JP2006150832A - 誤差情報取得方法、誤差情報取得プログラム、誤差情報取得装置、印刷制御方法、印刷制御プログラム及び印刷制御装置 - Google Patents

誤差情報取得方法、誤差情報取得プログラム、誤差情報取得装置、印刷制御方法、印刷制御プログラム及び印刷制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】印刷装置における色ずれを補償するための誤差情報を設定する際の印刷環境に相違がある場合においても、誤差情報を正確に取得し、印刷画像における色再現性を実現できることが可能な誤差情報取得方法の提供。
【解決手段】プリンタに対して改めてカラー調整ID(誤差情報)を設定する必要が生じた際に、過去にIDを設定した際のパッチ画像の印刷条件とは異なる印刷条件によって色修正用パッチを印刷して測色データを取得し、測色データに応じてカラー調整IDを算出する場合、使用する印刷用紙に対して付着せず印刷不能な種類のインクが存在する場合にも、印刷不能なインク種類に対応する印刷ヘッドに与えられているインク量IDと、インク量ID変換関数とを用いることにより、IDを算出する。
【選択図】 図14

Description

本発明は、印刷ヘッドを用いて印刷データに対応する画像を印刷する印刷装置における色ずれを補償するための情報を取得する誤差情報取得方法、誤差情報取得プログラム、誤差情報取得装置、印刷制御方法、印刷制御プログラム及び印刷制御装置に関する。
従来、量産されるインクジェットプリンタには、インクの色(種類)毎に印刷ノズル列が設けられ、各印刷ノズル列から吐出されるインクの重量のずれを補償するためのID(誤差情報)を記録した不揮発性半導体メモリが設けられている。各プリンタについて印刷制御を行う際、IDに対応させたキャリブレーション用のLUT(ルックアップテーブル)等の色修正データを予め作成して記憶しておき、IDに対応する色修正データを参照することにより、印刷ヘッドから吐出されるインクの重量を基準プリンタ(基準機体)に合わせるようにインク重量の誤差を補償している(例えば、特許文献1参照)。
また、本出願人は、量産対象のプリンタに所定の印刷データに基づいて印刷させたパッチ画像の測色データと基準測色データとの対比結果が表されたIDを用いることで、各プリンタで生じる基準機体との色再現性のばらつきを補償する印刷制御装置などの発明について、既に出願している(特願2004‐35947)。
さらに、本出願人は、量産対象のプリンタに本来各印刷ヘッドに装填するインクとは別の代替インクを装填した状態で上記パッチ画像を印刷させ、当該パッチ画像の測色データの変換値と基準測色データとの対比結果が表されたIDを取得し、同取得したIDを用いることで、各プリンタで生じる色再現性のばらつきを補償する印刷制御装置などの発明について既に出願している(特願2004‐209899)。
特開平10−278360号公報
上記各先願は、例えばプリンタ量産時において上記IDを各プリンタ毎に設定する際に有用であるが、各プリンタにおいては当該設定したIDを使用し続けられる保障なく、例えば印刷ヘッドや同ヘッドを構成する各部品を交換した場合には再度IDを設定し直す必要が生じる。ここで、既に設定されていたIDは、使用するインク種類や印刷媒体の種類などによって変化する各種印刷条件のうち、所定の印刷条件下で印刷したパッチ画像を測色した結果と所定の基準データとの比較によって決定されたものである。よって、再度IDを取得し直す場合でも、本来的には過去にIDを設定したときと同じ印刷条件によってパッチ画像を印刷し測色する必要がある。
しかし、再度IDを設定し直す場合においては、プリンタ量産時など過去にIDを設定した場合と常に同じ印刷条件をパッチ画像の印刷のために用意することは、設備の違いや資材調達、コスト等の面から難しいという現実がある。そのため、上記IDを設定し直す必要が生じた場合でも、各プリンタで生じる色再現性のばらつきを補償するための正確なIDを取得できない場合があった。特に、再度IDを設定し直す場合に、パッチ画像の印刷のために用意した印刷媒体とインクとの組合わせによっては、ある種類のインクについては印刷媒体上に付着しづらくパッチ画像を印刷できないということがあり、かかる場合正確なIDを取得することが一層困難であった。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、印刷装置における色ずれを補償するための誤差情報を設定する際の印刷環境に相違がある場合においても、誤差情報を正確に取得し、印刷画像における良好な色再現性を実現することが可能な誤差情報取得方法、誤差情報取得プログラム、誤差情報取得装置、印刷制御方法、印刷制御プログラム及び印刷制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本願にかかる誤差情報取得方法の発明は、複数種類のインクに対応した複数の印刷ヘッドを有し印刷媒体上にインクを付着させて印刷データに対応する画像を印刷可能な印刷装置における色ずれを表す誤差情報を取得する。
上記誤差情報は、基本的には、上記印刷装置に第一の印刷条件において標準のインク記録量にて印刷させた第一パッチ画像を所定の色空間で測色して得られる第一測色データと、基準測色データとの対比によって表されるものである。本願では、印刷装置に第一の印刷条件とは異なる第二の印刷条件で上記標準のインク記録量にて第二パッチ画像を印刷させる。これは、第二印刷パッチ画像を所定の色空間で測色して第二測色データを得るとともに、同第二測色データをその値に応じて所定の変換値に換算し、同変換値と上記基準測色データとを対比することにより上記誤差情報を取得できるからである。
つまり、誤差情報を取得しようとする際、設備の違いや資材調達やコスト等の面から、過去に誤差情報を設定したときのように第一の印刷条件によって印刷装置にパッチ画像を印刷させることができない場合であっても、第二の印刷条件によって印刷させたパッチ画像の測色結果に対して両印刷条件の相違を考慮した変換を行うことで誤差情報を取得するのである。この結果、その時点で印刷装置に第一の印刷条件によってパッチ画像を印刷させていれば、そのパッチ画像の測色結果と基準測色データとの対比に基づいて得られたであろう誤差情報と略同じ誤差情報を得ることができる。
しかし、採用した第二の印刷条件の内容によっては、上記第二パッチ画像の印刷に際して、使用する印刷媒体には付着しない種類のインクが存在することがあり、かかる種類のインクによっては第二パッチ画像を印刷できず、その結果、誤差情報も得られなくなってしまう。
そこで、同付着しない種類のインクが存在する場合には、当該インク種類に対応する印刷ヘッドにかかるインク吐出量のばらつきの程度を示す印刷ヘッドばらつきデータを取得する。次に、付着しないインク種類に対応する印刷ヘッドの印刷ヘッドばらつきデータに基づいて、同付着しないインク種類に対応する印刷ヘッドを使用して上記第一の印刷条件によって標準のインク記録量にて印刷させたパッチ画像を所定の色空間で測色した場合に得られると予測される予測測色データを求める。そして、求めた予測測色データと上記基準測色データとを対比することにより誤差情報を取得する。
上記手順を実行すれば、第二パッチ画像の印刷に採用した印刷媒体に対して付着しない種類のインクについてはパッチ画像を実際に印刷させることなく、同付着しないインクに対応する印刷ヘッドにおける誤差情報を取得することができる。
このように、本発明によれば、誤差情報を取得するために本来必要な印刷条件とは異なる印刷条件によってパッチ画像を印刷せざるを得ない場合や、同パッチ画像の印刷さえも実行不能である場合でも、正確な誤差情報を取得することができる。
本発明の他の構成として、上記基準測色データは、所定の基準印刷装置に第一の印刷条件において上記標準のインク記録量にて印刷させたパッチ画像を所定の色空間で測色することにより取得されるとしてもよい。予め、上記のような基準測色データを備えておき、上記予測測色データと基準測色データとの対比結果に応じて誤差情報を決定することで、上記印刷装置の所定の印刷ヘッドにおける基準印刷装置に対する色ずれを高精度に補償するための指標となる誤差情報を取得できる。
印刷条件の違いといっても種々の項目が考えられ、その一つとして印刷ヘッドに装填するインクの違いというものがある。そこで、本発明の他の構成として、上記第一の印刷条件と第二の印刷条件とは、パッチ画像を印刷する際に各印刷ヘッドに装填するインク種類が相違するとしてもよい。例えば、第一の印刷条件においては、夫々に異なる種類のインクに対応する複数の印刷ヘッドの全てに同じインクを装填して第一パッチ画像を印刷するのに対し、第二の印刷条件においては各印刷ヘッドから本来対応している種類のインクを夫々に吐出させる場合が考えられる。このような相違が生じた結果、使用する印刷媒体との関係で付着不能となる種類のインクが出現する場合がある。
このように、本発明によれば、誤差情報を取得するために測色するパッチ画像の印刷に本来使用すべきインクとは異なる種類のインクを採用せざるを得ず、その結果、一部のインクについてはパッチを印刷できない状況においても、上記印刷ヘッドばらつきデータを用いることにより正確な誤差情報を取得することができる。
また、上記第一の印刷条件と第二の印刷条件とは、パッチ画像の印刷に使用する印刷媒体の種類が相違するとしてもよい。印刷媒体は普通紙や光沢紙や写真用紙など種々の種類があり、印刷媒体が異なればその他の印刷環境が同じであっても測色結果の値は異なってくるが、誤差情報を設定しようとしたときに常に同じ種類の印刷媒体を用意できるとは限らない。また、印刷媒体が相違することで、ある種類のインクについてそれまで印刷可能であったものが印刷不能となることもある。
本願の構成とすれば、 誤差情報を取得するために測色対象となるパッチ画像の印刷に本来使用されるべき印刷媒体とは異なる種類の印刷用紙を採用せざるを得ず、その結果一部のインクについてはパッチを印刷できない状況においても、上記印刷ヘッドばらつきデータを用いて正確な誤差情報を取得することができる。
本発明の他の構成として、上記印刷装置は、所定の画像読取り装置によって読取り可能な情報形態によって各印刷ヘッドについての印刷ヘッドばらつきデータを予め備えているとしもよい。その結果、印刷装置は、画像読取り装置に同印刷ヘッドばらつきデータを読取らせるとともに、同画像読取り装置から上記付着しないインク種類に対応する印刷ヘッドにかかる印刷ヘッドばらつきデータを入力することができる。このように、誤差情報を取得すべき印刷装置毎に、独自に各印刷ヘッドについての印刷ヘッドばらつきデータを備えていれば、上記付着しないインク種類に対応する印刷ヘッドにかかる印刷ヘッドばらつきデータを容易に取得できる。なお、画像読取り装置によって読取り可能な印刷ヘッドばらつきデータの情報形態の一例としては、印刷ヘッドばらつきデータを含むバーコード画像を表したシールが考えられる。
