JP2005213071A - 複合誘電体粉末及びその製造方法、シート状粉末成形体及びセラミック回路基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】原料が微粉でもスラリーのゲル化を抑制し、高強度の低温焼成セラミックスが得られる複合誘電体粉末及びその製造方法、シート状粉末成形体及びセラミック回路基板の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の複合誘電体粉末は、誘電誘電セラミック粒子の表面をガラス層で一体的に被覆してなることを特徴とし、前記誘電セラミック粒子の平均粒径が3μm以下であることが好ましく、また、その製造方法は、誘電セラミック粒子を作製する工程と、ガラスを溶融する工程と、該溶融ガラスを誘電セラミック粒子に被覆し、緻密なガラス層を形成する工程と、を具備することを特徴とし、また、前記誘電セラミック粒子と前記ガラス粉末を混合する工程と、該混合物をガラスの軟化点以上の温度で熱処理する工程とを有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、低温焼成セラミックスからなる絶縁基板の内部や外部に銀を含有する導体層を同時焼成によって形成してなるキャパシタ、インダクタ、フィルタ、高周波モジュールなどの機能部品や多層配線基板に適用可能な複合誘電体粉末及びその製造方法、シート状粉末成形体及びセラミック回路基板の製造方法に関するものである。
従来より、マイクロ波やミリ波等の高周波領域において、誘電体共振器、MIC用誘電体基板、および導波路等に誘電体磁器が広く利用されているが、特に、近年における携帯電話をはじめとする移動体通信等の発達および普及に伴い、電子回路基板や電子部品の材料として誘電体磁器の需要が増大しつつある。
そして、電子回路基板や電子部品に用いられる誘電体磁器組成物として、高導電性の金属である銀や銅とともに同時焼成が可能なガラス、またはガラスとセラミックスとの複合材料、または焼結助剤を含むセラミックスからなるいわゆる1000℃以下で焼成可能な低温焼成セラミックスが開発されている。
このような低温焼成セラミックスの原料粉体はバインダを含むグリーンシートに加工され、内、外部に相当する必要な配線・回路パターン電極をスクリーン印刷等によって形成、また必要に応じて電極接続用のビアホール導体、スルーホール導体が形成される。その後グリーンシートを積層して低温焼成セラミックスと電極が同時に焼成されることによって多層配線基板をはじめとするセラミック電子部品が作製されている。
このようなガラスとセラミックスとの混合原料を1000℃以下で焼成して高強度化するには、表面エネルギーを高めて焼結を促進するため、混合原料を微粉化した原料粉末を使用することが必要であった。
しかしながら、微粉化した混合原料を用いて有機バインダを含むグリーンシートに加工する際には樹脂分の量を増量せざるを得ず、その結果焼成時に脱バインダ後の空隙が焼結を阻害し焼成後にボイドが残存して十分な高強度化が達成できないという問題があった。
また、微粉化した混合原料はバインダとの反応性が高くなり、スラリーがゲル化してしまうという問題があった。
従って、本発明は、原料が微粉でもスラリーのゲル化を抑制し、高強度の低温焼成セラミックスが得られる複合誘電体粉末及びその製造方法、シート状粉末成形体及びセラミック回路基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の複合誘電体粉末は、誘電体セラミック粒子の表面を、ガラス層で一体的に被覆してなることを特徴とする。
前記誘電セラミック粒子の平均粒径が3μm以下であることが好ましい。
本発明の複合誘電体粉末の製造方法は、誘電体セラミック粒子を作製する工程と、ガラスを溶融する工程と、該溶融ガラスを前記誘電体セラミック粒子に被覆する工程と、を具備する工程と、を具備することを特徴とする。
また、本発明の他の複合誘電体粉末の製造方法は、誘電体セラミック粒子とガラス粉末を混合する工程と、該混合物をガラスの軟化点以上の温度で熱処理する工程と、を具備することを特徴とする。
