JP6024662B2 - 光学フィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光学フィルムの製造方法に関する。
液晶表示装置は、テレビやパソコンなどの液晶ディスプレイとして広く用いられている。液晶表示装置は、通常、液晶セルと、それを挟持する一対の偏光板と、バックライトとを有する。偏光板は、通常、偏光子と、それを挟持する一対の偏光板保護フィルムとを有する。
偏光板保護フィルムとしては、耐熱性が高いことなどから、通常、セルローストリアセテートフィルムが用いられている。しかしながら、セルローストリアセテートフィルムは、高湿条件下において寸法変化しやすく、それにより光学性能が変化しやすいという問題があった。
そのため、耐熱性が高いセルロース系樹脂と、耐湿性が高いアクリル系樹脂とを含む光学フィルムが提案されている(例えば特許文献1)。特許文献1に記載の光学フィルムは、樹脂を溶剤に溶解させて混合する溶液流延法で製造される。一方、環境負荷を低減し、製造コストを低くするためなどから、溶剤を用いることなく樹脂を加熱溶融させて混合する溶融押出法で光学フィルムを製造することが望まれている。しかしながら、セルロース系樹脂とアクリル系樹脂とは相溶性が低いことから、セルロース系樹脂とアクリル系樹脂とを含むフィルムを溶融押出法で製造することは難しかった。
これに対して、自動車、家電またはOA機器の部品などに用いられるフィルムとして、セルロース誘導体の存在下でビニル単量体を重合させて得られる熱可塑性樹脂の成形フィルムが提案されている(例えば特許文献2および3)。
国際公開第2009/045924号 特開2009−227876号公報 特開2011−51127号公報
しかしながら、特許文献2および3に記載の熱可塑性樹脂を溶融押出して得られるフィルムは、ヘイズが高く、光学フィルムとして適していなかった。
本発明者らは、特許文献2および3に記載の熱可塑性樹脂を成形して得られるフィルムのヘイズが高い主な要因は、1)熱可塑性樹脂の原料であるセルロース樹脂由来の微小な異物や不純物が多く含まれること、2)ビニル単量体(a)の重合物と固有複屈折が正の樹脂(b)との相溶性が十分でないこと、であることを見出した。
そして、本発明者らは、1)原料に由来する微小な異物や不純物を低減するためには、例えばビニル単量体(a)と固有複屈折が正の樹脂(b)との混合物(シラップ)をろ過することが有効であり;2)ビニル単量体(a)の重合物と固有複屈折が正の樹脂(b)との相溶性を高めるためには、ビニル単量体(a)の重合方法、固有複屈折が正の樹脂(b)の種類、またはシラップの粘度などを調整することが有効であることを見出した。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、耐熱性と耐湿性が高く、かつヘイズが低い光学フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
[1] 50〜90質量%のビニル単量体(a)と、10〜50質量%の固有複屈折が正の樹脂(b)とを含むシラップを得るステップと、前記シラップに含まれる前記ビニル単量体(a)を重合させて熱可塑性樹脂を得るステップと、前記熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物を成形して、内部ヘイズが0.2%以下である光学フィルムを得るステップと、を含む、光学フィルムの製造方法。
[2] 前記光学フィルムの光弾性係数が−5.0×10−12〜5.0×10−12/Nの範囲である、[1]に記載の光学フィルムの製造方法。
[3] 前記光学フィルムが、下記式(I)で表される、波長590nmでの面内方向のレターデーションRoが−10nm〜10nmの範囲であり、かつ下記式(II)で表される、波長590nmでの厚み方向のレターデーションRtが−10nm〜10nmの範囲である、[1]または[2]に記載の光学フィルムの製造方法。
式(I) Ro=(nx−ny)×d
式(II) Rt={(nx+ny)/2−nz}×d(nxは、光学フィルムの面内方向において屈折率が最大になる方向xにおける屈折率を表し;nyは、光学フィルムの面内方向において前記方向xと直交する方向yにおける屈折率を表し;nzは、光学フィルムの厚み方向zにおける屈折率を表し;d(nm)は、光学フィルムの厚みを表す)
[4] 前記光学フィルムが、下記式(I)で表される、波長590nmでの面内方向のレターデーションRoが20〜150nmであり、かつ下記式(II)で表される、波長590nmでの厚み方向のレターデーションRtが70〜400nmである、[1]に記載の光学フィルムの製造方法。
式(I) Ro=(nx−ny)×d
式(II) Rt={(nx+ny)/2−nz}×d(nxは、光学フィルムの面内方向において屈折率が最大になる方向xにおける屈折率を表し;nyは、光学フィルムの面内方向において前記方向xと直交する方向yにおける屈折率を表し;nzは、光学フィルムの厚み方向zにおける屈折率を表し;d(nm)は、光学フィルムの厚みを表す)
[5] 前記固有複屈折が正の樹脂(b)が、セルロースエステル樹脂、セルロースエーテル樹脂、環状オレフィン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂およびアクリル樹脂からなる群から選ばれる一種類以上である、[1]〜[4]のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
[6] 前記固有複屈折が正の樹脂(b)が、炭素数3以上のアシル基を有するセルロースエステル樹脂である、[1]〜[5]のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
[7] 前記固有複屈折が正の樹脂(b)が、下記式(i)および(ii)を満たすセルロースエステル樹脂である、[1]〜[6]のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
(i) 2.0≦DSac+DSpr<3.0
(ii) 0.5≦DSpr<2.8(式中、DSacはアセチル基の置換度、DSprは炭素数3以上のアシル基の置換度を表す)
[8] 前記セルロースエステル樹脂の重量平均分子量Mwが3.0×10〜3.0×10である、[6]または[7]に記載の光学フィルムの製造方法。
[9] 前記ビニル単量体(a)は、単官能のビニル単量体(a)である、[1]〜[8]のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
[10] 前記ビニル単量体(a)は、(メタ)アクリレート化合物、(メタ)アクリルアミド化合物、マレイミド化合物、N−ビニル環状アミド化合物、ビニルエステル化合物からなる群より選ばれる一種類以上である、[1]〜[9]のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
[11] 前記シラップの、振動粘度計にて測定される23℃での粘度が4000Pa・s以下である、[1]〜[10]のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
[12] 前記シラップをろ過するステップをさらに含む、[1]〜[11]のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
[13] 前記シラップを、空隙率76〜95%、捕集粒子径0.5〜5μmのフィルタでろ過する、[1]〜[12]のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
[14] 前記熱可塑性樹脂を得るステップでは、前記ビニル単量体(a)を塊状重合させる、[1]〜[13]のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
[15] 前記熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物を溶融押出して光学フィルムを得る、[1]〜[14]のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
本発明の光学フィルムは、耐熱性と耐湿性が高く、かつヘイズが低い。また、本発明の光学フィルムは、従来のハロゲン系溶剤などを用いない溶融押出法によって成形することができるので、環境負荷を低減できる。
フィルムの製造装置の一例を示す模式図である。 常圧プラズマ照射装置の一例を示す模式図である。 液晶表示装置の基本構成の一例を示す模式図である。
1.光学フィルム
本発明の光学フィルムは、特定の熱可塑性樹脂と、必要に応じて他の添加剤とを含有する樹脂組成物を成形して得られるフィルムである。樹脂組成物に含まれる特定の熱可塑性樹脂は、固有複屈折が正の樹脂(b)の存在下でビニル単量体(a)を重合させたものである。
熱可塑性樹脂について
熱可塑性樹脂を構成するビニル単量体(a)は、分子内にエチレン性二重結合を有する化合物であり、好ましくは分子内にエチレン性二重結合と、ヘテロ原子含有官能基とを有する化合物である。ヘテロ原子含有官能基とは、エステル基、イミド基、アミド基などでありうる。
分子内にエチレン性二重結合と、ヘテロ原子含有官能基とを有する化合物の例には、(メタ)アクリレート化合物、(メタ)アクリルアミド化合物、マレイミド化合物、N−ビニル環状アミド化合物、ビニルエステル化合物、芳香族ビニル、シアン化ビニル、(メタ)アクリル酸などが含まれ、好ましくは(メタ)アクリレート化合物、(メタ)アクリルアミド化合物、マレイミド化合物、N−ビニル環状アミド化合物、ビニルエステル化合物である。
(メタ)アクリレート化合物の例には、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、シアノエチルアクリレート、シアノブチルアクリレートなどの(メタ)アクリレート;
2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレートなどのフッ素化(メタ)アクリレート;
(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチルなどの(メタ)アクリル酸アミノアルキル;
(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル;
N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミドなどのN−(メタ)アクリロイルスクシンイミドなどが含まれる。
(メタ)アクリルアミド化合物の例には、
