JPH07149572A - 窒化アルミニウムグリーンシートの製造方法 - Google Patents

窒化アルミニウムグリーンシートの製造方法

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JPH07149572A
JPH07149572A JP5297121A JP29712193A JPH07149572A JP H07149572 A JPH07149572 A JP H07149572A JP 5297121 A JP5297121 A JP 5297121A JP 29712193 A JP29712193 A JP 29712193A JP H07149572 A JPH07149572 A JP H07149572A
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aluminum nitride
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JP5297121A
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Takusane Ueda
卓実 上田
Keizou Makio
圭造 槙尾
Noboru Hashimoto
登 橋本
Susumu Kajita
進 梶田
Hiroyoshi Yoda
浩好 余田
Yasushi Tanaka
恭史 田中
Masayuki Ishihara
政行 石原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 クラックのないグリーンシートが得られ、か
つ、グリーンシートを脱バインダーし、次いで、焼結し
たときに表面粗度及びそりが小さい焼成基板が得られる
窒化アルミニウムグリーンシートの製造方法を提供す
る。 【構成】 分散剤として重量平均分子量が1万以上の高
分子界面活性剤を用い、アクリル系バインダーとして重
量平均分子量が10万以上の、ブチルメタアクリレート
単独重合体またはエチルメタクリレート、メチルメタク
リレート及びメチルアクリレートの共重合体を用い、か
つ、予め窒化アルミニウム粉末、焼結助剤粉末、分散剤
及び有機溶剤を混合して、窒化アルミニウム粉末及び焼
結助剤粉末を分散させた後、アクリル系バインダー及び
可塑剤を添加し、混合してスラリーとし、次いでドクタ
ーブレード法にてシート化する窒化アルミニウムグリー
ンシートの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子機器等に利用され
る、熱伝導性に優れる窒化アルミニウム基板の製造に好
適な窒化アルミニウムグリーンシートの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】IC等に代表されるような半導体素子の
高集積化や大電力化が進み、これに伴って放熱性の良い
電気絶縁材料が要求されるようになった。これに応えて
各種の高熱伝導性セラミックス基板が提案され、中でも
窒化アルミニウム基板の実用化が進んでいる。
【0003】従来からセラミックス基板は主として原料
粉末にバインダー等を混合した後、成形してグリーンシ
ートとし、次いで焼成して製造される。グリーンシート
を作製する方法としては、ドクターブレード法が一般的
であり、具体的には原料粉末、バインダー及び溶剤等を
混合してスラリーとし、このスラリーをキャスティング
してグリーンシートを得るものである。スラリー化の方
法としては、例えば、特開昭63−239158号に示
されているように、原料粉末、バインダー、可塑剤及び
溶剤等を同時に添加して混合することが一般的である。
しかし、このようなスラリー化の方法では、原料粉末の
分散が十分でなかったり、スラリー化に長時間を必要と
する等の問題があった。特に、粒径の小さい窒化アルミ
ニウム粉末が原料粉末である場合には、原料粉末はより
分散しにくく、長時間の混合を行なっても、粉末の凝集
物がグリーンシートの表面や内部に生じやすく、その結
果、クラックが生じたグリーンシートになりやすく、次
いで焼結体としたときに表面平滑性が悪い(表面粗度が
大きい)基板しか得られず、回路形成用として使用する
場合には問題となっていた。
【0004】また、使用するバインダーの種類によって
は窒化アルミニウム粉末とバインダーの濡れ性が悪い場
合があり、このような場合にはクラックのないグリーン
シートを得るには、かなり多くのバインダーを添加する
必要があり、その結果、焼結して焼成基板としたときに
そりやポアーが発生しやすいという問題があった。
【0005】また、スラリー化の際に原料粉末の分散を
しやすくする目的で、原料粉末の表面をコーティングす
