JP2006033455A - 色修正情報取得装置、色修正情報取得方法、色修正情報取得プログラム、印刷制御装置、印刷制御方法及び印刷制御プログラム - Google Patents

色修正情報取得装置、色修正情報取得方法、色修正情報取得プログラム、印刷制御装置、印刷制御方法及び印刷制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】印刷画像に対する良好な色再現性を、低コストかつ少ない手間で得ることが可能な色修正情報取得装置、色修正情報取得方法、色修正情報取得プログラム、印刷制御装置、印刷制御方法及び印刷制御プログラムを提供する。
【解決手段】代替測色データ取得手段が、印刷装置に対して所定の対応インクにかかる印刷ヘッドに所定の代替インクを装填した状態で印刷媒体上に印刷させた標準のインク記録量の標準画像を、所定の色空間で測色することにより代替測色データを取得し、誤差情報取得手段が、上記取得した代替測色データを、上記印刷装置に対して上記所定の対応インクにかかる印刷ヘッドに同対応インクを装填した状態で印刷媒体上に上記標準のインク記録量で印刷させた画像を所定の色空間で測色する場合の予測測色データに換算し、同換算によって取得した予測測色データと所定の基準測色データとの対比結果が表された誤差情報を取得する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、印刷ヘッドを用いて印刷データに対応する画像を印刷媒体上に印刷する印刷装置における色ずれを補償するための情報を取得する色修正情報取得装置、色修正情報取得方法、色修正情報取得プログラム、印刷制御装置、印刷制御方法及び印刷制御プログラムに関する。
従来、量産されるインクジェットプリンタには、インクの色(種類)毎に印刷ノズル列が設けられ、各印刷ノズル列から吐出されるインクの重量のずれを補償するためのID(誤差情報)を記録した不揮発性半導体メモリが設けられている。各プリンタについて印刷制御を行う際、IDに対応させたキャリブレーション用のLUT(ルックアップテーブル)等の色修正データを予め作成して記憶しておき、IDに対応する色修正データを参照することにより、印刷ヘッドから吐出されるインクの重量を基準プリンタ(基準機体)に合わせるようにインク重量の誤差を補償している(例えば、特許文献1参照)。
プリンタ生産工場では、印刷ヘッドをプリンタに組み付けていない状態で同印刷ヘッドからインクを所定数吐出させてインク重量を計測し、基準プリンタのインク重量との差をIDに対応させて不揮発性半導体メモリに記録させるキャリブレーション作業を行っている。
また、本出願人は、量産プリンタに印刷させた標準画像の測色データと基準の測色データとの対比結果が表されたIDを用いることで、各量産プリンタで生じる基準機体との色再現性のばらつきを補償する印刷制御装置などの発明について、既に出願している(特願2004‐35947)
特開平10−278360号公報
印刷ヘッドから吐出されるインクの重量を計測する作業にはある程度時間がかかる一方、プリンタを量産する際にはコストを抑えるためにキャリブレーション作業を迅速に行うことが望まれていた。また、印刷ヘッドをプリンタに組み付けたときに印刷ヘッドに与えられる電圧に微妙なばらつきがある等により、印刷媒体上に印刷される画像の色に微妙な誤差が生じていた。
また、上記先願では、各量産プリンタのキャリブレーションにおいて、複数種類のインク毎に設けられた各印刷ヘッドに夫々対応するインクを装填する必要があった。つまり、ある種類のインクについては高価であるためにキャリブレーションに要するコストが高くなったり、各印刷ヘッド毎に夫々装填すべきインクを全種類用意しなければキャリブレーションを実行できないという課題が残されていた。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、印刷画像に対する良好な色再現性を、低コストかつ少ない手間で得ることが可能な色修正情報取得装置、色修正情報取得方法、色修正情報取得プログラム、印刷制御装置、印刷制御方法及び印刷制御プログラムの提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、複数種類のインクに対応した複数の印刷ヘッドを有し、各印刷ヘッドに夫々対応する種類の対応インクを装填し印刷媒体上にインクを付着させて印刷データに対応する印刷画像を印刷可能な印刷装置における色ずれを補償するための情報を取得する色修正情報取得装置であって、代替測色データ取得手段と、誤差情報取得手段とを備える構成としてある。
代替測色データ取得手段は、上記印刷装置に対して、所定の対応インクにかかる印刷ヘッドに所定の代替インクを装填した状態で印刷媒体上に印刷させた標準のインク記録量の標準画像を、所定の色空間で測色することにより代替測色データを取得する。
誤差情報取得手段は、上記取得した代替測色データを、予測測色データに換算するとともに、同予測測色データと所定の基準測色データとの対比結果を表した誤差情報を取得する。ここで予測測色データとは、上記印刷装置に対して上記所定の対応インクにかかる印刷ヘッドに同対応インクを装填した状態で印刷媒体上に上記標準のインク記録量で印刷させた画像を、所定の色空間で測色した場合に得られる測色データである。当該誤差情報は、上記印刷装置における上記所定の対応インクの色ずれの程度を表していると言える。かかる誤差情報を印刷装置毎に取得すれば、各印刷装置において任意の印刷データに基づく印刷処理を行なう際に、同誤差情報を用いて印刷データに対して所定の色修正を行なうことができ、印刷装置固有の色ずれを補償することができる。むろん、誤差情報の取得は、上記印刷装置が使用可能な対応インク(各対応インクに夫々対応する各印刷ヘッド)毎に行なうことができる。
このように、上記印刷装置の印刷ヘッドに、本来的に装填される対応インクを装填せずとも、代替インクを装填して上記対比結果を取得することで、同印刷装置における上記対応インク毎(各対応インクに対応する各印刷ヘッド毎)に生じる色ずれを補償するための誤差情報を取得できる。よって、少ない手間と低いコストで、各印刷装置において生じる色ずれを補償するための誤差情報を取得できる。
また、上記印刷装置にて実際に印刷媒体上に印刷させた標準画像の代替測色データに基づいて同印刷装置の色ずれを補償するための誤差情報を得るので、印刷ヘッドをプリンタに組み付けたときに印刷ヘッドに与えられる電圧の微妙なばらつき等による印刷画像の色の微妙な誤差は生じない。従って、インク重量の補償のみを行っていた従来よりも、印刷画像について基準色に対する色再現性を良好にさせることが可能となる。
上記誤差情報取得手段は、上記予測測色データと、所定の基準印刷装置に対して上記所定の対応インクにかかる印刷ヘッドに同対応インクを装填した状態で上記標準のインク記録量で印刷させた画像を所定の色空間で測色して得た上記基準測色データとの対比結果に応じて誤差情報を算出するとしてもよい。予め、かかる基準測色データを備えておき、代替測色データの換算値としての予測測色データと、基準測色データとの対比結果に応じて誤差情報を決定することで、上記印刷装置における基準印刷装置に対する上記対応インクの色ずれを高精度に補償するための指標となる誤差情報を取得できる。
上記所定の色空間は、複数の色成分を色成分量とする色空間とすることができる。当該色空間と色成分と色成分量は、国際照明委員会(CIE)で規定されたCIE L***色空間であればL*,a*,b*の各色成分とこれらの各値、CIE L***色空間であればL*,u*,v*の各色成分とこれらの各値、CIE XYZ色空間であればX,Y,Zの各色成分とこれらの各値、RGB色空間であればR,G,Bの各色成分とこれらの各値等、様々な組み合わせが考えられる。ここで、L*は明度(明るさ)を表す要素色であり、a*,b*,u*,v*は色相および彩度を表す要素色である。以下、「*」を省略して記載する。
ここで、上記誤差情報取得手段は、上記代替測色データから予測測色データへの換算を、上記代替測色データを構成する各色成分量のうち代替インクのインク記録量の変化に対して最も変化の大きい色成分量から、上記予測測色データを構成する各色成分量のうち上記所定の対応インクのインク記録量の変化に対して最も変化の大きい色成分量への換算をもって行なうとしてもよい。インク記録量の変化に対して最も変化の大きい色成分量のみ同士の対応関係に従って代替測色データを予測測色データに換算して誤差情報を取得するので、上記対応インクの色ずれを適切に反映した誤差情報を取得できる。また、上記最も変化の大きい色成分量のみの対応関係に従って代替測色データを予測測色データに換算して誤差情報を取得するので、同取得処理が迅速化される。
本発明の他の構成として、色修正情報取得装置は、上記基準印刷装置と比較して印刷媒体上に付着するインク量にばらつきが生じる比較用印刷装置に対して、上記所定の対応インクにかかる印刷ヘッドに上記代替インクを装填した状態で印刷媒体上に印刷させた、上記標準のインク記録量の標準画像を測色することによって、比較用代替測色データを取得するとともに、当該比較用代替測色データに基づいた補間処理によって標準のインク記録量に対応する複数の比較用代替補間データを算出してもよい。
さらに、上記比較用印刷装置に対して、上記所定の対応インクにかかる印刷ヘッドに同対応インクを装填した状態で印刷媒体上に印刷させた上記標準のインク記録量の画像を測色することによって、比較用測色データを取得するとともに、当該比較用測色データに基づいた補間処理によって、標準のインク記録量に対応する複数の補間予測測色データを算出してもよい。かかる複数の補間予測測色データは、上記予測測色データの候補値となる。比較用印刷装置の数は任意であり、例えば、基準印刷装置と比較して印刷媒体上に付着するインク量が多い印刷装置と、基準印刷装置と比較して印刷媒体上に付着するインク量が少ない印刷装置とを比較用印刷装置としてもよい。
誤差情報得手段は、各比較用代替補間データと各補間予測測色データとを夫々対応させて予め換算関係を生成しておく。そして、上記代替測色データと略一致する比較用代替補間データを上記換算関係に従ってある補間予測測色データに換算し、同換算された補間予測測色データを予測測色データとする。その結果、上記代替測色データが、ある予測測色データに一義的に換算される。
上記構成によれば、誤差情報取得処理の対象となる印刷装置の機体毎にその値が変化しうる上記代替測色データを、その値に応じて、予測測色データに容易かつ一義的に換算できる。そのため、予測測色データと上記基準測色データとの対比結果も、常に上記印刷装置における上記所定の対応インクの色ずれに応じた値となり、同色ずれを補償するために最適な誤差情報を確実に取得できる。
