JP3560133B2 - 印刷制御方法、印刷制御装置および印刷制御プログラムを記録した媒体 - Google Patents

印刷制御方法、印刷制御装置および印刷制御プログラムを記録した媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷制御方法、印刷制御装置および印刷制御プログラムを記録した媒体に関し、特に、色バランスを調整して印刷させる印刷制御方法、印刷制御装置および印刷制御プログラムを記録した媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンタのようなカラー印刷装置では、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の三色の色インク、あるいはこれにブラック(K)を加えた四色の色インクでカラー画像を印刷する。これらの色インクを吐出する印刷ヘッドは全ての色インクを吐出する一体型のものとすることも可能であるが、歩留まりが悪くなるので複数の印刷ヘッドを色ごとに分けて使用することが多い。一体型の場合は色インクの吐出量は全体的に多いか少ないかの誤差はあるものの各色インク間でのバランスは保持される。しかしながら、複数の印刷ヘッドを使用する場合には印刷ヘッドごとのばらつきによって各色インク間でのバランスが崩れてしまう。
このため、特公平6−79853号公報に示す従来のカラー印刷装置では、印刷ヘッドを駆動する駆動回路ごとに駆動信号を調整可能としておき、この駆動信号を工場などで設定すれば各色インク間でのバランスを保持可能となっている。しかし、かかる構成によっては各カラー印刷装置ごとに工場調整が必要となるので製造工程が増えて煩雑になるという課題がある。
【0003】
かかる課題にかんがみ、本願出願人は特願平9−84230号公報等に示すように、ハードウェアに依存することなく印刷ヘッドに対応した色バランスのずれを解消することが可能な構成を開発するに至った。
上記公報に示されるものにおいては、RGBの強弱バランスを階調値「128」を基準として変化させた複数の灰色パッチからなる第一のテストパターンを印刷し、利用者に無彩色の灰色パッチを選択させてコンピュータに入力させる。本来、色バランスにずれが生じていなければ、RGBの階調値がそれぞれ「128」の灰色パッチが選択されるところ、同ずれが大きい場合には他の灰色パッチが無彩色として選択されることになる。すなわち、利用者に無彩色の灰色パッチを選択させることにより、色バランスのずれが判明することになり、これに基づいて色変換時に修正を加えれば良さそうである。
【0004】
しかし、ここで色バランスを修正したとしても、あくまでもRGBの階調値が「128」付近でたまたま色バランスがとれただけであり、全階調にわたってリニアに色バランスが保たれるとは限らない。そこで、上記選択された灰色パッチにてRGBの階調値をそれぞれ微妙に変化させた27個の灰色パッチを用意するとともに、それぞれの灰色パッチにてRGBの階調値を略均等に変化させたグラデーション風の灰色パッチからなる第二のテストパターンを印刷し、全階調にわたって無彩色に見える灰色パッチを利用者に選択させる。そして、ここで選択された灰色パッチに基づいて色バランスのずれを検知し、最終的に色変換テーブルに修正を加えるように構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の技術においては、次のような課題があった。
第一のテストパターンにおける複数のパッチの中で利用者がいずれのパッチを選択するかは不明であるため、そのパッチ数分に応じて第二のテストパターンを印刷可能でなければならない。ここで、各テストパターンにかかる画像データをコンピュータに記憶しておくものとすると、データ量が多大となって記憶容量を圧迫しかねなかった。
【0006】
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、各要素色の成分データを徐々に変化させた複数のパッチを印刷し、利用者に無彩色のパッチを選択させることにより色バランスのずれを検知して解消する場合に、同複数のパッチを印刷するためのデータ量を削減することが可能な印刷制御方法、印刷制御装置および印刷制御プログラムを記録した媒体の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、画像をドットマトリクス状の各画素として表すとともに、各画素毎に色調を階調表現した印刷データを入力したとき、異なる要素色からなる記録材を付すことにより元画像を印刷するとともに、各要素色の成分データで表現したテスト印刷データの入力に応じて記録材を個別に付して画像を印刷可能であり、かつ、同記録材の使用量に基準量からのずれを生じうる印刷機構を備えた印刷装置に対して、上記印刷データを出力する印刷制御方法であって、各要素色の成分データを上記生じうるずれの程度の範囲で徐々に変化させた複数のパッチを印刷させるために各パッチの画素単位に各要素色の成分データを格納可能な骨格ファイルを予め記憶しておくとともに、上記複数のパッチを構成する各パッチに対応して各要素色の成分データを含むアサインデータを生成し、上記骨格ファイルを読み出すとともに同骨格ファイルの各パッチに該当する画素について上記アサインデータに基づく成分データを格納して上記テスト印刷データを生成し、上記印刷装置に出力することにより上記複数のパッチを印刷させ、この印刷された複数のパッチに基づいて利用者に無彩色のパッチを選択させて入力させることにより各要素色の上記基準量からの偏差を取得し、この取得された偏差に基づいて適正量の記録材が付されるように上記印刷データを修正する構成としてある。
【0008】
上記のように構成した請求項1にかかる発明においては、印刷制御装置と印刷装置からなる印刷システム等に適用されることを前提としており、印刷制御装置は各画素毎に色調を階調表現した印刷データを印刷装置に出力する。一方、印刷制御装置がこの印刷データを出力する印刷装置は、同印刷データを入力したときに、異なる要素色からなる記録材を付すことにより元画像を印刷する印刷機構を備えているが、同記録材の使用量に基準量からのずれが生じうる構成となっている。また、同印刷装置は、各要素色の成分データで表現したテスト印刷データの入力に応じて、記録材を個別に付して画像を印刷することも可能である。
【0009】
各要素色の記録材の使用量にずれが生じて色バランスが崩れている場合には、印刷制御装置は各要素色の成分データを上記生じうるずれの程度の範囲で徐々に変化させた複数のパッチを印刷装置にて印刷させるが、その前提として各パッチの画素単位に各要素色の成分データを格納可能な骨格ファイルを予め記憶させておく。その後、印刷制御装置は、上記複数のパッチを構成する各パッチに対応して各要素色の成分データを含むアサインデータを生成し、上記骨格ファイルを読み出すとともに、同骨格ファイルの各パッチに該当する画素について上記アサインデータに基づく成分データを格納してテスト印刷データを生成する。そして、このテスト印刷データを上記印刷装置に出力する。
【0010】
すると、印刷装置から上記複数のパッチが印刷されるが、このとき、各要素色の記録材は、骨格ファイルに格納された成分データに基づいて個別に付されることになり、本来、上記ずれが生じていなければ各パッチは厳密に成分データ通りに再現される。従って、ここで印刷された複数のパッチにおいて、利用者が無彩色のパッチを選択して印刷制御装置に入力すると、同印刷制御装置は各要素色の上記基準量からの偏差を取得し、その偏差に基づいて適正量の記録材が付されるように印刷データ自体を修正するので、元画像が忠実に再現されて印刷されることになる。
【0011】
すなわち、異なる成分データの組み合わせとなる複数のパッチを順次印刷させる場合などにおいても、印刷制御装置においては骨格ファイルを記憶しておくとともに、各組み合わせに応じたアサインデータを生成し、このアサインデータに基づいて骨格ファイル上で各要素色の成分データを操作すればよい。なお、ここにおける骨格ファイルとは、各パッチの画素単位に各要素色の成分データを格納可能なファイルであり、例えば、CMYKの四色の成分データを使用する場合には各画素単位にかかる四色の成分データを格納することができればよく、具体的なファイル形式等は特に限定されることはない。
【0012】
上記印刷装置に備えられた印刷機構としては、例えば、微少の色インクをピエゾ素子やバブルによって吐出させるインクジェット方式を採用することができ、この場合には要素色等ごとに別々にアセンブリされた印刷ヘッドが使用されることによって記録材の吐出量にずれを生じうると言える。また、駆動回路の個体差によっても与えられる機械的エネルギーに差が生じうる。