るように作用する分散剤を添加することも知られてい
る。分散剤としては、通常は魚油(成分はトリオレイ
ン)やソルビタン系のノニオン型低分子界面活性剤(重
量平均分子量が1000以下)が使用されている。この
ような低分子界面活性剤は、粉末表面に瞬時に吸着し、
粉末を分散させるという特徴があるが、粉末に対する吸
着力が弱く、安定性に劣る問題がある。その顕著な例と
して、原料粉末、低分子界面活性剤及び溶剤からなり、
原料粉末が完全に分散常態になったスラリーにバインダ
ーを添加すると、粉末に対する低分子界面活性剤の吸着
力が弱いためと考えられるが、原料粉末表面に吸着して
いる低分子界面活性剤がバインダーによって原料粉末か
らひきはがされて、分散状態が崩れたスラリーとなる場
合がある。そして、このような分散常態が崩れたスラリ
ーでグリーンシートを作製すると、クラックが生じてい
る表面常態の悪いグリーンシートしか得られないという
問題がある。このクラックの発生を抑えようとして、過
剰のバインダーを添加すると、焼結して焼成基板とした
ときにそりやポアーが発生しやすいという弊害が発生し
ていた。
【0006】さらに、使用するバインダーに関しては、
窒素中もしくは大気中で窒化アルミニウムが酸化しない
温度(約600℃)までで完全に脱バインダーできるも
のでなければならないが、従来のアルミナ基板等のグリ
ーンシートで用いられているポリビニルブチラール(P
VB)は、窒素中では残炭分が多く完全に脱バインダー
することができず、また大気中でも600℃程度の温度
では完全に脱バインダーすることができず、完全な脱バ
インダーには約800℃程度が必要である。このような
高い温度では窒化アルミニウム粉末が酸化され、高い熱
伝導率を有する窒化アルミニウム基板を製造することが
困難になる。このような経緯から、近年、窒素中もしく
は500℃程度の大気中で脱バインダー可能なアクリル
系バインダー(成分としてはアクリル酸エステルやメタ
クリル酸エステル等)が注目されているが、その成分に
よって脱バインダー性やグリーンシートを作製した場合
のシート強度、可塑性(伸び率)などが大きく異なり、
すべてのアクリル系バインダーが窒化アルミニウムのド
クターブレード法によるグリーンシートの製造に使用で
きるものではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の事情に鑑み、本
発明は、クラックのないグリーンシートが得られ、か
つ、グリーンシートを窒素中または約600℃までの大
気中で脱バインダーし、次いで、焼結したときに表面粗
度及びそりが小さい焼成基板が得られる窒化アルミニウ
ムグリーンシートの製造方法を提供することを目的とし
ている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の窒化アルミニウ
ムグリーンシートの製造方法は、窒化アルミニウム粉
末、焼結助剤粉末、分散剤、有機溶剤、アクリル系バイ
ンダー及び可塑剤を混合してスラリーとし、次いでドク
ターブレード法にてシート化する窒化アルミニウムグリ
ーンシートの製造方法において、分散剤として重量平均
分子量が1万以上の高分子界面活性剤を用い、アクリル
系バインダーとして重量平均分子量が10万以上の、ブ
チルメタアクリレート単独重合体またはエチルメタクリ
レート、メチルメタクリレート及びメチルアクリレート
の共重合体を用い、かつ、予め窒化アルミニウム粉末、
焼結助剤粉末、分散剤及び有機溶剤を混合して、窒化ア
ルミニウム粉末及び焼結助剤粉末を分散させた後、アク
リル系バインダー及び可塑剤を添加し、混合してスラリ
ーとすることを特徴としている。
【0009】また、エチルメタクリレート、メチルメタ
クリレート及びメチルアクリレートの共重合体における
メチルメタクリレートの成分比率は1〜20重量%であ
ることが好ましい。
【0010】本発明で使用する分散剤としては、重量平
均分子量が1万以上の高分子界面活性剤であることが重
要である。重量平均分子量が1万未満の場合にはバイン
ダーの添加によりスラリーの分散状態が崩れ、クラック
の発生している表面常態の悪いグリーンシートになりや
すいという問題だある。この重量平均分子量の上限につ
いては特に限定はなく、10万程度のものでも差し支え
ない。また、高分子界面活性剤の型については、特に限
定するものではないが、アニオン系の界面活性剤または
ノニオン系の界面活性剤が好ましい。
【0011】本発明で使用するアクリル系バインダーと
しては、重量平均分子量が10万以上の、ブチルメタア
クリレート(以下BMAと略す)単独重合体またはエチ
ルメタクリレート(以下EMAと略す)、メチルメタク
リレート(以下MMAと略す)及びメチルアクリレート
