JP3552874B2 - 色修正装置、色修正方法、色修正プログラムを記録した媒体およびカラー印刷装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラーバランスを修正するのに使用して好適な色修正装置、色修正方法、色修正プログラムを記憶した媒体およびカラー印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンタのようなカラー印刷装置では、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の三色の色インク、あるいはこれにブラック(K)を加えた四色の色インクでカラー画像を印刷する。これらの色インクを吐出する印刷ヘッドは全ての色インクを吐出する一体型のものとすることも可能であるが、歩留まりが悪くなるので複数の印刷ヘッドを色ごとに分けて使用することが多い。一体型の場合は色インクの吐出量は全体的に多いか少ないかの誤差はあるものの各色インク間でのバランスは保持される。しかしながら、複数の印刷ヘッドを使用する場合には印刷ヘッドごとのばらつきによって各色インク間でのバランスが崩れてしまう。
【0003】
このため、特公平6−79853号公報に示す従来のカラー印刷装置では、印刷ヘッドを駆動する駆動回路ごとに駆動信号を調整可能としておき、この駆動信号を工場などで設定すれば各色インク間でのバランスを保持可能となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のカラー印刷装置においては、印刷ヘッドの経年変化によって色インクの吐出量に偏りが生じたような場合には対応できないという課題があった。また、各機体ごとに工場調整が必要となり、製造工程が増えて煩雑であるという課題もあった。一方、工場調整などをなくしつつ経年変化にも対応可能とした場合にはどの時点で調整するのが最も効率的あるのかという課題もあった。
【0005】
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、カラー印刷装置を含めた画像出力装置におけるハードウェアに依存するようなカラーバランスの偏りをハードウェアに対する直接の調整を行うことなく修正することが可能であるとともにその効果的な実施を行うことが可能な色修正装置、色修正方法、色修正プログラムを記憶した媒体およびカラー印刷装置の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、所定の要素色ごとの強弱を表す色画像データに基づいて各要素色ごとに画像出力を行うことによりカラー画像を出力する画像出力装置のための色修正装置であって、上記画像出力装置における各要素色ごとの出力特性の偏差を打ち消すように所定の色修正データに基づいて上記色画像データを色変換する色修正手段と、上記画像出力装置における最初の画像出力前に、要素色間の強弱を判定するための色偏りパッチを印刷し、このパッチの選択の入力に対応した上記画像出力装置における各要素色ごとの強弱のバランスの判定から各要素色間の偏りを判断し、偏りのある要素色を所定のトーンカーブで修正するためにどの程度の強調修正をすべきか判定するためのグレイスケールパターンであってトーンカーブを利用した強調修正を行ったグレイスケールパターンを印刷し、このトーンカーブの選択の入力に対応した上記色修正データを生成する色修正データ生成手段とを具備する構成としてある。
【0007】
上記のように構成した請求項1にかかる発明においては、カラー画像を所定の要素色ごとに色分解して強弱で表した色画像データに基づいて画像出力装置が各要素色ごとに画像出力を行うことによりカラー画像を出力する前提とし、色修正手段は上記画像出力装置における各要素色ごとの出力特性の偏差を打ち消すように所定の色修正データに基づいて上記色画像データを色変換する。すなわち、色修正手段が色変換した色画像データに基づいて画像出力装置がカラー画像を出力すると、本来、画像出力装置の特性によって偏って画像出力される色が予めその偏りを見越して修正されている結果、元のカラー画像に忠実な色で再現される。
【0008】
一方、かかる色修正手段が色変換に必要とする上記色修正データは、色修正データ生成手段が上記画像出力装置における最初の画像出力前に生成する。従って、画像出力装置を使用するにあたっては必ず色修正データが生成されており、色の再現性は保持される。
【0009】
ところで、上記色修正データ生成手段が生成する色修正データは、上記色修正手段が上記画像出力装置における各要素色ごとの出力特性の偏差を打ち消すように色画像データを色変換するのに必要なものであり、そのため、請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の色修正装置において、上記色修正データ生成手段は、上記画像出力装置における各要素色ごとの出力特性の偏差を取得し、同偏差に基づいて色変換のためのデータを生成する構成としてある。
【0010】
上記のように構成した請求項2にかかる発明においては、当該色修正データ生成手段は上記画像出力装置における各要素色ごとの出力特性の偏差を取得する。例えば、ある要素色を画像出力することになる画像出力素子などが他の要素色を画像出力することになる画像出力素子よりもその出力が弱いというのであればその偏差を取得することにより、その偏差を見越してその要素色を強調するように色変換させるための色修正データを生成可能となる。
【0011】
むろん、かかる各要素色ごとの出力特性の偏差を取得するについては、計量に伴う正確な値であったり、比較対象を並べて選択される値であったりするなど、その取得手法は特に限定されるものではない。
【0012】
一方、色修正データ生成手段が色修正データを生成するのは上記画像出力装置における最初の画像出力前であればよいが、最初の意味合いとしては、画像出力装置における画像出力前に色修正データが存在して良好に画像出力が行われるようにすれば足るものであり、より具体的な各種の変更も可能である。その一例として、請求項3にかかる発明は、請求項1または請求項2のいずれかに記載の色修正装置において、上記色修正データ生成手段は、上記色修正手段にて色修正データがないと判断したときに色修正データを生成する構成としてある。
【0013】
上記のように構成した請求項3にかかる発明においては、色修正手段が色修正しようとするときに色修正データが有れば色修正が可能となるもののなければ色修正できないことになり、ない場合に色修正データ生成手段が実行されれば所定の処理を経て色修正データが生成されて色修正可能となる。
【0014】
また、別の一例として、請求項4にかかる発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の色修正装置において、インストールプログラムの実行過程で、上記色修正データ生成手段を実行させる構成としてある。
【0015】
上記のように構成した請求項4にかかる発明においては、ソフトウェアにおけるインストーラのように、インストールプログラムを実行可能であり、このインストールプログラムの実行によって、最初の画像出力を行わせつつ上記色修正データ生成手段を実行させる。
【0016】
従って、設置と同時に色修正データは生成され、以後の画像出力時に必ず利用可能となる。
【0017】
一方、経年変化のようなものに対応するには適宜色修正データを生成し直すべきであり、そのような場合にも新規に画像出力が行えるようになるという意味で最初の画像出力と考えられる。このような場合にも色修正データ生成手段を効率よく実行できるのが便利であり、その一例として請求項5にかかる発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の色修正装置において、既存の色修正データをクリアするクリア手段を備え、当該クリア手段が上記色修正データをクリアしたときに上記色修正データ生成手段に色修正データを生成させる構成としてある。
【0018】
