JP3312389B2 - セラミックス・グリーンシートおよびその現像方法 - Google Patents

セラミックス・グリーンシートおよびその現像方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体素子を搭載し、
かつそれらを相互に配線した高密度実装に用いられる高
熱伝導性セラミックス基板、特に多層セラミック基板に
用いる窒化アルミニウム(AlN)セラミックスで作製
したセラミックス・グリーンシートに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】半導体技術の飛躍的な発展によって、I
C,LSIが産業用、民需用に幅広く使用されるように
なった。特に集積度の高い、高速作動のLSIの実装用
基板として多層セラミックス基板が注目されている。こ
のセラミックス基板は直接LSIを実装する事ができ微
細配線が可能である。
【0003】一般にセラミックス基板の材料としては、
アルミナやガラス−セラミックスが使用されているが、
近年電気装置は一段と小型化され、回路の高密度化が強
く要求され、基板の単位面積当たりの素子や回路要素の
集積度が高くなっている。一方LSIにおいては、高速
作動を行うに従いチップから発生する熱が多量になって
いく傾向にある。この結果、基板の発熱が大幅に増加
し、アルミナやガラス−セラミックス基板では、熱の放
散性が十分でないという問題点が生じている。そのため
アルミナやガラス−セラミックスよりも熱伝導率が大き
く、熱の放散性に優れかつ熱膨張係数がSiに近い窒化
アルミニウム系の多層基板が必要になってきた。
【0004】多層セラミックス基板には大別すると、厚
膜印刷積層法とグリーンシート法がある。さらにグリー
ンシート法には積層法と印刷法がある。グリーンシート
印刷法はグリーンシート上に導電ペーストと絶縁ペース
トを交互に印刷積層し、多層化するもので、印刷、乾燥
を繰り返し行なった後に一回で焼成を完了するものであ
る。
【0005】グリーンシート積層法は、グリーンシート
印刷法とほぼ同一の手法であるが、多層化するときに、
導体を印刷し、ヴィアホール加工を済ませたグリーンシ
ートを多数枚積層して熱圧着後、焼成して多層基板とす
る方法である。この方法は後で詳細に述べるが、グリー
ンシートのヴィアホール形成後の穴径を小さくできない
ことやヴィアホール加工のための金型や治具を多く必要
とするなどの欠点がある。
【0006】従来の窒化アルミニウムからなるグリーン
シートは、特公平4−15640号公報、特公平4−1
5639号公報、特開平3−65566号公報に記載の
ごとく窒化アルミニウム、感光性を有しない有機バイン
ダー、可塑剤、溶媒および必要に応じて分散剤を適宜配
合した後、混合した後スラリーとしたのち、得られたス
ラリーをドクターブレード法などの公知の方法によって
グリーンシートを形成している。
【0007】窒化アルミニウム粉末としては窒化アルミ
ニウムの焼結性を高めるために、添加剤としてカルシウ
ム系化合物(例えばCaC2 、CaCO3 、CaC
2 、CaF2 )および/またはイットリウム系化合物
(例えばY2 3 )を加えた粉末が通常用いられる。
【0008】従来は、得られたグリーンシートは機械的
にポンチ・ダイによる金型やレーザでの孔あけ加工によ
り、ヴィアホールを形成していた。しかしながらヴィア
ホール(スルーホールとも言う)径が100〜200μ
mと大きいため基板の小型化には限界があった。
【0009】たとえばグリーンシート多層積層法による
多層基板の製造はグリーンシート原料であるスラリーを
キャリアフィルム上に連続的に薄く延ばしてグリーンシ
ートを形成した後、このグリーンシートの裏面からキャ
リアフィルムを剥離して除去し、グリーンシートを必要
なワークサイズに打ちぬくと共にグリーンシートに穴あ
け加工を施してヴィアホールを形成し、次に通常のスク
リーン印刷法によってグリーンシートのヴィアホール内
に導電ペーストを充填する。またグリーンシートの厚み
が50μm以下で薄い場合にはキャリアフィルムと一緒
に穴あけ加工をし、ヴィアホールを形成していた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、従来の超硬で作製した打ちぬき金型
(パンチ)などを用いてグリーンシートにヴィアホール
やスルーホールの形成を行なう方法の場合、超硬の強度
が低いため細径を有するパンチの製作が難しく、また細
い径のパンチによる加工後の歩留まりが極端に低いため
0.15mm以下の径の穴を開けることがほとんどでき
ず、実用化ができなかった。ヴィアホール基板での占有
面積はヴィアホール径の2乗に比例して大きくなるの
で、微細なヴィアホールが形成できると配線基板の小型
化が可能になるなどの多くのメリットが期待できるが、
従来の技術による限りこのようなメリットを期待するこ
とは不可能であった。
【0011】また超硬などを使用すると切粉がグリーン
シート中に混入し、絶縁不良発生の原因にもなる。超硬
パンチで穴開け加工をすると相手材である窒化アルミニ
ウムが超硬より硬いためパンチが磨耗し、頻繁に交換す
る必要があり、穴開けコストが高くなるという問題があ
る。
【0012】レーザ照射によってグリーンシートや焼
結後の窒化アルミ基板に穴開け加工することも行なわれ
ているが、多数の穴を一度に開けていく場合には多くの
時間を要し、量産には向かない上、ややコストが高くな
るという問題がある。また、レーザ加工によって穴開け
した場合には裏面側にいわゆる「バリ」を生ずるため高
精度のものが得られないことや焼成後の基板を研磨する
ことが必要などの欠点を有している。
【0013】従来はグリーンシートにヴィアホールを
形成する場合、グリーンシートの厚みが50μm以下特
