JP2006212907A - 印刷装置、印刷プログラム、印刷方法および画像処理装置、画像処理プログラム、画像処理方法、並びに前記プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

印刷装置、印刷プログラム、印刷方法および画像処理装置、画像処理プログラム、画像処理方法、並びに前記プログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】 飛行曲がり現象により発生する白スジや濃いスジを目立たなくできる印刷装置およびプログラム、印刷方法並びに画像処理装置、プログラム、方法などの提供。
【解決手段】印字ヘッドを備えたインクジェット方式の印刷装置であって、前記印字ヘッドの特性および画像データに基づいて飛行曲がりを起こしている画素を特定し、その飛行曲がり画素近傍の画素の画素値をその飛行曲がり量に応じて補正する。これによって飛行曲がりを起こしている画素近傍の画素のドットサイズが変化するため、白スジや濃いスジによるバンディング現象を解消または殆ど目立たなくすることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ファクシミリ装置や複写機、OA機器のプリンタなどの印刷装置などに係り、特に、複数色の液体インクの微粒子を印刷用紙(記録材)上に吐出して所定の文字や画像を描画するようにした、いわゆるインクジェット方式の印刷装置、印刷プログラム、印刷方法および画像処理装置、画像処理プログラム、画像処理方法、並びに前記プログラムを記録した記録媒体に関するものである。
係るインクジェット方式を採用したプリンタ(以下、「インクジェットプリンタ」と称す)は、一般に安価でかつ高品質のカラー印刷物が容易に得られることから、パーソナルコンピュータやデジタルカメラなどの普及に伴い、オフィスのみならず一般ユーザにも広く普及してきている。
このようなインクジェットプリンタは、一般に、インクカートリッジと印字ヘッドが一体的に備えられたキャリッジなどと称される移動体が印刷媒体(用紙)上をその紙送り方向の左右に往復しながらその印字ヘッドのノズルから液体インクの粒子をドット状に吐出(噴射)することで、印刷用紙上に所定の文字や画像を描画して所望の印刷物を作成するようになっている。そして、このキャリッジに黒色(ブラック)を含めた4色(イエロー、マゼンタ、シアン)のインクカートリッジと各色ごとの印字ヘッドを備えることで、モノクロ印刷のみならず、各色を組み合わせたフルカラー印刷も容易に行えるようになっている(さらに、これら各色に、ライトシアンやライトマゼンタなどを加えた6色や7色、あるいは8色のものも実用化されている)。
また、このようにキャリッジ上の印字ヘッドを紙送り方向の左右(印刷用紙の幅方向)に往復させながら印刷を実行するようにしたタイプのインクジェットプリンタでは、1ページ全体をきれいに印刷するために印字ヘッドを数十回から100回以上も往復動させる必要があるため、他の方式の印刷装置、例えば、複写機などのような電子写真技術を用いたレーザープリンタなどに比べて大幅に印刷時間がかかるといった欠点がある。
これに対し、印刷用紙の幅と同じ寸法の長尺の印字ヘッドを配置してキャリッジを使用しないタイプのインクジェットプリンタでは、印字ヘッドを印刷用紙の幅方向に移動させる必要がなく、いわゆる1パスでの印刷が可能となるため、前記レーザープリンタと同様な高速な印刷が可能となる。また、印字ヘッドを搭載するキャリッジやこれを移動させるための駆動系などが不要となるため、プリンタ筐体の小型・軽量化が可能となり、さらに静粛性も大幅に向上するといった利点も有している。なお、前者方式のインクジェットプリンタを一般に「マルチパス型プリンタ」、後者方式のインクジェットプリンタを一般に「ラインヘッド型プリンタ」と呼んでいる。
ところで、このようなインクジェットプリンタに不可欠な印字ヘッドは、直径が10〜70μm程度の微細なノズルを一定の間隔を隔てて直列、または印刷方向に多段に配設してなるものであるため、製造誤差によって一部のノズルのインクの吐出方向が傾いてしまったり、ノズルの位置が理想位置とはずれた位置に配置されてしまい、そのノズルで形成されるドットが目標点よりもずれてしまうといった、いわゆる「飛行曲がり現象」を発生してしまうことがある。
この結果、その不良ノズル部分に相当する印刷部分に、いわゆる「バンディング(スジ)現象」と称される印刷不良が発生して、印刷品質を著しく低下させてしまうことがある。すなわち、「飛行曲がり現象」が発生すると隣接ドット間の距離が不均一となり、隣接ドット間の距離が長い部分には「白スジ(印刷用紙が白色の場合)」が発生し、隣接ドット間の距離が短い部分には、「濃いスジ」が発生する。
特に、このようなバンディング現象は、前述したような「マルチパス型プリンタ」の場合よりも、印字ヘッダが固定(1パス印刷)で、かつノズルの数がマルチパス型プリンタよりも格段に多い「ラインヘッド型プリンタ」の方に顕著に発生し易い(マルチパス型プリンタでは、印字ヘッドを何回も往復させることを利用して白スジを目立たなくする技術がある)。
そのため、このような「バンディング現象」による一種の印刷不良を防止するために、印字ヘッドの製造技術の向上や設計改良などといった、いわゆるハード的な部分での研究開発が鋭意進められているが、製造コストや印刷品質、技術面などから100%「バンディング現象」が発生しない印字ヘッドを提供するのは困難となっている。
そこで、現状では前記のようなハード的な部分での改良に加え、以下に示すような印刷制御といった、いわゆるソフト的な手法を用いてこのような「バンディング現象」を低減するような技術が併用されている。
例えば、以下に示す特許文献1や特許文献2では、ノズルのばらつきやインクの不吐出に対処するために、濃度が薄い部分にはシェーディング補正技術を用いてヘッドのばらつきの対処を行い、濃度が濃い部分については他の色を用いて代用してバンディングやばらつきが目立たないように設定している。
また、以下に示す特許文献3においては、ベタ画像に関しては不吐出ノズルの近傍画素の隣接ノズルの吐出量を増やし、ノズル全体でベタ画像を生成するという手法を取り入れている。
特開2002−19101号公報 特開2003−136702号公報 特開2003−63043号公報
しかしながら、前記特許文献1や2などのように他の色を用いてバンディング現象やばらつきを低減する手法では、処理を施した部分の色相が変わってしまうことから、カラー写真画像印刷のように高画質・高品質が要求される印刷には適さない。
また、濃度が濃い部分について、不吐出ノズルの情報を左右に振り分けるなどによって「白スジ現象」を回避する方法は、これを前述した「飛行曲がり現象」に適用した場合には、白スジは低減可能であるが、濃度が濃い部分には依然としてバンディングが残ってしまうという問題がある。
一方、前記特許文献3などのような方法では、印刷物がベタ画像であれば問題ないが、中間階調の印刷物である場合は、この方法を利用することができない。また、細い線などは他の色を用いて埋める方法はごく僅かな使用であれば問題ないが、他の色が連続して発生するような画像においては、前者と同様に画像の一部の色相が変化してしまうといった問題が残る。
そこで、本発明はこのような課題を有効に解決するために案出されたものであり、その目的は、特に、飛行曲がりによる白スジや濃いスジといったバンディング現象を解消、あるいは殆ど目立たなくすることができる新規な印刷装置、印刷プログラム、印刷方法および画像処理装置、画像処理プログラム、画像処理方法並びに前記プログラムを記録した記録媒体を提供するものである。
〔形態1〕前記課題を解決するために形態1の印刷装置は、
複数のノズルを備えた印字ヘッドと、当該印字ヘッドの特性を取得する印字ヘッド特性取得手段と、M値(M≧3)の画像データを取得する画像データ取得手段と、当該画像データ取得手段で取得された画像データを構成する各画素のなかから、前記印字ヘッド特性取得手段で取得された前記印字ヘッドの特性に基づいて飛行曲がり現象を起こしているノズルに対応する画素を特定する飛行曲がり画素特定手段と、当該飛行曲がり画素特定手段で特定された飛行曲がり現象を起こしている画素近傍の画素の画素値を補正する画素値補正手段と、当該画素値補正手段で補正された画像データをN値(M>N≧2)化するN値化データ生成手段と、当該N値化データ生成手段で生成されたN値化データに基づいて各画素ごとに所定サイズのドットを設定して印刷用のデータを生成する印刷データ生成手段と、当該印刷用データ生成手段で生成された印刷用データに基づいて印刷を実行する印刷手段と、を備えたことを特徴とするものである。
これによって、後述するようにバンディング現象に関与する画素近傍の画素のドットのサイズが元のドットサイズ(バンディング現象の発生が予想されないときのドットサイズ)に比べて変化、あるいは適当に間引かれるように働くことから、いわゆる飛行曲がりによって発生するバンディング現象による「白スジ」は勿論、「濃いスジ」も効果的に解消または殆ど目立たなくすることができる。
ここで、「M値(M≧3)」とは、例えば、8ビット256階調などとして表される、いわゆる輝度や濃度に関する多値の画素値のことであり、また、「N値(M>N≧2)」とは、このようなM値(多値)のデータをある閾値に基づいてその画素値をN種類に分類する処理のことであり、また、「ドットサイズ」とは、ドットの大きさ(面積)自体の他に、ドットを打たないといったことも含む概念である(以下の「印刷装置」に関する形態、「印刷プログラム」に関する形態、「印刷方法」に関する形態、「画像処理装置」に関する形態、「画像処理プログラム」に関する形態、「画像処理方法」に関する形態、並びに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである)。
また、この「N」の値を「N≧2」としたのは、印刷用のデータを生成するためには、ドットを打つか打たないかに関する2値化以上を少なくとも規定する必要があるためであり、また、「M>N」としたのは、例えば8ビット256階調の多値(M値)の画素値を元の画素値よりも少ない階調(例えば4〜8階調程度)にまとめるためである(以下の「印刷装置」に関する形態、「印刷プログラム」に関する形態、「印刷方法」に関する形態、「画像処理装置」に関する形態、「画像処理プログラム」に関する形態、「画像処理方法」に関する形態、並びに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである)。
また、「バンディング現象」とは、「飛行曲がり現象」によって発生する「白スジ」だけでなく、この「白スジ」と共に「濃いスジ」が同時に発生する印刷不良のことをいうものとする(以下の「印刷装置」に関する形態、「印刷プログラム」に関する形態、「印刷方法」に関する形態、「画像処理装置」に関する形態、「画像処理プログラム」に関する形態、「画像処理方法」に関する形態、並びに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである)。
また、「飛行曲がり現象」とは、前述したように単なる一部のノズルの不吐出現象とは異なり、インクは吐出するものの、その一部のノズルの吐出方向が傾くなどしてドットが目標位置よりずれて形成されてしまう現象をいう(以下の「印刷装置」に関する形態、「印刷プログラム」に関する形態、「印刷方法」に関する形態、「画像処理装置」に関する形態、「画像処理プログラム」に関する形態、「画像処理方法」に関する形態、並びに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである)。
また、「白スジ」とは、「飛行曲がり現象」によって隣接ドット間の距離が所定の距離よりも広くなる現象が連続的に発生して印刷媒体の下地の色がスジ状に目立ってしまう部分(領域)をいい、また、「濃いスジ」とは、同じく「飛行曲がり現象」によって隣接ドット間の距離が所定の距離よりも短くなる現象が連続的に発生して印刷媒体の下地の色が見えなくなったり、あるいはドット間の距離が短くなることによって相対的に濃く見えたり、さらにはずれて形成されたドットの一部が正常なドットと重なり合ってその重なり合った部分が濃いスジ状に目立ってしまう部分(領域)をいうものとする(以下の「印刷装置」に関する形態、「印刷プログラム」に関する形態、「印刷方法」に関する形態、「画像処理装置」に関する形態、「画像処理プログラム」に関する形態、「画像処理方法」に関する形態、並びに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する形態、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである)。
