JP2003291327A5 - - Google Patents

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【書類名】 明細書
【発明の名称】 印刷制御装置、印刷制御方法、印刷システム、印刷制御プログラムおよび印刷制御プログラムを記録した媒体
【特許請求の範囲】
【請求項1】 印刷データを構成する多数の画素別の階調データに対応して印刷媒体上にインクのドットを形成する印刷装置に対し、印刷制御を行う印刷制御装置であって、
上記インクのインク重量の誤差を表すとともに複数段階の階調データに対応した複数の誤差情報を取得する誤差取得手段と、
画像を表現する画像データを入力し、上記誤差取得手段にて取得された複数の誤差情報に基づいて同画像データから上記インク重量の誤差を補償させる上記印刷データを生成し、上記印刷制御を行う印刷制御手段とを具備することを特徴とする印刷制御装置。
【請求項2】 上記誤差取得手段にて取得された複数の誤差情報に基づいて、修正前の階調データと上記インク重量の誤差を補償させる修正後の階調データとの対応関係を同複数の誤差情報のそれぞれについて決定する対応関係決定手段が設けられ、
上記印刷制御手段は、上記決定された複数の誤差情報のそれぞれについての対応関係に基づいて上記画像データから上記印刷データを生成し、上記印刷制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
【請求項3】 上記複数の誤差情報は、上記印刷装置に記憶されており、
上記誤差取得手段は、上記印刷装置から上記複数の誤差情報を取得することを特徴とする請求項2に記載の印刷制御装置。
【請求項4】 上記複数の誤差情報は、上記階調データのとりうる階調領域内で異なる値とされた複数段階の基準階調値に対応する情報とされ、
上記誤差取得手段は、上記基準階調値のいずれかを中心として異ならせた複数の階調値に対応する複数の基準画像を上記印刷装置に印刷させ、印刷された複数の基準画像のいずれかに対応する階調値を同中心とした基準階調値に対応する誤差情報として取得することを特徴とする請求項2または請求項3のいずれかに記載の印刷制御装置。
【請求項5】 上記複数の誤差情報は、上記階調データのとりうる階調領域内で異なる値とされた複数段階の基準階調値に対応する情報とされ、
上記対応関係決定手段は、上記修正前の階調データのうち上記基準階調値以外の階調値についての上記対応関係を同基準階調値および上記複数の誤差情報から線形補間演算を行うことにより決定することを特徴とする請求項4に記載の印刷制御装置。
【請求項6】 上記印刷制御手段は、画像を画素別の階調データで構成した上記画像データと上記印刷データとの対応関係を複数の参照点について規定した色変換テーブルを参照して同画像データを同印刷データに変換し、
上記対応関係決定手段は、上記複数の誤差情報のそれぞれについての対応関係に基づいて上記色変換テーブルを修正することを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれかに記載の印刷制御装置。
【請求項7】 上記印刷装置は、当該印刷装置を識別可能な識別データを記憶しており、
上記対応関係決定手段は、上記印刷装置から上記識別データを取得して上記修正された色変換テーブルと対応させて記憶可能であり、取得した上記識別データが同記憶された識別データとは異なるとき、上記誤差取得手段に上記複数の誤差情報を取得させ、取得された複数の誤差情報に基づいて上記対応関係を決定し、同複数の誤差情報のそれぞれについての対応関係に基づいて上記色変換テーブルを修正することを特徴とする請求項6に記載の印刷制御装置。
【請求項8】 上記印刷データは、インク重量の異なる複数種類のドットの形成をまとめて表現する階調データから構成され、
上記印刷装置は、上記画素別にドットの種類を表現するドットデータに対応して上記インク重量の異なる複数種類のドットを上記印刷媒体上に形成可能であり、
上記印刷制御手段は、上記画像データから上記印刷データに変換するとともに、当該印刷データと上記ドットデータとの対応関係を上記複数種類のドット別に規定したドット形成テーブルを参照して同印刷データを同ドットデータに変換し、
上記対応関係決定手段は、上記複数の誤差情報のそれぞれについての対応関係に基づいて上記ドット形成テーブルを修正することを特徴とする請求項2〜請求項7のいずれかに記載の印刷制御装置。
【請求項9】 上記複数の誤差情報は、上記階調データのとりうる階調領域内で異なる値とされた複数段階の基準階調値に対応する情報とされるとともに、同基準階調値は、大きい値から小さい値の順番にしたときに略2分の1ずつ小さくなるようにされていることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の印刷制御装置。
【請求項10】 印刷データを構成する多数の画素別の階調データに対応して印刷媒体上にインクのドットを形成する印刷装置に対し、印刷制御を行う印刷制御方法であって、
上記インクのインク重量の誤差を表すとともに複数段階の階調データに対応した複数の誤差情報を取得する誤差取得工程と、
画像を表現する画像データを入力し、上記誤差取得工程にて取得された複数の誤差情報に基づいて同画像データから上記インク重量の誤差を補償させる上記印刷データを生成し、上記印刷制御を行う印刷制御工程とを具備することを特徴とする印刷制御方法。
【請求項11】 印刷データを構成する多数の画素別の階調データに対応して印刷媒体上にインクのドットを形成することにより印刷を行う印刷システムであって、
上記インクのインク重量の誤差を表すとともに複数段階の階調データに対応した複数の誤差情報を取得する誤差取得手段と、
画像を表現する画像データを入力し、上記誤差取得手段にて取得された複数の誤差情報に基づいて同画像データから上記インク重量の誤差を補償させる上記印刷データを生成して印刷を行う印刷手段とを具備することを特徴とする印刷システム。
【請求項12】 印刷データを構成する多数の画素別の階調データに対応して印刷媒体上にインクのドットを形成する印刷装置に対し、印刷制御を行う機能をコンピュータに実現させる印刷制御プログラムであって、
上記インクのインク重量の誤差を表すとともに複数段階の階調データに対応した複数の誤差情報を取得する誤差取得機能と、
画像を表現する画像データを入力し、上記誤差取得機能にて取得された複数の誤差情報に基づいて同画像データから上記インク重量の誤差を補償させる上記印刷データを生成し、上記印刷制御を行う印刷制御機能とを実現させることを特徴とする印刷制御プログラム。
【請求項13】 上記請求項12に記載の印刷制御プログラムを記録した媒体。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷データを構成する多数の画素別の階調データに対応して印刷媒体上にインクのドットを形成する印刷装置に対し、印刷制御を行う印刷制御装置、印刷制御方法、印刷システム、印刷制御プログラムおよび印刷制御プログラムを記録した媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の印刷制御装置は、数色のインクを印刷ヘッドから印刷用紙上に吐出するカラープリンタに対して、多数の画素別の階調データで構成した印刷データを生成することにより印刷制御を行っている。ここで、良好な色精度を得て高画質化を図るため、印刷ヘッドの製造ばらつきに伴うインク吐出量の誤差を印刷ヘッド毎に補償することが提案されている。その際、インクの種類別とされた誤差情報であるカラー調整IDをプリンタに記憶させておき、同カラー調整IDをプリンタから受信してカラー調整IDに応じた係数を階調データに乗じることにより、インクの色別にインク量の誤差を補償する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の技術においては、印刷された画像のある濃度領域において思い通りの色が十分には再現されていないと感じられることがあった。そこで、さらに色精度を向上させて思い通りの印刷をさせたいという希望があった。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、色精度を向上させ、印刷物をより高画質化させることが可能な印刷制御装置、印刷制御方法、印刷システム、印刷制御プログラムおよび印刷制御プログラムを記録した媒体の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、印刷データを構成する多数の画素別の階調データに対応して印刷媒体上にインクのドットを形成する印刷装置に対し、印刷制御を行う印刷制御装置であって、上記インクのインク重量の誤差を表すとともに複数段階の階調データに対応した複数の誤差情報を取得する誤差取得手段と、画像を表現する画像データを入力し、上記誤差取得手段にて取得された複数の誤差情報に基づいて同画像データから上記インク重量の誤差を補償させる上記印刷データを生成し、上記印刷制御を行う印刷制御手段とを具備する構成としてある。