に20μm以下になるとグリーンシートの強度が低いた
めポリエステルやPPSなどの保護フィルムをグリーン
シートに密着したまま孔加工を行なってきたが、孔開け
後グリーンシートの裏面側に加工屑などが付着したり、
保護フィルムを剥がすときにグリーンシートが変形する
などの問題があった。また保護フイルムは使い捨てにな
るのでグリーンシートにかかるコストが高くなる問題が
あった。
【0014】大量の情報を迅速に処理する必要から情
報処理技術の進歩は著しく、情報処理装置の主要部を構
成している半導体チップを窒化アルミニウム回路基板に
緻密に搭載して使用するが、一個の半導体チップの端子
数が多いことから回路基板上にパターンを形成する配線
長の数は膨大となり、必然的に多層配線構造が必要にな
る。この場合、ヴィア形成のためヴィアホールを如何に
容易かつ迅速に形成し、穴径を細くするかが必要であ
る。
【0015】本発明はかかる従来技術の諸欠点に鑑み創
案されたもので、その目的とするところは、従来の窒化
アルミニウム・グリーンシートが有する欠点を解消し、
ヴィアホールやスルーホールの形成が容易にかつ精度よ
くできしかも微細な孔を確実に形成することのできる窒
化アルミからなるグリーン・シートを提供することにあ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、(a) 窒化アルミニウム粉末と、 (b)側鎖にカルボキシル基を有し、かつ、酸価が40
以上である 感光性樹脂 (c)光反応性化合物、および、 (d)光重合開始剤 よりなる 組成物とを含有することを特徴とするセラミッ
クス・グリーンシート、または (a)窒化アルミニウム粉末と (b)側鎖にエチレン性不飽和基を有する感光性樹脂、 (c)光反応性化合物、および、 (d)光重合開始剤よりなる組成物と を含有することを特徴とするセラミッ
クス・グリーンシート、により達成される。
【0017】すなわち、従来の有機バインダーに対して
感光性樹脂組成物、好ましくは、側鎖にカルボキシル基
および/またはエチレン性不飽和基を有する感光性樹
脂、特に好ましくは、側鎖にカルボキシル基とエチレン
性不飽和基を有するアクリル系共重合体及び光反応性化
合物から主としてなる組成物を用いてスラリーを調整す
ることにより、ホトリソグラフイの技術を用いたヴィア
ホールやスルーホールおよび微細なパターンの形成が容
易に精度よくでき、かつ微細な孔を有するグリーンシー
トを提供するものである。以下、特に好ましい、感光性
樹脂が側鎖にカルボキシル基とエチレン性不飽和基を有
するアクリル系共重合体を例に採り説明して行くがこれ
に限定されるものではない。
【0018】本発明において使用される窒化アルミニウ
ム(AlN)粉末としては、窒化アルミニウムに公知の
添加剤であるカルシウム系化合物(例えばCaC2 、C
aCO3 、CaCN2 、CaF2 、CaO)やイットリ
ウム系化合物(例えばY2 3 )を0.5〜20重量%
加えた粉末を用いることができる。また、Y,希土類元
素、アルカリ土類元素、炭素などの添加物を金属元素換
算で0.01〜15重量%加えた混合粉末、MgC2
ZrC,VC,NbCなどの炭化物を1〜5重量%添加
した混合粉末、BeOなどの酸化物を添加した混合粉末
なども使用することができる。より好ましい添加量は、
2 3 およびBeOの場合、1〜10重量%、酸化カ
ルシウムの場合、1〜5重量%、炭素の場合は1重量%
以下である。これらの添加物は単独あるいは二種類以上
混合して使用することができる。これらの範囲の添加物
を加えることによって窒化アルミニウムの焼結性を向上
させ、緻密でかつ高熱伝導度を有する焼結体が得られ
る。
【0019】本発明において使用する窒化アルミニウム
粉末の粒子径は作製しようとするグリーンシートの厚み
や焼成後の収縮率を考慮して選ばれるが、粉末の場合は
0.05〜4μmの範囲にあることが好ましい。より好
ましい範囲は0.5〜2μmである。余り細かすぎると
焼成後の収縮率が大きくなり高精度のグリーンシートが
得られない。また紫外線露光時に光が十分透過しないた
め上下の孔径差のない均一なヴィアホールが得られな
い。また比表面積は10〜30m2 /gが好ましい範囲
である。この範囲にあると紫外線が十分露光し、より均
一なヴィアホールやシャープな微細パターン形成ができ
るからである。
【0020】本発明で用いられる感光性樹脂としては、
従来から公知の感光性樹脂を適用することができる。こ
れらの感光性樹脂からなる感光層は活性な光線を照射す
ることにより不溶化または可溶化する層である。
【0021】光不溶化型感光性物質の例としては、
(1)1分子に不飽和基などを1つ以上有する官能性の
モノマーやオリゴマーを適当なポリマーバインダーと混
合したもの、(2)芳香族ジアゾ化合物、芳香族アジド
化合物、有機ハロゲン化合物などの感光性化合物を適当
なポリマーバインダーと混合したもの、(3)既存の高
分子に感光性の基をペンダントさせることにより得られ
る感光性高分子あるいはそれを改質したもの、(4)ジ
アゾ系アミンとホルムアルデヒドとの縮合物などいわゆ
るジアゾ樹脂といわれるもの、などがあげられる。
【0022】また光可溶型感光性物質の例としては、
(1)ジアゾ化合物の無機塩や有機酸とのコンプレック
ス、キノンジアゾ類などを適当なポリマーバインダーと
混合したもの、(2)キノンジアゾ類を適当なポリマー
バインダーと結合させた、例えばフェノール、ノボラッ
ク樹脂のナフトキノン1、2−ジアジド−5−スルフォ
ン酸エステル、などがあげられる。
【0023】とくに好ましい感光性樹脂は、側鎖にカル
ボキシル基とエチレン性不飽和基を有するアクリル系共
重合体であり、不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和化