本発明のシート状粉末成形体は、上記の複合誘電体粉末と有機バインダとの混合物を成形してなることを特徴とするものである。
本発明のセラミック回路基板の製造方法は、上記の複合誘電体粉末及び有機バインダを用いてシート状粉末成形体を作製する成形工程と、該シート状粉末成形体の表面に回路パターンを形成する回路形成工程と、該回路パターンを備えたシート状粉末成形体を焼成する焼成工程と、を具備することを特徴とする。
前記有機バインダが光硬化性樹脂を含むことが好ましい。
前記焼成工程に先立ち、前記回路パターンを備えたシート状粉末成形体を積層する積層工程を具備することが好ましい。
本発明の電子部品用複合誘電体粉末は、誘電体セラミック粒子の表面を、ガラス層で一体的に被覆することによって、有機バインダに対する反応性を顕著に抑制でき、その結果、スラリーのゲル化を防止できるとともに、微細な誘電体セラミック粒子を用いても比表面積を顕著に低減できるため、少ないバインダ量でシート状粉末成形体が作製でき、その結果、バインダの除去後の空隙を顕著に低減せしめることが可能となり、このようなシート状粉末成形体を焼成することで高強度の焼結体を得ることができる。
特に、前記誘電体セラミック粒子の平均粒径が3μm以下であると、上記効果が高い。
本発明の複合誘電体粉末の製造方法は、誘電体セラミック粒子を作製する工程と、ガラスを溶融する工程と、該溶融ガラスを誘電体セラミック粒子に被覆し、緻密なガラス層を形成する工程と、を具備するため、工業的に従来設備を使って安定して複合誘電体粉末を製造できるという効果がある。
また、誘電体セラミック粒子とガラス粉末を混合する工程と、該混合物をガラスの軟化点以上の温度で熱処理する工程とを有するため、短時間に均質に複合誘電体粉末を得られるという効果がある。
本発明のシート状粉末成形体は、上記の複合誘電体粉末と有機バインダとの混合物を成形してなるため、均質な分散により、シートの加工性が良く、欠陥が少なく加工時のハンドリング性が良く、また、焼成しても焼けムラも起こりにくい。
本発明のセラミック回路基板の製造方法は、有機バインダとの反応性の低い複合誘電体粉末を用いるため、高強度のセラミック回路基板を実現でき、電子部品、特にセラミック回路基板の信頼性を高めることができる。
特に、有機バインダが光硬化性樹脂を含むことによって、高精度な電子部品、セラミック回路基板が実現できるという効果がある。
また、前記焼成工程に先立ち、前記回路パターンを備えたシート状粉末成形体を積層する積層工程を具備することが好ましい。これにより、複雑な構造を有し、機械的信頼性の高い多層基板からなるセラミック回路基板を容易に得ることができる。
本発明は、誘電体セラミック粒子とガラスとの複合粉末で、誘電体セラミック粒子の表面をガラス層で一体的に被覆することが重要である。
図1は、本発明の複合誘電体粉末を示す模式図である。図1によれば、誘電体セラミック粒子1の表面がガラス2で一体的に被覆されており、誘電体セラミック粒子1の径が3μm以下であることが望ましい。ここで、一体的とは、複合誘電体セラミック粉末1の表面に粉末状のガラス粒子が複数吸着して表面を覆っているのではなく、ガラス2層として、誘電セラミック粒子1の表面を覆っていることを意味するものである。
従来のガラス粉とセラミック粉の混合原料では、焼結性を上げるためにガラス粉を微粉化する必要があり、粉末の比表面積が大きい。従って粉末シート状粉末成形体を作るのに多くのバインダを必要とし、また、バインダと反応してスラリーがゲル化するのに対して、本発明の複合誘電体粉末は比表面積が小さくても焼結性が良好なのでバインダ量を低減し、スラリーのゲル化を抑制することができる。
また、焼成過程において、ガラス粉末と誘電セラミック粉末を単に混合した従来のものは、ガラスが溶融し、誘電セラミック粒子をぬらすために周囲に回り込む必要があるが、本発明の複合誘電体粉末は誘電セラミック粒子1の表面がガラス2層ですでに被覆されているため、従来の混合原料に比べて焼結性が向上する。
