JP6293000B2 - 成形体の製造方法、スパークプラグ用絶縁体の製造方法、及びスパークプラグの製造方法 - Google Patents

成形体の製造方法、スパークプラグ用絶縁体の製造方法、及びスパークプラグの製造方法 Download PDF

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本発明は、焼成後にセラミックとなる無機組成物粉末(以下、単に無機組成物粉末ともいう)を主成分とする原料粉末を加圧してなる中間体を、砥石によって所定形状に研削することで得られる成形体の製造方法、及びこの方法で製造される成形体を焼成してなるスパークプラグ用絶縁体の製造方法、そして、このスパークプラグ用絶縁体を備えるスパークプラグの製造方法に関する。
内燃機関用のスパークプラグは、内燃機関(エンジン)に取付けられ、燃焼室内の混合気への着火のために用いられる。このようなスパークプラグは、電気的な絶縁性を有する中空軸状のスパークプラグ用絶縁体(以下、単に「絶縁体」ともいう)と、これを包囲して保持する主体金具と、絶縁体の軸孔の先端側に挿通される中心電極と、軸孔の後端側に挿通される端子電極(端子金具)と、主体金具の先端部に設けられ、中心電極の先端との間で火花放電間隙を形成する接地電極等を備えた構成を有している。
ところで、この種のスパークプラグを構成する部品であるスパークプラグ用絶縁体は、従来、次のようにして製造されていた(特許文献1)。すなわち、筒状の成形用ラバー型のキャビティ内に、水溶性樹脂をバインダーとして含むアルミナ(セラミック)を主成分とする原料粉末を充填し、このキャビティ内に棒状のプレスピンを挿入する。そして、成形用ラバー型に、その径方向から液圧を加えることで原料粉末を加圧(圧縮)して中間体(圧粉成形体)を得る。次いで、研削盤により、プレスピンによって形成された軸孔となるべき非貫通の穴部に対して、後端側から支持ピンを挿通した上で、この中間体をその軸線回りに回転させると共に、その外周面に、絶縁体の外周面の凹凸に対応する所定の形状を有する砥石(研削用回転ローラ)を、その中間体の軸線と平行な中心軸を回転軸として回転させつつ、その砥石の外周面に、中間体の外周面を接触させると共に、押え付け、所定の切込みが得られるようにして、中間体の外周面の研削代(加工代)を研削により削除する。これにより、その中間体は、絶縁体となるべき所定の寸法、形状の研削(加工)済みの成形体となる。そして、その後、この成形体を焼成することでスパークプラグ用絶縁体が得られる。
上記したように、スパークプラグ用絶縁体の製造においては、圧粉成形体である中間体において、その外周面に、砥石(研削用回転ローラ)を押え付け、研削代(加工代)の部分を研削して、その中間体を所定の形状、寸法の成形体にする必要がある。したがって、この研削加工においても従前より、その製造コストの低減や生産性(加工効率)の向上(研削時間の短縮)が強く求められている。しかしながら、スパークプラグ用絶縁体には、その用途よりして、極めて高い機械的強度や絶縁性(耐電圧性)が要求される。このため、この絶縁体には、密度の緻密化や均一化の要請が極めて高く求められている。したがって、焼成前の加圧成形体であるその中間体といえども、それ自体、相当な高強度のものとして成形される。
特開2012−238609号公報
このようなことから、スパークプラグ用絶縁体の成形体は、中間体であっても、被削性が悪く、研削は容易ではなく、したがって、その研削においては加工効率の向上(研削時間の短縮)が容易でないといった問題があった。その具体的な理由、事情は次のようである。この種の中間体は、従来、水溶性樹脂をバインダーとして含む原料粉末から加圧成形される。このため、その研削において、水溶性の切削液を供給することによる湿式研削とすることはできない。というのは、このような湿式研削とする場合には、それによる中間体内(内部の気孔内)への水分の浸透、吸収により、バインダーが水溶性であるが故に、バインダー自体が溶解して中間体を構成する粉末粒子間の結合力が低下してしまうためである。すなわち、バインダーの溶解が中間体自体の内部まで進行するため、それ自体の保形強度ないし保形性が低下し、研削中に型崩れや崩壊を起こしてしまうためである。こうしたことから、従来、この種の中間体の研削においては、被削性の低下や砥石の目詰まり等の問題があるとはいえ、乾式研削を採用せざるを得ないというのが実情であり、これが加工効率の向上を妨げていた。一方、研削速度を高めるため、例えば、同一回転速度(同一周速度)の砥石において、その切り込み量を大きくして研削時間の短縮をしようとすると、上記したように中間体自体の高強度性に基づき、研削抵抗が大きくなってしまうから、逆に、中間体に対する負荷(研削抵抗)が増大してしまう。結果、その表面等にワレ(割れ)やカケ(欠け)が発生しがちとなり、研削不良による製造歩留まりの低下を招いてしまう。こうしたことから、この種の中間体の研削においては、その加工速度の増大(研削加工の高速化)には自ずと限界があり、これがスパークプラグの生産性向上を妨げているといった問題があった。
