WO2022215491A1

WO2022215491A1 - チャート製造装置、チャート製造方法、プログラム及び画像形成システム

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Publication number: WO2022215491A1
Application number: PCT/JP2022/012545
Authority: WO
Inventors: 清巳珠川
Original assignee: 富士フイルム株式会社
Priority date: 2021-04-05
Filing date: 2022-03-18
Publication date: 2022-10-13
Also published as: JPWO2022215491A1; EP4321343A1; US20240020499A1

Abstract

互いに色が異なる二種類の背景を用いてチャートを測定する際に背景の切り替えをせずに済むチャート製造装置、チャート製造方法、プログラム及び画像形成システムを提供する。第一背景色及び第二背景色を適用して測定されるチャート（１０２）を透明基材へ形成するチャート製造装置であって、第一背景色に対応する着色材を用いて透明基材（１００）へ第一測定背景画像（１３０）を形成し、第一測定背景画像に対応する位置へ第一色の着色材を用いて一つ以上の第一パッチ（１２６）が含まれる第一パッチ群（１２２）を形成し、第一測定背景画像が非形成の位置へ一つ以上の第二パッチ（１２４）が含まれる第二パッチ群（１２０）を形成する。

Description

チャート製造装置、チャート製造方法、プログラム及び画像形成システム

　本発明はチャート製造装置、チャート製造方法、プログラム及び画像形成システムに関する。

　透明基材が用いられる印刷物の下地等の形成にホワイトインクが適用されるインクジェット印刷装置が知られている。例えば、カラー画像が印刷され、カラー画像に重ねてホワイトインクの全面画像が印刷される。このようにして印刷される印刷物を基材の印刷面と反対の側の面から見ると、白地にカラー画像が視認される。

　ホワイトインクの濃度は隠ぺい率を指標として管理し得る。隠ぺい率は、基材へ塗布されたホワイトインクが基材の下地など、ホワイトインクの下層の色を隠ぺいする程度を表す。隠ぺい率を導出する際に、白色背景及び黒色背景を用いてホワイトインクが測定される。

　特許文献１は、透明基材に付着させるインクの付着量の誤差を取得し、誤差に基づきインクの付着量を補正する印刷装置が記載される。同文献に記載の装置は、透明基材にホワイトパッチ及びシアン等のプロセスカラーのパッチが印刷され、パッチがＬａｂ空間で測色され、測色データに基づく色修正が実施される。

　同文献の図１７には、白黒背景が使用され、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックは白色背景が適用され、ホワイトは黒色背景が適用される測色が図示される。

　特許文献２は、白色背景と黒色背景とを切り替える切替機構を備え、ホワイトインクの読み取りは黒色背景が適用され、ブラックインク等の読み取りは白色背景が適用され、種々のインクについて不良ノズルを精度よく検出する印刷装置が記載される。

　特許文献３は、透明支持体へ形成された画像を読み取る画像読み取り部を備える画像形成装置が記載される。同文献に記載の装置は、画像を読み取る際の背景色を黒色にするか、又は白色にするかを判定し、判定結果に基づき背景色が設定される。

特開２０１１－７３３０６号公報特開２０１２－２３２４９９号公報特開２０１９－２２０７８２号公報

　しかしながら、特許文献１から特許文献３のそれぞれに記載の装置は、いずれも白色背景と黒色背景とを切り替える構成要素を備え、背景色の切り替えが実施される。すなわち、引用文献１、引用文献２及び引用文献３のいずれにも、背景色を一種類にするためのチャートに関する工夫について記載されていない。換言すると、引用文献１、引用文献２、及び引用文献３に記載の発明はいずれも、背景色の切り替えをせずに済むチャートの形成を工夫が課題とされていない。

　本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、互いに色が異なる二種類の背景を用いてチャートを測定する際に背景の切り替えをせずに済むチャート製造装置、チャート製造方法、プログラム及び画像形成システムを提供することを目的とする。

　本開示に係るチャート製造装置は、互いに色が異なる第一背景色及び第二背景色を適用して測定されるチャートを透明基材へ形成する画像形成装置と、プロセッサと、プロセッサを用いて実行されるプログラムが記憶される記憶装置と、を備えるチャート製造装置であって、プロセッサは、プログラムの命令を実行して、第一背景色に対応する着色材を用いて透明基材へ第一測定背景画像を形成し、透明基材における第一測定背景画像に対応する位置へ、第一色の着色材を用いて一つ以上の第一パッチが含まれる第一パッチ群を形成し、透明基材における第一測定背景画像が非形成の位置へ、一つ以上の第二パッチが含まれる第二パッチ群を形成するチャート製造装置である。

　本開示に係るチャート製造装置によれば、第二背景色が用いられる背景を適用して透明基材が支持され、第一パッチ群及び第二パッチ群の測定が実施される際に、第一パッチ群は第一背景色に対応する着色材が適用いられる第一測定背景画像が背景とされる測定が実施され、第二パッチ群は第二背景色が用いられる背景を適用して測定が実施される。これにより、第一パッチ群の測定及び第二パッチ群の測定を実施する際に、互いに異なる第一背景色と第二背景色との切り替えが不要である。

　パッチは、色ごとの濃度を表す小片画像を適用し得る。パッチの形状は四角形を適用し得る。

　透明基材は、可視光の透過率が１００パーセント未満の基材を適用し得る。

　着色材の例として、インク及びトナーが挙げられる。

　他の態様に係るチャート製造装置は、プロセッサは、透明基材の一方の面へ第一測定背景画像を形成し、第一パッチ群を第一測定背景画像へ重ねて形成する。

　かかる態様によれば、第一測定背景画像に対して第一パッチ群を重ねてチャートを形成し得る。

　他の態様に係るチャート製造装置は、プロセッサは、透明着色材が適用される透明画像を第一測定背景画像へ重ねて形成し、第一パッチ群を透明画像へ重ねて形成する。

　かかる態様によれば、第一測定背景画像に適用される着色材と第一パッチ群に適用される着色材との混色を抑制し得る。

　他の態様に係るチャート製造装置は、プロセッサは、透明基材の一方の面へ第一パッチ群を形成し、第一パッチ群の位置に対応する透明基材の他方の面の位置へ第一測定背景画像を形成する。

　かかる態様は、透明基材の両面へ画像を形成し得る両面機に対して好適である。

　他の態様に係るチャート製造装置は、プロセッサは、透明基材の一方の面へ第一パッチ群を形成し、透明基材を折り返し線に沿って折り返した際に第一パッチ群と重なる位置へ第一測定背景画像を形成する。

　かかる態様によれば、折り返し線に沿って透明基材を折り返して、第一パッチ群を第一測定背景画像へ重畳させることが可能である。

　他の態様に係るチャート製造装置は、プロセッサは、第一色の着色材を用いて第二パッチを形成する。

　かかる態様によれば、第一色の着色材を用いて形成される第一パッチ及び第二パッチを互いに異なる背景色を用いて測定し得る。

　他の態様に係るチャート製造装置は、プロセッサは、第一色の着色材として白色の着色材を用いて第一パッチ及び第二パッチを形成し、第一背景色に対応する着色材として黒色の着色材を用いて第一測定背景画像を形成する。

　かかる態様によれば、白色背景及び黒色背景を適用して白色のパッチの測定を実施し得る。

　他の態様に係るチャート製造装置は、プロセッサは、第一色の着色材と異なる第二色の着色材を用いて第二パッチを形成する。

　かかる態様によれば、複数の色のパッチ群が含まれるチャートを形成し得る。

　他の態様に係るチャート製造装置は、プロセッサは、第一色の着色材として白色の着色材を用いて、第一パッチを形成し、第二色として少なくとも一色のプロセスカラーの着色材を用いて、第二パッチを形成し、第一背景色に対応する着色材として黒色の着色材を用いて第一測定背景画像を形成する。

　かかる態様によれば、黒色背景を適用して白色のパッチが測定され、白色背景を適用してプロセスカラーのパッチを測定し得る。

　他の態様に係るチャート製造装置は、プロセッサは、第二背景色に対応する着色材を用いて第二パッチ群の位置に対応する位置へ、第二測定背景画像を形成する。

　かかる態様によれば、透明基材が支持される面の色に関わらず、第一測定背景画像及び第二測定背景画像を適用した測定を実施し得る。

　他の態様に係るチャート製造装置は、プロセッサは、第二背景色に対応する着色材として白色の着色材を用いて第二測定背景画像を形成する。

　かかる態様によれば、白色の第二測定背景画像を適用して第二パッチを測定し得る。

　他の態様に係るチャート製造装置は、プロセッサは、８５パーセント以上の被覆率を有する第二測定背景画像を形成する。

　かかる態様によれば、第二測定背景画像の透けが抑制される。

　他の態様に係るチャート製造装置は、プロセッサは、第一色の着色材として白色の着色材を用いて第一パッチを形成し、第一背景色に対応する着色材として黒色の着色材を用いて第一測定背景画像を形成する。

　かかる態様によれば、黒色の第一測定背景画像を適用して、白色の第一パッチを測定し得る。

　他の態様に係るチャート製造装置は、８５パーセント以上の被覆率を有する第一測定背景画像を形成する。

　かかる態様によれば、第一測定背景画像の透けが抑制される。

　他の態様に係るチャート製造装置は、プロセッサは、第一パッチと同一の階調値が適用される第二パッチを形成する。

　かかる態様によれば、第一パッチに適用される色と第二パッチに適用される色との管理を共通化し得る。

　他の態様に係るチャート製造装置は、プロセッサは、階調値が異なる複数の第一パッチが透明基材の搬送方向に沿って配置される第一パッチ群を形成し、階調値が異なる同一色の複数の第二パッチが透明基材の搬送方向に沿って配置される第二パッチ群を形成する。

　かかる態様によれば、ラインヘッドを用いて形成される際に、パッチごとの面内ムラの発生が抑制される。

　本開示に係るチャート製造方法は、互いに色が異なる第一背景色及び第二背景色を適用して測定されるチャートを透明基材へ形成するチャート製造方法であって、コンピュータが、第一背景色に対応する着色材を用いて透明基材へ第一測定背景画像を形成し、透明基材における第一測定背景画像に対応する位置へ、第一色の着色材を用いて一つ以上の第一パッチが含まれる第一パッチ群を形成し、透明基材における第一測定背景画像が非形成の位置へ、一つ以上の第二パッチが含まれる第二パッチ群を形成するチャート製造方法である。

　本開示に係るチャート製造方法によれば、本開示に係るチャート製造装置と同様の作用効果を得ることが可能である。他の態様に係るチャート製造装置の構成要件は、他の態様に係るチャート製造方法の構成要件へ適用し得る。

　本開示に係るプログラムは、互いに色が異なる第一背景色及び第二背景色を適用して測定されるチャートを製造するプログラムであって、コンピュータに、第一背景色に対応する着色材を用いて透明基材へ第一測定背景画像を形成する機能、透明基材における第一測定背景画像に対応する位置へ、第一色の着色材を用いて一つ以上の第一パッチが含まれる第一パッチ群を形成する機能、及び透明基材における第一測定背景画像が非形成の位置へ、一つ以上の第二パッチが含まれる第二パッチ群を形成する機能の実現させるプログラムである。

　本開示に係るプログラムによれば、本開示に係るチャート製造装置と同様の作用効果を得ることが可能である。他の態様に係るチャート製造装置の構成要件は、他の態様に係るプログラムの構成要件へ適用し得る。

