JP4770540B2 - セラミックペースト、その製造方法、およびそのセラミックペーストを用いた積層型セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

セラミックペースト、その製造方法、およびそのセラミックペーストを用いた積層型セラミック電子部品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、たとえば積層セラミックコンデンサなどの製造に用いられるセラミックペーストと、その製造方法、および積層型セラミック電子部品の製造方法に関し、さらに詳しくは、表面平滑性および接着性に優れたグリーンシートの製造に適したセラミックペーストと、その製造方法、およびそのセラミックペーストを用いた積層型セラミック電子部品の製造方法に関する。
積層型セラミック電子部品の一例である積層セラミックコンデンサは、所定の組成の誘電体磁器組成物で構成してある誘電体層と、各種金属を主成分とする内部電極層とが交互に複数積層した構造を有する。この種の積層セラミックコンデンサの製造では、通常、セラミックペーストからなるグリーンシート上に内部電極層ペーストを印刷し、このグリーンシートを複数積層して、積層体を形成する。この積層体を所定の寸法に切断して、グリーンチップを形成する。このグリーンチップに対して、脱バインダ処理、焼成処理、および熱処理を行い、焼結体を得る。この焼結体に、端子電極を形成することによって、コンデンサが完成する。
近年、電子機器の小型化、高性能化に伴い、積層セラミックコンデンサの小型化、大容量化が要求される。積層セラミックコンデンサを小型化、大容量化する手段としては、グリーンシートの厚みを薄くし、積層数を多くすることが考えられる。
しかしながら、グリーンシートの厚みが薄くなる程、シートの表面粗さ(凹凸)が、シートの厚みに対して無視できなくなる。シート表面の凹凸は、コンデンサにおいて誘電体層の厚みがばらつく原因となる。誘電体層の厚みがばらつくと、誘電体層において電界の局部的な集中が起こる。その結果、コンデンサに短絡不良、耐圧不良が発生する。そのため、グリーンシートの薄層化に伴い、表面が平滑なグリーンシートを作製する技術が、積層セラミックコンデンサの製造に不可欠となる。
グリーンシートの表面を平滑化する対策としては、グリーンシートにおける各原材料成分の分散性を高めることが挙げられる。例えば、グリーンシート用のセラミックペーストに分散剤を添加したり、セラミックペーストを分散処理(衝突分散等)することによって、グリーンシートの表面を平滑化することができる。
しかしながら、グリーンシートにおける各原材料成分の分散性を高めると、グリーンシートの接着性が低下する恐れがある。接着性の低いグリーンシートから形成した積層体においては、シート同士が接着しない恐れがある。このシート間の接着不良は、積層体を切断してグリーンチップを形成する際に、シート間に剥離を引き起こす。また、シート間の接着不良は、焼成後のグリーンチップ(焼結体)における割れ、コンデンサにおけるショート不良の原因となる。そのため、グリーンシートの表面平滑性を向上させると供に、グリーンシートの接着性も向上させることが積層セラミックコンデンサの製造に不可欠となる。
グリーンシートの接着性を向上させる対策としては、グリーンシート用のセラミックペーストにバインダ樹脂や粘着付与剤を添加することが挙げられる(特許文献1参照)。バインダ樹脂や粘着付与剤の添加量を増やすほど、グリーンシートの接着性を向上させることができる。
しかしながら、セラミックペーストに対するバインダ樹脂や粘着付与剤の添加量を増やすほど、グリーンシートの表面平滑性は悪化する傾向にある。また、セラミックペーストに対するバインダ樹脂の添加量が多いほど、グリーンチップの脱バインダ処理において、グリーンチップに割れ、クラック等が発生し易くなってしまう。
特開2005−303008号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、グリーンシートの表面平滑性を向上させると供に、グリーンシートの接着性も向上させることができるセラミックペーストと、その製造方法、およびそのセラミックペーストを用いて製造される積層型セラミック電子部品の製造方法を提供することである。
本発明者は、鋭意研究の結果、セラミックペーストから形成されるグリーンシートの表面平滑性および接着性は、ペーストに含まれる可塑剤の分子構造と関係することを見出した。そこで、本発明者は、ペーストに含まれる可塑剤の分子構造に着眼して、以下のような、セラミックペーストを発明するに至った。
本発明に係るセラミックペーストは、
バインダ樹脂と、
一般式C(COOR)(COOR’)で表されるフタル酸エステル系可塑剤と、を含み、
前記一般式C(COOR)(COOR’)において、炭化水素基Rに含まれる炭素数、および炭化水素基R’に含まれる炭素数の少なくともいずれかが、8〜10であることを特徴とする。
本願発明に係る積層セラミック電子部品の製造方法は、上記のセラミックペーストを用いてグリーンシートを形成する工程を有する。
フタル酸エステル系可塑剤の炭化水素基Rに含まれる炭素数、および炭化水素基R’に含まれる炭素数の少なくともいずれかを、8〜10とすることによって、セラミックペーストから形成されたグリーンシートの表面に、フタル酸エステル系可塑剤自身が配列する。その結果、グリーンシートの表面平滑性が向上し、かつ、グリーンシートの接着性も向上する。
また、フタル酸エステル系可塑剤の炭化水素基Rに含まれる炭素数、および炭化水素基R’に含まれる炭素数の少なくともいずれかを、8〜10とすることによって、セラミックペーストに優れた可塑性を付与することができる。その結果、セラミックペーストの成形性が向上し、表面が平滑なグリーンシートを形成することができる。
好ましくは、前記バインダ樹脂がアクリル樹脂である。
アクリル系樹脂と、前述のフタル酸エステル系可塑剤とは、優れた相溶性を有する。よって、両者は均一に混合する。その結果、セラミックペーストが、安定で適度な粘度を有し、ペーストの成形性が向上する。よって、表面が平滑なグリーンシートを形成することができる。
また、アクリル樹脂は、優れた熱分解性を有する。そのため、バインダ樹脂としてアクリル樹脂を用いることによって、脱バインダ処理後のグリーンチップ内に未分解の炭素成分が残留することを防止できる。その結果、脱バインダ処理後のグリーンチップを焼成する際に、残留した炭素成分による焼結阻害を防止することができる。
好ましくは、前記一般式C(COOR)(COOR’) において、エステル基COORと、エステル基COOR’とが同一である。
エステル基COORと、エステル基COOR’とが同一の構造を有することによって、セラミックペーストから形成されたグリーンシートの表面に、フタル酸エステル系可塑剤自身が配列する傾向が強くなる。その結果、グリーンシートの表面平滑性が向上し、かつ、接着性も向上する。また、両エステル基が同一構造であることによって、セラミックペーストが優れた可塑性を有することができる。