こうした研削上の問題は、スパークプラグ用絶縁体をなす成形体に限られず、セラミック製品の焼成前の成形体の製造のために、原料粉末を加圧(圧縮)して得られる中間体において、その外周面等の研削を要するものに共通する課題といえる。すなわち、アルミナ等のセラミック部材の製造において、水溶性樹脂をバインダーとして含む原料粉末を加圧して中間体を成形し、その後、焼成前に、これを乾式研削により所定の寸法、形状に仕上げることで製造される成形体のように、研削が容易でない加工を伴う場合には、前記したのと同様の課題があるといえる。
本発明は、スパークプラグ用絶縁体等をなすべき中間体におけるような上記した研削上の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、型崩れ等の問題がなく、しかも、被削性の優れた中間体として、その研削の高速化ないし生産性の向上が図られるようにする技術等を提供することにある。
請求項1に記載の本発明は、無機組成物粉末を主成分とする原料粉末を加圧して中間体を成形する加圧工程と、
該中間体を砥石によって研削する研削工程とを含む、成形体の製造方法において、
前記原料粉末に含まれるバインダーに、所定の光の照射を受けることによって前記中間体を構成する粉末粒子間の結合力が低下する感光性樹脂を使用し、
前記研削工程において、前記中間体の表面に前記光を照射した後、又は照射しながら、該表面を研削することを特徴とする。
請求項2に記載の本発明は、無機組成物粉末を主成分とする原料粉末を加圧して中間体を成形する加圧工程と、
該中間体を砥石によって研削する研削工程とを含む、成形体の製造方法において、
前記原料粉末に含まれるバインダーに、 所定の光の照射を受けた後に所定の溶剤に溶解する性質を有するポジ型感光性樹脂を使用し、
前記研削工程において、前記中間体の表面に前記光を照射した後、又は照射するとともに、前記溶剤によって該表面を濡らしながら研削することを特徴とする。
請求項3に記載の本発明は、前記研削工程の後に、前記光の照射を止めて、該表面を研削する仕上げ工程を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の成形体の製造方法である。
請求項4に記載の本発明は、前記研削工程の後に、前記研削工程で使用した砥石とは別の砥石で研削する仕上げ工程を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の成形体の製造方法である。
請求項5に記載の本発明は、前記成形体が、中空軸状をなすスパークプラグ用絶縁体の成形体であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の成形体の製造方法である。
請求項6に記載の本発明は、請求項5に記載の製造方法で製造された、スパークプラグ用絶縁体の成形体を焼成してスパークプラグ用絶縁体を製造することを特徴とするスパークプラグ用絶縁体の製造方法である。
請求項7に記載の本発明は、請求項5に記載の製造方法で製造された、スパークプラグ用絶縁体の成形体を焼成してスパークプラグ用絶縁体を製造し、該スパークプラグ用絶縁体を備えてなるスパークプラグを製造することを特徴とするスパークプラグの製造方法である。
請求項1に記載の本発明では、中間体の研削において、光を照射することで、感光性樹脂を含有した成形体の表面、及びその表面近傍の光の到達深度領域(以下、表面ともいう)に存在するその感光性樹脂が光に反応して変質(例えば特定溶媒への可溶化)し、その表面の粉体粒子相互の結合力(結合強度)が低下する。この低下によりその表面における強度が低下し、崩れやすくなるから、その分、被削性がよくなる。そして、本発明では、この状態の下での研削となるから研削抵抗が低下するので、例えば、回転する砥石の切り込み量を増大させ得るため、研削効率が高められる。しかも、この研削の進行過程では、その研削過程中の中間体の表面のみの粉体粒子相互の結合力の低下となるから、型崩れの発生を招くことなく、被削性を向上させることができる。これにより、製造歩留まりの低下を招くこともなく、研削加工の高速化ないし工程の短縮化が図られるので、加工コストの低減が図られる。なお、請求項1に記載の本発明では、溶剤を使ってもよいし、使わなくてもよい。なお、ここでいう溶剤とは、有機溶剤に限定されず、水や水溶液も含む。溶剤を使う場合には、更に被削性がよくなるという効果が得られる一方、使わない場合には、切削工程の設備が簡素化されるという効果が得られる。研削されて製造されるべき成形体に応じて、適宜に選択すればよい。
請求項2に記載の本発明では、前記原料粉末に含まれるバインダーに、 所定の光の照射を受けた後に所定の溶剤に溶解する性質を有するポジ型感光性樹脂を使用し、前記研削工程において、前記中間体の表面に前記光を照射した後、又は照射するとともに、前記溶剤によって該表面を濡らしながら研削することとしている。このため、この発明においても、中間体の研削過程においては、請求項1と同様に、その表面の粉体粒子相互の結合力が低下し、その表面の粒子の結合強度が低下する。これにより、その表面の強度が低下し、崩れやすくなるから被削性を向上させることがてきるので、請求項1に記載の本発明と同様の効果が得られる。なお、前記溶剤によって該表面を濡らす方法としては、その溶剤の塗布、又は吹き付けや浴びせかけ、さらにはその溶剤(液)中への浸漬が例示されるが、中間体の研削領域の表面を直接濡らす方法以外に、砥石等の表面を濡らして、その研削過程で中間体の表面が濡れるように、間接的に濡らすようにしてもよい。