本発明の他の構成として、上記付着しないインク種類に対応する印刷ヘッドの印刷ヘッドばらつきデータに基づく予測測色データの算出は、所定の関数を用いてもよい。具体的には、所定の印刷装置におけるインク吐出量に夫々ばらつきがある複数の印刷ヘッドを使用して夫々に第一の印刷条件によって標準のインク記録量にて印刷させたパッチ画像の所定の色空間での測色結果から得られた上記第一測色データと同じ色成分である各測色データと、同ばらつきがある複数の印刷ヘッドにかかる各印刷ヘッドばらつきデータとの対応関係を参照することにより、上記印刷ヘッドばらつきデータを入力値とする関数を予め決定しておく。
当該関数を用いて、上記付着しないインク種類に対応する印刷ヘッドの印刷ヘッドばらつきデータの変換を行えば、誤差情報の設定対象となる印刷装置の上記付着しないインク種類に対応する印刷ヘッドを使用して第一の印刷条件によって標準のインク記録量にてパッチ画像を印刷していれば得られたと予測される、第一測色データと同じ色成分である予測測色データを容易に算出でき、その結果、正確な誤差情報を取得することができる。上記関数は、一次関数であっても高次関数であってもよい。
上述した誤差情報取得方法にかかる技術的思想は、その手順をコンピュータに実行させる誤差情報取得プログラムの発明として把握することもでき、請求項7にかかる発明も、上記と同様の作用、効果を有する。同様に、上記方法の構成を誤差情報取得装置に対応させることも可能であり、請求項8にかかる発明も、上記誤差情報取得方法と同様の作用、効果を有する。
ここで、上記誤差情報を取得する構成を用いて、任意の画像を表現した印刷データに対して色修正を実行して印刷を行なう印刷制御方法としての発明を把握することができる。つまり、複数種類のインクに対応した複数の印刷ヘッドを有し印刷媒体上にインクを付着させて印刷データに対応する画像を印刷可能な印刷装置に対し印刷制御を行なう印刷制御方法であって、上記誤差情報取得方法の各構成に加え、取得した誤差情報の値に応じて上記印刷装置におけるインク量のずれを補償する色修正データを決定し、上記色修正データを用いることにより画像を表現した印刷データから上記印刷装置にて印刷される印刷画像の色ずれを補償させる印刷データに修正し、修正後の印刷データに対応する印刷画像を印刷装置に対して印刷させる制御を行う構成とすることができる。
上記構成においては、上記誤差情報の値に応じて、上記印刷装置におけるインク量のずれを補償する色修正データを決定する。そして、上記色修正データを用いることにより、画像を表現した印刷データから上記印刷装置にて印刷される印刷画像の色ずれを補償させる印刷データに修正し、修正後の印刷データに対応する印刷画像を印刷装置に対して印刷させる制御を行う。その結果、印刷装置から出力される印刷画像について基準色に対する色再現性を向上させることができる。同様に、印刷制御方法にかかる技術的思想はこれを実現するためのプログラムおよび装置の発明として夫々把握することができ、請求項10及び請求項11にかかる発明も、夫々に上記印刷制御方法と同様の作用、効果を有する。
むろん、請求項1に従属する請求項2〜請求項6と同様の構成をもって、請求項7〜請求項11に夫々従属する発明を把握することも可能である。
下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
(1)印刷制御方法を実現するための概略構成
(2)生産工程における誤差情報の設定処理
(3)アフターサービスにおける誤差情報の設定処理
(4)印刷制御処理
(1)印刷制御方法を実現するための概略構成
図1は、本発明にかかる印刷制御方法および誤差情報取得方法を実行するための、コンピュータ10とプリンタ20等を示している。
コンピュータ10では、演算処理の中枢をなすCPU11がシステムバス10aを介してコンピュータ10全体を制御する。同バス10aには、書き換え不可能な半導体メモリであるROM12、書き換え可能な半導体メモリであるRAM13、CD−ROMドライブ15、フレキシブルディスク(FD)ドライブ16、各種インターフェイス(I/F)17a〜17e等が接続され、ハードディスクドライブを介して磁気ディスクであるハードディスク(HD)14も接続されている。
HD14にはオペレーティングシステム(OS)やアプリケーションプログラム(APL)等が記憶されており、これらはCPU11によって適宜RAM13に転送され、実行される。本実施形態では、HD14は、本発明の誤差情報取得プログラム、印刷制御プログラム、プリンタから取得したカラー調整ID14a、一次元のLUTとされた複数の色修正データ14b、色変換LUT、ドット振り分けテーブル14d、色成分変換関数f(x)、インク量ID変換関数g(x)、標準記録率テーブルT1等を記憶した所定の記憶領域とされている。I/F17a(例えばUSB I/F)には、測色機40を接続する。測色機40は、測色する対象に色検出部40aを向けることにより、国際照明委員会(CIE)で規定されたL***表色系に基づく複数の色成分L*,a*,b*を色成分量(色彩値)として取得可能であり、取得した色成分量をコンピュータ10に出力可能である。ここで、L***色空間はデバイスに依存しない均等色空間である。むろん、測色する色空間は、CIE規定のL***色空間、CIE規定のXYZ色空間、RGB色空間等であってもよい。以下、「*」は省略して説明する。
CRTI/F17bにはカラー画像データに基づいて当該データに対応する画像を表示するディスプレイ18aが接続され、入力I/F17cにはキーボード18bやマウス18cが操作用入力機器として接続され、プリンタI/F17eには例えばシリアルI/Fケーブルを介してプリンタ20が接続されている。
プリンタ20は量産対象となるプリンタであり、基本的にはC,M,Y,K,Mk(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、マットブラック)の各色に対応してそれぞれ設けられた5個のインクカートリッジ28に充填された5種類のインクを印刷ヘッド29a〜29eから吐出して、印刷用紙(印刷媒体)にインクを付着させてドットを形成することにより印刷データに対応する印刷画像を印刷する。むろん、ライトシアン、ライトマゼンタ、ライトブラック、ダークイエロー、レッド、バイオレット、無着色インク等を使用するプリンタを採用してもよいし、インク種類数も限られない。また、インク通路内に泡を発生させてインクを吐出するバブル方式のプリンタや、トナーインクを使用して印刷媒体上に印刷画像を印刷するレーザープリンタ等、種々の印刷装置を採用可能である。印刷装置が使用するインクは、液体でも固体でもよい。プリンタ20では、CPU21、ROM22、RAM23、通信I/O24、コントロールIC25、ASIC26、I/F27、等がバス20aを介して接続され、CPU21がROM22に書き込まれたプログラムに従って各部を制御する。
キャリッジ機構27aにて主走査方向に往復動するキャリッジには、各インクカートリッジ28が装着されているとともに、印刷ヘッドユニット(印刷ヘッドの集合体)29が搭載されている。当該ユニット29は、インク種類毎に設けられた印刷ヘッド29a〜29eと不揮発性半導体メモリ31を備えている。このメモリ31は、EEPROM等とすることができ、コンピュータ10の側で印刷データを修正するために用いられるカラー調整ID(誤差情報)等が記録されるようになっている。各印刷ヘッド29a〜29eは、夫々にインクを吐出して印刷用紙上に付着させることが可能である。各カートリッジ28には、例えばRAMからなるメモリチップ28aがそれぞれ設けられており、各メモリチップ28aは電気的にコントロールIC25と接続されている。
通信I/O24はコンピュータ10のプリンタI/F17eと接続され、プリンタ20は通信I/O24を介してコンピュータ10から送信される色別のラスタデータを受信する。ASIC26は、CPU21と所定の信号を送受信しつつヘッド駆動部26aに対してラスタデータに対応する印加電圧データを出力する。同ヘッド駆動部26aは、同印加電圧データから印刷ヘッド29a〜29eに内蔵されたピエゾ素子への印加電圧パターンを生成し、印刷ヘッド29a〜29eに各色のインクをドット単位で吐出させる。I/F27に接続されたキャリッジ機構27aや紙送り機構27bは、印刷ヘッドユニット29を主走査させたり、適宜改ページ動作を行いながら印刷用紙を順次送り出して副走査を行ったりする。
印刷ヘッド29a〜29eには、夫々に複数個のインクジェットノズルが設けられるとともに、同ノズルのそれぞれに対応してピエゾ素子が配置されている。
図2に示すように、ピエゾ素子PEは、ノズルNzまでインクを導くインク通路25bに接する位置に設置され、ピエゾ素子PEの両端に設けられた電極間に所定時間幅の電圧が印加されると、電圧の印加時間だけ伸張し、インク通路25bの一側壁を変形させる。この結果、インク通路25bの体積はピエゾ素子PEの伸張に応じて収縮し、この収縮分に相当するインクがインク滴IpとなってノズルNzの先端から高速に吐出され、印刷媒体に染み込むことによりドットが形成されて印刷が行われる。
同図にはインク量の異なる所定数の種類のドットを形成するための駆動波形を示してあり、所定の期間の駆動波形V1,V2によって、インク量の異なるドットが形成される。そして、駆動波形の電圧差が大きいほどピエゾ素子の伸張収縮の度合が大きくなるため、ドットは大きくなる。同図の下段に示すように、プリンタ20は、大まかにはインク量(例えばインク重量。インク体積でもよい)が大中小の3種類のドットを印刷媒体上に形成可能であり、大中小の各ドットはさらにインク量の異なる3種類のドットにして印刷媒体上に形成可能である。従って、プリンタ20は、インク色毎に同じ印刷ヘッドから異なる複数段階のインク量のインク滴Ipを吐出し、当該複数段階のインク量に対応する大きさのドットを形成する。コンピュータ10がプリンタ20に送信するラスタデータにはドットの種類を識別するための識別情報が付加されており、プリンタ20は識別情報に対応する種類のドットを形成する。そして、ラスタ毎にドットの種類を表現するドットデータからなるラスタデータを入力すると、プリンタ20はラスタデータに対応してインク量の異なる複数種類のドットを印刷媒体上に形成する。