好ましくは、前記炭化水素基、および前記炭化水素基R’の少なくともいずれかが、アルキル基である。
前記セラミックペーストにおける前記フタル酸エステル系可塑剤の含有量は、前記バインダ樹脂100重量部に対して、30重量部より大きく80重量部より小さいことが好ましく、より好ましくは、40〜70重量部である。
フタル酸エステル系可塑剤の含有量を上記の範囲とすることによって、グリーンシートの表面平滑性、接着性および可撓性が向上する。また、フタル酸エステル系可塑剤の含有量を上記の範囲とすることによって、フタル酸エステル系可塑剤がグリーンシート下面へと染み出すこと(ブリードアウト)を防止することができる。その結果、キャリアシートをグリーンシートから剥離し易くなり、積層工程におけるグリーンシートの破損を防止することができる。さらには、フタル酸エステル系可塑剤の含有量を上記の範囲とすることによって、グリーンチップの脱バインダ処理、焼成の際に、グリーンチップの割れを防止することができる。
本願発明に係るセラミックペーストの製造方法は、
セラミック粉体と、分散剤と、バインダ樹脂と、一般式C(COOR)(COOR’)で表されるフタル酸エステル系可塑剤と、を含むセラミックペーストの製造方法であって、
前記一般式C(COOR)(COOR’)において、炭化水素基Rに含まれる炭素数、および炭化水素基R’に含まれる炭素数の少なくともいずれかが、8〜10であり、
前記セラミック粉体と、前記分散剤とを含む混合物を分散処理する工程と、
分散処理後の前記混合物に対して、前記バインダ樹脂および前記フタル酸エステル系可塑剤を同時に添加する工程と、を有する。
セラミック粉体と、分散剤とを含む混合物を分散処理した後に、バインダ樹脂およびフタル酸エステル系可塑剤を同時に混合物へ添加することによって、可塑剤がセラミック粉体に吸われる現象(吸油)を防止することができる。このように製造されたセラミックペーストを用いることによって、表面平滑性、接着性、および可塑性に優れたグリーンシートを形成することができる。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの概略断面図、
図2A、図2B、図2C、図3A、図3Bは、図1に示す積層セラミックコンデンサの製造方法の1製造過程を示す要部断面図である。
積層セラミックコンデンサの全体構成
まず、本発明に係る方法により製造される積層セラミック電子部品の一実施形態として、積層セラミックコンデンサの全体構構成について説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ2は、コンデンサ素体4と、第1外部電極6と第2外部電極8とを有する。コンデンサ素体4は、誘電体層10と、内部電極層12とを有し、誘電体層10の間に、これらの内部電極層12が交互に積層してある。交互に積層される一方の内部電極層12は、コンデンサ素体4の第1端部の外側に形成してある第1外部電極6の内側に対して電気的に接続してある。また、交互に積層される他方の内部電極層12は、コンデンサ素体4の第2端部の外側に形成してある第2外部電極8の内側に対して電気的に接続してある。
誘電体層10の材質は、特に限定されず、たとえばチタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウムおよび/またはチタン酸バリウムなどの誘電体材料で構成される。各誘電体層10の厚みは、特に限定されないが、数μm〜数百μmのものが一般的である。特に本実施形態では、好ましくは3μm以下、さらに好ましくは1.5μm以下、特に好ましくは1μm以下に薄層化されている。
外部電極6および8の材質も特に限定されないが、通常、Ni,Pd,Ag,Au,Cu,Pt,Rh,Ru,Ir等の少なくとも1種、又はそれらの合金を用いることができる。通常は、Cu,Cu合金、Ni又はNi合金等や、Ag,Ag−Pd合金、In−Ga合金等が使用される。外部電極6および8の厚みも特に限定されないが、通常10〜50μm程度である。
積層セラミックコンデンサ2の形状やサイズは、目的や用途に応じて適宜決定すればよい。積層セラミックコンデンサ2が直方体形状の場合は、通常、縦(0.6〜5.6mm、好ましくは0.6〜3.2mm)×横(0.3〜5.0mm、好ましくは0.3〜1.6mm)×厚み(0.1〜1.9mm、好ましくは0.3〜1.6mm)程度である。
積層セラミックコンデンサの製造
次に、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ2の製造方法の一例を説明する。
(剥離層の形成)
まず、図2Aに示すように、キャリアシート20を準備し、その上に、剥離層22を形成する。
キャリアシート20としては、たとえばPETフィルムなどが用いられ、剥離性を改善するために、シリコンなどがコーティングしてあるものが好ましい。これらのキャリアシート20の厚みは、特に限定されないが、好ましくは、5〜100μmである。
剥離層22の塗布方法としては、特に限定されないが、きわめて薄く形成する必要があるために、たとえばワイヤーバーコーターまたはダイコーターを用いる塗布方法が好ましい。剥離層22は、塗布後に乾燥される。
剥離層22の厚みは、内部電極層12aの厚み以下であることが好ましく、好ましくは、内部電極層12aの60%以下の厚み、さらに好ましくは30%以下の厚みに設定する。
剥離層22は、後述するグリーンシート10a(図3A)を構成する誘電体と同じ誘電体粒子を含む。誘電体粒子の粒径は、グリーンシート10aに含まれる誘電体粒子の粒径と同じでも良いが、より小さいことが好ましい。
剥離層22は、誘電体粒子以外に、バインダと、可塑剤と、離型剤とを含む。剥離層22に含有されるバインダ、可塑剤、離型剤としては、後述するグリーンシート10a(図3A)に含まれるものと同種類のものを用いることが好ましい。
(内部電極層の形成)
次に、図2Aに示すように、キャリアシート20上に形成した剥離層22の表面に、内部電極層12aを所定パターンで形成する。内部電極層12aは、図1に示す内部電極層12を構成することになる。
図2Aの内部電極層12aの厚さは、好ましくは、0.1〜1.5μm、より好ましくは、0.1〜1.0μm程度である。内部電極層12aは、単一の層で構成してあってもよく、あるいは2以上の組成の異なる複数の層で構成してあってもよい。
内部電極層12aの形成方法としては、スクリーン印刷法あるいはグラビア印刷法などの厚膜法、あるいは蒸着、スパッタリングなどの薄膜法などが挙げれれる。
本実施形態では、印刷法により内部電極用ペーストを所定のパターン状に印刷することによって、内部電極層12aを形成する。