〔形態2〕また、形態2の印刷装置は、
形態1に記載の印刷装置において、前記画素値補正手段は、前記飛行曲がり画素の前記印字ヘッドのノズルの配列方向両隣に位置する画素のうち、前記飛行曲がり画素との距離が短い方の画素を補正対象画素として選択すると共に、当該補正対象画素の画素値を前記飛行曲がり画素の飛行曲がり量に応じて元の画素値よりも小さい画素値に補正するようになっていることを特徴とするものである。
これによって、前記飛行曲がり画素との距離が短い方の補正対象画素に対応するドットが元のサイズよりも小さく、あるいは間引かれるように働くため、前記飛行曲がり画素との間で発生する濃いスジを解消あるいは殆ど目立たなくすることができる。
すなわち、前述したように飛行曲がり現象が発生すると、飛行曲がり画素に対応するドットとそれに隣接する一方の画素に対応するドットとの距離が本来の距離よりも短くなってそれらのドット間の単位面積あたりの濃度が増加して濃いスジの原因となるが、本形態のように飛行曲がり画素に近い方の画素の画素値をその飛行曲がり量に応じて元の画素値よりも小さくなるように補正することによってそのドットサイズも元のドットサイズよりも小さく、あるいは間引かれるように働くようになる。
これによって、その部分の濃度が減少して印刷方向に延びる濃いスジが解消あるいは殆ど目立たなくなる結果となる。
〔形態3〕また、形態3の印刷装置は、
形態1に記載の印刷装置において、前記画素値補正手段は、前記飛行曲がり画素の前記印字ヘッドのノズルの配列方向両隣に位置する画素のうち、前記飛行曲がり画素との距離が長い方の画素を補正対象画素として選択すると共に、当該補正対象画素の画素値を前記飛行曲がり画素の飛行曲がり量に応じて元の画素値よりも大きい画素値に補正するようになっていることを特徴とするものである。
これによって、前記飛行曲がり画素との距離が長い方の補正対象画素に対応するドットが元のサイズよりも大きくなるように働くため、前記飛行曲がり画素との間で発生する白スジを解消あるいは殆ど目立たなくすることができる。
すなわち、前述したように飛行曲がり現象が発生すると、飛行曲がり画素に対応するドットとそれに隣接する他方の画素に対応するドットとの距離が本来の距離よりも長くなってそれらのドット間の単位面積あたりの濃度が低下して白スジの原因となるが、本形態のように飛行曲がり画素から遠い方の画素の画素値をその飛行曲がり量に応じて元の画素値よりも大きくなるように補正することによってそのドットサイズも元のドットサイズよりも大きくなるように働くことになる。
これによって、その部分の濃度が増加して印刷方向に延びる白スジが解消あるいは殆ど目立たなくなる結果となる。
〔形態4〕また、形態4の印刷装置は、
形態1に記載の印刷装置において、前記画素値補正手段は、前記飛行曲がり画素の前記印字ヘッドのノズルの配列方向両隣に位置する画素をそれぞれ補正対象画素として選択すると共に、これら補正対象画素のうち、前記飛行曲がり画素との距離が短い方の補正対象画素の画素値をその飛行曲がり量に応じて元の画素値よりも小さい画素値に補正すると共に、前記飛行曲がり現象を起こしている画素との距離が長い方の補正対象画素の画素値をその飛行曲がり量に応じて元の画素値よりも大きい画素値に補正するようになっていることを特徴とするものである。
これによって、前記飛行曲がり画素との距離が短い方の補正対象画素に対応するドットが元のサイズよりも小さく、あるいは間引かれるように働くため、前記飛行曲がり画素との間で発生する濃いスジを解消あるいは殆ど目立たなくすることができる。また、前記飛行曲がり画素との距離が長い方の補正対象画素に対応するドットが元のサイズよりも大きくなるように働くため、前記飛行曲がり画素との間で発生する白スジも同時に解消あるいは殆ど目立たなくすることができる。
すなわち、本形態は前記形態2および3を組み合わせたものであり、これによってバンディング現象によって同時に発生し易い白スジと濃いスジの両方を同時に解消、あるいは殆ど目立たなくすることができる。
〔形態5〕また、形態5の印刷装置は、
形態1に記載の印刷装置において、前記飛行曲がり画素の飛行曲がり量に応じた画素値の補正量を設定した補正量情報記憶手段を備え、前記画素値補正手段は、当該補正量情報記憶手段に記録された補正量情報に基づいて前記補正対象画素の画素値を補正するようになっていることを特徴とするものである。
これによって、補正対象画素の画素値を迅速に補正することができる。
〔形態6〕また、形態6の印刷装置は、
形態1〜5のいずれかに記載の印刷装置において、前記画素値補正手段は、前記補正対象画素の画素値を前記飛行曲がり量に応じて補正した結果、当該補正対象画素の画素値が飽和したときは、当該補正対象画素の画素近傍の他の画素に残りの画素値を順に分配してその分配先の画素値を補正するようになっていることを特徴とするものである。
これによって、画素値調整のために発生した画素値のすべてを他の画素に分配して有効利用できるため、原画像の面積階調を維持することができる。
〔形態7〕また、形態7の印刷装置は、
形態1〜5のいずれかに記載の印刷装置において、前記N値化データ生成手段は、前記画素値補正手段によって画素値が補正された画像データをN値(N≧2)化してN値化データを生成するに際して、誤差拡散法またはディザ法を併用するようになっていることを特徴とするものである。
このように形態1〜5のいずれかに記載の印刷装置において、N値化に際して、周知のハーフトーン処理方法の1つである誤差拡散法を併用することによって、N値化処理によって生じた誤差を所定の誤差拡散マトリクスに従って周囲の画素へ割り振って続く処理においてその影響を考慮して全体としての誤差を最小にすることができるため、中間階調を忠実に表現した高画質の印刷物を確実に得ることができる。
また、この誤差拡散法と同じく周知のハーフトーン処理方法の1つであるディザ法を併用することによって、的確なN値化が行われるため、同じく中間階調を忠実に表現した高画質の印刷物を確実に得ることができる。
ここで、本発明でいう「誤差拡散処理」とは、画像処理の分野で通常に利用されているものと同一であり、ある画素の2値化処理によって生じた誤差を所定の誤差拡散マトリクスに従って周囲の画素へ割り振り、続く処理においてその影響を考慮することで全体としての誤差を最小にする処理のことをいう。すなわち、画素の濃度値がその画像のもつ階調数の半分の中間値より大きければ黒、小さければ白に分類し、その後、分類前の濃度値と処理後の濃度値との誤差を適当な割合で周りの画素に分散させ、調整する方法である(以下の「印刷装置」に関する発明、「印刷プログラム」に関する発明、「印刷方法」に関する発明、「画像処理装置」に関する発明、「画像処理プログラム」に関する発明、「画像処理方法」に関する発明、並びに「前記プログラムを記録した記録媒体」に関する発明、発明を実施するための最良の形態の欄などの記載において同じである)。
一方、「ディザ法」とは、同じく画像処理の分野で通常に利用されているものと同一であり、濃淡画像の各画素の濃度値と予め用意してあるディザマトリクスという表の各画素にあたる数値とを比較し、濃淡画像の値の方が大きければ黒、小さければ白という決定を行い、画像を白と黒に振り分けていく処理方法である。
〔形態8〕また、形態8の印刷装置は、
形態1〜7のいずれかに記載の印刷装置において、前記印字ヘッドは、ラインヘッド型の印字ヘッドであることを特徴とするものである。
これによって、前述したように、いわゆる1パスで印刷が終了するラインヘッド型の印字ヘッドを用いた場合に特に発生し易いバンディング現象による「白スジ」や「濃いスジ」を解消または殆ど目立たなくすることができる。
〔形態9〕また、形態9の印刷装置は、
形態1〜7のいずれかに記載の印刷装置において、前記印字ヘッドは、マルチパス型の印字ヘッドであることを特徴とするものである。
前述したバンディング現象は、ラインヘッド型の印字ヘッドの場合に顕著にみられるが、マルチパス型の印字ヘッドの場合でも発生する。従って、前記発明1〜4のいずれかに記載の印刷方法をマルチパス型の印字ヘッドの場合に適用すれば、マルチパス型の印字ヘッドで発生したバンディング現象による「白スジ」や「濃いスジ」も確実に解消または殆ど目立たなくすることが可能となる。
また、マルチパス型の印字ヘッドの場合は、印字ヘッドの走査を繰り返すなどの工夫を施すことで、前記のようなバンディング現象を回避することが可能であるが、前記形態1〜7の印刷装置を適用すれば、印字ヘッドを同じ箇所を何度も走査させる必要がなくなるため、より高速な印刷を実現することも可能となる。
〔形態10〕また、形態10の印刷プログラムは、
コンピュータを、複数のノズルを備えた印字ヘッドの特性を取得する印字ヘッド特性取得手段と、M値(M≧3)の画像データを取得する画像データ取得手段と、当該画像データ取得手段で取得された画像データを構成する各画素のなかから、前記印字ヘッド特性取得手段で取得された前記印字ヘッドの特性に基づいて飛行曲がり現象を起こしているノズルに対応する画素を特定する飛行曲がり画素特定手段と、当該飛行曲がり画素特定手段で特定された飛行曲がり現象を起こしている画素近傍の画素の画素値を補正する画素値補正手段と、当該画素値補正手段で補正された画像データをN値(M>N≧2)化するN値化データ生成手段と、当該N値化データ生成手段で生成されたN値化データに基づいて各画素ごとに所定サイズのドットを設定して印刷用のデータを生成する印刷データ生成手段と、当該印刷用データ生成手段で生成された印刷用データに基づいて印刷を実行する印刷手段と、して機能させることを特徴とするものである。
これによって、前記形態1と同様に「白スジ」や「濃いスジ」が低減して、飛行曲がり現象によるバンディング現象を解消または殆ど目立たなくすることができる。
また、インクジェットプリンタなどといった現在市場に出回っている殆どの印刷装置は中央処理装置(CPU)や記憶装置(RAM、ROM)、入出力装置などからなるコンピュータシステムを備えており、そのコンピュータシステムを用いてソフトウェアによって前記各手段を実現することができるため、専用のハードウェアを作成して前記各手段を実現する場合に比べて経済的かつ容易に実現することができる。
さらに、プログラムの一部を書き換えることによって機能改変や改良などによるバージョンアップも容易に行うことができる。
〔形態11〕また、形態11の印刷プログラムは、
形態10に記載の印刷プログラムにおいて、前記画素値補正手段は、前記飛行曲がり画素の前記印字ヘッドのノズルの配列方向両隣に位置する画素のうち、前記飛行曲がり画素との距離が短い方の画素を補正対象画素として選択すると共に、当該補正対象画素の画素値を前記飛行曲がり画素の飛行曲がり量に応じて元の画素値よりも小さい画素値に補正するようになっていることを特徴とするものである。
これによって、前記形態2と同様な効果が得られると共に、前記形態10と同様に既存の殆どのプリンタに備わっているコンピュータシステムを用いてソフトウェアによって前記各手段を実現することができるため、専用のハードウェアを作成して前記各手段を実現する場合に比べて経済的かつ容易に実現することができる。
さらに、プログラムの一部を書き換えることによって機能改変や改良などによるバージョンアップも容易に行うことができる。
〔形態12〕また、形態12の印刷プログラムは、
形態10に記載の印刷プログラムにおいて、前記画素値補正手段は、前記飛行曲がり画素の前記印字ヘッドのノズルの配列方向両隣に位置する画素のうち、前記飛行曲がり画素との距離が長い方の画素を補正対象画素として選択すると共に、当該補正対象画素の画素値を前記飛行曲がり画素の飛行曲がり量に応じて元の画素値よりも大きい画素値に補正するようになっていることを特徴とするものである。
これによって、前記形態3と同様な効果が得られると共に、前記形態10と同様に既存の殆どのプリンタに備わっているコンピュータシステムを用いてソフトウェアによって前記各手段を実現することができるため、専用のハードウェアを作成して前記各手段を実現する場合に比べて経済的かつ容易に実現することができる。
さらに、プログラムの一部を書き換えることによって機能改変や改良などによるバージョンアップも容易に行うことができる。
〔形態13〕また、形態13の印刷プログラムは、
形態10に記載の印刷プログラムにおいて、前記画素値補正手段は、前記飛行曲がり画素の前記印字ヘッドのノズルの配列方向両隣に位置する画素をそれぞれ補正対象画素として選択すると共に、これら補正対象画素のうち、前記飛行曲がり画素との距離が短い方の補正対象画素の画素値をその飛行曲がり量に応じて元の画素値よりも小さい画素値に補正すると共に、前記飛行曲がり現象を起こしている画素との距離が長い方の補正対象画素の画素値をその飛行曲がり量に応じて元の画素値よりも大きい画素値に補正するようになっていることを特徴とするものである。