コンピュータ10ではOSにプリンタI/F17eを制御するプリンタドライバ等が組み込まれ、各種の制御を実行する。APLは、OSを介してハードウェアとデータ等のやりとりを行う。プリンタドライバは、APLの印刷機能の実行時に稼働され、プリンタI/F17eを介してプリンタ20と双方向の通信を行うことが可能であり、OSを介してAPLから印刷データを受け取ってラスタデータに変換し、プリンタ20に送出する。
(2)生産工程における誤差情報の設定処理
各プリンタ20に対してカラー調整ID(以下、単にIDと言った場合にはカラー調整IDを指す。)を設定する場面は、プリンタが製品出荷されるの前の生産工程時をはじめ、種々の場面が考えられる。本発明は、特に生産工程などにおいて一度IDが設定された後に再度IDを設定する場合にその特徴が発揮されるが、以下では、前提となる生産工程時におけるIDの設定処理から先に説明する。なお、上述したコンピュータ10およびプリンタ20は、生産工程などにおいて一度IDが設定された後に再度IDを設定する場合に使用するものとしてその構成を記載しているが、生産工程時のID設定の説明においても適宜、当該構成を利用して説明を行うものとする。
図3は、コンピュータが生産工程時に実行するID設定処理のフローチャートであり、図4は、ID設定処理を実施するのに適したシステムの概略を示すブロック図である。なお、生産工程時でのID設定処理に際しては、必要な各パッチ画像の印刷は全て、普通紙や光沢紙など種々の印刷用紙がある中で印刷用紙Aを用いるものとする。
図4によれば、コンピュータ10には測色器40が接続されるとともに、ID設定対象のプリンタ20(以下、対象プリンタとも言う)が順次接続され、各対象プリンタ20は、後述するように、所定の代表インクにより色修正用パッチP7を印刷するようになっている。また、コンピュータ10には必要に応じて、基準機体とした基準プリンタが接続されるようになっており、基準プリンタにより印刷用紙A上に再現されるパッチ画像の色を基準色として各対象プリンタ20へのID設定作業が行われる。基準プリンタは対象プリンタ20と同型であるとする。
図3のステップS(以下、ステップの記述を省略)205では、基準プリンタをコンピュータ10に接続し、所定の印刷ヘッド(例えば、29d)から各インク種類のうち一種類の代表インクが吐出されるようにした状態で、所定の種類のドットによって、インク記録量を複数段階で変化させた複数の代表インク色成分選択用パッチP0を印刷媒体上に印刷させる制御をコンピュータ10に実行させる。この場合、CPU11は、予めHD14に記憶しておいた、複数段階のドット記録率に対応する複数のパッチを表現する所定のパッチ用画像データを取得し、RAM13に一時的に保存する。同パッチ用画像データは、一色無地のパッチを多数の画素で階調表現したデータである。同パッチ用画像データに対して所定のハーフトーン処理、ラスタライズ処理を行い、生成されたラスタライズデータを基準プリンタに送出することにより、同パッチ用画像データに対応した複数の代表インク色成分選択用パッチP0を基準プリンタに対して印刷させる制御を行なう。
図5では、基準プリンタによって、ドット記録率を10%刻みで変化させた10〜90%の9段階の代表インク色成分選択用パッチP0を、代表インクの大ドット1で印刷した場合を示している。ドット記録率とは、印刷媒体上の所定面積における全画素数に対する形成ドット数の比であって、インク記録量の一種とする。
S210では、上記印刷した各パッチP0を測色機40を用いて測色し、コンピュータ10は各パッチP0の測色データを取得する。
S215では、測色データと各パッチP0のドット記録率とに基づいて、測色データを構成する複数の色成分量L,a,bの中から、ドット記録率の変化に対して最も変化の大きい色成分量を代表インク選択色成分量として特定する。本実施形態においては、代表インクの一例として、CMYKMkの5種類のインクのうちKインクを用いることとする。Kインクのみの画像ではインク記録量の変化に対して色成分Lは大きく変化するものの、色成分a,bは殆ど変化しない。よって、代表インクがKインクである場合、代表インク選択色成分量はLとなる。そして、同特定した代表インク選択色成分量を表すデータをHD14に記憶する。なお、代表インクは必ずしも一色に限る必要は無く、また、各印刷ヘッドに対応したインクの中から選択しない場合も考えられる。
このようにして特定した代表インク選択色成分量は、次に示すように、基準プリンタの測色結果と対象プリンタ20の測色結果とを比較する際に用いられる。
S220では、基準プリンタの全印刷ヘッドから上記代表インクが吐出されるように代表インクのインクカートリッジを装着した状態として、コンピュータ10は、基準プリンタに対して、予め設定した標準のインク記録量の複数のパッチ画像を表現する標準パッチ画像用データに基づいて、複数の基準色修正用パッチP4を印刷用紙Aに印刷させる制御を実行する。
図6は、基準色修正用パッチP4を印刷用紙Aに印刷した場合を示している。
各パッチP4は、いずれもK一色の無地であり、各インクCMYKMkに対応する印刷ヘッド29a〜29eと各ドット種類との組合の数だけ印刷されている。例えば、図中のパッチP4aを例に説明すると、当該パッチP4aは、本来Mインクに対応する印刷ヘッド29bからKインクを大ドット1で吐出させることにより印刷されている。上記標準のインク記録量は、基本的には各パッチ毎に、すなわち印刷ヘッドとドット種類との組み合わせに対応して決まっている。標準のインク記録量の決定方法については後述する。
S225では、上記基準色修正用パッチP4を測色機40を用いて測色するとともに、各パッチP4の測色データから、代表インク選択色成分量を取得する。この場合、代表インク選択色成分量は印刷ヘッド29a〜29eと各ドット種類との組み合わせの数だけ得られることになる。以下、S225にて取得した代表インク色成分量(基準測色データ)を適宜、基準値と呼ぶものとする。
S225までの処理を行なうことで、生産工程において各対象プリンタ20のIDを取得するための前提が整う。つまりコンピュータ10は、S225までの処理を一度だけ行い、基準値を生成しHD14等に保存しておき、以後、量産機である各プリンタ20に色修正用パッチP7を印刷させ各プリンタ20毎にIDを取得させる。
S230では、一の対象プリンタ20をコンピュータ10に接続し、ここでも同じように全印刷ヘッド29a〜29eから上記代表インクが吐出される状態とし、上記標準パッチ用画像データに基づいて、複数の色修正用パッチP7を印刷用紙Aに印刷させる制御をコンピュータ10に実行させる。つまり、図6に示したパッチP4と同様に、各色のインクに対応する印刷ヘッド29a〜29eと各ドット種類との組合せ分のK一色の無地のパッチを印刷する。むろん、この場合も各パッチP7は、夫々に個別に対応する上記標準のインク記録量によって印刷されている。
S235では、各色修正用パッチP7を測色機40を用いて測色するとともに、各色修正用パッチP7の測色データから代表インク選択色成分を取得する。
S240では、S235で取得した各代表インク選択色成分と、S225において取得した各基準値とを、印刷ヘッドとドット種類との組合せが対応する値同士で対比することによりIDを算出する。ここでIDは、上記基準値としての代表インク選択色成分量をS0、色修正用パッチP7の測色結果である代表インク選択色成分量をS1、所定の係数をc(c>0)とすると、例えば、ID=c・(S1−S0)より算出することができる。
図7は、IDを決定する様子を示している。同図の上段は、基準色修正用パッチP4から得られた代表インク選択色成分量S0と色修正用パッチP7から得られた代表インク選択色成分量S1であって、夫々共通するドット種類(例えば、小ドット1)によって印刷したパッチの測色結果を示している。なお、各代表インク選択色成分量S1,S0に対応したC,M,Y,K,Mkの表示は、各代表インク選択色成分量が得られたパッチを吐出させた印刷ヘッドが本来対応しているインク種類を示している。両パッチP4,P7での選択色成分量S0,S1を、印刷ヘッドとドット種類との組合わせ毎に取得しておいて、上記式ID=c・(S1−S0)を用いてIDの値を算出する。図の中段は、小ドット1の場合における各印刷ヘッド毎のIDの値を示している。IDは、各インク種類に対応する印刷ヘッド29a〜29e全てとドット種類全ての組合わせについて算出する。全IDの算出値の例を図の下段に示している。
S245では、上記IDをプリンタ20の印刷ヘッドユニット29のメモリ31に記憶させる。その結果、プリンタ20における、各インク色に対応する印刷ヘッド毎かつドットの種類毎のIDの設定処理が完了する。生成したIDは、Lab色空間の色成分量L,a,bの中からインク記録量の変化に対して最も変化の大きい色成分量として特定された代表インク選択色成分のみの対比結果が表された誤差情報である。
このようにして生産工程時に取得したIDは、基準プリンタに対するプリンタ20の色ずれの程度を表しており、その後の印刷制御処理においては、後述するようにIDの値に応じた色修正データによって当該色ずれを補償する修正を印刷データに対して行うことができる。
(3)アフターサービスにおける誤差情報の設定処理
プリンタ20においてIDを設定する機会は生産工程時に限られない。例えば、プリンタ20の印刷ヘッドユニット29やヘッド駆動部26a等の各種部品を交換、修理した場合には、プリンタ20におけるインクの出力特性が微妙に変化し得る。そのため、部品組み付け後の状態において改めて上記基準プリンタとの色ずれの程度を取得する必要が生じる。上記IDは、プリンタ20において代表インクのみで、かつ印刷媒体として印刷用紙Aを用いるという印刷条件下で印刷させた各色修正用パッチP7の測色結果と上記基準値とを対比した結果である。また、色ずれを補償するために選択される色修正データも、そのような条件の下得られたIDの値に対応して決定されている。
従って、後にIDを設定し直す場合でも、上記と同じ印刷条件にて印刷した色修正用パッチの測色結果と上記基準値とを比較してIDを設定しなければ、プリンタ20における基準プリンタに対する色ずれを正確に補償することができない。しかし、生産工程時にIDを設定する場合とそれ以外の状況においてIDを設定する場合とでは、現実的な問題として、設備の相違や資材調達の困難性やコスト削減の面から、必ずしも上記と同じ印刷条件で色修正用パッチを印刷できるとは限らない。そこで、本実施形態では、色修正用パッチの印刷条件がプリンタ20におけるIDを設定する場面によって相違する場合であっても、かかる相違を補償して、プリンタ20の基準プリンタに対する色ずれの程度を正確に表すIDを取得可能とした。以下においては、生産工程時以外のIDを設定する場面の一例として、業者による製品のアフターサービス時に印刷ヘッドユニット29やヘッド駆動部26aを交換しためにIDを設定する場合を想定して説明を行う。