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド(ノルマルブチルアクリルアミド、ターシャリーブチルアクリルアミド)、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミド、N−アクリロイルモルホリンなどの(メタ)アクリルアミドなどが含まれる。
マレイミド化合物の例には、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミド、ジメチルマレイミド、N−ブチルマレイミドなどのN−置換マレイミドなどが含まれる。
N−ビニル環状アミド化合物の例には、ビニルピロリドンなどが含まれる。ビニルエステル化合物の例には、酢酸ビニルなどが含まれる。芳香族ビニルの例には、スチレン、α−メチルスチレンなどが含まれ;シアン化ビニルの例には、アクリロニトリルなどが含まれる。
固有複屈折が正の樹脂(b)としてのセルロースエステル樹脂との相溶性を高めるためには、(メタ)アクリレート化合物(好ましくは(メタ)アクリル酸アミノアルキル、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル、(メタ)アクリロイルスクシンイミド)や、(メタ)アクリルアミド化合物(好ましくは(メタ)アクリルアミド)を用いてもよい。耐熱性の高い熱可塑性樹脂を得るためには、マレイミド化合物(好ましくはN置換マレイミド、より好ましくはN−シクロヘキシルマレイミド)を用いてもよい。
ビニル単量体(a)は、分子内にエチレン性二重結合を一つだけ有する化合物(単官能のビニル単量体)であることが好ましい。なかでも、反応性が高いことなどから、(メタ)アクリレートが好ましく、メチル(メタ)アクリレートであることがより好ましい。
熱可塑性樹脂を構成するビニル単量体(a)は、一種類だけでもよいし、二種類以上の混合物であってもよい。二種類以上のビニル単量体(a)の混合物は、少なくとも(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。(メタ)アクリレートの含有割合は、二種類以上のビニル単量体(a)の合計に対して50質量%以上としうる。
熱可塑性樹脂を構成する固有複屈折が正の樹脂(b)は、セルロースエステル樹脂、セルロースエーテル樹脂、環状オレフィン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂またはアクリル樹脂でありうる。熱可塑性樹脂を構成する固有複屈折が正の樹脂(b)は、一種類だけであってもよいし、二種以上の混合物であってもよい。なかでも、ビニル単量体(a)との相溶性が高く、得られるフィルムの透明性と耐熱性が高い観点からは、セルロースエステル樹脂が好ましい。溶融粘度が低く、位相差発現性が高い観点からは、セルロースエーテル樹脂が好ましい。
セルロースエステル樹脂の総アシル基置換度は、1.5以上3.0未満であってよく、好ましくは2.0以上3.0未満であり、より好ましくは2.4以上2.9以下、さらに好ましくは2.5以上2.8以下でありうる。総アシル基置換度が1.5未満であると、溶融押出する際の溶融樹脂の粘度が高く、フィルム面の品質が低下したり、溶融温度で樹脂が劣化または着色したりしやすい。総アシル基置換度は、セルロースを構成する無水グルコースが有する三個の水酸基のうち、エステル化された水酸基の数の平均値を示す。
セルロースエステル樹脂に含まれるアシル基は、脂肪族アシル基であっても芳香族アシル基であってもよく、好ましくは脂肪族アシル基である。セルロースエステル樹脂に含まれるアシル基は、一種類であっても、二種類以上であってもよい。
脂肪族アシル基の炭素原子数は、好ましくは2〜7であり、より好ましくは2〜6であり、さらに好ましくは2〜4でありうる。脂肪族アシル基は、得られる光学フィルムのヘイズを低くするためには、炭素原子数3以上のアシル基を含むことが好ましい。炭素原子数3以上のアシル基を含むセルロースエステル樹脂は、ビニル単量体(a)との相溶性が高いことから、ヘイズの低い光学フィルムが得られやすい。炭素原子数3以上のアシル基の置換度は0.3以上3.0未満であってよく、好ましくは0.5以上2.8未満でありうる。炭素原子数3以上のアシル基の好ましい例には、プロピオニル基、ブチリル基などが含まれる。
アシル基の置換度は、ASTM−D817−96に準じて測定することができる。
セルロースエステルの例には、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなどが含まれ、なかでもセルロースアセテートプロピオネートが好ましい。
なかでも、下記式(i)と(ii)とを同時に満たすセルロースエステル樹脂が好ましい。下記式において、DSacはアセチル基の置換度を示し;DSprは炭素原子数3以上のアシル基の置換度を示す。
(i) 2.0≦DSac+DSpr<3.0
(ii) 0.5≦DSpr<2.8
セルロースエステル樹脂の重量平均分子量Mwは、3.0×10〜3.0×10の範囲であることが好ましく、5.0×10〜2.0×10の範囲であることがより好ましい。重量平均分子量Mwが3.0×10未満であると、得られるフィルムの機械的強度が低いことがある。一方、重量平均分子量Mwが3.0×10超であると、セルロースエステル樹脂を含むシラップの粘度が高く、ビニル単量体(a)と十分に相溶しにくくなる。セルロースエステル樹脂の重量平均分子量Mwが上記範囲にあると、後述するシラップの粘度を4000Pa・s以下にすることができ、かつ得られるフィルムの機械的強度も高い。
セルロースエステル樹脂の分子量分布(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は、1.0〜4.5であることが好ましい。
セルロースエステルの重量平均分子量Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。測定条件は以下の通りである。
溶媒:メチレンクロライド
カラム:Shodex K806、K805、K803G(昭和電工(株)製)を3本接続して使用する。
カラム温度:25℃
試料濃度:0.1質量%
検出器:RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ:L6000(日立製作所(株)製)
流量:1.0ml/min
校正曲線:標準ポリスチレンSTK standardポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=1.0×10〜5.0×10までの13サンプルによる校正曲線を使用する。13サンプルは、ほぼ等間隔に選択することが好ましい。
セルロースエステルは、公知の方法で合成することができる。具体的には、セルロースと、少なくとも酢酸またはその無水物を含む炭素原子数3以上の有機酸またはその無水物とを、触媒の存在下でエステル化反応させてセルロースのトリエステル体を合成する。次いで、セルロースのトリエステルを加水分解して、所望のアシル置換度を有するセルロースエステル樹脂を合成する。得られたセルロースエステル樹脂を、ろ過、沈殿、水洗、脱水および乾燥させた後、セルロースエステル樹脂を得ることができる(特開平10−45804号に記載の方法を参照)。
原料となるセルロースは、例えば綿花リンター、木材パルプ(針葉樹由来、広葉樹由来)およびケナフなどを用いることができる。原料となるセルロースは、一種類だけであってもよいし、二種類以上の混合物であってもよい。
市販品としては、ダイセル化学工業(株)製のL20、L30、L40、L50、イーストマンケミカル社のCa398−3、Ca398−6、Ca398−10、Ca398−30、Ca394−60Sが挙げられる。
セルロースエーテル樹脂
セルロースエーテル樹脂は、セルロースの水酸基の一部または全部がアルコキシ基で置換されたものである。アルコキシ基の炭素数は、特に制限されないが、一定以上の位相差発現性を得るためには、4以下とすることができ、好ましくは2以下としうる。そのようなアルコキシ基の例には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などが含まれ、好ましくはメトキシ基、エトキシ基であり、より好ましくはエトキシ基である。セルロースエーテル樹脂に含まれるアルコキシ基は、一種類であっても、二種類以上であってもよい。
セルロースエーテル樹脂の具体例には、メチルセルロース、エチルセルロース等が含まれ、好ましくはエチルセルロースである。
セルロースエーテル樹脂のアルコキシ基の総置換度は、特に制限されないが、1.5以上3.0未満であってよく、好ましくは2.0以上3.0未満であり、より好ましくは2.3以上2.8以下でありうる。アルコキシ基の総置換度が低すぎると、溶融押出する際の溶融樹脂の粘度が高くなり、成形性が低下しやすいことがある。アルコキシ基の置換度は、ASTM D4794−94に記載の方法にて測定することができる。
セルロースエーテル樹脂の重量平均分子量や分子量分布などは、セルロースエステル樹脂と同様の範囲に調整されうる。
このようなセルロースエーテル樹脂は、セルロースエステルよりも比較的低い溶融粘度を有するだけでなく、高い位相差発現性を有する。
熱可塑性樹脂の含有量は、一定以上の耐熱性、耐湿性または光学特性を得るためには、光学フィルム全体に対して60質量%以上とすることができ、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上である。
本発明で用いられる樹脂組成物には、熱可塑性樹脂以外にも、必要に応じて紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤および微粒子などの任意の成分がさらに含まれてもよい。
紫外線吸収剤
紫外線吸収剤は、波長400nm以下の紫外線を吸収する化合物であり、好ましくは波長370nmでの透過率が10%以下、より好ましくは5%以下、さらに好ましくは2%以下である化合物である。
紫外線吸収剤の光線透過率は、紫外線吸収剤を溶媒(例えばジクロロメタン、トルエンなど)に溶解した溶液を、常法により、分光光度計により測定することができる。分光光度計は、例えば、島津製作所社製の分光光度計UVIDFC−610、日立製作所社製の330型自記分光光度計、U−3210型自記分光光度計、U−3410型自記分光光度計、U−4000型自記分光光度計等を用いることができる。
紫外線吸収剤は、特に限定されないが、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、トリアジン系化合物、ニッケル錯塩系化合物および無機粉体などであってよい。透明性が高く、活性線硬化樹脂層の劣化を抑制するためには、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤およびベンゾフェノン系紫外線吸収剤が好ましく、さらに不要な着色を少なくするためには、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤がより好ましい。
