JP2007216569A - 誤差情報取得方法、誤差情報取得装置、誤差情報取得プログラム、印刷制御方法、印刷制御装置および印刷制御プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】プリンタ固有の機械的誤差に起因して、印刷位置によってパッチの印刷濃度にむらが生じていた。
【解決手段】印刷装置によって、少なくとも印刷ヘッドの主走査方向における印刷媒体上での異なる位置に共通のインク記録量に基づいて印刷される複数のパッチが配置されたカラーチャートを出力し、上記カラーチャートにおける上記共通のインク記録量に基づいて印刷された各パッチの測色結果を入力するとともに、この測色結果に基づいて上記誤差情報を算出するとした。
【選択図】図4
【解決手段】印刷装置によって、少なくとも印刷ヘッドの主走査方向における印刷媒体上での異なる位置に共通のインク記録量に基づいて印刷される複数のパッチが配置されたカラーチャートを出力し、上記カラーチャートにおける上記共通のインク記録量に基づいて印刷された各パッチの測色結果を入力するとともに、この測色結果に基づいて上記誤差情報を算出するとした。
【選択図】図4
Description
本発明は、誤差情報取得方法、誤差情報取得装置、誤差情報取得プログラム、印刷制御方法、印刷制御装置および印刷制御プログラムに関する。
従来より、色ずれの修正対象とした量産プリンタに特定のインク記録量にて印刷させたパッチの測色結果と、色ずれ修正の基準となるプリンタに同特定のインク記録量にて印刷させたパッチの測色結果との差を表すID(誤差情報)を取得し、上記量産プリンタによる印刷時にはこのIDの値に応じて印刷データを修正する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2005‐225075号公報
上記IDの値は、基本的には量産プリンタのインク吐出量の設計基準からのばらつきを表すものであり、かかるIDに応じた印刷データの修正を行うことで、インク吐出量にばらつきがある量産プリンタを使用しても元の印刷データが表現する画像に対する色再現性の高い印刷画像を出力することができる。
しかし、上記IDを取得するための測色対象となるパッチを量産プリンタに上記特定のインク記録量にて印刷させた場合、パッチを印刷した印刷媒体上の位置によってそのパッチの濃度が微妙に異なってしまうという不都合があった。
しかし、上記IDを取得するための測色対象となるパッチを量産プリンタに上記特定のインク記録量にて印刷させた場合、パッチを印刷した印刷媒体上の位置によってそのパッチの濃度が微妙に異なってしまうという不都合があった。
つまり、各量産プリンタは、印刷ヘッドを主走査方向に往復動させるキャリッジ機構の動作精度やいわゆるプラテンギャップや印刷媒体を副走査方向に搬送する紙送り機構の動作精度の誤差といった、インク滴を吐出させる機構以外における固有の機械的誤差も有しており、かかる機械的誤差の影響が印刷媒体上の各位置において様々な度合いで表われ、その結果、印刷されるパッチの濃淡にも印刷位置によって変化が生じるのである。
このように、従来のように量産プリンタに上記特定のインク記録量にて印刷させたパッチの測色結果には、上記機械的誤差が反映されてしまっていたため、かかる測色結果に基づいて取得されるIDは、量産プリンタのインク吐出量の設計基準からのばらつきを正確に表わしているとは言えなかった。またその結果、このIDに応じた印刷データの修正も、対象とした量産プリンタのインク吐出量誤差を補償するための最適な修正とはいい難かった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、印刷装置が持つ機械的誤差の影響を極力排除することで、その印刷装置におけるインク吐出量のばらつきを正確に把握でき、その結果、従来に増して印刷画像における高精度な色再現性を実現することが可能な誤差情報取得方法、誤差情報取得装置、誤差情報取得プログラム、印刷制御方法、印刷制御装置および印刷制御プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明にかかる誤差情報取得方法では、インクを吐出させる印刷ヘッドを用いて画像を印刷媒体上に出力可能な印刷装置におけるインク吐出量のずれを表す誤差情報を取得する。ここで、カラーチャート出力工程においては、上記印刷装置によって、少なくとも印刷ヘッドの主走査方向における印刷媒体上での異なる位置に共通のインク記録量に基づいて印刷される複数のパッチが配置されたカラーチャートを出力する。そして、誤差情報算出工程では、カラーチャートにおける上記共通のインク記録量に基づいて印刷された各パッチの測色結果を入力するとともに、この測色結果に基づいて上記誤差情報を算出する。
上述したように、印刷ヘッドを主走査方向に往復動させるキャリッジ機構の動作精度やプラテンギャップの誤差の影響によって、上記主走査方向における印刷媒体上の位置が違えば、印刷されるパッチの濃度も微妙に変ってしまう。そこで本発明では、主走査方向において異なる各位置に共通のインク記録量に基づいて印刷された各パッチの測色結果に基づいて誤差情報を算出する。その結果、主走査方向における印刷媒体上の位置の違いによるパッチの濃淡ばらつきを極力排除して、上記印刷装置におけるインク吐出量のばらつきを純粋に表した誤差情報を取得することが可能となる。
ここで、上記主走査方向に印刷ヘッドが往復動する際の各位置での速度は厳密には一定ではなく、一般には紙面の両端付近では遅く、紙面の中央付近で最も早くなる。このような速度の違いは印刷媒体上での主走査方向でのドットの重なり具合に微妙な影響を及ぼし、その結果、主走査方向においてパッチの濃淡にむらが出てしまう。そこで、上記カラーチャート出力工程では、上記主走査方向に往復動する上記印刷ヘッドの速度がそれぞれ異なる印刷媒体上の複数位置に、上記共通のインク記録量に基づいて印刷されるパッチを配置し、誤差情報算出工程では、かかるパッチの測色結果を用いて誤差情報を算出する。その結果、上記印刷ヘッドの速度の違いに起因するパッチの濃淡ばらつきの影響を極力排除した誤差情報を取得することが可能となる。
上述したように、主走査方向における印刷ヘッドの往復動速度は一定ではない。そこで、上記カラーチャート出力工程では、上記主走査方向の印刷媒体上での1つの行において上記共通のインク記録量に基づいて印刷されるパッチを帯状に配置するとしてもよい。そして、これら帯状となった各パッチの測色結果を総合的に参照して誤差情報を算出すれば、印刷ヘッドの速度の違いによるパッチの濃淡ばらつきの影響をほぼ完全に排除した、理想的な誤差情報を取得することができる。
印刷装置においては、上記キャリッジ機構の動作精度誤差等以外にも、紙送り機構の動作精度誤差というものが考えられ、この紙送り機構の動作精度誤差は印刷ヘッドの副走査方向における印刷濃度のむらを生む。そこで、上記カラーチャート出力工程では、印刷ヘッドの主走査方向における印刷媒体上での異なる位置に共通のインク記録量に基づいて印刷されるパッチを複数配置するとともに、印刷ヘッドの副走査方向における印刷媒体上での異なる位置に上記と共通のインク記録量に基づいて印刷されるパッチを複数配置し、各パッチの測色結果を考慮して誤差情報を算出する。その結果、副走査方向における印刷媒体上の位置の違いによるパッチの濃淡ばらつきをも排除した、上記印刷装置におけるインク吐出量のばらつきを純粋に表した誤差情報を取得することが可能となる。
ここで、上記紙送り機構では、所定の速度で回転する紙送りローラを用いて印刷媒体を搬送するのが一般的であるが、このローラが一回転する間の回転速度は厳密には一定ではない。このような速度の違い(回転むら)は印刷媒体上での副走査方向でのドットの重なり具合に微妙な影響を及ぼし、その結果、副走査方向においてパッチの濃淡にむらが出てしまう。そこで、上記紙送り周期に対応する印刷媒体上の範囲に、上記共通のインク記録量に基づいて印刷されるパッチを複数配置し、かかるパッチの測色結果を考慮して誤差情報を算出するとしてもよい。つまり、上記ローラが一回転する紙送り周期の間に搬送される印刷媒体上の範囲に印刷した各パッチの測色結果を総合的に参照して誤差情報を算出することで、上記回転むらに起因するパッチの濃淡ばらつきの影響を排除した、理想的な誤差情報を取得することができる。
誤差情報算出の具体的態様として、上記誤差情報算出工程では、カラーチャート中に配置された上記共通のインク記録量に基づいて印刷された各パッチの測色結果の平均値を求めるとしてもよい。例えば、上記共通のインク記録量に基づくパッチが印刷媒体上のn箇所に印刷されている場合には、かかるn箇所のパッチの測色結果を平均する。そして、このように平均化されることで印刷装置における種々の上記機械的誤差の影響が低減された測色結果に応じて、上記誤差情報を決定することにより、上記印刷装置におけるインク吐出量のばらつきを純粋に表した誤差情報を取得することが可能となる。
ここで、上記誤差情報算出工程では、パッチの測色結果を構成する複数の色成分のうちインク記録量の変化に対して最も変化の大きい色成分に基づいて誤差情報を算出する。パッチの測色結果が、例えば、国際照明委員会(CIE)で規定されたL*a*b*表色系(以下、「*」は省略)で表現される場合には、Labの3つの色成分のうちインク記録量の変化に対して最も変化の大きい色成分を予め特定しておき、各パッチの測色結果からは当該特定した色成分を抽出し、かかる抽出した色成分を用いて誤差情報を算出する。その結果、誤差情報の算出に要する計算量が低減される。
