JP2006036840A - 溶融流延によって製造するセルロースエステルフィルム用セルロースエステル組成物、及びセルロースエステルフィルム、光学フィルム、これを用いた偏光板並びにそれらの製造方法 - Google Patents
溶融流延によって製造するセルロースエステルフィルム用セルロースエステル組成物、及びセルロースエステルフィルム、光学フィルム、これを用いた偏光板並びにそれらの製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 溶媒を使用することなく光学的、物理的に優れ、特に寸法安定性に優れたセルロースエステルフィルム用セルロースエステル組成物、及びセルロースエステルフィルム、光学フィルム、これを用いた偏光板並びにそれらの製造方法を提供することである。
【解決手段】 溶融流延によりセルロースエステルフィルムを製造する際に用いるセルロースエステル組成物において、エチレン性不飽和モノマーまたは官能基を有するエチレン性不飽和モノマー及び光重合開始剤を含有することを特徴とするセルロースエステル組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】 溶融流延によりセルロースエステルフィルムを製造する際に用いるセルロースエステル組成物において、エチレン性不飽和モノマーまたは官能基を有するエチレン性不飽和モノマー及び光重合開始剤を含有することを特徴とするセルロースエステル組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明は、溶融流延によって製造するセルロースエステルフィルム用セルロースエステル組成物、及びセルロースエステルフィルム、光学フィルム、これを用いた偏光板並びにそれらの製造方法に関する。
液晶表示装置(LCD)は低電圧、低消費電力でIC回路への直結が可能であり、そして特に薄型化が可能であることから、ワードプロセッサやパーソナルコンピュータ、テレビ、モニター、携帯情報端末等の表示装置として広く採用されている。このLCDは、基本的な構成は例えば液晶セルの両側に偏光板を設けたものである。
ところで偏光板は一定方向の偏波面の光だけを通すものである。従って、LCDは電界による液晶の配向の変化を可視化させる重要な役割を担っている。即ち、偏光板の性能によってLCDの性能が大きく左右される。
偏光板の偏光子はヨウ素等を高分子フィルムに吸着・延伸したものである。即ち、二色性物質(ヨウ素)を含むHインキと呼ばれる溶液を、ポリビニルアルコールのフィルムに湿式吸着させた後、このフィルムを一軸延伸することにより、二色性物質を一方向に配向させたものである。
偏光板の保護フィルムとしては、セルロース樹脂、特にセルローストリアセテートが用いられている。
セルロースエステルフィルムは、光学的、物理的に偏光板用の保護フィルムとして有用であるため一般に広く用いられている。しかしながら、フィルムの製造方法はハロゲン系の溶媒を用いた流延製膜法による製造方法であるため、溶媒回収に要する費用は非常に大きい負担となっていた。そのため、ハロゲン系以外の溶媒がいろいろと試験されたが満足する溶解性の得られる代替物はなかった。代替溶媒以外に、特許文献1に記載の冷却法等新規溶解方法も試されたが、工業的な実現が難しくさらなる検討が必要とされている。
特開平10−95861号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は溶媒を使用することなく光学的、物理的に優れ、特に寸法安定性に優れたセルロースエステルフィルム用セルロースエステル組成物、及びセルロースエステルフィルム、光学フィルム、これを用いた偏光板並びにそれらの製造方法を提供することである。
なお、本発明において光学フィルムとは、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等の各種表示装置に用いられる機能フィルムのことであり、特に偏光板保護フィルム、位相差フィルム、反射防止フィルム、輝度向上フィルム、視野角拡大等の光学補償フィルム等を含む。特に、その中でも本発明のセルロースエステルフィルムまたは光学フィルムを偏光板保護フィルムとして採用した偏光板を提供することにある。
本発明の上記課題は、以下の構成により達成される。
(請求項1)
溶融流延によりセルロースエステルフィルムを製造する際に用いるセルロースエステル組成物において、エチレン性不飽和モノマーまたは官能基を有するエチレン性不飽和モノマー及び光重合開始剤を含有することを特徴とするセルロースエステル組成物。
溶融流延によりセルロースエステルフィルムを製造する際に用いるセルロースエステル組成物において、エチレン性不飽和モノマーまたは官能基を有するエチレン性不飽和モノマー及び光重合開始剤を含有することを特徴とするセルロースエステル組成物。
(請求項2)
さらに、2個以上のエチレン性不飽和基を有するエチレン性不飽和モノマーを含有することを特徴とする請求項1記載のセルロースエステル組成物。
さらに、2個以上のエチレン性不飽和基を有するエチレン性不飽和モノマーを含有することを特徴とする請求項1記載のセルロースエステル組成物。
(請求項3)
前記官能基が紫外線吸収性基または帯電防止性基であることを特徴とする請求項1または2記載のセルロースエステル組成物。
前記官能基が紫外線吸収性基または帯電防止性基であることを特徴とする請求項1または2記載のセルロースエステル組成物。
(請求項4)
紫外線吸収剤を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のセルロースエステル組成物。
紫外線吸収剤を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のセルロースエステル組成物。
(請求項5)
微粒子を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のセルロースエステル組成物。
微粒子を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のセルロースエステル組成物。
(請求項6)
請求項1〜5のいずれか1項記載のセルロースエステル組成物を溶融流延製膜した後、紫外線照射することを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。
請求項1〜5のいずれか1項記載のセルロースエステル組成物を溶融流延製膜した後、紫外線照射することを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。
(請求項7)
セルロースエステルフィルムの両面から紫外線照射することを特徴とする請求項6記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
セルロースエステルフィルムの両面から紫外線照射することを特徴とする請求項6記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
(請求項8)
請求項6または7記載のセルロースエステルフィルムの製造方法で製造されることを特徴とするセルロースエステルフィルム。
請求項6または7記載のセルロースエステルフィルムの製造方法で製造されることを特徴とするセルロースエステルフィルム。
(請求項9)
請求項8記載のセルロースエステルフィルムを1方向及びそれと直行する方向にそれぞれ1.00〜2.50倍、1.01〜23.00倍に延伸することを特徴とする光学フィルムの製造方法。
請求項8記載のセルロースエステルフィルムを1方向及びそれと直行する方向にそれぞれ1.00〜2.50倍、1.01〜23.00倍に延伸することを特徴とする光学フィルムの製造方法。
(請求項10)
延伸後、紫外線照射することを特徴とする請求項9記載の光学フィルムの製造方法。
延伸後、紫外線照射することを特徴とする請求項9記載の光学フィルムの製造方法。
(請求項11)
請求項9または10記載の光学フィルムの製造方法で製造されることを特徴とする光学フィルム。
請求項9または10記載の光学フィルムの製造方法で製造されることを特徴とする光学フィルム。
(請求項12)
請求項8記載のセルロースエステルフィルムまたは請求項11記載の光学フィルムを鹸化処理し、鹸化処理した面を偏光膜の両面に貼合することを特徴とする偏光板の製造方法。
請求項8記載のセルロースエステルフィルムまたは請求項11記載の光学フィルムを鹸化処理し、鹸化処理した面を偏光膜の両面に貼合することを特徴とする偏光板の製造方法。
本発明により、溶媒を使用することなく光学的、物理的に優れ、特に寸法安定性に優れたセルロースエステルフィルム用セルロースエステル組成物、及びセルロースエステルフィルム、光学フィルム、これを用いた偏光板並びにそれらの製造方法を提供することができる。
本発明はセルロースエステルフィルム、特に偏光板の保護フィルムの材料としてセルロースエステルフィルムを使用する系において、溶媒を使用しないでフィルム製膜する方法を究明するためになされたもので、非溶媒使用系で製膜する方法を採用してセルロースエステルフィルムを製造するにはセルロースエステルを最適な温度で溶融・流延することによって形成すればよいとの知見に基づき本発明に至ったものである。さらに、本発明のセルロースエステル組成物は、セルロースエステルの他に、エチレン性不飽和モノマー、紫外線吸収性基、帯電防止性基等の官能基を有するエチレン性不飽和モノマー及び光重合開始剤を含有し、エチレン性不飽和モノマー、紫外線吸収性基、帯電防止性基等の官能基を有するエチレン性不飽和モノマーが製膜後の紫外線照射により重合するため、光学的、物理的に優れ、特に寸法安定性に優れたセルロースエステルフィルムが得られ、かつ、従来から使用されている低分子の紫外線吸収剤、帯電防止剤等を本質的に含まず、従って、セルロースエステルフィルムから紫外線吸収剤、帯電防止剤等の析出や揮発が起こらない。
以下、本発明を詳述する。
本発明の光学フィルムは溶融流延によって形成されたセルロースエステルフィルムであることを特徴とする。
本発明における溶融流延とは、溶媒を用いずセルロースエステルを流動性を示す温度まで加熱溶融し、その後流動性のセルロースエステルをエンドレスベルト、ドラム上に押し出し製膜することを意味する。
流延に用いられる各種添加物を含んでもよいセルロースエステル組成物にはほとんど揮発性溶媒を含まないが、一方でそのセルロースエステル組成物を調製する過程の一部では溶媒を使用してもよい。
〔セルロースエステル〕