紫外線吸収剤の具体例には、5-クロロ-2-(3,5-ジ-sec-ブチル-2-ヒドロキシルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、(2-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(直鎖および側鎖ドデシル)-4-メチルフェノール、2-ヒドロキシ-4-ベンジルオキシベンゾフェノン、2,4-ベンジルオキシベンゾフェノン、チヌビン109、チヌビン171、チヌビン234、チヌビン326、チヌビン327、チヌビン328(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)などのチヌビン類などが含まれる。
紫外線吸収剤の含有量は、紫外線吸収剤の種類にもよるが、光学フィルム全体に対して0.5〜10質量%であることが好ましく、0.6〜4質量%であることがより好ましい。
酸化防止剤
溶融押出法でフィルムを製造する工程では、高温下で樹脂などのフィルム材料を溶融混練するため、樹脂などのフィルム材料が熱や酸素によって分解されやすい。そのような、樹脂などのフィルム材料の熱や酸素による分解を抑制するために、本発明の樹脂組成物は、安定化剤として酸化防止剤をさらに含むことが好ましい。
酸化防止剤の例には、ヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物、リン系化合物、耐熱加工安定剤などが含まれ、好ましくはヒンダードフェノール系化合物、リン系化合物などである。
ヒンダードフェノール系化合物の例には、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト等が含まれる。特に2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が好ましい。ヒンダードフェノール系化合物の市販品の例には、Irganox1010(チバ・ジャパン社製)、スミライザーGS(Sumilizer GS、住友化学社製)などが含まれる。
リン系化合物の例には、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジホスファイト等が含まれる。リン系化合物の市販品の例には、アデカスタブPEP36(ADK STAB PEP36、旭電化製)などが含まれる。
本発明の樹脂組成物に含まれる酸化防止剤は、一種類だけであってもよいし、二種類以上の混合物であってもよい。酸化防止剤の含有量は、前述の熱可塑性樹脂に対して質量割合で1ppm〜2.0%であることが好ましく、10〜1000ppmであることがより好ましい。
微粒子
微粒子は、得られる光学フィルムの表面の滑り性を高める機能を有する。微粒子は、無機微粒子であっても有機微粒子であってもよい。無機微粒子の例には、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウムなどが含まれる。有機微粒子の例には、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレートなどが含まれる。フィルムのヘイズの増大を少なくするためには、特に二酸化珪素が好ましい。
微粒子の一次平均粒子径は、20nm以下であることが好ましく、5〜16nmであることがより好ましく、5〜12nmであることがさらに好ましい。
微粒子の1次平均粒子径は、透過型電子顕微鏡にて倍率50万〜200万倍で粒子を観察し、粒子100個の粒子径の平均値として求めることができる。
微粒子の含有量は、前述の熱可塑性樹脂に対して0.01〜5.0質量%であることが好ましく、0.05〜1.0質量%であることがより好ましい。微粒子の含有量が5.0質量%超であると、凝集物を少なくすることができる。
本発明の光学フィルムの厚みは、特に限定はされないが、10〜200μmであることが好ましく、10〜100μmであることがより好ましく、20〜70μmであることがさらに好ましい。フィルムの厚みが小さすぎると、所望のレターデーションが得られにくい。一方、フィルムの厚みが大きすぎると、湿度などの影響によってレターデーションが変動しやすい。
光学フィルムに含まれるカルシウムおよびマグネシウムの総量と酢酸量とは、下記式(a)を満たすことが好ましい。
1≦(酢酸量)/(カルシウムおよびマグネシウムの総量)≦30 ・・・式(a)
光学フィルムに含まれるカルシウムおよびマグネシウムは、熱可塑性樹脂の原料となるセルロースエステル樹脂に含まれる不純物に由来するものであるか、あるいはセルロースエステル樹脂の合成時に用いられる酸触媒(特に硫酸)を中和または安定化するために添加される金属酸化物、金属水酸化物または金属塩(無機酸塩、有機酸塩)に由来するものでありうる。光学フィルムに含まれる酢酸は、セルロースエステル樹脂の合成時に、反応溶媒またはエステル化剤として添加される無水酢酸または酢酸に由来するものでありうる。未反応の無水酢酸は、反応停止剤(水、アルコール、酢酸等)により加水分解されて酢酸を生成する。
酢酸量/(カルシウムおよびマグネシウムの総量)が1未満であると、カルシウム金属塩やマグネシウム金属塩による光散乱が生じ、コントラストを低下させやすい。一方、酢酸量/(カルシウムおよびマグネシウムの総量)が30超であると、光学フィルムを偏光子に貼り合わせたときに、酢酸によって偏光子を劣化させやすい。
光学フィルムに含まれるカルシウムおよびマグネシウムの総量は、フィルムのヘイズを低くするためには、5〜130質量ppmであることが好ましく、5〜80質量ppmであることがより好ましく、5〜50質量ppmであることがさらに好ましい。カルシウムおよびマグネシウムの総量は、後述する通り、シラップをろ過したりすることによって低減できる。
光学フィルムに含まれるカルシウムおよびマグネシウムの量は、例えば以下の方法によって測定できる。乾燥させた光学フィルムを完全に燃焼させた後、得られた灰分を塩酸に溶解させて前処理を行う。そして、得られた試料に含まれるカルシウムおよびマグネシウムの重量を、原子吸光法によって測定する。測定値は、光学フィルムに含まれるカルシウムおよびマグネシウムの合計重量(単位:質量ppm)として得られる。
光学フィルムに含まれる酢酸の量は、偏光子の劣化を抑制するために、20〜500質量ppmが好ましく、25〜250質量ppmがより好ましく、30〜150質量ppmがさらに好ましい。
光学フィルムに含まれる酢酸の量は、例えば以下の方法によって測定できる。光学フィルムを塩化メチレンに溶解させ、さらにメタノールを加えて再沈殿させる。得られた上澄み液をろ過した後、得られる溶液に含まれる酢酸量を、ガスクロマトグラフィーにて測定する。
光学フィルムの面内方向のレターデーションRoおよび厚み方向のレターデーションRtは、求められる光学的機能に応じて設定される。例えば、光学フィルムの、23℃、55%RHの環境下で、波長590nmにて測定される面内方向のレターデーションRoは、−40nm〜40nmの範囲とすることができ、好ましくは−10nm〜10nmの範囲とし、より好ましくは−5nm〜5nmの範囲としうる。厚み方向のレターデーションRtは、−70nm〜70nmの範囲とすることができ、好ましくは−10nm〜10nmの範囲とし、より好ましくは−5nm〜5nmの範囲としうる。このようなレターデーションを有する光学フィルムは、例えばIPS方式の液晶表示装置における偏光子の液晶セル側に配置される位相差フィルムとして好適である。
一方、光学フィルムの面内方向のレターデーションRoは、好ましくは20〜150nmであり、より好ましくは30〜150nmとしうる。厚み方向のレターデーションRtは、好ましくは70〜400nmであり、より好ましくは100〜400nmとしうる。このようなレターデーションを有する光学フィルムは、例えばVA方式の液晶表示装置における偏光子の液晶セル側に配置される位相差フィルムとして好適である。
レターデーションRおよびRtは、主に延伸条件や固有複屈折が正の樹脂(b)の種類によって調整されうる。例えば、RoおよびRtを低めにするには、延伸倍率を低めにしたり、位相差発現性がそれほど高くない固有複屈折が正の樹脂(b)(例えば、アシル基の総置換度が2.4以上のセルロースアセテートやセルロースアセテートプロピオネートなど)を選択したりすればよい。一方、RおよびRtを高くするためには、例えば延伸倍率を高くしたり、位相差発現性の高い固有複屈折が正の樹脂(b)(例えば、アシル基の総置換度が2.4未満のセルロースエステル樹脂やセルロースエーテル樹脂など)を選択したりすればよい。
レターデーションRおよびRtは、それぞれ以下の式で表される。
式(I) R=(nx−ny)×d
式(II) Rt={(nx+ny)/2−nz}×d
(nx:フィルム面内の遅相軸方向の屈折率、ny:フィルム面内において、遅相軸に対して直交する方向の屈折率、nz:厚み方向におけるフィルムの屈折率、d:フィルムの厚み(nm))
レターデーションRおよびRtは、例えば以下の方法によって求めることができる。
1)フィルムの平均屈折率を屈折計により測定する。
2)王子計測機器社製KOBRA−21ADHにより、フィルム法線方向からの波長590nmの光を入射させたときの面内方向のレターデーションRを測定する。
3)王子計測機器社製KOBRA−21ADHにより、フィルム法線方向に対してθの角度(入射角(θ))から波長590nmの光を入射させたときのレターデーション値R(θ)を測定する。θは0°よりも大きく、好ましくは30°〜50°である。
4)測定されたRおよびR(θ)と、前述の平均屈折率と膜厚とから、王子計測機器社製KOBRA−21ADHにより、nx、nyおよびnzを算出し、Rtを算出する。レターデーションの測定は、23℃55%RH条件下で行うことができる。
光学フィルムは、フィルム面内に遅相軸または進相軸を有する。遅相軸の製膜方向とのなす角θ1(配向角)は、−1°以上+1°以下であることが好ましく、−0.5°以上+0.5°以下であることがより好ましい。配向角θ1が上記範囲を満たしていると、光漏れを抑制できるため、表示画像の輝度を高めることができる。光学フィルムの配向角θ1の測定は、自動複屈折計KOBRA−21ADH(王子計測機器)を用いて測定することができる。
23℃、55%RH条件下で測定される光学フィルムの光弾性係数cは、−5.0×10−12〜5.0×10−12/Nであることが好ましく、−2×10−12〜2×10−12/Nであることがより好ましい。光学フィルムの光弾性係数cは、熱可塑性樹脂の合成時における、ビニル単量体(a)と、固有複屈折が正の樹脂(b)との含有比率などによって調整されうる。