請求項3に記載の発明のように、仕上げ工程を含めることで、表面の面粗度の向上が図られる。すなわち、該仕上げ工程の前は、被削性の向上により研削速度が上げられる反面、表面の結合力の低下により、面粗度の低下を招くことがある。これに対し、このような仕上げ工程を含めることで、仕上げ段階での、こうした課題を解消できるから、研削後に得られる成形体の表面の面粗度の向上が図られる。これによりその成形体の焼成後に得られる絶縁体の表面粗度や寸法精度の向上が図られる。また、請求項4に記載の発明のように、別の砥石で研削する仕上げ工程を含むこととする、ということでも、これと同様の効果が得られる。すなわち、別の砥石での仕上げ工程であるから、確実に溶剤を含まない砥石による研削となるので、より一層の面粗度の低下防止が得られる。
上記成形体の製造方法は、各種のセラミック部材(製品、部品)に適用できるが、中空軸状をなすスパークプラグ用絶縁体の成形体への適用においては、回転による研削(円筒研削)での適用ができるため、その生産効率の向上に極めて有効である。よって、このような成形体を焼成してなるスパークプラグ用絶縁体、さらにはこれを用いるスパークプラグの生産性の向上と共に、その低コスト化が期待される。
スパークプラグの一例を示す半断面縦断正面図。 スパークプラグ用絶縁体(絶縁碍子)の製造方法を示すフローチャート。 中間体の成形のための原料粉末の充填工程を説明するためのラバープレス成形機等の説明用断面図であって、Aは原料粉末を内ゴム型のキャビティに充填する工程、Bはその充填後にプレスピンを挿入、配置する工程の各説明図。 図3のラバープレス成形機等の説明用断面図であって、Cは充填後の原料粉末にプレスピンを挿入してラバープレスにより加圧する工程、Dは加圧工程により成形された中間体を型から引抜く工程の各説明図。 加圧して成形された中間体(研削工程前の成形体)の正面図。 研削加工(工程)を説明する模式図であって、加工開始前(及びその開始時)の中間体と、砥石(研削用回転ローラ)等との位置関係等を示す模式的な説明図。 図6における研削開始後、研削が終了して成形体となるまでの説明図。 図7におけるS1−S1線断面図であって、光の照射を説明する図。 光の照射と溶剤の供給を伴う別例の図8に対応する図。 図9の別例を説明する図。 中間体を平面研削する別例を説明する図。
以下、本発明の実施形態例について図面を参照しつつ説明する。ただし、本例で製造される成形体がスパークプラグ用絶縁体の成形体であることから、先ず、これを焼成してなる絶縁体を備えるスパークプラグについて、図1に基づき説明する。なお、図1では、スパークプラグ1の軸線CL1方向を図面における上下方向とし、同図の下側をスパークプラグ1の先端側、上側を後端側として説明する。このスパークプラグ1は、中空軸状(筒状)をなすスパークプラグ用絶縁体(以下、絶縁体ともいう)2、そして、これを保持する筒状の主体金具3などから構成されている。以下、その構成について詳述する。
絶縁体2は、周知のようにアルミナ等を主成分とする原料粉末を加圧し、中間体として形成した後、これを研削して成形体とし、その後、この成形体を焼成して形成される。この成形体の製造方法が、本発明の要部であるが、本願では、これを焼成してなるスパークプラグ用絶縁体2、及びこの絶縁体2を備えてなるスパークプラグ1の各製造方法も、本願に係る発明としているので、以下の説明では、この絶縁体2のみならず、スパークプラグ1の全体構成、及びそれらの製法についても詳細に説明する。
すなわち、この絶縁体2は、その外形部において、後端側に形成された後端側胴部10と、この後端側胴部10よりも先端側において径方向外向きに突出形成された大径部11と、この大径部11よりも先端側においてこれよりも細径に形成された中胴部12と、この中胴部12よりも先端側においてこれより細径に形成された脚長部13とを備えている。そして、絶縁体2のうち、大径部11、中胴部12、及び、大部分の脚長部13は、主体金具3の内部に収容されている。また、脚長部13と中胴部12との連接部にはテーパ状の段部14が形成されており、この段部14にて絶縁体2が主体金具3に係止されている。
さらに、絶縁体2には、軸線CL1に沿って軸孔4が貫通形成されており、この軸孔4の端側には中心電極5が挿入、固定されている。この中心電極5は、銅又は銅合金からなる内層(軸体)5Aと、ニッケル(Ni)を主成分とするNi合金からなる外層(管体)5Bとにより構成されている。また、中心電極5は、全体として棒状(円柱状)をなし、その先端面が絶縁体2の先端から突出している。さらに、中心電極5の先端部には、貴金属合金(例えば、イリジウム合金)により形成された円柱状の貴金属チップ31が接合されている。
また、軸孔4の後端側には、絶縁体2の後端から突出した状態で、端子金具としての端子電極6が挿入、固定されている。さらに、軸孔4の中心電極5と端子電極6との間には、円柱状の抵抗体7が配設されている。この抵抗体7の両端部は、導電性のガラスシール層8,9を介して、中心電極5と端子電極6とにそれぞれ電気的に接続されている。