上記では、複数の比較用代替補間データを、上記比較用印刷装置の印刷結果から取得した比較用代替測色データを基にした補間によって算出している。ここで、同補間においては、上記基準印刷装置に対して上記所定の対応インクにかかる印刷ヘッドに上記代替インクを装填した状態で印刷媒体上に印刷させた上記標準のインク記録量の標準画像を測色することによって取得した測色データを、さらに参照点として加えてもよい。その結果、比較用代替補間データの補間精度が上がる。
同様に、複数の補間予測測色データを補間する場合にも、上記比較用代替測色データに加えて、上記基準測色データを補間の参照点としてもよい。その結果、補間予測測色データの補間精度が上がる。
上記印刷装置は、インク量の異なる所定数の種類のドットを上記印刷ヘッドから上記印刷媒体上に付着可能な装置であり、上記誤差情報は、上記ドットの種類毎に取得するとしてもよい。ある対応インクについて誤差情報を取得する場合であっても、大ドット、中ドット、小ドットなど複数種類のドットを吐出可能な場合、各ドット種類毎に、補償すべき色ずれが異なるからである。
また、上記標準のインク記録量は、上記ドットの種類によって異ならせ、上記ドットのインク量が多くなるほど同標準のインク記録量を少なくさせるとしてもよい。印刷装置毎に生じる印刷媒体上への付着インク量のばらつきによる、測色データ間の差が大きいインク記録量は、ドットの種類によって異なり、ドットのインク量が多くなるほど小さくなる傾向がある。よって上記のように、各ドットの種類毎に、インク量のばらつきによる測色データの違いが明確に得られるインク記録量を標準のインク記録量とすれば、上記印刷装置において各ドット種類毎に生じる色ずれを適切に反映する誤差情報を取得することができる。
上記代替インクとして用いるインクは、上記印刷装置が使用可能な対応インクの種類数より少ない種類数とすることができる。例えば、対応インクとして6種のインクを使用する場合、そのうちの1種を代替インクとして、色修正データの取得処理に際して、各印刷ヘッドに同代替インクを装填するとしてもよい。むろん、使用する代替インクは1種である場合に限られない。この結果、誤差情報の取得処理におけるコストと手間を低減することができる。
ここで、上記誤差情報を取得する構成を用いて、任意の画像を表現した印刷データに対して色修正を実行して印刷を行なう印刷制御装置としての発明を把握することができる。つまり、複数種類のインクに対応した複数の印刷ヘッドを有し、各印刷ヘッドに夫々対応する種類の対応インクを装填し印刷媒体上にインクを付着させて印刷データに対応する印刷画像を印刷可能な印刷装置に対し印刷制御を行なう印刷制御装置であって、代替測色データ取得手段と、誤差情報取得手段と、色修正データ決定手段と、印刷制御手段とを具備する構成とすることができる。代替測色データ取得手段と、誤差情報取得手段とについては、上記の各構成を適用可能である。
上記色修正データ決定手段は、上記誤差情報の値に応じて、上記印刷装置における上記所定の対応インクの色ずれを補償する色修正データを決定する。そして、印刷制御手段が、上記色修正データを用いることにより、画像を表現した印刷データから上記印刷装置にて印刷される印刷画像の色ずれを補償させる印刷データに修正し、修正後の印刷データに対応する印刷画像を上記印刷装置に対して印刷させる制御を行う。かかる構成によれば、印刷装置から出力される印刷画像について基準色に対する色再現性を向上させることができる。
上記印刷制御装置としての他の構成として、所定の基準印刷装置および同基準印刷装置と比較して印刷媒体上に付着するインク量にばらつきが生じる比較用印刷装置に対して、夫々に上記所定の対応インクにかかる印刷ヘッドに同対応インクを装填した状態で所定のインク記録量で印刷媒体上に印刷させた各画像を上記所定の色空間で測色して得られた各測色データに基づいて、上記比較用印刷装置にて印刷される画像の測色データにおける基準印刷装置の測色データに対する色ずれを補償させる色修正データを生成し、同生成した色修正データを所定の誤差情報と対応付けて記憶した記憶領域を設けるとしてもよい。
そして、上記色修正データ決定手段は、上記誤差情報取得手段によって取得した誤差情報が上記所定の誤差情報と一致する場合には、上記記憶した色修正データを上記所定の対応インクの色ずれを補償する色修正データとする。つまり、上記印刷装置の色ずれの特性が比較用印刷装置と同じであれば、取得すべき色修正データも上記記憶した色修正データとなる。
一方、上記取得した誤差情報が上記所定の誤差情報と一致しない場合も当然にある。ここで、色修正データを、誤差情報取得手段によって取得されると予測される誤差情報の数に応じて予め用意しておくのは多くの手間がかかり、かつメモリ資源も多く必要とする。そこで、上記記憶した色修正データを、上記取得した誤差情報の値に応じて補正し、同補正した補正色修正データを、上記所定の対応インクの色ずれを補償する色修正データとする。このように、当該構成によれば、印刷制御の対象となった印刷装置における上記所定の対応インクの色ずれを補償するために必要な色修正データを、上記誤差情報に基づいて容易かつ確実に取得できる。
上述した色修正情報取得装置にかかる技術的思想は、これを実現するための方法の発明として把握することもでき、請求項8にかかる発明も、上記と同様の作用、効果を有する。同様に、同装置の構成をプログラムに対応させることも可能であり、請求項9にかかる発明も、上記色修正情報取得装置と同様の作用、効果を有する。
同様に、上記印刷制御装置にかかる技術的思想は、これを実現するための方法及びプログラムの発明として夫々把握することができ、請求項12及び請求項13にかかる発明も、夫々に上記印刷制御装置と同様の作用、効果を有する。
むろん、請求項1に従属する請求項2〜請求項7と同様の態様をもって、請求項8〜請求項10,請求項12,請求項13に夫々従属する発明を把握することも可能である。
下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
(1)本願発明にかかる装置の概略構成
(2)誤差情報取得処理の説明
(3)印刷制御処理の説明
(4)変形例
(1)本願発明にかかる装置の概略構成
図1は、本発明にかかる印刷制御装置および色修正情報取得装置となる、コンピュータ10とプリンタ20等を示している。
コンピュータ10では、演算処理の中枢をなすCPU11がシステムバス10aを介してコンピュータ10全体を制御する。同バス10aには、書き換え不可能な半導体メモリであるROM12、書き換え可能な半導体メモリであるRAM13、CD−ROMドライブ15、フレキシブルディスク(FD)ドライブ16、各種インターフェイス(I/F)17a〜17e等が接続され、ハードディスクドライブを介して磁気ディスクであるハードディスク(HD)14も接続されている。
HD14にはオペレーティングシステム(OS)やアプリケーションプログラム(APL)等が記憶されており、これらはCPU11によって適宜RAM13に転送され、実行される。本実施形態では、HD14は、本発明の印刷制御プログラム、プリンタから取得したID14a、一次元のLUTとされた複数の色修正データ14b、色変換LUT(色変換テーブル)、ドット振り分けテーブル14d等を記憶した所定の記憶領域とされている。I/F17a(例えばUSB I/F)には、測色機40を接続する。測色機40は、測色する対象に色検出部40aを向けることにより、CIE(1976)規格におけるLab表色系に基づく複数の色成分L,a,bを色成分量(色彩値)として取得可能であり、取得した色成分量L,a,bをコンピュータ10に対して出力可能である。ここで、CIE Lab色空間(所定の色空間)は、複数の色成分L,a,bを色成分量とするデバイスに依存しない均等色空間である。むろん、測色する色空間は、CIE XYZ色空間、CIE Luv色空間、RGB色空間、等であってもよい。
CRTI/F17bにはカラー画像データに基づいて当該データに対応する画像を表示するディスプレイ18aが接続され、入力I/F17cにはキーボード18bやマウス18cが操作用入力機器として接続され、プリンタI/F17eには例えばシリアルI/Fケーブルを介してプリンタ20が接続されている。
プリンタ20は、CMYRVK(シアン、マゼンタ、イエロー、レッド、バイオレット、ブラック)の各色に対応してそれぞれ設けられた6個のインクカートリッジ28に充填された6色のインクを印刷ヘッド29a〜29fから吐出して、印刷用紙(印刷媒体)にインクを付着させてドットを形成することにより印刷データに対応する印刷画像を印刷する。むろん、ライトシアン、ライトマゼンタ、ライトブラック、ダークイエロー、無着色インク等を使用するプリンタを採用してもよいし、インク種類数も6色である必要はない。また、インク通路内に泡を発生させてインクを吐出するバブル方式のプリンタや、トナーインクを使用して印刷媒体上に印刷画像を印刷するレーザープリンタ等、種々の印刷装置を採用可能である。印刷装置が使用するインクは、液体でも固体でもよい。本実施形態の各インクは、水性の溶媒に微細な顔料からなる色材を混合したインクとされているが、染料からなる色剤を混合したインクとしてもよいし、油性の溶媒を用いたインクとしてもよい。
プリンタ20では、CPU21、ROM22、RAM23、通信I/O24、コントロールIC25、ASIC26、I/F27、等がバス20aを介して接続され、CPU21がROM22に書き込まれたプログラムに従って各部を制御する。
キャリッジ機構27aにて主走査方向に往復動するキャリッジには、各インクカートリッジ28が装着されているとともに、印刷ヘッドユニット(印刷ヘッドの集合体)29が搭載されている。当該ユニット29は、CMYRVKの6種類のインク(対応インク)毎に設けられた印刷ヘッド29a〜29fと不揮発性半導体メモリ31を備えている。このメモリ31は、EEPROM等とすることができ、コンピュータ10の側で印刷データを修正するために用いられるカラー調整ID(誤差情報)等が記録されるようになっている。各印刷ヘッド29a〜29fは、夫々に所定の対応インクを吐出して印刷用紙上に付着させることが可能である。各カートリッジ28には、例えばRAMからなるメモリチップ28aがそれぞれ設けられており、各メモリチップ28aは電気的にコントロールIC25と接続されている。
