JP3128910B2 - セラミックス・グリ−ンシ−ト - Google Patents

セラミックス・グリ−ンシ−ト

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JP3128910B2
JP3128910B2 JP03345323A JP34532391A JP3128910B2 JP 3128910 B2 JP3128910 B2 JP 3128910B2 JP 03345323 A JP03345323 A JP 03345323A JP 34532391 A JP34532391 A JP 34532391A JP 3128910 B2 JP3128910 B2 JP 3128910B2
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    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/0306Inorganic insulating substrates, e.g. ceramic, glass
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/0011Working of insulating substrates or insulating layers

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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Devices For Post-Treatments, Processing, Supply, Discharge, And Other Processes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、焼成セラミックス基板
などの形成に好適に用いられるセラミックス・グリ−シ
−トに関するものであり、さらに詳しくは半導体素子を
搭載し、かつそれらを相互に配線した高密度実装などに
好適に用いられる焼成セラミックス基板、特に多層セラ
ミック基板に好適に用いるセラミックで作製したグリ−
ンシ−トに関するものである。
【0002】多層セラミック基板には大別すると、厚膜
印刷積層法とグリ−ンシ−ト法によるものがある。さら
にグリ−ンシ−ト法には積層法と印刷法がある。グリ−
ンシ−ト印刷法はグリ−ンシ−ト上に導電ペ−ストと絶
縁ペ−ストを交互に印刷積層し、多層化するもので、印
刷、乾燥を繰り返し行なった後に一回で焼成を完了する
ものである。
【0003】グリ−ンシ−ト積層法は、グリ−ンシ−ト
印刷法とほぼ同一の手法であるが、多層化するときに、
導体を印刷し、ヴィアホ−ル加工を済ませたグリ−ンシ
−トを多数枚積層して熱圧着後、焼成して多層基板とす
る方法である。この方法は後で詳細に述べるが、グリ−
ンシ−トのヴィアホ−ル形成後の穴径を小さくできない
ことやヴィアホ−ル加工のための金型や治具を多く必要
とするなどの欠点がある。
【0004】
【従来の技術】従来のセラミックス・グリ−ンシ−ト
は、特開平1−232797や特開平2−141458
号公報に記載のごとく、通常、セラミックス粉末、有機
バインダ−、可塑剤、溶媒および必要に応じて分散剤な
どを適宜配合した後、混合してスラリ−としたのち、得
られたスラリ−をドクタ−ブレ−ド法などの公知の方法
によってグリ−ンシ−トを形成する。
【0005】セラミックス粉末としてはアルミナ(Al
2 3 )、ジルコニア(ZrO2 )、マグネシア(Mg
O)、ムライト(3Al2 3 ・2SiO2 ),アノ−
サイト(CaO・Al2 3 ・2SiO2 )、フォルス
テライト(2MgO・SiO2 )、セルジアン(BaO
・Al2 3 ・2SiO2 )、スピネル((MgO・A
2 3 )、コ−ディライト(5SiO2 ・2Al2
3 ・2MgO)、クリノエンスタタイト(MgO・Si
2 )などの粉末、或いは低温焼成セラミックス粉末た
とえばSiO2 −B2 3 系からPbO−SiO2 −A
2 3 −B2 3 系ガラス、CaO−SiO2 −Al
2 3 −B2 3 系ガラスなどにAl2 3 ,石英(S
iO2 ),ZrO2 ,コ−ディライトなどのセラミック
ス成分を加えたガラス−セラミック複合系やMgO−A
2 3 −SiO2 系やLi2 O−Al2 3 −SiO
2 系の結晶化ガラスなどが使用される。結晶化ガラスは
たとえばMgO−Al2 3 −SiO2 にB2 3 と核
形成物質を加えて、900°〜1000°Cで焼成し、
コ−ディライト結晶を析出させ高強度化を図ることやL
2 O−Al2 3 −SiO2 にB2 3 と核形成物質
を加え、スポジュメンを析出させ、同じく高強度化を図
ったものも使用されている。また、有機バインダとして
は、ポリビニルアルコ−ル、ポリビニルブチラ−ル、メ
タクリル酸エステル重合体、アクリル酸エステル重合
体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合
体、α−メチルスチレン重合体、ブチルメタクリレ−ト
樹脂などが使用され、可塑剤として、ジブチルフタレ−
ト、ジオクチルフタレ−ト、ポリエチレングリコ−ル、
グリセリンなどが用いられ、さらに、溶剤としてはアル
コ−ル、トルエン、アセトン、メチルエチルケトン、ブ
タノ−ル、トリクロ−ルエチレン、メチルイソブチルケ
トン、イソホロンなどが用いられる。
【0006】得られたグリ−ン・シ−トはカッタ−ある
いは打抜き型によって所望の形状に加工した後、さらに
ヴィアホ−ルやスル−ホ−ル(以下ヴィアホ−ルで代表
して説明する)を設けるためグリ−ンシ−トにポンチ・
ダイによる金型やレ−ザでの穴あけ加工を行なってい
た。
【0007】たとえば、グリ−ンシ−ト多層積層法によ
る多層基板の製造はグリ−ンシ−ト原料であるスラリ−
をキャリアフィルム上に連続的に薄く延ばしてグリ−ン
シ−トを形成した後、このグリ−ンシ−トの裏面からキ
ャリアフィルムを剥離して除去し、グリ−ンシ−トを必
要なワ−クサイズに打ちぬくと共にグリ−ンシ−トに穴
あけ加工を施してヴィアホ−ルを形成し、グリ−ンシ−
トに通常のスクリ−ン印刷法によってヴィアホ−ル内に
導電ペ−ストを充填する。またグリ−ンシ−トの厚みが
