JP2011073306A - 誤差取得方法および印刷装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】透明印刷媒体上に付着させるインクの付着量の誤差を精度よく取得する。
【解決手段】標準印刷装置と対象印刷装置により、白インクと黒インクと有彩色インクのそれぞれを単独で透明印刷媒体上に付着させることにより、白パッチと黒パッチと有彩色パッチとを透明印刷媒体上に形成し、前記透明印刷媒体を白色背景に設置した状態で前記黒パッチと前記有彩色パッチを測色し、前記透明印刷媒体を黒色背景に設置した状態で前記白パッチを測色し、前記標準印刷装置により形成した前記白インクと前記黒インクと前記有彩色インクの測色値と、前記対象印刷装置により形成した前記白インクと前記黒インクと前記有彩色インクの測色値との誤差を、前記白インクと前記黒インクと前記有彩色インクの付着量の誤差として取得する。
【選択図】図15
【解決手段】標準印刷装置と対象印刷装置により、白インクと黒インクと有彩色インクのそれぞれを単独で透明印刷媒体上に付着させることにより、白パッチと黒パッチと有彩色パッチとを透明印刷媒体上に形成し、前記透明印刷媒体を白色背景に設置した状態で前記黒パッチと前記有彩色パッチを測色し、前記透明印刷媒体を黒色背景に設置した状態で前記白パッチを測色し、前記標準印刷装置により形成した前記白インクと前記黒インクと前記有彩色インクの測色値と、前記対象印刷装置により形成した前記白インクと前記黒インクと前記有彩色インクの測色値との誤差を、前記白インクと前記黒インクと前記有彩色インクの付着量の誤差として取得する。
【選択図】図15
Description
本発明は、透明印刷媒体上に付着させるインクの付着量の誤差を取得する誤差取得方法、および、該誤差に基づいてインクの付着量を補正する印刷装置に関する。
標準機が付着するインクの付着量と、補正対象の印刷装置が付着するインクの付着量との誤差を取得し、該誤差に基づいて補正対象の印刷装置におけるインクの付着量を補正(キャリブレーション)することが行われている(特許文献1、参照)。特許文献1においては、補正対象の印刷装置によってカラーパッチを形成し、該カラーパッチの測色値に基づいてインクの付着量との誤差を取得している。
しかしながら、透明な印刷媒体上に形成されたカラーパッチを測色する場合には、背景の色が測色値に大きく反映されてしまい、印刷媒体上に付着されたインクの付着量を正確に把握することができないという問題があった。例えば、白い背景の上に白いカラーパッチを設置して測色した場合、インクに由来する測色値の成分が、背景に由来する測色値の成分と混同してしまい、インクがどの程度付着されているかという情報を得ることができない。
本発明は、前記課題にかんがみてなされたもので、透明印刷媒体上に付着させるインクの付着量の誤差を精度よく取得する誤差取得方法、および、該誤差に基づいてインクの付着量を補正する印刷装置に関する。
本発明は、前記課題にかんがみてなされたもので、透明印刷媒体上に付着させるインクの付着量の誤差を精度よく取得する誤差取得方法、および、該誤差に基づいてインクの付着量を補正する印刷装置に関する。
本発明は、標準印刷装置と対象印刷装置とが透明印刷媒体上に付着させる白インクと黒インクと有彩色インクの付着量の誤差を取得するものである。前記目的を達成するため、本発明では、前記標準印刷装置と前記対象印刷装置により、前記白インクと前記黒インクと前記有彩色インクのそれぞれを単独で前記透明印刷媒体上に付着させることにより、白パッチと黒パッチと有彩色パッチとを前記透明印刷媒体上に形成する。そして、前記透明印刷媒体を白色背景に設置した状態で前記黒パッチと前記有彩色パッチを測色する。一方、前記透明印刷媒体を黒色背景に設置した状態で前記白パッチを測色する。前記白パッチと前記黒パッチと前記有彩色パッチは前記透明印刷媒体上に形成されるものであり、前記白パッチと前記黒パッチと前記有彩色パッチにおいてインクが付着していない領域については背景が透過することとなる。従って、測色においては、背景色とインクの色とを合成した色の測色値が取得されることとなる。また、測色値におけるインクの色の寄与率は、インクの付着量(被覆率)に対応することとなる。ここで、背景色とインクの色とが同じ場合には、インクの付着量が測色値に寄与できなくなり、測色値に基づいてインクの付着量の誤差を取得することができなくなる。すなわち、前記白色背景において前記白パッチを測色しても、前記白インクの付着量を評価することができない。そこで、前記白パッチについては前記黒色背景を使用することにより、前記白パッチにおける前記白インクの付着量を評価可能な測色値を得ることとしている。
なお、全体の色が一様な背景を使用する場合には、前記白パッチについて測色する場合と、前記黒パッチと前記有彩色パッチについて測色する場合で、背景を手動または自動で差し替える必要がある。このことは、前記白パッチあと前記黒パッチと前記有彩色パッチとを単一の前記透明印刷媒体に形成した場合でも同様である。これに対して、白色領域と黒色領域を有する背景を用意することにより、背景を切り替えることなく前記白パッチと前記黒パッチと前記有彩色パッチを測色することができる。
上述した誤差取得方法は、ある機器に組み込まれた状態で他の方法とともに実施されることもある等、各種の態様を含む。例えば、誤差取得方法によって取得した誤差に基づいてインクの付着量を補正する色修正方法や、該色修正方法を適用した印刷装置としても本発明が具現化できる。また、前記印刷装置の構成に対応した所定の手順に従って処理を進めていくことも可能であるので、本発明は印刷方法としても適用可能である。さらに、前記印刷装置にて制御プログラムを実行させる場合もあるので、プログラムや、同プログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体としても適用可能であり、同様の作用、効果を有する。
以下、下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
(1)色修正システムの構成および色修正方法の説明:
(2)印刷制御処理:
(3)色修正処理:
(4)測色手順:
(5)変形例:
(1)色修正システムの構成および色修正方法の説明:
(2)印刷制御処理:
(3)色修正処理:
(4)測色手順:
(5)変形例:
(1)色修正システムの構成および色修正方法の説明:
図1は本発明の一実施形態である誤差取得方法を含んだ色修正方法を模式的に示す図であり、図2は本色修正方法を実施するのに適した色修正システムの概略を示すブロック図であり、図3は本実施形態において本発明の色修正装置および印刷制御装置となるパーソナルコンピューター(PC)10、印刷装置(印刷手段)となるカラー印刷可能なインクジェットプリンター20、等から構成された印刷システムを示している。むろん、本発明に用いられるコンピューターは、PCに限定されない。
本色修正システムは、プリンター生産工場で使用されることを前提としてあり、PC10にカラー測色機(測色器)40が接続されるとともに、キャリブレーション対象のプリンター(以下、対象プリンターとも記載)が順次接続されるようになっている。また、適宜、基準とした基準プリンター(基準印刷装置)、印刷媒体上に付着するインク量が比較的少ない第一のプリンター(第一の印刷装置)、この第一のプリンターよりも印刷媒体上に付着するインク量の多い第二のプリンター(第二の印刷装置)が接続されるようになっている。そして、基準プリンターにより印刷媒体上に再現される印刷画像の色を基準色として、対象プリンターのキャリブレーション作業が行われる。本実施例では、印刷媒体を透明フィルムとする。
図1は本発明の一実施形態である誤差取得方法を含んだ色修正方法を模式的に示す図であり、図2は本色修正方法を実施するのに適した色修正システムの概略を示すブロック図であり、図3は本実施形態において本発明の色修正装置および印刷制御装置となるパーソナルコンピューター(PC)10、印刷装置(印刷手段)となるカラー印刷可能なインクジェットプリンター20、等から構成された印刷システムを示している。むろん、本発明に用いられるコンピューターは、PCに限定されない。
本色修正システムは、プリンター生産工場で使用されることを前提としてあり、PC10にカラー測色機(測色器)40が接続されるとともに、キャリブレーション対象のプリンター(以下、対象プリンターとも記載)が順次接続されるようになっている。また、適宜、基準とした基準プリンター(基準印刷装置)、印刷媒体上に付着するインク量が比較的少ない第一のプリンター(第一の印刷装置)、この第一のプリンターよりも印刷媒体上に付着するインク量の多い第二のプリンター(第二の印刷装置)が接続されるようになっている。そして、基準プリンターにより印刷媒体上に再現される印刷画像の色を基準色として、対象プリンターのキャリブレーション作業が行われる。本実施例では、印刷媒体を透明フィルムとする。
PC10では、演算処理の中枢をなすCPU11がシステムバス10aを介してPC全体を制御する。同バス10aには、書き換え不可能な半導体メモリであるROM12、書き換え可能な半導体メモリであるRAM13、各種インターフェース(I/F)17a〜17e等が接続され、ハードディスクドライバー(HDDRV)を介して磁気ディスクであるハードディスク(HDD)14も接続されている。色修正装置を含む印刷システムの場合、RAM13には、一時的に、測色データ13a、特定した選択指標量を表すデータ13b、決定したインク記録量13c、標準ドット量データ13d、等が格納される。
HDD14にはオペレーティングシステム(OS)やアプリケーションプログラム(APL)等が記憶されており、実行時にCPU11によって適宜RAM13に転送され、実行される。本発明の色修正装置を含む印刷システムの場合、HDD14には、本発明の色修正プログラム、記録量データ14a,14b、各種閾値、等が記憶される。I/F17a(例えばUSB I/F)に接続された測色機40は、測色する対象に色検出部40aを向けることにより、CIE(1976)規格におけるLab表色系に基づく複数の色成分L,a,bを色成分量(色彩値)として取得可能であり、取得した色成分量L,a,bをPC10に対して出力可能である。ここで、CIE Lab色空間(所定の色空間)は、複数の色成分L,a,bを色成分量とするデバイスに依存しない均等色空間である。なお、Lは明度(明るさ)を表し、a,bは色相および彩度を表す色座標である。むろん、測色する色空間は、CIE XYZ色空間、CIE Luv色空間、RGB色空間、等であってもよい。