合物を共重合させて形成したアクリル系共重合体にエチ
レン性不飽和基を側鎖に付加させることによって製造す
ることができる。
【0024】不飽和カルボン酸の具体的な例としては、
アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、クロトン
酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、またはこれら
の酸無水物などがあげられる。一方、エチレン性不飽和
化合物の具体的な例としては、メチルアクリート
チルメタアクリート、エチルアクリート、エチルメ
タクリート、n−プロピルアクリート、イソプロピ
ルアクリート、n−ブチルアクリート、n−ブチル
メタクリート、sec−ブチルアクリート、sec
−ブチルメタクリート、イソ−ブチルアクリート、
イソブチルメタクリート、tert−ブチルアクリ
ート、tert−ブチルメタクリート、n−ペンチル
アクリート、n−ペンチルメタクリート、スチレ
ン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メ
チルスチレンなどが挙げられるが、特にここに挙げたも
のに限られるものでない。これらのアクリル系共重合体
の主重合成分として前記に挙げたエチレン性不飽和化合
物の中から少なくともメタクリル酸メチルを含むことに
よって熱分解性の良好な共重合体を得ることができる。
【0025】側鎖のエチレン不飽和基としては、ビニル
基、アリル基、アクリル基、メタクリル基のようなもの
がある。このような側鎖をアクリル系共重合体の主鎖に
付加させる方法としては、主鎖中のカルボキシル基にグ
リシジル基を有するエチレン性不飽和化合物やアクリロ
イルクロライドを付加反応させて作る方法がある。
【0026】ここでいうグリシジル基を有するエチレン
性不飽和化合物やクロライドアクリレートとしてはグリ
シジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリ
ルグリシジルエーテル、α−グリシジルエチルアクリレ
ート、クロトニルグリシジルエーテル、クロトン酸グリ
シジルエーテル、イソクロトン酸グリシジルエーテル、
アクリロイルクロライドメタクリロイルクロライド
アリルクロライドなどが挙げられる。またこれらのグリ
シジル基を有するエチレン性不飽和化合物或いはアクリ
ロイルクロライドの付加量はアクリル系ポリマ中のカル
ボキシル基に対して0.05〜1モル当量が望ましく、
さらに好ましくは0.1〜0.8モル当量が望ましい。
エチレン性不飽和化合物の付加量が0.05当量未満で
は感光特性が不良となりパターンの形成が困難になる。
【0027】こうして得られた側鎖にカルボキシル基と
エチレン性不飽和基を有するアクリル系共重合体の酸価
(AV)は40〜200であることが好ましく、より好
ましくは60〜160である。さらに好ましくは80〜
140の範囲である。酸価が40未満であるとエチレン
性不飽和基の量が増加しやすく、感光性を有するカルボ
キシル基の割合が低下するので現像許容幅が狭いうえ、
パターンエッジの切れが悪くなりやすい。また酸価が2
00を越えると未露光部の現像液に対する溶解性や塗布
膜の硬度が低下しやすくなる。なお、側鎖にカルボキシ
ル基を有することを必須とする本発明の態様において
は、前記酸価は40以上であることが必要である。
【0028】また、本発明の感光性樹脂組成物の中に、
光反応性化合物を含有することが好ましい。本発明で使
用することのできる光反応性化合物としては、光反応性
を有する炭素−炭素不飽和結合を含有する化合物が挙げ
られる。その具体的な例としてアリルアクリート、ベ
ンジルアクリート、ブトキシエチルアクリート、ブ
トキシトリエチレングリコールアクリート、シクロヘ
キシルアクリート、ジシクロペンタニルアクリ
ト、ジシクロペンテニルアクリート、2−エチルヘキ
シルアクリート、グリセロールアクリート、グリシ
ジルアクリート、ヘプタデカフロロデシルアクリ
ト、2−ヒドロキシエチルアクリート、イソボニルア
クリート、2−ヒドロキシプロピルアクリート、イ
ソデキシルアクリート、イソオクチルアクリート、
ラウリルアクリート、2−メトキシエチルアクリ
ト、メトキシエチレングリコールアクリート、メトキ
シジエチレングリコールアクリート、オクタフロロペ
ンチルアクリート、フェノキシエチルアクリート、
ステアリルアクリート、トリフロロエチルアクリ
ト、アリルかシクロヘキシルジアクリート、ビスフェ
ノールAジアクリート、1,4−ブタンジオールジア
クリート、1,3−ブチレングリコールジアクリ
ト、エチレングリコールジアクリート、ジエチレング
リコールジアクリート、トリエチレングリコールジア
クリート、ポリエチレングリコールジアクリート、
ジペンタエリスリトールヘキサアクリート、ジペンタ
エリスリトールモノヒドロキシペンタアクリート、ジ
トリメチロールプロパンテトラアクリート、グリセロ
ールジアクリート、メトキシかシクロヘキシルジアク
ート、ネオペンチルグリコールジアクリート、プ
ロピレングリコールジアクリート、ポリプロピレング
リコールジアクリート、トリグリセロールジアクリ
ート、トリメチロールプロパントリアクリートおよび
上記のアクリートをメタクリートに変えたもの、γ
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、1−ビ
ニル−2−ピロリドンなどが挙げられる。本発明ではこ
れらを1種または2種以上使用することができる。
【0029】本発明では、感光性樹脂組成物の中に、さ
らに光重合開始剤を含有することが好ましい。本発明で
用いることのできる光重合開始剤の具体的な例として、
ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,
4−ビス(ジメチルアミン)ベンゾフェノン、4,4−
ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、α−アミノ・
アセトフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、4
−ベンゾイル−4−メチルジフェニルケトン、ジベンジ
ルケトン、フルオレノン、2,2−ジエトキシアセトフ
ェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニル−2−フェ
ニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロ
ピオフェノン、p−t−ブチルジクロロアセトフェノ
ン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−
クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサント
ン、ジエチルチオキサントン、ベンジル、ベンジルジメ
チルケタノ−ル、ベンジル−メトキシエチルアセタ−
ル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエ−テル、ベンゾイ
ンブチルエ−テル、アントラキノン、2−t−ブチルア
ントラキノン、2−アミルアントラキノン、β−クロル
アントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベ
ンゾスベロン、メチレンアントロン、4−アジドベンザ
ルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリ
デン)シクロヘキサノン、2,6−ビス(p−アジドベ
ンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、2−フェ
ニル−1、2−ブタジオン−2−(o−メトキシカルボ
ニル)オキシム、1−フェニル−プロパンジオン−2−
(o−エトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェ
ニル−プロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニ
ル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシ−プロパン
トリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、ミヒラ−
ケトン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]
−2−モルフォリノ−1−プロパノン、ナフタレンスル
ホニルクロライド、キノリンスルホニルクロライド、N
−フェニルチオアクリドン、4、4−アゾビスイソブチ
ロニトリル、ジフェニルジスルフィド、ベンズチアゾー
ルジスルフィド、トリフェニルホルフィン、カンファー
キノン、四臭素化炭素、トリブロモフェニルスルホン、
過酸化ベンゾイン及びエオシン、メチレンブルーなどの
光還元性の色素とアスコルビン酸、トリエタノールアミ
ンなどの還元剤の組合せなどが挙げられる。本発明では
これらを1種または2種以上使用することができる。
【0030】側鎖にカルボキシル基とエチレン性不飽和
基を有するアクリル系共重合体は、光反応性化合物に対
して通常、重量比で0.1〜10倍量用いるのが好まし
い。該アクリル系共重合体の量が0.1倍量未満である
と、スラリーの粘度が小さくなり、スラリー中での分散
の均一性が低下するおそれがある。一方、アクリル系共
重合体の量が10倍量をこえると、未露光部の現像液へ
の溶解性が不良となりやすい。
【0031】光重合開始剤は、側鎖にカルボキシル基と
エチレン性不飽和基を有するアクリル系共重合体と光反
応性化合物の和に対し、0.1〜50重量%の範囲で用
いられることが好ましい。より好ましくは、2〜25重
量%である。重合開始剤のが少なすぎると、光感度が
不良となりやすく、多すぎると、露光部の残存率が小さ
くなりすぎるおそれがある。
【0032】本発明のグリーンシート形成用のスラリー
の好ましい組成としては、次の範囲で選択するのが好ま
しい。
【0033】 (a)窒化アルミニウム粉末 ;70〜90重量% (b)側鎖にカルボキシル基とエチレン性不飽和基を有するアクリル系共重合 体と光反応性化合物 ;30〜10重量% (c)光重合開始剤 ;上記(b)成分に対して0.1〜50重量% 本発明のグリーンシート用のスラリーは、側鎖にカルボ
キシル基とエチレン性不飽和基を有するアクリル系共重
合体(ポリマーバインダー成分)と光重合開始剤を光反
応性化合物に溶解し、この溶液に窒化アルミニウム粉末
を分散させることによって製造することができる。側鎖
にエチレン性不飽和基を有するアクリル系共重合体と光
重合開始剤が光反応性化合物に溶解しない場合或いは溶
液の粘度を調整したい場合には該アクリル系共重合体、
光重合開始剤及び光反応性化合物の混合溶液が溶解可能
である有機溶媒を加えてもよい。たとえばメチルセルソ
ルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルエ
チルケトン、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノ
ン、シクロペンタノン、イソブチルアルコール、イソプ
ロピルアルコール、テトラヒドロフラン、ジメチルスル
フォキシド、γ−ブチロラクトンなどやこれらのうちの
1種以上を含有する有機溶媒混合物が用いられる。
