JP2008168543A - 誤差情報取得装置、誤差情報取得方法および誤差情報取得プログラム - Google Patents

誤差情報取得装置、誤差情報取得方法および誤差情報取得プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】パッチ印刷時の温度の違いが誤差情報の値に影響を与えていた。
【解決手段】印刷装置を使用して所定の画像データに基づいて印刷媒体にパッチを印刷するパッチ印刷手段と、所定の測色手段によって読み取られた上記パッチの測色値を取得する測色値取得手段と、上記パッチの印刷の際の環境温度を取得する温度取得手段と、上記測色値に対し、上記取得された環境温度と所定の基準環境温度との差に応じた補正を行なう測色値補正手段と、上記補正後の測色値に基づいて、上記印刷装置の基準色に対する色ずれの程度を表わした誤差情報を取得する誤差情報取得手段とを備える構成とした。
【選択図】図8

Description

本発明は、印刷装置についての誤差情報を取得する誤差情報取得装置、誤差情報取得方法および誤差情報取得プログラムに関する。
量産される各印刷装置(量産プリンタ)とこれら印刷装置の設計基準となる機体(基準プリンタ)との間にはインクの吐出量に微妙なばらつきが存在し得、かかるばらつきは量産プリンタの印刷結果と基準プリンタの印刷結果(基準色)との間に色ずれを生じさせる。
そこで従来では、量産プリンタ毎に所定のパッチ画像を印刷媒体に印刷させ、当該パッチの色彩値を測色処理により取得し、この測色の結果と当該パッチの予め決められた理想的な色彩値とを比較し、この比較結果に応じて、量産プリンタ毎の上記ばらつきの大きさすなわち色ずれの程度を表す誤差情報(適宜、IDと呼ぶ。)を生成する処理を行なっていた。そして、量産プリンタによる任意の画像の印刷時には、上記IDに応じて印刷画像データを補正することで、色ずれの発生が抑えられた印刷結果を実現していた。
また、印刷時にヘッドドライバ制御部に供給するヘッド駆動電圧について、周囲温度に応じた温度補正係数を掛け合わせて補正するインクジェットプリンタが知られている(特許文献1参照。)。
特開2002‐160352号公報
上述したように、上記IDは量産プリンタのインク吐出量の設計基準からのばらつきを表すものである。しかし、ID生成のために測色対象となる上記パッチの印刷環境が一定でない場合、特に各量プリンタによる上記パッチの印刷時の環境温度が異なる場合には、かかる温度の違いが印刷されるパッチの色に微妙な影響を及ぼすことになる。その結果、パッチの測色結果に応じて生成されるIDの値にも上記印刷環境の違いが反映されてしまい、そのようなIDは上記ばらつきを正確に表した値とは言い難いものであった。
また、上記文献1は、画像印刷時のプリンタの周囲温度に応じてヘッド駆動電圧を補正するものであり、上記IDの生成の基礎となるパッチの印刷環境の違いがIDの値に及ぼす影響を排除するものではなかった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、印刷装置についての誤差情報を生成する際の環境の違いが誤差情報の値に反映されることを影響を排除して、より正確な誤差情報を取得することが可能な誤差情報取得方法、誤差情報取得装置、誤差情報取得プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、誤差情報取得装置は、パッチ印刷手段が印刷装置を使用して所定の画像データに基づいて印刷媒体にパッチを印刷する。そして、測色値取得手段が、所定の測色手段によって読み取られた上記パッチの測色値を取得するとともに、温度取得手段が、上記パッチの印刷の際の環境温度を取得する。測色値補正手段は、上記パッチの測色値に対し、上記取得された環境温度と所定の基準環境温度との差に応じた補正を行なう。そして、誤差情報取得手段は、上記補正後の測色値に基づいて、上記印刷装置の基準色に対する色ずれの程度を表わした誤差情報を生成し取得する。
このように本発明では、印刷装置によるパッチの印刷時の環境温度と上記基準環境温度との差に応じて、当該パッチの測色値を、印刷装置によって基準環境温度下でパッチを印刷していれば得られたと推測される測色値に補正し、この補正後の測色値に基づいて誤差情報を生成する。従って、パッチを印刷した時の実際の環境温度の違いに起因するパッチの色の変化による誤差情報への影響を排除し、上記印刷装置の色ずれの程度を正確に表わした誤差情報を取得することが可能となる。
より具体的には、誤差情報取得装置は、上記基準環境温度において印刷されたパッチの測色値に対する、各環境温度においてそれぞれ印刷されたパッチの測色値のずれに基づく値を規定した測色値ずれ規定テーブルを予め備えている。そして、上記測色値補正手段は、上記取得された環境温度に対応するずれに基づく値を測色値ずれ規定テーブルを参照して特定し、この特定した値に基づいて、パッチの測色値に対する補正を行う。
かかる構成によれば、温度取得手段によって取得した上記環境温度と、測色値ずれ規定テーブルとを参照することにより、上記印刷されたパッチの測色値を補正するための値を一義的に取得でき、補正処理を正確かつ容易に行なうことができる。