一方、本発明の印刷制御装置を含む印刷システムの場合、HDD14は、本発明の印刷制御プログラム、色変換LUT(色変換テーブル)14c、ドット振り分けテーブル(ドット種類対応データ)14d、プリンターから取得したID14e、一次元のLUTとされた複数の色修正データ14f、各種閾値、等を記憶した記憶領域とされている。この場合、測色機40の代わりにデジタルカメラ等を接続してもよい。
ディスプレーI/F17bにはカラー画像データに基づいて当該データに対応する画像を表示するディスプレー18aが接続され、入力I/F17cにはキーボード18bやマウス18cが操作用入力機器として接続され、プリンターI/F17eには例えばUSBI/Fケーブルを介してプリンター20が接続されている。
一方、本発明の印刷制御装置を含む印刷システムの場合、HDD14は、本発明の印刷制御プログラム、色変換LUT(色変換テーブル)14c、ドット振り分けテーブル(ドット種類対応データ)14d、プリンターから取得したID14e、一次元のLUTとされた複数の色修正データ14f、各種閾値、等を記憶した記憶領域とされている。この場合、測色機40の代わりにデジタルカメラ等を接続してもよい。
ディスプレーI/F17bにはカラー画像データに基づいて当該データに対応する画像を表示するディスプレー18aが接続され、入力I/F17cにはキーボード18bやマウス18cが操作用入力機器として接続され、プリンターI/F17eには例えばUSBI/Fケーブルを介してプリンター20が接続されている。
プリンター20は、CMYKW(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、ホワイト)の各色に対応してそれぞれ設けられた6個のインクカートリッジ28に充填された6色のインクを印刷ヘッドから吐出して、透明フィルム(印刷媒体)にインクを付着させてドットを形成することによりカラー画像を表現した印刷データに対応する印刷画像を印刷する。Wインクは、CMYKインクを付着するための下地を形成するために用いられる。むろん、ブルー、レッド、ライトシアン、ライトマゼンタ、ライトブラック、ダークイエロー、無着色インク、等も使用するプリンターを採用してもよいし、CMYKのいずれかのインクを使用しないプリンターを採用してもよい。また、インク通路内に泡を発生させてインクを吐出するバブル方式のプリンター等、種々の印刷装置を採用可能である。本プリンター20では、CPU21、ROM22、RAM23、通信I/O24、コントロールIC25、ASIC26、I/F27、等がバス20aを介して接続され、CPU21がROM22に書き込まれたプログラムに従って各部を制御する。
キャリッジ機構27aにて主走査方向に往復動するキャリッジには、各インクカートリッジ28が装着されているとともに、印刷ヘッドユニット(印刷ヘッド集合体)29が搭載されている。当該ユニット29は、CMYKWの5種類のインク毎に設けられた印刷ヘッド29a〜29eと不揮発性半導体メモリ31を備えている。このメモリ31は、EEPROM等とすることができ、PC側で印刷データを修正するために用いられるカラー調整ID(誤差情報)31a等が記録されるようになっている。プリンターに組み付けられた各印刷ヘッド29a〜29eは対応する色のインクを吐出して透明フィルム上に付着させることが可能であり、プリンター20はインクの種類毎に対応する印刷ヘッド29a〜29eを用いて透明フィルム上にドットを形成して印刷画像を印刷する。
各カートリッジ28には、例えばRAMからなるメモリチップ28aがそれぞれ設けられており、各メモリチップ28aは電気的にコントロールIC25と接続されている。
各カートリッジ28には、例えばRAMからなるメモリチップ28aがそれぞれ設けられており、各メモリチップ28aは電気的にコントロールIC25と接続されている。
通信I/O24はPC10のプリンターI/F17eと接続され、プリンター20は通信I/O24を介してPC10から送信される色別のラスターデータを受信する。ASIC26は、CPU21と所定の信号を送受信しつつヘッド駆動部26aに対してラスターデータに対応する印加電圧データを出力する。同ヘッド駆動部26aは、同印加電圧データから印刷ヘッド29a〜29eに内蔵されたピエゾ素子への印加電圧パターンを生成し、印刷ヘッド29a〜29eに6色のインクをドット単位で吐出させる。I/F27に接続されたキャリッジ機構27aや紙送り機構27bは、印刷ヘッドユニット29を主走査させたり、適宜改ページ動作を行いながら透明フィルムを順次送り出して副走査を行ったりする。
印刷ヘッド29a〜29eには、各色毎に複数個のインクジェットノズルが設けられるとともに、同ノズルのそれぞれに対応してピエゾ素子が配置されている。
図4に示すように、ピエゾ素子PEは、ノズルNzまでインクを導くインク通路25bに接する位置に設置され、ピエゾ素子PEの両端に設けられた電極間に所定時間幅の電圧が印加されると、電圧の印加時間だけ伸張し、インク通路25bの一側壁を変形させる。この結果、インク通路25bの体積はピエゾ素子PEの伸張に応じて収縮し、この収縮分に相当するインクがインク滴IpとなってノズルNzの先端から高速に吐出され、印刷媒体に付着することによりドットが形成されて印刷が行われる。
図4に示すように、ピエゾ素子PEは、ノズルNzまでインクを導くインク通路25bに接する位置に設置され、ピエゾ素子PEの両端に設けられた電極間に所定時間幅の電圧が印加されると、電圧の印加時間だけ伸張し、インク通路25bの一側壁を変形させる。この結果、インク通路25bの体積はピエゾ素子PEの伸張に応じて収縮し、この収縮分に相当するインクがインク滴IpとなってノズルNzの先端から高速に吐出され、印刷媒体に付着することによりドットが形成されて印刷が行われる。
同図にはインク量の異なる所定数の種類のドットを形成するための駆動波形を示してあり、所定の期間の駆動波形V1,V2によって、インク量の異なるドットが形成される。そして、駆動波形の電圧差が大きいほどピエゾ素子の伸張収縮の度合が大きくなるため、ドットは大きくなる。同図の下段に示すように、本プリンター20は、大まかにはインク量(例えばインク重量。インク体積でもよい)が大中小の3種類のドットを印刷媒体上に形成可能であり、大中小の各ドットはさらにインク量の異なる3種類のドットを印刷媒体上に形成可能である。従って、プリンターは、色毎に同じ印刷ヘッドから異なる複数段階のインク量のインクを吐出し、当該複数段階のインク量に対応する大きさのドットを形成する。PCがプリンターに送信するラスターデータには9種類(所定数)のドットの種類を識別するための識別情報が付加されており、プリンターは識別情報に対応する種類のドットを形成する。そして、ラスター毎にドットの種類を表現するドットデータからなるラスターデータを入力すると、プリンターはラスターデータに対応してインク量の異なる複数種類のドットを印刷媒体上に形成する。
PC10では、OSにプリンターI/F17eを制御するプリンタードライバー等が組み込まれ、各種の制御を実行する。APLは、OSを介してハードウェアとデータ等のやりとりを行う。プリンタードライバーは、APLの印刷機能の実行時に稼働され、プリンターI/F17eを介してプリンター20と双方向の通信を行うことが可能であり、OSを介してAPLから印刷データを受け取ってラスターデータに変換し、プリンター20に送出する。
なお、本発明の色修正プログラムは、OS、APL、OSとAPL、のいずれにより構成してもよい。これらのプログラムを記録した媒体は、HDD14以外にも、CD−ROM、FD16a、半導体メモリ、等でもよい。また、通信I/F17dをインターネット網に接続し、所定のサーバから本発明のプログラムをダウンロードして実行してもよい。
なお、本発明の色修正プログラムは、OS、APL、OSとAPL、のいずれにより構成してもよい。これらのプログラムを記録した媒体は、HDD14以外にも、CD−ROM、FD16a、半導体メモリ、等でもよい。また、通信I/F17dをインターネット網に接続し、所定のサーバから本発明のプログラムをダウンロードして実行してもよい。
図1に示した本実施形態の色修正方法では、工程S1〜S5を順番に実施することによって、カラー画像が表された印刷データを修正することによりカラーパッチ(標準画像)を印刷させた対象プリンターの色補償を行う。
指標量選択工程S1では、まず、基準プリンターをPC10に接続しておいて、インクの色毎かつドットの大きさ毎、すなわち、インクの色およびドット種類の組み合わせ毎に、HDD14に記憶された所定の指標量選択用記録量データ14aに含まれる複数段階のドット記録量(インクの記録量の一種)からドットの記録量を変化させた複数の指標量選択用パッチ(指標量選択用画像)P1を表現する標準ドット量データを生成し、基準プリンターに対して当該標準ドット量データに対応する各指標量選択用パッチP1を印刷媒体上に印刷させる制御をPC10に実行させる。当該標準ドット量データは、インクの色別かつドット種類別に指標量選択用パッチをドットマトリクス状である多数の画素毎の階調データで表現したデータである。標準ドット量データに対して所定のハーフトーン処理、所定のラスターライズ処理を行ってラスターデータを生成し、このラスターデータをプリンターに送出することにより、複数の指標量選択用パッチP1が印刷される。これらのパッチP1は、色毎かつインクの大きさ毎(種類毎)に印刷しておく。各パッチP1は、インクを一種類のみ使用した一次色からなる印刷画像であり、印刷された全体が一様な無地の画像である。すなわち、各パッチP1はそれぞれCMYKWインクを単独で使用して形成したカラーパッチであり、CMYインクで形成したパッチP1は有彩色パッチに相当し、Kインクで形成したパッチP1は黒パッチに相当し、Wインクで形成したパッチP1は白パッチに相当する。ここで、ドットの記録量は、例えば印刷媒体上の単位面積当たりのドット形成数とすることができる。また、ドットの記録量はインクの付着量と同義である。この場合において、インクの記録濃度(インクの記録量の一種)を印刷媒体上の単位面積当たりに付着させたインク重量とすると、ドットの記録量にドット滴の重量を乗じるとインクの記録濃度となる。