　本開示に係る画像形成システムは、互いに色が異なる第一背景色及び第二背景色を適用して測定されるチャートを透明基材へ形成する画像形成装置と、プロセッサと、プロセッサを用いて実行されるプログラムが記憶される記憶装置と、を備え、プロセッサは、プログラムの命令を実行して、第一背景色に対応する着色材を用いて透明基材へ第一測定背景画像を形成し、透明基材における第一測定背景画像に対応する位置へ、第一色の着色材を用いて一つ以上の第一パッチが含まれる第一パッチ群を形成し、透明基材における第一測定背景画像が非形成の位置へ、一つ以上の第二パッチが含まれる第二パッチ群を形成する画像形成装置である。

　本開示に係る画像形成システムによれば、本開示に係るチャート製造装置と同様の作用効果を得ることが可能である。他の態様に係るチャート製造装置の構成要件は、他の態様に係る画像形成システムの構成要件へ適用し得る。

　画像形成システムの一例として、インクジェット方式の印刷装置を備えるインクジェット印刷システムが挙げられる。

　本発明によれば、第二背景色が用いられる背景を適用して透明基材が支持され、第一パッチ群及び第二パッチ群の測定が実施される際に、第一パッチ群は第一背景色に対応する着色材が適用いられる第一測定背景画像が背景とされる測定が実施され、第二パッチ群は第二背景色が用いられる背景を適用して測定が実施される。これにより、第一パッチ群の測定及び第二パッチ群の測定を実施する際に、互いに異なる第一背景色と第二背景色との切り替えが不要である。

図１は階調補正データ生成装置の機能ブロック図である。図２は図１に示す補正処理部の機能ブロック図である。図３は階調補正ＬＵＴ生成方法の手順を示すフローチャートである。図４は階調補正ＬＵＴ生成工程の模式図である。図５は階調補正用チャートの説明図である図６は背景の構成例を示す背景の平面図である。図７は測定状態の階調補正用チャートの模式図である。図８は階調補正用チャートの印刷に適用される駆動電圧の説明図である。図９は実施形態に係るインクジェット印刷システムの全体構成図である。図１０は図９に示すインクジェット印刷システムの電気的構成を示す機能ブロック図である。図１１は図９に示すインクジェット印刷システムに適用される制御装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図１２は第一実施形態に係るチャート製造方法の手順を示すフローチャートである。図１３は第一実施形態に係る階調補正用チャート製造方法を適用して製造される階調補正用チャートを模式的に示す断面図である。図１４は第二実施形態に係るチャート製造装置に適用される印刷装置の構成例を示す構成図である。図１５は第二実施形態に係るチャート製造装置を適用して製造されるチャートを模式的に示す断面図である。図１６は第三実施形態に係るチャート製造装置及びチャート製造方法を適用して製造されるチャートを模式的に示す断面図である。図１７は第四実施形態に係るチャート製造装置を適用して製造されるチャートを模式的に示す断面図である。図１８は図１７に示すチャートの測定状態を示す模式図である。

　以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施形態について詳説する。本明細書では、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明は適宜省略する。

　［階調補正データ生成装置の構成例］
　図１は階調補正データ生成装置の機能ブロック図である。同図に示す階調補正データ生成装置１０は、測定器１２、プリンタ１４及びディスプレイ装置１６が接続される。

　階調補正データ生成装置１０は、プリンタ１４を適用して印刷される画像データに対する階調値と濃度値との非線形性の補正に適用される、階調補正データを生成する。プリンタ１４は、階調補正データを適用して補正される階調値が適用される画像データに基づき、印刷を実施する。以下、プリンタ１４はインクジェットヘッドを備えるインクジェット印刷装置として説明する。

　階調補正データ生成装置１０は、画像データ格納部２０を備える。画像データ格納部２０は、基材へ印刷される階調補正用チャートを表す階調補正用チャートデータが格納される。また、画像データ格納部２０は、階調補正用チャートを印刷した際に再現される階調値ごとの濃度の目標値を表すデータが格納され得る。なお、格納はメモリへのデータの保存を表し、記憶、記録及び保持などと同義である。

　階調補正データ生成装置１０は、プリンタ制御部２２を備える。プリンタ制御部２２は、画像データ格納部２０から階調補正用チャートデータを読み出し、階調補正用チャートデータに基づく吐出制御信号を生成する。プリンタ１４は、吐出制御信号に基づき、階調補正用チャートの印刷を実行する。

　プリンタ制御部２２は、プリンタ１４に関する各種の情報をディスプレイ装置１６へ表示させる。ディスプレイ装置１６はタッチパネル方式が適用され、プリンタ操作画面１６Ａを表示する。ユーザは、プリンタ操作画面１６Ａを操作して、プリンタ１４へ各種の情報を送信し得る。

　測定器１２は、基材へ印刷される階調補正用チャートを構成するパッチの濃度値を測定する。測定器１２は、分光光学濃度計を適用し得る。測定器１２は、測定結果を階調補正ＬＵＴ生成部２６へ送信する。

　階調補正データ生成装置１０は、測定器制御部２４を備える。測定器制御部２４は、測定器１２へ測定条件を設定し、測定器１２を用いる階調補正用チャートの測定を制御する。

　階調補正データ生成装置１０は、階調補正ＬＵＴ生成部２６及びＬＵＴ格納部２８を備える。階調補正ＬＵＴ生成部２６は、階調値と濃度値との変換関係が規定される階調補正ＬＵＴを生成する。なお、ＬＵＴはlookup tableの省略語である。

　具体的には、階調補正用チャートの階調値ごとのパッチの測定データと、階調値ごとの目標の濃度値とを比較し、目標の濃度値を実現する階調値を導出し、階調値と濃度値との変換関係を表す階調補正ＬＵＴを生成する。

　階調補正ＬＵＴ生成部２６は、色ごとに階調補正ＬＵＴを生成する。階調補正ＬＵＴ生成部２６は、インクの種類、基材の種類及びプリンタの設定などの各種の条件ごとに、階調補正ＬＵＴを生成する。ここでいう階調補正ＬＵＴの生成は、既存の階調補正ＬＵＴを更新する態様を含み得る。

　ＬＵＴ格納部２８は、階調補正ＬＵＴ生成部２６を用いて生成される階調補正ＬＵＴを格納する。ＬＵＴ格納部２８は、色ごと及び各種の条件ごとに階調補正ＬＵＴを格納する。

　階調補正データ生成装置１０は、補正処理部３０を備える。補正処理部３０は階調補正処理部３１を備える。また、補正処理部３０は、面内ムラ補正処理部及び不吐ノズル補正処理部など、階調補正用チャートデータに適用される各種の補正処理部を含み得る。なお、図１では、面内ムラ補正処理部等の各種の補正処理部の図示を省略する。

　階調補正処理部３１は、色ごとに、階調補正ＬＵＴを参照して階調値を補正する。プリンタ制御部２２は、階調値が補正された階調補正用チャートデータに基づき吐出制御信号を生成し、吐出制御信号をプリンタ１４へ送信する。プリンタ１４は、吐出制御信号に基づき、階調補正用チャートの印刷を実施する。

　図１に示す階調補正データ生成装置１０における画像データ格納部２０、補正処理部３０及びプリンタ制御部並びにプリンタ１４は、実施形態に係るチャート製造装置を構成する。チャート製造装置の詳細は後述する。

　［補正処理部の構成例］
　図２は図１に示す補正処理部の機能ブロック図である。同図に示す補正処理部３０は、一以上のプロセッサ及び一以上のメモリを備えるコンピュータを適用し得る。プロセッサは、メモリへ記憶されるプログラムを実行して、補正処理部３０の各種の機能を実現する。図２には、コンピュータの例として、パーソナルコンピュータを図示する。

　補正処理部３０は、階調補正処理部３１、面内ムラ補正処理部５２及び不吐補正処理部５４を備える。階調補正処理部３１は、階調補正用チャートデータ格納部２０から、階調補正用チャートデータを読み出す。

　階調補正処理部３１は、階調補正用チャートデータをシアン、マゼンタ、イエローブラック及びホワイトの色ごとの階調補正用チャートデータに分解する。階調補正処理部３１は、色ごとの階調補正用チャートデータに対して、ＬＵＴ格納部２８に格納される色ごとの階調補正ＬＵＴを参照して、色ごとの階調値を補正する。図２には、階調値と濃度値の関係を表すトーンカーブに対応する階調補正ＬＵＴを例示する。

　面内ムラ補正処理部５２は、階調補正用チャートを構成するパッチにおける面内ムラを補正する。具体的には、面内ムラ補正処理部５２は、図１に示すプリンタ１４に具備されるインクジェットヘッドのノズルごとの吐出特性に応じてノズルごとの吐出量を補正する。

　不吐補正処理部５４は、不吐ノズルの補正を実施する。具体的には、不吐補正処理部５４は、不吐ノズルをマスクし、不吐ノズルの近傍のノズルを用いて不吐ノズルの代替吐出を実施する。

　面内ムラ補正及び不吐ノズル補正の実施に起因して、プリンタ１４は面内ムラが抑制され、かつ、不吐ノズルに起因するスジムラが抑制されるパッチが含まれる階調補正用チャートを印刷し得る。

　補正処理部３０を用いて補正された階調補正用チャートデータは、プリンタ制御部２２へ送信される。プリンタ制御部２２は受信した階調補正用チャートデータに基づき吐出制御信号を生成し、吐出制御信号をプリンタ１４へ送信する。プリンタ１４は、吐出制御信号に基づき、階調補正用チャートの印刷を実行する。

　［階調補正ＬＵＴ生成方法の手順］
　図３は階調補正ＬＵＴ生成方法の手順を示すフローチャートである。印刷条件設定工程Ｓ１０では、図１に示すプリンタ制御部２２は、プリンタ１４に対して階調補正用チャートの印刷条件を設定する。印刷条件の例として、インクの種類及び基材の種類が挙げられる。

　階調補正用チャート印刷工程Ｓ１２では、プリンタ制御部２２は、階調補正処理等の各種の補正処理が施された階調補正用チャートデータに基づき、階調補正用チャートの印刷を実施する。

　階調補正用チャート印刷工程Ｓ１２は、後述する複数の工程が含まれる。階調補正用チャート印刷工程Ｓ１２を構成する各工程は、チャート製造装置に適用されるチャート方法を構成する。なお、階調補正用チャート印刷工程Ｓ１２の詳細は後述する。

　階調補正用チャート測定工程Ｓ１４では、図１に示す測定器１２を適用して、階調補正用チャート印刷工程Ｓ１２において印刷される階調補正用チャートの測定が実施される。階調補正用チャートの測定は、自動測定を適用してもよいし、手動測定を適用してもよい。

　自動測定では、プリンタ１４と測定器１２との間について、プリンタ１４から出力された階調補正用チャートが印刷された基材が測定器１２へ搬送され、測定器１２へ基材がセットされ、階調補正用チャートの測定が実施される。

　手動測定では、プリンタ１４から出力された階調補正用チャートが印刷された基材が、手動で測定器１２へセットされ、階調補正用チャートの測定が実施される。

　階調補正ＬＵＴ生成工程Ｓ１６では、階調補正ＬＵＴ生成部２６は測定器１２から階調補正用チャートの測定データを取得し、取得した階調補正用チャートの測定データに基づき階調補正ＬＵＴを生成する。