一方、主体金具3は、低炭素鋼等の金属により筒状に形成されており、その外周面にはスパークプラグ1をエンジンヘッドに取付けるためのねじ部(雄ねじ部)15が形成されている。また、ねじ部15の後端側の外周面には座部16が形成され、ねじ部15後端のねじ首17には、図示はしないがリング状のガスケットが嵌め込まれるように構成されている。さらに、主体金具3の後端側には、スパークプラグ1をエンジンヘッドに取付ける際にレンチ等の工具を係合させるための断面六角形状の工具係合部19が設けられているとともに、後端部において絶縁体2を保持、固定するための加締め部20が設けられている。
また、主体金具3の内周面には、絶縁体2を係止するためのテーパ状の段部21が設けられている。そして、絶縁体2は、主体金具3の後端側から先端側に向かって挿入され、自身の段部14が主体金具3の段部21に係止された状態で、主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって固定されている。尚、絶縁体2及び主体金具3双方の段部14,21間には、円環状の板パッキン22が介在されている。これにより、燃焼室内の気密性を保持し、燃焼室内に晒される絶縁体2の脚長部13と主体金具3の内周面との隙間に入り込む燃料空気が外部に漏れないようになっている。さらに、加締めによる密閉をより完全なものとするため、主体金具3の後端側においては、主体金具3と絶縁体2との間に環状のリング部材23,24が介在され、リング部材23,24の先後間にはタルク(滑石)25の粉末が充填されている。すなわち、主体金具3は、板パッキン22、リング部材23,24及びタルク25を介して絶縁体2を保持している。
また、主体金具3の先端部26には、自身の略中間において軸線CL1側にL字状に曲げ返された接地電極27が接合されており、その先端寄り部位のうち、中心電極5の先端部と対向する面には、貴金属合金(例えば、白金合金)よりなる円柱状の貴金属チップ32が接合されている。そして、両貴金属チップ31,32の間には、所定の間隙からなる火花放電間隙が形成されており、この火花放電間隙において、軸線CL1にほぼ沿った方向で火花放電が行われるように構成されている。
さらに、本実施形態においては、ねじ部15の外径がM12以下(例えば、M10以下)と比較的小径化されている。そのため、主体金具3に挿設される絶縁体2の外径についても比較的小さくされているが、絶縁体2の肉厚を十分に確保するという観点から、軸孔4の内径が比較的小さなものとされている。従って、軸孔4に配設されるガラスシール層9の最大外径が3.4mm以下となっている。また、絶縁体2は、長尺化されており、具体的には、軸線CL1方向に沿った絶縁体2の長さが65mm以上とされている。
次に、上記構成のスパークプラグ1の製造方法について説明する。主体金具3は、円柱状の金属素材(例えばS17CやS25Cといった鉄系素材やステンレス素材)を冷間鍛造加工により、貫通孔を形成する等してその形状を概略整える。その後、切削加工を施すことで外形をさらに整え、主体金具中間体を得る。
続いて、この主体金具中間体の先端面に、Ni合金等からなる接地電極27を抵抗溶接する。この溶接に際してはいわゆる「ダレ」が生じるので、その「ダレ」を除去した後、主体金具中間体の所定部位にねじ部15を転造によって形成する。これにより、接地電極27の溶接された主体金具3が得られる。また、接地電極27の溶接された主体金具3に、亜鉛メッキ、或いはニッケルメッキを施す。尚、耐食性向上を図るべく、その表面に、さらにクロメート処理が施すこととしてもよい。
次に、絶縁体2の製造方法について、図2のフローチャートを参照しつつ、詳細に説明する。まず、ステップS10の原料粉末調整工程において、焼成後にセラミックとなる無機組成物粉末としてアルミナ(酸化アルミニウム)粉末を主成分とし、焼結助剤を含有して構成される粉状体に対し、所定のバインダー等を用い、これを適量、湿式混合することでスラリーを調整する。そして、調整されたスラリーを噴霧乾燥し、原料粉末を得る。ここに、使用されるバインダーは、本発明では次のA,Bの2つに大別される。
第1のバインダーAは、所定の光の照射を受けることによって、この原料粉末を加圧して成形した中間体を構成する粉末粒子間の結合力が低下する感光性樹脂(以下、感光性樹脂Aともいう)である。これは、所定の光を受けることによって、中間体における表面(及び、その表面近傍の光の到達深度領域)の粉末粒子間の結合力が低下する性質を有する感光性樹脂である。この感光性樹脂Aをバインダーとして用いる場合には、中間体の研削において、前記所定の光を中間体の表面(研削部位)に照射した後、又は照射しながら、その表面を研削する場合である。この感光性樹脂Aは、使用する光の種類に応じ、粉末粒子間の結合力が低下する性質を有する各種の樹脂の中から、適宜のものを使用すればよい。