印刷装置が複数の印刷ヘッドを備え、且つ各印刷ヘッドからは複数サイズのドットを吐出可能である場合は、各ドットサイズと各印刷ヘッドとの組合せ毎に、そのインク吐出量に設計基準との間のずれが存在すると言える。そこで、本発明の他の構成として、上記カラーチャート出力工程では、上記共通のインク記録量を、印刷ヘッドが吐出可能なドットサイズと上記印刷装置が備える各印刷ヘッドとの組合せ毎に設定し、各ドットサイズと各印刷ヘッドとの組合せを用いて対応するインク記録量に基づいて印刷した複数のパッチの集合を上記カラーチャートとして出力する。そして、上記誤差情報算出工程では、このカラーチャートの測色結果に基づいて、各ドットサイズと各印刷ヘッドとの組合せ毎の誤差情報を算出する。その結果、各ドットサイズと各印刷ヘッドとの組合せ毎に、インク吐出量の設計基準とのずれを正確に表した誤差情報を取得することが可能となる。
さらに、上記各ドットサイズと各印刷ヘッドとの組合せ毎に設定するインク記録量は、各組合せを用いて印刷を行った場合毎の、インク吐出量のばらつきによる測色結果の変動量の最も大きいインク記録量であるとしてもよい。つまり、インク吐出量のばらつきによる測色結果の変動量の最も大きいインク記録量に基づいてパッチを印刷すれば、その測色結果および測色結果に基づいて算出される誤差情報は、上記印刷装置におけるインク吐出量の設計基準からのばらつきを明確に反映したものとなる。
これまでは、上記誤差情報を取得するための方法というカテゴリーによって発明を説明したが、上述した誤差情報取得方法の内容は、その各工程を実行する誤差情報取得装置の発明としても把握できる。
また同様に、上記誤差情報取得方法の内容は、その各工程をコンピュータに実行させる誤差情報取得プログラムの発明としても把握できる。
また同様に、上記誤差情報取得方法の内容は、その各工程をコンピュータに実行させる誤差情報取得プログラムの発明としても把握できる。
また、インクを吐出させる印刷ヘッドを用いて印刷データに対応する画像を印刷媒体上に出力可能な印刷装置に対し印刷制御を行う印刷制御方法であって、上記誤差情報取得方法の各工程を含み、さらに、誤差情報の値に応じてインク吐出量のずれを補正する修正データを決定し、この修正データを用いることにより任意の印刷データから上記印刷装置にて印刷される画像の色ずれを補償させる印刷データに修正し、修正後の印刷データに対応する画像を上記印刷装置に対して印刷させる印刷制御工程を含む印刷制御方法の発明を把握することも可能である。当該印刷制御方法によれば、上記任意の印刷データが表現する画像に対する色再現性の高い印刷画像を出力することができる。
むろん、上記印刷制御方法の内容は、その各工程を実行する印刷制御装置の発明としても把握でき、また同様に、その各工程をコンピュータに実行させる印刷制御プログラムの発明としても把握できる。
下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
(1)誤差情報取得装置の概略構成
(2)ID設定処理
(2‐1)選択色成分の特定および標準ドット記録率の特定
(2‐2)カラーチャートの印刷
(2‐3)IDの算出
(3)印刷制御処理
(1)誤差情報取得装置の概略構成
(2)ID設定処理
(2‐1)選択色成分の特定および標準ドット記録率の特定
(2‐2)カラーチャートの印刷
(2‐3)IDの算出
(3)印刷制御処理
(1)誤差情報取得装置の概略構成
図1は、本発明にかかる誤差情報取得装置および印刷制御装置に対応するコンピュータ10等を示している。
コンピュータ10では、演算処理の中枢をなすCPU11がシステムバス10aを介してコンピュータ10全体を制御する。同バス10aには、書き換え不可能な半導体メモリであるROM12、書き換え可能な半導体メモリであるRAM13、各種インターフェイス(I/F)17a〜17dが接続され、ハードディスクドライブ15を介して磁気ディスクであるハードディスク(HD)14も接続されている。
図1は、本発明にかかる誤差情報取得装置および印刷制御装置に対応するコンピュータ10等を示している。
コンピュータ10では、演算処理の中枢をなすCPU11がシステムバス10aを介してコンピュータ10全体を制御する。同バス10aには、書き換え不可能な半導体メモリであるROM12、書き換え可能な半導体メモリであるRAM13、各種インターフェイス(I/F)17a〜17dが接続され、ハードディスクドライブ15を介して磁気ディスクであるハードディスク(HD)14も接続されている。
HD14にはオペレーティングシステム(OS)やアプリケーションプログラム(APL)等が記憶されており、これらはCPU11によって適宜RAM13に転送され、実行される。本実施形態では、HD14は、本発明の誤差情報取得プログラムまたは印刷制御プログラム、誤差情報としてのカラー調整ID(以下、単にIDと言う)14a、複数の色修正データ14b、色変換ルックアップテーブル(LUT)、ドット振分テーブル14d、選択色成分を示すデータ14e、標準記録率テーブルTB等を記憶した所定の記憶領域とされている。
I/F17a(例えばUSB I/F)には、測色機40が接続されている。測色機40は、測色する対象に色検出部40aを向けることにより、Lab表色系に基づく複数の色成分L,a,bの値を測色データとして取得可能であり、取得した色成分値をコンピュータ10に出力可能である。ここで、Lab色空間はデバイスに依存しない均等色空間である。むろん、測色する色空間は、CIE規定のL*u*v*色空間、CIE規定のXYZ色空間、RGB色空間等であってもよい。なお、後述するカラーチャート(複数のパッチを集合させた画像)の測色は上記測色機40を用いる場合に限られず、スキャナ等を用いてもよい。
I/F17bにはカラー画像データに基づいて当該データに対応する画像を表示するディスプレイ18aが接続され、入力I/F17cにはキーボード18bやマウス18cが操作用入力機器として接続され、プリンタI/F17dには例えばシリアルI/Fケーブルを介してプリンタ20が接続されている。
プリンタ20は、コンピュータ10によって制御される印刷装置であり、その構成は、後述の、IDの設定対象となる量産プリンタ20b、量産プリンタ20bの設計基準となる基準プリンタ20a、第1の比較用プリンタおよび第2の比較用プリンタと共通である。プリンタ20は、複数の色(本実施形態では、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)とする。)にそれぞれ対応して設けられた複数のインクカートリッジ28に充填されたインクを印刷ヘッド29a〜29dから吐出して、印刷用紙(印刷媒体)に付着させてドットを形成することにより印刷データに対応する印刷画像を印刷する。ただし、用いるインクの種類や数は上記のものに限られず、ライトシアン、ライトマゼンタ、ライトブラック、ダークイエロー、レッド、バイオレット、無着色インク等、各種インクを使用できる。また、インク通路内に泡を発生させてインクを吐出するバブル方式のプリンタや、トナーインクを使用して印刷用紙上に印刷画像を印刷するレーザープリンタ等、種々のプリンタを採用可能である。プリンタが使用するインクは、液体でも固体でもよい
プリンタ20では、CPU21、ROM22、RAM23、通信I/O24、コントロールIC25、ASIC26、I/F27等がバス32を介して接続され、CPU21がROM22に書き込まれたプログラムに従って各部を制御する。
印刷ヘッドユニット(印刷ヘッド29a〜29dの集合体)29は、不揮発性半導体メモリ31を備えている。このメモリ31はEEPROM等とすることができ、後述のID設定処理にて取得するID等が記録される。各カートリッジ28には、例えばRAMからなるメモリチップ28aがそれぞれ設けられており、各メモリチップ28aは電気的にコントロールIC25と接続されている。
印刷ヘッドユニット(印刷ヘッド29a〜29dの集合体)29は、不揮発性半導体メモリ31を備えている。このメモリ31はEEPROM等とすることができ、後述のID設定処理にて取得するID等が記録される。各カートリッジ28には、例えばRAMからなるメモリチップ28aがそれぞれ設けられており、各メモリチップ28aは電気的にコントロールIC25と接続されている。
通信I/O24はコンピュータ10のプリンタI/F17dと接続され、プリンタ20は通信I/O24を介してコンピュータ10から送信される色別のラスタデータを受信する。ASIC26は、CPU21と所定の信号を送受信しつつヘッド駆動部26aに対してラスタデータに対応する印加電圧データを出力する。同ヘッド駆動部26aは、同印加電圧データから印刷ヘッド29a〜29dに内蔵されたピエゾ素子への印加電圧パターン(駆動波形)を生成し、印刷ヘッド29a〜29dに各色のインクをドット単位で吐出させる。
I/F27にはキャリッジ機構27aが接続されている。キャリッジ機構27aは、プリンタ20に備えた図示しないガイドレールに沿って不図示のキャリッジを往復動させる駆動装置である。キャリッジには、各インクカートリッジ28および印刷ヘッドユニット29が搭載されており、その結果、各インクカートリッジ28および印刷ヘッドユニット29がガイドレールに沿って往復動することになる。以下においては、キャリッジが往復動する方向を主走査方向と呼ぶ。また、I/F27には紙送り機構27bが接続されている。紙送り機構27bは、不図示の紙送りローラによって印刷用紙を上記主走査方向と略直交する方向(副走査方向)に所定の速度で搬送する。
印刷ヘッド29a〜29dには、夫々に複数個のインクジェットノズルが設けられるとともに、同ノズルのそれぞれに対応してピエゾ素子が配置されている。
図2に示すように、ピエゾ素子PEは、ノズルNzまでインクを導くインク通路25bに接する位置に設置され、ピエゾ素子PEの両端に設けられた電極間に所定時間幅の電圧が印加されると、電圧の印加時間だけ伸張し、インク通路25bの一側壁を変形させる。この結果、インク通路25bの体積はピエゾ素子PEの伸張に応じて収縮し、この収縮分に相当するインクがインク滴IpとなってノズルNzの先端から高速に吐出され、印刷用紙に染み込むことによりドットが形成されて印刷が行われる。
