JP3611179B2 - 印刷制御方法、印刷制御装置および印刷制御プログラムを記録した媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷制御方法、印刷制御装置および印刷制御プログラムを記録した媒体に関し、特に、色バランスを調整して印刷させる印刷制御方法、印刷制御装置および印刷制御プログラムを記録した媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンタのようなカラー印刷装置では、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)とライトシアン(c),ライトマゼンダ(m)の五色の色インク、あるいはこれにブラック(K)を加えた六色の色インクでカラー画像を印刷する。これらの色インクを吐出する印刷ヘッドは全ての色インクを吐出する一体型のものとすることも可能であるが、歩留まりが悪くなるので複数の印刷ヘッドを色ごとに分けて使用することが多い。上述した一体型の場合は色インクの吐出量は全体的に多いか少ないかの誤差はあるものの各色インク間でのバランスは保持される。しかしながら、複数の印刷ヘッドを使用する場合には印刷ヘッドごとのばらつきによって各色インク間でのバランスが崩れてしまう。
このため、特公平6−79853号公報に示す従来のカラー印刷装置では、印刷ヘッドを駆動する駆動回路ごとに駆動信号を調整可能としておき、この駆動信号を工場などで設定すれば各色インク間でのバランスを保持可能となっている。しかし、この場合においても、イエロー(Y)には濃淡がないことから、シアン(C)とライトシアン(c)を混合するとともにマゼンダ(M)とライトマゼンダ(m)を混合し、イエロー(Y)とこれら二つの混合色からなる三色の色インクにて各色インク間のバランスを調整していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のものにおいては、各カラー印刷装置ごとに工場調整が必要となるので製造工程が増えて煩雑になるとともに、混合色においては概略色バランスを調整することができるものの、シアン(C),ライトシアン(c)またはマゼンダ(M),ライトマゼンダ(m)の単色では微妙に色バランスがずれてしまうという課題がある。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、ハードウェアに依存することなく印刷ヘッドに対応した色バランスのずれを解消するとともに、濃淡色ごとに色バランスを調整することが可能な印刷制御方法、印刷制御装置および印刷制御プログラムを記録した媒体の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、画像をドットマトリクス状の各画素として表すとともに、濃色と淡色とを有する要素色からなる記録材を使用して各画素を表現して元画像を再現するにあたり、同記録材の使用量に基準量からのずれを生じうる印刷機構における印刷を制御する印刷制御方法であって、複数の要素色を略均等に使用して無彩色となる組み合わせを選択することにより上記濃色と上記淡色とのそれぞれについて、各要素色の基準量からのずれ量を個別に取得する個別ずれ量取得工程と、上記濃色と上記淡色とのそれぞれについて取得したずれ量に基づいて上記基準量からの偏差を打ち消すような修正量を生成し、これに基づいて上記印刷機構における記録材の使用量を修正する制御を行なう制御工程とを具備する構成としてある。
【0005】
上記のように構成した請求項1にかかる発明において、印刷機構の印刷動作を制御する印刷制御方法では、同印刷機構に対して画像をドットマトリクス状の各画素として表すとともに、各画素ごとに濃さの異なる要素色を各画素ごとに階調表現した印刷データを出力して同印刷機構を制御している。一方、同印刷制御方法によって印刷データを出力する前提とする印刷装置は、同印刷データを入力したときに所定の記録媒体に対して上記要素色に対応した記録材のドットを付してドットマトリクス状の元画像を再現している。そして、このようにドットを付すにあたって複数の印刷機構を備え、各印刷機構においては記録材の使用量に基準量からのずれが生じ、再現する元画像の色バランスがずれてしまうようになっているものとする。
【0006】
ここで、個別ずれ量取得工程は、複数の要素色を略均等に使用することにより複数の有彩色の選択対象を印刷させ、この選択対象から無彩色となるものを選択し、この無彩色における記録材の実際の使用量と無彩色を表現する理論上の使用量、すなわち、基準量とのずれ量を取得する。かかる場合、同ずれ量は各要素色についてその濃さごとに個別に取得する。そして、制御工程は、個別の濃さごとに取得した同ずれ量に基づいて全体の再現性を適正化させるための修正量を生成するとともに、この修正量に基づいて印刷機構における記録材の使用量を修正する制御を行い色バランスのずれが解消されうる印刷データを印刷装置に出力することが可能になっている。
すなわち、濃淡色を有する要素色のずれ量を個別に取得し、これらのずれ量に基づいて印刷データを修正するため濃淡ある要素色についての個別に色バランスを調整することができる。
【0007】
このような印刷制御方法が利用される印刷装置は、記録媒体に対して濃さの異なる要素色からなる記録材のドットを付して元画像を再現するにあたり、ドットを付す記録材の使用量に基準量からのずれを生じうる複数の印刷機構を備えていることが前提となっている。すなわち、各印刷機構が使用する記録材の使用量が基準量からずれるがために色バランスがずれるのであり、使用する記録材の色バランスを調整するために印刷制御方法が利用される。このような印刷機構としては、微少の色インクをピエゾ素子やバブルによって吐出させるインクジェットプリンタであってもよく、その場合には要素色等ごとに別々にアセンブリされた印刷ヘッドが使用されることによって記録材の吐出量にずれを生じうると言える。また、その場合には駆動回路の個体差によっても与えられる機械的エネルギーに差が生じ得る。さらに、別の例としてトナーを静電気で付着させる電子写真方式のプリンタであっても良く、その場合には個々のドラムの個体差であるとか、駆動回路、あるいは放電ワイヤの機械的配置の差などによって記録材の使用量に差が生じ得る。なお、印刷データについては、色分解した濃さの異なる要素色の構成であってもよいし、各画素の階調表現の表現手法などについても特に限定されるものではない。
【0008】
ここで、上記要素色は濃さの異なるものもあれば、単一の濃さからなる要素色もある。このとき、濃さの異なるものも単一の濃さのものも略均等に使用し無彩色の組み合わせを選択しつつずれ量を取得するため、上記単一の濃さの要素色については濃さの異なる要素色に対応する複数のずれ量を取得してしまうことになる。従って、上記修正量を一意に生成することができない。そこで、請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の印刷制御方法において、上記要素色は、単一の濃さの要素色を有し、上記個別ずれ量取得工程は、上記単一の濃さの要素色について、上記濃色に対応させて上記基準量からのずれ量を取得する工程と、上記淡色に対応させて上記基準量からのずれ量を取得する工程とを含み、上記制御工程は、上記単一の濃さの要素色について取得した複数の上記ずれ量の平均量に基づいて上記修正量を生成する工程を含む構成としてある。
上記のように構成した請求項2にかかる発明において、濃さの異ならない共通色の要素色については、個別ずれ量取得工程において濃さの異なる要素色に対応して複数のずれ量を取得する。そして、制御工程は同複数のずれ量の平均量を算出し、この平均ずれ量に基づいて修正量を生成する。