本発明に係るセルロースエステルはアシル基の置換度が2.5〜3.0のもので、アシル基がアセチル基、プロピオニル基及びブチリル基から選ばれる少なくとも一つのものが好ましい。具体的にはセルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネートブチレート等を挙げることができ、本発明においては、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート及びセルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネートブチレートが好ましい。セルロースアセテートプロピオネート及びセルロースアセテートブチレートはセルローストリアセテートより低い温度で溶融流延ができる。アセチル基を含む場合は機械的性質を維持するために、アセチル基の置換度が1.4以上であることが好ましい。
本発明に係るセルロースエステルはアシル基の置換度が2.5〜3.0のもので、アシル基がアセチル基、プロピオニル基及びブチリル基から選ばれる少なくとも一つのものが好ましい。具体的にはセルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネートブチレート等を挙げることができ、本発明においては、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート及びセルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネートブチレートが好ましい。セルロースアセテートプロピオネート及びセルロースアセテートブチレートはセルローストリアセテートより低い温度で溶融流延ができる。アセチル基を含む場合は機械的性質を維持するために、アセチル基の置換度が1.4以上であることが好ましい。
セルロースエステルはその原料となるセルロースは特に限定はなく、綿花リンター、木材パルプ、ケナフ等を用いることができる。これらを混合して使用してもよい。ベルトやドラムからの剥離性がよい綿花リンターから合成されたセルロースエステルを多く使用した方が生産効率が高く好ましい。綿花リンターから合成されたセルロースエステルの比率が60質量%以上で、剥離性の効果が顕著になるため60質量%以上が好ましく、より好ましくは85質量%以上、さらには、単独で使用することが最も好ましい。セルロースエステルの合成方法は、特に限定はないが、例えば、特開平10−45804号公報に記載の方法で合成することができる。アシル基の置換度の測定方法は、ASTM−D817−96により測定することができる。セルロースエステルの数平均分子量は、偏光板用保護フィルムとして好ましい機械的強度を得るためには、70000〜300000が好ましく、さらに80000〜200000が好ましい。
本発明のセルロースエステル組成物中には、従来から使用されている低分子の可塑剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等を本質的に含まず、可塑性基、紫外線吸収性基、帯電防止性基等の官能基を有するエチレン性不飽和モノマーを含有し、製膜後、可塑性基、紫外線吸収性基、帯電防止性基等の官能基を有するエチレン性不飽和モノマーが光重合する。従って、本発明の特徴は、可塑性基、紫外線吸収剤、帯電防止剤等がウェブからの析出や揮発は起こらないことである。しかし若干の量であれば、低分子の可塑剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等を析出しない程度に補助的に添加してもかまわない。
〔可塑剤〕
本発明において補助的に添加できる低分子可塑剤としては、250℃程度の溶融流延温度で安定であれば特に限定されないが、リン酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、グリコレート系可塑剤等を好ましく用いることができる。リン酸エステル系可塑剤としては、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等、フタル酸エステル系可塑剤としては、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジベンジルフタレート、グリコレート系可塑剤としては、ブチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート等を好ましく用いることができる。これらの可塑剤は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
本発明において補助的に添加できる低分子可塑剤としては、250℃程度の溶融流延温度で安定であれば特に限定されないが、リン酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、グリコレート系可塑剤等を好ましく用いることができる。リン酸エステル系可塑剤としては、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等、フタル酸エステル系可塑剤としては、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジベンジルフタレート、グリコレート系可塑剤としては、ブチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート等を好ましく用いることができる。これらの可塑剤は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
〔紫外線吸収剤〕
また本発明において、補助的に添加できる紫外線吸収剤としては、250℃程度の溶融流延温度で安定であれば特に限定されないが、例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等を挙げることができるが、着色の少ないベンゾトリアゾール系化合物が好ましい。光に対しする安定性を有するベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤やベンゾフェノン系紫外線吸収剤が好ましく、不要な着色がより少ないベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が特に好ましい。例えばチバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製のTINUVIN109(UV−1とする)、TINUVIN171、TINUVIN326、TINUVIN327、TINUVIN328等を好ましく用いることができるが、低分子の紫外線吸収剤は使用量によっては可塑剤同様に製膜中にウェブに析出したり、揮発する恐れがあるので、その添加量は3〜10質量%程度である。
また本発明において、補助的に添加できる紫外線吸収剤としては、250℃程度の溶融流延温度で安定であれば特に限定されないが、例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等を挙げることができるが、着色の少ないベンゾトリアゾール系化合物が好ましい。光に対しする安定性を有するベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤やベンゾフェノン系紫外線吸収剤が好ましく、不要な着色がより少ないベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が特に好ましい。例えばチバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製のTINUVIN109(UV−1とする)、TINUVIN171、TINUVIN326、TINUVIN327、TINUVIN328等を好ましく用いることができるが、低分子の紫外線吸収剤は使用量によっては可塑剤同様に製膜中にウェブに析出したり、揮発する恐れがあるので、その添加量は3〜10質量%程度である。
〔セルロースエステル組成物の調製〕
本発明のセルロースエステル組成物の調製では、原料のセルロースエステルを少なくとも一度溶媒に溶解させた後、濾過し、溶媒を乾燥させたセルロースエステルを用いることが好ましい。好ましくは可塑剤、紫外線吸収剤及びマット剤の少なくとも1つ以上と共に溶媒に溶解させた後、濾過し、乾燥させたセルロースエステルを用いる。さらに、溶解の過程で−20℃以下に冷却したものであることがより好ましい。このようなセルロースエステルを添加することが溶融状態にしたときの各添加物を均一にしやすいため好ましく、光学特性を均一にするためにも優れている。
本発明のセルロースエステル組成物の調製では、原料のセルロースエステルを少なくとも一度溶媒に溶解させた後、濾過し、溶媒を乾燥させたセルロースエステルを用いることが好ましい。好ましくは可塑剤、紫外線吸収剤及びマット剤の少なくとも1つ以上と共に溶媒に溶解させた後、濾過し、乾燥させたセルロースエステルを用いる。さらに、溶解の過程で−20℃以下に冷却したものであることがより好ましい。このようなセルロースエステルを添加することが溶融状態にしたときの各添加物を均一にしやすいため好ましく、光学特性を均一にするためにも優れている。
溶解には、常圧で行う方法、主溶媒の沸点以下で行う方法、主溶媒の沸点以上で加圧して行う方法、特開平9−95544号、同9−95557号または同9−95538号公報に記載の如き冷却溶解法で行う方法、特開平11−21379号公報に記載の如き高圧で行う方法等種々の溶解方法を用いることができる。溶解後ドープを濾材で濾過し、脱泡してポンプで次工程に送る。ドープ中のセルロースエステルの濃度は10〜35質量%が好ましい。
ドープ組成物を形成する際に用いるセルロースエステルの良溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、ギ酸エチル、アセトン、シクロヘキサノン、アセト酢酸メチル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、ニトロエタン、塩化メチレン等を挙げることができる。中でも酢酸メチル、エチレンクロリドが好ましく使用しできる。また、これらの有機溶媒に、メタノール、エタノール、ブタノール等の低級アルコールを併用すると、セルロースエステルの有機溶媒への溶解性が向上したりドープ粘度を低減できるので好ましい。特に沸点が低く、毒性の少ないエタノールが好ましい。