通信I/O24はコンピュータ10のプリンタI/F17eと接続され、プリンタ20は通信I/O24を介してコンピュータ10から送信される色別のラスタデータを受信する。ASIC26は、CPU21と所定の信号を送受信しつつヘッド駆動部26aに対してラスタデータに対応する印加電圧データを出力する。同ヘッド駆動部26aは、同印加電圧データから印刷ヘッド29a〜29fに内蔵されたピエゾ素子への印加電圧パターンを生成し、印刷ヘッド29a〜29fに各色のインクをドット単位で吐出させる。I/F27に接続されたキャリッジ機構27aや紙送り機構27bは、印刷ヘッドユニット29を主走査させたり、適宜改ページ動作を行いながら印刷用紙を順次送り出して副走査を行ったりする。
印刷ヘッド29a〜29fには、夫々に複数個のインクジェットノズルが設けられるとともに、同ノズルのそれぞれに対応してピエゾ素子が配置されている。
図2に示すように、ピエゾ素子PEは、ノズルNzまでインクを導くインク通路25bに接する位置に設置され、ピエゾ素子PEの両端に設けられた電極間に所定時間幅の電圧が印加されると、電圧の印加時間だけ伸張し、インク通路25bの一側壁を変形させる。この結果、インク通路25bの体積はピエゾ素子PEの伸張に応じて収縮し、この収縮分に相当するインクがインク滴IpとなってノズルNzの先端から高速に吐出され、印刷媒体に染み込むことによりドットが形成されて印刷が行われる。
同図にはインク量の異なる所定数の種類のドットを形成するための駆動波形を示してあり、所定の期間の駆動波形V1,V2によって、インク量の異なるドットが形成される。そして、駆動波形の電圧差が大きいほどピエゾ素子の伸張収縮の度合が大きくなるため、ドットは大きくなる。同図の下段に示すように、プリンタ20は、大まかにはインク量(例えばインク重量。インク体積でもよい)が大中小の3種類のドットを印刷媒体上に形成可能であり、大中小の各ドットはさらにインク量の異なる3種類のドットを印刷媒体上に形成可能である。従って、プリンタ20は、色毎に同じ印刷ヘッドから異なる複数段階のインク量のインク滴Ipを吐出し、当該複数段階のインク量に対応する大きさのドットを形成する。コンピュータ10がプリンタ20に送信するラスタデータには9種類(所定数)のドットの種類を識別するための識別情報が付加されており、プリンタ20は識別情報に対応する種類のドットを形成する。そして、ラスタ毎にドットの種類を表現するドットデータからなるラスタデータを入力すると、プリンタ20はラスタデータに対応してインク量の異なる複数種類のドットを印刷媒体上に形成する。
コンピュータ10では、OSにプリンタI/F17eを制御するプリンタドライバ等が組み込まれ、各種の制御を実行する。APLは、OSを介してハードウェアとデータ等のやりとりを行う。プリンタドライバは、APLの印刷機能の実行時に稼働され、プリンタI/F17eを介してプリンタ20と双方向の通信を行うことが可能であり、OSを介してAPLから印刷データを受け取ってラスタデータに変換し、プリンタ20に送出する。
なお、本発明の印刷制御プログラム、色修正情報取得プログラムは、OS、APL、OSとAPL、のいずれにより構成してもよい。これらのプログラムを記録した媒体は、HD14以外にも、CD−ROM15a、FD、半導体メモリ、等でもよい。また、通信I/F17dをインターネット網に接続し、所定のサーバから本発明のプログラムをダウンロードして実行してもよい。
(2)誤差情報取得処理の説明
図3〜5は、コンピュータ10が行なう誤差情報取得処理のフローチャートであり、図6は、誤差情報取得処理を実施するのに適したシステムの概略を示すブロック図である。
図6で示した誤差情報取得のためのシステムは、プリンタ生産工場で使用されることを前提としてある。コンピュータ10には測色器40が接続されるとともに、キャリブレーション対象のプリンタ20(以下、対象プリンタとも記載)が順次接続され、各対象プリンタ20は、後述するように、所定の代替インクで色修正用パッチP7を印刷するようになっている。また、コンピュータ10には必要に応じて、基準とした基準プリンタ、基準プリンタと比較して印刷媒体上に付着するインク量が多い第一比較用プリンタ、基準プリンタと比較して印刷媒体上に付着するインク量が少ない第二比較用プリンタが接続されるようになっている。そして、基準プリンタにより印刷媒体上に再現される印刷画像の色を基準色として、各対象プリンタ20のキャリブレーション作業が行われる。基準プリンタ、第一比較用プリンタ、第二比較用プリンタは、いずれも対象プリンタ20と同型であるとする。
図3のステップS(以下、ステップの記述を省略)205では、基準プリンタをコンピュータ10に接続し、所定の対応インク(例えばY)に対応する印刷ヘッド(印刷ヘッド29c)から同対応インクが吐出されるように、同対応インクにかかるインクカートリッジ28を正当な装着箇所に装着した状態で、所定の種類のドットによって、インク記録量を複数段階で変化させた複数の対応インク基準パッチP0を印刷媒体上に印刷させる制御をコンピュータ10に実行させる。この場合、CPU11は、予めHD14に記憶しておいた、複数段階のドット記録率に対応する複数のパッチを表現する所定のパッチ用画像データを取得し、RAM13に一時的に保存する。同パッチ用画像データは、一色無地のパッチを多数の画素で階調表現したデータである。同パッチ用画像データに対して所定のハーフトーン処理、ラスタライズ処理を行い、生成されたラスタライズデータを基準プリンタに送出することにより、同パッチ用画像データに対応した上記複数の対応インク基準パッチP0を基準プリンタに対して印刷させる制御を行なう。
図7の(1)では、基準プリンタによって、ドット記録率を10%刻みで変化させた10〜90%の9段階の対応インク基準パッチP0を、Yインクの大ドット1で印刷した場合を示している。ドット記録率とは、印刷媒体上の所定面積における全画素数に対する形成ドット数の比であって、インク記録量の一種とする。
S210では、上記印刷した各パッチP0を測色機40を用いて測色し、コンピュータ10は各パッチP0の測色データを取得する。
S215では、測色データと各パッチP0のドット記録率とに基づいて、測色データを構成する複数の色成分量L,a,bの中から、ドット記録率の変化に対して最も変化の大きい色成分量を対応インク選択色成分量として特定する。そして、同特定した対応インク選択色成分を表すデータ14e1をHD14に記憶する。
図8は、Yの大ドット1について、各ドット記録率のパッチを光沢紙に印刷してLab色空間で測色した結果の一例を示している。ここで、横軸はドット記録率(%単位)であり、縦軸はLab色空間を定義するL量、a量、b量である。図の例では、色成分量L,a,bの中でドット記録率の変化に対して最も変化の大きいb量を、対応インク選択色成分量とし、印刷データ修正用の色成分量として特定する。
例えば、対応インク選択色成分量を特定する色およびドット種類において、互いに異なるドット記録率をR1,R2、ドット記録率R1のパッチを測色したときの色成分量L,a,bをそれぞれL1,a1,b1、ドット記録率R2(R2>R1とする)のパッチを測色したときの色成分量L,a,bをそれぞれL2,a2,b2とする。記録率R1,R2の両パッチについての色成分量の差異としてΔL=|L2−L1|、Δa=|a2−a1|、Δb=|b2−b1|を算出すると、ΔL,Δa,Δbは、記録率R1,R2のパッチの色成分量の違いが大きくなるほど大きい値となる。そこで、ΔL,Δa,Δbの中から最大の算出値に対応する色成分量を対応インク選択色成分量として特定することができる。なお、変化させたドット記録率の中から最小のドット記録率と最大のドット記録率とを記録率R1,R2にすると、対象プリンタ20について基準色に対する良好な色再現性が得られる。
S220では、第一比較用プリンタをコンピュータ10に接続し、上記所定の対応インクが、同インクに対応する印刷ヘッドから吐出される状態とし、上記所定の種類のドットによって、上記パッチ用画像データに対応したインク記録量を複数段階で変化させた複数の対応インク第一比較パッチP1を印刷させる制御をコンピュータ10に実行させる。つまり、第一比較用プリンタにおいて、S205と同じ印刷条件にてパッチP1を印刷させる。
同様にS225では、第二比較用プリンタをコンピュータ10に接続し、上記所定の対応インクが、同インクに対応する印刷ヘッドから吐出される状態とし、上記所定の種類のドットによって、上記パッチ用画像データに対応したインク記録量を複数段階で変化させた複数の対応インク第二比較パッチP2を印刷させる制御をコンピュータ10に実行させる。図7の(2)は、第一比較用プリンタによって、同(3)は、第二比較用プリンタによって、夫々にドット記録率を10%刻みで変化させた10〜90%の9段階のパッチを、Yインクの大ドット1で印刷した場合を示している。
S230では、コンピュータ10は、第一比較用プリンタによって印刷された対応インク第一比較パッチP1を測色機40を用いて測色し、当該測色結果から、S215で特定した対応インク選択色成分量を、各パッチP1毎に取得する。
S235では同様に、第二比較用プリンタによって印刷された対応インク第二比較パッチP2を測色機40を用いて測色し、当該測色結果から、各パッチP2毎の対応インク選択色成分量を取得する。つまり、S205〜S235の処理によってコンピュータ10は、基準プリンタ、第一比較用プリンタ、第二比較用プリンタのそれぞれに対して共通の対応インクによって共通の種類のドットで印刷させた、複数段階のインク記録量に対応した複数のパッチにかかる対応インク選択色成分量を取得する。
S240では、コンピュータ10は、基準プリンタ、第一比較用プリンタ、第二比較用プリンタの上記印刷結果から得られた各対応インク選択色成分量の中から、予め決定して保存しておいた標準のインク記録量に対応する各選択色成分量を取得する。図7を参照して説明すると、上記標準のインク記録量(ドット記録率)を30%と定めた場合、同標準のインク記録量に対応する各対応インク選択色成分量は、対応インク基準パッチP0の測色結果としてのb03と、対応インク第一比較パッチP1の測色結果としてのb13と、対応インク第二比較パッチP2の測色結果としてのb23になる。上記標準のインク記録量の決定手法については後述する。ここで、色成分量b03は、特許請求の範囲に言う基準測色データに該当し、色成分量b13,b23は、比較用測色データに該当する。
図3に示す処理は、各対応インク(各対応インクに対応する印刷ヘッド29a〜29f)と各ドット種類との全組合せについて行なう。