ここで、上記印刷装置は一滴あたりのインク量が異なる複数種類のドットを吐出可能である。このように複数種類のドットを吐出する場合には、各種類のドット毎に理想的なインク量との微少なばらつきが存在する可能性があり、その場合、上記誤差情報はドット種類毎に生成するのが好適である。そこで上記印刷手段は、一種類のドットからなるパッチを印刷装置が吐出可能なドット種類毎に印刷し、上記測色値補正手段は、各ドット種類にかかるパッチ毎の測色値に対して補正を行い、上記誤差情報取得手段は、補正後の各測色値に基づいて、ドット種類毎の誤差情報を取得するとしてもよい。この場合、より具体的には、上記測色値ずれ規定テーブルは、印刷装置が吐出可能なドット種類に応じて規定されており、上記測色値補正手段は、上記測色値ずれ規定テーブルに規定されている各ドット種類に応じた値を用いて、各ドット種類にかかるパッチ毎の測色値に対する補正を行なう。
かかる構成とすれば、パッチを印刷した時の実際の環境温度の違いに起因するパッチの色の変化による影響を排除した誤差情報であって、上記印刷装置が吐出可能なドット種類毎の色ずれの程度を正確に表わした誤差情報を取得することが可能となる。
温度取得手段による環境温度の取得方法は種々考えられ、例えば、印刷装置近傍に備えられた温度センサで測定した温度を当該温度センサから直接入力してもよい。
また、印刷装置によって上記パッチを印刷した際の環境温度を正確に取得するための構成として、上記印刷手段は、上記パッチの印刷の際の環境温度を表す画像であって上記測色手段によって読み取り可能な画像を上記パッチとともに印刷媒体に印刷し、上記温度取得手段は、上記測色手段による上記画像の読み取り結果に基づいて環境温度を取得するとしてもよい。つまり印刷手段は、上記パッチを印刷する際に、そのとき上記温度センサ等によって得られた環境温度を表す画像も一緒に印刷しておく。この画像は、その温度を数字で表現した画像であってもよいし、その温度に対応して予め決められている色あるいは濃度のパッチ画像であってもよい。かかる構成とすれば、環境温度を表す画像の読み取り結果から、上記パッチの印刷の際の環境温度を復元できるため、パッチの印刷時期と誤差情報を取得する時期とが離れても、確実に上記パッチを印刷した際の環境温度を把握できる。
また、上記印刷装置は、複数のインク種類に対応した複数の印刷ヘッドを備えている。複数の印刷ヘッドを備える場合には、印刷ヘッド毎にインク吐出性能にばらつきが存在する可能性があり、その場合、上記誤差情報は印刷ヘッド毎に生成するのが好適である。そこで上記印刷手段は、単一の印刷ヘッドから吐出させたドットからなるパッチを印刷装置が備える印刷ヘッド毎に印刷し、上記測色値補正手段は、各印刷ヘッドにかかるパッチ毎の測色値に対して補正を行い、上記誤差情報取得手段は、補正後の各測色値に基づいて、印刷ヘッド毎の誤差情報を取得するとしてもよい。
かかる構成とすれば、パッチを印刷した時の実際の環境温度の違いに起因するパッチの色の変化による影響を排除した誤差情報であって、上記印刷装置が備える印刷ヘッド毎の色ずれの程度を正確に表わした誤差情報を取得することが可能となる。
むろん、上述の各誤差情報取得装置が備える各構成に対応した工程を備える誤差情報取得方法や、各構成に対応した処理をコンピュータに実行させる誤差情報取得プログラムの発明をも把握することが可能である。
さらに、上記のように取得した誤差情報に基づいて、印刷対象の任意の画像を表した画像データを補正する印刷制御装置などの構成をも把握可能である。
下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
(1)誤差情報取得装置の概略構成
(2)ID設定処理
(2‐1)チャートの印刷
(2‐2)測色値の補正およびIDの算出
(2‐3)変形例
(3)まとめ
(4)その他
(1)誤差情報取得装置の概略構成
図1は、本実施形態にかかる誤差情報取得装置に対応するコンピュータ10等を示している。
コンピュータ10では、演算処理の中枢をなすCPU11がシステムバス10aを介してコンピュータ10全体を制御する。バス10aには、ROM12、RAM13、各種インターフェイス(I/F)17a〜17eが接続され、ハードディスクドライブ(HDDRV)15を介してハードディスク(HD)14も接続されている。
HD14にはオペレーティングシステム(OS)やアプリケーションプログラム(APL)等が記憶されており、これらはCPU11によって適宜RAM13に転送され、実行される。また本実施形態では、HD14は、本発明の誤差情報取得プログラムや測色値比規定テーブル14a、ID生成用パッチ画像データ14b、環境温度テーブル14c等の各種情報を記憶している。
I/F17a(例えばUSB I/F)には測色機40が接続されている。測色機40は、測色する対象に色検出部40aを向けることにより、国際照明委員会(CIE)で規定されたL***表色系(以下、「*」は省略)に基づく色彩値L,a,bを測色値として取得可能であり、取得した測色値をコンピュータ10に出力可能である。ここで、Lab色空間はデバイスに依存しない均等色空間である。むろん、測色する色空間は、CIE規定のL***色空間、CIE規定のXYZ色空間、RGB色空間等であってもよい。測色機40は測色手段に該当する。ただし本実施形態における測色手段は、測色機能を持つものであればよく、スキャナ等であってもよい。
I/F17eには温度センサ41が接続されている。温度センサ41は後述のチャートを印刷するプリンタ20が置かれている環境(例えば、プリンタ20を製造する工場内の製造ライン周辺)の温度を測定する機器であり、温度センサ41は測定した温度をコンピュータ10に出力可能である。この意味で、温度センサ41と接続したコンピュータ10は、温度取得手段を構成すると言える。