　具体的には、階調補正ＬＵＴ生成工程Ｓ１６では、階調補正ＬＵＴ生成部２６は階調値と濃度値との対応関係を補正する階調補正ＬＵＴを生成する。なお、色ごとの階調値と濃度値との関係が補正されたトーンカーブの例は、図２に図示される。

　図４は階調補正ＬＵＴ生成工程の模式図である。図４には四種類のグラフ形式の模式図を用いて、階調補正ＬＵＴ生成工程Ｓ１６における各工程の処理を図示する。ここでは、既存の階調補正ＬＵＴを補正する態様について説明する。

　直線６０は、既存の階調補正ＬＵＴの入力信号値と出力信号値との関係を示す。既存の階調補正ＬＵＴでは、入力信号値と出力信号値とは同じ値となる。入力信号値をＸとし、出力信号値をＹとする場合に、出力信号値ＹはＹ＝Ｘと表される。ここでいう既存の階調補正ＬＵＴは、階調補正用チャートの印刷に適用された階調補正ＬＵＴを表す。

　曲線６２は、階調補正用チャートの各パッチの印刷に適用される信号値と目標濃度値との関係を模式的に表す。目標濃度値は曲線６２の濃度値に対応する。階調補正用チャートの各パッチの印刷に適用される信号値と目標濃度値との関係を表すテーブルは、図１に示す画像データ格納部２０等に記憶される。

　曲線６４は、階調補正用チャートの各パッチの印刷に適用される信号値と、階調補正用チャート測定工程Ｓ１４において取得される各パッチの測定データとの関係を模式的に示す。各パッチの測定データは曲線６４の濃度値に対応する。

　階調補正用チャートの各パッチの測定データは、理想的には目標濃度値と一致するはずであるが、インクジェットヘッドの吐出特性のバラつき等に起因して、各パッチの測定データは目標濃度値と相違する。

　曲線６６は、目標濃度値を再現する信号値を出力信号値とし、画像データに基づき導出される階調値を入力信号値とする階調補正ＬＵＴを模式的に示す。

　階調補正ＬＵＴは以下のステップを適用して生成される。まず、曲線６２として表される階調補正用チャートの各パッチの印刷に適用される信号値と目標濃度値との関係を表すテーブルから、目標濃度値に対応付けされる信号値が導出される。

　次に、曲線６４として表される階調補正用チャートの各パッチの印刷に適用される信号値と各パッチの測定データとの関係を用いて、目標濃度値を再現する信号値が導出される。曲線６４から導出される目標濃度値を再現する信号値は、目標濃度値に適用される入力信号値へ割り当てられる。

　これにより、既に各パッチへ割り当てられている補正前の信号値と目標濃度値を再現する補正後の信号値との関係が導出され、補正前の信号値を入力とし、補正後の信号値を出力とする階調補正ＬＵＴが生成される。

　階調補正ＬＵＴ格納工程Ｓ１８では、階調補正ＬＵＴ生成部２６は階調補正ＬＵＴをＬＵＴ格納部２８へ格納する。プリンタ１４は、ＬＵＴ格納部２８へ格納される階調補正ＬＵＴを読み出し、階調補正ＬＵＴを画像データの処理へ適用する。

　［ホワイト画像の濃度管理］
　ホワイトインクを用いて印刷されるホワイト画像の例として、透明基材へ印刷されるカラー画像の下地が挙げられる。カラー画像の下地に適用されるホワイト画像は、透けないことが重要である。一般に、ホワイト画像の透過の度合いは、隠ぺい率を評価指標として適用し得る。隠ぺい率は、白色背景及び黒色背景を適用して、階調値を表す信号値が異なる複数のホワイトパッチのそれぞれの濃度値を測定し、規格に定められる計算方法を適用して算出される。

　例えば、ホワイトパッチについて、日本工業規格ＪＩＳ　Ｋ　５６００－４－１　隠ぺい力に規定される方法Ｂを適用して、隠ぺい率を算出し得る。ＪＩＳ　Ｋ　５６００－４－１　隠ぺい力は、１９９８年に発行されたＩＳＯ／ＦＤＩＳ　６５０４－３を翻訳し、技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。なお、ＪＩＳはJapanese Industrial Standardsの省略語である。ＩＳＯは、International Organization for Standardizationの省略語である。

　ホワイト画像及びホワイトインクのホワイトは、可視光線の全ての波長を１００パーセント反射させる厳密なホワイトに限定されず、一般にホワイトと認識される広い意味でのホワイトが含まれる。ホワイトインクは、ホワイトインク及びホワイトインク等の名称で販売されているインクを表す。ホワイトインクの一例として、酸化チタン粒子などホワイト顔料を含有するインクが挙げられる。なお、ホワイトは白及び白色と同義であり、これらは相互に読み替えが可能である。

　本実施形態では、互いに色が異なる二種類の背景を用いてホワイトパッチを測定し、ホワイトパッチを印刷する際に適用される信号値と、ホワイトインクを管理する隠ぺい率とを関連付けして階調補正ＬＵＴを作成し、印刷に適用される信号値を用いて直接的にホワイトインクの濃度の管理を可能としている。

　［階調補正用チャートの具体例］
　図５は階調補正用チャートの説明図である。図５には、基材１００に印刷される階調補正用チャート１０２を図示する。基材１００は、透明のシート状の媒体であり、非浸透媒体が適用される。基材１００の材料の例として、ＯＮＹ（Oriented Nylon）、ＯＰＰ（Oriented PolyPropylene）及びＰＥＴ（polyEthylene Terephthalate）などが挙げられる。

　非浸透とは、後述する水性インクに対して非浸透性を有することをいう。透明とは、可視光の透過率が３０％以上１００％以下であることをいい、好ましくは７０％以上１００％以下であることをいう。

　階調補正用チャート１０２は、プロセスカラーインクを用いて印刷される複数のパッチ１１０を構成要素とするプロセスカラーパッチ群１１２が含まれる。プロセスカラーパッチ群１１２は、シアンパッチ群１１２Ｃ、マゼンタパッチ群１１２Ｍ、イエローパッチ群１１２Ｙ及びブラックパッチ群１１２Ｋが含まれる。

　シアンパッチ群１１２Ｃは、複数のシアンパッチ１１０Ｃを構成要素とする。マゼンタパッチ群１１２Ｍは、複数のマゼンタパッチ１１０Ｍを構成要素とする。イエローパッチ群１１２Ｙは、複数のイエローパッチ１１０Ｙを構成要素とする。ブラックパッチ群１１２Ｋは、複数のブラックパッチ１１０Ｋを構成要素とする。

　階調補正用チャート１０２は、特色インクを用いて印刷される複数の特色パッチ１１４を構成要素とする特色パッチ群１１６が含まれる。特色パッチ群１１６は、オレンジパッチ群１１６Ｏ、グリーンパッチ群１１６Ｇ及びバイオレットパッチ群１１６Ｖが含まれる。

　オレンジパッチ群１１６Ｏは、複数のオレンジパッチ１１４Ｏを構成要素とする。グリーンパッチ群１１６Ｇは、複数のグリーンパッチ１１４Ｇを構成要素とする。バイオレットパッチ群１１６Ｖは、複数のバイオレットパッチ１１４Ｖを構成要素とする。

　階調補正用チャート１０２は、第一ホワイトパッチ群１２０及び第二ホワイトパッチ群１２２が含まれる。第一ホワイトパッチ群１２０は、複数の第一ホワイトパッチ１２４が含まれる。第二ホワイトパッチ群１２２は、複数の第二ホワイトパッチ１２６が含まれる。

　第一ホワイトパッチ群１２０を構成する複数の第一ホワイトパッチ１２４は、基材搬送方向の下流側から上流側へ向かって階調値が大きくなる。基材搬送方向の下流側の端の第一ホワイトパッチ１２４は階調値の最小値が適用される。また、基材搬送方向の上流側の端の第一ホワイトパッチ１２４は階調値の最大値が適用される。

　図５に示す第一ホワイトパッチ群１２０は、１６個の第一ホワイトパッチ１２４から構成される。例えば、階調値が０から２５５までの数値で表される場合、１６個の第一ホワイトパッチ１２４の階調値は、階調値の最小値を０とし、階調値の最大値を２５５とし、階調値を１７ずつ増加させている。

　第二ホワイトパッチ群１２２を構成する複数の第一ホワイトパッチ１２４は、第二ホワイトパッチ１２６と同一の階調値が適用される。すなわち、基材搬送方向の位置が同一の第一ホワイトパッチ１２４と、第二ホワイトパッチ１２６とは、同一の階調値が適用される。

　第一ホワイトパッチ群１２０と第二ホワイトパッチ群１２２とは、基材搬送方向と直交する基材幅方向について異なる位置に配置される。なお、ここでいう直交は、二方向のなす角度が９０度未満又は９０度を超えるが、二方向のなす角度が９０度の場合と同様の作用効果が得られる実質的な直交が含まれ得る。

　プロセスカラーパッチ群１１２及び特色パッチ群１１６は、第一ホワイトパッチ群１２０と同様の階調値が適用される。プロセスカラーパッチ群１１２と特色パッチ群１１６とは、基材幅方向について異なる位置に配置される。

　プロセスカラーパッチ群１１２を構成する各色のパッチ群のそれぞれは、基材幅方向について異なる位置に配置される。また、特色パッチ群１１６を構成する各色のパッチ群のそれぞれは、基材幅方向について異なる位置に配置される。

　階調補正用チャート１０２は、各色のパッチが階調値の順に基板搬送方向に沿って配置され、かつ、基材幅方向に沿って配置される色違いのパッチが同一の階調値を有している。ここでいう同一は厳密な同一に限定されず、実質的な同一が含まれ得る。

　階調補正用チャート１０２は、第一測定開始位置マーク１０６及び第二測定開始位置マーク１０８が印刷される。第一測定開始位置マーク１０６はブラックインクを用いて印刷される。第二測定開始位置マーク１０８はホワイトインクを用いて印刷される。

　第一測定開始位置マーク１０６は、階調補正用チャート１０２におけるプロセスカラーパッチ群１１２、特色パッチ１１４及び第一ホワイトパッチ群１２０の測定開始位置を表す。第二測定開始位置マーク１０８は、第二ホワイトパッチ群１２２の測定開始位置を表す。

　階調補正用チャート１０２は、ブラックインクを用いて黒色測定背景画像１３０が印刷される。黒色測定背景画像１３０は第二ホワイトパッチ群１２２が印刷される領域であり、プロセスカラーパッチ群１１２及び特色パッチ群１１６が非印刷となる領域に配置される。ブラックインクの例として、カーボンブラック粒子を含有するインクが挙げられる。なお、黒色測定背景画像１３０の詳細は後述する。

　実施形態に記載の黒色測定背景画像１３０は第一測定背景画像の一例である。実施形態に記載の第二ホワイトパッチ１２６は第一パッチの一例である。実施形態に記載の第二ホワイトパッチ群１２２は第一パッチを一以上含む第一パッチ群の一例である。実施形態に記載の第一ホワイトパッチ１２４は第二パッチの一例である。実施形態に記載の第一ホワイトパッチ群１２０は第二パッチを一以上含む第二パッチ群の一例である。

　また、実施形態に記載のプロセスカラーパッチ群１１２を構成するパッチ１１０及び特色パッチ群１１６を構成するパッチ１１０は、第二パッチの他の一例である。実施形態に記載のプロセスカラーパッチ群１１２及び特色パッチ群１１６は、第二パッチ群の他の一例である。実施形態に記載の第二ホワイトパッチ１２６を構成するホワイトインクは、第一色の着色材の一例である。