これによって、前記形態4と同様な効果が得られると共に、前記形態10と同様に既存の殆どのプリンタに備わっているコンピュータシステムを用いてソフトウェアによって前記各手段を実現することができるため、専用のハードウェアを作成して前記各手段を実現する場合に比べて経済的かつ容易に実現することができる。
さらに、プログラムの一部を書き換えることによって機能改変や改良などによるバージョンアップも容易に行うことができる。
〔形態14〕また、形態14の印刷プログラムは、
形態10に記載の印刷プログラムにおいて、前記飛行曲がり画素の飛行曲がり量に応じた画素値の補正量を設定した補正量情報記憶手段を備え、前記画素値補正手段は、当該補正量情報記憶手段に記録された補正量情報に基づいて前記補正対象画素の画素値を補正するようになっていることを特徴とするものである。
これによって、前記形態5と同様な効果が得られると共に、前記形態10と同様に既存の殆どのプリンタに備わっているコンピュータシステムを用いてソフトウェアによって前記各手段を実現することができるため、専用のハードウェアを作成して前記各手段を実現する場合に比べて経済的かつ容易に実現することができる。
さらに、プログラムの一部を書き換えることによって機能改変や改良などによるバージョンアップも容易に行うことができる。
〔形態15〕また、形態15の印刷プログラムは、
形態10〜14のいずれかに記載の印刷プログラムにおいて、前記画素値補正手段は、前記補正対象画素の画素値を前記飛行曲がり量に応じて補正した結果、当該補正対象画素の画素値が飽和したときは、当該補正対象画素の画素近傍の他の画素に残りの画素値を順に分配してその分配先の画素値を補正するようになっていることを特徴とするものである。
これによって、前記形態6と同様な効果が得られると共に、前記形態10と同様に既存の殆どのプリンタに備わっているコンピュータシステムを用いてソフトウェアによって前記各手段を実現することができるため、専用のハードウェアを作成して前記各手段を実現する場合に比べて経済的かつ容易に実現することができる。
さらに、プログラムの一部を書き換えることによって機能改変や改良などによるバージョンアップも容易に行うことができる。
〔形態16〕また、形態16の印刷プログラムは、
形態10〜15のいずれかに記載の印刷プログラムにおいて、前記N値化データ生成手段は、前記画素値補正手段によって画素値が補正された画像データをN値(N≧2)化してN値化データを生成するに際して、誤差拡散法またはディザ法を併用するようになっていることを特徴とするものである。
これによって、前記形態6と同様な効果が得られると共に、前記形態9と同様に既存の殆どのプリンタに備わっているコンピュータシステムを用いてソフトウェアによって前記各手段を実現することができるため、専用のハードウェアを作成して前記各手段を実現する場合に比べて経済的かつ容易に実現することができる。
さらに、プログラムの一部を書き換えることによって機能改変や改良などによるバージョンアップも容易に行うことができる。
〔形態17〕また、形態17のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、
形態10〜16のいずれかに記載の印刷プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
これによって、CD−ROMやDVD−ROM、FD、半導体チップなどのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を介して前記形態10〜16のいずれかに記載の印刷プログラムをユーザなどの需用者に対して容易かつ確実に提供することができる。
〔形態18〕また、形態18の印刷方法は、
複数のノズルを備えた印字ヘッドの特性を取得する印字ヘッド特性取得ステップと、M値(M≧3)の画像データを取得する画像データ取得ステップと、当該画像データ取得ステップで取得された画像データを構成する各画素のなかから、前記印字ヘッド特性取得ステップで取得された前記印字ヘッドの特性に基づいて飛行曲がり現象を起こしているノズルに対応する画素を特定する飛行曲がり画素特定ステップと、当該飛行曲がり画素特定ステップで特定された飛行曲がり現象を起こしている画素近傍の画素の画素値を補正する画素値補正ステップと、当該画素値補正ステップで補正された画像データをN値(M>N≧2)化するN値化データ生成ステップと、当該N値化データ生成ステップで生成されたN値化データに基づいて各画素ごとに所定サイズのドットを設定して印刷用のデータを生成する印刷データ生成ステップと、当該印刷用データ生成ステップで生成された印刷用データに基づいて印刷を実行する印刷ステップと、を含むことを特徴とするものである。
これによって、前記形態1と同様に「白スジ」や「濃いスジ」が低減して、飛行曲がり現象によるバンディング現象を解消または殆ど目立たなくすることができる。
〔形態19〕また、形態19の印刷方法は、
形態18に記載の印刷方法において、前記画素値補正ステップは、前記飛行曲がり画素の前記印字ヘッドのノズルの配列方向両隣に位置する画素のうち、前記飛行曲がり画素との距離が短い方の画素を補正対象画素として選択すると共に、当該補正対象画素の画素値を前記飛行曲がり画素の飛行曲がり量に応じて元の画素値よりも小さい画素値に補正することを特徴とするものである。
これによって、前記形態2と同様に「濃いスジ」が低減して、飛行曲がり現象によるバンディング現象を解消または殆ど目立たなくすることができる。
〔形態20〕また、形態20の印刷方法は、
形態18に記載の印刷方法において、前記画素値補正ステップは、前記飛行曲がり画素の前記印字ヘッドのノズルの配列方向両隣に位置する画素のうち、前記飛行曲がり画素との距離が長い方の画素を補正対象画素として選択すると共に、当該補正対象画素の画素値を前記飛行曲がり画素の飛行曲がり量に応じて元の画素値よりも大きい画素値に補正することを特徴とするものである。
これによって、前記形態3と同様に「白スジ」が低減して、飛行曲がり現象によるバンディング現象を解消または殆ど目立たなくすることができる。
〔形態21〕また、形態21の印刷方法は、
形態18に記載の印刷方法において、前記画素値補正ステップは、前記飛行曲がり画素の前記印字ヘッドのノズルの配列方向両隣に位置する画素をそれぞれ補正対象画素として選択すると共に、これら補正対象画素のうち、前記飛行曲がり画素との距離が短い方の補正対象画素の画素値をその飛行曲がり量に応じて元の画素値よりも小さい画素値に補正すると共に、前記飛行曲がり現象を起こしている画素との距離が長い方の補正対象画素の画素値をその飛行曲がり量に応じて元の画素値よりも大きい画素値に補正するようになっていることを特徴とするものである。
これによって、前記形態4と同様に「白スジ」と共に「濃いスジ」も低減して、飛行曲がり現象によるバンディング現象を解消または殆ど目立たなくすることができる。
〔形態22〕また、形態22の印刷方法は、
形態18に記載の印刷方法において、前記飛行曲がり現象を起こしている画素の飛行曲がり量に応じた補正量を設定した補正量情報記憶ステップをさらに含み、前記画素値補正ステップでは、当該補正量情報記憶ステップで記録された補正量情報に基づいて前記飛行曲がり現象を起こしている画素近傍の画素の画素値を補正することを特徴とするものである。
これによって、前記形態5と同様に、飛行曲がり現象を起こしている画素の画素値を迅速に補正することができる。
〔形態23〕また、形態23の印刷方法は、
形態18〜22のいずれかに記載の印刷方法において、前記画素値補正ステップは、前記補正対象画素の画素値を前記飛行曲がり量に応じて補正した結果、当該補正対象画素の画素値が飽和したときは、当該補正対象画素の画素近傍の他の画素に残りの画素値を順に分配してその分配先の画素値を補正することを特徴とするものである。
これによって、前記形態6と同様に画素値調整のために発生した画素値のすべてを他の画素に分配して有効利用できるため、原画像の面積階調を維持することができる。
〔形態24〕また、形態24の印刷方法は、
形態18〜23のいずれかに記載の印刷方法において、前記N値化データ生成ステップは、前記画素値補正ステップによって画素値が補正された画像データをN値(N≧2)化してN値化データを生成するに際して、誤差拡散法またはディザ法を併用するようになっていることを特徴とするものである。
これによって、前記形態7と同様に、中間階調を忠実に表現した高画質の印刷物を確実に得ることができる。
〔形態25〕一方、形態25の画像処理装置は、
複数のノズルを備えた印字ヘッドの特性を取得する印字ヘッド特性取得手段と、M値(M≧3)の画像データを取得する画像データ取得手段と、当該画像データ取得手段で取得された画像データを構成する各画素のなかから、前記印字ヘッド特性取得手段で取得された前記印字ヘッドの特性に基づいて飛行曲がり現象を起こしているノズルに対応する画素を特定する飛行曲がり画素特定手段と、当該飛行曲がり画素特定手段で特定された飛行曲がり画素近傍の画素の画素値を補正する画素値補正手段と、を備えたことを特徴とするものである。
これによって、そのまま通常の印刷処理を実行しても「白スジ」や「濃いスジ」などのバンディング現象が解消あるいは殆ど目立たない画像データを確実に得ることができる。
また、各手段をソフトウェア上で実施できるため、汎用のパソコンなどの情報処理装置などによって容易に実現できる。
〔形態26〕また、形態26の画像処理装置は、
形態25に記載の画像処理装置において、前記画素値補正手段は、前記飛行曲がり画素の前記印字ヘッドのノズルの配列方向両隣に位置する画素のうち、前記飛行曲がり画素との距離が短い方の画素を補正対象画素として選択すると共に、当該補正対象画素の画素値を前記飛行曲がり画素の飛行曲がり量に応じて元の画素値よりも小さい画素値に補正するようになっていることを特徴とするものである。
これによって、そのまま通常の印刷処理を実行しても「濃いスジ」などのバンディング現象が解消あるいは殆ど目立たない画像データを確実に得ることができる。
また、前記形態25と同様に各手段をソフトウェア上で実施できるため、汎用のパソコンなどの情報処理装置などによって容易に実現できる。
〔形態27〕また、形態27の画像処理装置は、
形態25に記載の画像処理装置において、前記画素値補正手段は、前記飛行曲がり画素の前記印字ヘッドのノズルの配列方向両隣に位置する画素のうち、前記飛行曲がり画素との距離が長い方の画素を補正対象画素として選択すると共に、当該補正対象画素の画素値を前記飛行曲がり画素の飛行曲がり量に応じて元の画素値よりも大きい画素値に補正するようになっていることを特徴とするものである。
これによって、そのまま通常の印刷処理を実行しても「白スジ」などのバンディング現象が解消あるいは殆ど目立たない画像データを確実に得ることができる。
また、前記形態25と同様に各手段をソフトウェア上で実施できるため、汎用のパソコンなどの情報処理装置などによって容易に実現できる。
〔形態28〕また、形態28の画像処理装置は、
形態25に記載の画像処理装置において、前記画素値補正手段は、前記飛行曲がり画素の前記印字ヘッドのノズルの配列方向両隣に位置する画素をそれぞれ補正対象画素として選択すると共に、これら補正対象画素のうち、前記飛行曲がり画素との距離が短い方の補正対象画素の画素値をその飛行曲がり量に応じて元の画素値よりも小さい画素値に補正すると共に、前記飛行曲がり現象を起こしている画素との距離が長い方の補正対象画素の画素値をその飛行曲がり量に応じて元の画素値よりも大きい画素値に補正するようになっていることを特徴とするものである。
これによって、そのまま通常の印刷処理を実行しても「白スジ」と共に「濃いスジ」によるバンディング現象が解消あるいは殆ど目立たない画像データを確実に得ることができる。また、前記形態25と同様に各手段をソフトウェア上で実施できるため、汎用のパソコンなどの情報処理装置などによって容易に実現できる。
〔形態29〕また、形態29の画像処理装置は、
形態25に記載の画像処理装置において、前記飛行曲がり現象を起こしている画素の飛行曲がり量に応じた補正量を設定した補正量情報記憶手段を備え、前記画素値補正手段は、当該補正量情報記憶手段に記録された補正量情報に基づいて前記飛行曲がり現象を起こしている画素近傍の画素の画素値を補正するようになっていることを特徴とするものである。