図8は、コンピュータ10が実行する上記アフターサービス時におけるID設定処理のフローチャートである。この場合も、図4と同様に、IDの設定対象となるプリンタ20はコンピュータ10に順次接続され、所定のパッチ画像の印刷やIDの取得処理の対象となる。また、コンピュータ10には測色器40が接続される。ここで、アフターサービス時のID設定処理では、上記印刷用紙Aとは異なる種類の印刷用紙Bを採用し、かつ各印刷ヘッド29a〜29eからは夫々が本来対応している種類のインクが吐出されるという印刷条件において、所定のパッチ画像の印刷を行うものとする。
なお、採用する印刷媒体とインク種類との関係によっては、インクが印刷媒体上に付着し難く画像を印刷できないこともあり得るが、図8に示すID設定処理においては、各印刷ヘッド29a〜29eに対応する各色インクはいずれも印刷媒体B上に正常に印刷可能であるものとして説明する。
先ず、S305では、IDの設定対象となる対象プリンタ20がコンピュータ10に接続され、各印刷ヘッド29a〜29eから夫々の印刷ヘッドが対応しているC,M,Y,K,Mkインクが吐出されるようにインクカートリッジが装着された状態において、コンピュータ10は、予め設定した標準のインク記録量の複数のパッチ画像を表現する標準パッチ画像用データに基づいて、複数の色修正用パッチP8を印刷用紙Bに印刷させる制御を実行する。
その結果、図9に示すように、印刷用紙B上には、各印刷ヘッド(各インク色)とドット種類との組合わせに夫々対応したC,M,Y,K,Mk各色のパッチP8が印刷される。この場合も各パッチP8は、夫々に対応する標準のインク記録量によって印刷されている。標準のインク記録量は、生産工程時のID設定の際にパッチP4,P7の印刷に用いたものと同じデータである。
S310では、各色修正用パッチP8を測色機40を用いて測色するとともに、各色修正用パッチP8の測色データから選択色成分量を取得する。つまり、パッチP4,P7を印刷した際にも、その色成分L,a,bの中から、ドット記録率の変化に対して最も変化の大きい色成分の色成分量のみを代表インク選択色成分量として取得したように、S310においても、各色修正用パッチP8の測色結果から、ドット記録率の変化に対して最も変化の大きい色成分の色成分量のみを選択色成分として取得する。なお、L,a,bのうち何れが選択色成分となるかはインク色によって異なる。
ここで、各インク色毎の選択色成分の特定について詳述する。
図10は、Yインクによる大ドット1について、図5と同様に10%刻みで変化させた10〜90%の9段階の各ドット記録率によって印刷媒体に印刷したパッチをLab色空間で測色した結果の一例を示している。横軸はドット記録率(%単位)であり、縦軸はLab色空間を定義するL量、a量、b量である。図の例では、色成分量L,a,bの中でドット記録率の変化に対してb量が最も変化が大きいため、Yインクについての選択色成分量はb量と特定する。例えば、選択色成分量を特定する色およびドット種類において、互いに異なるドット記録率をR1,R2、ドット記録率R1のパッチを測色したときの色成分量L,a,bをそれぞれL1,a1,b1、ドット記録率R2(R2>R1とする)のパッチを測色したときの色成分量L,a,bをそれぞれL2,a2,b2とする。記録率R1,R2の両パッチについての色成分量の差異としてΔL=|L2−L1|、Δa=|a2−a1|、Δb=|b2−b1|を算出すると、ΔL,Δa,Δbは、記録率R1,R2のパッチの色成分量の違いが大きくなるほど大きい値となる。そこで、ΔL,Δa,Δbの中から最大の算出値に対応する色成分量を選択色成分量として特定することができる。なお、変化させたドット記録率の中から最小のドット記録率と最大のドット記録率とを記録率R1,R2にすると、対象プリンタ20について基準色に対する良好な色再現性が得られる。
このようにして、コンピュータ10は、インク色毎に選択色成分量を特定するとともに、インク色毎に特定した選択色成分量を表すデータ14eを予めHD14に記録しておく。その結果、同データ14eを参照することにより、S310において各パッチP8の測色データを測色機40から入力した際に測色データから各パッチP8の色に対応する選択色成分量を取得できる。
次に、S315では、上記において取得した色修正用パッチP8毎の選択色成分量を所定の色成分変換関数f(x)によって、代表インク予測選択色成分量に変換する処理を行う。
つまり、パッチP8は、各印刷ヘッド29a〜29eから本来対応しているY,M,C,K,Mkの各インクを吐出し、印刷媒体として印刷用紙Bを用いるという印刷条件(印刷条件2)で印刷されているため、かかるパッチP8の各選択色成分量と、全印刷ヘッドから代表インク(Kインク)を吐出する状態において印刷用紙Aを用いた印刷条件(印刷条件1)で印刷した上記基準色修正用パッチP4の基準値(代表インク選択色成分量)とでは比較の対象とならない。そこで、色修正用パッチP8毎の選択色成分量を、その値に応じて、アフターサービス時においてプリンタ20に印刷条件1にて標準のインク記録率で各パッチを印刷させていれば得られたと予測される代表インク選択色成分量に変換可能な色成分変換関数を用いて変換する。
色成分変換関数の求め方について説明する。
ここでは、色成分変換関数の算出用のプリンタ20と同機種のプリンタPTを用意し、同プリンタPTを所定のコンピュータ(コンピュータ10であってもよい)に接続して、印刷条件1と印刷条件2とで夫々に印刷させたパッチの測色結果に基づいて上記関数を求める。
まず、コンピュータは、プリンタPTに印刷条件2によって、ある印刷ヘッドとあるドット種類との組合わせ(例えば、Yインクに対応する印刷ヘッド29cから大ドット1を吐出させる組合わせ)によって、対応する標準のインク記録量のパッチ画像を印刷させるとともに、同パッチ画像の測色結果から選択色成分量b3を取得する(印刷されたのはYパッチであるから、選択色成分もb量となる)。次に、コンピュータは、プリンタPTに印刷条件1で、上記と同じ印刷ヘッドとインク種類との組合わせで標準のインク記録量のパッチ画像を印刷させ、同パッチ画像の測色結果から代表インク選択色成分量L3を取得する。
このようにして得られた選択色成分量b3と代表インク選択色成分量L3とは、図11の上段に示すように変換関係を構築する。
次に、コンピュータは、プリンタPTに印刷条件2で、上記b3,L3を取得した際に吐出させたドットよりも1ドット当たりのインク量を増加させたドットを上記と同じ印刷ヘッド29cから吐出させて、標準のインク記録量のパッチ画像を印刷させ、同パッチ画像の測色結果から選択色成分量b4を取得する。つまり、上記b3,L3を取得した際のドット種類は大ドット1であったが、同大ドット1のインク量を基準量としてこれよりも1ドット当たりのインク量の多いドットによってYのパッチを印刷する。この場合、上記b3を取得したパッチとドット記録率は同じであるが、一つ一つのドットが大きくなるため、パッチの濃度は上がり、b4>b3となる。なお、1ドット当たりのインク量は、ピエゾ素子に与える駆動波形の電圧レベルを変えることで変化させることができる。
次に、プリンタPTに印刷条件1で、上記インク量を増加させたドットを上記と同じ印刷ヘッド29cから吐出させて、標準のインク記録量のパッチ画像を印刷させ、同パッチ画像の測色結果から代表インク選択色成分量L4を取得する。このとき、L3を取得したときよりもパッチの濃度は上がり、L4<L3となる。選択色成分量b4と代表インク選択色成分量L4とは、変換関係を構築する。
さらに、コンピュータはプリンタPTに、印刷条件2で上記b3,L3を取得した際のドットよりも1ドット当たりのインク量を減少させたドットを印刷ヘッド29cから吐出させて標準のインク記録量のパッチ画像を印刷させ、選択色成分量b5を取得するとともに、印刷条件1で上記インク量を減少させたドットを印刷ヘッド29cから吐出させて標準のインク記録量のパッチ画像を印刷させ、代表インク選択色成分量L5を取得する。この場合、b5<b3、L5>L3となる。
図11の下段は、上記取得した(b3,L3)、(b4,L4)、(b5,L5)をプロットした様子を示しており、各点をQ3,Q4,Q5としている。同図では、横軸において印刷条件2で印刷したパッチから測色された選択色成分量の変化を示し、縦軸において印刷条件1で印刷したパッチから測色された代表インク選択色成分量の変化を示している。コンピュータは、かかる各点Q3〜Q5を参照点として一つの色成分変換関数f(x)を決定する。関数の決定方法は様々であるが、同図においては、各参照点Q3〜Q5からの距離の総和が最小となる位置を通過する一次関数を求め、これを色成分変換関数
f(x)=jx+k
としている。ただし、jは所定の係数、kは所定の定数、色成分量bを変数xとする。また一次関数に限らず、各参照点を通過する高次関数や、各参照点からの距離の総和が最小となる近似式としての高次関数を求めて色成分変換関数としてもよい。求める参照点も3点に限らず任意である。
このようにして求められた関数f(x)は、印刷条件2においてYインクに対応する印刷ヘッド29cから大ドット1を吐出させて印刷したパッチP8から測色された選択色成分量を、代わりに印刷条件1で印刷ヘッド29cから大ドット1を吐出させてパッチを印刷していれば得られたと予測される代表インク選択色成分量に変換可能である。コンピュータ10は、当該色成分変換関数f(x)を、予めHD14の記憶しておき、S310において選択色成分量を取得したら、S315では適宜、関数f(x)を読み出して選択色成分量を入力し、変換値としての代表インク選択色成分量を算出する。
上記では、印刷条件2でYインクに対応する印刷ヘッド29cから大ドット1を吐出させ色修正用パッチP8を印刷した際に必要となる色成分変換関数を求める場合を例に説明したが、かかる色成分変換関数は印刷ヘッドとドット種類との全組み合わせ毎に上記と同様の手順で予め決定しておき、HD14に保存しておく。
その結果、コンピュータ10は、印刷条件2において印刷ヘッドとドット種類との全組合わせ毎に印刷した各色修正用パッチP8の選択色成分量を、夫々に対応する色成分変換関数によって、代表インク選択色成分量に変換することができる。