上記のように構成した請求項5にかかる発明においては、クリア手段にて既存の色修正データをクリアすることができ、このようにしてクリア手段が同色修正データをクリアしたときに上記色修正データ生成手段が実行され、色修正データを生成し直す。
【0019】
また、前提とする画像出力装置は、所定の要素色ごとの強弱を表す色画像データに基づいて各要素色ごとに画像出力を行うことによりカラー画像を出力するものであり、印刷装置であればCMYなどの色インクを吐出するノズルを備え、各色ごとに色分解された印刷データに基づいてノズルから色インクを吐出してカラー画像を出力するものなどが該当する。
【0020】
従って、本発明の一例として、請求項6にかかる発明は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の色修正装置において、上記画像出力装置は、上記各要素色ごとに備えた記録材を媒体上に付着させてカラー画像を出力する印刷装置で構成してある。
【0021】
上記のように構成した請求項6にかかる発明においては、印刷装置が各要素色ごとに備えた記録材を媒体上に付着させてカラー画像を出力するが、記録材の使用量がインク毎に異なることによって出力特性に偏差が生じている。このような偏差を打ち消すべく色修正データ生成手段が色修正データを生成し、色修正手段が同偏差を打ち消すように色変換する。なお、ここにいう使用量とは、各色毎の一画素あたりの記録材の使用量を指している。
【0022】
むろん、画像出力装置としてはこのような印刷装置には限らず、CRTなどの陰極線ディスプレイであっても良いし、TFTなどの液晶ディスプレイであったりしてもよい。また、より具体的にはカラーコピー機やカラーファクシミリ機、投射式ディスプレイなど様々な機種において適用できる。
【0023】
上述したようにして、色修正データに基づいて上記画像出力装置における各要素色ごとの出力特性の偏差を打ち消すように上記色画像データを色変換するとともに、上記画像出力装置における最初の画像出力前に上記色修正データを生成する手法は、実体のある装置に限定される必要はなく、その方法としても機能することは容易に理解できる。このため、請求項7にかかる発明は、所定の要素色ごとの強弱を表す色画像データに基づいて各要素色ごとに画像出力を行うことによりカラー画像を出力する画像出力装置のための色修正方法であって、上記画像出力装置における各要素色ごとの出力特性の偏差を打ち消すように所定の色修正データに基づいて上記色画像データを色変換するとともに、上記画像出力装置における最初の画像出力前に、要素色間の強弱を判定するための色偏りパッチを印刷し、このパッチの選択の入力に対応した上記画像出力装置における各要素色ごとの強弱のバランスの判定から各要素色間の偏りを判断し、偏りのある要素色を所定のトーンカーブで修正するためにどの程度の強調修正をすべきか判定するためのグレイスケールパターンであってトーンカーブを利用した強調修正を行ったグレイスケールパターンを印刷し、このトーンカーブの選択の入力に対応した上記色修正データを生成する構成としてある。
【0024】
すなわち、必ずしも実体のある装置に限らず、その方法としても有効であることに相違はない。
【0025】
ところで、このような色修正装置は単独で存在する場合もあるし、ある機器に組み込まれた状態で利用されることもあるなど、発明の思想としてはこれに限らず、各種の態様を含むものである。従って、ソフトウェアであったりハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。
【0026】
その一例として、入力される色画像データに基づいて印刷インクに対応した色画像データに変換し、所定のカラープリンタに印刷せしめるプリンタドライバにおいても、同カラープリンタにおける各印刷インクごとの出力特性の偏差を打ち消すように上記色画像データについて色変換するとともに、その色変換の基準になる色修正データは当該カラープリンタに最初に印刷せしめる際に生成するように構成することができる。
【0027】
すなわち、プリンタドライバは印刷インクに対応して入力された色画像データを変換するが、最初に印刷させるときにその出力特性の偏差を打ち消すための色修正データを生成しておき、以後、印刷せしめる毎に同色修正データを利用して色変換して印刷させる。
【0028】
この場合でも、一つのプリンタドライバが複数のカラープリンタを利用して印刷するのであれば、それぞれのカラープリンタに対して最初に印刷させることになる際に色修正データを生成すればよい。ここにおいて、カラープリンタ毎に色修正データを保持する場合には以後の印刷時に所定の色修正データを使用すればよい。一方、一つの色修正データしか保持できないような場合には印刷するカラープリンタを変えるたびに色修正データを生成するようにしても良い。
【0029】
発明の思想の具現化例として色修正装置のソフトウェアとなる場合には、かかるソフトウェアを記録した記録媒体上においても当然に存在し、利用されるといわざるをえない。
【0030】
その一例として、請求項8にかかる発明は、所定の要素色ごとの強弱を表す色画像データに基づいて各要素色ごとに画像出力を行うことによりカラー画像を出力する画像出力装置のためにコンピュータによって色修正するプログラムを記録した媒体であって、上記画像出力装置における各要素色ごとの出力特性の偏差を打ち消すように所定の色修正データに基づいて上記色画像データを色変換するとともに、上記画像出力装置における最初の画像出力前に、要素色間の強弱を判定するための色偏りパッチを印刷し、このパッチの選択の入力に対応した上記画像出力装置における各要素色ごとの強弱のバランスの判定から各要素色間の偏りを判断し、偏りのある要素色を所定のトーンカーブで修正するためにどの程度の強調修正をすべきか判定するためのグレイスケールパターンであってトーンカーブを利用した強調修正を行ったグレイスケールパターンを印刷し、このトーンカーブの選択の入力に対応した上記色修正データを生成する機能をコンピュータに実現させる構成としてある。
【0031】
むろん、その記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。また、一次複製品、二次複製品などの複製段階については全く問う余地無く同等である。
【0032】
さらに、一部がソフトウェアであって、一部がハードウェアで実現されている場合においても発明の思想において全く異なるものはなく、一部を記録媒体上に記憶しておいて必要に応じて適宜読み込まれるような形態のものとしてあってもよい。さらには、カラーファクシミリ機やカラーコピー機などにおいても適用可能であることはいうまでもない。
【0033】
また、このような色修正装置を前提としたカラー印刷装置においては、同色修正装置を有効に活用するための所定の構成が必要になるとも言える。その一例として、請求項9にかかる発明は、所定の要素色ごとの強弱を表す色画像データに基づいて各要素色ごとの記録材を媒体上に付着させてカラー画像を出力するカラー印刷装置であって、各要素色毎の記録材の使用量の偏差を保持し、同使用量の偏差を打ち消すように所定の色修正データに基づいて上記色画像データを色変換するとともに、最初の印刷時に、要素色間の強弱を判定するための色偏りパッチを印刷し、このパッチの選択の入力に対応した上記カラー印刷装置における各要素色ごとの強弱のバランスの判定から各要素色間の偏りを判断し、偏りのある要素色を所定のトーンカーブで修正するためにどの程度の強調修正をすべきか判定するためのグレイスケールパターンであってトーンカーブを利用した強調修正を行ったグレイスケールパターンを印刷し、このトーンカーブの選択の入力に対応した上記色修正データを生成する構成としてある。
【0034】