I/F17bにはカラー画像データに基づいて当該データに対応する画像を表示するディスプレイ18aが接続され、入力I/F17cにはキーボード18bやマウス18cが操作用入力機器として接続され、プリンタI/F17dには例えばシリアルI/Fケーブルを介してプリンタ20が接続される。
プリンタ20はコンピュータ10によって制御される印刷装置であり、後述のID設定処理の対象となる量産プリンタである。プリンタ20は、複数のインク種類(例えば、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)。)にそれぞれ対応するインクカートリッジ28と、何れかのインクカートリッジ28に対応し、その対応するインクカートリッジ28に充填されたインクを吐出する印刷ヘッド29a〜29dを備える。なお、プリンタ20が用いるインクの種類や数は上記のものに限られず、ライトシアン、ライトマゼンタ、ライトブラック、ダークイエロー、レッド、バイオレット、無着色インク等、各種インクを使用できる。また、インク通路内に泡を発生させてインクを吐出するバブル方式のプリンタや、トナーインクを使用して印刷用紙上に画像を印刷するレーザープリンタ等、種々のプリンタを採用可能である。プリンタが使用するインクは、液体でも固体でもよい
プリンタ20では、CPU21、ROM22、RAM23、通信I/O24、コントロールIC25、ASIC26、I/F27等がバス32を介して接続され、CPU21がROM22に書き込まれたプログラムに従って各部を制御する。
印刷ヘッドユニット(印刷ヘッド29a〜29dの集合体)29は、不揮発性半導体メモリ31を備えている。メモリ31には、後述するようにIDが記録される。各カートリッジ28には、例えばRAMからなるメモリチップ28aがそれぞれ設けられており、各メモリチップ28aは電気的にコントロールIC25と接続されている。
通信I/O24はコンピュータ10のプリンタI/F17dと接続され、プリンタ20は通信I/O24を介してコンピュータ10から送信される色別のラスタデータを受信する。ASIC26は、CPU21と所定の信号を送受信しつつヘッド駆動部26aに対してラスタデータに対応する印加電圧データを出力する。ヘッド駆動部26aは、印加電圧データから印刷ヘッド29a〜29dに内蔵されたピエゾ素子への印加電圧パターン(駆動波形)を生成し、印刷ヘッド29a〜29dにインクをドット単位で吐出させる。
I/F27にはキャリッジ機構27aが接続されている。キャリッジ機構27aは、プリンタ20に備えた図示しないガイドレールに沿って不図示のキャリッジを往復動させる駆動装置である。キャリッジには、インクカートリッジ28および印刷ヘッドユニット29が搭載されており、その結果、インクカートリッジ28および印刷ヘッドユニット29がガイドレールに沿って往復動する。また、I/F27には紙送り機構27bが接続されており、紙送り機構27bは、不図示の紙送りローラによって印刷用紙をキャリッジの走査方向と略直交する方向に所定の速度で搬送する。
印刷ヘッド29a〜29dには、夫々に複数個のインクジェットノズルが設けられるとともに、ノズルのそれぞれに対応してピエゾ素子が配置されている。
図2に示すように、ピエゾ素子PEは、ノズルNzまでインクを導くインク通路25bに接する位置に設置され、ピエゾ素子PEの両端に設けられた電極間に所定時間幅の電圧が印加されると、電圧の印加時間だけ伸張し、インク通路25bの一側壁を変形させる。この結果、インク通路25bの体積はピエゾ素子PEの伸張に応じて収縮し、この収縮分に相当するインクがインク滴IpとなってノズルNzの先端から高速に吐出され、印刷用紙に染み込むことによりドットが形成されて印刷が行われる。
同図にはドットサイズ(1ドットあたりのインク量。ドット径でもよい。)の異なる複数種類のドットを形成するための駆動波形Vを示してあり、所定期間の小波形v1,v2の発生の有無によってサイズの異なるドットが形成される。ここで、小波形の電圧差が大きいほどピエゾ素子の伸張収縮の度合が大きくなり、小波形v1のみを発生させた場合、小波形v2のみを発生させた場合、小波形v1,v2の両方を発生させた場合の順に、吐出されるドットのインク量が段階的に多くなる。一例として、プリンタ20は上記駆動波形Vを含めて3パターンの駆動波形を発生可能であり、かつ各駆動波形においては小波形の発生を使い分けることにより大中小3種類のドットを形成できる。そのため、プリンタ20の各印刷ヘッド29a〜29dは、大ドット、中ドット、小ドットをそれぞれ3種類、計9種類(大ドット1〜3,中ドット1〜3,小ドット1〜3)のドットを吐出可能である。コンピュータ10がプリンタ20に送信するラスタデータにはドット種類を識別するための識別情報が付加されており、プリンタ20は、ラスタ毎にドット種類を表現するラスタデータを入力すると、ラスタデータに対応してインク量の異なる複数種類のドットを印刷用紙上に形成する。
コンピュータ10ではOSにプリンタI/F17dを制御するプリンタドライバ等が組み込まれ、各種の制御を実行する。APLは、OSを介してハードウェアとデータ等のやりとりを行う。プリンタドライバは、APLの印刷機能の実行時に稼働され、プリンタI/F17dを介してプリンタ20と双方向の通信を行うことが可能であり、OSを介してAPLから画像データを受け取ってラスタデータに変換し、プリンタ20に送出する。