【0009】
上記個別ずれ量取得工程にて複数の要素色を略均等に使用して無彩色の組み合わせを選択する手法は多種多様ある。そこで視覚的にも簡易に無彩色の組み合わせを選択することが可能な一手法として、請求項3にかかる発明は、請求項1または請求項2のいずれかに記載の印刷制御方法において、上記個別ずれ量取得工程は、複数の要素色を略均等に使用しつつ各要素色について上記ずれが生じうる程度で徐々に階調を変化させた複数のパッチを印刷させるとともに、同パッチから無彩色の組み合わせを選択する構成としてある。
上記のように構成した請求項3にかかる発明において、無彩色の組み合わせを選択する場合は、個別ずれ量取得工程にて複数の要素色を略均等に使用しつつ各要素色について上記ずれが生じうる程度で徐々に階調を変化させた複数のパッチを印刷させる。そして、同複数のパッチから無彩色の組み合わせを選択する。このように、各要素色の階調を徐々に変化させた複数の組み合わせのパッチを印刷すると、パッチ同士を比較することにより無彩色のパッチを選択し易くなる。
【0010】
さらに、各要素色の階調を徐々に変化させた複数の組み合わせのパッチをその変化に対応して規則的に配置すると、より正確な無彩色のパッチを選択することが容易になる。そこで、請求項4にかかる発明は、請求項3に記載の印刷制御方法において、上記パッチは、所定の階調のパッチを中心に配置し、この中心から所定角度方向に各要素色を対応させつつ、同中心から外側に向けて、同中心になるパッチにおける各要素色の階調を徐々に変化させた複数の組み合わせのパッチを同変化に対応して規則的に配置するように印刷する構成としてある。
上記のように構成した請求項4にかかる発明において、所定の階調のパッチを中心に配置し、この中心から所定角度方向に軸をとり、この軸に各要素色を対応させる。そして、軸に対応した要素色にて上記中心からこの軸の一方の側に向けて要素色を増加させるように階調を徐々に変化させたパッチを規則的に配置するとともに、他方の側に向けて要素色を減少させるように階調を徐々に変化させたパッチを規則的に配置する。
【0011】
このように、複数のパッチを階調の変化に対応して規則的に並べて印刷するため、人間の視覚の性質から比較作業を感覚的に理解しやすくすることができる。また、微妙に色バランスが変化し、無彩色のパッチを特定することが難しい場合もあるが、階調が徐々に変化しているものが隣同士に並んでいることで、この隣同士のパッチの色バランスを比較することができ、無彩色のパッチを選択することが容易になる。ここで、このパッチの配置は各要素色における変化を一体に把握可能であり、比較を容易にする観点から上述した形態を採用しているが、むろん、このような形態に限定されるものではなく、各要素色ごとに徐々に階調を変化させたパッチを一列に配置するものであってもよく、特に、限られるものではない。また、上記中心に配置する所定階調のパッチは各要素色に基準量にずれが生じていることがあるものの理論上では無彩色と判断されるものであれば良い。
【0012】
上述したように複数の要素色を略均等に使用して無彩色を形成するパッチを選択し、このパッチを表現するために使用される各要素色の使用量から基準量とのずれ量を取得することが可能になる。しかし、このように色バランスがとれた無彩色の組み合わせを特定できたとしても、この無彩色を構成する濃度が基準からずれている場合がある。そこで、請求項5にかかる発明は、請求項3に記載の印刷制御方法において、上記個別ずれ量取得工程は、選択した無彩色の濃度を徐々に変化させ、所定の輝度と一致する濃度を選択することにより同無彩色の輝度合わせを行う構成としてある。
上記のように構成した請求項5にかかる発明において、個別ずれ量取得工程は基準となる所定の輝度を特定し、選択した無彩色の濃度を徐々に変化させ、同所定の輝度と一致する濃度を選択することにより同無彩色の濃度の基準を取得する輝度合わせを行うことが可能になる。
【0013】
このように色バランスがとれている無彩色の輝度を合わせたことにより、無彩色の各要素色の階調が相対的にずれてしまうことがある。ここで、再度、この輝度合わせを完了した無彩色を基準にして色バランスの調整を行うとより正確な色バランスを取得することが可能になる。そこで、請求項6にかかる発明は、請求項5に記載の印刷制御方法において、上記個別ずれ量取得工程は、上記輝度合わせを行った無彩色の各要素色について上記ずれが生じうる程度で徐々に階調を変化させた複数のパッチを印刷させるとともに、同パッチから無彩色の組み合わせを選択する構成としてある。
上記のように構成した請求項6にかかる発明において、個別ずれ量取得工程は、輝度合わせを行った無彩色の各要素色を上記ずれが生じうる程度で徐々に階調を変化させた複数のパッチを印刷させる。そして、この複数のパッチから無彩色の組み合わせを選択することのより、輝度合わせの前に行った無彩色の選択による色バランスの調整より正確な色バランスの調整を行うことができることになる。
【0014】
この色バランスの調整は制御工程において無彩色のパッチを表現するために使用される各要素色の使用量に基準量とのずれ量を加味した修正量を生成し、この修正量によって印刷機構を制御することにより実施される。ここで、この修正量を生成する手法は、多種の方法が考えられるが、簡易で容易に修正量を生成することが可能な手法の一例として、請求項7にかかる発明は、請求項3および請求項6のいずれかに記載の印刷制御方法において、上記制御工程は、上記輝度合わせの前後にて選択した無彩色のパッチの各要素色の階調の比を傾きに有する一次関数を算出するとともに、同一次関数に従って上記使用量に応じた修正量を逐次生成する構成としてある。
上記のように構成した請求項7にかかる発明において、制御工程は、輝度合わせの前に複数のパッチから選択した無彩色のパッチを形成する各要素色の階調を取得するとともに、輝度合わせ後に複数のパッチから選択した無彩色のパッチの各要素色の階調を取得する。そして、これらの階調から修正量の生成に使用する修正パラメータを決定する。具合的には、輝度合わせ後の階調を輝度合わせ前の階調で割った比を傾きに有する一次関数を算出する。そして、同一次関数に従って上記使用量に応じた修正量を逐次生成する。
【0015】
無彩色のパッチを選択する場合、選択する基準となるような比較対象がありこの比較対象とパッチを対比しながら無彩色のパッチを選択することができれば正確に無彩色のパッチを選択することができる。そこで、各要素色の階調を徐々に変化させた複数の組み合わせのパッチから無彩色のパッチを選択するのに好適な比較対象として、請求項8にかかる発明は、請求項3〜請求項6のいずれかに記載の印刷制御方法において、上記個別ずれ量取得工程は、上記パッチの背景に輝度の差が生じにくいドットパターンのリファレンスパッチを印刷させる構成としてある。
上記のように構成した請求項8にかかる発明において、各要素色の階調を徐々に変化させた複数の組み合わせのパッチを印刷する背景に、所定の輝度を有するとともに、輝度の差が生じにくいドットパターンによるリファレンスパッチを印刷する。そして、このリファレンスパッチと、上記パッチを対比しながら無彩色のパッチを選択することにより、正確であるとともに容易に無彩色のパッチを選択することが可能になる。
【0016】
上述したリファレンスパッチの好適な一例として、請求項9にかかる発明は、請求項8に記載の印刷制御方法において、上記リファレンスパッチは、黒色線と白色線が略均等間隔にて形成される横縞パターンの構成としてある。