【0005】
すなわち、誤差取得手段が取得する複数の誤差情報は、インクのインク重量の誤差を表すとともに複数段階の階調データに対応した情報である。印刷制御手段により生成される印刷データは、複数段階の階調データに対応した複数の誤差情報に基づいて画像データからインク重量の誤差を補償させるように生成されたデータとなる。その結果、印刷装置は、複数段階の階調データに対応した複数の誤差情報が反映された印刷データに基づいてきめ細やかな誤差補償をインク重量の誤差に対して行いながら印刷媒体上にインクのドットを形成する。
従って、印刷媒体上に現れる色精度を向上させることが可能となり、印刷物はより高画質化される。
なお、インクの色は複数あってもよいし、一つであってもよい。
また、上記誤差取得手段にて取得された複数の誤差情報に基づいて、修正前の階調データと上記インク重量の誤差を補償させる修正後の階調データとの対応関係を同複数の誤差情報のそれぞれについて決定する対応関係決定手段が設けられ、上記印刷制御手段は、上記決定された複数の誤差情報のそれぞれについての対応関係に基づいて上記画像データから上記印刷データを生成し、上記印刷制御を行う構成としてもよい。すなわち、対応関係決定手段は、同複数の誤差情報に基づいて、修正前の階調データとインク重量の誤差を補償させる修正後の階調データとの対応関係を同複数の誤差情報のそれぞれについて決定する。すると、印刷制御手段により生成される印刷データは、複数段階の階調データに対応した複数の誤差情報のそれぞれについて決定された対応関係に基づくデータとなる。その結果、印刷装置は、複数段階の階調データに対応した複数の誤差情報が反映された印刷データに基づいてきめ細やかな誤差補償をインク重量の誤差に対して行いながら印刷媒体上にインクのドットを形成する。
【0006】
印刷装置が複数の誤差情報を記憶している場合、誤差取得手段は、印刷装置から複数の誤差情報を取得してもよい。誤差情報が印刷装置と一体となっているので、本印刷制御装置のユーザは印刷装置を変更しても誤差情報が印刷装置から取得されることにより別途誤差情報を入力する必要がない。
また、複数の誤差情報が階調データのとりうる階調領域内で異なる値とされた複数段階の基準階調値に対応する情報とされている場合、誤差取得手段は、基準階調値のいずれかを中心として異ならせた複数の階調値に対応する複数の基準画像を印刷装置に印刷させ、印刷された複数の基準画像のいずれかに対応する階調値を同中心とした基準階調値に対応する誤差情報として取得してもよい。すなわち、複数の誤差情報は、基準階調値のいずれかを中心として異ならせた複数の階調値に対応する複数の基準画像のいずれかに相当する階調値とされる。
このように、誤差情報を取得する構成の具体例は様々考えられるが、これら以外にも、例えば、本印刷制御装置が誤差情報を記憶していてもよいし、他のコンピュータから誤差情報を入手してもよい。
【0007】
なお、複数の誤差情報が上記複数段階の基準階調値に対応する情報とされている場合、対応関係決定手段は、修正前の階調データのうち基準階調値以外の階調値についての対応関係を基準階調値および複数の誤差情報から線形補間演算を行うことにより決定してもよい。すなわち、修正前後の階調データの対応関係は、基準階調値と複数の誤差情報とから簡易な演算で決定される。
【0008】
印刷制御手段が色変換テーブルを参照して同画像データを同印刷データに変換する場合、対応関係決定手段は、複数の誤差情報のそれぞれについての対応関係に基づいて色変換テーブルを修正してもよい。複数の誤差情報が反映された色変換テーブルを使用することにより、画像データは修正後の印刷データまで一気に変換される。
【0009】
印刷装置が当該印刷装置を識別可能な識別データを記憶している場合、対応関係決定手段は、印刷装置から識別データを取得して上記修正された色変換テーブルと対応させて記憶可能であり、取得した識別データが同記憶された識別データとは異なるとき、誤差取得手段に複数の誤差情報を取得させ、取得された複数の誤差情報に基づいて修正前後の階調データの対応関係を決定し、同複数の誤差情報のそれぞれについての対応関係に基づいて色変換テーブルを修正してもよい。すなわち、印刷装置から取得した識別データが記憶した識別データと違うときにのみ、色変換テーブルが修正される。
【0010】
印刷データがインク重量の異なる複数種類のドットの形成をまとめて表現する階調データから構成され、印刷装置が画素別にドットの種類を表現するドットデータに対応してインク重量の異なる複数種類のドットを印刷媒体上に形成可能である場合、印刷制御手段は、画像データから印刷データに変換するとともに、当該印刷データとドットデータとの対応関係を複数種類のドット別に規定したドット形成テーブルを参照して同印刷データを同ドットデータに変換すればよい。この場合、対応関係決定手段は、複数の誤差情報のそれぞれについての対応関係に基づいてドット形成テーブルを修正してもよい。すなわち、複数の誤差情報が反映されたドット形成テーブルを使用することにより、印刷データは修正後のドットデータまで一気に変換される。
このように、対応関係決定手段の構成は、様々考えられるが、これらの構成以外にも、例えば、複数の誤差情報のそれぞれに対応して階調データを帯域別に分けておき、画像データを修正前の印刷データに変換した後、帯域別に複数の誤差情報に基づく帯域別の補正係数を乗じて修正後の印刷データに変換してもよい。
【0011】
上記複数の誤差情報は、上記階調データのとりうる階調領域内で異なる値とされた複数段階の基準階調値に対応する情報とされるとともに、同基準階調値は、大きい値から小さい値の順番にしたときに略2分の1ずつ小さくなるようにされている構成としてもよい。印刷ヘッドの駆動周波数は高階調領域から低階調領域になるにつれ2分の1ずつ段階的に小さくなり、インク重量の誤差量は同駆動周波数に応じた誤差量となりやすい。そこで、基準階調値を2分の1ずつ段階的に小さくすることにより、色精度をより向上させることができる。
【0012】
ところで、上述した印刷制御装置は、単独で実施される場合もあるし、ある機器に組み込まれた状態で他の方法とともに実施されることもあるなど、発明の思想としては各種の態様を含むものであって、適宜、変更可能である。
また、上述した印刷制御を行う際の手法は、所定の手順に従って処理を進めていくうえで、その根底にはその手順に発明が存在するということは当然である。従って、本発明は方法としても適用可能であり、請求項10にかかる発明においても、基本的には同様の作用となる。
さらに、印刷データを生成して印刷を行う印刷手段を備える印刷システムとしても適用可能であり、請求項11にかかる発明においても、基本的には同様の作用となる。
【0013】