(2)ID設定処理
図3は、本実施形態のID設定処理を実施するために適したシステムを概略的に示している。同図によれば、コンピュータ10には測色機40と温度センサ41が接続されるとともに、IDの設定対象としたプリンタ20が順次接続される。また、コンピュータ10には、必要に応じて基準プリンタ50が接続される。基準プリンタ50はプリンタ20と同型のプリンタである。
IDは、プリンタ20毎に設定されるものであり、設定対象としたプリンタ20に印刷させたチャートAの測色結果を用いて算出する。算出されたIDはプリンタ20毎に固有の値であり、基準プリンタ50と比較したときのインク吐出量の色ずれを表している。
図4は、コンピュータ10が実行するID設定処理を示したフローチャートである。
当該処理は上記誤差情報取得プログラムに従って実行される。ID設定処理は概略、プリンタ20の環境温度を取得するステップ(S200)と、プリンタ20にチャートAを印刷させるステップ(S210)と、測色機40によるチャートAの測色によって得られた測色値を測色機40から入力するステップ(S220)と、入力した測色値を補正するとともに補正後の測色値に基づいてIDを算出するステップ(S230)と、算出したIDをプリンタ20のメモリ31に記録するステップ(S240)とからなる。各ステップの詳細を以下に説明する。
(2‐1)チャートの印刷
ステップS(以下ではステップの記載を省略。)では、コンピュータ10は、チャートAをプリンタ20に印刷させる前にまず、I/F17eを介して温度センサ41にプリンタ20の環境温度Tを計測させる指示を送るとともに、この計測された環境温度Tを入力する。
S210では、コンピュータ10は、図3に示すようにプリンタ20と接続した状態において、環境温度TとHD14に保存したID生成用パッチ画像データ14bとに基づいてチャートAをプリンタ20に印刷させる制御を行なう。チャートとは、複数の集合画像であり、具体的には、ID生成用パッチ画像データ14bに基づいて印刷されるパッチP1と、環境温度Tを表現したパッチP2(特許請求の範囲に言う、パッチの印刷の際の環境温度を表す画像に該当。)とを含む印刷画像である。
ID生成用パッチ画像データ14bは、それぞれ特定の濃度(インク記録率)に対応した複数のパッチP1を表現した画像データであり、各パッチP1を多数の画素で階調表現(例えば、0〜255の256階調)している。つまり、かかる階調表現がパッチのインク記録率に対応しており、最も簡単な例では、0〜255の階調変化をインク記録率0〜100%の変化に均等に割当てている。なおインク記録率とは、印刷用紙上の単位面積に対するインク被覆部分の比率などによって捉えることができる。
チャートAを印刷する場合、コンピュータ10は、まず上記環境温度Tに対応する階調値を決定し、当該決定した階調値の複数の画素による画像データを生成し、これを温度パッチ画像データとする。次に、ID生成用パッチ画像データ14bをHD14から読み出し、ID生成用パッチ画像データ14bと温度パッチ画像データとを所定のレイアウトによって合成した画像データに対して、所定のハーフトーン処理、ラスタライズ処理を行い、生成されたラスタライズデータをプリンタ20に送出する。その結果、ID生成用パッチ画像データ14bに対応したパッチP1と、温度パッチ画像データに対応したパッチPからなるチャートAをプリンタ20印刷させることが可能となる。
コンピュータ10は、複数の環境温度と各環境温度に対応する階調値との対応関係を規定した環境温度テーブル14cを予めHD14に記憶しており、上記環境温度Tに対応する階調値の決定は、環境温度テーブル14cを用いて行なう。環境温度テーブル14cにおいては、例えば、温度1℃の変化に対して10階調程度の変化を対応させており、所定の温度範囲内の各温度に対応する階調値を一義的に規定している。ここで、環境温度の1℃の変化に対する階調値の変化幅を上記のように大きくすることで、後述するようにパッチP2を測色したときに、測色結果に多少のばらつきがあってもそのパッチP2が表している環境温度を測色値に基づいて確実に捉えることができる。
チャートAの印刷はプリンタ20の各印刷ヘッド29a〜29dから各印刷ヘッドが本来対応している色のインクが吐出される状態で行なっても良いし、全印刷ヘッド29a〜29dから同じ色のインク(一例としてKインク)が吐出される状態で行なっても良い。本実施形態では、作業の効率性やチャートAの印刷に要するコストを考慮し、全印刷ヘッド29a〜29dからKインクが吐出される状態でチャートAを印刷するものとする。
図5は、プリンタ20が印刷用紙に印刷したチャートAの一例を示している。
チャートAは、複数のパッチP1と一つのパッチP2(ただし複数であってもよい。)とを含む。パッチP2は、S200で取得された環境温度Tを表す階調値に対応したインク記録率によって印刷されている。一方、パッチP1は、プリンタ20が使用する各インク種類(各インク種類に対応する印刷ヘッド29a〜29d)と各ドット種類との組合せの数だけ印刷されている。各パッチP1はいずれも、1つの印刷ヘッドから吐出させた1種類のドットによって印刷されている。例えば、左上のパッチP1は、Cインクに対応する印刷ヘッド29aから吐出させた小ドット1のみで印刷されている。本実施形態の場合、パッチP1,P2はいずれもKインクのみの無地のパッチである。