このように各色インクごとの使用量の偏差に対応するデータを保持することにより、上述した請求項2に記載の色修正装置で色修正データ生成手段は当該カラー印刷装置から偏差のデータを取得することが可能となる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、各要素色毎の出力特性の偏差を打ち消すように色変換することにより、ハードウェアに対する直接の調整を行うことなく修正することが可能な色修正装置を提供することができる。また、ハードウェアにおける偏りを許容するものであるから、ユーザの側で調整することができ、工場調整を不要とできるとともに経年変化にも容易に対応できる。さらに、印刷用紙の紙色が印刷結果に及ぼす影響は実質的にこのようなハードウェアにおける出力特性の偏差と同様であるから、紙色に影響されることなく元の色を再現するといったことも可能である。また、かかる色変換に必要となる色修正データ自体を画像出力装置における最初の画像出力前に生成するようにしているので、同画像出力装置における色の再現性が劣化したまま画像出力されることもない。さらに、プリンタドライバのようなソフトウェアで構成するような場合には一度生成しておいた色修正データを以後の印刷起動時にも利用できるから起動時ごとに色修正データを生成する煩わしさもない。
【0036】
また、請求項2にかかる発明によれば、画像出力装置における最初の画像出力前に各要素色ごとの出力特性の偏差を取得することにより、その時点における偏差を打ち消す色修正データを生成することができ、色の再現性を良好とさせることができる。
【0037】
さらに、請求項3にかかる発明によれば、色修正データの有無で最初の画像出力前であるか否かを判断でき、容易に最初の画像出力が分かり、不都合なく色修正データを生成することができる。
【0038】
さらに、請求項4にかかる発明によれば、設置と同時に色修正データは生成され、以後の画像出力時に必ず利用可能となる。
【0039】
さらに、請求項5にかかる発明によれば、必要に応じて色修正データをクリアできるようにしているし、クリアすれば新たに色修正データを生成し直すので、経年変化に対しても極めて容易に対応可能である。
【0040】
さらに、請求項6にかかる発明によれば、画像出力装置として最終結果を出力することになるカラー印刷装置の場合に原色に対する忠実度を向上させることができる。
【0041】
さらに、請求項7にかかる発明によれば、各要素色毎の出力特性の偏差を打ち消すように色変換するとともに、かかる色変換に必要な色修正データを最初の画像出力前に生成するようにしたため、ハードウェアに対する直接の調整を行うことなく、かつ、画像出力時には必ず色修正することが可能な色変換方法を提供することができる。
【0042】
さらに、請求項8にかかる発明によれば、このような色修正を行なうプログラムを記録した媒体を提供することができる。
【0043】
さらに、請求項9にかかる発明によれば、このような色修正をより正確に行うことが可能なカラー印刷装置を提供することができる。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、図面にもとづいて本発明の実施形態を説明する。
【0045】
図1は、本発明の一実施形態にかかる色修正システムをブロック図により示しており、図2は具体的ハードウェア構成例をブロック図により示している。
【0046】
図において、画像入力装置10はカラー画像についての色画像データを色修正装置20へ入力し、同色修正装置20は同色画像データについて色修正したデータを画像出力装置30に出力する。ここにおいて、色修正装置20が出力するデータは画像出力装置30にて画像出力せしめたときに元色に忠実となるように修正されたデータであり、色修正手段と色修正データ生成手段とを備えている。
【0047】
ここにおいて、画像入力装置10の具体例はスキャナ11やデジタルスチルカメラ12あるいはビデオカメラ14などが該当し、画像処理装置20の具体例はコンピュータ21とハードディスク22とキーボード23とCD−ROMドライブ24とフロッピーディスクドライブ25とモデム26などからなるコンピュータシステムが該当し、画像出力装置30の具体例はプリンタ31やディスプレイ32等が該当する。ただし、本実施形態においては、これらの画像出力装置30のうちプリンタ31について特に詳細に説明していく。なお、モデム26については公衆通信回線に接続され、外部のネットワークに同公衆通信回線を介して接続し、ソフトウェアやデータをダウンロードして導入可能となっている。
【0048】
図3はプリンタ31の概略構成を示しており、三つの印字ヘッドユニット31a1からなる印字ヘッド31aと、この印字ヘッド31aを制御する印字ヘッドコントローラ31bと、当該印字ヘッド31aを桁方向に移動させる印字ヘッド桁移動モータ31cと、印字用紙を行方向に送る紙送りモータ31dと、これらの印字ヘッドコントローラ31bと印字ヘッド桁移動モータ31cと紙送りモータ31dにおける外部機器とのインターフェイスにあたるプリンタコントローラ31eとから構成されている。
【0049】
このプリンタ31は印字インクとして四色の色インクを使用するものであり、各印字ヘッドユニット31a1にはそれぞれ独立した二列の印字ノズルが形成されている。供給する色インクは印字ノズルの列単位で変えることができ、この場合は図示左方の印字ヘッドユニット31a1については二列とも黒色インク(K)を供給し、図示右方の印字ヘッドユニット31a1については左列にマゼンタ色インク(M)を供給するとともに右列にイエロー色インク(Y)を供給し、図示真ん中の印字ヘッドユニット31a1については左列にシアン色インク(C)を供給するとともに右列は不使用としている。ここにおいて、各印字ヘッドユニット31a1の左列と右列との製造誤差は比較的小さく、ほぼ無視できる。
【0050】
しかしながら、印字ヘッドユニット31a1ごとの間ではインクの吐出量に差が生じやすく、後述するようにして測定された各印字ヘッドユニット31a1ごとの色インクの吐出量を計測したデータを保持できるようにPROMエリアを備えている。なお、この吐出量の偏りが本発明にいう偏差に相当する。そして、上述した印字ヘッドコントローラ31bにはこの印字ヘッドユニット31a1における各ノズルを駆動して色インクを吐出させる印字ヘッド駆動部31b1とともに同PROMエリアを参照するためのPROMインターフェイス31b2を備えており、プリンタコントローラ31eを介して入力される印字データに基づいて印字ヘッド駆動部31b1にて印字させるとともに、要求に応じてPROMエリアに保持された色インクの吐出量のデータを出力可能となっている。
【0051】
また、このようなPROMエリアは必ずしも印字ヘッドユニット31a1に備えなければならないわけではなく、少なくともプリンタ31内に装着してあればよく、図3の二点鎖線に示すように印字ヘッド31aとは別個に備えても良い。ただし、印字ヘッドユニット31a1に備えられている場合には少なくとも当該印字ヘッドユニット31a1を組み上げた状態で検査して吐出量を計測したデータを保持できるというメリットがある。特に、印字ヘッドと色インクタンクとが一体的に形成されるようなものにおいては、かかるカートリッジごとにデータを記録するようにしてもよい。
【0052】
さらに、このようなデータを記録するという意味ではディップスイッチのようなものを備えてプリンタコントローラ31eに接続し、計測時に作業者が同ディップスイッチを設定するようにしても良い。このようにすれば同プリンタコントローラ31eを介して同ディップスイッチの設定内容を読みとることができ、同データを偏差として入力できるからである。
【0053】
あるいは、単に計測結果をシール用紙のようなものに印字して印字ヘッド31aに貼付せしめ、ユーザーがそのシール用紙に印字されたデータを入力するということも可能である。ただし、この場合は後述するように偏差取得の処理で入力することになる。
【0054】
なお、本実施形態においては、四色の色インクを使用しているが、図4に示すプリンタ31の印字ヘッド31aのように三つの印字ヘッドユニット31a1における二列の印字ノズルを最大限に利用して六色の色インクを使用することも可能である。この場合、シアンとマゼンタについては濃色インクと淡色インクとを使用するものとし、さらにイエローとブラックとを使用して合計六色となっている。