(以下MAと略す)の共重合体を用いることが重要であ
る。重量平均分子量が10万未満の場合には10万以上
の場合に比べ、バインダーの強度が低く、グリーンシー
トとする際の乾燥時にクラックが発生しやすい傾向にあ
る。
【0012】また、アクリル系バインダーの構成成分に
ついては、MMA単独重合体では、バインダー強度は強
く、クラックのないグリーンシートが得られるが、脱バ
インダー性が悪く残留カーボン量が多いという欠点があ
る。また、MMA単独重合体のガラス転移温度が高いこ
とに起因していると考えられるが、得られるグリーンシ
ートの可塑性(伸び率)が極端に乏しく、グリーンシー
トが割れやすい(外力でクラックが入りやすい)という
欠点がある。なお、グリーンシートに可塑性を持たせる
には、可塑剤を多量に添加しなければならないが、可塑
剤の添加量の多いグリーンシートは、長期保存中に可塑
剤が表面に移行する、いわゆるブリージングが発生し、
焼結後の基板でそりや回路印刷時の問題が生じる。次に
EMA単独重合体では、バインダー強度は強く、脱バイ
ンダー性も良いが、やはりガラス転移温度が高いことに
起因していると考えられるが、得られるグリーンシート
の可塑性に乏しく、可塑性を持たせるには可塑剤を多量
に添加しなければならず、前記のブリージングの発生と
いう問題が生じる。
【0013】一方、ヘキシルなどのエステル基が長くな
るポリメタクリル酸エステル及びエチル以上のポリアク
リル酸エステルでは、脱バインダー性には問題がない
が、可塑性が非常に高く、場合によってはグリーンシー
トが伸びてしまう時がある。さらに、バインダー強度が
低いために、グリーンシートとする際の乾燥時にクラッ
クが発生しやすいという問題がある。以上の理由から本
発明ではバインダーとして、BMA単独重合体またはE
MA、MMA及びMAの共重合体を使用するよう限定し
ている。
【0014】また、EMA、MMA及びMAの共重合体
におけるMMAの成分比率は1〜20重量%であること
が好ましい。MMAの成分比率が20重量%を越えると
グリーンシートの強度は高いが、可塑性が乏しく、か
つ、脱バインダー性が悪くなる。一方MMAの成分比率
が1重量%未満になるとグリーンシートの強度が低くな
り、クラックが発生しやすくなる。なお、EMAとMA
の成分比率については、特に限定するものではないが、
EMAは30〜80重量%、MAは10〜50重量%の
範囲にあることが、優れた性能を持つグリーンシートを
得るためには好ましい。
【0015】本発明で使用する有機溶剤としては、分散
剤、バインダー及び可塑剤を溶解するものであればよ
く、トルエン、キシレンなどの芳香族系、MEK、MI
BK等のケトン系、エタノール、ブタノール等のアルコ
ール系または酢酸エステル等が例示でき、単独または2
種以上併用して使用することができる。また、本発明で
使用する窒化アルミニウム粉末、焼結助剤粉末及び可塑
剤については、特に限定はない。
【0016】さらに、本発明では予め窒化アルミニウム
粉末、焼結助剤粉末、分散剤及び有機溶剤を混合して、
窒化アルミニウム粉末及び焼結助剤粉末を分散させた
後、アクリル系バインダー及び可塑剤を添加し、混合し
てスラリーとする。なお、アクリル系バインダー及び可
塑剤を添加する際に有機溶剤を再度追加して添加するよ
うにしても構わない。このように予め窒化アルミニウム
粉末及び焼結助剤粉末を分散させておく予備分散工程を
設けることにより、微粒子の原料粉末を用いた場合でも
凝集がないグリーンシートが得られ、その結果、グリー
ンシートのクラックの発生が防止されると共に表面粗度
の小さい焼結体を得ることが可能になる。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例に基づいて
説明する。 (実施例1〜実施例7)比表面積が4m2 /gである微
粒子の窒化アルミニウム粉末97重量部に対し焼結助剤
としてY2 3 粉末を3重量部、分散剤としてアニオン
系界面活性剤を1.5重量部及び有機溶剤としてMEK
を30重量部加え、ボールミルで8時間混合して、窒化
アルミニウム粉末(原料粉末)及び焼結助剤粉末が十分
に分散したスラリーを得た。(ここまでの混合を予備分
散工程と呼ぶ。)なお、前記アニオン系界面活性剤とし
ては下記式化1で表される構造を分子内に有していて、
表1に示す重量平均分子量のものを使用した。
【0018】
【化1】
【0019】次いで、得られたスラリー中に表1に示す
成分のアクリル系バインダーを18重量部、可塑剤とし
てジオクチルフタレートを5重量部及び有機溶剤として
MEK70重量部を添加して、さらにボールミルで16
時間混合し、次いで真空脱泡し、さらに粘度調整をし
て、粘度が10000cpsの成形用スラリーを得た。