【0034】上記ポリマーバインダーには、必要に応じ
て従来から公知の有機バインダー、可塑剤、分散剤を添
加することができる。公知の有機バインダーおよび可塑
剤の量は上記の(a)成分の量に対して、10重量%未
満であるのが好ましい。10重量%を越えるとバインダ
ー量および可塑剤の量が多くなり過ぎて紫光線露光時に
おいて光硬化の機能が少なくなり、現像時のパターンの
切れおよびヴィアホールの孔形成の精度が低下する。ま
たグリーンシートを窒素ガスなどの中性雰囲気下で焼成
する時にバインダの除去が困難になる。分散剤の量は、
5重量%以下であるのが好ましい。
【0035】本発明において使用することのできる従来
公知の有機バインダーとしては、たとえばポリビニルア
ルコール、ポリビニルブチラール、メタクリル酸エステ
ル重合体、アクリル酸エステル重合体、アクリル酸エス
テル−メタクリル酸エステル共重合体、α−メチルスチ
レン重合体、ブチルメタクリレート樹脂などから選ばれ
た少なくとも1種を含むものを挙げることができる。可
塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレ
ート、ポリエチレングリコール、グリセリンなどが用い
られる。有機バインダー用の溶剤はアルコール、トルエ
ン、アセトン、メチルエチルケトン、ブタノール、トリ
クロールエチレン、メチルイソブチルケトン、イソホロ
ンなどが適宜用いられる。分散剤としては、ソルビタン
酸エステル、アルキレングリコール、ポリカルボン酸類
などが好ましく用いられる。
【0036】上記においてより好ましくは、(a)成分
の窒化アルミニウム粉末と(b)成分の組成をそれぞれ
75〜88重量%、25〜12重量%に選択するのがよ
い。この範囲にあると露光時において紫外線が良く透過
し、光硬化の機能が十分発揮され、後の現像時における
露光部の残存率を大きくすることができる。また特に
(b)成分の量をこの範囲とすることにより焼成後の焼
結体が緻密になり、高強度の基板が得られる利点があ
る。
【0037】上記組成の混合物をボールミルあるいはア
トライターでたとえば20〜48時間粉砕・混合し、ス
ラリーを作製する。またスラリーの粘度を調整するため
に必要に応じて上記の溶媒を添加する。スラリーはドク
ターブレードを用いてポリエステルフィルム上に連続的
に厚さ0.01〜0.5mmに成形する。この時、粉末
の調合、成形工程では紫外線を遮断できるところで行な
う必要がある。紫外線を遮断しないで行なうと、グリー
ンシートが紫外線によって光硬化してしまい、本発明の
効果を発揮できるシートが得られない。次いで80〜1
20℃の温度で加熱して溶媒類を蒸発させ、シートにす
る。このシートを所定の形状に切断する。
【0038】続いて、得られた窒化アルミニウム・グリ
ーンシートはフォト・マスクパターンを用いて露光、現
像して、ヴィアホール或いはスルーホール径0.01〜
0.2mmの孔をヴィアホールピッチ0.01〜3.0
mmの間隔にあける。
【0039】窒化アルミニウム・グリーンシートは通常
のフォトマスク法を用いて露光される。この際使用され
る活性光源はたとえば紫外線、電子線、X線などが挙げ
られるが、これらの中で紫外線が好ましく、その光源と
してはたとえば低圧水銀灯、高圧水銀灯、ハロゲンラン
プ、殺菌灯などが使用できる。これらのなかでも超高圧
水銀灯が好適である。露光条件はグリーンシートの厚み
によっても異なるが、5〜100mW/cm2 の出力の
超高圧水銀灯を用いて10秒〜30分間露光を行なう。
【0040】露光後、現像液を使用して現像を行なう
が、この場合、浸漬法やスプレー法で行なう。現像液と
しては前記の感光性樹脂及び光重合開始剤の混合物が溶
解可能である有機溶媒を使用できる。また該有機溶媒に
その溶解力が失われない範囲で水を添加してもよい。ま
たアクリル系共重合体の側鎖にカルボキシル基が存在す
る場合、アルカリ水溶液で現像できる。アルカリ水溶液
として水酸化ナトリウムや水酸化カルシウム水溶液など
のような金属アルカリ水溶液を使用できるが、有機アル
カリ水溶液を用いた方が焼成時にアルカリ成分を除去し
やすいので好ましい。有機アルカリの具体例としては、
テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチル
ベンジルアンモニウムヒドロキサイド、モノエタノール
アミン、ジエタノールアミンなどが挙げられる。アルカ
リ水溶液の濃度は、0.01〜20重量%が好ましく、
より好ましくは0.1〜10重量%である。アルカリ濃
度が低すぎれば未露光部が除去されにくく、アルカリ濃
度が高すぎれば、露光部を腐食させるおそれがあり良く
ない。
【0041】ネガ型の光硬化型の樹脂を使用した場合、
細い径を必要とするヴィアホール(露光によって硬化し
ていないホール)では現像が確実にかつ容易であるので
貫通した穴が上下の穴径差が発生しないでできる。
【0042】次にこのヴィアホール部に印刷、スキー
ジ、ディスペンサあるいはローラなどの埋め込み法によ
ってW,Mo,Ti,Zr,TiB2 ,ZrB2 ,(3
0〜70)TiB2 −(70〜30)ZrB2 組成物,
TiN,ZrNなどの導体ペーストを充填してヴィアホ
ール内に配線の層間隔接続用の導体を形成する。また必
要に応じてシート表面に所定の導体、絶縁体或いは抵抗
体パターンを印刷する。またヴィアホールを形成するの
と同様の方法でガイド穴をあける。次に必要な枚数のシ
ートをガイド孔を用いて積み重ね、90〜130℃の温
度で50〜200kg/cm2 の圧力で接着し、多層基
板からなるシートを作製する。
【0043】続いて、上記の窒化アルミニウム多層構造
体を基板の焼結に必要な温度1400〜1900℃で焼
成する。焼成雰囲気としては、窒化アルミニウムが酸化