さらに、別の例としてトナーを静電気で付着させる電子写真方式を採用してもよく、この場合には個々のドラムの個体差であるとか、駆動回路、あるいは放電ワイヤの機械的配置の差などによって記録材の使用量に差が生じうる。
【0013】
各要素色の成分データを徐々に変化させた複数のパッチをその変化に対応して規則的に配置すると、より正確な無彩色のパッチを選択することが容易になる。そこで、請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の印刷制御方法において、上記複数のパッチを印刷させるにあたり、所定の成分データで表現されるパッチを中心に配置し、この中心から所定角度方向に各要素色を対応させつつ、同中心から外側に向けて、同中心になるパッチにおける各要素色の成分データを徐々に変化させた複数のパッチを印刷させる構成としてある。
【0014】
上記のように構成した請求項2にかかる発明においては、所定の成分データで表現されるパッチを中心に配置し、この中心から所定角度方向に軸をとり、この軸に各要素色を対応させる。そして、軸に対応した要素色にて上記中心からこの軸の一方の側に向けて要素色を増加させるように成分データを徐々に変化させたパッチを規則的に配置するとともに、他方の側に向けて要素色を減少させるように成分データを徐々に変化させたパッチを規則的に配置する。
すなわち、複数のパッチを成分データの変化に対応して規則的に並べて印刷するため、人間の視覚の性質から比較作業を感覚的に理解しやすくすることができる。また、微妙に色バランスが変化し、無彩色のパッチを特定することが難しい場合もあるが、成分データが徐々に変化しているものが隣同士に並んでいることで、この隣同士のパッチの色バランスを比較することができ、無彩色のパッチを選択することが容易になる。ここで、このパッチの配置は各要素色における変化を一体に把握可能であり、比較を容易にする観点から上述した形態を採用しているが、むろん、このような形態に限定されるものではなく、各要素色毎に徐々に成分データを変化させたパッチを一列に配置するものであってもよく、適宜変更可能である。また、上記中心に配置するパッチは、各要素色に基準量にずれが生じていることがあるものの印刷データ上では無彩色と判断されるものであれば良い。
【0015】
無彩色に見えるパッチを選択するにあたっては、比較対象となるリファレンスを背景に印刷しておくと選択が容易になる。そこで、その背景の印刷パターンの一例として、請求項3にかかる発明は、請求項1または請求項2のいずれかに記載の印刷制御方法において、上記印刷装置が墨色の記録材を付して画像を印刷可能である場合に、上記複数のパッチの背景に墨色の横縞で表現されるリファレンスパッチを印刷させる構成としてある。
上記のように構成した請求項3にかかる発明においては、印刷装置が墨色の記録材を付して画像を印刷可能であることが前提であり、かかる場合に複数のパッチの背景に墨色の横縞で表現されるリファレンスパッチを印刷させる。すなわち、この墨色の横縞で表現されるリファレンスパッチは、機体ごとに吐出される墨色の記録材の重量に変化があっても輝度の差が生じにくいのでリファレンスとして好適である。
【0016】
かかるリファレンスパッチを印刷させるには、同リファレンスパッチの墨色画素に対応して墨色の成分データを含むアサインデータを生成し、このアサインデータに基づいて骨格ファイル上の該当画素に同墨色の成分データを格納すればよい。また、別の一例として、請求項4にかかる発明は、請求項3に記載の印刷制御方法において、上記骨格ファイルは、上記リファレンスパッチの墨色画素について予め墨色の成分データを格納している構成としてある。
すなわち、上記リファレンスパッチにおける墨色画素を固定しておき、骨格ファイルに墨色の成分データを埋め込んでおけば、容易に上記のようなリファレンスパッチが印刷されることになる。また、同様の手法を利用して墨色の記録材でタイトルなどを印刷するようにしてもよい。
【0017】
骨格ファイルを読み出すとともに、生成したアサインデータに基づいて同骨格ファイルの各画素の成分データを格納するにあたり、読み出す骨格ファイルとしては、必ずしも一種類である必要はない。その一例として、請求項5にかかる発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の印刷制御方法において、異なるパターンで配置される複数のパッチに対応して複数の骨格ファイルを予め記憶しておくとともに、印刷しようとする複数のパッチのパターンに応じたアサインデータを生成し、上記複数のパッチのパターンに対応する骨格ファイルを読み出すとともに同骨格ファイルの各パッチに該当する画素について上記アサインデータに基づく成分データを格納して上記テスト印刷データを生成する構成としてある。
【0018】
上記のように構成した請求項5にかかる発明においては、異なるパターンで配置された複数のパッチを印刷させることが可能であり、各パターンに対応して予め骨格ファイルを記憶しておく。そして、複数のパッチを印刷させるにあたっては、印刷しようとするパターンに応じたアサインデータを生成するとともに、同パターンに応じた骨格ファイルを読み出し、同骨格ファイルの各パッチに該当する画素について同アサインデータに基づく成分データを格納してテスト印刷データを生成する。例えば、複数の円形パッチを印刷する場合と複数の矩形状パッチを印刷する場合とで予め異なる骨格ファイルを記憶しておき、円形パッチを印刷する場合には、同円形パッチに対応する骨格ファイルを読み出すとともに、これに対応したアサインデータを生成すればよいことになる。
【0019】
アサインデータに基づき骨格ファイル上の各パッチに該当する画素に各要素色の成分データを格納するにあたっては、アサインデータにおける各要素色の成分データがいずれのパッチに該当するかといった対応関係が必要となる。例えば、各要素色の成分データと骨格ファイル上でのアドレスとを対応させたアサインデータを生成し、同アドレスに基づいて骨格ファイル上の画素に対応する成分データを格納するなどの構成としてもよい。また、別の一例として、請求項6にかかる発明は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の印刷制御方法において、上記骨格ファイルにおける上記複数のパッチに該当する画素について各パッチを識別するための所定要素色の成分データで表される識別データを格納しておき、上記複数のパッチを印刷させるための各要素色の成分データを上記識別データに対応させてアサインデータを生成し、上記骨格ファイルを読み込んで上記識別データの格納された画素を検出するとともに、上記アサインデータに基づいて同画素に格納された識別データを対応する各要素色の成分データに置き換えて格納して上記テスト印刷データを生成する構成としてある。
【0020】
上記のように構成した請求項6にかかる発明においては、予め骨格ファイルにおける上記複数のパッチに該当する画素について各パッチを識別するための所定要素色の成分データで表される識別データを格納しておく。そして、各パッチにおける各要素色の成分データと同識別データとを対応させたアサインデータを生成するとともに、上記骨格ファイルを読み込んで上記識別データの格納された画素を検出し、当該画素に格納された識別データを対応する各要素色の成分データに置き換えて格納することによりテスト印刷データを生成する。すなわち、かかる識別データを利用してアサインデータにおける各要素色の成分データがいずれのパッチに該当するかといった対応関係を示していることになる。
【0021】
ここにおける識別データは、要素色の成分データで表現されるとともに、各パッチを識別することが可能なデータであればよい。例えば、上述したCMYKの四色の成分データを使用する場合に、CおよびMの成分データを組み合わせて各パッチを識別可能なデータとすればよい。ここにおいて、CおよびMが256階調で表現されるものとすると、理論的には256×256=65536通りのパッチを識別可能となる。また、より簡易な識別データの一例として、請求項7にかかる発明は、請求項6に記載の印刷制御方法において、上記識別データは、単一要素色の成分データで表される構成としてある。
すなわち、複数の成分データを組み合わせて各パッチを識別するのではなく、単一要素色の成分データで各パッチを識別する。例えば、Cの成分データのみを用いて識別データとする場合などが該当し、これによって骨格ファイルの容量も複数の成分データの組み合わせで表す場合に比べて削減されることになる。
【0022】