この成形用スラリーを用い、ドクターブレード法でシー
ト状に成形し、次いで乾燥して厚み0.8mmのグリー
ンシートを得た。なお、乾燥は自然乾燥30分、次いで
40℃で30分、次いで60℃で60分の乾燥条件で行
なった。このようにして得られたグリーンシートについ
て、目視でクラックの発生の有無を調べ、その結果を表
3に示した。また、グリーンシートから打抜きによりダ
ンベル状の試験片を作製し、引張試験をして、グリーン
シートの破断強度(引張強度)と伸び率を測定し、その
結果を表3に示した。次に、グリーンシートを表3に示
すように、窒素中700℃、または大気中550℃で3
時間保持して脱バインダー処理を行なった。脱バインダ
ー処理後の試料の一部を粉砕し、残留カーボン量を測定
し、その結果を表3に示した。その後、脱バインダー処
理後の試料を窒素中1800℃で4時間焼成して焼成基
板を得た。得られた焼成基板の表面粗度及びそりを測定
し、その結果を表3に示した。
【0020】また、得られたグリーンシートを1か月保
存してブリージングの発生を調べたが、どの実施例でも
ブリージングは発生しなかった。 (比較例1及び比較例2)比較例1では実施例1と同一
の原料を合計で同一量となるよう配合し、また比較例2
では実施例3と同一の原料を合計で同一量となるよう配
合した。すなわち予備分散工程なしに、窒化アルミニウ
ム粉末、焼結助剤粉末、分散剤、アクリル系バインダ
ー、可塑剤及び溶剤を全て配合してから、ボールミルで
24時間混合してスラリーを得た。
【0021】次いで、得られたスラリーについて真空脱
泡し、さらに粘度調整をして、粘度が10000cps
の成形用スラリーを得た。この成形用スラリーを用い、
実施例1と同様にしてグリーンシートを得た。このよう
にして得られたグリーンシートについて、目視でクラッ
クの発生の有無を調べたところクラックが発生してい
た。この結果を表4に示したが、クラックが発生したた
め、この工程以降の試験は行なわなかった。
【0022】また、得られたグリーンシートを1か月保
存してブリージングの発生を調べたが比較例1及び比較
例2共にブリージングは発生しなかった。 (比較例3〜比較例14)比較例3〜比較例14では分
散剤として前記式化1で表される構造を分子内に有して
いて、表2に示す重量平均分子量のアニオン系界面活性
剤を使用し、この分散剤の添加量は実施例1と同様に
1.5重量部とした。以上の条件以外は実施例1と同様
にして、まず、窒化アルミニウム粉末(原料粉末)及び
焼結助剤粉末が十分に分散したスラリーを得た。(予備
分散工程有り)次いで、得られたスラリー中に、アクリ
ル系バインダーは表2に示すものを、可塑剤は実施例1
と同一のものを、それぞれ表2に示す添加量だけ添加
し、併せて有機溶剤としてMEK70重量部を添加し
て、実施例1と同様の方法で粘度が10000cpsの
成形用スラリーを得た。なお、表1及び表2におけるE
AはエチルアクリレートをまたHMAは2−エチルヘキ
シルアクリレートを表している。
【0023】この成形用スラリーを用い、実施例1と同
様の方法で厚み0.8mmのグリーンシートを得た。こ
のようにして得られたグリーンシートについて、目視で
クラックの発生の有無を調べ、その結果を表4に示し
た。比較例3、5、6、7、10、11、12及び13
ではクラックが発生したため、この工程以降の試験は行
なわなかった。クラックが発生しなかったグリーンシー
トについては、グリーンシートから打抜きによりダンベ
ル状の試験片を作製し、引張試験をして、グリーンシー
トの破断強度(引張強度)と伸び率を測定し、その結果
を表4に示した。次に、グリーンシートを表4に示すよ
うに、窒素中700℃、または大気中550℃で3時間
保持して脱バインダー処理を行なった。脱バインダー処
理後の試料の一部を粉砕し、残留カーボン量を測定し、
その結果を表4に示した。その後、脱バインダー処理後
の試料を窒素中1800℃で4時間焼成して焼成基板を
得た。得られた焼成基板の表面粗度及びそりを測定し、
その結果を表4に示した。なお、グリーンシートの伸び
率が3%以下と小さかった比較例8及び比較例14につ
いては、可塑性が不足していてグリーンシートが割れや
すい状態であったため焼成基板の作製は行なわなかっ
た。
【0024】また、得られたグリーンシートを1か月保
存してブリージングの発生を調べたところ可塑剤の添加
量が8重量部と多かった比較例9のみにブリージングが
発生し、その他の比較例についてはブリージングは発生
しなかった。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】表3及び表4から明らかなように、実施例
1〜7ではクラックのないグリーンシートが得られ、か
つ、グリーンシートを窒素中または約600℃までの大