第2のバインダーBは、所定の光の照射を受けた後に所定の溶剤に溶解する性質を有するポジ型感光性樹脂(以下、ポジ型感光性樹脂Bともいう)である。これは所定の光の照射を受けた後に所定の溶剤に溶解する性質を有する感光性樹脂である。このポジ型感光性樹脂Bをバインダーとして用いる場合には、中間体の研削において、前記所定の光を中間体の表面(研削部位)に照射した後、又は照射すると共に、前記所定の溶剤によってその表面(研削部位)濡らしながら研削する場合である。ここに、この条件を満たすポジ型感光性樹脂Bの種類、それに対応する光の種類と溶剤の種類との組合としては、次の表1に示したものが例示される。
Figure 0006293000
次いで、ステップS20の充填工程において、得られた原料粉末を図3−A(左図)に示すように、ラバープレス成形機41のキャビティ42に充填する。このラバープレス成形機41は、軸線CL2方向に沿って延びるキャビティ42を有する円筒状の内ゴム型43と、内ゴム型43の外周に設けられる円筒状の外ゴム型44と、外ゴム型44の外周に設けられる成形機本体45と、キャビティ42の下側開口部を塞ぐための底蓋46、及び下ホルダー47とを備えている。また、成形機本体45には、液体流路45aが設けられており、液体流路45aを介して、液圧を外ゴム型44の外周面に対して径方向に付与することで、キャビティ42を径方向に縮小させることができるようになっており、その液圧により、原料粉末を加圧するように構成されている。
充填工程では、前記原料粉末PMが内ゴム型43のキャビティ42に充填され、次いで、図3−B(右図)に示すように、キャビティ42内にプレスピン51が、挿入、配置される。ここで、プレスピン51の基端部側には上ホルダー52が一体化して設けられており、プレスピン51の挿入が終了することで、この上ホルダー52がキャビティ42の上側開口部に嵌め込まれて、キャビティ42を密封状態で塞ぐようになっている(図4−C(左図)参照)。ただし、これとは別の方法として、キャビティ42内にプレスピン51を、先に挿入、配置した状態の下で、その両者の隙間(空隙)に原料粉末PMを充填し、その後、キャビティ42の上側開口部を密封状態で塞ぐようにしてもよい。
次に、図4−C(左図)に示した状態において、ステップS30の加圧成形工程(本発明の加圧工程)にはいることになる。すなわち、液体流路45aを介して液圧を印加することで、内ゴム型43及び外ゴム型44の外周側から圧力を印加し、キャビティ42を縮小させる。これにより、原料粉末PMが圧縮・成形され、中間体(成形体)CP1として所望とする形状に成形される。そして、所定時間経過後、液圧の付与を解除することで、内ゴム型43及び外ゴム型44が弾性復帰し、縮小していたキャビティ42が元のサイズに戻る。次いで、図4−D(右図)に示すように、プレスピン51をラバープレス成形機41から軸線CL2方向に引き上げる。これによって、プレスピン51とともに、原料粉末PMが圧縮されて形成された中間体(成形体)CP1がキャビティ42から抜き取られる。その後、プレスピン51を中間体CP1に対して相対回転させることによって、プレスピン51が中間体CP1から抜き取られる。ここで、プレスピン51が抜き取られて形成される中間体CP1の穴部HLが、前記軸孔4を構成することとなる。
なお、前記加圧工程において得られる中間体CP1は、図5に示すように、その先後長の全体にわたり外周面に、研削工程で、砥石によって研削されるべき研削代(加工取り代)が付与されてなるものである。なお、図5中に、2点鎖線で示した部分が、研削後において得られる成形体IPであるが、上記した焼成後の絶縁体2に対応する形状を有することから、図5では参考のために、その各部には絶縁体2に対応する各部位の符号を付している。これより、理解されるように、図5において実線で示される中間体CP1は、外周面の半径方向の研削代分、先後長の全体にわたって(軸線CL1に沿って)、成形体IPより単純化され、しかも、一回り、又は二回り大きい外径を有するものとされている。なお、本例では、その外径の差から分かるように、研削代は、部位に応じて異なるように成形されている。
次いで、ステップS40の支持ピン挿入工程において、得られた中間体CP1の穴部HLに支持ピン61が挿入されて、ステップS50の研削加工工程に移される。すなわち、ステップS50の研削加工工程では、中間体CP1に、本発明の要部であるところの研削加工が施される。以下、この研削加工について詳述するが、先ず、この研削に使用される研削盤における砥石等の配置関係について、図6の模式図を参照しながら説明する。
この研削加工においては、図6に示すように、軸線CL1に平行な軸線CL3を中心軸として回転し、外周部分(外周面)に、絶縁体2、すなわち、研削後に得られるべき成形体IPの外周面の凹凸に対応する逆の凹凸を有するように形成された研削用の砥石(回転ローラ)62と、断面円形状をなし、この回転する砥石(回転ローラ)62から、相対的に受ける摩擦力に抗して、軸線CL1回りに回転する中間体CP1を、それと平行な回転軸で回転するようにして支える押え部材(押えローラ)63とを備える研削盤が使用される。これにより、砥石(回転ローラ)62と、押え部材(押えローラ)63との間に、中間体CP1を、各回転軸が平行となるようにして挟み込む形として、中間体CP1の外周面を、回転する砥石62の外周面に押し付けて研削加工される設定とされている。