　実施形態に記載の第一ホワイトパッチ１２４の印刷は、第二パッチを一以上形成する、の一例である。実施形態に記載のプロセスカラーパッチ群１１２を構成するパッチ１１０及び特色パッチ群１１６を構成するパッチ１１０の印刷は、第二パッチ群に含まれるパッチを一以上形成する、の一例である。実施形態に記載のプロセスカラー及び特色は第二色の一例である。

　［階調補正用チャートの測定に適用される背景の構成例］
　図６は背景の構成例を示す背景の平面図である。同図に示す白色背景２０２は、図１に示す測定器１２に適用される。図５に示す基材１００へ印刷される階調補正用チャート１０２を測定する際に、基材１００はステージ２０１を用いて支持される。

　ステージ２０１の基材１００を支持する基材支持面２０１Ａは、白色背景２０２が形成される。例えば、基材支持面２０１Ａへの白色背景２０２の形成は、白色背景２０２が印刷されたシートの基材支持面２０１Ａへの貼り付けを適用し得る。基材支持面２０１Ａへの白色背景２０２の形成は、塗装などの表面処理を適用してもよい。

　［階調補正用チャートの測定及び階調補正データの算出］
　図７は測定状態の階調補正用チャートの模式図である。なお、図７では、図５に図示した符号のうち、一部の符号の図示を省略する。図１７及び図１８についても同様である。同図に示すように、白色背景２０２に対して階調補正用チャート１０２が位置合わせされ、階調補正用チャート１０２の測定が実施される。

　具体的には、第一ホワイトパッチ群１２０を構成する複数の第一ホワイトパッチ１２４のそれぞれについて、ＣＩＥＸＹＺ表色系のＹ値が取得される。同様に、第二ホワイトパッチ群１２２を構成する複数の第二ホワイトパッチ１２６のそれぞれについて、ＣＩＥＸＹＺ表色系のＹ値が取得される。

　第一ホワイトパッチ１２４の測定値は白色背景２０２の濃度の影響を受ける。同様に、第二ホワイトパッチ１２６の測定値は黒色測定背景画像１３０の濃度の影響を受ける。白色背景２０２の第一ホワイトパッチ１２４の測定値への影響及び黒色測定背景画像１３０の第二ホワイトパッチ１２６への影響の回避を目的として、白色背景２０２の濃度値及び黒色測定背景画像１３０の濃度値を用いて、第一ホワイトパッチ１２４の測定値及び第二ホワイトパッチ１２６の測定値は正規化される。

　観察光源のＹ値をＹ_Ｌとし、黒色測定背景画像１３０のＹ値をＹ_ｂｋとし、黒色測定背景画像１３０を背景として取得される測定値をＹ_ｍｋとする場合、規格化されたＹ値Ｙ_ｎｂは、Ｙ_ｎｂ＝（Ｙ_ｍｋ－Ｙ_ｂｋ）／（Ｙ_Ｌ－Ｙ_ｂｋ）と表される。換言すると、絶対値である測定値Ｙ_ｍｂは、黒色測定背景画像１３０を基準とする相対値のＹ値Ｙ_ｎｂへ変換される。

　白色背景２０２を用いる場合には、白色背景２０２のＹ値をＹ_ｗｈとし、白色背景２０２を背景として取得される測定値をＹ_ｍｗとし、規格化されたＹ値Ｙ_ｎｗは、Ｙ_ｎｗ＝（Ｙ_ｍｗ－Ｙ_ｗｈ）／（Ｙ_Ｌ－Ｙ_ｗｈ）と表される。白色背景２０２のＹ値Ｙ_ｗｈは、基材１００における階調補正用チャート１０２の非形成領域を測定して得られるＹ値を適用し得る。黒色測定背景画像１３０のＹ値Ｙ_ｂｋについても同様である。

　第一ホワイトパッチ１２４の測定データに基づくＹ値Ｙ_ｎｗ及び第二ホワイトパッチ１２６の測定データに基づくＹ値Ｙ_ｎｂを用いて、ホワイトインクにおける階調値ごとの隠ぺい率Ｙ_ｎｂ／Ｙ_ｎｗが算出される。

　ホワイトインクにおける階調値ごとの目標の隠ぺい率が取得され、目標のホワイトインクの濃度を表す目標の隠ぺい率と、各パッチの測定データから算出された隠ぺい率とが比較され、目標の隠ぺい率に対する算出された隠ぺい率の差分が算出される。算出された隠ぺい率の差分に基づき、ホワイトインクに適用される階調補正ＬＵＴが生成される。

　具体的には、図４を用いて説明される図３の階調補正ＬＵＴ生成工程Ｓ１６の手順に沿って、濃度値が隠ぺい率へ置き換えられ、ホワイトインクに適用される階調補正ＬＵＴが生成される。階調補正ＬＵＴは、図１に示すＬＵＴ格納部２８へ格納される。

　ホワイトインクに適用される階調補正ＬＵＴは、階調値を表す信号値とホワイトパッチの評価指標値である隠ぺい率との関係を表す。ホワイトインクについて、目標の隠ぺい率を実現する信号値が導出され、目標濃度値が再現される印刷が可能となる。また、濃度値が変更された際の目標の隠ぺい率に対応するホワイトインクの濃度値への調整も可能となる。

　例えば、ホワイトインクの隠ぺい率が５３パーセントに設定されるホワイト画像の印刷において、ホワイトインクのコストの抑制等を目的として、白色の隠ぺい率が５１パーセントへ変更される場合、ホワイトの階調補正ＬＵＴを参照して、隠ぺい率が５１パーセントとされる階調値を表す信号値を取得し得る。

　このようにして、ホワイトインクの隠ぺい率が変更される際に、階調補正用チャート１０２の印刷及び測定に基づいて、変更されたホワイトインクの隠ぺい率に対応する階調値を表す信号値を導出しなくてもよい。

　シアン等のプロセスカラーインク及びオレンジ等の特色インクは、階調補正用チャート１０２の測定において取得される色ごとの各パッチ１１０のＣＩＥＸＹＺ表色系のＹ値に基づき、図１に示すＬＵＴ格納部２８へ格納される色ごとのＬＵＴが補正される。

　シアン等のホワイト以外のプロセスインクについても、ＬＵＴの補正において、観察光源のＹ値Ｙ_Ｌ及び白色背景２０２のＹ値をＹ_ｗｈを用いて正規化されたＹ値Ｙ_ｎが適用される。なお、白色背景２０２の濃度を用いる測定値の規格化は上記の例に限定されない。背景色を基準として絶対値の測定値を相対値へ変換できれば、上記以外の方法を適用し得る。

　絶対値の測定値を相対値へ変換する際に、パッチ１１０と白色背景２０２との濃度コントラストが相対的に高いほど、ＬＵＴの補正精度が向上し得る。そこで、白色背景２０２の濃度が測定され、測定された濃度値が規定の閾値以下の場合に、警告を報知する態様が好ましい。

　警告の例として、図１に示すディスプレイ装置１６へ警告の内容を表す文字情報を表示させ、白色背景２０２の交換等をユーザへ促す態様が挙げられる。白色背景２０２のＹ値は、基材１００における階調補正用チャート１０２の非形成領域を測定して得られるＹ値を適用し得る。

　プリンタ１４に対してシングルパス方式の印刷が適用される場合、同一色の複数のパッチ１１０の配置方向は、基材搬送方向に平行となる方向が好ましい。同一色の複数のパッチ１１０の配置が基材搬送方向と平行の場合、各パッチ１１０における面内の濃度均一性が相対的に向上し、ＬＵＴの補正精度が相対的に向上し得る。なお、ここでいう平行は、厳密には交差しているが、平行と同様の作用効果が得られる実質的な平行が含まれ得る。

　階調補正用チャート１０２が測定される際に、白色背景２０２における面内の濃度均一性が相対的に高い場合は、ＬＵＴの補正精度が相対的に向上し得る。そこで、白色背景２０２における面内の濃度ムラを測定し、測定される濃度ムラが規定の閾値以上の場合に、警告を報知する態様が好ましい。警告は上記に例示した態様を適用し得る。警告を視認したユーザは、白色背景２０２の交換及び清掃等を実施し、白色背景２０２における面内の濃度ムラを抑制し得る。

　［階調補正用チャートの印刷に適用される駆動電圧］
　図８は階調補正用チャートの印刷に適用される駆動電圧の説明図である。図８には、グラフ形式を適用して、図１に示すプリンタ１４に具備される圧電吐出方式のインクジェットヘッドへ供給される駆動電圧の一吐出周期分を図示する。

　図８に示すグラフの横軸は期間であり、横軸の単位はマイクロ秒である。同図に示すグラフの縦軸は電圧であり、縦軸の単位はボルトである。なお、図８に示す数値は一例であり、印刷条件及びインクジェットヘッドに具備される圧電素子の規格に応じて、適宜、規定し得る。

　インクジェットヘッドは、連射駆動方式が適用され、図８に示す駆動波形３００を構成する複数の吐出駆動パルスのうち、吐出体積に応じた一つ以上の吐出駆動パルスが供給される。これにより、インクジェットヘッドはそれぞれの体積が異なる大滴、中滴及び小滴の打ち分けが可能である。

　例えば、小滴を吐出させる場合は吐出駆動パルス３１２が適用される。中滴を吐出させる場合は吐出駆動パルス３０６、吐出駆動パルス３０８、吐出駆動パルス３１０及び吐出駆動パルス３１２が適用される。

　大滴を吐出させる場合は、吐出駆動パルス３０２、吐出駆動パルス３０４、吐出駆動パルス３０６、吐出駆動パルス３０８、吐出駆動パルス３１０及び吐出駆動パルス３１２が適用される。

　吐出駆動パルス３１２に後続する駆動波形要素は、残響抑制波形要素３１４である。残響抑制波形要素３１４は、インク液滴を吐出させた直後のインクの振動の抑制を目的として、大滴、中滴及び小滴の全ての場合に付加され得る。

　図５に示す階調補正用チャート１０２の印刷は、通常の印刷と同様の印刷条件が適用される。すなわち、階調補正用チャート１０２を構成するパッチ群を構成するパッチのうち、各色について一つ以上は、複数のサイズのドットを組み合わせて印刷される。

　例えば、階調値が相対的に小さいパッチ１１０は、小滴に対応する小ドットのみが適用され、階調値が相対的に小さいパッチ１１０は、小ドット及び中滴に対応する中ドットが適用される。

　［実施形態に係るインクジェット印刷システムの構成例］
　図９は実施形態に係るインクジェット印刷システムの全体構成図である。インクジェット印刷システム４００は、シングルパス方式の印刷を適用して、透明の基材４０１にカラー画像を印刷するデジタル方式の印刷装置４０６が具備される。

　本実施形態では、基材４０１としてプラスチックフィルム等の軟包装を例示する。基材４０１は単層でもよいし、複数の層を重ね合わせてもよい。基材４０１はロールトゥロールの連続形態でもよいし、規定の長さにカットされた枚葉の形態でもよい。なお、基材４０１は、媒体、メディア、シート、フィルム、及び基板等と呼ばれる場合がある。図９に示す基材４０１は図５に示す基材１００に相当する。