性雰囲気では分解するため、窒素或いはその他の中性、
還元性雰囲気或いは酸素を微量含有する中性雰囲気が好
ましい。例えば、酸素を10〜100ppm含有し、残
部が窒素或いはアルゴンなどの中性ガス或いは水蒸気で
制御された雰囲気中でバインダーを分解、蒸発させる。
焼成温度は有機バインダーを完全に酸化、蒸発させる温
度として400〜550℃で10分〜5時間保持した
後、1400〜1900℃で焼結する。多層基板の内部
に使用できる導体はWやMoなどの高融点金属、窒化ジ
ルコニウム、窒化チタン、窒化バナジウムなどの窒化物
或いはホウ化チタン、ホウ化ジルコニウム、ホウ化タン
タルなどのホウ化物である。
【0044】上記において好ましいグリーンシートの厚
みは0.01〜0.05mmである。この範囲にあると
径0.01〜0.05mmのヴィアホールやスルーホー
ルの上下の孔径差がつかずに形成できるという効果があ
る。
【0045】本発明の窒化アルミニウム・グリーンシー
トに、光感度を向上させる増感剤を添加してもよい。増
感剤の具体例として、2,3−ビス(4−ジエチルアミ
ノベンザル)シクロペンタノン、2,6−ビス(4−ジ
メチルアミニベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ビ
ス(4−ジメチルアミノベンザル)−4−メチルシクロ
ヘキサノン、ミヒラーケトン、4,4−ビス(ジエチル
アミノ)−ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジメチルア
ミノ)カルコン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)カル
コン、p−ジメチルアミノシンナミリデンインダノン、
p−ジメチルアミノベンジリデンインダノン、2−(p
−ジメチルアミノフェニルビニレン)−イソナフトチア
ゾール、1,3−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)
アセトン、1,3−カルボニル−ビス(4−ジエチルア
ミノベンザル)アセトン、3,3−カルボニル−ビス
(7−ジエチルアミノクマリン)、N−フェニル−N−
エチルエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミ
ン、N−トリルジエタノールアミン、N−フェニルエタ
ノールアミン、ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、ジ
エチルアミノ安息香酸イソアミル、3−フェニル−5−
ベンゾイルチオ−テトラゾーラゾール、1−フェニル−
5−エトキシカルボニルチオーテトラゾールなどが挙げ
られる。本発明ではこれらを1種または2種以上使用す
ることができる。なお、増感剤の中には光重合開始剤と
しても使用できるものがある。
【0046】増感剤を本発明の窒化アルミニウム・グリ
ーンシートに添加する場合、その添加量は感光性樹脂に
対して、0.1〜30重量%の範囲で使用するのが好ま
しく、より好ましくは0.5〜15重量%である。増感
剤の量が少なすぎれば光感度を向上させる効果が発揮さ
れず、増感剤の量が多すぎれば露光部の残存率が小さく
なりすぎるおそれがある。
【0047】また、本発明のグリーンシート用スラリー
に、保存時の熱安定性を向上させるため、熱重合禁止剤
を添加すると良い。熱重合禁止剤の具体的な例として
は、ヒドロキノン、N−ニトロソジフェニルアミン、フ
ェノチアジン、p−t−ブチルカテコ−ル、N−フェニ
ルナフチルアミン、2,6−ジ−t−ブチル−p−メチ
ルフェノール、クロラニール、ピロガロールなどが挙げ
られる。熱重合禁止剤を添加する場合、その添加量は、
側鎖にカルボキシル基とエチレン性不飽和基を有するア
クリル系共重合体と光反応性重合性化合物の和に対し、
通常、0.1〜20重量%、より好ましくは、0.5〜
10重量%である。熱重合禁止剤の量が少なすぎれば、
保存時の熱的な安定性を向上させる効果が発揮されず、
熱重合禁止剤の量が多すぎれば、露光部の残存率が小さ
くなりすぎるおそれがある。
【0048】さらに、本発明の窒化アルミニウム・グリ
ーンシートには保存時におけるアクリル系共重合体の酸
化を防ぐために酸化防止剤を添加できる。酸化防止剤の
具体的な例として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾ
ール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2、6−ジ−t
−4−エチルフェノール、2,2−メチレン−ビス−
(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2−
メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノ
ール)、4,4−チビス−(3−メチル−6−t−ブチ
ルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−
6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−
(2−メチル−4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)
ブタン、ビス[3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−3−
t−ブチルフェニル)ブチリックアッシッド]グリコー
ルエステル、ジラウリルチオジプロピオナート、トリフ
ェニルホスファイトなどが挙げられる。酸化防止剤を添
加する場合、その添加量は通常、窒化アルミニウム粉
末、感光性樹脂および光重合開始剤の総和に対して0.