このように、画像をドットマトリクス状の各画素として表すとともに、各画素毎に色調を階調表現した印刷データを入力したとき、異なる要素色からなる記録材を付すことにより元画像を印刷するとともに、各要素色の成分データで表現したテスト印刷データの入力に応じて記録材を個別に付して画像を印刷可能であり、かつ、同記録材の使用量に基準量からのずれを生じうる印刷機構を備えた印刷装置に対して、骨格ファイルとアサインデータとを利用して生成したテスト印刷データを出力することにより複数のパッチを印刷させ、利用者の選択結果に応じて印刷データを修正する方法は実体のある装置において実現されるものであり、この手法を取り入れた装置としても機能することは容易に理解できる。
【0023】
このため、請求項8にかかる発明は、画像をドットマトリクス状の各画素として表すとともに、各画素毎に色調を階調表現した印刷データを入力したとき、異なる要素色からなる記録材を付すことにより元画像を印刷するとともに、各要素色の成分データで表現したテスト印刷データの入力に応じて記録材を個別に付して画像を印刷可能であり、かつ、同記録材の使用量に基準量からのずれを生じうる印刷機構を備えた印刷装置に対して、上記印刷データを出力する印刷制御印刷制御装置であって、各要素色の成分データを上記生じうるずれの程度の範囲で徐々に変化させた複数のパッチを印刷させるために各パッチの画素単位に各要素色の成分データを格納可能な骨格ファイルを記憶する骨格ファイル記憶手段と、上記複数のパッチを構成する各パッチに対応して各要素色の成分データを含むアサインデータを生成するアサインデータ生成手段と、上記骨格ファイルを読み出すとともに同骨格ファイルの各パッチに該当する画素について上記アサインデータに基づく成分データを格納して上記テスト印刷データを生成し、上記印刷装置に出力することにより上記複数のパッチを印刷させるテスト印刷データ出力手段と、同印刷された複数のパッチに基づいて利用者に無彩色のパッチを選択させて入力させることにより各要素色の上記基準量からの偏差を取得する偏差取得手段と、同取得された偏差に基づいて適正量の記録材が付されるように上記印刷データを修正する印刷データ修正手段とを備えた構成としてある。
すなわち、必ずしも方法に限らず、その方法を取り込んだ実体のある装置においても有効であることに相違はない。
【0024】
ところで、このような画像をドットマトリクス状の各画素として表すとともに、各画素毎に色調を階調表現した印刷データを入力したとき、異なる要素色からなる記録材を付すことにより元画像を印刷するとともに、各要素色の成分データで表現したテスト印刷データの入力に応じて記録材を個別に付して画像を印刷可能であり、かつ、同記録材の使用量に基準量からのずれを生じうる印刷機構を備えた印刷装置に対して、骨格ファイルとアサインデータとを利用して生成したテスト印刷データを出力することにより複数のパッチを印刷させ、利用者の選択結果に応じて印刷データを修正する方法は、単独で存在する場合もあるし、装置に組み込まれた状態で利用されることもあるなど、発明の思想としてはこれらに限定されるものではなく、各種の態様を含むものである。従って、ソフトウェアであったりハードウェアであったりするなど、適宜変更可能である。
【0025】
発明の思想の具現化例としてソフトウェアとなる場合には、かかるソフトウェアを記録した記録媒体上においても上記の方法は当然に存在し、利用されるといわざるをえない。
その一例として、請求項9にかかる発明は、画像をドットマトリクス状の各画素として表すとともに、各画素毎に色調を階調表現した印刷データを入力したとき、異なる要素色からなる記録材を付すことにより元画像を印刷するとともに、各要素色の成分データで表現したテスト印刷データの入力に応じて記録材を個別に付して画像を印刷可能であり、かつ、同記録材の使用量に基準量からのずれを生じうる印刷機構を備えた印刷装置に対して、上記印刷データを出力する印刷制御プログラムを記録した媒体であって、各要素色の成分データを上記生じうるずれの程度の範囲で徐々に変化させた複数のパッチを印刷させるために各パッチに対応して各要素色の成分データを含むアサインデータを生成し、上記各パッチの画素単位に各要素色の成分データを格納可能な骨格ファイルを所定の記憶媒体から読み出すとともに同骨格ファイルの各パッチに該当する画素について上記アサインデータに基づく成分データを格納して上記テスト印刷データを生成し、上記印刷装置に出力することにより上記複数のパッチを印刷させ、この印刷された複数のパッチに基づいて利用者に無彩色のパッチを選択させて入力させることにより各要素色の上記基準量からの偏差を取得し、この取得された偏差に基づいて適正量の記録材が付されるように上記印刷データを修正する構成としてある。
【0026】
むろん、その記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。また、一次複製品、二次複製品などの複製段階については全く問う余地無く同等である。その他、供給方法として通信回線を利用して行なう場合でも本発明が利用されていることにはかわりない。
さらに、一部がソフトウェアであって、一部がハードウェアで実現されている場合においても発明の思想において全く異なるものではなく、一部を記録媒体上に記憶しておいて必要に応じて適宜読み込まれるような形態のものとしてあってもよい。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、色バランスの調整に利用される複数のパッチを印刷する場合に、予め複数のパッチを印刷させるための骨格ファイルを記憶しておくとともに、各パッチについて各要素色の成分データを含むアサインデータを生成し、同アサインデータに基づいて上記骨格ファイルの該当画素に対応する成分データを格納してテスト印刷データとするため、各種組み合わせの複数のパッチを印刷する場合であっても、その組み合わせに応じたテスト印刷データを記憶しておく必要がなく、予め記憶しておくデータ量を削減することが可能な印刷制御装置を提供することができる。
また、請求項2にかかる発明によれば、各要素色の成分データを徐々に変化させた複数のパッチをその変化に対応して規則的に配置したため、より正確な無彩色のパッチを選択可能となる。
さらに、請求項3にかかる発明によれば、複数のパッチの背景に機体間で輝度の差が生じにくい横縞パターンでのリファレンスパッチを印刷するようにしたため、より正確な無彩色のパッチを選択可能となる。
【0028】
さらに、請求項4にかかる発明によれば、リファレンスパッチの墨色画素について予め墨色の成分データを埋め込んでおくため、リファレンスパッチを容易に印刷することができる。
さらに、請求項5にかかる発明によれば、異なるパターンで配置される複数のパッチを印刷する場合においても、各パターンに対応した骨格ファイルを記憶しておくとともに、印刷しようとする複数のパッチに応じたアサインデータを生成し、対応する骨格ファイルを読み出してテスト印刷データを生成すればよく、データ量を削減することができる。
さらに、請求項6にかかる発明によれば、骨格ファイル上の各パッチに該当する画素と各パッチにおける各要素色の成分データとを所定要素色の識別データで対応させるようにしたため、簡易な処理で骨格ファイルの該当画素に各成分データを格納することができる。
【0029】
さらに、請求項7にかかる発明によれば、識別データを単一要素色の成分データで構成したため、取り扱いが容易となる。
さらに、請求項8にかかる発明によれば、同様にして複数のパッチを印刷させる場合、予め記憶しておくデータ量を削減することが可能な印刷制御装置を提供することができ、請求項9にかかる発明によれば、印刷制御プログラムを記録した媒体を提供することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面にもとづいて本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる印刷制御方法を適用した印刷システムをブロック図により示しており、図2は具体的ハードウェア構成例をブロック図により示している。
図において、画像入力装置10はカラー画像の色画像データを印刷制御装置20へ入力し、同印刷制御装置20は同色画像データについて所定の画像処理を施し、印刷データを生成して印刷装置30に出力する。ここにおいて、色画像データはカラー画像を所定の要素色ごとに色分解しつつその要素色毎に強弱を表したものであり、有彩色であって所定の比で混合したときには灰色に代表される無彩色と黒色とからなる。
【0031】
ここにおいて、画像入力装置10の具体例はスキャナ11やデジタルスチルカメラ12あるいはビデオカメラ14などが該当し、印刷制御装置20の具体例はコンピュータ21とハードディスク22とキーボード23とCD−ROMドライブ24とフロッピーディスクドライブ25とモデム26などからなるコンピュータシステムが該当し、印刷装置30の具体例はプリンタ31等が該当する。なお、モデム26については公衆通信回線に接続され、外部のネットワークに同公衆通信回線を介して接続し、ソフトウェアやデータをダウンロードして導入可能となっている。