　インクジェット印刷システム４００は、基材供給装置４０２、第一中間搬送装置４０４、印刷装置４０６、第二中間搬送装置４０８、測定装置４１０、乾燥装置４１２及び集積装置４１４を備える。以下、各部について詳細に説明する。

　〔基材供給装置〕
　基材４０１が連続形態の場合、基材供給装置４０２は基材４０１が巻かれたロールを収容するロール収容部を備える。基材４０１が枚葉の形態の場合、基材供給装置４０２は基材４０１が収容されるトレイを備える。基材供給装置４０２は印刷装置４０６の印刷制御に対応して基材４０１を第一中間搬送装置４０４へ供給する。基材供給装置４０２は、基材４０１の姿勢を補正する補正機構を備え得る。

　〔第一中間搬送装置〕
　第一中間搬送装置４０４は、基材供給装置４０２から供給された基材４０１を印刷装置４０６へ受け渡す。第一中間搬送装置４０４は、基材４０１の形態に応じた公知の構成を適用し得る。なお、基材供給装置４０２から第一中間搬送装置４０４へ向かう矢印線は基材搬送方向を表す。

　〔印刷装置〕
　印刷装置４０６は、インクジェットヘッド４２０Ｃ、インクジェットヘッド４２０Ｍ、インクジェットヘッド４２０Ｙ、インクジェットヘッド４２０Ｋ及びインクジェットヘッド４２０Ｗを備える。

　インクジェットヘッド４２０Ｃ、インクジェットヘッド４２０Ｍ、インクジェットヘッド４２０Ｙ、インクジェットヘッド４２０Ｋ及びインクジェットヘッド４２０Ｗは、基材搬送方向に沿って上流側から上記の記載の順に配置される。

　インクジェットヘッド４２０Ｃはシアンインクを吐出する。インクジェットヘッド４２０Ｍはマゼンタインクを吐出する。インクジェットヘッド４２０Ｙはイエローインクを吐出する。インクジェットヘッド４２０Ｋはブラックインクを吐出する。インクジェットヘッド４２０Ｗはホワイトインクを吐出する。

　インクジェットヘッド４２０Ｃ等は、基材幅方向について、基材４０１の全長以上の長さにわたって複数のノズルが配置されるラインヘッドを適用し得る。インクジェットヘッド４２０Ｃ等に具備される複数のノズルはマトリクス配置等の二次元配置が適用される。

　インクジェットヘッド４２０Ｃ等は、吐出圧力を発生させる吐出圧力素子として、圧電素子を備える圧電吐出方式を適用し得る。インクジェットヘッド４２０Ｃ等は、インクの膜沸騰現象を利用してインクを吐出させるサーマル方式を適用し得る。

　印刷装置４０６は、シアンインク等のカラーインクを用いて透明の基材４０１へカラー画像を形成し、ホワイトインクを用いてカラー画像に重ねて背景画像となるホワイト画像を形成する。基材４０１を用いて生成された印刷物は、基材４０１を非印刷面から見るとカラー画像を視認し得る。

　印刷装置４０６は印刷ドラム４２２を備える。印刷ドラム４２２は円筒形状を有する。印刷ドラム４２２は周面に基材４０１を支持する基材支持領域を備える。なお、基材支持領域の図示は省略する。

　印刷ドラム４２２の回転軸は図示しない駆動機構を介して図示しないモータと接続される。モータを回転させると、印刷ドラム４２２は矢印線が示す方向へ回転する。印刷ドラム４２２を回転させると、印刷ドラム４２２の周面に支持される基材４０１は、印刷ドラム４２２の回転方向に沿って搬送される。

　基材支持領域は、複数の吸着穴が形成される。複数の吸着穴は規定のパターンに基づき配置される。複数の吸着穴は図示しない吸着流路と連通する。吸着流路は図示しない吸着ポンプと接続される。吸着ポンプを動作させて複数の吸着穴に負圧を発生させることで、基材４０１は印刷ドラム４２２の周面に吸着支持される。

　印刷装置４０６における基材４０１の搬送形態は、印刷ドラム４２２を用いた搬送形態に限定されない。例えば、搬送ベルトを用いた搬送形態及び複数のローラを用いた搬送形態などを適用可能である。

　〔第二中間搬送装置〕
　第二中間搬送装置４０８は、印刷ドラム４２２から受け渡された基材４０１を測定装置４１０へ受け渡す。第二中間搬送装置４０８は、第一中間搬送装置４０４と同様の構成を適用し得る。なお、第二中間搬送装置４０８に示す矢印線は、第二中間搬送装置４０８における基材搬送方向を表す。

　〔測定装置〕
　測定装置４１０は、濃度測定器４３０、複数の読取搬送ローラ４３２及びステージ４３４を備える。測定装置４１０は照明装置を備える。なお、照明装置の図示を省略する。図９に示す濃度測定器４３０は、図１に示す測定器１２に対応する。図９に示すステージ４３４は、図１に示す測定器１２に具備されるステージ２０１に対応する。

　図９に示す濃度測定器４３０は、図１に示す測定器１２と同様に、基材４０１へ印刷される階調補正用チャートを測定し得る。インクジェット印刷システム４００は、階調補正用チャートの測定データに基づき、色ごとの階調補正データを生成し、色ごとの階調補正データに基づき色ごとの階調補正ＬＵＴを生成し得る。

　図９には、測定装置４１０における基材４０１の搬送方式としてローラ搬送方式を例示したが、測定装置４１０における基材４０１の搬送方式は、ベルト搬送方式及びドラム搬送方式等の他の方式を適用し得る。

　測定装置４１０は、基材４０１に印刷されるテストパターンを撮像する撮像装置を備え得る。インクジェット印刷システム４００は、テストパターンの撮像データに基づき、インクジェットヘッド４２０Ｃ等の吐出異常を検出し得る。

　〔乾燥装置〕
　乾燥装置４１２は、印刷済みの基材４０１に対して乾燥処理を施す。乾燥装置４１２は、ヒータ及びファンを備え、印刷済みの基材４０１に対して温風を吹き付ける構成を適用し得る。乾燥装置４１２は印刷済みの基材４０１を搬送する乾燥搬送部を備える。印刷済みの基材４０１の搬送形態として、ドラム搬送、ベルト搬送及びローラ搬送など、公知の搬送形態を適用し得る。なお、乾燥装置４１２に示す矢印線は、乾燥装置４１２基材搬送方向を示す。

　〔集積装置〕
　集積装置４１４は、乾燥装置４１２から受け渡された基材４０１を収容する。基材４０１が連続形態の場合、集積装置４１４は基材４０１が巻き取られたロールを収容するロール収容部を備える。基材４０１が枚葉の形態の場合、集積装置４１４は基材４０１が収容されるトレイを備える。

　［インクジェット印刷システムの電気的構成］
　図１０は図９に示すインクジェット印刷システムの電気的構成を示す機能ブロック図である。インクジェット印刷システム４００は、システム制御部４６０、搬送制御部４６２、印刷制御部４６６、測定制御部４６８、乾燥制御部４７０及び情報取得部４７２を備える。

　システム制御部４６０は、インクジェット印刷システム４００の全体動作を統括的に制御する。システム制御部４６０は、各種の制御部へ指令信号を送信する。システム制御部４６０は、メモリ４７４へのデータの記憶及びメモリ４７４からのデータの読み出しを制御するメモリコントローラとして機能する。

　システム制御部４６０は、センサ４７６から送信されるセンサ信号を取得し、センサ信号に基づく指令信号を各種の制御部へ送信する。センサ４７６は、インクジェット印刷システム４００の各部に具備される位置検出センサ及び温度センサ等が含まれる。

　搬送制御部４６２は、システム制御部４６０から送信される指令信号に基づき、搬送条件を設定し、設定された搬送条件に基づき搬送装置４６４の動作を制御する。図１０に示す搬送装置４６４は、図９に示す第一中間搬送装置４０４、印刷ドラム４２２、読取搬送ローラ４３２及び乾燥装置４１２に具備される乾燥搬送装置が含まれる。搬送装置４６４は、基材供給装置４０２及び集積装置４１４が含まれてもよい。

　印刷制御部４６６は、システム制御部４６０から送信される指令信号に基づき、印刷条件を設定し、設定された印刷条件に基づき印刷装置４０６の動作を制御する。図１０に示す印刷制御部４６６は、図１に示すプリンタ制御部２２の機能を備える。

　印刷制御部４６６は、印刷用の画像データに対して、色分解処理、色変換処理、各処理の補正処理及びハーフトーン処理を実施して、色ごとのハーフトーンデータを生成する画像処理部を備える。

　印刷制御部４６６は、色ごとのハーフトーンデータに基づきインクジェットヘッド４２０Ｃ等へ供給される駆動電圧を生成する駆動電圧生成部を備える。印刷制御部４６６は、インクジェットヘッド４２０Ｃへ駆動電圧を供給する駆動電圧出力部を備える。

　印刷制御部４６６は、図９に示すインクジェットヘッド４２０Ｃ等を用いて、階調補正用チャートデータに基づき、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック及びホワイトのパッチ群を含む階調補正用チャートの印刷を実施し得る。

　印刷制御部４６６は、階調補正用チャートのハーフトーン画像を生成する際に、多値のハーフトーン画像を生成し、多値のハーフトーン画像に基づき、互いにサイズが異なる複数の種類のドットを組み合わせて、階調補正用チャートの印刷を実施する。

　印刷制御部４６６は、階調補正用チャートの印刷を実施する際に、各色のパッチ群を構成する複数のパッチを基材搬送方向に沿って配置させる。

　印刷制御部４６６は、図１に示す階調補正ＬＵＴ生成部２６及び補正処理部３０の機能を備え得る。図１０に示すインクジェット印刷システム４００は、印刷制御部４６６とは別に、図１に示す階調補正データ生成装置１０と同様の機能を有する階調補正データ生成部を備え得る。

　図１０に示す印刷制御部４６６のうち、図１に示す階調補正データ生成装置１０に対応する処理部は、測定制御部４６８から階調補正用チャートの測定データを取得し、階調補正用チャートの測定データに基づき階調補正ＬＵＴを生成する。

　測定制御部４６８は、システム制御部４６０から送信される指令信号に基づき、測定条件を設定し、設定された測定条件に基づき測定装置４１０の動作を制御する。図１０に示す測定制御部４６８は、図１に示す測定器制御部２４の機能を備え得る。

　測定制御部４６８は、ステージ４３４に形成される背景の濃度値が規定の閾値以下の場合に、警告を報知し得る。また、測定制御部４６８は、ステージ４３４に形成される背景における面内の濃度ムラが規定の閾値以上の場合に、警告を報知し得る。

　乾燥制御部４７０は、システム制御部４６０から送信される指令信号に基づき、メイン乾燥処理の処理条件を設定し、設定された処理条件に基づき乾燥装置４１２の動作を制御する。

　情報取得部４７２は、インクジェット印刷システム４００の制御に適用される各種の情報を取得する。システム制御部４６０は、情報取得部４７２を用いて取得した各種の情報に基づき、各種の制御部へ指令信号を送信する。

　メモリ４７４は、インクジェット印刷システム４００に適用される各種のデータ、パラメータ及びプログラムが記憶され得る。メモリ４７４は、図１に示すＬＵＴ格納部２８として機能し得る。

　図１１は図９に示すインクジェット印刷システムに適用される制御装置のハードウェア構成を示すブロック図である。インクジェット印刷システム４００に具備される制御装置５００は、プロセッサ５０２、非一時的な有体物であるコンピュータ可読媒体５０４、通信インターフェース５０６及び入出力インターフェース５０８を備える。