本発明を実施しようとする際に、印刷制御装置にて所定のプログラムを実行させる場合もある。さらに、同プログラムを記録した媒体が流通し、同記録媒体からプログラムを適宜コンピュータに読み込むことが考えられる。そこで、そのプログラムやプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体としても適用可能であり、請求項12、請求項13にかかる発明においても、基本的には同様の作用となる。
むろん、請求項2〜請求項9に記載された構成を上記方法や印刷システムやプログラムやプログラムを記録した媒体に対応させることも可能であることは言うまでもない。
ここで、上記記録媒体は、磁気記録媒体や光磁気記録媒体の他、今後開発されるいかなる記録媒体であってもよい。また、一部がソフトウェアであって、一部がハードウェアで実現される場合においても本発明の思想において全く異なるものではなく、一部を記録媒体上に記録しておいて必要に応じて適宜読み込む形態のものも含まれる。さらに、一次複製品、二次複製品などの複製段階については全く問う余地なく同等である。
【0014】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1、請求項2、請求項10〜請求項13にかかる発明によれば、色精度を向上させ、印刷物をより高画質化させることが可能となる。
請求項3にかかる発明によれば、印刷装置に記憶された情報をそのまま取得するという簡易な構成で複数の誤差情報を取得することができ、印刷装置を変更しても別途誤差情報を入力する必要がなく、利便性が向上する。
請求項4にかかる発明によれば、印刷される複数の基準画像を利用して複数の誤差情報を取得することができる。
請求項5にかかる発明によれば、簡易な構成で修正前後の階調データの対応関係を決定することができる。
【0015】
請求項6にかかる発明によれば、画像データから印刷データへの変換処理を高速化させることができる。
請求項7にかかる発明によれば、色変換テーブルが修正される頻度が少なくなるので、印刷制御の処理を高速化させることができる。
請求項8にかかる発明によれば、印刷データからドットデータへの変換処理を高速化させることができる。
請求項9にかかる発明によれば、色精度をより向上させ、印刷物をより高画質化させることが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
(1)印刷システムの構成:
(2)印刷制御装置の概略構成:
(3)印刷制御装置が行う処理:
(4)第二の実施形態:
(5)第三の実施形態:
(6)第四の実施形態:
【0017】
(1)印刷システムの構成:
図1は、本発明の第一の実施形態にかかる印刷制御装置と周辺装置とからなる印刷システムの概略構成を示している。本印刷システムは、本発明にいう印刷制御装置となるパーソナルコンピュータ(PC)10、印刷装置であるカラー印刷可能なインクジェットプリンタ20等から構成されている。
PC10は演算処理の中枢をなすCPU11を備えており、このCPU11はシステムバス10aを介してPC10全体の制御を行う。同バス10aには、ROM12、RAM13、CD−ROMドライブ15、フレキシブルディスク(FD)ドライブ16、各種インターフェイス(I/F)17a〜e等が接続されている。また、ハードディスクドライブを介してハードディスク(HD)14も接続されている。本実施形態のコンピュータにはデスクトップ型PCを採用しているが、コンピュータとしては一般的な構成を有するものを採用可能である。
【0018】
HD14には、ソフトウェアとしてオペレーティングシステム(OS)や画像情報等を作成可能なアプリケーションプログラム(APL)等が格納されており、これらのソフトウェアは、実行時にCPU11によって適宜RAM13に転送される。そして、CPU11は、RAM13を一時的なワークエリアとして適宜アクセスしながら種々のプログラムを実行する。
USBI/F17aには、カラー測色器30や、図示しないカラースキャナ、デジタルカメラ等が接続されるようになっている。カラー測色器30は、測色する対象に色検出部30aを向けることにより、Lab表色系に基づく測色値、すなわち、明度を表すL値と、色相および彩度を表すa値およびb値を計測可能である。測色器30にて計測されたLab値は、USBI/F17aを介して読み込むことが可能である。むろん、測色器とPC10との接続には、RS−232C接続等、他の接続態様も採用可能である。
CRTI/F17bにはカラー画像データに基づく画像を表示するディスプレイ18aが接続され、入力I/F17cにはキーボード18bやマウス18cが操作用入力機器として接続されている。また、プリンタI/F17eには、パラレルI/Fケーブルを介してプリンタ20が接続されている。むろん、プリンタ20との接続には、シリアルI/FやSCSI、USB接続など種々の接続態様を採用可能である。
【0019】
プリンタ20は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)、Lc(ライトシアン)、Lm(ライトマゼンタ)のインクを使用して、印刷用紙(印刷媒体)に対して印刷データを構成する階調データに対応したインク量となるようにインクを吐出し、画像を印刷する。むろん、6色以外のインクを使用するプリンタを採用してもよい。また、インク通路内に泡を発生させてインクを吐出するバブル方式のプリンタや、レーザープリンタ等、種々の印刷装置を採用可能である。
図2に示すように、プリンタ20では、CPU21、ROM22、RAM23、通信I/O24、ASIC26、I/F27、等がバス20aを介して接続されている。
【0020】
通信I/O24はPC10のプリンタI/F17eと接続されており、プリンタ20は通信I/O24を介してPC10から送信されるCMYKLcLmに変換された画像のデータやページ記述言語等からなる印刷ジョブを受信する。カートリッジホルダ25aにはCMYKLcLmのインクカートリッジ25bが装着されており、インクカートリッジ25b内の各色インクが色別に印刷ヘッド25に供給されるようになっている。ASIC26は、CPU21と所定の信号を送受信しつつヘッド駆動部26aに対してCMYKLcLmデータに基づく印加電圧データを出力する。同ヘッド駆動部26aは、同印加電圧データに基づいて印刷ヘッド25に内蔵されたピエゾ素子への印加電圧パターンを生成し、印刷ヘッド25に6色のインクをドット単位で吐出させる。印刷ヘッド25のインク吐出面には、6色のインクを吐出する6組のノズル列が印刷ヘッドの主走査方向に並ぶように形成され、ノズル列のそれぞれは複数のノズルが副走査方向に一定の間隔で直線状に配置されている。
【0021】
ここで、ASIC26は、CMYKLcLmデータが高階調領域、すなわち、使用するインク量が多くてほとんどの画素でドットを形成する領域であるときには高周波の駆動周波数(周波数をfとする)が印刷ヘッド25に供給されるように印加電圧データを生成する。CMYKLcLmデータが高階調領域よりも一段階低い中間階調領域(使用するインク量が中程度)であるときには周波数がより低いf/2の駆動周波数が印刷ヘッド25に供給されるように印加電圧データを生成する。CMYKLcLmデータがさらに一段階低い低階調領域(使用するインク量が少)であるときにはf/4の駆動周波数が印刷ヘッド25に供給されるように印加電圧データを生成する。従って、ヘッド駆動部26aは、CMYKLcLmデータが高階調領域から低階調領域になるにつれ2分の1ずつ段階的に低くなる駆動周波数の印加電圧パターンを生成する。
I/F27に接続されたキャリッジ機構27aや紙送り機構27bは、印刷ヘッド25を主走査させたり、適宜改ページ動作を行いながら印刷用紙を順次送り出して副走査を行ったりする。そして、CPU21が、RAM23をワークエリアとして利用しながらROM22に書き込まれたプログラムに従って各部を制御する。
【0022】