S320では、上記取得した各代表インク選択色成分量と上記基準値とを、印刷ヘッドとドット種類との組合せが対応する値同士で対比することによりIDを算出する。この場合も、IDは、上記基準値をS0、代表インク選択色成分量をS2、所定の係数をc(c>0)とし、ID=c・(S2−S0)より算出することができる。その結果、算出されるIDの値自体は異なるが、図7の下段と同じように、各インク種類に対応する印刷ヘッド29a〜29eとドット種類との全組合わせについて改めてIDを得ることができる。
S325では、IDをプリンタ20の印刷ヘッドユニット29のメモリ31に新しく記録し、アフターサービス時におけるプリンタ20に対するIDの定処理が完了する。
このように、本発明によれば、部品の交換などを原因としてプリンタ20に対して改めてカラー調整IDを設定する必要が生じた際、過去にIDを設定したときに採用した印刷条件を採用できない環境においても、上記色成分変換関数を用いることにより、過去にIDを設定したときに採用した印刷条件を用意できていれば算出されるものと同等の値のIDを容易に算出することができる。その結果、製品の生産現場やアフターサービスを行う各場所において、資材や設備等の面で統一した環境を整えておく必要がなくなる。
特に、生産工程でID設定を行う場合にはコスト面を考慮して全印刷ヘッドにおいて代表インクを使用することが多い。ここで、全印刷ヘッドで代表インクを使用するには同代表インクを全印刷ヘッドに供給するための専用の冶具が必要であり、アフターサービス時には当該冶具を用意することは困難であるため、同アフターサービス時には、各印刷ヘッドにおいて本来対応している種類のインクを使用することが多い。本発明によれば、かかる環境の相違があっても、同相違を補償して正確なIDを取得することができる。
上記では、IDの設定に際して使用する印刷用紙およびインクの種類が以前の設定時と異なる場合を例に説明したが、インク種類のみ、あるいは印刷用紙のみが異なる場合でも本発明を適用可能であることは当然である。この場合、インク種類あるいは印刷用紙の不統一という印刷条件の相違によって生じる色修正用パッチの測色結果の相違を補償するような色成分変換を実現可能な色成分変換関数を予め用意しておけばよい。
ここで、上述の標準のインク記録量は次のように決定することができる。
図12は、標準記録率テーブルT1を示している。同標準記録率テーブルT1においては、ドット種類がインク量の多いものである程、標準のインク記録量(ドット記録率)を低くしている。
また、図13は、印刷用紙上に付着するインク量のばらつきによる測色データの変動量をインク種類毎に示している。同図は、第一の比較用プリンタにYの大ドット1、中ドット1、小ドット1の夫々について、ドット記録率10〜90%の9段階で印刷させた比較用パッチP1と、第二の比較用プリンタに同じようにYの大ドット1、中ドット1、小ドット1の夫々について9段階で印刷させた比較用パッチP2とを、Lab色空間で測色し、ドット種類およびドット記録率が共通するパッチP1,P2間の選択色成分量(b量)の変動量を求めた結果の一例を示している。なお、第一の比較用プリンタと第二の比較用プリンタは、基準プリンタおよびプリンタ20と同機種であって、第一の比較用プリンタは基準プリンタと比べて印刷媒体上に付着するインク量が多く、第二の比較用プリンタは基準プリンタと比べて印刷媒体上に付着するインク量が少ない特性を夫々有しているものとする。
図13の横軸はドット記録率(%単位)であり、縦軸はb量の変動量(Vb)である。同図から解かるように、一般に、ある色のドット記録率に対する選択色成分量の変動量Vbが最大となるドット記録率は、インク量が多いドット種類であるほど低くなる。
従って、コンピュータ10は上記標準記録率テーブルT1をHD14に予め記憶しておき、当該テーブルT1を参照することにより、上記標準パッチ画像用データを生成し、基準色修正用パッチP4や、色修正用パッチP7,P8を印刷する際に、ドットのインク量が多いほど印刷させるパッチのドット記録率を少なくさせて、プリンタ20に対してドット種類別に標準のインク記録量のパッチを印刷させる。なお、標準記録率テーブルT1は、インク色毎(印刷ヘッド毎)かつ設定モード(ドットの大きさの設定モード)毎に設けられており、図12はYの設定モード1(大ドット1、中ドット1、小ドット1を吐出可能なモード)についての例を示してある。
あるいは、コンピュータ10は、上記比較用パッチP1の選択色成分量と、比較用パッチP2の選択色成分量とに基づいて、上記変動量Vbが最も大きいドット記録率を各インク色及びドット種類の組合せ毎に実際に求めてもよい。そして、同求めた各ドット記録率を、各インク色と各ドット種類の組合せ毎の標準のインク記録量としてもよい。
ここで、アフターサービス時のカラー調整ID設定処理において採用するパッチ画像の印刷条件によっては、インクが印刷媒体上に付着し難いために印刷不能なインクと印刷媒体との組み合わせが含まれうる。印刷不能となるインクと印刷媒体の組み合わせとして、本実施形態では、Mkインクと光沢紙との組み合わせを例に説明する。Mkインクは、他の種類のインクと比較するとインク中に含まれる色材の一粒のサイズが大きいため、他の種類のインクと比べて印刷用紙に対する定着性が低い。そのため、印刷用紙として光沢紙のような滑らかな用紙を採用すると、インクがあまり定着せず画像を正常に印刷することが難しい。しかし、アフターサービス時でのID設定においては、印刷用紙の選択の余地が狭かったり、印刷コストを削減する必要があったり、上記冶具を用意できないなどの理由から、上記のような印刷不能のインクと印刷用紙との組み合わせが生じてしまうことがある。そこで、コンピュータ10は、以下のような処理を実行を実行することにより、かかる問題を解決する。
図14は、コンピュータ10が実行するアフターサービス時のカラー調整IDの設定処理を示したフローチャートであって、図8とは異なる例を示している。
同図に示すにID設定処理では、印刷用紙C(光沢紙)を採用し、かつ各印刷ヘッドから夫々が本来対応している種類のインクが吐出されるという印刷条件3によってパッチ画像の印刷を行う。ただし、Mkインクは印刷用紙Cには印刷できないため、実際には、各印刷ヘッド29a〜29eのうち印刷ヘッド29a〜29dからC,M,Y,Kインクが夫々に吐出されるようにし、Mkインクについては装填せず、印刷ヘッド29eは使用しない。
S405では、IDの設定対象となるプリンタ20がコンピュータ10に接続された状態とし、コンピュータ10は、印刷条件3によって上記標準のインク記録量にて複数の色修正用パッチP9を印刷させる制御を実行する。かかる処理の結果、印刷用紙C上には、印刷ヘッド29a〜29dとドット種類との組合わせに夫々対応したC,M,Y,K各色のパッチP9が印刷される。つまり、Mkインクによるパッチは印刷されないため、図9に示した各パッチのうち右端の列のパッチ以外のパッチが印刷された状態と同じように印刷用紙Cに印刷される。
S410では、各色修正用パッチP9を測色機40を用いて測色し、パッチP9の測色データから選択色成分量を取得する。つまり、実際に印刷したCMYK各色のパッチについては、図8のS310と同様に、測色結果としての選択色成分量を取得する。測色機40による各パッチP9の測色は、例えば、小ドット1のC,M,Y,K、中ドットのC,M,Y,K…というように、予め決められたパッチ順で行われる。そこでコンピュータ10は、インク種類とドット種類との各組合わせ毎のパッチP9の測色データ(選択色成分量)を取得する際は、同決まった順序で測色機40から出力される測色データを順次入力し、HD14中の所定の記録領域におけるインク種類とドット種類との各組合わせ毎に設けた各アドレスに一対一で対応させて記録していく。
ただし、各ドット種類毎のMkインクによるパッチ画像は存在しない。そのため、S410では、コンピュータ10は、Mkインクに対応する印刷ヘッド29eによって印刷された各パッチの測色データを記録するために用意されているアドレスに対応させて、所定の仮想成分量を記録する処理も併せて行う。当該仮想成分量は、例えば、実際のパッチ画像の測色によっては得られないような特定の数値を示すデータである。
S415では、コンピュータ10は、S410においてインク種類とドット種類との全組合わせ毎に上記記録領域に記録したデータ(選択色成分量と仮想成分量との集合)の中から、あるインク種類とドット種類との組合わせにかかるデータを一つ読み出し、同読み出したデータが仮想成分量であるか否か判断する。
仮想成分量である場合は、その仮想成分量にかかるインク種類とドット種類との組合わせによって印刷されたパッチの測色データは存在しないことを意味するため、そのインク種類(Mkインク)に対応する印刷ヘッド(29e)固有の、インク吐出量のばらつきの程度を示すインク量ID(印刷ヘッドばらつきデータ)を取得する(S420)。
上記インク量IDについて説明する。一般に、印刷ヘッドユニット29を構成する各印刷ヘッドに同じ種類のドットを吐出させた場合、吐出される1ドット当たりのインク量には各印刷ヘッド間で小さなばらつきがある。そのため、量産品である各印刷ヘッドユニット29は、製品生産時に予め測定された各印刷ヘッド毎のインク吐出量のばらつきの程度を示すインク量IDを有している。具体的には、ある種類のドットを打った際のインク吐出量が、同種類のドットについての設計基準となるインク吐出量と同量である場合には、その印刷ヘッドにはインク量ID=50が与えられる。また、ある種類のドットを打った際のインク吐出量が、設計基準のインク吐出量より多い場合は、その量に応じて50を超えるインク量IDが与えられ、反対に、ある種類のドットを打った際のインク吐出量が設計基準より少ない場合は、その量に応じて50を下回るインク量IDが与えられる。
このようにして予め測定された、印刷ヘッドユニット29を構成する各印刷ヘッド毎のインク量IDは、例えばバーコード化(2次元バーコードであってもよい)され、同バーコードを印刷したシールが各印刷ヘッドユニット29に貼付されている。そこで、カラー調整IDの設定処理においては、かかるバーコードを、スキャナ等の所定の画像読取り装置によって読取るとともに、同読取り結果をコンピュータ10のHD14等に保存する。その結果、コンピュータ10は、上記S420において、Mkインクに対応する印刷ヘッド29e固有のインク量IDを取得することができる。