フィルムの光弾性係数cの測定は、以下の手順で行うことができる。
1)レターデーション測定装置(KOBURA31PR、王子計測機器社製)を用いて、光学フィルムの最大延伸方向(延伸倍率が最大となる方向)に引張り荷重を加えながら、波長589nmにおけるフィルム面内のレターデーションR(589)を測定する。同様に、引張り荷重を変化させたときのフィルム面内のレターデーションR(589)を測定する。測定は、23℃、55%RH条件下で行うことができる。
2)光学フィルムに印加した引張応力を横軸とし、フィルムの面内レターデーションR(589)をフィルムの厚みで割って得られるΔn(nx−ny)を縦軸として、各引張応力でのΔn(nx−ny)をプロットし、引張り荷重−Δn(nx−ny)の曲線を得る。得られた曲線を直線に近似したときの、直線の傾きを光弾性係数として求める。
光学フィルムの、JIS K−7136に準拠して測定される内部ヘイズは、0.2%以下であることが好ましく、0.1%以下であることがより好ましく、0.05%以下であることがより好ましい。内部ヘイズを低くするためには、後述するように、熱可塑性樹脂の合成過程における、1)シラップに含まれる微小な異物や不純物を除去したり;2)シラップにおけるビニル単量体(a)と固有複屈折が正の樹脂(b)との相溶性を高めたりすることが好ましい。
光学フィルムの内部ヘイズは、JIS K−7136に準拠した方法;具体的には、以下の方法で測定することができる。
ヘイズメーター(型式:NDH 2000、日本電色(株)製)を準備する。光源は5V9Wのハロゲン球とし、受光部はシリコンフォトセル(比視感度フィルター付き)とする。
1)ブランクヘイズの測定
洗浄したスライドガラスの上に、グリセリンを一滴(0.05ml)滴下する。このとき、液滴に気泡が入らないように注意する。
次いで、滴下したグリセリンの上に、カバーガラスを載せる。カバーガラスは押さえなくてもグリセリンは広がる。
これにより得られるブランク測定用のサンプル(カバーガラス/グリセリン/スライドガラス)を、ヘイズメーターにセットして、ヘイズ1(ブランクヘイズ)を測定する。
2)光学フィルムを含むサンプルのヘイズの測定
前記1)と同様にして、洗浄したスライドガラスの上にグリセリンを滴下する。
一方で、測定する光学フィルムを、23℃55%RH下で5時間以上調湿する。次いで、滴下したグリセリンの上に、調湿した光学フィルムを、気泡が入らないように載せる。
さらに、光学フィルム上に0.05mlのグリセリンを滴下した後、カバーガラスをさらに載せる。
これにより得られる測定用のサンプル(カバーガラス/グリセリン/試料フィルム/グリセリン/スライドガラス)を、前述のヘイズメーターにセットして、ヘイズ2を測定する。
3)前記1)で得られたヘイズ1と、前記2)で得られたヘイズ2を、下記式に当てはめて、光学フィルムのヘイズを算出する。
光学フィルムの内部ヘイズ(%)=ヘイズ2(%)−ヘイズ1(%)
内部ヘイズの測定は、いずれも23℃55%RHの条件下にて行う。また、内部ヘイズの測定に用いるガラスは、MICRO SLIDE GLASS S9213 MATSUNAMIとする。グリセリンは、関東化学製 鹿特級(純度>99.0%)、屈折率1.47とする。
光学フィルムの可視光透過率は、90%以上であることが好ましく、93%以上であることがより好ましい。
光学フィルムのガラス転移温度は、110〜200℃であることが好ましく、120〜190℃であることがより好ましい。光学フィルムのガラス転移温度は、JIS K7121(1987)に準拠した方法で測定することができる。具体的には、示差走査熱量測定器(Perkin Elmer社製DSC−7型)を用いて、光学フィルムを昇温速度20℃/分で昇温させたときの、中間点ガラス転移温度(Tmg)として測定することができる。
光学フィルムの、JIS Z 0208に準拠して測定される40℃、90%RHにおける透湿度は、200〜1500(g/(m・24hr))であることが好ましく、400〜1200(g/(m・24hr))であることがより好ましい。光学フィルムの透湿度は、例えばビニル単量体(a)の重合物の含有割合を高めたり、固有複屈折が正の樹脂(b)としてのセルロースエステル樹脂の炭素原子数3以上のアシル基置換度を高めたりすることによって低下させることができる。
光学フィルムの破断伸度は、10〜80%であることが好ましく、20〜50%であることがより好ましい。
2.光学フィルムの製造方法
本発明の光学フィルムの製造方法は、1)ビニル単量体(a)と、固有複屈折が正の樹脂(b)とを含むシラップを得るステップと、2)シラップに含まれるビニル単量体(a)を重合させて熱可塑性樹脂を得るステップと、3)熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物を成形して光学フィルムを得るステップと、を有する。得られる光学フィルムのヘイズを低くするためには、1)と2)の間で、4)シラップに含まれる不純物や異物を除去するステップをさらに行うことが好ましい。
1)シラップを得るステップ
シラップを得るステップでは、ビニル単量体(a)と、固有複屈折が正の樹脂(b)とを含むシラップを得る。シラップにおけるビニル単量体(a)の含有量は、ビニル単量体(a)と固有複屈折が正の樹脂(b)の合計に対して50〜90質量%であることが好ましく、60〜80質量%であることがより好ましい。ビニル単量体(a)の含有比率が50質量%未満であると、シラップの粘度が高くなりやすい。一方、ビニル単量体(a)の含有比率が90質量%超であると、得られるフィルムの機械的強度が低下しやすい。
シラップにおける固有複屈折が正の樹脂(b)の含有量は、ビニル単量体(a)と固有複屈折が正の樹脂(b)の合計に対して10〜50質量%であることが好ましく、20〜40質量%であることがより好ましい。
シラップの23℃における粘度は、4000Pa・s以下であることが好ましく、3500Pa・s以下であることがより好ましい。シラップの粘度が4000Pa・s超であると、固有複屈折が正の樹脂(b)とビニル単量体(a)とが相溶しにくいため、得られるフィルムのヘイズが高くなりやすい。粘度の測定は、振動粘度計(CBCマテリアルズ(株)社製 VM−100A)を用いて行うことができる。
シラップの粘度は、例えばビニル単量体(a)と固有複屈折が正の樹脂(b)との含有比率や、固有複屈折が正の樹脂(b)の分子量などによって調整されうる。
4)シラップに含まれる不純物や異物を除去するステップ
シラップには、原料となる固有複屈折が正の樹脂(b)(特にセルロースエステル樹脂)に含まれる、微小な異物(アシル基置換度が異なるセルロースエステルや未反応のセルロースなど)や不純物(後述するカルシウムイオンまたはマグネシウムイオンなど)が含まれる。そのような微小な異物や不純物を含むシラップから得られる熱可塑性樹脂を含む光学フィルムは、ヘイズが高くなりやすい。そのため、シラップに含まれる微小な異物や不純物を除去することが好ましい。
シラップに含まれる不純物や異物を除去する方法は、特に制限されず、シラップをろ過する方法、遠心分離する方法などが含まれる。
ろ過に用いられるろ紙の空隙率は76〜95%であることが好ましい。ろ紙の捕集粒子径は0.5〜5μmであることが好ましい。ろ紙は、ろ過効率を高めるために、複数枚重ねて用いてもよい。
2)シラップに含まれるビニル単量体(a)を重合させるステップ
固有複屈折が正の樹脂(b)の存在下で、ビニル単量体(a)を塊状重合させることが好ましい。ビニル単量体(a)の重合物と、固有複屈折が正の樹脂(b)とが均一に相溶した熱可塑性樹脂を得ることができ、それを含むフィルムはヘイズが低いからである。
即ち、ビニル単量体(a)を、固有複屈折が正の樹脂(b)を分散させた水中で懸濁重合して得られる樹脂は、固有複屈折が正の樹脂(b)が水に溶解しないため、ビニル単量体(a)の重合物と固有複屈折が正の樹脂(b)とが均一に相溶していない。また、固有複屈折が正の樹脂(b)を溶解させた有機溶剤中でビニル単量体(a)を懸濁重合させて得られる樹脂は、ビニル単量体(a)の重合物と固有複屈折が正の樹脂(b)とが相溶しているものの、有機溶剤を除去するステップが必要となる。これに対して、水や有機溶剤を用いずに、固有複屈折が正の樹脂(b)の存在下でビニル単量体を塊状重合させて得られる樹脂は、ビニル単量体(a)の重合物と固有複屈折が正の樹脂(b)とが均一に相溶しており、かつ有機溶剤を除去するステップが不要である。
固有複屈折が正の樹脂(b)の存在下でのビニル単量体(a)の重合は、ラジカル重合開始剤、および必要に応じて連鎖移動剤、分散剤または乳化剤などを用いて行うことができる。
ラジカル重合開始剤の例には、t−ブチルハイドロパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートなどの有機過酸化物;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリルなどのアゾ化合物;有機過酸化物と還元剤とを組み合せたレドックス系開始剤;過硫酸塩と還元剤とを組み合わせたレドックス系開始剤などが含まれる。ラジカル重合開始剤は、一種類だけでもよいし、二種以上の混合物であってもよい。
連鎖移動剤の例には、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタンなどが含まれる。分散剤の例には、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンオキサイドなどが含まれる。分散助剤の例には、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、過酸化水素水、硼酸などが含まれる。乳化剤の例には、公知のアニオン系乳化剤、カチオン系乳化剤およびノニオン系乳化剤などが含まれる。
固有複屈折が正の樹脂(b)の存在下でビニル単量体(a)を重合させる場合、固有複屈折が正の樹脂(b)とビニル単量体(a)とを混合した後、30分間以上経過した後に重合反応を開始させることが好ましい。ビニル単量体(a)と固有複屈折が正の樹脂(b)とを均一に混合させるためである。
重合温度は、例えば0〜150℃とすることができ、50〜90℃とすることが好ましい。重合時間は、例えば1〜10時間とすることができる。重合は、必要に応じて窒素雰囲気下で行うこともできる。
3)光学フィルムを得るステップ
熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物を、溶液流延法または溶融押出法で成形して光学フィルムを得る。なかでも、溶融押出法で光学フィルムを得ることが好ましい。