図2に示すように、ピエゾ素子PEは、ノズルNzまでインクを導くインク通路25bに接する位置に設置され、ピエゾ素子PEの両端に設けられた電極間に所定時間幅の電圧が印加されると、電圧の印加時間だけ伸張し、インク通路25bの一側壁を変形させる。この結果、インク通路25bの体積はピエゾ素子PEの伸張に応じて収縮し、この収縮分に相当するインクがインク滴IpとなってノズルNzの先端から高速に吐出され、印刷用紙に染み込むことによりドットが形成されて印刷が行われる。
同図にはドットサイズ(1ドットあたりのインク量。ドット径でもよい。)の異なる所定数の種類のドットを形成するための駆動波形Vを示してあり、所定の期間の小波形v1,v2の発生の有無によってインク量の異なるドットが形成される。ここで、小波形の電圧差が大きいほどピエゾ素子の伸張収縮の度合が大きくなり、小波形v1のみを発生させた場合、小波形v2のみを発生させた場合、小波形v1,v2の両方を発生させた場合の順に、吐出されるドットのインク量が段階的に多くなる。本実施形態では、プリンタ20は、上記駆動波形Vを含めて3パターンの駆動波形を発生可能であり、かつ各駆動波形においては小波形の発生を使い分けることにより大中小3種類のドットを形成できる。そのため、プリンタ20の各印刷ヘッドは、大ドット、中ドット、小ドットをそれぞれ3種類、計9種類(大ドット1〜3,中ドット1〜3,小ドット1〜3)のドットを吐出可能である。コンピュータ10がプリンタ20に送信するラスタデータにはドット種類を識別するための識別情報が付加されており、プリンタ20は、ラスタ毎にドット種類を表現するラスタデータを入力すると、ラスタデータに対応してインク量の異なる複数種類のドットを印刷用紙上に形成する。
コンピュータ10ではOSにプリンタI/F17dを制御するプリンタドライバ等が組み込まれ、各種の制御を実行する。APLは、OSを介してハードウェアとデータ等のやりとりを行う。プリンタドライバは、APLの印刷機能の実行時に稼働され、プリンタI/F17dを介してプリンタ20と双方向の通信を行うことが可能であり、OSを介してAPLから画像データを受け取ってラスタデータに変換し、プリンタ20に送出する。
(2)ID設定処理
図3は、ID設定処理を実施するために適したシステムを概略的に示している。同図によれば、コンピュータ10には測色機40が接続されるとともに、ID設定対象とした量産プリンタ20bが順次接続される。また、コンピュータ10には、必要に応じて基準プリンタ20aや第1の比較用プリンタ、第2の比較用プリンタが接続される。基準プリンタ20aは、各量産プリンタ20bと同型のプリンタであって、上述しように各量産プリンタ20bの設計基準となる機体である。
図3は、ID設定処理を実施するために適したシステムを概略的に示している。同図によれば、コンピュータ10には測色機40が接続されるとともに、ID設定対象とした量産プリンタ20bが順次接続される。また、コンピュータ10には、必要に応じて基準プリンタ20aや第1の比較用プリンタ、第2の比較用プリンタが接続される。基準プリンタ20aは、各量産プリンタ20bと同型のプリンタであって、上述しように各量産プリンタ20bの設計基準となる機体である。
上記IDは、量産プリンタ20bの製造工程において、各量産プリンタ20b毎に設定されるものであり、対象とした量産プリンタ20bに印刷させたカラーチャートAの測色結果を用いて算出する。このようにして算出された値は、量産プリンタ20b毎に固有の、インク吐出量の基準プリンタ20aとのずれの程度を表している。
図4は、コンピュータ10が実行するID設定処理の概略を示したフローチャートである。当該処理は、上記誤差情報取得プログラムまたは印刷制御プログラムに従って実行される。
図4は、コンピュータ10が実行するID設定処理の概略を示したフローチャートである。当該処理は、上記誤差情報取得プログラムまたは印刷制御プログラムに従って実行される。
図4に示すように、ID設定処理は概略、選択色成分を特定するステップ(S200)と、標準ドット記録率を特定するステップ(S210)と、標準ドット記録率を用いて、量産プリンタ20aにカラーチャートAを印刷させるステップ(S220)と、測色機40によるカラーチャートAの測色によって得られた測色データを測色機40から入力するステップ(S230)と、入力した測色データに基づいてIDを算出するステップ(S240)と、算出したIDを量産プリンタ20aのメモリ31に記録するステップ(S250)とからなる。各ステップの詳細について以下に説明する。
(2‐1)選択色成分の特定および標準ドット記録率の特定
まず、S200の選択色成分の特定処理を説明する。
当該処理を実行するに際しては、図3に示すように、基準プリンタ20aがコンピュータ10に接続された状態とする。そして、基準プリンタ20aの所定の印刷ヘッド(例えば、印刷ヘッド29c)からその印刷ヘッドに対応する色のインク(印刷ヘッド29cの場合はYインク)が吐出されるようにした状態で、コンピュータ10は、基準プリンタ20aに、インク記録量を複数段階で変化させた色成分選択用パッチP0を印刷用紙に印刷させる制御を実行する。この場合、CPU11は、予めHD14に記憶しておいた、複数段階のドット記録率に対応する複数のパッチを表現する所定のパッチ画像データを取得し、RAM13に一時的に保存する。同パッチ用画像データは、一色無地のパッチを多数の画素で階調表現したデータである。同パッチ用画像データに対して所定のハーフトーン処理、ラスタライズ処理を行い、生成されたラスタライズデータを基準プリンタ20aに送出することにより、同パッチ画像データに対応した複数の色成分選択用パッチP0を基準プリンタ20aに対して印刷させる制御を行なう。
まず、S200の選択色成分の特定処理を説明する。
当該処理を実行するに際しては、図3に示すように、基準プリンタ20aがコンピュータ10に接続された状態とする。そして、基準プリンタ20aの所定の印刷ヘッド(例えば、印刷ヘッド29c)からその印刷ヘッドに対応する色のインク(印刷ヘッド29cの場合はYインク)が吐出されるようにした状態で、コンピュータ10は、基準プリンタ20aに、インク記録量を複数段階で変化させた色成分選択用パッチP0を印刷用紙に印刷させる制御を実行する。この場合、CPU11は、予めHD14に記憶しておいた、複数段階のドット記録率に対応する複数のパッチを表現する所定のパッチ画像データを取得し、RAM13に一時的に保存する。同パッチ用画像データは、一色無地のパッチを多数の画素で階調表現したデータである。同パッチ用画像データに対して所定のハーフトーン処理、ラスタライズ処理を行い、生成されたラスタライズデータを基準プリンタ20aに送出することにより、同パッチ画像データに対応した複数の色成分選択用パッチP0を基準プリンタ20aに対して印刷させる制御を行なう。
図5では、基準プリンタ20aによって、ドット記録率を10%刻みで変化させた10〜90%の9段階の色成分選択用パッチP0を印刷用紙に印刷した場合を示している。ドット記録率とは、印刷用紙上の所定面積における全画素数に対する形成ドット数の比であって、インク記録量の一種とする。各パッチP0は測色機40を用いて測色され、コンピュータ10は測色機40から各パッチP0の測色データを取得する。そして、コンピュータ10は、各パッチP0の測色データと各パッチP0を印刷した際のドット記録率とに基づいて、測色データを構成する複数の色成分Labの中から、ドット記録率の変化に対して最も変化の大きい色成分を選択色成分として特定する。
図6は、上記色成分選択用パッチP0をLab空間で測色した結果の一例を示している。横軸はドット記録率(%単位)であり、縦軸はLab色空間を定義するL,a,bの各成分の大きさである。同図の例では、色成分Labの中でドット記録率の変化に対してb成分が最も変化が大きいため、Yインクについての選択色成分はb成分と特定する。例えば、互いに異なる色成分選択用パッチP0のドット記録率をR1,R2(例えば、R1=10%、R2=90%)、ドット記録率R1のパッチを測色したときの色成分LabをそれぞれL1,a1,b1、ドット記録率R2のパッチを測色したときの色成分LabをそれぞれL2,a2,b2とする。記録率R1,R2の両パッチについての色成分の差異としてΔL=|L2−L1|、Δa=|a2−a1|、Δb=|b2−b1|を算出すると、ΔL,Δa,Δbは、記録率R1,R2のパッチの色成分の違いが大きくなるほど大きい値となる。そこで、ΔL,Δa,Δbの中から最大の算出値に対応する色成分を選択色成分として特定することができる。
このようにして、コンピュータ10は選択色成分を特定する。上記の例では、Yインクについての選択色成分を特定する処理を説明したが、Lab成分のうち何れが選択色成分となるかはインク色によって異なる。そのため、コンピュータ10は、各インク種類毎に、図5に示したような色成分選択用パッチの印刷およびその測色データの解析を行い、各インク種類毎の選択色成分を特定する。ここで、Kインクについては、インク記録率の変化に対してL成分は大きく変化するものの、a,b成分は殆ど変化しないという特徴を持っているため、その選択色成分はL成分になる。
コンピュータ10は、このように特定した選択色成分を表すデータ14eをHD14に記憶する。選択色成分は後述するようにIDの算出の際に用いられる。
コンピュータ10は、このように特定した選択色成分を表すデータ14eをHD14に記憶する。選択色成分は後述するようにIDの算出の際に用いられる。
次に、S210では、標準ドット記録率を特定する。標準ドット記録率とは、カラーチャートAを構成する各パッチP1を印刷するためのドット記録率であり、基本的には、各印刷ヘッドと印刷ヘッドにて吐出可能なドット種類との組合せ毎に決定される。各標準ドット記録率は、インク吐出量のばらつきによる測色データの変動量の最も大きいドット記録率という指針に基づいて決定する。