【0032】
図3はカラーインクジェット方式のプリンタ31の概略構成を示しており、印字インクとしてシアン(C)、ライトシアン(c)、マゼンタ(M)、ライトマゼンタ(m)、イエロー(Y)、ブラック(K)の六色の色インクを使用するものであり、一列の印字ノズルを有する六つの印字ヘッドユニット31a1にて構成している。このようにして各色ごとに印字ヘッドユニット31a1が独立しているため、各印字ヘッドユニット31a1ごとの機体差によって出力特性にバラツキが生じ、色バランスが崩れる要因になっている。そして、この六つの印字ヘッドユニット31a1からなる印字ヘッド31aの他、この印字ヘッド31aを制御する印字ヘッドコントローラ31bと、当該印字ヘッド31aを桁方向に移動させる印字ヘッド桁移動モータ31cと、印字用紙を行方向に送る紙送りモータ31dと、これらの印字ヘッドコントローラ31bと印字ヘッド桁移動モータ31cと紙送りモータ31dにおける外部機器とのインターフェイスにあたるプリンタコントローラ31eとから構成される。
【0033】
ここで、図4は各印字ヘッドユニット31a1において1ショットで使用される色インクのインク重量とそのIDによるクラス分けの対応表を示している。以下、単にIDと呼ぶときには、各CcMmYに対応するIDのインク重量を指す。図に示すように、IDの範囲は「1」〜「21」であり、中間の「11」が基準値となっている。かかる場合は、1ショットで使用されるインク重量の基準量は、20.0〜20.5ナノグラム(ng)の範囲であることが望まれる。なぜなら、プリンタ31の場合はコンピュータ21内部で利用されるRGBデータに対して上述したCcMmYの色インクを利用して印字することになるが、その際に表色空間が異なるために色変換を実行している。従って、同じ色を保持しつつ変換するためには、CcMmYの印字ヘッドユニット31a1にて1ショットに使用されるインク重量が一定の所定量であることを前提としておりこの使用量が異なると上述した出力特性のバラツキとなり色バランスが崩れることになる。なお、灰色を表現する場合などにおいては、色変換によってKの成分データが混入することもあるため、機体間でKの印字ヘッドについて出力特性のバラツキがある場合、同様の理由から色バランスが崩れることになる。このため、図示していないが、Kのインク重量についても同様にIDによってクラス分けされているものとする。
【0034】
上記インク重量の使用量の差異を小さくすることも可能であるが、印字ヘッドユニット31a1の製造歩留まりを悪化させてしまうこととなる。従って、上記基準量と実際に特定されるIDにおけるインク重量とのずれを印刷制御装置20の印刷データ修正手段がデータの状態で修正することにより、色バランスを向上させることが可能になる。図から明らかなようにIDが小さいほどインク重量が重いので色インクをたくさん使用しており、逆にIDが大きいほど少しの色インクを使用している。従って、IDが大きい場合にはデータが表す濃度を濃いめにすれば色バランスのずれを修正することになるし、逆にIDが小さい場合は濃度を薄めにすれば色バランスを修正することができるようになる。故に、予め、IDに対応して図5に示すように入力データと出力データとの間で変換される関数を用意しておき、この関数に従ってデータの変換を行えば色バランスをとることができる。
【0035】
なお、図5に示す関数はよく知られているγ補正のトーンカーブであり、256階調のRGBデータを前提とすれば、γ曲線はY=255×(X/255)**γ(「**」はべき乗を示す)となる入出力関係を意味しており、γ=1において入出力間で修正を行わず、γ>1において入力に対して出力が弱くなり、γ<1において入力に対して出力が強くなる。
本実施形態においては、予めIDに対応して印刷結果が最もリニアになるトーンカーブのγ値を実験によって求めてあり、各IDに対応したルックアップテーブルLUT1〜LUT21を生成してある。むろん、修正の程度を変えつつ所定の傾向に従って修正するトーンカーブとしては、γ補正に限られる必要はなく、スプライン曲線などの他の手法であっても構わない。
【0036】
本実施形態においては、六色の色インクのそれぞれに印字ヘッドユニット31a1を割り当てているが、図6に示すような同じ印字ヘッドユニット31a2を利用して六色の色インクを使用するような構成としても良い。また、インクジェット方式のカラープリンタ31について説明したが、色インクを吐出させるためにはピエゾ素子によるマイクロポンプ機構を採用しても良いし、インク吐出孔の内側壁面に備えられたヒータによって気泡を発生させ、その膨張圧力でインクを吐出させるようなものであっても構わない。むろん、これら以外の方法で色インクを吐出させるものであっても良いし、あるいは、色インクを吐出させるのではなく、ヒータによってインクリボンに付着した色インクを溶融させて転写する熱転写タイプの印字ヘッドなどについても適用可能である。ただし、この場合はインクリボンごとに印字ヘッドが異なっており、各印字ヘッドごとに機体差が生じているようなものに適用される。
【0037】
また、本実施形態においては、印刷装置30としてカラー印刷可能なプリンタ31を使用しているが、図7に示すカラーファクシミリ機32や、図8に示すカラーコピー機33などに適用可能である。すなわち、カラーファクシミリ機32やカラーコピー機33などにおいても、プリンタ31と同様に色インクやトナーなどの使用量に偏差が生じることがある。さらに、本実施形態においては、プリンタ31に対して色画像データを修正するコンピュータシステムを使用しているが、図9に示すようにカラープリンタ34内にかかる色修正システムを内蔵し、ネットワークなどから供給される色画像データを直に入力して印字するような構成も可能である。
【0038】
一方、印刷制御装置20を構成するコンピュータ21は、図10に示すように、色バランスのずれを判断してプリンタドライバ22aのルックアップテーブルを修正する色バランス調整プログラム22bをハードディスク22に備えており、必要時に実行可能となっている。すなわち、プリンタドライバ22aにおいては、RGB階調データの入力に応じて、色変換モジュール22a1が所定のルックアップテーブルを参照してCcMmYKの成分データに変換した後、二値化モジュール22a2によって二値化データに変換し、スプールファイル生成モジュール22a3によってスプールファイルを作成するという一連の流れで印刷工程が行われるところ、色バランス調整プログラム22bが上記ルックアップテーブルを修正可能となっている。
【0039】
図11は、この色バランス調整プログラム22bの処理手順を概略フローチャートにより示している。同図において、ステップS110では第一段階のテストパターンであるカスタムAパターンを印刷させる。このカスタムAパターンは、図12に示すように、互いに並列に印刷されるカスタムA1パターンおよびカスタムA2パターンとから構成されており、さらに、カスタムA1パターンには図13に示すようなcmYの成分データが少しずつ異なる円形の灰色パッチ「A1」〜「D18」が備えられ、カスタムA2パターンには図14に示すようなCMYの成分データが少しずつ異なる円形の灰色パッチ「A1’」〜「D18’」が備えられている。なお、図13および図14においては、それぞれcmYおよびCMYの成分データを%表示で示しており、図15および図16はそれらを一覧で示している。
【0040】
図13についてみれば、それぞれの灰色パッチのcmYの成分データを所定の規則性に従って少しずつ変化させてあり、中央の灰色パッチA1において、本来的には無彩色に見えるようになっており、紙面上方に向かうにつれて赤(R)成分が大きくなるとともに下方に向かうにつれて同赤成分が小さくなり、また、紙面左下方向に向かうにつれて緑(G)成分が大きくなるとともに右上方向に向かうにつれて同緑成分が小さくなり、また、紙面右下方向に向かうにつれて青(B)成分が大きくなるとともに左上方向に向かうにつれて同青成分が小さくなっている。
【0041】
すなわち、上方から下方に向かう方向に要素色たる赤成分の座標軸を設定するとともに、左斜め下方から右斜め上方に向かう方向に要素色たる緑成分の座標軸を設定するとともに、右斜め下方から左斜め上方に向かう方向に要素色たる青成分の座標軸を設定し、これらの座標軸によって定まる座標に比例して各成分データが増減している。従って、このカスタムA1パターン内において全ての要素色の色バランスを一定の範囲内で変化させた全ての組が表示されることになる。また、カスタムA2パターンにおいては成分データがCMYとなるが、カスタムA1パターンと同様の傾向を示すようにしてある。
【0042】