【0055】
本実施形態においては、画像出力装置30としてカラー印刷可能なプリンタ31を使用しているが、図5に示すディスプレイ32であるとか、図6に示すカラーファクシミリ機33や、図7に示すカラーコピー機34などに適用可能である。この場合、ディスプレイ32についてはRGBの各陰極線の出力特性に偏差が生じることがあるし、カラーファクシミリ機33やカラーコピー機34などにおいてはプリンタ31と同様に色インクなどの使用量に偏差が生じることがある。また、本実施形態においては、プリンタ31に対して色画像データを修正するコンピュータシステムを使用しているが、図8に示すようにカラープリンタ35内にかかる色修正システムを内蔵し、ネットワークなどから供給される色画像データを直に入力して印字するような構成も可能である。
【0056】
色修正装置20を実現するコンピュータ21は機能的に色修正手段と色修正データ生成手段とを構成するが、むろん、これら以外の機能を有するものとすることも可能であり、プリンタ31を出力装置とすれば表色空間を変換する色変換手段と階調を変換する階調変換手段を兼用することも可能である。
【0057】
本実施形態においては、これらの色修正手段と、色修正データ生成手段と、色変換手段および階調変換手段とがインストールプログラムとプリンタドライバとによって構成されている。なお、これらのうち色変換手段と階調変換手段については公知の手法を採用しており、ここでは詳述しない。
【0058】
インストールプログラムはCD−ROMなどのプログラム記憶媒体に記録されて頒布され、コンピュータ21にプリンタ31を接続した後、同CD−ROMをCD−ROMドライブ24にセットする。この後、インストールプログラムはアプリケーションとして実行され、プリンタドライバや色変換ルックアップテーブルなどをハードディスク22上に展開することになる。むろん、上述したようにフロッピーディスクドライブ25とモデム26などを介して導入してもよい。
【0059】
図9に示すインストールプログラムのフローチャートを参照すると、この展開部分はステップS110に対応し、次なるステップS120,S122,S124では上述したプリンタ31における印字ヘッド31aの偏差を取得する。
【0060】
上述したプリンタ31においては印字ヘッド31aにPROMエリアが備えられており、ここに色インクの使用量の偏差が書き込まれていると説明した。本実施形態のインストールプログラムでは、このようなPROMエリアを備えた印字ヘッド31aか否かを判断し、それぞれに応じた二つの処理ステップS122,S124を実行する。
【0061】
その前提として上記印字ヘッド31aのPROMエリアへの偏差の書き込みについて説明する。この書き込みの手順は、図10に示す工場設定の手順書に示している。同図に示すように、最初の手順S11では色インク吐出量を計測する。
【0062】
図11は印字ヘッド31aにおける色インク吐出量を示している。印字する際にプリンタドライバはRGBデータをCMYKデータに色変換するとともにハーフトーン処理するが、これは印字ヘッド31aの色インクを考慮した対応関係に基づいている。そして、この対応関係は当然に色インクの吐出量にも関係している。すなわち、同図の上段(基準)に示すようにある印字データに対応して吐出されるべき色インク量が40ngであることを前提としてプリンタドライバが色変換するにもかかわらず、実際には下段(サンプル)のようにずれてしまう。むろん、このずれを小さくすることも可能であるが、印字ヘッドユニット31a1の製造歩留まりを悪化させてしまう。
【0063】
このような色インクの吐出量の計測(手順S11)は、印字ヘッド31aを組み付けた状態で全ての印字ヘッドユニット31a1にシアン色インクを供給し、所定の用紙に25%といった適当な密度で図12に示すようにベタのパッチを印刷させ、その濃度を濃度計で測定する。むろん、図に示す六つのパッチは六列の印字ノズルのそれぞれだけで印字する。全ての印字ノズルが同じシアン色インクを吐出するようにしているため、測定される濃度は印字ノズルごとの吐出量に概ね比例する。この結果、図13に示すように各ノズルが25%の基準で印字するようにしているにもかかわらず、サンプルされた結果にはバラツキが生じる。この例で言えば、同じ印字ヘッドユニット31a1で印字されるマゼンタとイエローに使用することになる印字ノズルの吐出量がやや少なく(23%)、シアンに使用することになる印字ノズルの吐出量がやや多く(27%)なっており、ブラックに使用することになる印字ノズルの吐出量が基準値と一致している(25%)。そして、このような計測結果は計測後に印字ヘッド31aにおけるPROMエリアに書き込む(手順S12)。従って、上述したようにプリンタ31に組み付けられたときには印字ヘッドコントローラ31bを介して印字ヘッドユニット31a1ごとの吐出量を読出可能となる。
【0064】
この例では、濃度を介して間接的に色インクの吐出量を計測しているが、同吐出量を直に計測しても良い。むろん、1ドット(ショット)で吐出される色インクの重量は計測困難であるから、数万ショットで使用される色インクの重量を計測し、ショット数で除算して1ショットあたりの色インクの吐出量を計測することもできる。
【0065】
このようにして工場設定の段階で印字ヘッド31aのPROMエリアには偏差の書き込みが完了しており、ステップS120にて印字ヘッド31aにPROMエリアがあるか否かを判断し、ある場合にはステップS122にて同印字ヘッド31aのPROMから偏差を読み込む。かかるPROMの読み込みはコンピュータ21のCPUが周辺機器としてのプリンタ31と双方向通信を実行することによって行われる。このような双方向通信はオペレーティングシステムに組み込まれた基本プログラム等も利用して行われる。より具体的にはCPUはプリンタ31と通信し、プリンタコントローラ31eと印字ヘッドコントローラ31bとを介して印字ヘッド31aのPROMエリアに記憶された吐出量のデータを読み出す。
【0066】
このようにして偏差が分かれば、インストールプログラムにおけるステップS130では色修正のためのルックアップテーブルを作成する。上述した例を参照すれば、図13に示すように、シアンは基準よりも強く、マゼンタとイエローは基準よりも弱いから、図14に示すように元のシアンCのデータに対して修正されたシアンC’のデータは全体的に弱めとするとともに、元のマゼンタMとイエローYのデータに対して修正されたマゼンタM’とイエローY’のデータは全体的に強めとする対応関係をルックアップテーブルに形成する。また、ブラックについては基準通りであるため、入出力間で特性を変化させていない。なお、ここで示す入出力の変換特性についての詳細は後述する。
【0067】
手順としては、このような色修正と、RGBからCMYKなどへの色変換とは個別に実行することが可能であるが、実際には同時に実行することが可能である。ステップS140ではこの二つを同時に実行可能となるように色変換手段で使用する色変換ルックアップテーブルを書き換えている。従って、RGBデータに基づいて同色変換ルックアップテーブルを参照すればCMYKへの色空間の変換と同時にプリンタ31の出力特性の偏差を見越したC’M’Y’K’データへの修正も同時に行われる。すなわち、この後でプリンタドライバが色変換する際には書き換えられた色変換ルックアップテーブルを参照することによって色修正が行われるし、さらにはこのような情報を有する色変換ルックアップテーブルがインストールの過程において作成されるのであるから、色修正ルックアップテーブルと色変換ルックアップテーブルが色修正データを構成するとともに、これらのステップS120〜S140の各処理が色修正データ生成手段を構成しているといえる。むろん、この色修正データ生成手段を実行させるのはインストールプログラムであり、当該インストールプログラムは設置手段を構成する。
【0068】