なお、ID生成用パッチ画像データ14bが規定する各パッチP1についてのインク記録率は、その印刷に用いるドット種類に応じて異ならせるとしてもよい。ここで、インク吐出性能にばらつきのあるプリンタ、例えば1ドットあたりのインク量が基準プリンタ50における設定よりも少ない傾向にあるプリンタと多い傾向にあるプリンタとに、共通のインク記録率に基づいて、あるドット種類によってパッチをそれぞれ印刷させた場合、両パッチの測色結果の差(測色結果の変動量)は、上記共通のインク記録率をどの値としたかによって異なる。具体的には、上記変動量が最大となるインク記録率は、インク量の多いドット種類を用いた場合ほど低い値となる。そこで本実施形態では、各ドット種類について上記変動量が最も大きくなるインク記録率というものを予め求め、当該求めた各ドット種類についてのインク記録率をID生成用パッチ画像データ14bが規定する各パッチP1についてのインク記録率としている。その結果、パッチP1を測色した場合にはその測色結果において、プリンタ20固有のインク吐出能力のばらつきがしっかりと表われることとなる。
(2‐2)測色値の補正およびIDの算出
次にS220では、コンピュータ10は、測色機40による上記チャートAの測色によって得られた各パッチの測色値を測色機40から入力する。つまり操作者が測色機40を操作してチャートAの各パッチ(パッチP1およびパッチP2)の測色をさせ、コンピュータ10はこの測色結果をI/F17aを介して取得し、HD14などの記録領域に保存する。
S230では、コンピュータ10は、チャートAの各パッチP1の測色値を、プリンタ20によって印刷されたときの環境温度Tと基準環境温度Tsとの差に応じて補正するとともに、補正後の測色値に基づいてIDを算出する。
測色機40は、各パッチP1の測色値として複数の色成分(L,a,b)を取得可能であるため、コンピュータ10は、複数の色成分の全てを対象に補正し、補正後の全色成分を用いてIDの算出を行なってもよい。しかし本実施形態では、コンピュータ10は、補正およびID算出に要する処理量を軽減するために、測色値として得られた色成分のうち1つの色成分(選択色成分と言う。)を対象に補正を行ない、この補正後の選択色成分に基づいてIDの生成を行なう。
本実施形態では、選択色成分としては、複数の色成分のうちインク記録率の変化に対する変化が最も顕著である成分を用いる。コンピュータ10は、選択色成分の特定をID設定処理よりも前もって行なっておく。具体的には、コンピュータ10は、プリンタ20と同型のプリンタ(基準プリンタ50でもよい。)に、上記チャートAの印刷に用いるインクと同じ種類のインクにて、複数段階のインク記録率(例えば10%刻みで変化させた10〜90%の9段階のインク記録率。)に対応した複数のパッチを印刷用紙に印刷させる。そして、この複数のパッチの測色値を取得するとともに、インク記録率の変化に対する測色値の各色成分(L,a,b)の変化量をそれぞれ求め、最も変化量の大きい色成分を選択色成分として特定し、この選択色成分を示す情報14dをHD14に記録する。なおパッチの印刷にKインクを用いた場合、Kインクはインク記録率の変化に対してL成分は大きく変化するものの、a,b成分は殆ど変化しないという特徴を持っているため、その選択色成分はL成分になる。選択色成分は、チャートAの印刷に用いるインク種類によって異なる。
図6は、S230における処理の詳細を示したフローチャートである。
S231では、コンピュータ10は、パッチP2の測色値に基づいて、チャートAが印刷されたときの環境温度Tを復元する。
図7は、上記環境温度テーブル14cの一例を示している。環境温度テーブル14cは、複数の環境温度と、各環境温度を表すために印刷するパッチP2の画像データとしての階調値との対応関係に加え、各階調値に基づいてパッチP2を印刷したときに得られると推測される測色値(選択色成分)との対応関係も規定している。環境温度テーブル14cでは、測色値は、一つの階調値100に対してL1〜L2というように、ある程度の幅をもって規定されている。従って、パッチP2を測色したときに若干の測色誤差あるいはパッチP2自体の色のばらつきがあってもかかる誤差等が吸収され、パッチP2の測色値に基づいて、そのパッチP2が意味する環境温度を特定できる。
コンピュータ10は、パッチP2の選択色成分の値が環境温度テーブル14cが規定する測色値の各範囲のいずれに含まれるか判断するとともに、含まれている測色値の範囲に対応する環境温度を当該テーブル14cから読み出し、この読み出した環境温度を上記チャートAをプリンタ20で印刷したときの環境温度Tと認定する。
このようにプリンタ20が印刷するチャートAには、チャート印刷時の環境温度Tを表したパッチP2が印刷されているため、チャートAを印刷した時期とこれを測色する時期とに差がある場合や、多数のプリンタ20にそれぞれチャートAを印刷させた場合でも、コンピュータ10はチャートAの測色結果に基づいてそのチャートAが印刷されたときの環境温度を確実に取得できる。
S232では、コンピュータ10は、インク種類(インク種類に対応する印刷ヘッド)とドット種類との組み合わせを一つ選択する。本実施形態では、プリンタ20が使用するインク種類とプリンタ20が吐出可能なドット種類の全組み合わせについてIDを設定するため、まず、IDの設定対象とするインク種類とドット種類との組み合わせを一つ選択する。
S233では、コンピュータ10は、上記選択した組み合わせに対応するパッチP1の測色値のうち選択色成分を取得する。