上記のように構成した請求項9にかかる発明においては、リファレンスパッチを黒色線と白色線が略均等間隔にて形成される横縞パターンで形成する。このように所定の規則に従って所定の大きさの黒色線と白色線を肉眼で認識可能な所定のパターンで所定の面積比によって構成することにより、輝度のバラツキを発生しないようなリファレンスパッチを実現することが可能になる。
【0017】
また、濃さの異なる要素色について、パッチを利用して個別にずれ量を取得する場合にこの濃さに対応したリファレンスパッチを適用すると、濃さに応じた無彩色を正確に選択することができる。この好適な一例として、請求項10にかかる発明は、請求項9に記載の印刷制御方法において、上記横縞パターンは、要素色の濃さに応じて黒色線の線幅を白色線より相対的に太くしつつ、濃さに応じた所定の輝度の差を設ける構成としてある。
上記のように構成した請求項10にかかる発明においては、濃さが異なる要素色のうち相対的に濃い各要素色の階調を徐々に変化させた複数の組み合わせのパッチを印刷する背景には、黒色線の線幅を白色線の線幅より所定量太くする。これにより、背景の横縞パターンの輝度を低くする。一方、淡い各要素色の階調を徐々に変化させた複数の組み合わせのパッチを印刷する背景には、黒色線の線幅を白色線の線幅と略均等にするか上述した濃いパッチの場合より細くすることにより、背景の横縞パターンの輝度を濃い場合より相対的の高くする。このようにパッチを構成する各要素色の濃さに適合した輝度を有する横縞パターンを背景にすることによって正確な無彩色のパッチを選択し易くする。
【0018】
上述したように制御工程にて実施されるずれ量を加味した修正量の生成は、所定の一次関数に従って逐次行われる。しかし、逐次、同一次関数に従って演算を実行しなければならないため、リアルタイムでの修正の要求に対応し難い場合がある。そこで、請求項11にかかる発明は、請求項1に記載の印刷制御方法において、上記制御工程は、所定のずれ量から使用量を修正量に変換する変換対応を有する変換テーブルを生成し、記録材の使用量に基づいて同変換テーブルを参照して変換結果を取得する構成としてある。
上記のように構成した請求項11にかかる発明において、制御工程は、個別ずれ量取得工程にて取得されたずれ量に基づいて、記録材の使用量の基準量からのずれ量に従って修正量を算出する。ここで、所定の使用量に対応する修正量に変換する変換対応を有する変換テーブルを生成する。以降の修正は、この変換テーブルを利用し、記録材の使用量に基づいて同変換テーブルを参照して変換結果である修正量を取得する。従って、記録材の使用量が決定されると逐次、一次関数の演算を実行して修正量を算出する場合の演算時間を省略することができる。
【0019】
このように、画像をドットマトリクス状の各画素として表すとともに、濃さの異なる要素色からなる記録材を使用して各画素を表現して元画像を再現するにあたり、同記録材の使用量に基準量からのずれを生じうる印刷機構における印刷を制御する手法は必ずしも上述してきた方法に限定されるものではなく、この印刷制御方法を組み込んだ実体のある装置としても機能することは容易に理解できる。
【0020】
このため、請求項12にかかる発明は、画像をドットマトリクス状の各画素として表すとともに、濃色と淡色とを有する要素色からなる記録材を使用して各画素を表現して元画像を再現するにあたり、同記録材の使用量に基準量からのずれを生じうる印刷機構における印刷を制御する印刷制御装置であって、複数の要素色を略均等に使用して無彩色となる組み合わせを選択することにより上記濃色と上記淡色とのそれぞれについて、各要素色の基準量からのずれ量を個別に取得する個別ずれ量取得手段と、上記濃色と上記淡色とのそれぞれについて取得したずれ量に基づいて上記基準量からの偏差を打ち消すような修正量を生成し、これに基づいて上記印刷機構における記録材の使用量を修正する制御を行なう制御手段とを具備する構成としてある。
すなわち、必ずしも方法に限らず、その方法を取り込んだ実体のある装置においても有効であることに相違はない。
【0021】
ところで、このような画像をドットマトリクス状の各画素として表すとともに、濃さの異なる要素色からなる記録材を使用して各画素を表現して元画像を再現するにあたり、同記録材の使用量に基準量からのずれを生じうる印刷機構における印刷を制御する印刷制御装置は単独で存在する場合もあるし、ある機器に組み込まれた状態で利用されることもあるなど、発明の思想としてはこれに限らず、各種の態様を含むものである。従って、ソフトウェアであったりハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。発明の思想の具現化例として画像をドットマトリクス状の各画素として表すとともに、濃さの異なる要素色からなる記録材を使用して各画素を表現して元画像を再現するにあたり、同記録材の使用量に基準量からのずれを生じうる印刷機構における印刷を制御する印刷制御装置のソフトウェアとなる場合には、かかるソフトウェアを記録した記録媒体上においても当然に存在し、利用されるといわざるをえない。
【0022】
その一例として、請求項13にかかる発明は、画像をドットマトリクス状の各画素として表すとともに、濃色と淡色とを有する要素色からなる記録材を使用して各画素を表現して元画像を再現するにあたり、同記録材の使用量に基準量からのずれを生じうる印刷機構における印刷を制御する印刷制御プログラムを記録した媒体であって、複数の要素色を略均等に使用して無彩色となる組み合わせを選択することにより上記濃色と上記淡色とのそれぞれについて、各要素色の基準量からのずれ量を個別に取得する個別ずれ量取得ステップと、上記濃色と上記淡色とのそれぞれについて取得したずれ量に基づいて上記基準量からの偏差を打ち消すような修正量を生成し、これに基づいて上記印刷機構における記録材の使用量を修正する制御を行なう制御ステップとを具備する構成としてある。
【0023】
むろん、その記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。また、一次複製品、二次複製品などの複製段階については全く問う余地無く同等である。その他、供給方法として通信回線を利用して行なう場合でも本発明が利用されていることにはかわりない。
さらに、一部がソフトウェアであって、一部がハードウェアで実現されている場合においても発明の思想において全く異なるものではなく、一部を記録媒体上に記憶しておいて必要に応じて適宜読み込まれるような形態のものとしてあってもよい。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、複数の要素色、特に濃さの異なる要素色を略均等に使用した印刷物から無彩色を形成する要素色の組み合わせを選択することにより、所定の基準量からのずれ量を取得することが可能になるとともに、このずれ量に基づいて再現された元画像の色バランスの調整を実施することが可能な印刷制御方法を提供することができる。
また、請求項2にかかる発明によれば、濃さの異ならない共通色の整合性をとることが可能になる。
さらに、請求項3にかかる発明によれば、簡易な手法により無彩色の組み合わせを選択することが可能になる。
さらに、請求項4にかかる発明によれば、容易に無彩色の組み合わせを選択することが可能になる。
【0025】
さらに、請求項5にかかる発明によれば、色バランスだけではなく、輝度を基準に合わせることが可能になる。
さらに、請求項6にかかる発明によれば、基準に合わせられた輝度を有する無彩色を元にするため、より正確に無彩色となる組み合わせを選択することが可能になる。
さらに、請求項7にかかる発明によれば、修正量を一次関数という簡易な処理で取得することが可能になる。
さらに、請求項8にかかる発明によれば、より容易に無彩色の組み合わせを選択することが可能になる。