内部電極用ペーストは、各種導電性金属や合金からなる導電体材料、または焼成後に導電体材料となる各種酸化物、有機金属化合物、若しくはレジネート等の電極材粉体と、有機ビヒクル、溶剤、分散剤、および可塑剤等とを混練して調製する。また、内部電極用ペーストには、後述するグリーンシート用セラミックペーストに含まれるセラミック粉体と同じセラミック粉体(共材)が含まれていても良い。供材が含まれることによって、電極材粉体である金属の焼成過程における焼結を適度に抑制し、十分な有効面積を持った内部電極層12aを形成することができる。
内部電極用ペーストの製造に用いる導体材料(電極材粉体)としては、特に限定されないが、通常、卑金属であるNiあるいはNi合金等が用いられる。これら導電材料に、CuあるいはCu合金などが混合されても良い。導体材料は、球状、リン片状等の形状のものを用いるが、その形状に特に制限はない。また、これらの形状のものが混合したものであってもよい。導体材料の粒子径は、粒子形状が球状の場合、通常、平均粒子径が0.01〜2μm、好ましくは0.05〜0.5μm程度である。
有機ビヒクルは、バインダ樹脂および溶剤を含有するものである。バインダ樹脂としては、特に限定されないが、エチルセルロース、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリスチレン、または、これらの共重合体などが例示される。
溶剤としては、特に限定されないが、ターピネオール、ブチルカルビトール、ケロシン、アセトン、イソボニルアセテートなどが例示される。
分散剤としては、特に限定されないが、マレイン酸系分散剤、ポリエチレングリコール系分散剤、アリルエーテルコポリマー分散剤が例示される。
可塑剤としては、特に限定されないが、フタル酸エステル、アジピン酸、燐酸エステル、グリコール類などが例示される。
バインダとしては、特に限定されないが、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、エチルセルロース樹脂などが例示される。
(余白パターン層の形成)
図2Aに示すように、内部電極層12aを形成する前後に、剥離層22の表面において内部電極層12aのパターンが形成されない部分に、内部電極層12aと実質的に同じ厚みの余白パターン層24を形成する。
余白パターン層24は、後述するグリーンシート用セラミックペーストを用いて形成される。また、余白パターン層24は、内部電極層12aあるいはグリーンシート10a(図3A)と同様の方法によって形成することができる。図2Aに示す、内部電極層12aおよび余白パターン層24は、形成後、必要に応じて乾燥される。
(接着層の形成)
次に、図2Aに示すように、キャリアシート26の表面に接着層28を形成する。キャリアシート26は、キャリアシート20と同様なシートで構成される。
接着層28は、バーコーター法、ダイコータ法、リバースコーター法、ディップコーター法、キスコーター法などの方法により形成される。接着層28は、形成後、必要に応じて乾燥される。
接着層28は、バインダと、可塑剤とを含む。接着層28には、グリーンシート10a(図3A)を構成する誘電体と同組成の誘電体粒子を含ませても良い。
図2Aに示す接着層28の厚みは、0.02〜0.3μm程度が好ましく、しかもグリーンシートに含まれる誘電体粒子の平均粒径よりも小さいことが好ましい。また、接着層28の厚みが、グリーンシート10a(図3A)の厚みの1/10以下であることが好ましい。
次に、図2Bに示すように、内部電極層12aおよび余白パターン層24の表面に、接着層28を押し付け、加熱加圧する。その後、キャリアシート26を剥がすことにより、図2Cに示すように、接着層28が、内部電極層12aおよび余白パターン層24の表面に転写される。
(セラミックペーストの作製)
次に、本実施形態に係るセラミックペーストを作製する。このセラミックペーストをキャリアシートに塗布することによって、グリーンシートを形成する。
セラミックペーストは、誘電体原料(セラミック粉体)、溶剤、分散剤、バインダ樹脂、可塑剤等を混練して得られる。
まず、セラミック粉体、溶剤、および分散剤を含む混合物(バインダ樹脂および可塑剤は含まない混合物)に対して、1次分散処理を施す(1次調合)。なお、1次分散処理の方法としては、特に限定されないが、通常、ボールミル、ビーズミル、混湿式ジェットミル等が挙げられる。
次に、分散処理後の混合物に対して、バインダ樹脂および可塑剤を同時に添加する(2次調合)。2次調合後の混合物に対して、2次分散処理を施してもよい。2次分散処理は、1次分散処理と同様の方法で行えばよい。
セラミックペーストに含まれる誘電体原料(セラミック粉体)としては、複合酸化物や酸化物となる各種化合物、たとえば炭酸塩、硝酸塩、水酸化物、有機金属化合物などから適宜選択され、これらの混合物を用いることができる。誘電体原料は、通常、平均粒子径が0.4μm以下、好ましくは0.1〜0.3μm程度の粉体として用いられる。なお、きわめて薄いグリーンシートを形成するためには、グリーンシート厚みよりも細かい粉体を使用することが望ましい。
セラミックペーストに含まれる溶剤としては、特に限定されるものではなく、グリコール類、アルコール、ケトン類、エステル類、芳香族類などの有機溶剤が例示される。
セラミックペーストに含まれる分散剤としては、特に限定されないが、マレイン酸系分散剤、ポリエチレングリコール系分散剤、アリルエーテルコポリマー分散剤などが例示される。
セラミックペーストに含まれるバインダ樹脂としては、一般的に、エチルセルロース、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂等が用いられる。
本実施形態においては、好ましくは、バインダ樹脂としてアクリル樹脂を用いる。セラミックペーストにおけるバインダ樹脂(アクリル樹脂)の含有量は、セラミックペーストに含まれるセラミック粉体100重量部に対して、好ましくは、6〜10重量部である。
セラミックペーストに含まれる可塑剤としては、一般的に、フタル酸エステル、アジピン酸、燐酸エステル、グリコール類等が例示される。
本実施形態においては、セラミックペーストに含まれる可塑剤としては、好ましくは、一般式C(COOR)(COOR’)で表されるフタル酸エステル系可塑剤を用いる。さらには、一般式C(COOR)(COOR’)において、炭化水素基Rに含まれる炭素数、および炭化水素基R’に含まれる炭素数の少なくともいずれかが、好ましくは、8〜10である。
一般式C(COOR)(COOR’)は、2つのエステル基COOR、COOR’を有するベンゼン環を表す。フタル酸エステルとしては、一般的に、フタル酸モノエステルと、フタル酸ジエステルとが存在する。本実施形態では、好ましくは、フタル酸ジエステルを用いる。フタル酸ジエステルとしては、オルト体のフタル酸ジエステル、その構造異性体であるイソフタル酸ジエステル、およびテレフタル酸ジエステルが挙げられる。可塑剤としては、一般的に、オルト体のフタル酸ジエステルが用いられる。