なお、図13のカスタムA1パターンについて、灰色パッチは中央の「A1」と、その一回り外の「B1」〜「B6」と、さらに一回り外の「C1」〜「C12」と、最外周の「D1」〜「D16」とから構成されているが、ハードウェアのチェックでは必ず「C1」〜「C12」よりも外側にずれないようにしている。それにもかかわらず「D1」〜「D16」を印字するのは、無彩色を選択する際に一定の傾向で成分データがずれる複数の灰色パッチにおいて両側の灰色パッチと比較することによって正確に判断できる事実に鑑み、必ず両側に灰色パッチが存在するようにするためである。むろん、図14のカスタムA2パターンについても同様であることは言うまでもない。
【0043】
印字ヘッドユニット31a1におけるインクの使用量に偏りがある場合には、予定通りの色インクが吐出されないため、灰色パッチ「A1」あるいは「A1’」ではなく、他の灰色パッチにおいて色バランスが正常になる、すなわち、無彩色のパッチとなる。その関係を逆算した対応関係の一例を図17に示している。例えば、カスタムA2パターンにおいて、灰色パッチ「A1’」が無彩色に見えるのであれば、シアンの色インクの使用量のIDは「11」となり、マゼンタの色インクの使用量のIDは「11」となり、イエローの色インクの使用量のIDは「11」となるのでまさしく各要素色の使用量が均衡していることになる。しかし、灰色パッチ「C4」が無彩色に見えるのであれば、シアンの色インクに対する使用量のIDは「11」となり、マゼンタの色インクに対する使用量のIDは「15」となり、イエローの色インクに対する使用量のIDは「7」となっていることが分かる。すなわち、イエロー、シアン、マゼンタの順で吐出するインク重量が少しずつ小さくなっており、各要素色間の実際の吐出量における強弱が分かる。
【0044】
ところで、カスタムAパターンにて灰色パッチがたくさん並ぶと、無彩色であるか否かの判断を付けにくくなる場合がある。このため、図13および図14に示すように、灰色パッチの背景に黒色インクにより所定の輝度を有するとともに機体間で輝度の差が生じにくい横縞パターンのリファレンスパッチを印刷し、この背景と灰色パッチを対比させることによって無彩色を確認しつつ選択させるようにしてある。かかる場合は灰色パッチの中から無彩色のパッチを選択する際の正確度を向上させることが可能である。なお、カスタムA1パターンのリファレンスパッチ「REF1」は、カスタムA2パターンのリファレンスパッチ「REF2」よりも横縞パターンにおける黒色線の線幅を細くし、全体的に淡色の要素色により印刷された灰色パッチと輝度が適合するようにしてある。
【0045】
ここで、上記カスタムAパターンの印刷処理について詳述する。図10において、色バランス調整プログラム22bが起動されると、まずアサインデータ生成モジュール22b1がテキスト形式のアサインデータを生成する。例えば、上述したカスタムAパターンにおいては、灰色パッチ「A1」〜「D18」および「A1’」〜「D18’」について、それぞれ図15の対応関係に示すcmYの成分データおよび図16の対応関係に示すCMYの成分データを生成する。なお、図15および図16における識別データ「tagC」については後に詳述するが、各灰色パッチを識別するためのデータであり、これらもアサインデータとして生成する。従って、本実施形態においては、アサインデータ生成モジュール22b1を実行するソフトウェア構成とハードウェア構成とがアサインデータ生成手段を構成することになる。
【0046】
このようにしてアサインデータが生成されると、次にテストデータ生成モジュール22b2が生成されたアサインデータと、予めハードディスク22に記録しておいたカスタムA(D)パターン用のスケルトンファイル22c1とを読み込み、同アサインデータに基づいてスケルトンファイル22c1上のデータを適宜操作して印刷しようとするテストデータを生成する。このスケルトンファイル22c1は、概略図18に示すように、カスタムAパターンの各パッチに該当する画素について、CcMmYKの成分データを格納可能な骨格ファイルであり、同スケルトンファイル22c1の各灰色パッチに該当する画素については、図19に示すようなCの成分データを予め格納するとともに、リファレンスパッチ「REF1」,「REF2」の黒色線部分についても予めKの成分データを格納してある。むろん、元のスケルトンファイル22c1において灰色パッチ以外の画素にはCの成分データは格納されていないため、Cの成分データを参照すれば各灰色パッチを識別可能となり、この意味においてかかるCの成分データが上述した識別データたる「tagC」となる。従って、本実施形態においては、かかるスケルトンファイル22c1等を記憶するハードディスク22が骨格ファイル記憶手段を構成する。
【0047】
テストデータ生成モジュール22b2は、テストデータを生成するにあたり、スケルトンファイル22c1を主走査方向および副走査方向に走査してCの成分データを検出し、検出したCの成分データを図15および図16に示すアサインデータの対応関係に従ってcmYあるいはCMYの成分データに置き換える。例えば、スケルトンファイル22c1上でC=3の画素を検出した場合、当該画素は灰色パッチ「A1」を構成するため、その成分データを(c,m,Y)=(76,102,33)に置き換える。以降、同様にしてスケルトンファイル22c1上の全画素について処理を行う。
【0048】
そして、このようにしてテストデータの生成が完了したら、次に二値化モジュール22b3が同テストデータを二値化した後、スプールファイル生成モジュール22b4がスプールファイルを生成してハードディスク22の所定領域に格納する。すると、オペレーティングシステムによって同スプールファイルがプリンタ31に転送され、プリンタ31からカスタムAパターンが印刷される結果となる。従って、本実施形態においては、テストデータ生成モジュール22b2、二値化モジュール22b3およびスプールファイル生成モジュール22b4を実行するソフトウェア構成とハードウェア構成によってテスト印刷データ出力手段が構成されている。
【0049】
ところで、本実施形態における色バランス調整プログラム22bにおいては、スケルトンファイル22c1に直接CcMmYKの成分データを格納するようにしているが、かかる構成としたのは次の事由による。すなわち、プリンタドライバ22aのように、RGBの階調データの入力に応じてルックアップテーブルを参照して色変換を行う場合、所要の色インクのみを利用して色変換させることができないためである。例えば、あるRGBの階調データを入力した場合に、cmYあるいはCMYの成分データのみで表現されるとは限らない。
【0050】
そこで、アサインデータ生成モジュール22b1によって所要のRGB階調データからcmYあるいはCMYの成分データを計算してアサインデータを生成し、このアサインデータに基づいてCcMmYKの成分データで表現する。さらに、リファレンスパッチ「REF1」,「REF2」の黒色線部分については、通常、色変換時にインクデューティーの制限がかかるため、所望のドットで表現することができない。そこで、かかる黒色線部分についても予めKの成分データとして格納することにより所望のドットで表現する。なお、カスタムAパターンにおいて、上述したアサインデータは常に一定であるため、予め生成しておいたアサインデータをハードディスク22に格納しておき、必要時に読み出すようにしておいてもよい。
【0051】
以上のようにして、カスタムAパターンが印刷されたら、カスタムA1パターンおよびカスタムA2パターンのそれぞれについて無彩色に見える灰色パッチの記号を利用者に選択させ、ステップS120でキーボード23からコンピュータ21に対して入力させる。
次なるステップS130では、ステップS120で入力された灰色パッチの記号を利用して第二段階のテストパターンであるカスタムB,Cパターンを印刷する。このカスタムB,Cパターンは、図20に示すように、互いに並列に印刷されるカスタムBパターンおよびカスタムCパターンとから構成されており、さらに、カスタムCパターンは、カスタムC1パターンとカスタムC2パターンとから構成されている。
【0052】
ここにおいて、カスタムBパターンは、図21に示すように、黒色インクの成分データについて濃度が少しずつ異なるモノトーンパターンで短冊形に印刷された複数の黒色パッチ「1」〜「11」と、その背景に黒色インクにより印刷された横縞パターンのリファレンスパッチ「REF1」とから構成されている。なお、それぞれの黒色パッチ「1」〜「11」に記載された数字は、Kインクの濃度データを表しており、中央の黒色パッチ「6」を基準として紙面上方に向かうにつれて濃度が薄くなるとともに下方に向かうにつれて同濃度が濃くなっている。
【0053】