次に、測色機40を用いて、印刷媒体に印刷された各指標量選択用パッチP1をLab色空間で測色し、複数の色成分量L,a,b(測色値)からなる測色データを指標量選択用パッチP1毎に取得する。ここで、各色成分量L,a,bは、JIS Z8105にも規定されたCIE(1976)Lab色空間を定義するL量、a量、b量としている。むろん、これらのL量、a量、b量を一次式等で換算して全て同じ所定階調数(例えば256階調)の階調値としてもよい。当該各階調値も複数の色成分量であり、色空間の複数の色成分量を全て同じ階調数の階調値とすることにより対象プリンターについて基準色に対する色再現性がより確実に得られる。
さらに、取得した測色データと複数の指標量選択用パッチP1を印刷させたドットの記録量とに基づいて、同測色データから得られる複数の指標量の中からドットの記録量の変化に対して最も変化の大きい選択指標量を印刷データの修正用の指標量として特定する。本実施形態では、キャリブレーション作業を容易にさせるため、Lab色空間の各色成分量L,a,bをそのまま測色データから得られる複数の指標量としている。むろん、(a2+b2)1/2、(L2+a2+b2)1/2など、複数の色成分量のうち二以上の組み合わせから得られる数量も、測色データから得られる指標量とすることもできる。その際、各指標量を一次式等で換算して全て同じ所定階調数(例えば256階調)の階調値としてもよく、この場合には対象プリンターについて基準色に対する色再現性がより確実に得られる。なお、白パッチと黒パッチについては、彩度成分が含まれないため、色成分量Lが選択されることとなる。
なお、選択指標量として、三以上の指標量の中から、ドット記録量の変化に対して変化の大きい指標量の順に二以上の指標量を特定してもよい。
さらに、取得した測色データと複数の指標量選択用パッチP1を印刷させたドットの記録量とに基づいて、同測色データから得られる複数の指標量の中からドットの記録量の変化に対して最も変化の大きい選択指標量を印刷データの修正用の指標量として特定する。本実施形態では、キャリブレーション作業を容易にさせるため、Lab色空間の各色成分量L,a,bをそのまま測色データから得られる複数の指標量としている。むろん、(a2+b2)1/2、(L2+a2+b2)1/2など、複数の色成分量のうち二以上の組み合わせから得られる数量も、測色データから得られる指標量とすることもできる。その際、各指標量を一次式等で換算して全て同じ所定階調数(例えば256階調)の階調値としてもよく、この場合には対象プリンターについて基準色に対する色再現性がより確実に得られる。なお、白パッチと黒パッチについては、彩度成分が含まれないため、色成分量Lが選択されることとなる。
なお、選択指標量として、三以上の指標量の中から、ドット記録量の変化に対して変化の大きい指標量の順に二以上の指標量を特定してもよい。
図5は、Yの大ドット1について、印刷媒体上の所定面積における画素の全数に対する形成ドット数の比、すなわち、ドットの記録量の相対値であるドット記録量(インクの記録量の一種)を10%刻みで10〜90%の9段階の指標量選択用パッチを透明フィルムに印刷してLab色空間で測色した結果の一例を示している。ここで、横軸はドット記録量(%単位)であり、縦軸はLab色空間を定義するL量、a量、b量である。図の例では、指標量L,a,bの中でドット記録量の変化に対して最も変化の大きいb量を選択指標量とし、印刷データ修正用の色成分量として特定する。
例えば、選択指標量を特定する色およびドット種類において、互いに異なるドット記録量をR1(第一記録量)、R2(第二記録量)、ドット記録量R1の指標量選択用パッチを測色したときの指標量L,a,bをそれぞれL1,a1,b1、ドット記録量R2(R2>R1とする)の指標量選択用パッチを測色したときの指標量L,a,bをそれぞれL2,a2,b2とする。記録量R1,R2の両指標量選択用パッチについての指標量の差異としてΔL=|L2−L1|、Δa=|a2−a1|、Δb=|b2−b1|を算出すると、ΔL,Δa,Δbは、記録量R1,R2の両指標量選択用パッチについての指標量の違いが大きくなるほど大きくなる値となる。そこで、ΔL,Δa,Δbの中から最大の算出値に対応する指標量を選択指標量として特定することができる。なお、変化させたドット記録量の中から最小のドット記録量と最大のドット記録量とを記録量R1,R2にすると、対象プリンターについて基準色に対する良好な色再現性が得られる。
なお、本工程S1を省略して工程S2以下を実施することも可能である。
例えば、選択指標量を特定する色およびドット種類において、互いに異なるドット記録量をR1(第一記録量)、R2(第二記録量)、ドット記録量R1の指標量選択用パッチを測色したときの指標量L,a,bをそれぞれL1,a1,b1、ドット記録量R2(R2>R1とする)の指標量選択用パッチを測色したときの指標量L,a,bをそれぞれL2,a2,b2とする。記録量R1,R2の両指標量選択用パッチについての指標量の差異としてΔL=|L2−L1|、Δa=|a2−a1|、Δb=|b2−b1|を算出すると、ΔL,Δa,Δbは、記録量R1,R2の両指標量選択用パッチについての指標量の違いが大きくなるほど大きくなる値となる。そこで、ΔL,Δa,Δbの中から最大の算出値に対応する指標量を選択指標量として特定することができる。なお、変化させたドット記録量の中から最小のドット記録量と最大のドット記録量とを記録量R1,R2にすると、対象プリンターについて基準色に対する良好な色再現性が得られる。
なお、本工程S1を省略して工程S2以下を実施することも可能である。
選択指標量を特定すると、記録量決定工程S2にて、まず、印刷媒体上に付着するインク量が比較的少ない第一のプリンターと印刷媒体上に付着するインク量が比較的多い第二のプリンターとをPC10に接続しておいて、インクの色毎かつドットの種類毎に、HDDに記憶された所定の記録量決定用記録量データ14bに含まれる複数段階のドット記録量からドットの記録量を変化させた複数の記録量決定用パッチ(記録量決定用画像)P2を第一・第二のプリンターに対して所定の印刷媒体上に印刷させる制御をPC10に実行させる。当該標準ドット量データはインクの色別かつドット種類別に記録量決定用パッチをドットマトリクス状である多数の画素毎の階調データで表現したデータであり、当該複数のパッチP2を印刷させる際には、標準ドット量データに対してハーフトーン処理、ラスターライズ処理を行い、生成されるラスターデータをプリンターに送出すればよい。これらのパッチP2も、色毎かつインクの大きさ毎(種類毎)に印刷しておく。各パッチP2は、インクを一種類のみ使用した一次色からなる印刷画像であり、印刷された全体が一様な無地の画像である。各パッチP2も、それぞれCMYKWインクを単独で使用して形成したカラーパッチであり、CMYインクで形成したパッチP2は有彩色パッチに相当し、Kインクで形成したパッチP2は黒パッチに相当し、Wインクで形成したパッチP2は白パッチに相当する。ここで、吐出するインクの重量が比較的大きい第一の印刷ヘッドを基準プリンターに取り付けると第一のプリンターとすることができ、第一の印刷ヘッドよりも吐出するインクの重量が大きい第二の印刷ヘッドを基準プリンターに取り付けると第二のプリンターとすることができる。
次に、測色機40を用いて、第一のプリンターにて印刷された各記録量決定用パッチP2をLab色空間で測色し、工程S1で選択された選択指標量を記録量決定用パッチP2毎に取得する。ここで取得した選択指標量が、第一の選択指標量(第一の測色データ)である。また、測色機40を用いて、第二のプリンターにて印刷された各記録量決定用パッチP2をLab色空間で測色し、工程S1で選択された選択指標量を記録量決定用パッチP2毎に取得する。ここで取得した選択指標量が、第二の選択指標量(第二の測色データ)である。なお、工程1を省略した場合には、第一・第二のプリンターで印刷された各パッチP2の測色データをそのまま第一・第二の測色データとする。
さらに、第一・第二の測色データと複数の記録量決定用パッチP2を印刷させたドットの記録量とから、選択指標量についてプリンター毎に生じる印刷媒体上に付着するインク量のばらつきによる変動が最も大きい記録量を標準の記録量として決定してRAM13に記憶する。記憶した同記録量13cは、色毎かつドット種類毎に決定され、対象プリンターの色修正を行うために用いる各色修正用パッチP3のドットの記録量とされている。
さらに、第一・第二の測色データと複数の記録量決定用パッチP2を印刷させたドットの記録量とから、選択指標量についてプリンター毎に生じる印刷媒体上に付着するインク量のばらつきによる変動が最も大きい記録量を標準の記録量として決定してRAM13に記憶する。記憶した同記録量13cは、色毎かつドット種類毎に決定され、対象プリンターの色修正を行うために用いる各色修正用パッチP3のドットの記録量とされている。
上述したYの大ドット1については、b量が選択指標量であるので、第一・第二のプリンターで印刷された複数の記録量決定用パッチP2のb量を取得し、取得した各b量とドット記録量とを用いて各色修正用パッチP3のドット記録量を決定することになる。
図6は、Yの大ドット1、中ドット1、小ドット1について、ドット記録量を10%刻みで10〜90%の9段階の記録量決定用パッチを透明フィルムに印刷してLab色空間で測色し、ドット記録量毎に選択指標量(b量)の変動量を求めた結果の一例を示している。ここで、横軸はドット記録量(%単位)であり、縦軸はb量の変動量(Vb)である。図の例では、大ドット1の場合、ドット記録量30%が最も変動量Vbが大きいので、色修正用パッチP3のドット記録量(決定記録量)として30%と決定する。同様にして、中ドット1の場合には色修正用パッチP3のドット記録量として50%と決定し、小ドット1の場合には色修正用パッチP3のドット記録量として90%と決定する。
図6は、Yの大ドット1、中ドット1、小ドット1について、ドット記録量を10%刻みで10〜90%の9段階の記録量決定用パッチを透明フィルムに印刷してLab色空間で測色し、ドット記録量毎に選択指標量(b量)の変動量を求めた結果の一例を示している。ここで、横軸はドット記録量(%単位)であり、縦軸はb量の変動量(Vb)である。図の例では、大ドット1の場合、ドット記録量30%が最も変動量Vbが大きいので、色修正用パッチP3のドット記録量(決定記録量)として30%と決定する。同様にして、中ドット1の場合には色修正用パッチP3のドット記録量として50%と決定し、小ドット1の場合には色修正用パッチP3のドット記録量として90%と決定する。
一般的に、各ドット記録量をRi(iは2以上の整数)、各記録量Riでの第一・第二の選択指標量をそれぞれS1i、S2iとすると、各記録量Riでの選択指標量変動量VSiは、例えばVSi=|S2i−S1i|より算出することができる。そして、複数のVSiの中から最大のVSiに対応するドット記録量Riを、色修正用パッチP3のドット記録量DRとして決定することができる。