これによって、飛行曲がり現象を起こしている画素の画素値を迅速に補正することができる。また、前記形態25と同様に各手段をソフトウェア上で実施できるため、汎用のパソコンなどの情報処理装置などによって容易に実現できる。
〔形態30〕また、形態30の画像処理装置は、
形態25〜29のいずれかに記載の画像処理装置において、前記画素値補正手段は、前記補正対象画素の画素値を前記飛行曲がり量に応じて補正した結果、当該補正対象画素の画素値が飽和したときは、当該補正対象画素の画素近傍の他の画素に残りの画素値を順に分配してその分配先の画素値を補正するようになっていることを特徴とするものである。
これによって、画素値調整のために発生した画素値のすべてを他の画素に分配して有効利用できるため、原画像の面積階調を維持することができる。また、前記形態25と同様に各手段をソフトウェア上で実施できるため、汎用のパソコンなどの情報処理装置などによって容易に実現できる。
〔形態31〕また、形態31の画像処理プログラムは、
コンピュータを、複数のノズルを備えた印字ヘッドの特性を取得する印字ヘッド特性取得手段と、M値(M≧3)の画像データを取得する画像データ取得手段と、当該画像データ取得手段で取得された画像データを構成する各画素のなかから、前記印字ヘッド特性取得手段で取得された前記印字ヘッドの特性に基づいて飛行曲がり現象を起こしているノズルに対応する画素を特定する飛行曲がり画素特定手段と、当該飛行曲がり画素特定手段で特定された飛行曲がり画素近傍の画素の画素値を補正する画素値補正手段と、して機能させることを特徴とするものである。
これによって、前記形態25と同様にそのまま通常の印刷処理を実行しても「白スジ」や「濃いスジ」などのバンディング現象が解消あるいは殆ど目立たない画像データを確実に得ることができる。
また、パソコン(PC)などの汎用のコンピュータシステムを用いてソフトウェアによって前記各手段を実現することができるため、専用のハードウェアを作成して前記各手段を実現する場合に比べて経済的かつ容易に実現することができる。
さらに、プログラムの一部を書き換えることによって機能改変や改良などによるバージョンアップも容易に行うことができる。
〔形態32〕また、形態32の画像処理プログラムは、
形態31に記載の画像処理プログラムにおいて、前記画素値補正手段は、前記飛行曲がり画素の前記印字ヘッドのノズルの配列方向両隣に位置する画素のうち、前記飛行曲がり画素との距離が短い方の画素を補正対象画素として選択すると共に、当該補正対象画素の画素値を前記飛行曲がり画素の飛行曲がり量に応じて元の画素値よりも小さい画素値に補正するようになっていることを特徴とするものである。
これによって、前記形態26と同様にそのまま通常の印刷処理を実行しても「濃いスジ」によるバンディング現象が解消あるいは殆ど目立たない画像データを確実に得ることができる。
また、前記形態31と同様にパソコン(PC)などの汎用のコンピュータシステムを用いてソフトウェアによって前記各手段を実現することができるため、専用のハードウェアを作成して前記各手段を実現する場合に比べて経済的かつ容易に実現することができる。
さらに、プログラムの一部を書き換えることによって機能改変や改良などによるバージョンアップも容易に行うことができる。
〔形態33〕また、形態33の画像処理プログラムは、
形態31に記載の画像処理プログラムにおいて、前記画素値補正手段は、前記飛行曲がり画素の前記印字ヘッドのノズルの配列方向両隣に位置する画素のうち、前記飛行曲がり画素との距離が長い方の画素を補正対象画素として選択すると共に、当該補正対象画素の画素値を前記飛行曲がり画素の飛行曲がり量に応じて元の画素値よりも大きい画素値に補正するようになっていることを特徴とするものである。
これによって、前記形態27と同様にそのまま通常の印刷処理を実行しても「白スジ」によるバンディング現象が解消あるいは殆ど目立たない画像データを確実に得ることができる。
また、前記形態31と同様にパソコン(PC)などの汎用のコンピュータシステムを用いてソフトウェアによって前記各手段を実現することができるため、専用のハードウェアを作成して前記各手段を実現する場合に比べて経済的かつ容易に実現することができる。
さらに、プログラムの一部を書き換えることによって機能改変や改良などによるバージョンアップも容易に行うことができる。
〔形態34〕また、形態34の画像処理プログラムは、
形態31に記載の画像処理プログラムにおいて、前記画素値補正手段は、前記飛行曲がり画素の前記印字ヘッドのノズルの配列方向両隣に位置する画素をそれぞれ補正対象画素として選択すると共に、これら補正対象画素のうち、前記飛行曲がり画素との距離が短い方の補正対象画素の画素値をその飛行曲がり量に応じて元の画素値よりも小さい画素値に補正すると共に、前記飛行曲がり現象を起こしている画素との距離が長い方の補正対象画素の画素値をその飛行曲がり量に応じて元の画素値よりも大きい画素値に補正するようになっていることを特徴とするものである。
これによって、前記形態28と同様にそのまま通常の印刷処理を実行しても「白スジ」と共に「濃いスジ」によるバンディング現象が解消あるいは殆ど目立たない画像データを確実に得ることができる。
また、前記形態31と同様にパソコン(PC)などの汎用のコンピュータシステムを用いてソフトウェアによって前記各手段を実現することができるため、専用のハードウェアを作成して前記各手段を実現する場合に比べて経済的かつ容易に実現することができる。
さらに、プログラムの一部を書き換えることによって機能改変や改良などによるバージョンアップも容易に行うことができる。
〔形態35〕また、形態35の画像処理プログラムは、
形態31に記載の画像処理プログラムにおいて、前記飛行曲がり現象を起こしている画素の飛行曲がり量に応じた補正量を設定した補正量情報記憶手段を備え、前記画素値補正手段は、当該補正量情報記憶手段に記録された補正量情報に基づいて前記飛行曲がり現象を起こしている画素近傍の画素の画素値を補正するようになっていることを特徴とするものである。
これによって、前記形態29と同様に飛行曲がり現象を起こしている画素の画素値を迅速に補正することができる。
また、前記形態31と同様にパソコン(PC)などの汎用のコンピュータシステムを用いてソフトウェアによって前記各手段を実現することができるため、専用のハードウェアを作成して前記各手段を実現する場合に比べて経済的かつ容易に実現することができる。
さらに、プログラムの一部を書き換えることによって機能改変や改良などによるバージョンアップも容易に行うことができる。
〔形態36〕また、形態36の画像処理プログラムは、
形態31〜35のいずれかに記載の画像処理プログラムにおいて、前記画素値補正手段は、前記補正対象画素の画素値を前記飛行曲がり量に応じて補正した結果、当該補正対象画素の画素値が飽和したときは、当該補正対象画素の画素近傍の他の画素に残りの画素値を順に分配してその分配先の画素値を補正するようになっていることを特徴とするものである。
これによって、前記形態30と同様に画素値調整のために発生した画素値のすべてを他の画素に分配して有効利用できるため、原画像の面積階調を維持することができる。
また、前記形態31と同様にパソコン(PC)などの汎用のコンピュータシステムを用いてソフトウェアによって前記各手段を実現することができるため、専用のハードウェアを作成して前記各手段を実現する場合に比べて経済的かつ容易に実現することができる。
さらに、プログラムの一部を書き換えることによって機能改変や改良などによるバージョンアップも容易に行うことができる。
〔形態37〕また、形態37のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、
形態31〜36に記載の画像処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
これによって、CD−ROMやDVD−ROM、FD、半導体チップなどのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を介して前記形態31〜36のいずれかに記載の画像処理プログラムをユーザなどの需用者に対して容易かつ確実に提供することができる。
〔形態38〕また、形態38の画像処理方法は、
複数のノズルを備えた印字ヘッドの特性を取得する印字ヘッド特性取得ステップと、M値(M≧3)の画像データを取得する画像データ取得ステップと、当該画像データ取得ステップで取得された画像データを構成する各画素のなかから、前記印字ヘッド特性取得ステップで取得された前記印字ヘッドの特性に基づいて飛行曲がり現象を起こしているノズルに対応する画素を特定する飛行曲がり画素特定ステップと、当該飛行曲がり画素特定ステップで特定された飛行曲がり画素近傍の画素の画素値を補正する画素値補正ステップと、を含むことを特徴とするものである。
これによって、前記形態25と同様にそのまま通常の印刷処理を実行しても「白スジ」や「濃いスジ」などのバンディング現象が解消あるいは殆ど目立たない画像データを確実に得ることができる。
〔形態39〕また、形態39の画像処理方法は、
形態38に記載の画像処理方法において、前記画素値補正ステップは、前記飛行曲がり画素の前記印字ヘッドのノズルの配列方向両隣に位置する画素のうち、前記飛行曲がり画素との距離が短い方の画素を補正対象画素として選択すると共に、当該補正対象画素の画素値を前記飛行曲がり画素の飛行曲がり量に応じて元の画素値よりも小さい画素値に補正することを特徴とするものである。
これによって、前記形態26と同様にそのまま通常の印刷処理を実行しても「濃いスジ」によるバンディング現象が解消あるいは殆ど目立たない画像データを確実に得ることができる。
〔形態35〕また、形態35の画像処理方法は、
形態33に記載の画像処理方法において、前記画素値補正ステップは、前記飛行曲がり画素の前記印字ヘッドのノズルの配列方向両隣に位置する画素のうち、前記飛行曲がり画素との距離が長い方の画素を補正対象画素として選択すると共に、当該補正対象画素の画素値を前記飛行曲がり画素の飛行曲がり量に応じて元の画素値よりも大きい画素値に補正することを特徴とするものである。
これによって、前記形態27と同様にそのまま通常の印刷処理を実行しても「白スジ」によるバンディング現象が解消あるいは殆ど目立たない画像データを確実に得ることができる。
〔形態36〕また、形態36の画像処理方法は、
形態33に記載の画像処理方法において、前記画素値補正ステップは、前記飛行曲がり画素の前記印字ヘッドのノズルの配列方向両隣に位置する画素をそれぞれ補正対象画素として選択すると共に、これら補正対象画素のうち、前記飛行曲がり画素との距離が短い方の補正対象画素の画素値をその飛行曲がり量に応じて元の画素値よりも小さい画素値に補正すると共に、前記飛行曲がり現象を起こしている画素との距離が長い方の補正対象画素の画素値をその飛行曲がり量に応じて元の画素値よりも大きい画素値に補正することを特徴とするものである。
これによって、前記形態28と同様にそのまま通常の印刷処理を実行しても「白スジ」と共に「濃いスジ」によるバンディング現象が解消あるいは殆ど目立たない画像データを確実に得ることができる。
〔形態37〕また、形態37の画像処理方法は、
形態33に記載の画像処理方法において、前記飛行曲がり現象を起こしている画素の飛行曲がり量に応じた補正量を設定した補正量情報記憶ステップをさらに含み、前記画素値補正ステップでは、当該補正量情報記憶ステップで記録された補正量情報に基づいて前記飛行曲がり現象を起こしている画素近傍の画素の画素値を補正することを特徴とするものである。
これによって、前記形態29と同様に飛行曲がり現象を起こしている画素の画素値を迅速に補正することができる。
〔形態38〕また、形態38の画像処理方法は、
形態33〜37のいずれかに記載の画像処理方法において、前記画素値補正ステップは、前記補正対象画素の画素値を前記飛行曲がり量に応じて補正した結果、当該補正対象画素の画素値が飽和したときは、当該補正対象画素の画素近傍の他の画素に残りの画素値を順に分配してその分配先の画素値を補正することを特徴とするものである。
これによって、前記形態30と同様に画素値調整のために発生した画素値のすべてを他の画素に分配して有効利用できるため、原画像の面積階調を維持することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図面を参照しながら詳述する。
図1〜図26は、本発明の印刷装置100および印刷プログラム、印刷方法、画像処理装置、画像処理プログラム、画像処理方法、並びにコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する実施の形態を示したものである。