50μm以下で薄い場合にはキャリアフィルムと一緒に
穴あけ加工を施し、ヴィアホ−ルを形成していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、従来の超硬で作製した打抜き金型
(パンチ)などを用いてグリ−ンシ−トにヴィアホ−ル
やスル−ホ−ルの形成を行なう方法による場合、超硬の
強度が低いため細径を有するパンチの製作が難しく、ま
た細い径のパンチによる加工後の歩留まりが極端に低い
ため0.2mm以下の径の穴を開けることがほとんどで
きず、実用価値が著しく劣るものであった。ヴィアホ−
ルの基板での占有面積はヴィアホ−ル径の2乗に比例し
て大きくなるので微細なヴィアホ−ルが形成できると配
線基板の小型化が可能になるなどの多くのメリットが期
待できるが、従来の技術による限りこのようなメリット
を期待することは不可能であった。
【0009】また超硬などを使用すると切粉がグリ−ン
シ−ト中に混入し、絶縁不良発生の原因にもなる。超硬
パンチで穴開け加工をすると相手材であるセラミックス
が超硬より硬いためパンチが磨耗し、頻繁に交換する必
要があり、穴開けコストが高くなる問題がある。
【0010】 レ−ザ照射によってグリ−ンシ−トや
焼結後のセラミックス基板に穴開け加工することも行な
われているが、多数の穴を一度に開けていく場合には多
くの時間を要し、量産には向かない。また、レ−ザ加工
によって穴開けした場合には裏面側にいわゆる「バリ」
を生ずるため高精度のものが得られないことや焼成後の
基板を研磨することが必要などの欠点を有している。
【0011】 従来はグリ−ンシ−トにヴィアホ−ル
を形成する場合、グリ−ンシ−トの厚みが50μm以下
特に20μm以下になるとグリ−ンシ−トの強度が低い
ためポリエステルやPPSなどの保護フィルムをグリ−
ンシ−トに密着したまま孔加工を行なってきたが、孔開
け後グリ−ンシ−トの裏面側に加工屑などが付着した
り、保護フィルムを剥がすときにグリ−ンシ−トが変形
するなどの問題があった。また保護フイルムは使い捨て
になるのでグリ−ンシ−トにかかるコストが高くなる問
題があった。
【0012】 大量の情報を迅速に処理する必要から
情報処理技術の進歩は著しく、情報処理装置の主要部を
構成している半導体チップをセラミック回路基板に緻密
に搭載して使用するが、一個の半導体チップの端子数が
多いことから回路基板上にパタ−ンを形成する配線長の
数は膨大となり、必然的に多層配線構造が必要になる。
この場合、ヴィア形成のためヴィアホ−ルを如何に容易
かつ迅速に形成し、穴径を細くするかが必要である。
【0013】本発明はかかる従来技術の諸欠点に鑑み創
案されたもので、その目的とするところは従来のセラミ
ック・グリ−ンシ−トが有する欠点を解消し、ヴィアホ
−ルやスル−ホ−ルの形成が極めて容易にかつ精度よく
できしかも微細な孔を確実に形成することのできるセラ
ミック・グリ−ンシ−トを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は
a)セラミックス粉末、(b)側鎖にカルボキシル
有するアクリル系共重合体、(c)光反応性化合物お
よび(d)光開始剤を含有することを特徴とする感光性
セラミックス・グリンシトにより達成される。
【0015】すなわち、本発明はセラミックで作製した
グリ−ンシ−ト自体に感光性を付与せしめることが重要
であり、これによりホトリソグラフィ技術を用いてヴィ
アホ−ルやスル−ホ−ルの形成が容易に精度よくできか
つ微細な孔を安価に効率良く形成できるものである。
【0016】本発明において使用されるセラミックス粉
末としては特に限定されず、低温焼成用など公知のセラ
ミック絶縁材料がいずれも適用できる。
【0017】本発明において使用されるセラミックス粉
末としては、例えばSiO2 、Al2 3 、CaO、B
2 3 および必要に応じてMgOおよびTiO2 を含む
ガラス組成粉末と、アルミナ、ジルコニア、マグネシ
ア、ベリリア、ムライト、コ−ディライト、フォルステ
ライト、スピネル、アノ−サイト、セルジアンおよびシ
リカの群から選ばれる少なくとも一種の無機フィラ−粉
末との原料混合物があげられる。より好ましくはセラミ
ックス粉末が酸化物換算表記で SiO2 30〜70重量% Al2 3 5〜25重量% CaO 5〜25重量% MgO 0〜10重量% B2 3 3〜50重量% TiO2 0〜15重量% の組成範囲で、総量が95重量%以上となるガラス組成
粉末40〜60重量%と、アルミナ、ジルコニア、マグ
ネシア、ベリリア、ムライト、コ−ディライト、フォル
ステライト、スピネル、アノ−サイト、セルジアンおよ
びシリカの群から選ばれる少なくとも一種の無機フィラ
−粉末60〜40重量%との原料混合物を使用するのが
よい。
【0018】無機フィラは基板の機械的強度の向上や
熱膨張係数を制御するのに有効であり、とくにアルミ
ナ、ジルコニア、ムライト、コディライト、アノ
イトはその効果が優れている。無機フィラの割合が6
0重量%を越えると焼結しにくくなり、1000℃以下
で焼結することができなくなる。また40重量%未満で
は、熱膨張係数の制御や低誘電率の基板が得られなくな
る。また、ガラスの組成範囲はSiO2 は30〜70重
量%の範囲であることが好ましく、30重量%未満の場
合はガラス層の強度や安定性が低下し、また誘電率や熱
膨張係数が高くなり所望の値から外れる。また70重量
%より多くなると焼成基板の熱膨張係数が高くなり、ま
た1000℃以下の焼成が困難となる。さらにAl2
3 は5〜25重量%の範囲で配合することが好ましい。
5重量%未満ではガラス相中の強度が低下するうえ、1
000℃以下での焼成が困難となる。25重量%を越え
るとガラス組成をフリット化する温度が高くなり過ぎ
る。CaOは5〜25重量%の範囲で配合するのが好ま
しい。5重量%より少なくなると所望の熱膨張係数が得
られなくなり、また1000℃以下での焼成が困難とな
り、25重量%を越えると誘電率や熱膨張係数が大きく
なる。MgOは0〜10重量%の範囲で配合することが
好ましく、これによりガラスの溶融温度の制御が容易に
なる。10重量%を越えると得られる基板の熱膨張係数
が高くなる。B23 はガラスフリットを1300〜1
450℃付近の温度で溶解するためとセラミックスの焼
成温度をAl23 が多い場合でも誘電率、強度、熱膨