ところで、印字ヘッド31aが必ずしもPROMエリアを備えて偏差を記憶していなければならないというわけではない。プリンタ31の印字ヘッド31aに偏差を記録する手法では、ハードウェアに対する調整を行うことなく色再現性を向上させることはできるものの、それだけでは経年変化などに対応することができない。工場調整をすることなく経年変化に対応するためにはユーザーの側で容易に調整できる必要がある。このようにすれば、経年変化があったような場合にユーザーが修正したいと思ったときに対応可能であるし、さらにはプリンタ31が偏差を表すデータを保持しない場合であっても対応可能である。
【0069】
このような背景に対応し、ステップS120にて印字ヘッド31aにPROMエリアがないと判断された場合、ステップS124にて偏差取得の処理を実行する。図15はこの偏差取得のサブルーチン処理のフローチャートを示しており、パッチの印刷とユーザーによる選択によってコンピュータ21は偏差を取得する。
【0070】
図16および図17はコンピュータ21にてプリンタ31に印刷させるパッチとそのデータを示している。ステップS210では、紙面上に(1)〜(5)の符号を伴った五つの色偏りパッチを印刷させるものとし、その印刷の色データは赤成分を微妙に変化させたものとなっている。図17に示すように、緑成分と青成分とを階調値「64」で固定しつつ赤成分だけについては階調値「48」〜「80」の範囲で「8」刻みとしている。この刻み幅は全体としての傾向を見る必要があり、細かくしすぎる必要はない。(1)のように赤成分が弱ければシアンぽいグレイが印刷され、(5)のように赤成分が強ければ赤っぽいグレイが印刷される傾向にある。
【0071】
色データを見れば分かるように、本来であれば(3)のパッチにおいて赤緑青の各成分が一致するのでグレーで画像出力されるべきであるが、上述したようにこの色データに基づいてプリンタ31が印刷する場合に色インクの吐出量の偏差によっては必ずしも(3)のパッチがグレーで画像出力されるとは限らない。
【0072】
ステップS220ではユーザーがこのパッチを見てグレーに近いパッチNo.を選択してキーボード23から手入力する。ここで、(3)のパッチがグレーであれば修正する必要はないといえる。しかしながら、(4)や(5)のパッチがグレーに近いと判断されたならばシアンが強いことを裏付け、(1)や(2)のパッチがグレーに近いと判断されたならばシアンが弱いことを裏付けることになる。すなわち、この選択はプリンタ31における各要素色ごとの強弱のバランスを判定することに対応する。
【0073】
図18および図19はステップS220においてユーザが選択したパッチが(4)または(5)であり、シアンが強くなる傾向の場合の色修正を示している。
【0074】
ステップS220にて(4)または(5)が選択された場合は赤成分を強調する色修正が必要であると判断し、どの程度の強調修正をすべきか判定するためにステップS230にてグレイスケールパターンを印刷する。ここでいうグレイスケールパターンとは赤成分についてトーンカーブを利用した強調修正を行うものとし、その強調程度を変えて階調値の異なるグレイを連続したパッチ状に印刷したものを意味している。図18はトーンカーブの符号とともにそのグレイスケールを印刷しており、図19は各トーンカーブにおける入出力間の対応関係を示している。図に示すように、トーンカーブの符号が大きいものほど強調度が大きいことが分かる。この例では弱い成分だけを修正するようにしているが、図20に示すように相対的に弱い成分は強くしつつ、強い成分の側を弱くするような修正を同時に行うことも可能である。
【0075】
このようなトーンカーブの具体例としてはγ補正がよく知られている。256階調のRGBデータを前提とすれば、γ曲線はY=255×(X/255)**γとなる入出力関係を意味しており、γ=1において入出力間で強調を行わず、γ>1において入力に対して出力が弱くなり、γ<1において入力に対して出力が強くなる。本実施形態においては、トーンカーブとしてγを「0.05」刻みで変化させてグレイスケールを印刷してみたところ、良好な結果を得た。
【0076】
ステップS240ではユーザーがトーンカーブの選択を実行するが、かかる選択に対応してステップS130では色修正ルックアップテーブルを作成するとともに、ステップS140ではステップS130にて作成した色修正ルックアップテーブルに基づいて色変換ルックアップテーブルを書き換える。
【0077】
なお、ステップS122にて印字ヘッド31aから偏差のデータを読み込んだ後でも入出力の変換特性を与える必要があるが、ここにおける変換特性もこのようなトーンカーブとして選択すればよい。すなわち、図13に示すように25%の基準濃度に対してマゼンタとイエローが23%の計測濃度であった場合にはγ=1.01程度とするとともに、シアンにおける27%の計測濃度についてはγ=0.99といったトーンカーブを選択し、ステップS130にて色修正ルックアップテーブルを作成すればよい。
【0078】
むろん、この場合もインストールプログラムによってかかる偏差取得のサブルーチン処理が起動され、色修正ルックアップテーブルと色変換ルックアップテーブルとが生成されるので、ステップS120,S124,S130,S140の各処理が色修正データ作成手段を構成している。
【0079】
一方、インストールプログラムはかかる色修正データ作成手段を構成する一例に過ぎず、インストール後に色修正データを作成するようにもなっている。従って、必ずしもインストール時に上述したような処理を経て色修正データを作成しなければならないわけではない。
【0080】
図21はアプリケーションからの印刷時にオペレーティングシステムにて起動されるプリンタドライバの概略フローチャートを示している。なお、図においては印字ヘッド31aの走査範囲に対応した画像データを切り出すラスタライズの処理については省略している。
【0081】
プリンタドライバが起動されるのは通常は印刷時であるが、意図的に色修正データを生成させるために起動することがあり、これは色修正データを一度クリアして新たに作り直すという処理になる。ステップS310ではクリアのために起動されたのかを判断し、そうである場合にはステップS320にて色修正ルックアップテーブルを消去する。
【0082】
一方、印刷のために起動された場合には、ステップS310の判断を経てステップS320にて色修正ルックアップテーブルが存在しているかを判断する。インストールプログラムで色修正ルックアップテーブルなどを作成したならば印刷前に色修正データが作成されていることになる。しかし、インストールプログラムが色修正ルックアップテーブルを作成していない場合には印刷時に色修正データが作成されていないことになってしまうので、ステップS340にて上述した偏差取得のサブルーチンを実行するとともに、ステップS350にて色修正ルックアップテーブルを作成し、ステップS360にて色変換ルックアップテーブルを作成する。ステップS350とステップS360の処理はそれぞれステップS130とステップS140の処理と同じで構わない。
【0083】
このようにして色修正ルックアップテーブルの有無によって色修正データの有無を判断でき、印刷前には必ず色修正データを生成させておくことができる。従って、ステップS330〜ステップS360の処理が色修正データ生成手段を構成することになる。
【0084】
なお、ステップS310にてクリアであると判断されたときも、ステップS320にて色修正ルックアップテーブルを作成した後でステップS340〜S360の処理を実行して色修正データを作成することになるため、かかるステップS310とステップS320とがクリア手段を構成する。
【0085】
ステップS370では色変換の処理を実行する。この色変換の処理では色変換ルックアップテーブルを使用してRGBからCMYKに色画像データを変換するが、上述したようにして色変換ルックアップテーブルは色修正ルックアップテーブルを含むように書き換えられている。従って、RGBデータに基づいてこの色変換ルックアップテーブルを参照すればプリンタ31の出力特性の偏差を見越した修正とが同時にCMYKへの色空間の変換も行われる。