好ましくは、一般式C(COOR)(COOR’) において、エステル基COORと、エステル基COOR’とが、同一である。すなわち、エステル基COORと、エステル基COOR’とが、同一の構造を有することが好ましい。
好ましくは、炭化水素基R、および炭化水素基R’の少なくともいずれかが、アルキル基である。すなわち、炭化水素基Rに含まれる炭素数、および炭化水素基R’に含まれる炭素数の少なくともいずれかを、nとする場合、炭化水素基Rおよび/または炭化水素基R’が、化学式C2n+1 で表される。なお、アルキル基とは、直鎖状のノルマル炭化水素のみならず、その構造異性体(側鎖を有するもの)も含む。また、アルキル基C2n+1 における水素原子の一部が、他の原子で置換されてもよい。
本実施形態において用いられるフタル酸エステル系可塑剤としては、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(通称:フタル酸ジオクチル、炭素数n=8)、フタル酸ジノルマルオクチル(炭素数n=8)、フタル酸ジノニル(炭素数n=9)、フタル酸ジイソノニル(炭素数n=9)、フタル酸ジデシル(炭素数n=10)、フタル酸ジイソデシル(炭素数n=10)等が挙げられる。
セラミックペーストにおけるフタル酸エステル系可塑剤の含有量は、バインダ樹脂100重量部に対して、30重量部より大きく80重量部より小さいことが好ましく、より好ましくは、40〜70重量部である。
なお、セラミックペースト中には、必要に応じて、ガラスフリット、絶縁体などから選択される添加物が含有されていてもよい。セラミックペースト中に、これらの添加物を添加する場合には、添加物の総含有量を、セラミックペースト全体に対して、約10質量%以下にすることが望ましい。
(グリーンシートの形成)
次に、図3Aに示すように、キャリアシート30上に、セラミックペーストを塗布して、グリーンシート10aを形成する。このグリーンシート10aは、図1に示す誘電体層10を構成することになる。
図3Aのグリーンシート10aの形成法(塗布法)としては、ドクターブレード法あるいはダイコーター法などが挙げられる。好ましくは、0.5〜30μm、より好ましくは0.5〜10μm程度の厚みでグリーンシート10aを形成する。
グリーンシート10aは、キャリアシート30上に形成された後に乾燥される。グリーンシート10aの乾燥温度は、好ましくは50〜100℃であり、乾燥時間は、好ましくは1〜20分である。乾燥後のグリーンシート10aの厚みは、乾燥前に比較して、5〜25%の厚みに収縮する。乾燥後のグリーンシートの厚みは、3μm以下が好ましい。
キャリアシート30は、前述したキャリアシート20と同様なものを用いれば良い。
(積層体ユニットの形成、積層)
次に、図3Bに示すように、キャリアシート20上に形成された内部電極層12aおよび余白パターン層24を、接着層28を介して、グリーンシート10aの表面に押し付け、加熱加圧する。その結果、積層体ユニットUが得られる。この積層体ユニットUを複数形成する。
加熱および加圧時の温度、圧力、および加圧方法は、内部電極層12aおよび余白パターン層24の表面に対する、接着層28の転写(図2B)の場合と同様である。
次に、一方の積層体ユニットUから、キャリアシート30を剥離する。また、他方の積層体ユニットUからキャリアシート20を剥離する。そして、1方の積層体ユニットUにおけるグリーンシート10aが、他方の積層体ユニットUにおける内部電極層12aおよび余白パターン層24の上面に接するような位置関係で、両積層体ユニットUを積層する。このような積層を複数回繰り返すことによって、積層体を形成する。なお、積層体ユニットは、接着層を介して、積層してもよい。
次に、積層体の上面および/または下面(積層方向の端面)に、外層用グリーンシート(電極層が形成されていないグリーンシート)を積層する。外層用グリーンシートは、単一のシートで構成してあってもよく、あるいは複数の外層用グリーンシートで構成してあってもよい。外層用グリーンシートの組成、および形成方法は、グリーンシート10aと同様であってよい。
(グリーンチップの形成)
次に、外層用グリーンシートを積層した積層体に対して、加熱しながら最終加圧を行う。最終加圧時の圧力は、好ましくは10〜200MPaである。また、加熱温度は、40〜100℃が好ましい。その後に、積層体を所定の寸法に切断し、グリーンチップを形成する。グリーンチップ50aの寸法は、特に限定されないが、通常、縦(0.6〜5.6mm)×横(0.3〜5.0mm)×厚み(0.1〜1.9mm)程度である。
(グリーンチップの脱バインダ、焼成、熱処理)
次に、グリーンチップに対して、脱バインダ処理、焼成処理、および誘電体層を再酸化するための熱処理を行う。
脱バインダ処理は、通常の条件で行えばよいが、内部電極層の導電体材料にNiやNi合金等の卑金属を用いる場合、特に下記の条件で行うことが好ましい。
昇温速度:5〜300℃/時間、特に10〜50℃/時間、
保持温度:200〜800℃、特に350〜600℃、
保持時間:0.5〜20時間、特に1〜10時間、
雰囲気 :加湿したNとHとの混合ガス。
焼成条件は、下記の条件が好ましい。
昇温速度:50〜500℃/時間、特に200〜300℃/時間、
保持温度:1100〜1300℃、特に1150〜1250℃、
保持時間:0.5〜8時間、特に1〜3時間、
冷却速度:50〜500℃/時間、特に200〜300℃/時間、
雰囲気ガス:加湿したNとHとの混合ガス等。
ただし、焼成時の空気雰囲気中の酸素分圧は、10−2Pa以下、特に10−2〜10−8 Paにて行うことが好ましい。前記範囲を超えると、内部電極層が酸化する傾向にあり、また、酸素分圧があまり低すぎると、内部電極層の電極材料が異常焼結を起こし、途切れてしまう傾向にある。
このような焼成を行った後の熱処理は、保持温度または最高温度を、好ましくは1000℃以上、さらに好ましくは1000〜1100℃として行うことが好ましい。熱処理時の保持温度または最高温度が、前記範囲未満では誘電体材料の酸化が不十分なために絶縁抵抗寿命が短くなる傾向にあり、前記範囲をこえると内部電極のNiが酸化し、容量が低下するだけでなく、誘電体素地と反応してしまい、寿命も短くなる傾向にある。熱処理の際の酸素分圧は、焼成時の還元雰囲気よりも高い酸素分圧であり、好ましくは10−3Pa〜1Pa、より好ましくは10−2Pa〜1Paである。前記範囲未満では、誘電体層の再酸化が困難であり、前記範囲をこえると内部電極層が酸化する傾向にある。そして、そのほかの熱処理条件は下記の条件が好ましい。
保持時間:0〜6時間、特に2〜5時間、
冷却速度:50〜500℃/時間、特に100〜300℃/時間、
雰囲気用ガス:加湿したNガス等。