標準ドット記録率の特定方法について説明する。
コンピュータ10は、基準プリンタ20aと同型のプリンタである第1の比較用プリンタに、一の印刷ヘッド(例えば、印刷ヘッド29c)からその印刷ヘッドに対応する色のインク(印刷ヘッド29cの場合はYインク)が吐出される状態として、大ドット1、中ドット1、小ドット1の夫々を用いて、複数段階のドット記録率(例えば、10%〜90%)に基づいて複数の第1比較用パッチを印刷させる。また同様に、基準プリンタ20aと同型のプリンタである第2の比較用プリンタに、上記一の印刷ヘッド(印刷ヘッド29c)からその印刷ヘッドに対応する色のインク(Yインク)が吐出される状態として、大ドット1、中ドット1、小ドット1の夫々を用いて上記複数段階のドット記録率に基づいて複数の第2比較用パッチを印刷させる。ここで、第1の比較用プリンタとは、各印刷ヘッドにおいて、基準プリンタ20aと比べて吐出するインク量が多い機体であり、第2の比較用プリンタとは、各印刷ヘッドにおいて、基準プリンタ20aと比べて吐出するインク量が少ない機体であるとする。
コンピュータ10は、基準プリンタ20aと同型のプリンタである第1の比較用プリンタに、一の印刷ヘッド(例えば、印刷ヘッド29c)からその印刷ヘッドに対応する色のインク(印刷ヘッド29cの場合はYインク)が吐出される状態として、大ドット1、中ドット1、小ドット1の夫々を用いて、複数段階のドット記録率(例えば、10%〜90%)に基づいて複数の第1比較用パッチを印刷させる。また同様に、基準プリンタ20aと同型のプリンタである第2の比較用プリンタに、上記一の印刷ヘッド(印刷ヘッド29c)からその印刷ヘッドに対応する色のインク(Yインク)が吐出される状態として、大ドット1、中ドット1、小ドット1の夫々を用いて上記複数段階のドット記録率に基づいて複数の第2比較用パッチを印刷させる。ここで、第1の比較用プリンタとは、各印刷ヘッドにおいて、基準プリンタ20aと比べて吐出するインク量が多い機体であり、第2の比較用プリンタとは、各印刷ヘッドにおいて、基準プリンタ20aと比べて吐出するインク量が少ない機体であるとする。
そして、コンピュータ10は、上記大ドット1で印刷された複数段階のドット記録率に対応する第1比較用パッチ、中ドット1で印刷された複数段階のドット記録率に対応する第1比較用パッチ、小ドット1で印刷された複数段階のドット記録率に対応する第1比較用パッチ、大ドット1で印刷された複数段階のドット記録率に対応する第2比較用パッチ、中ドット1で印刷された複数段階のドット記録率に対応する第2比較用パッチ、小ドット1で印刷された複数段階のドット記録率に対応する第2比較用パッチ、についての測色機40による測色によって得られた測色データを入力するとともに、パッチを形成するドット種類およびドット記録率が共通する第1比較用パッチ、第2比較用パッチ間の選択色成分(b成分)の変動量を求める。
図7は、上記選択色成分の変動量の変化をグラフにした結果の一例である。
同図の横軸はドット記録率であり、縦軸は選択色成分の変動量(Vb)である。同図から解かるように、一般に、選択色成分の変動量Vbが最大となるドット記録率は、インク量が多いドット種類であるほど低くなる。コンピュータ10は、各ドット種類毎の上記選択色成分の変動量の推移に基づいて、その変動量が最も大きくなるドット記録率を各ドット種類毎に特定し、これらを、第1比較用パッチおよび第2比較用パッチの印刷に用いた印刷ヘッド(上記の例では、Yインクに対応する印刷ヘッド29c)についての、ドット種類毎(上記の例では、大ドット1、中ドット、小ドット)の標準ドット記録率とする。なお、残りの印刷ヘッドとドット種類との各組合せについても、上記のように、第1の比較用プリンタおよび第2の比較用プリンタによる印刷結果を用いて、選択色成分の変動量が最も大きいドット記録率を特定し、それらを各組合せについての標準ドット記録率とする。
同図の横軸はドット記録率であり、縦軸は選択色成分の変動量(Vb)である。同図から解かるように、一般に、選択色成分の変動量Vbが最大となるドット記録率は、インク量が多いドット種類であるほど低くなる。コンピュータ10は、各ドット種類毎の上記選択色成分の変動量の推移に基づいて、その変動量が最も大きくなるドット記録率を各ドット種類毎に特定し、これらを、第1比較用パッチおよび第2比較用パッチの印刷に用いた印刷ヘッド(上記の例では、Yインクに対応する印刷ヘッド29c)についての、ドット種類毎(上記の例では、大ドット1、中ドット、小ドット)の標準ドット記録率とする。なお、残りの印刷ヘッドとドット種類との各組合せについても、上記のように、第1の比較用プリンタおよび第2の比較用プリンタによる印刷結果を用いて、選択色成分の変動量が最も大きいドット記録率を特定し、それらを各組合せについての標準ドット記録率とする。
このように本実施形態では、各インク種類に対応する印刷ヘッドとドット種類との組合せ毎に、吐出されるインク量が微妙に異なる場合にも測色結果において違いが明確に出やすい標準ドット記録率というものを求めておく。コンピュータ10は、このように特定した印刷ヘッドとドット種類との組合せ毎の標準ドット記録率をまとめて記述した標準記録率テーブルTBをHD14に記憶する。
(2−2)カラーチャートの印刷
S220では、IDの設定対象となっている量産プリンタ20bの各印刷ヘッド29a〜29dからそれぞれ対応する種類のインク(CMYK)が吐出される状態で、コンピュータ10は、この量産プリンタ20bに、上記標準ドット記録率に基づいて、図8に示すカラーチャートAを印刷用紙に印刷させる。本発明においては、コンピュータ10が量産プリンタ20bに印刷させるカラーチャートAの各パッチの配置に大きな特徴がある。
S220では、IDの設定対象となっている量産プリンタ20bの各印刷ヘッド29a〜29dからそれぞれ対応する種類のインク(CMYK)が吐出される状態で、コンピュータ10は、この量産プリンタ20bに、上記標準ドット記録率に基づいて、図8に示すカラーチャートAを印刷用紙に印刷させる。本発明においては、コンピュータ10が量産プリンタ20bに印刷させるカラーチャートAの各パッチの配置に大きな特徴がある。
図8に示すように、カラーチャートAは主走査方向および副走査方向それぞれに複数のパッチを連続して印刷することにより構成されている。カラーチャートAの各パッチは、いずれも一色の無地であり、一つの印刷ヘッドを用いて一つのドット種類のみで印刷されている。同図においては、各パッチ上に記したアルファベットによってパッチの印刷に用いたインク種類とドット種類とを示している。具体的には、“CS”はCインクの小ドット1、“CM”はCインクの中ドット1、“CL”はCインクの大ドット1、“MS”はMインクの小ドット1、“MM”はMインクの中ドット1、“ML”はMインクの大ドット1、“YS”はYインクの小ドット1、“YM”はYインクの中ドット1、“YL”はYインクの大ドット1、“KS”はKインクの小ドット1、“KM”はKインクの中ドット1、“KL”はKインクの大ドット1、を吐出することによって印刷したパッチである。
むろん、カラーチャートAの各パッチは、その印刷ヘッドとドット種類との組合せに対応する上記標準ドット記録率によって印刷する。また、カラーチャートAにおいては、CS1,CS2,CS3,CS4、MS1,MS2,MS3,MS4…、というように、インク種類(印刷ヘッド)とドット種類の組み合せが同じであるパッチを複数配置している。このような組み合せが同じであるパッチは、ドット記録率も当然共通である。同図では、インク種類とドット種類の組み合せが同じであるパッチについて1〜4の数字を付して区別することにより、以下の説明を容易にしている。
このように本実施形態では、インク記録率、印刷に用いるインク種類(印刷ヘッド)、ドット種類といった各条件を全て共通にしたパッチ(条件共通パッチ)を、印刷用紙上の複数位置に印刷している。これは、上記各条件が同じであっても、各量産プリンタ20b固有の機械的誤差に起因して、印刷用紙上での印刷位置が異なることでその測色結果が異なってしまい、一つの印刷位置に印刷されたパッチの測色結果のみを用いてIDを算出すると、ID自体の値も量産プリンタ20bのインク吐出性能を正確に表したものとならないからである。
カラーチャートAにおける各パッチの配置について詳述する。
本実施形態では、コンピュータ10は、主走査方向と副走査方向とについて、それぞれ特定の思想に基づいてパッチの配置を決定している。まず、主走査方向においては、条件共通パッチを、印刷ヘッドユニット29の移動速度が異なる複数の位置に配置する。
図8では、カラーチャートAの下に、キャリッジ機構27aによって主走査方向に往復動する印刷ヘッドユニット29の速度の変化をグラフにより併記している。同グラフに示すように、印刷ヘッドユニット29の速度は、印刷用紙の両端付近においては低速の傾向にあり、中央付近で最も早くなる傾向にある。
本実施形態では、コンピュータ10は、主走査方向と副走査方向とについて、それぞれ特定の思想に基づいてパッチの配置を決定している。まず、主走査方向においては、条件共通パッチを、印刷ヘッドユニット29の移動速度が異なる複数の位置に配置する。
図8では、カラーチャートAの下に、キャリッジ機構27aによって主走査方向に往復動する印刷ヘッドユニット29の速度の変化をグラフにより併記している。同グラフに示すように、印刷ヘッドユニット29の速度は、印刷用紙の両端付近においては低速の傾向にあり、中央付近で最も早くなる傾向にある。