なお、各ドット記録量Riでの第一・第二の測色データにおけるL量をそれぞれL1i、L2i、a量をそれぞれa1i、a2i、b量をそれぞれb1i、b2iとし、各記録量Riでの選択指標量変動量VSiを色差、すなわち、VSi={(L2i−L2i)2+(a2i−a2i)2+(b2i−b2i)2}1/2としてもよい。すると、両プリンターで印刷された各パッチP2の色の違いをより正確に求めることができるので、より確実に対象プリンターについて基準色に対する良好な色再現性が得られる。有彩色インクの場合、各記録量Riでの選択指標量変動量VSiを彩度(クロマ)の差、すなわち、VSi={(a2i−a2i)2+(b2i−b2i)2}1/2としてもよい。すると、有彩色インクについて、両プリンターで印刷された各パッチP2の色の違いをより正確に求めることができるので、より確実に対象プリンターについて基準色に対する良好な色再現性が得られる。
むろん、三以上の印刷装置について各ドット記録量Riでの選択指標量を取得し、各記録量Riでの変動量VSiを分散や標準偏差などの統計処理による値としてもよい。
なお、各ドット記録量Riでの第一・第二の測色データにおけるL量をそれぞれL1i、L2i、a量をそれぞれa1i、a2i、b量をそれぞれb1i、b2iとし、各記録量Riでの選択指標量変動量VSiを色差、すなわち、VSi={(L2i−L2i)2+(a2i−a2i)2+(b2i−b2i)2}1/2としてもよい。すると、両プリンターで印刷された各パッチP2の色の違いをより正確に求めることができるので、より確実に対象プリンターについて基準色に対する良好な色再現性が得られる。有彩色インクの場合、各記録量Riでの選択指標量変動量VSiを彩度(クロマ)の差、すなわち、VSi={(a2i−a2i)2+(b2i−b2i)2}1/2としてもよい。すると、有彩色インクについて、両プリンターで印刷された各パッチP2の色の違いをより正確に求めることができるので、より確実に対象プリンターについて基準色に対する良好な色再現性が得られる。
むろん、三以上の印刷装置について各ドット記録量Riでの選択指標量を取得し、各記録量Riでの変動量VSiを分散や標準偏差などの統計処理による値としてもよい。
なお、複数のプリンターについて印刷ヘッドから吐出されるインクの重量(インク量)を計測し、インク重量のばらつきの下限でインクを吐出させるプリンターを第一のプリンターとし、インク重量のばらつきの上限でインクを吐出させるプリンターを第二のプリンターとしてもよい。言い換えると、第一のプリンターはインク重量のばらつきの下限で印刷媒体上にインクを付着させるプリンターであり、第二のプリンターはインク重量のばらつきの上限で印刷媒体上にインクを付着させるプリンターである。すると、選択指標量について印刷媒体への付着インク量のばらつきによる変動が最大となるドット記録量をより確実に決定することができるので、対象プリンターについて基準色に対する色再現性を良好にさせることができる。
色修正用パッチP3のドット記録量を決定すると、標準画像印刷制御工程S3にて、まず、基準プリンターをPC10に接続しておいて、工程S2にて決定された記録量13cから当該記録量の基準カラーパッチ(基準の標準画像)をインクの色毎かつドットの種類毎に表現する標準ドット量データ13dを生成し、基準プリンターに対して当該標準ドット量データ13dに対応する各基準カラーパッチP4を印刷媒体上に印刷させる制御をPC10に実行させる。また、キャリブレーション対象のプリンターをPC10に接続しておいて、同記録量13cから当該記録量のカラーパッチ(標準画像)をインクの色毎かつドットの種類毎に表現する標準ドット量データ13dを生成し、同プリンターに対して当該標準ドット量データ13dに対応する各パッチP3を印刷媒体上に印刷させる制御をPC10に実行させる。標準ドット量データ13dはインクの色別かつドット種類別にカラーパッチをドットマトリクス状である多数の画素毎の階調データで表現したデータであり、当該複数のパッチを印刷させる際には、標準ドット量データに対してハーフトーン処理、ラスターライズ処理を行い、生成されたラスターデータをプリンターに送出すればよい。
図7は、透明フィルム上に複数の色修正用パッチP3を印刷したキャリブレーションシートを示している。なお、同じ種類の透明フィルム上に複数の基準カラーパッチP4を印刷したキャリブレーションシートも同様の構成とされている。各パッチP3は、インクを一種類のみ使用した一次色からなる印刷画像であり、印刷された全体が一様な無地の画像である。各パッチP3も、それぞれCMYKWインクを単独で使用して形成したカラーパッチであり、CMYインクで形成したパッチP3は有彩色パッチに相当し、Kインクで形成したパッチP3は黒パッチに相当し、Wインクで形成したパッチP3は白パッチに相当する。むろん、インクを二種類以上用いた二次色以上からなる印刷画像をカラーパッチや基準カラーパッチとしてもよい。同複数のパッチP3は、インクの色毎、ドットの種類毎に、プリンター毎に生じる印刷媒体上への付着インク量のばらつきによる測色データの変動が最大のドット記録量一種類のみの画像とされている。図の例では、インクの種類数6とドットの種類数9とを乗じた54個のパッチP3が印刷されていることが示されている。各条件について一種類のみのカラーパッチを印刷して対象プリンターの色修正に用いることにより、迅速にキャリブレーション作業を行うことができる。ここで、各パッチP3は、工程S2で決定されたドット記録量で印刷されている。
なお、予め基準プリンターで前記条件の各パッチP4を印刷媒体上に印刷しておけば、工程S3では基準プリンターにカラーパッチを印刷させる工程を省略可能である。各パッチP4も、それぞれCMYKWインクを単独で使用して形成したカラーパッチであり、CMYインクで形成したパッチP4は有彩色パッチに相当し、Kインクで形成したパッチP4は黒パッチに相当し、Wインクで形成したパッチP4は白パッチに相当する。
以上により、工程S3では、インクの色毎かつドット種類毎においてプリンター毎に生じる印刷媒体上に付着するインク量のばらつきによる測色データの変動が最も大きいドット記録量の標準画像を対象プリンターに対して印刷媒体上に印刷させる制御を行う。
以上により、工程S3では、インクの色毎かつドット種類毎においてプリンター毎に生じる印刷媒体上に付着するインク量のばらつきによる測色データの変動が最も大きいドット記録量の標準画像を対象プリンターに対して印刷媒体上に印刷させる制御を行う。
色修正用パッチP3を印刷すると、測色データ取得工程S4にて、まず、基準プリンターから印刷媒体上に印刷された各カラーパッチを測色機40によりLab色空間で測色し、インクの色毎かつドットの種類毎に前記ドット記録量のカラーパッチの測色データを取得する。当該測色データが基準とする測色データである基準測色データである。また、対象プリンターから印刷媒体上に印刷された前記ドット記録量の各色修正用パッチP3を測色機40によりLab色空間で測色し、インクの色毎かつドットの種類毎にパッチP3の測色データを取得する。本実施形態では、測色機40が色成分量L,a,bを全てPCに出力しているので、PCでは各パッチのL量、a量、b量を全て取得するものとして説明するが、L量、a量、b量の中から選択指標量のみを取得してもよい。すると、本色修正方法を行うためのプログラムや装置の構成が簡素化される。
なお、予め基準プリンターから印刷媒体上に印刷された各カラーパッチの測色データを用意しておけば、工程S4では基準プリンターの各パッチP4の測色データを取得する工程を省略可能である。
なお、予め基準プリンターから印刷媒体上に印刷された各カラーパッチの測色データを用意しておけば、工程S4では基準プリンターの各パッチP4の測色データを取得する工程を省略可能である。
カラーパッチの測色データを取得すると、色修正工程S5にて、両パッチP4,P3の測色データをインクの色毎かつドットの種類毎に対比し、当該対比結果が表されたカラー調整ID31aを生成して印刷ヘッドユニットのメモリ31に記憶させる。同メモリ31をPROM等とした場合には、ROMライタ等を用いてID31aをメモリ31に記録すればよい。また、プリンターのROM22にIDを記録してもよい。
両パッチP3,P4の測色データを対比する際、工程S2にて決定されたドット記録量のみのカラーパッチの測色データを用いて対比している。すると、生成されるID31aは、プリンター毎に生じる印刷媒体への付着インク量のばらつきによる測色データの変動が最大のドット記録量のカラーパッチを測色した結果である測色データの対比結果が表された情報となる。むろん、ID31aは、当該測色データの対比結果であるとも言える。図1の例では、選択指標量としてb量が選択されているので、基準カラーパッチP4のb量と色修正用パッチP3のb量とを対比してΔbの値を求め、求めたΔbの値に基づいて対比結果IDが生成されていることが示されている。なお、Δbは本発明のインクの付着量の誤差に相当する。
ここで、基準カラーパッチの選択指標量をS0、カラーパッチの選択指標量をSS、所定の係数をc(c>0)とすると、対比結果IDの値は、例えばID=c・(SS−S0)より算出することができる。(SS−S0)は本発明の誤差に相当する。
両パッチP3,P4の測色データを対比する際、工程S2にて決定されたドット記録量のみのカラーパッチの測色データを用いて対比している。すると、生成されるID31aは、プリンター毎に生じる印刷媒体への付着インク量のばらつきによる測色データの変動が最大のドット記録量のカラーパッチを測色した結果である測色データの対比結果が表された情報となる。むろん、ID31aは、当該測色データの対比結果であるとも言える。図1の例では、選択指標量としてb量が選択されているので、基準カラーパッチP4のb量と色修正用パッチP3のb量とを対比してΔbの値を求め、求めたΔbの値に基づいて対比結果IDが生成されていることが示されている。なお、Δbは本発明のインクの付着量の誤差に相当する。
ここで、基準カラーパッチの選択指標量をS0、カラーパッチの選択指標量をSS、所定の係数をc(c>0)とすると、対比結果IDの値は、例えばID=c・(SS−S0)より算出することができる。(SS−S0)は本発明の誤差に相当する。