01〜5重量%、より好ましくは0.1〜1重量%であ
る。酸化防止剤の量が少なければ保存時のアクリル系共
同重合体の酸化を防ぐ効果が得られず、酸化防止剤の量
が多すぎれば露光部の残存率が小さくなりすぎるおそれ
がある。
【0049】
【実施例】
実施例1〜10 下記の実施例において濃度はとくに断らない限りすべて
重量%で表わす。
【0050】A.窒化アルミニウム粉末成分 窒化アルミニウム(AlN)粉末100%に対してC
aCO3 5%、平均粒子径0.8μm 窒化アルミニウム粉末100%に対してY2 3
%、平均粒子径0.7μm 窒化アルミニウム粉末100%に対してCaCO3
%およびY2 3 3%、平均粒子径0.8μm B.側鎖にカルボキシル基とエチレン不飽和基を有する
アクリル系共重合体(以下、単に「ポリマーバインダ
ー」と略す) ポリマーバインダーI;40%のメタアクリル酸、30
%のメチルメタアクリレートおよび30%のスチレンに
対して0.4当量のグリシジルアクリレートを付加反応
させたポリマー ポリマーバインダーII;30%のメタアクリル酸、3
5%のエチルメタクリレートおよび35%のスチレンに
対して0.3当量のアクリロイルクロライドを付加反応
させたポリマー C.光反応性化合物(以下単に「モノマー」と略す) モノマーI;トリメチロール・プロパン・トリアクリ
ート モノマーII;2−ヒドロキシエチルアクリートを1
にプロピレングリコールジアクリートを2の割合で混
ぜたもの。
【0051】D.可塑剤 ジブチルフタレート E.溶媒 γ−ブチロラクトン、イソプロピルアルコール、メチル
アルコールおよびメチルエチルケトンの混合溶媒。
【0052】F.光重合開始剤 α−アミノ・アセトフェノン G.有機バインダー(ポリマーバインダーとして使用さ
れるものを除く。) ポリビニルブチラール <グリーンシートの製造> A.有機ビヒクルの作製 溶媒およびポリマーバインダーを混合し、攪拌しながら
120℃まで加熱しすべてのポリマーバインダーを均質
に溶解させた。ついで溶液を室温まで冷却し、光重合開
始剤、可塑剤、有機バインダーを加えて溶解させた。そ
の後溶液を400メッシュのフィルターを通過し、濾過
した。
【0053】B.スラリー調製 スラリーの作製は上記の有機ビヒクルにモノマーおよび
窒化アルミニウム粉末成分を所定の組成となるように添
加し、アトライターで24時間湿式混合し、スラリーを
調製した。調製した組成を表1および表2に示す。
【0054】C.グリーンシートの作製 成型は紫外線を遮断した室内でポリエステルのキャリア
フィルムとブレードとのギャップを0.40mmとし、
送り速度2.5m/分でドクターブレード法によって行
った。得られたグリーンシートの膜厚を表1および表2
に示した。
【0055】
【表1】
【表2】 D.露光、現像 上記で作製したグリーンシートを120mm角に切断し
た後、温度90℃に40分加熱し、溶媒を蒸発させた。
次にクロムマスクを用いて径40μmのヴィアホール数
3000本を有するクロムマスクを用いて、上面から5
0mW/cm2の出力の超高圧水銀灯で紫外線露光し
た。次に25℃に保持したモノエタノールアミンの1重
量%の水溶液に浸漬して現像し、その後スプレーを用い
て光硬化していないヴィアホールを水洗浄した。
【0056】E.印刷、積層 次に上記で光硬化法によりヴィアホールを形成したグリ
ーンシートのヴィアホールにスクリーン印刷法でWの厚
膜ペーストを埋め込み、配線の層間接続用の導体を形成
する。またグリーンシートの表面に上記と同じ厚膜ペー
ストを用いて所定の回路パターンを印刷する。W導体を
印刷した10枚のグリーンシートをガイド穴を用いて積
み重ね、80℃で、90kg/cm2 の圧力で保持時間
30分で熱圧着し、10層からなる多層の窒化アルミニ
ウム・グリーンシートを作製した。
【0057】F.焼結 得られた10層の積層体であるグリーンシートはH
2 (水素)ガスとN2 (窒素)ガス雰囲気中で500℃
で5時間の焼成を行い、脱バインダー後、1800℃の
温度にて3時間保持して焼結し、窒化アルミニウム多層
基板を得た。
【0058】このように光硬化性の樹脂を含むグリーン
シートを用いてフォトリソグラフィー法によりヴィアホ
ールを形成し、作製した窒化アルミニウム多層基板は微
細なヴィアホールができるため小型化、高密度化に有利