【0026】
さらに、請求項9にかかる発明によれば、簡易な構成によりリファレンスパッチを形成することが可能になる。
さらに、請求項10にかかる発明によれば、簡易な構成により要素色の濃さに応じたリファレンスパッチを形成することが可能になる。
さらに、請求項11にかかる発明によれば、修正量の生成に変換テーブルを利用することにより記録材の使用量の修正を高速にすることが可能になる。
さらに、請求項12にかかる発明によれば、複数の要素色、特に濃さの異なる要素色を略均等に使用した印刷物から無彩色を形成する要素色の組み合わせを選択することにより、所定の基準量からのずれ量を取得することが可能になるとともに、このずれ量に基づいて再現された元画像の色バランスの調整を実施することが可能な印刷制御装置を提供することができる。
さらに、請求項13にかかる発明によれば、複数の要素色、特に濃さの異なる要素色を略均等に使用した印刷物から無彩色を形成する要素色の組み合わせを選択することにより、所定の基準量からのずれ量を取得することが可能になるとともに、このずれ量に基づいて再現された元画像の色バランスの調整を実施することが可能な印刷制御プログラムを記録した媒体を提供することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面にもとづいて本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる印刷制御方法を適用した画像処理システムをブロック図により示しており、図2は具体的ハードウェア構成例をブロック図により示している。
図において、画像入力装置10はカラー画像の色画像データを画像処理装置20へ入力し、同画像処理装置20は同色画像データについて画像処理する。そして、同画像処理装置20は接続されているカラー画像出力装置30に画像出力データとして出力する。ここにおいて、色画像データはカラー画像を濃淡を有する所定の要素色ごとに色分解しつつその要素色ごとに強弱を表したものであり、有彩色であって所定の比で混合したときには灰色に代表される無彩色と黒色とからなる。すなわち、画像処理装置20が印刷制御装置を構成し、画像出力装置30が印刷機構を構成する。また、画像処理装置20は画像処理を実行する個別ずれ量取得手段C1と同個別ずれ量取得手段C1が取得した画像データの所定のずれ量に従って画像出力装置30の画像出力データを制御する制御手段C2を備えている。
【0028】
ここにおいて、画像入力装置10の具体例はスキャナ11やデジタルスチルカメラ12あるいはビデオカメラ14などが該当し、画像処理装置20の具体例はコンピュータ21とハードディスク22とキーボード23とCD−ROMドライブ24とフロッピーディスクドライブ25とモデム26などからなるコンピュータシステムが該当し、カラー画像出力装置30の具体例はプリンタ31やディスプレイ32等が該当する。ただし、本実施形態においては、これらのカラー画像出力装置30のうちプリンタ31について特に詳細に説明していく。なお、モデム26については公衆通信回線に接続され、外部のネットワークに同公衆通信回線を介して接続し、ソフトウェアやデータをダウンロードして導入可能となっている。
【0029】
図3はカラーインクジェット方式のプリンタ31の概略構成を示しており、印字インクとしてシアン(C)、ライトシアン(c)、マゼンタ(M)、ライトマゼンダ(m)、イエロー(Y)、ブラック(K)の六色の色インクを使用するものであり、一列の印字ノズルを有する六つの印字ヘッドユニット31a1にて構成している。このようにして各色ごとに印字ヘッドユニット31a1が独立しているため、各印字ヘッドユニット31a1ごとの機体差によって出力特性にバラツキが生じ、色バランスが崩れる要因になっている。そして、この六つの印字ヘッドユニット31a1からなる印字ヘッド31aの他、この印字ヘッド31aを制御する印字ヘッドコントローラ31bと、当該印字ヘッド31aを桁方向に移動させる印字ヘッド桁移動モータ31cと、印字用紙を行方向に送る紙送りモータ31dと、これらの印字ヘッドコントローラ31bと印字ヘッド桁移動モータ31cと紙送りモータ31dにおける外部機器とのインターフェイスにあたるプリンタコントローラ31eとから構成される。
【0030】
ここで、図4は各印字ヘッドユニット31a1において1ショットで使用される色インクのインク重量とそのIDによるクラス分けの対応表を示している。以下、単にIDと呼ぶときには、各CcMmYに対応するIDのインク重量を指す。図に示すように、IDの範囲は「1」〜「21」であり、中間の「11」が基準値となっている。かかる場合は、1ショットで使用されるインク重量の基準量は、20.0〜20.5ナノグラム(ng)の範囲であることが望まれる。なぜなら、プリンタ31の場合はコンピュータ21内部で利用されるRGBデータに対して上述したCcMmYの色インクを利用して印字することになるが、その際に表色空間が異なるために色変換を実行している。従って、同じ色を保持しつつ変換するためには、CcMmYの印字ヘッドユニット31a1にて1ショットに使用されるインク重量が一定の所定量であることを前提としておりこの使用量が異なると上述した出力特性のバラツキとなり色バランスが崩れることになる。
【0031】
むろん、製造段階でこの使用量の差異を小さくすることも可能であるが、印字ヘッドユニット31a1の製造歩留まりを悪化させてしまうこととなる。従って、上記基準量と実際に特定されるIDにおけるインク重量とのずれを画像処理装置20の制御手段が印刷データの状態にて修正することにより、色バランスを向上させることが可能になる。図から明らかなようにIDが小さいほどインク重量が重いので色インクをたくさん使用しており、逆にIDが大きいほど少しの色インクを使用している。従って、IDが大きい場合にはデータが表す濃度を濃いめにすれば、色バランスのずれを修正することになるし、逆にIDが小さい場合は濃度を薄めにすれば、色バランスを修正することができるようになる。
【0032】
本実施形態においては、六色の色インクのそれぞれに印字ヘッドユニット31a1を割り当てているが、図5に示すような同じ印字ヘッドユニット31a2を利用して六色の色インクを使用するような構成としても良い。また、本実施形態においてはインクジェット方式のカラープリンタ31について説明したが、色インクを吐出させるためにはピエゾ素子によるマイクロポンプ機構を採用しても良いし、インク吐出孔の内側壁面に備えられたヒータによって気泡を発生させ、その膨張圧力でインクを吐出させるようなものであっても構わない。むろん、これら以外の方法で色インクを吐出させるものであっても良いし、あるいは、色インクを吐出させるのではなく、ヒータによってインクリボンに付着した色インクを溶融させて転写する熱転写タイプの印字ヘッドなどについても適用可能である。ただし、この場合はインクリボンごとに印字ヘッドが異なっており、各印字ヘッドごとに機体差が生じているようなものに適用される。
【0033】
さらに、本実施形態においてはカラー画像出力装置30としてカラー印刷可能なプリンタ31を使用しているが、図6に示すディスプレイ32であるとか、図7に示すカラーファクシミリ機33や、図8に示すカラーコピー機34などに適用可能である。この場合、ディスプレイ32についてはRGBの各陰極線の出力特性に偏差が生じることがあるし、カラーファクシミリ機33やカラーコピー機34などにおいてはプリンタ31と同様に色インクやトナーなどの使用量に偏差が生じることがある。さらに、本実施形態においては、プリンタ31に対して色画像データを修正するコンピュータシステムを使用しているが、図9に示すようにカラープリンタ35内にかかる色バランス調整システムを内蔵し、ネットワークなどから供給される色画像データを直に入力して印字するような構成でも可能である。