印刷ヘッド25に設けられている各ノズル毎に、電歪素子の一つであって応答性に優れたピエゾ素子が配置されている。図3は、ピエゾ素子PEとノズルNzとの構造を断面視して示している。図の上段に示すように、ピエゾ素子PEは、ノズルNzまでインクを導くインク通路25cに接する位置に設置されている。なお、インク通路25cにはインクが満たされているのものとしてハッチングを付している。ピエゾ素子PEは、電圧の印加により結晶構造が歪み、極めて高速に電気−機械エネルギーの変換を行う素子である。本実施形態では、ピエゾ素子PEの両端に設けられた電極間に所定時間幅の電圧を印加することにより、図の下段に示すように、ピエゾ素子PEが電圧の印加時間だけ伸張し、インク通路25cの一側壁を変形させる。この結果、インク通路25cの体積はピエゾ素子PEの伸張に応じて収縮し、この収縮分に相当するインクが、インク滴Ipとなって、ノズルNzの先端から高速に吐出される。このインク滴Ipが印刷用紙に染み込むことにより印刷が行われる。
【0023】
ここで、インク滴Ipの大きさは、インク通路25cの製造誤差やピエゾ素子PEの個体差に起因しても変動する。この変動量が、誤差情報である複数のカラー調整ID22aとしてROM22の所定領域に格納されている。むろん、印刷ヘッド25を有する印刷ヘッドユニットに不揮発性メモリを設け、この不揮発性メモリにカラー調整IDを格納するようにしてもよい。図4に模式的に示すように、複数のカラー調整ID22aは、インクの色別、かつ、印刷データを構成する階調データのとりうる階調領域内で異なる値とされた3段階の基準階調値(複数段階の階調データ)別に設けられている。図のカラー調整ID22aは、基準階調値63,127,255に対応してID1(低階調用)、ID2(中階調用)、ID3(高階調用)から構成されている。カラー調整ID22aは、以下のようにして決定され、ROM22に書き込まれるようになっている。
【0024】
すなわち、色別に各基準階調値で実際に使用されるインクの重量を測定し、プリンタ標準機で使用されるインクの重量(仕様値)を50としたときの相対値をカラー調整IDとする。図の下段は、仕様値を基準として、測定したインク重量の相対値を棒グラフとして表している。例えば、基準階調値63のときのインク重量の仕様値が1890ngであり、実際に使用されるインク重量が2190ngであるとき、カラー調整IDとして記憶される値は、2190÷1890×50=58(小数点以下四捨五入)となる。本プリンタ20は6色のインクを使用し、基準階調値として3段階設けているので、6×3=18のカラー調整IDをROM22に書き込むことになる。そして、カラー調整IDで表されるインクの変動量を色別かつ各階調段階毎に補償して正確な色再現を行う。
【0025】
なお、上述したように印刷ヘッド25の駆動周波数はCMYKLcLmデータが高階調領域から低階調領域になるにつれ2分の1ずつ段階的に小さくなるので、インク量の誤差量はCMYKLcLmデータのとりうる階調領域内で段階的に変動する傾向がある。そこで、基準階調値を大きい値から小さい値の順番に255,127,63と略2分の1ずつ小さくなるようにして、色精度をより向上させるようにしている。
また、ROM22には、プリンタ20を個別に識別可能とするためプリンタ20毎に異なるデータとされた識別データであるシリアルナンバー(シリアルNo)22bも格納されている。そして、プリンタ20は、通信I/O24を介してPC10からカラー調整IDやシリアルNoの入手要求を受信すると、ROM22からカラー調整IDやシリアルNoを読み出してPC10に送信する処理を行うようになっている。
【0026】
PC10では、以上のハードウェアを基礎としてバイオスが実行され、その上層にてOSとAPLとが実行される。OSには、プリンタI/F17eを制御するプリンタドライバ等の各種のドライバ類が組み込まれ、OSの一部となってハードウェアの制御を実行する。プリンタドライバは、プリンタI/F17eを介してプリンタ20と双方向の通信を行うことが可能であり、GDI(Graphics Device Interface )等が組み込まれたOSを介してAPLから画像データを受け取って印刷ジョブを作成し、プリンタ20に送出する。そして、本発明の印刷制御プログラムは、同プリンタドライバから構成される。むろん、APLにより構成することも可能である。また、HD14は同プログラムを記録した媒体であるが、同媒体は、例えば、CD−ROM、FD16a、光磁気ディスク、不揮発性メモリ、パンチカード、バーコード等の符号が印刷された印刷媒体、等であってもよい。むろん、モデム等の通信I/F17dをインターネット網に接続し、所定のサーバにアクセスして本印刷制御プログラムをダウンロードして実行させることも可能である。
【0027】
HD14には、変換前のR(赤)、G(緑)、B(青)の3要素色から画像を表現するRGBデータ(画像データ)を構成する階調データと、変換後のCMYKLcLmの6要素色からなるCMYKLcLmデータ(印刷データ)を構成する階調データと、の対応関係を複数の参照点について規定したルックアップテーブルと呼ばれるLUT(色変換テーブル)が記憶されている。このLUTは、プリンタ標準機のインク量に対応したテーブルとされている。プリンタドライバは、LUTを参照してRGBデータを印刷データに変換し、プリンタ20に対して印刷制御を行う。
【0028】
(2)印刷制御装置の概略構成:
図5は、上記ハードウェアと上記印刷制御プログラムとが協働して構築する印刷制御装置の構成を模式的に示している。印刷制御プログラムは複数のモジュールから構成されており、同モジュールはPC10に誤差取得機能、対応関係決定機能、印刷制御機能を実現させる。そして、これらの機能に対応して各種手段U1〜U3が構成される。
【0029】
誤差取得手段U1は、プリンタ20から複数のカラー調整IDをそのまま取得するという簡易な構成とされている。対応関係決定手段U2は、取得された複数のカラー調整IDに基づいて、修正前の階調データとインク量の誤差を補償させる修正後の階調データとの対応関係を、インクの色別、かつ、複数段階とされた基準階調値に対応したカラー調整IDのそれぞれについて決定する。本実施形態では、カラー調整IDの値をID、修正前の階調値をX、修正後の階調値をYで表すと、修正前の階調データのうち基準階調値については、以下の式により修正後の階調値を決定する。
Y = X × 50 / ID ・・・(1)
このようにして決定される基準階調値の対応関係の一例を、図6の上段に示している。図は、6色のインクのうちのいずれか(図の例はシアン)に相当する基準階調値の修正前後の対応関係のデータが格納された対応関係テーブルT1を示したものである。すなわち、対応関係テーブルT1は、CMYKLcLmの色別に作成されることになる。
なお、修正前の階調値0は、修正後の階調値0に対応させるものとする。
【0030】
また、図の下段に示すように、修正前の階調データのうち基準階調値以外の階調値についての修正後の階調値は、基準階調値とカラー調整IDとから線形補間演算を行うことにより決定する。図は、6色のインクのうちのいずれかに相当する階調データの修正前後の対応関係をグラフ形式で示したものであり、横軸が修正前の階調値、縦軸が修正後の階調値となっている。ここで、補間演算に使用する二つの修正前の基準階調値または階調値0をX1,X2(X1<X2)、同補間演算に使用する二つの修正前の階調値X1,X2に対応する修正後の階調値をY1,Y2(Y1<Y2)とすると、修正前の階調値Xに対応する修正後の階調値Yを、以下の式により算出する。
【数1】
Figure 2003291327
なお、上記演算式による演算の結果、Yが255を超える場合には、修正後の階調を255にする。
このように、線形補間演算とすることにより簡易かつ高速な処理にて修正前後の階調データの全階調領域の対応関係を決定することができるが、使用環境に応じて、曲線状とする補間演算を行ってきめ細やかに修正前後の階調データの対応関係を決定してもよい。