S234では、上記取得した選択色成分を、S231で復元した環境温度Tと基準環境温度Tsとの差に応じて補正する。具体的には、当該補正はHD14に予め保存してある測色値比規定テーブル14aを参照して行なう。
図8は、測色値比規定テーブル14aと、これを用いて各環境温度Tにかかる選択色成分を補正する様子を示している。
図8の上段には、例として、環境温度T1(20℃)において上記チャートAをプリンタ20で印刷したときの各パッチP1の測色値(選択色成分)と、環境温度T2(30℃)において上記チャートAをプリンタ20で印刷したときの各パッチP1の測色値(選択色成分)を示している。ただし同図では簡単のため、複数のドット種類のうちの一部のドット種類(小ドット1、中ドット1、大ドット1)と、各インク種類に対応する印刷ヘッド29a〜29dとの各組み合わせによって印刷したパッチP1についてのみ、選択色成分を示している。
図8の中段には、測色値比規定テーブル14aの一例を示している。測色値比規定テーブル14aは以下のようにして予め生成しておく。コンピュータ10は、基準環境温度Ts(本実施形態では25℃とする。)の環境下において、上記チャートAの印刷に用いるインクと同じ種類のインク(Kインク)を用いて、プリンタ20と同型のプリンタ(基準プリンタ50でもよい。)に、単一のドット種類によるパッチをドット種類毎に印刷させ、このドット種類毎のパッチの測色値(選択色成分)を取得する。かかる基準環境温度Tsにおいて印刷させたパッチの選択色成分を基準値と呼ぶ。次に、基準環境温度Tsとは異なる複数のテスト用環境温度(例えば、20℃〜24℃、26℃〜30℃の各温度)下において、同じように上記チャートAの印刷に用いるインクと同じ種類のインクにて、プリンタ20と同型のプリンタに単一のドット種類によるパッチをドット種類毎に印刷させ、各パッチの測色値(選択色成分)を取得する。そして、基準値に対する、各テスト用環境温度下で印刷したパッチの選択色成分の比を、ドット種類が共通する値の間で算出し、このように算出した比をドット種類とテスト用環境温度との組み合わせに対応させてテーブルとして記述する。ただし同図では簡単のため、複数のドット種類のうちの一部のドット種類にかかる測色値比のみ示している。
上記基準値に対する、各テスト用環境温度下で印刷したパッチの選択色成分の比は、基準環境温度Tsにおいて印刷されたパッチの測色値に対する、各環境温度においてそれぞれ印刷されたパッチの測色値のずれに基づく値と言えるので、測色値比規定テーブル14aは測色値ずれ規定テーブルの一種と言える。
上記S234では、コンピュータ10は、上記S232で選択したドット種類と上記S231で復元した環境温度Tとの組み合わせに基づいて測色値比規定テーブル14aから一つの比を読み出すとともに、上記S233において取得した選択色成分を、当該読み出した比によって除算し、除算結果を補正後の測色値(選択色成分)とする。つまり、環境温度Tと基準環境温度Tsとの差が、上記読み出した比によって表されていると言える。この結果、ある環境温度Tにおいて印刷したパッチP1の測色値が、基準環境温度TsにおいてパッチP1を印刷していれば得られたと推測される測色値に補正される。
図8の下段では、環境温度T1(20℃)における各パッチP1の測色値(選択色成分)と、環境温度T2(30℃)における各パッチP1の測色値(選択色成分)について、それぞれ測色値比規定テーブル14aを用いて補正した結果を示している。同図によれば、異なる環境温度T1,T2で印刷したパッチP1の測色値が、ほぼ同じ測色値に補正されている。
S235では、コンピュータ10は、上記補正後の選択色成分に基づいてIDを算出する。IDの算出方法は種々考えられる。
一例として、コンピュータ10は、予め上記チャートAの各パッチP1についての理想的な測色値(の選択色成分)というものを取得しておき、かかる理想的な選択色成分の値(設計基準値S0)と上記補正後の選択色成分(実測値SS)とを、印刷ヘッドの種類とドット種類とが共通する値同士で比較し、その差(SS−S0)をIDとすることができる。むろん、かかる差に所定の係数を乗算することもできる。設計基準値S0は、基準環境温度Tsにおいて、ID生成用パッチ画像データ14bに基づいて基準プリンタ50に印刷させた各パッチP1の測色結果から得ることができ、基準色の一種である。
ただし、コンピュータ10は、上記補正後の選択色成分SSの値そのものをIDとしてもよいし、選択色成分SSに所定の係数を掛けた結果をIDとしてもよい。
S236では、コンピュータ10は、インク種類(インク種類に対応する印刷ヘッド)とドット種類との全組み合せについて、IDを算出したか否か判断し、ID未算出の組み合せが存在する場合には、S232のステップに戻り、ID算出対象の組み合せを更新した上で、S232以下の処理を繰り返す。一方、全ての組み合せについてIDを算出し終えた場合には、図4のS240に進む。
S240では、コンピュータ10は、上記のように算出したIDをプリンタ20の印刷ヘッドユニット29のメモリ31に記憶する。その結果、プリンタ20が使用するインク種類に対応する各印刷ヘッドと各印刷ヘッドが吐出可能なドット種類との全組み合せについてのIDの設定処理が完了する。このように図4の処理を実行する点で、コンピュータ10は、パッチ印刷手段と、測色値取得手段と、温度取得手段と、測色値補正手段と、誤差情報取得手段とに該当すると言える。