図1は、本発明に係る印刷装置100の実施の形態を示す機能ブロック図である。
図示するように、この印刷装置100は、複数のノズルを備えた印字ヘッド200と、この印字ヘッド200の特性を取得する印字ヘッド特性取得手段10と、飛行曲がり量に応じて画素値の補正量を規定する補正量情報記憶手段11と、多値の画像データを取得する画像データ取得手段12と、この画像データ取得手段12で取得された画像データを構成する各画素のなかから、飛行曲がり現象を起こしているノズルに対応する画素(以下、適宜「飛行曲がり画素」と称す)を特定する飛行曲がり画素特定手段14と、当該飛行曲がり画素特定手段14で特定された飛行曲がり現象を起こしている画素近傍の画素の画素値を前記補正量情報記憶手段11の補正量情報に基づいて補正する画素値補正手段16と、この画素値補正手段16で補正された画像データをN値(N≧2)化するN値化データ生成手段18と、このN値化データ生成手段18で生成されたN値化データに基づいて各画素ごとに所定サイズのドットを設定して印刷用のデータを生成する印刷データ生成手段20と、この印刷データ生成手段20で生成された印刷用データに基づいて印刷を実行するインクジェット方式の印刷手段22と、から主に構成されている。
先ず、本発明に適用される印字ヘッド200について説明する。
図3は、この印字ヘッド200の構造を示す部分拡大底面図、図4は、その部分拡大側面図である。
図3に示すように、この印字ヘッド200は、いわゆるラインヘッド型のプリンタに用いられる印刷用紙の紙幅方向に延びる長尺構造をしており、ブラック(K)インクを専用に吐出するノズルNが複数個(図では18個)、主走査方向に直線状に配列されたブラックノズル群50と、イエロー(Y)インクを専用に吐出するノズルNが複数個、同じく主走査方向に直線状に配列されたイエローノズル群52と、マゼンタ(M)インクを専用に吐出するノズルNが複数個、同じく主走査方向に直線状に配列されたマゼンタノズル群54と、シアン(M)インクを専用に吐出するノズルNが複数個、同じく主走査方向に直線状に配列されたシアンノズル群56といった4つのノズル群50、52、54、56が紙送り方向方向(副走査方向)に重なるように一体的に配列して構成されている。なお、モノクロを目的とする印字ヘッドの場合は、ブラック(K)ノズル群のみ、また、高画質な画像をターゲットとする印字ヘッドの場合はライトマゼンタやライトシアンなどのインクを専用に吐出するノズル群を加えた6色や7色のインクを用いる場合もある。
そして、図4は、例えばこれら4つのノズル群50、52、54、56のなかの1つであるブラックノズル群50を側面から示したものであり、左から6番目のノズルN6が飛行曲がり現象を起こしてそのノズルN6からインクが斜め方向に吐出されてその隣りの正常なノズルN7の近傍にドットが印字(インク着弾)されてしまっている状態を示している。
従って、このブラックノズル群50を用いて印刷を実行すると、図5に示すように、飛行曲がりを発生していない状態では、いずれのドットも規定の印字位置に印字されるのに対し(理想的なドットパターン)、図6に示すように例えば左から6番目のノズルN6が飛行曲がり現象を起こしていると、そのドット印字位置が目的とする印字位置から距離aだけその隣りの正常なノズルN7側にずれて印字される結果となる。
次に、印字ヘッド特性取得手段10は、この印字ヘッド200の特性を取得する機能を提供するものであり、より具体的には、前述した図6に示すように印字ヘッド200に飛行曲がり現象が発生しているか否か、および飛行曲がり現象が発生している場合は、その飛行曲がり現象を引き起こしている異常ノズルNがどれであるか、その飛行曲がり現象によるドット印字位置のずれ量はどの程度かなどを具体的に取得して特定する機能を発揮するようになっている。
すなわち、図1に示すようにこの印字ヘッド特性取得手段10には、さらに印字ヘッド特性記憶部24、または印字ヘッド特性検出部26が備えられており、この印字ヘッド特性記憶部24に予め記憶された前記印字ヘッド200の特性を読み出してきたり、あるいは印字ヘッド特性検出部26で検出された前記印字ヘッド200の特性を読み出すことで必要な時期に前記印字ヘッド200の特性を容易に取得できるようになっている。
図8は、この印字ヘッド特性取得手段10によって取得された印字ヘッド200の飛行曲がり量を示した吐出精度記録テーブル300Bの一例である。
図の例では、1つの印字ヘッド200に、1インチあたり180個のノズルが設けられ、それぞれのノズルごとに固有のノズル番号が「1」〜「180」まで付されており、それら各ノズルごとの飛行曲がり量(μm)が記録されている。例えば、ノズル番号「1」のノズルの飛行曲がり量は「0」μm(検出精度以下)であるのに対し、ノズル番号「2」ノズルの飛行曲がり量は「+1」μmであり、主走査方向(ノズルの配列方向)の一方向に「1」μmだけ飛行曲がりを起こしていることを示している。また、ノズル番号「3」ノズルの飛行曲がり量は「−2」μmであり、主走査方向(ノズルの配列方向)の反対方向に「2」μmだけ飛行曲がりを起こしていることを示している。
ここで、印字ヘッド特性記憶部24は、例えば、前記印字ヘッド200の製造時、あるい印刷装置100(印刷手段22)への組み込み時などに行われた印字ヘッド特性試験結果を書き込んだ読み出し自在なROMやRAMなどの記憶手段から構成され、また、印字ヘッド特性検出部26は、使用後にその印字ヘッド200の特性が変化した場合に対応するために定期的にあるいは所定の時期にスキャナ手段などの光学的印刷結果読み取り手段など利用してその印字ヘッド200による印刷結果からその印字ヘッド200の特性を検査してその検査結果を前記印字ヘッド特性記憶部24のデータと共に、あるいはそのデータに上書きなどして保存するようになっている。なお、この印字ヘッド200の特性は、製造段階である程度固定されてしまい、インク詰まりなどによる吐出不良を除けば製造後に変化することは比較的稀であると考えられている。
次に、補正量情報記憶手段11は、この印字ヘッド特性取得手段10によって取得された印字ヘッド200の飛行曲がりノズルに対応する画素の飛行曲がり量に応じた補正量を予め設定して補正量に関する情報を記憶しておく機能を提供するようになっている。
図9は、この補正量情報記憶手段11に記憶された飛行曲がり量に対応する補正係数を規定した補正値記録テーブル300Cの一例を示したものである。
図の例によれば、飛行曲がり量(μm)が「0μm(検出精度以下)」の場合は、補正対象となる画素に対する補正係数は「0」であるが、飛行曲がり量が「1μm」の場合は、補正対象となる画素に対する補正係数は「0.2」、すなわち、補正対象となる画素の画素値に対して「20%」の画素値の増減が行われることになる。そして、飛行曲がり量が「5μm」の場合は、補正対象となる画素に対する補正係数は「0.8」、飛行曲がり量が「10μm」を超えた場合は、補正対象となる画素に対する補正係数は「1.0」となって、その補正値は飛行曲がり量に比例して増大することになる。
次に、画像データ取得手段12は、この印刷装置100と繋がったパソコン(PC)やプリンタサーバなどの印刷指示装置(図示せず)から送られてくる印刷に供する多値のカラー画像データをネットワークなどを介して取得したり、あるいは図示しないスキャナやCD−ROMドライブなどの画像(データ)読込装置などから直接読み込んで取得する機能を提供するようになっており、さらに取得した多値のカラー画像データが多値のRGBデータ、例えば1画素あたり各色(R、G、B)ごとの階調(輝度値)が8ビット、256階調(0〜255)で表現される画像データであれば、これを色変換処理して前記印字ヘッド200の各インクに対応する多値のCMYK(4色の場合)データに変換する機能も同時に発揮するようになっている。
飛行曲がり画素特定手段14は、この画像データ取得手段12で取得された画像データを構成する各画素のなかから、前記印字ヘッド特性取得手段10で取得された前記印字ヘッド200の特性に基づいて飛行曲がり現象を起こしているノズルに対応する画素を特定する機能を提供するものであり、例えば、図4および図6の例でいえば、飛行曲がり現象を起こしているノズルN6によって形成される各ドットに対応する各々の画素が、この飛行曲がり画素特定手段14によって、いわゆる「飛行曲がり画素」として特定されるようになっている。
画素値補正手段16は、このようにして飛行曲がり画素特定手段14で特定された飛行曲がり現象を起こしている画素の近傍に位置する画素の画素値を、前記補正量情報記憶手段11に記録された補正量情報に基づいて補正する機能を提供するようになっている。
図10〜図13は、飛行曲がり画素に対応するドットの飛行曲がり量とその近傍周囲の画素に対応するドットの位置関係を示したものである。なお、各図の解像度は720dpi(ドット間距離:35μm)であって、各ドットのドット径はいずれも20μmの場合の位置関係を示したものである。
これら各図のうち、図10はいずれのドットも正常な着弾位置に印字された理想的なドットパターンを示したものであるのに対し、図11は中央に位置するドットが図中左側の補正対象画素A側に「1μm」分だけずれて印字されている状態を示したものである。また、図12は同じく中央に位置するドットが図中左側の補正対象画素A側に「5μm」分だけずれて印字されている状態を、また、図13は同じく中央に位置するドットが図中左側の補正対象画素A側に「10μm」分だけずれて印字されている状態をそれぞれ示したものである。
従って、このようなケースでは補正対象画素Aおよび補正対象画素Bのそれぞれの画素値を、飛行曲がり画素の飛行曲がり量に応じた補正値(「0.2」、「0.8」、「1.0」を用いてそれぞれ増減するようになっている。なお、その画素値補正に関する具体例については後述する。
次に、N値化データ生成手段18は、この画素値補正手段16で補正された画像データをN値化してN値の画像データを生成する機能を提供するようになっている。
例えば、前記画素値補正手段16で補正された後の画像データのそれぞれの画素の画素値(濃度または輝度)が8ビット(0〜256階調)で特定されており、これを4値化する場合、3つの閾値を用いてそれぞれの画素の画素値を4つの階調に分類するようになっている。
図7のドット・階調変換テーブル300Aの右欄は、多値の画素値を4値化する場合の閾値とそれぞれの画素値との関係を示したものである。
すなわち、このドット・変換テーブル300Aによれば、多値の画像データのそれぞれの画素の画素値(濃度値)が8ビット、256階調(0〜255)で特定される場合、「42(第1閾値)」、「126(第2閾値)」、「210(第3閾値)」といった3つの閾値を用い、画素値が「0〜42」の場合は、階調値:1(濃度「0」)、画素値が「43〜126」の場合は、階調値:2(濃度「84」)、画素値が「127〜210」の場合は、階調値:3(濃度「168」)、画素値が「211〜255」の場合は、階調値:4(濃度「255」)として4値化されることになる。
そして、印刷データ生成手段20は、このようにして各画素ごとにN値化されたN値化データの各画素ごとに、対応するドットを設定してインクジェット方式の印刷手段22において利用される印刷用データを生成する機能を提供するようになっている。
図7のドット・階調変換テーブル300Aの左欄は、この印刷データ生成手段20で行われるN値化データの各画素の階調値とドットサイズとの関係を示した参照図である。
図の例では、濃度値に関する階調値「1」の場合のドットサイズは「ドットなし」、階調値「2」の場合のドットサイズは、ドットの面積が狭い「小ドット」、階調値「3」の場合のドットサイズは、小ドットよりやや大きい「中ドット」、階調値「4」の場合のドットサイズは、ドットの面積が広い「大ドット」にそれぞれ変換されるようになっている。なお、この画素値として「輝度値」を採用する場合は、この「濃度値」とは逆の関係のドットにそれぞれ変換されるようになっている。
印刷手段22は、印刷媒体(用紙)Sまたは印字ヘッド200の一方、あるいは双方を移動させながら前記印字ヘッド200に形成された前記ノズル群50、52、54、56からインクをそれぞれドット状に噴射して前記印刷媒体S上に多数のドットからなる所定の画像を形成するようにしたインクジェット方式のプリンタであり、前述した印字ヘッド200の他に、この印字ヘッド200を印刷媒体S上をその幅方向に往復移動させる図示しない印字ヘッド送り機構(マルチパス型の場合)、前記印刷媒体Sを移動させるための図示しない紙送り機構、前記印刷用データに基づいて印字ヘッド200のインクの吐出を制御する図示しない印字コントローラ機構などの公知の構成要素から構成されている。