このように、主走査方向の印刷位置によって印刷ヘッドユニット29の速度が異なると、印刷用紙上に付着するドットの重なり具合も印刷位置に応じて変化してしまい、結果的に、条件共通パッチであっても主走査方向の印刷位置が異なることでその濃度に微妙な差異が出てしまう。また、各量産プリンタ20bでは、印刷用紙とキャリッジが往復動するガイドレールとの距離が厳密には一定ではない、いわゆるプラテンギャップの誤差があるため、かかるプラテンギャップの誤差も主走査方向における印刷濃度のむらを発生させる原因となっている。そこで、図8の例のように、CSパッチであれば、紙面の左端にCS1を、中央付近にCS2を配置し、KSパッチであれば、紙面の右端にKS2を、中央付近にKS1を配置し、また、CSパッチ、KSパッチ以外の、条件共通パッチの各グループについても、それぞれ印刷ヘッドユニット29の移動速度が異なる複数の位置に配置している。このようなパッチのレイアウトを採用することにより、インク記録率、印刷に用いるインク種類(印刷ヘッド)、ドット種類の各条件は共通であるが、主走査方向の印刷位置が異なることでその濃度に微妙な差異が生じている複数のパッチを、各条件毎に印刷することができる。
一方、副走査方向においては、紙送り機構27bの紙送り周期に対応する印刷用紙上の範囲に、複数の条件共通パッチを配置する。より具体的には、紙送り機構27bが備える紙送りローラの周期に対応する印刷用紙上の距離を複数の条件共通パッチにて連続して埋めるように各パッチを配置する。図8においては、カラーチャートAの左方に範囲Tを示しており、当該範囲Tが、紙送りローラの1周分の距離に対応している。紙送りローラ表面の1周の距離は例えば1インチであり、この副走査方向の1インチの距離を、複数の条件共通パッチによって埋める。言い換えれば、上記範囲Tの距離を所定の整数で割って得られた距離を一パッチの副走査方向の長さとする。同図においては、紙送りローラの周期に対応する印刷用紙上の距離を2つの条件共通パッチを連続させて埋めている。
各量産プリンタ20bにおいては紙送りローラの回転速度は厳密には一定でなく、ローラを回転駆動させる動力機構の精度やローラの組み付け精度などにより、一回転の間に回転速度が微妙に遅くなったり早くなったりする。そして、このように紙送りローラの回転速度が一回転の間に微妙に変化すると、印刷用紙上に付着するドットの重なり具合も副走査方向において変化してしまう。そこで、本実施形態では、上述したように、紙送りローラの周期に対応する印刷用紙上の距離を複数の条件共通パッチにて埋めるレイアウトを採用することにより、紙送りローラの周期に対応する印刷用紙上の距離毎に繰り返し生じる印刷濃度の変化が、インク記録率、印刷に用いるインク(印刷ヘッド)、ドット種類の各条件が共通である複数のパッチの濃度に一通り表われるようにしている。
なお、図8では説明の容易のため、各印刷ヘッドと小ドット1、中ドット1、大ドット1との組合せによってそれぞれ印刷したパッチのみを示しているが、実際には、各印刷ヘッドと小ドット2、中ドット2、大ドット2、小ドット3、中ドット3、大ドット3との組合せによるパッチも印刷され、かつ、それぞれの条件共通パッチの各グループも、上述した配置の思想に基づいて印刷位置が決定されていることは言うまでもない。
(2−3)IDの算出
S230では、上記カラーチャートAの各パッチを測色機40によって測色するとともに、コンピュータ10は、各パッチの測色データ(Lab)を測色機40から入力する。コンピュータ10は、このように入力した各パッチの測色データを、HD14等の所定の記憶領域に記憶する。
S240では、コンピュータ10は、上記入力した各パッチの測色データに基づいて、印刷ヘッドとドット種類との各組合せ毎のIDを算出する。
S230では、上記カラーチャートAの各パッチを測色機40によって測色するとともに、コンピュータ10は、各パッチの測色データ(Lab)を測色機40から入力する。コンピュータ10は、このように入力した各パッチの測色データを、HD14等の所定の記憶領域に記憶する。
S240では、コンピュータ10は、上記入力した各パッチの測色データに基づいて、印刷ヘッドとドット種類との各組合せ毎のIDを算出する。
図10は、S240のID算出処理の詳細をフローチャートにより示している。
S241においては、コンピュータ10は、インク種類とドット種類との全組合せ(例として、インク種類が4種類、ドット種類が9種類である場合には、計36の組合せが存在する。)の中から、ID算出の対象とする組合せを一つ決定する。
次に、S242では、コンピュータ10は、上記決定した組合せにかかるパッチの測色データのうち選択色成分をHD14等の所定の記憶領域から取得する。例えば、Cインクであって小ドット1という組合せの場合には、各CSパッチ(CS1〜CS4)の選択色成分を取得する。
S241においては、コンピュータ10は、インク種類とドット種類との全組合せ(例として、インク種類が4種類、ドット種類が9種類である場合には、計36の組合せが存在する。)の中から、ID算出の対象とする組合せを一つ決定する。
次に、S242では、コンピュータ10は、上記決定した組合せにかかるパッチの測色データのうち選択色成分をHD14等の所定の記憶領域から取得する。例えば、Cインクであって小ドット1という組合せの場合には、各CSパッチ(CS1〜CS4)の選択色成分を取得する。
S243では、コンピュータ10は、S242において取得した各パッチの選択色成分の平均値を算出する。つまり、各パッチの選択色成分はパッチの印刷位置が互いに異なるためにその値も異なっていることが予想されるが、これらを平均することにより、量産プリンタ20bの機械的誤差に起因する主走査方向および副走査方向における印刷濃度の違いの影響を排除するのである。
S244では、コンピュータ10は、上記算出した選択色成分の平均値に基づいてIDを算出する。本実施形態においては、上記平均値をDaveとした場合、一例として、
ID=int(α・Dave+β)
なる式によって求める。ここで、intとは、小数点付きの数値を整数にする関数の意であり、αおよびβは所定の係数である。
S244では、コンピュータ10は、上記算出した選択色成分の平均値に基づいてIDを算出する。本実施形態においては、上記平均値をDaveとした場合、一例として、
ID=int(α・Dave+β)
なる式によって求める。ここで、intとは、小数点付きの数値を整数にする関数の意であり、αおよびβは所定の係数である。
S245では、コンピュータ10は、インク種類とドット種類との全組合せについて、IDを算出したか否か判断し、ID未算出の組合せが存在する場合には、S241のステップに戻り、ID算出対象の組合せを更新した上で、S242以下の処理を繰り返す。一方、全ての組合せについてIDを算出し終えた場合には、図4のS250に進む。
S250では、コンピュータ10は、上記IDを量産プリンタ20bの印刷ヘッドユニット29のメモリ31に記憶する。その結果、量産プリンタ20bにおける、各インク種類に対応する印刷ヘッド29a〜29dとドットの種類との全組合せについてのIDの設定処理が完了する。生成したIDは、Lab色空間の色成分L,a,bの中からインク記録量の変化に対して最も変化の大きい色成分として特定された選択色成分のみの大きさに基づいて算出された誤差情報である。
図11は、カラーチャートAの各パッチの測色データ(選択色成分)と平均値とIDとを表にして示している。
同図では、左端の縦列に記した“CS”などのアルファベットと、最上段の行に記した“1〜4”の数字が、図8の各パッチに記したアルファベットおよび数字に対応している。また、左端の縦列中に括弧書きで示したL,a,bの記載は、対応するパッチについての選択色成分を示している。CSパッチを例に説明すると、CS1の選択色成分bの値は3.85であり、CS2の選択色成分bの値は38.1であり、CS3の選択色成分bの値は39.7であり、CS4の選択色成分bの値は39.1であり、その平均値は38.9であり、平均値と上記式とに基づいて算出したIDは78である。なお、当該計算においては、α=2.0、β=0.5としている。CMパッチ等その他の条件共通パッチについての選択色成分や、平均値や、IDは、同図に示す通りである。
同図では、左端の縦列に記した“CS”などのアルファベットと、最上段の行に記した“1〜4”の数字が、図8の各パッチに記したアルファベットおよび数字に対応している。また、左端の縦列中に括弧書きで示したL,a,bの記載は、対応するパッチについての選択色成分を示している。CSパッチを例に説明すると、CS1の選択色成分bの値は3.85であり、CS2の選択色成分bの値は38.1であり、CS3の選択色成分bの値は39.7であり、CS4の選択色成分bの値は39.1であり、その平均値は38.9であり、平均値と上記式とに基づいて算出したIDは78である。なお、当該計算においては、α=2.0、β=0.5としている。CMパッチ等その他の条件共通パッチについての選択色成分や、平均値や、IDは、同図に示す通りである。
このように本発明によれば、主走査方向や副走査方向における印刷用紙上の異なる位置に条件共通パッチを複数配置させ、これらの平均値に基づいてIDを算出するとした。そのため、量産プリンタ20b毎の、キャリッジ機構27aの駆動誤差やプラテンギャップの誤差さらには紙送り機構27bの駆動誤差などのインク吐出能力以外の機械的誤差によって生じてしまう、印刷媒体上の各位置での印刷濃度のばらつきの影響を排除して、量産プリンタ20bのインク吐出量のばらつきを純粋に表すIDを取得することが可能となった。また、この結果、上記IDを用いて後述の印刷データの色修正を行うことにより、量産プリンタ20bにおけるインク吐出量のばらつきによる色ずれを高精度に補償した色再現性の極めて高い印刷画像を出力できるようになった。
本実施形態では、複数台の量産プリンタ20bをコンピュータ10に順次接続してID設定処理を各量産プリンタ20bに対して行うが、図4のS200およびS210の処理は、1台目の量産プリンタ20bに対するID設定処理の際に一度行えばよく、2台目以降の量産プリンタ20bに対するID設定処理では、S220から処理をスタートすればよい。