ドープ組成物の濾過では、セルロースエステルを単独で濾過するよりも可塑剤を添加混合した組成物を濾過することが輝点異物の除去効率が高く好ましい。紫外線吸収剤、その他の添加物も適宜混合したものを濾過することができる。濾過はセルロースエステルを含む溶融物の粘度が10000P以下で濾過されるこが好ましく、さらに好ましくは5000P以下が好ましく、1000P以下であることがさらに好ましく、500P以下であることがさらに好ましい。濾材としては、ガラス繊維、セルロース繊維、濾紙、四フッ化エチレン樹脂等のフッ素樹脂等の従来公知のものが好ましく用いられるが、特にセラミックス、金属等が好ましく用いられる。絶対濾過精度としては50μm以下のものが好ましく用いられ、30μm以下のものがさらに好ましく、10μm以下のものがさらに好ましく、5μm以下のものがさらに好ましく用いられる。これらは適宜組み合わせて使用することもできる。濾材はサーフェースタイプでもデプスタイプでも用いることができるが、デプスタイプの方が比較的目詰まりしにくく好ましく用いられる。
〔セルロースエステル以外の高分子成分〕
本発明のセルロースエステルフィルムはセルロースエステル以外の高分子成分を適宜混合したものでもよい。混合される高分子成分はセルロースエステルと相溶性に優れ、凝集したり、海島構造のような相分離状態とはなりにくく、元のセルロースエステルフィルムと同等またはそれ以上の機械的性質や光学的性質を有するようなものなら制限なく使用できる。光学的性質としては、フィルムにしたときの透過率が80%以上、さらに好ましくは90%以上、さらに好ましくは92%以上であることが好ましい。また、ガラス転移点(以降Tgとする場合がある)は50℃以下のものが好ましい。有用な高分子成分は、数平均分子量が1000〜300000、好ましくは1500〜250000、より好ましくは2000〜100000であり、分子量の小さい方はブリードアウトしにくい程度の分子量範囲を持つのものが好ましい。
本発明のセルロースエステルフィルムはセルロースエステル以外の高分子成分を適宜混合したものでもよい。混合される高分子成分はセルロースエステルと相溶性に優れ、凝集したり、海島構造のような相分離状態とはなりにくく、元のセルロースエステルフィルムと同等またはそれ以上の機械的性質や光学的性質を有するようなものなら制限なく使用できる。光学的性質としては、フィルムにしたときの透過率が80%以上、さらに好ましくは90%以上、さらに好ましくは92%以上であることが好ましい。また、ガラス転移点(以降Tgとする場合がある)は50℃以下のものが好ましい。有用な高分子成分は、数平均分子量が1000〜300000、好ましくは1500〜250000、より好ましくは2000〜100000であり、分子量の小さい方はブリードアウトしにくい程度の分子量範囲を持つのものが好ましい。
本発明のセルロースエステル組成物は、エチレン性不飽和モノマー及び/または官能基を有するエチレン性不飽和モノマー及び光重合開始剤を含有するものである。溶融流延後、エチレン性不飽和モノマー及び/または官能基を有するエチレン性不飽和モノマーが光重合してポリマーを生成し、そのポリマーができ上がったセルロースエステルフィルムに耐水性を付与することができる。
〔エチレン性不飽和モノマー〕
本発明に有用なエチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、ビニルエステル類として、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、バレリアン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、エナント酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル、ソルビン酸ビニル、安息香酸ビニル等、アクリル酸エステル類またはメタクリル酸エステル類(以降、アクリル酸エステル類またはメタクリル酸エステル類を、(メタ)アクリル酸エステル類のように略して記載することがある)として、メチル(メタ)アクリレート、エチルアクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2−メチルブチル(メタ)アクリレート、3−メチルブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エチルブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、3−エトキシプロピル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェネチル(メタ)アクリレート、4−シアノブチル(メタ)アクリレート、2−シアノエチル(メタ)アクリレート等、ビニルエーテル類として、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル等、スチレン類として、スチレン、4−〔(2−ブトキシエトキシ)メチル〕スチレン、4−ブトキシメトキシスチレン、4−ブチルスチレン、4−デシルスチレン、4−(2−エトキシメチル)スチレン、4−(1−エチルヘキシルオキシメチル)スチレン、4−ヒドロキシメチルスチレン、4−ヘキシルスチレン、4−ノニルスチレン、4−オクチルオキシメチルスチレン、2−オクチルスチレン、4−オクチルスチレン、4−プロポキシメチルスチレン、マレイン酸類として、ジメチルマレイン酸、ジエチルマレイン酸、ジプロピルマレイン酸、ジブチルマレイン酸、ジシクロヘキシルマレイン酸、ジ−2−エチルヘキシルマレイン酸、ジノニルマレイン酸、ジベンジルマレイン酸等を挙げることができるが、これらに限定されない。
本発明に有用なエチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、ビニルエステル類として、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、バレリアン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、エナント酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル、ソルビン酸ビニル、安息香酸ビニル等、アクリル酸エステル類またはメタクリル酸エステル類(以降、アクリル酸エステル類またはメタクリル酸エステル類を、(メタ)アクリル酸エステル類のように略して記載することがある)として、メチル(メタ)アクリレート、エチルアクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2−メチルブチル(メタ)アクリレート、3−メチルブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エチルブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、3−エトキシプロピル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェネチル(メタ)アクリレート、4−シアノブチル(メタ)アクリレート、2−シアノエチル(メタ)アクリレート等、ビニルエーテル類として、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル等、スチレン類として、スチレン、4−〔(2−ブトキシエトキシ)メチル〕スチレン、4−ブトキシメトキシスチレン、4−ブチルスチレン、4−デシルスチレン、4−(2−エトキシメチル)スチレン、4−(1−エチルヘキシルオキシメチル)スチレン、4−ヒドロキシメチルスチレン、4−ヘキシルスチレン、4−ノニルスチレン、4−オクチルオキシメチルスチレン、2−オクチルスチレン、4−オクチルスチレン、4−プロポキシメチルスチレン、マレイン酸類として、ジメチルマレイン酸、ジエチルマレイン酸、ジプロピルマレイン酸、ジブチルマレイン酸、ジシクロヘキシルマレイン酸、ジ−2−エチルヘキシルマレイン酸、ジノニルマレイン酸、ジベンジルマレイン酸等を挙げることができるが、これらに限定されない。
上記モノマーの他にも、エチレン、プロピレン、ブタジエン、1−ブチレン、アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン、無水マレイン酸、アクリル酸、上記以外のビニルモノマーとして、塩化ビニル、エチレン、プロピレン、(メタ)アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸等を10質量%以下で上記モノマーとコポリマーを形成してもよい。これらのモノマーのうち、そのホモポリマーのTgが50℃以下のものはセルロースエステルに対して可塑性を付与し得るが、それ以上のTgを有するホモポリマーを形成するモノマーの場合には、コポリマーのTgが50℃以下になるようにコモノマーを選択してコポリマーを形成させればよい。また、そのTg以下のモノマーでも任意の割合でコポリマーを形成するのが好ましい。
ポリマーのTgは、種々な方法で測定できるが、POLYMER HANDBOOK(THIRD EDITION)J.BRANDRUOP & E.H.IMMERGUT編集(JHON WILEY & SONS発行)のVI−209頁に掲載されているホモポリマーのTgにより知ることができ、さらにコポリマーのTgは、J.BRANDRUOPら編集、POLYMER HANDBOOK(1966)III−139〜179頁、(JHON WILEY & SONS発行)に記載の方法で求めたものである。コポリマーのTg(°Kで表される)は下記の式でも求められる。
Tg(コポリマー)=v1Tg1+v2Tg2+……+vnTgn
式中、v1、v2……vnはコポリマー中の各モノマーの質量分率を表し、Tg1,Tg2……Tgnはコポリマー中の各モノマーのホモポリマーのTgを表す。
式中、v1、v2……vnはコポリマー中の各モノマーの質量分率を表し、Tg1,Tg2……Tgnはコポリマー中の各モノマーのホモポリマーのTgを表す。
本発明においてより好ましいモノマーとしては、ビニルエステルであり、具体的には、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、バレリアン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、エナント酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル、ソルビン酸ビニルであり、また、その他メチルルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ジメチルマレイン酸、ジエチルマレイン酸、プロピルマレイン酸、ブチルマレイン酸も好ましいモノマーである。ここでいうビニルエステルは上記の他、下記紫外線吸収性基あるいは下記帯電防止性基を有するビニルエステル及び/またはアクリル酸エステルも含む。