気中で脱バインダーし、次いで、焼結したときに表面粗
度及びそりが小さい焼成基板が得られている。さらに、
EMA、MMA及びMAの共重合体におけるMMAの成
分比率が1〜20重量%の範囲内である実施例1〜4及
び実施例6に比べMMAの成分比率が30重量%である
実施例5では焼成基板の表面粗度及びそりが若干大きく
なっていることが確認された。
【0030】
【発明の効果】本発明に係る窒化アルミニウムグリーン
シートの製造方法は上記のように構成されているので、
請求項1に係る発明によれば、クラックのないグリーン
シートが得られ、かつ、グリーンシートを窒素中または
約600℃までの大気中で脱バインダーし、次いで、焼
結したときに表面粗度及びそりが小さい焼成基板が得ら
れる。また、請求項2に係る発明によれば、アクリル系
バインダーとしてEMA、MMA及びMAの共重合体を
用いた場合の焼成基板の表面粗度及びそりをさらに小さ
くできるという効果がある。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年3月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】本発明で使用する分散剤としては、重量平
均分子量が1万以上の高分子界面活性剤であることが重
要である。重量平均分子量が1万未満の場合にはバイン
ダーの添加によりスラリーの分散状態が崩れ、クラック
の発生している表面常態の悪いグリーンシートになりや
すいという問題ある。この重量平均分子量の上限につ
いては特に限定はなく、10万程度のものでも差し支え
ない。また、高分子界面活性剤の型については、特に限
定するものではないが、アニオン系の界面活性剤または
ノニオン系の界面活性剤が好ましい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梶田 進 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 余田 浩好 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 田中 恭史 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 石原 政行 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化アルミニウム粉末、焼結助剤粉末、
    分散剤、有機溶剤、アクリル系バインダー及び可塑剤を
    混合してスラリーとし、次いでドクターブレード法にて
    シート化する窒化アルミニウムグリーンシートの製造方
    法において、分散剤として重量平均分子量が1万以上の
    高分子界面活性剤を用い、アクリル系バインダーとして
    重量平均分子量が10万以上の、ブチルメタアクリレー
    ト単独重合体またはエチルメタクリレート、メチルメタ
    クリレート及びメチルアクリレートの共重合体を用い、
    かつ、予め窒化アルミニウム粉末、焼結助剤粉末、分散
    剤及び有機溶剤を混合して、窒化アルミニウム粉末及び
    焼結助剤粉末を分散させた後、アクリル系バインダー及
    び可塑剤を添加し、混合してスラリーとすることを特徴
    とする窒化アルミニウムグリーンシートの製造方法。
  2. 【請求項2】 エチルメタクリレート、メチルメタクリ
    レート及びメチルアクリレートの共重合体におけるメチ
    ルメタクリレートの成分比率が1〜20重量%である窒
    化アルミニウムグリーンシートの製造方法。
JP5297121A 1993-11-29 1993-11-29 窒化アルミニウムグリーンシートの製造方法 Withdrawn JPH07149572A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007261821A (ja) * 2006-03-27 2007-10-11 Tdk Corp セラミックペースト、その製造方法、およびそのセラミックペーストを用いた積層型セラミック電子部品の製造方法
KR100869224B1 (ko) * 2007-01-26 2008-11-18 전자부품연구원 세라믹 조성물 및 그로부터 제조되는 세라믹 그린 시트
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CN114014669A (zh) * 2021-12-16 2022-02-08 河北中瓷电子科技股份有限公司 一种抗拉伸氮化铝生瓷基片的制备方法

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