である。ヴィアホール形成用のスクリーンが必要なく、
セルフアライメントとなり、従来のような位置ズレがな
くなった。
【0059】光硬化により均一なヴィアホールが形成で
き、ヴィアホールが微細であるのでヴィア形成部でのポ
アーの発生もなく、断線がまったく見られなかった。こ
の結果、高い信頼性を得ることができた。またヴィアホ
ール径が4〜8倍である従来の多層基板に比較して信号
電搬速度が大幅に減少した。
【0060】比較例 上記の窒化アルミニウム粉末のうちの粉末組成105
%,ポリビニルブチラール10%,ジブチルフタレート
10%、エタノール50%をアトライタで混合し、上記
と同じ条件でドクターブレード法にて膜厚100μmの
グリーンシートを作製した。次に金型によるパンチプレ
スにてヴィアホール径200μmの穴を2000本加工
した。
【0061】次に上記のEで述べたのと同じようにWペ
ーストを用いて導体を形成後、10層積層した。次に上
記のFで述べたのと同じ条件で焼結した。
【0062】作製した窒化アルミニウム多層配線基板に
は、導体配線およびヴィアホールの回りにクラック、バ
リ、電極はがれなどが多数観察された。
【0063】
【発明の効果】本発明によると、電極剥がれや割れのな
い、接続信頼性の高いヴィアホールやスルーホールの形
成が容易にかつ精度よくでき、しかも微細な孔を確実に
形成することができるので、配線基板の面積が小型化さ
れ、信頼性が高く、高性能で高密度な多層配線基板を得
ることができる。
【0064】ヴィアホールの基板での占有面積がヴィア
ホール径の2乗に比例して大きくなるので微細なヴィア
ホールの形成ができると配線基板の小型化が可能になる
などの大きな特徴がある。たとえば大きさ150mm角
のグリーンシートにおいて全体のヴィアホール数が20
00〜3000本であり、このうち信号用の本数が約1
500本あるが、ヴィアホール径の微細化によって小型
化に加えて導体ペーストの信頼性が向上する。すなわ
ち、ヴィアホール径が0.1mm以下、好ましくは0.
05mm以下になるとヴィアホール内への導体ペースト
の印刷が容易になり、埋め込み不足や抜け落ちがなくな
る。また導電ペーストを焼成した場合、焼成に伴う収縮
量もヴィアホール径の微細化に伴って小さくなるので電
極割れが発生しなくなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/581 C04B 35/622 - 35/636 H05K 1/03

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)窒化アルミニウム粉末と、 (b)側鎖にエチレン性不飽和基を有する感光性樹脂、 (c)光反応性化合物、および、 (d)光重合開始剤 よりなる組成物とを含有することを特徴とするセラミッ
    クス・グリーンシート。
  2. 【請求項2】(a)窒化アルミニウム粉末と、 (b)側鎖にカルボキシル基とエチレン性不飽和基を有
    する感光性樹脂、 (c)光反応性化合物、および、 (d)光重合開始剤 よりなる組成物とを含有することを特徴とするセラミッ
    クス・グリーンシート。
  3. 【請求項3】感光性樹脂がアクリル共重合体である請求
    項1または2に記載の感光性セラミックス・グリーンシ
    ート。
  4. 【請求項4】感光性樹脂の酸価が40以上である請求項
    3に記載の感光性セラミックス・グリーンシート。
  5. 【請求項5】感光性樹脂は紫外線硬化型液状化合物を除
    くものである請求項1〜4のいずれかに記載の感光性セ
    ラミックス・グリーンシート。
  6. 【請求項6】請求項1〜4のいずれかに記載の感光性セ
    ラミックス・グリーンシートにおける所定の成分と有機
    溶媒とからなることを特徴とする感光性セラミックス・
    グリーンシート用スラリー。
  7. 【請求項7】(a)窒化アルミニウム粉末と、 (b)側鎖にエチレン性不飽和基を有する感光性樹脂 (c)光反応性化合物、および、 (d)光重合開始剤よりなる組成物と を含有する感光性セラミックス・グリ
    ーンシートをアルカリ水溶液により現像することを特徴
    とするセラミックス・グリーンシートの現像方法。
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