図8は、IDを決定する様子を示している。同図の上段は、ドット種類が小ドット1である場合の各色について、各パッチP4,P3を測色して得られる選択指標量S0,SSを示している。小ドット1の場合において、インクがCである場合の選択指標量はL量、Mである場合の選択指標量はa量、Yである場合の選択指標量はb量、K,Wである場合の選択指標量はL量などと、選択指標量は色毎に特定されているので、測色して得られる選択指標量はインクの色に応じた指標量とされている。
両パッチP4,P3での選択指標量S0,SSを色毎かつドットの大きさ毎に取得しておいて、前記式ID=c・(SS−S0)を用いてIDの値を算出する。図の中段は、小ドット1の場合における各色毎のIDの値を示している。ここで、インクの6色全てとドットの9種類全ての全組み合わせ54種類について、IDの値を算出する。全IDの算出値の例を図の下段に示している。
このようにして、色毎かつドットの種類毎のIDを生成することができる。そして、生成した各IDをメモリ31内の所定領域に記録しておく。
なお、工程S4を実施せず、工程S5で印刷媒体への付着インク量のばらつきによる測色データの変動が最も大きいドット記録量のカラーパッチと基準のカラーパッチとを目視により対比してIDを生成することも可能である。その際、インクの色毎かつドット種類毎に、IDの各値に対応させた複数の対比用パッチを基準プリンターに対して印刷媒体上に印刷させ、当該複数の対比用パッチとカラーパッチとを対比して色が最もカラーパッチに近い対比用パッチに対応するIDの値をメモリ31に記録するIDの値とする等により、IDを生成することができる。
両パッチP4,P3での選択指標量S0,SSを色毎かつドットの大きさ毎に取得しておいて、前記式ID=c・(SS−S0)を用いてIDの値を算出する。図の中段は、小ドット1の場合における各色毎のIDの値を示している。ここで、インクの6色全てとドットの9種類全ての全組み合わせ54種類について、IDの値を算出する。全IDの算出値の例を図の下段に示している。
このようにして、色毎かつドットの種類毎のIDを生成することができる。そして、生成した各IDをメモリ31内の所定領域に記録しておく。
なお、工程S4を実施せず、工程S5で印刷媒体への付着インク量のばらつきによる測色データの変動が最も大きいドット記録量のカラーパッチと基準のカラーパッチとを目視により対比してIDを生成することも可能である。その際、インクの色毎かつドット種類毎に、IDの各値に対応させた複数の対比用パッチを基準プリンターに対して印刷媒体上に印刷させ、当該複数の対比用パッチとカラーパッチとを対比して色が最もカラーパッチに近い対比用パッチに対応するIDの値をメモリ31に記録するIDの値とする等により、IDを生成することができる。
IDをメモリ31に記録すると、このメモリ31からID31を読み出し、同ID31を用いることにより、カラー画像が表現された印刷データから対象プリンターにて印刷される印刷画像の色ずれを補償させる印刷データに修正する。これにより、カラーパッチを印刷させたプリンターを色補償するように印刷データを修正することができる。
(2)印刷制御処理:
図9は、ID31aを用いて印刷データを修正し、修正後の印刷データに基づいて印刷制御を行う処理を示すフローチャートである。図10は、その処理を模式的に示す図である。図11は、HDD14に記憶された複数の色修正データ14fの構造を模式的に示す図である。色修正データ14fは、IDの値の各段階毎に当該段階のIDに対応してHDDに格納されている。
まず、PC10は、プリンター20からID31aを取得済みであるか否かを判断する(ステップS105。以下、「ステップ」の記載を省略)。条件成立の場合、プリンターからIDを取得する必要がないと判断してS120に進む。なお、PC10に接続したプリンターを変更した場合も、当該プリンターに対応するIDが無いと判断してS120に進む。
条件不成立の場合、カラー調整IDの入手要求を作成してプリンター20に送信する(S110)。すると、プリンター20は同入手要求を受信し、印刷ヘッドユニットのメモリ31からインクの全6種類とドットの全9種類の全組み合わせ54種類のID31aを読み出してPCに対して送信する。そこで、PCでは、全ID31aを取得し、HDD14に記憶する(S115)。このように、カラー調整IDがプリンターと一体となっているので、本印刷システムのユーザはプリンターを変更しても別途カラー調整IDを入力する必要がない。従って、本印刷制御装置は便利である。
図9は、ID31aを用いて印刷データを修正し、修正後の印刷データに基づいて印刷制御を行う処理を示すフローチャートである。図10は、その処理を模式的に示す図である。図11は、HDD14に記憶された複数の色修正データ14fの構造を模式的に示す図である。色修正データ14fは、IDの値の各段階毎に当該段階のIDに対応してHDDに格納されている。
まず、PC10は、プリンター20からID31aを取得済みであるか否かを判断する(ステップS105。以下、「ステップ」の記載を省略)。条件成立の場合、プリンターからIDを取得する必要がないと判断してS120に進む。なお、PC10に接続したプリンターを変更した場合も、当該プリンターに対応するIDが無いと判断してS120に進む。
条件不成立の場合、カラー調整IDの入手要求を作成してプリンター20に送信する(S110)。すると、プリンター20は同入手要求を受信し、印刷ヘッドユニットのメモリ31からインクの全6種類とドットの全9種類の全組み合わせ54種類のID31aを読み出してPCに対して送信する。そこで、PCでは、全ID31aを取得し、HDD14に記憶する(S115)。このように、カラー調整IDがプリンターと一体となっているので、本印刷システムのユーザはプリンターを変更しても別途カラー調整IDを入力する必要がない。従って、本印刷制御装置は便利である。
S120では、多数(所定数)の画素別とされて複数の要素色に対応した階調データから構成された画像データD1を入力し、画像をRGB(赤、緑、青)毎の複数の画素で階調表現した広域RGB色空間内のRGBデータに変換する。その際、データを部分的に読み込んでもよいし、データの受け渡しに利用されるバッファ領域を表すポインタの受け渡しだけでもよい。入力する画像データD1は、画像をドットマトリクス状である多数の画素毎の階調データで表現したデータであり、sRGB色空間で定義されるRGBから構成された画像データや、YUV表色系におけるYUVから構成された画像データ、等がある。むろん、Exif2.2規格(Exifは社団法人電子情報技術産業協会の登録商標)に準拠したデータ、Print Image Matching(PIM:PIMはセイコーエプソン株式会社の登録商標)に対応したデータ、等でもよい。画像データの各成分も様々な階調数とされているので、sRGBやYUV表色系等の定義に従って、画像データを広域RGB色空間内のRGB各256階調のRGBデータに変換する。同RGBデータは、複数の要素色RGBで画像を表現した印刷データである。
次に、RGBデータを構成する各画素の階調データを変換対象として順次対象画素を移動させながら、色変換LUT14cを参照して、前記RGBデータを、CMYKWインクのそれぞれの使用量に対応した階調データからなるCMYKWデータD2に色変換する(S125)。色変換LUT14cは、前記RGBデータと、画像をCMYKW毎の同数の画素で階調表現したCMYKWデータと、の対応関係を複数の参照点について規定した情報テーブルである。入力したRGBデータに一致するCMYKWデータが色変換LUTに格納されていない場合には、入力したRGBデータに近い複数のRGBデータに対応するCMYKWデータを取得し、体積補間等の補間演算によりRGBデータに対応するCMYKWデータに変換する。CMYKWデータD2は、RGBデータと同じく画像をドットマトリクス状の多数(所定数)の画素毎の階調データで表現した印刷データであり、プリンター20が印刷ヘッドから吐出する各インクの使用量を表すCMYKW各256階調のデータであるとする。
その後、CMYKWデータを構成する各画素の階調データを変換対象として順次対象画素を移動させながら、ドット振り分けテーブル14dを参照することにより、色変換後のCMYKWデータを構成するCMYKW色別の階調データ(入力階調データ)を、インク量の異なる複数種類のドット形成量を同種類別に表すドット量データ(出力階調データ)に変換するドット振り分け処理を行う(S130)。本実施形態では、IDを用いてドット量データ(印刷データ)を修正することにより色ずれを補償する。
その後、CMYKWデータを構成する各画素の階調データを変換対象として順次対象画素を移動させながら、ドット振り分けテーブル14dを参照することにより、色変換後のCMYKWデータを構成するCMYKW色別の階調データ(入力階調データ)を、インク量の異なる複数種類のドット形成量を同種類別に表すドット量データ(出力階調データ)に変換するドット振り分け処理を行う(S130)。本実施形態では、IDを用いてドット量データ(印刷データ)を修正することにより色ずれを補償する。
図12の上段に示したように、ドット振り分けテーブル14dは、プリンターで使用されるインクの使用量を表す入力階調データと、ドットの種類別にドット形成量を表す出力階調データと、の対応関係を規定した情報テーブルである。同テーブル14dは、色毎に設けられ、入力階調値の各階調におけるドット形成量を表す出力階調値がドット種類別に格納されている。図10では、横軸を入力階調値、縦軸を出力階調値の相対値とし、入力階調値に対する小中大の各ドットのドット量データを模式的に示している。本実施形態では、ドットの大きさの設定モードを3種類設けている。そこで、ドット振り分けテーブル14dには、各設定モード1〜3に対応して、小ドット1と中ドット1と大ドット1を形成する際に参照する出力階調データD11と、小ドット2と中ドット2と大ドット2を形成する際に参照する出力階調データD12と、小ドット3と中ドット3と大ドット3を形成する際に参照する出力階調データD13と、を格納している。
ドット振り分け処理では、前記ドット振り分けテーブルを参照してCMYKWデータを構成する階調データを設定モード1〜3に対応する複数種類のドットの使用量に振り分け、図10に示すように、小ドット用のドット量データD3、中ドット用のドット量データD4、大ドット用のドット量データD5を生成する。これらのドット量データD3〜D5も、CMYKWデータと同じく画像をドットマトリクス状の多数(所定数)の画素毎の階調データで表現したデータであり、プリンター20が印刷ヘッドから吐出する各ドットのインク使用量を表すCMYKW各256階調のデータであるとする。