ここで、この印刷装置100は、印刷のための各種制御や前記印字ヘッド特性取得手段10、補正量情報記憶手段11、画像データ取得手段12、飛行曲がり画素特定手段14、画素値補正手段16、N値化データ生成手段18、印刷データ生成手段20、印刷手段22などをソフトウェア上で実現するためのコンピュータシステムを備えており、そのハードウェア構成は、図2に示すように、各種制御や演算処理を担う中央演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)60と、主記憶装置(Main Storage)を構成するRAM(Random Access Memory)62と、読み出し専用の記憶装置であるROM(Read Only Memory)64との間をPCI(Peripheral Component Interconnect)バスやISA(Industrial Standard Architecture)バス等からなる各種内外バス68で接続すると共に、このバス68に入出力インターフェース(I/F)66を介して、HDD(Hard Disk Drive)などの外部記憶装置(Secondary Storage)70や、印刷手段22やCRT、LCDモニター等の出力装置72、操作パネルやマウス、キーボード、スキャナなどの入力装置74、および図示しない印刷指示装置などと通信するためのネットワークLなどを接続したものである。
そして、電源を投入すると、ROM64等に記憶されたBIOS等のシステムプログラムが、ROM64に予め記憶された各種専用のコンピュータプログラム、あるいは、CD−ROMやDVD−ROM、フレキシブルディスク(FD)などの記憶媒体を介して、またはインターネットなどの通信ネットワークLを介して記憶装置70にインストールされた各種専用のコンピュータプログラムを同じくRAM62にロードし、そのRAM62にロードされたプログラムに記述された命令に従ってCPU60が各種リソースを駆使して所定の制御および演算処理を行うことで前述したような各手段の各機能をソフトウェア上で実現できるようになっている。
次に、このような構成をした印刷装置100を用いた印刷処理の流れの一例を図14〜図20のフローチャート図を主に参照しながら説明する。
なお、図14のフローチャート図はこの印刷処理全体の流れを、また、図15〜図20のフローチャート図はこの印刷処理のうち本発明の特徴部分である画素値補正に関する処理の流れの一例をそれぞれ示したものである。また、前述したようにドットを印字するための印字ヘッド200は、一般に4色および6色などといった複数種類の色のドットをほぼ同時に印字できるようになっているが、以下の例では説明を判り易くするためにいずれのドットもいずれか1色(単色)の印刷ヘッド200によって印字されるものとして説明する(モノクロ画像)。
先ず、図14のフローチャート図に示すように、この印刷装置100は、電源投入後、印刷処理のための所定の初期動作が終了したならば、最初のステップS100に移行して、パソコンなどの図示しない印刷指示端末が接続されている場合は、前記画像データ取得手段12がその印刷指示端末から明示的な印刷指示があるかどうかを監視し、印刷指示があったと判断したとき(Yes)は、次のステップS102に移行してその印刷指示端末から印刷指示と共に、印刷対象となる多値の画像データが送られてきたかどうかを判断する。
この結果、例えば所定時間経っても所定の画像データが送られてこないと判断したとき(No)は、そのまま処理を終了することになるが、所定時間内に所定の画像データが送られてきたと判断したとき(Yes)は、次のステップ104に移行し、印字ヘッド特性取得手段10によって図8に示したようなその印刷装置100の印字ヘッド200の印字ヘッド特性情報を取得する。
なお、このとき前記画像データ取得手段12で取得した画像データが多値のRGBデータであるときは、前述したようにこれを所定の変換アルゴリズムに基づいて使用インクに対応した多値のCMYKデータに変換する処理も同時に実施することになる。
このようにして処理対象となる画像データおよび印字ヘッド特性情報をそれぞれ取得したならば、次のステップS106に移行して前記飛行曲がり画素特定手段14によって、前記画像データのなかから、前記印字ヘッド200のなかで飛行曲がり現象を起こしているノズルによってドットが形成される画素を特定し、飛行曲がり画素が特定されたならば、次のステップS108に移行して画素値補正手段16によってその飛行曲がり画素の近傍の画素の画素値を補正する処理を実施する。
そして、このステップS108における画素値補正処理が終了したならば、次のステップS110に移行して従来と同様に補正された画素データをその各画素の画素値に応じてN値化すると共に、ステップS112に移行して各画素ごとにそのN値に応じたドットサイズを割り当てて印刷用データを生成し、生成したデータを印刷手段22の印刷用データとして出力した後、最後にステップS114に移行してこのようにして出力された印刷用データに基づいて印刷手段22によって印刷が実行されることによって処理が終了することになる。
図15〜図20は、このステップS108における画素値補正手段16による画像データの画素値補正処理の流れの一例を示したものである。
先ず、図15は、飛行曲がり現象を起こしている不良ノズルに対応する飛行曲がり画素を特定すると共に、特定されたその画素の画素値(輝度値または濃度値)に基づいてその近傍画素の画素値を補正する処理の流れの一例を示したものである。
図示するように、最初のステップS200およびステップS202において、Y座標(副走査方向)およびX座標(主走査方向)に処理対象となる画素があるか否かを判断し、いずれもあると判断したとき(Yes)は、ステップS204に移行してその画素が飛行曲がりを起こしている不良ノズルに対応する飛行曲がり画素であるか否かを判断する。
この判断処理の結果、飛行曲がり画素ではないと判断したとき(No)は、ステップS202まで戻ることになるが、飛行曲がり画素であると判断したとき(Yes)は、次のステップS206に移行してその画素(i、j)およびその画素値Vを取得した後、次のステップS208に移行してその画素値Vに基づいて補正値を算出する処理を実施する(算出方法については後に詳述)。なお、この図15のフローでは画素ごとに飛行曲がり画素であるか否かを判定しているが、後に詳述するラインヘッド型の印字ヘッド200の場合では、図16に示すように、Y座標(副走査方向を制御する変数)を飛行曲がりラインに限定する処理フローであっても良い(図16のステップS201、ステップS203)。
図17は、この図15(図16)のフローのステップS208における画素値補正対象となる画素を決定する処理の流れの一例を示したものである。
先ず、最初のステップS300から3つめのステップS304までにおいて、それぞれ画素値変数の初期化(densを呼び出し元から受け取る)処理、最長距離制御変数の初期化(D=1)処理、最短距離制御変数の初期化(d=0)処理を行った後、4つめの処理であるステップS306に移行して処理対象となる所定の飛行曲がり画素(以下適宜「注目画素」という)との関係で画素値の補正対象となる画素を探索する。
すなわち、このステップS306では、補正対象画素(m、n)の条件として、(1)画素(i±D、j±D)の範囲内の画素であること、(2)注目画素からの距離が「D」以下であること、(3)距離が「d」より大きいこと、(4)その補正対象画素(m、n)に対して画素値の分配が可能であること、といったすべての条件を満たす最近傍の画素を探索する。なお、この探索の結果、等距離の画素が複数見つかった場合はそれら複数の画素が補正対象候補の画素群として同時に探索される。ただし、この処理における探索条件としては、注目画素に対する補正対象画素の位置関係(注目画素の右側または左側)によって分配される画素値が異なることから、前記(1)の条件の分配範囲は、補正値を注目画素の右側に分配する場合は「i−D、j±D」の範囲内、また、補正値を注目画素の左側に分配する場合は「i+D、j±D」の範囲内となる。
そして、次のステップ308において分配候補画素が見つかった否かを判定し、見つからなかったと判定したとき(No)は、ステップS318側に移行することになるが、分配候補画素が見つかったと判定したとき(Yes)は、次のステップS310側に移行してその分配候補画素に対してその補正値(dens)を分配する。
その後、次のステップS312に移行し、前記ステップS310においてその補正値のすべてが分配できたか否かを判断し、すべての補正値が分配できたと判断したとき(Yes)は、その分配先の画素値を補正して処理を終了することになるが、すべての補正値の分配ができていないと判断したとき(Yes)、すなわち、未だ残留補正値が存在すると判断したときはステップS314側に移行して残りの補正値を算出(元の画素値(dens)−分配先の画素値(dens´))すると共に、次のステップS316に移行してその注目画素からの最短距離制御変数「d」を画素(i、j)と画素(m、n)の距離に設定して残留補正値の分配先の画素を再探索して、その残留補正値がすべてなくなるまで同様な処理を繰り返すことになる。
一方、前記ステップS308において、先のステップS306の条件をすべて満たす分配先画素が見つからなかったとき(No)は、ステップS318に移行して最長距離制御変数「D」を「1」増やして分配先画素を再探索し、ステップS306の条件をすべて満たす画素が見つかるまで同様な処理を繰り返すことになる。
図18は、このステップ310における分配候補画素が見つかった後の補正値分配処理の一例を示したものである
先ず、最初のステップS400において、等距離候補画素を候補画素群としてセットした後、次のステップS402においてその候補画素群にその補正値を均等に分配する(等距離の画素が複数見つかった場合)。その結果、次のステップS404において、分配候補画素群のうち注目画素に対して距離が最も短い画素群の各画素の画素値が飽和したか否かを判断し、飽和していないと判断したとき(No)は、すべての補正値の分配が終了したものとみなして処理を終了することになるが、分配候補画素群の画素のすべての画素値が飽和したと判断したとき(Yes)は、次のステップS406に移行してさらにすべての候補画素の画素値が飽和したか否かを判断する。
この判断処理の結果、すべての分配先候補画素群の画素の画素値が飽和していないと判断したとき(No)は、残留補正値が存在していない、すなわち補正値のすべての分配がし終えたと判断して画素値分配処理を終了することになるが、すべての画素値候補画素の画素値が飽和したと判断したとき(Yes)は、残留補正値が存在していると判断して次のステップS408に移行して飽和量合計を残留補正値に再セットし、その後、次のステップS410に移行して未飽和画素を候補画素群に再セットして前記ステップ402に戻って同様な処理を繰り返すことになる。
図19および図20は、それぞれ処理対象となる注目画素を中心としたユークリッド距離マトリクスの1/4部分(注目画素の右側下部の範囲)を示したものである。なお、各マス目は原画像の各画素に対応し、そのマス目内の数値は図中左上の注目画素(0.0)からそれぞれの画素までのユークリッド距離を示したものである。
図19に示すように、前記ステップS308において、「D=1」のときに最初に注目画素(0.0)の補正値の分配先候補として見つかる近傍画素は、その注目画素から距離「1.0」の画素となるが、ステップS312で「No」側に進む場合は、ステップS314において、densに分配しきれなかった残留画素値がセットされてステップS316で「d」が「1.0」にセットされてステップS308に戻ることになる。
次いで、このステップS308で「No」側に進み、「D=1」のループとしては終了し、次に、図20に示すように「D=2」のループへ進むことになる。
図20に示すように、前記ステップS308において、「D=2」のときに最初に分配先候補として見つかる近傍画素は、距離「1.4」と距離「2.0」の画素となるが、距離「1.0」の画素は、前記ステップS308の(3)の条件により無視される。そして、先ず、このステップS308において最初の補正値分配先候補画素として、最近傍の距離「1.4」の画素が選ばれ、その画素に対して残留補正値が分配されることになるが、その分配先画素の画素値が飽和してそれでもさらに残留補正値がある場合は、前記と同様に移行のステップS312、ステップS314、ステップS316と順に進み、「d=1.4」にセットされて次いで距離「2.0」の画素が次の分配先候補となる。そして、距離「2.0」の画素でも残留補正値が発生する場合は、「D=3、4…」というようにすべての残留補正値がなくなるまでの次のループへ続くことになる。