続いて図4,5に従って説明を行なう。
S245では、基準プリンタをコンピュータ10に接続し、所定の印刷ヘッドから所定の代替インクが吐出されるようにした状態で、所定の種類のドットによって、インク記録量を複数段階で変化させた複数の代替インク色成分選択用パッチを印刷媒体上に印刷させる制御をコンピュータ10に実行させる。つまり、基準プリンタにおいて、複数段階のドット記録率に対応する複数のパッチを表現する所定のパッチ用画像データに基づいて、例えば図7の(1)と同様に、ドット記録率を10%刻みで変化させた10〜90%の9段階の代替インク色成分選択用パッチを印刷する。各代替インク色成分選択用パッチは、代替インクによる一色無地のパッチである。
S250では、S245において印刷した各パッチを測色機40を用いて測色し、コンピュータ10は、各パッチの測色データを取得する。
S255では、S250での各測色データと各代替インク色成分選択用パッチのドット記録率とに基づいて、測色データを構成する複数の色成分量L,a,bの中から、ドット記録率の変化に対して最も変化の大きい色成分量を代替インク選択色成分量として特定する。本実施形態においては、上記6種類の対応インクのうちの、Kインクを代替インクとして用いることとする。Kインクのみの画像では、インク記録量の変化に対して色成分量Lは大きく変化するものの、色成分量a,bは殆ど変化しない。よって、代替インクがKインクである場合、上記代替インク選択色成分量は色成分量Lとなる。そして、同特定した代替インク選択色成分を表すデータ14e2をHD14に記憶する。なお、代替インクは必ずしも一色に限る必要は無く、また、対応インクの中からは選択しない場合も考えられる。
次に、S260では、基準プリンタにおいて各印刷ヘッドから上記代替インクが吐出される状態とし、予め設定された標準のインク記録量の複数のパッチ画像を表現する標準ドット量データに基づいて、複数の基準色修正用パッチP4を印刷させる制御をコンピュータ10に実行させる。
図9は、上記基準色修正用パッチP4を印刷用紙上に印刷した場合を示している。
各パッチP4は、いずれもK一色の無地であり、各対応インクCMYRVKに対応する印刷ヘッド29a〜29fと各ドット種類との組合せにかかる印刷条件によって、標準のインク記録量で夫々印刷されたものである。図中のパッチP4aを例に説明すると、同パッチP4aは、Yインクに対応する印刷ヘッド29cからKインクを大ドット1で吐出させることにより印刷したものである。なお、各パッチP4を印刷する際の標準のインク記録量は、各印刷条件(印刷ヘッド及びドット種類)によって決まっており、上記ステップS240において、基準プリンタ、第一比較用プリンタ、第二比較用プリンタの印刷結果から対応インク選択色成分量を取得する際に用いた標準のインク記録量を用いる。よって、Yインクに対応する印刷ヘッド29cから大ドット1のKインクを吐出させて印刷する上記パッチP4aのドット記録率は30%となる。
S265では、上記基準色修正用パッチP4を測色機40を用いて測色するとともに、各パッチP4の測色データから、上記代替インク選択色成分量を取得する。
S270では、第一比較用プリンタをコンピュータ10に接続し、各印刷ヘッドから上記代替インクが吐出される状態とし、ステップS260と同様に、上記標準ドット量データに基づいて、複数の第一比較色修正用パッチP5を印刷させる制御をコンピュータ10に実行させる。同様にS275では、第二比較用プリンタをコンピュータ10に接続し、各印刷ヘッドから上記代替インクが吐出される状態とし、上記標準ドット量データに基づいて、複数の第二比較色修正用パッチP6を印刷させる制御をコンピュータ10に実行させる。第一比較色修正用パッチP5と第二比較色修正用パッチP6とはいずれも、K一色の無地であり、各対応インクに対応する印刷ヘッド29a〜29fと各ドット種類との組合せにかかる印刷条件によって、標準のインク記録量で夫々印刷されたものである。そのため、パッチP5及びパッチP6についても、説明においては適宜図9を用いる。
S280では、コンピュータ10は、第一比較用プリンタによって印刷された第一比較色修正用パッチP5を測色機40を用いて測色するとともに、当該測色結果から、上記代替インク選択色成分量を各パッチP5毎に取得する。
S285では、S280と同様に、第二比較用プリンタによって印刷された第二比較色修正用パッチP6を測色機40を用いて測色し、当該測色結果から、各パッチP6毎の代替インク選択色成分量を取得する。かかるパッチP5,P6毎の代替インク選択色成分量は、特許請求の範囲に言う、比較用代替測色データに該当する。
そして、S290では、上記基準色修正用パッチP4、第一比較色修正用パッチP5、第二比較色修正用パッチP6の各測色結果から得た代替インク選択色成分量を、各対応インクに対応する印刷ヘッド29a〜29fと各ドット種類との組合せにかかる印刷条件を基準にして対応付ける。
図9のパッチP4aを例に説明すると、同パッチP4aの代替インク選択色成分量L43と、同パッチP4aと同じ印刷条件によって第一比較用プリンタで印刷されたパッチP5aの代替インク選択色成分量L53と、同パッチP4aと同じ印刷条件によって第二比較用プリンタで印刷されたパッチP6aの代替インク選択色成分量L63とを対応付ける作業を行う。当該3つの代替インク選択色成分量を印刷した際のインク記録量(標準インク記録量)は当然に共通している。かかる代替インク選択色成分量の対応付け作業は、各対応インクに対応する印刷ヘッド29a〜29fと各ドット種類との組合せにかかる印刷条件毎に行なう。
S295では、コンピュータ10は、標準のインク記録量を基準とした対応関係に従って、対応インク選択色成分量と代替インク選択色成分量との変換(換算)関係を示した対応関係データ14fを生成する。当該生成した対応関係データ14fは、HD14に記憶する。
図10の(1)は、対応関係データ14fを例示している。同図では、S240で取得した、標準のインク記録量にかかる各対応インク選択色成分量b03,b13,b23と、ステップS290で取得した、同標準のインク記録量にかかる各代替インク選択色成分量L43,L53,L63との変換関係を示している。つまり、対応インク選択色成分量b03と代替インク選択色成分量L43とは、基準プリンタの同じ印刷ヘッド(29c)に対応インク(Y)を装填した場合と、代替インク(K)を装填した場合とで、同じインク記録量(ドット記録率30%)かつ同じドット種類(大1ドット)で夫々印刷して得られた測色結果であるため、測色データの変換関係を形成する。同様に、第一比較用プリンタの印刷結果から得られたb13とL53、及び、第二比較用プリンタの印刷結果から得られたb23とL63とが、夫々に測色データの変換関係を形成する。なお、上記対応関係データ14fは、各対応インクに対応する印刷ヘッド29a〜29fと各ドット種類との組合せにかかる印刷条件毎に取得し、各印刷条件に対応付けて記憶する。
以上、S295までの処理を行なうことで、次に述べる対象プリンタ20における誤差情報としてのカラー調整IDを取得するための前提が整う。つまり、コンピュータ10は、S295までの処理を一度だけ行なって上記対応関係データ14f等を生成し保存しておき、以後、量産機である各対象プリンタ20に色修正用パッチP7を印刷させて各対象プリンタ20毎にIDを取得して色補償を行なう。
ここで、上記対応関係データ14fを取得するためならば、第一比較用プリンタ、第二比較用プリンタによって、対応インク第一比較パッチP1、対応インク第二比較パッチP2を夫々印刷して測色する場合、予め定めた標準のインク記録量に対応するパッチのみを印刷すればよく、必ずしも複数段階のインク記録量に対応するパッチを印刷する必要はない。しかし、本実施形態においては、対応インク基準パッチP0と、対応インク第一比較パッチP1と、対応インク第二比較パッチP2とを夫々に複数印刷し測色データを取得することで、かかる測色データに基づいて、後述のように色修正データ14bを生成することとしている。また、対応関係データ14fや色修正データ14bの生成に際しては、第一比較用プリンタ、第二比較用プリンタのように、基準プリンタと比較して印刷媒体上に付着するインク量に誤差が生じる比較用のプリンタを何台用いるかは任意である。
次に、S300では、キャリブレーション対象のプリンタ20をコンピュータ10に接続し、各印刷ヘッドから上記代替インクが吐出される状態とし、上記標準ドット量データに基づいて、複数の色修正用パッチP7を印刷させる制御をコンピュータ10に実行させる。つまり、図9に示したパッチP4(またはP5,P6)と同様に、各対応インクに対応する印刷ヘッド29a〜29fと各ドット種類との組合せにかかる印刷条件によって、夫々の印刷条件に対応した標準のインク記録量でK一色の無地のパッチP7を印刷する。
S305では、各色修正用パッチP7を測色機40を用いて測色するとともに、得られた測色値(代替測色データ)から、各色修正用パッチP7の代替インク選択色成分量を取得する。
S310では、上記取得した色修正用パッチP7の代替インク選択色成分量と上記HD14に記憶した対応関係データ14fとに基づいて、代替インクで印刷された色修正用パッチP7の測色データを、同じ印刷条件にて対応インクで印刷される場合の色修正用パッチの測色データ(予測測色データ)に変換し、カラー調整IDを取得する。
コンピュータ10は、一つの色修正用パッチP7の代替インク選択色成分量と、上記対応関係データ14fにおける各代替インク選択色成分量とを対比する。ことのき、参照する対応関係データ14fは、対比の対象となる色修正用パッチP7の印刷条件(印刷ヘッド及びドットの種類)と同じ印刷条件にかかる対応関係データ14fを用いる。
対比の対象となる色修正用パッチP7として、対応インクYにかかる印刷ヘッド29cに代替インクを装填して大ドット1にて印刷したパッチP7aを採用し、これに従って図10に示す対応関係データ14fを参照する場合を例に説明する。対比の結果、例えば、パッチP7aの代替インク選択色成分量が、対応関係データ14fの代替インク選択色成分量L53と一致する場合、同代替インク選択色成分量L53の変換値である対応インク選択色成分量b13が、同色修正用パッチP7aの代替インク選択色成分量の変換値となる。この場合、対象プリンタ20の印刷ヘッド29cにおいて大ドット1を吐出する際の色ずれの程度は、第一比較用プリンタの同条件での色ずれの程度と同じということになる。