なお、Nガスや混合ガス等を加湿するには、例えばウェッター等を使用すればよい。この場合、水温は0〜75℃程度が好ましい。また脱バインダ処理、焼成および熱処理は、それぞれを連続して行っても、独立に行ってもよい。これらを連続して行なう場合、脱バインダ処理後、冷却せずに雰囲気を変更し、続いて焼成の際の保持温度まで昇温して焼成を行ない、次いで冷却し、熱処理の保持温度に達したときに雰囲気を変更して熱処理を行なうことが好ましい。一方、これらを独立して行なう場合、焼成に際しては、脱バインダ処理時の保持温度までNガスあるいは加湿したNガス雰囲気下で昇温した後、雰囲気を変更してさらに昇温を続けることが好ましく、熱処理時の保持温度まで冷却した後は、再びNガスあるいは加湿したNガス雰囲気に変更して冷却を続けることが好ましい。また、熱処理に際しては、Nガス雰囲気下で保持温度まで昇温した後、雰囲気を変更してもよく、熱処理の全過程を加湿したNガス雰囲気としてもよい。
(焼結体の研磨)
得られた焼結体(図1のコンデンサ素体4)の側面に対して、例えばバレル研磨、サンドプラスト等にて研磨を施す。この研磨によって、焼成処理、あるいは熱処理において酸化した内部電極層12の端部を除去し、酸化していない内部電極層12を焼結体の側面に露出させる。その結果、内部電極層12と、後工程で形成される各外部電極6、8との間に、導通不良が発生することを防止できる。
(外部電極の形成)
次に、バレル処理後の焼結体の側面に、外部電極用ペーストを焼きつけて、図1の外部電極6、8を形成する。外部電極用ペーストの焼成条件は、例えば、加湿したNとHとの混合ガス中で600〜800℃にて10分間〜1時間程度とすることが好ましい。そして、必要に応じ、外部電極6、8上にめっき等を行うことによりパッド層を形成する。なお、外部電極用ペーストは、上記した内部電極用ペーストと同様にして調製すればよい。
このようにして製造された積層セラミックコンデンサ2は、ハンダ付等によりプリント基板上などに実装され、各種電子機器等に使用される。
本実施形態においては、セラミックペーストは、バインダ樹脂と、一般式C(COOR)(COOR’)で表されるフタル酸エステル系可塑剤と、を含み、一般式C(COOR)(COOR’)において、炭化水素基Rに含まれる炭素数、および炭化水素基R’に含まれる炭素数の少なくともいずれかを、8〜10とする。
炭化水素基Rに含まれる炭素数、および炭化水素基R’に含まれる炭素数の少なくともいずれかを、8〜10とすることによって、セラミックペーストから形成されたグリーンシート10a(図3A)の表面に、フタル酸エステル系可塑剤自身が配列する。その結果、グリーンシート10aの表面平滑性が向上し、かつ、グリーンシート10aの接着性も向上する。
また、炭化水素基Rに含まれる炭素数、および炭化水素基R’に含まれる炭素数の少なくともいずれかを、8〜10とすることによって、セラミックペーストに優れた可塑性を付与することができる。その結果、セラミックペーストの成形性が向上し、表面が平滑なグリーンシート10aを形成することができる。
好ましくは、セラミックペーストに含まれるバインダ樹脂が、アクリル樹脂である。バインダ樹脂および可塑剤としては、互いに相溶して適度に膨潤や反応を起こすものが好ましい。この観点から、アクリル樹脂と、フタル酸エステル系可塑剤との組み合わせが好ましい。アクリル樹脂と、フタル酸エステル系可塑剤とは、均一に混合する。その結果、セラミックペーストが、安定で適度な粘度を有し、ペーストの成形性が向上する。よって、表面が平滑なグリーンシート10aを形成することができる。
また、アクリル樹脂は、優れた熱分解性を有する。そのため、バインダ樹脂としてアクリル樹脂を用いることによって、脱バインダ処理後のグリーンチップ内に未分解の炭素成分が残留することを防止できる。その結果、脱バインダ処理後のグリーンチップを焼成する際に、残留した炭素成分による焼結阻害を防止することができる。
好ましくは、フタル酸エステル系可塑剤を示す一般式C(COOR)(COOR’) において、エステル基COORと、エステル基COOR’とが同一である。エステル基COORと、エステル基COOR’とが同一の構造を有することによって、セラミックペーストから形成されたグリーンシート10aの表面に、フタル酸エステル系可塑剤自身が配列する傾向が強くなる。その結果、グリーンシート10aの表面平滑性が向上し、かつ、接着性も向上する。また、両エステル基が同一構造であることによって、セラミックペーストが優れた可塑性を有することができる。
セラミックペーストにおけるフタル酸エステル系可塑剤の含有量は、バインダ樹脂100重量部に対して、30重量部より大きく80重量部より小さいことが好ましく、より好ましくは、40〜70重量部である。
フタル酸エステル系可塑剤の含有量を上記の範囲とすることによって、グリーンシート10aの表面平滑性、接着性および可撓性が向上する。また、フタル酸エステル系可塑剤の含有量を上記の範囲とすることによって、フタル酸エステル系可塑剤がグリーンシート10aの下面へと染み出すこと(ブリードアウト)を防止することができる。その結果、キャリアシート30をグリーンシート10aから剥離し易くなる。よって、積層体ユニットU(図3B)の積層工程において、キャリアシート30の剥離時にグリーンシート10aが破損することを防止することができる。さらには、フタル酸エステル系可塑剤の含有量を上記の範囲とすることによって、グリーンチップの脱バインダ処理、焼成の際に、グリーンチップの割れを防止することができる。
本実施形態においては、セラミック粉体と、分散剤とを含む混合物を(1次)分散処理した後に、バインダ樹脂およびフタル酸エステル系可塑剤を同時に混合物へ添加する。その結果、フタル酸エステル系可塑剤がセラミック粉体に吸われる現象(吸油)を防止することができる。このように製造されたセラミックペーストを用いることによって、表面平滑性、接着性、および可塑性に優れたグリーンシート10aを形成することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
例えば、上述したフタル酸エステル系可塑剤およびバインダ樹脂(アクリル樹脂)を、内部電極層用ペーストあるいは接着層用ペーストに含有させてもよい。その結果、表面平滑性、接着性、および可塑性に優れた内部電極層12a(図2A)あるいは接着層28(図2A)を形成することができる。
また、上述した実施形態では、図3Aに示すように、接着層28を介して、内部電極層12aをグリーンシート10aに転写したが、グリーンシート10aの表面に、内部電極層12aを直接印刷してもよい。つまり、転写法の代わりに、印刷法を用いて、内部電極層12aをグリーンシート10aの表面に形成しても良い。この場合においても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
本発明の方法は、積層セラミックコンデンサの製造方法に限らず、インダクタ、バリスタなどにも適用することができる。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されない。
(試料1)