【0086】
すなわち、このステップS370が色修正手段を構成するといえる。むろん、色変換ルックアップテーブルと色修正ルックアップテーブルとを個別にしておき、色修正ルックアップテーブルを参照するのであれば、その参照処理が色修正手段を構成することになる。
【0087】
なお、プリンタドライバの処理としては、色変換の後のステップS380にて印字ヘッド31aの階調能力にあわせるべく二値化を実行し、ステップS390にて二値化した色画像データをプリンタ31に送って印刷させることになる。
【0088】
次に、上記構成からなる本実施形態の動作を説明する。
【0089】
製造工程においては、三個の印字ヘッドユニット31a1を一組として印字ヘッド31aを組み付ける。印字ヘッド31aが色インクの吐出量を書き込み可能なPROMエリアを備えるものである場合、各印字ヘッドユニット31a1に対してシアン色インクを充填し、25%濃度となるデューティで図12に示すようなベタのパッチを印刷させる。次に、このパッチを濃度計で計測し、同計測した濃度を表すデータを上記PROMエリアに書き込む。むろん、この作業が手順S11,S12に相当する。この後、当該印字ヘッド31aのシアン色インクを洗い流して空にし、プリンタ31を組み上げる。
【0090】
一方、ユーザーの側ではプリンタ31を購入した後、各人のコンピュータシステムなどに接続してプリンタドライバなどをインストールする。すなわち、色修正装置20の適用例である色修正プログラムを記録されたCD−ROMなどの媒体から当該色修正プログラムを読み込み、コンピュータシステムのハードディスク22上にインストールする。
【0091】
このインストールプログラムでは、ステップS110にてプリンタドライバなどの必要ファイルをハードディスク22上にコピーした後、印字ヘッド31aにPROMエリアがあるので有れば、ステップS122にてコンピュータ21はプリンタ31と通信し、プリンタコントローラ31eと印字ヘッドコントローラ31bを介して印字ヘッド31aのPROMエリアに記録されているデータを読み込む。このデータは上述したように実際に計測された濃度を表すデータであり、これが基準値より上回っていたり下回っていた場合にはステップS130にて色修正ルックアップテーブルを作成し、次のステップS140にてこの色修正ルックアップテーブルを使って色変換ルックアップテーブルの値を書き換え、当該インストールプログラムは終了する。従って、この場合はインストール時に色修正データが作成され、画像出力装置であるプリンタ31の画像出力前、すなわち、印刷前に色修正データを作成したことになる。
【0092】
一方、このようにして色変換ルックアップテーブルを書き換えておくことにより、アプリケーションなどから印刷を実行したときにプリンタドライバが起動されると、プリンタドライバは図21に示すステップS370にてこの色画像データ基づいて上記色変換ルックアップテーブルを参照する。この色変換ルックアップテーブルで参照されるCMYKデータにはプリンタ31における出力特性の偏差を見越して既に書き換えられているので、読み出されるCMYKデータは色修正と色変換とを同時に完了したデータとなっており、色修正が実行されたことになる。
【0093】
従って、ステップS380にて二値化し、ステップS390にてプリンタ31に印刷させたときには当該プリンタ31における印刷ヘッドユニット31a1の偏差によって生じるはずの色ずれが生じない。
【0094】
この場合はコンピュータシステムに使用する例であるが、例えば、図8に示すようにかかる色修正システムをカラープリンタ35内に収容している場合にはハードウェアの調整をしなくても、電源をオンにしたときにステップS130,S140に示すような色修正ルックアップテーブルと色変換ルックアップテーブルを作成し入力される色画像データを色修正して印刷するため、元の色に忠実な色で印刷することが可能となる。
【0095】
一方、このように印字ヘッド31aにPROMエリアがないような場合であれば、インストールプログラムにおけるステップS124にて図15に示す偏差取得のサブルーチンが実行され、最初に図16に示すような五つの色偏りパッチを印刷する(ステップS210)ので、この五つの色偏りパッチのうち、最もグレーに近いものを選択してコンピュータシステムに手入力する(ステップS220)。このときに(3)に示すパッチを選択しなかった場合には各要素色間に偏りがあるものと判断され、偏りのある要素色を所定のトーンカーブで修正するために修正レベルを異ならせたグレイスケールパターンを印刷するので(ステップS230)、その中で最もグレイらしいものを選択して同様に手入力する(ステップS240)。
【0096】
この時点でインストールプログラムはどの要素色についてどの程度で修正を掛けてやればプリンタ31における出力特性の偏差を打ち消すことができるかが分かるようになるので、先程と同様にしてかかる情報に基づいて色修正ルックアップテーブルを作成し(ステップS130)、続いて色変換ルックアップテーブルを書き換える(ステップS140)。
【0097】
むろん、かかる偏差取得のサブルーチンは経年変化などによって色のずれを感じるようになった場合や、色のついた紙に印刷したいといった場合にはクリア処理を介してプリンタドライバを実行することにより、ステップS310,S320の処理を経て実行される。
【0098】
このようにして色変換ルックアップテーブルを書き換えておけば、アプリケーションなどから印刷を実行したときにプリンタドライバが起動されると、プリンタドライバのステップS370にて書き換えられた色変換ルックアップテーブルを参照し、色修正と色変換とを同時に行う。そして、この後のステップS380にて二値化し、ステップS390にて印刷させたときには当該プリンタ31における印刷ヘッドユニット31a1の偏差によって生じるはずの色ずれが生じない。
【0099】
むろん、インストールプログラムが上述したように色変換ルックアップテーブルを書き換えない場合には、色修正ルックアップテーブルが作成されていないことになるが、プリンタドライバが初めて起動されたときには色変換の前にステップS330にて色修正ルックアップテーブルがあるか否かを判断し、なければステップS340〜S360にて色修正データを作成することになる。従って、ステップS370の色変換前には確実に色修正データが作成されることになる。
【0100】
このように、プリンタ31における出力特性の偏差を印字ヘッドユニット31a1のPROMエリアに書き込くとともに同PROMエリアを読み込んだり、あるいは所定の偏差取得処理を経て手入力させることにより、上記プリンタ31における出力特性の偏差を取得するとともに、この偏差を打ち消すように色変換すべく色修正ルックアップテーブルを作成して色変換ルックアップテーブルを書き換えておくことにより、この後で色画像データに基づいて印刷を行ったときには既に書き換えられた色変換ルックアップテーブルを参照して偏差を見越した色修正が行われるため、結果として印刷物における色は当該プリンタ31におけるハードウェアに既存した偏差は生じなくなり、忠実に色再現することが可能となる。
【0101】
<他の実施形態>
図22は各印字ヘッドユニット31a1において1ショットで使用される色インクのインク重量とそのクラス分けの対応表を示している。この例では1ショットあたりの色インク量が20.5〜21.0ngであるときを基準として「1」〜「21」のクラス分けを行ない、各クラスをIDと呼んでいる。図から明らかなようにIDが小さいほどインク重量が重いので色インクをたくさん使用しており、逆にIDが大きいほど少しの色インクを使用している。従って、IDが大きい場合にはデータが表す濃度を濃いめにすればずれを打ち消すことになるし、逆にIDが小さい場合は濃度を薄めにすれずれを打ち消すことができるようになる。
【0102】