なお、IDの算出方法は上述した計算式に限られない。IDは、上記平均値と予め求めておいた所定の基準測色データとを対比することによって算出してもよい。
ここで、基準測色データとは、コンピュータ10が予め上記基準プリンタ20aに印刷させた色修正の基準としたパッチの測色結果である。つまり、コンピュータ10は、上記基準プリンタ20aの各印刷ヘッド29a〜29dからそれぞれ対応する種類のインクが吐出される状態において、基準プリンタ20aに、上記標準ドット記録率に基づいて、インク種類(印刷ヘッド)とドット種類との各組合せを用いて複数のパッチを印刷させ、さらに、かかるパッチの測色結果を基準測色データとして取得する処理を、S220よりも前に行っておく。
ここで、基準測色データとは、コンピュータ10が予め上記基準プリンタ20aに印刷させた色修正の基準としたパッチの測色結果である。つまり、コンピュータ10は、上記基準プリンタ20aの各印刷ヘッド29a〜29dからそれぞれ対応する種類のインクが吐出される状態において、基準プリンタ20aに、上記標準ドット記録率に基づいて、インク種類(印刷ヘッド)とドット種類との各組合せを用いて複数のパッチを印刷させ、さらに、かかるパッチの測色結果を基準測色データとして取得する処理を、S220よりも前に行っておく。
そして、S240においては、上記カラーチャートAの測色結果から得た上記平均値と基準測色データ(基準測色データのうちの選択色成分)とを、インク種類(印刷ヘッド)とドット種類とが共通するもの同士で対比し、その差分の大きさに応じてIDを決定する。このように決定したIDは、各量産プリンタ20bの基準プリンタ20aに対するインク吐出量のばらつきを正確に表現したものとなる。
さらに、カラーチャートAにおける各パッチの具体的な配置は、図8に示したものに限られない。
図9は、S220においてコンピュータ10が量産プリンタ20bに上記標準ドット記録率に基づいて印刷させるカラーチャートの他の例を示している。
同図に示すカラーチャートA1は、主走査方向および副走査方向それぞれに複数のパッチを連続して印刷することにより構成されている。ここで、カラーチャートA1は、主走査方向の印刷用紙上での1つの行に条件共通パッチを帯状に配置している。より具体的には、同図の例では、最上段の行を全てCSパッチ(CS1〜CS8)としている。
図9は、S220においてコンピュータ10が量産プリンタ20bに上記標準ドット記録率に基づいて印刷させるカラーチャートの他の例を示している。
同図に示すカラーチャートA1は、主走査方向および副走査方向それぞれに複数のパッチを連続して印刷することにより構成されている。ここで、カラーチャートA1は、主走査方向の印刷用紙上での1つの行に条件共通パッチを帯状に配置している。より具体的には、同図の例では、最上段の行を全てCSパッチ(CS1〜CS8)としている。
上述したように、印刷ヘッドユニット29が主走査方向に往復動する速度は主走査方向上の各位置によって異なるため、測色データの平均値を算出する際のサンプル数はより多いほど主走査方向における印刷濃度のむらの影響を低減することができる。そのため、主走査方向に条件共通パッチを帯状に配置させているのである。
また、図9のカラーチャートA1においても、図8のカラーチャートAと同様に、副走査方向では、紙送り機構27bが備える紙送りローラの周期に対応する印刷用紙上の距離を複数の条件共通パッチにて連続して埋めるように各パッチを配置する。
また、図9のカラーチャートA1においても、図8のカラーチャートAと同様に、副走査方向では、紙送り機構27bが備える紙送りローラの周期に対応する印刷用紙上の距離を複数の条件共通パッチにて連続して埋めるように各パッチを配置する。
つまり、カラーチャートA1では、インク種類(印刷ヘッド)とドット種類とが共通するパッチについて、印刷用紙上において隣り合う主走査方向の2つの行を割り当てて配置し、2行分のパッチ(CSパッチであればCS1〜CS16、MSパッチであればMS1〜MS16)の選択色成分の平均値を算出する。その結果、カラーチャートの印刷および測色にかかる時間は上記カラーチャートAより多くなるものの、算出される平均値は、量産プリンタ20b固有の主走査方向や副走査方向における機械的誤差に起因する印刷濃度のむらの影響を極力排除した、量産プリンタ20bにおけるインク吐出量を極めて正確に反映した値となる。
むろん、コンピュータ10が量産プリンタ20bに印刷させるカラーチャートのパッチの具体的レイアウトは上記二つの例に限られること無く、条件共通パッチを、少なくとも主走査方向において印刷ヘッドユニット29の移動速度が異なる複数の位置に配置したものや、さらに、条件共通パッチを副走査方向において紙送り機構27bの紙送り周期に対応する印刷用紙上の範囲に複数配置したものであれば、あらゆるレイアウトを採用可能である。
上記の説明では、量産プリンタ20bの各印刷ヘッド29a〜29dからそれぞれ対応する色のインク種類が吐出される状態でカラーチャートを印刷していたが、コンピュータ10は、各印刷ヘッドから共通のインク(例えば、Kインク)が吐出される状態においてカラーチャートを印刷してもよい。本発明においては、量産プリンタ20bが各印刷ヘッドによって各種ドットを吐出したときのインク量をパッチの測色結果を介して把握できればよいため、使用するインクの色自体は、印刷ヘッドが本来対応しているインク色と異なるものであっても良い。各印刷ヘッドから共通のインクを吐出させてカラーチャートを印刷した場合にも、上記と同様に、印刷ヘッドおよびドット種類が共通しているパッチについての選択色成分の平均値を求め、同求めた平均値に応じてIDを算出する。
なお、上記のように使用するインク種類を1種類とした場合には、選択色成分を特定する処理は1回でよく、かつ、標準ドット記録率を特定する処理もドット種類の数だけ行えばよいため、IDの設定にかかる作業量が大幅に削減される。また、多数の量産プリンタ20bに対するID設定処理に際してのカラーチャート印刷に用いるインクは大量であるが、1種類だけであれば、多数のインク種類をそれぞれ用意する場合と比較してコストを大幅に低下させることができる。
(3)印刷制御処理
図12は、コンピュータ10に接続した量産プリンタ20bが有するIDを用いて印刷データを修正し、修正後の印刷データに基づいて印刷制御を行う処理を示すフローチャートである。図13は、その処理を模式的に示す図である。図14は、HD14に記憶された複数の色修正データ14bの構造を模式的に示す図である。以下においては、印刷制御の対象となる量産プリンタ20bの各印刷ヘッド29a〜29dからは、夫々が本来対応する種類のCMYKインクが吐出する状態であるとする。
図12は、コンピュータ10に接続した量産プリンタ20bが有するIDを用いて印刷データを修正し、修正後の印刷データに基づいて印刷制御を行う処理を示すフローチャートである。図13は、その処理を模式的に示す図である。図14は、HD14に記憶された複数の色修正データ14bの構造を模式的に示す図である。以下においては、印刷制御の対象となる量産プリンタ20bの各印刷ヘッド29a〜29dからは、夫々が本来対応する種類のCMYKインクが吐出する状態であるとする。
コンピュータ10は、量産プリンタ20bからIDを取得済みであるか否かを判断する(S105)。条件成立の場合、量産プリンタ20bからIDを取得する必要がないと判断してS120に進む。
条件不成立の場合、IDの入手要求を作成して量産プリンタ20bに送信する(S110)。すると、量産プリンタ20bは同入手要求を受信し、印刷ヘッドユニット29のメモリ31から各インク色(各印刷ヘッド)と各ドット種類との全組合せ に対応するIDを読み出してコンピュータ10に対して送信する。コンピュータ10は全IDを取得し、HD14にID14aとして記憶する(S115)。このように、IDが量産プリンタ20bと一体となっているので、ユーザは使用するプリンタを変更しても同プリンタに対応するIDを別途入力する必要がなく便利である。
条件不成立の場合、IDの入手要求を作成して量産プリンタ20bに送信する(S110)。すると、量産プリンタ20bは同入手要求を受信し、印刷ヘッドユニット29のメモリ31から各インク色(各印刷ヘッド)と各ドット種類との全組合せ に対応するIDを読み出してコンピュータ10に対して送信する。コンピュータ10は全IDを取得し、HD14にID14aとして記憶する(S115)。このように、IDが量産プリンタ20bと一体となっているので、ユーザは使用するプリンタを変更しても同プリンタに対応するIDを別途入力する必要がなく便利である。
S120では、コンピュータ10は、複数の画素別とされて複数の要素色に対応した階調データから構成された画像データD1を所定の画像入力装置やHD14等から入力し、画像をRGB毎の複数の画素で階調表現した広域RGB色空間内のRGBデータに変換する。その際、データを部分的に読み込んでもよいし、データの受け渡しに利用されるバッファ領域を表すポインタの受け渡しだけでもよい。入力する画像データD1は、画像をドットマトリクス状である多数の画素毎の階調データで表現したデータであり、sRGB色空間で定義されるRGBから構成された画像データや、YUV表色系におけるYUVから構成された画像データ等がある。むろん、Exif2.2規格(Exifは社団法人電子情報技術産業協会の登録商標)に準拠したデータ、Print Image Matching(PIM:PIMはセイコーエプソン株式会社の登録商標)に対応したデータ等でもよい。画像データの各成分も様々な階調数とされているので、sRGBやYUV表色系等の定義に従って、画像データを広域RGB色空間内のRGB各256階調のRGBデータに変換する。同RGBデータは、複数の要素色RGBで画像を表現した印刷データである。