まず、フィルムの製造装置について説明する。図1は、フィルムの製造装置の一例を示す模式図である。図1に示されるように、フィルムの製造装置10は、樹脂を溶融混練する押出し機12と、溶融した樹脂をフィルム状に吐出するダイ14と、ダイ14から吐出された高温の樹脂を多段冷却する複数の冷却ロール16、18および20と、冷却固化されて得られるフィルムを剥離する剥離ローラ22と、フィルムを延伸する延伸装置24と、延伸されたフィルムを巻き取る巻き取り装置26とを有する。
押出し機12は、溶融混練押出し機であり、シリンダと、その内部に回転自在に設けられたスクリューとを有する。シリンダの供給口には、フィルムの材料を供給するためのホッパー(不図示)が設けられている。スクリューの形状は、フルフライト、マドック、ダルメージなどであってよく、溶融樹脂の粘度や必要とされるせん断力に応じて選択される。押出し機12は、1軸押出し機であっても、2軸押出し機であってもよい。
押出し機12とダイ14との間には、溶融樹脂をろ過するフィルタ28がさらに設けられてもよい。フィルタ28は、例えばリーフディスクタイプのフィルタでありうる。フィルタの濾過精度は、3〜15μmmであることが好ましい。フィルタの材質は、ステンレス鋼やその焼結物などであってよい。押出し機12とダイ14との間には、樹脂を均一に混合するためのスタチックミキサ30などの混合装置や、押出し流量を安定化するためのギアポンプ(不図示)などがさらに設けられてもよい。
ダイ14は、公知のものであってよく、Tダイなどである。ダイ14の材質は、ハードクロム、炭化クロムなどでありうる。ダイ14のリップクリアランスは、900μm以上が好ましく、さらに1mm以上2mm以下が好ましい。
冷却ロール16、18および20は、高剛性の金属ロールであり、内部に温度制御可能な媒体を流通できる構造を有する。冷却ロール16、18および20の表面の材質は、ステンレス、アルミニウム、チタンなどでありうる。冷却ロール16、18および20の表面には、樹脂を剥離しやすくしたりするためなどから、ハードクロムメッキなどの表面処理を施してもよい。冷却ロール16、18および20の表面の粗さRaは、フィルムのヘイズを低く維持するために、0.1μm以下とすることが好ましく、0.05μm以下とすることがより好ましい。
冷却ロール16には、ロール表面を清掃する清掃装置34がさらに設けられることが好ましい。清掃装置34は、溶剤を浸透させた不織布などの部材をロール表面に押し当てる方式、液体中にロールを浸漬させる方式、コロナ放電やグロー放電などのプラズマ放電を行う方式などでありうるが、なかでもプラズマ放電を行う方式のものが好ましい。プラズマ放電の方式は、ダイレクト方式であっても、リモート方式であってもよい。
図2は、ダイレクト方式の常温プラズマ照射装置34’の構成を示す模式図である。図2に示されるように、常温プラズマ照射装置34’は、対向する一対の電極(a)および(b)と、反応ガス供給機構(不図示)と、プラズマを噴射させる吹出しスリット34Aと、を有する。そして、高周波電圧を加えた電極(a)と(b)との間に、反応性ガス(g)を導入および通過させてプラズマ化し、生成したプラズマを冷却ロール16の表面に噴射する。それにより、冷却ロール16の表面を改質する。
吹出しスリット34Aと冷却ロール16の表面との間隙(d)は、1〜30mmであることが好ましく、2〜20mmであることがより好ましい。間隙(d)が小さすぎると、フィルム状の溶融樹脂と接触しやすく、間隙(d)が大きすぎると、プラズマが冷却ロール16の表面に届きにくく、冷却ロール16の表面を十分に改質できないことがある。
弾性タッチロール32は、冷却ロール16と対向して配置されている。そして、ダイ14から押し出された溶融樹脂が、冷却ロール16と弾性タッチロール32とでニップされるようになっている。
弾性タッチロール32は、通常、金属製外筒と、内筒とを有し、それらの間に冷却流体を流通させる空間を有する。冷却流体は、設定される温度域に応じて、水やオイルを使用できる。弾性タッチロール32の具体例には、特許第3194904号、特許第3422798号、特開2002−36332号、特開2002−36333号に記載された成形用ロールが含まれる。弾性タッチロール32にも、必要に応じて前述と同様の清掃装置がさらに設けられてもよい。
延伸装置24は、特に制限されないが、ロール延伸機、テンター延伸機などが好ましく用いられる。ロール延伸機は、低速ロール群と、高速ロール群とを有し、低速ロール群と高速ロール群との周速差を利用してフィルムを搬送方向(MD方向)に延伸することができる。
ロール延伸では、フィルムの搬送方向に、低速ロール群と、高速ロール群とを有する。そして、低速ロール群のうち上流側のロールでフィルムを予熱し、低速ロール群の下流側のロールと高速ロール群の上流側のロールとでフィルムを延伸し、高速ロール群の下流側のロールでフィルムを冷却する。予熱ロールとなる低速ロールの本数は、予熱温度に応じて設定されればよく、1〜20本、好ましくは2〜15本程度としうる。冷却ロールとなる高速ロールの本数は、冷却温度に応じて設定されればよく、1〜15本、好ましくは2〜10本程度としうる。
ロール延伸機における加熱方式には、ヒーター加熱方式と、オーブン加熱方式とがある。ヒーター加熱式は、延伸されるフィルムを局所的に加熱するので、幅方向への収縮を抑制することができる。ヒーターの種類は、例えば赤外線ヒーター、ハロゲンランプヒーター、セラミックヒーターなどの放射型熱源が好ましい。ヒーターは、フィルムの近傍;具体的にはフィルムの表面から5〜100mmの位置、好ましくは10〜50mmの位置に配置されることが好ましい。
次に、フィルムの製造装置10を用いて光学フィルムを得るステップを説明する。光学フィルムは、例えば熱可塑性樹脂を含むペレットを準備する工程(ペレット化工程);フィルム材料を押出し機12にて溶融混練した後、ダイ14から押し出す工程(溶融押出工程);押し出された溶融樹脂を冷却固化してフィルムを得る工程(冷却固化工程);フィルムを延伸する工程(延伸工程)、を経て得ることができる。
ペレット化工程
熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物は、あらかじめ混練してペレット化しておくことが好ましい。ペレット化は、公知の方法で行うことができ、例えば前述の熱可塑性樹脂と、必要に応じて可塑剤などの添加剤とを含む樹脂組成物を、押出し機にて溶融混錬した後、ダイからストランド状に押し出す。ストランド状に押し出された溶融樹脂を、水冷または空冷した後、カッティングしてペレットを得ることができる。
ペレットの原材料は、原材料の分解を防止するために、押出し機に供給する前に乾燥しておくことが好ましい。例えば、熱可塑性樹脂を構成するセルロースエステルは吸湿しやすいため、70〜140℃で3時間以上乾燥させて、水分率を200ppm以下、好ましくは100ppm以下にしておくことが好ましい。
押出し機では、樹脂の劣化(分子量の低下、着色およびゲルの生成など)が生じないように、低いせん断力または低い温度で混練することが好ましい。例えば、2軸押出し機で混練する場合、深溝タイプのスクリューを用いて、2つのスクリューの回転方向を同方向にすることが好ましい。均一に混錬するためには、2つのスクリュー形状が互いに噛み合うようにすることが好ましい。
ペレットの色は、ヘイズの低いフィルムを得るためには、黄味の指標であるb値が−5〜10の範囲にあることが好ましく、−1〜8の範囲にあることがさらに好ましい。b値は、分光測色計CM−3700d(コニカミノルタセンシング(株)製)にて、光源をD65(色温度6504K)とし、視野角を10°として測定することができる。
熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物をペレット化せずに、溶融混練していない熱可塑性樹脂をそのまま原料として押出し機12にて溶融混練してフィルムを製造してもよい。
溶融押出工程
熱可塑性樹脂からなるペレットを、他の添加剤などとともにホッパーから押出し機12に供給する。ペレットの供給は、ペレットの酸化分解を防止するためなどから、真空下、減圧下または不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。そして、押出し機12にてフィルム材料を溶融混練する。
押出し機12内のフィルム材料の溶融温度は、フィルム材料の種類にもよるが、フィルムのガラス転移温度をTg℃としたときに、好ましくはTg℃〜(Tg+100)℃の範囲であり、より好ましくは(Tg+10)℃〜(Tg+90)℃の範囲である。押出し機12でのフィルム材料の滞留時間は、5分以下とすることが好ましい。滞留時間は、スクリューの回転数や溝の深さ、シリンダの内径(D)に対するシリンダの長さ(L)の比であるL/Dなどによって調整することができる。
押出し機12から押し出された溶融樹脂を、必要に応じてフィルタ28でろ過した後、スタチックミキサ30などの混合装置でさらに混合して、ダイ14からフィルム状に押し出す。
ダイ14から押し出される樹脂の溶融粘度は1〜10000Pa・sであることが好ましく、10〜1000Pa・sであることがより好ましい。ダイ14の出口部分における樹脂の溶融温度は200〜300℃程度としうる。
冷却固化工程
ダイ14から押し出された樹脂を、冷却ロール16と弾性タッチロール32とでニップして、フィルム状の溶融樹脂を所定の厚みにする。そして、フィルム状の溶融樹脂を、冷却ロール18および冷却ロール20で段階的に冷却して固化させる。
冷却ロール20から剥離されて得られるフィルム36の厚みをtとし、ダイのリップクリアランスをDとしたとき、ドロー比(D/t)が4以上45以下であることが好ましい。ドロー比(D/t)は、冷却ロール16、18および20の周速によって調整されうる。
冷却ロール16の表面温度Tr1は、得られるフィルムのガラス転移温度をTg(℃)としたとき、Tg(℃)以下としうる。第2冷却ロール18の表面温度Tr2は、(Tg−50)℃≦Tr2≦Tg℃としうる。また、弾性タッチロール32の押圧時の線圧は1N/mm以上15N/mm以下としうる。弾性タッチロール32側のフィルム表面温度Ttは、(Tr1−50)℃≦Tt≦(Tr1−5)℃としうる。
ロールの表面温度またはフィルムの表面温度は、非接触式の赤外温度計で測定できる。具体的には、非接触ハンディ温度計(IT2−80、(株)キーエンス製)を用いて、フィルムの幅方向(TD方向)に等間隔に10箇所の表面温度を測定し、それらの平均値として求めることができる。表面温度の測定は、フィルムまたはロールの表面から0.5m離れた位置で行うことができる。