張係数、焼結密度などの電気、機械および熱的特性を損
なうことのないように焼成温度を800〜1000°C
の範囲に制御するために配合することが好ましく、配合
量としては3〜50重量%の範囲が好ましい。3重量%
未満ではB23 が多すぎるとセラックスの強度が低
下しやすく、また50%を越えるとガラスの安定性が低
下し、無機フィラ(結晶)とガラスとの反応による再
結晶化が速くなり、組成としては良くない。50重量%
を越えると多層基板とした場合にガラス相が滲み出る現
象が起こりよくない。
【0019】TiO2 は0〜15重量%の範囲で配合す
ることが好ましい。本発明の低温焼成セラミックス基板
は焼成前には非晶質ガラスと無機フィラ−との混合物で
あるが、フィラ−の種類によっては非晶質ガラスとセラ
ミックスと結晶化ガラスの部分結晶化セラミックスとな
っていると推定される。TiO2 は結晶化ガラスの生成
において有効な核形成物質として作用し、上記範囲にあ
ると良い。
【0020】ガラス粉末40〜60重量%に対して添加
するアルミナ、ジルコニア、マグネシア、ベリリア、ム
ライト、コ−ディライト、フォルステライト、スピネ
ル、アノ−サイト、セルジアンおよびシリカから選ばれ
た少なくとも一種の無機フィラ−粉末を60〜40重量
%にすることが好ましい。無機フィラ−粉末をこの範囲
とすることによりセラミックスの焼成温度を800〜1
000℃とし、強度、誘電率、熱膨張係数、焼結密度、
体積固有抵抗、収縮率を所望の特性とすることができ
る。
【0021】本発明で使用される無機フィラ−に含有さ
れるガラス粉末は不純物として、0〜5重量%までのN
2 O,K2 O,BaO,PbO,Fe2 3 ,Mn酸
化物,Cr酸化物、NiO,Co酸化物を含有すること
ができる。またガラス粉末に含有する無機フィラ−粉末
も上記ガラス粉末と同様の不純物を5重量%まで含有し
ても良い。
【0022】ガラスの作製法は原料であるSiO2 ,A
2 3 ,CaO,MgO,B2 3 ,TiO2 を所定
の配合組成となるように混合し、1250〜1450℃
で溶融後、急冷し、ガラスフリットにしてから粉砕して
0.5〜3μmの微細な粉末にする。原料は高純度の炭
酸塩、酸化物、水酸化物などを使用できる。またガラス
粉末の種類や組成によっては99.99%以上の超高純
度なアルコキシドや有機金属の原料を使用し、ゾル・ゲ
ル法で均質に作製した粉末を使用すると低誘電率で、緻
密で、高強度なセラミックス基板が得られるので好まし
い。
【0023】上記において使用するセラミックス粉末の
粒子径は作製しようとするグリ−ンシ−トの厚みや焼成
後の収縮率を考慮して選ばれるが、粉末の場合は0.0
5〜4μmの範囲のものを選択することが好ましい。よ
り好ましい範囲は0.5から2μmである。余り細かす
ぎると焼成後の収縮率が大きくなり高精度のグリ−ンシ
−トが得られない。また紫外線露光時に光が十分透過し
ないため上下の孔径差のない均一なヴィアホ−ルが得ら
れない。
【0024】本発明の感光性セラミック・グリンシ
トの形成に用いられる感光性樹脂は側鎖にカルボキシ
ル基を有するアクリル系共重合体であり、特に好ましい
のは、側鎖にカルボキシル基とエチレン性不飽和基を有
するアクリル系共重合体である。これらはそれぞれ、不
飽和カルボン酸とエチレン性不飽和化合物を共重合させ
ること、および不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和化
合物を共重合させて形成したアクリル系共重合体にエチ
レン性不飽和基を側鎖に付加させることによって製造す
ることができる
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】不飽和カルボン酸の具体的な例としては、
アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、クロトン
酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、またはこれら
の酸無水物などがあげられる。一方、エチレン性不飽和
化合物の具体的な例としては、メチルアクリレート、メ
チルメタアクリレート、エチルアクリレート、エチルメ
タクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピ
ルアクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチル
メタクリレート、sec−ブチルアクリレート、sec
−ブチルメタクリレート、イソチルアクリレート、イ
ソブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレー
ト、tert−ブチルメタクリレート、n−ペンチルア
クリレート、n−ペンチルメタクリレート、スチレン、
p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチル
スチレンなどがあげられるが、特にここにあげたものに
限られるものでない。これらのアクリル系主鎖ポリマの
主重合成分として前記のエチレン性不飽和化合物の中か
ら少なくともメタクリル酸メチルを含むことによって熱
分解性の良好な共重合体を得ることができる。
【0033】側鎖のエチレン不飽和基としてはビニル
基、アリル基、アクリル基、メタクリル基のようなもの
がある。このような側鎖をアクリル系ポリマに付加させ
る方法は、アクリル系ポリマ中のカルボキシル基にグリ
シジル基を有するエチレン性不飽和化合物やアクリル酸
クロライドを付加反応させて作る方法がある。
【0034】ここで云うグリシジル基を有するエチレン
性不飽和化合物やアクリル酸クロライドとしてはアクリ
ル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アリルグリ
シジルエテル、チルアクリル酸グリシジル、クロト
ニルグリシジルエテル、クロトン酸グリシジルエ
ル、イソクロトン酸グリシジルエテル、アクリル酸ク
ロライド、メタアクリル酸クロライド、アリルクロライ
ドなどが挙げられる。またこれらのエチレン性不飽和化
合物或いはアクリル酸クロライドの付加量はアクリル系
ポリマ中のカルボキシル基に対して0.05〜1モル当
量が望ましく、さらに好ましくは0.1〜0.8モル当
量が望ましい。エチレン性不飽和化合物の付加量が0.