　制御装置５００は、コンピュータが適用される。コンピュータの形態は、サーバであってもよいし、パーソナルコンピュータであってもよく、ワークステーションであってもよく、また、タブレット端末などであってもよい。

　プロセッサ５０２はＣＰＵ（Central Processing Unit）を含む。プロセッサ５０２はＧＰＵ（Graphics Processing Unit）を含んでもよい。プロセッサ５０２は、バス５１０を介してコンピュータ可読媒体５０４、通信インターフェース５０６及び入出力インターフェース５０８と接続される。入力装置５１２及びディスプレイ装置５１４は入出力インターフェース５０８を介してバス５１０に接続される。

　プロセッサ５０２は、階調補正データの生成に関連する処理を実施する第一プロセッサ、画像形成に関連する処理を実施する第二プロセッサ及び測定に関する処理を実施する第三プロセッサとして機能し得る。

　コンピュータ可読媒体５０４は、主記憶装置であるメモリ及び補助記憶装置であるストレージを含む。コンピュータ可読媒体５０４は、半導体メモリ、ハードディスク装置及びソリッドステートドライブ装置等を適用し得る。コンピュータ可読媒体５０４は、複数のデバイスの任意の組み合わせを適用し得る。

　なお、ハードディスク装置は、英語表記のHard Disk Driveの省略語であるＨＤＤと称され得る。ソリッドステートドライブ装置は、英語表記のSolid State Driveの省略語であるＳＳＤと称され得る。

　制御装置５００は、通信インターフェース５０６を介してネットワークへ接続され、外部装置と通信可能に接続される。ネットワークは、ＬＡＮ（Local Area Network）等を適用し得る。なお、ネットワークの図示を省略する。

　コンピュータ可読媒体５０４は、搬送制御プログラム５２０、印刷制御プログラム５２２、測定制御プログラム５２４、乾燥制御プログラム５２６及び階調補正データ生成プログラム５２８が記憶される。

　搬送制御プログラム５２０は、図１０に示す搬送装置４６４へ適用される搬送制御に対応する。印刷制御プログラム５２２は、印刷装置４０６へ適用される印刷制御に対応する。印刷制御プログラム５２２は、図６に示す階調補正用チャート１０２を製造するプログラムが含まれる。

　測定制御プログラム５２４は、測定装置４１０へ適用される測定制御に対応する。乾燥制御プログラム５２６は、乾燥装置４１２へ適用される乾燥制御に対応する。階調補正データ生成プログラム５２８は、階調補正処理に適用される補正データの生成及び階調補正処理に対応する。

　コンピュータ可読媒体５０４へ記憶される各種のプログラムは、一つ以上の命令が含まれる。コンピュータ可読媒体５０４は、各種のデータ及び各種のパラメータ等が記憶される。なお、図１０に示すメモリ４７４は、図１１に示すコンピュータ可読媒体５０４に含まれる。

　コンピュータ可読媒体５０４は、階調補正データ生成プログラム５２８が記憶される第一記憶装置として機能し得る。コンピュータ可読媒体５０４は、搬送制御プログラム５２０、印刷制御プログラム５２２及び乾燥制御プログラム５２６が記憶される第二記憶装置として機能し得る。コンピュータ可読媒体５０４は、測定制御プログラム５２４が記憶される第三記憶装置として機能し得る。

　インクジェット印刷システム４００は、プロセッサ５０２がコンピュータ可読媒体５０４へ記憶される各種のプログラムを実行し、インクジェット印刷システム４００における各種の機能を実現する。なお、プログラムという用語はソフトウェアという用語と同義である。

　制御装置５００は、通信インターフェース５０６を介して外部装置とのデータ通信を実施する。通信インターフェース５０６は、ＵＳＢ（Universal Serial Bus）などの各種の規格を適用し得る。通信インターフェース５０６の通信形態は、有線通信及び無線通信のいずれを適用してもよい。

　制御装置５００は、入出力インターフェース５０８を介して、入力装置５１２及びディスプレイ装置５１４が接続される。入力装置５１２はキーボード及びマウス等の入力デバイスが適用される。ディスプレイ装置５１４は、制御装置５００に適用される各種の情報が表示される。

　ディスプレイ装置５１４は、液晶ディスプレイ、有機ＥＬディスプレイ及びプロジェクタ等を適用し得る。ディスプレイ装置５１４は、複数のデバイスの任意の組み合わせを適用し得る。なお、有機ＥＬディスプレイのＥＬは、Electro-Luminescenceの省略語である。図１１に示すディスプレイ装置５１４は、図１に示すディスプレイ装置１６に対応する。

　ここで、プロセッサ５０２のハードウェア的な構造例として、ＣＰＵ、ＧＰＵ、ＰＬＤ（Programmable Logic Device）及びＡＳＩＣ（Application Specific Integrated Circuit）が挙げられる。ＣＰＵは、プログラムを実行して各種の機能部として作用する汎用的なプロセッサである。ＧＰＵは、画像処理に特化したプロセッサである。

　ＰＬＤは、デバイスを製造した後に電気回路の構成を変更可能なプロセッサである。ＰＬＤの例として、ＦＰＧＡ（Field Programmable Gate Array）が挙げられる。ＡＳＩＣは、特定の処理を実行させるために専用に設計された専用電気回路を備えるプロセッサである。

　一つの処理部は、これら各種のプロセッサのうちの一つで構成されていてもよいし、同種又は異種の二つ以上のプロセッサで構成されてもよい。各種のプロセッサの組み合わせの例として、一以上のＦＰＧＡと一以上のＣＰＵとの組み合わせ、一以上のＦＰＧＡと一以上のＧＰＵとの組み合わせが挙げられる。各種のプロセッサの組み合わせの他の例として、一以上のＣＰＵと一以上のＧＰＵとの組み合わせが挙げられる。

　一つのプロセッサを用いて、複数の機能部を構成してもよい。一つのプロセッサを用いて、複数の機能部を構成する例として、クライアント又はサーバ等のコンピュータに代表される、ＳｏＣ（System On a Chip）などの一つ以上のＣＰＵとソフトウェアの組合せを適用して一つのプロセッサを構成し、このプロセッサを複数の機能部として作用させる態様が挙げられる。

　一つのプロセッサを用いて、複数の機能部を構成する他の例として、一つのＩＣチップを用いて、複数の機能部を含むシステム全体の機能を実現するプロセッサを使用する態様が挙げられる。なお、ＩＣはIntegrated Circuitの省略語である。

　このように、各種の機能部は、ハードウェア的な構造として、上記した各種のプロセッサを一つ以上用いて構成される。更に、上記した各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路（circuitry）である。

　コンピュータ可読媒体５０４は、ＲＯＭ（Read Only Memory）及びＲＡＭ（Random Access Memory）等の半導体素子を含み得る。コンピュータ可読媒体５０４は、ハードディスク等の磁気記憶媒体を含み得る。コンピュータ可読媒体５０４は、複数の種類の記憶媒体を具備し得る。

　［第一実施形態に係るチャート製造方法］
　図１２は第一実施形態に係るチャート製造方法の手順を示すフローチャートである。図１２には、図３に示す階調補正用チャート印刷工程Ｓ１２に適用される各工程及び手順を示す。図１２には、図１に示すプリンタ１４として図９に示すインクジェット印刷システム４００が適用される場合の手順を示す。

　チャートデータ取得工程Ｓ１００では、図１０に示す印刷制御部４６６は、図５に示す階調補正用チャート１０２を印刷する際に適用される階調補正用チャートデータを取得する。チャートデータ取得工程Ｓ１００の後に色変換工程Ｓ１０２へ進む。

　色変換工程Ｓ１０２では、印刷制御部４６６は階調補正用チャートデータをインク色を用いて表される階調補正用チャートデータへ変換する。階調補正用チャートデータがインク色を用いて表される場合、色変換工程Ｓ１０２は省略される。色変換工程Ｓ１０２の後に色分解工程Ｓ１０４へ進む。

　色分解工程Ｓ１０４では、印刷制御部４６６はインク色を用いて表される階調補正用チャートデータを色分解して、インク色ごとの階調補正用チャートデータを生成する。色分解工程Ｓ１０４の後にハーフトーン処理工程Ｓ１０６へ進む。

　ハーフトーン処理工程Ｓ１０６では、印刷制御部４６６はインク色ごとの階調補正用チャートデータのそれぞれに対してハーフトーン処理を施し、インク色ごとの階調補正用チャートのハーフトーン画像を生成する。ハーフトーン処理工程Ｓ１０６の後に、駆動電圧生成工程Ｓ１０７へ進む。

　駆動電圧生成工程Ｓ１０７では、印刷制御部４６６はインク色ごとの階調補正用チャートのハーフトーン画像に基づき、インク色ごとの駆動電圧を生成する。換言すると、駆動電圧生成工程Ｓ１０７は、インクジェットヘッドごとの駆動電圧を生成する。駆動電圧生成工程Ｓ１０９の後にＣＭＹパッチ印刷工程Ｓ１０８へ進む。

　ＣＭＹパッチ印刷工程Ｓ１０８では、印刷制御部４６６は図９に示すインクジェットヘッド４２０Ｃを用いてシアンパッチ群１１２Ｃを印刷する。また、同工程では、印刷制御部４６６はインクジェットヘッド４２０Ｍを用いてマゼンタパッチ群１１２Ｍを印刷し、インクジェットヘッド４２０Ｙを用いてイエローパッチ群１１２Ｙを印刷する。

　ブラック印刷工程Ｓ１１０では、印刷制御部４６６はインクジェットヘッド４２０Ｋを用いて、第一測定開始位置マーク１０６、プロセスカラーパッチ群１１２及び黒色測定背景画像１３０を印刷する。

　ホワイトパッチ印刷工程Ｓ１１２では、印刷制御部４６６はインクジェットヘッド４２０Ｗを用いて、第二測定開始位置マーク１０８、第一ホワイトパッチ群１２０及び第二ホワイトパッチ群１２２を印刷する。

　ＣＭＹパッチ印刷工程Ｓ１０８、ブラック印刷工程Ｓ１１０及びホワイトパッチ印刷工程Ｓ１１２は、基材４０１が各色のインクジェットヘッドを通過するタイミングにおいて実施される。図１２に示す各工程を経て図５に示す階調補正用チャート１０２が印刷されると、図３に示す階調補正データ生成方法は、階調補正用チャート印刷工程Ｓ１２から階調補正用チャート測定工程Ｓ１４へ遷移する。

　なお、各色のインクジェットヘッドの配置に応じてＣＭＹパッチ印刷工程Ｓ１０８とブラック印刷工程Ｓ１１０との順序が入れ替えられてもよい。例えば、基材搬送方向の上流側からブラック、シアン、マゼンタ、イエロー及びホワイトの順に各色のインクジェットヘッドが配置される場合、ブラック印刷工程Ｓ１１０の後にＣＭＹパッチ印刷工程Ｓ１０８が実施される。

　［階調補正用チャートの具体例］
　図１３は第一実施形態に係るチャート製造方法を適用して製造される階調補正用チャートを模式的に示す断面図である。同図には、図５に示す階調補正用チャート１０２における第二ホワイトパッチ群１２２及び黒色測定背景画像１３０が印刷される位置における断面図を示す。なお、図１３には、階調補正用チャート１０２の測定方向を図示する。