しかしながら、この段階でのドット量データを用いてプリンターに印刷を実行させても、印刷媒体上に印刷される画像の色に微妙な誤差が生じていることがある。これは、各印刷ノズル列から吐出されるインクの重量のずれ、印刷ヘッドをプリンターに組み付けたときに印刷ヘッドに与えられる電圧に微妙なばらつきがある等による。また、この電圧のばらつきや印刷ヘッドの組み付け状態によっては印刷媒体上に形成されるドットが割れるなど略円形とならないことも生じ、その結果として印刷画像の色に微妙なばらつきが生じることがある。そこで、このような色のばらつきを補償させるようにドット量データを修正することにしている。
各ドット量データを生成すると、ドット量データを修正する対象の色およびドット種類を設定する(S135)。例えば、全インクおよび全ドットの54種類に異なる数値を対応させておき、当該数値を格納するポインタの値を順次更新する等により、全54種類の中から対象の対象の色およびドット種類を設定すればよい。次に、設定した色およびドット種類のID14eをHDDから読み出し、HDDに記憶された複数の色修正データ14fの中から当該ID14eの値に対応する色修正データを特定し、当該色修正データを読み出す(S140)。そして、設定した色およびドット種類に対応するドット量データを構成する各画素の階調データを変換対象として順次対象画素を移動させながら、S140で読み出した色修正データを参照することにより、対象画素のドット量データを修正していき、修正後のドット量データD6〜D8を生成する(S145)。
IDが負の値とされている場合、対象プリンターは基準プリンターよりも印刷媒体上での発色の度合が小さくなっているので、図11に示すように、印刷画像の発色の度合を大きくさせるよう、色修正データは全体の傾向として入力階調値よりも出力階調値が大きくされている。そこで、このような色修正データを参照することによって、IDが負値である色およびドット種類のドット量データは、全体の傾向として階調値が大きく修正される。一方、IDが正の値とされている場合、対象プリンターは基準プリンターよりも印刷媒体上での発色の度合が大きくなっているので、同図に示すように、印刷画像の発色の度合を小さくさせるよう、色修正データは全体の傾向として入力階調値よりも出力階調値が小さくされている。そこで、このような色修正データを参照することによって、IDが正値である色およびドット種類のドット量データは、全体の傾向として階調値が小さく修正される。これにより、カラーパッチを印刷させた印刷装置を色補償することができる。
その後、全ての色およびドット種類を設定したか否かを判断し(S150)、条件不成立の場合にはS135〜S150を繰り返し、条件成立の場合にS155に進む。
S155では、ドットの大きさ毎のドット量データに対して誤差拡散法やディザ法や濃度パターン法といった所定のハーフトーン処理を行い、CMYKWデータの画素数と同じ画素数であるCMYKW別のハーフトーンデータを生成する。ハーフトーンデータは、ドットの形成状況をドットの形成有無として表すデータであり、例えば階調値「1」をドット形成有り、階調値「0」をドット形成無しに対応させて二値化した2階調の二値化データとすることができる。むろん、4階調等のデータとしてもよい。
S155では、ドットの大きさ毎のドット量データに対して誤差拡散法やディザ法や濃度パターン法といった所定のハーフトーン処理を行い、CMYKWデータの画素数と同じ画素数であるCMYKW別のハーフトーンデータを生成する。ハーフトーンデータは、ドットの形成状況をドットの形成有無として表すデータであり、例えば階調値「1」をドット形成有り、階調値「0」をドット形成無しに対応させて二値化した2階調の二値化データとすることができる。むろん、4階調等のデータとしてもよい。
また、生成したハーフトーンデータに対して所定のラスターライズ処理を行ってプリンターで使用される順番に並べ替え、CMYKW別のラスターデータを生成し(S160)、プリンター20に対して出力して(S165)、フローを終了する。すると、プリンター20は、画像を表現するラスターデータを入手し、これらのデータに基づいて印刷ヘッドを駆動してインクを吐出して透明フィルム上に付着させ、RGBデータに対応する印刷画像を形成する。ラスターデータは色ずれがCMYKW別に補償されたデータであるので、印刷画像は色ずれが補償された画像となる。ここで、対象プリンターにて実際に印刷媒体上に印刷させたカラーパッチの測色データと基準測色データとの対比結果が表されたカラー調整IDに基づいて同対象プリンターが色補償されるので、印刷ヘッドに与えられる電圧の微妙なばらつき等による印刷画像の色の微妙な誤差は生じない。従って、インク重量の補償のみを行っていた従来よりも印刷画像について基準色に対する色再現性が良好になる。
このようにして、RGBデータを入力し、印刷画像を色補償するようにドット量データに変換し、色補償後の高画質の印刷画像をプリンターに印刷させる制御を行うことができる。なお、ハーフトーン処理を実行可能なプリンターであれば多階調のCMYKWデータをプリンターに送出し、プリンターでドット量データを修正すればよい。
このようにして、RGBデータを入力し、印刷画像を色補償するようにドット量データに変換し、色補償後の高画質の印刷画像をプリンターに印刷させる制御を行うことができる。なお、ハーフトーン処理を実行可能なプリンターであれば多階調のCMYKWデータをプリンターに送出し、プリンターでドット量データを修正すればよい。
(3)色修正処理:
次に、本色修正方法の実施に使用可能な色修正装置が行う処理を説明する。
図13は本色修正装置が行うキャリブレーション処理を示すフローチャートであり、図14はS205のインク記録量決定処理を示すフローチャートである。適宜、図1等を参照して説明する。
次に、本色修正方法の実施に使用可能な色修正装置が行う処理を説明する。
図13は本色修正装置が行うキャリブレーション処理を示すフローチャートであり、図14はS205のインク記録量決定処理を示すフローチャートである。適宜、図1等を参照して説明する。
まず、インク記録量決定処理を開始し、S305にて各色およびドット種類に対応させた数値を格納するポインタの値を更新等することにより、ドット記録量を決定する対象の色およびドット種類を設定する。次に、HDD14に記憶された指標量選択用記録量データ14aを構成する複数段階のドット記録量(例えば、ドット記録量R1=10%、R2=90%)から対応する複数の無地の指標量選択用パッチP1を表現した標準ドット量データを生成し、当該標準ドット量データを用いてドット記録量を異ならせた複数の指標量選択用パッチP1を所定の透明フィルム上に印刷させる(S310)。さらに、印刷された各指標量選択用パッチP1毎の測色データである色成分量L,a,bを測色機40から取得する(S315)。例えば、全パッチの測色操作を終了したことを確認させるボタンをディスプレーに表示し、当該ボタンのマウス操作を受け付けたときに測色機に測色データを出力させる信号を送出して、送出後に測色機から出力される測色データを取得する構成とすることができる。以下も、同様である。そして、上述したようにドット記録量R1,R2の両指標量選択用パッチについての指標量の差異ΔL=|L2−L1|、Δa=|a2−a1|、Δb=|b2−b1|を算出し、各算出値ΔL,Δa,Δbの中から最大の算出値に対応する指標量、すなわち、ドット記録量の変化に対して最も変化の大きい選択指標量を特定し、特定した選択指標量を表すデータ13bを一時的にRAMに記憶する(S320)。
選択指標量を特定すると、HDDに記憶された記録量決定用記録量データ14bを構成する複数段階のドット記録量(例えば、ドット記録量Ri、i=1,2,…,9、R1=10%、R2=20%、…、R9=90%)から対応する複数の無地の記録量決定用パッチP2を表現した標準ドット量データを生成し、付着インク量が比較的少ない第一のプリンターに対して、当該標準ドット量データを用いることによりドット記録量を異ならせた複数の記録量決定用パッチP2を透明フィルム上に印刷させる(S325)。また、付着インク量が比較的多い第二のプリンターに対しても、同じ標準ドット量データを用いることにより同じドット記録量Riの各記録量決定用パッチP2を同じ種類の透明フィルム上に印刷させる(S330)。次に、第一のプリンターにて印刷された各記録量決定用パッチP2の測色データを測色機40から取得し、選択指標量を表すデータ13bに従って第一の選択指標量S1iを取得する(S335)。また、第二のプリンターにて印刷された各記録量決定用パッチP2の測色データを測色機40から取得し、同データ13bに従って第二の選択指標量S2iを取得する(S340)。そして、各ドット記録量Riでの選択指標量変動量VSi=|S2i−S1i|を算出し、算出したVSiのうち中から最大のVSiに対応するドット記録量Ri、すなわち、付着インク量のばらつきによる測色データの変動が最も大きい記録量Riを、設定した色およびドット種類の色修正用パッチP3のドット記録量DRとして決定し、決定したドット記録量13cとしてRAM13に格納する(S345)。
なお、記録量決定用パッチを測色していないドット記録量(Rjとする)についても、多項式近似等により第一・第二の選択指標量(S1j,S2jとする)を推定し、各ドット記録量Rjでの選択指標量変動量VSj=|S2j−S1j|も算出し、算出したVSiとVSjの中から最大の選択指標量変動量に対応するドット記録量を色修正用パッチP3のドット記録量DRとして決定してもよい。すると、きめ細やかにカラーパッチ印刷用のドット記録量が決定されるので、より確実に対象プリンターについて基準色に対する良好な色再現性が得られる。
設定した色およびドット種類のドット量データを修正すると、全ての色およびドット種類を設定したか否かを判断し(S350)、条件不成立の場合にはS305〜S350を繰り返し、条件成立の場合に本処理を終了する。
設定した色およびドット種類のドット量データを修正すると、全ての色およびドット種類を設定したか否かを判断し(S350)、条件不成立の場合にはS305〜S350を繰り返し、条件成立の場合に本処理を終了する。
カラーパッチ印刷用のドット記録量を決定すると、色毎、ドットの種類毎に、インク記録量決定処理で決定したドット記録量13cから対応する複数の無地のカラーパッチを表現した標準ドット量データ13dを生成し、一時的にRAM13に記憶する(S210)。次に、基準プリンターに対して、当該標準ドット量データ13dを用いて、色毎、ドットの種類毎に、対応する複数の基準カラーパッチP4を透明フィルム上に印刷させる(S215)。すると、図7で示したパッチP3と同様の各基準カラーパッチP4が基準プリンターから印刷される。さらに、印刷された各パッチP4の測色データである色成分量L,a,bを測色機40から取得し、一時的にRAMに記憶する(S220)。むろん、選択指標量(S0とする)のみ取得してもよい。