一方、カスタムC1パターンおよびカスタムC2パターンは、それぞれ図22に示すように構成されている。同図を参照すると、この場合も同様に複数の短冊形パッチが印刷されていることが分かり、この意味において上述したカスタムBパターンと相違はないが、カスタムC1パターンおよびカスタムC2パターンにおいては、それぞれの短冊形パッチが灰色パッチ「1」〜「11」で構成されることで異なる。
【0054】
すなわち、カスタムC1パターンにおいては、上記カスタムA1パターンにて利用者が選択した灰色パッチの記号に基づき、その灰色パッチと同等の輝度を有する灰色パッチ「6」を配置し、紙面上方に向かうにつれて濃度が薄くなるとともに下方に向かうにつれて同濃度が濃くなるようにcmYの各成分データを略均等に変化させて印刷してあり、さらに、その背景には黒色インクにより横縞パターンのリファレンスパッチ「REF1」を印刷してある。他方、カスタムC2パターンにおいては、上記カスタムA2パターンにて利用者が選択した灰色パッチの記号に基づき、その灰色パッチと同等の輝度を有する灰色パッチ「6」を配置し、紙面上方に向かうにつれて濃度が薄くなるとともに下方に向かうにつれて同濃度が濃くなるようにCMYの各成分データを略均等に変化させて印刷してあり、さらに、その背景には黒色インクにより横縞パターンのリファレンスパッチ「REF2」を印刷してある。なお、図23および図24は、カスタムA1パターンおよびカスタムA2パターンにてそれぞれ灰色パッチ「B4」および「A1’」を選択した場合において、カスタムC1パターンおよびカスタムC2パターンの各灰色パッチの成分データをそれぞれ表形式により示している。これらの図を参照すると、cmYあるいはCMYの各成分データが灰色パッチ「6」を基準として±20%程度の範囲で略均等に増減していることが分かる。
【0055】
本実施形態においては、かかるカスタムB,Cパターンについても、上述したカスタムAパターンの印刷と同様の手法により行うようにしてある。すなわち、図10において、アサインデータ生成モジュール22b1は、カスタムAパターンにて利用者が選択した灰色パッチの記号に基づいて図23および図24などに示すアサインデータを生成する。その後、テストデータ生成モジュール22b2がそのアサインデータを読み込むとともに、予めハードディスク22に格納しておいたカスタムB,Cパターン用のスケルトンファイル22c2を読み込み、灰色パッチに該当する画素について上記アサインデータに基づくcmYあるいはCMYの成分データに置き換えてテストデータを生成する。
【0056】
むろん、いずれの画素がいずれの灰色パッチに該当するかといった対応関係は、予めスケルトンファイル22c2に上述した「tagC」等の識別データを埋め込んでおくとともに、アサインデータ生成時に成分データに加えてかかる識別データを生成すればよい。なお、カスタムBパターン部分と、リファレンスパッチ「REF1」,「REF2」の黒色線についてはKの成分データによる固定値であるため、これらの該当画素については予めスケルトンファイル22c2にKの成分データを埋め込んでおけばよい。
【0057】
このようにして、カスタムB,Cパターンが印刷されたら、カスタムBパターンについては背景と輝度が一致する黒色パッチの記号を、カスタムC1パターンおよびカスタムC2パターンについては背景と輝度が一致する灰色パッチの記号をそれぞれ利用者に選択させ、ステップS140でキーボード23からコンピュータ21に対して入力させる。
次なるステップS150では、ステップS140で入力された灰色パッチの記号を利用して第三段階のテストパターンであるカスタムDパターンを印刷する。このカスタムDパターンは、図12に示すように互いに並列に印刷されるカスタムD1パターンおよびカスタムD2パターンから構成されている。このカスタムD1パターンおよびカスタムD2パターンにおいては、それぞれ複数の灰色パッチ「A1」〜「D18」および「A1’」〜「D18’」が印刷される点において上述したカスタムA1パターンおよびカスタムA2パターンと同様である。しかし、それぞれの灰色パッチにおけるcmYあるいはCMYの成分データが異なる。
【0058】
すなわち、カスタムD1パターンおよびカスタムD2パターンにおいては、それぞれ上記カスタムC1パターンおよびカスタムC2パターンにて利用者が選択した灰色パッチと同等の灰色パッチを「A1」,「A1’」に配置する。そして、カスタムA1パターンおよびカスタムA2パターンと同様の規則性に従って成分データを変化させるが、このときの変化度合いをより小さくしてある。例えば、図25および図26は、それぞれカスタムC1パターンおよびカスタムC2パターンにて「6」および「3」の灰色パッチを選択した場合におけるカスタムD1パターンおよびカスタムD2パターンの成分データを表形式により示している。ここで、図15と図25、あるいは図16と図26とを比較すると、図25および図26に示す方が各灰色パッチ間における成分データの変化度合いが小さいことが分かる。
【0059】
かかるカスタムDパターンの印刷についても、上述したカスタムAパターンの印刷と同様の手法により行うようにしてある。すなわち、図10において、アサインデータ生成モジュール22b1は、カスタムCパターンにて利用者が選択した灰色パッチの記号に基づいて図25や図26などに示すアサインデータを生成する。その後、テストデータ生成モジュール22b2がそのアサインデータを読み込むとともに、予めハードディスク22に格納しておいたカスタムA(D)パターン用のスケルトンファイル22c1を読み込み、灰色パッチに該当する画素について上記アサインデータに基づくcmYあるいはCMYの成分データに置き換えてテストデータを生成する。
【0060】
このようにして、カスタムDパターンが印刷されたら、カスタムD1パターンおよびカスタムD2パターンのそれぞれについて無彩色に見える灰色パッチの記号を利用者に選択させ、ステップS160でキーボード23からコンピュータ21に対して入力させる。
次なるステップS170では、ステップS140で入力された黒色パッチの記号に該当するKのIDに従って修正用ルックアップテーブルを決定し、プリンタドライバ22aが色変換に使用する色変換用ルックアップテーブルに組み込むべく設定する。これとともに、ステップS160で入力された二つの灰色パッチの記号に該当するCcMmY各色のIDに従って修正用ルックアップテーブルを決定し、同様にプリンタドライバ22aに設定する。
【0061】
すると、プリンタドライバ22a内の色変換モジュール22a1によってRGBの階調データからCcMmYKの成分データへと色変換する際に、各成分毎に修正用ルックアップテーブルを参照し、修正を加えてから本来の色変換ルックアップテーブルを参照して色変換することになり、インク吐出量のバラツキが解消されることになる。むろん、予め色変換用ルックアップテーブルの中身を修正用ルックアップテーブルの内容で書き換えておけば、色変換用ルックアップテーブルを参照するだけで修正と色変換とが実行されることになり、かかる構成に適宜変更してもかまわない。むろん、本実施形態においては、ステップS170にてCcMmYKの各色インクのIDを取得する意味でのソフトウェア構成とハードウェア構成によって偏差取得手段が構成され、このIDに従って修正用ルックアップテーブルを決定し、プリンタドライバ22aに設定する意味でのソフトウェア構成とハードウェア構成によって印刷データ修正手段が構成される。
【0062】
以上のように、本実施形態においては、第一〜第三のテストパターンにて利用者にパッチを選択させることにより、各印字ヘッドごとにインク吐出量のバラツキを検出して修正用ルックアップテーブルを決定する構成としているが、各テストパターンの意味は次のようになる。
まず、第一のテストパターンたるカスタムAパターンにて無彩色の灰色パッチを選択させることにより、CcMmYの各色のインク吐出量のバラツキを大まかに検出する。すると、そのバラツキの程度も分かった感じもするが、その灰色パッチの輝度が最適であるとは限らない。そこで、各色の成分データを略均等に変化させることにより輝度を変化させた第二のテストパターンたるカスタムB,Cパターンを印刷する。
【0063】
ここで、カスタムBパターンにおいては、背景のリファレンスパッチと輝度が一致する黒色パッチを選択させてKインクについてインク吐出量の基準量からの偏差を取得する。また、カスタムCパターンにおいては、背景のリファレンスパッチと輝度の一致する灰色パッチを選択させて輝度合わせを行う。そして、第三のテストパターンにて輝度合わせ後のCcMmYの成分データを基準として各成分データを微妙に変化させた灰色パッチを印刷し、利用者によって再度無彩色の灰色パッチを選択させ、最終的にCcMmYの各色インクについてインク吐出量の基準量からの偏差を取得する。そして、取得したCcMmYKの各色の偏差に基づいてプリンタドライバ22aの色変換テーブルに修正を加えていることになる。