すなわち、本例では、成形体IPの形状に基づき、異径(段付き)の円筒研削となるから、トラバースすることなく、中間体CP1を軸線CL1の回りに回転させながら、その外周面を、軸線CL3の回りに回転する砥石62の外周面を押え付けることで研削する。そして、この研削により、図7に示したように、研削工程の終了時において、全長にわたり外周面が所定の外径に研削(円筒研削)された成形体IPが得られるまで、その研削を続けることになる。したがって、中間体CP1は、次第に細くなり最終的に、その外周面は、砥石(回転ローラ)62外周面の凹凸に倣う、それと逆の凹凸形状に仕上げられる。なお、砥石62による切り込みは、砥石62と中間体CP1との間での押し付け合いでのみ行うこととしてもよく、その場合には押え部材63は不要となる。なお、本例では、押え部材63は、中間体CP1の最大径部を押える配置とされている。
次に、この研削工程において、中間体CP1がバインダーに、感光性樹脂Aを用いたものである場合(第1実施例)について説明する。すなわち、バインダーに、感光性樹脂Aを用いたものである場合には、図8に示したように、その中間体CP1の表面に、所定の照射手段(投光器)100により、所定の光110を照射した後、又は照射しながら、その研削をする。これにより、本例ではこの光110の照射を受ける中間体CP1は、その表面をなす粉末粒子間の結合力が低下するから、その低下した部分の被削性が向上するので、研削が容易となる。研削の進行過程では、その研削中の中間体における表面のみの粉体粒子相互の結合力の低下となるから、型崩れの発生を招くことなく、被削性を向上させることができる。このとき、照射しながら研削をする場合には、その表面における結合力の低下は、連続的に進行するため、研削も、その照射に続いて連続的に行うことができる。一方、本発明では、照射により結合力の低下が得られるため、研削時に照射をするのは必須ではない。すなわち、所定時間の照射の後、所定時間の研削を行い、これをサイクルとして繰り返すようにしてもよい。なお、本例における研削では、図8中に示したように、中間体CP1をその軸線CL1の回りに矢印方向に回転させながら、砥石62をその軸線CL3の回りに矢印方向に回転させることで研削しているが、その回転方向は、中間体CP1の全周にわたって研削が得られる限りいずれであってもよい。また、押え部材63は、中間体CP1を砥石62側に押さえつけていることから、砥石62の回転にしたがってそれと逆回転する。
このように、本例では、型崩れの発生を招くことなく、被削性を向上させることができるから、製造歩留まりの低下を招くこともなく、研削加工の高速化ないし工程の短縮化が図られる。結果、加工コストの低減が図られる。なお、光の照射は、研削対象をなす中間体の表面において、中間体を構成する粉末粒子間の結合力を低下させることができればよく、したがって、その照射方向はどの方向でもよいし、照射手段の数も適宜に設定すればよい。すなわち、砥石62や押え部材63の間から、必要な光110の照射をすればよい。
なお、このような研削工程の後に、光110の照射を止めて、その表面を研削する仕上げ工程を含めることとしてもよい。光110の照射を止めることにより、その表面の結合力の低下が止められることになるため、被削性が低下することになる一方で、研削による仕上げ面の精度(面粗度精度)が向上するから、焼成後の絶縁体の高精度化が図られるためである。しかも、仕上げ工程での研削代は微量でよいため、加工工程の延長も僅かに止められる。また、上記の研削工程の後に、前記研削工程で使用した砥石62とは別の砥石で研削する仕上げ工程を含めることとしても、同様の効果が得られる。ただし、仕上げ工程では、適宜、砥粒が相対的に細目の砥石を用いるのがよい。これらのことは、後述するポジ型感光性樹脂Bを用いる場合にも同様のことが言える。
上記のようにして中間体CP1に研削加工を施した後においては、図7中に示したように、穴部HLが貫通されてなる軸孔4を有し、絶縁体2と同一形状をなす成形体IPが形成される。ただし、成形体IPは焼成収縮代分、大きいものとされている。その後、この成形体IPから前記支持ピン61が取外され、ステップS60の焼成工程に送られる。すなわち、この焼成工程においては、得られた成形体IPが焼成炉へ投入、焼成されることになり、絶縁体2すなわち、スパークプラグ用絶縁体が得られる。
なお、本例では、中心電極5は、中央部に放熱性向上を図るための銅合金を配置したNi合金を鍛造加工して、別途、作製される。そして、上記のようにして得られた絶縁体2、及びこの中心電極5と、抵抗体7と、端子電極6とが、ガラスシール層8,9によって封着固定される。なお、ガラスシール層8,9としては、一般的にホウ珪酸ガラスと金属粉末とが混合されて調製されており、この調製されたものが抵抗体7を挟むようにして絶縁体2の軸孔4内に注入された後、後方から前記端子電極6で押圧しつつ、焼成炉内にて加熱することにより焼き固められる。尚、このとき、絶縁体2の後端側胴部10表面には釉薬層が同時に焼成されることとしてもよいし、事前に釉薬層が形成されることとしてもよい。