その後、対象プリンターに対して、前記標準ドット量データ13dを用いて、色毎、ドットの種類毎に、対応する複数の色修正用パッチP3を透明フィルム上に印刷させる(S225)。すると、図7で示した各色修正用パッチP3が対象プリンターから印刷される。さらに、印刷された各色修正用パッチP3の測色データである色成分量L,a,bを測色機40から取得し、一時的にRAMに記憶する(S230)。むろん、選択指標量(SSとする)のみ取得してもよい。
その後、対象プリンターに対して、前記標準ドット量データ13dを用いて、色毎、ドットの種類毎に、対応する複数の色修正用パッチP3を透明フィルム上に印刷させる(S225)。すると、図7で示した各色修正用パッチP3が対象プリンターから印刷される。さらに、印刷された各色修正用パッチP3の測色データである色成分量L,a,bを測色機40から取得し、一時的にRAMに記憶する(S230)。むろん、選択指標量(SSとする)のみ取得してもよい。
両パッチP3,P4の測色データを取得すると、選択指標量のみの差(SS−S0)に対応するIDの値c・(SS−S0)を算出し、図8で示したように、インクの全6種類毎、かつ、ドットの全9種類毎にIDを決定する(S235)。当該IDは、プリンター毎に生じる印刷媒体上への付着インク量のばらつきによる測色データの変動が最大のドット記録量のカラーパッチを測色した結果である測色データの対比結果が表された情報となる。そして、決定したIDを対象プリンターにおける印刷ヘッドユニットのメモリ31に記録する(S240)。
最後に、キャリブレーション対象のプリンターが他に有るか否かを判断し(S245)、条件成立の場合にはS225〜S245を繰り返し、条件不成立の場合にフローを終了する。
最後に、キャリブレーション対象のプリンターが他に有るか否かを判断し(S245)、条件成立の場合にはS225〜S245を繰り返し、条件不成立の場合にフローを終了する。
その後、対象プリンターについて図9で示した印刷制御処理を行うと、当該対象プリンターにおける印刷画像を色補償させるようにインクの色毎かつドット種類毎のドット量データ(印刷データ)を修正することができ、修正後の印刷データに対応する印刷画像を印刷媒体上に印刷させる制御を行うことができる。
ここで、修正前のドット量データと修正後のドット量データとの色修正対応関係は、以下のようにして特定することができる。
すなわち、インクの色毎かつドット種類毎においてプリンター毎に生じる印刷媒体上に付着するインク量のばらつきによる測色データの変動が最も大きいドット記録量のカラーパッチを対象プリンターに対して印刷媒体上に印刷させる制御を行い、印刷媒体上に印刷された同変動が最も大きいドット記録量のカラーパッチと基準カラーパッチとを対比して当該対比結果からドット量データを修正して対象プリンターを色補償するためのドット量データの修正前後の色修正対応関係を特定する。カラーパッチと基準カラーパッチとを対比する際には目視により対比してもよいが、印刷媒体上に印刷された同変動が最も大きいドット記録量のカラーパッチをLab色空間のような所定の色空間で測色して同カラーパッチの測色データを取得し、取得した測色データと基準の測色データとを対比して当該対比結果からドット量データの修正前後の色修正対応関係を特定してもよい。
すると、図9で示した印刷制御処理を行うPC10は、前記色修正対応関係でドット量データを修正し、対象プリンターに対して修正後のドット量データに対応する印刷画像を印刷媒体上に印刷させる制御を行う印刷制御装置となる。
ここで、修正前のドット量データと修正後のドット量データとの色修正対応関係は、以下のようにして特定することができる。
すなわち、インクの色毎かつドット種類毎においてプリンター毎に生じる印刷媒体上に付着するインク量のばらつきによる測色データの変動が最も大きいドット記録量のカラーパッチを対象プリンターに対して印刷媒体上に印刷させる制御を行い、印刷媒体上に印刷された同変動が最も大きいドット記録量のカラーパッチと基準カラーパッチとを対比して当該対比結果からドット量データを修正して対象プリンターを色補償するためのドット量データの修正前後の色修正対応関係を特定する。カラーパッチと基準カラーパッチとを対比する際には目視により対比してもよいが、印刷媒体上に印刷された同変動が最も大きいドット記録量のカラーパッチをLab色空間のような所定の色空間で測色して同カラーパッチの測色データを取得し、取得した測色データと基準の測色データとを対比して当該対比結果からドット量データの修正前後の色修正対応関係を特定してもよい。
すると、図9で示した印刷制御処理を行うPC10は、前記色修正対応関係でドット量データを修正し、対象プリンターに対して修正後のドット量データに対応する印刷画像を印刷媒体上に印刷させる制御を行う印刷制御装置となる。
なお、色補償時の修正対象の印刷データは、前記ドット量データ以外にも、ハーフトーンデータ、ラスターデータ等とすることも可能である。これらのデータの場合、IDの値に対応する比率で印刷媒体上に形成するドット数を増減させることにより、印刷画像を色補償可能である。また、ドットの大きさが一種類である場合には、色変換直後のCMYKWデータを修正対象の印刷データとすることが可能である。同CMYKWデータの場合、前記ドット量データに対する修正と同様、IDの値に対応する色修正データを参照して修正することにより、印刷画像を色補償可能である。むろん、色変換前のRGBデータであっても、修正前のRGBデータと修正後のRGBデータとの対応関係を規定した色修正LUTをIDの各値に対応させて用意し、IDの値に対応する色修正LUTを参照してRGBデータを修正することにより、印刷画像を色補償可能である。
また、ドットの大きさが一種類である場合には、ドット記録量以外にも、印刷媒体上の単位面積当たりに付着させたインク重量であるインク記録濃度、印刷媒体上の所定面積における全画素にインクドットを形成させたときのインク重量に対する同面積に印刷媒体上に付着させたインク重量の比、すなわち、インク記録量などをインクの記録量としてもよい。そして、付着インク量のばらつきによる測色データの変動が最大のインク記録量を決定し、当該インク記録量のみのカラーパッチを印刷させ、印刷させた各カラーパッチの測色データを取得し、測色データの対比結果を用いて前記印刷データを修正することにより、プリンターを色補償することができる。
以上説明したように、印刷装置の色ずれを補償する際に印刷媒体への付着インク量のばらつきによる測色データの変動が最大のインク記録量のカラーパッチの測色データと基準測色データとの対比結果を用いて印刷データを修正するので、高精度にて印刷データが修正される。そして、当該変動が最も大きいインク記録量のみのカラーパッチの測色データと基準測色データとの対比結果を用いて印刷データを修正すればよいので、印刷装置のキャリブレーション作業を迅速にさせることが可能となる。また、測色の基準とした色空間での複数の色成分量の中からインク記録量の変化に対して最も変化の大きい選択指標量の対比結果を用いて印刷データを修正するので、この点でもキャリブレーション作業を迅速化させることができる。さらに、所定の色空間における複数の色成分量の中から最も変化の大きい色成分量のみの対比結果を用いて印刷データを修正すればよいので、キャリブレーション作業の際に複雑な計算は不要である。
また、印刷媒体上に印刷された標準画像を測色して得られる測色データを用いて印刷データを修正するので、印刷ヘッドに与えられる電圧の微妙なばらつき等による印刷画像の色の微妙な誤差は生じず、対象印刷装置について基準色に対する色再現性を向上させることが可能である。さらに、前記変動が最も大きいインク記録量のカラーパッチの選択指標量の対比結果を用いるので、この点でも対象印刷装置について基準色に対する色再現性を良好にさせることが可能となる。
また、印刷媒体上に印刷された標準画像を測色して得られる測色データを用いて印刷データを修正するので、印刷ヘッドに与えられる電圧の微妙なばらつき等による印刷画像の色の微妙な誤差は生じず、対象印刷装置について基準色に対する色再現性を向上させることが可能である。さらに、前記変動が最も大きいインク記録量のカラーパッチの選択指標量の対比結果を用いるので、この点でも対象印刷装置について基準色に対する色再現性を良好にさせることが可能となる。
(4)測色手順:
以上説明したように、キャリブレーション処理におけるステップS230,S315,S335,S340においては、各パッチP1〜P4の測色データの取得が行われる。すなわち、各パッチP1〜P4が測色機40によって測色されることとなる。ここでは、各パッチP1〜P4の測色手順を、色修正用パッチP3を測色する手順を例にして説明する。色修正用パッチP3が配置されたキャリブレーションシートは図7に示したとおりである。
以上説明したように、キャリブレーション処理におけるステップS230,S315,S335,S340においては、各パッチP1〜P4の測色データの取得が行われる。すなわち、各パッチP1〜P4が測色機40によって測色されることとなる。ここでは、各パッチP1〜P4の測色手順を、色修正用パッチP3を測色する手順を例にして説明する。色修正用パッチP3が配置されたキャリブレーションシートは図7に示したとおりである。
図15は、色修正用パッチP3の測色手順を示すフローチャートである。ステップM1において、キャリブレーションシート(透明フィルム)を白色背景WB上に載置する。白色背景WBは、例えば紙、樹脂、木材、セラミック、金属等で形成されたシート(板)によって構成されており、L≒90,a≒0,b≒0の白色を示す。測色機40と白色背景WBとの間にキャリブレーションシートがセットされる。そして、ステップM2においてはCインクのパッチP3を順に測色していき、ステップM3においては、MインクのパッチP3のパッチP3を順に測色していく。さらに、ステップM4においては、YインクのパッチP3を順に測色していき、ステップM5においては、KインクのパッチP3を順に測色していく。