次に、コンピュータ10は、RGBデータを構成する各画素の階調データを変換対象として順次対象画素を移動させながら、色変換LUTを参照して、上記RGBデータを、CMYKインクのそれぞれの使用量に対応した階調データからなるCMYKデータに色変換する(S125)。色変換LUTは、上記RGBデータと、画像をCMYK毎の同数の画素で階調表現したCMYKデータとの対応関係を複数の参照点について規定した情報テーブルである。入力したRGBデータに一致するCMYKデータが色変換LUTに格納されていない場合には、入力したRGBデータに近い複数のRGBデータに対応するCMYKデータを取得し、体積補間等の補間演算によりRGBデータに対応するCMYKデータに変換する。CMYKデータD2は、RGBデータと同じく画像をドットマトリクス状の複数の画素毎の階調データで表現した印刷データであり、量産プリンタ20bが各印刷ヘッド29a〜29dから夫々に吐出する各インクの使用量を表すCMYK各256階調のデータであるとする。
その後、CMYKデータD2を構成する各画素の階調データを変換対象として順次対象画素を移動させながら、ドット振分テーブル14dを参照することにより、CMYKデータD2を構成するCMYK色別の階調データ(入力階調データ)を、インク量の異なる複数のドット種類別に表すドット量データ(出力階調データ)に変換するドット振り分け処理を行う(S130)。本実施形態では、ID14aを用いてこのドット量データ(印刷データ)を修正することにより色ずれを補償する。
図15の上段に示すように、ドット振分テーブル14dは、量産プリンタ20bで使用されるインクの使用量を表す入力階調データと、ドットの種類別にドット形成量を表す出力階調データとの対応関係を規定した情報テーブルである。同テーブル14dは、色毎に設けられ、入力階調値の各階調におけるドット形成量を表す出力階調値がドット種類別に格納されている。図13では、横軸を入力階調値、縦軸を出力階調値の相対値とし、入力階調値に対する小中大の各ドットのドット量データを模式的に示している。本実施形態では、ドットの大きさの設定モードを3種類設けている。そこで、ドット振り分けテーブル14dには、各設定モード1〜3に対応して、小ドット1と中ドット1と大ドット1を形成する際に参照する出力階調データD11と、小ドット2と中ドット2と大ドット2を形成する際に参照する出力階調データD12と、小ドット3と中ドット3と大ドット3を形成する際に参照する出力階調データD13と、を格納している。
ドット振り分け処理では、上記ドット振分テーブル14dを参照してCMYKデータD2を構成する階調データを、設定モード1〜3いずれかに対応する複数種類のドットの使用量に振り分け、図13に示すように、小ドット用のドット量データD3、中ドット用のドット量データD4、大ドット用のドット量データD5を生成する。これらのドット量データD3〜D5も、CMYKデータD2と同じく画像をドットマトリクス状の画素毎の階調データで表現したデータであり、量産プリンタ20bが印刷ヘッドから吐出する各ドットのインク使用量を表すCMYK各256階調のデータであるとする。
しかしながら、この段階でのドット量データを用いて量産プリンタ20bに印刷を実行させても、印刷媒体上に印刷される画像の色に微妙な誤差が生じていることがある。これは、各印刷ノズル列から吐出されるインク量のずれ、印刷ヘッドをプリンタに組み付けたときに印刷ヘッドに与えられる電圧に微妙なばらつきがある等による。また、この電圧のばらつきや印刷ヘッドの組み付け状態によっては印刷媒体上に形成されるドットが割れるなど略円形とならないことも生じ、その結果として印刷画像の色に微妙なばらつきが生じることがある。そこで、このような色のばらつきを補償させるようにドット量データを修正することにしている。
各ドット量データを生成すると、コンピュータ10は、ドット量データを修正する対象のインク色(インク種類)及びドット種類を設定する(S135)。例えば、各インク色と各ドット種類との組合わせ毎に異なる数値を対応させておき、当該数値を格納するポインタの値を順次更新する等により、全組合わせの中から修正対象のインク色およびドット種類の組合わせを設定すればよい。
ここで、ドット量データを修正するための色修正データ14bについて説明する。
図14に示すように、各色修正データ14bは、所定のIDの値と対応付けられてHD14に格納されている。同図の下段にも示すように、色修正データ14bは、入力階調値Ai(iは0〜255の整数)と出力階調値との対応関係を入力階調値Aiの各階調(全階調)について規定した情報テーブルとされている。入力階調値Aiに対する出力階調値ACiが図の上段の実線のように規定されている。
図14に示すように、各色修正データ14bは、所定のIDの値と対応付けられてHD14に格納されている。同図の下段にも示すように、色修正データ14bは、入力階調値Ai(iは0〜255の整数)と出力階調値との対応関係を入力階調値Aiの各階調(全階調)について規定した情報テーブルとされている。入力階調値Aiに対する出力階調値ACiが図の上段の実線のように規定されている。
次に、設定したインク色およびドット種類の組合わせに対応するID14aをHD14から読み出し、HD14に記憶された複数の色修正データ14bの中から当該ID14aの値に対応する色修正データを特定し、当該色修正データを読み出す(S140)。そして、設定したインク色およびドット種類の組合わせに対応するドット量データを構成する各画素の階調データを変換対象として順次対象画素を移動させながら、S140で読み出した色修正データを参照することにより、対象画素のドット量データを修正していき、修正後のドット量データD6〜D8を生成する(S145)。
本実施形態では、あるインク色とドット種類の組合わせに対応するIDがある基準値N(例えば、ID=90)より小さい場合、量産プリンタ20bが同組合わせによって吐出させるインク量は基準プリンタ20aが同組合せによって吐出させるインク量よりも少なくなっているため、図14に示すように、印刷画像の発色の度合を大きくさせるよう、色修正データは全体の傾向として入力階調値よりも出力階調値が大きくされている。そこで、このような色修正データを参照することによって、IDが基準値Nより小さいインク色およびドット種類の組合わせにかかるドット量データは、全体の傾向として階調値が大きく修正される。一方、IDが基準値Nより大きい場合、量産プリンタ20bが同組合わせによって吐出させるインク量は基準プリンタ20aが同組合せによって吐出させるインク量よりも多くなっているため、同図に示すように、印刷画像の発色の度合を小さくさせるよう、色修正データは全体の傾向として入力階調値よりも出力階調値が小さくされている。そこで、このような色修正データを参照することによって、IDが基準値Nより大きいインク色とドット種類の組合わせにかかるドット量データは、全体の傾向として階調値が小さく修正される。
これにより、量産プリンタ20bによって印刷される画像を色修正することができる。なお、入力階調値よりも出力階調値をどの程度大きく或いは小さくするかという色修正データによる修正の程度は、IDの値の大きさに応じて予め設定しておけばよい。また、IDの算出に用いた選択色成分によっては、IDが大きいほど量産プリンタ20bにおけるインク吐出量が少ないことを示す場合があるが、この場合には、各IDと色修正データとの関係を、値の大きいIDに対しては入力階調値を大きい値に修正する色修正データを対応付け、値の小さいIDに対しては入力階調値を小さい値に修正する色修正データを対応付けるようにすればよい。
その後、各インク色と各ドット種類の全組合わせを設定したか否かを判断し(S150)、条件不成立の場合にはS135〜S150を繰り返し、条件成立の場合にS155に進む。
S155では、ハーフトーン処理部により、ドットの大きさ毎のドット量データに対して誤差拡散法やディザ法や濃度パターン法といった所定のハーフトーン処理を行い、CMYKデータの画素数と同じ画素数であるCMYK別のハーフトーンデータを生成する。ハーフトーンデータは、ドットの形成状況をドットの形成有無として表すデータであり、例えば階調値「1」をドット形成有り、階調値「0」をドット形成無しに対応させて二値化した2階調の二値化データとすることができる。むろん、4階調等のデータとしてもよい。
S155では、ハーフトーン処理部により、ドットの大きさ毎のドット量データに対して誤差拡散法やディザ法や濃度パターン法といった所定のハーフトーン処理を行い、CMYKデータの画素数と同じ画素数であるCMYK別のハーフトーンデータを生成する。ハーフトーンデータは、ドットの形成状況をドットの形成有無として表すデータであり、例えば階調値「1」をドット形成有り、階調値「0」をドット形成無しに対応させて二値化した2階調の二値化データとすることができる。むろん、4階調等のデータとしてもよい。
また、ラスタライズ処理部により、生成したハーフトーンデータに対して所定のラスタライズ処理を行ってプリンタで使用される順番に並べ替え、CMYK別のラスタデータを生成し(S160)、量産プリンタ20bに対して出力して(S165)、フローを終了する。すると、量産プリンタ20bは、画像を表現するラスタデータを入手し、これらのデータに基づいて印刷ヘッド29a〜29dを駆動してインクを吐出して印刷用紙上に付着させ、RGBデータに対応する印刷画像を形成する。ラスタデータは色ずれがCMYK別に補償されたデータであるので、印刷画像は色ずれが補償された画像となる。
なお、色補償時の修正対象の印刷データは、上記ドット量データ以外にも、ハーフトーンデータ、ラスタデータ等とすることも可能である。これらのデータの場合、IDの値に対応する比率で印刷媒体上に形成するドット数を増減させることにより、印刷画像を色補償可能である。また、図15の下段に示すように、ドット振分テーブル14dが各インク色と各ドット種類の全組合わせ毎に規定する出力側の階調値自体を、各IDに対応する色修正データによって修正し、同修正後の出力階調値によってドット振分テーブル14dを書換えてもよい。