その後、上記のように、それぞれ作製された中心電極5及び端子電極6を備える絶縁体2と、接地電極27を備える主体金具3とが組付けられる。より詳しくは、比較的薄肉に形成された主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって固定される。そして最後に、接地電極27を屈曲させることで、中心電極5の先端部及び接地電極27の先端部間の前記火花放電間隙を調整する加工が実施されることで、図1に示したスパークプラグ1が得られる。
以上、詳述したように、本実施形態によれば、加圧工程において成形された中間体CP1は、上記したような研削加工工程を経て研削されて成形体IPとなる。そして、その研削過程では、被削性が向上するものの、それは、光110の照射を受ける表面又はその近傍のみであるから、型崩れの発生も防止できる。このため、製造歩留まりの低下を招くこともなく、研削加工の高速化が図られる。結果、その研削工程の短縮化が図られ、加工コストの低減が図られるので、かかる製造過程を経て製造された絶縁体を含むスパークプラグの製造効率が高められるので、そのコストの低減も期待される。
さて次に、上記した中間体CP1が、バインダーに、ポジ型感光性樹脂Bを用いたものである場合(第2実施例)における研削工程について説明する。中間体CP1がバインダーに、ポジ型感光性樹脂Bを用いたものであるときは、図9に例示したように、その中間体CP1の表面に、照射手段(投光器)100によって所定の光110を照射した後、又は照射するとともに、所定の溶剤200で、該表面を濡らしながら研削すればよい。なお、本例では上記した第1実施例における研削工程と、照射する光の種類と、溶剤の使用がある点の相違点を除けば、使用する研削盤や、光110の照射の仕方等を含め基本的に共通する。このため、以下、その相違点を中心として説明する。すなわち、本例では、その方法により、光110の照射と、溶剤200の塗布等を受ける中間体CP1の表面にあるバインダーは溶解することになるから、その部位の粉末粒子間の結合力が低下するので、被削性が向上する。例えば、ポジ型感光性樹脂Bがポリイミド化合物である場合には、高圧水銀灯を光源とする光(broad band)の照射であり、使用する溶剤(現像液)は、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)溶液(2.38%)である。なお、溶剤200は、中間体CP1のうち研削を受けるその先後の長さ方向の全体(全長)にわたり、その表面が濡れるように供給すればよい。
ただし、溶剤200による中間体CP1の表面の濡らし方としては、図10に示したように、砥石62の表面に、その溶剤200を吹き付け又は塗布等することによって行い、研削過程で、その溶剤が中間体CP1の表面に転写される形で間接的に濡らすものとしてもよい。もちろん、その他のローラ等を介して、砥石62の表面が、その溶剤200にて濡らされるようにしてもよい。なお、本例では、溶剤200の塗布や吹き付けを伴うため、水性ではないものの、溶剤200の塗布等の対象部位のうち、砥石62による研削を受けている部位は、一種の湿式研削となるため被削性が、上記した第1実施例における研削より向上する。
なお、バインダーに、ポジ型感光性樹脂Bを用いたものである場合にも、上記研削工程の終了後、すなわち、その工程の後の仕上げ工程では、光110の照射を止めて、表面を研削するのがよいのは、上記した通りである。というのは、光の照射を止めることで、溶剤200による濡らされがあっても、バインダーの溶解が止められるから、被削性は低下するものの、逆に、その分、研削仕上げ面の粗度が高精度になるためである。なお、この仕上げ工程では溶剤の供給も止めるのがよい。また、これとは別に、上記研削工程の後の最終段階では、光の照射を止めるだけでなく、又は光の照射があるとしても、溶剤の塗布等によって濡らされている砥石、すなわち、前記研削工程で使用した砥石62とは別の砥石による研削で、仕上げ工程を行うこととしても、高精度の仕上げ面が得られる。
上記例では、中間体CP1、及びその研削後の成形体IPを、スパークプラグ用絶縁体2を形成するものとした場合で説明したが、本発明は、このような中空軸状をなすセラミック部品や、その形状に限られずに適用できる。すなわち、焼成後にセラミックとなる無機組成物粉末を主成分とする原料粉末を加圧して中間体CP1を成形する加圧工程と、該中間体CP1を砥石によって研削する研削工程とを含む、成形体の製造方法に広く適用できる。例えば、その研削工程が、たとえ内面研削であるとしても、その研削対象であるその内周面に所定の光の照射ができ、又は所定の光を照射ができるとともに、研削対象部の表面を溶剤によって濡らしながら研削することができるものに広く適用できる。すなわち、研削の形態は、円筒研削、内面研削、又はその端面研削に限られないし、研削対象部位をなす表面が平面をなす平面研削においても適用できる。