　図１３に示す階調補正用チャート１０２は、基材４０１の印刷面４０１Ａに黒色測定背景画像１３０が印刷され、黒色測定背景画像１３０に重ねて第二ホワイトパッチ群１２２が印刷される。

　［第一実施形態に係るチャート製造装置及びチャート製造方法の作用効果］
　第一実施形態に係るチャート製造装置及びチャート製造方法は、以下の作用効果を得ることが可能である。

　〔１〕
　第一ホワイトパッチ群１２０及び第二ホワイトパッチ群１２２が印刷される階調補正用チャート１０２において、第二ホワイトパッチ群１２２の背景となる黒色測定背景画像１３０が印刷される。これにより白色背景２０２から黒色背景への切り替えをせずに、白色背景２０２のみを用いて、互いに色が異なる二種類の背景を用いる第一ホワイトパッチ群１２０及び第二ホワイトパッチ群１２２を測定し得る。

　〔２〕
　階調補正用チャート１０２は白色背景２０２を用いて測定される。これにより、第一ホワイトパッチ群１２０及び第二ホワイトパッチ群１２２と白色背景２０２との高精度の位置合わせが不要となる。

　［第二実施形態に係るチャート製造装置］
　図１４は第二実施形態に係るチャート製造装置に適用される印刷装置の構成例を示す構成図である。同図に示す印刷装置４０６Ａは、図９に示す印刷装置４０６に対して、インクジェットヘッド４２０ＣＬが追加される。

　インクジェットヘッド４２０ＣＬは、インクジェットヘッド４２０Ｋとインクジェットヘッド４２０Ｗとの間に配置される。インクジェットヘッド４２０ＣＬはクリアインクが適用される。

　クリアインクの例として、プロセスインクから色材に関連する成分が除去されるインクが挙げられる。クリアインクは、透明インクと称される場合があり得る。ここでいう透明は、可視光光線の透過率が１００パーセント未満であってもよい。クリアインクの透過率は重ねて印刷されるホワイトインク及びブラックインクの視認性を一定以上低下させないものであればよい。

　図１５は第二実施形態に係るチャート製造装置を適用して製造されるチャートを模式的に示す断面図である。同図に示す階調補正用チャート１０２Ａは、黒色測定背景画像１３０に重ねてクリアインク画像１４０が印刷され、更に、クリアインク画像１４０に重ねて第二ホワイトパッチ群１２２が印刷される。

　クリアインク画像１４０は、黒色測定背景画像１３０の全面に重ねて印刷されてもよいし、黒色測定背景画像１３０と第二ホワイトパッチ群１２２との間のみに印刷されてもよい。

　［第二実施形態に係るチャート製造方法］
　図１５は第二実施形態に係るチャート製造方法は、図１２に示すブラック印刷工程Ｓ１１０の後にクリアインク画像を印刷するクリアインク画像印刷工程が実施される。また、クリアインク画像印刷工程の後にホワイトパッチ印刷工程Ｓ１１２が実施される。

　［第二実施形態に係るチャート製造装置及びチャート製造方法の作用効果］
　第二実施形態に係るチャート製造装置及びチャート製造方法は、第一実施形態と同様の作用効果を得ることができる。また、ホワイトインクが適用される第二ホワイトパッチ群１２２と、ブラックインクが適用される黒色測定背景画像１３０との間にクリアインクが適用されるクリアインク画像１４０が印刷される。

　これにより、ホワイトインクとブラックインクとの混色が抑制され、ホワイトインクとブラックインクとの境界面におけるホワイトインクとブラックインクとの混在に起因して発生する光散乱が抑制され、相対的にコントラストが高い階調補正用チャート１０２Ａを印刷し得る。

　なお、実施形態に記載のクリアインクは透明着色材の一例である。実施形態に記載のクリアインク画像１４０は透明画像の一例である。

　［第三実施形態に係るチャート製造装置］
　図１６は第三実施形態に係るチャート製造装置及びチャート製造方法を適用して製造されるチャートを模式的に示す断面図である。同図に示す階調補正用チャート１０２Ｂは、基材４０１の一方の面である印刷面４０１Ａに第二ホワイトパッチ群１２２が印刷される。

　また、基材４０１の他方の面である裏面４０１Ｂへ黒色測定背景画像１３０が印刷される。黒色測定背景画像１３０は、基材４０１の印刷面４０１Ａにおける第二ホワイトパッチ群１２２が印刷される領域に対応する、裏面４０１Ｂにおける領域へ印刷される。

　第三実施形態に係るチャート製造装置は、基材４０１の両面に印刷をする両面印刷装置が適用される。両面印刷装置は、基材４０１の印刷面４０１Ａと裏面４０１Ｂとを反転させる基材反転機構を備える。

　［第三実施形態に係るチャート製造方法］
　第三実施形態に係るチャート製造方法では、図１２に示すＣＭＹパッチ印刷工程Ｓ１０８に代わり、シアンパッチ群１１２Ｃ、マゼンタパッチ群１１２Ｍ、イエローパッチ群１１２Ｙ及びブラックパッチ群１１２Ｋが印刷される工程が実施される。

　ブラック印刷工程Ｓ１１０は省略され、ホワイトパッチ印刷工程Ｓ１１２が実施される。その後、基材反転工程が実施され、基材反転工程が実施された後に、黒色測定背景画像１３０が印刷される工程が実施される。

　第三実施形態に係るチャート製造方法において、黒色測定背景画像１３０が印刷される工程が実施された後に基材反転工程が実施され、基材反転工程が実施された後にＣＭＹパッチ印刷工程Ｓ１０８及びホワイトパッチ印刷工程Ｓ１１２が実施されてもよい。

　［第三実施形態に係るチャート製造装置及びチャート製造方法の作用効果］
　第三実施形態に係るチャート製造装置及びチャート製造方法は、第一実施形態及び第二実施形態と同様の作用効果を得ることができる。また、第二ホワイトパッチ群１２２のコントラストの低下が抑制される。更に、第二ホワイトパッチ群１２２に適用されるホワイトインクのインク量及び黒色測定背景画像１３０に適用されるブラックインクのインク量を相対的に増量し得る。

　［第四実施形態に係るチャート製造装置及びチャート製造方法］
　図１７は第四実施形態に係るチャート製造装置を適用して製造されるチャートを模式的に示す断面図である。第四実施形態に係るチャート製造装置は、図９及び図１０に示すインクジェット印刷システム４００が適用される。また、第四実施形態に係るチャート製造方法は、図１２に示すフローチャートが適用される。

　図１７に示す階調補正用チャート１０２Ｃは、基材４０１の印刷面４０１Ａにおいて、折り返し線４０１Ｃを挟んで第二ホワイトパッチ群１２２の反対の側の領域４０１Ｄへ黒色測定背景画像１３０が印刷される。黒色測定背景画像１３０は基材４０１の裏面４０１Ｂへ印刷されてもよい。

　図１８は図１７に示すチャートの測定状態を示す模式図である。図１８に示すように黒色測定背景画像１３０は、折り返し線４０１Ｃにおいて基材４０１を折り返した場合に、第二ホワイトパッチ群１２２と重なる位置に印刷される。

　［第四実施形態に係るチャート製造装置及びチャート製造方法の作用効果］
　第四実施形態に係るチャート製造装置及びチャート製造方法は、基材４０１の印刷面４０１Ａのみに印刷が可能な装置であり、黒色測定背景画像１３０と第二ホワイトパッチ群１２２とを重ねて印刷できない場合であっても、基材４０１の印刷面４０１Ａに第二ホワイトパッチ群１２２及び黒色測定背景画像１３０を印刷し得る。

　［階調補正用チャートの変形例］
　階調補正用チャート１０２等は、第一ホワイトパッチ群１２０が非印刷とされてもよい。かかる態様は、黒色背景のみを用いてホワイトインクのパッチが測定され、ホワイト以外のインクのパッチが白色背景を用いて測定される場合に適用される。

　また、階調補正用チャート１０２等は、シアンパッチ群１１２Ｃ等の第一ホワイトパッチ群１２０及び第二ホワイトパッチ群１２２以外の色のパッチ群が非印刷とされてもよい。

　階調補正用チャート１０２等は、白色背景として機能する白色測定背景画像が印刷されてもよい。例えば、基材１００の全面、基材１００の黒色測定背景画像１３０の非印刷領域及び第一ホワイトパッチ群１２０の印刷領域等にホワイトインクを用いて、黒色測定背景画像１３０と色違いの白色測定背景画像が印刷される。

　かかる態様によれば、階調補正用チャート１０２を支持するステージ２０１に白色背景２０２を形成する必要がない。また、白色背景２０２の汚れ及び破損等が発生した場合であっても、白色背景２０２の汚れ等の影響が抑制される測定を実施し得る。なお、実施形態に記載の白色測定背景画像は第二測定背景画像の一例である。

　［背景の変形例］
　インクの管理に適用される隠ぺい率は、インクを用いて基材を覆う場合に、インクの下の層及び基材の地がどのくらい透けずに印刷ができているかを表す指標である。隠ぺい率を導出する際の測定に適用される互いに異なる色が適用される二種類の背景は、白色背景及び黒色背景に限定されない。

　白色背景は、白色に代わり各インクの色と同系色を適用し得る。黒色背景は、黒色に代わり、基材の色又は基材を支持する支持面の色を適用し得る。

　透明基材へ印刷されるホワイトインクの隠ぺい率を導出する場合、図５に示す第一ホワイトパッチ群１２０に適用されるホワイトインクと同系色を背景として、第一ホワイトパッチ群１２０を測定する。また、第二ホワイトパッチ群１２２に適用されるホワイトインクが背景色の透かしの影響を受けやすい黒色背景を適用して、第二ホワイトパッチ群１２２を測定する。第一ホワイトパッチ群１２０の測定結果及び第二ホワイトパッチ群１２２の測定結果に基づき、ホワイトインクが背景色をどのくらい遮断しているかが導出される。

　背景色をどのくらい遮断するかが確認されるインクの例として、表面色が赤色の基材にシアンインクを用いてロゴ文字等の画像を印刷する場合のシアンインクが挙げられる。他の例として、透明基材にシアンインクを用いてロゴ文字等の画像を印刷した印刷物を、表面色が赤色の支持板へ張り付ける場合のシアンインクが挙げられる。

　上記の例において、背景の色が透けない濃さでロゴ文字の色が印刷されていない場合、ロゴ文字の視認性が低下し、印刷物の品質を低下させる。上記の例では、シアンインクの背景又はシアンインクと同系色の背景を適用して、シアンインクのパッチが測定され、基材の色である赤色の背景又は赤色と同系色の背景を適用してシアンインクのパッチが測定される。

　シアンインク等の背景を適用した測定結果Ｙ_１と、赤色等の背景を適用した測定結果Ｙ_２とから、隠ぺい率としてＹ_２／Ｙ_１が導出され、隠ぺい率Ｙ_２／Ｙ_１が一定以上の値となるようにシアンインクの濃度が管理される。

　ここでは、シアンインク及び赤色を例に挙げて説明をしたが、マゼンタインク等のプロセスインク及びグリーンインク等の特色インクについても、同様である。
すなわち、任意のインク色について、黒色背景に対応する第一背景色として、基材の地の色、基材の地の色の同系色、基材を支持する支持面の色又は基材を支持する支持面の色の同系色がされ、白色背景に対応する第二背景色としてインク色又はインク色と同系色が適用され得る。