S425では、コンピュータ10は、上記取得したインク量IDをその値に応じて、アフターサービス時においてプリンタ20のMkインクに対応する印刷ヘッド29eを使用して印刷条件1にて標準のインク記録量でパッチ(Kパッチ)を印刷させていれば得られたと予測される代表インク選択色成分量に変換可能なインク量ID変換関数g(x)を用いて、ある値の代表インク選択色成分量に変換する。
インク量ID変換関数の求め方について説明する。当該インク量ID変換関数も、上記色成分変換関数と同様に予め実験に基づいて求めておき、同求めたインク量ID変換関数をHD14に記録しておく。
先ず、インク量ID変換関数の算出用のプリンタ20と同機種のプリンタPTを用意し、同プリンタPTを所定のコンピュータ(コンピュータ10であってもよい)に接続する。そして、同プリンタPTが備える各印刷ヘッドのうち、互いに異なるインク量IDを持つ複数の印刷ヘッドを使用して、夫々に印刷条件1によって一のドット種類(例えば、大ドット1)で、標準のインク記録量にて、インク量ID変換関数決定用のパッチ画像を印刷させる。この場合の標準のインク記録量とは、Mkインクと上記一のドット種類との組合わせに対して設定されている標準のインク記録量である。
図15の上段では、インク量ID変換関数決定用のパッチ画像の印刷に使用した各印刷ヘッドのインク量IDと、各パッチ画像の測色によって得られた代表インク選択色成分との対応関係を示している。同図においては、インク量IDが、夫々45,50,55である3つの印刷ヘッドによってインク量ID変換関数決定用のパッチ画像を印刷して測色した場合を示している。インク量IDが大きい印刷ヘッドほど1ドットあたりのインク吐出量が多いため、印刷されるパッチ画像の濃度は上がり、その結果、各代表インク選択色成分量の大小関係は、L8>L7>L6となる。
図15の下段においては、上段に示した各インク量IDと代表インク選択色成分量との関係をプロットしており、各プロット点をQ6,Q7,Q8としている。同図では、横軸においてインク量IDの変化を示し、縦軸においてインク量ID変換関数決定用のパッチから得られた代表インク選択色成分量の変化を示している。コンピュータは、かかる各点Q6〜Q8を参照点とし、インク量IDを変数とする一つのインク量ID変換関数g(x)を決定する。この場合も、上記色成分変換関数と同様に、各参照点からの距離の総和が最小となる位置を通過する一次関数としてもよいし、各参照点を通過する高次関数や、各参照点からの距離の総和が最小となる近似式としての高次関数としてもよい。
上記の例で求めた関数g(x)は、プリンタ20のMkインクに対応する印刷ヘッドのインク量IDを、印刷条件1において同対応する印刷ヘッドから上記一のドット種類(大ドット1)を吐出させてパッチを印刷して測色すれば得られたと予測される代表インク選択色成分量に変換可能である。なお、インク量ID変換関数は、上記仮想成分量の数分、すなわち全ドット種類毎に予め求め、HD14に記録しておく。
コンピュータ10は、上記読み出した仮想成分量が対応しているドット種類にかかるインク量ID変換関数g(x)をHD14から適宜取得し、S420で取得したインク量IDを入力し、変換値としての代表インク選択色成分量を算出する。
一方、S415において読み出したデータが仮想成分量でない場合は、同読み出したデータは色修正用パッチP9の測色によって得られた選択色成分量であるため、S430において、同選択色成分量を対応する色成分変換関数f(x)によって、代表インク選択色成分量に変換する処理を行う。かかる処理は図8で説明した処理と同様である。
S435では、S425またはS430において算出された代表インク選択色成分量と上記基準値とを対比することによりカラー調整IDを算出し、S440では、算出したカラー調整IDをプリンタ20の印刷ヘッドユニット29のメモリ31に新しく記録する。かかる処理も図8と同様の処理である。
S445では、インク種類とドット種類との組合わせの全てに対応してカラー調整IDを取得したか判断し、IDを未取得の組合わせがある場合にはS415以下の処理を繰り返す。一方、全ての組合わせに対応してカラー調整IDを取得した場合に、本処理を終了する。
このように、図14に示した実施形態によれば、プリンタ20に対して改めてカラー調整IDを設定する必要が生じたために、印刷条件3によって色修正用パッチP9を印刷して測色データを取得し、同測色データに応じてカラー調整IDを算出する際に、使用する印刷用紙に対して付着せず印刷不能な種類のインクが存在する場合にも、同印刷不能なインク種類に対応する印刷ヘッドに与えられているインク量IDと、上記インク量ID変換関数とを用いることにより、過去にIDを設定したときに採用した印刷条件を用意できていれば算出されるものと同等の値のIDを容易に算出することができる。よって、製品の生産現場やアフターサービスを行う各場所において、カラー調整IDの設定のためにわざわざ資材や設備等の面で統一した環境を整えておく必要がなくなる。
(4)印刷制御処理
図16は、コンピュータ10に接続したプリンタ20が有するIDを用いて印刷データを修正し、修正後の印刷データに基づいて印刷制御を行う処理を示すフローチャートである。図17は、その処理を模式的に示す図である。図18は、HD14に記憶された複数の色修正データ14bの構造を模式的に示す図である。以下においては、印刷制御の対象となるプリンタ20の各印刷ヘッド29a〜29eには、夫々が本来対応する種類のC,M,Y,K,Mkインクが装填されている状態とする。
コンピュータ10は、プリンタ20からIDを取得済みであるか否かを判断する(S105)。条件成立の場合、プリンタ20からIDを取得する必要がないと判断してS120に進む。
条件不成立の場合、カラー調整IDの入手要求を作成してプリンタ20に送信する(S110)。すると、プリンタ20は同入手要求を受信し、印刷ヘッドユニット29のメモリ31からインク色とドット種類との全組み合わせに対応するIDを読み出してコンピュータ10に対して送信する。コンピュータ10は全IDを取得し、HD14にID14aとして記憶する(S115)。このように、IDがプリンタ20と一体となっているので、ユーザはプリンタを変更しても同プリンタに対応するIDを別途入力する必要がなく便利である。
S120では、コンピュータ10は、複数の画素別とされて複数の要素色に対応した階調データから構成された画像データD1を所定の画像入力装置やHD14等から入力し、画像をRGB毎の複数の画素で階調表現した広域RGB色空間内のRGBデータに変換する。その際、データを部分的に読み込んでもよいし、データの受け渡しに利用されるバッファ領域を表すポインタの受け渡しだけでもよい。入力する画像データD1は、画像をドットマトリクス状である多数の画素毎の階調データで表現したデータであり、sRGB色空間で定義されるRGBから構成された画像データや、YUV表色系におけるYUVから構成された画像データ等がある。むろん、Exif2.2規格(Exifは社団法人電子情報技術産業協会の登録商標)に準拠したデータ、Print Image Matching(PIM:PIMはセイコーエプソン株式会社の登録商標)に対応したデータ等でもよい。画像データの各成分も様々な階調数とされているので、sRGBやYUV表色系等の定義に従って、画像データを広域RGB色空間内のRGB各256階調のRGBデータに変換する。同RGBデータは、複数の要素色RGBで画像を表現した印刷データである。
次に、コンピュータ10は、RGBデータを構成する各画素の階調データを変換対象として順次対象画素を移動させながら、色変換LUTを参照して、上記RGBデータを、CMYKMkインクのそれぞれの使用量に対応した階調データからなるCMYKMkデータに色変換する(S125)。色変換LUTは、上記RGBデータと、画像をCMYKMk毎の同数の画素で階調表現したCMYKMkデータとの対応関係を複数の参照点について規定した情報テーブルである。入力したRGBデータに一致するCMYKMkデータが色変換LUTに格納されていない場合には、入力したRGBデータに近い複数のRGBデータに対応するCMYKMkデータを取得し、体積補間等の補間演算によりRGBデータに対応するCMYKMkデータに変換する。CMYKMkデータD2は、RGBデータと同じく画像をドットマトリクス状の複数の画素毎の階調データで表現した印刷データであり、プリンタ20が各印刷ヘッド29a〜29eから夫々に吐出する各インクの使用量を表すCMYKMk各256階調のデータであるとする。
その後、CMYKMkデータD2を構成する各画素の階調データを変換対象として順次対象画素を移動させながら、ドット振り分けテーブル14dを参照することにより、CMYKMkデータD2を構成するCMYKMk色別の階調データ(入力階調データ)を、インク量の異なる複数種類のドット形成量を同種類別に表すドット量データ(出力階調データ)に変換するドット振り分け処理を行う(S130)。本実施形態では、ID14aを用いてこのドット量データ(印刷データ)を修正することにより色ずれを補償する。
図19の上段に示すように、ドット振り分けテーブル14dは、プリンタ20で使用されるインクの使用量を表す入力階調データと、ドットの種類別にドット形成量を表す出力階調データとの対応関係を規定した情報テーブルである。同テーブル14dは、色毎に設けられ、入力階調値の各階調におけるドット形成量を表す出力階調値がドット種類別に格納されている。図17では、横軸を入力階調値、縦軸を出力階調値の相対値とし、入力階調値に対する小中大の各ドットのドット量データを模式的に示している。本実施形態では、ドットの大きさの設定モードを3種類設けている。そこで、ドット振り分けテーブル14dには、各設定モード1〜3に対応して、小ドット1と中ドット1と大ドット1を形成する際に参照する出力階調データD11と、小ドット2と中ドット2と大ドット2を形成する際に参照する出力階調データD12と、小ドット3と中ドット3と大ドット3を形成する際に参照する出力階調データD13と、を格納している。
ドット振り分け処理では、上記ドット振り分けテーブル14dを参照してCMYKMkデータD2を構成する階調データを、設定モード1〜3いずれかに対応する複数種類のドットの使用量に振り分け、図17に示すように、小ドット用のドット量データD3、中ドット用のドット量データD4、大ドット用のドット量データD5を生成する。これらのドット量データD3〜D5も、CMYKMkデータD2と同じく画像をドットマトリクス状の画素毎の階調データで表現したデータであり、プリンタ20が印刷ヘッドから吐出する各ドットのインク使用量を表すCMYKMk各256階調のデータであるとする。