【0031】
本実施形態では、決定した対応関係に基づいて、プリンタ標準機用のLUTから修正されたLUTを生成することにしている。印刷制御手段U3は、画像データを入力し、複数段階とされた基準階調値に対応したカラー調整IDのそれぞれについて決定された対応関係が反映されたLUTを参照して画像データを印刷データに変換し、プリンタ20に対して印刷制御を行う。このように、複数のカラー調整IDが反映されたLUTを使用することにより、画像データは修正後の印刷データまで一気に変換されるので、変換処理を高速化させることができる。そして、生成される印刷データは、複数段階の階調データに対応した複数の誤差情報のそれぞれについて決定された対応関係に基づいて修正されたデータとなるため、カラー調整IDをインクの種類別に一つだけ用意していた従来と比べ、プリンタ20はよりきめ細やかな誤差補償をインク量の誤差に対して行いながら印刷媒体上にインクのドットを形成する。
【0032】
印刷制御手段U3は、図示しない解像度変換部、色変換部、ハーフトーン処理、ラスタライズ処理部を備える。
解像度変換部では、画像データを入力し、プリンタ20の解像度に合わせて同画像データの解像度を変換する。入力する画像データは、画像をドットマトリクス状の多数の画素で階調表現したデータであり、様々な種類がある。例えば、sRGB色空間で定義されるRGBから構成された画像データや、YUV表色系における輝度(Y成分)、Bの色差(U成分)、Rの色差(V成分)から構成された画像データ等がある。また、画像データの各成分も様々な階調数とされており、例えば、256階調、1024階調等がある。そこで、sRGBやYUV表色系等の定義に従って、画像データを広域RGB色空間内のRGB各256階調(0〜255の整数値)のRGBデータに変換する。
【0033】
色変換部では、RGBデータを構成する各画素の階調データを変換対象として順次対象画素を移動させながら、修正されたLUTを参照してRGBデータをCMYKLcLmインクのそれぞれの使用量に対応した階調データからなるCMYKLcLmデータに色変換する。CMYKLcLmデータもCMYKLcLm各256階調(0〜255の整数値)のデータとされている。図5に示すように、LUTはCMYKLcLm別に階調データが格納されてHD14に記憶されており、補間演算を前提として、例えばRGB各17すなわち17の3乗個の格子点に対応した大量のデータを備えている。図では、わかりやすく説明するためLUT中にRGBデータを示しているが、実際にはRGBデータを構成する各階調データに対応するアドレスからCMYKLcLm48ビット分のデータを参照することにより、RGBデータをCMYKLcLmデータに変換するようになっている。なお、入力するRGBデータに一致するCMYKLcLmデータがLUTに格納されていない場合には、入力するRGBデータに近い複数のRGBデータに対応するCMYKLcLmデータを取得し、体積補間等の補間演算によりCMYKLcLmデータを算出する。
【0034】
ハーフトーン処理部では、誤差拡散法等によるハーフトーン処理を行い、256階調のCMYKLcLmデータをプリンタ20の印刷ドットに対応する2階調に変換する。そして、ラスタライズ処理部では、プリンタの印刷ヘッド25の走査幅に基づいて2階調とされたCMYKLcLmデータのビットデータを並べ替えるラスタライズ処理を行い、処理後のCMYKLcLmデータをプリンタ20に対して出力する。CMYKLcLmデータはCMYKLcLmのインク使用量のデータであり、プリンタ20は、印刷データであるCMYKLcLmデータを入手して対応するインクをメディア上に吐出させると、印刷データに基づく画像を印刷することができる。このようにして、プリンタ20に対して印刷制御を行うことができる。そして、印刷制御手段U3とプリンタ20とから印刷手段が構成される。
なお、ハーフトーン処理やラスタライズ処理を実行可能なプリンタに対してCMYKLcLmデータを出力する際には、これらの処理を行わずにCMYKLcLmデータをプリンタに対して出力することができる。
【0035】
(3)印刷制御装置が行う処理:
図7は、本印刷制御装置が行う修正LUT作成処理をフローチャートにより示している。本フローは、プリンタ20用のプリンタドライバがインストールされるときに行われる。
まず、誤差取得手段により、カラー調整IDの入手要求を作成してプリンタ20に送信する(ステップS105。以下、「ステップ」の記載を省略)。すると、プリンタ20は同入手要求を受信し、ROM22からカラー調整IDのID1〜3全てを読み出してPC10に対して送信する。そこで、PC10では、同カラー調整IDのID1〜3を取得し、HD14の所定領域に格納する(S110)。このように、カラー調整IDがプリンタと一体となっているので、本印刷システムのユーザはプリンタを変更しても別途カラー調整IDを入力する必要がなく、本印刷制御装置は便利である。
【0036】
次に、対応関係決定手段により、修正前の階調データとインク量の誤差を補償させる修正後の階調データとの対応関係を、インクの色別、かつ、基準階調値別に決定する(S115)。ここでは、上記演算式(1)を用いて色別の基準階調値の修正前後の対応関係データを決定して、図6の上段で示したような対応関係テーブルT1を作成する。
その後、プリンタ標準機用のLUTをHDから読み出す(S120)。同LUTには修正前となるCMYKLcLmの階調値が格納されているので、上記対応関係テーブルT1を参照し、線形補間演算用の演算式(2)を用いてCMYKLcLmの階調値を修正する(S125)。演算式(2)の演算結果が255よりも大きいときには、階調値255に置き換える。すると、図6の下段で示した対応関係となるように階調データの全階調領域について修正後の階調値を決定することができる。
【0037】
そして、補間演算により修正した各階調値を図5で示した修正LUTとしてHDの所定領域に記憶させ(S130)、本フローを終了する。ここで、修正LUTに格納されたCMYKLcLmの階調値は複数段階の基準階調値に対応した複数のカラー調整IDが反映されているので、同修正LUTは、画像を画素別の階調データで構成した画像データと、インク量の誤差をきめ細やかに補償させる修正後の階調データで構成した印刷データとの対応関係を複数の参照点について規定するテーブルとなる。
【0038】
修正LUTが作成されると、この修正LUTを使用してプリンタ20に印刷させる制御を行うことができる。図8は、印刷制御手段により行われる印刷制御処理をフローチャートにより示している。
APLはAPL用印刷機能を有しており、このAPL用印刷機能にてディスプレイ18aに表示される印刷実行メニューが選択されると、本フローを開始する。まず、印刷させる画像を表現する画像データを入力する(S205)。入力する画像データは、図示しないデジタルカメラやスキャナ等にて取り込まれた画像のデータや、FD16a等に記録した画像データ等がある。なお、データ全体を一括して読み込む必要はなく、部分的に読み込むようにしてもよいし、データの受け渡しに利用されるバッファ領域を表すポインタの受け渡しだけであってもよい。
【0039】
入力する画像データには様々な種類があるため、広域RGB色空間内の256階調のRGBデータに変換するとともに、プリンタ20の解像度に合わせて画像データの解像度を変換する(S210)。ここで、画像データが印刷解像度よりも低い場合には線形補間により隣接する画像データの間に新たなデータを生成し、画像データが印刷解像度よりも高い場合には、一定の割合でデータを間引く。
その後、作成された修正LUTを参照して、画像データを構成する各画素のRGBからなる階調データをCMYKLcLmからなる階調データに変換する(S215)。上述したように、生成されるCMYKLcLmデータは、3段階の基準階調値に対応した複数のカラー調整IDのそれぞれについて決定された対応関係に従って修正された階調値とされる。