〔官能基を有するエチレン性不飽和モノマー〕
本発明に有用な官能基を有するエチレン性不飽和モノマーとしては、エチレン性不飽和モノマーの側鎖に紫外線吸収性基や帯電防止性基を有しているものが好ましい。官能基を有するエチレン性不飽和モノマーのエチレン性基としては、ビニル基、アクリロイル基またはメタクリロイル基で、これらは好ましく用いられる。
本発明に有用な官能基を有するエチレン性不飽和モノマーとしては、エチレン性不飽和モノマーの側鎖に紫外線吸収性基や帯電防止性基を有しているものが好ましい。官能基を有するエチレン性不飽和モノマーのエチレン性基としては、ビニル基、アクリロイル基またはメタクリロイル基で、これらは好ましく用いられる。
本発明に有用な紫外線吸収性基を有するエチレン性不飽和モノマーの紫外線吸収性基としては、ベンゾトリアゾール基、サリチル酸エステル基、ベンゾフェノン基、オキシベンゾフェノン基、シアノアクリレート基等を挙げることができ、本発明においては何れも好ましく用いることができる。特に光反応性が少なく、かつほとんど着色のないベンゾトリアゾール基を有するモノマーが好ましい。
下記に本発明に有用な紫外線吸収性基を有するエチレン性不飽和モノマーを例示する。この他に、本発明において、特開平6−148430号公報に記載の紫外線吸収性ポリマーを構成する紫外線吸収性モノマーも好ましく用いることができる。
本発明において、紫外線吸収性基を有するエチレン性不飽和モノマーの市販品を用いてもよいし、合成して用いてもよい。市販品としては、例えば、上記UVM−1は、1−ヒドロオキシ−2−(2−ベンゾトリアゾール)−4−(2−メタクリロイルオキシエチル)ベンゼンであり、大塚化学社製の反応型紫外線吸収剤RUVA−93として市販されている。また、1−ヒドロオキシ−2−(2−ベンゾトリアゾール)−4−(2−アクリロイルオキシエチル)ベンゼンも同様に本発明で好ましく用いることができる。
本発明に有用な紫外線吸収性基を有するエチレン性不飽和モノマーについて下記に合成例を示す。
合成例
(UVM−1の合成)
トルエン800ml中に1−ヒドロオキシ−2−(2−ベンゾトリアゾール)−4−(2−ヒドロキシエチル)ベンゼン(化合物A)25.5g(0.1mol)とピリジン17ml(0.21mol)を加え、そこへトルエン10mlに溶かしたメタクロイルクロリド13ml(0.128mol)を約30分かけて滴下した。室温で約1時間撹拌後、反応液に水を加え酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで反応液を乾燥させた後、濾別して、減圧濃縮した。残査をメタノールとメチレンクロリドの混合溶媒から再結晶し、UVM−1を22.3gを得た。目的物の構造は1H−NMR及びIRで確認した。
(UVM−1の合成)
トルエン800ml中に1−ヒドロオキシ−2−(2−ベンゾトリアゾール)−4−(2−ヒドロキシエチル)ベンゼン(化合物A)25.5g(0.1mol)とピリジン17ml(0.21mol)を加え、そこへトルエン10mlに溶かしたメタクロイルクロリド13ml(0.128mol)を約30分かけて滴下した。室温で約1時間撹拌後、反応液に水を加え酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで反応液を乾燥させた後、濾別して、減圧濃縮した。残査をメタノールとメチレンクロリドの混合溶媒から再結晶し、UVM−1を22.3gを得た。目的物の構造は1H−NMR及びIRで確認した。
(UVM−6の合成)
トルエン中に1−ヒドロオキシ−2−(2−ベンゾトリアゾール)−4−(2−ヒドロキシカルボニルエチル)ベンゼン(化合物B)28.3g(0.1mol)とジメチルホルムアミド0.2mlを加えた。次いでオキザリルクロリド13.0ml(0.15mol)を室温で滴下した。約1時間撹拌した後、減圧濃縮を行い、白色固体を得た。この白色固体をピリジン8.9ml(0.11mol)とテトラヒドロフラン200mlに溶解し、そこへテトラヒドロフラン50mlに溶解させた4−ヒドロキシ安息香酸ビニルエステル18.0g(0.11mol)を約30分かけて滴下した。約1時間ご撹拌した後、反応液に水を加え酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾別して、減圧濃縮を行いシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、UVM−6を21.8gを得た。目的物の構造は1H−NMR及びIRで確認した。
トルエン中に1−ヒドロオキシ−2−(2−ベンゾトリアゾール)−4−(2−ヒドロキシカルボニルエチル)ベンゼン(化合物B)28.3g(0.1mol)とジメチルホルムアミド0.2mlを加えた。次いでオキザリルクロリド13.0ml(0.15mol)を室温で滴下した。約1時間撹拌した後、減圧濃縮を行い、白色固体を得た。この白色固体をピリジン8.9ml(0.11mol)とテトラヒドロフラン200mlに溶解し、そこへテトラヒドロフラン50mlに溶解させた4−ヒドロキシ安息香酸ビニルエステル18.0g(0.11mol)を約30分かけて滴下した。約1時間ご撹拌した後、反応液に水を加え酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾別して、減圧濃縮を行いシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、UVM−6を21.8gを得た。目的物の構造は1H−NMR及びIRで確認した。
本発明において紫外線吸収性基を有するエチレン性不飽和モノマーの割合は、セルロースエステルとの相溶性、セルロースエステルフィルムの機械的性質または物理的性質が同等またはそれ以上の性質、あるいは十分な紫外線吸収性能を有するのであれば、如何なるものであってもよく(1〜100質量%の範囲でよく)、ホモポリマーでもコポリマーであってもよい。
本発明に有用な帯電防止性基を有するエチレン性不飽和モノマーの帯電防止性基としては、4級アンモニウム基、スルホン酸塩の基、ポリエチレンオキサイド基等を挙げることができるが、溶解性や帯電性能の観点から4級アンモニウム基が好ましい。
下記に本発明に有用な帯電防止性基を有するエチレン性不飽和モノマーを例示する。
下記に本発明に有用な帯電防止性基を有するエチレン性不飽和モノマーの合成例を例示する。
合成例
(ASM−1の合成)
封管中にトルエン50mlと4−ビニルベンジリルクロリド14.2ml(0.1mol)とトリメチルアミン9.0ml(0.1mol)とt−ブチルカテコール1.7g(0.01mol)を入れ、約70℃で48時間加熱した。固体を濾過して取り出し、アセトンで洗浄し、ASM−1を12.1gを得た。目的物の構造は1H−NMR及びIRで確認した。
(ASM−1の合成)
封管中にトルエン50mlと4−ビニルベンジリルクロリド14.2ml(0.1mol)とトリメチルアミン9.0ml(0.1mol)とt−ブチルカテコール1.7g(0.01mol)を入れ、約70℃で48時間加熱した。固体を濾過して取り出し、アセトンで洗浄し、ASM−1を12.1gを得た。目的物の構造は1H−NMR及びIRで確認した。
(ASM−2の合成)
封管中にトルエン50mlとトリエチレンジアミン(DABCO)11.2g(0.1mol)とエチルクロリド7.2ml(0.1mol)を入れ、約70℃で72時間加熱した。固体を濾過し、エチルエーテルで洗浄し、N−エチルトリエチレンジアミン・モノアンモニウムクロリド(化合物C)を得た。エタノール50ml中に4−ビニルベンジルクロリド7.1ml(0.05mol)と化合物C10.6g(0.05mol)とt−ブチルカテコール0.9g(0.005mol)を加え、48時間加熱環流した。固体を濾過し、アセトンで洗浄し、ASM−2を7.3g得た。目的物構造は1H−NMR及びIRで確認した。
封管中にトルエン50mlとトリエチレンジアミン(DABCO)11.2g(0.1mol)とエチルクロリド7.2ml(0.1mol)を入れ、約70℃で72時間加熱した。固体を濾過し、エチルエーテルで洗浄し、N−エチルトリエチレンジアミン・モノアンモニウムクロリド(化合物C)を得た。エタノール50ml中に4−ビニルベンジルクロリド7.1ml(0.05mol)と化合物C10.6g(0.05mol)とt−ブチルカテコール0.9g(0.005mol)を加え、48時間加熱環流した。固体を濾過し、アセトンで洗浄し、ASM−2を7.3g得た。目的物構造は1H−NMR及びIRで確認した。
(ASM−4の合成)
テトラヒドロフラン200ml中に2−クロロエタノール6.7ml(0.1mol)とピリジン8.9ml(0.2mol)を加え、そこへテトラヒドロフラン50mlに溶かしたメタクリルクロリド10.7ml(0.11mol)を約30分かけて滴下した。室温で約1時間撹拌した後、反応液に水を加え酢酸エチルで抽出した。濾別し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧濃縮を行い、2−クロロエチルメタクリレートを得た。一方、エタノール100mlにDABCO11.2g(0.1mol)とベンジルクロリド11.5ml(10.1mol)を加え24時間加熱環流した。固体を濾過し、アセトンで洗浄し、N−エチル−DABCO・モノアンモニウムクロリド(化合物D)を得た。エタノール中に化合物D11.9g(0.05mol)と2−クロロエチルメタクリレート7.4g(0.05mol)とt−ブチルカテコール0.9g(0.005mol)を加え、48時間加熱環流した。固体を濾過し、アセトンで洗浄し、ASM−4を10.5が得た。目的物の構造は1H−NMR及びIRで確認した。
テトラヒドロフラン200ml中に2−クロロエタノール6.7ml(0.1mol)とピリジン8.9ml(0.2mol)を加え、そこへテトラヒドロフラン50mlに溶かしたメタクリルクロリド10.7ml(0.11mol)を約30分かけて滴下した。室温で約1時間撹拌した後、反応液に水を加え酢酸エチルで抽出した。濾別し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧濃縮を行い、2−クロロエチルメタクリレートを得た。一方、エタノール100mlにDABCO11.2g(0.1mol)とベンジルクロリド11.5ml(10.1mol)を加え24時間加熱環流した。固体を濾過し、アセトンで洗浄し、N−エチル−DABCO・モノアンモニウムクロリド(化合物D)を得た。エタノール中に化合物D11.9g(0.05mol)と2−クロロエチルメタクリレート7.4g(0.05mol)とt−ブチルカテコール0.9g(0.005mol)を加え、48時間加熱環流した。固体を濾過し、アセトンで洗浄し、ASM−4を10.5が得た。目的物の構造は1H−NMR及びIRで確認した。