このように色修正用パッチP7の代替インク選択色成分量の変換結果としての対応インク選択色成分量が得られたら、同対応インク選択成分量と、対応関係データ14fに記憶されている基準プリンタの印刷結果から得られた対応インク選択色成分量(この場合、対応インク選択色成分量b03)とを対比し、同対比の結果を表したIDを生成する。
ここで、IDは、上記変換結果としての対応インク選択色成分量を変換先色成分量SS、上記基準プリンタの印刷結果から得られた対応インク選択色成分量を基準色成分量S0、所定の係数をc(c>0)とすると、例えば、ID=c・(SSS0)より算出するとができる。
上記では、色修正用パッチP7の代替インク選択色成分量が、対応関係データ14fに記録された何れかの代替インク選択色成分量と一致する場合について説明したが、かかる一致が生じない場合も当然にある。当該一致がない場合は、対応関係データ14fに記録された各データを補間して代替インク選択色成分量を対象インク選択色成分量に変換する。
図10の(2)は、各データを補間した場合の対応関係データ14fを示している。同図では、実際に測色して得られた各代替インク選択色成分量をもとに、所定の補間演算式を用いて、同一の標準のインク記録量に対応する代替インク選択色成分量を補間する。補間は線形補間であっても、所定の高次多項式を用いた補間であってもよい。同様に、対応関係データ14fに記録された各対応インク選択色成分量をもとに、所定の補間演算式を用いて、同一の標準のインク記録量に対応する対応インク選択色成分量を補間する。そして、同図の下方に示したように上記補間された各代替インク選択色成分量と、補間された各対応インク選択色成分量との変換対応関係を夫々に生成することで、色修正用パッチP7の代替インク選択色成分量を、何れかの対応インク選択色成分量に一義的に変換することができる。
なお、各代替インク選択色成分量と各対応インク選択色成分量とを夫々補間するのであれば、補間前の対応関係データ14fのデータ量を、図10(1)に示したものよりも減らしてもよい。例えば、S295で生成する対応関係データ14fの構成としては、第一比較用プリンタと第二比較用プリンタとの印刷結果から夫々に得られた、各対応インク選択色成分量及び各代替インク選択色成分量だけとしてもよい。対応関係データ14fをかかる構成とすれば、基準プリンタに代替インクによって基準色修正用パッチP4を印刷させ、同パッチ4を測色する処理(S260,265に該当)を省くことができ、誤差情報の取得処理が迅速化される。
本実施形態においては、上記IDは、色修正用パッチP7毎、すなわち各対応インクに対応する印刷ヘッド29a〜29fと各ドット種類との組合せにかかる印刷条件毎に算出する。そして、S315において、コンピュータ10は、同算出したIDを対象プリンタ20の印刷ヘッドユニット29のメモリ31に記録する。その結果、同対象プリンタ20における、各対応インクおよびドット種類の組合せ毎の誤差情報の取得処理が完了する。
なお、代替インクと同種の対応インクに対応する印刷ヘッドにおける色ずれを補償するためのIDの取得においては、S245〜S295を実施することなくIDを決定する。この場合、対応インク選択色成分量と代替インク選択色成分量とは同じ色成分となり、S310で使用する対応関係データは、S240で取得した各対応インク色成分量そのものとなる。
ここで、上述の標準のインク記録量は次のように決定することができる。
図11は、標準記録率テーブルT1を示している。同標準記録率テーブルT1においては、ドットの種類がインク量の多いものである程、標準のインク記録量(ドット記録率)を低くしている。
また、図12は、印刷媒体上に付着するインク量のばらつきによる測色データの変動量をインク種類毎に示している。同図においては、Yの大ドット1、中ドット1、小ドット1夫々について、ドット記録率10〜90%の9段階の対応インク第一比較パッチP1と対応インク第二比較パッチP2とを光沢紙に印刷してLab色空間で測色し、ドット記録率毎に対応インク選択色成分量(b量)の変動量を求めた結果の一例を示している。横軸はドット記録率(%単位)であり、縦軸はb量の変動量(Vb)である。図12から解かるように、一般に、ある色のドット記録率に対する対応インク選択色成分量の変動量Vbが最大となるドット記録率は、インク量が多いドット種類であるほど低くなる。
従って、コンピュータ10は上記標準記録率テーブルT1をHD14に予め記憶しておき、当該テーブルT1を参照することにより、上記標準ドット量データを生成し、基準色修正用パッチP4や、第一比較色修正用パッチP5や、第二比較色修正用パッチP6や、色修正用パッチP7を印刷する際に、ドットのインク量が多くなるほど印刷させるパッチのドット記録率を少なくさせて、各プリンタに対してドットの種類別に標準のインク記録量のパッチを印刷させる。また、当該テーブルT1によって決定された標準のインク記録量は、上記対応関係データ14fを構成する各対応インク・代替インク選択色成分量にかかる共通のインク記録量となる。なお、標準記録率テーブルT1は、色毎かつ設定モード(ドットの大きさの設定モード)毎に設けられており、図11はYの設定モード1(大ドット1、中ドット1、小ドット1を吐出可能なモード)についての例を示してある。
また、標準のインク記録量の取得は上記標準記録率テーブルT1を用いる場合に限られない。コンピュータ10は、S230で取得した複数の対応インク第一比較パッチP1の対応インク選択色成分量と、S235で取得した複数の対応インク第二比較パッチP2の対応インク選択色成分量とに基づいて、上記変動量Vbが最も大きいインク記録量を、各対応インク及びドット種類の組合せ毎に実際に求めてもよい。そして、同求めた各インク記録量を、各対応インク(各対応インクに対応する印刷ヘッド)およびドット種類の組合せ毎の標準のインク記録量としてもよい。
(3)印刷制御処理の説明
図13は、IDを用いて印刷データを修正し、修正後の印刷データに基づいて印刷制御を行う処理を示すフローチャートである。図14は、その処理を模式的に示す図である。図15は、HD14に記憶された複数の色修正データ14bの構造を模式的に示す図である。以下においては、印刷制御の対象となる対象プリンタ20の各印刷ヘッド29a〜29fには、夫々の対応インクが装填されている状態とする。
まず、コンピュータ10は、対象プリンタ20からIDを取得済みであるか否かを判断する(S105)。条件成立の場合、対象プリンタ20からIDを取得する必要がないと判断してS120に進む。
条件不成立の場合、カラー調整IDの入手要求を作成して対象プリンタ20に送信する(S110)。すると、対象プリンタ20は同入手要求を受信し、印刷ヘッドユニット29のメモリ31から対応インクの全6種類とドットの全9種類の全組み合わせ54種類のIDを読み出してコンピュータ10に対して送信する。コンピュータ10は、全IDを取得し、HD14にID14aとして記憶する(S115)。このように、IDが対象プリンタ20と一体となっているので、ユーザはプリンタを変更しても同プリンタに対応するIDを別途入力する必要がなく便利である。
S120では、コンピュータ10は、多数(所定数)の画素別とされて複数の要素色に対応した階調データから構成された画像データD1を所定の画像入力装置やHD14等から入力し、画像をRGB毎の複数の画素で階調表現した広域RGB色空間内のRGBデータに変換する。その際、データを部分的に読み込んでもよいし、データの受け渡しに利用されるバッファ領域を表すポインタの受け渡しだけでもよい。入力する画像データD1は、画像をドットマトリクス状である多数の画素毎の階調データで表現したデータであり、sRGB色空間で定義されるRGBから構成された画像データや、YUV表色系におけるYUVから構成された画像データ、等がある。むろん、Exif2.2規格(Exifは社団法人電子情報技術産業協会の登録商標)に準拠したデータ、Print Image Matching(PIM:PIMはセイコーエプソン株式会社の登録商標)に対応したデータ等でもよい。画像データの各成分も様々な階調数とされているので、sRGBやYUV表色系等の定義に従って、画像データを広域RGB色空間内のRGB各256階調のRGBデータに変換する。同RGBデータは、複数の要素色RGBで画像を表現した印刷データである。
次に、コンピュータ10は、RGBデータを構成する各画素の階調データを変換対象として順次対象画素を移動させながら、色変換LUTを参照して、上記RGBデータを、CMYRVKインクのそれぞれの使用量に対応した階調データからなるCMYRVKデータに色変換する(S125)。色変換LUTは、上記RGBデータと、画像をCMYRVK毎の同数の画素で階調表現したCMYRVKデータとの対応関係を複数の参照点について規定した情報テーブルである。入力したRGBデータに一致するCMYRVKデータが色変換LUTに格納されていない場合には、入力したRGBデータに近い複数のRGBデータに対応するCMYRVKデータを取得し、体積補間等の補間演算によりRGBデータに対応するCMYRVKデータに変換する。CMYRVKデータD2は、RGBデータと同じく画像をドットマトリクス状の多数(所定数)の画素毎の階調データで表現した印刷データであり、対象プリンタ20が各印刷ヘッド29a〜29fから夫々に吐出する各対応インクの使用量を表すCMYRVK各256階調のデータであるとする。
その後、CMYRVKデータD2を構成する各画素の階調データを変換対象として順次対象画素を移動させながら、ドット振り分けテーブル14dを参照することにより、CMYRVKデータD2を構成するCMYRVK色別の階調データ(入力階調データ)を、インク量の異なる複数種類のドット形成量を同種類別に表すドット量データ(出力階調データ)に変換するドット振り分け処理を行う(S130)。本実施形態では、ID14aを用いてドット量データ(印刷データ)を修正することにより色ずれを補償する。
図16の上段に示すように、ドット振り分けテーブル14dは、対象プリンタ20で使用される対応インクの使用量を表す入力階調データと、ドットの種類別にドット形成量を表す出力階調データとの対応関係を規定した情報テーブルである。同テーブル14dは、色毎に設けられ、入力階調値の各階調におけるドット形成量を表す出力階調値がドット種類別に格納されている。図14では、横軸を入力階調値、縦軸を出力階調値の相対値とし、入力階調値に対する小中大の各ドットのドット量データを模式的に示している。本実施形態では、ドットの大きさの設定モードを3種類設けている。そこで、ドット振り分けテーブル14dには、各設定モード1〜3に対応して、小ドット1と中ドット1と大ドット1を形成する際に参照する出力階調データD11と、小ドット2と中ドット2と大ドット2を形成する際に参照する出力階調データD12と、小ドット3と中ドット3と大ドット3を形成する際に参照する出力階調データD13と、を格納している。