まず、以下の成分を所定の比率で混合して、誘電体原料を得た。BaTiO(平均粒径0.2μm/堺化学工業社製BT02粉):100mol%、Y:2.0mol%、MgO:2.0mol%、MnO:0.4mol%、V:0.1mol%、(Ba0.6Ca0.4)SiO:3.0mol%。
次に、誘電体原料100重量部と、分散剤(高分子系分散剤/サンノプコ社SN5468)1.0重量部と、エタノール100重量部とを、ジルコニアボール(2mmφ)とともにポリエチレン容器に投入し、16時間混合して誘電体混合溶液を得た。次に、誘電体混合溶液を、乾燥温度120℃で12時間乾燥し、誘電体粉末を得た。
次に、誘電体粉末100重量部と、溶剤のメチルエチルケトン(MEK)100重量部およびトルエン30重量部と、グラフトポリマー型分散剤1.0重量部(日本油脂(株)社製マリアリムAAB−0851)、ウッドロジン0.4重量部とを、ボールミルで4時間混合して、各成分に対して1次分散処理を施した(1次調合)。
次に、1次分散処理後の分散物に、熱可塑性バインダ樹脂としてアクリル樹脂6重量部(藤倉化成(株)社製)と、可塑剤とを添加して、セラミックペーストを得た(2次調合)。可塑剤としては、フタル酸ジオクチル(フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、略記号:DOP)を用いた。セラミックペーストに含まれるフタル酸ジオクチルの含有量は、アクリル樹脂100重量部に対して、50重量部(単位:PHR)とした。
なお、用いたフタル酸ジオクチルは、化学式C(COOC17 で表される。フタル酸ジオクチルは、エステル基として、2つのCOOC17 基(より詳細には、COOCHCH(C)(CHCH 基)を有する。これらのエステル基はそれぞれ、炭化水素基Rとして、2−エチルヘキシル基C17(より詳細には、CHCH(C)(CHCH )を有する。この炭化水素基Rは、化学式C2n+1 (炭素数n=8)で表されるアルキル基である。
次に、ダイコート塗布により、PETフィルム(キャリアシート)上に、セラミックペーストを2μmの厚さに塗布し、グリーンシート(1層目)を形成した。次に、PETフィルム上に形成されたグリーンシートを、乾燥炉内に連続的に送り込み、グリーンシートに含まれる溶剤を乾燥させた。乾燥時の温度は75℃で、乾燥時間は1分間であった。
次に、PETフィルム上に形成されたグリーンシートの表面に、内部電極用ペースト(ターピネオール系の溶剤種等から構成されたNiペースト)を、スクリーン印刷法により塗布し、内部電極層を形成した。次に、グリーンシート上に形成された内部電極層を、乾燥炉内に連続的に送り込み、90℃で、5分間乾燥させた。
次に、ダイコート塗布により、内部電極層が形成されたグリーンシート(1層目)の表面にセラミックペーストを2μmの厚さに塗布し、グリーンシート(2層目)を形成した。次に、グリーンシート(2層目)を、乾燥炉内に連続的に送り込み、75℃で、1分間乾燥させた。
次に、グリーンシート(2層目)の表面に、内部電極用ペーストを、スクリーン印刷法により塗布し、内部電極層(2層目)を形成した。次に、内部電極層(2層目)を、乾燥炉内に連続的に送り込み、90℃で、5分間乾燥させた。乾燥後に、積層体ユニットを得た。この積層体ユニットを複数作製した。
次に、各積層体ユニットから、PETフィルムを剥離した後、一方の積層体ユニットにおけるグリーンシート(1層目)が、それと隣接する他方の積層体ユニットにおける内部電極層(2層目)と接する位置関係で、積層体ユニット同士を次々と積層し、積層体を得た。得られた積層体を70℃に過熱しながら、7350N/cm(750kg重)の圧力でプレスした。
次に、この積層体を所定の寸法に切断して、グリーンチップを得た。このグリーンチップを加熱して、脱バインダ処理した。次に、グリーンチップを、1000℃〜1400℃で焼成して、焼結体を得た。次に、焼結体における誘電体層を再酸化するために、焼結体を加熱処理した。
次に、焼成体の両側面に対して、バレル研磨を行い、酸化してしない内部電極層を両側面に露出させた。次に焼結体の両側面に対して、外部電極を形成し、積層セラミックコンデンサを得た。
積層セラミックコンデンサの大きさは、L寸法で1.6mm、W寸法で0.8mmであった。積層数(電極パターン層の数)は100層であった。
次に、表1に示す各可塑剤を含有する各セラミックペーストを用いて、試料2〜9、12の積層セラミックコンデンサをそれぞれ作製した。試料2〜9においては、用いた可塑剤の種類以外は、試料1と同様の条件で、積層セラミックコンデンサを作製した。
Figure 0004770540
(試料2)
試料2においては、可塑剤として、DOPの構造異性体であるフタル酸ジノルマルオクチル(略記号:DNOP)を用いた。なお、用いたフタル酸ジノルマルオクチルは、化学式C(COOC17 で表される。すなわち、フタル酸ジノルマルオクチルは、エステル基として、2つのCOOC17 基を有する。これらのエステル基はそれぞれ、炭化水素基Rとして、ノルマルオクチル基C17 を有する。この炭化水素基Rは、化学式C2n+1 (炭素数n=8)で表される直鎖状アルキル基である。
(試料3)
試料3においては、可塑剤として、フタル酸ジメチル(略記号:DMP)を用いた。なお、用いたフタル酸ジメチルは、化学式C(COOCH で表される。すなわち、フタル酸ジメチルは、エステル基として、2つのCOOCH基を有する。これらのエステル基はそれぞれ、炭化水素基Rとして、メチル基CHを有する。この炭化水素基Rは、化学式C2n+1 (炭素数n=1)で表されるアルキル基である。
(試料4)
試料4においては、可塑剤として、フタル酸ジエチル(略記号:DEP)を用いた。なお、用いたフタル酸ジエチルは、化学式C(COOC で表される。すなわち、フタル酸ジエチルは、エステル基として、2つのCOOC基を有する。これらのエステル基はそれぞれ、炭化水素基Rとして、エチル基Cを有する。この炭化水素基Rは、化学式C2n+1 (炭素数n=2)で表されるアルキル基である。
(試料5)
試料5においては、可塑剤として、フタル酸ジブチル(略記号:DBP)を用いた。なお、用いたフタル酸ジブチルは、化学式C(COOC で表される。すなわち、フタル酸ジブチルは、エステル基として、2つのCOOC基を有する。これらのエステル基はそれぞれ、炭化水素基Rとして、ブチル基Cを有する。この炭化水素基Rは、化学式C2n+1 (炭素数n=4)で表されるアルキル基である。
(試料6)
試料6においては、可塑剤として、フタル酸ジイソノニル(略記号:DINP)を用いた。なお、用いたフタル酸ジイソノニルは、化学式C(COOC19 で表される。すなわち、フタル酸ジイソノニルは、エステル基として、2つのCOOC19 基を有する。これらのエステル基はそれぞれ、炭化水素基Rとして、ノニル基C19 を有する。この炭化水素基Rは、化学式C2n+1 (炭素数n=9)で表されるアルキル基である。
(試料7)