本発明においてセルロースエステルに対する帯電防止性基を有するエチレン性不飽和モノマーの割合は、セルロースエステルフィルムの吸水性、耐久性、可塑性、必要な帯電防止性等から40質量%以下でよく、好ましくは5〜30質量%である。
〔光重合開始剤〕
本発明に有用な光重合開始剤としては、エチレン性不飽和モノマーが光重合し得る開始剤であれば制限なく使用できるが、これらの光重合開始剤は公知のものを使用し得る。また光増感剤も使用できる。具体的には、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインシリルエーテル、メチルベンゾインホルメート、ベンジル、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、p−メチルベンゾフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、アセトフェノン、ミヒラーズケトン、α,α′−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、1−ヒドロキシ−1−シクロヘキシルアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ジアセチル、エオシン、チオニン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロペン、ジクロロチオキサントン、ジイソプロピルチオキサントン、フェニルジスルフィド−2−ニトロソフルオレン、ブチロイン、アニソインエチルエーテル、ジ−t−ブチルパーオキシド、ベンゾイルチアゾリルスルフィド、α−アミロキシムエステル、アゾビスイソブチロニトリル、テトラメチルチウラムジスルフィド等を挙げることができる。
本発明に有用な光重合開始剤としては、エチレン性不飽和モノマーが光重合し得る開始剤であれば制限なく使用できるが、これらの光重合開始剤は公知のものを使用し得る。また光増感剤も使用できる。具体的には、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインシリルエーテル、メチルベンゾインホルメート、ベンジル、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、p−メチルベンゾフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、アセトフェノン、ミヒラーズケトン、α,α′−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、1−ヒドロキシ−1−シクロヘキシルアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ジアセチル、エオシン、チオニン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロペン、ジクロロチオキサントン、ジイソプロピルチオキサントン、フェニルジスルフィド−2−ニトロソフルオレン、ブチロイン、アニソインエチルエーテル、ジ−t−ブチルパーオキシド、ベンゾイルチアゾリルスルフィド、α−アミロキシムエステル、アゾビスイソブチロニトリル、テトラメチルチウラムジスルフィド等を挙げることができる。
本発明において、セルロースエステル組成物中にエチレン性不飽和モノマーと共に光重合開始剤を混合するが、セルロースエステルに対してエチレン性不飽和モノマーを5〜30質量%、また光重合開始剤をエチレン性不飽和モノマーに対して1〜30質量%程度加えるのがよい。本発明においては、光重合性のエチレン性不飽和モノマーはセルロースエステル組成物の溶融流延後、紫外線を照射して重合させるのが好ましい。
本発明に係るエチレン性不飽和モノマーと光重合開始剤を含有するセルロースエステル組成物に、さらに2個以上のエチレン性不飽和基を有する架橋性モノマーを含有させることにより、光重合後、しなやかさと強靱性を兼ね備えたセルロースエステルフィルムを得ることができる。この2個以上のエチレン性不飽和基を有する架橋性モノマーとしては、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ポリウレタンジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。市販品として、東亜合成社製のウレタンアクリレート(商品名、M−1310)があり、このものを好ましく用いることができる。以下にこれらの化合物を例示する。
これらのポリエステルまたはポリウレタンのジ(メタ)アクリレートは、数平均分子量として、6000〜100000、好ましくは1000〜80000のものである。ここでnは繰り返し単位の繰り返し数である。
〔セルロースエステルフィルムの製造方法〕
以下に本発明のセルロースエステルフィルムの製造方法をさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。この中で、縦方向とは、フィルムの製膜方向(長手方向)を、横方向(幅手方向)とはフィルムの製膜方向と直角方向のことをいう。
以下に本発明のセルロースエステルフィルムの製造方法をさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。この中で、縦方向とは、フィルムの製膜方向(長手方向)を、横方向(幅手方向)とはフィルムの製膜方向と直角方向のことをいう。
原料のセルロースエステルにエチレン性不飽和モノマーまたは官能基を有するエチレン性不飽和モノマー及び光重合開始剤、その他の添加剤をペレット状に成型し、熱風乾燥または真空乾燥した後、溶融押出し、Tダイよりシート状に押出して、静電印加法等により冷却ドラムに密着させ、冷却固化させ、未延伸シートを得る。冷却ドラムの温度は90〜150℃に維持されていることが好ましい。
本発明のセルロースエステルフィルムまたは光学フィルムを偏光板保護フィルムとして偏光板を作製した場合、幅手方向もしくは製膜方向に延伸製膜されたフィルムであることが特に好ましい。
前述の冷却ドラムから剥離され、得られた未延伸シートを複数のロール群及び/または赤外線ヒーター等の加熱装置を介してセルロースエステルのガラス転移温度(Tg)からTg+100℃の範囲内に加熱し、一段または多段縦延伸することが好ましい。
次に、上記のようにして得られた縦方向に延伸されたセルロースエステルフィルムを、Tg〜Tg−20℃の温度範囲内で横延伸し次いで熱固定することが好ましい。
横延伸する場合、2つ以上に分割された延伸領域で温度差を1〜50℃の範囲で順次昇温しながら横延伸すると巾方向の物性の分布が低減でき好ましい。さらに横延伸後、フィルムをその最終横延伸温度以下でTg−40℃以上の範囲に0.01〜5分間保持すると巾方向の物性の分布がさらに低減でき好ましい。
熱固定は、その最終横延伸温度より高温で、Tg−20℃以下の温度範囲内で通常0.5〜300秒間熱固定する。この際、2つ以上に分割された領域で温度差を1〜100℃の範囲で順次昇温しながら熱固定することが好ましい。
熱固定されたフィルムは通常Tg以下まで冷却され、フィルム両端のクリップ把持部分をカットし巻き取られる。この際、最終熱固定温度以下、Tg以上の温度範囲内で、横方向及び/または縦方向に0.1〜10%弛緩処理することが好ましい。また冷却は、最終熱固定温度からTgまでを、毎秒100℃以下の冷却速度で徐冷することが好ましい。冷却、弛緩処理する手段は特に限定はなく、従来公知の手段で行えるが、特に複数の温度領域で順次冷却しながらこれらの処理を行うことがフィルムの寸法安定性向上の点で好ましい。なお、冷却速度は、最終熱固定温度をT1、フィルムが最終熱固定温度からTgに達するまでの時間をtとしたとき、(T1−Tg)/tで求めた値である。
これら熱固定条件、冷却、弛緩処理条件のより最適な条件は、フィルムを構成するセルロースエステルにより異なるので、得られた二軸延伸フィルムの物性を測定し、好ましい特性を有するように適宜調整することにより決定すればよい。
本発明のセルロースエステルフィルムまたは光学フィルムを偏光板保護フィルムとして偏光板を作製した場合、フィルムのTgは150℃以上が好ましく、さらに180℃以上が好ましい。Tgは示差走査熱量計で測定するところのベースラインが偏奇し始める温度と、新たにベースラインに戻る温度との平均値として求められる。また、溶融温度は110〜280℃の範囲であることが好ましく、さらに200℃以上が好ましい。
光学フィルムの好ましい延伸倍率は、一方向の延伸倍率が1.00〜2.50倍に延伸され、もう一方の延伸倍率が1.01〜3.00倍に延伸製膜されたものである。これにより、光学的等方性に優れたセルロースエステルフィルムを好ましく得ることができる。製膜工程のこれらの幅保持あるいは横方向の延伸はテンターによって行うことが好ましく、ピンテンターでもクリップテンターでもよい。
本発明の光重合用の紫外線照射は、流延製膜した後に照射することが好ましく、さらにウエブの両面から照射することが好ましい。紫外線照射源は低圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、カーボンアーク、メタルハライドランプ、太陽光線等を挙げることができる。紫外線を照射による光重合は、空気または不活性気体中で行うことができるが、エチレン性不飽和モノマーを使用する場合には、空気中でもよいが、重合の誘導期を短くするためにできるだけ酸素濃度が少ない気体が好ましい。照射する紫外線の照射強度は0.1〜100mW/cm2程度がよく、照射量は100〜20000mJ/cm2程度が好ましい。
本発明のセルロースエステルフィルムまたは光学フィルムを偏光板保護フィルムとした場合、保護フィルムの厚さは10〜500μmが好ましい。特に20μm以上、さらには35μm以上が好ましい。また、100μm以下、さらには85μm以下が好ましい。特に好ましくは20〜80μmが好ましく、特に好ましくは30〜60μm、さらに好ましくは30〜50μmである。
本発明において、上記のようにして製膜されたセルロースエステルフィルムの面内方向におけるレターデーションR0は小さいほど好ましく、特に500nm未満であることが好ましく、200nm未満であることがさらに好ましく、50nm以下であることがさらに好ましく、10nm以下であることが特に好ましく、0nmであることがさらに好ましい。