しかしながら、この段階でのドット量データを用いてプリンタ20に印刷を実行させても、印刷媒体上に印刷される画像の色に微妙な誤差が生じていることがある。これは、各印刷ノズル列から吐出されるインク重量のずれ、印刷ヘッドをプリンタに組み付けたときに印刷ヘッドに与えられる電圧に微妙なばらつきがある等による。また、この電圧のばらつきや印刷ヘッドの組み付け状態によっては印刷媒体上に形成されるドットが割れるなど略円形とならないことも生じ、その結果として印刷画像の色に微妙なばらつきが生じることがある。そこで、このような色のばらつきを補償させるようにドット量データを修正することにしている。
各ドット量データを生成すると、コンピュータ10は、ドット量データを修正する対象のインク色及びドット種類を設定する(S135)。例えば、各インク色と各ドット種類との組合わせ毎に異なる数値を対応させておき、当該数値を格納するポインタの値を順次更新する等により、全組合わせの中から修正対象のインク色およびドット種類の組合わせを設定すればよい。
ここで、ドット量データを修正するための色修正データ14bについて説明する。
図18に示すように、各色修正データ14bは、所定のIDの値と対応付けられてHD14に格納されている。同図の下段にも示すように、色修正データ14bは、入力階調値Ai(iは0〜255の整数)と出力階調値との対応関係を入力階調値Aiの各階調(全階調)について規定した情報テーブルとされている。入力階調値Aiに対する出力階調値ACiが図の上段の実線のように規定されている。
次に、設定したインク色およびドット種類の組合わせに対応するID14aをHD14から読み出し、HD14に記憶された複数の色修正データ14bの中から当該ID14aの値に対応する色修正データを特定し、当該色修正データを読み出す(S140)。そして、設定したインク色およびドット種類の組合わせに対応するドット量データを構成する各画素の階調データを変換対象として順次対象画素を移動させながら、S140で読み出した色修正データを参照することにより、対象画素のドット量データを修正していき、修正後のドット量データD6〜D8を生成する(S145)。
あるインク色とドット種類の組合わせに対応するIDが負の値とされている場合、プリンタ20が同組合わせによってインクを吐出させると基準プリンタよりも印刷媒体上での発色の度合が小さくなっている(ただし、本実施形態のようにL量の大小に基づいてIDを算出する場合には、IDが正の値であるときに基準プリンタよりも発色の度合が小さくなっている)ので、図18に示すように、印刷画像の発色の度合を大きくさせるよう、色修正データは全体の傾向として入力階調値よりも出力階調値が大きくされている。そこで、このような色修正データを参照することによって、IDが負値(正値)であるインク色およびドット種類の組合わせにかかるドット量データは、全体の傾向として階調値が大きく修正される。一方、IDが正の値とされている場合、プリンタ20は基準プリンタよりも印刷媒体上での発色の度合が大きくなっている(ただし、本実施形態のようにL量の大小に基づいてIDを算出する場合には、IDが負の値であるときに基準プリンタよりも発色の度合が大きくなっている)ので、同図に示すように、印刷画像の発色の度合を小さくさせるよう、色修正データは全体の傾向として入力階調値よりも出力階調値が小さくされている。そこで、このような色修正データを参照することによって、IDが正値(負値)であるインク色とドット種類の組合わせにかかるドット量データは、全体の傾向として階調値が小さく修正される。これにより、色修正用パッチP8またはP9を印刷させたプリンタ20を色補償することができる。なお、入力階調値よりも出力階調値をどの程度大きく或いは小さくするかという色修正データによる修正の程度は、IDの値の大きさに応じて予め設定しておけばよい。
その後、各インク色と各ドット種類の全組合わせを設定したか否かを判断し(S150)、条件不成立の場合にはS135〜S150を繰り返し、条件成立の場合にS155に進む。
S155では、ハーフトーン処理部により、ドットの大きさ毎のドット量データに対して誤差拡散法やディザ法や濃度パターン法といった所定のハーフトーン処理を行い、CMYKMkデータの画素数と同じ画素数であるCMYKMk別のハーフトーンデータを生成する。ハーフトーンデータは、ドットの形成状況をドットの形成有無として表すデータであり、例えば階調値「1」をドット形成有り、階調値「0」をドット形成無しに対応させて二値化した2階調の二値化データとすることができる。むろん、4階調等のデータとしてもよい。
また、ラスタライズ処理部により、生成したハーフトーンデータに対して所定のラスタライズ処理を行ってプリンタで使用される順番に並べ替え、CMYKMk別のラスタデータを生成し(S160)、プリンタ20に対して出力して(S165)、フローを終了する。すると、プリンタ20は、画像を表現するラスタデータを入手し、これらのデータに基づいて印刷ヘッドを駆動してインクを吐出して印刷用紙上に付着させ、RGBデータに対応する印刷画像を形成する。ラスタデータは色ずれがCMYKMk別に補償されたデータであるので、印刷画像は色ずれが補償された画像となる。
なお、色補償時の修正対象の印刷データは、上記ドット量データ以外にも、ハーフトーンデータ、ラスタデータ等とすることも可能である。これらのデータの場合、IDの値に対応する比率で印刷媒体上に形成するドット数を増減させることにより、印刷画像を色補償可能である。また、図19の下段に示すように、ドット振分けテーブル14dが各インク色と各ドット種類の全組合わせ毎に規定する出力側の階調値自体を、各IDに対応する色修正データによって修正し、同修正後の出力階調値によってドット振分けテーブル14dを書換えてもよい。また、使用するドットの大きさが一種類である場合には、色変換直後のCMYKMkデータD2を修正対象の印刷データとすることが可能である。同CMYKMkデータD2の場合、上記ドット量データに対する修正と同様、IDの値に対応する色修正データを参照して修正することにより、印刷画像を色補償可能である。むろん、色変換前のRGBデータであっても、修正前のRGBデータと修正後のRGBデータとの対応関係を規定した色修正LUTをIDの各値に対応させて用意し、IDの値に対応する色修正LUTを参照してRGBデータを修正することにより、印刷画像を色補償可能である。
このように、本発明においては、プリンタ20にて印刷条件2によって実際に印刷させた色修正用パッチP8または印刷条件3によって印刷させた色修正用パッチP9の測色データの色成分変換関数による変換値と、基準プリンタによって印刷条件1で印刷させたパッチP4から得られた基準値との対比結果が表されたカラー調整IDに基づいて同プリンタ20が色補償されるので、印刷ヘッド単体におけるインク重量のばらつきの補償のみを行っていた従来にような、印刷ヘッドに与えられる電圧の微妙なばらつき等による印刷画像の色の微妙な誤差は生じない。従って、上記インク重量の補償のみを行っていた従来よりも印刷画像について基準色に対する色再現性が良好になる。
さらに、測色データを構成する各色成分量のうち、インク記録量の変化に対して最も変化の大きい選択色成分量のみの変換値と基準値との対比結果を表したIDの値に応じて印刷データを修正するので、高精度にて印刷データが色修正される。同時に、インク記録量の変化に対して最も変化の大きい選択色成分量のみの変換値を用いてIDを算出しているので、IDの算出作業の際に複雑な計算は不要である。従って、同キャリブレーション作業全体を迅速にさせることが可能となる。
上記IDは、各インク種類と各ドット種類の組合わせ毎に、印刷媒体上に付着するインク量のばらつきによる選択色成分量の変動が大きい或いは最大となる標準のインク記録量によって印刷したパッチ画像の選択色成分量の変換値と、基準プリンタにおいて同インク記録量で印刷したパッチ画像の代表インク選択色成分量との対比結果を表したものであるため、プリンタ20における各インク種類と各ドット種類の組合わせ毎の色ずれの程度を高精度に反映している。よって、同IDを用いた色補償によって、印刷画像について基準色に対する色再現性をより確実に得ることが可能となる。また、当該変動が大きい、或いは最大となる標準のインク記録量のパッチのみの選択色成分量を用いてIDを作成することにより、より迅速にキャリブレーション作業を行うことが可能となる。
印刷制御方法、誤差情報取得方法を実現するための構成を示すブロック図。 ノズルおよびその内部構造を拡大して示す図。 生産工程時でのID設定処理を示すフローチャート。 ID設定処理のためのシステムの概略を示すブロック図。 代表インク色成分選択用パッチを示す説明図。 基準色修正用パッチを示す説明図。 カラー調整IDを決定する様子を模式的に示す図。 アフターサービス時でのID設定処理を示すフローチャート。 色修正用パッチを示した説明図。 ドット記録率に対する色成分量L,a,bの測色結果の一例を示す図。 色成分変換関数を決定する手法を示す図。 標準記録率テーブルの構造を模式的に示す図。 ドット種類別のドット記録率に対する選択色成分量変動量の一例を示す図。 アフターサービス時でのID設定処理の他の例を示すフローチャート。 インク量ID変換関数を決定する手法を示す図。 印刷制御処理を示すフローチャート。 印刷制御処理を模式的に示す図。 色修正データの構造を模式的に示す図。 ドット振り分けテーブルの構造を模式的に示す図。
符号の説明
10…コンピュータ、11…CPU、12…ROM、13…RAM、14…ハードディスク(HD)、14a…カラー調整ID、14b…色修正データ、14d…ドット振り分けテーブル、20…プリンタ(対象プリンタ)、29…印刷ヘッドユニット、29a〜29e…印刷ヘッド、31…不揮発性半導体メモリ、40…測色機、D1…画像データ、D2…CMYKMkデータ、D3〜D5…修正前のドット量データ(印刷データ)、D6〜D8…修正後のドット量データ(印刷データ)、D11〜D13…出力階調データ、T1…標準記録率テーブル

Claims (11)

  1. 複数種類のインクに対応した複数の印刷ヘッドを有し印刷媒体上にインクを付着させて印刷データに対応する画像を印刷可能な印刷装置における色ずれを表す誤差情報を取得する誤差情報取得方法であって、
    上記誤差情報が、上記印刷装置に第一の印刷条件において標準のインク記録量にて印刷させた第一パッチ画像を所定の色空間で測色して得られる第一測色データと、基準測色データとの対比結果によって表される場合に、
