(重量比)とし、酸価を20mg・KOH/gとした場合(試料番号4)、セラミック塗料がゲル化してしまい、グリーンシートを形成することができなかった。これに対し、硬化性アクリル樹脂の酸価を構成する成分と、実質的に酸価を構成しない成分との比を、本発明の範囲内とし、酸価を2〜10mg・KOH/gの範囲とした場合(試料番号2,3)には、セラミック塗料のゲル化を有効に防止しつつ、得られるグリーンシートの保形性を良好に保ちつつ、しかも、シートアタックを防止し、ショート不良を低減できることが確認できた。
熱硬化型の硬化性アクリル樹脂の代わりに、紫外線硬化型の硬化性アクリル樹脂を、熱重合開始剤5重量部の代わりに、紫外線重合開始剤としてのベンゾフェノン系化合物(日本カーバイド社製の商品名 SD−0314)1重量部を使用し、さらに、硬化性アクリル樹脂の硬化条件を以下のように変更した以外は、実施例1,2と同様にして、セラミック塗料、グリーンシート、グリーンチップサンプルおよびコンデンササンプルを作製し、同様な測定を行った。
処理温度:室温、
照射線量:表2参照(単位はmJ/cm2 )、
照射時間:5秒、
の条件下で、紫外線を照射することにより行った。
表2の試料番号101〜124の結果より、熱硬化型の硬化性アクリル樹脂の代わりに、紫外線硬化型の硬化性アクリル樹脂を使用した場合にも、同様の結果が得られることが確認できる。
10…コンデンサ素子本体
2…層間誘電体層
2a…外側誘電体層
3…内部電極層
4…外部電極
Claims (13)
- セラミック原料と、酸価が2〜10mg・KOH/gの範囲にある硬化性アクリル樹脂と、溶媒とを、含有し、
前記硬化性アクリル樹脂は、重量平均分子量(Mw)が5万〜50万であるグリーンシート形成用のセラミック塗料。 - セラミック原料と、硬化性アクリル樹脂と、溶媒とを、含有し、
前記硬化性アクリル樹脂が、酸価を構成する成分と、実質的に酸価を構成しない成分とを、重量比で、(酸価を構成する成分:実質的に酸価を構成しない成分)=1:99〜5:95の範囲で、含有し、
前記硬化性アクリル樹脂は、重量平均分子量(Mw)が5万〜50万であるグリーンシート形成用のセラミック塗料。 - 前記酸価を構成する成分が、(メタ)アクリル酸単量体単位であり、前記実質的に酸価を構成しない成分が、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位である請求項2に記載のセラミック塗料。
- 前記硬化性アクリル樹脂が、0〜50℃のガラス転移温度(Tg)を持つ請求項1〜3のいずれかに記載のセラミック塗料。
- 前記硬化性アクリル樹脂は、前記セラミック原料100重量部に対して、6〜12重量部(但し、12重量部を除く)含有される請求項1〜4のいずれかに記載のセラミック塗料。
- 前記溶媒は、前記セラミック原料100重量部に対して、200〜300重量部含有される請求項1〜5のいずれかに記載のセラミック塗料。
- 前記硬化性アクリル樹脂が、熱硬化型のアクリル樹脂であり、かつ、
前記セラミック塗料には、前記熱硬化型のアクリル樹脂を硬化させるための熱重合開始剤が、さらに含まれている請求項1〜6のいずれかに記載のセラミック塗料。 - 前記硬化性アクリル樹脂が、紫外線硬化型のアクリル樹脂であり、かつ、
前記セラミック塗料には、前記紫外線硬化型のアクリル樹脂を硬化させるための紫外線重合開始剤が、さらに含まれている請求項1〜6のいずれかに記載のセラミック塗料。 - 請求項1〜8のいずれかに記載のセラミック塗料を用いてグリーンシートを形成する工程と、
前記グリーンシートを乾燥させる工程と、
乾燥後の前記グリーンシートに含有されている硬化性アクリル樹脂を反応させ、前記グリーンシートを硬化させる工程と、
硬化させた前記グリーンシートの表面に内部電極層用ペーストを塗布し、内部電極パターンを形成する工程と、
内部電極パターンが形成された前記グリーンシートを積層し、グリーンチップを得る工程と、
前記グリーンチップを焼成する工程とを、有する積層型電子部品の製造方法。 - 請求項7に記載のセラミック塗料を用いてグリーンシートを形成する工程と、
前記グリーンシートを乾燥させる工程と、
乾燥後の前記グリーンシートを、80〜100℃(但し、100℃を除く)の温度で加熱する工程と、
加熱後の前記グリーンシートの表面に内部電極層用ペーストを塗布し、内部電極パターンを形成する工程と、
内部電極パターンが形成された前記グリーンシートを積層し、グリーンチップを得る工程と、
前記グリーンチップを焼成する工程とを、有する積層型電子部品の製造方法。 - 請求項8に記載のセラミック塗料を用いてグリーンシートを形成する工程と、
前記グリーンシートを乾燥させる工程と、
乾燥後の前記グリーンシートに対して、50〜500mJ/cm2 (但し、500mJ/cm2 を除く)の紫外線を照射する工程と、
紫外線照射後の前記グリーンシートの表面に内部電極層用ペーストを塗布し、内部電極パターンを形成する工程と、
内部電極パターンが形成された前記グリーンシートを積層し、グリーンチップを得る工程と、
前記グリーンチップを焼成する工程とを、有する積層型電子部品の製造方法。 - グリーンシート形成の際の乾燥温度が、50〜100℃(但し、100℃を除く)である請求項9〜11のいずれかに記載の積層型電子部品の製造方法。
- 乾燥後の前記グリーンシートの厚みが、3μm以下である請求項9〜12のいずれかに記載の積層型電子部品の製造方法。
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