冷却ロール16の表面は、常圧プラズマ照射装置34’によってあらかじめ表面処理しておくことが好ましい。即ち、常圧プラズマ照射装置34’の対向する電極(a)および(b)の間に高周波電圧を加える。そして、これらの電極(a)と(b)の間に反応性ガス(g)を導入および通過させてプラズマ化し、生成したプラズマを冷却ロール16の表面に噴射する。それにより、冷却ロール16の表面を改質することができ、空気中の異物などの付着を抑制しつつ、溶融樹脂を剥離しやすくすることができる。
反応性ガス(g)は、窒素ガス、酸素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなどでありうるが、好ましくは窒素ガスであり、より好ましくは微量の酸素を含む窒素ガスである。窒素ガスに含まれる酸素の含有量は、反応性ガス(g)全体に対して5体積%以下であることが好ましい。反応性ガスの流量は、プラズマ幅1m当たり好ましくは20〜5000L/minであり、より好ましくは40〜2500L/minである。
延伸工程
冷却ロール20を、剥離ロール22にて剥離して得られるフィルム36を、延伸機24にて延伸する。延伸は、少なくともフィルムの幅方向(TD方向)に延伸することが好ましく、フィルムの幅方向(TD方向)と搬送方向(MD方向)の両方に延伸してもよい。
フィルムの幅方向(TD方向)と搬送方向(MD方向)の両方に延伸する場合、幅方向(TD方向)の延伸と搬送方向(MD方向)の延伸とは、逐次的に行ってもよいし、同時に行ってもよい。なかでも、搬送方向(MD方向)の延伸を行った後、幅方向(TD方向)の延伸を行うことが好ましい。
フィルムの幅方向(TD方向)と搬送方向(MD方向)の両方に延伸する場合、延伸倍率は、フィルムの幅方向(TD方向)と搬送方向(MD方向)にそれぞれ最終的に1.0〜3.0倍、好ましくは1.2〜2.5倍とすることが好ましい。搬送方向(MD方向)の延伸倍率と幅方向(TD方向)の延伸倍率の合計は1.7倍以上とすることが好ましい。例えば、搬送方向(MD方向)の延伸倍率が1.4倍、幅方向(TD方向)の延伸倍率が1.5倍であるとき、搬送方向(MD方向)の延伸倍率と幅方向(TD方向)の延伸倍率の合計は1.4×1.5=2.1倍となる。
延伸温度は、得られるフィルムのへイズを低くするためなどから、Tg℃以上(Tg+40)℃以下で行うことが好ましく、(Tg+10℃)以上(Tg+30)℃以下で行うことが好ましい。延伸温度は、フィルムの幅方向に均一であることが好ましく、幅方向の延伸温度のばらつきが±2℃以下であることが好ましい。
フィルムの搬送方向(MD方向)への延伸は、例えばロール延伸機で行うことができる。フィルムの幅方向(TD方向)への延伸は、例えばテンター延伸機で行うことができる。
ロール延伸機では、前述した通り、低速ロール群のうち上流側のロールでフィルムを予熱し、低速ロール群の下流側のロールと高速ロール群の上流側のロールとでフィルムを延伸し、高速ロール群の下流側のロールでフィルムを冷却する。
低速ロール群でのフィルムの予熱温度はTg℃以下であることが好ましく、(Tg−5)℃以下であることがより好ましい。低速ロール群における、上流側のフィルムの温度と下流側のフィルムの温度との差は、熱膨張によってフィルムに皺を発生させないようにするために80℃以下、好ましくは50℃以下としうる。
フィルムの搬送方向(MD方向)の延伸速度は、3000%/min以上75000%/min以下であり、好ましくは5000%/min以上50000%/min以下である。MD方向の延伸速度(%/min)は、低速側の延伸ロールの周速度をV1、高速側の延伸ロールの周速度をV2、実質的な延伸ゾーンの長さをSとしたとき、下記式で表される。
MD方向の延伸速度(%/min)=〔(V2−V1)/S〕×100
フィルムの搬送方向(MD方向)における2つの延伸ロールの間隔は、フィルムの幅方向の収縮を少なくするためには、小さくすることが好ましい。そのため、2つの延伸ロール同士の回転中心間の距離は400mm以下であることが好ましく、300mm以下であることがより好ましい。
高速ロール群でのフィルムの冷却温度はTg℃以下、好ましくは(Tg−5)℃以下とすることが好ましい。高速ロール群における上流側のフィルムの温度と下流側のフィルムの温度との差は、熱収縮による皺を発生させないために100℃以下、好ましくは70℃以下としうる。
延伸後のフィルムのレターデーションを調整したり、寸法変化を少なくしたりするために、必要に応じて、延伸後のフィルムを搬送方向(MD方向)または幅方向(TD方向)に収縮させてもよい。また、延伸後のフィルムを巻き取る前に、幅方向の端部を切り落としてもよい。
3.偏光板
本発明の偏光板は、偏光子と、その一方の面に配置された本発明の光学フィルムとを含み、必要に応じて偏光子の他方の面に配置された偏光板保護フィルムをさらに含んでもよい。
偏光子は、一定方向の偏波面の光のみを通過させる素子である。偏光子の代表的な例は、ポリビニルアルコール系偏光フィルムであり、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を染色させたものと、二色性染料を染色させたものと、がある。
偏光子は、ポリビニルアルコール系フィルムを一軸延伸した後、ヨウ素または二色性染料で染色して得られるフィルムであってもよいし、ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素または二色性染料で染色した後、一軸延伸したフィルム(好ましくはさらにホウ素化合物で耐久性処理を施したフィルム)であってもよい。偏光子の厚さは、5〜30μmであることが好ましく、10〜20μmであることがより好ましい。
ポリビニルアルコール系フィルムは、ポリビニルアルコール水溶液を製膜したものであってもよい。ポリビニルアルコール系フィルムは、偏光性能および耐久性能に優れ、色斑が少ないなどことから、エチレン変性ポリビニルアルコールフィルムが好ましい。エチレン変性ポリビニルアルコールフィルムの例には、特開2003−248123号公報、特開2003−342322号公報等に記載されたエチレン単位の含有量1〜4モル%、重合度2000〜4000、けん化度99.0〜99.99モル%のフィルムが含まれる。
二色性色素の例には、アゾ系色素、スチルベン系色素、ピラゾロン系色素、トリフェニルメタン系色素、キノリン系色素、オキサジン系色素、チアジン系色素およびアントラキノン系色素などが含まれる。
本発明の光学フィルムは、偏光子の一方の面に直接配置されてもよいし、他のフィルムまたは層を介して配置されてもよい。
本発明の光学フィルム以外の偏光板保護フィルムは、特に制限されず、通常のセルロースエステルフィルム等であってよい。セルロースエステルフィルムの市販品の例には、市販のセルロースエステルフィルム(例えば、コニカミノルタタック KC8UX、KC5UX、KC8UCR3、KC8UCR4、KC8UCR5、KC8UY、KC6UY、KC4UY、KC4UE、KC8UE、KC8UY−HA、KC8UX−RHA、KC8UXW−RHA−C、KC8UXW−RHA−NC、KC4UXW−RHA−NC、以上コニカミノルタオプト(株)製)が好ましく用いられる。
偏光板は、通常、偏光子と、本発明の光学フィルムまたは偏光板保護フィルムとを貼り合わせて製造することができる。貼り合わせに用いられる接着剤は、例えば完全鹸化型ポリビニルアルコール水溶液などが好ましく用いられる。
4.液晶表示装置
本発明の液晶表示装置は、液晶セルと、それを挟持する一対の偏光板と、を有する。そして、一対の偏光板のうち少なくとも一方が前述の光学フィルムを有する偏光板であり、好ましくは一対の偏光板の両方が前述の光学フィルムを有する偏光板である。
図3は、本発明に係る液晶表示装置の一実施形態の基本構成を示す模式図である。図3に示されるように、液晶表示装置110は、液晶セル120と、それを挟持する第一の偏光板140および第二の偏光板160と、バックライト180と、を有する。
液晶セル120の表示方式は、特に制限されず、TN(Twisted Nematic)方式、STN(Super Twisted Nematic)方式、IPS(In−Plane Switching)方式、OCB(Optically Compensated Birefringence)方式、VA(Vertical Alignment)方式(MVA;Multi−domain Vertical AlignmentやPVA;Patterned Vertical Alignmentも含む)、HAN(Hybrid Aligned Nematic)方式等がある。なかでも、視野角が広い点などからはIPS型が好ましく、コントラストが高い点などからはVA型が好ましい。
第一の偏光板140は、液晶セル120の視認側に配置されており、第一の偏光子142と、第一の偏光子142の視認側の面に配置された偏光板保護フィルム144(F1)と、第一の偏光子142の液晶セル側の面に配置された偏光板保護フィルム146(F2)とを有する。第二の偏光板160は、液晶セル120のバックライト180側に配置されており、第二の偏光子162と、第二の偏光子162の液晶セル側の面に配置された偏光板保護フィルム164(F3)と、第二の偏光子162のバックライト側の面に配置された偏光板保護フィルム166(F4)とを有する。偏光板保護フィルム146(F2)と164(F3)の一方は、必要に応じて省略される場合がある。
偏光板保護フィルム144(F1)、146(F2)、164(F3)および166(F4)のうち、液晶セル側に配置される偏光板保護フィルム146(F2)と164(F3)の少なくとも一方を、本発明の光学フィルムとすることが好ましい。
以下において、実施例を参照して本発明をより詳細に説明する。これらの実施例によって、本発明の範囲は限定して解釈されない。
1.材料の準備
ビニル単量体(a):
メチルメタクリレート(MMA)
メチルアクリレート(MA)
アクリロイルモルホリン重合体(ACMO)
エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)
ビニルピロリドン(VP)
フェニルマレイミド(PHMI)
シクロヘキシルマレイミド(CHMI)
ジメチルマレイミド(DMAA)
ノルマルブチルアクリルアミド(n−BAA)
ターシャリーブチルアクリルアミド(t−BAA)
ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)
固有複屈折が正の樹脂(b):
下記表1に示されるセルロースエステルb1〜b14
Figure 0006024662
エトセル70(エチルセルロース、エトキシ基の置換度:2.3、重量平均分子量Mw:150000)
エトセル45(エチルセルロース、エトキシ基の置換度:約2.5、重量平均分子量Mw:約120000)
2.熱可塑性樹脂の合成
(合成例1)