【0040】
そして、ハーフトーン処理により256階調のCMYKLcLmデータを二値化する(S220)。ハーフトーン処理とは多階調のCMYKLcLmデータの階調値をプリンタ20が各画素毎に表現可能な階調値に減色する(色を表現する階調の数を減らす)ことをいい、本実施形態においては2階調への減色を行う。また、ラスタライズ処理により2階調のCMYKLcLmデータを並べ替える(S225)。最後に、CMYKLcLmデータをプリンタ20に対して出力し(S230)、本フローを終了する。
【0041】
すると、プリンタ20は、CMYKLcLmデータを入手し、各階調データに対応したインク量となるように印刷ヘッド25を駆動してインクを印刷用紙上に吐出し、CMYKLcLmデータに基づいて印刷を行う。ここで、CMYKLcLmデータは3段階の基準階調値に対応したカラー調整IDが反映されているので、プリンタ20はインク量の誤差に対して階調データに応じたきめ細やかな誤差補償を行いながら印刷用紙上にインクのドットを形成する。従って、従来のように印刷用紙上に印刷された画像のある濃度領域において思い通りの色が十分に再現されないことがなくなり、色精度を向上させて印刷物をさらに高画質化させることが可能となる。また、3段階の基準階調値は大きい値から小さい値の順番にしたときに略2分の1ずつ小さくすることより、2分の1ずつ段階的に小さくなる印刷ヘッドの駆動周波数に応じて適切に誤差量を補償することができ、より正確に色精度を向上させることができる。
【0042】
(4)第二の実施形態:
本発明の印刷制御プログラムを実行可能な印刷制御装置と周辺装置は、様々な構成が可能である。
例えば、プリンタは、コンピュータと一体化されたものであってもよいし、単色画像のみを印刷する専用品であってもよい。上述したフローについては、PC内で実行する以外にも、一部または全部をプリンタあるいは専用の画像出力機器で実行するようにしてもよい。
また、上述した実施形態以外にも、様々な構成により複数段階の階調データに対応した複数の誤差情報を取得可能である。図9は、第二の実施形態にかかる印刷制御装置が行う修正LUT作成処理をフローチャートにより示している。なお、ハードウェア構成は第一の実施形態と概略同じであるが、プリンタ20は従来通り所定の一つの基準階調値(例えば、127)に対応するカラー調整IDのみを記憶しているものとする。
【0043】
まず、カラー調整IDの入手要求を作成してプリンタ20に送信し(S305)、所定の基準階調値のみに対応するカラー調整IDを取得し、HD14の所定領域に格納する(S310)。このとき、プリンタ20では、カラー調整IDの入手要求を受信し、ROM22からカラー調整IDを読み出してPC10に対して送信している。
次に、別の基準階調値のいずれか(例えば、63)を中心として異ならせた複数の階調値に対応する複数の濃さのパッチ(基準画像)をプリンタ20に印刷させるパッチ印刷データを作成する(S315)。その際、個々のパッチを識別するため、階調値の違いすなわちパッチの濃さに対応した番号等の情報を印刷させるデータも作成しておく。そして、パッチ印刷データをプリンタ20に対して出力する(S320)。すると、プリンタ20はパッチ印刷データを入手し、印刷ヘッド25等を駆動して、図10に示すように、インクの種類別に複数の階調値に対応して印刷用紙にインクのドットを形成することにより、複数のパッチPAと番号等の情報を印刷する。
【0044】
その後、カラー測色器30にてパッチPAを色別かつ濃さ別に測色するように促す旨を表示し、Lab空間の各Lab値からなる測色結果を色および濃さの情報に対応させながら順次入手する(S325)。従って、PCの操作者は、複数のパッチPAに順次測色器30の色検出部を押し当てる作業を行うことになる。
測色結果を入手すると、同測色結果に基づいて、印刷された複数のパッチPAのいずれかに対応する階調値を基準階調値に対応する誤差情報として取得する(S330)。例えば、予めHD14に基準階調値と目標の各Lab値とを対応させたテーブルを記憶させておき、このテーブルを参照して最も目標の各Lab値に近い測色結果(Lab空間内での色差が最も小さい測色結果)に対応する階調値を取得する。なお、S325〜S330の処理を行う代わりに、色別にパッチの番号の選択入力を受け付け、入力された番号のパッチに対応する階調値を取得するようにしてもよい。
【0045】
そして、誤差情報を取得する基準とした基準階調値に対応するカラー調整IDの値を算出する(S335)。ここで、本実施形態において、誤差情報を取得する基準とした基準階調値をX、基準階調値に対応する誤差情報として取得した階調値をYとすると、基準階調値に対応するカラー調整IDの値IDを以下の式により算出する。
ID = 50 × X / Y ・・・(3)
その後は、図7で示したS115〜S130と同様の修正LUT作成処理を行う。すなわち、修正前の階調データとインク量の誤差を補償させる修正後の階調データとの対応関係を、インクの色別、かつ、基準階調値別に決定する(S340)。次に、プリンタ標準機用のLUTをHDから読み出し(S345)、対応関係テーブルT1を参照して、線形補間演算用の演算式(2)を用いてCMYKLcLmの階調値を修正する(S350)。そして、修正した各階調値を修正LUTとしてHDの所定領域に記憶させ(S355)、本フローを終了する。
【0046】
このように、プリンタが複数段階の階調データに対応した複数の誤差情報を記憶していなくても、修正前の階調データとインク量の誤差を補償させる修正後の階調データとの対応関係を、インクの種類別、かつ、複数段階とされた基準階調値に対応した複数の誤差情報のそれぞれについて決定することができる。そして、作成された修正LUTは、画像を画素別の階調データで構成した画像データと、インク量の誤差をきめ細やかに補償させる修正後の階調データで構成した印刷データとの対応関係を複数の参照点について規定するテーブルとなる。
【0047】
(5)第三の実施形態:
また、画像データを入力して印刷制御を開始するときに、印刷装置からシリアルNo(識別データ)を入手し、印刷装置に変更がないと判断したときにはそのまま印刷制御を続ける一方、印刷装置に変更があると判断したときにプリンタ標準機用のLUTを修正して印刷制御を行うようにしてもよい。
図11は、第三の実施形態にかかる印刷制御装置が行う印刷制御処理をフローチャートにより示している。なお、ハードウェア構成は第一の実施形態と概略同じであり、プリンタのROM22に記憶されたシリアルNo22bをプリンタ20から取得して修正LUTと対応させてHD14に記憶させているものとする。
【0048】
まず、印刷制御手段により、印刷させる画像を表現する画像データを入力する(S405)。本実施形態では、この段階で対応関係決定手段により、シリアルNoの入手要求を作成してプリンタ20に送信する(S410)。すると、プリンタ20は同入手要求を受信し、ROM22からシリアルNo22bを読み出してPC10に対して送信する。そこで、PC10では、同シリアルNo22bを取得し(S415)、HD14に記憶しているシリアルNoと同じか否かを判断する(S420)。
条件成立の場合、修正LUTを作成する必要がないので、S435に進む。
【0049】
条件不成立の場合、図7で示した修正LUT作成処理を行う(S425)。すなわち、誤差取得手段により、プリンタ20からカラー調整IDのID1〜3を取得する。次に、対応関係決定手段により、修正前の階調データとインク量の誤差を補償させる修正後の階調データとの対応関係を、インクの色別、かつ、基準階調値別に決定する。さらに、プリンタ標準機用のLUTをHDから読み出し、対応関係テーブルT1を参照して、線形補間演算用の演算式(2)を用いてCMYKLcLmの階調値を修正し、修正した各階調値を修正LUTとしてHDの所定領域に記憶させる。