本発明のセルロースエステルフィルムの製膜方向(長手方向に相当する)と、フィルムの遅相軸とのなす角度θ(ここではθ1)が0°、+90°もしくは−90°に近いほど好ましい。ただし、θ1は製膜方向と遅相軸とがなす狭い角度であり、+90°〜−90°の範囲である。特に偏光板保護フィルムとして用いる場合に、得られる偏光板の偏光度向上に寄与する。ここで遅相軸とはフィルム面内の屈折率が最も高くなる方向である。
本発明のセルロースエステルフィルムまたは光学フィルムを偏光板保護フィルムとして用いた際、偏光板の偏光子と偏光板保護フィルムの関係は、偏光子の配向方向と偏光板保護フィルムの遅相軸とのなす角度θ2が0°、+90°もしくは−90°に近くなるように配置すると偏光板の偏光度が高くなり好ましい。
具体的には、θ2が−30°〜+30°あるいは+60°〜+90°または−60°〜−90°にあることが好ましく、より好ましくはθ2が−20°〜+20°あるいは+70°〜+90°または−70°〜−90°にあることが好ましく、さらに好ましくは−15°〜+15°あるいは+75°〜+90°または−75°〜−90°であることが好ましく、さらに好ましくは−14°〜+14°あるいは+80°〜+90°または−80°〜−90°であることが好ましく、さらに好ましくは−10°〜+10°であることが好ましく、さらに好ましくは−5°〜+5°であることが好ましく、さらに好ましくは−3°〜+3°であることが好ましい。さらに好ましくは−1°〜+1°であり、0°であることが最も好ましい。
さらに好ましくはθと面内方向のレターデーションR0が下記の関係にあることがより好ましい。θは偏光板保護フィルムではθ1であり、偏光板ではθ2のことである。
P≦1−sin2(2θ)・sin2(πR0/λ)
Pは0.999、λはR0及びθを求めるための三次元屈折率測定の際の光の波長nmである。さらに好ましくはPが0.9995であるときにθとR0が上式を満たすことが好ましく、さらに好ましくはPが0.9998であるときにθとR0が上式を満たすことが好ましく、さらに好ましくはPが0.9999であるときにθとR0が上式を満たすことが好ましく、さらに好ましくはPが0.99995であるときにθとR0が上式を満たすことが好ましく、さらに好ましくはPが0.99998であるときにθとR0が上式を満たすことが好ましく、さらに好ましくはPが0.99999であるときにθとR0が上式を満たすことが好ましい。
Pは0.999、λはR0及びθを求めるための三次元屈折率測定の際の光の波長nmである。さらに好ましくはPが0.9995であるときにθとR0が上式を満たすことが好ましく、さらに好ましくはPが0.9998であるときにθとR0が上式を満たすことが好ましく、さらに好ましくはPが0.9999であるときにθとR0が上式を満たすことが好ましく、さらに好ましくはPが0.99995であるときにθとR0が上式を満たすことが好ましく、さらに好ましくはPが0.99998であるときにθとR0が上式を満たすことが好ましく、さらに好ましくはPが0.99999であるときにθとR0が上式を満たすことが好ましい。
さらに本発明の実施態様では、残留有機溶媒量が0.1質量%未満のセルロースエステルフィルムを提供する。即ち、残留有機溶媒量が0.1質量%未満であると特に膜厚方向のレターデーションRtの値は安定しており、取扱がしやすかった。偏光板保護フィルムでは、Rtの変動が少ないことが安定した光学特性を得るために求められている。Rtの安定したセルロースエステルフィルムを得るため検討を重ねた結果、Rtはセルロースエステルフィルム自身の残留有機溶媒量に依存して変動することが明らかとなった。製造されたセルロースエステルフィルムは長尺の巻物(ロール)の状態で保管、輸送され、偏光板製造等に用いられる。巻きの状態では、セルロースエステルフィルム自身からの残留有機溶媒の揮散は乏しく、特に100m以上の長さで巻き取られたものは中心にいくほど経時での残留有機溶媒の揮散が少ないため、巻きの中心と最表面との残留有機溶媒量に分布を持つことになる。このため、巻きの中でもRtの分布を持ってしまうという問題があった。また、保管期間あるいは保管条件によっても残留有機溶媒量が変動していくため、Rtの安定した状態で、あるいは安定したRt値を確認しながら偏光板を製造することが難しかった。
本発明のセルロースエステルフィルムは製膜工程で実質的に溶媒を使用することがないため、製膜後巻き取られたセルロースエステルフィルムに含まれる残留有機溶媒量は安定して0.1質量%未満であり、これによって従来以上に安定したRtを持つセルロースエステルフィルムを提供することが可能である。特に100m以上の長尺の巻物においても安定したRtを持つセルロースエステルフィルムを提供することが可能となった。該セルロースエステルフィルムは巻きの長さについては特に制限はなく、1500m、2500m、5000mであっても好ましく用いられる。Rtは500nm以下、さらに好ましくは300nm以下が好ましく、さらに好ましくは0〜150nm以下が好ましく、さらに好ましくは30〜100nmが好ましい。また、Rtの変動や分布の幅は±50%未満であることが好ましく、±30%未満であることが好ましく、±20%未満であることが好ましく、±15%未満であることが好ましく、±10%未満であることが好ましく、±5%未満であることが好ましい。最も好ましくはRtの変動がないことである。
また、上記セルロースエステルフィルムは良好な塗布性を有するものである。セルロースエステルフィルムを用いた光学フィルムでは、各種機能を付与するために塗布工程で帯電防止層、硬化樹脂層、反射防止層、易接着層、防眩層、光学補償層等を塗設することができる。従来の溶液流延法によって製膜されたセルロースエステルフィルムでは、製造後の経過時間によって塗布性が変わることがあった。この問題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、セルロースエステルフィルムの残留有機溶媒量が一因であることが判明した。
特に、セルロースエステルを溶解もしくは膨潤させる溶媒を含む塗布組成物によって塗設する際に、セルロースエステルフィルムの残留有機溶媒量が多いとブラッシングを起こしたり、塗膜に微細な亀裂が発生することが確認された。これらの現象は塗布環境にも依存することが判明しているが、完全に原因が特定されてはいない。
上記セルロースエステルフィルムでは、各種機能を付与するために塗布工程で帯電防止層、硬化樹脂層、反射防止層、防眩層、易接着層、光学補償層、配向層等の機能層を塗設する際に、セルロースエステルを溶解もしくは膨潤させる溶媒を含む塗布組成物によって塗設しても、安定して良好な塗布性を得られることが確認された。また、該セルロースエステルフィルムに塗布層を設けた場合でも、塗布層の膜厚は通常セルロースエステルフィルムの膜厚よりも薄いため、前述のRt値は安定した値を得ることができる。
残留有機溶媒量が0.1質量%未満であるとそのような塗布故障が起こることは少なく、特に0.08質量%未満ではより少なくなり、0.05質量%未満であることがさらに好ましく、0.03質量%未満であることがさらに好ましい。特に巻物(ロール)の状態でその中心から表面(外)にかけて上記範囲にあることが望ましい。
残留有機溶媒量は、ヘッドスペースガスクロ法により測定できる。即ち、既知量のセルロースエステルフィルムを密閉容器内で120℃で20分間加熱し、その密閉容器内の気相に含まれる有機溶媒をガスクロマトグラフにより定量する。この結果から残留有機溶媒量(%)を算出することができる。
残留有機溶媒量(%)=残留有機溶媒質量(g)/加熱処理前のセルロースエステルフィルム(g)
あるいは、加熱前後の質量変化から、下式により残留有機溶媒量(%)を求めることもできる。
あるいは、加熱前後の質量変化から、下式により残留有機溶媒量(%)を求めることもできる。
残留有機溶媒量(%)=加熱処理前後のセルロースエステルフィルムの質量差(g)/加熱処理前のセルロースエステルフィルム(g)
フィルムが水分を含む場合は、さらにセルロースエステルフィルムに含まれている水分量(g)を別の方法で求め、前記の加熱処理前後のセルロースエステルフィルムの質量差(g)から水分の質量(g)を差し引いて求めた値により、残留有機溶媒含有量(%)を求めることができる。
フィルムが水分を含む場合は、さらにセルロースエステルフィルムに含まれている水分量(g)を別の方法で求め、前記の加熱処理前後のセルロースエステルフィルムの質量差(g)から水分の質量(g)を差し引いて求めた値により、残留有機溶媒含有量(%)を求めることができる。
溶液流延法で作製されたセルロースエステルフィルムの残留有機溶媒量(%)を0.1質量%以下とすることは困難であり、そのためには長い乾燥工程が必要であるが、本発明の方法によれば安いコストで極めて低い残留有機溶媒含有量のセルロースエステルフィルムを得ることができ、偏光板保護フィルムとして優れた特性を持つセルロースエステルフィルムを得ることができる。
本発明のセルロースエステルフィルムは、低分子可塑剤や紫外線吸収剤を実質的に含有しないため、製造中のウェブから析出または揮発するものがないので、ウェブを汚すこともなく、また液晶表示装置となった後、密閉された自動車内の高温多湿状態においてもほとんどフィルムから析出または揮発することもないので、理想的なフィルムといえる。
高温多湿条件でフィルムから物質が析出や揮発することによる質量の変化を示す保留性は、ほとんど零であることが好ましいが、フィルム中に残留溶媒があるため、若干の質量の減少はやむを得ない。本発明における保留性は1.0%以下がよく、好ましくは0.5%以下、より好ましくは0.1%以下である。
また、高温多湿に対するセルロースエステルフィルムの寸法安定性も改良され、発明のポリマーを含有しないセルロースエステルフィルムより寸法変化率が小さくなっている。本発明のセルロースエステルフィルムの寸法変化率は80℃、90%RHの高温高湿下、50時間の処理において、±1.0%以内であることが好ましく、より好ましくは±0.5%以内、さらに好ましくは±0.4%以内であり、特に好ましくは±0.3%以内であることが特に好ましい。
上記のような高温高湿の性質は、基本的には、それが全てではないが、吸水性に左右される場合が多い。本発明のセルロースエステルフィルムはエチレン性不飽和モノマーが架橋するため、エチレン性不飽和モノマーを含まないセルロースエステルフィルムより吸水性が小さく優れた性質を有している。一般にセルロースエステルフィルムの吸水率は高湿下で約3質量%弱であるに対して、本発明のセルロースエステルフィルムは2質量%以下であることが特徴となっている。同時に、フィルムの厚さを増すことなくレターデーションが改良され、優れたレターデーションを示すことも分かった。