【0034】
一方、画像処理装置20を構成するコンピュータ21は、図10〜図11に示すような色バランスのずれを判断してプリンタドライバが備える補正テーブルを変更する色バランス調整プログラムをハードディスク22に備えており、必要時に実行可能となっている。この色バランス調整プログラムでは、濃色の要素色CMYと淡色の要素色cmYについて所定のテストパターンを印刷するとともに、それぞれの色バランス調整を個別に実行している。
図10は濃色の要素色CMYの色バランス調整プログラムの処理内容を示しており、後述するテストパターンを印刷するステップS100,S110,S120と、ユーザーたる作業者が要素色の影響のない無彩色を選択するステップS105,S125と、背景と輝度が一致するテストパターンを選択するS115と、選択結果に応じて補正テーブルを作成するステップS130と、この補正テーブルに従ってプリンタドライバの設定を実行するステップS135とを備えている。
【0035】
以下、これらについて詳述する。ステップS100では第一段階のテストパターンであるカスタムA1パターンを印刷する。ここで、図13はカスタムA1パターンを示しており、CMYの成分データが少しずつ異なる円形の複数の灰色パッチ「A1」〜「D18」から構成されている。また、同図はCMYの成分データを%表示で表示しており、図14はそれを一覧で示している。
図13については、それぞれの灰色パッチのCMYの成分データを所定の規則性に従って少しずつ変化させてあり、中央の灰色パッチにおいて成分データが均等しており、紙面上方に向かうにつれて赤(R)成分が大きくなるとともに下方に向かうにつれて同赤成分が小さくなり、また、紙面左下方向に向かうにつれて緑(G)成分が大きくなるとともに右上方向に向かうにつれて同緑成分が小さくなり、また、紙面右下方向に向かうにつれて青(B)成分が大きくなるとともに左上方向に向かうにつれて同青成分が小さくなっている。
【0036】
すなわち、上方から下方に向かう方向に要素色たる赤成分の座標軸を設定するとともに、左斜め下方から右斜め上方に向かう方向に要素色たる緑成分の座標軸を設定するとともに、右斜め下方から左斜め上方に向かう方向に要素色たる青成分の座標軸を設定し、これらの座標軸によって定まる座標に比例して各成分データが増減している。従って、このカスタムA1パターン内において全ての要素色の色バランスを一定の範囲内で変化させた全ての組が表示されることになる。むろん、このCMYの成分データ通りに色インクが吐出されれば中央のA1の灰色パッチが無彩色に見え、中央から離れるに従って色バランスのずれの量も大きくなっている。従って、その周縁では要素色の色バランスが崩れて、いずれかの要素色の影響が表れた灰色となるはずである。
【0037】
しかしながら、印字ヘッドユニット31a1におけるインクの使用量に偏りがある場合には、予定通りの色インクが吐出されないため、A1の灰色パッチではなく、他の灰色パッチにおいて色バランスが正常になる、すなわち、無彩色のパッチとなる。その関係を逆算した対応関係を図15に示している。例えば、A1が無彩色に見えるのであれば、シアンの色インクの使用量のIDは「11」となり、マゼンタの色インクの使用量のIDは「11」となり、イエローの色インクの使用量のIDは「11」となるのでまさしく各要素色の使用量が均衡していることになるが、C4が無彩色に見えるのであれば、シアンの色インクの使用量のIDは「11」となり、マゼンタの色インクの使用量のIDは「15」となり、イエローの色インクの使用量のIDは「7」となっていることが分かる。すなわち、イエロー、シアン、マゼンタの順で吐出するインク重量が少しずつ小さくなっており、各要素色間の実際の吐出量における強弱が分かる。
【0038】
そして、ステップS105にてユーザーは、カスタムA1パターンの中から無彩色と思われる灰色パッチを選択してキーボード23からコンピュータ21に対して入力する。なお、灰色パッチは中央のA1と、その一回り外のB1〜B6と、さらに一回り外のC1〜C12と、最外周のD1〜D16とから構成されているが、ハードウェアのチェックでは必ずC1〜C12よりも外側にずれないようにしている。それにもかかわらずD1〜D16を印字するのは、無彩色を選択する際に一定の傾向で成分データがずれる複数の灰色パッチにおいて両側の灰色パッチと比較することによって正確に判断できる事実に鑑み、必ず両側に灰色パッチが存在するようにするためである。
【0039】
本実施形態においては、図13に示すカスタムA1パターンにて灰色パッチがたくさん並ぶと、無彩色であるか否かの判断を付けにくくなる場合があるため、この灰色パッチの背景に黒色インクにより所定の輝度を有するとともに輝度の差が生じにくい横縞パターンのリファレンスパッチREF1を印刷し、この背景と灰色パッチを対比させることによって無彩色を確認しつつ選択してもよく、かかる場合は灰色パッチの中から無彩色のパッチを選択する際の正確度を向上させることが可能である。このとき、リファレンスパッチREF1は、所定の手法によって、全体的に濃色の要素色で印刷された灰色パッチと輝度が適合するようにしてある。本実施形態においては、横縞パターンにおける黒色線の線幅を白色線の線幅より太くなるように形成し輝度が適合する手法を採用しているが、印刷された灰色パッチと輝度が適合できればよく、この横縞パターンの形成手法は、特に限定されるものではない。
【0040】
また、本実施形態においては、所定の輝度を有するとともに輝度の差が生じにくい形態として、黒色インクによる所定の間隔を備える横縞パターンの構成を採用しているが、むろん、この構成に限定されるものではなく、別のパターンであってもよい。例えば、所定の規則に従って所定の大きさの黒色インクによる十字形を散りばめた千鳥パターンであってもよい。すなわち、肉眼で認識可能な所定のパターンを所定の面積比によって構成することにより、輝度のバラツキを発生しないようにした形態であればよい。
【0041】
一方、CcMmYKの六色を利用するカラープリンタの場合、カラーモードでは黒色の成分をコンピュータ21の側で制御できない場合が多い。しかしながら、印刷モードによっては黒色を入れないであるとか、白黒で印刷するといったモードの選択が可能である場合があり、図13に示すカスタムA1パターンにおいても灰色パッチの部分では黒色を入れないで要素色だけで印刷し、上記リファレンスパッチREF1の部分を白黒モードとして黒色インクだけで印刷する。従って、カスタムA1パターンを印刷し、その中から要素色の影響を受けない無彩色のパッチを選択させることによって無彩色を形成する各要素色の成分データが判明できるようにするものである。
【0042】
ところで、上述したカスタムA1パターンにて無彩色と感じられる灰色パッチを選択した場合、その無彩色を形成する各要素色の成分データは判明するが、その灰色パッチの輝度が最適であるとは限られない。従って、同コンピュータ21は次のステップS110でステップS105にて取得した各要素色の濃度を徐々に変化させた図16に示す第三段階のテストパターンのカスタムB1パターンを印刷する。