ドット振り分け処理では、上記ドット振り分けテーブル14dを参照してCMYRVKデータD2を構成する階調データを、設定モード1〜3いずれかに対応する複数種類のドットの使用量に振り分け、図14に示すように、小ドット用のドット量データD3、中ドット用のドット量データD4、大ドット用のドット量データD5を生成する。これらのドット量データD3〜D5も、CMYRVKデータD2と同じく画像をドットマトリクス状の多数(所定数)の画素毎の階調データで表現したデータであり、対象プリンタ20が印刷ヘッドから吐出する各ドットのインク使用量を表すCMYRVK各256階調のデータであるとする。
しかしながら、この段階でのドット量データを用いて対象プリンタ20に印刷を実行させても、印刷媒体上に印刷される画像の色に微妙な誤差が生じていることがある。これは、各印刷ノズル列から吐出されるインクの重量のずれ、印刷ヘッドをプリンタに組み付けたときに印刷ヘッドに与えられる電圧に微妙なばらつきがある等による。また、この電圧のばらつきや印刷ヘッドの組み付け状態によっては印刷媒体上に形成されるドットが割れるなど略円形とならないことも生じ、その結果として印刷画像の色に微妙なばらつきが生じることがある。そこで、このような色のばらつきを補償させるようにドット量データを修正することにしている。
各ドット量データを生成すると、コンピュータ10は、ドット量データを修正する対象のインク色及びドット種類を設定する(S135)。例えば、全インクおよび全ドットの54種類に異なる数値を対応させておき、当該数値を格納するポインタの値を順次更新する等により、全54種類の中から修正対象のインク色およびドット種類を設定すればよい。
ここで、ドット量データを修正するための色修正データ14bについて説明する。
図15に示すように、各色修正データ14bは、所定のIDの値と対応付けられてHD14に格納されている。同図の下段にも示すように、色修正データ14bは、入力階調値Ai(iは0〜255の整数)と出力階調値との対応関係を入力階調値Aiの各階調(全階調)について規定した情報テーブルとされている。入力階調値Aiに対する出力階調値ACiが図の上段の実線のように規定されている。同図に示した各色修正データ14bは、一例として、Yインクを大ドット1で出力する際のインク使用量を表すドット量データを修正するためのデータであるとする。
同図のID=10は、上記図10に示した対応関係データ14fにおける、第一比較用プリンタの印刷結果から得られた対応インク選択色成分量と、基準プリンタの印刷結果から得られた対応インク選択色成分量とを対比した場合に算出される値と同値である。従って、同ID=10に対応付けて記憶されている色修正データ14bは、第一比較用プリンタにおいて、Yインクを大ドット1で吐出して印刷した画像の測色データが、基準プリンタにおいてYインクを大ドット1で吐出して印刷した際の画像の測色データに略一致するように、第一比較用プリンタにおけるドット量データを修正するデータに相当する。同様に、ID=−10は、上記対応関係データ14fの、第二比較用プリンタの印刷結果から得られた対応インク選択色成分量と、基準プリンタの印刷結果から得られた対応インク選択色成分量とを対比した場合に算出される値と同値である。よって、ID=−10に対応付けて記憶されている色修正データ14bは、第二比較用プリンタにおいて、Yインクを大ドット1で吐出して印刷した画像の測色データが、基準プリンタにおいてYインクを大ドット1で吐出して印刷した際の画像の測色データに略一致するように、第二比較用プリンタにおけるドット量データを修正するデータに相当する。
上記色修正データ14bは次のようにして求めることができる。
上述したように本実施形態では、各対応インクおよびドット種類の組合せの印刷条件毎に、基準プリンタではインク記録量を複数段階で変化させた複数の対応インク基準パッチP0を、第一比較用プリンタではインク記録量を複数段階で変化させた複数の対応インク第一比較パッチP1を、第二比較用プリンタではインク記録量を複数段階で変化させた複数の対応インク第二比較基準パッチP2を、夫々に印刷し、各測色データを得ている。よって、上記3つのプリンタにおける各測色データと各インク記録量との対応関係から上記色修正データ14bを取得できる。ここで、あるインク記録量(ドット記録率Ri)のパッチを表現するドット量データは、複数の画素で階調表現されたデータであり、同ドット量データを0〜MAXGR(最大階調値、本実施形態では256階調)の階調データで表現するには、各画素の階調値をRi×MAXGRとすればよい。
そこで、ID=10に対応する修正データ14bとしては、各パッチP0と各パッチP1との測色データ(対応インク選択色成分量)とを対比し、あるドット量データを入力階調値とした場合に、各パッチP0の測色データのうち同入力階調値に対応する測色データと略同一値の測色データが得られるパッチP1を印刷するためのドット量データを修正後の出力階調値とするような色修正対応関係を生成すればよい。
なお、各パッチP0,P1を印刷したドット量データ以外のドット量データにかかる測色データについては、前後の測色データを参照した補間演算により適宜求めればよい。むろん、上記パッチP0,P1,P2を夫々印刷する際に、0〜255全階調値に対応するドット記録率で印刷するとしてもよい。
同様に、ID=−10に対応する修正データ14bとしては、各パッチP0と各パッチP2との測色データ(対応インク選択色成分量)とを対比し、あるドット量データを入力階調値とした場合に、各パッチP0の測色データのうち同入力階調値に対応する測色データと略同一値の測色データが得られるパッチP2にかかるドット量データを修正後の出力階調値とするような色修正対応関係を生成すればよい。かかるIDに対応付けた各色修正データ14bは、各対応インクおよびドット種類の印刷条件毎に予め求めておく。
上記色修正データ14bが予めHD14に記録されている状態において、上記S135で設定したインク色及びドット種類のID14aをHD14から読み出し、HD14に記憶された同設定したインク色及びドット種類に対応した複数の色修正データ14bの中から当該ID14aの値に対応する色修正データ14bを特定し、当該色修正データ14bを読み出す(S140)。
すなわち、上記設定のインク色およびドット種類のID14aが、同設定のインク色およびドット種類に対応して予め記憶されている各色修正データ14bのID(図15の説明においては、ID=10または−10)のいずれかと一致する場合は、同一致するIDに対応する色修正データ14bを読み出す。一方、コンピュータ10において、対象プリンタ20の色ずれの特性によって様々な値を取り得るID14a全てに対応する色修正データ14bを予め保存させておくのは作業量が膨大となり、メモリ資源も多く必要とする。そこで、上記設定のインク色およびドット種類のID14aが、上記予め記憶されている色修正データ14bのIDのいずれとも一致しない場合は、同ID14aの値に応じて、同色修正データ14bを補正し、同補正後の色修正データを読み出す。例えば、上記予め記憶した色修正データ14bのうち、ID14aと値の近いIDに対応する色修正データ14bを選択するとともに、ID14aとID=0との差に応じた係数を、同選択した色修正データ14bにおける各出力階調値に一律に乗算する等して、補正後の色修正データを取得する。
そして、設定したインク色およびドット種類に対応するドット量データを構成する各画素の階調データを変換対象として順次対象画素を移動させながら、S140で読み出した色修正データ14bを参照することにより、対象画素のドット量データを修正していき、修正後のドット量データD6〜D8を生成する(S145)。
ここで、ID14aが負の値とされている場合、対象プリンタ20は基準プリンタよりも印刷媒体上での発色の度合が小さくなっているので、図15に示すように、印刷画像の発色の度合を大きくさせるよう、色修正データ14bは全体の傾向として入力階調値よりも出力階調値が大きくされている。よって、このような色修正データ14bを参照することによって、ID14aが負値であるインク色およびドット種類のドット量データは、全体の傾向として階調値が大きく修正される。一方、ID14aが正の値とされている場合、対象プリンタ20は基準プリンタよりも印刷媒体上での発色の度合が大きくなっているので、同図に示すように、印刷画像の発色の度合を小さくさせるよう、色修正データは全体の傾向として入力階調値よりも出力階調値が小さくされている。よって、このような色修正データを参照することによって、ID14aが正値であるインク色およびドット種類のドット量データは、全体の傾向として階調値が小さく修正される。これにより、色修正用パッチP7を印刷させた対象プリンタ20を色補償することができる。
その後、全てのインク色およびドット種類の組合せについて設定したか否かを判断し(S150)、条件不成立の場合にはS135〜S150を繰り返し、条件成立の場合にS155に進む。
S155では、コンピュータ10は、ドットの大きさ毎のドット量データに対して誤差拡散法やディザ法や濃度パターン法といった所定のハーフトーン処理を行い、CMYRVKデータの画素数と同じ画素数であるCMYRVK別のハーフトーンデータを生成する。ハーフトーンデータは、ドットの形成状況をドットの形成有無として表すデータであり、例えば階調値「1」をドット形成有り、階調値「0」をドット形成無しに対応させて二値化した2階調の二値化データとすることができる。むろん、4階調等のデータとしてもよい。
また、コンピュータ10は、生成したハーフトーンデータに対して所定のラスタライズ処理を行ってプリンタで使用される順番に並べ替え、CMYRVK別のラスタデータを生成し(S160)、対象プリンタ20に対して出力して(S165)フローを終了する。すると、対象プリンタ20は、画像を表現するラスタデータを入手し、これらのデータに基づいて印刷ヘッドを駆動してインクを吐出して印刷用紙上に付着させ、RGBデータに対応する印刷画像を形成する。ラスタデータは色ずれがCMYRVK別かつドット種類別に補償されたデータであるので、印刷画像は色ずれが補償された画像となる。