図11は、平面研削となる場合の一例を示したものである。すなわち、ベース(テーブル状のジグ)200の上面に、平板状をなす中間体CP2を、図示しないクランプ手段で固定し、この中間体CP2の上面を砥石62で研削する場合である。例えば、この場合において、バインダーにポジ型感光性樹脂Bを用いたものである場合には、図11に示したように、上記例と同様に、研削される中間体CP2の表面に、照射手段(投光器)100によって所定の光110を照射した後、又は照射するとともに、所定の溶剤200で、該表面を濡らしながら研削すればよい。すなわち、所定の切り込み深さが得られるようにして、例えば、ベース(テーブル状のジグ)200を図示において左右にトラバースして研削すればよい。なお、図示はしないが、砥石(砥石車)の外周面によることなく、その端面による平面研削とする場合にも本発明は適用できるし、上記例で使用した砥石62よりして特殊形状の砥石を用いる場合にも適用できることは、言うまでもない。本発明の成形体の製造方法は、中間体の形状、又は研削形態に制限されることはない。
尚、本願発明の製造方法における中間体、及びこれを研削してなる成形体が、スパークプラグ用絶縁体をなすものであり、そして、これを用いたスパークプラグにおいては、以下において例示するものや、その他の応用例、変更例としても具体化できる。
(a)上記実施形態では、例えば、ねじ部15の外径がM12以下とされるが、ねじ部15の外径は特に限定されるものではない。また、上記実施形態では、ガラスシール層9の最大外径が3.4mm以下とされるが、ガラスシール層9の最大外径、すなわち、軸孔4の内径についても特に限定されるものではない。さらに、上記実施形態では、軸線CL1方向に沿った絶縁体2の長さが65mm以上とされるが、これについても限定されるものではない。
(b)上記実施形態では、成形体IPの研削加工時において、成形体IPが押え部材63により支持されているが、押え部材63を設けることなく、研削加工を行うこととしてもよいことは上記したとおりである。すなわち、被研削体である中間体CP1と、砥石62との相互間の送りで、適度の切り込みが得られればよいためである。
(c)上記実施形態では、中心電極5及び接地電極27に貴金属チップ31,32が設けられているが、貴金属チップ31,32の双方、或いは、いずれか一方を省略することとしてもよい。
(d)上記実施形態では、主体金具3の先端部26に、接地電極27が接合される場合について具体化しているが、主体金具の一部(又は、主体金具に予め溶接してある先端金具の一部)を削り出すようにして接地電極を形成する場合についても適用可能である(例えば、特開2006−236906号公報等)。
(e)上記実施形態では、工具係合部19は例えば、断面六角形状とされているが、工具係合部19の形状に関しては、このような形状に限定されるものではない。例えば、Bi−HEX(変形12角)形状〔ISO22977:2005(E)〕等とされていてもよい。
1 スパークプラグ(内燃機関用スパークプラグ)
2 絶縁体(スパークプラグ用絶縁体)
3 主体金具
62 砥石(研削用回転ローラ)
63 押え部材
110 光
200 溶剤
PM 原料粉末
CP1,CP2 中間体
IP 成形体
CL1 軸線

Claims (7)

  1. 無機組成物粉末を主成分とする原料粉末を加圧して中間体を成形する加圧工程と、
    該中間体を砥石によって研削する研削工程とを含む、成形体の製造方法において、
    前記原料粉末に含まれるバインダーに、所定の光の照射を受けることによって前記中間体を構成する粉末粒子間の結合力が低下する感光性樹脂を使用し、
    前記研削工程において、前記中間体の表面に前記光を照射した後、又は照射しながら、該表面を研削することを特徴とする、成形体の製造方法。
  2. 無機組成物粉末を主成分とする原料粉末を加圧して中間体を成形する加圧工程と、
    該中間体を砥石によって研削する研削工程とを含む、成形体の製造方法において、
    前記原料粉末に含まれるバインダーに、 所定の光の照射を受けた後に所定の溶剤に溶解する性質を有するポジ型感光性樹脂を使用し、
    前記研削工程において、前記中間体の表面に前記光を照射した後、又は照射するとともに、前記溶剤によって該表面を濡らしながら研削することを特徴とする、成形体の製造方法。
  3. 前記研削工程の後に、前記光の照射を止めて、該表面を研削する仕上げ工程を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の成形体の製造方法。
  4. 前記研削工程の後に、前記研削工程で使用した砥石とは別の砥石で研削する仕上げ工程を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の成形体の製造方法。
  5. 前記成形体が、中空軸状をなすスパークプラグ用絶縁体の成形体であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の成形体の製造方法。
  6. 請求項5に記載の製造方法で製造された、スパークプラグ用絶縁体の成形体を焼成してスパークプラグ用絶縁体を製造することを特徴とするスパークプラグ用絶縁体の製造方法
  7. 請求項5に記載の製造方法で製造された、スパークプラグ用絶縁体の成形体を焼成してスパークプラグ用絶縁体を製造し、該スパークプラグ用絶縁体を備えてなるスパークプラグを製造することを特徴とするスパークプラグの製造方法
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