さらに、誘電セラミック粒子1の表面をガラス2が一体的に覆っているので、ガラスの軟化流動によって粒子が再配列し、焼結することができるため、ボイドの生成を抑制することができる。従って、本発明の複合誘電体粉末を用いれば、高強度の低温焼成セラミックスを得ることができる。
本発明の複合誘電体粉末に用いられる誘電セラミック粒子1は、平均粒径が3μm以下、特に2μm以下、更には1μm以下であることが、焼結性を高める点において好ましい。
このような複合誘電体粉末は、スラリーにしてもゲル化せず、焼結性が高く、高強度セラミックスが得られるため、低温焼成セラミックスからなる絶縁基板の内部や外部に銀を含有する導体層を同時焼成によって形成してなるキャパシタ、インダクタ、フィルタ、高周波モジュールなどの機能部品や多層配線基板に好適に用いることができる。
各誘電体セラミック粉末粒子に被覆されたガラス層の平均厚みは、例えば0.1〜1.5μm、特に0.2〜1.0μm、更には0.2〜0.5μmであることが、高Qを実現するなど誘電特性の点で好ましい。
換言すれば、誘電体セラミック粒子の平均粒子径にするガラス層の平均厚みの割合を、5〜100%、特に10〜50%、更には15〜40%であることが好ましい。
ガラス層は誘電体セラミック粉末粒子の全面を覆うことが好ましいが、ゲル化しにくく、且つ高強度が得られる範囲の被覆率であれば、必ずしも100%覆う必要は無い。従って、ピンホール等の小さい欠陥は含まれていても良く、ガラス層の一部剥離や一部未被覆等が生じる場合であっても、比表面積を小さくできる範囲では差し支えない。
次に、本発明の複合誘電体粉末の製造方法について説明する。
本発明の複合誘電体粉末の製造方法は、誘電体セラミック粒子を作製する工程1と、ガラスを溶融する工程2と、該溶融ガラスを誘電体セラミック粒子に被覆し、該誘電体セラミック粒子にガラス層を一体的に形成する工程3と、を具備することを特徴とするものである。
本発明において、誘電セラミック粒子とガラスとは公知のものを使用できる。例えば、誘電セラミック粒子は、Al、SiO、TiO、2MgO・SiO、MgTiO、CaTiO、SrTiO、BaTiOの少なくとも1種を用いることができる。特に、Alは、高強度化の点で望ましい。また、酸化チタン化合物は、比誘電率などの誘電特性をコントロールし易い点で望ましい。
また、ガラスは、珪酸系ガラスや硼珪酸系ガラスや硼珪酸鉛系ガラス、これらにアルカリ土類酸化物やアルカリ金属酸化物、アルミナ、酸化亜鉛等を含んだ非晶質ガラスや結晶化ガラスがある。この時、結晶化ガラスとしてはセルシアン、アノーサイト、コージェライト、βスポジュメン、フォルステライト、ガーナイト、ウイレマイト、ハーディストナイト、ディオプサイド、スピネル、ムライトの群から選ばれる少なくとも1種が析出することが望ましい。
これらの粉末粒子の作製方法は、公知の手段を用いて作製することができる(工程1)。
次いで、上記のガラスを溶融する(工程2)。さらに、工程1で作製した誘電体セラミック粒子に対して、工程2で溶融したガラスを被覆して、誘電体セラミック粒子にガラス層を一体的に形成することが重要である。
具体的には、溶融ガラスに誘電体セラミック粉末粒子を混合し、可能な限り誘電体セラミック粉末粒子の1個1個に被覆層を形成するのが望ましい。
本発明の複合誘電体粉末の他の製造方法は、誘電体セラミック粒子とガラス粉末を混合する工程4と、該混合物をガラスの軟化点以上の温度で熱処理する工程5とを有することを特徴とするものである。
ここでも、誘電体セラミック粒子とガラス粉末とは、上述したような公知の材料を用いることができる。
本発明によれば、これらの粉末を混合し(工程4)、しかる後にガラスの軟化点以上の温度で熱処理して(工程5)、誘電体セラミック粒子にガラス層を一体的に形成することが重要である。これにより、安価に誘電体セラミック粒子の表面にガラス粉末を被覆することができる。
なお、工程3又は工程4に先立ち、所望により、誘電体セラミック原料を解砕して粒子の凝集を解消しても良いし、粉砕して粒子の平均粒子径を調整しても良い。
このような本発明の複合誘電体粉末の製造方法は、工業的に安定して安価に製造することができる。
本発明のシート状粉末成形体は、上記の複合誘電体粉末とバインダとからなるものである。