05当量未満では感光特性が不良となりパタンの形成
が困難になる。
【0035】本発明で使用される光反応性化合物は光反
応性を有する炭素−炭素不飽和結合を含有する化合物
で、その具体的な例としてアリルアクリレート、ベンジ
ルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキ
シトリエチレングリコルアクリレート、シクロヘキシ
ルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジ
シクロペンテニルアクリレート、2−エチルヘキシルア
クリレート、グリセロルアクリレート、グリシジルア
クリレート、ヘプタデカフロロデシルアクリレート、2
−ヒドロキシエチルアクリレート、イソボニルアクリ
ト、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、イソデ
ルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリル
アクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メト
キシエチレングリコルアクリレート、メトキシジエチ
レングリコルアクリレート、オクタフロロペンチルア
クリレート、フェノキシエチルアクリレート、ステアリ
ルアクリレート、トリフロロエチルアクリレート、アリ
ルかシクロヘキシルジアクリレート、ビスフェノルA
ジアクリレート、1,4−ブタンジオルジアクリレー
ト、1,3−ブチレングリコルジアクリレート、エチ
レングリコルジアクリレート、ジエチレングリコ
ジアクリレート、トリエチレングリコルジアクリレー
ト、ポリエチレングリコルジアクリレート、ジペンタ
エリスリトルヘキサアクリレート、ジペンタエリスリ
ルモノヒドロキシペンタアクリレート、ジトリメチ
ルプロパンテトラアクリレート、グリセロルジア
クリレート、メトキシシクロヘキシルジアクリレー
ト、ネオペンチルグリコルジアクリレート、プロピレ
ングリコルジアクリレート、ポリプロピレングリコ
ルジアクリレート、トリグリセロルジアクリレート、
トリメチロルプロパントリアクリレートおよび上記の
アクリレートをメタクリレートに変えたもの、γ−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン、1−ビニル−
2−ピロリドンなどが挙げられる。本発明ではこれらを
1種または2種以上使用することができる。本発明で用
いる光重合開始剤としての具体的な例として、ベンゾフ
ェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4−ビス
(ジメチルアミン)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジ
エチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ジクロロベン
ゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルジフェニルケ
トン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,2−ジエ
トキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェ
ニル−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−
2−メチルプロピオフェノン、p−t−ブチルジクロロ
アセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサ
ントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピル
チオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジル、
ベンジルジメチルケタノル、ベンジルトキシエチル
アセタル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエテル、
ベンゾインブチルエテル、アントラキノン、2−t−
ブチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、β
−クロルアントラキノン、アントロン、ベンズアントロ
ン、ジベンゾスベロン、メチレンアントロン、4−アジ
ドベンザルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジド
ベンジリデン)シクロヘキサノン、2,6−ビス(p−
アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、
2−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o−メトキ
シカルボニル)オキシム、1−フェニル−プロパンジオ
ン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1,3
−ジフェニル−プロパントリオン−2−(o−エトキシ
カルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシ−
プロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、
ミヒラケトン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フ
ェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、ナフタ
レンスルホニルクロライド、キノリンスルホニルクロラ
イド、N−フェニルチオアクリドン、4、4−アゾビス
イソブチロニトリル、ジフェニルジスルフィド、ベンズ
チアゾルジスルフィド、トリフェニルホフィン、カ
ンファキノン、四臭素化炭素、トリブロモフェニルス
ルホン、過酸化ベンゾイン及びエオシン、メチレンブル
などの光還元性の色素とアスコルビン酸、トリエタノ
ルアミンなどの還元剤の組合せなどがあげられる。本
発明ではこれらを1種または2種以上使用することがで
きる。
【0036】側鎖にカルボキシル基を有するアクリル系
共重合体は、光反応性化合物に対して、通常、重量比で
0.1〜10倍量用いる。該アクリル系共重合体の量が
少なすぎると、スラリの粘度が小さくなり、スラリ
中での分散の均一性が低下するおそれがある。一方、ア
クリル系共重合体の量が多すぎれば、未露光部の現像液
への溶解性が不良となる。さらに、光重合開始剤は、側
鎖にカルボキシル基を有するアクリル系共重合体と光反
応性化合物の和に対し、0.1〜50重量%の範囲で添
加され、より好ましくは、2〜25重量%である。重合
開始剤の量が少なすぎると、光感度が不良となり、光重
合開始剤の量が多すぎれば、露光部の残存率が小さくな
りすぎるおそれがある。
【0037】本発明の感光性グリーンシート用のスラリ
ーは、側鎖にカルボキシル基を有するアクリル系共重合
体と光重合開始剤を光反応性化合物に溶解し、この溶液
にセラミックス粉末を分散させることによって製造する
ことができる。アクリル系共重合体と光重合開始剤が光
反応性化合物に溶解しない場合或いは溶液の粘度を調整
したい場合には該アクリル系共重合体、光重合開始剤及
び光反応性化合物の混合溶液が溶解可能である有機溶媒
を加えてもよい。この時使用される有機溶媒はアクリル
系共重合体、光重合開始剤及び光反応性化合物の混合物
を溶解しうるものであればよい。たとえばメチルセロソ
ルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルエ
チルケトン、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノ
ン、シクロペンタノン、イソブチルアルコール、イソプ
ロピルアルコール、テトラヒドロフラン、ジメチルスル
フォキシド、γ−ブチロラクトンなどやこれらのうちの
1種以上を含有する有機溶媒混合物が用いられる。
【0038】本発明のグリ−ンシ−ト形成用のスラリ−
の好ましい組成としては、次の範囲で選択するのが好ま
しい。
【0039】(a)セラミックス粉末 ;70〜90
重量% (b)側鎖にカルボキシル基を有するアクリル系共重合
と光反応性化合物;30〜10重量% (c)光重合開始剤 ;上記(b)成分の和に対
して2〜25重量%。 さらに必要に応じて可塑剤、分散剤を添加し、混合物の
スラリ−とする。
【0040】溶媒の種類についてすでに述べたが、上記
(b)成分のポリマ−およびモノマ−を溶解させるため
の溶媒が用いられる。
【0041】上記においてより好ましくは、セラミック
ス粉末と(b)成分の組成をそれぞれ75〜85重量
%、25〜15重量%の範囲に選択するのがよい。この
範囲にあると露光時において紫外線が良く透過し、光硬
化の機能が十分発揮され、後の現像時における露光部の
残存率を大きくすることができる。また特に(b)成分
である側鎖にカルボキシル基を有するアクリル系共重合
体と光反応性化合物の合計量をこの範囲とすることによ
り焼成後の焼結体が緻密になり、高強度の基板が得られ
る利点がある。
【0042】上記組成の混合物をボ−ルミル或いはアト
ライタ−でたとえば20〜48時間粉砕・混合し、スラ
リ−を作製する。またスラリ−の粘度を調整するために
必要に応じて上記の溶媒を添加する。スラリ−はドクタ
ブレ−ドを用いてポリエステルフィルム上に連続的に厚
さ0.01mm〜0.5mmに成形する。この時、粉末
の調合、成形工程では紫外線を遮断できるところで行な
う必要がある。そうでないとグリ−ンシ−トが紫外線に
よって光硬化してしまい、本発明の効果を発揮できるシ
−トが得られない。次いで80〜120℃の温度で加熱
して溶媒類を蒸発させ、シ−トにする。このシ−トを所
定の形状に切断する。
【0043】続いて、得られたセラミックス・グリ−シ
−トはフオトマスクパタ−ンを用いて露光、現像してヴ
ィアホ−ル或いはスルホ−ル径0.005〜0.2mm
の孔をヴィアホ−ルピッチ0.01〜5.0mmの間隔
にあけた後、このヴィアホ−ル部に印刷、スキ−ジ、デ
ィスペンサあるいはロ−ラなどの埋め込み法によって
銅、銀、金などの導体ペ−ストを充填してヴィアホ−ル
内に配線の層間隔接続用の導体を形成する。また必要に
応じてシ−ト表面に所定の導体、絶縁体或いは抵抗体パ
タ−ンを印刷する。またヴィアホ−ルを形成するのと同
様の方法でガイド穴をあける。次に必要な枚数のシ−ト
をガイド孔を用いて積み重ね、90〜130℃の温度で
50〜200kg/cm2 の圧力で接着し、多層基板か
らなるシ−トを作製する。
【0044】セラミックス・グリ−ンシ−トは上述のご
とく通常のフォトマスク法を用いて露光されるが、この
際使用される活性光源はたとえば紫外線、電子線、X線
などが挙げられるが、これらの中で紫外線が好ましく、
その光源としてはたとえば低圧水銀灯、高圧水銀灯、ハ
ロゲンランプ、殺菌灯などが使用できる。これらのなか
でも超高圧水銀灯が好適である。露光条件はグリ−ンシ
−トの厚みによっても異なるが、5〜100mW/cm
2 の出力の超高圧水銀灯を用いて1〜30分間露光を行
なうことが好ましい。