試料7においては、可塑剤として、フタル酸ジイソデシル(略記号:DIDP)を用いた。なお、用いたフタル酸ジイソデシルは、化学式C(COOC1021 で表される。すなわち、フタル酸ジイソデシルは、エステル基として、2つのCOOC1021 基を有する。これらのエステル基はそれぞれ、炭化水素基Rとして、デシル基C1021を有する。この炭化水素基Rは、化学式C2n+1 (炭素数n=10)で表されるアルキル基である。
(試料8)
試料8においては、可塑剤として、フタル酸ジトリデシル(略記号:DTDP)を用いた。なお、用いたフタル酸ジトリデシルは、化学式C(COOC1327 で表される。すなわち、フタル酸ジトリデシルは、エステル基として、2つのCOOC1327 基を有する。これらのエステル基はそれぞれ、炭化水素基Rとして、トリデシル基C1327 を有する。この炭化水素基Rは、化学式C2n+1 (炭素数n=13)で表されるアルキル基である。
(試料9)
試料9においては、可塑剤として、フタル酸ベンジルブチル(略記号:BBP)を用いた。なお、用いたフタル酸ベンジルブチルは、化学式C(COOC)(COOCH)で表される。すなわち、フタル酸ベンジルブチルは、2つの異なるエステル基として、COOC基およびCOOCH基を有する。エステル基COOCはブチル基Cを有し、エステル基COOCHはベンジル基CHを有する。
(試料12)
試料12においては、1次調合の段階で、誘電体粉末に対して可塑剤を添加した。それ以外は試料1と同様の条件で、試料12の積層セラミックコンデンサを作製した。
試料1〜9、12の積層セラミックコンデンサの作製において、それぞれ以下の測定を行った。結果を表2に示す。
Figure 0004770540
(評価)
シート光沢度の測定
グリーンシートのサンプル5枚に対して、シート光沢度(単位:%)を測定し、その平均値を求めた。シート光沢度は、光沢度計(日本電飾工業(株)製VGS−1D)を用いて、角度60°で測定した。シート光沢度が大きい程、グリーンシートの表面は平滑である。
シート表面粗さの測定
グリーンシートのサンプル5枚に対して、シート表面粗さ(Ra)を測定し、その平均値を求めた。シート表面粗さ(単位:μm)は、サーフコーダー(小阪研究所(株)製SE−30D)を用いて測定した。シート表面粗さが小さい程、グリーンシートの表面は平滑である。
スタック力の測定
積層体ユニットのサンプル2個をプレスして得た積層体(プレスしたスタック体)5個に対して、スタック力(単位:N/cm)を測定して、その平均値を求めた。なお、測定では、インストロン5543の引張試験機を用いた。また、スタック力とは、積層体において、層間(グリーンシートと内部電極層との間、あるいはグリーンシート間)に剥離を生じさせるために要する力である。スタック力が大きい程、層間(グリーンシート)の接着性が良い。
シート剥離強度の測定
積層体ユニットのサンプル5個に対して、キャリアシートの剥離強度(単位:N/cm)を測定し、その平均値を求めた。剥離強度の測定では、積層体ユニットにおけるキャリアシートの一端を、積層体ユニットの積層面に対して90度の方向に、8mm/分の速度で引き上げ、キャリアシートが、積層体ユニットから剥離する際に、キャリアシートに作用する力(N/cm)を測定した。この力をキャリアシートの剥離強度とした。剥離強度を低くすることにより、積層体ユニットからのキャリアシートの剥離を良好に行うことができ、また、剥離時における積層体ユニットの破損も有効に防止することができる。よって、剥離強度は、低い程好ましい。
切断時不具合率の測定
積層体サンプルを切断してグリーンチップサンプルを形成した。切断の際に、層間の剥離が起こったグリーンチップの数を調べた。得られた全グリーンチップ数に対する、層間の剥離が起こったグリーンチップ数の割合(切断時不具合率、単位:%)を求めた。
割れ不良率の測定
加熱処理後の焼結体のサンプルに対して、割れの有無を調べた。得られた全サンプル数に対する、割れを起こしたサンプル数の割合(割れ不良率、単位:%)を求めた。
ショート不良率の測定
積層セラミックコンデンサのサンプル100個に対して、ショート不良率(単位:%)を測定した。測定では、絶縁抵抗計(HEWLETT PACKARD社製E2377Aマルチメーター)を使用した。測定においては、各サンプルの抵抗値を測定し、抵抗値が100kΩ以下となったサンプルを、ショート不良を起こしたサンプルとした。全測定サンプルに対する、ショート不良を起こしたサンプルの比率を、ショート不良率とした。
(評価)
セラミックペーストが、一般式C(COOR)(COOR’)で表されるフタル酸エステル系可塑剤を含み、炭化水素基Rに含まれる炭素数、および炭化水素基R’に含まれる炭素数の少なくともいずれかnが、8〜10である試料1、2、6、7においては、nが8未満の試料3〜5に比べて、シート光沢度が大きいことが確認された。また、試料1、2、6、7においては、試料3〜5に比べて、シート表面粗さが小さいことが確認された。すなわち、試料1、2、6、7においては、試料3〜5に比べて、グリーンシートの表面平滑性が優れていることが確認された。
また、試料1、2、6、7においては、試料3〜5に比べて、スタック力が大きいことが確認された。すなわち、試料1、2、6、7においては、試料3〜5に比べて、グリーンシートの接着性が優れていることが確認された。
試料1〜7、9において、シート剥離強度は同程度であり、切断時不具合率および割れ不良率はいずれの試料においても低かった。
試料1、2、6、7においては、試料3〜5に比べて、ショート不良率が小さいことが確認された。
アルキル基Rにおける炭素数nが10より大きい試料8(n=13)においては、可塑剤と、アクリル樹脂とが相溶しにくく、セラミックペーストが得られなかった。よって、各測定を行うことができなかった。
試料9においては、フタル酸エステル系可塑剤が、構造の異なる2つのエステル基を有するため、可塑剤自身がシートの表面に配列しにくいことが確認された。その結果、試料9では、試料1に比べて、シート光沢度が小さく、表面粗さが大きいことが確認された。また、試料9では、試料1に比べて、スタック力が小さく、ショート不良率が高いことが確認された。
1次調合の段階で誘電体粉末に対してフタル酸エステル系可塑剤を添加した試料12においては、2次調合の段階で誘電体粉末に対してフタル酸エステル系可塑剤を添加した試料1に比べて、シート光沢度が小さく、表面粗さが大きいことが確認された。また、試料12では、試料1に比べて、スタック力が小さいことが確認された。すなわち、試料12では、誘電体粉末(セラミック粉体)とフタル酸エステル系可塑剤とを、1次調合の段階で同時に調合したため、セラミック粉体にフタル酸エステル系可塑剤の一部が吸われた。その結果、試料12では、試料1に比べて、グリーンシートの表面平滑性および接着性を向上させる効果が小さかった。
また、試料12においては、試料1に比べて、切断時不具合率、割れ不良率、およびショート不良率のいずれも大きいことが確認された。
(試料13〜19)