このカスタムB1パターンは、背景に黒色インクにより所定の輝度を有するとともに輝度の差が生じにくい横縞パターンのリファレンスパッチREF11が印刷されるとともに、ステップS105にて取得したCMYの成分データについて濃度が少しずつ異なる短冊形をした複数の灰色パッチ「1」〜「11」とが印刷されている。このとき、リファレンスパッチREF11は、上述したリファレンスパッチREF1と同様に、所定の手法によって全体的に濃色の要素色で印刷された灰色パッチと輝度が適合するようにしてある。本実施形態においては、横縞パターンにおける黒色線の線幅を白色線の線幅より太くなるように形成し、輝度が適合する手法を採用しているが、印刷された灰色パッチと輝度が適合できればよく、この横縞パターンの形成手法は、特に限定されるものではない。
【0043】
また、それぞれの灰色パッチ「1」〜「11」の濃度データについては所定の規則性に従って少しずつ変化させてあり、中央の灰色パッチ「6」において濃度データはステップS105にて取得した成分データにし、紙面上方に向かうにつれて濃度が薄くなるとともに下方に向かうにつれて同濃度が濃くなっている。ここで、ステップS115にてユーザーは、カスタムB1パターンの中から背景と輝度が一致する灰色パッチを選択してキーボード23からコンピュータ21に対して入力する。従って、カスタムB1パターンを印刷することにより、その灰色パッチ「1」〜「11」の中から背景と輝度が一致するものを選択させることによって、ステップS105で選択された無彩色の灰色パッチの各要素色の正確な合計輝度を取得することができる。
【0044】
そして、最後により正確な色バランスがとれた各要素色の成分データの取得を行うために、同コンピュータ21は次のステップS120でステップS115にて取得した各要素色の階調を基準にして第四段階のテストパターンである図示しないカスタムC1パターンを印刷する。このカスタムC1パターンは、形態をカスタムA1パターンと同一とし、カスタムB1パターンにて選択した灰色パッチの成分データを中央の灰色パッチ「A1」に配置し、CMYの成分データが少しずつ異なる円形の複数の灰色パッチ「A2」〜「D18」を印刷する。また、それぞれの灰色パッチ「A1」〜「D18」のCMYの成分データについては所定の規則性に従って少しずつ変化させ、紙面上方に向かうにつれて赤(R)成分が大きくなるとともに下方に向かうにつれて同赤成分が小さくなり、また、紙面左下方向に向かうにつれて緑(G)成分が大きくなるとともに右上方向に向かうにつれて同緑成分が小さくなり、また、紙面右下方向に向かうにつれて青(B)成分が大きくなるとともに左上方向に向かうにつれて同青成分が小さくなっている。
【0045】
すなわち、上方から下方に向かうに方向に要素色たる赤成分の座標軸を設定するとともに、左斜め下方から右斜め上方に向かうに方向に要素色たる緑成分の座標軸を設定するとともに、右斜め下方から左斜め上方に向かうに方向に要素色たる青成分の座標軸を設定し、これらの座標軸によって定まる座標に比例して各成分データが増減している。従って、このカスタムC1パターン内において全ての要素色の色バランスを一定の範囲内で変化させた全ての組が表示されることになる。かかる場合、カスタムA1パターンにおける無彩色の灰色パッチの選択により無彩色の度合いはかなり絞り込まれている。従って、さらにより無彩色の灰色パッチを選択するために、CMYの成分データの規則性のある変化はカスタムA1パターンより変化量を小さくしてあることはいうまでもない。そして、ステップS125にてユーザーは、カスタムC1パターンの中から無彩色と思われる灰色パッチを選択してキーボード23からコンピュータ21に対して入力する。
【0046】
次に、ステップS130にてカスタムA1パターンおよびカスタムC1パターンより選択したパッチのパターン番号に基づいて図17に示す補正パターン指定テーブルより補正パターンの番号を決定する。本実施形態では、カスタムA1パターンでは灰色パッチC4が無彩色として選択され、カスタムC1パターンでは灰色パッチA1が無彩色として選択されたとする。このとき、補正パターン番号は「P11」に決定される。この補正パターン番号が決定されると、図18に示す補正テーブルP11を取得する。このように取得された補正テーブルP11とカスタムB1パターンにより取得した輝度の適合した各要素色の成分データとに基づいて補正テーブルを決定し、プリンタドライバが色変換に使用する色変換用ルックアップテーブルに組み込むべく、同プリンタドライバに設定する。ここで、図19はプリンタドライバのフローチャートを示している。最初に、ラスタライズされた印刷データを入力したら、ステップS210にてRGBデータからCMYKデータへと色変換する。このときに各成分ごとに補正テーブルP11を参照し、修正してから本来の色変換用ルックアップテーブルを参照しても構わないが、予め色変換用ルックアップテーブルの中身を補正テーブルP11の内容で書き換えておけば、色変換用ルックアップテーブルを参照するだけで修正と色変換とが実行されることになる。
【0047】
すなわち、補正テーブルP11を参照してから色変換用ルックアップテーブルを参照する場合であっても、また、書き換えた色変換用ルックアップテーブルを参照する場合であっても、ステップS210の色変換を実施することにより、色画像データは色の同一性を失って変換されることになる。しかし、このように色の同一性を失っているにもかかわらず、そのデータに従って印字ヘッドユニット31a1にて色インクが吐出された場合にはインク使用量の偏差によって元の色を再現することができるようになる。そして、色変換が行われたらステップS220にて256階調から二階調へと二値化し、ステップS230にて印刷することになる。
【0048】
以上のステップS100〜S135の処理により濃色の要素色であるCMYについて色バランスのずれを解消することができる。次に、図11は淡色の要素色を有するcmYの色バランス調整プログラムの処理内容を示している。同図におけるステップS300〜S305の処理内容は、概略、ステップS100〜S135と同様であり、ステップS300にて印刷したカスタムA2パターンから無彩色のパッチを選択するとともに、カスタムB2パターンで輝度を合わせた後にカスタムC2パターンから無彩色のパッチを選択し、これらの選択した無彩色のパターン番号からステップS330にて補正テーブルを決定するものである。ここで、カスタムA2パターン,カスタムB2パターン,カスタムC2パターンの形態は、図13および図16に示すカスタムA1パターンおよびカスタムB1パターンと同一の形態となり、各パッチの配置も同様である。しかし、淡色の要素色による灰色パッチであり、背景の横縞パターンで形成するリファレンスパッチの輝度をこれらの灰色パッチに適合させるため、図13および図16の点線にて囲んだように黒色線と白色線を略均等に配置させたリファレンスパッチREF2,22となるように印刷し、リファレンスパッチREF1,11より輝度が高くなるように形成してある。
【0049】
ここで、図10に示す濃色の要素色CMYによる色バランス調整プログラムを実行するとともに、図11に示す淡色の要素色cmYにより色バランス調整プログラムを実行すると、両方に共通になっている共通色のYについては、二通りの補正テーブルが決定されることになる。そこで、色バランス調整プログラムは、このYについて図12に示す色バランス統合処理を実行する。最初にステップS400,405にて濃淡色の二つの補正テーブルよりYのテーブルデータを取得する。そして、ステップS410で階調0のデータから順次二つのテーブルデータの平均値を算出してステップS415において新たな補正テーブルを作成する。最後の階調255までの平均値を算出したことをステップS420で判断すると、ステップS425にてこの新たに作成した補正テーブルをプリンタドライバに設定する。従って、図10〜図12に示す色バランス調整プログラムが実行する処理内容が個別ずれ量取得手段C1と制御手段C2を構成する。
【0050】