なお、このとき飛行曲がり画素ライン上の画素を分配先画素としてその画素に対して補正値を分配することも可能であるが、この飛行曲がりライン上の画素は、補正値を分配しても正常に打てないラインであるので、欠陥ラインとして扱い、そこには補正値を分配しないのが適切である。
図21および図22は、前記ステップS108における画素値補正処理の具体例を示したものである。
図21は、前記図10および図11に示すように、解像度が720dpi(ドット径:20μm)で各ドットに対応する画素の画素値(濃度値)がそれぞれ「128(256階調)」であって、中央に位置するドットが、その飛行曲がり画素に対してユークリッド距離が最短である図中左隣の補正対象画素A側に「1μm」分ずれている状態を示したものである。
このような状態における画素値補正処理としては、図22に示すように、飛行曲がりを起こしているドットの左右に仮想的な単位領域A、Bを想定し、その単位面積あたりの画素値(濃度値)を計算する。
そして、図10に示したように各ドットの印字位置が理想的なドットパターンの場合であれば、単位領域A、B内にともに左右のドットがそれぞれ半分ずつ入るのため、単位領域A、B内の濃度値は、「128」/2×2となってそれぞれ「128」となる。
これに対し、図21に示すように飛行曲がり画素の両側の単位領域A、Bにおいては、図22に示すように、それぞれ単位領域Aでは「140.8」、単位領域Bでは「115.2」となり、それらの濃度値は正常な場合に比べて単位領域Aでは「12.8」だけ大きくなり、単位領域Bでは「12.8」だけ小さくなる。
すなわち、図22に示す単位領域A側においては、飛行曲がりドットの左隣に位置する補正対象画素Aに対応するドットの右寄与分(ドットの右側)の濃度値が「64(128/2)」で、飛行曲がりドットの左寄与分(ドットの左側)の濃度値が「76.8(128/2+128/2*0.2(補正係数))」であることから、その合計濃度値は「140.8」となり、正常な濃度値「128」よりも「12.8」だけ濃度値が増加している。
一方、図17に示す単位領域B側においては、飛行曲がりドットの右隣に位置する補正対象画素Bに対応するドットの左寄与分(ドットの左側)の濃度値が「64(128/2)」で、飛行曲がりドットの右寄与分(ドットの右側)の濃度値が「51.5(128/2−128/2*0.2(補正係数))」であることから、その合計濃度値は「115.2」となり、正常な濃度値「128」よりも「12.8」だけ濃度値が減少している。なお、前記各濃度値算出式において用いた補正係数「0.2」は、図10の補正量記録テーブル300Cに基づいて算出されたものであり、この補正量記録テーブル300Cによれば飛行曲がり量が「1μm」の場合に対応する補正係数は「0.2」となっている。
従って、このステップS108における画素値補正処理では、その単位領域A側において「12.8」だけ濃度値が減少するように、「−12.8×2」の濃度値を補正値としてその補正対象画素Aに対して分配すると共に、単位領域B側において「12.8」分だけ濃度値が増加するように、「+12.8×2」の濃度値を補正値としてその補正対象画素Bに対して分配して、それぞれの画素値を補正する。すなわち、この例では、補正対象画素Aの画素値は、「128」から「128+(−12.8×2)=102(102.4)」と補正され、補正対象画素Bの画素値は、「128」から「128+(+12.8×2)=154(153.6)」と補正されることになる。
これによって、単位領域A、Bの濃度がほぼ均一になり、単位領域Aで発生していた濃いスジが解消または殆ど目立たなくなると共に、単位領域Bで発生していた白スジも同時に解消または殆ど目立たなくなってバンディング現象を解消されて、高品質の印刷物を確実に得ることが可能となる。
なお、本実施の形態のように、補正対象画素A、Bのそれぞれの寄与率を考慮してそれら補正対象画素A、Bの画素値を前記単位領域A、Bの濃度値の差の2倍の濃度値で補正するようにしたが、図23に示すように、これに伴ってその補正対象画素A、Bのぞれぞれの両側に位置する画素によって形成される単位領域CおよびDの濃度値も変化することになる。この場合、さらに単位領域CおよびDについてもそれらの濃度値を均一にするような処理を実現しても良いが、その画素値の違いは次々と外側の領域に広がっていって大量の情報処理が必要となってくるため、その差による影響が小さい場合などは無視しても良い。
また、前述したように元の画素値や増減される画素値およびドットサイズの閾値の関係によっては、必ずしも画素値が変化した画素のすべてのドットサイズが変化するものではないことはいうまでもない。
また、本実施の形態では飛行曲がり画素の両隣りの画素の画素値を同時に補正する例で示したが、一方の画素の画素値のみを補正するようにしても良い。例えば、画像の種類やインク色などによって白スジまたは濃いスジの一方のみが目立つようなケースでは、一方の画素の画素値のみを補正するようにすれば、情報処理量が約半分になるため、より高速な印刷処理を実現することが可能となる。
また、前述したように、補正対象画素の画素値を補正した結果、その補正対象画素の画素値が飽和してしまった場合は、前記図17〜図20に示したように、その注目画素に対して次にユークリッド距離が短い分配先画素を探索してそれらの画素に対して順に分配していくことになる。これによって、その画素値が有効に利用されて原画像の階調を維持することができる。
ここで、前記のように1つの印刷物においてドットサイズを打ち分ける技術自体は、従来公知の技術であり、特に印刷速度と印刷画質を高いバランスで実現する印刷物を得る際に多用されている技術である。つまり、ドットサイズを小さくすることによって高画質が得られる一方、ドットサイズを小さくすると機械精度に高度な性能が要求され、また、小さなドットでベタ画像を形成するためには多くのドットを打つ必要がある。そこで、高詳細な画像部分はドットサイズを小さくし、ベタ画像部分はドットサイズを大きくするなどといったドットサイズ打ち分け技術を利用することによって印刷速度と画質を高いバランスで実現するものである。
なお、このようにドットサイズの打ち分けを実現する技術的方法としては、例えば、印字ヘッドにピエゾ素子(piezo actuator)を使用した方式の場合は、そのピエゾ素子に加える電圧を変えてインクの吐出量をコントロールすることで容易に実現可能となっている。
また、本発明および通常の印字ヘッド200によって打ち分けられるドットのサイズとしては、図7に示すように、「大ドット」、「中ドット」、「小ドット」、「ドットなし」の4パターンが一般的であり、その面積比も例えば、サイズ「小」のドットを「1」としたときに、「中」ドットは「2(倍)」、「大」ドットは「3(倍)」となっているが、そのドットサイズの種類は、これに限定されるものでなく、「ドットなし」以外に少なくとも2パターンあれば良く、そのパターンは多いほど好ましい。
また、このステップS110における画素値補正後の画像データのN値化処理に際しては、所定の誤差拡散マトリクスを用いた誤差拡散処理やディザ法などの公知の中間調化技法を併用すれば、さらに優れたバンディング回避効果を得ることができる。
なお、本実施の形態における、印字ヘッド200および印字ヘッド特性取得手段10は、課題を解決するための手段の欄に記載された形態1などの印刷装置における印字ヘッドおよび印字ヘッド取得手段にそれぞれ対応し、画像データ取得手段12は、形態1などの印刷装置における画像データ取得手段に対応する。また、飛行曲がり画素特定手段14、画素値補正手段16、N値化データ生成手段18、印刷データ生成手段20、印刷手段22は、形態1などの印刷装置における飛行曲がり画素特定手段、画素値補正手段、N値化データ生成手段、印刷データ生成手段、印刷手段にそれぞれ対応する。また、本実施の形態における補正量情報記録手段11は、課題を解決するための手段の欄に記載された形態5などの印刷装置における補正量情報記録手段に対応する。
また、本発明の特徴は、既存の印字ヘッド200および印刷手段22そのものには殆ど手を加えることなくその印字ヘッド特性に合わせて画像データの画素値を補正するようにしたものであるため、印字ヘッド200や印刷手段22として特に専用のものを用意する必要はなく、従来から既存のインクジェット方式の印字ヘッド200や印刷手段22(プリンタ)をそのまま活用することができる。
従って、本発明の印刷装置100から印字ヘッド200と印刷手段22とを分離すれば、その機能はパソコンなどの汎用の情報処理装置(画像処理装置)のみで実現することも可能となる。
さらに、N値化データ生成手段18および印刷データ生成手段20を分離して他の情報処理装置で処理し、画素値補正手段16までを1つの情報処理装置で実現するようにしても良い。
また、本発明は飛行曲がり現象のみならず、インクの吐出方向は垂直(正常)であるもののノズルの形成位置が正規の位置よりもずれている結果、形成されるドットが飛行曲がり現象と同じ結果となる場合にも全く同様に適用できることは勿論である。さらにインク詰まりなどにより、特定のノズルからインクが吐出しなくなるような不具合に対しても同様に適用可能である。
また、本発明の印刷装置100は、ラインヘッド型のインクジェットプリンタのみならず、マルチパス型のインクジェットプリンタにも適用可能であり、ラインヘッド型のインクジェットプリンタであれば、飛行曲がり現象などが発生していても白スジや濃いスジが殆ど目立たない高品質の印刷物が1パスで得ることが可能となり、また、マルチパス型のインクジェットプリンタであれば、往復動作回数を減らすことができるため、従来よりも高速印刷が可能となる。例えば、1印刷で所望の画質が実現できる場合、K回の往復印字で印刷していた場合と比較すると、印刷時間を1/Kに短縮できる。
図24は、ラインヘッド型のインクジェットプリンタとマルチパス型のインクジェットプリンタとによるそれぞれの印刷方式を示したものである。
同図(A)に示すように、矩形状の印刷用紙Pの幅方向を画像データの主走査方向、長手方向を画像データの副走査方向とした場合、ラインヘッド型のインクジェットプリンタでは、同図(B)に示すように、印字ヘッド200がその印刷用紙Sの紙幅分の長さを有しており、この印字ヘッド200を固定し、この印字ヘッド200に対して前記印刷用紙Sを副走査方向に移動させることでいわゆる1パス(動作)で印刷を完了するようにしている。なお、いわゆるフラットベット式のスキャナのように印刷用紙Sを固定し、印字ヘッド200側をその副走査方向に移動させたり、あるいは両方をそれぞれ反対方向に移動させながら印刷を行うことも場合も可能である。これに対し、マルチパス型のインクジェットプリンタは、同図(C)に示すように、紙幅分の長さに比べてはるかに短い印字ヘッド200を主走査方向と直交する方向に位置させ、これを主走査方向に何度も往復動させながら印刷用紙Sを所定のピッチずつ副走査方向に移動させることで印刷を実行するようにしている。従って、後者のマルチパス型のインクジェットプリンタの場合は、前者のラインヘッド型のインクジェットプリンタに比べて印刷時間がかかるといった欠点がある反面、任意の箇所に印刷ヘッド200を繰り返し位置させることができることから前述したようなバンディング現象のうち特に白スジ現象の軽減については、ある程度の対応が可能となっている。
また、本実施の形態ではインクをドット状に吐出して印刷を行うインクジェットプリンタを例に説明したが、本発明は、印字機構がライン状に並んだ形態の印字ヘッドを用いた他の印刷装置、例えば熱転写プリンタまたは感熱式プリンタなどと称されるサーマルヘッドプリンタについても適用可能である。
また、図3では、印字ヘッド200の各色ごとに設けられた各ノズル群50、52、54、56は、その印字ヘッド200の長手方向に直線状にノズルNが連続した形態となっているが、図25に示すように、これら各ノズル群50、52、54、56をそれぞれ複数の短尺のノズルユニット50a、50b、…50nで構成し、これを印字ヘッド200の移動方向の前後に配列するように構成しても良い。特に、このように各ノズル群50、52、54、56ごとに複数の短尺のノズルユニット50a、50b、…50nで構成すれば、長尺のノズルユニットで構成する場合に比べて大幅に歩留まりが向上する。
また、前述した本発明の印刷装置100を実現するための、各手段は既存の殆どの印刷装置に組み込まれたコンピュータシステムを用いたソフトウェア上で実現することが可能であり、そのコンピュータプログラムは、予め半導体ROMに記憶させた状態で製品中に組み込んだり、インターネットなどのネットワークを介して配信する他、図26に示すようにCD−ROMやDVD−ROM、FDなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体Rを介することによって所望するユーザなどに対して容易に提供することが可能となる。