紫外線吸収性基を有するモノマーを重合したポリマー(紫外線吸収性物質)を含有する本発明のセルロースエステルフィルムは、紫外線吸収性物質の減少がなく、有効に紫外線をカットできる。また高温高湿下においても紫外線吸収性能の劣化が少ない。
また、本発明のセルロースエステルフィルムが帯電防止性基を有する有するモノマーを重合したポリマー(帯電防止性物質)を含有することによって、製造中または取り扱い中におけるゴミ等の異物を吸着し難く、歩留まりのよいフィルムを提供できる。
さらに、セルロースエステルフィルム製造過程において、従来の製造中における可塑剤のフィルムの厚み方向への移動が起因しているフィルムのカールも、本発明の可塑性基を有する有するモノマーを重合したポリマーを含有することによって、セルロースエステルフィルムは、移動がないためカールも発現しにくく、良好な平面性を持つことができる。
本発明のポリマーを含有するセルロースエステルフィルムは、上記の他、ポリマーを含有しない通常のセルロースエステルフィルムと物理的、機械的または化学的な性質が同等またはそれ以上の性質を有している。
本発明全てのセルロースエステル組成物組成物に、微粒子(マット剤)を含有させることが好ましく、製膜した後の偏光板用保護フィルムとしてのセルロースエステルフィルムに、微粒子のマット剤が存在することによって、適度の滑りと耐擦り傷が付与させる。微粒子のマット剤はセルロースエステル組成物中に混合・分散して用いる。微粒子のマット剤としては、例えば二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウム等の無機微粒子や架橋高分子微粒子を含有させることが好ましい。中でも二酸化ケイ素がフィルムのヘイズを小さくできるので好ましい。微粒子の2次粒子の平均粒径は0.01〜1.0μmの範囲で、その含有量はセルロースエステルに対して0.005〜0.3質量%が好ましい。二酸化ケイ素のような微粒子には有機物、特にメチル基を有する化合物により表面処理されている場合が多いが、このようなものはフィルムのヘイズを低下できるため本発明においては好ましい。表面処理で好ましい有機物としては、ハロシラン類、アルコキシシラン類(特にメトキシシラン)、シラザン、シロキサン等があげられる。微粒子の平均粒径が大きい方がマット効果は大きく、反対に平均粒径の小さい方は透明性に優れるため、好ましい微粒子の一次粒子の平均粒径は5〜50nmで、より好ましくは7〜14nmである。これらの微粒子はセルロースエステルフィルム中では、通常、凝集体として存在しセルロースエステルフィルム表面に0.01〜1.0μmの凹凸を生成させることが好ましい。二酸化ケイ素の微粒子としてはアエロジル(株)製のAEROSIL 200、200V、300、R972、R972V、R974、R202、R812,OX50、TT600等を挙げることができ、好ましくはAEROSIL R972、R972V、R974、R202、R812である。これらのマット剤は2種以上併用してもよい。2種以上併用する場合、任意の割合で混合して使用することができる。この場合、平均粒径や材質の異なるマット剤、例えばAEROSIL 200VとR972Vを質量比で0.1:99.9〜99.9〜0.1の範囲で使用できる。
さらに、本発明のセルロースエステルフィルム中には、酸化防止剤を含有させることが好ましく、酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系の化合物が好ましく用いられ、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト等を挙げることができる。特に2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が好ましい。また例えば、N,N′−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジン等のヒドラジン系の金属不活性剤やトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト等のリン系加工安定剤を併用してもよい。これらの化合物の添加量は、セルロースエステルに対して質量割合で1ppm〜1.0%が好ましく、10〜1000ppmがさらに好ましい。
〔偏光板〕
本発明に係る偏光膜は、例えばポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のポリビニルアルコール系ポリマーの水溶液を製膜し、これを一軸延伸させてヨウ素や二色性色素で染色したものをさらに一軸延伸してから、ホウ素化合物のような架橋剤で耐水性処理を行ったものである。
本発明に係る偏光膜は、例えばポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のポリビニルアルコール系ポリマーの水溶液を製膜し、これを一軸延伸させてヨウ素や二色性色素で染色したものをさらに一軸延伸してから、ホウ素化合物のような架橋剤で耐水性処理を行ったものである。
本発明の偏光板は、前述のように、表面を鹸化した本発明のセルロースエステルフィルムまたは光学フィルムを前記偏光膜の少なくとも片面に張り合わせたものである。
本発明に係る偏光膜の作製と偏光膜への張り合わせ方の1例を示すと、2枚の鹸化処理したセルロースエステルフィルムの各々の片面に接着剤液としてのポリビニルアルコール水溶液を塗布して、その面に、一軸延伸ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素溶液中に浸漬してからさらに一軸延伸した偏光膜をサンドイッチして貼り合わせる。接着剤液としては、ポリビニルアルコール水溶液、ポリビニルブチラール溶液等のポリビニルアルコール系の接着剤液やブチルアクリレート等のビニル重合系ラテックス等を挙げることができるが、好ましくは完全鹸化ポリビニルアルコール水溶液である。セルロースエステルフィルムと延伸されたポリビニルアルコールとを貼り合わせた偏光板において、ゴミがあることによって、歩留まりが低下するが、偏光クロスニコルの暗視野状態で異物は光って観察されるので、異物の存在が明確になり、このような状態は偏光板としては好ましくない。偏光板中に異物が実質的に全くないことが好ましいが、面積250mm2当たり、実質的には5〜50μmの大きさの異物が200個以下で50μm、以上の異物が零個であることが許容範囲であり、好ましく5〜50μmの異物が100個以下、より好ましくは50個以下である。フィルムに存在する異物の一部は製膜する前のドープの濾過精度にも依存する。
また、偏光板を高温高湿の状態に曝した場合、偏光板の縁から白くなることがあるが、本発明においてはほとんどこのような現象が起こらない。
本発明のセルロースエステルフィルムの厚さは、液晶画像表示装置に用いられる偏光板の薄膜化、軽量化等の要望から、30〜150μmで、好ましくは35〜85μmである。本発明のセルロースエステルフィルムは液晶画像表示装置に使用される部材、例えば、偏光板、偏光板用保護フィルム、位相差板、反射板、視野角向上フィルム、防眩フィルム、無反射フィルム、帯電防止フィルム等である。その中でも寸法安定性に対して厳しい要求のある偏光板、偏光板用保護フィルム、位相差板、視野角向上フィルムに適している。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、特に断りない限り、実施例中の「部」、「%」はそれぞれ「質量部」、「質量%」を表す。
実施例1
(セルロースエステルフィルム1の作製)
下記組成1を用いて溶融温度240℃、延伸温度160℃、延伸比(縦×横)=1.5×1.5の加工条件で溶融製膜法により膜厚80μmのセルロースエステルフィルムを作製した。このフィルムを超高圧水銀灯で200mJ/cm2のUV光量にて露光し、さらに裏面を同様に200mJ/cm2のUV光量にて露光してセルロースエステルフィルム1を得た。
(セルロースエステルフィルム1の作製)
下記組成1を用いて溶融温度240℃、延伸温度160℃、延伸比(縦×横)=1.5×1.5の加工条件で溶融製膜法により膜厚80μmのセルロースエステルフィルムを作製した。このフィルムを超高圧水銀灯で200mJ/cm2のUV光量にて露光し、さらに裏面を同様に200mJ/cm2のUV光量にて露光してセルロースエステルフィルム1を得た。
〈組成1〉
セルロースアセテート(イーストマンケミカル社製、CA−398−3) 100部
2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール
0.5部
光硬化性モノマーまたは樹脂:ウレタンアクリレート(東亞合成社製、M−1310)
10部
光重合開始剤:ジエトキシベンゾフェノン 2部
エポキシ化タル油 0.6部
パラ−tert−ブチルフェノール 0.4部
ネオペンチルフェニルホスフェート 0.07部
ストロンチウムナフトエート 0.02部
二酸化珪素部粒子(アエロジルR972V) 0.05部
(セルロースエステルフィルム2〜7の作製)
セルロースエステルフィルム1の作製において、光硬化性モノマーまたは樹脂及び光重合開始剤の種類を下記表1のように変更した他は同様にしてセルロースエステルフィルム2〜7を得た。
セルロースアセテート(イーストマンケミカル社製、CA−398−3) 100部
2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール
0.5部
光硬化性モノマーまたは樹脂:ウレタンアクリレート(東亞合成社製、M−1310)
10部
光重合開始剤:ジエトキシベンゾフェノン 2部
エポキシ化タル油 0.6部
パラ−tert−ブチルフェノール 0.4部
ネオペンチルフェニルホスフェート 0.07部
ストロンチウムナフトエート 0.02部
二酸化珪素部粒子(アエロジルR972V) 0.05部
(セルロースエステルフィルム2〜7の作製)
セルロースエステルフィルム1の作製において、光硬化性モノマーまたは樹脂及び光重合開始剤の種類を下記表1のように変更した他は同様にしてセルロースエステルフィルム2〜7を得た。
(セルロースエステルフィルム8の作製)
セルロースエステルフィルム1の作製において、上記組成1からウレタンアクリレートと光重合開始剤を除いた他は同様にしてセルロースエステルフィルム8(比較例)を得た。
セルロースエステルフィルム1の作製において、上記組成1からウレタンアクリレートと光重合開始剤を除いた他は同様にしてセルロースエステルフィルム8(比較例)を得た。
(セルロースエステルフィルム9の作製)
次にセルロースアセテート(イーストマンケミカル社製、CAP−482−0.5)を塩化メチレンを用いて溶解し、溶液流延製膜法により膜厚80μmのセルロースエステルフィルム9(比較例)を得た。なお、セルロースエステルフィルム9は可塑剤としてトリフェニルホスフェイト8%、エチルフタリルエチルグリコレート2%を使用した。