【0045】現像方法としては浸漬法でもスプレ法で
もよく、現像液としては前記の側鎖にカルボキシル基を
有するアクリル系共重合体、光反応性化合物及び光重合
開始剤の混合物が溶解可能である有機溶媒を使用でき
る。また該有機溶媒にその溶解力が失われない範囲で水
を添加してもよい。またアクリル系共重合体の側鎖にカ
ルボキシル基が存在する場合、アルカリ水溶液で現像で
きる。アルカリ水溶液として水酸化ナトリウムや水酸化
カルシウム水溶液などのような金属アルカリ水溶液を使
用できるが、有機アルカリ水溶液を用いた方が焼成時に
アルカリ成分を除去しやすいので好ましい。有機アルカ
リの具体例としては、テトラメチルアンモニウムヒドロ
キサイド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキサ
イド、モノエタノ−ルアミン、ジエタノ−ルアミンなど
が挙げられる。アルカリ水溶液の濃度は通常0.01〜
20重量%、より好ましくは0.1〜10重量%であ
る。アルカリ濃度が低すぎれば未露光部が除去されず
に、アルカリ濃度が高すぎれば、露光部を腐食させるお
それがあり良くない。
【0046】ネガ型の光硬化型の樹脂を使用した場合、
細い径を必要とするヴィアホ−ルでは光が露光によって
硬化していないホ−ルでは現像が確実にかつ容易である
ので貫通した穴が上下の穴径差が発生しないでできる。
【0047】次に上記セラミック多層構造体を基板の焼
結に必要な温度範囲で焼成する。焼成雰囲気は導体の種
類によって異なるが、CuやNiなどの金属の場合は、
水蒸気を含む不活性雰囲気中でバインダ−を分解、蒸発
させる。次に酸素を微量含有する不活性ガス中で焼成す
る。特に低温焼成用セラミック多層基板の場合の焼成温
度は800〜1000℃で行なう。こうして焼成セラミ
ック多層基板を得る。本発明のセラミックス・グリ−ン
シ−トの厚みは5から500μmの範囲であり、好まし
くは5〜200μmである。500μmを越えると紫外
線の露光に対して十分透過せず、光硬化の効果が薄れ
る。また、5μm未満であるとグリ−ンシ−トの取り扱
いが難しくなる。より好ましいシ−トの厚みは0.01
〜0.05mmである。この範囲にあると径0.01〜
0.05mmを有するヴィアホ−ルやスルホ−ルを上下
の孔径差がつかずに形成できる利点がある。
【0048】また光感度を向上させる増感剤を本発明の
セラミックス・グリンシトに添加してもよい。増感
剤の具体例として、2,3−ビス(4−ジエチルアミノ
ベンザル)シクロペンタノン、2,6−ビス(4−ジメ
チルアミベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ビス
(4−ジメチルアミノベンザル)−4−メチルシクロヘ
キサノン、ミヒラケトン、4,4ビス(ジエチルア
ミノ)−ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジメチルアミ
ノ)カルコン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)カルコ
ン、p−ジメチルアミノシンナミリデンインダノン、p
−ジメチルアミノベンジリデンインダノン、2−(p−
ジメチルアミノフェニルビニレン)−イソナフトチアゾ
ル、1,3−ス(4−ジメチルアミノベンザル)ア
セトン、1,3−カルボニル−ビス(4−ジエチルアミ
ノベンザル)アセトン、3,3−カルボニル−ビス(7
−ジエチルアミノクマリン)、N−フェニル−N−エチ
ルエタノルアミン、N−フェニルエタノルアミン、
N−トリルジエタノルアミン、N−フェニルエタノ
ルアミン、ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、ジエチ
ルアミノ安息香酸イソアミル、3−フェニル−5−ベン
ゾイルチオ−テトラゾール、1−フェニル−5−エトキ
シカルボニルチオ−テトラゾルなどがあげられる。本
発明ではこれらを1種または2種以上使用することがで
きる。なお、増感剤の中には光重合開始剤としても使用
できるものがある。
【0049】増感剤を本発明の感光性セラミックス・グ
ンシトに添加する場合、その添加量は側鎖にカル
ボキシル基を有するアクリル系共重合体と光反応性化合
物の和に対して通常0.1〜30重量%、より好ましく
は0.5〜15重量%である。増感剤の量が少なすぎれ
ば光感度を向上させる効果が発揮されず、増感剤の量が
多すぎれば露光部の残存率が小さくなりすぎるおそれが
ある。本発明の感光性グリンシト用スラリに、保
存時の熱安定性を向上させるため、熱重合禁止剤を添加
すると良い。熱重合禁止剤の具体的な例としては、ヒド
ロキノン、N−ニトロソジフェニルアミン、フェノチア
ジン、p−t−ブチルカテコ−ル、N−フェニルナフチ
ルアミン、2,6−ジ−t−ブチル−p−メチルフェノ
−ル、クロラニ−ル、ピロガロ−ルなどが挙げられる。
熱重合禁止剤を添加する場合、その添加量は、側鎖にエ
チレン性不飽和基を有するアクリル系共重合体と光反応
性重合性化合物の和に対し、通常、0.1〜20重量
%、より好ましくは、0.5〜10重量%である。熱重
合禁止剤の量が少なすぎれば、保存時の熱的な安定性を
向上させる効果が発揮されず、熱重合禁止剤の量が多す
ぎれば、露光部の残存率が小さくなりすぎるおそれがあ
る。
【0050】また本発明のセラミックス・グリンシ
トには保存時におけるアクリル系共重合体の酸化を防ぐ
ために酸化防止剤を添加できる。酸化防止剤の具体的な
例として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾル、ブ
チル化ヒドロキシアニソル、2,6−ジ−t−4−エ