本実施形態では、濃色についてはカスタムA1パターン,カスタムB1パターンおよびカスタムC1パターンにて取得した無彩色のパッチに基づいて補正テーブルを決定し、淡色についてはカスタムA2パターン,カスタムB2パターンおよびカスタムC2パターンにて取得した無彩色のパッチに基づいて補正テーブルを決定し、これらの補正テーブルに従って入力された印刷データに対する出力する印刷データの修正を実行する手法を採用しているが、このように出力データを修正して適正な画像を再現させる手法は限定されるものではない。
また、カスタムA1パターン,カスタムC1パターンおよびカスタムA2パターン,カスタムC2パターンについては、取得した無彩色を形成する各要素色のIDの組み合わせに対応して図20,21に示すように入力印刷データと出力印刷データとの間で変換される関数を用意しておき、この関数に従ってデータの変換を行う手法を採用してもかまわない。
【0051】
ここで、図20に示す関数は(CcMm)における濃色用の関数と淡色用の関数が個別に用意し、階調が低いときは淡色の(cm)が単独で使用されるとともに、一定区間は濃色淡色(CcMm)が共用され、階調が徐々に高くなると濃色の(CM)が単独で使用されるようにし、放物線状のカーブを有する関数を構成している。
また、濃淡色がない(Y)はについては、図21に示すように、γ補正のトーンカーブを利用した関数を用意する。かかる場合、256階調のRGBデータを前提とすれば、γ曲線はY=255×(X/255)**γとなる入出力関係を意味しており、γ=1において入出力間で修正を行わず、γ>1において入力に対して出力が弱くなり、γ<1において入力に対して出力が強くなる。このとき、予めIDに対応して印刷結果が最もリニアになる放射線状のカーブを有する関数およびトーンカーブを実験によって求めてあり、各IDに対応したルックアップテーブルを生成してある。むろん、修正の程度を変えつつ所定の傾向に従って修正するトーンカーブとしては、γ補正に限られる必要はなく、スプライン曲線などの他の手法であっても構わない。
【0052】
また、カスタムA1パターン,カスタムA2パターンにて取得した無彩色の成分データについて各要素色ごとに成分データの比を算出し、この比を傾きにする一次関数((出力印刷データ)=a*(入力印刷データ)+(定数))をCcMmYごとに決定し、この一次関数に従って入力印刷データに対する出力印刷データの修正を行う手法であってもよい。このとき、傾きaは、(カスタムA1パターンの成分データ)/(カスタムA2パターンの成分データ)となり、図21に示すように、淡色は(0,0)を通る一次関数になり、濃色は(255,255)を通る一次関数になる。かかる場合、図の縦軸,横軸は印刷データを256階調として表したものである。図において、領域αは淡色の(cm)が単独で使用されることを示し、領域βは、濃淡色の(CcMm)が共用されることを示すとともに、領域γは、濃色(CM)が単独で使用されることを示している。また、濃淡色のない(Y)については、濃色で決定された一次関数と、淡色で決定された一次関数の傾きの平均を有する一次関数となる。
【0053】
次に、上記構成からなる本実施形態の動作を説明する。
最初にプリンタを設置するときや、ユーザーが色バランスのずれに気づいたような場合、所定の操作手順に従って図10〜図12に示す色バランス調整のプログラムを実行する。すると、コンピュータ21はステップS110にてプリンタ31に対して図13に示す濃色の成分データを出力してカスタムA1パターンを印刷させるとともに、淡色の成分データを出力してカスタムA2パターンを印刷させる。ユーザーは、カスタムA1パターンおよびカスタムA2パターンにてそれぞれの灰色パッチを見て要素色の影響のないもの、すなわち無彩色に見える灰色パッチを選択し、ステップS105,S305にてコンピュータ21に入力する。このとき、カスタムA1パターン,カスタムA2パターンにおいては灰色パッチの並びと成分データの変化の度合いに規則性があるため、二つ並んだいずれかが無彩色に近いか分かりにくい場合にはその並び方向の直線上にある離れた二つの灰色パッチを比較して中間を選択するといったことも可能である。
【0054】
そして、このカスタムA1パターン,カスタムA2パターンにて選択された無彩色の灰色パッチの輝度を調整する。この輝度の調整は、図16に示すような選択した無彩色の濃度を所定の規則に従って変化させた複数の所定の灰色パッチを備えるカスタムB1パターン,カスタムB2パターンを印刷することにより行う。カスタムA1パターン,カスタムA2パターンではCMYおよびcmYについて階調値として「128」の場合での色バランスだけしか判断できなかったが、このカスタムB1パターン,カスタムB2パターンにおいては、色バランスがとれている濃淡色の各要素色における合計輝度を修正することができる。この選択結果はステップS115,S315にて入力し、より正確な色バランスを取得するためにコンピュータ21は、ステップS120,S320にて入力された灰色パッチに基づいて輝度の適合した各要素色の成分データを規則的に変化させたカスタムC1パターン,カスタムC2パターンを印刷させる。そして、ユーザーはそれぞれの灰色パッチを見て要素色の影響のないもの、すなわち無彩色に見える灰色パッチを選択し、ステップS125,S325にてコンピュータ21に入力する。
【0055】
このとき、カスタムC1パターン,カスタムC2パターンは、灰色パッチの並びと成分データの変化の度合いに規則性があるとともに、この変化の度合いがカスタムA1パターン,カスタムA2パターンより小さくなっているため、カスタムA1パターン,カスタムA2パターンにて選択した無彩色の灰色パッチより、より無彩色に近い灰色パッチを選択することが可能になる。このステップS125,S325の入力によって、濃淡色の要素色において総合的に最も色バランスのとれた補正テーブルを取得することが可能になる。そして、コンピュータ21はステップS135,S335にてプリンタドライバに同補正プテーブルを設定する。従って、プリンタドライバに補正テーブルが設定されれば、画像データを印刷する時に図21に示すステップS210にて色変換するとプリンタ31における出力特性の偏差を打ち消すように色変換されることになるため、ステップS220にて二値化してからステップS230にて印刷すると、本来のものに忠実に色が再現されるようになる。
【0056】
なお、上述した色バランス調整プログラムやプリンタドライバなどはインストールプログラムとともにフロッピーディスクやCD−ROMなどのプログラム記録媒体に記録されて頒布され、コンピュータ21にプリンタ31を接続した後、同フロッピーディスクをフロッピーディスクドライブ25にセットしたり、CD−ROMをCD−ROMドライブ24にセットしてインストールされる。すなわち、セットアップ後、インストールプログラムはアプリケーションとして実行され、プリンタドライバや色変換ルックアップテーブルなどをハードディスク22上に展開することになる。むろん、インストールはかかるフロッピーディスクやCD−ROMなどの具体的な媒体に限らず、モデム26を介して公衆通信回線などを介してインストールすることも可能である。
再現されるようになる。
【0057】
このように、濃淡色からなる要素色について、濃色の組み合わせ(CMY)と淡色の組み合わせ(cmY)の色バランスの調整を個別に実施し、これらの調整から各要素色の基準量からの偏差を打ち消すように印刷データを修正すれば、各要素色について元の色に忠実なカラー画像を再現することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる印刷制御方法を適用した画像処理システムのブロック図である。