【0064】
ところで、カスタムAパターンにおいて利用者の選択可能な灰色パッチの組み合わせとしては、理論的には37×37=1369通り存在するため、カスタムB,Cパターンにおいても1369通りのパターンを表現可能でなければならない。さらに、カスタムDパターンにおいて表現可能でなければならないパターン数について同様に算出すると、1369×11×11=165649通りとなる。ここで、各パターンに対応して予めテストデータを用意しておくものとすると、データ量が多大となるため得策ではない。
一方、本実施形態において色バランス調整にかかるファイルまたはプログラムは、カスタムA(D)パターン用のスケルトンファイル22c1と、カスタムB,Cパターン用のスケルトンファイル22c2および色バランス調整プログラム22bの三つで済むため、ハードディスク22の記憶容量を圧迫することもない。
【0065】
なお、上述したプリンタドライバ22aや色バランス調整プログラム22bやスケルトンファイル22c1,22c2などはインストールプログラムとともにフロッピーディスクやCD−ROMなどのプログラム記録媒体に記録されて頒布され、コンピュータ21にプリンタ31を接続した後、同フロッピーディスクをフロッピーディスクドライブ25にセットしたり、CD−ROMをCD−ROMドライブ24にセットしてインストールされる。すなわち、セットアップ後、インストールプログラムはアプリケーションとして実行され、プリンタドライバや色変換ルックアップテーブルなどをハードディスク22上に展開することになる。むろん、インストールはかかるフロッピーディスクやCD−ROMなどの具体的な媒体に限らず、モデム26を介して公衆通信回線などを介してインストールすることも可能である。
【0066】
次に、上記構成からなる本実施形態の動作を説明する。
最初にプリンタ31を設置するときや、利用者が色バランスのずれに気づいたような場合、所定の操作手順に従って色バランス調整プログラム22bを実行する。すると、コンピュータ21はステップS110にてプリンタ31に対して図12〜図14で示されるカスタムAパターンを印刷させる。すなわち、色バランス調整プログラム22bのアサインデータ生成モジュール22b1が図15および図16に示すアサインデータを生成し、テストデータ生成モジュール22b2がカスタムA(D)パターン用のスケルトンファイル22c1を読み込むとともに、生成されたアサインデータに基づいてスケルトンファイル22c1上の灰色パッチに該当する画素についてcmYあるいはCMYの成分データに置き換えてテストデータを生成する。
【0067】
その後、二値化モジュール22b3が同テストデータに基づいて二値化し、スプールファイル生成モジュール22b4がハードディスク22の所定領域にスプールファイルを生成する。すると、オペレーティングシステムによって同スプールファイルがプリンタ31に転送され、プリンタ31からカスタムAパターンが印刷される。なお、カスタムAパターンの背景に印刷されるリファレンスパッチ「REF1」,「REF2」の黒色線に該当する画素については、予めスケルトンファイル22c1にKの成分データが埋め込まれているものとする。
このカスタムAパターンにおいて、利用者はそれぞれの灰色パッチを見て要素色の影響のないもの、すなわち無彩色に見える灰色パッチを選択し、ステップS120にてその記号をコンピュータ21に入力する。このとき、カスタムAパターンにおいては灰色パッチの並びと成分データの変化の度合いに規則性があるため、二つ並んだいずれかが無彩色に近いか分かりにくい場合にはその並び方向の直線上にある離れた二つの灰色パッチを比較して中間を選択するといったことも可能である。
【0068】
利用者が灰色パッチの記号を入力すると、コンピュータ21はステップS130にてその記号に基づきプリンタ31に対して図20〜図22などに示すカスタムB,Cパターンを印刷させる。すなわち、アサインデータ生成モジュール22b1は、カスタムAパターンにて利用者が選択した灰色パッチの成分データを基準として図23および図24などに示すアサインデータを生成する。その後、テストデータ生成モジュール22b2がカスタムB,Cパターン用のスケルトンファイル22c2を読み込み、灰色パッチに該当する画素について上記アサインデータに基づくcmYあるいはCMYの成分データに置き換えてテストデータを生成する。そして、同様にしてプリンタ31からカスタムB,Cパターンが印刷される。
【0069】
むろん、いずれの画素がいずれの灰色パッチに該当するかといった対応関係は、予めスケルトンファイル22c2に上述した「tagC」等の識別データを埋め込んでおくとともに、アサインデータ生成時に成分データに加えてかかる識別データを生成すればよい。なお、カスタムBパターン部分と、リファレンスパッチ「REF1」,「REF2」の黒色線の該当画素については予めスケルトンファイル22c2にKの成分データを埋め込んである。
上記カスタムAパターンではcmYあるいはCMYについて、特定の階調値付近での色バランスのみしか判断できなかったが、カスタムB,Cパターンにおいては、色バランスがとれている各要素色の合計輝度を修正することができる。利用者はカスタムBパターンからは背景と輝度の一致する黒色パッチの記号を選択するとともに、カスタムCパターンからは背景と輝度の一致する灰色パッチの記号を選択し、ステップS140にてそれらの記号をコンピュータ21に対して入力する。
【0070】
利用者が黒色パッチおよび灰色パッチの記号を入力すると、コンピュータ21はステップS150にて同灰色パッチの記号に基づきプリンタ31に対して図20に示すカスタムDパターンを印刷させる。すなわち、色バランス調整プログラム22bのアサインデータ生成モジュール22b1が入力された灰色パッチの記号を基準として図25および図26などに示すアサインデータを生成し、テストデータ生成モジュール22b2がカスタムA(D)パターン用のスケルトンファイル22c1を読み込むとともに、生成されたアサインデータに基づいてスケルトンファイル22c1上の灰色パッチに該当する画素についてcmYあるいはCMYの成分データに置き換えてテストデータを生成する。そして、同様にしてプリンタ31からカスタムDパターンが印刷される。
【0071】
ここで、利用者はカスタムDパターンにて無彩色に見える灰色パッチの記号を選択し、ステップS160にてコンピュータ21に対して入力する。このカスタムDパターンにおいては、灰色パッチの並びと成分データの変化度合いに規則性があるとともに、その変化度合いがカスタムAパターンより小さくなっているため、カスタムAパターンにて選択した無彩色の灰色パッチより、より無彩色に近い灰色パッチを選択することが可能になる。そして、コンピュータ21はステップS170でCcMmYKのそれぞれについてIDを決定し、総合的に最も色バランスのとれた修正用ルックアップテーブルを選択し、プリンタドライバ22aに設定する。
従って、プリンタドライバ22aに修正用ルックアップテーブルが設定されれば、画像データを印刷する時に色変換モジュール22a1にてプリンタ31における出力特性の偏差を打ち消すように色変換されることになる。よって、二値化モジュール22a2にて二値化した後、スプールファイル生成モジュール22a3にてスプールファイルを生成して印刷すると、本来のものに忠実に色が再現されるようになる。
【0072】
このように、要素色の成分データが異なる複数の灰色パッチを印刷し、利用者に無彩色の灰色パッチを選択させることにより、各要素色のインク使用量について基準量からの偏差を取得して印刷データを修正する場合に、各灰色パッチの画素について各要素色の成分データを格納可能なスケルトンファイル22c1などを予め記憶しておき、アサインデータ生成モジュール22b1にて各灰色パッチの成分データを含むアサインデータを生成するともに、テストデータ生成モジュール22b2にて同アサインデータに基づいてスケルトンファイル22c1上の該当画素に成分データを格納してテストデータを生成し、このテストデータに基づいて印刷させるようにしたため、各種組み合わせの複数のパッチを印刷する場合であっても、その組み合わせに応じたテストデータを用意しておく必要がなく、予め記憶しておくデータ量を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる印刷制御方法を適用した印刷システムの構成を示す概略ブロック図である。
【図2】同印刷システムの具体的ハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図3】同印刷システムで色ずれを判断することになる印刷装置としてのプリンタの概略ブロック図である。
【図4】同プリンタにて吐出する色インクのインク重量とそのクラス分けの対応を示す図である。