例えば、上記の複合誘電体粉末を含む組成物に、有機バインダ、溶剤を加えて混合してスラリーを調製した後、これを公知の成形方法、例えばプレス法、ドクターブレード法、射出成形法により任意のシート形状に成形し、グリーンシートを作製することができる。これらの方法の中で、積層体の形成のためにはドクターブレード法によってシート状に成形することが望ましい。
なお、本発明のシート状粉末成形体は、有機バインダ以外、分散剤、可塑剤とを含む樹脂を含有していても良い。
上記の優れた特徴を有する複合誘電体粉末とバインダとを具備するシート状粉末成形体は、焼結性が高く、高強度セラミックスが得られるため、電子部品やセラミック回路基板の製造に最適である。
また、本発明のセラミック回路基板の製造方法は、上記の複合誘電体粉末及び有機バインダを用いてシート状粉末成形体を作製する成形工程と、成形工程で作製したシート状粉末成形体の表面に回路パターンを形成する回路形成工程と、回路パターンを備えたシート状粉末成形体を焼成する焼成工程と、を具備することが重要である。このような構成により、スラリーのゲル化による分散不良を防止し、複合誘電体粉末と有機バインダとを均一に混合して、安定した成形ができ、その後工程でも亀裂、破れ等が起こりにくいという効果がある。また、粉末と有機バインダが均一に分散しているので、焼成工程で脱バインダ性が良く、シート状粉末成形体を均一に焼結することが可能になり、強度の高いセラミック基板を得ることができる。
電子部品、とりわけセラミック回路基板の製造方法としては、焼成工程に先立ち、回路形成工程を経たシート状粉末成形体を積層する積層工程を具備することが好ましい。例えば、表面に回路パターンが形成され、また、グリーンシートの一部に穿孔し、しかる後にその孔に導体を充填して得られたビア導体が形成されたグリーンシートを作製し、このグリーンシートを複数積層することができる。なお、積層工程には、回路パターンが形成されたグリーンシートと共に、所望により、積層するグリーンシートを使用しても良い。
なお、回路パターンは、に銀を含有する導体ペーストを用いてシート状粉末成形体表面に導体層をパターン状に塗布形成し、しかる後に、所望により多層化する場合には、この導体層が形成されたシート状のシート状粉末成形体を加熱しながら減圧下でプレス積層し、その後、所定サイズにカットして焼成することが望ましい。
本発明によれば、上記の成形工程で用いた有機バインダが光硬化性樹脂を含むことが好ましい。有機バインダとして光硬化性樹脂を用いる場合、従来のように微細な誘電体セラミック粉末と直接混合すると、誘電体セラミック粉末と光硬化性樹脂とが反応することにより、スラリーのゲル化が顕著であった。ところが、本発明のように複合誘電体粉末を使用する場合、光硬化性樹脂を用いても反応を抑制でき、その結果ゲル化を防止できるため、フォトリソ技術を応用して高精度化を図ることができ、高精度な電子部品、セラミック回路基板を実現できる。
光硬化性樹脂は、光硬化性樹脂膜の塗布・乾燥後の露光によって光重合される必要があり、遊離ラジカルの形成、連鎖生長付加重合が可能で、2級もしくは3級炭素を有したモノマーが好ましく、例えば、少なくとも1つの重合可能なエチレン系基を有するブチルアクリレート等のアルキルアクリレートおよびそれらに対応するアルキルメタクリレート等が挙げられる。
また、テトラエチレングリコールジアクリレート等のポリエチレングリコールジアクリレートおよびそれらに対応するメタクリレートも有効である。光重合開始剤としては、ベンゾフェノン類,アシロインエステル類化合物などが挙げられる。
これら光硬化性樹脂、光重合開始剤トータルの量は光硬化性樹脂膜中6〜60質量%、特に6〜30質量%、更には6〜20質量%が望ましい。
また、光硬化型樹脂膜中にはその他の成分としてDOPやDBP等の可塑剤やIPA、トルエン、アセトン、ブチルセルソルブ等の溶剤や分散剤、その他のポリマーを添加しても良い。