【図2】同画像処理システムの具体的ハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図3】同画像処理システムで色ずれを判断することになるカラー画像出力装置としてのプリンタの概略ブロック図である。
【図4】同プリンタにて吐出する色インクのインク重量とそのクラス分けの対応を示す図である。
【図5】プリンタの変形例を示す概略ブロック図である。
【図6】他のカラー画像出力装置としてディスプレイを示す図である。
【図7】他のカラー画像出力装置としてカラーファクシミリを示す図である。
【図8】他のカラー画像出力装置としてカラーコピー機を示す図である。
【図9】他のカラー画像出力装置としてネットワークなどに接続可能なカラー印刷装置を示す図である。
【図10】色バランス調整プログラムのフローチャートである。
【図11】色バランス調整プログラムのフローチャートである。
【図12】色バランス調整プログラムのフローチャートである。
【図13】カスタムA1パターンをCMYモードの成分データで示す図である。
【図14】カスタムA1パターンの成分データの対応関係を示す図である。
【図15】カスタムA1パターンで選択される灰色パッチに対応するIDを示す図である。
【図16】カスタムB1パターンを示す図である。
【図17】補正パターン決定テーブルの概略構成を示した図である。
【図18】補正パターン番号に該当する補正テーブルの概略構成を示した図である。
【図19】プリンタドライバのフローチャートである。
【図20】クラス分けに対応した入出力の対応関係を示す図である。
【図21】クラス分けに対応した入出力の対応関係を示す図である。
【図22】成分データより算出した補正一次関数を示した図である。
【図23】成分データより算出した補正一次関数を示した図である。
【符号の説明】
10…画像入力装置
20…画像処理装置(印刷制御装置)
21…コンピュータ
22…ハードディスク
23…キーボード
24…CD−ROMドライブ
30…画像出力装置(印刷機構)
31…プリンタ
32…ディスプレイ
33…カラーファクシミリ機
34…カラーコピー機
35…カラープリンタ
Claims (13)
- 画像をドットマトリクス状の各画素として表すとともに、濃色と淡色とを有する要素色からなる記録材を使用して各画素を表現して元画像を再現するにあたり、同記録材の使用量に基準量からのずれを生じうる印刷機構における印刷を制御する印刷制御方法であって、
複数の要素色を略均等に使用して無彩色となる組み合わせを選択することにより上記濃色と上記淡色とのそれぞれについて、各要素色の基準量からのずれ量を個別に取得する個別ずれ量取得工程と、
上記濃色と上記淡色とのそれぞれについて取得したずれ量に基づいて上記基準量からの偏差を打ち消すような修正量を生成し、これに基づいて上記印刷機構における記録材の使用量を修正する制御を行なう制御工程とを具備することを特徴とする印刷制御方法。 - 上記請求項1に記載の印刷制御方法において、
上記要素色は、単一の濃さの要素色を有し、
上記個別ずれ量取得工程は、上記単一の濃さの要素色について、上記濃色に対応させて上記基準量からのずれ量を取得する工程と、上記淡色に対応させて上記基準量からのずれ量を取得する工程とを含み、
上記制御工程は、上記単一の濃さの要素色について取得した複数の上記ずれ量の平均量に基づいて上記修正量を生成する工程を含むことを特徴とする印刷制御方法。 - 上記請求項1または請求項2のいずれかに記載の印刷制御方法において、
上記個別ずれ量取得工程は、複数の要素色を略均等に使用しつつ各要素色について上記ずれが生じうる程度で徐々に階調を変化させた複数のパッチを印刷させるとともに、同パッチから無彩色の組み合わせを選択することを特徴とする印刷制御方法。 - 上記請求項3に記載の印刷制御方法において、
上記パッチは、所定の階調のパッチを中心に配置し、この中心から所定角度方向に各要素色を対応させつつ、同中心から外側に向けて、同中心になるパッチにおける各要素色の階調を徐々に変化させた複数の組み合わせのパッチを同変化に対応して規則的に配置するように印刷することを特徴とする印刷制御方法。 - 上記請求項3に記載の印刷制御方法において、
上記個別ずれ量取得工程は、選択した無彩色の濃度を徐々に変化させ、所定の輝度と一致する濃度を選択することにより同無彩色の輝度合わせを行うことを特徴とする印刷制御方法。 - 上記請求項5に記載の印刷制御方法において、
上記個別ずれ量取得工程は、上記輝度合わせを行った無彩色の各要素色について上記ずれが生じうる程度で徐々に階調を変化させた複数のパッチを印刷させるとともに、同パッチから無彩色の組み合わせを選択することを特徴とする印刷制御方法。 - 上記請求項3および請求項6のいずれかに記載の印刷制御方法において、
上記制御工程は、上記輝度合わせの前後にて選択した無彩色のパッチの各要素色の階調の比を傾きに有する一次関数を算出するとともに、同一次関数に従って上記使用量に応じた修正量を逐次生成することを特徴とする印刷制御方法。 - 上記請求項3〜請求項6のいずれかに記載の印刷制御方法において、
上記個別ずれ量取得工程は、上記パッチの背景に輝度の差が生じにくいドットパターンのリファレンスパッチを印刷させることを特徴とする印刷制御方法。 - 上記請求項8に記載の印刷制御方法において、
上記リファレンスパッチは、黒色線と白色線が略均等間隔にて形成される横縞パターンであることを特徴とする印刷制御方法。 - 上記請求項9に記載の印刷制御方法において、
上記横縞パターンは、要素色の濃さに応じて黒色線の線幅を白色線より相対的に太くしつつ、濃さに応じた所定の輝度の差を設けることを特徴とする印刷制御方法。 - 上記請求項1に記載の印刷制御方法において、
上記制御工程は、所定のずれ量から使用量を修正量に変換する変換対応を有する変換テーブルを生成し、記録材の使用量に基づいて同変換テーブルを参照して変換結果を取得することことを特徴とする印刷制御方法。 - 画像をドットマトリクス状の各画素として表すとともに、濃色と淡色とを有する要素色からなる記録材を使用して各画素を表現して元画像を再現するにあたり、同記録材の使用量に基準量からのずれを生じうる印刷機構における印刷を制御する印刷制御装置であって、
複数の要素色を略均等に使用して無彩色となる組み合わせを選択することにより上記濃色と上記淡色とのそれぞれについて、各要素色の基準量からのずれ量を個別に取得する個別ずれ量取得手段と、
上記濃色と上記淡色とのそれぞれについて取得したずれ量に基づいて上記基準量からの偏差を打ち消すような修正量を生成し、これに基づいて上記印刷機構における記録材の使用量を修正する制御を行なう制御手段とを具備することを特徴とする印刷制御装置。 - 画像をドットマトリクス状の各画素として表すとともに、濃色と淡色とを有する要素色からなる記録材を使用して各画素を表現して元画像を再現するにあたり、同記録材の使用量に基準量からのずれを生じうる印刷機構における印刷を制御する印刷制御プログラムを記録した媒体であって、
複数の要素色を略均等に使用して無彩色となる組み合わせを選択することにより上記濃色と上記淡色とのそれぞれについて、各要素色の基準量からのずれ量を個別に取得する個別ずれ量取得ステップと、
上記濃色と上記淡色とのそれぞれについて取得したずれ量に基づいて上記基準量からの偏差を打ち消すような修正量を生成し、これに基づいて上記印刷機構における記録材の使用量を修正する制御を行なう制御ステップとを具備することを特徴とする印刷制御プログラムを記録した媒体。
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