【図5】クラス分けに対応した修正用ルックアップテーブルでの入出力の対応関係を示す図である。
【図6】プリンタの変形例を示す概略ブロック図である。
【図7】他の印刷装置としてカラーファクシミリを示す図である。
【図8】他のカラー画像出力装置としてカラーコピー機を示す図である。
【図9】他のカラー画像出力装置としてネットワークなどに接続可能なカラープリンタを示す図である。
【図10】色バランス調整プログラムの入出力を示す説明図である。
【図11】同色バランス調整プログラムの処理手順を示すフローチャートである。
【図12】カスタムA(D)パターンにおいてパターンの配置を示す図である。
【図13】カスタムA1パターンをcmYモードの成分データで示す図である。
【図14】カスタムA2パターンをCMYモードの成分データで示す図である。
【図15】カスタムA1パターンの成分データの対応関係を示す図である。
【図16】カスタムA2パターンの成分データの対応関係を示す図である。
【図17】カスタムA2パターンで選択される灰色パッチに対応するIDを示す図である。
【図18】スケルトンファイルを説明するための図である。
【図19】カスタムA(D)パターンにて各灰色パッチに付与されたtagCの値を示す図である。
【図20】カスタムB,Cパターンにおいてパターンの配置を示す図である。
【図21】カスタムBパターンを示す図である。
【図22】カスタムCパターンを示す図である。
【図23】カスタムC1パターンにおける成分データの対応関係の一例を示す図である。
【図24】カスタムC2パターンにおける成分データの対応関係の一例を示す図である。
【図25】カスタムD1パターンにおける成分データの対応関係の一例を示す図である。
【図26】カスタムD2パターンにおける成分データの対応関係の一例を示す図である。
【符号の説明】
10…画像入力装置
20…印刷制御装置
21…コンピュータ
22…ハードディスク
22a…プリンタドライバ
22b…色バランス調整プログラム
22c1,c2…スケルトンファイル
23…キーボード
24…CD−ROMドライブ
30…印刷装置
31…プリンタ
32…ディスプレイ
33…カラーコピー機
34…カラープリンタ

Claims (9)

  1. 画像をドットマトリクス状の各画素として表すとともに、各画素毎に色調を階調表現した印刷データを入力したとき、異なる要素色からなる記録材を付すことにより元画像を印刷するとともに、各要素色の成分データで表現したテスト印刷データの入力に応じて記録材を個別に付して画像を印刷可能であり、かつ、同記録材の使用量に基準量からのずれを生じうる印刷機構を備えた印刷装置に対して、上記印刷データを出力する印刷制御方法であって、
    各要素色の成分データを上記生じうるずれの程度の範囲で徐々に変化させた複数のパッチを印刷させるために各パッチの画素単位に各要素色の成分データを格納可能な骨格ファイルを予め記憶しておくとともに、
    上記複数のパッチを構成する各パッチに対応して各要素色の成分データを含むアサインデータを生成し、
    上記骨格ファイルを読み出すとともに同骨格ファイルの各パッチに該当する画素について上記アサインデータに基づく成分データを格納して上記テスト印刷データを生成し、上記印刷装置に出力することにより上記複数のパッチを印刷させ、
    この印刷された複数のパッチに基づいて利用者に無彩色のパッチを選択させて入力させることにより各要素色の上記基準量からの偏差を取得し、
    この取得された偏差に基づいて適正量の記録材が付されるように上記印刷データを修正することを特徴とする印刷制御方法。
  2. 上記請求項1に記載の印刷制御方法において、上記複数のパッチを印刷させるにあたり、所定の成分データで表現されるパッチを中心に配置し、この中心から所定角度方向に各要素色を対応させつつ、同中心から外側に向けて、同中心になるパッチにおける各要素色の成分データを徐々に変化させた複数のパッチを印刷させることを特徴とする印刷制御方法。
  3. 上記請求項1または請求項2のいずれかに記載の印刷制御方法において、上記印刷装置が墨色の記録材を付して画像を印刷可能である場合に、上記複数のパッチの背景に墨色の横縞で表現されるリファレンスパッチを印刷させることを特徴とする印刷制御方法。
  4. 上記請求項3に記載の印刷制御方法において、上記骨格ファイルは、上記リファレンスパッチの墨色画素について予め墨色の成分データを格納していることを特徴とする印刷制御方法。
  5. 上記請求項1〜請求項4のいずれかに記載の印刷制御方法において、異なるパターンで配置される複数のパッチに対応して複数の骨格ファイルを予め記憶しておくとともに、
    印刷しようとする複数のパッチのパターンに応じたアサインデータを生成し、上記複数のパッチのパターンに対応する骨格ファイルを読み出すとともに同骨格ファイルの各パッチに該当する画素について上記アサインデータに基づく成分データを格納して上記テスト印刷データを生成することを特徴とする印刷制御方法。
  6. 上記請求項1〜請求項5のいずれかに記載の印刷制御方法において、上記骨格ファイルにおける上記複数のパッチに該当する画素について各パッチを識別するための所定要素色の成分データで表される識別データを格納しておき、
    上記複数のパッチを印刷させるための各要素色の成分データを上記識別データに対応させてアサインデータを生成し、
    上記骨格ファイルを読み込んで上記識別データの格納された画素を検出するとともに、上記アサインデータに基づいて同画素に格納された識別データを対応する各要素色の成分データに置き換えて格納して上記テスト印刷データを生成することを特徴とする印刷制御方法。
  7. 上記請求項6に記載の印刷制御方法において、上記識別データは、単一要素色の成分データで表されることを特徴とする印刷制御方法。
  8. 画像をドットマトリクス状の各画素として表すとともに、各画素毎に色調を階調表現した印刷データを入力したとき、異なる要素色からなる記録材を付すことにより元画像を印刷するとともに、各要素色の成分データで表現したテスト印刷データの入力に応じて記録材を個別に付して画像を印刷可能であり、かつ、同記録材の使用量に基準量からのずれを生じうる印刷機構を備えた印刷装置に対して、上記印刷データを出力する印刷制御装置であって、
    各要素色の成分データを上記生じうるずれの程度の範囲で徐々に変化させた複数のパッチを印刷させるために各パッチの画素単位に各要素色の成分データを格納可能な骨格ファイルを記憶する骨格ファイル記憶手段と、
    上記複数のパッチを構成する各パッチに対応して各要素色の成分データを含むアサインデータを生成するアサインデータ生成手段と、
    上記骨格ファイルを読み出すとともに同骨格ファイルの各パッチに該当する画素について上記アサインデータに基づく成分データを格納して上記テスト印刷データを生成し、上記印刷装置に出力することにより上記複数のパッチを印刷させるテスト印刷データ出力手段と、
    上記印刷された複数のパッチに基づいて利用者に無彩色のパッチを選択させて入力させることにより各要素色の上記基準量からの偏差を取得する偏差取得手段と、
    上記取得された偏差に基づいて適正量の記録材が付されるように上記印刷データを修正する印刷データ修正手段とを具備することを特徴とする印刷制御装置。
  9. 画像をドットマトリクス状の各画素として表すとともに、各画素毎に色調を階調表現した印刷データを入力したとき、異なる要素色からなる記録材を付すことにより元画像を印刷するとともに、各要素色の成分データで表現したテスト印刷データの入力に応じて記録材を個別に付して画像を印刷可能であり、かつ、同記録材の使用量に基準量からのずれを生じうる印刷機構を備えた印刷装置に対して、上記印刷データを出力する印刷制御プログラムを記録した媒体であって、
    各要素色の成分データを上記生じうるずれの程度の範囲で徐々に変化させた複数のパッチを印刷させるために各パッチに対応して各要素色の成分データを含むアサインデータを生成し、
    上記各パッチの画素単位に各要素色の成分データを格納可能な骨格ファイルを所定の記憶媒体から読み出すとともに同骨格ファイルの各パッチに該当する画素について上記アサインデータに基づく成分データを格納して上記テスト印刷データを生成し、上記印刷装置に出力することにより上記複数のパッチを印刷させ、この印刷された複数のパッチに基づいて利用者に無彩色のパッチを選択させて入力させることにより各要素色の上記基準量からの偏差を取得し、
    この取得された偏差に基づいて適正量の記録材が付されるように上記印刷データを修正することを特徴とする印刷制御プログラムを記録した媒体。
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