修正LUTを作成すると、S415で取得したシリアルNo22bを修正LUTと対応させてHD14に記憶する(S430)。
【0050】
その後、印刷制御手段により、図8で示したS210〜S230と同様の処理を行う。すなわち、画像データの解像度を変換し(S435)、作成された修正LUTを参照してRGBデータをCMYKLcLmデータに色変換する(S440)。そして、ハーフトーン処理により256階調のCMYKLcLmデータを二値化し(S445)、ラスタライズ処理により二値化したCMYKLcLmデータを並べ替え(S450)、CMYKLcLmデータをプリンタ20に対して出力し(S455)、本フローを終了する。
すなわち、プリンタ20から取得したシリアルNoが記憶したシリアルNoと異なるときにのみ修正LUTが作成されることになり、プリンタ標準機用のLUTから修正LUTを作成する頻度が少なくなるので、印刷制御の処理を高速化させることができる。
【0051】
(6)第四の実施形態:
本発明は、インクのドットの大きさを変更可能なプリンタに対して印刷制御を行う装置にも適用可能である。図3を参照して説明すると、このようなプリンタでは、ピエゾ素子PEへの電圧の印加パターンを変えることにより、インク滴Ipの大きさを変更する。これにより、例えば大中小の3種類の大きさのドットを形成する。そして、印刷データをインク量の異なる3種類のドットの形成をまとめて表現する階調データから構成し、印刷データを画素別にドットの種類を表現するドットデータに変換すると、プリンタはドットデータに対応してインク量の異なる3種類のドットを印刷用紙上に形成する。
【0052】
図12は、大中小のドットを形成するプリンタに記憶されるカラー調整IDを模式的に示している。複数のカラー調整IDは、インクの色別、ドットの種類別、かつ、印刷データを構成する階調データのとりうる階調領域内で異なる値とされた3段階の基準階調値別に設けられている。図のカラー調整IDは、基準階調値63,127,255に対応して小ドット用、中ドット用、大ドット用の順にIDsml1,IDmid1,IDlarge1(低階調用)、IDsml2,IDmid2,IDlarge2(中階調用)、IDsml3,IDmid3,IDlarge3(高階調用)から構成されている。同カラー調整IDは、第一の実施形態と同様にして決定され、プリンタのROMに書き込まれるようになっている。
すなわち、色別かつドット種類別に各基準階調値で実際に使用されるインクの重量を測定し、プリンタ標準機で使用されるインクの重量(仕様値)を50としたときの相対値をカラー調整IDとする。6色のインクを使用し、大中小3種類のドットを形成する場合、基準階調値として3段階設けているので、6×3×3=54のカラー調整IDをROMに書き込むことになる。そして、カラー調整IDで表されるインクの変動量を色別、ドット種類別かつ各階調段階毎に補償して正確な色再現を行う。
【0053】
上記プリンタに対して印刷制御を行うとき、図8で示したS220のハーフトーン処理にて、256階調のCMYKLcLmデータを「ドット形成せず」(例えば、階調値0)、「小ドット形成」(階調値1)、「中ドット形成」(階調値2)、「大ドット形成」(階調値3)の4階調のドットデータに変換する。その際、図5の括弧内に示すように、修正ドット形成テーブルを参照してドットデータに変換する。ハーフトーン処理を行う前のS215では、解像度変換されたRGBデータからドットの全種類の形成をまとめて表現する階調データから構成されるCMYKLcLmデータに変換している。
図13は、本実施形態におけるハーフトーン処理の流れをフローチャートにより示している。なお、本フローは、CMYKLcLm別に行われる。
【0054】
上記S215の色変換処理により生成されるCMYKLcLmデータは、画像をドットマトリクス状の多数の画素で多階調表現されているため、まず、ハーフトーンの対象画素の位置を設定する(S505)。次に、対象画素の階調値を取得し、図14に示すドット形成テーブルT2を参照して大ドットのレベルデータLLを読みとる(S510)。図14の横軸はドットの全種類の形成をまとめて表現するときの入力階調値(0〜255)、左側の縦軸はドット記録率(%)、右側の縦軸はレベルデータ(0〜255)である。ドット記録率とは、一定の階調値に応じて一様な領域が再現されるときにその領域内の画素のうちでドットが形成される画素の割合を意味する。レベルデータとは、ドット記録率を値0〜255の256段階に換算したデータをいう。例えば、入力階調値がgrであれば、大ドットのレベルデータは大ドット用の曲線を用いてLLと求められる。実際には、図左上に示したように、入力階調値と大中小各ドットのレベルデータとを対応させたドット形成テーブルT2としてHDに格納しておき、このドット形成テーブルT2を参照してレベルデータを求める。同ドット形成テーブルT2は、ドットの全種類の形成をまとめて表現するCMYKLcLmデータとドットデータとの対応関係を大中小のドット別に規定したテーブルとも言える。
【0055】
その後、大ドットレベルデータLLが所定の閾値TLより大きいか否かを判断する(S515)。例えば、ディザ法によるドットのオン・オフ判定を行う場合、閾値TLは16×16等のディザマトリックスにより各画素毎に異なる値が設定される。
レベルデータLLが閾値TLよりも大きい場合、変換後の階調値を大ドット形成を意味する階調値3とし(S520)、S560に進む。
一方、レベルデータLLが閾値TL以下のとき、取得した対象画素の階調値からドット形成テーブルT2を参照して中ドットのレベルデータLMを読みとる(S525)。そして、中ドットレベルデータLMが所定の閾値TMより大きいか否かを判断する(S530)。閾値TMも、ディザ法によるドットのオン・オフ判定を行う場合、大ドット用とは別のディザマトリックスにより各画素毎に異なる値が設定される。
【0056】
レベルデータLMが閾値TMよりも大きい場合、変換後の階調値を中ドット形成を意味する階調値2とし(S535)、S560に進む。
一方、レベルデータLMが閾値TM以下のとき、取得した対象画素の階調値からドット形成テーブルT2を参照して小ドットのレベルデータLSを読みとる(S540)。そして、小ドットレベルデータLSが所定の閾値TSより大きいか否かを判断する(S545)。閾値TSも、ディザ法によるドットのオン・オフ判定を行う場合、大中ドット用とは別のディザマトリックスにより各画素毎に異なる値が設定される。
【0057】
レベルデータLSが閾値TSよりも大きい場合、変換後の階調値を小ドット形成を意味する階調値1とし(S550)、S560に進む。
一方、レベルデータLSが閾値TS以下のとき、変換後の階調値をドットを形成しない意味の階調値0とし(S555)、S560に進む。
S560では、全画素について処理を終了したか否かを判断する。全画素について処理を終了していない場合には繰り返しS505〜S560の処理を行い、全画素について処理を終了したときには本フローを終了する。
その後は、図8のS225〜S230にてラスタライズ処理が行われ、CMYKLcLmデータがプリンタ20に対して出力されることになる。
【0058】
本実施形態では、上記ドット形成テーブルT2のレベルデータを修正することにより、色別、ドットの種類別かつ基準階調値別にインク量の誤差を補償する。ドット形成テーブルを修正する処理は、図7で示した修正LUT作成処理と概略同様にして行うことができるため、図7を参照して説明する。
まず、誤差取得手段により、カラー調整IDの入手要求を作成してプリンタに送信し、図12で示した全てのカラー調整IDを取得し、HDの所定領域に格納する(S105〜S110に相当)。このとき、プリンタでは、カラー調整IDの入手要求を受信し、ROMから色別、ドットの種類別かつ基準階調値別のカラー調整IDを読み出してPC10に対して送信している。
【0059】