フラスコに、80質量部のメチルメタクリレートを投入し、50℃に昇温した。次いで、メチルメタクリレートを攪拌しながら、20質量部のセルロースエステルb1を少量ずつ加えて、均一に混合した。得られた混合物に、0.05質量部のn−オクチルメルカプタンと、0.5質量部のt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートとをさらに加えて攪拌し、シラップを得た。得られたシラップの23℃における粘度を、振動粘度計(CBCマテリアルズ(株)社製 VM−100A)にて測定した。
次いで、得られたシラップを空隙率90%、捕集粒子径3.0μmのろ紙を3枚重ねたものでろ過した。
ろ過して得られたシラップを減圧下で脱泡した後、間隔0.5mmで貼り合わされた二枚のガラス製平面板の間に封入した。この二枚のガラス製平面板を加熱装置内にセットし、内容物が発泡しないように徐々に昇温し、60℃で4時間保持させた。その後、二枚のガラス製平面板を80℃にさらに昇温し、4時間保持して重合を完了させた。これにより、厚み0.5mmの熱可塑性樹脂板を得た。
(合成例2〜14)
固有複屈折が正の樹脂(b)の種類を表2に示されるように変更した以外は合成例1と同様にして熱可塑性樹脂板を得た。
(合成例15〜17)
ビニル単量体(a)の種類を表2に示されるように変更した以外は合成例13と同様にして熱可塑性樹脂板を得た。
(合成例18〜19)
ビニル単量体(a)と固有複屈折が正の樹脂(b)との量比を表2に示されるように変更した以外は合成例13と同様にして熱可塑性樹脂板を得た。
(合成例20〜27)
シラップのろ過の有無あるいはろ過条件を表2に示されるように変更した以外は合成例13と同様にして熱可塑性樹脂板を得た。
(合成例28〜37)
シラップの組成を表3に示されるように変更した以外は合成例2と同様にして熱可塑性樹脂板を得た。
(合成例38〜55)
ビニル単量体(a)の種類を表4に示されるように変更した以外は合成例2と同様にして熱可塑性樹脂板を得た。
(合成例56)
シラップのろ過の有無あるいはろ過条件を表5に示されるように変更した以外は合成例13と同様にして熱可塑性樹脂板を得た。
(合成例57)
フラスコに、150質量部の脱イオン水と、20質量部のセルロースエステルb13とを投入した。得られた溶液を25℃で攪拌しながら、80質量部のメチルメタクリレートと、0.05質量部のn−オクチルメルカプタンと、0.5質量部のt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートとを30分かけて滴下した。得られた溶液をさらに30分間攪拌した後、80℃に昇温させて、4時間攪拌した。その後、得られた溶液を室温まで冷却して、固形分を取り出して乾燥させて熱可塑性樹脂を得た。
(合成例58〜59)
シラップの組成を表5に示されるように変更した以外は合成例13と同様にして熱可塑性樹脂板を得た。
(合成例60)
フラスコに、150質量部の脱イオン水と、25質量部のセルロースジアセテート(アセチル化度55%)とを投入した。得られた溶液を25℃で攪拌しながら、74.5質量部のメチルメタクリレートと、0.5質量部のメチルアクリレートと、0.05質量部のn−オクチルメルカプタンと、0.5質量部のt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートとを30分かけて滴下した。得られた溶液をさらに30分間攪拌した後、80℃に昇温させて、4時間攪拌した。その後、得られた溶液を室温まで冷却して、固形分を取り出して乾燥させて熱可塑性樹脂を得た。
(合成例61)
フラスコに、74.5質量部のメチルメタクリレートと、0.5質量部のメチルアクリレートとを投入して50℃に昇温した。次いで、メチルメタクリレートとメチルアクリレートを攪拌しながら、25質量部のセルロースジアセテート(アセチル化度55%)を少量ずつ加えて、均一に混合した。得られた混合物に、0.05質量部のn−オクチルメルカプタンと、0.5質量部のt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートとをさらに加えて攪拌し、シラップを得た。
得られたシラップを減圧下で脱泡し、間隔0.5mmで貼り合わされた二枚のガラス製平面板の間に封入した。この二枚のガラス製平面板を加熱装置内にセットし、内容物が発泡しないように徐々に昇温し、60℃で4時間保持させた。その後、二枚のガラス製平面板を80℃にさらに昇温し、4時間保持して重合を完了させた。これにより、厚み0.5mmの熱可塑性樹脂板を得た。
(合成例62)
フラスコに、75質量部のメチルアクリレートを投入して、50℃に昇温した。次いで、メチルアクリレートを攪拌しながら、25質量部のセルロースジアセテート(アセチル化度55%)を少量ずつ加えて均一に混合した。得られた混合物に、0.5質量部のエチレングリコールジメタクリレートと、0.5質量部のt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートとをさらに加えて攪拌してシラップを得た。
得られたシラップを減圧下で脱泡し、間隔0.5mmで貼り合わされた二枚のガラス製平面板の間に封入した。この二枚のガラス製平面板を加熱装置内にセットし、内容物が発泡しないように徐々に昇温し、60℃で4時間保持させた。その後、二枚のガラス製平面板を80℃にさらに昇温し、4時間保持して重合を完了させた。これにより、厚み0.5mmの熱可塑性樹脂板を得た。
各合成例1〜27のシラップの粘度および熱可塑性樹脂の合成条件を表2に示し;各合成例28〜37のシラップの粘度および熱可塑性樹脂の合成条件を表3に示し;各合成例38〜55のシラップの粘度および熱可塑性樹脂の合成条件を表4に示し;各合成例56〜62のシラップの粘度および熱可塑性樹脂の合成条件を表5に示した。
Figure 0006024662
Figure 0006024662
Figure 0006024662
Figure 0006024662
3.光学フィルムの作製
(実施例1)
合成例1で得られた熱可塑性樹脂板を粉砕機で粉砕して、粉状の熱可塑性樹脂を得た。そして、100質量部の粉状の熱可塑性樹脂と、0.48質量部のIrganox1010(チバ・ジャパン(株)製)と、0.077質量部のアデカスタブPEP−36(ADEKA(株)製)と、0.48質量部のスミライザーGS(住友化学(株)製)とを混合して、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を、真空ナウターミキサーにて80℃、1Torrで3時間混合しながらさらに乾燥させた。
得られた樹脂組成物を2軸押出し機にて235℃で溶融混練して、ストランド状に押し出した。ストランド状に押し出された樹脂組成物を水冷した後、カッティングしてペレットを得た。
得られたペレットを用いて、図1に示されるフィルム製造装置を用いてフィルムを製造した。即ち、得られたペレットを、水分含有量が50ppm以下となるまで乾燥させた後、1軸押出し機(押出し機12)に供給した。そして、ペレットを押出し機12にて235℃で溶融混練した後、Tダイ(ダイ14)から冷却ロール16上に押し出した。冷却ロール16の表面温度は110℃とした。そして、冷却ロール16上に押し出された樹脂を弾性タッチロール32で押圧した後、冷却ロール18と冷却ロール20でさらに冷却して、厚み48μmのフィルムを得た。弾性タッチロール32の表面温度は95℃とした。Tgは、フィルムのガラス転移温度であり、本例では180℃である。冷却ロール18の表面温度は90℃とした。
冷却ロール16の表面を、常圧プラズマ照射装置34’にて清掃した。プラズマの吹き出しスリット34Aと、冷却ロール16の表面との間隔(d)を5mmとし、反応性ガス(g)は窒素ガスとし、反応性ガスの流量は照射幅1m当たり0.5m/minとし、気圧は1.0気圧とした。プラズマの照射は、照射時間0.1secとし、間欠的に行った。照射時間は、冷却ロール16の表面上のある一点が、吹き出しスリット34Aの間隙の下を移動する時間とした。
冷却固化したフィルムを、剥離ロールで剥離した後、ロール延伸機にて、フィルムの搬送方向(MD方向)にTg℃、延伸倍率1.3倍で延伸した。さらに、テンター延伸機にて、フィルムの幅方向(TD方向)にTg℃、延伸倍率1.4倍で延伸した。その後、フィルム温度が30℃となるまで冷却し、テンター延伸機のクリップを外した。そして、フィルムの幅方向の両端部を切り落として、膜厚26μmの光学フィルムを得た。
(実施例2〜54)
熱可塑性樹脂の種類を、表6または7に示されるように変更した以外は実施例1と同様にして光学フィルムを得た。
(比較例1〜6)
熱可塑性樹脂の種類を、表7に示されるように変更した以外は実施例1と同様にして光学フィルムを得た。
(比較例7)
熱可塑性樹脂の種類を、表7に示されるように変更した以外は実施例1と同様にして光学フィルムを得ようとしたが、溶融粘度が高すぎて溶融押出しできなかった。
得られた光学フィルムの内部ヘイズ、レターデーションRoおよびRt、光弾性係数、ガラス転移温度および異物個数を、以下の方法で評価した。
1)内部ヘイズ
得られた光学フィルムの内部ヘイズを、JIS K7136に準拠した前述の方法で測定した。ヘイズメーターは、日本電色工業(株)製NDH 2000を用いた。そして、光学フィルムの内部へイズを、以下の基準に基づいて評価した。
◎:内部ヘイズが0.1%以下
○:内部ヘイズが0.1%超0.2%以下
△:内部ヘイズが0.2%超0.5%以下
×:内部ヘイズが0.5%超
2)レターデーションRoおよびRt
i)得られたフィルムを、23℃、55%RHの環境下で24時間放置して調湿した。得られたフィルムの平均屈折率を、アッベ屈折率計(4T)を用いて測定した。また、フィルムの厚さを、市販のマイクロメーターを用いて測定した。
ii)自動複屈折計KOBRA−21ADH(王子計測機器(株)製)を用いて、フィルム法線方向からの波長590nmの光を入射させて、下記式(I)で表される面内方向のレターデーションRoを測定した。また、フィルム法線方向に対してθの角度(入射角(θ))から波長590nmの光を入射させたときのリターデーション値R(θ)を測定した。θは30°〜50°とした。
iii)測定されたRおよびR(θ)と、前述の平均屈折率と膜厚とから、自動複屈折計KOBRA−21ADH(王子計測機器(株)製)によりnx、nyおよびnzを算出し、下記式(II)で表されるRtを算出した。リターデーションの測定は、23℃、55%RH条件下で行った。
式(I) Ro=(nx−ny)×d
式(II) Rt={(nx+ny)/2−nz}×d(nxは、フィルム面内方向で屈折率が最大となる方向xにおける屈折率を示し;
nyは、フィルム面内方向で前記方向xと直交する方向yにおける屈折率を示し;
nzは、フィルム厚み方向zにおける屈折率を示し;
d(nm)は、フィルム厚みを示す)