チルフェノル、2,2−メチレン−ビス−(4−メチ
ル−6−t−ブチルフェノル)、2,2−メチレン−
ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノル)、
4,4−ス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノ
ル)、1,1,3−トリス−(2−メチル−6−t−ブ
チルフェノル)、1,1,3−トリス−(2−メチル
−4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)ブタン、ビス
[3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフ
ェニル)ブチリックアッド]グリコルエステル、ジ
ラウリルチオジプロピオナト、トリフェニルホスファ
イトなどが挙げられる。
【0051】酸化防止剤を添加する場合、その添加量は
通常、セラミックス粉末、側鎖にエチレン性不飽和基を
有するアクリル系共重合体、光反応重合性化合物および
光重合開始剤の総和に対して0.01〜5重量%、より
好ましくは0.1〜1重量%である。酸化防止剤の量が
少なければ保存時のアクリル系共同重合体の酸化を防ぐ
効果が得られず、酸化防止剤の量が多すぎれば露光部の
残存率が小さくなりすぎるおそれがある。
【0052】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、以下の説明で濃度はすべて重量%で表わす。
【0053】実施例1〜16 下記の実施例において濃度はとくに断らない限りすべて
重量%で表わす。
【0054】A.セラミックス成分 次の組成のものを使用した。
【0055】アルミナ粉末;平均粒子径0.8μm。
【0056】コ−ディライト粉末;平均粒子径1.0
μm。
【0057】ガラス−セラミックス粉末においてアル
ミナ(無機フィラ−)粉末を50%、ガラス粉末を50
%、ガラス組成は、SiO2 ;60,CaO;20,A
2 3 ;20,MgO;5,B2 3 ;5,Ti
2 ;3である。ガラス粉末は予めアトライタ−にて微
粉末し、粉末の平均粒子径、2.2μm,比表面積、
5.0m2 /gのものを使用した。
【0058】ガラス−セラミックス粉末においてセラ
ミック(無機フィラ−)粉末は50%で、ムライト粉末
を25%、スピネル5%、シリカ20%を含む。ガラス
粉末を50%、ガラス組成は、SiO2 ;52%,Ca
O;20%,Al2 3 ;13%,MgO;2%,B2
3 ;8%,TiO2 ;3%である。ガラス粉末は予め
アトライタ−にて微粉砕し、比表面積5.2m2 /g,
平均粒子径1.5μmのものを使用した。
【0059】結晶化ガラス(MgO−Al2 3 −S
iO2 −B2 3 )粉末;平均粒子径1.0μmのもの
を使用した。
【0060】ジルコニア粉末;平均粒子径0.1μ
m。
【0061】B.ポリマ−バインダ− バインダ−I;40%のメタアクリル酸、30%のメチ
ルメタアクリレ−トおよび30%のスチレンに対して
0.4当量(40%に相当する。)のグリシジルアクリ
レ−トを付加反応させたポリマ−。
【0062】バインダ−II;30%のメタアクリル
酸、35%のエチルメタクリレ−トおよび35%のスチ
レンに対して0.3当量(30%に相当する。)のクロ
ライドアクリレ−トを付加反応させたポリマ−。
【0063】C.モノマI;トリメチロル・プロパン・トリアクリ
ト モノマII;2−ヒドロキシエチルアクリレートを1
にプロピレングリコルジアクリレートを2の割合で混
ぜたもの。
【0064】D.溶媒 γ−ブチロラクトン、イソプロピルアルコ−ル、メチル
アルコ−ルおよびメチルエチルケトンの混合溶媒。
【0065】E.光重合開始剤 開始剤I ;α−アミノ・アセトフェノン 開始剤II;ベンゾフェノン <グリ−ンシ−トの製造> A.有機ビヒクルの作製 溶媒およびポリマバインダ−を混合し、攪拌しながら1
20℃まで加熱しすべてのポリマバインダ−を均質に溶
解させた。ついで溶液を室温まで冷却し、開始剤を加え
て溶解させた。その後この溶液を400メッシュのフィ
ルタ−を用いて濾過した。
【0066】B.スラリ−調製 スラリ−の作製は上記の有機ビヒクルに光反応性化合物
およびセラミックス粉末を所定の組成となるように添加
し、アトライタ−で24時間湿式混合し、スラリ−を調
製した。調製した組成を表1、表2および表3にそれぞ
れ示す。
【0067】
【表1】
【表2】
【表3】 C.グリ−ンシ−トの作製 成型は紫外線を遮断した室内でポリエステルのキャリア
フィルムとブレ−ドとのギャップを0.6〜0.8mm
とし、成形速度1m/minでドクタ−ブレ−ド法によ
って行った。得られたグリ−ンシ−トの膜厚を表1、表
2および表3に示した。
【0068】D.露光、現像 上記で作製したグリ−ンシ−トを150mm角に切断し
た後、温度90℃に40分加熱し、溶媒を蒸発させた。
次にクロムマスクを用いて径40μmのヴィアホ−ル数
3000本を有するクロムマスクを用いて、上面から5
0mW/cm2 の出力の超高圧水銀灯で紫外線露光し
た。次に25℃に保持したモノエタノ−ルアミンの1重
量%の水溶液に浸漬して現像し、その後スプレ−を用い
て光硬化していないヴィアホ−ルを水洗浄した。
【0069】E.印刷、積層 次に上記でセラミックス粉末のうちのコ−ディライ
ト、およびのガラス−セラミックス粉末、の結晶
化ガラス粉末については光硬化法によりヴィアホ−ルを
形成したグリ−ンシ−トのヴィアホ−ルにスクリ−ン印
刷法で銀−パラジウム合金の厚膜ペ−ストを埋め込み、
配線の層間接続用の導体を形成する。またグリ−ンシ−