セラミックペーストにおける可塑剤の含有量を、表3に示す値としたこと以外は、試料1と同様の条件で、試料13〜19の積層セラミックコンデンサを作製した。また、試料13〜19に対して、試料1と同様の測定を行った。結果を表4に示す。
Figure 0004770540
Figure 0004770540
(評価)
試料15〜17においては、セラミックペーストにおけるフタル酸エステル系可塑剤の含有量を、バインダ樹脂(アクリル樹脂)100重量部に対して、30PHRより大きく80PHRより小さくした(すなわち、40〜70PHRとした)。試料15〜17においては、試料13、14、18、19に比べて、シート光沢度が大きいことが確認された。また、試料15〜17においては、試料18、19に比べて、シート表面粗さが小さいことが確認された。すなわち、試料15〜17においては、試料13、14、18、19に比べて、グリーンシートの表面平滑性が優れていることが確認された。
また、試料15〜17においては、試料13、14、18、19に比べて、スタック力が大きいことが確認された。すなわち、試料15〜17においては、試料13、14、18、19に比べて、グリーンシートの接着性が優れていることが確認された。
試料15〜17においては、試料13、14、18、19に比べて、シート剥離強度が小さいことが確認された。すなわち、試料15〜17においては、試料13、14、18、19に比べて、積層体ユニットから、キャリアシートを剥がしやすく、積層体ユニットが破損しにくいことが確認された。
試料15〜17においては、試料13、14、18、19に比べて、切断時不具合率、割れ不良率、およびショート不良率が小さいことが確認された。
試料13、14は、可塑剤の添加量が少なかったため、試料15〜17に比べて、シート光沢度が小さく、シート表面粗さが大きく、スタック力が小さい傾向を示した。すなわち、試料13、14では、試料15〜17に比べて、グリーンシートの表面平滑性および接着性を向上させる効果が小さいことが確認された。また、試料13、14では、グリーンシート間のスタック力が小さかったため、試料15〜17に比べて、切断時不具合率、割れ不良率、およびショート不良率が高かった。
試料18、19は、可塑剤の添加量が多かったため、試料15〜17に比べて、シート光沢度が小さく、シート表面粗さが大きく、スタック力が小さかった。すなわち、試料18、19では、試料15〜17に比べて、グリーンシートの表面平滑性および接着性を向上させる効果が小さいことが確認された。また、試料18、19では、可塑剤の添加量が多すぎて、可塑剤がシート下面へと染み出した(ブリードアウトした)ため、試料15〜17に比べて、シート剥離強度が大きくなった。さらに、試料18では、グリーンシート間のスタック力が小さかったため、試料15〜17に比べて、切断時不具合率が高かった。また、試料18、19では、脱バインダ処理時に割れが多発したため、焼成後の割れ不良率が高かった。その結果、試料18、19のショート不良率も高かった。
図1は、本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの概略断面図である。 図2A、図2B、図2Cは、図1に示す積層セラミックコンデンサの製造方法の1製造過程を示す要部断面図である。 図3A、図3Bは、図1に示す積層セラミックコンデンサの製造方法の1製造過程を示す要部断面図である。
符号の説明
2… 積層セラミックコンデンサ
4… コンデンサ素体
6… 第1外部電極
8… 第2外部電極
10… 誘電体層
10a… グリーンシート
12、12a… 内部電極層
U… 積層体ユニット

Claims (8)

  1. バインダ樹脂と、
    一般式C(COOR)(COOR’)で表されるフタル酸エステル系可塑剤と、を含み、
    前記バインダ樹脂がアクリル樹脂であり、
    前記一般式C(COOR)(COOR’)において、炭化水素基Rに含まれる炭素数、および炭化水素基R’に含まれる炭素数の少なくともいずれかが、8〜10であり、
    前記セラミックペーストにおける前記フタル酸エステル系可塑剤の含有量が、前記バインダ樹脂100重量部に対して、30重量部より大きく80重量部より小さいセラミックペーストであって、
    前記セラミックペーストが、
    平均粒径が0.1〜0.3μmであるセラミック粉体と、分散剤とを含む混合物(前記バインダ樹脂および前記フタル酸エステル系可塑剤を除く)を分散処理する工程と、
    分散処理後の前記混合物に対して、前記バインダ樹脂および前記フタル酸エステル系可塑剤を同時に添加する工程と、を有する製造方法により得られることを特徴とするセラミックペースト。
  2. 前記一般式C(COOR)(COOR’) において、エステル基COORと、エステル基COOR’とが同一であることを特徴とする請求項1に記載のセラミックペースト。
  3. 前記炭化水素基R、および前記炭化水素基R’の少なくともいずれかが、アルキル基であることを特徴とする請求項1または2に記載のセラミックペースト。
  4. セラミック粉体と、分散剤と、バインダ樹脂と、一般式C(COOR)(COOR’)で表されるフタル酸エステル系可塑剤と、を含むセラミックペーストの製造方法であって、
    前記バインダ樹脂がアクリル樹脂であり、
    前記セラミック粉体の平均粒径が0.1〜0.3μmであり、
    前記一般式C(COOR)(COOR’)において、炭化水素基Rに含まれる炭素数、および炭化水素基R’に含まれる炭素数の少なくともいずれかが、8〜10であり、
    前記セラミックペーストにおける前記フタル酸エステル系可塑剤の含有量が、前記バインダ樹脂100重量部に対して、30重量部より大きく80重量部より小さく、
    前記セラミック粉体と、前記分散剤とを含む混合物(前記バインダ樹脂および前記フタル酸エステル系可塑剤を除く)を分散処理する工程と、
    分散処理後の前記混合物に対して、前記バインダ樹脂および前記フタル酸エステル系可塑剤を同時に添加する工程と、を有することを特徴とするセラミックペーストの製造方法。
  5. 前記一般式C(COOR)(COOR’) において、エステル基COORと、エステル基COOR’とが同一であることを特徴とする請求項4に記載のセラミックペーストの製造方法。
  6. 前記炭化水素基R、および前記炭化水素基R’の少なくともいずれかが、アルキル基であることを特徴とする請求項4または5に記載のセラミックペーストの製造方法。
  7. 請求項1〜3のいずれかに記載のセラミックペーストを用いてグリーンシートを形成する工程を有する積層セラミック電子部品の製造方法。
  8. 前記グリーンシートの乾燥後の厚みが3μm以下であることを特徴とする請求項に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
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