次にセルロースアセテート(イーストマンケミカル社製、CAP−482−0.5)を塩化メチレンを用いて溶解し、溶液流延製膜法により膜厚80μmのセルロースエステルフィルム9(比較例)を得た。なお、セルロースエステルフィルム9は可塑剤としてトリフェニルホスフェイト8%、エチルフタリルエチルグリコレート2%を使用した。
(評価)
以上のように作製したセルロースエステルフィルム1〜9について、以下の評価を行った。その結果を表1に示す。
以上のように作製したセルロースエステルフィルム1〜9について、以下の評価を行った。その結果を表1に示す。
〈引っ張り強度〉
JIS C2318の測定法に従い測定し、膜厚80μmの場合の引っ張り強度に換算した値で示した。
JIS C2318の測定法に従い測定し、膜厚80μmの場合の引っ張り強度に換算した値で示した。
〈ヘイズ〉
ヘイズ計(日本電色工業(株)製、1001DP)を用いて測定し、膜厚80μmの場合のヘイズに換算して表示した。
ヘイズ計(日本電色工業(株)製、1001DP)を用いて測定し、膜厚80μmの場合のヘイズに換算して表示した。
〈レターデーションR0〉
自動複屈折率計(王子計測機器(株)製、KOBRA−21ADH)を用いてセルロースエステルフィルム1〜9を23℃、55%RHの環境下で、590nmの波長において10カ所測定し3次元屈折率測定を行い、屈折率Nx、Nyを求めた。下記一般式(1)に従って面内方向のレターデーションR0を算出した。10カ所測定しその平均値で示した。
自動複屈折率計(王子計測機器(株)製、KOBRA−21ADH)を用いてセルロースエステルフィルム1〜9を23℃、55%RHの環境下で、590nmの波長において10カ所測定し3次元屈折率測定を行い、屈折率Nx、Nyを求めた。下記一般式(1)に従って面内方向のレターデーションR0を算出した。10カ所測定しその平均値で示した。
一般式(1)
R0=(Nx−Ny)×d
式中、Nxはフィルムの製膜方向に平行な方向におけるフィルムの屈折率、Nyは製膜方向に垂直な方向におけるフィルムの屈折率、dはフィルムの厚み(nm)をそれぞれ表す。
R0=(Nx−Ny)×d
式中、Nxはフィルムの製膜方向に平行な方向におけるフィルムの屈折率、Nyは製膜方向に垂直な方向におけるフィルムの屈折率、dはフィルムの厚み(nm)をそれぞれ表す。
〈巻き内外レターデーションRt差〉
セルロースエステルフィルム1〜9を100mの長さで巻き取り、そのまま1ヶ月間常温で放置した後、表面のレターデーションRtと内部のレターデーションRtを下記方法で求め、その差をレターデーションRt差として求めた。
セルロースエステルフィルム1〜9を100mの長さで巻き取り、そのまま1ヶ月間常温で放置した後、表面のレターデーションRtと内部のレターデーションRtを下記方法で求め、その差をレターデーションRt差として求めた。
〈レターデーションRtの測定〉
自動複屈折率計(王子計測機器(株)製、KOBRA−21ADH)を用いてセルロースエステルフィルム1〜9を23℃、55%RHの環境下で、590nmの波長において10カ所測定し3次元屈折率測定を行い、屈折率Nx、Ny、Nzを求めた。下記一般式(2)に従って厚み方向のレターデーションRtを算出した。10カ所測定しその平均値で示した。
自動複屈折率計(王子計測機器(株)製、KOBRA−21ADH)を用いてセルロースエステルフィルム1〜9を23℃、55%RHの環境下で、590nmの波長において10カ所測定し3次元屈折率測定を行い、屈折率Nx、Ny、Nzを求めた。下記一般式(2)に従って厚み方向のレターデーションRtを算出した。10カ所測定しその平均値で示した。
一般式(2)
Rt=((Nx+Ny)/2−Nz)×d
式中、Nxはフィルムの製膜方向に平行な方向におけるフィルムの屈折率、Nyは製膜方向に垂直な方向におけるフィルムの屈折率、Nzは厚み方向におけるフィルムの屈折率、dはフィルムの厚み(nm)をそれぞれ表す。
Rt=((Nx+Ny)/2−Nz)×d
式中、Nxはフィルムの製膜方向に平行な方向におけるフィルムの屈折率、Nyは製膜方向に垂直な方向におけるフィルムの屈折率、Nzは厚み方向におけるフィルムの屈折率、dはフィルムの厚み(nm)をそれぞれ表す。
〈寸法安定性〉
セルロースエステルフィルム1〜9の縦方向及び横方向より30mm幅×120mm長さの試験片を各3枚採取し、試験片の両端に6mmφの穴をパンチで100mm間隔に開けた。これを23±3℃、65±5%RHの室内で3時間以上調湿した。自動ピンゲージ(新東科学(株)製)を用いてパンチ間隔の原寸(L1)を最小目盛り1μmまで測定する。次に試験片を80℃、90%RHの恒温恒湿器に吊して50時間熱処理し、23±3℃、65±5%RHの室内で3時間以上調湿した後、自動ピンゲージで熱処理後のパンチ間隔の寸法(L2)を測定する。そして以下の式により熱収縮率を算出する。
セルロースエステルフィルム1〜9の縦方向及び横方向より30mm幅×120mm長さの試験片を各3枚採取し、試験片の両端に6mmφの穴をパンチで100mm間隔に開けた。これを23±3℃、65±5%RHの室内で3時間以上調湿した。自動ピンゲージ(新東科学(株)製)を用いてパンチ間隔の原寸(L1)を最小目盛り1μmまで測定する。次に試験片を80℃、90%RHの恒温恒湿器に吊して50時間熱処理し、23±3℃、65±5%RHの室内で3時間以上調湿した後、自動ピンゲージで熱処理後のパンチ間隔の寸法(L2)を測定する。そして以下の式により熱収縮率を算出する。
寸法変化率(%)=(L1−L2/L1)×100
(偏光板の作製)
厚さ120μmのポリビニルアルコールフィルムを沃素1部、沃化カリウム2部、ホウ酸4部を含む水溶液に浸漬し50℃で4倍に延伸し偏光子を作製した。
(偏光板の作製)
厚さ120μmのポリビニルアルコールフィルムを沃素1部、沃化カリウム2部、ホウ酸4部を含む水溶液に浸漬し50℃で4倍に延伸し偏光子を作製した。
セルロースエステルフィルム1〜9を40℃の2.5mol/L水酸化ナトリウム水溶液で60秒間アルカリ処理し、さらに水洗乾燥して表面をアルカリ処理した。
前記偏光子の両面に、セルロースエステルフィルム1〜9のアルカリ処理面を、完全鹸化型ポリビニルアルコール5%水溶液を接着剤として両面から貼合し、保護フィルムが形成された偏光板1〜9を作製した。
以上のように作製した偏光板について、以下に記載した偏光板耐久性テストを行った。その結果を表1に示す。
〈偏光板耐久性テスト〉
10cm×10cmの偏光板試料2枚を熱処理(80℃、90%RH、50時間)し、直行状態にした時の縦または横の中心線部分のどちらか大きい方の縁の白抜け部分の長さを測定し、下記の基準で判定した。縁の白抜けとは直行状態で光を通さない偏光板の縁の部分が光を通す常態になることで、目視で判定できる。偏光板の状態では縁の部分の表示が見えなくなると故障となる。
10cm×10cmの偏光板試料2枚を熱処理(80℃、90%RH、50時間)し、直行状態にした時の縦または横の中心線部分のどちらか大きい方の縁の白抜け部分の長さを測定し、下記の基準で判定した。縁の白抜けとは直行状態で光を通さない偏光板の縁の部分が光を通す常態になることで、目視で判定できる。偏光板の状態では縁の部分の表示が見えなくなると故障となる。
◎:縁の白抜けが5%未満(偏光板として問題ないレベル)
○:縁の白抜けが5%以上10%未満(偏光板として問題ないレベル)
△:縁の白抜けが10%以上20%未満(偏光板として何とか使えるレベル)
×:縁の白抜けが20%以上(偏光板として問題のあるレベル)
△以上であれば実技上問題ないレベルである。
○:縁の白抜けが5%以上10%未満(偏光板として問題ないレベル)
△:縁の白抜けが10%以上20%未満(偏光板として何とか使えるレベル)
×:縁の白抜けが20%以上(偏光板として問題のあるレベル)
△以上であれば実技上問題ないレベルである。
表1から明らかなように、本発明のセルロースエステルフィルム1〜7は光学的、物理的に優れており、特に寸法安定性に優れていることが分かる。
また、本発明の偏光板は、溶融流延後、UV硬化によって形成されたセルロースエステルフィルム(本発明の光学フィルム)で保護されているため光学的、物理的及び寸法安定性に優れた特性を有し、非溶媒使用の製膜作製で得られたものでありながら優れた特性を有している。
Claims (13)
- 溶融流延によりセルロースエステルフィルムを製造する際に用いるセルロースエステル組成物において、エチレン性不飽和モノマーまたは官能基を有するエチレン性不飽和モノマー及び光重合開始剤を含有することを特徴とするセルロースエステル組成物。
- さらに、2個以上のエチレン性不飽和基を有するエチレン性不飽和モノマーを含有することを特徴とする請求項1記載のセルロースエステル組成物。
- 前記官能基が紫外線吸収性基または帯電防止性基であることを特徴とする請求項1または2記載のセルロースエステル組成物。
- 紫外線吸収剤を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のセルロースエステル組成物。
- 微粒子を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のセルロースエステル組成物。
- 請求項1〜5のいずれか1項記載のセルロースエステル組成物を溶融流延製膜した後、紫外線照射することを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造方法。
- セルロースエステルフィルムの両面から紫外線照射することを特徴とする請求項6記載のセルロースエステルフィルムの製造方法。
- 請求項6または7記載のセルロースエステルフィルムの製造方法で製造されることを特徴とするセルロースエステルフィルム。
- 請求項8記載のセルロースエステルフィルムを1方向及びそれと直行する方向にそれぞれ1.00〜2.50倍、1.01〜23.00倍に延伸することを特徴とする光学フィルムの製造方法。
- 延伸後、紫外線照射することを特徴とする請求項9記載の光学フィルムの製造方法。
- 請求項9または10記載の光学フィルムの製造方法で製造されることを特徴とする光学フィルム。
- 請求項8記載のセルロースエステルフィルムまたは請求項11記載の光学フィルムを鹸化処理し、鹸化処理した面を偏光膜の両面に貼合することを特徴とする偏光板の製造方法。
- 請求項12記載の偏光板の製造方法で製造されることを特徴とする偏光板。
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