なお、色補償時の修正対象の印刷データは、上記ドット量データ以外にも、ハーフトーンデータ、ラスタデータ等とすることも可能である。これらのデータの場合、IDの値に対応する比率で印刷媒体上に形成するドット数を増減させることにより、印刷画像を色補償可能である。また、ドットの大きさが一種類である場合には、色変換直後のCMYRVKデータD2を修正対象の印刷データとすることが可能である。同CMYRVKデータD2の場合、上記ドット量データに対する修正と同様、IDの値に対応する色修正データを参照して修正することにより、印刷画像を色補償可能である。むろん、色変換前のRGBデータであっても、修正前のRGBデータと修正後のRGBデータとの対応関係を規定した色修正LUTをIDの各値に対応させて用意し、IDの値に対応する色修正LUTを参照してRGBデータを修正することにより、印刷画像を色補償可能である。
また、ドットの大きさが一種類である場合には、ドット記録率以外にも、印刷媒体上の単位面積当たりに付着させたインク重量であるインク記録濃度、印刷媒体上の所定面積における全画素にインクドットを形成させたときのインク重量に対する同面積に印刷媒体上に付着させたインク重量の比、すなわちインク記録率などをインク記録量としてもよい。
このように本発明によれば、各対象プリンタ20において各印刷ヘッド29a〜29fに夫々の対応インクを装填した状態でパッチ画像を印刷させることなく、代替インクで色修正パッチP7を印刷させて測色データを得ることで、各印刷ヘッド29a〜29f及びドット種類の組合せ毎のカラー調整IDを取得することができ、同IDを利用することで各対応インク及びドット種類の組合せ毎の色ずれを補償することができる。従って、全対応インクのうちある一色を代替インクとして使用したり、ある対応インクが高価である場合により安価なインクを代替インクとして使用することで、キャリブレーション作業に要するコストを低減することができる。また、キャリブレーション対象となる各プリンタ20の各印刷ヘッド29a〜29fに充填するのに必要な分量の各対応インクを夫々に用意しなくても良いため、キャリブレーション作業の効率が上がる。
対象プリンタ20にて代替インクによって実際に印刷媒体上に印刷させた色修正用パッチP7の測色データの対応インクの測色データへの変換値と、基準となる対応インクの測色データとの対比結果が表されたカラー調整IDに基づいて同対象プリンタが色補償されるので、印刷ヘッドに与えられる電圧の微妙なばらつき等による印刷画像の色の微妙な誤差は生じない。従って、インク重量の補償のみを行っていた従来よりも印刷画像について基準色に対する色再現性が良好になる。
また、本実施形態においては、基準プリンタと比較して印刷媒体上に付着するインク量に誤差が生じる第一比較用プリンタおよび第二比較用プリンタにおいて、それぞれに実際に所定の印刷ヘッドに対応インクを装填してパッチ画像を印刷させ、さらに、同所定の印刷ヘッドに代替インクを装填してパッチ画像を印刷させる。そして、対応インクのパッチの測色データと代替インクのパッチの測色データとを、同じ標準のインク記録量を基準に対応づけた対応関係データ14fを生成する。そのため、同対応関係データ14fを直接利用して、あるいは同データ14fでの変換対応関係を補間することで、基準プリンタと比較して印刷媒体上に付着するインク量にある程度の誤差が生じると予測される対象プリンタ20において代替インクで印刷した同標準のインク記録量のパッチ画像の測色データを、容易かつ確実に、同対象プリンタ20において対応インクで同標準のインク記録量で印刷するパッチ画像から得られる測色データに換算することができる。その結果、基準となる対応インクの測色データとの対比結果が表されたIDも、対象プリンタ20色ずれの程度を正確に反映した値となり、高精度にて印刷データを修正できる。
さらに、測色データを構成する各色成分量のうち、インク記録量の変化に対して最も変化の大きい選択色成分量の対比結果のみを表したIDの値に応じて印刷データを修正するので、高精度にて印刷データが色修正される。同時に、インク記録量の変化に対して最も変化の大きい選択色成分量のみの対比結果を用いてIDを算出しているので、IDの算出作業の際に複雑な計算は不要である。従って、同キャリブレーション作業全体を迅速にさせることが可能となる。
上記IDは、使用する印刷ヘッドやドット種類を含む印刷条件毎に、印刷媒体上に付着するインク量のばらつきによる対応インク選択色成分量の変動が大きい或いは最大となるインク記録量によって印刷した場合のパッチ画像の対応インク選択色成分量と、基準プリンタにおいて同インク記録量で印刷したパッチ画像の対応インク選択色成分量との対比結果を表したものであるため、対象プリンタ20における各印刷条件毎の色ずれの程度を高精度に反映している。よって、同IDを用いた色補償によって、印刷画像について基準色に対する色再現性をより確実に得ることが可能となる。また、当該変動が大きい、或いは最大となるインク記録量のパッチのみの選択色成分量を用いてIDを作成することにより、より迅速にキャリブレーション作業を行うことが可能となる。
(4)変形例
図17に示すように、ドット量データを修正する際、上記ドット振り分けテーブル14d自体を修正し、修正後のテーブルを参照してドット量データを修正してもよい。なお、S105〜S130,S155〜S165は図13とほぼ同じであるが、S115でIDをHD14に記憶した後にS405に進むようになっている。
S405では、色毎に設けられたドット振り分けテーブル14dを全てHD14から読み出す。次に、同テーブル14dのデータを修正する対象のインク色およびドット種類を設定する(S410)。そして、設定したインク色およびドット種類のID14aをHD14から読み出し、HD14に記憶された、上記設定したインク色およびドット種類に対応する複数の色修正データ14bの中から当該ID14aに対応する色修正データ14bを読み出す(S415)。さらに、読み出した色修正データ14bを参照して、設定したインク色およびドット種類に対応するテーブル14dのデータを修正する(S420)。
図16に示すように、修正前後の両ドット振り分けテーブルは、CMYRVKデータを構成する各階調データの値に対応するアドレスからドット種類に対応する出力階調値を参照することにより、CMYRVKデータを色毎かつドット種類毎のドット量データに変換することができるようになっている。修正前の基準のドット振り分けテーブル14dを修正する際、当該テーブル14dの出力階調値を色修正データ14bの出力階調値に置き換えることにより、修正後のドット振り分けテーブルを作成することができる。例えば、基準のテーブル14dにおけるCの小ドット1の出力階調値がAiであり、色修正テーブル14bにおける入力階調値Aiに対応する出力階調値がACiである場合、同テーブル14dの出力階調値についてAiをACiに置き換えることにより、Cの小ドット1の出力階調値Aiが修正される。
修正後のドット振り分けテーブルを生成すると、全てのインク色およびドット種類の組合せについて設定したか否かを判断し(S425)、条件不成立の場合にはS410〜S425を繰り返し、条件成立の場合にS120に進み、画像データを入力し、色変換し、修正後のドット振り分けテーブルを参照してドット量データを生成する(S120〜S130)。そして、当該ドット量データを用いて色補償された印刷画像をプリンタに印刷させることができる(S155〜S165)。
以上により、一度ドット振り分けテーブルを修正して記憶しておくことによって、印刷データを修正する処理を高速化させることができ、プリンタに対する印刷制御の処理速度を向上させることができる。
印刷制御装置、色修正情報取得装置の構成を示すブロック図。 ノズルおよびその内部構造を拡大して示す図。 誤差情報取得処理の内容の一部を示すフローチャート。 誤差情報取得処理の内容の一部を示すフローチャート。 誤差情報取得処理の内容の一部を示すフローチャート。 誤差情報取得処理のためのシステムの概略を示すブロック図。 各プリンタにおいて対応インクで印刷した複数のパッチを示す説明図。 ドット記録率に対する色成分量L,a,bの測色結果の一例を示す図。 基準色修正用パッチを示した説明図。 対応関係データの構造を模式的に示す図。 標準記録率テーブルの構造を模式的に示す図。 ドット種類別にドット記録率に対する選択色成分量変動量の一例を示す図。 印刷制御処理を示すフローチャート。 印刷制御処理を模式的に示す図。 色修正データの構造を模式的に示す図。 ドット振り分けテーブルの構造を模式的に示す図。 変形例において、印刷制御処理を示すフローチャート。
符号の説明
10…コンピュータ、11…CPU、12…ROM、13…RAM、14…ハードディスク(HD)、14a…カラー調整ID(誤差情報)、14b…色修正データ、14d…ドット振り分けテーブル、14f…対応関係データ、20…プリンタ、29…印刷ヘッドユニット、29a〜f…印刷ヘッド、31…不揮発性半導体メモリ、40…測色機、D1…画像データ、D2…CMYRVKデータ、D3〜D5…修正前のドット量データ(印刷データ)、D6〜D8…修正後のドット量データ(印刷データ)、D11〜D13…出力階調データ、T1…標準記録率テーブル、P0…対応インク基準パッチ、P1…対応インク第一比較パッチ、P2…対応インク第二比較パッチ、P4…基準色修正用パッチ、P5…第一比較色修正用パッチ、P6…第二比較色修正用パッチ、P7…色修正用パッチ

Claims (13)

  1. 複数種類のインクに対応した複数の印刷ヘッドを有し、各印刷ヘッドに夫々対応する種類の対応インクを装填し印刷媒体上にインクを付着させて印刷データに対応する印刷画像を印刷可能な印刷装置における色ずれを補償するための情報を取得する色修正情報取得装置であって、
    上記印刷装置に対して所定の対応インクにかかる印刷ヘッドに所定の代替インクを装填した状態で印刷媒体上に印刷させた標準のインク記録量の標準画像を、所定の色空間で測色することにより代替測色データを取得する代替測色データ取得手段と、
    上記取得した代替測色データを、上記印刷装置に対して上記所定の対応インクにかかる印刷ヘッドに同対応インクを装填した状態で印刷媒体上に上記標準のインク記録量で印刷させた画像を所定の色空間で測色する場合の予測測色データに換算し、同換算によって取得した予測測色データと所定の基準測色データとの対比結果が表された誤差情報を取得する誤差情報取得手段とを備えることを特徴とする色修正情報取得装置。