次に、対応関係決定手段により、修正前の階調データとインク量の誤差を補償させる修正後の階調データとの対応関係を、インクの色別、ドットの種類別、かつ、基準階調値別に決定する(S115に相当)。ここでは、上記演算式(1)を用いて色別の基準階調値の修正前後の対応関係データを決定して、図15の上段で示すような対応関係テーブルT3を作成する。対応関係テーブルT3は、6色のインクとドットの種類の組み合わせのうちのいずれか(図の例はシアンの大ドット)に相当する基準階調値の修正前後の対応関係のデータを格納したテーブルである。
【0060】
その後、プリンタ標準機用のドット形成テーブルをHDから読み出す(S120に相当)。同ドット形成テーブルには修正前となるCMYKLcLmの階調値が格納されているので、上記対応関係テーブルT3を参照し、線形補間演算用の演算式(2)を用いてCMYKLcLmの階調値を修正する(S125に相当)。演算式(2)の演算結果が255よりも大きいときには、階調値255に置き換える。すると、図15の下段に示す対応関係となるように階調データの全階調領域について修正後の階調値を決定することができる。なお、図の下段は、6色のインクとドットの種類の組み合わせのうちのいずれかに相当する階調データの修正前後の対応関係をグラフ形式で示したものである。
【0061】
その結果、図16に示すように、ドット形成テーブルは同じ入力階調値に対してレベルデータが修正されたテーブルとされる。図16の例は、シアンの大ドット用のドット形成テーブルについての修正前後の対応関係が図15で示したデータとして表されている場合に、同ドット形成テーブルの修正前後のレベルデータLLをグラフ形式で示したものである。図15の例では修正前のレベルデータが基準階調値63であるとき対応関係テーブルT3に格納された修正後のデータは66であるので、図16において修正前のレベルデータ63はレベルデータ66(点P1)となるように修正される。点P2,P3も同様の対応関係にて修正されたレベルデータの位置を示しており、その他のレベルデータについては線形補間演算により修正されたデータとされる。
【0062】
そして、修正した各階調値を修正ドット形成テーブルとしてHDの所定領域に記憶させ(S130に相当)、本フローを終了する。ここで、修正ドット形成テーブルに格納されたCMYKLcLmの階調値は複数段階の基準階調値に対応した複数のカラー調整IDが反映されているので、同修正ドット形成テーブルは、256階調のCMYKLcLmデータと、インク量の誤差をきめ細やかに補償させる修正後のドットデータとの対応関係を複数種類のドット別に複数の階調値について規定するテーブルとなる。
そして、上述した印刷制御処理を行うと、画像データを入力し、256階調のCMYKLcLmデータに変換した後、ハーフトーン処理により修正ドット形成テーブルを参照して256階調のCMYKLcLmデータを色別かつドットの種類別のドットデータに変換する。すなわち、複数段階の階調データに対応したカラー調整IDが反映されたドット形成テーブルを使用することにより、256階調のCMYKLcLmデータを修正後のドットデータまで一気に変換することができ、変換処理を高速化させることができる。その後、ラスタライズ処理を行って並べ替えを行ったドットデータをプリンタに対して出力する。
【0063】
すると、プリンタは、CMYKLcLm別かつドット種類別のドットデータ(4階調のCMYKLcLmデータ)を入手し、256階調のCMYKLcLmデータを基準としたときに各階調データに対応したインク量となるように印刷ヘッドを駆動してインクを印刷用紙上に吐出し、印刷を行う。ここで、ドットデータは3段階の基準階調値に対応したカラー調整IDが反映されているので、プリンタはドットの種類別にインク量の誤差に対して階調データに応じたきめ細やかな誤差補償を行いながら印刷用紙上にインクのドットを形成する。従って、インクのドットの大きさを変更して印刷可能な印刷装置にて印刷される色精度を向上させ、印刷物をさらに高画質化させることが可能となる。
【0064】
なお、本実施形態では、大中小のドット全てに対応するドット形成テーブルを複数段階の階調データのそれぞれに対応した複数のカラー調整IDを用いて修正するようにしたが、大中小いずれかの種類のドットに対応するドット形成テーブルのみを修正するようにしてもよい。例えば、プリンタ標準機用のドット形成テーブルのうち大ドット用のテーブルにはレベルデータのとりうる階調領域として0〜255が格納され、中、小ドット用のドット形成テーブルにはその階調領域よりも狭い範囲の階調値が格納されている場合、処理を簡素化させるために大ドット用のドット形成テーブルのみを修正してもよい。このような場合でも、複数段階の階調データのそれぞれに対応した複数のカラー調整IDを用いることにより、修正を行ったドット形成テーブルに対応するドットの種類についてきめ細やかにインク量の誤差を補償することができ、色精度を向上させることができる。
【0065】
なお、第一〜第四の実施形態で示したように、複数の誤差情報について決定した修正前後の階調データの対応関係に基づいてLUTを修正したりドット形成テーブルを修正したりする以外の手法により、インク量の誤差を補償する構成としてもよい。例えば、プリンタ標準機用のLUTを参照してRGBデータから256階調のCMYKLcLmデータに色変換した後、図6で示した対応関係に従って注目画素毎に対応関係テーブルT1を参照するとともに必要に応じて線形補間演算を行って同CMYKLcLmデータを修正するようにしてもよい。
本発明によると、種々の態様により、色精度を向上させ、印刷物をより高画質化させることが可能な印刷制御装置、印刷システム、印刷制御プログラムおよびその媒体を提供することができる。また、印刷制御方法としても適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】
印刷制御装置と周辺装置とからなる印刷システムの概略構成図である。
【図2】
プリンタのブロック構成をPCとともに示すブロック構成図である。
【図3】
ピエゾ素子PEとノズルNzとの構造を断面視して示す断面図である。
【図4】
複数のカラー調整IDを模式的に示す図である。
【図5】
印刷制御装置の構成を模式的に示す図である。
【図6】
複数段階の階調データの対応関係と補間演算後の全階調の階調データの対応関係を模式的に示す図である。
【図7】
修正LUT作成処理を示すフローチャートである。
【図8】
印刷制御処理を示すフローチャートである。
【図9】
第二の実施形態における修正LUT作成処理を示すフローチャートである。
【図10】
印刷用紙に印刷される複数のパッチを示す図である。
【図11】
第三の実施形態における印刷制御処理を示すフローチャートである。
【図12】
第四の実施形態において大中小のドットを形成するプリンタに記憶されるカラー調整IDを模式的に示す図である。
【図13】
第四の実施形態におけるハーフトーン処理を示すフローチャートである。
【図14】
ドット形成テーブルにおける入力階調値に対するレベルデータの値をグラフ形式で示す図である。
【図15】
複数段階の階調データの対応関係と補間演算後の全階調の階調データの対応関係を模式的に示す図である。
【図16】
入力階調値に対する修正前後のレベルデータの値をグラフ形式で示す図である。
【符号の説明】
10…パーソナルコンピュータ
11…CPU
12…ROM
13…RAM
14…ハードディスク
15…CD−ROMドライブ
17a〜e…インターフェイス
18a…ディスプレイ
18b…キーボード
18c…マウス
20…インクジェットプリンタ
22…ROM
22a…カラー調整ID
22b…シリアルナンバー
25…印刷ヘッド
26…ASIC
26a…ヘッド駆動部
30…カラー測色器
U1…誤差取得手段
U2…対応関係決定手段
U3…印刷制御手段
T1,T3…対応関係テーブル
T2…ドット形成テーブル
PA…パッチ
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