ガラスとセラミックスとの複合材料として、軟化点が805℃のディオプサイド結晶を析出する結晶化ガラス粉末55質量%と、セラミックスとしてAl粉末40質量%とCaTiO粉末5質量%からなる組成物A、軟化点が820℃のMgO−Al−SiO−ZnO−Bからなるガラス粉末50質量%と、セラミックスとしてAl粉末50質量%からなる組成物Bを準備した。
なお、組成A及び組成Bにおいて、用いたAl粉末の平均粒子径dを表1に記載した。
また、光硬化性樹脂としてブチルアクリレートを用いた。
そして組成物A、Bはそれぞれイソプロピルアルコールを分散媒にしてボールミルによって2時間混合した。その際にゲル化が起こるかどうかを観察した。
イソプロピルアルコールを乾燥させた混合粉を解砕し、坩堝に充填し、酸化雰囲気下で熱処理した。
こうして得られた複合誘電体粉末は、SEM、TEM観察によってセラミックス粒子の表面がガラスで被覆されていることを確認し、複合誘電体粉末の平均厚みtをTEM観察によって測定し、Al粉末の平均粒子径dに対する平均厚みtの割合t/dを表1に示した。また、得られた複合誘電体粉末の比表面積をBET1点法によって測定した。
次に、この複合誘電体粉末と有機バインダ、分散剤、可塑剤とを含む樹脂と、トルエン、イソプロピルアルコールを所定量調合して混練してスラリー化し、ドクターブレード法によりテープ成形してグリーンシートを作製した。得られたグリーンシートを積層し、所定サイズにカットしてトンネル炉を用いて焼成した。
作製した試料について、気孔率を鏡面研磨面のSEM観察から求めた。また、JIS
R1601−1995に基づく三点曲げ試験によって曲げ強度を測定した。結果を表1に示した。
Figure 2005213071
本発明の試料No.4、5、7、10〜12及び14〜18は、いずれも比表面積が小さいにもかかわらず、樹脂量を20質量%以下と少なくでき、ゲル化が起こらなかった。また、焼成によって、組成物Aを用いた場合には430MPa以上、組成物Bを用いた場合には310MPa以上の強度が得られた。
一方、被覆のための熱処理を行わなかった本発明の範囲外の試料No.1、2、6、8、9及び13は、スラリーがゲル化した。また、焼成した磁器強度は、組成物Aを用いた場合には390MPa以下、組成Bを用いた場合には270MPa以下であった。
また、熱処理温度が760℃と低いため被覆層の形成されない本発明の範囲外の試料No.3は、ゲル化が観察され、強度も組成物Aを用いて350MPaと低かった。
本発明おける複合誘電体粉末の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
1・・・誘電セラミック粒子
2・・・ガラス

Claims (8)

  1. 誘電体セラミック粒子の表面を、ガラス層で一体的に被覆してなることを特徴とする複合誘電体粉末。
  2. 前記誘電体セラミック粒子の平均粒径が3μm以下であることを特徴とする請求項1記載の複合誘電体粉末。
  3. 誘電体セラミック粒子を作製する工程と、ガラスを溶融する工程と、該溶融ガラスを前記誘電体セラミック粒子に被覆する工程と、を具備することを特徴とする複合誘電体粉末の製造方法。
  4. 誘電体セラミック粒子とガラス粉末を混合する工程と、該混合物をガラスの軟化点以上の温度で熱処理する工程と、を具備することを特徴とする複合誘電体粉末の製造方法。
  5. 請求項1又は2記載の複合誘電体粉末と有機バインダとの混合物を成形してなることを特徴とするシート状粉末成形体。
  6. 請求項1又は2記載の複合誘電体粉末及び有機バインダを用いてシート状粉末成形体を作製する成形工程と、該シート状粉末成形体の表面に回路パターンを形成する回路形成工程と、該回路パターンを備えたシート状粉末成形体を焼成する焼成工程と、を具備することを特徴とするセラミック回路基板の製造方法。
  7. 前記有機バインダが光硬化性樹脂を含むことを特徴とする請求項6記載のセラミック回路基板の製造方法。
  8. 前記焼成工程に先立ち、前記回路パターンを備えたシート状粉末成形体を積層する積層工程を具備することを特徴とする請求項6又は7記載のセラミック回路基板の製造方法。

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