故に、予め、IDに対応して図23に示すように入力データと出力データとの間で変換される色修正ルックアップテーブルLUT1〜LUT21を用意しておき、この色修正ルックアップテーブルLUT1〜LUT21に従ってデータの変換を行えばずれは解消される。本実施形態においては、予めIDに対応して印刷結果が最もリニアになるトーンカーブのγを実験によって求めてあり、各IDに対応したルックアップテーブルLUT1〜LUT21を生成してある。
【0103】
従って、この例ではプリンタ31の印字ヘッド31aからIDを読み込むだけで色修正ルックアップテーブルLUT1〜LUT21も一義的に決まり、ステップS130を実行することなくステップS140にて色変換ルックアップテーブルを書き換えればよい。
【0104】
また、上述した実施形態においては、色ずれが二つの印字ヘッドユニット31a1の間の機体差によって生じるものであったため、図17に示すように、緑成分と青成分とを固定しつつ赤成分だけについては階調値を変化させれば色ずれを解消させる方向性が分かった。しかしながら、赤成分と緑成分と青成分とがそれぞれ独立した印字ヘッドユニットを備えている場合には単に一つの成分を増減させるだけではグレーを得ることはできない。このような場合の手順を図24に示している。
【0105】
以下、この手順について詳述する。ステップS410では第一段階のテストパターンであるカスタムAパターンを印刷させる。カスタムAパターンを図25および図26に示しており、成分データが少しずつ異なる円形の複数の灰色パッチから構成されている。また、図25は256階調のRGBデータで成分データを表示しており、図26はCMYKデータの%表示で成分データを表示しており、図27はそれを一覧で示している。
【0106】
それぞれの灰色パッチの成分データについては所定の規則性に従って少しずつ変化させてあり、中央の灰色パッチにおいて成分データが均等しており、紙面上方に向かうにつれて赤(R)成分が大きくなるとともに下方に向かうにつれて同赤成分が小さくなり、また、紙面左下方向に向かうにつれて緑(G)成分が大きくなるとともに右上方向に向かうにつれて同緑成分が小さくなり、また、紙面右下方向に向かうにつれて青(B)成分が大きくなるとともに左上方向に向かうにつれて同青成分が小さくなる。すなわち、上方から下方に向かうに方向に要素色たる赤成分の座標軸を設定するとともに、左斜め下方から右斜め上方に向かうに方向に要素色たる緑成分の座標軸を設定するとともに、右斜め下方から左斜め上方に向かうに方向に要素色たる青成分の座標軸を設定し、これらの座標軸によって定まる座標に比例して各成分データが増減している。
【0107】
従って、このカスタムAパターン内において全ての要素色のバランスを一定の範囲内で変化させた全ての組が表示されることになる。むろん、この成分データ通りに色インクが吐出されれば中央のA1の灰色パッチが無彩色に見え、その周縁では要素色のバランスが崩れていずれかの要素色の影響が表れた灰色となるはずである。また、中央から離れるに従ってバランスのずれの量も大きくなっている。
【0108】
しかしながら、印字ヘッドユニットにおけるインク使用量に偏りがある場合には予定通りの量の色インクが吐出されないため、A1の灰色パッチではなく、他の灰色パッチにおいてバランスすることになる。その関係を逆算した対応関係を図22のクラス分けを利用して図28に示している。例えば、A1が無彩色に見えるのであればシアンの色インクの使用量のIDは「11」となり、マゼンタの色インクの使用量のIDは「11」となり、イエローの色インクの使用量のIDは「11」となるのでまさしく均衡していることになるが、C4が無彩色に見えるのであればシアンの色インクの使用量のIDは「11」となり、マゼンタの色インクの使用量のIDは「15」となり、イエローの色インクの使用量のIDは「7」となっていることが分かる。すなわち、イエロー、シアン、マゼンタの順で吐出するインク重量が少しずつ小さくなっており、各要素色間の強弱の偏差が分かる。
【0109】
なお、灰色パッチは中央のA1と、その一回り外のB1〜B6と、さらに一回り外のC1〜C12と、最外周のD1〜D16とから構成されているが、ハードウェアのチェックでは必ずC1〜C12よりも外側にずれないようにしている。それにもかかわらずD1〜D16を印字するのは、無彩色を選択する際に一定の傾向で成分データがずれる複数の灰色パッチにおいて両側の灰色パッチと比較することによって正確に判断できる事実に鑑み、必ず両側に灰色パッチが存在するようにするためである。
【0110】
また、図25および図26に示すカスタムAパターンではそれぞれの灰色パッチについてはCMYの各要素色で印刷するものの、用紙の下部には切取線とともに黒色インクだけで階調値「128」に対するリファレンスパッチを印刷している。灰色パッチがたくさん並ぶと、無彩色であるか否かの判断を付けにくくなる場合がある。特に、紙色や照明の加減によっては分かりにくくなる可能性がある。しかしながら、黒色インクだけで印刷されたリファレンスパッチがあればこれと待避することによって無彩色の基準が確認できるので、灰色パッチの中から無彩色を選択する際の正確度が向上する。
【0111】
ところで、カスタムAパターンで灰色パッチを選択した場合、その強弱の程度も分かった感じもするが、ここで判断された強弱の偏差はあくまでも階調値であれば「128」近辺での偏差に過ぎず、全階調にわたってシアン、マゼンタ、イエローのIDが「11」、「15」、「7」とするのが最適であるとは限らない。
【0112】
従って、ステップS420にてユーザーはカスタムAパターンの中から無彩色と思われる灰色パッチを選択してキーボード23からコンピュータ21に対して入力すると、同コンピュータ21は次のステップS430にて図23に示した色修正ルックアップテーブルLUT1〜LUT21の候補を選択し、ステップS440にて図29に示すカスタムBパターンを印刷する。カスタムBパターンは紙面上横方向に一つの色修正ルックアップテーブルに従って成分データを変化させた灰色パッチを印刷しつつ、紙面上縦方向にその色修正ルックアップテーブルを変化させ、最終的には紙面上に27のグラデーション風のグレイスケールパターンを印刷して構成されている。
【0113】
カスタムAパターンにおいてA1を無彩色として選んだ場合であっても成分データが「128」の近辺においてたまたまバランスが取れただけであり、他の階調値ではわずかにリニアでないこともある。従って、カスタムAパターンで選択された各要素色のIDについて前後プラスマイナス「1」の範囲で三つのIDを候補とし、それぞれを組み合わせた合計27個の色修正ルックアップテーブルを利用して図29に示す成分データを修正し、カスタムBパターンを印刷する。
【0114】
図30はカスタムAパターンにおいてA1を無彩色として選んだ場合であり、完全に理想通りであれば14番目のグレイスケールパターンが全階調にわたって無彩色に見えるはずである。しかしながら、他の階調値のバランスからすると他のグレイスケールパターンの方が全体的に無彩色に見えることもあり得る。また、図31はカスタムAパターンにおいてC4を無彩色として選んだ場合であり、先に得られたIDを基準に27個のグレイスケールパターンの中から全階調にわたって無彩色に見えるものを選択すればよい。選択結果はステップS450にてキーボード23からコンピュータ21に入力され、最終的に選択されたIDに従って図23に示す色修正ルックアップテーブルも決定される。
【0115】
むろん、この場合もステップS130を実行することなくステップS140にて色変換ルックアップテーブルを書き換えればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる色修正システムのブロック図である。
【図2】同色修正装置の具体的ハードウェア・ソフトウェア構成例を示すブロック図である。
【図3】同色修正装置にて偏差を打ち消すことになる画像出力装置としてのカラー印刷装置の概略ブロック図である。
【図4】同カラー印刷装置の他の構成例を示す概略ブロック図である。
【図5】他の画像出力装置としてディスプレイを示す図である。