上記IDは、プリンタ20が印刷ヘッドとドット種類との各組み合せを使用して吐出した各ドットのインク量についての設計基準とのばらつきの程度を表した数値と言える。
なお本実施形態では、選択色成分をL値としているため、IDを上記のように実測値SSと設計基準値S0との差として算出した場合、実測値SSが設計基準値S0より大きいほど、当該IDに対応する印刷ヘッドとドット種類の組み合わせによるインク量は、当該IDに対応する印刷ヘッドとドット種類の組み合わせによる設計基準のインク量よりも少ないことになる。逆に、実測値SSが設計基準値S0より小さいほど、当該IDに対応する印刷ヘッドとドット種類の組み合わせによるインク量は、当該IDに対応する印刷ヘッドとドット種類の組み合わせによる設計基準のインク量よりも多いことになる。
(2‐3)変形例
上記においては、チャートAに温度パッチ画像データに基づくパッチP2を含ませ、これを測色することにより、コンピュータ10がチャートAの印刷時の環境温度を取得するとした。しかし、コンピュータ10がチャートAの印刷時の環境温度を取得する構成はこれに限られない。コンピュータ10が、上記測色機40の代わりに、文字認識機能を備えたスキャナによってチャートAを測色する場合には、コンピュータ10は、プリンタ20に、上記温度センサ41から入力した環境温度Tそのものを表現した数値をパッチP1とともに印刷用紙の所定位置に印刷させるとしてもよい。この場合、印刷用紙に印刷された環境温度Tを示す数値が、特許請求の範囲に言うパッチの印刷の際の環境温度を表す画像に該当する。
かかる構成とした場合、コンピュータ10は、上記S220においてスキャナから上記チャートAの測色結果としてのデータを入力したときに、スキャナが認識した環境温度Tにかかる文字情報も併せて入力し、その結果、チャートA印刷時の環境温度Tを取得することができる。この場合、上記パッチP2の印刷処理やパッチP2の測色結果からの環境温度Tの復元処理は不要となる。
また上記においては、プリンタ20とプリンタ20に対する制御装置としてのコンピュータ10とによる構成を例に説明を行なったが、コンピュータ10が実行する上記各機能をプリンタ20が備え、プリンタ20側においてチャートAの印刷制御処理からID設定処理までを行なうとしてもよい。
(3)まとめ
このように本発明では、プリンタ20の誤差情報としてのIDを設定するに際し、ID算出のために測色対象となるチャートAをプリンタ20に印刷させた際の環境温度と、上記チャートAを印刷する際の基準となる基準環境温度との差に応じた補正を、上記チャートAの測色値に対して行い、この補正後の測色値に基づいてIDを算出するとした。その結果、どのような環境温度下で上記チャートAを印刷した場合であっても、基準環境温度においてチャートAを印刷していれば得られたと推測される測色値を確実に得ることができ、このように取得した測色値に基づいてIDを算出すれば、チャートAを印刷した環境温度の違いの影響を排除した、基準プリンタ50に対するインク吐出量のばらつきの程度を純粋に表わしたIDを取得することができる。
また上記IDは、パッチの測色値のうちインク記録率の変化に対して最も敏感に変化する選択色成分のみに基づいて算出するため、ID算出の際に複雑な計算は不要であるとともに、チャートAを印刷したプリンタ20が有している設計基準に対するインク吐出量のばらつきが確実にIDの値として表われることとなる。
(4)その他
ここで、上記のように設定したIDは、以後、プリンタ20を用いた印刷処理時に画像データの補正に使用される。
プリンタ20にラスタデータを供給する印刷制御装置(例えば、コンピュータ10)側では、上記ハーフトーン処理の前段階において、画像の各画素をプリンタ20が使用するインク種類毎の階調値(CMYK)で表現したインク量データを、インク種類毎かつドット種類毎のインク量データに振分ける処理を行なう。コンピュータ10は、各インク種類の階調値を、インク種類毎に複数のドット種類の階調値に振分けるための、いわゆるドット振分けテーブルというものを備えており、当該ドット振分けテーブルを用いて上記振分け処理を行なう。例えば、プリンタ20に小ドット1と、中ドット1と、大ドット1とによって印刷を実行させる設定としている場合、コンピュータ10は、1つの画素のCインクの記録量を規定した階調値を、小ドット1の階調値C11、中ドット1の階調値C12、大ドット1の階調値C13に振り分ける。かかる振り分けは全画素の全インク種類について行なう。
そこでコンピュータ10は、プリンタI/F17dを介してプリンタ20からIDを読み出し、読み出したIDの大きさに応じて、インク種類とドット種類の組み合わせが一致する上記振分け後の階調値を補正する。一例として、小ドット1のCインクの階調値C11に対する補正を説明する。上述したようにIDを実測値SSと設計基準値S0との差として算出した場合、小ドット1のCインクに対応するIDが正である場合には階調値C11を当該IDの値に応じて増加させる補正を行い、一方、小ドット1のCインクに対応するIDが負である場合には階調値C11を当該IDの値に応じて低下させる補正を行う。
このように、IDに応じた画像データの補正を、プリンタ20のインク種類とドット種類との組み合わせ毎に行なうことで、各組み合せに存在している設計基準とのインク量の差を是正でき、その結果、上記基準プリンタ50に印刷させた画像と比較した場合にほとんど色ずれの無い高品質な印刷画像をプリンタ20から出力することが可能となる。