3)光弾性係数
i)得られたフィルムを23℃、55%RHの環境下で24時間放置した。その後、フィルムの最大延伸方向(延伸倍率が最大となる方向)に引張り荷重を加えながら、フィルムのレターデーション測定装置(KOBURA31PR、王子計測機器社製)を用いて、波長589nmにおけるフィルム面内のレターデーションRを測定した。同様に、引張り荷重を変化させたときのフィルム面内のレターデーションR(589)を測定した。測定は、23℃、55%RH条件下で行った。
ii)光学フィルムに印加した引張応力を横軸とし、フィルムの面内レターデーションR(589)をフィルムの厚みで割って得られるΔn(nx−ny)を縦軸として、引張り荷重−Δn(nx−ny)の曲線を得た。得られた曲線を直線に近似したときの、直線の傾きを光弾性係数として求めた。
4)ガラス転移温度
フィルムのガラス転移温度は、JIS K7121(1987)に準拠した方法で測定した。即ち、示差走査熱量測定器(Perkin Elmer社製DSC−7型)を用いて、フィルムを50℃から200℃まで昇温速度20℃/分で昇温させたときの、中間点ガラス転移温度(Tmg)として測定した。
5)異物個数
i)光学顕微鏡を用いて、フィルムを透過した光またはフィルム表面を反射した光を観察することによって、フィルムの異物が存在する部分を特定し、マーキングした。
ii)光学顕微鏡のガラスステージを「ガラス製の偏光板」に置き換え、かつ対物レンズに偏光板フィルターを設置して、これらの2枚の偏光板をクロスニコル状態となるようにした。これらの2枚の偏光板の間に、得られたフィルムを配置した。
iii)そして、ガラスステージ側の偏光板に光を当てて、マーキング部分のフィルムを透過した光を観察し、大きさが10μm以上の輝点異物(クロスニコルで明瞭となる光学的な欠陥)の個数をカウントした。測定範囲は、10cm×10cmの面積とし、測定回数は10回とした。そして、10回の測定で得られた輝点異物の個数の平均値を、平方ミリメートルあたりの値に換算して「異物個数(個/mm)」とした。小数点以下は、四捨五入した。
実施例1〜27の光学フィルムの評価結果を表6に示し;実施例28〜54および比較例1〜7の光学フィルムの評価結果を表7に示す。
Figure 0006024662
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表6および7に示されるように、実施例1〜54の光学フィルムは、適度なレターデーションを有しつつ、異物故障が少なく、内部ヘイズが低いことが示される。一方、比較例1〜2および4〜6の光学フィルムは内部ヘイズが高いことが示される。比較例3の光学フィルムは内部ヘイズが低く、異物故障も少ないが、レターデーションがばらつくことが示される。比較例7では溶融押出できず、フィルムを得ることができなかった。
実施例13、18、19、比較例3および4の対比から、セルロースエステル(b)の含有比率が10質量%未満であると(比較例3)、適度なレターデーションを有するフィルムが得られないことがわかる。一方、セルロースエステル(b)の含有比率が50質量%超であると(比較例4)、シラップの粘度が高くなり、得られるフィルムのヘイズも高いことがわかる。
実施例13と比較例2との対比から、ビニル単量体(a)を懸濁重合させた比較例2の光学フィルムはヘイズが高いのに対し、セルロースエステル(b)の存在下においてビニル単量体(a)を塊状重合させた実施例13の光学フィルムはヘイズが低いことがわかる。
実施例4と9との対比から、セルロースエステル(b)がプロピオネート基を含む実施例9の光学フィルムのほうが、セルロースエステル(b)がプロピオネート基を含まない実施例4の光学フィルムよりもヘイズが低く、異物故障も少ないことがわかる。また、実施例5〜10の対比から、プロピオネート基が0.5〜2.8の範囲にあるセルロースエステル(b)を含む光学フィルムは、異物故障が少なく、ヘイズも低いことがわかる。さらに、実施例11〜14の対比から、セルロースエステル(b)の重量平均分子量Mwが3.0×10超である実施例14の光学フィルムはヘイズが高いのに対して、実施例11〜13の光学フィルムはヘイズが低いことがわかる。
実施例13と比較例1との対比から、ろ過処理を経て得られた熱可塑性樹脂を含む実施例1の光学フィルムは、ろ過処理を経ないで得られた熱可塑性樹脂を含む比較例1の光学フィルムよりもヘイズが低く、かつ異物故障も少ないことがわかる。また、濾紙の空隙率(実施例13、20および21)、捕集粒子径(実施例21〜24)および濾紙の枚数(実施例13と25〜27)によって、得られるフィルムの異物故障を低減できることがわかる。
また、実施例32〜37の光学フィルムは、実施例1の光学フィルムよりもRoおよびRtが大きいことがわかる。これは、セルロースエーテルは、セルロースエステルよりも位相差発現性が高いためであると考えられる。また、実施例32〜37の光学フィルムは、実施例1の光学フィルムよりも内部ヘイズが低いことがわかる。これは、セルロースエーテルのシラップは、セルロースエステルのシラップよりも粘度が低く、濾過により異物が除去されやすいためであると考えられる。
本出願は、2011年9月5日出願の特願2011−193127に基づく優先権を主張する。当該出願明細書および図面に記載された内容は、すべて本願明細書に援用される。
本発明の光学フィルムは、耐熱性と耐湿性が高く、かつヘイズが低い。また、本発明の光学フィルムは、従来のハロゲン系溶剤などを用いない溶融押出法によって成形することができるので、環境負荷を低減できる。
10 フィルムの製造装置
12 押出し機
14 ダイ
16、18、20 冷却ロール
22 剥離ロール
24 延伸装置
26 巻き取り装置
28 フィルタ
30 スタチックミキサ
32 弾性タッチロール
34 清掃装置
34’ 常圧プラズマ照射装置
34A 吹出しスリット
110 液晶表示装置
120 液晶セル
140 第一の偏光板
142 第一の偏光子
144 偏光板保護フィルム(F1)
146 偏光板保護フィルム(F2)
160 第二の偏光板
162 第二の偏光子
164 偏光板保護フィルム(F3)
166 偏光板保護フィルム(F4)

Claims (14)

  1. 50〜90質量%のビニル単量体(a)と、10〜50質量%の固有複屈折が正の樹脂(b)とを含むシラップを得るステップと、
    前記シラップをろ過するステップと、
    前記シラップに含まれる前記ビニル単量体(a)を重合させて熱可塑性樹脂を得るステップと、
    前記熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物を成形して、内部ヘイズが0.2%以下である光学フィルムを得るステップと、
    を含む、光学フィルムの製造方法。
  2. 前記光学フィルムの光弾性係数が−5.0×10−12〜5.0×10−12/Nの範囲である、請求項1に記載の光学フィルムの製造方法。
  3. 前記光学フィルムが、下記式(I)で表される、波長590nmでの面内方向のレターデーションRoが−10nm〜10nmの範囲であり、かつ下記式(II)で表される、波長590nmでの厚み方向のレターデーションRtが−10nm〜10nmの範囲である、請求項1に記載の光学フィルムの製造方法。
    式(I) Ro=(nx−ny)×d
    式(II) Rt={(nx+ny)/2−nz}×d
    (nxは、光学フィルムの面内方向において屈折率が最大になる方向xにおける屈折率を表し;
    nyは、光学フィルムの面内方向において前記方向xと直交する方向yにおける屈折率を表し;
    nzは、光学フィルムの厚み方向zにおける屈折率を表し;
    d(nm)は、光学フィルムの厚みを表す)
  4. 前記光学フィルムが、下記式(I)で表される、波長590nmでの面内方向のレターデーションRoが20〜150nmであり、かつ下記式(II)で表される、波長590nmでの厚み方向のレターデーションRtが70〜400nmである、請求項1に記載の光学フィルムの製造方法。
    式(I) Ro=(nx−ny)×d
    式(II) Rt={(nx+ny)/2−nz}×d
    (nxは、光学フィルムの面内方向において屈折率が最大になる方向xにおける屈折率を表し;
    nyは、光学フィルムの面内方向において前記方向xと直交する方向yにおける屈折率を表し;
    nzは、光学フィルムの厚み方向zにおける屈折率を表し;
    d(nm)は、光学フィルムの厚みを表す)
  5. 前記固有複屈折が正の樹脂(b)が、セルロースエステル樹脂、セルロースエーテル樹脂、環状オレフィン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂およびアクリル樹脂からなる群から選ばれる一種類以上である、請求項1に記載の光学フィルムの製造方法。
  6. 前記固有複屈折が正の樹脂(b)が、炭素数3以上のアシル基を有するセルロースエステル樹脂である、請求項1に記載の光学フィルムの製造方法。
  7. 前記固有複屈折が正の樹脂(b)が、下記式(i)および(ii)を満たすセルロースエステル樹脂である、請求項1に記載の光学フィルムの製造方法。
    (i) 2.0≦DSac+DSpr<3.0
    (ii) 0.5≦DSpr<2.8
    (式中、DSacはアセチル基の置換度、DSprは炭素数3以上のアシル基の置換度を表す)
  8. 前記セルロースエステル樹脂の重量平均分子量Mwが3.0×10〜3.0×10である、請求項7に記載の光学フィルムの製造方法。
  9. 前記ビニル単量体(a)は、単官能のビニル単量体(a)である、請求項1に記載の光学フィルムの製造方法。
  10. 前記ビニル単量体(a)は、(メタ)アクリレート化合物、(メタ)アクリルアミド化合物、マレイミド化合物、N−ビニル環状アミド化合物、ビニルエステル化合物からなる群より選ばれる一種類以上である、請求項1に記載の光学フィルムの製造方法。
  11. 前記シラップの、振動粘度計にて測定される23℃での粘度が4000Pa・s以下である、請求項1に記載の光学フィルムの製造方法。
  12. 前記シラップを、空隙率76〜95%、捕集粒子径0.5〜5μmのフィルタでろ過する、請求項に記載の光学フィルムの製造方法。
  13. 前記熱可塑性樹脂を得るステップでは、前記ビニル単量体(a)を塊状重合させる、請求項1に記載の光学フィルムの製造方法。
  14. 前記熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物を溶融押出して光学フィルムを得る、請求項1に記載の光学フィルムの製造方法。
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