　［測定背景画像の被覆率］
　測定背景画像のインク被覆率が相対的に低い場合、背景色に相当する効果が弱まるので、測定背景画像は相対的に高いインク被覆率が必要となる。インクジェット方式の印刷の場合、ドット形成位置の微妙なズレに起因してインク被覆率が１００パーセントにならない。

　そこで、測定背景画像は１００パーセント未満であり、一定以上のインク被覆率が許容される。例えば、測定背景画像のインク被覆率は８５パーセント以上とし得る。なお、測定背景画像は黒色測定背景画像１３０及び白色測定背景画像の総称である。

　［画像形成システムへの適用例］
　本実施形態では、画像形成システムの一例として、インクジェット方式の印刷装置４０６を備えるインクジェット印刷システム４００を例示したが、実施形態に係る階調補正データは電子写真方式の画像形成装置を備える画像形成システムなど、インクジェット方式以外の画像形成方式への適用も可能である。

　［画像について］
　画像は広義に解釈するものとし、カラー画像、白黒画像、単一色画像、グラデーション画像、均一濃度及びベタ画像なども含まれ得る。画像は、写真画像に限らず、図柄、文字、記号、線画、モザイクパターン、色の塗り分け模様、及びその他の各種パターンを含む包括的な用語として用いる。画像は、上記の適宜の組み合わせを含み得る。

　［画像の印刷］
　画像の印刷は、画像の形成、記録、印字、描画及びプリントなどの用語の概念を含み得る。

　以上説明した本発明の実施形態は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜構成要件を変更、追加、又は削除することが可能である。本発明は以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で当該分野の通常の知識を有するものにより、多くの変形が可能である。

１０　階調補正データ生成装置
１２　測定器
１４　プリンタ
１６　ディスプレイ装置
１６Ａ　プリンタ操作画面
２０　画像データ格納部
２２　プリンタ制御部
２４　測定器制御部
２６　階調補正ＬＵＴ生成部
２８　ＬＵＴ格納部
３０　補正処理部
３１　階調補正処理部
５２　面内ムラ補正処理部
５４　不吐補正処理部
６０　直線
６２　曲線
６４　曲線
６６　曲線
１００　基材
１０２　階調補正用チャート
１０２Ａ　階調補正用チャート
１０２Ｂ　階調補正用チャート
１０２Ｃ　階調補正用チャート
１０６　第一測定開始位置マーク
１０８　第二測定開始位置マーク
１１０　パッチ
１１０Ｃ　シアンパッチ
１１０Ｋ　ブラックパッチ
１１０Ｍ　マゼンタパッチ
１１０Ｙ　イエローパッチ
１１２　プロセスカラーパッチ群
１１２Ｃ　シアンパッチ群
１１２Ｋ　ブラックパッチ群
１１２Ｍ　マゼンタパッチ群
１１２Ｙ　イエローパッチ群
１１４　特色パッチ
１１４Ｇ　グリーンパッチ
１１４Ｏ　オレンジパッチ
１１４Ｖ　バイオレットパッチ
１２０　第一ホワイトパッチ群
１２２　第二ホワイトパッチ群
１２４　第一ホワイトパッチ
１２６　第二ホワイトパッチ
１３０　黒色測定背景画像
１４０　クリアインク画像
２０１　ステージ
２０１Ａ　基材支持面
２０２　白色背景
３００　駆動波形
３０２　吐出駆動パルス
３０４　吐出駆動パルス
３０６　吐出駆動パルス
３０８　吐出駆動パルス
３１０　吐出駆動パルス
３１２　吐出駆動パルス
３１４　残響抑制波形要素
４００　インクジェット印刷システム
４０１　基材
４０１Ａ　印刷面
４０１Ｂ　裏面
４０１Ｃ　折り返し線
４０１Ｄ　領域
４０２　基材供給装置
４０４　第一中間搬送装置
４０６　印刷装置
４０６Ａ　印刷装置
４０８　第二中間搬送装置
４１０　測定装置
４１２　乾燥装置
４１４　集積装置
４２０Ｃ　インクジェットヘッド
４２０ＣＬ　インクジェットヘッド
４２０Ｋ　インクジェットヘッド
４２０Ｍ　インクジェットヘッド
４２０Ｗ　インクジェットヘッド
４２０Ｙ　インクジェットヘッド
４２２　印刷ドラム
４３０　濃度測定器
４３２　読取搬送ローラ
４３４　ステージ
４６０　システム制御部
４６２　搬送制御部
４６４　搬送装置
４６６　印刷制御部
４６８　測定制御部
４７０　乾燥制御部
４７２　情報取得部
４７４　メモリ
４７６　センサ
５００　制御装置
５０２　プロセッサ
５０４　コンピュータ可読媒体
５０６　通信インターフェース
５０８　入出力インターフェース
５１０　バス
５１２　入力装置
５１４　ディスプレイ装置
５２０　搬送制御プログラム
５２２　印刷制御プログラム
５２４　測定制御プログラム
５２６　乾燥制御プログラム
５２８　階調補正データ生成プログラム
Ｓ１０～Ｓ１８　階調補正ＬＵＴ生成方法の各ステップ
Ｓ１００～Ｓ１１２　階調補正用チャート印刷工程の各ステップ

Claims

　互いに色が異なる第一背景色及び第二背景色を適用して測定されるチャートを透明基材へ形成する画像形成装置と、
　プロセッサと、
　前記プロセッサを用いて実行されるプログラムが記憶される記憶装置と、
　を備えるチャート製造装置であって、
　前記プロセッサは、前記プログラムの命令を実行して、
　前記第一背景色に対応する着色材を用いて前記透明基材へ第一測定背景画像を形成し、
　前記透明基材における前記第一測定背景画像に対応する位置へ、第一色の着色材を用いて一つ以上の第一パッチが含まれる第一パッチ群を形成し、
　前記透明基材における前記第一測定背景画像が非形成の位置へ、一つ以上の第二パッチが含まれる第二パッチ群を形成するチャート製造装置。
　前記プロセッサは、
　前記透明基材の一方の面へ前記第一測定背景画像を形成し、
　前記第一パッチ群を前記第一測定背景画像へ重ねて形成する請求項１に記載のチャート製造装置。
　前記プロセッサは、
　透明着色材が適用される透明画像を前記第一測定背景画像へ重ねて形成し、
　前記第一パッチ群を前記透明画像へ重ねて形成する請求項２に記載のチャート製造装置。
　前記プロセッサは、
　前記透明基材の一方の面へ前記第一パッチ群を形成し、
　前記第一パッチ群の位置に対応する前記透明基材の他方の面の位置へ前記第一測定背景画像を形成する請求項１に記載のチャート製造装置。
　前記プロセッサは、
　前記透明基材の一方の面へ前記第一パッチ群を形成し、
　前記透明基材を折り返し線に沿って折り返した際に前記第一パッチ群と重なる位置へ前記第一測定背景画像を形成する請求項１に記載のチャート製造装置。
　前記プロセッサは、前記第一色の着色材を用いて前記第二パッチを形成する請求項１から５のいずれか一項に記載のチャート製造装置。
　前記プロセッサは、
　前記第一色の着色材として白色の着色材を用いて前記第一パッチ及び前記第二パッチを形成し、
　前記第一背景色に対応する着色材として黒色の着色材を用いて前記第一測定背景画像を形成する請求項６に記載のチャート製造装置。
　前記プロセッサは、前記第一色の着色材と異なる第二色の着色材を用いて前記第二パッチを形成する請求項１から５のいずれか一項に記載のチャート製造装置。
　前記プロセッサは、
　前記第一色の着色材として白色の着色材を用いて、前記第一パッチを形成し、
　前記第二色として少なくとも一色のプロセスカラーの着色材を用いて、前記第二パッチを形成し、
　前記第一背景色に対応する着色材として黒色の着色材を用いて前記第一測定背景画像を形成する請求項８に記載のチャート製造装置。
　前記プロセッサは、第二背景色に対応する着色材を用いて前記第二パッチ群の位置に対応する位置へ、第二測定背景画像を形成する請求項１から９のいずれか一項に記載のチャート製造装置。
　前記プロセッサは、前記第二背景色に対応する着色材として白色の着色材を用いて前記第二測定背景画像を形成する請求項１０に記載のチャート製造装置。
　前記プロセッサは、８５パーセント以上の被覆率を有する前記第二測定背景画像を形成する請求項１０又は１１に記載のチャート製造装置。
　前記プロセッサは、
　前記第一色の着色材として白色の着色材を用いて前記第一パッチを形成し、
　前記第一背景色に対応する着色材として黒色の着色材を用いて前記第一測定背景画像を形成する請求項１から１２のいずれか一項に記載のチャート製造装置。
　前記プロセッサは、８５パーセント以上の被覆率を有する前記第一測定背景画像を形成する請求項１から１３のいずれか一項に記載のチャート製造装置。
　前記プロセッサは、前記第一パッチと同一の階調値が適用される前記第二パッチを形成する請求項１から１４のいずれか一項に記載のチャート製造装置。
　前記プロセッサは、
　階調値が異なる複数の前記第一パッチが前記透明基材の搬送方向に沿って配置される前記第一パッチ群を形成し、
　階調値が異なる同一色の複数の第二パッチが前記透明基材の搬送方向に沿って配置される前記第二パッチ群を形成する請求項１から１５のいずれか一項に記載のチャート製造装置。
　互いに色が異なる第一背景色及び第二背景色を適用して測定されるチャートを透明基材へ形成するチャート製造方法であって、
　コンピュータが、
　前記第一背景色に対応する着色材を用いて前記透明基材へ第一測定背景画像を形成し、
　前記透明基材における前記第一測定背景画像に対応する位置へ、第一色の着色材を用いて一つ以上の第一パッチが含まれる第一パッチ群を形成し、
　前記透明基材における前記第一測定背景画像が非形成の位置へ、一つ以上の第二パッチが含まれる第二パッチ群を形成するチャート製造方法。
　互いに色が異なる第一背景色及び第二背景色を適用して測定されるチャートを製造するプログラムであって、
　コンピュータに、
　前記第一背景色に対応する着色材を用いて透明基材へ第一測定背景画像を形成する機能、
　前記透明基材における前記第一測定背景画像に対応する位置へ、第一色の着色材を用いて一つ以上の第一パッチが含まれる第一パッチ群を形成する機能、及び
　前記透明基材における前記第一測定背景画像が非形成の位置へ、一つ以上の第二パッチが含まれる第二パッチ群を形成する機能を実現させるプログラム。
　非一時的かつコンピュータ読取可能な記録媒体であって、請求項１８に記載のプログラムが記録された記録媒体。
　互いに色が異なる第一背景色及び第二背景色を適用して測定されるチャートを透明基材へ形成する画像形成装置と、
　プロセッサと、
　前記プロセッサを用いて実行されるプログラムが記憶される記憶装置と、
　を備え、
　前記プロセッサは、前記プログラムの命令を実行して、
　前記第一背景色に対応する着色材を用いて前記透明基材へ第一測定背景画像を形成し、
　前記透明基材における前記第一測定背景画像に対応する位置へ、第一色の着色材を用いて一つ以上の第一パッチが含まれる第一パッチ群を形成し、
　前記透明基材における前記第一測定背景画像が非形成の位置へ、一つ以上の第二パッチが含まれる第二パッチ群を形成する画像形成システム。