また本発明では、各パッチの測色データを構成する各色成分のうち、インク記録量の変化に対して最も変化の大きい選択色成分のみを用いてIDを算出し、このIDの値に応じて印刷データを修正するので、量産プリンタ20bにおける色ずれを高精度に修正できる。同時に、インク記録量の変化に対して最も変化の大きい選択色成分のみを用いてIDを算出しているので、ID算出作業の際に複雑な計算は不要である。従って、ID設定処理を迅速に行うことができる。
10…コンピュータ、11…CPU、12…ROM、13…RAM、14…ハードディスク(HD)、14a…カラー調整ID、14b…色修正データ、14d…ドット振分テーブル、20…プリンタ、20a…基準プリンタ、20b…量産プリンタ、29…印刷ヘッドユニット、29a〜29d…印刷ヘッド、31…不揮発性半導体メモリ、40…測色機、D1…画像データ、D2…CMYKデータ、D3〜D5…修正前のドット量データ(印刷データ)、D6〜D8…修正後のドット量データ(印刷データ)、D11〜D13…出力階調データ
Claims (14)
- インクを吐出させる印刷ヘッドを用いて画像を印刷媒体上に出力可能な印刷装置におけるインク吐出量のずれを表す誤差情報を取得する誤差情報取得方法であって、
上記印刷装置によって、少なくとも印刷ヘッドの主走査方向における印刷媒体上での異なる位置に共通のインク記録量に基づいて印刷される複数のパッチが配置されたカラーチャートを出力するカラーチャート出力工程と、
上記カラーチャートにおける上記共通のインク記録量に基づいて印刷された各パッチの測色結果を入力するとともに、この測色結果に基づいて上記誤差情報を算出する誤差情報算出工程とを備えることを特徴とする誤差情報取得方法。 - 上記カラーチャート出力工程では、上記主走査方向に往復動する上記印刷ヘッドの速度がそれぞれ異なる印刷媒体上の複数位置に、上記共通のインク記録量に基づいて印刷されるパッチを配置することを特徴とする請求項1に記載の誤差情報取得方法。
- 上記カラーチャート出力工程では、上記主走査方向の印刷媒体上での1つの行において上記共通のインク記録量に基づいて印刷されるパッチを帯状に配置することを特徴とする請求項1に記載の誤差情報取得方法。
- 上記カラーチャート出力工程では、上記印刷ヘッドの副走査方向における印刷媒体上での異なる位置に、上記共通のインク記録量に基づいて印刷されるパッチを配置する請求項1〜請求項3のいずれかに記載の誤差情報取得方法。
- 上記カラーチャート出力工程では、上記副走査方向に印刷媒体を搬送する紙送り機構における紙送り周期に対応する印刷媒体上の範囲に、上記共通のインク記録量に基づいて印刷されるパッチを複数配置することを特徴とする請求項4に記載の誤差情報取得方法。
- 上記誤差情報算出工程では、カラーチャート中に配置された上記共通のインク記録量に基づいて印刷された各パッチの測色結果の平均値を求め、この平均値に応じて誤差情報を決定することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の誤差情報取得方法。
- 上記誤差情報算出工程では、パッチの測色結果を構成する複数の色成分のうちインク記録量の変化に対して最も変化の大きい色成分に基づいて誤差情報を算出することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の誤差情報取得方法。
- 上記カラーチャート出力工程では、上記共通のインク記録量を、印刷ヘッドが吐出可能なドットサイズと上記印刷装置が備える各印刷ヘッドとの組合せ毎に設定し、各ドットサイズと各印刷ヘッドとの組合せを用いて対応するインク記録量に基づいて印刷した複数のパッチの集合を上記カラーチャートとして出力し、上記誤差情報算出工程では、このカラーチャートの測色結果に基づいて、各ドットサイズと各印刷ヘッドとの組合せ毎の誤差情報を算出することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の誤差情報取得方法。
- 上記各ドットサイズと各印刷ヘッドとの組合せ毎に設定するインク記録量は、各組合せを用いて印刷を行った場合毎の、インク吐出量のばらつきによる測色結果の変動量の最も大きいインク記録量であることを特徴とする請求項8に記載の誤差情報取得方法。
- インクを吐出させる印刷ヘッドを用いて画像を印刷媒体上に出力可能な印刷装置におけるインク吐出量のずれを表す誤差情報を取得する誤差情報取得装置であって、
上記印刷装置に、少なくとも印刷ヘッドの主走査方向における印刷媒体上での異なる位置に共通のインク記録量に基づいて印刷される複数のパッチが配置されたカラーチャートを出力させるカラーチャート出力手段と、
上記カラーチャートにおける上記共通のインク記録量に基づいて印刷された各パッチの測色結果を入力するとともに、この測色結果に基づいて上記誤差情報を算出する誤差情報算出手段とを備えることを特徴とする誤差情報取得装置。 - インクを吐出させる印刷ヘッドを用いて画像を印刷媒体上に出力可能な印刷装置におけるインク吐出量のずれを表す誤差情報を取得する処理をコンピュータに実行させる誤差情報取得プログラムであって、
上記印刷装置に、少なくとも印刷ヘッドの主走査方向における印刷媒体上での異なる位置に共通のインク記録量に基づいて印刷される複数のパッチが配置されたカラーチャートを出力させるカラーチャート出力機能と、
上記カラーチャートにおける上記共通のインク記録量に基づいて印刷された各パッチの測色結果を入力するとともに、この測色結果に基づいて上記誤差情報を算出する誤差情報算出機能とを実行させることを特徴とする誤差情報取得プログラム。 - インクを吐出させる印刷ヘッドを用いて印刷データに対応する画像を印刷媒体上に出力可能な印刷装置に対し印刷制御を行う印刷制御方法であって、
上記印刷装置に、少なくとも印刷ヘッドの主走査方向における印刷媒体上での異なる位置に共通のインク記録量に基づいて印刷される複数のパッチが配置されたカラーチャートを出力させるカラーチャート出力工程と、
上記カラーチャートにおける上記共通のインク記録量に基づいて印刷された各パッチの測色結果を入力するとともに、この測色結果に基づいて上記印刷装置のインク吐出量のずれを表わす誤差情報を算出する誤差情報算出工程と、
上記誤差情報の値に応じて上記インク吐出量のずれを補正する修正データを決定し、この修正データを用いることにより任意の印刷データから上記印刷装置にて印刷される画像の色ずれを補償させる印刷データに修正し、修正後の印刷データに対応する画像を上記印刷装置に対して印刷させる印刷制御工程とを備えることを特徴とする印刷制御方法。 - インクを吐出させる印刷ヘッドを用いて印刷データに対応する画像を印刷媒体上に出力可能な印刷装置に対し印刷制御を行う印刷制御装置であって、
上記印刷装置に、少なくとも印刷ヘッドの主走査方向における印刷媒体上での異なる位置に共通のインク記録量に基づいて印刷される複数のパッチが配置されたカラーチャートを出力させるカラーチャート出力手段と、
上記カラーチャートにおける上記共通のインク記録量に基づいて印刷された各パッチの測色結果を入力するとともに、この測色結果に基づいて上記印刷装置のインク吐出量のずれを表わす誤差情報を算出する誤差情報算出手段と、
上記誤差情報の値に応じて上記インク吐出量のずれを補正する修正データを決定し、この修正データを用いることにより任意の印刷データから上記印刷装置にて印刷される画像の色ずれを補償させる印刷データに修正し、修正後の印刷データに対応する画像を上記印刷装置に対して印刷させる印刷制御手段とを備えることを特徴とする印刷制御装置。 - インクを吐出させる印刷ヘッドを用いて印刷データに対応する画像を印刷媒体上に出力可能な印刷装置に対しての制御をコンピュータに実行させる印刷制御プログラムであって、
上記印刷装置に、少なくとも印刷ヘッドの主走査方向における印刷媒体上での異なる位置に共通のインク記録量に基づいて印刷される複数のパッチが配置されたカラーチャートを出力させるカラーチャート出力機能と、
上記カラーチャートにおける上記共通のインク記録量に基づいて印刷された各パッチの測色結果を入力するとともに、この測色結果に基づいて上記印刷装置のインク吐出量のずれを表わす誤差情報を算出する誤差情報算出機能と、
上記誤差情報の値に応じて上記インク吐出量のずれを補正する修正データを決定し、この修正データを用いることにより任意の印刷データから上記印刷装置にて印刷される画像の色ずれを補償させる印刷データに修正し、修正後の印刷データに対応する画像を上記印刷装置に対して印刷させる印刷制御機能とを実行させることを特徴とする印刷制御プログラム。
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JP2006041120A JP2007216569A (ja) | 2006-02-17 | 2006-02-17 | 誤差情報取得方法、誤差情報取得装置、誤差情報取得プログラム、印刷制御方法、印刷制御装置および印刷制御プログラム |
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---|---|---|---|---|
JP2010023281A (ja) * | 2008-07-16 | 2010-02-04 | Noritsu Koki Co Ltd | インクジェットプリンタの色補正方法、インクジェットプリンタ、およびインクジェットプリンタシステム |
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-
2006
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