【図6】他の画像出力装置としてカラーファクシミリを示す図である。
【図7】他の画像出力装置としてカラーコピー機を示す図である。
【図8】他の画像出力装置としてネットワークなどに接続可能なカラー印刷装置を示す図である。
【図9】インストールプログラムのフローチャートである。
【図10】印字ヘッドに偏差を書き込む工場設定の手順書である。
【図11】印刷ヘッドユニットの色インクの吐出量の状況を示す図である。
【図12】濃度計にて計測するパッチを示す図である。
【図13】濃度計にて計測した結果を示す図である。
【図14】図13に示す計測結果に基づいて入出力特性を変換する対応関係を示す図である。
【図15】偏差取得のサブルーチンのフローチャートである。
【図16】要素色間の強弱を判定するための色偏りパッチを示す図である。
【図17】同色偏りパッチを印刷するためのデータを示す図である。
【図18】修正態様を選択するためのグレイスケールパターンを示す図である。
【図19】γ曲線を利用した修正態様と入出力の対応関係を示す図である。
【図20】赤の色成分を相対的に強調修正する場合の入出力の対応関係を示す図である。
【図21】プリンタドライバのフローチャートである。
【図22】プリンタにて吐出する色インクのインク重量とそのクラス分けの対応を示す図である。
【図23】クラス分けに対応した色修正ルックアップテーブルでの入出力の対応関係を示す図である。
【図24】色ずれ調整プログラムのフローチャートである。
【図25】カスタムAパターンをRGBデータの成分データで示す図である。
【図26】カスタムAパターンをCMYKモードの成分データで示す図である。
【図27】カスタムAパターンの成分データの対応関係を示す図である。
【図28】カスタムAパターンで選択される灰色パッチに対応するIDを示す図である。
【図29】カスタムBパターンを構成するグレイスケールパターンを示す図である。
【図30】カスタムAパターンでA1の灰色パッチを選択した場合の色修正ルックアップテーブルの組み合わせを示す図である。
【図31】カスタムAパターンでC4の灰色パッチを選択した場合の色修正ルックアップテーブルの組み合わせを示す図である。
【符号の説明】
10…画像入力装置
11…スキャナ
12…デジタルスチルカメラ
14…ビデオカメラ
20…色修正装置
21…コンピュータ
22…ハードディスク
23…キーボード
24…CD−ROMドライブ
30…画像出力装置
31…プリンタ
31a…印字ヘッド
31a1…印字ヘッドユニット
31b…印字ヘッドコントローラ
31b1…印字ヘッド駆動部
31b2…PROMインターフェイス
31c…印字ヘッド桁移動モータ
31d…紙送りモータ
31e…プリンタコントローラ
32…ディスプレイ
33…カラーファクシミリ機
34…カラーコピー機
35…カラープリンタ
Claims (9)
- 所定の要素色ごとの強弱を表す色画像データに基づいて各要素色ごとに画像出力を行うことによりカラー画像を出力する画像出力装置のための色修正装置であって、上記画像出力装置における各要素色ごとの出力特性の偏差を打ち消すように所定の色修正データに基づいて上記色画像データを色変換する色修正手段と、上記画像出力装置における最初の画像出力前に、要素色間の強弱を判定するための色偏りパッチを印刷し、このパッチの選択の入力に対応した上記画像出力装置における各要素色ごとの強弱のバランスの判定から各要素色間の偏りを判断し、偏りのある要素色を所定のトーンカーブで修正するためにどの程度の強調修正をすべきか判定するためのグレイスケールパターンであってトーンカーブを利用した強調修正を行ったグレイスケールパターンを印刷し、このトーンカーブの選択の入力に対応した上記色修正データを生成する色修正データ生成手段とを具備することを特徴とする色修正装置。
- 上記請求項1に記載の色修正装置において、上記色修正データ生成手段は、上記画像出力装置における各要素色ごとの出力特性の偏差を取得し、同偏差に基づいて色変換のためのデータを生成することを特徴とする色修正装置。
- 上記請求項1または請求項2のいずれかに記載の色修正装置において、上記色修正データ生成手段は、上記色修正手段にて色修正データがないと判断したときに色修正データを生成することを特徴とする色修正装置。
- 上記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の色修正装置において、インストールプログラムの実行過程で、上記色修正データ生成手段を実行させることを特徴とする色修正装置。
- 上記請求項1〜請求項4のいずれかに記載の色修正装置において、既存の色修正データをクリアするクリア手段を備え、当該クリア手段が同色修正データをクリアしたときに上記色修正データ生成手段に色修正データを生成させることを特徴とする色修正装置。
- 上記請求項1〜請求項5のいずれかに記載の色修正装置において、上記画像出力装置は、上記各要素色ごとに備えた記録材を媒体上に付着させてカラー画像を出力する印刷装置であることを特徴とする色修正装置。
- 所定の要素色ごとの強弱を表す色画像データに基づいて各要素色ごとに画像出力を行うことによりカラー画像を出力する画像出力装置のための色修正方法であって、上記画像出力装置における各要素色ごとの出力特性の偏差を打ち消すように所定の色修正データに基づいて上記色画像データを色変換するとともに、上記画像出力装置における最初の画像出力前に、要素色間の強弱を判定するための色偏りパッチを印刷し、このパッチの選択の入力に対応した上記画像出力装置における各要素色ごとの強弱のバランスの判定から各要素色間の偏りを判断し、偏りのある要素色を所定のトーンカーブで修正するためにどの程度の強調修正をすべきか判定するためのグレイスケールパターンであってトーンカーブを利用した強調修正を行ったグレイスケールパターンを印刷し、このトーンカーブの選択の入力に対応した上記色修正データを生成することを特徴とする色修正方法。
- 所定の要素色ごとの強弱を表す色画像データに基づいて各要素色ごとに画像出力を行うことによりカラー画像を出力する画像出力装置のためにコンピュータによって色修正するプログラムを記録した媒体であって、上記画像出力装置における各要素色ごとの出力特性の偏差を打ち消すように所定の色修正データに基づいて上記色画像データを色変換するとともに、上記画像出力装置における最初の画像出力前に、要素色間の強弱を判定するための色偏りパッチを印刷し、このパッチの選択の入力に対応した上記画像出力装置における各要素色ごとの強弱のバランスの判定から各要素色間の偏りを判断し、偏りのある要素色を所定のトーンカーブで修正するためにどの程度の強調修正をすべきか判定するためのグレイスケールパターンであってトーンカーブを利用した強調修正を行ったグレイスケールパターンを印刷し、このトーンカーブの選択の入力に対応した上記色修正データを生成する機能をコンピュータに実現させることを特徴とする色修正プログラムを記録した媒体。
- 所定の要素色ごとの強弱を表す色画像データに基づいて各要素色ごとの記録材を媒体上に付着させてカラー画像を出力するカラー印刷装置であって、各要素色毎の記録材の使用量の偏差を保持し、同使用量の偏差を打ち消すように所定の色修正データに基づいて上記色画像データを色変換するとともに、最初の印刷時に、要素色間の強弱を判定するための色偏りパッチを印刷し、このパッチの選択の入力に対応した上記カラー印刷装置における各要素色ごとの強弱のバランスの判定から各要素色間の偏りを判断し、偏りのある要素色を所定のトーンカーブで修正するためにどの程度の強調修正をすべきか判定するためのグレイスケールパターンであってトーンカーブを利用した強調修正を行ったグレイスケールパターンを印刷し、このトーンカーブの選択の入力に対応した上記色修正データを生成することを特徴とするカラー印刷装置。
Priority Applications (6)
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