  2. 上記誤差情報取得手段は、上記予測測色データと、所定の基準印刷装置に対して上記所定の対応インクにかかる印刷ヘッドに同対応インクを装填した状態で上記標準のインク記録量で印刷させた画像を所定の色空間で測色して得た上記基準測色データとの対比結果に応じて誤差情報を算出することを特徴とする請求項1に記載の色修正情報取得装置。
  3. 上記所定の色空間は、複数の色成分を色成分量とする色空間であり、
    上記誤差情報取得手段は、上記代替測色データから予測測色データへの換算を、上記代替測色データを構成する各色成分量のうち代替インクのインク記録量の変化に対して最も変化の大きい色成分量から、上記予測測色データを構成する各色成分量のうち上記所定の対応インクのインク記録量の変化に対して最も変化の大きい色成分量への換算をもって行なうことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の色修正情報取得装置。
  4. 上記基準印刷装置と比較して印刷媒体上に付着するインク量にばらつきが生じる比較用印刷装置に対して、上記所定の対応インクにかかる印刷ヘッドに上記代替インクを装填した状態で印刷媒体上に印刷させた上記標準のインク記録量の標準画像を測色することによって比較用代替測色データを取得するとともに、当該比較用代替測色データに基づいた補間処理によって標準のインク記録量に対応する複数の比較用代替補間データを算出し、
    上記比較用印刷装置に対して、上記所定の対応インクにかかる印刷ヘッドに同対応インクを装填した状態で印刷媒体上に印刷させた上記標準のインク記録量の画像を測色することによって比較用測色データを取得するとともに、当該比較用測色データに基づいた補間処理によって、上記予測測色データの候補値としての、標準のインク記録量に対応する複数の補間予測測色データを算出し、
    かつ、各比較用代替補間データと各補間予測測色データとを夫々対応させて換算関係を生成し、各比較用代替補間データのうち上記代替測色データと略一致する比較用代替補間データを介して代替測色データを予測測色データに換算することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の色修正情報取得装置。
  5. 上記印刷装置は、インク量の異なる所定数の種類のドットを上記印刷ヘッドから上記印刷媒体上に付着可能な装置であり、上記誤差情報は、上記ドットの種類毎に取得されることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の色修正情報取得装置。
  6. 上記標準のインク記録量は、上記ドットの種類によって異ならせ、上記ドットのインク量が多くなるほど同標準のインク記録量を少なくさせることを特徴とする請求項5に記載の色修正情報取得装置。
  7. 上記代替インクとして用いるインクは、上記印刷装置が使用可能な対応インクの種類数より少ない種類数とすることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の色修正情報取得装置。
  8. 複数種類のインクに対応した複数の印刷ヘッドを有し、各印刷ヘッドに夫々対応する種類の対応インクを装填し印刷媒体上にインクを付着させて印刷データに対応する印刷画像を印刷可能な印刷装置における色ずれを補償するための情報を取得する色修正情報取得方法であって、
    上記印刷装置に対して所定の対応インクにかかる印刷ヘッドに所定の代替インクを装填した状態で印刷媒体上に印刷させた標準のインク記録量の標準画像を、所定の色空間で測色することにより代替測色データを取得する代替測色データ取得工程と、
    上記取得した代替測色データを、上記印刷装置に対して上記所定の対応インクにかかる印刷ヘッドに同対応インクを装填した状態で印刷媒体上に上記標準のインク記録量で印刷させた画像を所定の色空間で測色する場合の予測測色データに換算し、同換算によって取得した予測測色データと所定の基準測色データとの対比結果が表された誤差情報を取得する誤差情報取得工程とからなることを特徴とする色修正情報取得方法。
  9. 複数種類のインクに対応した複数の印刷ヘッドを有し、各印刷ヘッドに夫々対応する種類の対応インクを装填し印刷媒体上にインクを付着させて印刷データに対応する印刷画像を印刷可能な印刷装置における色ずれを補償するための情報を取得する機能をコンピュータに実現させる色修正情報取得プログラムであって、
    上記印刷装置に対して所定の対応インクにかかる印刷ヘッドに所定の代替インクを装填した状態で印刷媒体上に印刷させた標準のインク記録量の標準画像を、所定の色空間で測色することにより代替測色データを取得する代替測色データ取得機能と、
    上記取得した代替測色データを、上記印刷装置に対して上記所定の対応インクにかかる印刷ヘッドに同対応インクを装填した状態で印刷媒体上に上記標準のインク記録量で印刷させた画像を所定の色空間で測色する場合の予測測色データに換算し、同換算によって取得した予測測色データと所定の基準測色データとの対比結果が表された誤差情報を取得する誤差情報取得機能とを実現させることを特徴とする色修正情報取得プログラム。
  10. 複数種類のインクに対応した複数の印刷ヘッドを有し、各印刷ヘッドに夫々対応する種類の対応インクを装填し印刷媒体上にインクを付着させて印刷データに対応する印刷画像を印刷可能な印刷装置に対し印刷制御を行なう印刷制御装置であって、
    上記印刷装置に対して所定の対応インクにかかる印刷ヘッドに所定の代替インクを装填した状態で印刷媒体上に印刷させた標準のインク記録量の標準画像を、所定の色空間で測色することにより代替測色データを取得する代替測色データ取得手段と、
    上記取得した代替測色データを、上記印刷装置に対して上記所定の対応インクにかかる印刷ヘッドに同対応インクを装填した状態で印刷媒体上に上記標準のインク記録量で印刷させた画像を所定の色空間で測色する場合の予測測色データに換算し、同換算によって取得した予測測色データと所定の基準測色データとの対比結果が表された誤差情報を取得する誤差情報取得手段と、
    上記誤差情報の値に応じて、上記印刷装置における上記所定の対応インクの色ずれを補償する色修正データを決定する色修正データ決定手段と、
    上記色修正データを用いることにより、画像を表現した印刷データから上記印刷装置にて印刷される印刷画像の色ずれを補償させる印刷データに修正し、修正後の印刷データに対応する印刷画像を上記印刷装置に対して印刷させる制御を行う印刷制御手段とを具備することを特徴とする印刷制御装置。
  11. 所定の基準印刷装置および同基準印刷装置と比較して印刷媒体上に付着するインク量にばらつきが生じる少なくとも一以上の比較用印刷装置に対して、夫々に上記所定の対応インクにかかる印刷ヘッドに同対応インクを装填した状態で所定のインク記録量で印刷媒体上に印刷させた各画像を上記所定の色空間で測色して得られた各測色データに基づいて、上記比較用印刷装置にて印刷される画像の測色データにおける基準印刷装置の測色データに対する色ずれを補償させる色修正データを生成し、同生成した色修正データを所定の誤差情報と対応付けて記憶した記憶領域を設け、
    上記色修正データ決定手段は、上記誤差情報取得手段によって取得した誤差情報が上記所定の誤差情報と一致する場合には、上記記憶した色修正データを上記所定の対応インクの色ずれを補償する色修正データとし、上記取得した誤差情報が上記所定の誤差情報と一致しない場合は、上記記憶した色修正データを上記取得した誤差情報の値に応じて補正した補正色修正データを、上記所定の対応インクの色ずれを補償する色修正データとすることを特徴とする請求項10に記載の印刷制御装置。
  12. 複数種類のインクに対応した複数の印刷ヘッドを有し、各印刷ヘッドに夫々対応する種類の対応インクを装填し印刷媒体上にインクを付着させて印刷データに対応する印刷画像を印刷可能な印刷装置に対し印刷制御を行なう印刷制御方法であって、
    上記印刷装置に対して所定の対応インクにかかる印刷ヘッドに所定の代替インクを装填した状態で印刷媒体上に印刷させた標準のインク記録量の標準画像を、所定の色空間で測色することにより代替測色データを取得する代替測色データ取得工程と、
    上記取得した代替測色データを、上記印刷装置に対して上記所定の対応インクにかかる印刷ヘッドに同対応インクを装填した状態で印刷媒体上に上記標準のインク記録量で印刷させた画像を所定の色空間で測色する場合の予測測色データに換算し、同換算によって取得した予測測色データと所定の基準測色データとの対比結果が表された誤差情報を取得する誤差情報取得工程と、
    上記誤差情報の値に応じて、上記印刷装置における上記所定の対応インクの色ずれを補償する色修正データを決定する色修正データ決定工程と、
    上記色修正データを用いることにより、画像を表現した印刷データから上記印刷装置にて印刷される印刷画像の色ずれを補償させる印刷データに修正し、修正後の印刷データに対応する印刷画像を上記印刷装置に対して印刷させる制御を行う印刷制御工程とからなることを特徴とする印刷制御方法。
  13. 複数種類のインクに対応した複数の印刷ヘッドを有し、各印刷ヘッドに夫々対応する種類の対応インクを装填し印刷媒体上にインクを付着させて印刷データに対応する印刷画像を印刷可能な印刷装置に対し印刷制御を行なう機能をコンピュータに実現させる印刷制御プログラムであって、
    上記印刷装置に対して所定の対応インクにかかる印刷ヘッドに所定の代替インクを装填した状態で印刷媒体上に印刷させた標準のインク記録量の標準画像を、所定の色空間で測色することにより代替測色データを取得する代替測色データ取得機能と、
    上記取得した代替測色データを、上記印刷装置に対して上記所定の対応インクにかかる印刷ヘッドに同対応インクを装填した状態で印刷媒体上に上記標準のインク記録量で印刷させた画像を所定の色空間で測色する場合の予測測色データに換算し、同換算によって取得した予測測色データと所定の基準測色データとの対比結果が表された誤差情報を取得する誤差情報取得機能と、
    上記誤差情報の値に応じて、上記印刷装置における上記所定の対応インクの色ずれを補償する色修正データを決定する色修正データ決定機能と、
    上記色修正データを用いることにより、画像を表現した印刷データから上記印刷装置にて印刷される印刷画像の色ずれを補償させる印刷データに修正し、修正後の印刷データに対応する印刷画像を上記印刷装置に対して印刷させる制御を行う印刷制御機能とを実現させることを特徴とする印刷制御プログラム。
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