トの表面に上記と同じ厚膜ペ−ストを用いて所定の回路
パタ−ンを印刷する。一方のアルミナおよびのジル
コニア粉末についてはヴィアホ−ルの埋め込みおよび回
路パタ−ンの金属ペ−ストとしてWを使用する。
【0070】銀−パラジウム合金およびW導体を印刷さ
れた10枚のグリ−ンシ−トをガイド穴を用いて積み重
ね、120℃で、150kg/cm2 の圧力で熱圧着
し、10層からなる多層セラミックスグリ−ンシ−トを
作製した。
【0071】F.焼結 得られた10層の積層体を500℃で空気中で3時間の
焼成を行い、バインダ−を蒸発させた後、900〜10
00℃にて0.5時間焼結させ、多層セラミックス基板
を得た。
【0072】Wを導体にしたグリ−ンシ−トはH2 (水
素)ガスとN2 (窒素)ガス雰囲気中で500℃で5時
間の焼成を行い、脱バインダ−後、1600℃の温度に
て0.5時間保持して焼結し、多層セラミック基板を得
た。
【0073】このように光硬化性の樹脂を含むグリ−ン
シ−トを用いてフォトリソグラフィ−法によりヴィアホ
−ルを形成し、作製したセラミック多層基板は微細なヴ
ィアホ−ルができるため小形化、高密度化に有利であ
る。ヴィアホ−ル形成のためのスクリ−ンが必要なく、
セルフアライメントとなり、従来のような位置ズレがな
くなった。
【0074】光硬化により均一なヴィアホルが形成で
き、ヴィアホルが微細であるのでヴィア形成部でのポ
の発生もなく、断線がまったく見られなかった。こ
の結果高い信頼性を得ることができた。またヴィアホ
ル径が4〜8倍である従来の多層基板に比較して信号
伝播速度が大幅に減少した。
【0075】比較例1 上記のセラミックス粉末のうちのアルミナ粉末および
のコ−ディライト粉末について粉末組成53%,アク
リレ−ト樹脂10%,トルエン24%、イソプロピルア
ルコ−ル8%およびジブチルフタレ−ト5%をアトライ
タで混合し、上記と同じ条件でドクタ−ブレ−ド法にて
膜厚100μmのグリ−ンシ−トを作製した。次に金型
によるパンチプレスにてヴィアホ−ル径200μmの穴
を2000本加工した。
【0076】次に上記のEで述べたのと同じようにアル
ミナのグリ−ンシ−トについてはW金属を、コ−ディラ
イト粉末については銀−パラジウム合金のペ−ストを用
いて導体を形成後、積層した。次に上記のFで述べたの
と同じ条件で焼結した。
【0077】作製したセラミック多層配線基板には、導
体配線およびヴィアホ−ルの回りにクラック、バリ、電
極はがれなどが多数観察された。
【0078】本発明は上述の構成を有するため、ヴィア
ホールやスルルの形成が極めて容易にかつ精度よ
くできしかも微細な孔を確実に安価に形成できる利点が
ある。また、この発明の感光性セラミックス・グリ
トにより形成したセラミック多層基板は性能的にも
極めて優れたものであるうえ、ヴィアホルやスル
ルを飛躍的に小形化されるので、高信頼性、高性能
化、高密度化などを達成することができる。たとえば大
きさ150mm角の感光性グリンシトにおいて全体
のヴィアホル数が2000〜3000本であり、この
うち信号用の本数が約1500本あるが、本発明によれ
ばヴィアホ−ル径の微細化によって小型化に加えて導体
ストの信頼性が飛躍的に向上する。すなわち、ヴィ
アホル径が0.1mm以下、好ましくは0.05mm
以下になすことによりヴィアホル内への導体ペスト
の印刷が容易になり、埋め込み不足や抜け落ちがなくな
る。また導電ペストを焼成した場合、焼成に伴う収縮
量もヴィアホル径の微細化に伴って小さくなるので電
極割れが発生しなくなるなど顕著な実用効果を奏するも
のである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−159949(JP,A) 特開 昭63−64953(JP,A) 特開 平1−201063(JP,A) 特開 平1−183456(JP,A) 特開 平2−141458(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)セラミックス粉末、(b)側鎖にカルボキ
    シル基を有するアクリル系共重合体、(c)光反応性化合
    物および(d)光重合開始剤を含有することを特徴とす
    感光性セラミックス・グリンシト。
  2. 【請求項2】アクリル系共重合体が、側鎖にカルボキシ
    ル基とエチレン性不飽和基を有することを特徴とする
    求項1記載の感光性セラミックス・グリンシト。
  3. 【請求項3】セラミックス粉末がアルミナ、ジルコニ
    ア、マグネシア、ベリリア、ムライト、コ−ディライ
    ト、スピネル、フォルステライト、アノ−サイト、セル
    ジアンおよびシリカの群から選ばれた少なくとも一種で
    ある請求項1または2記載の感光性セラミックス・グリ
    ンシト。
  4. 【請求項4】セラミックス粉末が酸化物換算表記で SiO2 30〜70重量% Al23 5〜25重量% CaO 5〜25重量% MgO 0〜10重量% B23 3〜50重量% TiO2 0〜15重量% の組成範囲で、総量が95重量%以上となるガラス組成
    粉末40〜60重量%と、アルミナ、ジルコニア、マグ
    ネシア、ベリリア、ムライト、コ−ディライト、フォル
    ステライト、スピネル、アノ−サイト、セルジアンおよ
    びシリカの群から選ばれる少なくとも一種の無機フィラ
    −粉末60〜40重量%との原料混合物である請求項1
    〜3のいずれかである感光性セラミックス・グリンシ
    ト。
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