    上記印刷装置に第一の印刷条件とは異なる第二の印刷条件で上記標準のインク記録量にて第二パッチ画像を印刷させるに際して、使用する印刷媒体には付着しない種類のインクが存在する場合には、同付着しないインク種類に対応する印刷ヘッドにかかるインク吐出量のばらつきの程度を示す印刷ヘッドばらつきデータを取得し、
    上記付着しないインク種類に対応する印刷ヘッドの印刷ヘッドばらつきデータに基づいて、同付着しないインク種類に対応する印刷ヘッドを使用して上記第一の印刷条件によって標準のインク記録量にて印刷させたパッチ画像を所定の色空間で測色した場合に得られると予測される予測測色データを求め、
    上記求めた予測測色データと上記基準測色データとを対比することにより誤差情報を取得することを特徴とする誤差情報取得方法。
  2. 上記基準測色データは、所定の基準印刷装置に第一の印刷条件において上記標準のインク記録量にて印刷させた基準パッチ画像を所定の色空間で測色することにより取得されることを特徴とする請求項1に記載の誤差情報取得方法。
  3. 上記第一の印刷条件と第二の印刷条件とは、パッチ画像を印刷する際に各印刷ヘッドに装填するインク種類が相違することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の誤差情報取得方法。
  4. 上記第一の印刷条件と第二の印刷条件とは、パッチ画像の印刷に使用する印刷媒体の種類が相違することを特徴とする請求項1〜請求項3いずれかに記載の誤差情報取得方法。
  5. 上記印刷装置は、所定の画像読取り装置によって読取り可能な情報形態によって各印刷ヘッドについての印刷ヘッドばらつきデータを予め備えており、画像読取り装置に同印刷ヘッドばらつきデータを読取らせることにより、同画像読取り装置から上記付着しないインク種類に対応する印刷ヘッドにかかる印刷ヘッドばらつきデータを入力することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の誤差情報取得方法。
  6. 所定の印刷装置におけるインク吐出量に夫々ばらつきがある複数の印刷ヘッドを使用して夫々に第一の印刷条件によって標準のインク記録量にて印刷させたパッチ画像の所定の色空間での測色結果から得られた上記第一測色データと同じ色成分である各測色データと、同ばらつきがある複数の印刷ヘッドにかかる印刷ヘッドばらつきデータとの対応関係を参照することにより、上記印刷ヘッドばらつきデータを入力値とする関数を予め決定し、同関数を用いて上記付着しないインク種類に対応する印刷ヘッドにかかる印刷ヘッドばらつきデータを変換して上記予測測色データとすることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の誤差情報取得方法。
  7. 複数種類のインクに対応した複数の印刷ヘッドを有し印刷媒体上にインクを付着させて印刷データに対応する画像を印刷可能な印刷装置における色ずれを表す誤差情報を取得する処理をコンピュータに実行させる誤差情報取得プログラムであって、
    上記誤差情報が、上記印刷装置に第一の印刷条件において標準のインク記録量にて印刷させた第一パッチ画像を所定の色空間で測色して得られる第一測色データと、基準測色データとの対比結果によって表される場合に、上記印刷装置に第一の印刷条件とは異なる第二の印刷条件で上記標準のインク記録量にて第二パッチ画像を印刷させるに際して、使用する印刷媒体には付着しない種類のインクが存在する場合には、同付着しないインク種類に対応する印刷ヘッドにかかるインク吐出量のばらつきの程度を示す印刷ヘッドばらつきデータを取得し、上記付着しないインク種類に対応する印刷ヘッドの印刷ヘッドばらつきデータに基づいて、同付着しないインク種類に対応する印刷ヘッドを使用して上記第一の印刷条件によって標準のインク記録量にて印刷させたパッチ画像を所定の色空間で測色した場合に得られると予測される予測測色データを求め、上記求めた予測測色データと上記基準測色データとを対比することにより誤差情報を取得する処理を実行させることを特徴とする誤差情報取得プログラム。
  8. 複数種類のインクに対応した複数の印刷ヘッドを有し印刷媒体上にインクを付着させて印刷データに対応する画像を印刷可能な印刷装置における色ずれを表す誤差情報を取得する誤差情報取得装置であって、
    上記誤差情報が、上記印刷装置に第一の印刷条件において標準のインク記録量にて印刷させた第一パッチ画像を所定の色空間で測色して得られる第一測色データと、基準測色データとの対比結果によって表されることを前提として、
    上記印刷装置に第一の印刷条件とは異なる第二の印刷条件で上記標準のインク記録量にて第二パッチ画像を印刷させるに際して、使用する印刷媒体には付着しない種類のインクが存在する場合には、同付着しないインク種類に対応する印刷ヘッドにかかるインク吐出量のばらつきの程度を示す印刷ヘッドばらつきデータを取得するばらつきデータ取得手段と、
    上記付着しないインク種類に対応する印刷ヘッドの印刷ヘッドばらつきデータに基づいて、同付着しないインク種類に対応する印刷ヘッドを使用して上記第一の印刷条件によって標準のインク記録量にて印刷させたパッチ画像を所定の色空間で測色した場合に得られると予測される予測測色データを求める予測測色データ算出手段と、
    上記求めた予測測色データと上記基準測色データとを対比することにより誤差情報を取得する誤差情報生成手段とを備えることを特徴とする誤差情報取得装置。
  9. 複数種類のインクに対応した複数の印刷ヘッドを有し印刷媒体上にインクを付着させて印刷データに対応する画像を印刷可能な印刷装置に対し印刷制御を行なう印刷制御方法であって、
    上記誤差情報が、上記印刷装置に第一の印刷条件において標準のインク記録量にて印刷させた第一パッチ画像を所定の色空間で測色して得られる第一測色データと、基準測色データとの対比結果によって表される場合に、上記印刷装置に第一の印刷条件とは異なる第二の印刷条件で上記標準のインク記録量にて第二パッチ画像を印刷させるに際して、使用する印刷媒体には付着しない種類のインクが存在する場合には、同付着しないインク種類に対応する印刷ヘッドにかかるインク吐出量のばらつきの程度を示す印刷ヘッドばらつきデータを取得し、上記付着しないインク種類に対応する印刷ヘッドの印刷ヘッドばらつきデータに基づいて、同付着しないインク種類に対応する印刷ヘッドを使用して上記第一の印刷条件によって標準のインク記録量にて印刷させたパッチ画像を所定の色空間で測色した場合に得られると予測される予測測色データを求め、上記求めた予測測色データと上記基準測色データとを対比することにより誤差情報を取得し、上記誤差情報の値に応じて上記印刷装置におけるインク量のずれを補償する色修正データを決定し、上記色修正データを用いることにより画像を表現した印刷データから上記印刷装置にて印刷される印刷画像の色ずれを補償させる印刷データに修正し、修正後の印刷データに対応する印刷画像を印刷装置に対して印刷させる制御を行うことを特徴とする印刷制御方法。
  10. 複数種類のインクに対応した複数の印刷ヘッドを有し印刷媒体上にインクを付着させて印刷データに対応する画像を印刷可能な印刷装置に対し印刷制御を行なう処理をコンピュータに実行させる印刷制御プログラムであって、
    上記誤差情報が、上記印刷装置に第一の印刷条件において標準のインク記録量にて印刷させた第一パッチ画像を所定の色空間で測色して得られる第一測色データと、基準測色データとの対比結果によって表される場合に、上記印刷装置に第一の印刷条件とは異なる第二の印刷条件で上記標準のインク記録量にて第二パッチ画像を印刷させるに際して、使用する印刷媒体には付着しない種類のインクが存在する場合には、同付着しないインク種類に対応する印刷ヘッドにかかるインク吐出量のばらつきの程度を示す印刷ヘッドばらつきデータを取得し、上記付着しないインク種類に対応する印刷ヘッドの印刷ヘッドばらつきデータに基づいて、同付着しないインク種類に対応する印刷ヘッドを使用して上記第一の印刷条件によって標準のインク記録量にて印刷させたパッチ画像を所定の色空間で測色した場合に得られると予測される予測測色データを求め、上記求めた予測測色データと上記基準測色データとを対比することにより誤差情報を取得し、上記誤差情報の値に応じて上記印刷装置におけるインク量のずれを補償する色修正データを決定し、上記色修正データを用いることにより画像を表現した印刷データから上記印刷装置にて印刷される印刷画像の色ずれを補償させる印刷データに修正し、修正後の印刷データに対応する印刷画像を印刷装置に対して印刷させる制御を実行させることを特徴とする印刷制御プログラム。
  11. 複数種類のインクに対応した複数の印刷ヘッドを有し印刷媒体上にインクを付着させて印刷データに対応する画像を印刷可能な印刷装置に対し印刷制御を行なう印刷制御装置であって、
    上記誤差情報が、上記印刷装置に第一の印刷条件において標準のインク記録量にて印刷させた第一パッチ画像を所定の色空間で測色して得られる第一測色データと、基準測色データとの対比結果によって表されることを前提として、
    上記印刷装置に第一の印刷条件とは異なる第二の印刷条件で上記標準のインク記録量にて第二パッチ画像を印刷させるに際して、使用する印刷媒体には付着しない種類のインクが存在する場合には、同付着しないインク種類に対応する印刷ヘッドにかかるインク吐出量のばらつきの程度を示す印刷ヘッドばらつきデータを取得するばらつきデータ取得手段と、上記付着しないインク種類に対応する印刷ヘッドの印刷ヘッドばらつきデータに基づいて、同付着しないインク種類に対応する印刷ヘッドを使用して上記第一の印刷条件によって標準のインク記録量にて印刷させたパッチ画像を所定の色空間で測色した場合に得られると予測される予測測色データを求める予測測色データ算出手段と、上記求めた予測測色データと上記基準測色データとを対比することにより誤差情報を取得する誤差情報生成手段と、上記誤差情報の値に応じて上記印刷装置におけるインク量のずれを補償する色修正データを決定する色修正データ決定手段と、上記色修正データを用いることにより、画像を表現した印刷データから上記印刷装置にて印刷される印刷画像の色ずれを補償させる印刷データに修正し、修正後の印刷データに対応する印刷画像を印刷装置に対して印刷させる制御を行う印刷制御手段とを具備することを特徴とする印刷制御装置。
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