本発明に係る印刷装置の実施の形態を示す機能ブロック図である。 本発明に係る印刷装置を実現するコンピュータシステムのハードウェア構成を示すブロック図である。 本発明に係る印字ヘッドの構造を示す部分拡大底面図である。 本発明に係る印字ヘッドの構造を示す部分拡大側面図である。 飛行曲がり現象が発生しない理想的なドットパターンの一例を示す概念図である。 1つのノズルの飛行曲がり現象によって形成されるドットパターンの一例を示す概念図である。 画素値と階調値およびドットサイズとの変換関係を示すドット・階調変換テーブルである。 ノズルと飛行曲がり量との関係を示す飛行曲がり量記録テーブルである。 飛行曲がり量と補正係数との関係を示す補正量情報記録テーブルである。 飛行曲がり現象が発生していない理想的なトッドパターンを示す図である。 飛行曲がり画素に対応するドットが理想的な印字位置から左側に1μmずれた状態を示す図である。 飛行曲がり画素に対応するドットが理想的な印字位置から左側に5μmずれた状態を示す図である。 飛行曲がり画素に対応するドットが理想的な印字位置から左側に10μmずれた状態を示す図である。 本実施の形態に係る印刷処理の流れの一例を示すフローチャート図である。 補正値分配処理の流れの一例を示すフローチャート図である。 補正値分配処理の流れの他の例を示すフローチャート図である。 補正値分配先の画素群を決定するための流れの一例を示すフローチャート図である。 補正値分配処理の具体例を示すフローチャート図である。 注目画素を中心としたユークリッド距離(D=1)マトリクスの1/4部分(注目画素の右側下部分)を示したものである。 注目画素を中心としたユークリッド距離(D=2)マトリクスの1/4部分(注目画素の右側下部分)を示したものである。 飛行曲がり画素に対応するドットが理想的な印字位置から左側に1μmずれた状態を示す図である。 単位領域あたりの濃度の関係を示す飛行曲がり画素に対応するドットが理想的な印字位置から左側に1μmずれた状態を示す図である。 補正対象画素の内外の単位領域関係を示す図である。 マルチパス型のインクジェットプリンタとラインヘッド型のインクジェットプリンタとによる印刷方式の違いを示す説明図である。 印字ヘッドの構造の他の例を示す概念図である。 本発明に係るプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体の一例を示す概念図である。
符号の説明
100…印刷装置、200…印字ヘッド、300A…ドット・階調変換テーブル、300B…飛行曲がり量記録テーブル、300C…補正量情報記録テーブル、10…印字ヘッド特性取得手段、11…補正量情報記憶手段、12…画像データ取得手段、14…飛行曲がり画素特定手段、16…画素値補正手段、18…N値化データ生成手段、20…印刷データ生成手段、22…印刷手段、24…印字ヘッド特性記憶部、26…印字ヘッド特性検出部、60…CPU、62…RAM、64…ROM、66…インターフェース、70…記憶装置、72…出力装置、74…入力装置、50…ブラックノズル群、52…イエローノズル群、54…マゼンタノズル群、56…シアンノズル群、P…画素、S…印刷媒体(用紙)、N…ノズル、R…記録媒体。

Claims (16)

  1. 複数のノズルを備えた印字ヘッドと、
    当該印字ヘッドの特性を取得する印字ヘッド特性取得手段と、
    M値(M≧3)の画像データを取得する画像データ取得手段と、
    当該画像データ取得手段で取得された画像データを構成する各画素のなかから、前記印字ヘッド特性取得手段で取得された前記印字ヘッドの特性に基づいて飛行曲がり現象を起こしているノズルに対応する画素を特定する飛行曲がり画素特定手段と、
    当該飛行曲がり画素特定手段で特定された飛行曲がり画素近傍の画素の画素値を補正する画素値補正手段と、
    当該画素値補正手段で補正された画像データをN値(M>N≧2)化するN値化データ生成手段と、
    当該N値化データ生成手段で生成されたN値化データに基づいて各画素ごとに所定サイズのドットを設定して印刷用のデータを生成する印刷データ生成手段と、
    当該印刷用データ生成手段で生成された印刷用データに基づいて印刷を実行する印刷手段と、を備えたことを特徴とする印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置において、
    前記画素値補正手段は、前記飛行曲がり画素の前記印字ヘッドのノズルの配列方向両隣に位置する画素のうち、前記飛行曲がり画素との距離が短い方の画素を補正対象画素として選択すると共に、当該補正対象画素の画素値を前記飛行曲がり画素の飛行曲がり量に応じて元の画素値よりも小さい画素値に補正するようになっていることを特徴とする印刷装置。
  3. 請求項1に記載の印刷装置において、
    前記画素値補正手段は、前記飛行曲がり画素の前記印字ヘッドのノズルの配列方向両隣に位置する画素のうち、前記飛行曲がり画素との距離が長い方の画素を補正対象画素として選択すると共に、当該補正対象画素の画素値を前記飛行曲がり画素の飛行曲がり量に応じて元の画素値よりも大きい画素値に補正するようになっていることを特徴とする印刷装置。
  4. 請求項1に記載の印刷装置において、
    前記画素値補正手段は、前記飛行曲がり画素の前記印字ヘッドのノズルの配列方向両隣に位置する画素をそれぞれ補正対象画素として選択すると共に、これら補正対象画素のうち、前記飛行曲がり画素との距離が短い方の補正対象画素の画素値をその飛行曲がり量に応じて元の画素値よりも小さい画素値に補正すると共に、前記飛行曲がり現象を起こしている画素との距離が長い方の補正対象画素の画素値をその飛行曲がり量に応じて元の画素値よりも大きい画素値に補正するようになっていることを特徴とする印刷装置。
  5. 請求項1に記載の印刷装置において、
    前記飛行曲がり画素の飛行曲がり量に応じた画素値の補正量を設定した補正量情報記憶手段を備え、
    前記画素値補正手段は、当該補正量情報記憶手段に記録された補正量情報に基づいて前記補正対象画素の画素値を補正するようになっていることを特徴とする印刷装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の印刷装置において、
    前記画素値補正手段は、前記補正対象画素の画素値を前記飛行曲がり量に応じて補正した結果、当該補正対象画素の画素値が飽和したときは、当該補正対象画素の画素近傍の他の画素に残りの画素値を順に分配してその分配先の画素値を補正するようになっていることを特徴とする印刷装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の印刷装置において、
    前記N値化データ生成手段は、前記画素値補正手段によって画素値が補正された画像データをN値(N≧2)化してN値化データを生成するに際して、誤差拡散法またはディザ法を併用するようになっていることを特徴とする印刷装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の印刷装置において、
    前記印字ヘッドは、ラインヘッド型の印字ヘッドであることを特徴とする印刷装置。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の印刷装置において、
    前記印字ヘッドは、マルチパス型の印字ヘッドであることを特徴とする印刷装置。
  10. コンピュータを、
    複数のノズルを備えた印字ヘッドの特性を取得する印字ヘッド特性取得手段と、
    M値(M≧3)の画像データを取得する画像データ取得手段と、
    当該画像データ取得手段で取得された画像データを構成する各画素のなかから、前記印字ヘッド特性取得手段で取得された前記印字ヘッドの特性に基づいて飛行曲がり現象を起こしているノズルに対応する画素を特定する飛行曲がり画素特定手段と、
    当該飛行曲がり画素特定手段で特定された飛行曲がり画素近傍の画素の画素値を補正する画素値補正手段と、
    当該画素値補正手段で補正された画像データをN値(M>N≧2)化するN値化データ生成手段と、
    当該N値化データ生成手段で生成されたN値化データに基づいて各画素ごとに所定サイズのドットを設定して印刷用のデータを生成する印刷データ生成手段と、
    当該印刷用データ生成手段で生成された印刷用データに基づいて印刷を実行する印刷手段と、して機能させることを特徴とする印刷プログラム。
  11. 請求項10に記載の印刷プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  12. 複数のノズルを備えた印字ヘッドの特性を取得する印字ヘッド特性取得ステップと、
    M値(M≧3)の画像データを取得する画像データ取得ステップと、
    当該画像データ取得ステップで取得された画像データを構成する各画素のなかから、前記印字ヘッド特性取得ステップで取得された前記印字ヘッドの特性に基づいて飛行曲がり現象を起こしているノズルに対応する画素を特定する飛行曲がり画素特定ステップと、
    当該飛行曲がり画素特定ステップで特定された飛行曲がり画素近傍の画素の画素値を補正する画素値補正ステップと、
    当該画素値補正ステップで補正された画像データをN値(M>N≧2)化するN値化データ生成ステップと、
    当該N値化データ生成ステップで生成されたN値化データに基づいて各画素ごとに所定サイズのドットを設定して印刷用のデータを生成する印刷データ生成ステップと、
    当該印刷用データ生成ステップで生成された印刷用データに基づいて印刷を実行する印刷ステップと、を含むことを特徴とする印刷方法。
  13. 複数のノズルを備えた印字ヘッドの特性を取得する印字ヘッド特性取得手段と、
    M値(M≧3)の画像データを取得する画像データ取得手段と、
    当該画像データ取得手段で取得された画像データを構成する各画素のなかから、前記印字ヘッド特性取得手段で取得された前記印字ヘッドの特性に基づいて飛行曲がり現象を起こしているノズルに対応する画素を特定する飛行曲がり画素特定手段と、
    当該飛行曲がり画素特定手段で特定された飛行曲がり現象を起こしている画素近傍の画素の画素値を補正する画素値補正手段と、を備えたことを特徴とする画像処理装置。
  14. コンピュータを、
    複数のノズルを備えた印字ヘッドの特性を取得する印字ヘッド特性取得手段と、
    M値(M≧3)の画像データを取得する画像データ取得手段と、
    当該画像データ取得手段で取得された画像データを構成する各画素のなかから、前記印字ヘッド特性取得手段で取得された前記印字ヘッドの特性に基づいて飛行曲がり現象を起こしているノズルに対応する画素を特定する飛行曲がり画素特定手段と、
    当該飛行曲がり画素特定手段で特定された飛行曲がり画素近傍の画素の画素値を補正する画素値補正手段と、して機能させることを特徴とする画像処理プログラム。
  15. 請求項14に記載の画像処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  16. 複数のノズルを備えた印字ヘッドの特性を取得する印字ヘッド特性取得ステップと、
    M値(M≧3)の画像データを取得する画像データ取得ステップと、
    当該画像データ取得ステップで取得された画像データを構成する各画素のなかから、前記印字ヘッド特性取得ステップで取得された前記印字ヘッドの特性に基づいて飛行曲がり現象を起こしているノズルに対応する画素を特定する飛行曲がり画素特定ステップと、
    当該飛行曲がり画素特定ステップで特定された飛行曲がり画素近傍の画素の画素値を補正する画素値補正ステップと、を含むことを特徴とする画像処理方法。
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JP2008114435A (ja) * 2006-11-02 2008-05-22 Fuji Xerox Co Ltd 液滴吐出装置、液滴吐出装置の制御方法及びコンピュータのプログラム
JP2009234053A (ja) * 2008-03-27 2009-10-15 Fujifilm Corp 画像記録装置及び方法並びに画像処理プログラム
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