なお、上記ドット振分けテーブルを用いた振分け後の階調値に対して補正を行うのではなく、ドット振分けテーブルにおける階調値の振り分け規則自体をIDの値に応じて補正するとしてもよい。なお、上述のIDを用いた補正処理を含む、コンピュータ10によるプリンタ20に対する印刷制御処理は、特開2005‐225075において詳しく記述されている。
誤差情報取得装置の概略的ブロック図。 ノズルおよびその内部構造を拡大して示す図。 ID設定処理に適したシステムの概略を示す図。 ID設定処理の内容を示すフローチャート。 チャートの一例を示す図。 ID設定処理の一部の詳細を示すフローチャート。 環境温度テーブルの一例を示す図。 測色値比規定テーブルおよび選択色成分の補正を説明する図。
符号の説明
10…コンピュータ、11…CPU、12…ROM、13…RAM、14…ハードディスク(HD)、14a…測色値比規定テーブル、14b…ID生成用パッチ画像データ、14c…環境温度テーブル、20…プリンタ、29…印刷ヘッドユニット、29a〜29d…印刷ヘッド、31…不揮発性半導体メモリ、40…測色機、41…温度センサ、50…基準プリンタ

Claims (8)

  1. 印刷装置を使用して所定の画像データに基づいて印刷媒体にパッチを印刷するパッチ印刷手段と、
    所定の測色手段によって読み取られた上記パッチの測色値を取得する測色値取得手段と、
    上記パッチの印刷の際の環境温度を取得する温度取得手段と、
    上記測色値に対し、上記取得された環境温度と所定の基準環境温度との差に応じた補正を行なう測色値補正手段と、
    上記補正後の測色値に基づいて、上記印刷装置の基準色に対する色ずれの程度を表わした誤差情報を取得する誤差情報取得手段とを備えることを特徴とする誤差情報取得装置。
  2. 上記基準環境温度において印刷されたパッチの測色値に対する、各環境温度においてそれぞれ印刷されたパッチの測色値のずれに基づく値を規定した測色値ずれ規定テーブルを予め備え、
    上記測色値補正手段は、上記取得された環境温度に対応するずれに基づく値を測色値ずれ規定テーブルを参照して特定するとともに、この特定した値に基づいて測色値の補正を行うことを特徴とする請求項1に記載の誤差情報取得装置。
  3. 上記印刷手段は、一種類のドットからなるパッチを印刷装置が吐出可能なドット種類毎に印刷し、上記測色値補正手段は、各ドット種類にかかるパッチ毎の測色値に対して補正を行い、上記誤差情報取得手段は、補正後の各測色値に基づいて、ドット種類毎の誤差情報を取得することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の誤差情報取得装置。
  4. 上記測色値ずれ規定テーブルは、印刷装置が吐出可能なドット種類に応じて規定され、上記印刷手段は、一種類のドットからなるパッチを上記ドット種類毎に印刷し、上記測色値補正手段は、上記測色値ずれ規定テーブルに規定されている各ドット種類に応じた値を用いて各ドット種類にかかるパッチ毎の測色値に対する補正を行い、上記誤差情報取得手段は、補正後の各測色値に基づいて、ドット種類毎の誤差情報を取得することを特徴とする請求項2に記載の誤差情報取得装置。
  5. 上記印刷手段は、上記パッチの印刷の際の環境温度を表す画像であって上記測色手段によって読み取り可能な画像を上記パッチとともに印刷媒体に印刷し、上記温度取得手段は、上記測色手段による上記画像の読み取り結果に基づいて環境温度を取得することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の誤差情報取得装置。
  6. 上記印刷手段は、単一の印刷ヘッドから吐出させたドットからなるパッチを印刷装置が備える印刷ヘッド毎に印刷し、上記測色値補正手段は、各印刷ヘッドにかかるパッチ毎の測色値に対して補正を行い、上記誤差情報取得手段は、補正後の各測色値に基づいて、印刷ヘッド毎の誤差情報を取得することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の誤差情報取得装置。
  7. 印刷装置を使用して所定の画像データに基づいて印刷媒体にパッチを印刷するパッチ印刷工程と、所定の測色手段によって読み取られた上記パッチの測色値を取得する測色値取得工程と、上記パッチの印刷の際の環境温度を取得する温度取得工程と、上記測色値に対し、上記取得された環境温度と所定の基準環境温度との差に応じた補正を行なう測色値補正工程と、上記補正後の測色値に基づいて、上記印刷装置の基準色に対する色ずれの程度を表わした誤差情報を取得する誤差情報取得工程とを備えることを特徴とする誤差情報取得方法。
  8. 印刷装置に所定の画像データに基づいて印刷媒体にパッチを印刷させるパッチ印刷機能と、所定の測色手段によって読み取られた上記パッチの測色値を取得する測色値取得機能と、上記パッチの印刷の際の環境温度を取得する温度取得機能と、上記測色値に対し、上記取得された環境温度と所定の基準環境温度との差に応じた補正を行なう測色値補正機能と、上記補正後の測色値に基づいて、上記印刷装置の基準色に対する色ずれの程度を表わした誤差情報を取得する誤差情報取得機能とをコンピュータに実行させることを特徴とする誤差情報取得プログラム。
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