図16Aは、ステップM2〜M4において、CインクのパッチP3(有彩色パッチ)を測色する際の光の状態を示す模式図である。透明フィルムにおいて、ドットの記録量に応じた数のCインクのインクドットが形成された領域と、該インクドットが形成されない領域とが、ドット記録量にほぼ対応した面積比で形成されている。測色機40と白色背景WBとの間にキャリブレーションシートがセットされればよく、インクドットの形成面が白色背景WB側にあっても測色機40側にあってもよい。測色機40が測色光源を照射すると、Cインクの分光吸光特性に応じた波長成分がCインクの分光吸光率に応じた割合だけインクドットによって吸光され、白色背景WBに到達する。白色背景WBに到達したの各波長成分はほぼ一様に反射し、再度インクドットによって該反射光の一部が吸光されることとなる。一方、インクドットが形成されていない領域においては、光源からの光が直接白色背景WBに到達し、ほぼすべて反射することとなる。これらの反射光の合成光を測色機40のセンサーによって検知し、色成分量L,a,bに変換して出力する。全体の吸光量はドットの記録量(インクの付着量)に対応するため、ドットの記録量が異なるパッチP3から得られる色成分量L,a,bは異なるもののとなる。換言すると、色成分量L,a,bによって各パッチP3におけるインクの付着量を間接的に取得されていることとなる。
図16Bは、ステップM5において、KインクのパッチP3(黒パッチ)を測色する際の光の状態を示す模式図である。KインクのパッチP3の測色においても、有彩色パッチを測色する場合と同様に、白色背景WBにおける反射光の残存成分に基づいて色成分量L,a,bが得られる。ただし、Kインクのインクドットにおいては、各波長成分が偏りなく吸光されることとなる。KインクのパッチP3の測色が完了すると、ステップM6においては、白色背景WBを取り除き、その代わりにキャリブレーションシートを黒色背景KB上に載置する。黒色背景KBは、L≒5,a≒0,b≒0の黒色を示す。そして、ステップM7において、WインクのパッチP3を順に測色していく。
図16Cは、ステップM7において、WインクのパッチP3(白パッチ)を測色する際の光の状態を示す模式図である。白インクのインクドットは、他のCMYKインクのインクドットと異なり、それ自体が反射特性を有している。白インクのインクドットは、色味を生じさせないように各波長成分について均一な分光反射率を有している。従って、白インクのインクドットに到達した光の全波長成分がインクドットにて一様に反射し、測色機40のセンサーによって検知されることとなる。一方、白インクのインクドットの隙間に到達した光の全波長成分は黒色背景KBにて一様に吸光され、測色機40のセンサーによって検知されることはない。すなわち、白インクのインクドットにおける反射光成分が測色機40のセンサーによって検知され、白インクの付着量に応じた色成分量Lが得られることとなる。
CMYKインクとWインクとで背景WB,KBを切り替えて測色することにより、いずれの場合でも各インクの付着量に応じた色成分量L,a,bが得られることとなる。従って、色成分量L,a,bを評価することにより、対象プリンターによるCMYKインクの付着量の誤差を評価することができる。本発明では、各パッチP1〜P4の相対的なCMYKインクの付着量を比較することができればよいため、測色により得られる色成分量L,a,bの絶対的な意味は問題とならない。本実施例の対象プリンターは、透明フィルムにWインクのインクドットによって一様な下地を形成し、その上にCMYKインクのインクドットを形成することにより印刷画像を形成するものである。従って、Wインクのインクドットを下地を形成した透明フィルム上に、各パッチP3を形成・測色して得られた色成分量L,a,bと、同一のプリンターにて下地を形成することなく印刷した各パッチP3をステップM2〜M5,M7にて測色した色成分量L,a,bとの相関関係を一度調査しておけば、該相関関係に基づいて、ステップM2〜M5,M7にて得られる色成分量L,a,bを下地を形成した場合の色成分量L,a,bへと補正することができる。従って、ステップM2〜M5,M7にて得られる色成分量L,a,bに基づいて、プリンターの再現色を絶対的に特定することも可能である。
ただし、本発明の実施において、インクの付着量の相対的な比較(誤差の取得)ができればよく、プリンターの再現色を絶対的に特定することは必要とならない。なお、他のパッチP1,P2,P4についても同様に背景WB,KBを切り替えて測色を行う。背景WB,KBの切替は、手動で差し替えるものであってもよいし、ステップM5の完了と同期して背景WB,KBを差し替える装置を利用してもよい。また、背景WB,KBをそれぞれ用意しておき、キャリブレーションシートをこれらの間で移動させる装置を利用してもよい。
(5)変形例:
ところで、本発明を実施する際に使用可能なコンピューターと周辺装置は、様々な構成が可能である。例えば、印刷装置は、コンピューターと一体化されたものでもよい。単色画像のみ印刷する印刷装置でもよい。上述したフローについては、一部または全部を印刷装置あるいは専用の画像処理装置で実行してもよい。
ところで、本発明を実施する際に使用可能なコンピューターと周辺装置は、様々な構成が可能である。例えば、印刷装置は、コンピューターと一体化されたものでもよい。単色画像のみ印刷する印刷装置でもよい。上述したフローについては、一部または全部を印刷装置あるいは専用の画像処理装置で実行してもよい。
図17は、変形例において色修正用パッチP3を測色する様子を示す模式図である。本変形例においても、キャリブレーションシートを背景上に載置した状態で、測色機40が測色を実行する。本変形例では、背景として白黒背景WKBを使用している。白黒背景WKBは、キャリブレーションシートのCMYKインクのパッチP3に対応する領域が白色となっており、WインクのパッチP3に対応する領域が白色となっている。このような白黒背景WKBを使用することにより、背景を取り替えることなく、CMYKインクのパッチP3を順に測色していくことができる。なお、前記実施例、前変形例においては、有彩色パッチを白色の背景上で測色することとしたが、有彩色パッチは黒色の背景の上でも測色することができる。
図18は、変形例において色修正用パッチP3を測色する際に使用する背景が示す色を説明するグラフである。同図においては、CIELAB色空間を示しており、矢印がCMY有彩色インク固有の色相の方向を示している。なお、KWインクによって再現される色はL軸上に存在することとなる。本変形例では、背景が示す色を◎で示す座標上のLab値で表される色とする。すなわち、背景が示す色は、MYインクの色相の中間の色相を有し、かつ、やや高明度(L≒70)、かつ、中間程度の彩度とされている。このように、いずれのインクのパッチP3とも近似しない背景色を選択することにより、いずれのインクの色修正用パッチP3においてもインクの付着量の変動に応じた色成分量L,a,bの変動を得ることができる。本変形例では、色彩的に近似しない背景色を使用することとしたが、CMYKWの分光反射率分布と類似しない分光反射率分布を有する背景を使用するようにしても、インクの付着量の変動に応じた色成分量L,a,bの変動を得ることができる。
10…パーソナルコンピューター(PC)、11…CPU、12…ROM、13…RAM、14…ハードディスク(HDD)、14d…ドット振り分けテーブル、14e…カラー調整ID(誤差情報)、14f…色修正データ、20…インクジェットプリンター、29…印刷ヘッドユニット、29a〜29e…印刷ヘッド、31…不揮発性半導体メモリ、31a…カラー調整ID(誤差情報)、40…カラー測色機、D1…画像データ、D2…CMYKWデータ、D3〜D5…修正前のドット量データ(印刷データ)、D6〜D8…修正後のドット量データ(印刷データ)、D11〜D13…出力階調データ、P1…指標量選択用パッチ(指標量選択用画像)、P2…記録量決定用パッチ(記録量決定用画像)、P3…色修正用パッチ(標準画像)、P4…基準カラーパッチ
Claims (4)
- 標準印刷装置と対象印刷装置とが透明印刷媒体上に付着させる白インクと黒インクと有彩色インクの付着量の誤差を取得する誤差取得方法であって、
前記標準印刷装置と前記対象印刷装置により、前記白インクと前記黒インクと前記有彩色インクのそれぞれを単独で前記透明印刷媒体上に付着させることにより、白パッチと黒パッチと有彩色パッチとを前記透明印刷媒体上に形成し、
前記透明印刷媒体を白色背景に設置した状態で前記黒パッチと前記有彩色パッチを測色し、
前記透明印刷媒体を黒色背景に設置した状態で前記白パッチを測色し、
前記標準印刷装置により形成した前記白インクと前記黒インクと前記有彩色インクの測色値と、前記対象印刷装置により形成した前記白インクと前記黒インクと前記有彩色インクの測色値との誤差を、前記白インクと前記黒インクと前記有彩色インクの付着量の誤差として取得することを特徴とする誤差取得方法。 - 前記白パッチと前記黒パッチと前記有彩色パッチは単一の前記透明印刷媒体上に形成されるとともに、
前記黒パッチと前記有彩色パッチとを測色するときと、前記白パッチを測色するときの間に前記白色背景と前記黒色背景とを差し替えることを特徴とする請求項1に記載の誤差取得方法。 - 前記白パッチと前記黒パッチと前記有彩色パッチは単一の前記透明印刷媒体上に形成されるとともに、
前記白パッチの対応位置に前記黒色背景となる黒色領域を有し、前記黒パッチと前記有彩色パッチの対応位置に前記白色背景となる白色領域を有する単一の背景に前記透明印刷媒体を設置した状態で前記白パッチと前記黒パッチと前記有彩色パッチを測色することを特徴とする請求項1に記載の誤差取得方法。 - 請求項1に記載の対象印刷装置であって、
請求項1に記載の前記誤差取得方法によって取得した誤差に基づいて、前記透明印刷媒体上に付着させる前記白インクと黒インクと有彩色インクの量を補正し、前記透明印刷媒体上に印刷画像を形成することを特徴とする印刷装置。
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JP2020127087A (ja) * | 2019-02-01 | 2020-08-20 | 富士フイルム株式会社 | 印刷装置及び読取方法 |
WO2022215491A1 (ja) | 2021-04-05 | 2022-10-13 | 富士フイルム株式会社 | チャート製造装置、チャート製造方法、プログラム及び画像形成システム |
-
2009
- 2009-09-30 JP JP2009227669A patent/JP2011073306A/ja active Pending
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